説明

センサ装置

本発明はスピンドル、特に予圧された軸受を備えた高速回転する高精度スピンドルの軸受状態を監視するためのセンサ装置に関する。このセンサ装置は、同心的に配置された2個のセンサリング(11、13)を具備し、作動中内側センサリング(11)がスピンドル軸(15)と共に、内側センサリングを取り囲む外側センサリング(13)と相対的に回転し、監視すべき軸受パラメータのための少なくとも1個のセンサ(17、19)と、両センサリングの間でエネルギーと信号を非接触伝送する伝送システムの伝送装置、特にコイルとが、各センサリングに一体化されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピンドルの軸受状態を監視するためのセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に工作機械で使用されるスピンドルと、とりわけその軸受は、作動中に大きな負荷を受ける。これは特に、25,000回転/分以上で高速回転する高精度スピンドルに当てはまる。スピンドル軸受は一般的に、回転するスピンドル軸に固定連結された軸受内側リングと、定置された軸受外側リングとを有する玉軸受である。軸受の早すぎる損傷またはスピンドル軸の規定通りではない回転特性を検出できるようにするために、このスピンドル軸受の状態をできるだけ正確に監視する傾向が益々増えている。
【0003】
これに関連して、この場合特に重要な軸受内側リングの軸受温度の測定のために、軸受内側リングの下方に、すなわち半径方向内側に、温度センサを配置することが既に知られている。その場合もちろん、センサ自体と導体を軸上に置くために、欠点に結びつくスピンドル軸の加工が必要である。この導体は、センサをいわゆるテレメータリングに接続するために必要である。このテレメータリングはスピンドル軸上の異なる軸方向位置にあり、一緒に回転するセンサと伝送システムの定置装置との間でエネルギーや信号を非接触伝送する働きをする。
【0004】
温度センサとテレメータリングとの間の接続部が一方では例えばメンテナンスのために分離可能に形成しなければならず、他方では同時に作動中に発生する遠心力に耐えなければならないので、この接続部は構造的にきわめて複雑である。他の欠点は、各々の種類のスピンドルのために、センサ装置全体と電子伝送装置(テレメータ)を新たに開発しなければならないことである。
【0005】
スピンドル軸受の監視は温度測定に限定されない。さらに、軸受の範囲において発生する振動を測定することが知られている。そのために、軸受外側リングに加速度センサが取付けられる。この方法は、例えばモータ制御に起因する妨害周波数が通常の運転で既に存在するという欠点がある。それによって、実務的に適切なスピンドル軸受の振動監視を損なうかまたは不可能にする振動が発生し得る。さらに、これにより、工作機械の高速回転スピンドルの場合に実際に重要な妨害周波数を特定できないことが判った。
【0006】
さらに、作動中に軸受内側リングと軸受外側リングとの間の半径方向間隔を監視し、それから当該軸受の状態を推定することにより、スピンドル軸受を監視することが知られている。この方法は技術的にきわめて複雑でコストのかかる方法であり、価格が重要である比較的に大量に製作されるスピンドルには適していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、できるだけ簡単および低コストで実現可能であり、特にスピンドル軸を加工しないで可能である、特に妨害作用に関して信頼性がありかつ影響を受けにくい軸受状態監視方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は請求項1のセンサ装置によって解決される。
【0009】
本発明のセンサ装置は、同心的に配置された2個のセンサリングを具備し、作動中内側センサリングがスピンドル軸と共に、内側センサリングを取り囲む外側センサリングと相対的に回転し、監視すべき軸受パラメータのための少なくとも1個のセンサと、両センサリングの間でエネルギーと信号を非接触伝送する伝送システムの伝送装置、特にコイルとが、各センサリングに一体化されている。
【0010】
本発明は、内側軸受リングと外側軸受リングからなる典型的なスピンドル軸受を監視するために最適であるコンパクトで集積したセンサ装置を提供する。内側センサリングによって内側軸受リングを、そして外側センサリングによって外側軸受リングを監視することができるからである。これにより、監視すべきスピンドル軸受の構造が本発明に係るセンサ装置によってある程度模倣される。
【0011】
本発明の重要な効果は、内側軸受リングも直接監視可能であり、しかもスピンドル軸を加工する必要がないことにある。さらに、センサと伝送ユニットとの間でスピンドル軸の中またはスピンドル軸受上に導体を敷設する必要がない。なぜなら、本発明では、このような伝送のための装置、特にコイルが、センサリングに一体化されているからである。
【0012】
本発明はさらに、本発明に係る少なくとも1個のセンサ装置を備えたスピンドルに関する。
【0013】
本発明はさらに、内側センサリングによってスピンドル軸と共に回転するスピンドル軸受の軸受内側部分を監視し、外側センサリングによって定置された軸受外側部分を監視することにより、本発明に係る少なくとも1個のセンサ装置によって少なくとも1個のスピンドル軸受を監視する、スピンドルの軸受状態を監視するための方法に関する。
【0014】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項、明細書および図面に記載されている。
【0015】
センサリングに一体化されたセンサは例えばそれぞれ、作動中すぐ近くにある軸受構成部材の温度を測定することができる温度センサである。温度センサは好ましくはそれぞれ、軸方向外面を有するセンサリングの側壁に対して熱的および/または機械的(物理的)に接触している。
【0016】
その代わりにまたはそれに加えて、各センサリングに振動センサを一体化することができる。本発明では、軸受内側リングを監視するために内側センサリングを設け、そして軸受外側リングを監視するために外側センサリングを設けることができるので、すなわち内側軸受部分と外側軸受部分を同時に測定することができるので、本発明に係るセンサ装置によって特に、当該のスピンドル軸受の音響伝達関数を決定することができる。これにより、他の振動源または妨害源に影響されずに、スピンドル軸受の状態を音響の観点から検出し、この状態の変化時に例えば軸受の損傷またはスピンドル軸の回転状態の不具合を推定することができる。
【0017】
本発明は温度センサまたは振動センサに限定されない。基本的には、他のセンサを使用することができる。さらに、内側センサリングと外側センサリングに同じようなセンサを設けること、すなわち両センサリングを同一のパラメータについて同時に監視することは、有利であっても、必ずしも必要ではない。
【0018】
本発明の他の実施形態では、センサリング、特に外側センサリングは制御可能な振動源を備えている。これにより、監視すべきスピンドル軸受を適切に振動させることができ、その結果この振動励起に対する軸受の音響的な反応の測定に基づいて、軸受状態を推定することができる。
【0019】
センサは好ましくはそれぞれ軸方向において偏心してセンサリング内に配置されている。この非対称配置により、本発明に係るセンサ装置が軸方向においてスピンドル軸受に隣りあわせてスピンドル軸上に取付けられるときに、監視すべきスピンドル軸受のできるだけ近くにセンサを配置することができる。
【0020】
本発明の他の実施形態においては、各センサリングにおいて、センサと、センサおよび/または伝送システムの少なくとも一部を作動させるために必要な電子機器とが、センサリングに一体化されたプリント基板にまとめられている。このような構成にすると、本発明に係るセンサ装置のきわめて簡単な構造が提供される。
【0021】
本発明に係るスピンドルの場合、センサ装置と、その都度監視すべきスピンドル軸受とがスピンドル軸上に並べて配置され、特に互いに直接隣接していると有利である。
【0022】
前述のように、内側センサリングがスピンドル軸と共に回転する、その都度監視すべきスピンドル軸受の軸受内側部分に付設され、外側センサリングがスピンドル軸受の定置された軸受外側部分に付設されている。
【0023】
軸方向に離隔した2個のスピンドル軸受の間にセンサ装置を配置するために、本発明の他の実施形態に従い、センサ装置とその都度監視すべきスピンドル軸受とが同じ外径を有するときわめて有利である。
【0024】
さらに、センサリングがそれぞれ、スピンドル軸受のその都度監視すべきリング状構成部材と同じ内径および/または外径を有すると有利である。
【0025】
本発明に係るセンサ装置が離隔された2個のスピンドル軸受の間に配置されているときに、センサ装置が両スピンドル軸受の間に挟持されていると有利である。
【0026】
スピンドル軸受は実際には往々にして、内側軸受リングと外側軸受リングが軸方向に互いに予圧されているいわゆる予圧された軸受である。高速回転する高精度スピンドルは実際にはほとんどがこのようなスピンドル軸受を備えている。このような2個のスピンドル軸受の間にセンサ装置が配置されている場合、本発明に従い好ましくは、センサ装置がスピンドル軸受の間に作用する予圧を伝達する。
【0027】
本発明は、1本のスピンドルに1個のセンサ装置を設けることに限定されない。複数のスピンドル軸受を備えたスピンドルの場合、この各スピンドル軸受にセンサ装置が付設されていると有利である。
【0028】
前述のように、本発明に係るセンサ装置は、それぞれのスピンドル軸受の特別な伝達関数を決定するために使用可能である。この場合、音響的な伝達関数を決定することができるだけでなく、センサリングに一体化された温度センサにより、スピンドル軸受の熱的な伝達関数を決定することができる。これは、本発明に係る方法でセンサによって監視される他の軸受パラメータにも同様に当てはまる。本発明は一般的に、両センサリングに一体化されたセンサのセンサ信号の間の数学的な関係を決定し、この関係を他の評価部に供給することができる。これにより、センサ信号のノイズを含む個別評価が有利に回避される。そのために特に構造が同じセンサまたは同一のセンサが使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に、図を参照して本発明を例示的に詳しく説明する。
【0030】
図1aには、本発明に係るセンサ装置が示されている。このセンサ装置は作動状態で同心的に配置された、同じ軸方向長さを有する2個のセンサリング11、13を備えている。
【0031】
各センサリング11、13は複数の構成部材を備えている。内側のまたは回転するセンサリング11は、横断面がL字形の曲がった金属製環状要素41(支持リング)を備えている。この環状要素は同様に横断面がL字形の2個の合成樹脂製環状要素43、45に接着によって連結されている。この合成樹脂製環状要素は互いに補い合ってほぼ長方形の横断面をなしている。両合成樹脂製環状要素43、45の間の環状隙間内には、エネルギーと信号を非接触伝送するための伝送システムの内側コイル21が配置されている。コイル21は環状要素43に接着されている。
【0032】
作動中回転しない外側のまたは定置のセンサリング13は、同様に横断面がL字形の金属製環状要素47(支持リング)を備えている。この環状要素は1個の合成樹脂製環状要素49(カバー)に接着によって連結されている。この合成樹脂製環状要素はその半径方向外側に、周方向の凹部を有し、この凹部内には伝送システムの外側コイル23が配置されている。
【0033】
図1aの部分「Z」において両センサリング11、13内には、円弧状に形成されて比較的に小さな角度範囲にわたってのみ延在するプリント基板33が示されている。このプリント基板は各スピンドル軸受を監視するための1個または複数個のセンサ17、19と、必要な全電子機器を備えている。この電子機器は特にセンサ信号を処理および転送する働きをする。
【0034】
内側センサリング11のプリント基板33は内側コイル21に接続されている。外側センサリング13のプリント基板33は外側コイル23と、更に図示していない1本または複数本の信号ケーブルとに接続されている。この信号ケーブルを経て、両リング11、13のセンサ17、19からのデータを、従属のメモリ装置および/または評価装置、特にスピンドルに一体化されたいわゆるデータロガーあるいはスピンドルの差込みコネクタに供給することができる。外側センサリング13は穴37を有し、この穴37を経て信号ケーブルを外側へ案内することができる。
【0035】
図1bの実施形態では、各センサリング11、13にそれぞれ1個のリング状プリント基板33が一体化されている。特徴は、プリント基板33がセンサや必要な電子部品を支持しているだけでなく、同時にそれぞれコイルとしての働きをするかまたはコイルとして形成されている点にある。プリント基板33にはそれぞれ同心的な導線が印刷されている。この導線は必要な伝送機能を発揮し得るコイルとして作用する。
【0036】
図1aの実施形態と同様に、外側のステータリング13の場合にも内側のステータリング11の場合にもそれぞれ、軸方向測定面を形成する支持リング47または41とカバー49または45が互いに接着されている。場合によって必要である軸受予圧の伝達は、支持リング47、41を介して行われる。
【0037】
図2は、スピンドル35の2個の軸受25、27の間における図1に示したセンサ装置の配置の一例を示している。作動中に回転するスピンドル軸15は、図2において左側のその前方の端部に、図示していない工具を備え、そして前側範囲において軸方向に離隔された2個の軸受25、27によってスピンドル35の定置部分に軸承(支持)されている。スピンドル軸受はそれぞれ内側軸受リング25と外側軸受リング27を備えている。内側軸受リング25はスピンドル軸15に相対回転しないように連結されている。これに対して、外側軸受リング27は定置スピンドル部分の構成部材である。
【0038】
内側センサリング11と外側センサリング13からなる本発明に係るセンサ装置は、両スピンドル軸受25、27の間で挟持され、そしてプリント基板33に取付けられたセンサ17、19(図1の部分Z参照)が図2において左側のスピンドル軸受25、27寄りのセンサ装置側に位置するように配置されている。従って、この構成(組込み例)の場合、図2において左側のスピンドル軸受25、27だけが本発明に係るセンサ装置によって監視される。この場合、内側センサリング11は内側軸受リング25に付設され、外側センサリング13は外側軸受リング27に付設されている。その際、センサ17、19の半径方向位置がセンサによって監視すべき各軸受構成部材25、27の半径方向位置に一致しているので、本発明に係るセンサ装置は監視すべきスピンドル軸受の構造を模倣している。
【0039】
図2には、信号ケーブル55の一部が示されている。センサによって検出された測定値はこの信号ケーブルを経て、スピンドル35の定置部分に一体化されたデータロガー53に伝送される。このデータロガーはスピンドルの作動中、データを電子的「タコグラフ」または「ログブック」の方式で記憶する。スピンドル35の作動中に集められたデータを評価するために、データロガー53はプラグ51を介して外部の評価ユニットに接続可能で読み出し可能である。尚、このような構成にするのではなく、スピンドルと一体化されたデータロガー53が省略され、スピンドル35が例えばプラグコンタクトの形をした、信号ケーブル55用の慣用のコネクタを備えていてもよい。このコネクタには外部の評価ユニットが接続される。
【0040】
本発明に係るセンサ装置のセンサリング11、13内の電子機器は好ましくは、センサの測定値がデジタル化され、デジタル形式でデータロガー53またはコネクタに伝送されるように設計されている。これによって、きわめて妨害されにくい測定が保証される。
【0041】
図2に示したスピンドル35について、ここではこれ以上詳しく説明しない。というのは、このスピンドルが本発明に係るセンサ装置の組込み例を説明するためだけのものであるからである。
【0042】
図3aの組込み例は、図2に示した例に一致し、特に、1個だけのスピンドル軸受が監視され、軸方向に離隔された両スピンドル軸受の間の空間がそのほかのために、例えば潤滑剤を供給するために必要とされないときに選択される。
【0043】
図3b、3eは、本発明に係るセンサ装置を対のスピンドル軸受の「外側に」配置可能であることを示している。図3aと3bの比較によって分かるように、「二重リングセンサ」を180°だけ回転するだけで、中心からずらして軸方向に配置したセンサ17、19の向きを合わせることができる。
【0044】
図3b、3eの外側配置例の場合、センサ装置11、13は、その都度監視すべき軸受25、27と、この軸受25、27に付設された図示していない軸方向ストッパーとの間に配置可能である。センサ装置11、13の外側配置は例えば、前述のように両スピンドル軸受25、27の間の空間が潤滑剤供給のために必要とされるときに行われる。
【0045】
また、図3c、3dに示すように、本発明に従って複数のセンサ装置11、13を使用することができる。このセンサ装置によってそれぞれ1個のスピンドル軸受25、27が監視される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1a】同心的な2個のリングからなる、本発明の実施形態に係るセンサ装置を示す種々の図である。
【図1b】同心的な2個のリングからなる、本発明の他の実施形態に係るセンサ装置を示す種々の図である。
【図2】本発明に係るセンサ装置をスピンドルに組み込むための一例を示す図である。
【図3】本発明に係る1個または複数個のセンサ装置をスピンドル軸上に配置するための種々の例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
11 内側センサリング
13 外側センサリング
15 スピンドル軸
17 内側センサ
19 外側センサ
21 内側コイル
23 外側コイル
25 軸受内側部分
27 軸受外側部分
29 軸方向の外側の面
31 側壁
33 プリント基板
35 スピンドル
37 穴
41 環状要素、支持リング
43 環状要素
45 環状要素、カバー
47 環状要素、支持リング
49 環状要素、カバー
51 プラグ
53 データロガー(data logger)
55 信号ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピンドル、特に予圧された軸受を備えた高速回転する高精度スピンドルの軸受状態を監視するためのセンサ装置であって、
同心的に配置された2個のセンサリング(11、13)を具備し、作動中内側センサリング(11)がスピンドル軸(15)と共に、内側センサリングを取り囲む外側センサリング(13)と相対的に回転し、監視すべき軸受パラメータのための少なくとも1個のセンサ(17、19)と、両センサリング(11、13)の間でエネルギーと信号を非接触伝送する伝送システムの伝送装置、特にコイル(21、23)とが、各センサリング(11、13)に一体化されていることを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
作動中すぐ近くにある軸受構成部材(25、27)の温度を測定するために少なくとも1個の温度センサ(17、19)が各センサリング(11、13)に一体化されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
温度センサ(17、19)がそれぞれ、軸方向外面(29)を有するセンサリング(11、13)の側壁(31)に対して熱的および/または機械的に接触していることを特徴とする請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
各センサリング(11、13)に振動センサが一体化され、この振動センサは好ましくはスピンドル軸受の音響伝達関数を決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項5】
センサリング、特に外側センサリング(13)が制御可能な振動源を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項6】
センサ(17、19)がそれぞれ軸方向において偏心してセンサリング(11、13)内に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項7】
各センサリング(11、13)において、センサ(17、19)と、センサ(17、19)および/または伝送システムの少なくとも一部を作動させるために必要な電子機器とが、センサリングに一体化されたプリント基板(33)にまとめられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項8】
各センサリング(11、13)において、伝送装置がコイル(21、23)を備え、このコイルが導線の形をして支持体(33)、特にプリント基板に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項9】
各センサリング(11、13)において、センサ(17、19)と、センサ(17、19)および/または伝送システムの少なくとも一部を作動させるために必要な電子機器と、特に印刷された導線の形をしたコイル(21、23)とが、共にセンサリング(11、13)に一体化された支持体(33)、特にプリント基板にまとめられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の少なくとも1個のセンサ装置(11、13)を有する、スピンドル、特に予圧された軸受を備えた高速回転する高精度スピンドル。
【請求項11】
センサ装置(11、13)と、その都度監視すべきスピンドル軸受(25、27)とがスピンドル軸(15)上に並べて配置され、特に互いに直接隣接していることを特徴とする請求項10に記載のスピンドル。
【請求項12】
内側センサリング(11)がスピンドル軸(15)と共に回転する、その都度監視すべきスピンドル軸受の軸受内側部分(25)に付設され、外側センサリング(13)がスピンドル軸受の定置された軸受外側部分(27)に付設されていることを特徴とする請求項10または11に記載のスピンドル。
【請求項13】
センサ装置(11、13)がその都度監視すべきスピンドル軸受(25、27)に対して軸方向に熱的および/または機械的に接触させて配置されていることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載のスピンドル。
【請求項14】
センサ装置(11、13)とその都度監視すべきスピンドル軸受(25、27)とが同じ外径を有することを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載のスピンドル。
【請求項15】
センサリング(11、13)がそれぞれ、スピンドル軸受のその都度監視すべきリング状構成部材(25、27)と同じ内径および/または外径を有することを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載のスピンドル。
【請求項16】
スピンドル(35)が軸方向において離隔された複数のスピンドル軸受(25、27)を備え、隣接する2個のスピンドル軸受(25、27)の間にセンサ装置(11、13)が配置され、特に挟持されていることを特徴とする請求項10〜15のいずれか一項に記載のスピンドル。
【請求項17】
センサ装置(11、13)が監視すべき各スピンドル軸受(25、27)と、スピンドル軸受(25、27)用の軸方向ストッパーとの間に配置され、特に挟持されていることを特徴とする請求項10〜16のいずれか一項に記載のスピンドル。
【請求項18】
スピンドル軸受(25、27)が予圧された軸受であり、センサ装置(11、13)がスピンドル軸受の間に作用する予圧を伝達することを特徴とする請求項10〜17のいずれか一項に記載のスピンドル。
【請求項19】
スピンドル(35)が軸方向において離隔された複数のスピンドル軸受(25、27)を備え、各スピンドル軸受(25、27)にセンサ装置(11、13)が付設されていることを特徴とする請求項10〜18のいずれか一項に記載のスピンドル。
【請求項20】
スピンドル、特に予圧された軸受を備えた高速回転する高精度スピンドルの軸受状態を監視するための方法であって、
内側センサリング(11)によってスピンドル軸(15)と共に回転するスピンドル軸受の軸受内側部分(25)を監視し、外側センサリング(13)によって定置された軸受外側部分(27)を監視することにより、請求項1〜9のいずれか一項に記載の少なくとも1個のセンサ装置(11、13)によって少なくとも1個のスピンドル軸受(25、27)を監視することを特徴とする方法。
【請求項21】
センサリング(11、13)に一体化されたセンサ(17、19)を用いて、少なくとも1つの軸受パラメータについて、センサ(17、19)からのセンサ信号の間の数学的な関係が決定され、センサリング(11、13)に一体化されたセンサ(17、19)が好ましくは同一に形成されていることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
センサ信号間の特に熱的および/または音響的伝達関数またはその都度監視されるスピンドル軸受(25、27)の伝達関数が決定されることを特徴とする請求項21に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−508093(P2009−508093A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529526(P2008−529526)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008648
【国際公開番号】WO2007/028575
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(505241131)ヴァルター ディテッル ゲゼルシャフトミットベシュレンクテルハフトゥング (2)
【Fターム(参考)】