説明

センサーシステム

【課題】測定対象物の測定対象部位の状態を長期にわたって測定し得るとともに、所望の期間内に短い時間間隔で詳細な測定情報を取得することができるセンサーシステムを提供すること。
【解決手段】本発明のセンサーシステム1は、センサータグ2は、通信部23が第1の送信時間間隔でセンサー21、22の測定情報を無線送信する第1の状態と、通信部23が第1の送信時間間隔よりも短い第2の送信時間間隔でセンサー21、22の測定情報を無線送信する第2の状態とを切り換え可能に構成され、第1の状態では、通信部23が第1のキャリアセンス時間間隔でキャリアセンスを行い、第2の状態では、通信部23が第1のキャリアセンス時間間隔よりも短い第2のキャリアセンス時間間隔でキャリアセンスを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサーシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
センサーシステムとしては、例えば、コンクリート構造物や土壌等の測定対象物に設定された測定対象部位の状態を測定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に記載のセンサーシステムは、道路設備の状態を測定する複数のセンサーと、その複数のセンサーの近傍に設置した路側ユニットとを有し、路側ユニットが各センサーの測定情報を無線通信または有線通信により収集し、その収集した測定情報を無線通信により点検車両に搭載された車載ユニットへ送信する。
【0003】
従来、このようなセンサーシステムでは、各センサーが測定およびその測定結果の送信を一定時間間隔で行う。かかる時間間隔を長く設定することにより、センサーとともに測定対象物内に埋設された電源の電力を用いて、長期にわたって測定を行うことができる。
しかし、従来のセンサーシステムでは、かかる時間間隔が不変であるため、例えば、震災時またはその後の所望の期間内に、短い時間間隔で詳細な測定情報を知ることができないという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−117837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、測定対象物の測定対象部位の状態を長期にわたって測定し得るとともに、所望の期間内に短い時間間隔で詳細な測定情報を取得することができるセンサーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のセンサーシステムは、測定対象物の測定対象部位の状態を測定するセンサーと、前記センサーの測定情報を無線送信する機能を有する通信部とを有するセンサータグと、
前記通信部から無線送信された測定情報を受信する機能を有するリーダーライターとを備え、
前記センサータグは、前記通信部が第1の送信時間間隔で前記センサーの測定情報を無線送信する第1の状態と、前記通信部が前記第1の送信時間間隔よりも短い第2の送信時間間隔で前記センサーの測定情報を無線送信する第2の状態とを切り換え可能に構成され、
前記第1の状態では、前記通信部が第1のキャリアセンス時間間隔でキャリアセンスを行い、前記第2の状態では、前記通信部が前記第1のキャリアセンス時間間隔よりも短い第2のキャリアセンス時間間隔でキャリアセンスを行うことを特徴とする。
このように構成されたセンサーシステムによれば、測定対象物の測定対象部位の状態を長期にわたって測定し得るとともに、所望の期間内に短い時間間隔で詳細な測定情報を取得することができる。
【0007】
本発明のセンサーシステムでは、前記センサータグは、前記第1の状態に用いる第1のプログラムと、前記第2の状態に用いる第2のプログラムとを含む複数のプログラムが予め記憶された記憶部と、前記記憶部に記憶された前記複数のプログラムのうちの1つのプログラムを選択し、その選択されたプログラムに基づいて前記通信部の駆動を制御する制御部とを備えることが好ましい。
これにより、通信部の第1の状態と第2の状態とを切り換えることができる。
【0008】
本発明のセンサーシステムでは、前記リーダーライターは、前記複数のプログラムのうちの1つのプログラムを選択する旨の指示情報を無線送信する機能をさらに有し、
前記通信部は、前記指示情報を受信する機能をさらに有し、
前記制御部は、前記指示情報に基づいて、前記記憶部に記憶された前記複数のプログラムのうちの1つのプログラムを選択することが好ましい。
これにより、測定対象物の外部からの指示により、通信部の第1の状態と第2の状態とを切り換えることができる。
【0009】
本発明のセンサーシステムでは、前記リーダーライターは、前記第1のプログラムを選択する旨の指示情報と、前記第2のプログラムを選択する旨の指示情報とを含む複数の指示情報が予め記憶され、前記測定対象物の環境情報に基づいて、前記複数の指示情報のうちの1つの指示情報を選択して無線送信することが好ましい。
これにより、測定対象物の環境に応じて、通信部の第1の状態と第2の状態とを切り換えることができる。
【0010】
本発明のセンサーシステムでは、前記センサータグは、時刻情報を生成する時刻情報生成部を備えることが好ましい。
これにより、時刻情報生成部の時刻情報に基づいてキャリアセンスを行うことができる。
本発明のセンサーシステムでは、前記時刻情報生成部は、32kHzよりも低いクロック周波数の発信器を用いて構成されていることが好ましい。
これにより、センサータグの消費電力を抑えることができる。
【0011】
本発明のセンサーシステムでは、前記リーダーライターは、時刻情報を生成する機能をさらに有し、
前記センサータグは、前記第1の状態において、前記リーダーライターで生成された時刻情報に基づく時間間隔で、前記センサーが測定を行うとともに前記通信部が測定情報の送信を行うことが好ましい。
これにより、センサータグがリアルタイムクロックを有する必要がなくなり、センサータグの消費電力を抑えることができる。
【0012】
本発明のセンサーシステムでは、前記リーダーライターは、32kHz以上のクロック周波数の発信器を有することが好ましい。
これにより、高精度な時間間隔で、センサーが測定を行うとともに通信部が測定情報の送信を行うことができる。
本発明のセンサーシステムでは、前記センサータグは、前記第1の状態において、前記センサーが第1の測定時間間隔で測定を行い、前記第2の状態おいて、前記センサーが前記第1の測定時間間隔よりも短い第2の測定時間間隔で測定を行うことが好ましい。
これにより、所望の期間内により詳細な測定情報を取得することができる。
【0013】
本発明のセンサーシステムでは、前記通信部の前記無線送信は、LF帯域の搬送波を用いるものであることが好ましい。
これにより、測定対象物が例えばコンクリート構造物であっても、センサータグの消費電力を抑えつつ、センサータグとリーダーライターとの通信可能な距離を大きくすることができる。
【0014】
本発明のセンサーシステムでは、前記リーダーライターは、受信した測定情報を無線送信する機能をさらに有することが好ましい。
これにより、リーダーライターが収集した測定情報をホストで簡単に取得することができる。
本発明のセンサーシステムでは、前記リーダーライターの前記無線送信は、RF帯域の搬送波を用いるものであることが好ましい。
これにより、ホストとリーダーライターとの通信可能な距離を大きくすることができる。
本発明のセンサーシステムでは、前記測定対象物は、コンクリート構造物であることが好ましい。
これにより、コンクリート構造物の状態を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るセンサーシステムの使用状態の一例を示す図である。
【図2】図1に示すセンサーシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すセンサーシステムのセンサータグの設置状態を示す模式図である。
【図4】図3に示すセンサータグ構成を示すブロック図である。
【図5】図2に示すセンサーシステムのリーダーライターの概略構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示すセンサーシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のセンサーシステムの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るセンサーシステムの使用状態の一例を示す図、図2は、図1に示すセンサーシステムの概略構成を示すブロック図、図3は、図2に示すセンサーシステムのセンサータグの設置状態を示す模式図、図4は、図3に示すセンサータグ構成を示すブロック図、図5は、図2に示すセンサーシステムのリーダーライターの概略構成を示すブロック図、図6は、図1に示すセンサーシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【0017】
なお、以下では、本発明のセンサーシステムをコンクリート構造物の品質測定に用いる場合を例に説明する。
図1に示すセンサーシステム1は、橋梁を構成するコンクリート構造物100の品質を測定するものである。
なお、コンクリート構造物100は、橋梁に限定されず、例えば、トンネル、ダム、ビルディングや住宅等の建築物、護岸等の港湾構造物、河川構造物、滑走路などの空港施設等の他のコンクリート構造物にも適用可能である。また、センサーシステム1の測定対象物は、コンクレート構造物に限定されず、例えば、土手、堤防、のり面等を形成する土壌であってもよい。
【0018】
このセンサーシステム1は、コンクリート構造物100内に埋設された複数のセンサータグ2と、コンクリート構造物100外に設置されたリーダーライター3とを有している。
図1に示す例では、複数のセンサータグ2は、コンクリート構造物100の橋桁部101に埋設された複数のセンサータグ2a、2b、2cと、コンクリート構造物100の橋脚部102に埋設された複数のセンサータグ2d、2eとで構成されている。
【0019】
ここで、センサータグ2a、2b、2c、2d、2eは、設置位置が異なる以外は、互いに同様の構成である。したがって、以下の説明では、センサータグ2aについて代表的に説明し、センサータグ2b、2c、2d、2eの説明を省略する。また、図2では、センサータグ2c、2b、2d、2eの図示を省略している。なお、センサータグ2の数は、図1に示すものに限定されるものではない。
このようなセンサーシステム1では、図2に示すように、リーダーライター3および各センサータグ2が互いに無線通信可能に構成されている。
【0020】
なお、複数のセンサータグ2のうちの1つのセンサータグ2のみをリーダーライター3と無線通信可能な構成としてもよい。この場合、センサータグ2同士を互いに無線通信可能な構成とすることにより、リーダーライター3と無線通信可能なセンサータグ2が、他のセンサータグ2の測定情報を収集し、収集した測定情報をまとめてリーダーライター3へ無線送信すればよい。
【0021】
また、リーダーライター3は、ホスト4と無線通信可能に構成されており、リーダーライター3に収集された測定情報は、ホスト4(サーバー)へ送信される。
ここで、ホスト4は、必要時にリーダーライター3との通信可能な距離にあれば、コンクリート構造物100から離れた建造物内に固定設置されていてもよいし、点検車両(図1に示す移動体M)に搭載したものであってもよい。また、ホスト4は、携帯端末で構成されていてもよい。
【0022】
また、ホスト4は、コンクリート構造物100の環境情報を取得し、その環境情報を無線送信する機能をさらに有する。この無線送信された環境情報は、リーダーライター3で受信される。そして、リーダーライター3は、受信した環境情報に基づいて、各センサータグ2へ指示を行う。ここで、ホスト4がコンクリート構造物100の環境情報を取得する環境情報取得手段を構成する。
【0023】
かかる環境情報としては、コンクリート構造物100の状態測定を短時間間隔で行う必要がある環境状態の有無に関するものであれば、特に限定されないが、例えば、地震、津波等の災害の有無が挙げられる。
また、ホスト4における環境情報の取得方法としては、特に限定されず、例えば、ホスト4が例えば災害等の有無を検知するセンサーを備え、そのセンサーの検知結果に基づいて、環境情報を取得してもよいし、外部から有線または無線により取得してもよい。
【0024】
以下、センサーシステム1を構成する各部を順次説明する。
(センサータグ)
図3に示すように、センサータグ2は、測定対象物であるコンクリート構造物100のコンクリート103内の鉄筋104付近に埋設されている。なお、センサータグ2は、コンクリート構造物100の打設する際に、コンクリート103の打設前に鉄筋104に固定して埋め込んでもよいし、打設後に硬化したコンクリート103に穿孔して埋め込んでもよい。
図4に示すように、センサータグ2は、センサー21、22と、通信部23と、インターフェース部24と、記憶部25と、時刻情報生成部26と、制御部27と、電源部28とを有する。
【0025】
[センサー]
センサー21、22は、それぞれ、コンクリート103の鉄筋104付近に設定された測定対象部位(以下、単に「測定対象部位」ともいう)の状態を測定するものである。
具体的には、センサー21は、測定対象部位の状態としてpHを測定するpHセンサーである。これにより、センサー21の測定情報に基づいて、鉄筋104の腐蝕状態を測定することができる。
【0026】
本実施形態では、センサー21がコンクリート103の外表面と鉄筋104との間に設置されている。そのため、センサー21は、鉄筋104が腐食に至る前に、コンクリート103の中性化、コンクリート103への塩化物イオンの侵入等を検知することができる。これにより、コンクリート103の中性化、コンクリート103への塩化物イオンの侵入等による鉄筋104の腐蝕を予防する措置を予め適切な時期にとることができる。
かかるpHセンサーとしては、特に限定されず、公知の各種pHセンサーを用いることができ、例えば、金属製の電気抵抗体または電極対を有し、その電気抵抗体または電極の腐食に伴う電気的特性変化に基づいてpHを測定するセンサーを用いることができる。
より具体的には、かかるpHセンサーとしては、例えば、電気抵抗体の腐蝕に伴う抵抗値、インピーダンス等の変化に基づいてpHを測定するセンサーや、電極対の腐蝕に伴う電極対間のインピーダンス、電位差、静電容量、インダクタンス等の変化に基づいてpHを測定するセンサー等を用いることができる。
【0027】
センサー22は、第1の測定対象部位の状態として歪みを測定する歪センサーである。これにより、センサー22の測定情報に基づいて、コンクリート103または鉄筋104の歪状態を測定することができる。
本実施形態では、センサー22が鉄筋104に沿って設置されている。これにより、鉄筋104の歪状態を高感度に測定することができる。
かかる歪センサーとしては、特に限定されず、公知の各種歪センサーを用いることができ、例えば、外力により抵抗値が変化する電気抵抗体を用いたものや、半導体を用いた半導体ひずみセンサー等を用いることができる。
【0028】
[通信部]
通信部23は、無線通信機能を有する。
より具体的に説明すると、通信部23は、前述したセンサー21、22の測定情報を無線送信する機能を有する。この無線送信された測定情報は、後に詳述するように、リーダーライター3で受信される。
また、通信部23は、リーダーライター3から無線送信された指示情報を受信する機能をさらに有する。この受信した指示情報に基づいて、制御部27が記憶部25内のプログラムを選択・実行する。
【0029】
また、通信部23は、リーダーライター3から無線送信された時刻情報を受信する機能をさらに有していてもよい。この場合、この受信した時刻情報は、時刻情報生成部26の時刻の補正に用いることができる。これにより、時刻情報生成部26およびリーダーライター3の時刻を合わせることにより、センサータグ2およびリーダーライター3の動作を簡単かつ確実に同期させることができる。そのため、センサータグ2を無駄なく動作させ、センサータグ2の消費電力を抑えることができる。
【0030】
このような通信部23は、アンテナ231と、通信回路232とを有する。
アンテナ231は、特に限定されないが、例えば、金属材料、カーボン等で構成され、巻線、薄膜等の形態をなす。なお、アンテナ231は、送信および受信に共通して1つのアンテナで構成されていてもよいし、送信および受信のそれぞれに対応して2つのアンテナで構成されていてもよい。
【0031】
通信回路232は、例えば、電磁波を送信するための送信回路と、送信する信号を変調する機能を有する変調回路と、電磁波を受信するための受信回路と、受信する信号を復調する機能を有する復調回路とを有する。なお、通信回路232は、信号の周波数を小さく変換する機能を有するダウンコンバータ回路、信号の周波数を大きく変換する機能を有するアップコンバータ回路、信号を増幅する機能を有する増幅回路等を有していてもよい。なお、これらの回路は、同一基板上に設けられていてもよいし、互いに異なる基板上に設けられていてもよい。
また、通信部23は、コンクリート構造物100内での無線通信が可能であれば、特に限定されないが、LF帯域(30kHz〜300kHz)の搬送波を用いるものが好ましい。これにより、センサータグ2の消費電力を抑えつつ、センサータグ2とリーダーライター3との通信可能な距離を大きくすることができる。
【0032】
[インターフェース部]
インターフェース部24は、前述したセンサー21、22の測定情報を制御部27に入力する機能を有する。
また、インターフェース部24は、必要に応じて、センサー21、22の測定情報に所定の処理を施して後、その処理後の測定情報を制御部27に入力する。例えば、インターフェース部24は、A/D変換回路を備え、センサー21、22の測定情報をアナログからデジタルに変換して制御部27に入力する。また、インターフェース部24は、増幅回路を備え、センサー21、22の測定情報を増幅した後に制御部27に入力する。
【0033】
[記憶部]
記憶部25は、後述する通信部23の第1の状態に用いる第1のプログラムと、後述する通信部23の第2の状態に用いる第2のプログラムとを含む複数のプログラムが予め記憶されている。
この複数のプログラムは、これらのうちの1つのプログラムが後述する制御部27にて適宜選択され実行される。
【0034】
ここで、第1のプログラムは、例えば平常時に用いるプログラムであって、センサータグ2の消費電力を抑えつつ、センサー21、22の測定およびその測定結果の送信を行うためのものである。また、第2のプログラムは、例えば震災時およびその後の所定期間に用いるプログラムであって、センサー21、22の測定およびその測定結果の送信を短時間間隔で行うためのものである。
【0035】
また、記憶部25は、センサー21、22の測定情報を記憶する機能を有していてもよい。この場合、この記憶された情報は、前述した通信部23で無線送信される。これにより、通信部23がセンサー21、22による測定を複数回行うごとに通信動作を行って、複数回の測定情報を一括して無線送信することができる。
このような記憶部25は、特に限定されず、不揮発性メモリ、揮発性メモリのいずれも用いることができるが、電力を供給しなくても情報を記憶した状態を保持することができ、省電力化を図ることができるという観点から、不揮発性メモリを用いるのが好ましく、特に、省電力で情報の読み書きができるという観点から、フラッシュメモリを用いるのが好ましい。
【0036】
[時刻情報生成部]
時刻情報生成部26は、時刻情報(クロック信号)を生成する機能を有する。これにより、時刻情報生成部26の時刻情報に基づいて通信部23がキャリアセンスを行うことができる。
この時刻情報生成部26は、特に限定されないが、例えば、水晶振動子を利用した発振回路で構成されている。これにより、時刻情報生成部26は比較的省電力で時刻情報を生成することができる。
【0037】
また、時刻情報生成部26は、後述するリーダーライター3の時刻情報生成部34に用いる発信器よりもクロック周波数の低い発信器を用いて構成されているのが好ましく、具体的には、32kHzよりも低いクロック周波数の発信器(発振回路)を用いて構成されているのが好ましい。これにより、センサータグ2の消費電力を抑えることができる。なお、時刻情報生成部26の時刻情報は、キャリアセンスの時間間隔の計時にのみ用いればよいため、高精度である必要がない。
【0038】
[制御部]
制御部27は、センサータグ2を構成する各部、具体的には通信部23、インターフェース部24、記憶部25、時刻情報生成部26等を制御する機能を有する。
具体的には、制御部27は、前述した記憶部25に記憶された複数のプログラムのうちの1つのプログラムを選択し、その選択されたプログラムに基づいて通信部23の駆動を制御する機能を有する。
【0039】
これにより、センサータグ2は、通信部23が第1の送信時間間隔T11でセンサー21、22の測定情報を無線送信する第1の状態(以下、単に「第1の状態」ともいう)と、通信部23が第1の送信時間間隔T11よりも短い第2の送信時間間隔T12でセンサー21、22の測定情報を無線送信する第2の状態とを切り換えることができる。
第1の状態では、通信部23が第1のキャリアセンス時間間隔T21でキャリアセンスを行い、第2の状態では、通信部23が第1のキャリアセンス時間間隔T21よりも短い第2のキャリアセンス時間間隔T22でキャリアセンスを行う。
【0040】
このような第1の状態と第2の状態とを適宜切り換えることにより、コンクリート構造物100の測定対象部位の状態を長期(具体的には20年以上)にわたって測定し得るとともに、所望の期間(例えば震災時およびその後の所定期間)内に短い時間間隔で詳細な測定情報を取得することができる。
また、制御部27は、通信部23で受信された指示情報、すなわちリーダーライター3からの指示情報に基づいて、記憶部25に記憶された複数のプログラムのうちの1つのプログラムを選択する。これにより、コンクリート構造物100の外部からの指示により、センサータグ2の通信部23の第1の状態と第2の状態とを切り換えることができる。
【0041】
また、制御部27は、第2の状態におけるセンサー21、22の測定時間間隔が第1の状態におけるセンサー21、22の測定時間間隔隔よりも短くなるように、センサー21、22を駆動制御する。すなわち、センサータグ2は、第1の状態において、センサー21、22が第1の測定時間間隔T31で測定を行い、第2の状態おいて、センサー21、22が第1の測定時間間隔T31よりも短い第2の測定時間間隔T32で測定を行う。これにより、所望の期間(すなわち第2の状態の期間)内に、より詳細な測定情報を取得することができる。
この制御部27は、特に限定されないが、例えば、MPUで構成されている。
【0042】
[電源部]
電源部28は、センサータグ2を動作可能な電力を供給できるものであれば、特に限定されないが、例えば、ボタン型電池のような電池を用いることができ、特に、電池動作寿命が比較的長いという観点から、リチウム電池を用いるのが好ましい。
以上説明したように構成されたセンサータグ2では、通信部23の通信回路232、インターフェース部24、記憶部25、時刻情報生成部26および制御部27が電気回路41を構成している。
【0043】
また、通信部23、インターフェース部24、記憶部25、時刻情報生成部26、制御部27および電源部28は、封止部42により封止されている。これにより、センサータグ2を水分やコンクリートの存在下に設置した場合に、通信部23、インターフェース部24、記憶部25、時刻情報生成部26、制御部27および電源部28の劣化を防止することができる。
【0044】
ここで、センサー21、22は、封止部42の外部に露出している。これにより、封止部42がセンサー21、22以外の各部の劣化を防止しつつ、センサー21、22による測定を行うことができる。
この封止部42の構成材料としては、公知の封止樹脂を用いることができ、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のような熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
(リーダーライター)
次に、リーダーライター3について詳述する。
図5に示すように、リーダーライター3は、タグ側通信部31と、ホスト側通信部32と、記憶部33と、時刻情報生成部34と、制御部35と、電源部36とを有する。
【0046】
[タグ側通信部]
タグ側通信部31は、前述したセンサータグ2の通信部23と同様に構成することができる。
ただし、タグ側通信部31は、測定情報を送信する機能を省略することができる。
より具体的に説明すると、タグ側通信部31は、前述したセンサータグ2の通信部23から無線送信された測定情報を受信する機能を有する。この受信した測定情報は、後に詳述するように、記憶部33に記憶された後に、所定時にホスト側通信部32から無線送信される。
【0047】
また、タグ側通信部31は、センサータグ2の記憶部25に記憶された複数のプログラムのうちの1つのプログラムを選択する旨の指示情報を無線送信する機能をさらに有する。この無線送信された指示情報は、センサータグ2の通信部23で受信される。
また、タグ側通信部31は、時刻情報生成部34から生成した時刻情報を無線送信する機能をさらに有していてもよい。この場合、この無線送信された時刻情報は、センサータグ2で受信され、センサータグ2の時刻情報生成部26の時刻の補正に用いることができる。
【0048】
このようなタグ側通信部31は、アンテナ311と、通信回路312とを有する。
アンテナ311は、前述したセンサータグ2のアンテナ231と同様に構成することができる。
通信回路312は、前述したセンサータグ2の通信回路232と同様に構成することができる。
【0049】
[ホスト側通信部]
ホスト側通信部32は、前述したタグ側通信部31で受信した測定情報(より具体的には、記憶部33に記憶された測定情報および時刻情報)を送信する機能を有する。この送信した測定情報は、後に詳述するように、ホスト4で受信される。
これにより、リーダーライター3が収集した測定情報をホスト4で簡単に取得することができる。
【0050】
また、ホスト側通信部32は、ホスト4から無線送信された環境情報を受信する機能をさらに有する。この受信した環境情報は、リーダーライター3で受信される。
このホスト側通信部32は、前述したセンサータグ2の通信部23と同様に構成することができるが、空中を伝送するのでLF帯域よりも高い周波数(例えばGHz帯域)の搬送波を用いて無線送信するように構成されているのが好ましく、RF帯域の搬送波を用いて無線送信するように構成されているのがより好ましい。
【0051】
リーダーライター3の無線送信がRF帯域の搬送波を用いるものであると、ホスト4とリーダーライター3との通信可能な距離を大きくすることができる。
なお、ホスト側通信部32は、測定情報を受信する機能と、時刻情報を送信および受信する機能とを省略することができる。
このようなホスト側通信部32は、アンテナ321と、通信回路322とを有する。
【0052】
アンテナ321は、前述したセンサータグ2のアンテナ231と同様に構成することができるが、ホスト側通信部32がRF帯域の搬送波を送信し得るように構成されているのが好ましい。
通信回路322は、前述したセンサータグ2の通信回路232と同様に構成することができるが、ホスト側通信部32がRF帯域の搬送波を送信し得るように構成されているのが好ましい。
【0053】
[記憶部]
記憶部33は、タグ側通信部31で受信した測定情報を記憶する機能を有する。この記憶された情報は、前述したホスト側通信部32で無線送信される。
ここで、記憶部33は、時刻情報生成部34で生成した時刻情報とともにセンサー21、22の測定情報を記憶する。すなわち、記憶部33は、センサー21、22の測定情報に時刻情報を付加した状態で、センサー21、22の測定情報を記憶する。このような測定情報を用いることにより、測定対象部位の状態を時刻ごとに知ることができる。
【0054】
また、記憶部33は、第1の状態に用いる第1のプログラムを選択する旨の指示情報(第1の指示情報)と、第2の状態に用いる第2のプログラムを選択する旨の指示情報(第2の指示情報)とを含む複数の指示情報が予め記憶されている。この記憶された指示情報は、タグ側通信部31で無線送信される。
このような記憶部33は、前述したセンサータグ2の記憶部25と同様に構成することができる。また、後述するようにリーダーライター3の電源部36として、比較的容量の大きい電池、商用電源、太陽電池に接続された二次電池等を用いることができるため、記憶部33は、比較的消費電力の大きいメモリで構成されていてもよい。
【0055】
[時刻情報生成部]
時刻情報生成部34は、前述したセンサータグ2の時刻情報生成部26と同様に構成することができ、時刻情報(クロック信号)を生成する機能を有する。
また、後述するようにリーダーライター3の電源部36として、比較的容量の大きい電池、商用電源、太陽電池に接続された二次電池等を用いることができるため、時刻情報生成部34は、比較的消費電力の大きいものであっても、より正確な時刻情報を生成し得るもの、例えば、原子発振器や、GPS、標準電波を利用して時刻情報を取得する装置等を用いることができる。また、ホスト側通信部32が時刻情報を受信する機能を有する場合、ホスト側通信部32でホスト4からの時刻情報を受信し、その時刻情報に基づいて時刻情報生成部34の時刻を補正することもできる。
【0056】
また、この時刻情報生成部34の時刻情報は、第1の状態におけるセンサー21、22が測定を行うとともに通信部23が測定情報の送信を行う時間間隔(T11、T31)の計時に用いられる。また、かかる時刻情報が測定情報に付加される。
このような時刻情報生成部34は、32kHz以上のクロック周波数の発信器を有するのが好ましい。これにより、高精度な時間間隔で、センサー21、22が測定を行うとともに通信部23が測定情報の送信を行うことができる。
【0057】
[制御部]
制御部35は、リーダーライター3を構成する各部、具体的にはタグ側通信部31、ホスト側通信部32、記憶部33、時刻情報生成部34等を制御する機能を有する。
また、制御部35は、ホスト4からの環境情報に基づいて、記憶部33に記憶された複数の指示情報のうちの1つの指示情報を選択してタグ側通信部31に無線送信させる。これにより、コンクリート構造物100の環境に応じて、センサータグ2の通信部23の第1の状態と第2の状態とを切り換えることができる。
【0058】
また、制御部35は、第1の状態において、時刻情報生成部34の時刻情報により計時して、周期的に(具体的には、第1の測定時間間隔および第1の送信時間間隔に対応する時間間隔で)、タグ側通信部31を作動させる。これにより、センサータグ2は、第1の状態において、リーダーライター3の時刻情報生成部34で生成された時刻情報に基づく時間間隔で、センサー21、22が測定を行うとともに通信部23が測定情報の送信を行う。そのため、センサータグ2がリアルタイムクロックを有する必要がなくなり、センサータグ2の消費電力を抑えることができる。
この制御部35は、特に限定されないが、例えば、MPUで構成されている。
なお、制御部35の動作については、後述するセンサーシステム1の動作の説明において、詳述する。
【0059】
[電源部]
電源部36は、前述したセンサータグ2の電源部28と同様に構成することができ、リーダーライター3を動作可能な電力を供給するものである。
ただし、リーダーライター3は、コンクリート構造物100の外部に設置することができるため、電源部36は、点検、修理、交換等が容易であるとともに、センサータグ2の電源部28よりも大型なものを用いることができる。また、コンクリート構造物100に穿孔等することなく、外部から有線により電源部36に電力を供給することが可能である。
このようなことから、電源部36としては、センサータグ2の電源部28と比較してより大きな電力を発生する電源、例えば、比較的容量の大きい電池、商用電源、太陽電池に接続された二次電池等を用いることができる。このような電源を用いることにより、前述したタグ側通信部31およびホスト側通信部32の通信距離を大きくすることができる。
【0060】
(センサーシステムの動作)
次に、図6に基づいて、センサーシステム1の動作について説明する。
本実施形態のセンサーシステム1では、まず、センサータグ2は、通信部23が第1の送信時間間隔T11でセンサー21、22の測定情報を無線送信する第1の状態となり、その後の所望時に、通信部23が第1の送信時間間隔T11よりも短い第2の送信時間間隔T12でセンサー21、22の測定情報を無線送信する第2の状態に切り換わる。
【0061】
以下、第1の状態および第2の状態を順次詳細に説明する。
[第1の状態]
第1の状態では、センサータグ2は、第1のキャリアセンス時間間隔T21でキャリアセンスを行いながら、リーダーライター3からの指示を待つ。
一方、リーダーライター3は、時刻情報生成部34の時刻情報に従って所定の周期(第1の送信時間間隔T11および第1の測定時間間隔T31)で、指示情報(より具体的には、前述した第1のプログラムを選択する旨の指示)を送信する。
【0062】
これにより、第1の状態では、センサータグ2は、センサー21、22による測定(以下、単に「測定」ともいう)を第1の測定時間間隔T31で行い、通信部23による測定情報の送信(以下、単に「送信」ともいう)を第1の送信時間間隔T11で行う。
このような測定および送信のいずれかを行っているとき、センサータグ2の制御部27がアクティブ状態となり、制御部27の消費電力が大きくなる。一方、測定および送信のいずれも行っていないとき、制御部27がスリープ状態となり、制御部27の消費電力が小さくなる。
【0063】
本実施形態では、第1の送信時間間隔T11は、第1の測定時間間隔T31と等しく設定されている。これにより、第1の送信時間間隔T11で行われる送信は、第1の測定時間間隔T31で行われる測定後ごとに行われる。
なお、第1の送信時間間隔T11は、第1の測定時間間隔T31よりも長く設定されていてもよい。この場合、第1の送信時間間隔T11は、第1の測定時間間隔T31の整数倍であるのが好ましい。これにより、所定の複数回の測定ごとに各送信を行うことができる。
【0064】
なお、第1の送信時間間隔T11および第1の測定時間間隔T31は、それぞれ、図6に図示の例では等間隔に設定されているが、等間隔でなくてもよく、また、間隔が可変であってもよい。第1の送信時間間隔T11および第1の測定時間間隔T31が可変である場合、これらの時間間隔は、例えば、通常1回/1日程度とし、測定情報の変化量が所定値以下である場合には、1回/10日程度とする。
このような第1の送信時間間隔T11および第1の測定時間間隔T31は、具体的には、それぞれ、1回/10日〜1回/1日程度に設定されている。
【0065】
また、第1のキャリアセンス時間間隔T21は、前述した第1の送信時間間隔T11および第1の測定時間間隔T31よりも短く設定され、具体的には、数回/1秒程度に設定されている。
以上説明したような第1の状態では、第1の送信時間間隔T11、第1のキャリアセンス時間間隔T21および第1の測定時間間隔T31がそれぞれ比較的長く設定されているので、センサータグ2の消費電力を抑えることができる。
【0066】
[第2の状態]
前述したように、第1の状態では、センサータグ2が第1のキャリアセンス時間間隔T21でキャリアセンスを行いながらリーダーライター3からの指示を待っているが、例えば震災時等の所望時には、リーダーライター3が環境情報に基づいて、指示情報(より具体的には、前述した第2のプログラムを選択する旨の指示)を送信する。
これにより、センサータグ2は、第2の状態となり、測定を第2の測定時間間隔T32で行い、送信を第2の送信時間間隔T12で行う。
【0067】
また、第2の状態では、センサータグ2は、第2のキャリアセンス時間間隔T22でキャリアセンスを行いながら、リーダーライター3からの指示を待つ。これにより、リーダーライター3がより高精度なタイミングでセンサータグ2に指示を与えることができる。その結果、より詳細な測定情報を取得することができる。
本実施形態では、第2の送信時間間隔T12は、第2の測定時間間隔T32と等しく設定されている。これにより、第2の送信時間間隔T12で行われる送信は、第2の測定時間間隔T32で行われる測定後ごとに行われる。
【0068】
なお、第2の送信時間間隔T12は、第2の測定時間間隔T32よりも長く設定されていてもよい。この場合、第2の送信時間間隔T12は、第2の測定時間間隔T32の整数倍であるのが好ましい。これにより、所定の複数回の測定ごとに各送信を行うことができる。
なお、第2の送信時間間隔T12および第2の測定時間間隔T32は、それぞれ、等間隔に設定されていてもよいし、等間隔でなくてもよく、また、必要に応じて間隔が可変であってもよい。
【0069】
このような第2の送信時間間隔T12および第2の測定時間間隔T32は、第1の送信時間間隔T11および第1の測定時間間隔T31よりも短ければ、特に限定されないが、例えば、それぞれ、1回/1秒〜1回/1日程度に設定されている。
また、第2のキャリアセンス時間間隔T22は、前述した第1のキャリアセンス時間間隔T21よりも短く設定されていれば、特に限定されないが、例えば、数回/1秒程度に設定されている。
【0070】
以上説明したような第2の状態では、第2の送信時間間隔T12および第2の測定時間間隔T32がそれぞれ比較的短く設定されているので、短時間間隔で詳細な測定情報を取得することができる。
特に、第2の状態では、第2のキャリアセンス時間間隔T22が第1のキャリアセンス時間間隔T21よりも短く設定されているので、より詳細な測定情報を取得することができる。
【0071】
以上、本発明のセンサーシステムを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明のセンサーシステムでは、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では各センサータグがアクティブ型タグである場合を例に説明したが、これに限定されず、各センサータグはパッシブ型タグであってもよい。
【0072】
また、前述した実施形態では、1つのセンサータグに2つのセンサーが設けられている場合を例に説明したが、1つのセンサータグに設けられるセンサーの数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、1つのセンサータグに複数のセンサーが設けられる場合において、その複数のセンサーは、互いに同種であってもよいし、互いに異なる種類であってもよい。
【0073】
また、センサーの配置は、センサーの種類、目的等に応じて適宜設定することができる。
また、センサーの種類は、前述した実施形態のものに限定されず、例えば、塩化物イオンセンサー、温度センサー、磁気センサー、加速度センサー、光センサー、圧力センサー等であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1‥‥センサーシステム 2‥‥センサータグ 2a‥‥センサータグ 2b‥‥センサータグ 2c‥‥センサータグ 2d‥‥センサータグ 2e‥‥センサータグ 3‥‥リーダーライター 4‥‥ホスト 21‥‥センサー 22‥‥センサー 23‥‥通信部 24‥‥インターフェース部 25‥‥記憶部 26‥‥時刻情報生成部 27‥‥制御部 28‥‥電源部 31‥‥タグ側通信部 32‥‥ホスト側通信部 33‥‥記憶部 34‥‥時刻情報生成部 35‥‥制御部 36‥‥電源部 41‥‥電気回路 42‥‥封止部 100‥‥コンクリート構造物 101‥‥橋桁部 102‥‥橋脚部 103‥‥コンクリート 104‥‥鉄筋 231‥‥アンテナ 232‥‥通信回路 311‥‥アンテナ 312‥‥通信回路 321‥‥アンテナ 322‥‥通信回路 M‥‥移動体 T11‥‥第1の送信時間間隔 T12‥‥第2の送信時間間隔 T21‥‥第1のキャリアセンス時間間隔 T22‥‥第2のキャリアセンス時間間隔 T31‥‥第1の測定時間間隔 T32‥‥第2の測定時間間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物の測定対象部位の状態を測定するセンサーと、前記センサーの測定情報を無線送信する機能を有する通信部とを有するセンサータグと、
前記通信部から無線送信された測定情報を受信する機能を有するリーダーライターとを備え、
前記センサータグは、前記通信部が第1の送信時間間隔で前記センサーの測定情報を無線送信する第1の状態と、前記通信部が前記第1の送信時間間隔よりも短い第2の送信時間間隔で前記センサーの測定情報を無線送信する第2の状態とを切り換え可能に構成され、
前記第1の状態では、前記通信部が第1のキャリアセンス時間間隔でキャリアセンスを行い、前記第2の状態では、前記通信部が前記第1のキャリアセンス時間間隔よりも短い第2のキャリアセンス時間間隔でキャリアセンスを行うことを特徴とするセンサーシステム。
【請求項2】
前記センサータグは、前記第1の状態に用いる第1のプログラムと、前記第2の状態に用いる第2のプログラムとを含む複数のプログラムが予め記憶された記憶部と、前記記憶部に記憶された前記複数のプログラムのうちの1つのプログラムを選択し、その選択されたプログラムに基づいて前記通信部の駆動を制御する制御部とを備える請求項1に記載のセンサーシステム。
【請求項3】
前記リーダーライターは、前記複数のプログラムのうちの1つのプログラムを選択する旨の指示情報を無線送信する機能をさらに有し、
前記通信部は、前記指示情報を受信する機能をさらに有し、
前記制御部は、前記指示情報に基づいて、前記記憶部に記憶された前記複数のプログラムのうちの1つのプログラムを選択する請求項2に記載のセンサーシステム。
【請求項4】
前記リーダーライターは、前記第1のプログラムを選択する旨の指示情報と、前記第2のプログラムを選択する旨の指示情報とを含む複数の指示情報が予め記憶され、前記測定対象物の環境情報に基づいて、前記複数の指示情報のうちの1つの指示情報を選択して無線送信する請求項3に記載のセンサーシステム。
【請求項5】
前記センサータグは、時刻情報を生成する時刻情報生成部を備える請求項1ないし4のいずれかに記載のセンサーシステム。
【請求項6】
前記時刻情報生成部は、32kHzよりも低いクロック周波数の発信器を用いて構成されている請求項5に記載のセンサーシステム。
【請求項7】
前記リーダーライターは、時刻情報を生成する機能をさらに有し、
前記センサータグは、前記第1の状態において、前記リーダーライターで生成された時刻情報に基づく時間間隔で、前記センサーが測定を行うとともに前記通信部が測定情報の送信を行う請求項1ないし6のいずれかに記載のセンサーシステム。
【請求項8】
前記リーダーライターは、32kHz以上のクロック周波数の発信器を有する請求項7に記載のセンサーシステム。
【請求項9】
前記センサータグは、前記第1の状態において、前記センサーが第1の測定時間間隔で測定を行い、前記第2の状態おいて、前記センサーが前記第1の測定時間間隔よりも短い第2の測定時間間隔で測定を行う請求項1ないし8のいずれかに記載のセンサーシステム。
【請求項10】
前記通信部の前記無線送信は、LF帯域の搬送波を用いるものである請求項1ないし9のいずれかに記載のセンサーシステム。
【請求項11】
前記リーダーライターは、受信した測定情報を無線送信する機能をさらに有する請求項1ないし10のいずれかに記載のセンサーシステム。
【請求項12】
前記リーダーライターの前記無線送信は、RF帯域の搬送波を用いるものである請求項11に記載のセンサーシステム。
【請求項13】
前記測定対象物は、コンクリート構造物である請求項1ないし12のいずれかに記載のセンサーシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−109561(P2013−109561A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253721(P2011−253721)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】