説明

センサーシステム

【課題】複数のセンサータグを広範囲に設置しても、各センサータグの消費電力を抑えつつ、各センサータグからの測定情報を無線通信によりリーダーライターに収集し、測定対象物の各測定対象部位の状態を長期にわたり測定することができるセンサーシステムを提供すること。
【解決手段】本発明のセンサーシステム1は、第1の測定対象部位の状態を測定する第1のセンサーと、第1のセンサーの測定情報を無線送信する機能を有する第1の通信部とを備えるセンサータグ2aと、第2の測定対象部位の状態を測定する第2のセンサーと、第2のセンサーの測定情報を無線送信する機能を有する第2の通信部とを備えるセンサータグ2bと、第1の通信部から無線送信された測定情報を受信する機能を有するリーダーライター3とを有し、第1の通信部は、第2の通信部から無線送信された測定情報を受信する機能と、その受信した測定情報を無線送信する機能とをさらに有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサーシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
センサーシステムとしては、例えば、コンクリート構造物や土壌等の測定対象物に設定された測定対象部位の状態を測定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に記載のセンサーシステムは、道路設備の状態を測定する複数のセンサーと、その複数のセンサーの近傍に設置した路側ユニットとを有し、路側ユニットが各センサーの測定情報を無線通信または有線通信により収集し、その収集した測定情報を無線通信により点検車両に搭載された車載ユニットへ送信する。
【0003】
しかし、特許文献1に記載のセンサーシステムは、路側ユニットが各センサーと直接通信を行わなければならないので、各センサーと路側ユニットとの通信が無線通信である場合、各センサーを路側ユニットとの無線通信が可能な距離の範囲内に設置しなければならない。
そのため、センサーの通信可能な範囲が狭い場合には、センサーを設置する位置が制限されたり、路側ユニットを多く設置しなければならなかったりするという問題があった。
【0004】
また、センサーの通信可能な範囲を大きくすると、センサーの消費電力が大きくなり、長期の測定ができないという問題があった。
一方、各センサーと路側ユニットとの通信が有線通信である場合、各センサーをコンクリートに埋め込み、路側ユニットをコンクリートの外部に設置した状態において、各センサーと路側ユニットとを接続する配線またはその周辺部を通じて、コンクリート内の鉄筋の腐食要因となる水分、酸素、塩化物イオン等がコンクリート内に侵入し、コンクリート構造物の劣化を早めてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−117837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複数のセンサータグを広範囲に設置しても、各センサータグの消費電力を抑えつつ、各センサータグからの測定情報を無線通信によりリーダーライターに収集し、測定対象物の各測定対象部位の状態を長期にわたり測定することができるセンサーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のセンサーシステムは、第1の測定対象部位の状態を測定する第1のセンサーと、前記第1のセンサーの測定情報を無線送信する機能を有する第1の通信部とを備える第1のセンサータグと、
第2の測定対象部位の状態を測定する第2のセンサーと、前記第2のセンサーの測定情報を無線送信する機能を有する第2の通信部とを備える第2のセンサータグと、
前記第1の通信部から無線送信された測定情報を受信する機能を有するリーダーライターとを有し、
前記第1の通信部は、前記第2の通信部から無線送信された測定情報を受信する機能と、その受信した測定情報を無線送信する機能とをさらに有することを特徴とする。
【0008】
このように構成されたセンサーシステムによれば、リーダーライターが第1のセンサーの測定情報を第1の通信部から直接受信(取得)するとともに第2のセンサーの測定情報を第2の通信部から第1の通信部を介して受信(取得)することができる。
したがって、第2の通信部が第1の通信部と通信可能な距離であれば、第2のセンサータグをリーダーライターとの距離に関係なく設置することができる。そのため、第2のセンサータグとリーダーライターとの距離を大きくすることができる。
また、第1の通信部がリーダーライターと通信可能な距離であるとともに第2の通信部が第1の通信部と通信可能な距離であればよいので、第1の通信部の通信距離および第2の通信部の通信距離をそれぞれ短くすることができる。そのため、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの消費電力を抑えることができる。
このようなことから、複数のセンサータグを広範囲に設置しても、各センサータグの消費電力を抑えつつ、各センサータグからの測定情報を無線通信によりリーダーライターに収集し、測定対象物の各測定対象部位の状態を長期にわたり測定することができる。
【0009】
本発明のセンサーシステムでは、前記第1のセンサータグは、時刻情報を生成する第1の時刻情報生成部を備え、
前記第2のセンサータグは、時刻情報を生成する第2の時刻情報生成部を備えることが好ましい。
これにより、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグは、測定情報に時刻情報を付加することができる。そのため、測定情報の利用価値を高めることができる。
また、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの動作を時刻情報に基づいて同期させ必要な時刻のみ無駄なく行うことができる。そのため、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの消費電力を抑えることができる。
【0010】
本発明のセンサーシステムでは、前記第1の通信部は、前記第1の時刻情報生成部が生成した時刻情報を無線送信する機能をさらに有し、
前記第2の通信部は、前記第1の通信部から無線送信された時刻情報を受信する機能をさらに有し、
前記第2のセンサータグは、受信した時刻情報に基づいて、前記第2の時刻情報生成部の時刻を補正することが好ましい。
【0011】
これにより、第2のセンサータグの消費電力を抑えつつ、第2の時刻情報生成部の時刻を補正することができる。また、第1の時刻情報生成部および第2の時刻情報生成部の時刻を合わせることにより、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの動作を簡単かつ確実に同期させることができる。そのため、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグを無駄なく動作させ、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの消費電力を抑えることができる。
【0012】
本発明のセンサーシステムでは、前記リーダーライターは、時刻情報を生成し、生成した時刻情報を無線送信する機能をさらに有し、
前記第1の通信部は、前記リーダーライターから無線送信された時刻情報を受信する機能をさらに有し、
前記第1のセンサータグは、受信した時刻情報に基づいて、前記第1の時刻情報生成部の時刻を補正することが好ましい。
これにより、第1の時刻情報生成部およびリーダーライターの時刻を合わせることにより、第1のセンサータグおよびリーダーライターの動作を簡単かつ確実に同期させることができる。そのため、第1のセンサータグを無駄なく動作させ、第1のセンサータグの消費電力を抑えることができる。
【0013】
本発明のセンサーシステムでは、前記第1のセンサータグは、前記第1のセンサーによる測定を第1の測定時間間隔で間欠的に行い、
前記第2のセンサータグは、前記第2のセンサーによる測定を第2の測定時間間隔で間欠的に行い、
前記第1の通信部および前記第2の通信部は、前記第1のセンサーおよび第2のセンサーによる測定と重複しない時刻に通信動作を行うことが好ましい。
【0014】
これにより、第1のセンサーおよび第2のセンサーによる測定を常時行う場合に比し、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの消費電力を抑えることができる。
また、第1の通信部による通信と第1のセンサーによる測定とが時間的に重複しないので、第1のセンサータグの瞬間的な消費電力の増大を抑えることができる。同様に、第2の通信部による通信と第2のセンサーによる測定とが時間的に重複しないので、第2のセンサータグの瞬間的な消費電力の増大を抑えることができる。このようなことから、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの電源が長期使用により消耗してきた状態(電源の電流または電圧が低下した状態)においても、第1のセンサーおよび第2のセンサーによる測定および第1の通信部および第2の通信部による通信を確実に行うことができる。
【0015】
本発明のセンサーシステムでは、前記第1のセンサータグは、前記第1のセンサーの測定情報と前記第1の通信部で受信した測定情報とをそれぞれ記憶する第1の記憶部を備え、前記第1の通信部は、前記第1の記憶部に記憶された測定情報を無線送信し、
前記第2のセンサータグは、前記第2のセンサーの測定情報を記憶する第2の記憶部を備え、前記第2の通信部は、前記第2の記憶部に記憶された測定情報を無線送信することが好ましい。
これにより、第1の通信部および第2の通信部は、第1のセンサーおよび第2のセンサーによる測定を複数回行うごとに通信動作を行って、複数回の測定情報を一括して無線送信することができる。
【0016】
本発明のセンサーシステムでは、前記第2のセンサータグは、前記第2のセンサーの測定情報を前記第2の記憶部に記憶し、
前記第1の通信部および前記第2の通信部は、前記第2のセンサーの測定情報を複数回分一括で通信動作を行うことが好ましい。
これにより、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの消費電力を抑えることができる。
【0017】
本発明のセンサーシステムでは、前記第1の測定時間間隔および前記第2の測定時間間隔は、一方が他方の整数倍に設定されていることが好ましい。
これにより、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの動作を同期させることができる。また、第1の測定時間間隔および第2の測定時間間隔がそれぞれ一定時間間隔であっても、第1の通信部および第2の通信部による通信と、第1のセンサーおよび第2のセンサーによる測定とが時間的に重複するのを防止することができる。
【0018】
本発明のセンサーシステムでは、前記第1の通信部および前記第2の通信部の前記無線送信は、それぞれ、LF帯域の搬送波を用いるものであることが好ましい。
これにより、第1の測定対象部位および第2の測定対象部位が例えばコンクリート中または土壌中に設定されている場合であっても、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの消費電力を抑えつつ、第1のセンサータグとリーダーライターとの通信可能な距離、および、第1のセンサータグと第2のセンサータグとの通信可能な距離をそれぞれ大きくすることができる。
【0019】
本発明のセンサーシステムでは、前記リーダーライターは、受信した測定情報を無線送信する機能をさらに有することが好ましい。
これにより、リーダーライターが収集した測定情報をホストで簡単に取得することができる。
本発明のセンサーシステムでは、前記リーダーライターの前記無線送信は、RF帯域の搬送波を用いるものであることが好ましい。
これにより、ホストとリーダーライターとの通信可能な距離を大きくすることができる。
【0020】
本発明のセンサーシステムでは、前記第1の測定対象部位および前記第2の測定対象部位は、互いに異なる位置に設定されていることが好ましい。
これにより、異なる測定対象部位の状態を測定することができる。
本発明のセンサーシステムでは、前記第1の測定対象部位および前記第2の測定対象部位は、それぞれ、コンクリート中または土壌中に設定されることが好ましい。
これにより、コンクリートまたは土壌の状態を測定することができる。
【0021】
本発明のセンサーシステムでは、第3の測定対象部位の状態を測定する第3のセンサーと、前記第3のセンサーの測定情報を無線送信する機能を有する第3の通信部とを備える第3のセンサータグをさらに有し、
前記第2の通信部は、前記第3の通信部から無線送信された測定情報を受信する機能と、その受信した測定情報を無線送信する機能とをさらに有することが好ましい。
【0022】
これにより、リーダーライターが第3のセンサーの測定情報を第3の通信部から第1の通信部および第2の通信部を介して受信(取得)することができる。
したがって、第3の通信部が第2の通信部と通信可能な距離であれば、第3のセンサータグをリーダーライターとの距離に関係なく設置することができる。そのため、第3のセンサータグとリーダーライターとの距離を大きくすることができる。
また、第3の通信部が第2の通信部と通信可能な距離であればよいので、第3の通信部の通信距離を短くすることができる。そのため、第3のセンサータグの消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態に係るセンサーシステムの使用状態の一例を示す図である。
【図2】図1に示すセンサーシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すセンサーシステムのセンサータグの設置状態を示す模式図である。
【図4】図3に示すセンサータグ(第1のセンサータグ)構成を示すブロック図である。
【図5】図3に示すセンサータグ(第2のセンサータグ)構成を示すブロック図である。
【図6】図2に示すセンサーシステムのリーダーライターの概略構成を示すブロック図である。
【図7】図3に示すセンサータグ(第1のセンサータグ)の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7に示すセンサータグの動作フローにおけるセンサータグ同士の通信を説明するためのフローチャートである。
【図9】図7に示すセンサータグの動作フローにおけるリーダーライターとの通信を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態に係るセンサーシステムの動作を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るセンサーシステムのセンサータグ(第1のセンサータグ)の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係るセンサーシステムの動作を説明するための図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係るセンサーシステムのセンサータグ(第1のセンサータグ)の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】図13に示すセンサータグの動作フローにおけるセンサータグ同士の通信(測定データ送信)を説明するためのフローチャートである。
【図15】図13に示すセンサータグの動作フローにおけるセンサータグ同士の通信(時刻同期)を説明するためのフローチャートである。
【図16】本発明の第3実施形態に係るセンサーシステムの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明のセンサーシステムの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサーシステムの使用状態の一例を示す図、図2は、図1に示すセンサーシステムの概略構成を示すブロック図、図3は、図2に示すセンサーシステムのセンサータグの設置状態を示す模式図、図4は、図3に示すセンサータグ(第1のセンサータグ)構成を示すブロック図、図5は、図3に示すセンサータグ(第2のセンサータグ)構成を示すブロック図、図6は、図2に示すセンサーシステムのリーダーライターの概略構成を示すブロック図、図7は、図3に示すセンサータグ(第1のセンサータグ)の動作を説明するためのフローチャート、図8は、図7に示すセンサータグの動作フローにおけるセンサータグ同士の通信を説明するためのフローチャート、図9は、図7に示すセンサータグの動作フローにおけるリーダーライターとの通信を説明するためのフローチャート、図10は、本発明の第1実施形態に係るセンサーシステムの動作を説明するための図である。
なお、以下では、本発明のセンサーシステムをコンクリート構造物の品質測定に用いる場合を例に説明する。
【0025】
図1に示すセンサーシステム1は、橋梁を構成するコンクリート構造物100の品質を測定するものである。
なお、コンクリート構造物100は、橋梁に限定されず、例えば、トンネル、ダム、ビルディングや住宅等の建築物、護岸等の港湾構造物、河川構造物、滑走路などの空港施設等の他のコンクリート構造物にも適用可能である。また、センサーシステム1の測定対象物は、コンクレート構造物に限定されず、例えば、土手、堤防、のり面等を形成する土壌であってもよい。
このセンサーシステム1は、コンクリート構造物100内に埋設された複数のセンサータグ2と、コンクリート構造物100外に設置されたリーダーライター3とを有している。
【0026】
図1に示す例では、複数のセンサータグ2は、コンクリート構造物100の橋桁部101に埋設された複数のセンサータグ2a、2b、2cと、コンクリート構造物100の橋脚部102に埋設された複数のセンサータグ2d、2eとで構成されている。
ここで、センサータグ2d、2eは、設置位置が異なる以外は、センサータグ2b、2cと同様である。したがって、以下の説明では、センサータグ2a、2b、2cについて代表的に説明し、センサータグ2d、2eの説明を省略する。また、図2では、センサータグ2d、2eの図示を省略している。なお、センサータグ2の数は、図1に示すものに限定されるものではない。
【0027】
このようなセンサーシステム1では、図2に示すように、リーダーライター3およびセンサータグ2a(第1のセンサータグ)が互いに無線通信可能に構成され、センサータグ2aおよびセンサータグ2b(第2のセンサータグ)が互いに無線通信可能に構成され、センサータグ2bおよびセンサータグ2c(第3のセンサータグ)が互いに無線通信可能に構成されている。これにより、センサータグ2a、2b、2cがそれぞれリーダーライター3と直接無線通信しなくても、センサータグ2a、2b、2cの各測定情報をリーダーライター3に収集することができる。
【0028】
また、リーダーライター3は、ホスト4と無線通信可能に構成されており、リーダーライター3に収集された測定情報は、ホスト4(サーバー)へ送信される。
ここで、ホスト4は、必要時にリーダーライター3との通信可能な距離にあれば、コンクリート構造物100から離れた建造物内に固定設置されていてもよいし、点検車両(図1に示す移動体M)に搭載したものであってもよい。また、ホスト4は、携帯端末で構成されていてもよい。
【0029】
以下、センサーシステム1を構成する各部を順次説明する。
(第1のセンサータグ)
図3に示すように、センサータグ2aは、測定対象物であるコンクリート構造物100のコンクリート103内の鉄筋104付近に埋設されている。なお、センサータグ2aは、コンクリート構造物100の打設する際に、コンクリート103の打設前に鉄筋104に固定して埋め込んでもよいし、打設後に硬化したコンクリート103に穿孔して埋め込んでもよい。
図4に示すように、センサータグ2a(第1のセンサータグ)は、センサー21a、22a(第1のセンサー)と、通信部23a(第1の通信部)と、インターフェース部24aと、記憶部25a(第1の記憶部)と、時刻情報生成部26a(第1の時刻情報生成部)と、制御部27aと、電源部28aとを有する。
【0030】
[第1のセンサー]
センサー21a、22aは、それぞれ、コンクリート103の鉄筋104付近に設定された第1の測定対象部位(以下、単に「第1の測定対象部位」ともいう)の状態を測定するものである。
具体的には、センサー21aは、第1の測定対象部位の状態としてpHを測定するpHセンサーである。これにより、第1のセンサー21aの測定情報に基づいて、鉄筋104の腐蝕状態を測定することができる。
【0031】
本実施形態では、センサー21aがコンクリート103の外表面と鉄筋104との間に設置されている。そのため、センサー21aは、鉄筋104が腐食に至る前に、コンクリート103の中性化、コンクリート103への塩化物イオンの侵入等を検知することができる。これにより、コンクリート103の中性化、コンクリート103への塩化物イオンの侵入等による鉄筋104の腐蝕を予防する措置を予め適切な時期にとることができる。
かかるpHセンサーとしては、特に限定されず、公知の各種pHセンサーを用いることができ、例えば、金属製の電気抵抗体または電極対を有し、その電気抵抗体または電極の腐食に伴う電気的特性変化に基づいてpHを測定するセンサーを用いることができる。
【0032】
より具体的には、かかるpHセンサーとしては、例えば、電気抵抗体の腐蝕に伴う抵抗値、インピーダンス等の変化に基づいてpHを測定するセンサーや、電極対の腐蝕に伴う電極対間のインピーダンス、電位差、静電容量、インダクタンス等の変化に基づいてpHを測定するセンサー等を用いることができる。
センサー22aは、第1の測定対象部位の状態として歪みを測定する歪センサーである。これにより、センサー22aの測定情報に基づいて、コンクリート103または鉄筋104の歪状態を測定することができる。
【0033】
本実施形態では、センサー22aが鉄筋104に沿って設置されている。これにより、鉄筋104の歪状態を高感度に測定することができる。
かかる歪センサーとしては、特に限定されず、公知の各種歪センサーを用いることができ、例えば、外力により抵抗値が変化する電気抵抗体を用いたものや、半導体を用いた半導体ひずみセンサー等を用いることができる。
【0034】
[第1の通信部]
通信部23aは、無線通信機能を有する。そして、通信部23aは、記憶部25aに記憶された測定情報と、時刻情報生成部26aで生成された時刻情報とをそれぞれ送信し、また、センサータグ2bからの測定情報と、リーダーライター3からの時刻情報とをそれぞれ受信する。
【0035】
より具体的に説明すると、通信部23aは、前述したセンサー21a、22aの測定情報を無線送信する機能を有する。この無線送信された測定情報は、後に詳述するように、リーダーライター3で受信される。
また、通信部23aは、後述する通信部23bから無線送信された測定情報を受信する機能と、その受信した測定情報を無線送信する機能とをさらに有する。この無線送信された測定情報も、後に詳述するように、リーダーライター3で受信される。
【0036】
さらに、通信部23aは、リーダーライター3から無線送信された時刻情報を受信する機能をさらに有する。この受信した時刻情報は、後に詳述するように、時刻情報生成部26aの時刻の補正に用いられる。
これにより、時刻情報生成部26aおよびリーダーライター3の時刻を合わせることにより、センサータグ2aおよびリーダーライター3の動作を簡単かつ確実に同期させることができる。そのため、センサータグ2aを無駄なく動作させ、センサータグ2aの消費電力を抑えることができる。
【0037】
また、通信部23aは、時刻情報生成部26aから生成した時刻情報を無線送信する機能をさらに有する。この無線送信された時刻情報は、後に詳述するように、センサータグ2bで受信され、センサータグ2bの時刻情報生成部26bの時刻の補正に用いられる。
このような通信部23aは、アンテナ231aと、通信回路232aとを有する。
アンテナ231aは、特に限定されないが、例えば、金属材料、カーボン等で構成され、巻線、薄膜等の形態をなす。なお、アンテナ231aは、送信および受信に共通して1つのアンテナで構成されていてもよいし、送信および受信のそれぞれに対応して2つのアンテナで構成されていてもよい。
【0038】
通信回路232aは、例えば、電磁波を送信するための送信回路と、送信する信号を変調する機能を有する変調回路と、電磁波を受信するための受信回路と、受信する信号を復調する機能を有する復調回路とを有する。なお、通信回路232aは、信号の周波数を小さく変換する機能を有するダウンコンバータ回路、信号の周波数を大きく変換する機能を有するアップコンバータ回路、信号を増幅する機能を有する増幅回路等を有していてもよい。なお、これらの回路は、同一基板上に設けられていてもよいし、互いに異なる基板上に設けられていてもよい。
【0039】
また、通信部23aは、コンクリート構造物100内での無線通信が可能であれば、特に限定されないが、LF帯域(30kHz〜300kHz)の搬送波を用いるものが好ましい。これにより、センサータグ2aの消費電力を抑えつつ、センサータグ2aとリーダーライター3との通信可能な距離、および、センサータグ2aとセンサータグ2bとの通信可能な距離をそれぞれ大きくすることができる。
【0040】
[インターフェース部]
インターフェース部24aは、前述したセンサー21a、22aの測定情報を制御部27aに入力する機能を有する。
また、インターフェース部24aは、必要に応じて、センサー21a、22aの測定情報に所定の処理を施して後、その処理後の測定情報を制御部27aに入力する。例えば、インターフェース部24aは、A/D変換回路を備え、センサー21a、22aの測定情報をアナログからデジタルに変換して制御部27aに入力する。また、インターフェース部は、増幅回路を備え、センサー21a、22aの測定情報を増幅した後に制御部に入力する。
【0041】
[第1の記憶部]
記憶部25aは、センサー21a、22aの測定情報と、通信部23aで受信した測定情報とを記憶する機能を有する。この記憶された情報は、前述した通信部23aで無線送信される。
これにより、通信部23aがセンサー21a、22aによる測定を複数回行うごとに通信動作を行って、複数回の測定情報を一括して無線送信することができる。
【0042】
ここで、記憶部25aは、時刻情報生成部26aで生成した時刻情報とともにセンサー21a、22aの測定情報を記憶する。すなわち、記憶部25aは、センサー21a、22aの測定情報に時刻情報を付加した状態で、センサー21a、22aの測定情報を記憶する。このような測定情報を用いることにより、第1の測定対象部位の状態を時刻ごとに知ることができる。
【0043】
このような記憶部25aは、特に限定されず、不揮発性メモリ、揮発性メモリのいずれも用いることができるが、電力を供給しなくても情報を記憶した状態を保持することができ、省電力化を図ることができるという観点から、不揮発性メモリを用いるのが好ましく、特に、省電力で情報の読み書きができるという観点から、フラッシュメモリを用いるのが好ましい。
【0044】
[第1の時刻情報生成部]
時刻情報生成部26aは、時刻情報(クロック信号)を生成する機能を有する。これにより、センサータグ2aは、測定情報に時刻情報を付加することができる。そのため、測定情報の利用価値を高めることができる。また、センサータグ2aの動作を時刻情報に基づいてセンサータグ2bおよびリーダーライター3の動作に同期させ必要な時刻のみ無駄なく行うことができる。そのため、センサータグ2aの消費電力を抑えることができる。
この時刻情報生成部26aは、特に限定されないが、例えば、水晶振動子を利用した発振回路で構成されている。これにより、時刻情報生成部26aは比較的省電力で時刻情報を生成することができる。
【0045】
[制御部]
制御部27aは、センサータグ2aを構成する各部、具体的には通信部23a、インターフェース部24a、記憶部25a、時刻情報生成部26a等を制御する機能を有する。
この制御部27aは、特に限定されないが、例えば、MPUで構成されている。
なお、制御部27aの動作については、後述するセンサーシステム1の動作の説明において、詳述する。
【0046】
[第1の電源部]
電源部28aは、センサータグ2aを動作可能な電力を供給できるものであれば、特に限定されないが、例えば、ボタン型電池のような電池を用いることができ、特に、電池動作寿命が比較的長いという観点から、リチウム電池を用いるのが好ましい。
以上説明したように構成されたセンサータグ2aでは、通信部23aの通信回路232a、インターフェース部24a、記憶部25a、時刻情報生成部26aおよび制御部27aが電気回路41aを構成している。
【0047】
また、通信部23a、インターフェース部24a、記憶部25a、時刻情報生成部26a、制御部27aおよび電源部28aは、封止部42aにより封止されている。これにより、センサータグ2aを水分やコンクリートの存在下に設置した場合に、通信部23a、インターフェース部24a、記憶部25a、時刻情報生成部26a、制御部27aおよび電源部28aの劣化を防止することができる。
【0048】
ここで、センサー21a、22aは、封止部42aの外部に露出している。これにより、封止部42aがセンサー21a、22a以外の各部の劣化を防止しつつ、センサー21a、22aによる測定を行うことができる。
この封止部42aの構成材料としては、公知の封止樹脂を用いることができ、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のような熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0049】
(第2のセンサータグ)
次に、センサータグ2bについて詳述する。なお、以下、センサータグ2bについて、前述したセンサータグ2aと同様の事項については、その説明を省略する。
図5に示すように、センサータグ2b(第2のセンサータグ)は、センサー21b、22b(第2のセンサー)と、通信部23b(第2の通信部)と、インターフェース部24bと、記憶部25b(第2の記憶部)と、時刻情報生成部26b(第2の時刻情報生成部)と、制御部27bと、電源部28bとを有する。
【0050】
[第2のセンサー]
センサー21b、22bは、それぞれ、コンクリート103の鉄筋104付近に設定された第2の測定対象部位(以下、単に「第2の測定対象部位」ともいう)の状態を測定するものである。ここで、第2の測定対象部位は、前述した第1の測定対象部位と同一であっても異なっていてもよい。
第1の測定対象部位および第2の測定対象部位が互いに異なる位置に設定されている場合、異なる測定対象部位の状態を測定することができる。
センサー21bは、前述したセンサータグ2aのセンサー21aと同様に構成することができる。
また、センサー22bは、前述したセンサータグ2aのセンサー22aと同様に構成することができる。
【0051】
[第2の通信部]
通信部23bは、前述したセンサータグ2aの通信部23aと同様に構成することができる。
より具体的に説明すると、通信部23bは、前述したセンサー21b、22bの測定情報を無線送信する機能を有する。この無線送信された測定情報は、後に詳述するように、センサータグ2aの通信部23aで受信される。
【0052】
また、通信部23bは、後述するセンサータグ2cの通信部(図示せず)から無線送信された測定情報を受信する機能と、その受信した測定情報を無線送信する機能とをさらに有する。この無線送信された測定情報も、後に詳述するように、センサータグ2aの通信部23aで受信される。
さらに、通信部23bは、前述したセンサータグ2aの通信部23aから無線送信された時刻情報を受信する機能をさらに有する。この受信した時刻情報は、後に詳述するように、時刻情報生成部26bの時刻の補正に用いられる。
【0053】
これにより、センサータグ2bの消費電力を抑えつつ、時刻情報生成部26bの時刻を補正することができる。また、時刻情報生成部26aおよび時刻情報生成部26bの時刻を合わせることにより、センサータグ2aおよびセンサータグ2bの動作を簡単かつ確実に同期させることができる。そのため、センサータグ2aおよびセンサータグ2bを無駄なく動作させ、センサータグ2aおよびセンサータグ2bの消費電力を抑えることができる。
【0054】
また、通信部23bは、時刻情報生成部26bから生成した時刻情報を無線送信する機能をさらに有する。この無線送信された時刻情報は、後に詳述するように、センサータグ2cで受信され、センサータグ2cの時刻情報生成部(図示せず)の時刻の補正に用いられる。
このような通信部23bは、アンテナ231bと、通信回路232bとを有する。
アンテナ231bは、前述したセンサータグ2aのアンテナ231aと同様に構成することができる。
【0055】
通信回路232bは、前述したセンサータグ2aの通信回路232aと同様に構成することができる。
また、通信部23bは、コンクリート構造物100内での無線通信が可能であれば、特に限定されないが、LF帯域の搬送波を用いるものが好ましい。これにより、センサータグ2bの消費電力を抑えつつ、センサータグ2aとセンサータグ2bとの通信可能な距離を大きくすることができる。
【0056】
[インターフェース部]
インターフェース部24bは、前述したセンサータグ2aのインターフェース部24aと同様に構成することができ、前述したセンサー21b、22bの測定情報を制御部27bに入力する機能を有する。
[第2の記憶部]
記憶部25bは、前述したセンサータグ2aの記憶部25aと同様に構成することができ、センサー21b、22bの測定情報と、通信部23bで受信した測定情報とを記憶する機能を有する。この記憶された情報は、前述した通信部23bで無線送信される。
これにより、通信部23bがセンサー21b、22bによる測定を複数回行うごとに通信動作を行って、複数回の測定情報を一括して無線送信することができる。
【0057】
[第2の時刻情報生成部]
時刻情報生成部26bは、時刻情報(クロック信号)を生成する機能を有する。これにより、センサータグ2bは、測定情報に時刻情報を付加することができる。そのため、測定情報の利用価値を高めることができる。また、センサータグ2bの動作を時刻情報に基づいてセンサータグ2aおよびセンサータグ2cの動作に同期させ必要な時刻のみ無駄なく行うことができる。そのため、センサータグ2bの消費電力を抑えることができる。
この時刻情報生成部26bは、前述したセンサータグ2aの時刻情報生成部26aと同様に構成することができる。
【0058】
[制御部]
制御部27bは、前述したセンサータグ2aの制御部27aと同様に構成することができ、センサータグ2bを構成する各部、具体的には通信部23b、インターフェース部24b、記憶部25b、時刻情報生成部26b等を制御する機能を有する。
なお、制御部27bの動作については、後述するセンサーシステム1の動作の説明において、詳述する。
[第2の電源部]
電源部28bは、前述したセンサータグ2aの電源部28aと同様に構成することができ、センサータグ2bを動作可能な電力を供給するものである。
【0059】
以上説明したように構成されたセンサータグ2bでは、通信部23bの通信回路232b、インターフェース部24b、記憶部25b、時刻情報生成部26bおよび制御部27bが電気回路41bを構成している。
また、通信部23b、インターフェース部24b、記憶部25b、時刻情報生成部26b、制御部27bおよび電源部28bは、封止部42bにより封止されている。
【0060】
(第3のセンサータグ)
次に、センサータグ2cについて説明する。なお、以下、センサータグ2cについて、前述したセンサータグ2bと同様の事項については、その説明を省略する。
センサータグ2cは、前述したセンサータグ2bと同様に構成することができる。
すなわち、図示しないが、センサータグ2c(第3のセンサータグ)は、センサー(第3のセンサー)と、通信部(第3の通信部)と、インターフェース部と、記憶部(第3の記憶部)と、時刻情報生成部(第3の時刻情報生成部)と、制御部と、電源部とを有する。
【0061】
ただし、センサータグ2cが複数のセンサータグのうちの末端のセンサータグとなる場合には、センサータグ2cの通信部は、測定情報を受信する機能と、時刻情報生成部から生成した時刻情報を無線送信する機能とを省略することができる。
より具体的に説明すると、センサータグ2cの通信部は、センサーの測定情報を無線送信する機能を有する。この無線送信された測定情報は、後に詳述するように、センサータグ2bの通信部23bで受信される。
また、センサータグ2cの通信部は、前述したセンサータグ2bの通信部23bから無線送信された時刻情報を受信する機能をさらに有する。この受信した時刻情報は、後に詳述するように、センサータグ2cの時刻情報生成部の時刻の補正に用いられる。
【0062】
(リーダーライター)
次に、リーダーライター3について詳述する。
図6に示すように、リーダーライター3は、タグ側通信部31と、ホスト側通信部32と、記憶部33と、時刻情報生成部34と、制御部35と、電源部36とを有する。
【0063】
[タグ側通信部]
タグ側通信部31は、前述したセンサータグ2aの通信部23aと同様に構成することができる。
ただし、タグ側通信部31は、測定情報を送信する機能と、時刻情報を受信する機能とを省略することができる。
【0064】
より具体的に説明すると、タグ側通信部31は、前述したセンサータグ2aの通信部23aから無線送信された測定情報を受信する機能を有する。この受信した測定情報は、後に詳述するように、記憶部33に記憶された後に、所定時にホスト側通信部32から無線送信される。
また、タグ側通信部31は、時刻情報生成部34から生成した時刻情報を無線送信する機能をさらに有する。この無線送信された時刻情報は、後に詳述するように、センサータグ2aで受信され、センサータグ2aの時刻情報生成部26aの時刻の補正に用いられる。
【0065】
このようなタグ側通信部31は、アンテナ311と、通信回路312とを有する。
アンテナ311は、前述したセンサータグ2aのアンテナ231aと同様に構成することができる。
通信回路312は、前述したセンサータグ2aの通信回路232aと同様に構成することができる。
【0066】
[ホスト側通信部]
ホスト側通信部32は、前述したタグ側通信部31で受信した測定情報を送信する機能を有する。この送信した測定情報は、後に詳述するように、ホスト4で受信される。
これにより、リーダーライター3が収集した測定情報をホスト4で簡単に取得することができる。
【0067】
このホスト側通信部32は、前述したセンサータグ2aの通信部23aと同様に構成することができるが、空中を伝送するのでLF帯域よりも高い周波数(例えばGHz帯域)の搬送波を用いて無線送信するように構成されているのが好ましく、RF帯域の搬送波を用いて無線送信するように構成されているのがより好ましい。
リーダーライター3の無線送信がRF帯域の搬送波として用いるものであると、ホスト4とリーダーライター3との通信可能な距離を大きくすることができる。
なお、ホスト側通信部32は、測定情報を受信する機能と、時刻情報を送信および受信する機能とを省略することができる。
【0068】
このようなホスト側通信部32は、アンテナ321と、通信回路322とを有する。
アンテナ321は、前述したセンサータグ2aのアンテナ231aと同様に構成することができるが、ホスト側通信部32がRF帯域の搬送波を送信し得るように構成されているのが好ましい。
通信回路322は、前述したセンサータグ2aの通信回路232aと同様に構成することができるが、ホスト側通信部32がRF帯域の搬送波を送信し得るように構成されているのが好ましい。
【0069】
[記憶部]
記憶部33は、前述したセンサータグ2aの記憶部25aと同様に構成することができ、タグ側通信部31で受信した測定情報とを記憶する機能を有する。この記憶された情報は、前述したホスト側通信部32で無線送信される。
また、後述するようにリーダーライター3の電源部36として、比較的容量の大きい電池、商用電源、太陽電池に接続された二次電池等を用いることができるため、記憶部33は、比較的消費電力の大きいメモリで構成されていてもよい。
【0070】
[時刻情報生成部]
時刻情報生成部34は、前述したセンサータグ2aの時刻情報生成部26aと同様に構成することができ、時刻情報(クロック信号)を生成する機能を有する。
また、後述するようにリーダーライター3の電源部36として、比較的容量の大きい電池、商用電源、太陽電池に接続された二次電池等を用いることができるため、時刻情報生成部34は、比較的消費電力の大きいものであっても、より正確な時刻情報を生成し得るもの、例えば、原子発振器や、GPS、標準電波を利用して時刻情報を取得する装置等を用いることができる。また、ホスト側通信部32が時刻情報を受信する機能を有する場合、ホスト側通信部32でホスト4からの時刻情報を受信し、その時刻情報に基づいて時刻情報生成部34の時刻を補正することもできる。
【0071】
[制御部]
制御部35は、リーダーライター3を構成する各部、具体的にはタグ側通信部31、ホスト側通信部32、記憶部33、時刻情報生成部34等を制御する機能を有する。
この制御部35は、特に限定されないが、例えば、MPUで構成されている。
なお、制御部35の動作については、後述するセンサーシステム1の動作の説明において、詳述する。
【0072】
[電源部]
電源部36は、前述したセンサータグ2aの電源部28aと同様に構成することができ、リーダーライター3を動作可能な電力を供給するものである。
ただし、リーダーライター3は、コンクリート構造物100の外部に設置することができるため、電源部36は、点検、修理、交換等が容易であるとともに、センサータグ2aの電源部28aよりも大型なものを用いることができる。また、コンクリート構造物100に穿孔等することなく、外部から有線により電源部36に電力を供給することが可能である。
【0073】
このようなことから、電源部36としては、センサータグ2aの電源部28aと比較してより大きな電力を発生する電源、例えば、比較的容量の大きい電池、商用電源、太陽電池に接続された二次電池等を用いることができる。このような電源を用いることにより、前述したタグ側通信部31およびホスト側通信部32の通信距離を大きくすることができる。
【0074】
(センサーシステムの動作)
次に、図7ないし図10に基づいて、センサーシステム1の動作について説明する。
最初に、センサータグ2aの動作フロー(制御部27aの制御フロー)を代表的に説明する。
センサータグ2aは、まず、センサー21a、22aによる測定を行うためのタイマー(測定時刻)をセットする(ステップS1)。
【0075】
そして、センサータグ2aをスリープモードに設定する(ステップS2)。このスリープモードでは、センサー21a、22aによる測定や、通信部23aでの送信および受信を行わず、測定時刻であるか否かの判断(ステップS3)のみを行う。そのため、このスリープモードにおけるセンサータグ2aの消費電流は、制御部27aを構成するICの自己消費電流と、時刻情報生成部26aの動作電流との和となる。
【0076】
ステップS3において、測定時刻であると判断するまでの間、かかるスリープモードが維持され、測定時刻であると判断すると、センサータグ2aを起動し(ステップS4)、かかるスリープモードを終了する。
その後、センサー21a、22aによる測定を行い(ステップS5)、その測定情報(データ)を記憶部25a(メモリ)に記憶する(ステップS6)。
【0077】
そして、通信が必要か否かの判断を行う(ステップS7)。本実施形態では、ステップS7において、センサー21a、22aによる測定を所定回数行ったか否かの判断を行う。
ステップS7において、通信が必要でないと判断した場合は、ステップS1に戻る。したがって、通信が必要であると判断するまでの間、上述したステップS1〜S6を繰り返す。
【0078】
一方、ステップS7において、通信が必要であると判断した場合、センサータグ2bとの通信を行う(ステップS8)。
このステップS8では、通信部23aは、図8に示すように、センサータグ2bの通信部23bに対して、キャリアセンスを行い(ステップS81)、通信を確立する(ステップS82)。
【0079】
そして、通信部23aは、センサータグ2aの時刻情報生成部26aで生成された時刻情報を送信する(ステップS83)。この送信された時刻情報は、センサータグ2bの通信部23bで受信され、その受信された時刻情報に基づいて、センサータグ2bの時刻情報生成部26bの時刻が補正される。これにより、センサータグ2aの動作とセンサータグ2bの動作とを同期させることができる。
【0080】
次いで、通信部23aは、センサータグ2bの通信部23bから送信された測定情報を受信する(ステップS84)。この受信された測定情報は、前述したセンサー21a、22aの測定情報とともに、記憶部25aに一時的に記憶される。
そして、通信部23aは、通信タイマーを作動させ(ステップS85)、所定時間経過後に、リーダーライター3との通信を行う(ステップS9)。
【0081】
このステップS9では、図9に示すように、通信部23aは、リーダーライター3に対して、キャリアセンスを行い(ステップS91)、通信を確立する(ステップS92)。
そして、通信部23aは、リーダーライター3から送信された時刻情報を受信する(ステップS93)。この受信された時刻情報に基づいて、センサータグ2aの時刻情報生成部26aの時刻が補正される。これにより、センサータグ2aの動作とリーダーライター3の動作とを同期させることができる。
【0082】
次いで、通信部23aは、記憶部25aに記憶された測定情報を送信する(ステップS94)。この送信された測定情報は、リーダーライター3で受信される。
そして、通信部23aは、通信タイマーを作動させ(ステップS95)、所定時間経過後に、記憶部25aに記憶された測定情報を消去する(ステップS10)。
【0083】
以上のようなステップS1〜S10を繰り返すことにより、図10に示すように、センサータグ2aは、所定の測定時間間隔ごとにセンサー21a、22aの測定を行い、所定の通信時間間隔ごとにセンサータグ2bおよびリーダーライター3との通信を行う。
なお、センサータグ2b、2cの動作フローについては、上述したセンサータグ2aの動作フローと同様である。また、センサータグ2cの動作フローについては、測定情報の受信動作および時刻情報の送信動作を省略することができる。
【0084】
また、センサータグ2a、2b、2cを動作させることにより、センサータグ2aは、センサー21a、22aによる測定を第1の測定時間間隔で間欠的に行い、センサータグ2bは、センサー21b、22bによる測定を第2の測定時間間隔で間欠的に行い、センサータグ2cは、センサーによる測定を第3の測定時間間隔で間欠的に行う。そして、これらのセンサータグの通信部は、これらのセンサータグのセンサーによる測定と重複しない時間に動作する。
これにより、各センサーによる測定を常時行う場合に比し、各センサータグの消費電力を抑えることができる。
【0085】
また、各センサータグにおいて、通信部による通信とセンサーによる測定とが時間的に重複しないので、センサータグの瞬間的な消費電力の増大を抑えることができる。このようなことから、センサータグの電源が長期使用により消耗してきた状態(電源の電流または電圧が低下した状態)においても、センサーによる測定および通信部による通信を確実に行うことができる。
また、本実施形態では、各センサータグにおいて、通信部は、センサーによる測定を複数回行うごとに通信動作を行うので、センサータグの消費電力を抑えることができる。
【0086】
また、本実施形態では、第1の測定時間間隔および第2の測定時間間隔および第3の測定時間間隔が互いに同じ間隔に設定されている。これにより、センサータグ2aおよびセンサータグ2bの動作を同期させることができる。また、第1の測定時間間隔および第2の測定時間間隔がそれぞれ一定時間間隔であっても、センサータグ2aおよびセンサータグ2b間の通信と、センサータグ2aおよびセンサータグ2bの測定とが時間的に重複するのを防止することができる。同様に、センサータグ2bおよびセンサータグ2cの動作を同期させることができる。また、第2の測定時間間隔および第3の測定時間間隔がそれぞれ一定時間間隔であっても、センサータグ2bおよびセンサータグ2c間の通信と、センサータグ2bおよびセンサータグ2cの測定とが時間的に重複するのを防止することができる。なお、このような効果は、第1の測定時間間隔、第2の測定時間間隔および第3の測定時間間隔の一方が他方の整数倍に設定されていれば奏することができる。
【0087】
また、本実施形態では、センサータグ2a、2b、2cの測定タイミングは同時期に設定されている。なお、センサータグ2a、2b、2cの測定時間同士の間に、リーダーライター3およびセンサータグ2a間の通信、センサータグ2aおよびセンサータグ2b間の通信、および、センサータグ2bおよびセンサータグ2c間の通信が可能な時間を確保することができれば、センサータグ2a、2b、2cの測定タイミングは互いにずれていてもよい。
また、リーダーライター3およびセンサータグ2a間の通信タイミング、センサータグ2aおよびセンサータグ2b間の通信タイミング、および、センサータグ2bおよびセンサータグ2c間の通信タイミングは互いにずれて設定されている。これにより、各センサータグ2a、2b、2cの瞬間的な消費電力の増大を抑えることができる。
【0088】
以上説明したように構成されたセンサーシステム1では、リーダーライター3がセンサータグ2aのセンサー21a、22aの測定情報を通信部23aから直接受信(取得)するとともに、センサータグ2bのセンサー21b、22bの測定情報を通信部23bから通信部23aを介して受信(取得)することができる。また、リーダーライター3がセンサータグ2cのセンサーの測定情報をセンサータグ2cの通信部から通信部23aおよび通信部23bを介して受信(取得)することができる。
【0089】
したがって、通信部23bが通信部23aと通信可能な距離であれば、センサータグ2bをリーダーライター3との距離に関係なく設置することができる。そのため、センサータグ2bとリーダーライター3との距離を大きくすることができる。また、センサータグ2cの通信部が通信部23bと通信可能な距離であれば、センサータグ2cをリーダーライター3との距離に関係なく設置することができる。そのため、センサータグ2cとリーダーライター3との距離を大きくすることができる。
【0090】
また、通信部23aがリーダーライター3と通信可能な距離であるとともに通信部23bが通信部23aと通信可能な距離であればよいので、通信部23aの通信距離および通信部23bの通信距離をそれぞれ短くすることができる。そのため、センサータグ2aおよびセンサータグ2bの消費電力を抑えることができる。また、センサータグ2cの通信部が通信部23bと通信可能な距離であればよいので、センサータグ2cの通信距離を短くすることができる。そのため、センサータグ2cの消費電力を抑えることができる。
【0091】
このようなことから、センサーシステム1では、複数のセンサータグ2a、2b、2cを広範囲に設置しても、各センサータグ2a、2b、2cの消費電力を抑えつつ、各センサータグ2a、2b、2cからの測定情報を無線通信によりリーダーライター3に収集し、測定対象物であるコンクリート構造物100の各測定対象部位の状態を長期にわたり測定することができる。
【0092】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図11は、本発明の第2実施形態に係るセンサーシステムのセンサータグ(第1のセンサータグ)の動作を説明するためのフローチャート、図12は、本発明の第2実施形態に係るセンサーシステムの動作を説明するための図である。
【0093】
以下、第2実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態のセンサーシステムは、センサータグの通信動作が異なる以外は、第1実施形態のセンサーシステムとほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0094】
本実施形態でのセンサーシステムでは、前述した第1実施形態の図7に示す動作フローにおいて、ステップS7を省略した以外は、前述した第1実施形態のセンサーシステム1と同様である。
具体的に説明すると、センサータグ2aは、図11に示すように、前述した第1実施形態と同様、ステップS1〜S6を行う。
そして、センサータグ2aは、センサータグ2bとの通信を行い(ステップS8)、その後、リーダーライター3との通信を行う(ステップS9)。
そして、通信部23aは、記憶部25aに記憶された測定情報を消去する(ステップS10)。
【0095】
以上のようなステップS1〜S6、S8〜S10を繰り返すことにより、図12に示すように、センサータグ2aは、所定の測定時間間隔ごとにセンサー21a、22aの測定を行い、この測定時間間隔と同じ通信時間間隔ごとにセンサータグ2bおよびリーダーライター3との通信とを行う。したがって、本実施形は、測定時間間隔が極めて長期である場合に有効である。
なお、センサータグ2b、2cの動作フローについては、上述したセンサータグ2aの動作フローと同様である。また、センサータグ2cの動作フローについては、測定情報の受信動作および時刻情報の送信動作を省略することができる。
以上説明したような第2実施形態のセンサーシステムによっても、複数のセンサータグを広範囲に設置しても、各センサータグの消費電力を抑えつつ、各センサータグからの測定情報を無線通信によりリーダーライターに収集し、測定対象物の各測定対象部位の状態を長期にわたり測定することができる。
【0096】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図13は、本発明の第3実施形態に係るセンサーシステムのセンサータグ(第1のセンサータグ)の動作を説明するためのフローチャート、図14は、図13に示すセンサータグの動作フローにおけるセンサータグ同士の通信(測定データ送信)を説明するためのフローチャート、図15は、図13に示すセンサータグの動作フローにおけるセンサータグ同士の通信(時刻同期)を説明するためのフローチャート、図16は、本発明の第3実施形態に係るセンサーシステムの動作を説明するための図である。
【0097】
以下、第3実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態のセンサーシステムは、センサータグの通信動作が異なる以外は、第1実施形態のセンサーシステムとほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0098】
本実施形態でのセンサーシステムでは、前述した第1実施形態の図7に示す動作フローにおいて、ステップS7を省略するとともに、測定情報の受信と時刻情報の送信とを別のステップで行う以外は、前述した第1実施形態のセンサーシステム1と同様である。
具体的に説明すると、センサータグ2aは、図13に示すように、前述した第1実施形態と同様、ステップS1〜S6を行う。
【0099】
そして、センサータグ2aは、センサータグ2bとの通信を行う(ステップS11)。
このステップS11では、通信部23aは、図14に示すように、センサータグ2bの通信部23bに対して、キャリアセンスを行い(ステップS81)、通信を確立する(ステップS82)。
そして、通信部23aは、センサータグ2bの通信部23bから送信された測定情報を受信する(ステップS84)。
【0100】
その後、通信部23aは、通信タイマーを作動させ(ステップS85)、所定時間経過後に、リーダーライター3との通信を行う(ステップS9)。
次いで、通信部23aは、記憶部25aに記憶された測定情報を消去する(ステップS10)。
その後、センサータグ2aは、センサータグ2bとの通信を行う(ステップS12)。
【0101】
このステップS12では、通信部23aは、図15に示すように、センサータグ2bの通信部23bに対して、キャリアセンスを行い(ステップS81)、通信を確立する(ステップS82)。
そして、通信部23aは、センサータグ2aの時刻情報生成部26aで生成された時刻情報を送信する(ステップS83)。
その後、通信部23aは、通信タイマーを作動させ(ステップS86)、ステップS1に戻る。
【0102】
以上のようなステップS1〜S6、S9〜S12を繰り返すことにより、図16に示すように、センサータグ2aは、所定の測定時間間隔ごとにセンサー21a、22aの測定を行い、この測定時間間隔と同じ通信時間間隔ごとにセンサータグ2bおよびリーダーライター3との通信とを行う。
また、時刻情報の送受信による時刻同期を同一測定時間間隔内に、リーダーライター3からセンサータグ2aへ、センサータグ2aからセンサータグ2bへ、センサータグ2bからセンサータグ2cへと順次行うため、センサーシステム1全体の時刻同期が高精度に行うことができる。
【0103】
なお、センサータグ2b、2cの動作フローについては、上述したセンサータグ2aの動作フローと同様である。また、センサータグ2cの動作フローについては、測定情報の受信動作および時刻情報の送信動作を省略することができる。
以上説明したような第3実施形態のセンサーシステムによっても、複数のセンサータグを広範囲に設置しても、各センサータグの消費電力を抑えつつ、各センサータグからの測定情報を無線通信によりリーダーライターに収集し、測定対象物の各測定対象部位の状態を長期にわたり測定することができる。
【0104】
以上、本発明のセンサーシステムを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明のセンサーシステムでは、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
【0105】
また、前述した実施形態では各センサータグがアクティブ型タグである場合を例に説明したが、これに限定されず、各センサータグはパッシブ型タグであってもよい。
また、前述した実施形態では、1つのセンサータグに2つのセンサーが設けられている場合を例に説明したが、1つのセンサータグに設けられるセンサーの数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、1つのセンサータグに複数のセンサーが設けられる場合において、その複数のセンサーは、互いに同種であってもよいし、互いに異なる種類であってもよい。
また、センサーの配置は、センサーの種類、目的等に応じて適宜設定することができる。
また、センサーの種類は、前述した実施形態のものに限定されず、例えば、塩化物イオンセンサー、温度センサー、磁気センサー、加速度センサー、光センサー、圧力センサー等であってもよい。
【符号の説明】
【0106】
1‥‥センサーシステム 2‥‥センサータグ 2a‥‥センサータグ 2b‥‥センサータグ 2c‥‥センサータグ 2d‥‥センサータグ 2e‥‥センサータグ 3‥‥リーダーライター 4‥‥ホスト 21a‥‥センサー 21b‥‥センサー 22a‥‥センサー 22b‥‥センサー 23a‥‥通信部 23b‥‥通信部 24a‥‥インターフェース部 24b‥‥インターフェース部 25a‥‥記憶部 25b‥‥記憶部 26a‥‥時刻情報生成部 26b‥‥時刻情報生成部 27a‥‥制御部 27b‥‥制御部 28a‥‥電源部 28b‥‥電源部 31‥‥タグ側通信部 32‥‥ホスト側通信部 33‥‥記憶部 34‥‥時刻情報生成部 35‥‥制御部 36‥‥電源部 41a‥‥電気回路 41b‥‥電気回路 42a‥‥封止部 42b‥‥封止部 100‥コンクリート構造物 101‥‥橋桁部 102‥‥橋脚部 103‥‥コンクリート 104‥‥鉄筋 231a‥‥アンテナ 231b‥‥アンテナ 232a‥‥通信回路 232b‥‥通信回路 311‥‥アンテナ 312‥‥通信回路 321‥‥アンテナ 322‥‥通信回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の測定対象部位の状態を測定する第1のセンサーと、前記第1のセンサーの測定情報を無線送信する機能を有する第1の通信部とを備える第1のセンサータグと、
第2の測定対象部位の状態を測定する第2のセンサーと、前記第2のセンサーの測定情報を無線送信する機能を有する第2の通信部とを備える第2のセンサータグと、
前記第1の通信部から無線送信された測定情報を受信する機能を有するリーダーライターとを有し、
前記第1の通信部は、前記第2の通信部から無線送信された測定情報を受信する機能と、その受信した測定情報を無線送信する機能とをさらに有することを特徴とするセンサーシステム。
【請求項2】
前記第1のセンサータグは、時刻情報を生成する第1の時刻情報生成部を備え、
前記第2のセンサータグは、時刻情報を生成する第2の時刻情報生成部を備える請求項1に記載のセンサーシステム。
【請求項3】
前記第1の通信部は、前記第1の時刻情報生成部が生成した時刻情報を無線送信する機能をさらに有し、
前記第2の通信部は、前記第1の通信部から無線送信された時刻情報を受信する機能をさらに有し、
前記第2のセンサータグは、受信した時刻情報に基づいて、前記第2の時刻情報生成部の時刻を補正する請求項2に記載のセンサーシステム。
【請求項4】
前記リーダーライターは、時刻情報を生成し、生成した時刻情報を無線送信する機能をさらに有し、
前記第1の通信部は、前記リーダーライターから無線送信された時刻情報を受信する機能をさらに有し、
前記第1のセンサータグは、受信した時刻情報に基づいて、前記第1の時刻情報生成部の時刻を補正する請求項3に記載のセンサーシステム。
【請求項5】
前記第1のセンサータグは、前記第1のセンサーによる測定を第1の測定時間間隔で間欠的に行い、
前記第2のセンサータグは、前記第2のセンサーによる測定を第2の測定時間間隔で間欠的に行い、
前記第1の通信部および前記第2の通信部は、前記第1のセンサーおよび第2のセンサーによる測定と重複しない時刻に通信動作を行う請求項4に記載のセンサーシステム。
【請求項6】
前記第1のセンサータグは、前記第1のセンサーの測定情報と前記第1の通信部で受信した測定情報とをそれぞれ記憶する第1の記憶部を備え、前記第1の通信部は、前記第1の記憶部に記憶された測定情報を無線送信し、
前記第2のセンサータグは、前記第2のセンサーの測定情報を記憶する第2の記憶部を備え、前記第2の通信部は、前記第2の記憶部に記憶された測定情報を無線送信する請求項5に記載のセンサーシステム。
【請求項7】
前記第2のセンサータグは、前記第2のセンサーの測定情報を前記第2の記憶部に記憶し、
前記第1の通信部および前記第2の通信部は、前記第2のセンサーの測定情報を複数回分一括で通信動作を行う請求項6に記載のセンサーシステム。
【請求項8】
前記第1の測定時間間隔および前記第2の測定時間間隔は、一方が他方の整数倍に設定されている請求項5ないし7のいずれかに記載のセンサーシステム。
【請求項9】
前記第1の通信部および前記第2の通信部の前記無線送信は、それぞれ、LF帯域の搬送波を用いるものである請求項1ないし8のいずれかに記載のセンサーシステム。
【請求項10】
前記リーダーライターは、受信した測定情報を無線送信する機能をさらに有する請求項1ないし9のいずれかに記載のセンサーシステム。
【請求項11】
前記リーダーライターの前記無線送信は、RF帯域の搬送波を用いるものである請求項10に記載のセンサーシステム。
【請求項12】
前記第1の測定対象部位および前記第2の測定対象部位は、互いに異なる位置に設定されている請求項1ないし11のいずれかに記載のセンサーシステム。
【請求項13】
前記第1の測定対象部位および前記第2の測定対象部位は、それぞれ、コンクリート中または土壌中に設定される請求項12に記載のセンサーシステム。
【請求項14】
第3の測定対象部位の状態を測定する第3のセンサーと、前記第3のセンサーの測定情報を無線送信する機能を有する第3の通信部とを備える第3のセンサータグをさらに有し、
前記第2の通信部は、前記第3の通信部から無線送信された測定情報を受信する機能と、その受信した測定情報を無線送信する機能とをさらに有する請求項1ないし13のいずれかに記載のセンサーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−25477(P2013−25477A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158117(P2011−158117)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】