説明

センサ付転動装置

【課題】転動装置の振動等の状態を正確に外部に知らせることができる検出器及びセンサ付転動装置を提供する。
【解決手段】転動装置17の状態を検出する検出器20は、プリント基板25と、プリント基板25に実装された振動検出素子30とを少なくとも有し、プリント基板25の板方向と、振動検出素子30の振動検出方向とが平行に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ付転動装置に関し、機械装置などの予防保全、例えば温度変化が大きい環境下で使用される鉄道車両、自動車、搬送車などの移動体の軸受装置やギヤボックス等の予防保全に最適なものである。また、電気情報機器用の軸受等の異常検知にも適用でき、ボールねじやリニアガイドなどの直動部品の異常検知にも適用できる。
【背景技術】
【0002】
従来、転動装置における軸受の剥離等の異常を検出するために、転動装置に温度センサが設けられている。剥離等の異常が生じた際に転動装置の温度が上昇することを、温度センサで検出していた。
【0003】
しかし、温度センサのみで転動装置の異常を検出する場合、例えば軸受の温度が上昇しても、その温度が温度センサまで伝わるのに時間がかかり、異常を早期に検出することが難しかった。そこで、振動センサを使用して、転動装置の異常を検出することが試みられている。図9に、そのようなセンサ付転動装置の一例を示す。センサ付転動装置(センサ付軸受装置)80は、軸方向に間隔をあけて配された一対の転がり軸受81,81の外輪82,82に外嵌されたハウジング88に、検出器(センサユニット)90を取り付けた構成になっている。検出器90は、ハウジング88の内面と外面とを貫通する取付孔88aに挿通されて、ボルト99によりハウジング88に固定されている。
【0004】
検出器90は、転動装置の状態を検出するために、振動センサ(加速度センサ)をセンサケース91内に備えている。振動センサの振動検出素子100としては、片持ち構造や両持ち構造の圧電素子が使用されている。振動検出素子100は、プリント基板95に実装されている。軸受の剥離等の異常が生じると、転動装置が振動する。振動センサはこの振動を検出して、外部に伝送する。
【0005】
プリント基板95に実装された振動検出素子100や他の電子部品に対する給電や信号の送受等は、一端がプリント基板95に接続されたケーブル98によって行われる。本実施の形態の場合、一端がプリント基板95に接続されたケーブル98は、センサケース91のケーブル取出口91aにねじ込み装着された筒構造のケーブルグランド93を介して、センサケース91の外部に引き出されて、外部の電源あるいは計測装置等に接続される。
【0006】
ケーブルグランド93は、詳細は図示していないが、センサケース91のケーブル取出口91aに螺合するねじ部を外周に有した円筒状のケース螺合部と、このケース螺合部を挿通する前記ケーブル98の外周部を把持するケーブル支持管部とを有した構造で、ケーブル支持管部にはケーブル等の間の隙間を塞ぐパッキン等が装備されて、挿通したケーブル98の固定と、ケーブル挿通部の防水等を図る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のセンサ付転動装置80ように、振動検出素子100として片持ち構造や両持ち構造の圧電素子を使用し、圧電素子の静電容量の変化によって発生する微小電圧を外部に伝送する場合、ノイズに弱いなどの問題があった。そこで、センサケース91にアンプを内蔵し、振動検出素子100からの出力電圧を増幅してからセンサ外部に伝送する方法が試みられている。しかし、この方法では、振動検出素子100やプリント基板95の固有振動数成分が増幅の阻害要因となり、振動を正確に測定できないことがあった。
【0008】
すなわち、振動検出素子100やプリント基板95には固有振動数が存在し、その固有振動数に近い加振周波数成分が加わると、それらが共振してしまう。この際、図10(A)に示すように、振動検出素子の出力は、検出信号Vに、固有振動数による共振周波数成分が重畳された信号Nとなる。ここでは説明のため、単一周波数成分の検出信号Vに、固有振動数による共振周波数成分が重畳された様子を示している。一般に共振周波数成分の振幅は、共振現象のため、その他の周波数成分の信号振幅に比べ、10倍以上も高レベルになる。図10(A)のような出力信号をそのまま増幅すると、図10(B)に示すように共振周波数成分も増幅されて、共振周波数成分がオペアンプの出力上限を超えてしまう場合がある。オペアンプの出力電圧の上限、下限を+VOP,−VOPとすると、+VOP以上、−VOP以下の出力はでないので、結果として、図10(C)に示すように、増幅後の信号波形VOが本来の信号波形からずれることがあった。また、この信号を外部で受信するときに、ローパスフィルタを挿入すれば、固有振動数成分が減衰されて本来の波形に近くなるが、前記のように共振周波数成分がオペアンプの出力上限を超えてしまうと、図10(D)に示すように、ローパスフィルタ直後の波形が、VFOのように本来の信号波形からずれることがあった。
【0009】
また、センサケース91からのケーブル98の取り出しにケーブルグランド93を使用する構造では、ケーブルグランド93自体がセンサケース91の外部に大きく突出する構造となるため、検出器が大型化するという問題があった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、転動装置の振動等の状態を正確に外部に知らせることができる検出器及びセンサ付転動装置を提供すること、更には、ケーブル取出口に十分な防水性を確保して浸水に起因する動作不良の発生を長期に渡って防止すると同時に、装置の小型化を実現することのできる検出器及びセンサ付転動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、下記構成により達成される。
(1) 転動装置の状態を検出する検出器であって、プリント基板と、前記プリント基板に実装された振動検出素子とを少なくとも有し、前記プリント基板の板方向と、前記振動検出素子の振動検出方向とが平行に設定されていることを特徴とする検出器。
(2) 前記振動検出素子の出力信号に重畳された固有振動数成分を減衰させるローパスフィルタと、前記ローパスフィルタの出力信号を増幅する増幅器とを備えていることを特徴とする前記(1)に記載の検出器。
(3) 前記振動検出素子の出力信号がバッファアンプを介して前記ローパスフィルタに供給されることを特徴とする前記(2)に記載の検出器。
(4) 前記振動検出素子として、圧電素子、ひずみゲージ、シリコン加速度センサの少なくとも一つが用いられていることを特徴とする前記(1)から(3)のいずれか1つに記載の検出器。
(5) 前記プリント基板に、更に温度検出素子が実装されていることを特徴とする前記(1)から(4)のいずれか1つに記載の検出器。
(6) 転動装置の状態を検出する検出器であって、転動装置の状態に関係する物理量を検出する検出素子及び電子部品が実装されたプリント基板と、前記プリント基板を収容するセンサケースと、前記センサケースに貫通形成されたケーブル取出口を挿通して前記センサケース内に位置する一方の端部がセンサケース内の回路に接続されると共に、外部に位置する他方の端部が外部の回路に接続されるケーブルとを備え、前記ケーブル取出口と前記ケーブルとの間の隙間に、防水材を充填したことを特徴とする検出器。
(7) 前記センサケース内に位置するケーブル端がセンサケース内の前記プリント基板に接続されていることを特徴とする前記(6)に記載の検出器。
(8) 前記ケーブル取出口を挿通するケーブルに、前記センサケースの内側から前記ケーブル取出口に嵌合するテーパ状のブッシュを装着していることを特徴とする前記(6)又は(7)に記載の検出器。
(9) 前記防水材は、シリコン樹脂で、その硬度がデュロメータAで10〜80であることを特徴とする前記(6)から(8)のいずれか1つに記載の検出器。
(10) 前記検出素子が、温度検出素子、振動検出素子、速度検出素子の少なくとも一つであることを特徴とする前記(6)〜(9)のいずれか1つに記載の検出器。
(11) 前記(1)〜(10)のいずれかに記載の検出器を転動装置に備え、前記検出器により前記転動装置の状態を検出することを特徴とするセンサ付転動装置。
(12) 前記転動装置の外面に、その外面と、前記プリント基板の板方向とが平行になるように前記検出器が設けられていることを特徴とする前記(11)に記載のセンサ付転動装置。
(13) 前記転動装置が転がり軸受であることを特徴とする前記(11)又は(12)に記載のセンサ付転動装置。
(14) 前記転動装置がボールねじであることを特徴とする前記(11)又は(12)に記載のセンサ付転動装置。
(15) 前記転動装置がリニアガイドであることを特徴とする前記(11)又は(12)に記載のセンサ付転動装置。
【0012】
上記構成によれば、プリント基板が厚さ方向に振動したとしても、その振動は振動検出素子で検出されない。振動検出素子は、プリント基板の板方向(面方向)に平行な振動を検出するからである。プリント基板自身の板方向(長さ方向)の伸縮剛性は、厚さ方向の曲げ剛性に比べて大きく、プリント基板自身の板方向の固有振動数は高い。仮にプリント基板の板方向の固有振動数でプリント基板が共振したとしても、その固有振動数は高周波数であり、ローパスフィルタによって容易に減衰・除去することができる。したがって、ローパスフィルタの設定周波数(カットオフ周波数)以下の振動を、振動検出素子によって正確に検出することができる。
【0013】
そして、振動検出素子の出力信号を増幅器で増幅してから外部に伝送することで、ノイズ等の影響を受けずに、転動装置の状態を正確に外部に知らせることができる。なお、上記(13)においていう「転がり軸受」には、複数の転がり軸受の外輪にハウジングが外嵌されてなる、いわゆる軸受装置も、含まれる。
【0014】
また、(6)〜(10)に示した構成の検出器は、センサケースに貫通形成されたケーブル取出口は、ケーブル挿通後に、ケーブル取出口とケーブルとの間の隙間に防水材を充填することによって、隙間を封止して防水性能を確保するもので、例えば充填する防水材として所定の硬度(弾性)のシリコン樹脂等を使用することで、長期に渡って安定した十分な防水性能を得ることができ、センサケース内の浸水に起因した動作不良等の発生を長期に渡って防止することができる。また、ケーブル取出口への防水材の充填によって防水性能を確保するため、センサケースから大きく突出するケーブルグランドを使用する必要が無くなり、ケーブルグランドの廃止によって、装置の小型化を実現することができる。また、ケーブルグランドの廃止によって部品点数や組み立て工程数が削減されて、コストの低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の検出器のように、プリント基板に搭載された振動検出素子による振動検出方向を、プリント基板の面に沿う方向に設定すれば、プリント基板自体に発生する板厚方向の振動は、振動検出素子の検出対象にならない。従って、転動装置の振動等の状態を正確に外部に知らせることができる検出器及びセンサ付転動装置を提供できる。
【0016】
また、本発明の検出器は、センサケースに貫通形成されたケーブル取出口に防水材を充填することによって、ケーブル取出口の防水性能を確保するもので、防水材を適宜に選定することで、長期に渡って安定した十分な防水性能を得ることができ、センサケース内の浸水に起因した動作不良等の発生を長期に渡って防止することができる。また、ケーブル取出口への防水材の充填によって防水性能を確保するため、センサケースから大きく突出するケーブルグランドを使用する必要が無くなり、ケーブルグランドの廃止によって、装置の小型化を実現することができる。また、ケーブルグランドの廃止によって部品点数や組み立て工程数が削減されて、コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。図1に、本発明の第1の実施の形態のセンサ付転動装置(センサ付軸受装置)10を示す。センサ付転動装置10は、軸方向に間隔をあけて配された一対の転がり軸受(ここでは玉軸受)11,11と、それら転がり軸受の外輪12,12に外嵌されたハウジング18と、を備えた転がり軸受装置17に、センサユニット(検出器)20を取り付けた構成になっている。転がり軸受の内輪13,13に、軸15が内嵌されている。ここでは、外輪12,12及びハウジング18が外方部材かつ静止部材として機能し、内輪13,13及び軸15が内方部材かつ可動部材として機能し、両者の間には転動体(ここでは玉)14が配されている。
【0018】
ハウジング18は円筒形状に形成されており、一方の(図中右方の)転がり軸受11よりも軸方向に突出して延びており、その端部には、エンドカバー19が固定されている。軸15は、ハウジング18内で、エンドカバー19に至る手前で終端している。ハウジング18のセンサユニット取付部は、円筒状でも、平面状でもよい。
【0019】
センサユニット20は、上方に開放した収容部を持つセンサケース21、センサケース21の開放部を覆うケースカバー22、センサケース21のケーブル取出口を挿通するケーブル23を備え、センサケース21内にセンサ本体24が収容されている。センサ本体24は、プリント基板25に、振動センサ(加速度センサ)、温度センサ、及び信号を処理するための電子部品などが実装されてなる。
【0020】
図2(A)に示すように、センサケース21は、ハウジング18外面上に隙間無く置かれた取付板21aと、取付板21aに立設された側板21bと、取付板21aと同様にハウジング18外面上に隙間無く置かれて側板21bより外周側に突出したフランジ21cとを有している。取付板21aの取付面(ハウジング18外面に相対する面)は、ハウジング18外面にならった形状にされている。取付板21aと側板21bとで囲まれた収容空間に、センサ本体24が設置されている。センサ本体24のプリント基板25は、その縁部を、側板21bの内側で取付板21a上に設けられた支持台21dに固定されている(両持ち構造でもよいし、プリント基板25の全周が固定されてもよい)。プリント基板25は、ハウジング18の外面と平行に固定されている。プリント基板25の支持台21d上に置かれた箇所より内側の箇所は、取付板21aとの間に隙間をあけて位置している。プリント基板25を支持台21d上に固定するために、ここではねじ等の固定具を用いているが、接着剤等を用いてもよい。プリント基板25の一方の表面(図では上面;ケースカバー22側の面)には振動検出素子30が実装され、プリント基板25の他方の表面(図では下面;取付板21a側の面)には温度検出素子31が実装されている。図示しないが、温度センサ、振動センサの取付は、逆でもよいし、一方の表面のみでもよい。軸受装置の状態を監視するための検出素子として、その他の検出素子を設けてもよい。また、速度検出素子を設けてもよい。
【0021】
センサケース21は、ハウジング18の外面上に、ねじ等の機械的固定具を用いて固定することが好ましい。こうすることで、軸受装置17にかかる振動や温度をより正確かつ迅速に検出できる。また、センサケース21とハウジング18の間に熱伝導を良くするペーストや接着剤を充填すると、温度の測定精度が向上するので好ましい。
【0022】
振動検出素子30は、プリント基板25に表面実装されている。プリント基板25上には、振動検出素子30以外に、検出信号の高周波成分を減衰除去するためのローパスフィルタや、信号を増幅するための増幅回路、検出信号を電圧出力又は電流出力(電流ループ出力)で出力するための出力回路及びそれらの回路を構成する電子部品などが表面実装されている。このように、プリント基板25上に全ての素子を表面実装すると、プリント基板25をセンサケース21内に組み込むだけで組立が完了するので、組立工数が少なくてすむ。なお、検出素子や電子部品は、表面実装タイプに限らず、リードが付いているタイプでもよい。リードタイプ及び表面実装タイプの選定は、コスト、組立性などを考慮して適宜選択する。
【0023】
振動検出素子30の振動検出方向は、プリント基板25の板方向と平行にされている。すなわち、図中符号Vで示す方向の振動(ここではハウジング18及び軸の軸線方向の振動)を、振動検出素子30は検出する。この理由は、振動検出の方向をプリント基板25の板と平行にしない場合は、プリント基板25の曲げ方向の振動を検出してしまうためである。振動検出素子30は、軸受装置17に作用する振動を常時検出して振動の信号(値)を出力し、その振動信号(値)を同じくプリント基板25に実装された電子部品に供給する。電子部品は、振動検出素子30から与えられた振動信号(値)を処理し、電圧信号又は電流信号として出力する。
【0024】
また、振動検出方向は、プリント基板25の板と平行な方向であれば、一方向でも、二方向でも、又はそれ以上でもよい。例えば、図2(B)に示すように、直交する二方向の振動V1,V2を検出するようにできる。このように二方向の振動を検出する場合、その値を合成することで、プリント基板25に平行な全方向の振動を検出することができる。
【0025】
一般にプリント基板25の曲げ方向の剛性は、プリント基板25の板方向の伸縮の剛性より小さい。そのため、プリント基板25の曲げ方向の固有振動数は、板の伸縮方向の固有振動数より低い。測定しようとしている外部振動にこの固有振動数を含む周波数帯域があると、プリント基板25が曲げ方向に共振してしまう。この際、振動の検出方向をプリント基板25と平行にしていない場合は、プリント基板25の曲げ方向の共振の振動を測定してしまい、本来の振動波形を正確に測定することができない。それに対し、本実施形態のように、振動検出方向をプリント基板25の板と平行な方向にしておくと、曲げ方向の振動は検出しないので、本来の振動波形を正確に測定することができる。
【0026】
なお、この曲げ方向の固有振動数は、一般に1〜4kHzに存在することが多く、測定したい周波数帯域と重複することが多い。それに対し、プリント基板25の伸縮方向の固有振動数はその剛性が大きいので、10kHz以上にあることが多く、測定したい周波数帯域より高くなる。したがって、振動検出素子30の振動検出方向をプリント基板25の板方向(長さ方向)と平行にすることで、測定対象の振動を精度良く測定することができる。この際、ローパスフィルタを用いて、測定対象周波数を超える周波数成分の振動を減衰・除去すると、振動の測定精度をさらに向上させることができる。
【0027】
なお、ローパスフィルタが不要な場合は、ローパスフィルタを省いてもよいが、プリント基板25や振動検出素子の固有振動数成分の振動を除去するためには、ローパスフィルタを設けた方が良い。測定対象の振動周波数が2〜4kHz以下の場合で、プリント基板25の板方向の固有振動数が約10kHz、振動検出素子の固有振動数が約30kHzの場合は、設定周波数が5〜6kHzのローパスフィルタを設けるのが好ましい。この際、ローパスフィルタは、測定対象の周波数以上で、且つ除去したい固有振動数の1/2の周波数以下に設定するのが好ましい。この条件を満足できない場合は、ローパスフィルタの設定周波数は、測定対象周波数以上で、且つ除去したい固有振動数成分の1/2になるべく近い周波数に設定するのが好ましい。また、ローパスフィルタは、1次のフィルタでもよいが、4次フィルタのような高次のフィルタを設けると固有振動数成分の振動を効率良く減衰させることができる。
【0028】
なお、振動検出素子30の固有振動数での振動の値は極端に大きくなることがあり、その値をそのまま増幅すると、増幅器の増幅の上限を超えてしまい、増幅後の波形が変形する場合がある。そのため、少なくとも振動検出素子30の固有振動数成分の振動は、ローパスフィルタで減衰させるのが好ましい。
【0029】
振動検出素子30としては、シリコン加速度センサを用いることもできる。これは、シリコン・マイクロマシン部品(機械素子)を電子回路と同一のシリコン基板上に集積することにより、小型化、高性能化及び低コスト化を図ったものである。シリコン加速度センサは、フォトリソグラフィなどICの製造技術を利用して製造される。しかしシリコン加速度センサに限定はされず、振動検出素子30として、圧電素子を使用したバイモルフ型の振動センサや、圧電素子と重錘を組合せた振動センサ、あるいは片持ちはり構造の振動センサ等のほか、圧電素子の代わりにひずみゲージを利用した振動センサなどを用いてもよい。また、表面実装タイプの振動検出素子でなく、リードタイプの振動検出素子でもよい。
【0030】
本実施形態では、振動検出素子だけでなく、温度検出素子31も設けることで、軸受装置の温度も測定して、振動による異常検出だけでなく、温度によっても異常を検出できる。なお、振動検出素子30と温度検出素子31とを、同一のプリント基板25に一体に設けることで、それぞれのセンサを個別に取り付ける場合に比べて取付工数を削減できる。また、取付スペースも小さくできる。
【0031】
プリント基板25から延びた配線(図示せず)は、センサケース21又はケースカバー22に貫通形成されたケーブル取出口(図示せず)を挿通して外部に延びたケーブル23に電気的に接続されている。ケーブル23を介して外部に伝送する信号は、電圧出力でもよいし、電流出力でもよい。電流出力の場合は、電流ループ出力にすると、ノイズの影響を受けにくくなるので好ましい。電流ループ出力の場合は、ケーブル23の信号線と電源線をツイストしておくとノイズの影響をさらに受けにくくなるのでより好ましい。また、電圧出力の場合も、ケーブル23の信号線をツイストしておく方がノイズの影響を受けにくいので好ましい。なお、本実施形態では、ケーブル23で信号を取り出したが、無線などを使用しワイヤレスで信号を伝送してもよい。ワイヤレスの場合は、可動部材側(内輪13や軸15)にセンサを設けてもよい。
【0032】
センサケース21内にプリント基板25を固定するために、ねじや接着剤を用いる他に、エポキシ樹脂などのモールド材をセンサケース21内にモールドして固定してもよい。また、ねじで固定した場合、その後にエポキシ樹脂などでモールドしてもよい。また、防水のため、軟らかいシリコン樹脂やシリコンゲルなどを充填してもよい。なお、エポキシ樹脂のような硬い樹脂でモールドする場合は、検出素子や電子部品部分をシリコン樹脂等のやわらかい樹脂で被覆した後に、モールド材でモールドするのが良い。この際、発泡性の樹脂(発泡性シリコン樹脂など)をやわらかい樹脂の上に覆った後にモールド材でモールドすると、温度変化による熱膨張率差によって発生する圧力を緩和できるので、圧力による検出素子や電子部品の破損を防止できるので、さらに好ましい。
【0033】
本実施形態におけるプリント基板25上の振動信号用の電子回路は、図3に示すような回路構成にすることができる。図3(A)は、振動検出素子30の出力信号を増幅器(オペアンプ)34によって増幅した後に、ローパスフィルタ33を通過させる方式を示す。振動検出素子30の出力端子には、バッファアンプ32,32が接続され、各バッファアンプ32の出力端子は、差動増幅器としてのオペアンプ34の入力端子に接続されている。図3(B)は、振動検出素子30の出力信号をローパスフィルタ33に通し、その後にオペアンプ34で増幅させる方式を示す。振動検出素子30の出力端子には、バッファアンプ32,32が接続され、各バッファアンプ32の出力端子は、ローパスフィルタ33,33に接続されている。また、各ローパスフィルタ33,33の出力端子は、差動増幅器としてのオペアンプ34の入力端子に接続されている。
【0034】
図3(A)及び(B)に示すいずれの方式も採用可能である。図3(A)の方式においても、不要な高周波成分の振動は除去できる。しかし、固有振動数成分の振動値が極端に大きい場合は、増幅時に増幅の上限を超えてしまい、振動波形が歪む場合がある。それに対し、図3(B)の方式では、最初に固有振動数成分の振動をローパスフィルタで減衰・除去し、その後に増幅するので、固有振動数成分の振動によって波形が歪むことがないので、さらに好ましい。バッファアンプ32,32は、高入力インピーダンスかつ低出力インピーダンスに構成され、これにより信号伝達中におけるノイズの影響を抑制できる。すなわち、振動検出素子30の高インピーダンスの出力信号を、バッファアンプ32を介してローパスフィルタ33に供給することで、ノイズの影響をさらに抑制できる。ローパスフィルタ33,33は、振動検出素子30の振動信号(検出信号)は通過させるが、より高周波の固有振動数成分(共振周波数成分)はカットするように、カットオフ周波数を設定されている。このように、振動検出素子30の出力信号をローパスフィルタ33に通し、プリント基板25や振動検出素子30の片持ち梁構造又は両持ち梁構造の固有振動数成分を減衰させた後に、オペアンプ34で増幅すると、固有振動数成分の信号は増幅されない。
【0035】
軸受装置17ないしセンサユニット20に、プリント基板や振動検出素子の固有振動数に近い加振周波数成分が加わると、図4(A)に示すように振動検出素子30の出力は、検出信号Vに共振周波数成分が重畳された信号Nとなる。しかし、ローパスフィルタ33,33からは、図4(B)に示すように検出信号Vのみが得られる。この検出信号Vが、次段のオペアンプ34に供給される。そしてオペアンプ34は、図4(C)に示すような増幅された出力信号Voを出力する。出力信号Voは、ケーブル23を介して、図示しないモニター装置や計測器等に伝送される。こうして、軸受装置17の状態を、正確に外部に知らせることができる。
【0036】
図5は、本発明に係るセンサユニット(検出器)の第2の実施の形態を示したものである。ここに示したセンサユニット20Aは、ケーブル取出口の防水性を確保するために改良したもので、ケーブル取出口における防水構造以外の構成は、図2(A)に示したセンサユニット(検出器)20と共通であり、共通する部位には同番号を付して、説明を省略又は簡略化する。
【0037】
センサユニット20Aは、上方に開放した収容部を持つセンサケース21と、センサケース21の開放部を覆うケースカバー22と、センサケース21のケーブル取出口を挿通するケーブル23とを備え、センサケース21内にセンサ本体24が収容されている。センサ本体24は、プリント基板25に、振動検出素子30及び温度検出素子31、及び信号を処理するための各種の電子部品などが実装されてなる。
【0038】
ケーブル23は、図示のように、前記センサケース21の側板21bに貫通形成されたケーブル取出口41を挿通して装備されている。そして、このケーブル23の一端(センサケース21内に位置するケーブル端)は、外部被覆が除去されてケーブルを構成する配線23aがむき出しにされ、各配線23aがプリント基板25の接続端子部に、半田付け等によって接続されている。このようなプリント基板25との接続によって、ケーブル23は、プリント基板25に搭載された各検出素子や電子部品等への給電及び信号の送受を果たす。ケーブル取出口41を通ってセンサケース21の外部に取り出されたケーブル23の他端は、図示はしていないが、検出素子の検出信号から転動装置の異常の有無を診断する測定装置や電源回路等に接続される。
【0039】
本実施の形態において、ケーブル取出口41は、側板21bを水平に貫通している断面円形状の孔であるが、内径が一定ではなく、ケース内に臨む細径のケーブル固定用穴42と、ケース外部に臨む太径の防水材充填用穴43とによって、段付き穴に形成されている。
【0040】
細径のケーブル固定用穴42は、挿通するケーブル23との間の隙間に接着剤44を充填して、ケーブル23を固定するためのもので、ケーブル23との間の隙間が1mm以下となるように内径を設定している。このようにケーブル23との間の隙間を1mm以下に設定しておくと、挿通したケーブル23が大きくガタつくことがなく、また、接着剤の塗布時に接着剤が不用意に流動せず、ケーブル23の固定が速やかに、且つ確実にできるようになる。
【0041】
太径の防水材充填用穴43は、挿通するケーブル23との間の隙間に防水材45を充填して、ケーブル挿通部に外部からの雨水や塵埃等の侵入を防止する防水性を得るためのもので、ケーブル23との間の隙間が5mm以下で、且つ細径のケーブル固定用穴42との間の段差が0.1mm以上となる適宜値に内径を設定している。防水材充填用穴43の穴径を設定しておくと、ケーブル固定用穴42に塗布した余分な接着剤が防水材充填用穴43側に溢れても、溢れた接着剤で防水材充填用穴43が占有されることがなく、防水材45の充填量のばらつきを少なくして、安定した防水性能を得ることが可能になる。
【0042】
ケーブル固定用穴42の長さL1と、防水材充填用穴43の長さL2は、本実施の形態の場合はL1:L2=6:4程度に設定しているが、ケーブル固定用穴42におけるケーブルの接着強度や、防水材45における防水性能が確保できれば、それぞれの長さL1,L2は上記実施の形態に限定するものではない。
【0043】
防水材45としては、耐熱性及び耐候性に優れ、且つ接着性があるシリコン樹脂が好ましい。なお、センサユニットの設置環境の温度変化等による熱膨張差等でケーブル取出口41との間に剥離や隙間が生じることの無いように、使用するシリコン樹脂の硬度はあまり硬過ぎず、適度な弾性を持つものを選択することが好ましい。そこで、本実施の形態では、防水材45として、硬度がデュロメータAで10〜80であるシリコン樹脂を採用している。
【0044】
このような硬度のシリコン樹脂は、センサユニットの設置環境の温度変化等によるケーブル23とセンサケース21との間の熱膨張差で、防水材充填用穴43とケーブル23との間の隙間の間隔が変動しても、シリコン樹脂の保有する弾性によって、隙間間隔の変動を許容することができ、シリコン樹脂の接着面に剥離等が生じることがなく、良好な防水性能を維持することができる。
【0045】
以上に説明したセンサユニット20Aでは、センサケース21に貫通形成されたケーブル取出口41に挿通したケーブル23は、接着剤44によってケーブル固定用穴42に接着固定した後、防水材充填用穴43とケーブル23との間の隙間に防水材45が充填される。この防水材45の充填によって、防水材充填用穴43とケーブル23との間の隙間が封止されて、防水性能が確保される。従って、充填する防水材として適正なの硬度(弾性)のシリコン樹脂等を採用することで、周囲の温度変化等の影響を受けずに、長期に渡って安定した十分な防水性能を得ることができ、センサケース21内の浸水に起因した動作不良等の発生を長期に渡って防止することができる。
【0046】
また、ケーブル取出口41への防水材の充填によって防水性能を確保するため、センサケース21から大きく突出するケーブルグランドを使用する必要が無くなり、ケーブルグランドの廃止によって、装置の小型化を実現することができる。また、ケーブルグランドの廃止によって部品点数や組み立て工程数が削減されて、コストの低減を図ることができる。
【0047】
更に、ケーブル取出口41を挿通したケーブル23は、接着剤44によってケーブル取出口41の一部であるケーブル固定用穴42に強固に接着・固定されているため、センサケース21の外部の振動等でケーブル23に張力が作用したとしても、その張力がセンサケース21内でケーブル23とプリント基板25との接続部に作用することが防止される。従って、外部の振動等がケーブル23を介してプリント基板25上の接続部に作用して、プリント基板25が破損したり、あるいはケーブル23とプリント基板25との接続部がダメージを受けることがない。
【0048】
図6は、ケーブル取出口41におけるケーブル23の固定構造を更に改善したものである。この実施の形態では、ケーブル取出口41が、ケース内に臨む細径のケーブル固定用穴42と、ケース外部に臨む太径の防水材充填用穴43とから構成されて段付き穴となっている点、ケーブル固定用穴42の隙間には接着剤44を充填してケーブル23の接着固定を行う点、防水材充填用穴43の隙間には防水材45を充填して防水性を確保する点は、第2の実施の形態の場合と共通している。しかし、本実施の形態では、ケーブル固定用穴42のケース内側は、ケース内方に向かって内径が徐々に拡径するテーパ穴42aになっている。そして、ケーブル取出口41を挿通するケーブル23に、前記センサケース21の内側からテーパ穴42aに嵌合するテーパ状のブッシュ47を装着している。ブッシュ47は、図示はしていないが、拡径又は縮径が可能なように、軸線方向に沿って周壁が切り離されている。
【0049】
このように、テーパ状のブッシュ47を採用した構造では、ケーブル23に外方への張力が作用した場合に、ブッシュ47がテーパ穴42a及びケーブル23の外周に食い込む楔効果を発生して、ケーブル23の抜けを防止する。そのため、外部からの張力に対する固定強度が強化される。ブッシュ47がテーパ穴42a及びケーブル23の外周に食い込む楔効果は、上記のように、ブッシュ47の周壁を軸線方向に切り離した構成としておくことによって一層顕著に得られるが、切り離しのない単純なテーパ状でも、構わない。また、ブッシュ47は、予め、適宜接着剤によってケーブル23の外周面に接着固定しておいても良い。
【0050】
更に、上記の第2の実施の形態や第3の実施の形態において、接着剤44や防水材45が接触するケーブル23の外周面は、予め、粗面加工や化学的な表面処理を施しておくことで、接着剤44や防水材45との接着強度を向上させたり、あるいは、シリコン樹脂の硬化阻害を防止すると良い。また、上記の実施の形態では、防水材として、シリコン樹脂を採用したが、耐熱性,耐候性,接着性,弾性等で同等の性能を有するその他の樹脂を利用することが可能である。
【0051】
更に、以上のセンサユニット20,20Aでは、センサケース21内には、検出素子として、振動検出素子と温度検出素子とを装備した。しかし、装備する検出素子は上記実施の形態に限定するものではない。センサケース21内に装備する検出素子は、単一又は複数でも良く、温度検出素子、振動検出素子、速度検出素子の少なくとも一つ以上が装備されて、転動装置の状態を検出するものであればよい。
【0052】
また、本発明は、以上に説明した各実施の形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。例えば、上記実施形態では、ケーブル23で信号を取り出していたが、無線などを使用してワイヤレスで信号を伝送してもよい。ワイヤレスの場合は、可動輪側に(可動部材側に)センサユニットを設けてもよい。また、ローパスフィルタ33やオペアンプ34は複数段設けてもよい。オペアンプ部にフィルタを併設することもできる。また、軸受装置17における転がり軸受は玉軸受に限らず、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受や、各種の複列軸受でもよい。
【0053】
更に、軸受装置17に限らず、図7に示すようにボールねじ50に本発明を適用することもできる。ボールねじ50では、ナット51にセンサユニット60を取り付けることにより、ねじ軸52とナット51との係合部における剥離等の異常を検知することができる。なお、センサユニット60の取付け相手はナット51に限らず、ねじ軸52をサポートしている固定側のサポートユニット53や単純支持側のサポートユニット54に取り付けてもよい。ねじ軸52はロックナット55により固定側のサポートユニット53に軸方向に固定されており、カップリング56を介して結合された駆動モータ57によって回転する。また、ボールねじに限らず、リニアガイドやその他の直同部品における可動部やレールにセンサユニット60を取り付けることによって、剥離等の異常を検知することもできる。
【0054】
また、図8に示すように、上述したセンサユニット20を、別のセンサユニット90とともに、転動装置に設けることもできる。センサユニット90は、ハウジング88の内面と外面とを貫通する取付孔88aに挿通されている。ハウジング88内における軸85の端部には、被検出部材としての速度検出用歯車86が設けられている。速度検出用歯車86は、鋼材等の磁性金属材料からなり、その外周縁部における磁気特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させている。軸85が回転することで、歯車86が回転する。速度検出用歯車86の代わりに、S極、N極が互い違いに着磁された磁極部がその外周面に形成された速度検出用エンコーダを採用することもできる。センサユニット90のプリント基板95の先端部には、速度センサ101が配置されている。センサユニット90をハウジング88に取り付けた際に、速度センサ101はハウジング88の内面より突出した位置で速度検出用歯車86に近接配置される。このように、速度検出用歯車86の最も近くに速度センサ101を配置することで、速度を正確に測定できるようにしている。速度センサ101は、軸85が回転する際に、速度検出用歯車86の磁気特性の変化による変動磁束(磁束量の変化)に基づいてパルス状の速度信号を出力する。こうして、軸85の回転速度も測定して、異常検出をより確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係るセンサ付転動装置の第1の実施の形態の縦断面図である。
【図2】図1に示したセンサ付転動装置における検出器(センサユニット)の拡大図である。
【図3】図2の検出器の回路構成を示す回路図である。
【図4】図2の検出器の回路動作を示す波形図である。
【図5】本発明に係るセンサ付転動装置の検出器の第2の実施形態の拡大断面図である。
【図6】本発明に係るセンサ付転動装置の検出器の第3の実施形態の要部の拡大断面図である。
【図7】本発明が適用されるボールねじを示す図である。
【図8】本発明に係るセンサ付転動装置の第4の実施形態の拡大断面図である。
【図9】従来のセンサ付転動装置の断面図である。
【図10】従来例における回路動作を示す波形図である。
【符号の説明】
【0056】
10 センサ付軸受装置(センサ付転動装置)
11 転がり軸受
12 外輪
13 内輪
15 軸
17 転がり軸受装置(転動装置)
20,20A センサユニット(検出器)
23 ケーブル
25 プリント基板
30 振動検出素子
32 バッファアンプ
33 ローパスフィルタ
34 オペアンプ(増幅器)
41 ケーブル取出口
42 ケーブル固定用穴
42a テーパ穴
43 防水材充填用穴
44 接着剤
45 防水材
47 ブッシュ
50 ボールねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転動装置の状態を検出する検出器であって、転動装置の状態に関係する物理量を検出する検出素子及び電子部品が実装されたプリント基板と、前記プリント基板を収容するセンサケースと、前記センサケースに貫通形成されたケーブル取出口を挿通して前記センサケース内に位置する一方の端部がセンサケース内の回路に接続されると共に、外部に位置する他方の端部が外部の回路に接続されるケーブルとを備え、前記ケーブル取出口と前記ケーブルとの間の隙間に、防水材を充填したことを特徴とする検出器。
【請求項2】
前記センサケース内に位置するケーブル端がセンサケース内の前記プリント基板に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の検出器。
【請求項3】
前記ケーブル取出口を挿通するケーブルに、前記センサケースの内側から前記ケーブル取出口に嵌合するテーパ状のブッシュを装着していることを特徴とする請求項1又は2に記載の検出器。
【請求項4】
前記防水材は、シリコン樹脂で、その硬度がデュロメータAで10〜80であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の検出器。
【請求項5】
前記検出素子が、温度検出素子、振動検出素子、速度検出素子の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の検出器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の検出器を転動装置に備え、前記検出器により前記転動装置の状態を検出することを特徴とするセンサ付転動装置。
【請求項7】
前記転動装置の外面に、その外面と、前記プリント基板の板方向とが平行になるように前記検出器が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のセンサ付転動装置。
【請求項8】
前記転動装置が転がり軸受であることを特徴とする請求項6又は7に記載のセンサ付転動装置。
【請求項9】
前記転動装置がボールねじであることを特徴とする請求項6又は7に記載のセンサ付転動装置。
【請求項10】
前記転動装置がリニアガイドであることを特徴とする請求項6又は7に記載のセンサ付転動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−108187(P2007−108187A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−330989(P2006−330989)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【分割の表示】特願2002−133976(P2002−133976)の分割
【原出願日】平成14年5月9日(2002.5.9)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】