説明

センサー装置およびセンサーシステム

【課題】コンクリート打設時のコンクリートの充填状態を測定し、その測定にかかる構成を有効利用しつつ、コンクリート打設後の長期にわたりコンクリート構造物の状態を測定することができるセンサー装置およびセンサーシステムを提供すること。
【解決手段】本発明のセンサー装置2は、互いに間隔を隔てて設けられた長尺状の1対の導体31、32と、1対の導体31、32の先端部に接続され、コンクリート構造物102の状態を測定するセンサー41、42を備えるセンサータグ4と、1対の導体31、32間の静電容量に基づいて、コンクリートの充填状態を測定する第1の状態と、1対の導体31、32を通じてセンサータグ4に電力を供給し、センサー41、42がコンクリート構造物102の状態を測定する第2の状態をと切り換える切換部6とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサー装置およびセンサーシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
センサー装置としては、例えば、コンクリート中の鉄筋の腐食状態を測定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
施工直後のコンクリート構造物中のコンクリートは、通常、強アルカリ性を呈する。そのため、施工直後のコンクリート構造物中の鉄筋は、その表面に不動態膜が形成されるため、安定である。しかし、施工後に酸性雨や排気ガス等の影響を受けたコンクリート構造物は、コンクリートが徐々に酸性化していくため、鉄筋が腐食することとなる。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1に係るセンサー装置では、コンクリート構造物中の鉄筋と同種材料からなる細線をコンクリート構造物中に埋設し、腐食による細線の断線の有無を検知することにより、コンクリート中の鉄筋の腐食状況を予測する。
しかし、かかるセンサー装置では、コンクリートを打設する際、そのコンクリートの充填状態を測定することができない。
【0004】
ところで、コンクリートの充填状態を測定する装置として、2本の平行導線を有し、この平行導線をコンクリートの打設予定部位に予め設置しておき、コンクリートを打設する際、平行導線間のインピーダンス(静電容量)に基づいて、コンクリートの充填状態を測定する装置が開発されている。
しかし、このような装置は、コンクリートの充填状態の検知にのみ用いられるものであるため、コンクリートの打設完了後には、何ら使用されずに無駄となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−153568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、コンクリート打設時のコンクリートの充填状態を測定し、その測定にかかる構成を有効利用しつつ、コンクリート打設後の長期にわたりコンクリート構造物の状態を測定することができるセンサー装置およびセンサーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のセンサー装置は、互いに間隔を隔てて設けられた長尺状の1対の導体と、
前記1対の導体の先端部または途中に接続され、コンクリート構造物の状態を測定するセンサーを備えるセンサータグと、
前記1対の導体間の静電容量に基づいて、コンクリートの充填状態を測定する第1の状態と、前記1対の導体を通じて前記センサータグに電力を供給し、前記センサーがコンクリート構造物の状態を測定する第2の状態とを切り換える切換部とを有することを特徴とする。
【0008】
このように構成されたセンサー装置によれば、コンクリート構造物のコンクリート打設時に、第1の状態とし、コンクリートの充填状態を測定し、コンクリート構造物のコンクリート打設後に、第2の状態とし、コンクリート構造物の状態を長期にわたり測定することができる。
また、1対の導体を、コンクリート構造物のコンクリート打設時における充填状態の測定だけでなく、コンクリート構造物のコンクリート打設後の状態測定を行うセンサータグに電力を供給する電源ケーブルとして有効利用することができる。
【0009】
本発明のセンサー装置では、前記切換部は、前記コンクリート構造物のコンクリート打設時に、前記第1の状態とし、前記コンクリート構造物のコンクリート打設後に、前記第2の状態とすることが好ましい。
これにより、コンクリート構造物のコンクリート打設時に、コンクリートの充填状態を測定し、コンクリート構造物のコンクリート打設後に、コンクリート構造物の状態を長期にわたり測定することができる。
【0010】
本発明のセンサー装置では、前記1対の導体の基端部に接続され、電源回路および信号処理回路を備えるターミナルを有し、
前記切換部は、前記第1の状態において前記1対の導体と前記センサータグとの電気的導通を遮断するとともに前記信号処理回路を前記1対の導体に対して電気的に接続し、前記第2の状態において前記1対の導体を介して前記電源回路と前記センサータグとを電気的に接続することが好ましい。
これにより、第1の状態において、1対の導体間の静電容量を測定することができる。また、第2の状態において、1対の導体を介してセンサータグに電力を供給し、センサータグのセンサーによる測定を行うことができる。
【0011】
本発明のセンサー装置では、前記切換部は、前記1対の導体と前記センサータグとの間に設けられた第1のスイッチと、前記1対の導体と前記電源回路および前記信号処理回路との間に設けられた第2のスイッチとを有することが好ましい。
これにより、切換部を比較的簡単な構成とすることができる。
本発明のセンサー装置では、前記センサータグは、前記第1のスイッチを制御する機能を有することが好ましい。
これにより、第1のスイッチの制御信号のための配線を1対の導体に沿って設ける必要がなく、装置構成を簡単化することができる。
【0012】
本発明のセンサー装置では、前記センサータグは、前記センサーの測定結果を送信する機能を有し、
前記ターミナルは、前記センサータグから送信された測定結果を受信する機能を有することが好ましい。
これにより、センサータグのセンサーの測定結果をターミナルを介して収集することができる。
【0013】
本発明のセンサー装置では、前記センサータグは、前記センサーの測定結果を無線送信し、
前記ターミナルは、前記センサータグから無線送信された測定結果を受信することが好ましい。
これにより、センサータグのセンサーの測定結果を伝送するための配線を1対の導体に沿って設ける必要がなく、装置構成を簡単化することができる。
【0014】
本発明のセンサー装置では、前記無線送信は、LF帯域の搬送波を用いるものであることが好ましい。
これにより、コンクリート中であっても、センサータグの消費電力を抑えつつ、センサータグとターミナルとの通信可能な距離を大きくすることができる。
本発明のセンサー装置では、前記ターミナルは、前記第2の状態において、前記センサータグから送信された測定結果を前記1対の導体を介して受信することが好ましい。
これにより、センサータグのセンサーの測定結果を伝送するための配線を1対の導体に沿って設ける必要がなく、装置構成を簡単化することができる。
【0015】
本発明のセンサー装置では、前記センサータグは、前記1対の導体の長手方向での異なる複数位置にそれぞれ設けられていることが好ましい。
これにより、コンクリート打設後に、コンクリート構造物の異なる測定対象部位の状態を測定することができる。
本発明のセンサーシステムは、本発明のセンサー装置と、
前記センサー装置の測定情報を収集する情報収集装置とを備えることを特徴とする。
このように構成されたセンサーシステムによれば、コンクリート打設時のコンクリートの充填状態を測定し、コンクリート打設後の長期にわたりコンクリート構造物の状態を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るセンサーシステムの使用状態の一例を示す図である。
【図2】図1に示すセンサーシステムに備えられたセンサー装置の概略構成を示す模式図である。
【図3】図2に示すセンサー装置に備えられた充填センサー(1対の導体)を示す部分斜視図である。
【図4】図2に示すセンサー装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図2に示すセンサー装置に備えられたセンサータグを示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るセンサー装置の概略構成を示す模式図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るセンサー装置の概略構成を示す模式図である。
【図8】図7に示すセンサー装置の概略構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るセンサー装置の概略構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係るセンサー装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のセンサー装置およびセンサーシステムの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサーシステムの使用状態の一例を示す図、図2は、図1に示すセンサーシステムに備えられたセンサー装置の概略構成を示す模式図、図3は、図2に示すセンサー装置に備えられた充填センサー(1対の導体)を示す部分斜視図、図4は、図2に示すセンサー装置の概略構成を示すブロック図、図5は、図2に示すセンサー装置に備えられたセンサータグを示すブロック図である。
【0018】
なお、以下では、本発明のセンサーシステムをコンクリート構造物のコンクリート打設時および打設後の状態測定に用いる場合を例に説明する。
(センサーシステム)
図1に示すセンサーシステム1は、コンクリートの打設時および打設後の状態を測定するものである。
【0019】
図1では、既設の橋脚であるコンクリート構造物101の外周に沿ってコンクリートを打設することによりコンクリート構造物102を形成し、耐震補強が施されたコンクリート構造物100を得る際に、コンクリート構造物102のコンクリート打設時の充填状態およびコンクリート打設後の状態を測定する場合を例に示している。
このセンサーシステム1は、コンクリート構造物102のコンクリート打設時およびコンクリート打設後の状態を測定する複数のセンサー装置2と、各センサー装置2の測定結果を収集する情報収集装置10とを有する。
【0020】
各センサー装置2は、図2に示すように、長尺状の充填センサー3と、充填センサー3の先端部に接続されたセンサータグ4と、充填センサー3の基端部に接続されたターミナル5と、充填センサー3による測定とセンサータグ4による測定とを切り換える切換部6とを備える。
このような各センサー装置2は、コンクリート構造物102のコンクリート打設時に充填センサー3による測定を行い、その測定結果をターミナル5が無線送信する。また、各センサー装置2は、コンクリート構造物102のコンクリート打設後にセンサータグ4による測定を行い、その測定結果をターミナル5が無線送信する。
【0021】
なお、センサー装置2については、後に詳述する。また、複数のセンサー装置2は、設置位置が異なる以外は、互いに同様である。また、センサー装置2の数は、図1に示すものに限定されるものではない。
情報収集装置10(ロガー)は、各センサー装置2と無線通信可能に構成されており、各センサー装置2から無線送信された測定結果を収集する。
情報収集装置10に収集された測定情報は、例えば、パソコン、携帯端末等に取り込まれ、表示部に表示される。
【0022】
(センサー装置)
以下、センサー装置2を構成する各部を順次説明する。
前述したように、各センサー装置2は、図2に示すように、長尺状の充填センサー3と、充填センサー3の先端部に接続されたセンサータグ4と、充填センサー3の基端部に接続されたターミナル5と、充填センサー3による測定とセンサータグ4による測定とを切り換える切換部6とを備える。
【0023】
また、図示しないが、通信部43、インターフェース部44、記憶部45、制御部47および電源回路48等は、例えば封止樹脂で構成された封止部により封止されている。これにより、センサータグ4を水分やコンクリートの存在下に設置した場合に、通信部43、インターフェース部44、記憶部45、制御部47および電源回路48等の劣化を防止することができる。
なお、センサー41、42は、封止部の外部に露出している。これにより、センサー41、42による測定を行うことができる。
【0024】
(充填センサー)
充填センサー3は、図3に示すように、互いに間隔を隔てて(平行となるように)設けられた長尺状の1対の導体(導線)31、32と、この1対の導体31、32を被覆する絶縁体33とを有する。
このような充填センサー3は、例えば、コンクリート構造物102のコンクリート打設に先立ち、1対の導体31、32がコンクリート構造物101の外周に沿って鉛直方向に延在するように設置される。このように設置された充填センサー3は、コンクリート構造物102のコンクリート打設時に、コンクリートの充填状態(具体的には、充填量、コンクリート打ちあがり面102aの高さ)に応じて、1対の導体31、32間のインピーダンス(静電容量)が変化する。そのため、後述するように、1対の導体31、32間のインピーダンスに基づいて、コンクリートの充填状態を測定することができる。
【0025】
また、充填センサー3は、コンクリート構造物102のコンクリート打設後に、後述するセンサータグ4による測定を行うために、センサータグ4に電力を供給する電源ケーブルとして用いられる。
各導体31、32は、各種導電性材料を用いることができるが、例えば、銅、アルミニウム、銀、金、白金等の金属材料を用いるのが好ましい。
【0026】
なお、各導体31、32の横断面形状は、図3では円形をなしているが、コンクリート構造物102の充填状態を測定し得るように1対の導体31、32間の距離を確保することができれば、特に限定されず、例えば、四角形、楕円形、異形状等をなしていてもよい。また、各導体31、32の径(幅)は、特に限定されない。また、各導体31、32は、複数の導線を組み合わせて(例えば撚り合わせて)構成されていてもよい。
【0027】
また、絶縁体33は、1対の導体31、32間の距離を所定距離に規制するとともに、導体31と導体32とが短絡するのを防止する機能を有する。また、絶縁体33は、各導体31、32が外部に露出するのを防止し、その結果、導体31、32の劣化を防止する機能をも有する。
このような絶縁体33の構成材料としては、コンクリート中で安定に存在するようにアルカリ耐性を有するものであれば、特に限定されず、各種絶縁性材料を用いることができるが、樹脂材料、ゴム材料、エラストマー材料等を用いるのが好ましい。これにより、絶縁体33の所望の絶縁性を確保しつつ、充填センサー3全体に可撓性を付与できる。そのため、充填センサー3の取り扱い性を優れたものとするとともに、充填センサー3の設置を容易なものとすることができる。
また、絶縁体33の厚さおよび横断面形状は、1対の導体31、32間のインピーダンスに基づいてコンクリートの充填状態を測定できれば、特に限定されない。
【0028】
(センサータグ)
センサータグ4は、図4および図5に示すように、前述した充填センサー3の1対の導体31、32の先端部にスイッチ61を介して接続されている。
ここで、スイッチ61は、後述する切換部6の一部を構成するものである。なお、スイッチ61については、切換部6の説明において、詳述する。
このスイッチ61を介して充填センサー3に接続されたセンサータグ4は、図5に示すように、コンクリート構造物102の状態を測定するセンサー41、42と、通信部43と、インターフェース部44と、記憶部45と、制御部47と、電源回路48と、蓄電部49とを有する。
【0029】
[センサー]
センサー41、42は、それぞれ、前述した充填センサー3の先端部付近におけるコンクリート構造物102の測定対象部位(以下、単に「測定対象部位」ともいう)の状態を測定するものである。
具体的には、センサー41は、測定対象部位の状態としてpHを測定するpHセンサーである。これにより、センサー41の測定情報に基づいて、コンクリート構造物102内の鉄筋(図示せず)の腐蝕状態を測定することができる。
【0030】
ここで、センサー41を鉄筋に対してコンクリート構造物102の外表面側に設置することにより、センサー41は、鉄筋が腐食に至る前に、コンクリート構造物102のコンクリートの中性化、コンクリート構造物102のコンクリートへの塩化物イオンの侵入等を検知することができる。これにより、コンクリートの中性化、コンクリートへの塩化物イオンの侵入等による鉄筋の腐蝕を予防する措置を予め適切な時期にとることができる。
【0031】
かかるpHセンサーとしては、特に限定されず、公知の各種pHセンサーを用いることができ、例えば、金属製の電気抵抗体または電極対を有し、その電気抵抗体または電極の腐食に伴う電気的特性変化に基づいてpHを測定するセンサーを用いることができる。
より具体的には、かかるpHセンサーとしては、例えば、電気抵抗体の腐蝕に伴う抵抗値、インピーダンス等の変化に基づいてpHを測定するセンサーや、電極対の腐蝕に伴う電極対間のインピーダンス、電位差、静電容量、インダクタンス等の変化に基づいてpHを測定するセンサー等を用いることができる。
【0032】
センサー42は、測定対象部位の状態として歪みを測定する歪センサーである。これにより、センサー42の測定情報に基づいて、コンクリート構造物102のコンクリートまたは鉄筋の歪状態を測定することができる。
ここで、センサー42をコンクリート構造物102中の鉄筋に沿って設置することにより、かかる鉄筋の歪状態を高感度に測定することができる。
かかる歪センサーとしては、特に限定されず、公知の各種歪センサーを用いることができ、例えば、外力により抵抗値が変化する電気抵抗体を用いたものや、半導体を用いた半導体ひずみセンサー等を用いることができる。
【0033】
[通信部]
通信部43は、無線通信機能を有する。そして、通信部43は、記憶部45に記憶された測定情報を送信し、また、ターミナル5からの制御信号を受信する。
より具体的に説明すると、通信部43は、前述したセンサー41、42の測定情報を無線送信する機能を有する。この無線送信された測定情報は、ターミナル5で受信される。
【0034】
また、通信部43は、ターミナル5から無線送信された制御信号を受信する機能をさらに有する。この受信した制御信号に基づいて、後述する制御部47は作動する。
このような通信部43は、アンテナ431と、通信回路432とを有する。
アンテナ431は、特に限定されないが、例えば、金属材料、カーボン等で構成され、巻線、薄膜等の形態をなす。なお、アンテナ431は、送信および受信に共通して1つのアンテナで構成されていてもよいし、送信および受信のそれぞれに対応して2つのアンテナで構成されていてもよい。
【0035】
通信回路432は、例えば、電磁波を送信するための送信回路と、送信する信号を変調する機能を有する変調回路と、電磁波を受信するための受信回路と、受信する信号を復調する機能を有する復調回路とを有する。なお、通信回路432は、信号の周波数を小さく変換する機能を有するダウンコンバータ回路、信号の周波数を大きく変換する機能を有するアップコンバータ回路、信号を増幅する機能を有する増幅回路等を有していてもよい。なお、これらの回路は、同一基板上に設けられていてもよいし、互いに異なる基板上に設けられていてもよい。
また、通信部43は、コンクリート構造物102内での無線通信が可能であれば、特に限定されないが、LF帯域(30kHz〜300kHz)の搬送波を用いるものが好ましい。これにより、コンクリート中であっても、センサータグ4の消費電力を抑えつつ、センサータグ4とターミナル5との通信可能な距離を大きくすることができる。
【0036】
[インターフェース部]
インターフェース部(インターフェース回路)44は、前述したセンサー41、42の測定情報を制御部47に入力する機能を有する。
また、インターフェース部44は、必要に応じて、センサー41、42の測定情報に所定の処理を施して後、その処理後の測定情報を制御部47に入力する。例えば、インターフェース部44は、A/D変換回路を備え、センサー41、42の測定情報をアナログからデジタルに変換して制御部47に入力する。また、インターフェース部44は、増幅回路を備え、センサー41、42の測定情報を増幅した後に制御部47に入力する。
【0037】
[記憶部]
記憶部45は、センサー41、42の測定情報、通信部43で受信した情報等を記憶する機能を有する。この記憶された測定情報は、前述した通信部43で無線送信される。これにより、通信部43がセンサー41、42による測定を複数回行うごとに通信動作を行って、複数回の測定情報を一括して無線送信することができる。
【0038】
このような記憶部45は、特に限定されず、不揮発性メモリ、揮発性メモリのいずれも用いることができるが、電力を供給しなくても情報を記憶した状態を保持することができ、省電力化を図ることができるという観点から、不揮発性メモリを用いるのが好ましく、特に、省電力で情報の読み書きができるという観点から、フラッシュメモリを用いるのが好ましい。
【0039】
[制御部]
制御部47は、センサータグ4を構成する各部、具体的には通信部43、インターフェース部44、記憶部45等を制御する機能を有する。
この制御部47は、特に限定されないが、例えば、MPUで構成されている。
[電源回路]
電源回路48は、前述した充填センサー3の1対の導体31、32を介してターミナル5に電気的に接続されている。
【0040】
そして、電源回路48は、所望時(具体的には、コンクリート構造物102のコンクリート打設後)に、ターミナル5から1対の導体31、32を介して電力が供給される。このようにして電源回路48に供給された電力は、センサータグ4の動作のために用いられる。
また、この電源回路48には、蓄電部49が電気的に接続されている。
この蓄電部49は、例えば、二次電池またはキャパシタで構成され、電力を蓄える機能を有する。これにより、ターミナル5から1対の導体31、32を介して電源回路48へ常時電力を供給しなくても、センサータグ4を時間的に連続して動作させることができる。
【0041】
(ターミナル)
次に、ターミナル(リーダーライター)5について説明する。
図4に示すように、ターミナル5は、通信部51と、インターフェース部52と、制御部53と、電源回路54と、スイッチ62とを有する。
以下、ターミナル5を構成する各部を順次説明する。なお、スイッチ62については、切換部6の説明において詳述する。
【0042】
[通信部]
通信部51は、前述したセンサータグ4の通信部43から無線送信された測定情報を受信する機能を有する。これにより、センサータグ4のセンサー41、42の測定結果をターミナル5を介して収集することができる。
特に、センサータグ4とターミナル5との間の通信が無線であるため、センサータグ4のセンサー41、42の測定結果を伝送するための配線を1対の導体31、32に沿って設ける必要がなく、装置構成を簡単化することができる。
【0043】
また、通信部51は、受信した測定情報を送信する機能を有する。この送信した測定情報は、情報収集装置10で受信される。
これにより、各ターミナル5で取得した測定情報を情報収集装置10で収集することができる。
このような通信部51は、図示しないが、前述したセンサータグ4の通信部43と同様に構成され、アンテナおよび通信回路を有する。
【0044】
ただし、通信部51は、情報収集装置10との無線通信において空中を伝送するのでLF帯域よりも高い周波数(例えばGHz帯域)の搬送波を用いて無線送信するように構成されているのが好ましく、RF帯域の搬送波を用いて無線送信するように構成されているのがより好ましい。
ターミナル5の無線送信がRF帯域の搬送波として用いるものであると、情報収集装置10とターミナル5との通信可能な距離を大きくすることができる。
【0045】
[制御部]
制御部53は、ターミナル5を構成する各部、具体的には通信部51、スイッチ62等を制御する機能を有する。
また、制御部53は、ターミナル5の外部に設けられたスイッチ61に配線63を介して電気的に接続されており、スイッチ61を制御する機能をも有する。
この制御部53は、特に限定されないが、例えば、MPUで構成されている。
【0046】
[電源部]
電源回路54は、前述したセンサータグ4の電源回路48と同様に構成することができ、ターミナル5を動作可能な電力を供給するものである。
ただし、ターミナル5は、コンクリート構造物100の外部に設置することができるため、電源回路54は、点検、修理、交換等が容易である。また、コンクリート構造物100に穿孔等することなく、外部から有線により電源回路54に電力を供給することが可能である。
このようなことから、電源回路54に電力を供給する電源としては、比較的大きな電力を発生する電源、例えば、比較的容量の大きい電池、商用電源、太陽電池に接続された二次電池等を用いることができる。このような電源を用いることにより、前述した通信部51の通信距離を大きくすることができる。
【0047】
(切換部)
切換部6は、充填センサー(第1のセンサー)3による測定を行う状態と、センサータグ(第2のセンサー)4による測定を行う状態とを切り換え可能に構成されている。
すなわち、切換部6は、1対の導体31、32間の静電容量に基づいて、コンクリートの充填状態を測定する第1の状態(以下、単に「第1の状態」ともいう)と、1対の導体31、32を通じてセンサータグ4に電力を供給し、センサー41、42がコンクリート構造物102の状態を測定する第2の状態(以下、単に「第2の状態」ともいう)をと切り換える。
【0048】
そして、切換部6は、コンクリート構造物102のコンクリート打設時に第1の状態とし、コンクリート構造物102のコンクリート打設後に第2の状態とする。これにより、コンクリート構造物102のコンクリート打設時に、コンクリートの充填状態を測定し、コンクリート構造物102のコンクリート打設後に、コンクリート構造物102の状態を長期にわたり測定することができる。
【0049】
より具体的に説明すると、切換部6は、第1の状態において1対の導体31、32をセンサータグ4に対して電気的導通を遮断するとともにインターフェース部52(信号処理回路)を1対の導体31、32に対して電気的に接続し、第2の状態において1対の導体31、32を介して電源回路54とセンサータグ4とを電気的に接続する。
これにより、第1の状態において、1対の導体31、32間の静電容量を測定することができる。また、第2の状態において、1対の導体31、32を介してセンサータグ4に電力を供給し、センサータグ4のセンサー41、42による測定を行うことができる。
【0050】
この切換部6は、充填センサー3の1対の導体31、32とセンサータグ4の電源回路48との間に設けられたスイッチ61(第1のスイッチ)と、1対の導体31、32とインターフェース部52および電源回路54との間に設けられたスイッチ62(第2のスイッチ)とを有する。これにより、切換部6を比較的簡単な構成とすることができる。
スイッチ61は、1対の導体31、32を電源回路48に電気的に接続した状態とその接続を遮断した状態とを切り換え可能に構成されている。
【0051】
また、スイッチ62は、1対の導体31、32をインターフェース部52に電気的に接続した状態と、1対の導体31、32を電源回路54に電気的に接続した状態とを切り換え可能に構成されている。
このようなスイッチ61、62は、前述した制御部53からの制御信号に基づいて動作が制御される。
【0052】
具体的には、充填センサー3による測定を行う第1の状態では、スイッチ61が1対の導体31、32を電源回路48に対して電気的に遮断した状態とするとともに、スイッチ62が1対の導体31、32をインターフェース部52に電気的に接続した状態とする。
一方、センサータグ(第2のセンサー)4による測定を行う第2の状態では、スイッチ61が1対の導体31、32を電源回路48に電気的に接続した状態とするとともに、スイッチ62が1対の導体31、32を電源回路54に電気的に接続した状態とする。
このようなスイッチ61、62は、それぞれ、特に限定されないが、例えば、リレーで構成されている。
【0053】
以上説明したように構成されたセンサーシステム1では、充填センサー3による測定を行う第1の状態とセンサータグ4による測定を行う第2の状態とを切換部6により切り換えることができる。そのため、コンクリート構造物のコンクリート打設時に、第1の状態とし、コンクリートの充填状態を測定し、コンクリート構造物のコンクリート打設後に、第2の状態とし、コンクリート構造物の状態を長期にわたり測定することができる。
また、充填センサー3の1対の導体31、32を、コンクリート構造物102のコンクリート打設時における充填状態の測定だけでなく、コンクリート構造物102のコンクリート打設後の状態測定を行うセンサータグ4に電力を供給する電源ケーブルとして有効利用することができる。
【0054】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係るセンサー装置の概略構成を示す模式図である。
以下、第2実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0055】
第2実施形態のセンサー装置は、充填センサー3の途中にもセンサータグ4が接続されている以外は、第1実施形態のセンサーシステムとほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
本実施形態でのセンサー装置2Aは、図6に示すように、長尺状の充填センサー3Aと、充填センサー3Aの途中および先端部にそれぞれ接続されたセンサータグ4と、充填センサー3の基端部に接続されたターミナル5Aと、充填センサー3Aによる測定とセンサータグ4による測定とを切り換える切換部6Aとを備える。
【0056】
充填センサー3Aは、前述した第1実施形態の充填センサー3と同様、長尺状の1対の導体(導線)31、32を有する。
そして、1対の導体31、32の途中および先端部には、それぞれ、切換部6Aの一部を構成するスイッチ61を介してセンサータグ4が接続されている。
以上のように構成されたセンサー装置2Aでは、センサータグ4が1対の導体31、32の長手方向での異なる複数位置にそれぞれ設けられているので、2つのセンサータグ4を互いに異なる位置に設置することができる。そのため、コンクリート打設後に、コンクリート構造物102の異なる測定対象部位の状態を測定することができる。
以上説明したような第2実施形態のセンサー装置2Aによっても、コンクリート打設時のコンクリートの充填状態を測定し、その測定にかかる構成を有効利用しつつ、コンクリート打設後の長期にわたりコンクリート構造物の状態を測定することができる。
【0057】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係るセンサー装置の概略構成を示す模式図、図8は、図7に示すセンサー装置の概略構成を示すブロック図である。
以下、第3実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0058】
第3実施形態のセンサー装置は、切換部の制御方法が異なる以外は、第1実施形態のセンサーシステムとほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
本実施形態でのセンサー装置2Bは、図7に示すように、長尺状の充填センサー3と、充填センサー3の先端部に接続されたセンサータグ4Bと、充填センサー3の基端部に接続されたターミナル5Bと、充填センサー3による測定とセンサータグ4Bによる測定とを切り換える切換部6Bとを備える。
【0059】
切換部6Bは、前述した第1実施形態の切換部6と同様、充填センサー3の1対の導体31、32とセンサータグ4Bの電源回路48との間に設けられたスイッチ61と、1対の導体31、32とターミナル5Bのインターフェース部52および電源回路54との間に設けられたスイッチ62とを有する。
ターミナル5Bは、ターミナル5Bの各部を制御する制御部53Bを有する。この制御部53Bは、ターミナル5B内に設けられたスイッチ62を制御する機能を有する。
【0060】
センサータグ4Bは、センサータグ4Bの各部を制御する制御部47Bを有する。この制御部47Bは、配線64を介してスイッチ61(第1のスイッチ)を制御する機能を有する。スイッチ61の具体的な制御方法としては、例えば、無線にてターミナル5Bからセンサータグ4Bに切り替えの指示の信号を送る方法、センサータグ5Bの制御部によりセンサー設置時から一定時間後というように切り替える時間を管理する方法等が挙げられる。
【0061】
このようにセンサータグ4Bがスイッチ61を制御するので、スイッチ61の制御信号のための配線を1対の導体31、32に沿って設ける必要がなく、装置構成を簡単化することができる。
以上説明したような第3実施形態のセンサー装置2Bによっても、コンクリート打設時のコンクリートの充填状態を測定し、その測定にかかる構成を有効利用しつつ、コンクリート打設後の長期にわたりコンクリート構造物の状態を測定することができる。
【0062】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
図9は、本発明の第4実施形態に係るセンサー装置の概略構成を示すブロック図である。
以下、第4実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0063】
第4実施形態のセンサー装置は、切換部の構成および制御方法が異なる以外は、第1実施形態のセンサーシステムとほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
本実施形態でのセンサー装置2Cは、図9に示すように、長尺状の充填センサー3と、充填センサー3の先端部に接続されたセンサータグ4Cと、充填センサー3の基端部に接続されたターミナル5Cと、充填センサー3による測定とセンサータグ4Cによる測定とを切り換える切換部6Cとを備える。
【0064】
切換部6Cは、前述した第1実施形態の切換部6と同様、充填センサー3の1対の導体31、32とセンサータグ4Bの電源回路48との間に設けられたスイッチ61と、1対の導体31、32とターミナル5Bのインターフェース部52および電源回路54との間に設けられたスイッチ62とを有する。
また、通信部51と通信部43およびスイッチ61との間には、スイッチ65が設けられている。
【0065】
このスイッチ65は、配線66を介して通信部51に電気的に接続されている。そして、スイッチ65は、通信部51を通信部43に電気的に接続する状態と、通信部51をスイッチ61に電気的に接続する状態とを切り換え可能に構成されている。
ターミナル5Cは、ターミナル5Cの各部を制御する制御部53Cを有する。この制御部53Cは、上述したスイッチ65が通信部51をスイッチ61に電気的に接続する状態のとき、ターミナル5C内に設けられたスイッチ62を制御する機能を有する。また、制御部53Cは、上述したスイッチ65が通信部51を通信部43に電気的に接続する状態のとき、通信部51に通信部43への通信を行う。
【0066】
センサータグ4Cは、センサータグ4Cの各部を制御する制御部47Cを有する。この制御部47Cは、配線67を介してスイッチ65を制御する機能を有する。
以上のように構成されたセンサー装置2Cでは、配線66を用いて有線により通信部43と通信部51との通信を行うことができる。また、有線にてセンサータグ4Cとターミナル5Cとの間の通信を行うため、アンテナが不要となるとともに通信部の簡略化が可能となり、その結果、センサータグ4Cの構成を簡単化することができる。さらに、充填センサー3の長さはセンサータグとターミナルとの間の無線通信が届かないくらい長いもの(例えば10m程度)も使用できる。
以上説明したような第4実施形態のセンサー装置2Cによっても、コンクリート打設時のコンクリートの充填状態を測定し、その測定にかかる構成を有効利用しつつ、コンクリート打設後の長期にわたりコンクリート構造物の状態を測定することができる。
【0067】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
図10は、本発明の第5実施形態に係るセンサー装置の概略構成を示すブロック図である。
以下、第5実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0068】
第5実施形態のセンサー装置は、切換部の構成および制御方法が異なる以外は、第1実施形態のセンサーシステムとほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
本実施形態でのセンサー装置2Dは、図10に示すように、長尺状の充填センサー3と、充填センサー3の先端部に接続されたセンサータグ4Dと、充填センサー3の基端部に接続されたターミナル5Dと、充填センサー3による測定とセンサータグ4Dによる測定とを切り換える切換部6Dとを備える。
【0069】
切換部6Dは、1対の導体31、32とターミナル5Dの通信部51D、インターフェース部52および電源回路54との間に設けられたスイッチ62Dと、スイッチ61とセンサータグ4Dの通信部43Dおよび電源回路48との間に設けられたスイッチ68とを有する。
スイッチ62Dは、1対の導体31、32を通信部51Dに電気的に接続した状態と、1対の導体31、32をインターフェース部52に電気的に接続した状態と、1対の導体31、32を電源回路54に電気的に接続した状態とを切り換え可能に構成されている。
また、スイッチ68は、スイッチ61を通信部43Dに電気的に接続する状態と、スイッチ61を電源回路48に電気的に接続する状態とを切り換え可能に構成されている。
【0070】
ターミナル5Dは、ターミナル5Dの各部を制御する制御部53Dを有する。この制御部53Dは、スイッチ61が1対の導体31、32をスイッチ68に対して電気的に遮断した状態のとき、スイッチ62Dが1対の導体31、32をインターフェース部52に電気的に接続した状態とする。また、制御部53Dは、スイッチ61が1対の導体31、32をスイッチ68に電気的に接続した状態のとき、スイッチ62Dが1対の導体31、32を通信部51Dに電気的に接続した状態と電源回路54に電気的に接続した状態とを所定タイミングで交互に切り換える。
【0071】
センサータグ4Dは、センサータグ4Dの各部を制御する制御部47Dを有する。この制御部47Dは、配線69を介してスイッチ68を制御する機能を有する。具体的には、制御部47Dは、スイッチ61が1対の導体31、32をスイッチ68に対して電気的に遮断した状態のとき、上述したスイッチ62Dの切り換えと同期して切り換える。これにより、電源回路54を電源回路48に電気的に接続した状態と、通信部51Dを通信部43Dに電気的に接続した状態とを切り換えることができる。
【0072】
電源回路54を電源回路48に電気的に接続した状態では、電源回路54からセンサータグ4Dに電力が供給され、その電力が蓄電部(図示せず)に蓄電される。そして、通信部51Dを通信部43Dに電気的に接続した状態では、その蓄電部に蓄電された電力を用いて、センサータグ4Dを動作させ、通信部51Dと通信部43Dとの間の通信を行う。
以上のように構成されたセンサー装置2Dでは、第2の状態において、センサータグ4Dから送信された測定結果を1対の導体31、32を介してターミナル5Dが受信するので、センサータグ4Dのセンサーの測定結果を伝送するための配線を1対の導体31、32に沿って設ける必要がなく、装置構成を簡単化することができる。また、有線にてセンサータグ4Dとターミナル5Dとの間の通信を行うため、アンテナが不要となるとともに通信部の簡略化が可能となり、その結果、センサータグ4Dの構成を簡単化することができる。さらに、充填センサー3の長さはセンサータグとターミナルとの間の無線通信が届かないくらい長いもの(例えば10m程度)も使用できる。
【0073】
以上説明したような第5実施形態のセンサー装置2Dによっても、コンクリート打設時のコンクリートの充填状態を測定し、その測定にかかる構成を有効利用しつつ、コンクリート打設後の長期にわたりコンクリート構造物の状態を測定することができる。
以上、本発明のセンサー装置およびセンサーシステムを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0074】
例えば、本発明のセンサー装置およびセンサーシステムでは、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、1つのセンサータグに2つのセンサーが設けられている場合を例に説明したが、1つのセンサータグに設けられるセンサーの数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、1つのセンサータグに複数のセンサーが設けられる場合において、その複数のセンサーは、互いに同種であってもよいし、互いに異なる種類であってもよい。
【0075】
また、センサーの配置は、センサーの種類、目的等に応じて適宜設定することができる。
また、センサーの種類は、前述した実施形態のものに限定されず、例えば、塩化物イオンセンサー、温度センサー、磁気センサー、加速度センサー、光センサー、圧力センサー等であってもよい。
【符号の説明】
【0076】
1‥‥センサーシステム 2‥‥センサー装置 2A‥‥センサー装置 2B‥‥センサー装置 2C‥‥センサー装置 2D‥‥センサー装置 3‥‥充填センサー 3A‥‥充填センサー 4‥‥センサータグ 4B‥‥センサータグ 4C‥‥センサータグ 4D‥‥センサータグ 5‥‥ターミナル 5A‥‥ターミナル 5B‥‥ターミナル 5C‥‥ターミナル 5D‥‥ターミナル 6‥‥切換部 6A‥‥切換部 6B‥‥切換部 6C‥‥切換部 6D‥‥切換部 10‥‥情報収集装置 31‥‥導体 32‥‥導体 33‥‥絶縁体 41‥‥センサー 42‥‥センサー 43‥‥通信部 43D‥‥通信部 44‥‥インターフェース部 45‥‥記憶部 47‥‥制御部 47B‥‥制御部 47C‥‥制御部 47D‥‥制御部 48‥‥電源回路 49‥‥蓄電部 51‥‥通信部 51D‥‥通信部 52‥‥インターフェース部 53‥‥制御部 53B‥‥制御部 53C‥‥制御部 53D‥‥制御部 54‥‥電源回路 61‥‥スイッチ 62‥‥スイッチ 62D‥‥スイッチ 63‥‥配線 64‥‥配線 65‥‥スイッチ 66‥‥配線 67‥‥配線 68‥‥スイッチ 69‥‥配線 100‥‥コンクリート構造物 101‥‥コンクリート構造物 102‥‥コンクリート構造物 102a‥‥面 431‥‥アンテナ 432‥‥通信回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔を隔てて設けられた長尺状の1対の導体と、
前記1対の導体の先端部または途中に接続され、コンクリート構造物の状態を測定するセンサーを備えるセンサータグと、
前記1対の導体間の静電容量に基づいて、コンクリートの充填状態を測定する第1の状態と、前記1対の導体を通じて前記センサータグに電力を供給し、前記センサーがコンクリート構造物の状態を測定する第2の状態とを切り換える切換部とを有することを特徴とするセンサー装置。
【請求項2】
前記切換部は、前記コンクリート構造物のコンクリート打設時に、前記第1の状態とし、前記コンクリート構造物のコンクリート打設後に、前記第2の状態とする請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項3】
前記1対の導体の基端部に接続され、電源回路および信号処理回路を備えるターミナルを有し、
前記切換部は、前記第1の状態において前記1対の導体と前記センサータグとの電気的導通を遮断するとともに前記信号処理回路を前記1対の導体に対して電気的に接続し、前記第2の状態において前記1対の導体を介して前記電源回路と前記センサータグとを電気的に接続する請求項1または2に記載のセンサー装置。
【請求項4】
前記切換部は、前記1対の導体と前記センサータグとの間に設けられた第1のスイッチと、前記1対の導体と前記電源回路および前記信号処理回路との間に設けられた第2のスイッチとを有する請求項3に記載のセンサー装置。
【請求項5】
前記センサータグは、前記第1のスイッチを制御する機能を有する請求項4に記載のセンサー装置。
【請求項6】
前記センサータグは、前記センサーの測定結果を送信する機能を有し、
前記ターミナルは、前記センサータグから送信された測定結果を受信する機能を有する請求項1ないし5のいずれかに記載のセンサー装置。
【請求項7】
前記センサータグは、前記センサーの測定結果を無線送信し、
前記ターミナルは、前記センサータグから無線送信された測定結果を受信する請求項6に記載のセンサー装置。
【請求項8】
前記無線送信は、LF帯域の搬送波を用いるものである請求項7に記載のセンサー装置。
【請求項9】
前記ターミナルは、前記第2の状態において、前記センサータグから送信された測定結果を前記1対の導体を介して受信する請求項6に記載のセンサー装置。
【請求項10】
前記センサータグは、前記1対の導体の長手方向での異なる複数位置にそれぞれ設けられている請求項1ないし9のいずれかに記載のセンサー装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載のセンサー装置と、
前記センサー装置の測定情報を収集する情報収集装置とを備えることを特徴とするセンサーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−92510(P2013−92510A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236338(P2011−236338)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】