説明

センサーシステム、同システムを使用した電子機器、及びセンサーモジュール

【課題】クロストークによる影響を抑制したニオイセンサー等を提供すること。
【解決手段】本発明のセンサーシステムは、振動子111と発振回路112とを備えたセンサーユニット110を複数備えるセンサーモジュール100と、前記センサーモジュール100を着脱自在であり、前記センサーユニット110の各々に対応した複数の信号処理回路210を備える信号処理装置200と、を備え、前記センサーモジュール100が前記信号処理装置200に装着されたときに、各前記センサーユニット110と各前記信号処理回路210との間に一対の信号線(114及び211)による伝送路が形成されるようになっており、各前記センサーユニット110からの発振信号は、前記一対の信号線間での互いの位相が反転している差動信号として対応する前記信号処理回路210に供給されること、を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動子を利用したセンサーシステム、同システムを使用した電子機器、及び同システムに用いられるセンサーモジュール等に関する。
【背景技術】
【0002】
共振状態にある水晶振動子の表面に何らかの分子が付着すると、その吸着量(重さ)に応じて共振周波数が変化する現象がある。この現象を利用した技術はQCM(Quarts Crystal Microbalance)と呼ばれ、分子の存在やその量を検出するセンサーとして用いられている。QCMの応用の一つとして、振動子の表面に特定の分子を選択的に吸着する吸着膜を形成したニオイセンサーが挙げられる。
【0003】
例えば、特開昭63−222248号公報(特許文献1)には、水晶振動子の電極上に吸着膜を形成した素子(特許文献1の図6)を用いて、空気に飽和したニオイ物質の存在を振動数の変化として検出する技術について開示されている。
【0004】
また、特公平8−12141号公報(特許文献2)や特開平5−187986号公報(特許文献3)には、複数の水晶振動子を用いてニオイの種類を特定する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−222248号公報
【特許文献2】特公平8−12141号公報
【特許文献3】特開平5−187986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
人や犬に匹敵するニオイ識別性能を持つ高精度のニオイセンサーを構成するには、振動子、発振回路、吸着膜などの組み合わせからなるニオイセンサーユニットが数百個必要となると考えられる。したがって、上記のような高精度のニオイセンサーでは、数百個のニオイセンサーユニットをアレイ状に配置することが好ましい。
【0007】
しかし、ニオイセンサーユニットがアレイ状に多数配置されるとき、発振回路の入出力等の配線が密に配置されることとなり、配線間の距離が小さくなる結果、互いに近接した配線間でのクロストークが問題となる。特にクロストークは高周波で動作する機器で課題となるが、QCMセンサーでは、センサーの感度を高めるためにMHzオーダーの高周波信号が用いられている。そこで、この高周波信号のクロストークを抑制することが求められている。配線間のクロストークを抑制するためには、配線間距離を大きくとる方法、又は同軸ケーブルのようなシールド線を用いて相互干渉を防止する方法がある。しかしながら、いずれの方法によっても回路面積が大きくなったり、ケーブルの配線束が大きくなったりするなど、製造原価の上昇、小型化の阻害などの課題が生じる。
【0008】
本発明の一態様のセンサーシステムは、クロストークによる影響を抑制したニオイセンサー等を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様のセンサーシステムは、振動子と発振回路とを備えたセンサーユニットを複数備えるセンサーモジュールと、前記センサーモジュールを着脱自在であり、前記センサーユニットの各々に対応した複数の信号処理回路を備える信号処理装置と、を備え、前記センサーモジュールが前記信号処理装置に装着されたときに、各前記センサーユニットと各前記信号処理回路との間に一対の信号線による伝送路が形成されるようになっており、各前記センサーユニットからの発振信号は、前記一対の信号線間での互いの位相が反転している差動信号として対応する前記信号処理回路に供給されること、を特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、センサーモジュールからの発振信号を差動信号として信号処理装置に供給することができる。これにより、センサーモジュールに含まれる複数のセンサーユニットから、信号処理装置に含まれる複数の信号処理回路へ信号を供給する際に使用される複数の信号線における配線間距離が長くなった場合であっても、クロストークに起因するノイズによる影響を抑制することが可能となる。さらには、クロストークに限らず、他の外乱に起因するノイズによる影響をも抑制することができる。
【0011】
また、上記構成でノイズを抑制することができるので、クロストーク防止に使用していた接地強化などの干渉防止構造を減らすこと、又はなくすことが可能となる。これによって、センサーシステムの小型化を容易にし、コストを削減することも可能となる。
【0012】
なお、各前記センサーユニットと各前記信号処理回路との間に形成される一対の信号線は、ツイストペア、又は後述のストリップライン若しくはマイクロストリップラインで結線されていることが好ましい。
【0013】
また、前記振動子は、特定の物質を吸着する特性を有する吸着膜を備えることが好ましい。
【0014】
また、前記センサーユニットは、前記一対の信号線の一部を構成する第1の信号線対と、前記第1の信号線対の各々が接続される第1の電極対とを有し、前期信号処理回路は、前記一対の信号線の一部を構成する第2の信号線対と、前記第2の信号線対の各々が接続される第2の電極対とを有し、前記センサーモジュールが前記信号処理装置に装着されたときに、前記第1の電極対と前記第2の電極対とが電気的に接続され、前記一対の信号線を構成することが好ましい。
【0015】
また、各前記複数のセンサーユニットは、前記発振信号に基づいて前記差動信号を生成する差動送信回路をさらに備え、各前記複数の信号処理回路は、前記差動信号に基づいて受信発振信号を生成する差動受信回路をさらに備えることが好ましい。
【0016】
かかる構成によれば、差動送信回路によって、発振信号に基づいて差動信号を生成することが可能となる。また、差動受信回路によって、差動信号に基づいて受信発振信号を生成することができ、送信された信号、又はこの信号と同等な信号を復元することができる。
【0017】
また、前記複数のセンサーユニットの少なくとも一つに含まれる前記発振回路と前記差動送信回路とが、同一の集積回路に含まれることが好ましい。
かかる構成によれば、発振回路から差動送信回路に至る配線を短くすることが可能となり、この配線で発生しうるクロストークや外乱に起因するノイズを抑制することが可能となる。
【0018】
また、前記複数の信号処理回路の少なくとも一つに含まれる前記差動受信回路と前記カウンタ回路とが、同一の集積回路に含まれることが好ましい。
かかる構成によれば、差動受信回路からカウンタ回路に至る配線を短くすることが可能となり、この配線で発生しうるクロストークや外乱に起因するノイズを抑制することが可能となる。
【0019】
また、前記一対の信号線が、ストリップライン又はマイクロストリップラインで構成されることが好ましい。
かかる構成によれば、差動信号をストリップライン又はマイクロストリップラインで構成される一対の信号線で送信することとしたので、ノイズの発生はもちろん、インピーダンス不整合による信号劣化を抑制することが可能となる。
【0020】
また、本発明は、上記センサーシステムを使用した電子機器を含む。
かかる構成によれば、上記それぞれのセンサーシステムの特徴を備えているので、例えばクロストークや外乱に起因するノイズの影響を抑制することが可能となる。
【0021】
また、本発明のセンサーモジュールは、振動子と、前記振動子に接続された発振回路と、前記発振回路の発振信号に基づいて、互いの位相が反転している差動信号を生成する差動送信回路と、前記差動送信回路の出力に接続され、他の装置と接続可能に構成された信号線対と、を備えることを特徴とする。
【0022】
かかる構成によれば、センサーシステムにおける信号処理装置に着脱可能なセンサーモジュールにおいて、センサーモジュールからの発振信号を差動信号として信号処理回路に供給することができる。これにより、センサーモジュールに含まれる複数のセンサーユニットから、信号処理装置に含まれる複数の信号処理回路へ信号を供給する際に使用される複数の信号線における配線間距離が長くなった場合であっても、クロストークに起因するノイズによる影響を抑制することが可能となる。さらには、クロストークに限らず、他の外乱に起因するノイズによる影響をも抑制することができる。
【0023】
また、上記構成でノイズを抑制することができるので、クロストーク防止に使用していた接地強化などの干渉防止構造を減らすこと、又はなくすことが可能となり、コストを削減することも可能となる。
【0024】
また、前記発振回路と前記差動送信回路とが、同一の集積回路に含まれることが好ましい。
かかる構成によれば、発振回路から差動送信回路に至る配線を短くすることが可能となり、この配線で発生しうるクロストークや外乱に起因するノイズによる影響を抑制することが可能となる。
【0025】
また、前記一対の信号線が、ストリップライン又はマイクロストリップラインで構成されることが好ましい。
かかる構成によれば、差動信号をストリップライン又はマイクロストリップラインで構成される一対の信号線で送信することとしたので、さらにノイズを抑制はもちろん、インピーダンス不整合による信号劣化を抑制することが可能となる。
【0026】
また、本発明のセンサーシステムは、センサーモジュールと、前記センサーモジュールからの信号を処理する信号処理装置と、を含み、前記センサーモジュールは、第1の電極と、第2の電極と、第3の電極と、を含み、前記第1の電極及び前記第2の電極にはセンサーからの信号に基づく差動信号が供給され、前記第3の電極には所定の電位が供給され、前記信号処理装置は、第4の電極と、第5の電極と、第6の電極と、を含み、前記信号処理装置に前記センサーモジュールが設置されることにより前記第1の電極と前記第4の電極、前記第2の電極と前記第5の電極、及び前記第3の電極と前記第6の電極がそれぞれ導通することを特徴とする。
【0027】
なお、本明細書において「電子機器」は、本明細書に記載のセンサーシステムを備えるあらゆる機器を含むもので、ニオイセンサー、アルコールセンサー、麻薬探知機等を含む。
【0028】
また、本明細書における「○○回路(○○は任意の語。)」は、電気的な回路によるものを含むがこれに限定されず、当該回路の機能を果たす物理的手段、又はソフトウェアで実現される機能的手段などをも含む。また、1つの部分が有する機能が2つ以上の物理的又は機能的手段により実現されても、2つ以上の部分の機能が1つの物理的又は機能的手段により実現されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態におけるセンサーシステムの構成を示す図。
【図2】水晶振動子と発振回路との接続の一例を示す図。
【図3】発振信号と差動信号との関係を示す波形図。
【図4】センサーモジュールと信号処理装置との接続部の第1の具体例を示す断面図。
【図5】センサーモジュールと信号処理装置との接続部の第2の具体例を示す図。
【図6】本発明の実施形態の変形例におけるセンサーシステムの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下の実施形態はあくまで本発明の一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、各図面において、同一の部品には同一の符号を付している。
【0031】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態におけるセンサーシステムの構成を示す図である。
【0032】
(センサーシステムの構成の概要)
図1に示すように、本発明の実施形態におけるセンサーシステムは、センサーモジュール100と信号処理装置200とを含んで構成される。センサーモジュール100は水晶振動子111と発振回路112とを備えたセンサーユニット110を複数備え、信号処理装置200は複数のセンサーユニット110の各々に対応した複数の信号処理回路210とを備える。信号処理装置200はセンサーモジュール100を着脱可能であって、センサーモジュール100が信号処理装置200に装着されたとき、各センサーユニット110と各信号処理回路210との間に一対の信号線による伝送路が形成される。また、センサーユニット110からの発振信号は、一対の信号線間での互いの位相が反転している差動信号として、対応する信号処理回路210に供給される。
【0033】
ここで、以下で具体的に説明する水晶振動子111がその表面に備える吸着膜は経年劣化をするものであるため、劣化した場合にはその吸着膜を交換する必要が生じる。この場合、吸着膜だけを取り外して交換することは現実的でないため、吸着膜を有した水晶振動子111を含む、センサーモジュール100を交換することになる。本実施形態では、センサーモジュール100を信号処理装置200に着脱可能にしているため、容易に交換することが可能となる。
【0034】
以下、まずセンサーモジュール100について、次に信号処理装置200について、それぞれ具体的に説明する。
【0035】
(センサーモジュール100の具体的構成)
センサーモジュール100は、複数のセンサーユニット110を含んで構成される。また、それぞれのセンサーユニット110は、振動子として機能する水晶振動子111、発振回路112、差動送信回路113、差動信号送信線対114、及び電極121と122とからなる電極対を含んで構成される。また、発振回路112、差動送信回路113、及び差動信号送信線対114はいずれも基板130上に構成されている。
【0036】
(水晶振動子111)
水晶振動子111は、表面と裏面とに電極対が形成され、この電極対を介して発振回路112に接続されるよう構成されている。水晶振動子111は、この電極対に電圧を印加することにより、表面と裏面とが互い違いにスライドして振動する、いわゆる厚みすべり振動モードで動作する。動作時の共振振動数f0(MHz)は、電極対の形成された部位の水晶板厚に反比例し、一般に下記数式で示される。
【数1】

【0037】
そして、水晶振動子111における吸着物質量ΔMと周波数変化量Δfとの関係は、以下のSauerbreyの式で示される。
【数2】

【0038】
上記数式2において、f0は振動子の共振周波数、ρは水晶の密度、μは水晶のせん断弾性定数、Aは電極面積にほぼ等しい有効振動面積である。数式2より、振動子の共振周波数f0を高めることによって、感度、すなわち吸着物質量ΔMあたりの周波数変化量Δfを高められることがわかる。
【0039】
また、水晶振動子111の電極の表面には、特定の物質を選択的に吸着する特性を有する吸着膜を備えており、ニオイ検出対象となる周辺気体(又は液体)中に露出している。この吸着膜は、水晶振動子111毎に異なる膜が用いられ、図1においては、それぞれのセンサーユニット110の各水晶振動子111は異なる吸着膜を備えている。吸着膜は、水晶振動子111の片面、又は両面に形成されるが、両面に形成することが好ましい。このように吸着膜を両面に形成した場合、片面に形成するより効果的に吸着の対象となる物質を吸着することができる。
【0040】
また、吸着膜としては、ポリマー膜、脂質膜、たんぱく質膜、又は単分子膜のいずれかが用いられる。
【0041】
(発振回路112)
発振回路112は、水晶振動子111に接続されるよう構成される。この発振回路112は、上記数式1で示される周波数をもつ発振信号を出力する回路である。
【0042】
図2は、水晶振動子111と発振回路112との接続の一例を示す図である。図2に示すように、発振回路112は、インバーター310、帰還抵抗320、付加容量330、340、及び発振信号出力端子350を含み、いわゆるコルピッツ発振回路を構成する。インバーター310の入力端子は、水晶振動子111の第1の電極、帰還抵抗320の第1の端子、及び付加容量330の第1の端子に、出力端子は、水晶振動子111の第2の電極、帰還抵抗320の第2の端子、付加容量340の第1の端子、及び発振信号出力端子350に接続されている。また、付加容量330の第2の端子及び付加容量340の第2の端子は、いずれも接地されている。なお、水晶振動子111の端子は極性を有するものではないため、端子を逆に接続しても動作に影響はない。
【0043】
なお、このコルピッツ発振回路はあくまで一例に過ぎず、これ以外の構成によって発振回路112を構成してもよい。
【0044】
(差動送信回路113)
図1において、差動送信回路113は発振回路112が出力する発振信号に基づいて差動信号を生成するよう構成される。
【0045】
ここで、差動信号について図3を用いて具体的に説明する。図3は、発振信号400と差動信号410a及び410bとの関係を示す波形図である。発振信号400は時間経過に伴う発振信号の電圧振幅の例を、差動信号410a及び410bは同じ時間経過に伴う差動信号の電圧振幅の例を示している。差動信号410a及び410bが示すように、差動信号はコモンモード電圧420をオフセットとする2つの信号からなり、この2つの信号は互いに位相が反転している。差動信号によって発振信号を供給する場合、クロストークやその他の外乱に起因するノイズが供給される信号に与える影響を抑制することが可能となる。
【0046】
ここで、例えば、差動インタフェースとしてLVDS(Low Voltage Differential Signal)を用いる場合、コモンモード電圧420として1.25V、最大振幅となる電位430と電位440との電位差として350mVなどが用いられる。差動信号の伝送方式としてLVDSを用いると、電圧振幅の小さな信号によって信号の伝送をするため、周波数の高い信号を伝送することができる。さらに、振幅が小さいため消費電力を削減することもできる。本実施形態はMHzオーダーの高周波信号を用いるため、LVDSのような高周波信号に適した方式を用いることが好ましい。
【0047】
(差動信号送信線対114)
図1において、差動信号送信線対114は、差動送信回路113と、電極121及び122からなる電極対とを接続するよう構成される。これにより、差動信号送信線対114は、差動送信回路113の出力である差動送信信号を電極対121及び122に伝送する。
【0048】
本実施形態においては、差動信号を用いてセンサーモジュール100から信号処理装置200に信号を供給するため、クロストークや外乱によるノイズの影響を受けにくくなっている。そのため、本実施形態における差動信号送信線対114は、必ずしもシールド配線のようにノイズに強い配線を用いる必要がなくなり、プリント配線のように安価に構成可能な配線を用いることが可能である。
【0049】
なお、差動信号送信線対114は、ストリップライン又はマイクロストリップラインで構成されることが好ましい。ストリップライン又はマイクロストリップラインはプリント配線基板の内部や表面に形成するのに好適であることに加え、伝送路から漏洩する電磁波が少ないため差動信号送信線対114においてノイズの発生、すなわちクロストークを(差動信号の効果に加えて)さらに抑制することができる。また、設計により所望の特性インピーダンスを持たせることができるので、差動信号送信線対114上におけるインピーダンス不整合を少なくすることも可能であり、リンギングなどの信号劣化を抑制することが可能となる。これらのことは、以下で説明する差動信号受信線対211についても同様のことがいえる。
【0050】
(電極121及び122)
電極121及び122からなる電極対は、センサーモジュール100の出力端子として基板130に接続されて構成される。センサーモジュール100が信号処理装置200に装着されたとき、電極121及び122は以下で示す信号処理装置200の電極221及び222と電気的に接続され、このとき差動信号送信線対114と差動信号受信線対211とによる一対の信号線が構成される。
【0051】
ここで、少なくとも一つのセンサーユニット110に含まれる発振回路112と差動送信回路113とを、同一の集積回路に含めることが好ましい。
【0052】
かかる構成によれば、発振回路から差動送信回路に至る配線を短くすることが可能となり、この配線で発生しうるクロストークや外乱に起因するノイズによる影響を抑制することが可能となる。
【0053】
(信号処理装置200の具体的構成)
次に、信号処理装置200について説明する。信号処理装置200は、複数の信号処理回路210、ゲートクロック発生回路230、データ処理回路240、及びデータベース250を含んで構成される。また、それぞれの信号処理回路210は、電極221と222とからなる電極対、差動信号受信線対211、差動受信回路212、及びカウンタ回路213を含んで構成される。
【0054】
(電極221及び222)
電極221及び222からなる電極対は、信号処理装置200に含まれる信号処理回路210の入力端子として構成される。上記のようにセンサーモジュール100が信号処理装置200に装着されたときに、電極221及び222はセンサーモジュール100の電極121及び122と電気的に接続され、差動信号受信線対211と差動信号送信線対114とによる一対の信号線が構成される。
【0055】
(差動信号受信線対211)
差動信号受信線対211は、電極221及び222からなる電極対と差動受信回路212とを接続するように構成される。これにより、センサーモジュール100から入力された差動信号は、電極221及び222からなる電極対と差動信号受信線対211とを介して差動受信回路212に入力される。
【0056】
なお、差動信号送信線対114と同様、差動信号受信線対211も、ストリップライン又はマイクロストリップラインで構成されることが好ましい。ストリップライン又はマイクロストリップラインで構成することにより、差動信号受信線対211においてノイズの発生をより効果的に抑制することが可能となる。
【0057】
さらには、差動信号送信線対114と差動信号受信線対211とから構成される一対の信号線が、ストリップライン又はマイクロストリップラインで構成されることがより好ましい。
【0058】
これによれば、差動信号をストリップライン又はマイクロストリップラインで構成される一対の信号線で送信することとしたので、ノイズの発生を抑制することが可能となる。このストリップライン等による配線をシールド配線と比較すると、ストリップライン等による配線はプリント配線により構成することが可能であり、シールド配線ほどノイズ抑制効果は高くないものの、安価に構成することが可能である。
【0059】
(差動受信回路212)
差動受信回路212は、差動信号に基づいて受信発振信号を生成するよう構成される。本実施形態における受信発振信号は、差動信号を生成する基礎となった発振信号であるが、これに限られない。すなわち、差動信号を生成する基礎となった発振信号のうち、本発明において重要なのは周波数成分であるため、発振信号の周波数が抽出できる信号であればよい。よって、受信発振信号の振幅は任意のものであってよく、デューティも任意のものであってよい。
【0060】
このように、センサーモジュール100におけるセンサーユニット110が差動送信回路113を備え、信号処理装置200における信号処理回路210が差動受信回路212を備えることによって、差動信号による送受信が可能となる。また、差動受信回路212によれば、差動信号に基づいて受信発振信号を生成することができ、送信された信号、又はこの信号と同等な信号を復元することができる。ここで、少なくとも一つの信号処理回路210に含まれる差動受信回路212とカウンタ回路213とを、同一の集積回路に含めることが好ましい。
【0061】
かかる構成によれば、差動受信回路212からカウンタ回路213に至る配線を短くすることが可能となり、この配線で発生しうるクロストークや外乱に起因するノイズによる影響を抑制することが可能となる。
【0062】
(ゲートクロック発生回路230)
ゲートクロック発生回路230は、カウンタ回路213にゲートクロックを供給するよう構成される。すなわち、ゲートクロック発生回路230は所定の周波数を有するゲートクロックを生成する機能を有しており、この信号をそれぞれのカウンタ回路213へ送信する。なお、ゲートクロックは発振信号や受信発振信号よりも低い周波数を持つ信号である。言い換えれば、ゲートクロックの信号周期は、発振信号や受信発振信号よりも長くなっている。具体的には、ゲートクロックの信号周期は0.01μ秒以上10秒未満の時間にすることが好ましいことが経験則から分かっている。
【0063】
(カウンタ回路213)
カウンタ回路213は、差動受信回路212から入力された受信発振信号と、ゲートクロック発生回路230から入力されたゲートクロックとの関係を特定し、カウント値としてデータ処理回路240へ出力するよう構成される。具体的には、カウンタ回路213は、ゲートクロックの1周期(以下、ゲート時間という)に、受信発振信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジによって特定されるパルスがいくつ入るかをカウントする。
【0064】
また、カウンタ回路213はローパスフィルタを備えていることが好ましい。このようにローパスフィルタを備えることで、時間的に連続する複数のカウント値をフィルタリングした結果を得ることができるようになり、ゲート時間を短く(ゲートクロックの周波数を高く)した場合であっても比較的高い分解能を得ることが可能となる。
【0065】
なお、本実施形態においては上記のようないわゆる短ゲートカウント法を用いることが好ましいが、一般的に用いられる直接カウント法やレシプロカルカウント法などの従来技術を用いてもよい。
【0066】
(データ処理回路240)
データ処理回路240は、複数のカウンタ回路213から出力されるカウント値に基づいて、それぞれの水晶振動子111が吸着対象とする特定の物質を吸着したか否かと、吸着した量と、のいずれか一方又は双方を特定するよう構成される。具体的には、それぞれのカウンタ回路213から出力されたカウント値に基づいて、対応する水晶振動子111と発振回路112とで生成した発振信号の周波数を特定する。発振信号の周波数の特定は、ゲートクロックの周波数にカウント値をかけることによって算出することができる。つまり、例えばゲートクロックが1Hzでカウント値が1234だったとすると、発振信号の周波数は1.234kHzと算出できる。さらにデータ処理回路240は、発振信号の周波数の時間変化を観測する。そして、データ処理回路240は、発振信号の周波数の変化に基づいて、それぞれの水晶振動子111が物質を吸着したか否か、吸着した場合はどれくらいの量を吸着したのかを、データベース250を参照することによって特定することができる。
【0067】
なお、データ処理回路240は、必ずしもカウント値に基づいて発振信号の周波数を特定する必要はなく、発振信号の周波数の変化のみを特定できるよう構成してもよい。周波数の変化のみを特定する場合、ゲートクロックの周波数の絶対値を定める必要がないので、製造ばらつきが生じても問題ない。また物質の吸着によって生じる周波数の変化は一般的に極わずかであるので、カウント値の変化の現れる桁の値のみをデータ処理回路240で処理すればよく、回路規模を小さくすることができ、コスト削減を可能とする。さらに、データ処理回路240による処理時間の短縮が可能となる。
【0068】
(データベース250)
データベース250は、ニオイの特定に必要な情報を格納しており、データ処理回路240からの要求に応じて当該情報を送信するよう構成される。ここで、ニオイの特定の必要な情報とは、例えばそれぞれの水晶振動子111における発振信号の周波数変動と、それぞれの水晶振動子の吸着対象となる物質の吸着量との関係を示すテーブルなどである。
(移動しました)
【0069】
(ニオイセンサーとしての動作)
上記のような本発明におけるセンサーシステムは、例えばニオイセンサーとして利用可能である。以下、ニオイセンサーとして利用する場合の方法について説明する。
【0070】
まず、基準となる空気(好ましくは活性炭などで処理した無臭の空気)の下でセンサーモジュール100における複数の水晶振動子111を発振させ、それぞれの水晶振動子111に接続された発振回路112から出力される発振信号の周波数を計測する。
【0071】
次に、センサーモジュール100を測定対象の気体に暴露させる。ここで、気体にニオイがあれば、その気体中にはそのニオイを構成するニオイ分子が含まれており、そのニオイ分子が水晶振動子111の表面に形成された吸着膜に吸着される。このニオイ分子には質量があるため、ニオイ分子を吸着した吸着膜を有する水晶振動子111は、吸着したニオイ分子の質量に相当する負荷が増大し、この負荷の増大は発振信号の周波数の減少として観測される。つまり、カウンタ回路213及びデータ処理回路240によって、この発振信号の周波数の減少を特定し、ニオイ分子の吸着量を求めることができる。
【0072】
一方、データベース250には予めデータベース化された、発振信の周波数の変化とニオイ分子の吸着量との関係、及びニオイ分子の吸着量とニオイとの関係が格納されている。データ処理回路240はこのデータベース250を参照することで、データベース250上に一致するデータが存在すれば、観測対象の気体が既知のニオイを有することを特定することが可能となる。
【0073】
以上の構成により、センサーモジュール100からの発振信号を差動信号として信号処理装置200に供給することができる。これにより、センサーモジュール100に含まれる複数のセンサーユニット110から、信号処理装置200に含まれる複数の信号処理回路210へ信号を供給する際に使用される、差動信号送信線対114などの複数の信号線における配線間距離が長くなった場合であっても、クロストークに起因するノイズによる影響を抑制することが可能となる。さらには、クロストークに限らず、他の外乱に起因するノイズによる影響をも抑制することができる。
【0074】
また、上記構成でノイズを抑制することができるので、クロストーク防止に使用していた接地強化などの干渉防止構造を減らすこと、又はなくすことが可能となり、センサーシステムの小型化を容易にし、コストを削減することも可能となる。
【0075】
(センサーモジュール100と信号処理装置200との接続部)
ここで、センサーモジュール100と信号処理装置200との接続部について、図面を用いて具体的に説明する。
【0076】
図4(a)乃至(d)は、センサーモジュール100と信号処理装置200との接続部の第1の具体例を示す断面図である。
図4(a)は、センサーモジュール100と信号処理装置200とのいずれか一方の電極を丸みを帯びた凸状の電極にし、他方をその凸状の電極を受け入れる凹状の電極にする例である。このような電極を用いることで、接続部が多少ずれたり形状変化したりしても、センサーモジュール100と信号処理装置200との接続を外れにくくすることが可能である。
【0077】
図4(b)は、センサーモジュール100と信号処理装置200との双方の電極を丸みを帯びた凸状の電極にする例である。図4(c)は、センサーモジュール100と信号処理装置200とのいずれか一方の電極を丸みを帯びた凸状の電極にし、他方を平坦な凸状の電極にする例である。図4(d)は、センサーモジュール100と信号処理装置200との双方の電極を平坦な凸状の電極にする例である。図4(e)は、一方の電極をピン状、もう一方の電極をソケット状にする例である。
【0078】
このような電極を用いることで、比較的容易に電極の形成をすることが可能となり、低コストで電極を構成することが可能となる。
【0079】
図5は、センサーモジュール100と信号処理装置200との接続部の第2の具体例を示す図である。図5(a)と図5(b)とは、それぞれ別の角度から見た斜視図である。
図5(a)及び(b)に示すように、センサーモジュール100に含まれる基板130の片面には電極121及び122が、逆の面には接地電極500が、それぞれ基板130の表面に露出して形成されている。この電極121及び122と、接地電極500とはマイクロストリップを形成しており、これによりノイズを抑制することができる。一方で信号処理装置200には、基板130側の電極121及び122と接地電極500とを受け入れるよう、金属板で形成された電極221及び222と、接地電極510とがそれぞれ形成されている。
【0080】
このような構成にすることで、センサーモジュール100に含まれる基板130の抜き差しが容易になり、センサーモジュール100を容易に交換することが可能となる。
【0081】
(実施形態2)
次に、本発明に係る実施形態2について、図6を参照しながら具体的に説明する。実施形態2は、実施形態1におけるゲートクロック発生回路230を有さない信号処理装置に関する。
【0082】
図6は、本発明の実施形態2におけるセンサーシステムの構成を示す図である。
図6に示されるように、本実施形態2では図1に示す本発明の実施形態におけるセンサーシステムについて、複数の信号処理回路210のうちの1つの構成が異なっており、これに伴い図1のゲートクロック発生回路230が不要となったものである。図6において新たな点は、ゲートクロックを発生する信号処理回路260を備える点であり、この点を中心に以下説明する。その他の構成については実施形態1と同じであり、その説明を省略する。
【0083】
(ゲートクロックを発生する信号処理回路260)
ゲートクロックを発生する信号処理回路260は、信号処理回路210と同様に差動信号受信線対211、及び差動受信回路212を備えるほか、信号処理回路210におけるカウンタ回路213に換えてゲートクロック発生回路270を備えるよう構成される。
【0084】
(ゲートクロック発生回路270)
ゲートクロック発生回路270は、差動受信回路212から入力された受信発振信号に基づいてゲートクロックを生成し、生成したゲートクロックをカウンタ回路213へ供給するよう構成される。具体的には、ゲートクロック発生回路270は受信発振信号を予め定められた分周比に従って分周し、分周した信号をゲートクロックとして出力するものである。そして、本実施形態2におけるカウンタ回路213は、図1におけるゲートクロック発生回路230の代わりに、ゲートクロック発生回路270から入力されるゲートクロックを用いて動作する。
【0085】
これによれば、複数の水晶振動子111のうちの1つから得られる発振信号に基づいて他の水晶振動子111から得られる発振信号のカウントを行うこととなる。そして、水晶振動子111の温度が変化した場合であっても、その温度変化は複数の水晶振動子111の発振信号の周波数に同様の影響を与えるため、温度変化による発振信号の周波数の変動(いわゆるドリフト)を効果的にキャンセルすることが可能となる。これによって、温度変化による影響を受けづらいセンサーシステムを構成することが可能となる。
【0086】
また、本変形例においては、ゲートクロック発生回路270に対応する水晶振動子111には吸着膜を備えないことが好ましい。これによれば、カウンタ回路213におけるカウントの基準となるゲートクロックの周波数は、吸着物質の影響をうけて変動することがなくなるため、精度の高い吸着物質の検出が可能となる。
【0087】
さらに、このゲートクロック発生回路270に対応する水晶振動子111の表面にフッ素系膜を形成することが好ましい。フッ素系膜の例としては、フッ素系ポリマー膜やフッ素系単分子膜が挙げられる。これによれば、物質の吸着を最小限に抑えることができる。
【0088】
さらに好ましくは、当該水晶振動子111が周辺気体(又は液体)に触れないよう、キャップなどにより封止する。これによれば、この水晶振動子111は周辺気体等に全く触れることがないため、吸着物質による周波数の変動を発生しないようにすることができる。
【0089】
また、本発明は、上記説明したセンサーシステムを使用した様々な電子機器を含む。本発明のセンサーシステムは、気体中のニオイ分子を検出する機能を必要とする電子機器に適しており、既に説明したニオイセンサーはもちろん、アルコールセンサーや麻薬探知機など、広範な機器に使用可能である。
【0090】
このように本発明のセンサーシステムを使用した電子機器においても上記のセンサーシステムの特徴を備えているので、例えばクロストークや外乱に起因するノイズの影響を抑制することが可能となる。また、本発明のセンサーシステムではセンサーモジュール100を信号処理装置200に着脱自在であり、これによってセンサーモジュール100を容易に交換することができる。したがって、本発明のセンサーシステムは、わずかな経年劣化が検出精度に影響するような高い精度を必要とする電子機器に用いられると特に効果的である。
【0091】
(まとめ)
なお、本発明は、上記実施形態、及びその変形例に限定されることなく、種々に変形して適用することが可能である。例えば、水晶振動子111に換えて、圧電振動子のような他の振動子を用いることも可能である。また、水晶振動子111は3つに限るものではなく、必要に応じた個数にすることができる。また、前述のように発振回路112の構成は本発明の実施形態で述べた具体例に限られず、別の構成によるものでもよい。
【符号の説明】
【0092】
100…センサーモジュール、110…センサーユニット、111…水晶振動子、112…発振回路、113…差動送信回路、114…差動信号送信線対、121・122…電極、130…基板、200…信号処理装置、210…信号処理回路、211…差動信号受信線対、212…差動受信回路、213…カウンタ回路、221・222…電極、230…ゲートクロック発生回路、240…データ処理回路、250…データベース、260…信号処理回路、270…ゲートクロック発生回路、310…インバーター、320…帰還抵抗、330・340…付加容量、350…発振信号出力端子、400…発振信号、410a・410b…差動信号、420…コモンモード電圧、500・510…接地電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動子と発振回路とを備えたセンサーユニットを複数備えるセンサーモジュールと、
前記センサーモジュールを着脱自在であり、前記センサーユニットの各々に対応した複数の信号処理回路を備える信号処理装置と、を備え、
前記センサーモジュールが前記信号処理装置に装着されたときに、各前記センサーユニットと各前記信号処理回路との間に一対の信号線による伝送路が形成されるようになっており、
各前記センサーユニットからの発振信号は、前記一対の信号線間での互いの位相が反転している差動信号として対応する前記信号処理回路に供給されること、
を特徴とするセンサーシステム。
【請求項2】
前記振動子は、特定の物質を吸着する特性を有する吸着膜を備えること
を特徴とする請求項1に記載のセンサーシステム。
【請求項3】
前記センサーユニットは、前記一対の信号線の一部を構成する第1の信号線対と、前記第1の信号線対の各々が接続される第1の電極対とを有し、
前期信号処理回路は、前記一対の信号線の一部を構成する第2の信号線対と、前記第2の信号線対の各々が接続される第2の電極対とを有し、
前記センサーモジュールが前記信号処理装置に装着されたときに、前記第1の電極対と前記第2の電極対とが電気的に接続され、前記一対の信号線を構成すること
を特徴とする請求項1又は2に記載のセンサーシステム。
【請求項4】
各前記複数のセンサーユニットは、前記発振信号に基づいて前記差動信号を生成する差動送信回路をさらに備え、
各前記複数の信号処理回路は、前記差動信号に基づいて受信発振信号を生成する差動受信回路をさらに備えること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセンサーシステム。
【請求項5】
前記複数のセンサーユニットの少なくとも一つに含まれる前記発振回路と前記差動送信回路とが、同一の集積回路に含まれること
を特徴とする請求項4に記載のセンサーシステム。
【請求項6】
前記複数の信号処理回路の少なくとも一つに含まれる前記差動受信回路と前記カウンタ回路とが、同一の集積回路に含まれること
を特徴とする請求項4又は5に記載のセンサーシステム。
【請求項7】
前記一対の信号線が、ストリップライン又はマイクロストリップラインで構成されること
を特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のセンサーシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のセンサーシステムを使用した電子機器。
【請求項9】
振動子と、
前記振動子に接続された発振回路と、
前記発振回路の発振信号に基づいて、互いの位相が反転している差動信号を生成する差動送信回路と、
前記差動送信回路の出力に接続され、他の装置と接続可能に構成された信号線対と、を備えること
を特徴とするセンサーモジュール。
【請求項10】
前記発振回路と前記差動送信回路とが、同一の集積回路に含まれること
を特徴とする請求項9に記載のセンサーモジュール。
【請求項11】
前記一対の信号線が、ストリップライン又はマイクロストリップラインで構成されること
を特徴とする請求項10に記載のセンサーモジュール。
【請求項12】
センサーモジュールと、
前記センサーモジュールからの信号を処理する信号処理装置と、
を含み、
前記センサーモジュールは、第1の電極と、第2の電極と、第3の電極と、を含み、前記第1の電極及び前記第2の電極にはセンサーからの信号に基づく差動信号が供給され、前記第3の電極には所定の電位が供給され、
前記信号処理装置は、第4の電極と、第5の電極と、第6の電極と、を含み、
前記信号処理装置に前記センサーモジュールが設置されることにより前記第1の電極と前記第4の電極、前記第2の電極と前記第5の電極、及び前記第3の電極と前記第6の電極がそれぞれ導通すること
を特徴とするセンサーシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate