説明

センサーシステム

【課題】複数のセンサータグを設置する場合に、各センサータグの電力消費の効率化を図り、測定対象物の状態を長期にわたり測定することができるセンサーシステムを提供すること。
【解決手段】本発明のセンサーシステム1は、第1のセンサー、第1の通信部および第1の制御部を備えるセンサータグ2aと、第2のセンサー、第2の通信部および第2の制御部を備えるセンサータグ2bと、リーダーライター3とを有し、第1の制御部は、第1の期間に、第1の動作モードで第1のセンサーおよび第1の通信部を動作させ、第2の制御部は、第1の期間に、第2のセンサーおよび第2の通信部を動作させないか、または第1の動作モードよりも消費電力の少ない動作モードで動作させ、第1の期間後の第2の期間に、第2の動作モードで第2のセンサーおよび第2の通信部を動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサーシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
センサーシステムとしては、例えば、コンクリート構造物や土壌等の測定対象物に設定された測定対象部位の状態を測定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に記載のセンサーシステムは、道路設備の状態を測定する複数のセンサーと、その複数のセンサーの近傍に設置した路側ユニットとを有し、路側ユニットが各センサーの測定情報を無線通信または有線通信により収集し、その収集した測定情報を無線通信により点検車両に搭載された車載ユニットへ送信する。
【0003】
ところで、例えば、コンクリートの状態測定においては、測定の対象となる部位や状態等によって測定すべき時期が異なる。
しかし、特許文献1に記載のセンサーシステムは、すべてのセンサーがコンクリート内に埋め込まれた直後から動作し測定を行うため、これらのセンサーに組み込まれる電池は必要時以外にも消費され、センサーシステム全体の測定期間が短くなるという課題があった。
かかる課題は、各センサーと路側ユニットとの通信が無線通信である場合、特に、各センサーが電池を組み込んだアクティブ型タグである場合に顕著となる。
【0004】
一方、各センサーと路側ユニットとの通信が有線通信である場合、各センサーをコンクリートに埋め込み、路側ユニットをコンクリートの外部に設置した状態において、各センサーと路側ユニットとを接続する配線またはその周辺部を通じて、コンクリート内の鉄筋の腐食要因となる水分、酸素、塩化物イオン等がコンクリート内に侵入し、コンクロート構造物の劣化を早めてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−117837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複数のセンサータグを設置し、無線により通信を行なう場合に、各センサータグの電力消費の効率化を図り、測定対象物の状態を長期にわたり測定することができるセンサーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のセンサーシステムは、第1の測定対象部位の状態を測定する第1のセンサーと、前記第1のセンサーの測定情報を無線送信する機能を有する第1の通信部と、前記第1のセンサーおよび前記第1の通信部の駆動を制御する第1の制御部とを備える第1のセンサータグと、
第2の測定対象部位の状態を測定する第2のセンサーと、前記第2のセンサーの測定情報を無線送信する機能を有する第2の通信部と、前記第2のセンサーおよび前記第2の通信部の駆動を制御する第2の制御部とを備える第2のセンサータグと、
前記第1の通信部および前記第2の通信部から無線送信された測定情報をそれぞれ直接的または間接的に受信する機能を有するリーダーライターとを有し、
前記第1の制御部は、第1の期間に、前記第1のセンサーによる測定および前記第1の通信部による無線送信が可能な第1の動作モードで前記第1のセンサーおよび前記第1の通信部を動作させ、
前記第2の制御部は、前記第1の期間に、前記第2のセンサーおよび前記第2の通信部を動作させないか、または前記第1の動作モードよりも消費電力の少ない動作モードで動作させ、前記第1の期間後の第2の期間に、前記第2のセンサーによる測定および前記第2の通信部による無線送信が可能な第2の動作モードで前記第2のセンサーおよび前記第2の通信部を動作させることを特徴とする。
【0008】
このように構成されたセンサーシステムによれば、第1の期間において、第1のセンサーが第1の測定対象部位の状態を測定し、第1の通信部がその測定情報を無線送信し、その後の第2の期間において、第2のセンサーが第2の測定対象部位の状態を測定し、第2の通信部がその測定情報を無線送信する。これにより、第1の期間における第1の測定対象部位の状態、および、第2の期間における第2の測定対象部位の状態をそれぞれ測定することができる。
【0009】
ここで、第2のセンサーおよび第2の通信部が第1の期間において動作しないかまたは消費電力の少ない動作モードで動作するので、第1の測定対象部位の状態を測定するのに必要な期間が第1の期間であるとともに、第2の測定対象部位の状態を測定するのに必要な期間が第2の期間である場合に、第1の期間における第2のセンサータグの消費電力を抑えることができる。
このようなことから、複数のセンサータグを設置する場合に、各センサータグの電力消費の効率化を図り、測定対象物の状態を長期にわたり測定することができる。
【0010】
本発明のセンサーシステムでは、前記第1のセンサータグは、時刻情報を生成する第1の時刻情報生成部を備え、
前記第2のセンサータグは、時刻情報を生成する第2の時刻情報生成部を備えることが好ましい。
これにより、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグは、測定情報に時刻情報を付加することができる。そのため、測定情報の利用価値を高めることができる。
また、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの動作を時刻情報に基づいて同期させ必要な時刻のみ無駄なく行うことができる。そのため、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの消費電力を抑えることができる。
【0011】
本発明のセンサーシステムでは、前記第1の通信部は、前記第1の時刻情報生成部から生成した時刻情報を無線送信する機能をさらに有し、
前記第2の通信部は、前記第1の通信部から無線送信された時刻情報を受信する機能をさらに有し、
前記第2のセンサータグは、受信した時刻情報に基づいて、前記第2の時刻情報生成部の時刻を補正することが好ましい。
これにより、第1の期間中に第2の時刻情報生成部の時刻が正規の時刻からずれてしまっても、第2の時刻情報生成部の時刻を補正することができる。
【0012】
本発明のセンサーシステムでは、前記リーダーライターは、時刻情報を生成し、前記時刻情報を無線送信する機能をさらに有し、
前記第2の通信部は、前記リーダーライターから無線送信された時刻情報を受信する機能をさらに有し、
前記第2のセンサータグは、受信した時刻情報に基づいて、前記第2の時刻情報生成部の時刻を補正することが好ましい。
これにより、第1の期間中に第2の時刻情報生成部の時刻が正規の時刻からずれてしまっても、第2の時刻情報生成部の時刻を補正することができる。
【0013】
本発明のセンサーシステムでは、前記第2のセンサータグは、前記第1の期間の終了後かつ前記第2の期間の開始前の交代期間において、前記時刻情報の受信、および、前記時刻の補正を行うことが好ましい。
これにより、第1の期間における第2のセンサータグの消費電力を抑えつつ、第2の期間における第2の時刻情報生成部の時刻を正確なものとすることができる。
【0014】
本発明のセンサーシステムでは、前記第1の通信部および前記第2の通信部の前記無線送信は、それぞれ、LF帯域の搬送波を用いるものであることが好ましい。
これにより、第1の測定対象部位および第2の測定対象部位が例えばコンクリート中または土壌中に設定されている場合であっても、第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの消費電力を抑えつつ、第1のセンサータグとリーダーライターとの通信可能な距離、および、第1のセンサータグと第2のセンサータグとの通信可能な距離をそれぞれ大きくすることができる。
【0015】
本発明のセンサーシステムでは、前記リーダーライターは、受信した測定情報を無線送信する機能をさらに有することが好ましい。
これにより、リーダーライターが収集した測定情報をホストで簡単に取得することができる。
本発明のセンサーシステムでは、前記リーダーライターの前記無線送信は、RF帯域の搬送波として用いるものであることが好ましい。
これにより、ホストとリーダーライターとの通信可能な距離を大きくすることができる。
【0016】
本発明のセンサーシステムでは、前記第1のセンサーおよび前記第2のセンサーは、同種であることが好ましい。
これにより、互いに異なる位置に設定された第1の測定対象部位および第2の測定対象部位の測定情報として同種の測定情報を時間差で得ることができる。
本発明のセンサーシステムでは、前記第1のセンサーおよび前記第2のセンサーは、互いに異なる種類であることが好ましい。
これにより、第1の測定対象部位および第2の測定対象部位の測定情報として異なる種類の測定情報を得ることができる。
【0017】
本発明のセンサーシステムでは、前記第1の測定対象部位および前記第2の測定対象部位は、互いに異なる位置に設定されていることが好ましい。
これにより、測定対象物の互いに異なる2つの部位の状態を測定することができる。
本発明のセンサーシステムでは、前記第1の測定対象部位および前記第2の測定対象部位は、それぞれ、コンクリート中または土壌中に設定されることが好ましい。
これにより、コンクリートまたは土壌の状態を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係るセンサーシステムの使用状態の一例を示す図である。
【図2】図1に示すセンサーシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すセンサーシステムの第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの設置状態を示す模式図である。
【図4】図3に示す第1のセンサータグの構成を示すブロック図である。
【図5】図3に示す第2のセンサータグの構成を示すブロック図である。
【図6】図2に示すセンサーシステムのリーダーライターの概略構成を示すブロック図である。
【図7】図3に示す第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの動作を説明するための図である。
【図8】図3に示す第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの動作を説明するための図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るセンサーシステムにおける第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの動作を説明するための図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るセンサーシステムにおける第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの動作を説明するための図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係るセンサーシステムの使用状態の一例を示す図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係るセンサーシステムの使用状態の一例を示す図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係るセンサーシステムの使用状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のセンサーシステムの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサーシステムの使用状態の一例を示す図、図2は、図1に示すセンサーシステムの概略構成を示すブロック図、図3は、図2に示すセンサーシステムの第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの設置状態を示す模式図、図4は、図3に示す第1のセンサータグの構成を示すブロック図、図5は、図3に示す第2のセンサータグの構成を示すブロック図、図6は、図2に示すセンサーシステムのリーダーライターの概略構成を示すブロック図、図7および図8は、それぞれ、図3に示す第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの動作を説明するための図である。
【0020】
なお、以下では、本発明のセンサーシステムをコンクリート構造物の品質測定に用いる場合を例に説明する。
図1に示すセンサーシステム1は、橋梁を構成するコンクリート構造物100の品質を測定するものである。
なお、コンクリート構造物100は、橋梁に限定されず、例えば、トンネル、ダム、ビルディングや住宅等の建築物、護岸等の港湾構造物、河川構造物、滑走路などの空港施設等の他のコンクリート構造物にも適用可能である。また、センサーシステム1の測定対象物は、コンクレート構造物に限定されず、例えば、土手、堤防、のり面等を形成する土壌であってもよい。
【0021】
このセンサーシステム1は、コンクリート構造物100内に埋設された複数のセンサータグ2aおよび複数のセンサータグ2bと、コンクリート構造物100外に設置されたリーダーライター3とを有している。
図1に示す例では、センサータグ2aおよびセンサータグ2bが対をなし、その対をなすセンサータグ2a、2bが、コンクリート構造物100の橋桁部101と、コンクリート構造物100の橋脚部102とにそれぞれ複数埋設されている。
【0022】
また、本実施形態では、図2に示すように、複数のセンサータグ2a(第1のセンサータグ)からなるセンサータグ群5(第1のセンサータグ群)において、1つのセンサータグ2aがリーダーライター3と無線通信可能に構成され、センサータグ2a同士が相互に無線通信可能に構成されている。同様に、複数のセンサータグ2b(第2のセンサータグ)からなるセンサータグ群6(第2のセンサータグ群)において、1つのセンサータグ2bがリーダーライター3と無線通信可能に構成され、センサータグ2b同士が相互に無線通信可能に構成されている。これにより、複数のセンサータグ2aおよび複数のセンサータグ2bがそれぞれリーダーライター3と直接無線通信しなくても、各センサータグ2a、2bの各測定情報をリーダーライター3に収集することができる。
【0023】
なお、複数のセンサータグ2aおよび複数のセンサータグ2bがそれぞれリーダーライター3と直接無線通信するように構成されていてもよい。また、以下では、複数のセンサータグ2aおよび複数のセンサータグ2bに関し、リーダーライター3と無線通信可能なセンサータグ2a、2bについて代表的に説明し、他のセンサータグ2a、2bについては、その説明を省略する。
【0024】
ここで、センサータグ群5は、第1の期間に主に動作するものであり、センサータグ群6は、その第1の期間後の第2の期間に主に動作するものである。
また、リーダーライター3は、ホスト4と無線通信可能に構成されており、リーダーライター3に収集された測定情報は、ホスト4(サーバー)へ送信される。
ここで、ホスト4は、必要時にリーダーライター3との通信可能な距離にあれば、コンクリート構造物100から離れた建造物内に固定設置されていてもよいし、点検車両(図1に示す移動体M)に搭載したものであってもよい。また、ホスト4は、携帯端末で構成されていてもよい。
【0025】
以下、センサーシステム1を構成する各部を順次説明する。
(第1のセンサータグ)
図3に示すように、センサータグ2aは、測定対象物であるコンクリート構造物100のコンクリート103内の鉄筋104付近に埋設されている。なお、センサータグ2aは、コンクリート構造物100の打設する際に、コンクリート103の打設前に鉄筋104に固定して埋め込んでもよいし、打設後に硬化したコンクリート103に穿孔して埋め込んでもよい。
図4に示すように、センサータグ2a(第1のセンサータグ)は、センサー21a、22a(第1のセンサー)と、通信部23a(第1の通信部)と、インターフェース部24aと、記憶部25a(第1の記憶部)と、時刻情報生成部26a(第1の時刻情報生成部)と、制御部27aと、電源部28aとを有する。
【0026】
[第1のセンサー]
センサー21a、22aは、それぞれ、コンクリート103の鉄筋104付近に設定された第1の測定対象部位(以下、単に「第1の測定対象部位」ともいう)の状態を測定するものである。
具体的には、センサー21aは、第1の測定対象部位の状態として塩化物イオン濃度を測定するセンサーである。これにより、第1のセンサー21aの測定情報に基づいて、コンクリート103の内部の環境が鉄筋104の腐蝕する状態であるかを測定することができる。
【0027】
本実施形態では、センサー21aがコンクリート103の外表面と鉄筋104との間に設置されている。そのため、センサー21aは、鉄筋104が腐食に至る前に、コンクリート103への塩化物イオンの侵入を検知することができる。これにより、コンクリート103への塩化物イオンの侵入による鉄筋104の腐蝕を予防する措置を予め適切な時期にとることができる。
【0028】
かかるセンサーとしては、特に限定されず、公知の各種センサーを用いることができ、例えば、金属製の電気抵抗体または電極対を有し、その電気抵抗体または電極の腐食に伴う電気的特性変化に基づいて塩化物イオン濃度を測定するセンサーを用いることができる。
より具体的には、かかるセンサーとしては、例えば、電気抵抗体の腐蝕に伴う抵抗値、インピーダンス等の変化に基づいて塩化物イオン濃度を測定するセンサーや、電極対の腐蝕に伴う電極対間のインピーダンス、電位差、静電容量、インダクタンス等の変化に基づいて塩化物イオン濃度を測定するセンサー等を用いることができる。
【0029】
センサー22aは、第1の測定対象部位の状態として歪みを測定する歪センサーである。これにより、センサー22aの測定情報に基づいて、コンクリート103または鉄筋104の歪状態を測定することができる。
本実施形態では、センサー22aが鉄筋104に沿って設置されている。これにより、鉄筋104の歪状態を高感度に測定することができる。
かかる歪センサーとしては、特に限定されず、公知の各種歪センサーを用いることができ、例えば、外力により抵抗値が変化する電気抵抗体を用いたものや、半導体を用いた半導体ひずみセンサー等を用いることができる。
【0030】
[第1の通信部]
通信部23aは、無線通信機能を有する。
より具体的に説明すると、通信部23aは、前述したセンサー21a、22aの測定情報を無線送信する機能を有する。この無線送信された測定情報は、リーダーライター3で受信される。
【0031】
また、通信部23aは、他のセンサータグ2aから無線送信された測定情報を受信する機能と、その受信した測定情報を無線送信する機能とをさらに有する。この無線送信された測定情報も、リーダーライター3で受信される。
さらに、通信部23aは、リーダーライター3から無線送信された時刻情報を受信する機能をさらに有する。この受信した時刻情報は、時刻情報生成部26aの時刻の補正に用いられる。
【0032】
これにより、時刻情報生成部26aおよびリーダーライター3の時刻を合わせることにより、センサータグ2aおよびリーダーライター3の動作を簡単かつ確実に同期させることができる。そのため、センサータグ2aを無駄なく動作させ、センサータグ2aの消費電力を抑えることができる。
【0033】
また、通信部23aは、時刻情報生成部26aから生成した時刻情報を無線送信する機能をさらに有する。この無線送信された時刻情報は、他のセンサータグ2aまたはセンサータグ2bで受信され、他のセンサータグ2aの時刻情報生成部26aの時刻の補正、または、センサータグ2bの時刻情報生成部26bの時刻の補正に用いられる。
このような通信部23aは、アンテナ231aと、通信回路232aとを有する。
【0034】
アンテナ231aは、特に限定されないが、例えば、金属材料、カーボン等で構成され、巻線、薄膜等の形態をなす。なお、アンテナ231aは、送信および受信に共通して1つのアンテナで構成されていてもよいし、送信および受信のそれぞれに対応して2つのアンテナで構成されていてもよい。
通信回路232aは、例えば、電磁波を送信するための送信回路と、送信する信号を変調する機能を有する変調回路と、電磁波を受信するための受信回路と、受信する信号を復調する機能を有する復調回路とを有する。なお、通信回路232aは、信号の周波数を小さく変換する機能を有するダウンコンバータ回路、信号の周波数を大きく変換する機能を有するアップコンバータ回路、信号を増幅する機能を有する増幅回路等を有していてもよい。なお、これらの回路は、同一基板上に設けられていてもよいし、互いに異なる基板上に設けられていてもよい。
【0035】
また、通信部23aは、コンクリート構造物100内での無線通信が可能であれば、特に限定されないが、LF帯域(30kHz〜300kHz)の搬送波を用いるものが好ましい。これにより、センサータグ2aの消費電力を抑えつつ、センサータグ2aとリーダーライター3との通信可能な距離、および、センサータグ2aとセンサータグ2bとの通信可能な距離をそれぞれ大きくすることができる。
【0036】
[インターフェース部]
インターフェース部24aは、前述したセンサー21a、22aの測定情報を制御部27aに入力する機能を有する。
また、インターフェース部24aは、必要に応じて、センサー21a、22aの測定情報に所定の処理を施して後、その処理後の測定情報を制御部27aに入力する。例えば、インターフェース部24aは、A/D変換回路を備え、センサー21a、22aの測定情報をアナログからデジタルに変換して制御部27aに入力する。また、インターフェース部は、増幅回路を備え、センサー21a、22aの測定情報を増幅した後に制御部に入力する。
【0037】
[第1の記憶部]
記憶部25aは、センサー21a、22aの測定情報と、通信部23aで受信した測定情報とを記憶する機能を有する。この記憶された情報は、前述した通信部23aで無線送信される。
これにより、通信部23aがセンサー21a、22aによる測定を複数回行うごとに通信動作を行って、複数回の測定情報を一括して無線送信することができる。
【0038】
ここで、記憶部25aは、時刻情報生成部26aで生成した時刻情報とともにセンサー21a、22aの測定情報を記憶する。すなわち、記憶部25aは、センサー21a、22aの測定情報に時刻情報を付加した状態で、センサー21a、22aの測定情報を記憶する。このような測定情報を用いることにより、第1の測定対象部位の状態を時刻ごとに知ることができる。
【0039】
このような記憶部25aは、特に限定されず、不揮発性メモリ、揮発性メモリのいずれも用いることができるが、電力を供給しなくても情報を記憶した状態を保持することができ、省電力化を図ることができるという観点から、不揮発性メモリを用いるのが好ましく、特に、省電力で情報の読み書きができるという観点から、フラッシュメモリを用いるのが好ましい。
【0040】
[第1の時刻情報生成部]
時刻情報生成部26aは、時刻情報(クロック信号)を生成する機能を有する。これにより、センサータグ2aは、測定情報に時刻情報を付加することができる。そのため、測定情報の利用価値を高めることができる。また、センサータグ2aの動作を時刻情報に基づいて他のセンサータグ2aおよびリーダーライター3の動作に同期させ必要な時刻のみ無駄なく行うことができる。そのため、センサータグ2aの消費電力を抑えることができる。
この時刻情報生成部26aは、特に限定されないが、例えば、水晶振動子を利用した発振回路で構成されている。これにより、時刻情報生成部26aは比較的省電力で時刻情報を生成することができる。
【0041】
[制御部]
制御部27aは、センサータグ2aを構成する各部、具体的には通信部23a、インターフェース部24a、記憶部25a、時刻情報生成部26a等を制御する機能を有する。
この制御部27aは、特に限定されないが、例えば、MPUで構成されている。
なお、制御部27aの動作については、後述するセンサーシステム1の動作の説明において、詳述する。
【0042】
[第1の電源部]
電源部28aは、センサータグ2aを動作可能な電力を供給できるものであれば、特に限定されないが、例えば、ボタン型電池のような電池を用いることができ、特に、電池動作寿命が比較的長いという観点から、リチウム電池を用いるのが好ましい。
以上説明したように構成されたセンサータグ2aでは、通信部23aの通信回路232a、インターフェース部24a、記憶部25a、時刻情報生成部26aおよび制御部27aが電気回路41aを構成している。
【0043】
また、通信部23a、インターフェース部24a、記憶部25a、時刻情報生成部26a、制御部27aおよび電源部28aは、封止部42aにより封止されている。これにより、センサータグ2aを水分やコンクリートの存在下に設置した場合に、通信部23a、インターフェース部24a、記憶部25a、時刻情報生成部26a、制御部27aおよび電源部28aの劣化を防止することができる。
【0044】
ここで、センサー21a、22aは、封止部42aの外部に露出している。これにより、封止部42aがセンサー21a、22a以外の各部の劣化を防止しつつ、センサー21a、22aによる測定を行うことができる。
この封止部42aの構成材料としては、公知の封止樹脂を用いることができ、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のような熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
(第2のセンサータグ)
次に、センサータグ2bについて詳述する。なお、以下、センサータグ2bについて、前述したセンサータグ2aと同様の事項については、その説明を省略する。
図3に示すように、センサータグ2bは、測定対象物であるコンクリート構造物100のコンクリート103内の鉄筋104付近に埋設されている。
【0046】
また、センサータグ2bは、コンクリート構造物100の外表面からの距離が前述したセンサータグ2aと等しくなるように設置されている。
図5に示すように、センサータグ2b(第2のセンサータグ)は、センサー21b、22b(第2のセンサー)と、通信部23b(第2の通信部)と、インターフェース部24bと、記憶部25b(第2の記憶部)と、時刻情報生成部26b(第2の時刻情報生成部)と、制御部27bと、電源部28bとを有する。
【0047】
[第2のセンサー]
センサー21b、22bは、それぞれ、コンクリート103の鉄筋104付近に設定された第2の測定対象部位(以下、単に「第2の測定対象部位」ともいう)の状態を測定するものである。
センサー21bは、前述したセンサータグ21aとは異なる種類のセンサーである。これにより、第1の測定対象部位および第2の測定対象部位の測定情報として異なる種類の測定情報を得ることができる。
具体的には、センサー21bは、第2の測定対象部位の状態としてpHを測定するpHセンサーである。これにより、第2のセンサー21bの測定情報に基づいて、コンクリート103内部の環境が鉄筋104の腐蝕するpH状態であるかを測定することができる。
【0048】
本実施形態では、センサー21bがコンクリート103の外表面と鉄筋104との間に設置されている。そのため、センサー21bは、鉄筋104が腐食に至る前に、コンクリート103の中性化を検知することができる。これにより、コンクリート103の中性化による鉄筋104の腐蝕を予防する措置を予め適切な時期にとることができる。
かかるpHセンサーとしては、特に限定されず、公知の各種pHセンサーを用いることができ、例えば、金属製の電気抵抗体または電極対を有し、その電気抵抗体または電極の腐食に伴う電気的特性変化に基づいてpHを測定するセンサーを用いることができる。
【0049】
より具体的には、かかるpHセンサーとしては、例えば、電気抵抗体の腐蝕に伴う抵抗値、インピーダンス等の変化に基づいてpHを測定するセンサーや、電極対の腐蝕に伴う電極対間のインピーダンス、電位差、静電容量、インダクタンス等の変化に基づいてpHを測定するセンサー等を用いることができる。
また、センサー22bは、前述したセンサータグ2aのセンサー22aと同様に構成することができる。なお、センサー22bは、センサー22aとは異なる種類のセンサーであってもよいし、センサー22aと同種のセンサーあってもよい。
【0050】
[第2の通信部]
通信部23bは、前述したセンサータグ2aの通信部23aと同様に構成することができる。
より具体的に説明すると、通信部23bは、前述したセンサー21b、22bの測定情報を無線送信する機能を有する。この無線送信された測定情報は、リーダーライター3で受信される。
【0051】
また、通信部23bは、他のセンサータグ2bから無線送信された測定情報を受信する機能と、その受信した測定情報を無線送信する機能とをさらに有する。この無線送信された測定情報も、リーダーライター3で受信される。
さらに、通信部23bは、前述したセンサータグ2aの通信部23aから無線送信された時刻情報を受信する機能をさらに有する。この受信した時刻情報は、時刻情報生成部26bの時刻の補正に用いられる。
これにより、センサータグ2bの消費電力を抑えつつ、時刻情報生成部26bの時刻を補正することができる。
【0052】
また、通信部23bは、時刻情報生成部26bから生成した時刻情報を無線送信する機能をさらに有する。この無線送信された時刻情報は、他のセンサータグ2bで受信され、他のセンサータグ2bの時刻情報生成部26bの時刻の補正に用いられる。
このような通信部23bは、アンテナ231bと、通信回路232bとを有する。
アンテナ231bは、前述したセンサータグ2aのアンテナ231aと同様に構成することができる。
【0053】
通信回路232bは、前述したセンサータグ2aの通信回路232aと同様に構成することができる。
また、通信部23bは、コンクリート構造物100内での無線通信が可能であれば、特に限定されないが、LF帯域の搬送波を用いるものが好ましい。これにより、センサータグ2bの消費電力を抑えつつ、センサータグ2bとリーダーライター3との通信可能な距離、および、センサータグ2aとセンサータグ2bとの通信可能な距離を大きくすることができる。
【0054】
[インターフェース部]
インターフェース部24bは、前述したセンサータグ2aのインターフェース部24aと同様に構成することができ、前述したセンサー21b、22bの測定情報を制御部27bに入力する機能を有する。
[第2の記憶部]
記憶部25bは、前述したセンサータグ2aの記憶部25aと同様に構成することができ、センサー21b、22bの測定情報と、通信部23bで受信した測定情報とを記憶する機能を有する。この記憶された情報は、前述した通信部23bで無線送信される。
これにより、通信部23bがセンサー21b、22bによる測定を複数回行うごとに通信動作を行って、複数回の測定情報を一括して無線送信することができる。
【0055】
[第2の時刻情報生成部]
時刻情報生成部26bは、時刻情報(クロック信号)を生成する機能を有する。これにより、センサータグ2bは、測定情報に時刻情報を付加することができる。そのため、測定情報の利用価値を高めることができる。また、センサータグ2bの動作を時刻情報に基づいて他のセンサータグ2bおよびリーダーライター3の動作に同期させ必要な時刻のみ無駄なく行うことができる。そのため、センサータグ2bの消費電力を抑えることができる。
この時刻情報生成部26bは、前述したセンサータグ2aの時刻情報生成部26aと同様に構成することができる。
【0056】
[制御部]
制御部27bは、センサータグ2bを構成する各部、具体的には通信部23b、インターフェース部24b、記憶部25b、時刻情報生成部26b等を制御する機能を有する。
この制御部27bは、特に限定されないが、例えば、MPUで構成されている。
なお、制御部27bの動作については、後述するセンサーシステム1の動作の説明において、詳述する。
【0057】
[第2の電源部]
電源部28bは、前述したセンサータグ2aの電源部28aと同様に構成することができ、センサータグ2bを動作可能な電力を供給するものである。
以上説明したように構成されたセンサータグ2bでは、通信部23bの通信回路232b、インターフェース部24b、記憶部25b、時刻情報生成部26bおよび制御部27bが電気回路41bを構成している。
また、通信部23b、インターフェース部24b、記憶部25b、時刻情報生成部26b、制御部27bおよび電源部28bは、封止部42bにより封止されている。
【0058】
(リーダーライター)
次に、リーダーライター3について詳述する。
図6に示すように、リーダーライター3は、タグ側通信部31と、ホスト側通信部32と、記憶部33と、時刻情報生成部34と、制御部35と、電源部36とを有する。
[タグ側通信部]
タグ側通信部31は、前述したセンサータグ2aの通信部23aと同様に構成することができる。
【0059】
ただし、タグ側通信部31は、測定情報を送信する機能と、時刻情報を受信する機能とを省略することができる。
より具体的に説明すると、タグ側通信部31は、前述したセンサータグ2aの通信部23aから無線送信された測定情報を受信する機能を有する。この受信した測定情報は、記憶部33に記憶された後に、所定時にホスト側通信部32から無線送信される。
【0060】
また、タグ側通信部31は、時刻情報生成部34から生成した時刻情報を無線送信する機能をさらに有する。この無線送信された時刻情報は、センサータグ2aまたはセンサータグ2bで受信され、センサータグ2aの時刻情報生成部26aの時刻の補正、または、センサータグ2bの時刻情報生成部26bの時刻の補正に用いられる。
このようなタグ側通信部31は、アンテナ311と、通信回路312とを有する。
アンテナ311は、前述したセンサータグ2aのアンテナ231aと同様に構成することができる。
通信回路312は、前述したセンサータグ2aの通信回路232aと同様に構成することができる。
【0061】
[ホスト側通信部]
ホスト側通信部32は、前述したタグ側通信部31で受信した測定情報を送信する機能を有する。この送信した測定情報は、ホスト4で受信される。
これにより、リーダーライター3が収集した測定情報をホスト4で簡単に取得することができる。
【0062】
このホスト側通信部32は、前述したセンサータグ2aの通信部23aと同様に構成することができるが、LF帯域よりも高い周波数(例えばGHz帯域)の搬送波を用いて無線送信するように構成されているのが好ましく、RF帯域の搬送波を用いて無線送信するように構成されているのがより好ましい。
リーダーライター3の無線送信がRF帯域の搬送波として用いるものであると、ホスト4とリーダーライター3との通信可能な距離を大きくすることができる。
【0063】
なお、ホスト側通信部32は、測定情報を受信する機能と、時刻情報を送信および受信する機能とを省略することができる。
このようなホスト側通信部32は、アンテナ321と、通信回路322とを有する。
アンテナ321は、前述したセンサータグ2aのアンテナ231aと同様に構成することができるが、ホスト側通信部32がRF帯域の搬送波を送信し得るように構成されているのが好ましい。
通信回路322は、前述したセンサータグ2aの通信回路232aと同様に構成することができるが、ホスト側通信部32がRF帯域の搬送波を送信し得るように構成されているのが好ましい。
【0064】
[記憶部]
記憶部33は、前述したセンサータグ2aの記憶部25aと同様に構成することができ、タグ側通信部31で受信した測定情報とを記憶する機能を有する。この記憶された情報は、前述したホスト側通信部32で無線送信される。
また、後述するようにリーダーライター3の電源部36として、比較的容量の大きい電池、商用電源、太陽電池に接続された二次電池等を用いることができるため、記憶部33は、比較的消費電力の大きいメモリで構成されていてもよい。
【0065】
[時刻情報生成部]
時刻情報生成部34は、前述したセンサータグ2aの時刻情報生成部26aと同様に構成することができ、時刻情報(クロック信号)を生成する機能を有する。
また、後述するようにリーダーライター3の電源部36として、比較的容量の大きい電池、商用電源、太陽電池に接続された二次電池等を用いることができるため、時刻情報生成部34は、比較的消費電力の大きいものであっても、より正確な時刻情報を生成し得るもの、例えば、原子発振器や、GPSなど標準電波を利用して時刻情報を取得する装置等を用いることができる。また、ホスト側通信部32が時刻情報を受信する機能を有する場合、ホスト側通信部32でホスト4からの時刻情報を受信し、その時刻情報に基づいて時刻情報生成部34の時刻を補正することもできる。
【0066】
[制御部]
制御部35は、リーダーライター3を構成する各部、具体的にはタグ側通信部31、ホスト側通信部32、記憶部33、時刻情報生成部34等を制御する機能を有する。
この制御部35は、特に限定されないが、例えば、MPUで構成されている。
なお、制御部35の動作については、後述するセンサーシステム1の動作の説明において、詳述する。
【0067】
[電源部]
電源部36は、前述したセンサータグ2aの電源部28aと同様に構成することができ、リーダーライター3を動作可能な電力を供給するものである。
ただし、リーダーライター3は、コンクリート構造物100の外部に設置することができるため、電源部36は、点検、修理、交換等が容易であるとともに、センサータグ2aの電源部28aよりも大型なものを用いることができる。また、コンクリート構造物100に穿孔等することなく、外部から有線により電源部36に電力を供給することが可能である。
【0068】
このようなことから、電源部36としては、センサータグ2aの電源部28aと比較してより大きな電力を発生する電源、例えば、比較的容量の大きい電池、商用電源、太陽電池に接続された二次電池等を用いることができる。このような電源を用いることにより、前述したタグ側通信部31およびホスト側通信部32の通信距離を大きくすることができる。
【0069】
(センサーシステムの動作)
次に、図7、図8に基づいて、センサーシステム1の動作について説明する。なお、以下の説明では、複数のセンサータグ2aおよび複数のセンサータグ2bのうち、リーダーライター3と通信を行うセンサータグ2a、2bについて代表的に説明し、他のセンサータグ2a、2bについては、その説明を省略する。
【0070】
センサーシステム1は、第1の期間にセンサータグ2aによる測定および通信を行い、その第1の期間後の第2の期間にセンサータグ2bによる測定および通信を行う。また、第1の期間と第2の期間との交代期間において、センサータグ2aとセンサータグ2bとの通信を行う。
以下、これらの期間の経時的順に沿って、センサーシステム1の動作を詳述する。
【0071】
[第1の期間]
第1の期間では、図7および図8(a)に示すように、センサータグ2aによる測定および通信を行う。また、第1の期間では、センサータグ2bによる測定および通信を実質的に行わない。
より具体的に説明すると、センサータグ2aの制御部27aは、第1の期間において、センサー21a、22aによる測定および通信部23aによる無線送信が可能な第1の動作モードでセンサー21a、22aおよび通信部23aを動作させる。
【0072】
この第1の期間において、例えば、センサータグ2aは、センサー21a、22aによる測定を所定の測定時間間隔で間欠的に行う。そして、センサータグ2aの通信部23aは、センサー21a、22aによる測定と重複しない時間に動作する。これにより、各センサー21a、22aによる測定を常時行う場合に比し、センサータグ2aの消費電力を抑えることができる。
【0073】
また、センサータグ2aにおいて、通信部23aによる通信とセンサー21a、22aによる測定とが時間的に重複しないので、センサータグ2aの瞬間的な消費電力の増大を抑えることができる。このようなことから、センサータグ2aの電源が長期使用により消耗してきた状態(電源の電流または電圧が低下した状態)においても、センサー21a、22aによる測定および通信部23aによる通信を確実に行うことができる。
【0074】
また、通信部23aは、センサー21a、22aによる測定を複数回行うごとに通信動作を行うのが好ましい。これにより、センサータグ2aの消費電力を抑えることができる。
また、通信部23aから無線送信された測定情報は、リーダーライター3で受信される。
【0075】
一方、センサータグ2bの制御部27bは、第1の期間において、センサー21b、22bおよび通信部23bを動作させないか、または前記第1の動作モードよりも消費電力の少ない動作モードで動作させる。
これにより、第1の測定対象部位の状態を測定するのに必要な期間が第1の期間であるとともに、第2の測定対象部位の状態を測定するのに必要な期間が第2の期間である場合において、第1の期間におけるセンサータグ2bの無駄な消費電力を抑えることができる。
【0076】
なお、以下では、センサー21b、22bおよび通信部23bを動作させないモード、または、第1の動作モードよりも消費電力の少ない動作モードを「スリープモード」ともいう。
このような第1の期間は、センサータグ2a、2bの設置後の初期に設定される。
ところで、コンクリート構造物100において、中性化は、外表面から内部へゆっくりと進み、建造後20年程度経過しないと、鉄筋104に対する影響が出ないのに対して、塩害(塩化物イオンの侵入)、特に海岸近くの塩害や寒冷地の融雪剤による塩害は、進行が速く、建造後10年よりも前に鉄筋104の腐蝕が生じることがある。
【0077】
したがって、第1の期間をコンクリート構造物100の建造から10年間程度の期間に設定し、第1の期間において、センサータグ2aにより塩害の有無を検知することが有効である。
また、第1の期間は、第1の測定対象部位の測定に必要な期間に応じて設定されるが、センサータグ2aの電源部28aが消耗してセンサー21a、22aによる測定および通信部23aによる通信が行えなくなる時間よりも短く設定される。これにより、第1の期間の終了まで前述したような第1の動作モードを維持することができるとともに、後述する交代期間において、センサータグ2とセンサータグ2bとの通信を行うことができる。
【0078】
また、センサータグ2bの制御部27bは、例えば時刻情報生成部26bの時刻情報に基づいて、計時を行い、第1の期間が終了したか否かの判断を行い、第1の期間が終了したと判断するまでは、前述したスリープモードを維持する。
そして、制御部27bは、第1の期間が終了したと判断したとき、前述したスリープモードを終了し、通信部23bを起動する。
【0079】
[交代期間]
交代期間では、図7および図8(b)に示すように、まず、センサータグ2bがセンサータグ2aに対して通信要求を行い、その通信要求がセンサータグ2aで確認され、センサータグ2aとセンサータグ2bとの通信が確立する。
すると、センサータグ2aの通信部23aは、時刻情報生成部26aで生成した時刻情報を送信する。その送信された時刻情報は、センサータグ2bの通信部23bで受信される。センサータグ2bの制御部27bは、その受信した時刻情報に基づいて、時刻情報生成部26bの時刻を補正する。これにより、第1の期間中に時刻情報生成部26bの時刻が正規の時刻からずれてしまっても、時刻情報生成部26bの時刻を補正することができる。また、第1の期間と第2の期間との間の期間(すなわち第1の期間の終了後かつ第2の期間の開始前の期間)である交代期間において、センサータグ2bが時刻情報の受信および時刻の補正を行うので、第1の期間におけるセンサータグ2bの消費電力を抑えつつ、第2の期間における時刻情報生成部26bの時刻を正確なものとすることができる。
【0080】
その後、センサータグ2bの制御部27bは、センサー21b、22bも動作可能な状態とし、後述する第2の動作モードに移行する。
一方、センサータグ2aは、前述したように時刻情報を送信した後、センサー21a、22aおよび通信部23aを動作させないモード、または、第1の動作モードよりも消費電力の少ない動作モードに移行する。
【0081】
[第2の期間]
第2の期間では、図7および図8(c)に示すように、センサータグ2bによる測定および通信を行う。また、第2の期間では、センサータグ2aによる測定および通信を実質的に行わない。
より具体的に説明すると、センサータグ2bの制御部27bは、センサー21b、22bによる測定および通信部23bによる無線送信が可能な第2の動作モードでセンサー21b、22bおよび通信部23bを動作させる。
【0082】
この第2の期間において、例えば、センサータグ2bは、前述した第1の期間におけるセンサータグ2aと同様、センサー21b、22bによる測定を所定の測定時間間隔で間欠的に行う。そして、センサータグ2bの通信部23bは、センサー21b、22bによる測定と重複しない時間に動作する。
また、通信部23bは、センサー21b、22bによる測定を複数回行うごとに通信動作を行うのが好ましい。
また、通信部23bから無線送信された測定情報は、リーダーライター3で受信される。
【0083】
一方、センサータグ2aの制御部27aは、第2の期間において、センサー21a、22aおよび通信部23aを動作させないか、または前記第1の動作モードよりも消費電力の少ない動作モードで動作させる。また、第2の期間において、センサータグ2aは、電源部28aの寿命により動作不能な状態であってもよい。
このような第2の期間は、センサータグ2a、2bの設置後の中期または長期に設定される。
【0084】
前述したように、コンクリート構造物100において、中性化は、外表面から内部へゆっくりと進み、建造後20年程度経過しないと、鉄筋104に対する影響が出ないため、第1の期間をコンクリート構造物100の建造から10年後程度から建造後20年後程度までの期間に設定し、第2の期間において、センサータグ2aにより中性化の有無を検知することが有効である。
【0085】
また、第2の期間は、第2の測定対象部位の測定に必要な期間に応じて設定されるが、センサータグ2bの電源部28bが消耗してセンサー21b、22bによる測定および通信部23bによる通信が行えなくなる時間よりも短く設定される。これにより、第2の期間の終了まで前述したような第2の動作モードを維持することができる。
また、センサータグ2bの制御部27bは、例えば時刻情報生成部26bの時刻情報に基づいて、計時を行い、第2の期間が終了したか否かの判断を行い、第2の期間が終了したと判断するまでは、前述した第2の動作モードを維持する。なお、第2の期間は、センサータグ2bの電源部28bの寿命となることにより、終了させてもよい。
【0086】
以上説明したようなセンサーシステム1によれば、初期の第1の期間において、センサータグ2aのセンサー21a、22aが第1の測定対象部位の状態を測定し、通信部23aがその測定情報を無線送信し、その後の中期または長期の第2の期間において、センサータグ2bのセンサー21b、22bが第2の測定対象部位の状態を測定し、通信部23bがその測定情報を無線送信する。これにより、第1の期間における第1の測定対象部位の状態、および、第2の期間における第2の測定対象部位の状態をそれぞれ測定することができる。
【0087】
ここで、センサータグ2bのセンサー21b、22bおよび通信部23bが第1の期間において動作しないかまたは消費電力の少ない動作モードで動作するので、第1の測定対象部位の状態を測定するのに必要な期間が第1の期間であるとともに、第2の測定対象部位の状態を測定するのに必要な期間が第2の期間である場合に、第1の期間におけるセンサータグ2bの無駄な消費電力を抑えることができる。
このようなことから、複数のセンサータグ2a、2bを設置する場合に、各センサータグ2a、2bの電力消費の効率化を図り、測定対象物であるコンクリート構造物100の状態を長期にわたり測定することができる。
【0088】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図9および図10は、それぞれ、本発明の第2実施形態に係るセンサーシステムにおける第1のセンサータグおよび第2のセンサータグの動作を説明するための図である。
以下、第2実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0089】
第2実施形態のセンサーシステムは、交代期間における動作が異なる以外は、第1実施形態のセンサーシステムとほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
本実施形態でのセンサーシステム1Aは、センサータグ2a、2bと、リーダーライター3Aとを有する。
【0090】
このセンサーシステム1Aは、第1の期間にセンサータグ2aによる測定および通信を行い、交代期間にセンサータグ2bとリーダーライター3Aとの通信を行い、第2の期間にセンサータグ2bによる測定および通信を行う。
ここで、第1の期間および第2の期間におけるセンサータグ2a、2bの動作は、図9および図10(a)、(c)に示すように、前述した第1実施形態と同様である。
【0091】
以下、交換期間におけるセンサータグ2a、2bおよびリーダーライター3Aの動作を説明する。
本実施形態における交代期間では、図9および図10(b)に示すように、まず、センサータグ2bがリーダーライター3Aに対して通信要求を行い、その通信要求がリーダーライター3Aで確認され、センサータグ2bとリーダーライター3Aとの通信が確立する。
【0092】
すると、リーダーライター3Aのタグ側通信部31は、時刻情報生成部34aで生成した時刻情報を送信する。その送信された時刻情報は、センサータグ2bの通信部23bで受信される。センサータグ2bの制御部27bは、その受信した時刻情報に基づいて、時刻情報生成部26bの時刻を補正する。これにより、第1の期間中に時刻情報生成部26bの時刻が正規の時刻からずれてしまっても、時刻情報生成部26bの時刻を補正することができる。
【0093】
その後、センサータグ2bの制御部27bは、センサー21b、22bも動作可能な状態とし、後述する第2の動作モードに移行する。
また、リーダーライター3Aは、前述したように時刻情報を送信した後、センサータグ2aに対して、測定を終了し、スリープモードに移行する指示を送信する。
これにより、センサータグ2aは、センサー21a、22aおよび通信部23aを動作させないモード、または、第1の動作モードよりも消費電力の少ない動作モードに移行する。
以上説明したような第2実施形態のセンサーシステムによっても、複数のセンサータグ2a、2bを設置する場合に、各センサータグ2a、2bの電力消費の効率化を図り、測定対象物であるコンクリート構造物100の状態を長期にわたり測定することができる。
【0094】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図11は、本発明の第3実施形態に係るセンサーシステムの使用状態の一例を示す図である。
以下、第3実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0095】
第3実施形態のセンサーシステムは、第1のセンサータグの設置位置が異なるとともに第1のセンサータグのセンサーの種類が異なる以外は、第1実施形態のセンサーシステムとほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
本実施形態のセンサーシステム1Bは、センサータグ2c、2dと、センサータグ2c、2dとの無線通信を行うリーダーライター3Bとを有する。
【0096】
センサータグ2c、2dは、コンクリート構造物100のコンクリート103内に埋設されるが、センサータグ2cとコンクリート103の外表面との間の距離は、センサータグ2dとコンクリート103の外表面との間の距離と異なっている。より具体的には、センサータグ2cとコンクリート103の外表面との間の距離は、センサータグ2dとコンクリート103の外表面との間の距離よりも短くなっている。
【0097】
このように第1の測定対象部および第2の測定対象部位が互いに異なる位置に設定されていることにより、測定対象物であるコンクリート構造物100の互いに異なる2つの部位の状態を測定することができる。
ところで、コンクリート構造物100において、中性化および塩害は、外表面から内部へ徐々に進む。
【0098】
特に、コンクリート構造物100の建造後の10年間程度の初期においては、コンクリート103の外表面側の中性化を検知することが重要で、コンクリート103の鉄筋104付近の中性化を検知する必然性は高くない。コンクリート構造物100の建造から10年後程度から20年後程度までの中期または長期において、コンクリート103の鉄筋104付近の中性化を検知すればよい。
【0099】
このような観点から、本実施形態では、第1の期間においてセンサータグ2cを動作させ、第2の期間においてセンサータグ2dを動作させる。また、センサータグ2c、2dのセンサーとして、それぞれ、pHセンサーを用いる。
このようにセンサータグ2c、2dのセンサーが同種であると、互いに異なる位置に設定された第1の測定対象部位および第2の測定対象部位の測定情報として同種の測定情報(本実施形態ではpH)を時間差で得ることができる。
以上説明したような第3実施形態のセンサーシステムによっても、複数のセンサータグ2a、2bを設置する場合に、各センサータグ2c、2dの電力消費の効率化を図り、測定対象物であるコンクリート構造物100の状態を長期にわたり測定することができる。
【0100】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
図12は、本発明の第4実施形態に係るセンサーシステムの使用状態の一例を示す図である。
以下、第4実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0101】
第4実施形態のセンサーシステムは、センサータグの設置位置が異なるとともにセンサータグのセンサーの種類が異なる以外は、第1実施形態のセンサーシステムとほぼ同様である。
本実施形態のセンサーシステム1Cは、センサータグ2e、2f、2g、2hと、センサータグ2e、2f、2g、2hとの無線通信を行うリーダーライター3Cとを有する。
【0102】
センサータグ2e、2gは、それぞれ、コンクリート構造物100Cの橋桁部101Cの上面側または橋脚部102Cの外側に埋設され、センサータグ2f、2hは、それぞれ、橋桁部101Cの下面側または橋脚部102Cの内側に埋設されている。
ところで、コンクリート構造物100Cが寒冷地に建造されている場合、橋桁部101Cの上面には塩化カルシウム等の融雪剤が散布されるため、橋桁部101Cの上面側が下面側よりも塩害の進行が速い。
【0103】
また、コンクリート構造物100Cが海岸付近に建造されている場合、橋脚部102Cの内側および外側には海からの塩化物イオンが付着するが、橋脚部102Cの外側では、雨や風により塩化物イオンが洗い流されるため、橋脚部102Cの内側よりも塩害の進行が遅い。言い換えれば、橋脚部102Cの内側では、橋脚部102Cの外側よりも塩害の進行が速くなる。
【0104】
このような観点から、本実施形態では、第1の期間においてセンサータグ2eを動作させ、第2の期間においてセンサータグ2fを動作させ、さらに、第2の期間後の第3の期間においてセンサータグ2g、2hを動作させる。また、センサータグ2e、2fのセンサーとして、それぞれ、塩化物イオンの侵入を検知するセンサーを用いる。また、センサータグ2g、2hのセンサーとして、それぞれ、pHセンサーを用いる。
以上説明したような第4実施形態のセンサーシステムによっても、複数のセンサータグ2e、2f、2g、2hを設置する場合に、各センサータグ2e、2f、2g、2hの電力消費の効率化を図り、測定対象物であるコンクリート構造物100Cの状態を長期にわたり測定することができる。
【0105】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
図13は、本発明の第5実施形態に係るセンサーシステムの使用状態の一例を示す図である。
以下、第5実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0106】
第5実施形態のセンサーシステムは、センサータグの設置位置が異なるとともにセンサータグのセンサーの種類が異なる以外は、第1実施形態のセンサーシステムとほぼ同様である。
本実施形態のセンサーシステム1Dは、センサータグ2i、2jと、センサータグ2i、2jとの無線通信を行うリーダーライター3Dとを有する。
【0107】
センサータグ2iは、護岸建造物であるコンクリート構造物100Dの橋脚部102Dの上側に埋設され、センサータグ2jは、センサータグ2iよりも橋脚部102Dの下側に埋設されている。
コンクリート構造物100Dの橋脚部102Dにおいて、常時海中に存在する部分は、酸素の供給が極端に少ないため、塩害の進行が遅いが、海面の干潮位よりも上の部分、特に、下面の干潮位と満潮位との間の部分は、塩化物イオンおよび酸素の供給が多いため、塩害の進行が速い。
【0108】
このような観点から、本実施形態では、第1の期間においてセンサータグ2iを動作させ、第2の期間においてセンサータグ2jを動作させる。また、センサータグ2i、2jのセンサーとして、それぞれ、塩化物イオンの侵入を検知するセンサーを用いる。
以上説明したような第4実施形態のセンサーシステムによっても、複数のセンサータグ2i、2jを設置する場合に、各センサータグ2i、2jの電力消費の効率化を図り、測定対象物であるコンクリート構造物100Dの状態を長期にわたり測定することができる。
以上、本発明のセンサーシステムを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0109】
例えば、本発明のセンサーシステムでは、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。また、例えば、本発明の測定方法では、任意の目的の工程が1または2以上追加されてもよい。
また、前述した実施形態では各センサータグがアクティブ型タグである場合を例に説明したが、これに限定されず、各センサータグはパッシブ型タグであってもよい。
【0110】
また、前述した実施形態では、1つのセンサータグに2つのセンサーが設けられている場合を例に説明したが、1つのセンサータグに設けられるセンサーの数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、1つのセンサータグに複数のセンサーが設けられる場合において、その複数のセンサーは、互いに同種であってもよいし、互いに異なる種類であってもよい。また、
また、センサーの配置は、センサーの種類、目的等に応じて適宜設定することができる。
また、センサーの種類は、前述した実施形態のものに限定されず、例えば、温度センサー、磁気センサー、加速度センサー、光センサー、圧力センサー等であってもよい。
【符号の説明】
【0111】
1‥‥センサーシステム 1A‥‥センサーシステム 1B‥‥センサーシステム 1C‥‥センサーシステム 1D‥‥センサーシステム 2‥‥センサータグ 2a‥‥センサータグ 2b‥‥センサータグ 2c‥‥センサータグ 2d‥‥センサータグ 2e‥‥センサータグ 2f‥‥センサータグ 2g‥‥センサータグ 2h‥‥センサータグ 2i‥‥センサータグ 2j‥‥センサータグ 3‥‥リーダーライター 3A‥‥リーダーライター 3B‥‥リーダーライター 3C‥‥リーダーライター 3D‥‥リーダーライター 4‥‥ホスト 5‥‥センサータグ群 6‥‥センサータグ群 21a‥‥センサー 21b‥‥センサー 22a‥‥センサー 22b‥‥センサー 23a‥‥通信部 23b‥‥通信部 24a‥‥インターフェース部 24b‥‥インターフェース部 25a‥‥記憶部 25b‥‥記憶部 26a‥‥時刻情報生成部 26b‥‥時刻情報生成部 27a‥‥制御部 27b‥‥制御部 28a‥‥電源部 28b‥‥電源部 31‥‥タグ側通信部 32‥‥ホスト側通信部 33‥‥記憶部 34‥‥時刻情報生成部 34a‥‥時刻情報生成部 35‥‥制御部 36‥‥電源部 41a‥‥電気回路 41b‥‥電気回路 42a‥‥封止部 42b‥‥封止部 100‥‥コンクリート構造物 100C‥‥コンクリート構造物 100D‥‥コンクリート構造物 101‥‥橋桁部 101C‥‥橋桁部 102‥‥橋脚部 102C‥‥橋脚部 102D‥‥橋脚部 103‥‥コンクリート 104‥‥鉄筋 231a‥‥アンテナ 231b‥‥アンテナ 232a‥‥通信回路 232b‥‥通信回路 311‥‥アンテナ 312‥‥通信回路 321‥‥アンテナ 322‥‥通信回路 M‥‥移動体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の測定対象部位の状態を測定する第1のセンサーと、前記第1のセンサーの測定情報を無線送信する機能を有する第1の通信部と、前記第1のセンサーおよび前記第1の通信部の駆動を制御する第1の制御部とを備える第1のセンサータグと、
第2の測定対象部位の状態を測定する第2のセンサーと、前記第2のセンサーの測定情報を無線送信する機能を有する第2の通信部と、前記第2のセンサーおよび前記第2の通信部の駆動を制御する第2の制御部とを備える第2のセンサータグと、
前記第1の通信部および前記第2の通信部から無線送信された測定情報をそれぞれ直接的または間接的に受信する機能を有するリーダーライターとを有し、
前記第1の制御部は、第1の期間に、前記第1のセンサーによる測定および前記第1の通信部による無線送信が可能な第1の動作モードで前記第1のセンサーおよび前記第1の通信部を動作させ、
前記第2の制御部は、前記第1の期間に、前記第2のセンサーおよび前記第2の通信部を動作させないか、または前記第1の動作モードよりも消費電力の少ない動作モードで動作させ、前記第1の期間後の第2の期間に、前記第2のセンサーによる測定および前記第2の通信部による無線送信が可能な第2の動作モードで前記第2のセンサーおよび前記第2の通信部を動作させることを特徴とするセンサーシステム。
【請求項2】
前記第1のセンサータグは、時刻情報を生成する第1の時刻情報生成部を備え、
前記第2のセンサータグは、時刻情報を生成する第2の時刻情報生成部を備える請求項1に記載のセンサーシステム。
【請求項3】
前記第1の通信部は、前記第1の時刻情報生成部から生成した時刻情報を無線送信する機能をさらに有し、
前記第2の通信部は、前記第1の通信部から無線送信された時刻情報を受信する機能をさらに有し、
前記第2のセンサータグは、受信した時刻情報に基づいて、前記第2の時刻情報生成部の時刻を補正する請求項2に記載のセンサーシステム。
【請求項4】
前記リーダーライターは、時刻情報を生成し、前記時刻情報を無線送信する機能をさらに有し、
前記第2の通信部は、前記リーダーライターから無線送信された時刻情報を受信する機能をさらに有し、
前記第2のセンサータグは、受信した時刻情報に基づいて、前記第2の時刻情報生成部の時刻を補正する請求項2に記載のセンサーシステム。
【請求項5】
前記第2のセンサータグは、前記第1の期間の終了後かつ前記第2の期間の開始前の交代期間において、前記時刻情報の受信、および、前記時刻の補正を行う請求項3または4に記載のセンサーシステム。
【請求項6】
前記第1の通信部および前記第2の通信部の前記無線送信は、それぞれ、LF帯域の搬送波を用いるものである請求項1ないし5のいずれかに記載のセンサーシステム。
【請求項7】
前記リーダーライターは、受信した測定情報を無線送信する機能をさらに有する請求項1ないし6のいずれかに記載のセンサーシステム。
【請求項8】
前記リーダーライターの前記無線送信は、RF帯域の搬送波として用いるものである請求項7に記載のセンサーシステム。
【請求項9】
前記第1のセンサーおよび前記第2のセンサーは、同種である請求項1ないし8のいずれかに記載のセンサーシステム。
【請求項10】
前記第1のセンサーおよび前記第2のセンサーは、互いに異なる種類である請求項1ないし8のいずれかに記載のセンサーシステム。
【請求項11】
前記第1の測定対象部位および前記第2の測定対象部位は、互いに異なる位置に設定されている請求項9または10に記載のセンサーシステム。
【請求項12】
前記第1の測定対象部位および前記第2の測定対象部位は、それぞれ、コンクリート中または土壌中に設定される請求項11に記載のセンサーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−33355(P2013−33355A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168569(P2011−168569)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】