説明

センサ組立体およびセンサに対する機械構成部品の近接度を測定する方法

【課題】稼働中の駆動軸との近接度を、測定範囲の広いセンサーで検出し、データを送信する。
【解決手段】機械構成部品104をモニタするうえで使用するためのセンサ組立体110は信号処理デバイス200と、少なくとも1つのプローブ202と、を含む。少なくとも1つのプローブは、少なくとも1つのマイクロ波信号から電磁場が生成されるように構成された放射源206を含み、負荷信号が生成されるように電磁場内に機械構成部品が配置されたとき、放射源は、離調する。少なくとも1つのプローブは、放射源に結合され、負荷信号を信号処理デバイスに無線で送信するように構成された送信機210も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は電力システム全般に関し、より具体的にはセンサ組立体およびセンサに対する機械構成部品の近接度を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
知られている機械では、動作中に振動および/または他の異常な挙動を示すことがある。1つまたは複数のセンサを使用し、このような挙動を測定および/またはモニタし、かつ、例えば、機械の駆動軸で生じている振動の量、機械の駆動軸の回転速度、および/または、運転中の機械またはモータの他の任意の動作上の特徴を決定することができる。このようなセンサは複数のモニタを含む機械モニタシステムにしばしば結合される。このモニタシステムは1つまたは複数のセンサから信号を受信し、信号に対して少なくとも1つの処理ステップを実行し、かつ、ユーザに対して測定値を表示する診断プラットフォームに修正信号を送信する。
【0003】
少なくとも一部の知られている機械は、機械の構成部品の振動および/または相対位置を測定するために渦電流センサを使用している。しかし、知られている渦電流センサはその利用に制限を伴うことがある。なぜなら、このセンサの検出範囲が渦電流感知素子の幅の約半分しかないからである。他の知られている機械は、機械の構成部品の振動および/または位置を測定するために光学センサを使用している。しかし、知られている光学センサは汚れによって不具合を生じることがあり、不正確な測定値を提供し、そのため、産業環境に適さないことがある。さらに、知られている光学センサは、液状媒体および/または微粒子を含む媒体を介しての機械の構成部品の振動および/または位置の検出には適さないことがある。
【0004】
さらに、少なくとも一部の知られている近接度センサはプローブヘッドおよび信号プロセッサを含む。知られているプローブヘッドはアンテナを含み、このアンテナは1つまたは複数の信号を生成し、かつ、アンテナに非常に近接している物体から1つまたは複数の反射信号を受信する。プローブヘッドは、処理するため、および/または、近接度測定値を計算するうえで使用するためにこの反射信号を信号プロセッサに送信する。典型的には、この信号は、プローブヘッドと信号プロセッサとの間に延長したデータケーブルを介して送信される。しかし、プローブヘッドと信号プロセッサとの間の距離によっては、プローブヘッドと信号プロセッサとの間で送信する信号で、データケーブルのインピーダンスの結果として振幅および/または電力が減衰することがある。この減衰は信号プロセッサに不正確な近接度測定値を生成させることがある。そのため、知られている近接度センサは使用に制限を伴うことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0211334号明細書
【発明の概要】
【0006】
一実施形態では、信号処理デバイスと、少なくとも1つのプローブと、を含み、機械構成部品をモニタするうえで使用するためのセンサ組立体を提供する。少なくとも1つのプローブは、少なくとも1つのマイクロ波信号から電磁場を生成するように構成された放射源を含み、この放射源は、負荷信号が生成されるように機械構成部品が電磁場内に配置されたとき、離調する。少なくとも1つのプローブは送信機も含み、この送信機は放射源に結合され、かつ、負荷信号を信号処理デバイスに無線で送信するように構成されている。
【0007】
他の実施形態では、少なくとも1つの構成部品を含む機械と、この少なくとも1つの構成部品に近接して配置されたセンサ組立体と、を含む電力システムを提供する。センサ組立体は、信号処理デバイスと、少なくとも1つのプローブを含む。この少なくとも1つのプローブは、少なくとも1つのマイクロ波信号から電磁場が生成されるように構成された放射源を含み、負荷信号が生成されるように機械構成部品が電磁場内に配置されたとき、放射源は、離調する。少なくとも1つのプローブは送信機も含み、この送信機は放射源に結合され、負荷信号を信号処理デバイスに無線で送信するように構成されている。
【0008】
さらに他の実施形態では、機械構成部品の近接度を測定する方法を提供する。この方法は、少なくとも1つのマイクロ波信号から電磁場を生成する段階と、電磁場の乱れを示す負荷信号を生成する段階と、を含む。負荷信号は信号処理デバイスに無線で送信し、少なくとも1つの機械構成部品の近接度を受信した負荷信号に基づいて算出する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】例示的な電力システムを示すブロック図。
【図2】図1に示した電力システムとともに使用可能な例示的センサ組立体を示すブロック図。
【図3】図1に示した電力システムとともに使用可能な代替センサ組立体のブロック図。
【図4】図1に示した電力システムとともに使用可能な他の代替センサ組立体のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は機械102を含む例示的電力システム100を示す。この例示的実施形態において、機械102は風力タービン、水力発電タービン、ガスタービン、または、圧縮機であってよいが、それらのみには限定しない。代替として、機械102は電力システムで使用している任意の他の機械であってもよい。例示的実施形態では、発電機などの負荷106に結合された駆動軸104を機械102が回転させる。
【0011】
例示的実施形態において、駆動軸104は機械102および/または負荷106内に収納された(図示せず)1つまたは複数の軸受によって少なくとも部分的に支持されている。代替として、または、加えて、これらの軸受はギヤボックスなどの分離した支持構造体108内に、または、本明細書に説明している通りに電力システム100が機能することを可能にする任意の適した構造体または構成部品内にも収納可能である。
【0012】
例示的実施形態において、電力システム100は、機械102、駆動軸104、負荷106、および/または、本明細書に説明している通りに電力システム100が機能することを可能にする電力システム100の他のいずれかの構成部品の少なくとも1つの動作状態を測定および/またはモニタする少なくとも1つのセンサ組立体110を含む。より具体的には、例示的実施形態では、センサ組立体110が、駆動軸104とセンサ組立体110との間で規定の(図1には示していない)距離を測定および/またはモニタするために、駆動軸104に対して非常に近接して配置された近接度センサ組立体110となっている。さらに、例示的実施形態において、センサ組立体110は、センサ組立体110について電力システム100の構成部品の近接度を測定するためにマイクロ波信号を使用する。本明細書で使用しているように、用語「マイクロ波」は、約300メガヘルツ(MHz)と約300ギガヘルツ(GHz)との間の1つまたは複数の周波数を有した信号を受信および/送信する信号または成分を指す。代替として、センサ組立体110は、電力システム100の他の任意の構成部品も測定および/またはモニタすることが可能であり、および/または、本明細書に説明している通りに電力システム100が機能することを可能にする他の任意のセンサまたはトランスデューサ組立体であってもよい。例示的実施形態において、各センサ組立体110は電力システム100内の任意の場所にも配置されている。さらに、例示的実施形態において、少なくとも1つのセンサ組立体110は、センサ組立体110によって生成された1つまたは複数の信号を処理および/または解析するうえで使用するための診断システム112に結合される。
【0013】
動作中、例示的実施形態では、機械102の動作が、駆動軸104などの電力システム100の1つまたは複数の構成部品に、少なくとも1つのセンサ組立体110に関して位置を変更させることが可能である。例えば、各構成部品に対して振動が誘発されることがあり、および/または、各構成部品は電力システム100内の動作温度が変化するに従って膨張または収縮することがある。例示的実施形態において、センサ組立体110は、各センサ組立体110を基準として構成部品の近接度、位置、および/または、振動の量を測定および/またはモニタし、かつ、構成部品の測定された近接度、位置、および/または、振動の量を示す信号(以下、「近接度測定信号」と称する)を、処理および/または解析するために診断システム112に送信する。
【0014】
図2は(図1に示した)電力システム100とともに使用可能な例示的センサ組立体110の概略図である。例示的実施形態において、センサ組立体110は、信号処理デバイス200と、データ接続204を介して信号処理デバイス200と通信するプローブ202と、を含む。例示的実施形態において、データ接続204は、プローブ202が信号処理デバイス200と無線で通信することを可能にする無線データ接続204である。さらに、例示的実施形態において、プローブ202は、プローブ筐体208に結合され、および/または、その内部に配置された放射源206を含む。より具体的には、例示的実施形態では、プローブ202がマイクロ波放射源206を含むマイクロ波プローブ202となっている。このため、例示的実施形態では、放射源206がマイクロ波周波数範囲内の共鳴周波数を有している。
【0015】
さらに、例示的実施形態において、プローブ202は、プローブ筐体208内に一体化され、および/または、プローブ筐体208内に配置された送信機210および信号ジェネレータ212を含む。代替として、送信機210および/または信号ジェネレータ212は、プローブ筐体208に結合された(図示せず)他の任意の筐体または構造体内にも配置可能である。送信機210、信号ジェネレータ212、および/または、プローブ202の他の任意の構成部品も、(図示せず)電池、(図示せず)電力ダクト、および/または、本明細書に説明した通りにセンサ組立体110が機能することを可能にする他の任意の電力源からも電力を受け取ることが可能である。例示的実施形態において、送信機210はデータをデータ接続204を介して信号処理デバイス200に送信する無線送信機210である。より具体的には、例示的実施形態において、送信機210はデータをいずれかの無線プロトコルおよび/または搬送機構を介して信号処理デバイス200に送信する。このような無線プロトコルおよび/または搬送機構は無線Ethernet(商標)、ZigBee、Bluetooth(商標)、赤外線通信、マイクロ波通信、および/または、他の任意の無線周波数または無線通信プロトコルおよび/または媒体を含むことが可能だが、これらのみを含むことに限定しない。
【0016】
さらに、例示的実施形態において、送信機210は信号データを保存するうえで使用するためにメモリ214を含む。例えば、メモリ214はランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、および/または、本明細書に説明した通りにセンサ組立体110が機能することを可能にする他の任意の保存回路および/またはデバイスも含むことが可能だが、これらのみを含むことに限定しない。例示的実施形態において、メモリ214は放射源206から信号を受信し、かつ、信号処理デバイス200に送信するためにこの信号を示すデータを保存する。より具体的には、例示的実施形態において、メモリ214は、データ接続204などの通信リンクが中断した場合、データをバッファする。データ接続204が復旧した際、送信機210はメモリ214からデータを取り出し、データを信号処理デバイス200に送信する。これにより、メモリ214および送信機210は、データ接続204の中断の間、放射源206からのデータの喪失の防止を容易にする。
【0017】
例示的実施形態において、信号ジェネレータ212は放射源206の共鳴周波数と等しいか、または、ほぼ等しいマイクロ波周波数を有した少なくとも1つの電気信号(以下、「マイクロ波信号」と称する)を生成する発振器である。代替として、信号ジェネレータ212はマイクロ波信号を生成する任意の回路および/またはデバイスであってもよい。信号ジェネレータ212は電磁場216を生成させるうえで使用するために放射源206にマイクロ波信号を送信する。
【0018】
例示的実施形態において、受信機218は信号処理デバイス200内に一体化されている、および/または、この内部に配置されている。例示的実施形態において、受信機218は送信機210と通信可能に結合されている。より具体的には、例示的実施形態において、受信機218はデータ接続204を介して送信機210からデータを受信する無線受信機218である。
【0019】
さらに、例示的実施形態において、プローブ202はプローブ筐体208内に一体化された指向性結合デバイス220を含む。より具体的には、指向性結合デバイス220はアンテナ206と、送信機210と、信号ジェネレータ212と、に結合される。例示的実施形態において、信号ジェネレータ212はマイクロ波信号を指向性結合デバイス220を介して放射源206に送信し、指向性結合デバイス220は、本明細書にさらに完全に説明するように、マイクロ波信号の反射を送信機210に送信する。送信機210は反射マイクロ波信号、または、反射マイクロ波信号を示すデータを受信機218に送信する。代替実施形態において、指向性結合デバイス220は信号処理デバイス200内に配置されている。このような実施形態において、反射マイクロ波信号は受信機218に送信可能であり、受信機218は反射マイクロ波信号を指向性結合デバイス220に送信する。
【0020】
例示的実施形態において、受信機218は反射マイクロ波信号を示すデータを送信機210から受信する。さらに、例示的実施形態において、受信機218はデータから反射マイクロ波信号を再生し、反射マイクロ波信号を受信電力検出器224に送信する。代替として、受信機218は、反射マイクロ波信号が含む電力の量、反射マイクロ波信号の周波数、反射マイクロ波信号の振幅、および/または、反射マイクロ波信号の他の任意の特徴などの反射マイクロ波信号の1つまたは複数の特徴を示す1つまたは複数の信号を受信電力検出器224に送信する。
【0021】
例示的実施形態において、信号処理デバイス200は送信電力検出器222と、信号調整デバイス226も含む。例示的実施形態において、信号調整デバイス226は信号基準228と、減算器230と、線形化器232と、を含む。送信電力検出器222は信号基準228と、減算器230と、に結合されている。さらに、減算器230は受信電力検出器224と、線形化器232と、に結合されている。
【0022】
動作中、例示的実施形態において、信号ジェネレータ212は少なくとも1つのマイクロ波信号を生成し、このマイクロ波信号を放射源206に送信する。マイクロ波信号を放射源206を介して送信すると、電磁場216が放射源206から、かつ、プローブ筐体208の外に放射される。駆動軸104または(図1に示した)機械102および/または電力システム100の他の構成部品などの物体が電磁場216内に進入する、および/または、電磁場216内での相対位置を変えた場合、物体と電磁場216との間に電磁結合が発生し得る。より具体的には、物体の存在によって、および/または、その物体の動きによって電磁場216は乱され得る。これは、例えば、電磁場216の少なくとも一部を、電流および/または電荷として構成部品に誘導的に、および/または、容量的に結合させることが可能な物体内で誘導される誘導効果および/または容量効果によるものである。このような場合、放射源206は離調し(すなわち、放射源206の共鳴周波数が低下および/または変化し)、放射源206に負荷が誘導される。放射源206に誘導された負荷は、指向性結合デバイス220と、送信機210と、データ接続204と、を介して受信機218に送信するマイクロ波信号(以下、「離調負荷信号」と称する)および/または離調負荷信号を示すデータの反射を引き起こす。例示的実施形態において、離調負荷信号は、マイクロ波信号の電力の振幅および/または位相よりも小さな電力の振幅および/またはその位相とは異なった位相を有している。さらに、例示的実施形態において、離調負荷信号の電力の振幅は物体の放射源206に対する近接度に左右される。このため、例示的実施形態において、送信機210は、近接度測定値が算出される前に、離調負荷信号および/または離調負荷信号を示すデータを受信機218に送信する。したがって、プローブ202および/またはプローブ筐体208は、プローブ202および/またはプローブ筐体208が追加の信号処理構成部品を含むプローブと比較して小さいサイズとすることを可能にする最小限の構成部品のみを含む。
【0023】
例示的実施形態において、受信機218は離調負荷信号または離調負荷信号を示すデータを受信電力検出器224に送信する。例示的実施形態において、受信電力検出器224は、離調負荷信号に基づく、および/または、この信号が含む電力の量を決定し、かつ、決定された離調負荷信号の電力を示す信号を信号調整デバイス226に送信する。
【0024】
例示的実施形態において、信号基準228は、信号ジェネレータ212によって生成されたマイクロ波信号とほぼ同じマイクロ波信号(以下、「基準信号」と称する)を送信電力検出器222に送信する。より具体的には、例示的実施形態において、信号基準228は、周波数、振幅、電力の量、および/または、信号ジェネレータ212が生成したマイクロ波信号の1つまたは複数の特徴にほぼ等しい他のいずれかの特徴などの1つまたは複数の特徴を有した基準信号を送信する。送信電力検出器222は、基準信号に基づく、および/または、この信号が含む電力量を決定し、かつ、基準信号の電力を示す信号を信号調整デバイス226に送信する。例示的実施形態において、減算器230は基準信号の電力および離調負荷信号の電力を受信し、基準信号の電力と離調負荷信号の電力との間の差を算出する。減算器230は算出した差を示す信号(以下、「電力差信号」と称する)を線形化器232に送信する。例示的実施形態において、電力差信号の振幅は、電磁場216内の物体とプローブ202との間で規定の距離234(すなわち、距離234は物体近接度として知られている)に、逆比例および/または指数比例などの比例関係にある。例えば、放射源206の幾何形状などの放射源206の特徴によっては、電力差信号の振幅が物体近接度に関して少なくとも部分的に非線形な関係を示すことがある。
【0025】
例示的実施形態において、線形化器232は、電力差信号を、物体近接度と近接度測定信号の振幅との間のほぼ線形な関係を示す電圧出力信号(すなわち、「近接度測定信号」)に変換する。さらに、例示的実施形態において、線形化器232は近接度測定信号を、(図1に示した)診断システム112内での処理および/または解析に適した換算係数とともに診断システム112に送信する。例示的実施形態において、近接度測定信号はミリメートル当たりのボルトの換算係数を有している。代替として、近接度測定信号は、本明細書に説明する通りに診断システム112および/または電力システム100が機能することを可能にする他の任意の換算係数も有することが可能である。
【0026】
代替実施形態において、信号処理デバイス200は送信電力検出器222を含まない。このような実施形態では、むしろ、信号基準228が、信号ジェネレータ212によって生成されたマイクロ波信号が含む電力の量を示すデータを保存する。このような実施形態において、信号基準228は決定されたマイクロ波信号電力のデータを減算器230に直接送信し、減算器230は電力差信号を算出するためにマイクロ波信号電力のデータを離調負荷信号電力のデータと比較する。電力差信号は上述のように線形化器232に送信される。
【0027】
他の実施形態において、送信電力検出器222および/または受信電力検出器224は、信号処理デバイス200内の代わりにプローブ202内に配置可能である。このような実施形態では、信号基準228が省略され、送信電力検出器222が(信号ジェネレータ212および/または指向性結合デバイス220から受信した)マイクロ波信号が含む電力を示すデータを送信機210を介して受信機218に送信する。さらに、受信電力検出器224は離調負荷信号が含む電力を示すデータを送信機210を介して受信機218に送信する。マイクロ波信号電力のデータおよび離調負荷信号電力のデータは減算器230が比較し、上述のように、電力差信号が線形化器232に送信される。代替として、減算器230はプローブ202内に配置してもよく、受信機218および線形化器232のみを信号処理デバイス200内に配置するように、信号基準228は省略してもよい。
【0028】
さらに、一実施形態において、プローブ202および/または信号処理デバイスは(図示せず)電力管理システムを含み、この電力管理システムは、例えば、所定の無動作期間の後、または、第1の所定期間が経過した後に、プローブ202および/または信号処理デバイス内の1つまたは複数の構成部品を通電停止する。第1の所定期間は、約1秒、約1分、または、プローブ202および/または信号処理デバイス200が、放射源206および/またはプローブ202を基準とした物体の近接度、位置、および/または、振動量を測定することを可能にする他の任意の期間であってもよい。このような実施形態において、電力管理システムは、例えば、第2の所定の期間が経過した後に、および/または、ユーザが開始した起動事象などの他の事象の生成時にプローブ202および/または信号処理デバイスの構成部品を給電可能である。第2の所定の期間は、約1時間、約15分、約1分、約30秒、または、本明細書に説明する通りにプローブ202および/または信号処理デバイス200が機能することを可能にする他の任意の期間であってもよい。
【0029】
図3は(図1に示した)電力システム100とともに使用可能な代替センサ組立体300のブロック図である。センサ組立体300は(図2に示した)センサ組立体110とほぼ同じであり、同一の構成部品には図2で使用したものと同じ参照番号を図3でも付けている。例示的実施形態において、センサ組立体300は、第1のプローブ302、第2のプローブ304、および、第3のプローブ306などの複数のプローブ202を含む。図3には3個のプローブ202が示されているが、センサ組立体300は任意の数のプローブ202も含むことが可能であることを理解されたい。
【0030】
例示的実施形態において、各プローブ202は信号処理デバイス200に結合され、より具体的には、データ接続204を介して受信機218に結合される。代替として、各プローブ202は、分離したデータ接続204を介して分離した信号処理デバイス200に結合可能である。さらに、例示的実施形態において、各プローブ202の信号ジェネレータ212は、他のプローブ202のマイクロ波信号とほぼ同じであるマイクロ波信号を生成する。より具体的には、例示的実施形態において、各プローブの信号ジェネレータ212はマイクロ波信号を生成し、このマイクロ波信号は、周波数、振幅、電力の量、および/または、他の各プローブ202の信号ジェネレータ212によって生成されたマイクロ波信号の1つまたは複数の特徴にほぼ等しい他のいずれかの特徴などの1つまたは複数の特徴を有している。このため、受信機218および信号基準228は、単一の信号処理デバイス200が複数のプローブ202を使用して1つまたは複数の物体の近接度を算出可能となるように単一の周波数および/またはマイクロ波信号に同調可能である。
【0031】
図4は(図1に示した)電力システム100とともに使用可能な他の代替センサ組立体400のブロック図である。センサ組立体400は(図2に示した)センサ組立体110にほぼ同じであり、同一の構成部品には図2で使用したものと同じ参照番号を図4においても付けている。例示的実施形態において、センサ組立体400は第1のプローブ402、第2のプローブ404、および、第3のプローブ406などの複数のプローブ202を含む。図4には3個のプローブ202が示されているが、センサ組立体400は任意の数のプローブ202も含むことが可能であることを理解されたい。さらに、単一の送信電力検出器222、受信電力検出器224、信号調整デバイス226、信号基準228、減算器230、および、線形化器232を図4に示した一方、任意の数の送信電力検出器222、受信電力検出器224、信号調整デバイス226、信号基準228、減算器230、および/または、線形化器232も信号処理デバイス200に含むことが可能であることを理解されたい。このため、例えば、各プローブ202に対して分離した送信電力検出器222、受信電力検出器224、信号調整デバイス226、信号基準228、減算器230、および/または、線形化器232を設けることによって、分離した信号処理経路を各プローブ202に対して設けることが可能である。
【0032】
例示的実施形態において、信号処理デバイス200は複数の受信機218を含む。より具体的には、例示的実施形態において、各プローブ202は分離したデータ接続204を介して個々の受信機218に結合される。例えば、第1のプローブ402は、第1のデータ接続410を介して第1の受信機408に結合され、第2のプローブ404は、第2のデータ接続414を介して第2の受信機412に結合され、第3のプローブ406は、第3のデータ接続418を介して第3の受信機416に結合される。さらに、例示的実施形態において、少なくとも1つのプローブ202の信号ジェネレータ212は、少なくとも1つの他のプローブ202のマイクロ波信号とは実質的に異なるマイクロ波信号を生成する。より具体的には、例示的実施形態において、少なくとも1つのプローブ202の信号ジェネレータ212はマイクロ波信号を生成し、このマイクロ波信号は、他の少なくとも1つのプローブ202の信号ジェネレータ212によって生成されたマイクロ波信号の1つまたは複数の特徴とは実質的に異なる周波数、振幅、電力の量、および/または、他のいずれかの特徴などの1つまたは複数の特徴を有している。一実施形態において、各プローブ202の信号ジェネレータ212は、他の各プローブ202の信号ジェネレータ212によって生成されたマイクロ波信号とは実質的に異なるマイクロ波信号を生成する。さらに、例示的実施形態において、各プローブ202内に生成した離調負荷信号は、各プローブ202の放射源206に送信したマイクロ波信号とほぼ同じ周波数および/または他の特徴を有しているが、離調負荷信号がマイクロ波信号とは異なった位相を有することが可能であるように位相シフトを生成させることが可能である。このため、例示的実施形態において、各プローブ202は、1つまたは複数のプローブ202の離調負荷信号とは実質的に異なる離調負荷信号を信号処理デバイス200に送信する。
【0033】
各受信機218は、マイクロ波信号の周波数および/または個々のプローブ202によって生成された離調負荷信号の周波数に同調され、個々のプローブ202は、個々のプローブ202によって生成された離調負荷信号を各受信機218が受信できるように、受信機218に結合される。さらに、信号基準228は、基準信号および/または各プローブ202内に生成したマイクロ波信号とほぼ同じデータを提供する。代替として、分離した信号基準228は、各信号基準228が基準信号および/または個々のプローブ202によって生成されたマイクロ波信号とほぼ同じデータを提供するように、各プローブ202について信号調整デバイス226内に含まれている。
【0034】
離調負荷信号ならびに基準信号および/またはデータは、各比較のために電力差信号を生成させるうえで使用するために受信電力検出器224、送信電力検出器222、および/または、減算器230に送信される。各プローブ202についての近接度測定信号は、図2を参照して上述した方法と同じ方法で生成させる。そのため、単一の信号処理デバイス200が複数のプローブ202を使用して1つまたは複数の物体の近接度を算出できるように、各受信機218および受信機218に伴う各信号基準228は共通の周波数に同調可能であり、および/または、これらには同じマイクロ波信号が提供される。
【0035】
一実施形態において、離調負荷信号を生成させたプローブ202を識別するうえで使用するために、各プローブ202は、離調負荷信号とともに識別用データを個々の受信機218に送信する。信号処理デバイス200が離調負荷信号を基準信号および/またはデータと関連付けることを可能にするために、識別用データは、信号基準228、送信電力検出器222、減算器230、および/または、信号処理デバイス200の他のいずれかの構成部品にも送信可能である。このため、減算器230は、各プローブ202についての電力差信号を算出するために、複数のプローブ202からの離調負荷信号をマッチング基準信号および/またはデータと比較可能である。したがって、信号処理デバイス200およびプローブ202は、単一の信号処理デバイス200を使用して、1つまたは複数の異なったマイクロ波信号周波数、および/または、特徴を有した複数のプローブ202について近接度測定値の生成を容易にする。
【0036】
知られているマイクロ波センサに比べて、本明細書に説明したセンサ組立体は、マイクロ波プローブ内に一体化した無線送信機および信号処理デバイス内に一体化した無線受信機を含む。無線受信機および無線送信機は、物理的データケーブルを使用していると知られているセンサに比較して、センサ組立体がより低い信号損失量を使用してマイクロ波信号を送信することを可能にする。本明細書に説明したセンサ組立体はそれぞれが、各プローブ内に一体化したマイクロ波信号ジェネレータから電磁場を生成させ、各電磁場内の物体の存在に基づき離調負荷信号を生成する。プルーブは離調負荷信号を示す信号を信号処理デバイスに送信する。信号処理デバイスは、電磁場を生成させるために使用するマイクロ波信号に含まれた電力の量を、離調負荷信号内に含まれた電力の量と比較する。信号処理デバイスは、近接度測定値を生成させるために電力比較の結果を使用する。離調負荷信号の無線送信は、送信中の信号損失の低減を容易にし、したがって、異なった近接度測定値の算出を使用、および/または、物理的データケーブルを使用する知られているセンサと比較して、信号処理デバイスがさらに正確かつ確実な近接度測定値を提供することを容易にする。
【0037】
センサ組立体およびセンサに対する機械構成部品の近接度を測定する方法の例示的実施形態を上記に詳細に説明した。これらの方法およびセンサ組立体は、本明細書に説明した具体的な実施形態には限定しないが、むしろ、センサ組立体の各構成部品および/または方法の各ステップは、本明細書に説明した他の構成部品および/またはステップから独立かつ分離して使用可能である。例えば、センサ組立体は他の測定のシステムおよび方法と組み合わせても使用可能であり、かつ、本明細書に説明した電力システムのみを伴った実施にも限定しない。むしろ、例示的実施形態は、多くの他の測定および/またはモニタの用途を伴った実施および利用が可能である。
【0038】
本発明の様々な実施形態の具体的な特徴は、一部の図面に示され、他の図面には示されていないことがあるが、これは便宜的なものである。本発明の原理によれば、一図面の任意の特徴も任意の他の図面の任意の特徴とも組み合わせて参照および/または特許請求可能である。
【0039】
本書では、最良の形態を含めて本発明を開示するために、また任意のデバイスまたはシステムを作成および使用すること、ならびに、任意の組み込まれた方法も実行することを含めて、当業者による本発明の実施を可能にするためにも、例を使用している。本発明の特許性のある範囲は特許請求の範囲によって規定されており、かつ、当業者が考えつく他の例も含むことが可能である。そのような他の例が特許請求の範囲の文字通りの文言と異ならない構造要素を有する場合、または、特許請求の範囲の文字通りの文言とほとんど差のない均等な構造要素を含む場合、そのような他の例は特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0040】
100 電力システム
102 機械
104 駆動軸
106 負荷
108 支持構造体
110 センサ組立体
112 診断システム
200 信号処理デバイス
202 プローブ
204 データ接続
206 放射源
208 プローブ筐体
210 送信機
212 信号ジェネレータ
214 メモリ
216 電磁場
218 受信機
220 指向性結合デバイス
222 送信電力検出器
224 受信電力検出器
226 信号調整デバイス
228 信号基準
230 減算器
232 線形化器
234 距離
300 センサ組立体
302 第1のプローブ
304 第2のプローブ
306 第3のプローブ
400 センサ組立体
402 第1のプローブ
404 第2のプローブ
406 第3のプローブ
408 第1の受信機
410 第1のデータ接続
412 第2の受信機
414 第2のデータ接続
416 第3の受信機
418 第3のデータ接続

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械構成部品(104)をモニタするうえで使用するためのセンサ組立体(110)であって、
信号処理デバイス(200)と、
少なくとも1つのプローブ(202)とを備え、
前記少なくとも1つのプローブ(202)が、
少なくとも1つのマイクロ波信号から電磁場が生成されるように構成された放射源(206)であって、負荷信号が生成されるように前記電磁場内に機械構成部品を配置したとき、離調する放射源(206)と、
前記放射源に結合され、前記負荷信号を前記信号処理デバイスに無線で送信するように構成された送信機(210)とを備えた、センサ組立体(110)。
【請求項2】
前記信号処理デバイス(200)が、前記少なくとも1つのマイクロ波信号が含む電力の量と前記送信機(210)から受信した前記負荷信号が含む電力の量との間の差を算出する請求項1記載のセンサ組立体(110)。
【請求項3】
前記信号処理デバイス(200)が、前記少なくとも1つのプローブ(200)に関する前記機械構成部品(104)の近接度を算出する請求項1記載のセンサ組立体(110)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプローブ(202)が、少なくとも1つの負荷信号を前記信号処理デバイス(200)にそれぞれが無線で送信する複数のプローブを備えている請求項1記載のセンサ組立体(110)。
【請求項5】
前記信号処理デバイス(200)が、前記複数のプローブ(202)の個々の1つから少なくとも1つの負荷信号をそれぞれが受信する複数の受信機(218)を備えている請求項4記載のセンサ組立体(110)。
【請求項6】
前記送信機(210)が、前記送信機と前記信号処理デバイス(200)との間の通信が中断した場合、前記負荷信号を示すデータをバッファするように構成されたメモリデバイス(214)を備えている請求項1記載のセンサ組立体(110)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプローブ(202)が、少なくとも1つのマイクロ波信号を前記放射源(206)に送信するように構成された信号ジェネレータ(212)を備えている請求項1記載のセンサ組立体(110)。
【請求項8】
少なくとも1つの構成部品(104)を備えた機械(102)と、
前記少なくとも1つの構成部品に近接して配置されたセンサ組立体(110)とを備え、
前記センサ組立体(110)が、
信号処理デバイス(200)と、
放射源(206)および送信機(210)を備えた少なくとも1つのプローブ(202)であって、前記放射源が、少なくとも1つのマイクロ波信号から電磁場が生成されるように構成され、負荷信号を生成するように電磁場内に前記少なくとも1つの構成部品を配置したとき、前記放射源が、離調し、前記送信機が、前記放射源に結合され、かつ、前記負荷信号を前記信号処理デバイスに無線で送信するように構成されている、少なくとも1つのプローブ(202)とを備えた、電力システム(100)。
【請求項9】
前記信号処理デバイス(200)が、前記少なくとも1つのマイクロ波信号が含む電力の量と前記送信機(210)から受信した前記負荷信号が含む電力の量との間の差を算出する請求項8記載の電力システム(100)。
【請求項10】
前記信号処理デバイス(200)が、前記少なくとも1つのプローブ(202)に関する前記機械構成部品(104)の近接度を算出する請求項8記載の電力システム(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−112943(P2012−112943A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−251176(P2011−251176)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】