センサ付車輪用軸受
【課題】 高精度・高信頼性の荷重検出が可能なセンサ付車輪用軸受を提供する。
【解決手段】 このセンサ付車輪用軸受10は、複列の転走面4が内周に形成された外方部材1と、この外方部材1の転走面4と対向する転走面5を形成した内方部材2と、両転走面4,5間に介在した複列の転動体3とを備える。この軸受の前記外方部材1および内方部材2の少なくとも一方の部材に、測定対象を磁化する励磁コイル20およびその磁化された測定対象から発生する磁化信号を測定する測定コイル23からなるセンサ16を設ける。センサ16は、外方部材1および内方部材2の少なくとも片方の部材を測定対象とし、前記磁化信号としてこの測定対象のバルクハウゼンノイズを検出する。
【解決手段】 このセンサ付車輪用軸受10は、複列の転走面4が内周に形成された外方部材1と、この外方部材1の転走面4と対向する転走面5を形成した内方部材2と、両転走面4,5間に介在した複列の転動体3とを備える。この軸受の前記外方部材1および内方部材2の少なくとも一方の部材に、測定対象を磁化する励磁コイル20およびその磁化された測定対象から発生する磁化信号を測定する測定コイル23からなるセンサ16を設ける。センサ16は、外方部材1および内方部材2の少なくとも片方の部材を測定対象とし、前記磁化信号としてこの測定対象のバルクハウゼンノイズを検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵した車輪用軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の制御の高度化のため、車輪にかかる荷重の検出が求められている。車輪の荷重検出においては、車輪にできるだけ近い位置で検出するほうが精度・信頼性が高くなることから、車輪の荷重を検出することができる荷重センサ付車輪用軸受の開発が望まれている。
このような要請に応えるものとして、軸受外輪に歪みゲージを接着して、外輪にかかる応力を歪みゲージで検出するようにした車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
なお、一般的な金属製品において、製品出荷時のチェックや、使用中の構造物の材質,負荷応力を、非破壊時に測定したい場合がある。このような目的の測定として、従来から熱起電力測定法、磁気特性測定法、またはX線回折測定法が用いられている。この他に、磁気測定装置でバルクハウゼンノイズを検出するものがある(例えば特許文献2)。バルクハウゼンノイズは、励磁コイルによって磁化される測定対象物からの信号であり、測定対象の材料の応力に応じて変化する。
【特許文献1】特表2003−53565号公報
【特許文献2】特開2002−350404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外輪の応力を歪みゲージで検出するには、歪みゲージを接着により外輪に装着する必要がある。しかし、接着状態により検出値に変動が生じたり、長期間の使用により接着がはがれるなどの問題があり、高精度・高信頼性の荷重検出ができない。
前記バルクハウゼンノイズを検出する磁気測定装置は、種々の測定対象物に当てつけて測定する装置として用いられるものであり、歪みゲージのように測定対象となる機器内に組み込まれたものではない。
【0005】
この発明の目的は、高精度・高信頼性の荷重検出が可能なセンサ付車輪用軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面が形成された内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、測定対象を磁化する励磁コイルおよびその磁化された測定対象から発生する磁化信号を測定する測定コイルからなるセンサを設け、このセンサは、前記内方部材および外方部材の少なくとも一方の部材を測定対象とし、前記磁化信号としてこの測定対象のバルクハウゼンノイズを検出するものとしたことを特徴とする。
【0007】
バルクハウゼンノイズとは、鋼などの強磁性材料を磁化する過程において、磁化の進行が断続的に生じるために発生する電磁誘導雑音(ノイズ)である。たとえば、強磁性体の磁区を分ける磁壁が移動する際、析出物に出会って止まり、磁壁への駆動力が増して、磁壁がその析出物を瞬間的に離脱し移動するときに、バルクハウゼンノイズが生じるといわれている。バルクハウゼンノイズは、測定対象の材料における応力に応じて変化する。したがって、上記構成のセンサ付車輪用軸受によると、励磁コイルで測定対象を励磁し、その磁化された測定対象からのバルクハウゼンノイズを測定コイルで検出することで、測定対象となる内方部材および外方部材の少なくとも一方の部材の応力が測定される。この応力の測定値から、車輪の軸受部にかかる荷重を検出することができる。なお、応力以外に材料の転位密度、炭化物の析出等によってもバルクハウゼンノイズは影響を強く受ける。しかし、予め、内方部材や外方部材の材質等に応じて検量線を求めておけば、バルクハウゼンノイズの大きさにより応力状態を推定することができる。
バルクハウゼンノイズを検出するセンサによると、高精度な検出が行え、またそのセンサの構成要素となる各コイルは、長期の使用によっても取付に支障が生じないように堅固に設置することが容易である。そのため、高精度・高信頼性の荷重検出が可能となる。
【0008】
前記センサは、バルクハウゼンノイズにより内方部材または外方部材にかかる応力を検出し、その検出された応力から軸受にかかる荷重を検出する軸受作用荷重演算手段を有するものであっても良い。
検出された応力から軸受にかかる荷重を検出する軸受作用荷重演算手段を設けておくことで、センサの検出出力として、車両の走行制御等に必要となる軸受作用荷重を得ることができる。そのため、別途に演算手段を準備することが不要となる。
【0009】
また、前記センサは、バルクハウゼンノイズにより軸受にかかる荷重を測定することにより、車輪と路面間に作用する力を検出する車輪作用荷重演算手段を有するものであっても良い。
車輪と路面間に作用する力は、車両の各種の制御に必要とされる。前記構成の車輪作用荷重演算手段を設けておくことで、この車輪と路面間に作用する力をセンサ出力として得て、自動車の制御に利用することができる。
【0010】
この発明において、前記センサは、軸受の内方部材または外方部材に作用する周方向応力と軸方向応力の少なくとも一つまたは両方を検出するものとしても良い。
自動車の制御には、制御の種類に応じて、軸受の周方向応力や軸方向応力が必要とされる。バルクハウゼンノイズにより検出するセンサとして、これら周方向応力や軸方向応力を得るものとすると、これらの応力の検出に、高精度・高信頼性が得られる。
【発明の効果】
【0011】
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面が形成された内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
測定対象を磁化する励磁コイルおよびその磁化された測定対象から発生する磁化信号を測定する測定コイルからなるセンサを設け、このセンサは、前記内方部材および外方部材の少なくとも一方の部材を測定対象とし、前記磁化信号としてこの測定対象のバルクハウゼンノイズを検出するものとしたため、高精度・高信頼性の荷重検出が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、かつ駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向外側寄りとなる側をアウトボード側と言い、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。図1では、左側がアウトボード側、右側がインボード側となる。
図1のように、この車輪用軸受10は、内周に複列の転走面4を形成した外方部材1と、これら転走面4にそれぞれ対向する転走面5を形成した内方部材2と、これら複列の転走面4,5間に介在させた複列の転動体3とを備える。この車輪用軸受10は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、上記各転走面4,5は断面円弧状であり、各転走面4,5は接触角が背面合わせとなるように形成されている。転動体3はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。内外の部材2,1間に形成される環状空間のアウトボード側およびインボード側の各開口端部は、それぞれ接触式のシール7,8で密封されている。
【0013】
外方部材1は、固定側の部材となるものであって、車体の懸架装置におけるナックル(図示せず)にボルトで締結される。
内方部材2は、回転側の部材となるものであって、外周に車輪取付フランジ2aを有するハブ輪2Aと、このハブ輪2Aのインボード側端の外周に嵌合した別体の内輪2Bとからなる。ハブ輪2Aおよび内輪2Bに、各列の転走面5がそれぞれ形成される。ハブ輪2Aには、次のように等速ジョイント11の片方の継手部材となる外輪11aが連結されている。ハブ輪2Aは中央孔12を有し、この中央孔12に、等速ジョイント外輪11aに一体に形成されたステム13が挿通され、ステム13の先端に螺合するナット14の締め付けにより、等速ジョイント外輪11aが内方部材2に連結される。このとき、等速ジョイント外輪11aに設けられたアウトボード側に向く段面11aaが、ハブ輪2Aに圧入した内輪2Bのインボード側に向く端面に押し付けられ、等速ジョイント外輪11aとナット14とで内方部材2が幅締めされる。ハブ輪2Aの中央孔12にはスプライン溝12aが形成されており、ステム13のスプライン溝13aとスプライン嵌合する。外方部材1の内周における両列の転走面4,4の中間位置には、車輪にかかる荷重を検出するセンサ16を埋め込んだリング部材15が嵌合または接着して取付けられている。
【0014】
図2は、前記センサ16の基本構成図を示す。このセンサ16は、測定対象24を磁化する測定対象励磁部17と、この測定対象励磁部17で磁化された測定対象24から発生する磁化信号を検出する検出部18とで構成される。
測定対象励磁部17は、測定対象24を磁化するための鉄心19と、この鉄心19に巻かれた励磁コイル20と、磁化のための磁界を発生させる交流電流を前記励磁コイル20に供給する電源21とでなる。鉄心19、例えばコ字状とされる。
検出部18は、鉄心22と、この鉄心22に巻かれた測定コイル23とでなる。前記鉄心19,22は、フェライトなどの磁性酸化物や積層ケイ素鋼板などからなる。
【0015】
測定対象励磁部17は、その鉄心19の両端を測定対象24に押し当てることにより、閉じた磁路が形成される。この状態で、電源21から励磁コイル20に交流電流を供給することにより、測定対象24を磁化する。検出部18は、その鉄心22の一端を測定対象励磁部17で磁化された測定対象24に押し当てることにより、測定対象24から発生する磁化信号であるバルクハウゼンノイズを測定コイル23で測定する。
【0016】
この場合、測定対象24の磁気特性は測定対象24にかかる応力によって変化し、それに伴い測定対象24から発生するバルクハウゼンノイズも変化する。たとえば、図6に示すように、強磁性材料のバルクハウゼンノイズは、引張応力状態にあるとき大きく、圧縮応力状態にあるとき小さい特徴がある。応力は、残留応力または外部応力の別によらず、応力があれば、上記の特徴を生じる。このような特性により、検出部18は、測定対象24から発生するバルクハウゼンノイズを検出することで、測定対象24にかかる応力を測定することができる。応力以外に材料の転位密度、炭化物の析出等によってもバルクハウゼンノイズは影響を強く受ける。このため、予め、測定対象24の鋼種や材質に応じた検量線を求めておくことでバルクハウゼンノイズの大きさにより応力状態を推定することができる。
【0017】
上記センサ16は、1つだけでは、測定対象励磁部17により磁化される方向の応力しか測定できない。そこで、この車輪用軸受10では、ある一方向の応力と、この方向に垂直な方向の応力を検出できるように、図3(A)に示すように2つのセンサ16A,16Bを組み合わせたセンサ組として配置される。センサ組を構成する2つのセンサ16A,16Bは、例えば樹脂モールドなどで一体化しても良い。
この実施形態の車輪用軸受10では、外方部材1が図2における測定対象24となる。ここでは、一方のセンサ16Aの磁化方向が例えば軸受の軸方向に揃えられ、他方のセンサ16Bの磁化方向が例えば軸受の周方向に揃えられる。また、上記センサ組は、軸受の上下左右4箇所に配置され、これら4組のセンサ組が前記リング部材15に埋め込まれることで、リング部材15を介して外方部材1の内周の周方向に分配して配置される。
【0018】
2つのセンサ16A,16Bの組み合わせ例としては、図3(B)のように、両センサ16A,16Bの励磁コイル20を互いに直交するように重ねて配置しても良い。なお、同図では、両センサ16A,16Bの検出部18の図示を省略している。
【0019】
図1において、上記のように外方部材1の内周に設置されたセンサ16は、外方部材1における前記リング部材15の取付部近傍の外周から内周に貫通して設けられた貫通孔25に挿通させて配線されたコード26により、車体側の軸受作用荷重演算手段27に接続される。軸受作用荷重演算手段27は、前記センサ16の検出信号(外方部材1の応力)から軸受にかかる荷重を検出するものである。なお、前記コード26を介して、軸受作用荷重演算手段27からセンサ16へは電源供給も行われる。さらに、前記軸受作用荷重演算手段27は車輪作用荷重演算手段28に接続される。この車輪作用荷重演算手段28は、前記軸受作用荷重演算手段27により求められた軸受にかかる荷重から、車輪と路面間に作用する力を検出するものである。
【0020】
これら軸受作用荷重演算手段27および車輪作用荷重演算手段28は、例えば電子回路として構成し、センサ16を設置したリング部材15内に埋め込み状態に設置しても良く、また外方部材1の外周面等に設置しても良く、さらに、軸受から離れた箇所(例えばECU(電気制御ユニット)等)に設けても良い。
【0021】
次に、上記車輪用軸受10に加わる荷重の検出動作について説明する。車両走行に伴い内方部材2に荷重が加わると、転動体3を介して外方部材1に応力がかかる。この応力をセンサ16が検出する。その検出信号を受けて、軸受作用荷重演算手段27は軸受にかかる荷重を検出する。さらに、その検出荷重を受けて、車輪作用荷重演算手段28は車輪と路面間に作用する力を検出する。
【0022】
このセンサ付車輪用軸受10では、測定対象である外方部材1を磁化する励磁コイル20、およびその磁化された外方部材1から発生する磁化信号であるバルクハウゼンノイズを測定する測定コイル23からなるセンサ16を設けているので、高精度・高信頼性の荷重検出が可能となる。すなわち、バルクハウゼンノイズの測定による応力検出は高精度に行え、またセンサ16の設置は、前記のようにリング部材15に埋め込み設置することなとで、外方部材1に堅固に設置できて、長期の使用にも脱落等の恐れがなく、信頼性の高い測定が行える。
【0023】
また、この実施形態では、外方部材1にかかる応力を、バルクハウゼンノイズによりセンサ16が検出し、その検出された応力に基づき軸受作用荷重演算手段27が軸受にかかる荷重を検出するようにしているので、別途に演算手段を準備することなく、軸受にかかる荷重を高精度で信頼性高く求めることができる。
【0024】
また、この実施形態では、センサ16が検出するバルクハウゼンノイズにより軸受にかかる荷重を測定することで、車輪と路面間に作用する力を検出する車輪作用荷重演算手段28を設けているので、別途に演算手段を準備することなく、その検出値を用いて自動車の高度な制御が可能となる。
【0025】
さらに、この実施形態では、センサ16により、外方部材1に作用する周方向応力と軸方向応力を検出するようにしているので、車輪用軸受に作用する各方向の荷重を検出することができて、自動車の高度な制御に用いることができる。
【0026】
図4は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態のセンサ付車輪用軸受10は、図1の実施形態において、センサ16を埋め込んだリング部材15を、外方部材1のアウトボード側端の外周に嵌合または接着して取付けたものである。センサ16を構成する各鉄心19(図3)は、図1の例とは逆に外方部材1の外径面に接するように設けられる。この実施形態の場合には、コード挿通のための貫通孔を外方部材1に設けなくて済む。その他の構成は図1の実施形態の場合と同じである。
【0027】
図5は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態のセンサ付車輪用軸受10では、図1の実施形態において、センサ16を埋め込んだリング部材15を、外方部材1のインボード側端の端面に接着などにより取付けたものである。センサ16を構成する各鉄心19(図3)は、外方部材1の端面に接するように設けられる。この構成の場合にも、コード挿通のための貫通孔を外方部材1に設けなくて済む。その他の構成は図1の実施形態の場合と同じである。
【0028】
なお、上記各実施形態では、固定側の部材である外方部材1にセンサ16を設けた場合につき説明したが、これに限らず、回転側の部材である内方部材2にセンサ16を設けても良い。この場合、センサ16の検出信号の取り出しや、センサ16への電源供給は、無線等でワイヤレスに送受信しても良いし、スリップリングや回転コネクタを介して行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るセンサ付車輪用軸受の断面図である。
【図2】同車輪用軸受に設けられるセンサの基本構成図である。
【図3】(A)は同車輪用軸受に設けられるセンサの組み合わせ構成の一例を示す斜視図、(B)は同組み合わせ構成の他の例を示す斜視図である。
【図4】この発明の他の実施形態に係るセンサ付車輪用軸受の断面図である。
【図5】この発明のさらに他の実施形態に係るセンサ付車輪用軸受の断面図である。
【図6】バルクハウゼンノイズの引っ張り応力状態のとき、および圧縮応力状態のときの変化を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1…外方部材
2…内方部材
3…転動体
4,5…転走面
10…車輪用軸受
16,16A,16B…センサ
20…励磁コイル
23…測定コイル
27…軸受作用荷重演算手段
28…車輪作用荷重演算手段
【技術分野】
【0001】
この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵した車輪用軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の制御の高度化のため、車輪にかかる荷重の検出が求められている。車輪の荷重検出においては、車輪にできるだけ近い位置で検出するほうが精度・信頼性が高くなることから、車輪の荷重を検出することができる荷重センサ付車輪用軸受の開発が望まれている。
このような要請に応えるものとして、軸受外輪に歪みゲージを接着して、外輪にかかる応力を歪みゲージで検出するようにした車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
なお、一般的な金属製品において、製品出荷時のチェックや、使用中の構造物の材質,負荷応力を、非破壊時に測定したい場合がある。このような目的の測定として、従来から熱起電力測定法、磁気特性測定法、またはX線回折測定法が用いられている。この他に、磁気測定装置でバルクハウゼンノイズを検出するものがある(例えば特許文献2)。バルクハウゼンノイズは、励磁コイルによって磁化される測定対象物からの信号であり、測定対象の材料の応力に応じて変化する。
【特許文献1】特表2003−53565号公報
【特許文献2】特開2002−350404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外輪の応力を歪みゲージで検出するには、歪みゲージを接着により外輪に装着する必要がある。しかし、接着状態により検出値に変動が生じたり、長期間の使用により接着がはがれるなどの問題があり、高精度・高信頼性の荷重検出ができない。
前記バルクハウゼンノイズを検出する磁気測定装置は、種々の測定対象物に当てつけて測定する装置として用いられるものであり、歪みゲージのように測定対象となる機器内に組み込まれたものではない。
【0005】
この発明の目的は、高精度・高信頼性の荷重検出が可能なセンサ付車輪用軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面が形成された内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、測定対象を磁化する励磁コイルおよびその磁化された測定対象から発生する磁化信号を測定する測定コイルからなるセンサを設け、このセンサは、前記内方部材および外方部材の少なくとも一方の部材を測定対象とし、前記磁化信号としてこの測定対象のバルクハウゼンノイズを検出するものとしたことを特徴とする。
【0007】
バルクハウゼンノイズとは、鋼などの強磁性材料を磁化する過程において、磁化の進行が断続的に生じるために発生する電磁誘導雑音(ノイズ)である。たとえば、強磁性体の磁区を分ける磁壁が移動する際、析出物に出会って止まり、磁壁への駆動力が増して、磁壁がその析出物を瞬間的に離脱し移動するときに、バルクハウゼンノイズが生じるといわれている。バルクハウゼンノイズは、測定対象の材料における応力に応じて変化する。したがって、上記構成のセンサ付車輪用軸受によると、励磁コイルで測定対象を励磁し、その磁化された測定対象からのバルクハウゼンノイズを測定コイルで検出することで、測定対象となる内方部材および外方部材の少なくとも一方の部材の応力が測定される。この応力の測定値から、車輪の軸受部にかかる荷重を検出することができる。なお、応力以外に材料の転位密度、炭化物の析出等によってもバルクハウゼンノイズは影響を強く受ける。しかし、予め、内方部材や外方部材の材質等に応じて検量線を求めておけば、バルクハウゼンノイズの大きさにより応力状態を推定することができる。
バルクハウゼンノイズを検出するセンサによると、高精度な検出が行え、またそのセンサの構成要素となる各コイルは、長期の使用によっても取付に支障が生じないように堅固に設置することが容易である。そのため、高精度・高信頼性の荷重検出が可能となる。
【0008】
前記センサは、バルクハウゼンノイズにより内方部材または外方部材にかかる応力を検出し、その検出された応力から軸受にかかる荷重を検出する軸受作用荷重演算手段を有するものであっても良い。
検出された応力から軸受にかかる荷重を検出する軸受作用荷重演算手段を設けておくことで、センサの検出出力として、車両の走行制御等に必要となる軸受作用荷重を得ることができる。そのため、別途に演算手段を準備することが不要となる。
【0009】
また、前記センサは、バルクハウゼンノイズにより軸受にかかる荷重を測定することにより、車輪と路面間に作用する力を検出する車輪作用荷重演算手段を有するものであっても良い。
車輪と路面間に作用する力は、車両の各種の制御に必要とされる。前記構成の車輪作用荷重演算手段を設けておくことで、この車輪と路面間に作用する力をセンサ出力として得て、自動車の制御に利用することができる。
【0010】
この発明において、前記センサは、軸受の内方部材または外方部材に作用する周方向応力と軸方向応力の少なくとも一つまたは両方を検出するものとしても良い。
自動車の制御には、制御の種類に応じて、軸受の周方向応力や軸方向応力が必要とされる。バルクハウゼンノイズにより検出するセンサとして、これら周方向応力や軸方向応力を得るものとすると、これらの応力の検出に、高精度・高信頼性が得られる。
【発明の効果】
【0011】
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面が形成された内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
測定対象を磁化する励磁コイルおよびその磁化された測定対象から発生する磁化信号を測定する測定コイルからなるセンサを設け、このセンサは、前記内方部材および外方部材の少なくとも一方の部材を測定対象とし、前記磁化信号としてこの測定対象のバルクハウゼンノイズを検出するものとしたため、高精度・高信頼性の荷重検出が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、かつ駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向外側寄りとなる側をアウトボード側と言い、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。図1では、左側がアウトボード側、右側がインボード側となる。
図1のように、この車輪用軸受10は、内周に複列の転走面4を形成した外方部材1と、これら転走面4にそれぞれ対向する転走面5を形成した内方部材2と、これら複列の転走面4,5間に介在させた複列の転動体3とを備える。この車輪用軸受10は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、上記各転走面4,5は断面円弧状であり、各転走面4,5は接触角が背面合わせとなるように形成されている。転動体3はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。内外の部材2,1間に形成される環状空間のアウトボード側およびインボード側の各開口端部は、それぞれ接触式のシール7,8で密封されている。
【0013】
外方部材1は、固定側の部材となるものであって、車体の懸架装置におけるナックル(図示せず)にボルトで締結される。
内方部材2は、回転側の部材となるものであって、外周に車輪取付フランジ2aを有するハブ輪2Aと、このハブ輪2Aのインボード側端の外周に嵌合した別体の内輪2Bとからなる。ハブ輪2Aおよび内輪2Bに、各列の転走面5がそれぞれ形成される。ハブ輪2Aには、次のように等速ジョイント11の片方の継手部材となる外輪11aが連結されている。ハブ輪2Aは中央孔12を有し、この中央孔12に、等速ジョイント外輪11aに一体に形成されたステム13が挿通され、ステム13の先端に螺合するナット14の締め付けにより、等速ジョイント外輪11aが内方部材2に連結される。このとき、等速ジョイント外輪11aに設けられたアウトボード側に向く段面11aaが、ハブ輪2Aに圧入した内輪2Bのインボード側に向く端面に押し付けられ、等速ジョイント外輪11aとナット14とで内方部材2が幅締めされる。ハブ輪2Aの中央孔12にはスプライン溝12aが形成されており、ステム13のスプライン溝13aとスプライン嵌合する。外方部材1の内周における両列の転走面4,4の中間位置には、車輪にかかる荷重を検出するセンサ16を埋め込んだリング部材15が嵌合または接着して取付けられている。
【0014】
図2は、前記センサ16の基本構成図を示す。このセンサ16は、測定対象24を磁化する測定対象励磁部17と、この測定対象励磁部17で磁化された測定対象24から発生する磁化信号を検出する検出部18とで構成される。
測定対象励磁部17は、測定対象24を磁化するための鉄心19と、この鉄心19に巻かれた励磁コイル20と、磁化のための磁界を発生させる交流電流を前記励磁コイル20に供給する電源21とでなる。鉄心19、例えばコ字状とされる。
検出部18は、鉄心22と、この鉄心22に巻かれた測定コイル23とでなる。前記鉄心19,22は、フェライトなどの磁性酸化物や積層ケイ素鋼板などからなる。
【0015】
測定対象励磁部17は、その鉄心19の両端を測定対象24に押し当てることにより、閉じた磁路が形成される。この状態で、電源21から励磁コイル20に交流電流を供給することにより、測定対象24を磁化する。検出部18は、その鉄心22の一端を測定対象励磁部17で磁化された測定対象24に押し当てることにより、測定対象24から発生する磁化信号であるバルクハウゼンノイズを測定コイル23で測定する。
【0016】
この場合、測定対象24の磁気特性は測定対象24にかかる応力によって変化し、それに伴い測定対象24から発生するバルクハウゼンノイズも変化する。たとえば、図6に示すように、強磁性材料のバルクハウゼンノイズは、引張応力状態にあるとき大きく、圧縮応力状態にあるとき小さい特徴がある。応力は、残留応力または外部応力の別によらず、応力があれば、上記の特徴を生じる。このような特性により、検出部18は、測定対象24から発生するバルクハウゼンノイズを検出することで、測定対象24にかかる応力を測定することができる。応力以外に材料の転位密度、炭化物の析出等によってもバルクハウゼンノイズは影響を強く受ける。このため、予め、測定対象24の鋼種や材質に応じた検量線を求めておくことでバルクハウゼンノイズの大きさにより応力状態を推定することができる。
【0017】
上記センサ16は、1つだけでは、測定対象励磁部17により磁化される方向の応力しか測定できない。そこで、この車輪用軸受10では、ある一方向の応力と、この方向に垂直な方向の応力を検出できるように、図3(A)に示すように2つのセンサ16A,16Bを組み合わせたセンサ組として配置される。センサ組を構成する2つのセンサ16A,16Bは、例えば樹脂モールドなどで一体化しても良い。
この実施形態の車輪用軸受10では、外方部材1が図2における測定対象24となる。ここでは、一方のセンサ16Aの磁化方向が例えば軸受の軸方向に揃えられ、他方のセンサ16Bの磁化方向が例えば軸受の周方向に揃えられる。また、上記センサ組は、軸受の上下左右4箇所に配置され、これら4組のセンサ組が前記リング部材15に埋め込まれることで、リング部材15を介して外方部材1の内周の周方向に分配して配置される。
【0018】
2つのセンサ16A,16Bの組み合わせ例としては、図3(B)のように、両センサ16A,16Bの励磁コイル20を互いに直交するように重ねて配置しても良い。なお、同図では、両センサ16A,16Bの検出部18の図示を省略している。
【0019】
図1において、上記のように外方部材1の内周に設置されたセンサ16は、外方部材1における前記リング部材15の取付部近傍の外周から内周に貫通して設けられた貫通孔25に挿通させて配線されたコード26により、車体側の軸受作用荷重演算手段27に接続される。軸受作用荷重演算手段27は、前記センサ16の検出信号(外方部材1の応力)から軸受にかかる荷重を検出するものである。なお、前記コード26を介して、軸受作用荷重演算手段27からセンサ16へは電源供給も行われる。さらに、前記軸受作用荷重演算手段27は車輪作用荷重演算手段28に接続される。この車輪作用荷重演算手段28は、前記軸受作用荷重演算手段27により求められた軸受にかかる荷重から、車輪と路面間に作用する力を検出するものである。
【0020】
これら軸受作用荷重演算手段27および車輪作用荷重演算手段28は、例えば電子回路として構成し、センサ16を設置したリング部材15内に埋め込み状態に設置しても良く、また外方部材1の外周面等に設置しても良く、さらに、軸受から離れた箇所(例えばECU(電気制御ユニット)等)に設けても良い。
【0021】
次に、上記車輪用軸受10に加わる荷重の検出動作について説明する。車両走行に伴い内方部材2に荷重が加わると、転動体3を介して外方部材1に応力がかかる。この応力をセンサ16が検出する。その検出信号を受けて、軸受作用荷重演算手段27は軸受にかかる荷重を検出する。さらに、その検出荷重を受けて、車輪作用荷重演算手段28は車輪と路面間に作用する力を検出する。
【0022】
このセンサ付車輪用軸受10では、測定対象である外方部材1を磁化する励磁コイル20、およびその磁化された外方部材1から発生する磁化信号であるバルクハウゼンノイズを測定する測定コイル23からなるセンサ16を設けているので、高精度・高信頼性の荷重検出が可能となる。すなわち、バルクハウゼンノイズの測定による応力検出は高精度に行え、またセンサ16の設置は、前記のようにリング部材15に埋め込み設置することなとで、外方部材1に堅固に設置できて、長期の使用にも脱落等の恐れがなく、信頼性の高い測定が行える。
【0023】
また、この実施形態では、外方部材1にかかる応力を、バルクハウゼンノイズによりセンサ16が検出し、その検出された応力に基づき軸受作用荷重演算手段27が軸受にかかる荷重を検出するようにしているので、別途に演算手段を準備することなく、軸受にかかる荷重を高精度で信頼性高く求めることができる。
【0024】
また、この実施形態では、センサ16が検出するバルクハウゼンノイズにより軸受にかかる荷重を測定することで、車輪と路面間に作用する力を検出する車輪作用荷重演算手段28を設けているので、別途に演算手段を準備することなく、その検出値を用いて自動車の高度な制御が可能となる。
【0025】
さらに、この実施形態では、センサ16により、外方部材1に作用する周方向応力と軸方向応力を検出するようにしているので、車輪用軸受に作用する各方向の荷重を検出することができて、自動車の高度な制御に用いることができる。
【0026】
図4は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態のセンサ付車輪用軸受10は、図1の実施形態において、センサ16を埋め込んだリング部材15を、外方部材1のアウトボード側端の外周に嵌合または接着して取付けたものである。センサ16を構成する各鉄心19(図3)は、図1の例とは逆に外方部材1の外径面に接するように設けられる。この実施形態の場合には、コード挿通のための貫通孔を外方部材1に設けなくて済む。その他の構成は図1の実施形態の場合と同じである。
【0027】
図5は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態のセンサ付車輪用軸受10では、図1の実施形態において、センサ16を埋め込んだリング部材15を、外方部材1のインボード側端の端面に接着などにより取付けたものである。センサ16を構成する各鉄心19(図3)は、外方部材1の端面に接するように設けられる。この構成の場合にも、コード挿通のための貫通孔を外方部材1に設けなくて済む。その他の構成は図1の実施形態の場合と同じである。
【0028】
なお、上記各実施形態では、固定側の部材である外方部材1にセンサ16を設けた場合につき説明したが、これに限らず、回転側の部材である内方部材2にセンサ16を設けても良い。この場合、センサ16の検出信号の取り出しや、センサ16への電源供給は、無線等でワイヤレスに送受信しても良いし、スリップリングや回転コネクタを介して行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るセンサ付車輪用軸受の断面図である。
【図2】同車輪用軸受に設けられるセンサの基本構成図である。
【図3】(A)は同車輪用軸受に設けられるセンサの組み合わせ構成の一例を示す斜視図、(B)は同組み合わせ構成の他の例を示す斜視図である。
【図4】この発明の他の実施形態に係るセンサ付車輪用軸受の断面図である。
【図5】この発明のさらに他の実施形態に係るセンサ付車輪用軸受の断面図である。
【図6】バルクハウゼンノイズの引っ張り応力状態のとき、および圧縮応力状態のときの変化を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1…外方部材
2…内方部材
3…転動体
4,5…転走面
10…車輪用軸受
16,16A,16B…センサ
20…励磁コイル
23…測定コイル
27…軸受作用荷重演算手段
28…車輪作用荷重演算手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面が形成された内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
測定対象を磁化する励磁コイルおよびその磁化された測定対象から発生する磁化信号を測定する測定コイルからなるセンサを設け、このセンサは、前記内方部材および外方部材の少なくとも一方の部材を測定対象とし、前記磁化信号としてこの測定対象のバルクハウゼンノイズを検出するものとしたことを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
【請求項2】
請求項1において、前記センサは、バルクハウゼンノイズにより内方部材または外方部材にかかる応力を検出し、その検出された応力から軸受にかかる荷重を検出する軸受作用荷重演算手段を有するものであるセンサ付車輪用軸受。
【請求項3】
請求項1において、前記センサは、バルクハウゼンノイズにより軸受にかかる荷重を測定することで、車輪と路面間に作用する力を検出する車輪作用荷重演算手段を有するものであるセンサ付車輪用軸受。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記センサは、軸受の内方部材または外方部材に作用する周方向応力と軸方向応力の少なくとも一つまたは両方を検出するものとしたセンサ付車輪用軸受。
【請求項1】
複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面が形成された内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
測定対象を磁化する励磁コイルおよびその磁化された測定対象から発生する磁化信号を測定する測定コイルからなるセンサを設け、このセンサは、前記内方部材および外方部材の少なくとも一方の部材を測定対象とし、前記磁化信号としてこの測定対象のバルクハウゼンノイズを検出するものとしたことを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
【請求項2】
請求項1において、前記センサは、バルクハウゼンノイズにより内方部材または外方部材にかかる応力を検出し、その検出された応力から軸受にかかる荷重を検出する軸受作用荷重演算手段を有するものであるセンサ付車輪用軸受。
【請求項3】
請求項1において、前記センサは、バルクハウゼンノイズにより軸受にかかる荷重を測定することで、車輪と路面間に作用する力を検出する車輪作用荷重演算手段を有するものであるセンサ付車輪用軸受。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記センサは、軸受の内方部材または外方部材に作用する周方向応力と軸方向応力の少なくとも一つまたは両方を検出するものとしたセンサ付車輪用軸受。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2006−266686(P2006−266686A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−80863(P2005−80863)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】
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