説明

センサ装置

【課題】被検知体の所定の面とこの所定の面に当接するセンサ装置の当接面との気密をより確実に保持できるセンサ装置を提供する。
【解決手段】被検知体TVに固定され、被検知体TVの有する動作部MPの移動または回転を検知するセンサ装置1であって、被検知体TVの所定の面に当接するセンサ装置1の当接面11aと被検知体TVの所定の面とが気密に保持された状態で被検知体TVに固定されるセンサ装置1において、センサ装置1の外形を形成するケース11は、当接面11aと、当接面11aの外周を囲うように当接面11aの裏面方向に突出して形成された側壁11bとを有し、側壁11bの複数箇所はケース11の外周部から内部方向に入り込んだ形状に形成されていることを特徴とするセンサ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置に関し、特に、取り付けられる対象物との当接箇所の気密性を満たした小型のセンサ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、自動車や2輪車では車両を電子制御するために様々な箇所の位置検出や角度検出などを行なうセンサ類が自動車内や2輪車には配置されている。
【0003】
特にバルブの開閉角度を検知するセンサとして用いられる場合、バルブの回転軸に直接取り付けられることもある。仮に、バルブとセンサ装置の取り付け部からバルブ内を流れる流体が漏れると、実際にバルブ内を流れている流体の流量とセンサの検知結果から割り出した流量との間に大きな誤差が生じ、正しい制御ができなくなる。したがって、バルブとセンサ装置の取り付け部の気密性のよいセンサ装置が求められている。
【0004】
また、昨今はセンサ装置の小型化の要望が高まっている。
【0005】
このような小型で気密性のあるセンサ装置としては、下記の特許文献1に記載のセンサ装置が知られている。
【0006】
以下、図8および図9を用いて、特許文献1に記載のセンサ装置について説明する。図8は特許文献1に記載のセンサ装置SEと被検知体MCとの取り付け状態を示す図である。図9はケースCAの反りの傾向を示す図である
【0007】
特許文献1に記載のセンサ装置SEは、図8に示すように、2輪車の動作部MMの動きを検知可能なセンサユニットSUと、センサユニットSUを内部に収納し2輪車車体MCと当接しセンサ装置SEを2輪車車体MCに保持するケースCAと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−188483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載のセンサ装置は、従来の用途において機械的な性能や電気的な性能において特に課題はない。しかしながら、小型化に対応するために低背化や固定箇所削減などをしたことで、図9に示すように、ケースCAの2輪車車体に当接する面がケースCAの内部方向に凸になるように反りやすい傾向がある。仮に前記のような反りが発生した場合には2輪車車体MCに当接する面と2輪車車体MCとの間に隙間CLができてしまい気密性が低下し、検知対象によっては内部を流れる流体の漏れが発生する可能性がある。
【0010】
本発明は、上述した課題を解決して、小型でありながらも2輪車車体に当接する面と2輪車車体との間の気密性がより安定したセンサ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載のセンサ装置は、被検知体に固定され前記被検知体の有する動作部の移動または回転を検知するセンサ装置であって、前記被検知体の所定の面に当接する前記センサ装置の当接面と前記被検知体の所定の面とが気密に保持された状態で前記被検知体に固定されるセンサ装置において、前記センサ装置の外形を形成するケースは前記当接面と、前記当接面の外周を囲うように前記当接面の裏面方向に突出して形成された側壁とを有し、前記側壁の複数箇所は前記ケースの外周部から内部方向に入り込んだ形状に形成されているという特徴を有する。
【0012】
請求項2に記載のセンサ装置は、前記ケースの側壁の複数個所は前記ケースの外周部から内部方向に矩形状に入り込んだ形状に形成されているという特徴を有する。
【0013】
請求項3に記載のセンサ装置は、前記ケースの側壁の複数個所は前記ケースの外周部から内部方向に円弧状に入り込んだ形状に形成されているという特徴を有する。
【0014】
請求項4に記載のセンサ装置は、前記被検知体への前記センサ装置の固定は、ねじ止めであるという特徴を有する。
【0015】
請求項5に記載のセンサ装置は、前記センサ装置は前記被検知体の前記動作部と係合するセンサ軸部を有し、前記センサ軸部を対称中心として点対称となる一対の位置にねじを挿通可能なねじ止め部をそれぞれ備えるという特徴を有する。
【0016】
請求項6に記載のセンサ装置は、前記被検知体への前記センサ装置の固定は、前記ケースの前記当接面の周縁部を前記被検知体に固着するという特徴を有する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、樹脂成型されたケースは、その外周部を構成する側壁の複数個所を前記ケースの内部方向に突出する形状とすることで、側壁を形成する面の面積が増えるため、ケースを樹脂成形した際に当接面よりも側壁のほうに熱が溜まりやすくなる。これにより、冷却されると側壁が収縮しケースの内部方向に反りやすくなり、当接面はケース外部に向かって突出する方向に反りやすくなる。このように当接面の中央部近辺が外部方向へ突出した形状のため、前記当接面の中央部近辺を前記被検知体と確実に当接させることができる。また、前記ケースと前記被検知体とを、例えば、ねじなどで固定することで前記当接面の周縁部の形状は矯正され、前記当接面と被検知体の所定の面は密着し、前記当接面と前記被検知体の所定の面との気密性を確保できるという効果を奏する。
【0018】
請求項2の発明によれば、前記ケースの側壁の複数個所に前記ケースの内部方向に矩形状に入り込んだ形状を設けることで、矩形のおおきさを調整することで前記側壁および前記当接面の反り量を前記ケースのサイズに合わせて容易に調整することができるという効果を奏する。
【0019】
請求項3の発明によれば、前記ケースの側壁の複数個所に前記ケースの内部方向に円弧状に入り込んだ形状を設けることで、円弧のおおきさを調整することで前記側壁および前記当接面の反り量を前記ケースのサイズに合わせて容易に調整することができるという効果を奏する。
【0020】
請求項4の発明によれば、前記ケースと前記被検知体とをねじで固定することで、前記当接面の周縁部の形状は矯正され、前記当接面と前記被検知体の所定の面は密着し、前記当接面と前記被検知体の所定の面との気密性をより確実に確保することができるという効果を奏する。
【0021】
請求項5の発明によれば、前記被検知体と前記センサ装置とを、前記被検知体の前記動作部と係合するセンサ軸部を対称中心として点対称となる一対の位置にねじ止め部をそれぞれ設けてねじ止めすることで、前記ねじの本数を増やすことなく2本でもバランスよく固定することができ前記センサ装置の小型化に寄与するとともに、バランスよく前記当接面の周縁部の形状を矯正することで前記当接面と前記被検知体の所定の面との気密性をより確実に確保することができるという効果を奏する。
【0022】
請求項6の発明によれば、前記ケースの前記当接面の周縁部を前記被検知体に接着剤等で固着することで、前記当接面と前記被検知体の所定の面は前記接着剤等で充填され密着し、前記当接面と前記被検知体の所定の面との気密性を確保できるとともに、前記被検知体に固定するためのネジ穴が不要となるため前記センサ装置をより小型化することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】センサ装置1の外観を示す斜視図である。
【図2】ケース11を示す斜視図である。
【図3】センサ装置1の取り付け状態を示す模式図である。
【図4】センサ装置1と被検知体TVとの取り付け状態を示す図である。
【図5】センサ装置2に用いるケース21を示す図である。
【図6】センサ装置3に用いるケース31を示す図である。
【図7】ケース11の変形例を示す図である。
【図8】センサ装置SEと被検知体MCとの取り付け状態を示す図である。
【図9】ケースCAの反りの傾向を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
以下に第1実施形態におけるセンサ装置1について説明する。
【0025】
まず、センサ装置1の構成について図1を用いて説明する。図1は、センサ装置1の外観を示す図であり、図1(a)は上面側から見た斜視図であり、図1(b)は底面側から見た斜視図である。
【0026】
センサ装置1は、図1に示すように、センサ装置1の外形を形成し被検知体TV(図3参照)に当接し保持されるケース11と、被検知体TVの動作部MP(図3参照)に係合し動作部MPの動きを検知するセンサユニット12と、を有している。
【0027】
次に、各構成部品について図1と図2を用いて説明する。図2は、ケース11を示す図であり、図2(a)は上面側から見た斜視図であり、図2(b)は底面側から見た斜視図である。
【0028】
ケース11は、図2に示すように、合成樹脂材により略直方体状に形成されており、被検知体TVの所定の面に当接する当接面11aと、当接面11aの外周を囲うように当接面11aの裏面方向に突出して形成された側壁11bと、内部にセンサユニット12を配置可能な貫通孔11cと、ねじSC(図3参照)を挿通可能なねじ止め部11dと、を有している。
【0029】
貫通孔11cは当接面11aから当接面11aの裏面まで貫通して円筒状に設けられている。なお、本実施形態においては貫通孔11cは円筒形状としているが、その限りではない。
【0030】
ねじ止め部11dは、貫通孔11cの中心(後述するセンサ軸部12a)を対称中心として点対称となる一対の位置に設けられ、ねじSCを挿通可能な大きさに形成されている。
【0031】
また、側壁11bの複数箇所にはケース11の外周部から内部方向に入り込んだ形状に凹溝11eが形成されている。なお、本実施形態において、凹溝11eは図2に示す位置S1に形成されているが、ケース11の大きさ、形状などにより必要に応じて位置や大きさを変更する。
【0032】
センサユニット12は、図1(a)および図1(b)に示すように、被検知体TVの動作部MPに係合し動作部MPの動きに連動して回動可能に配置されたセンサ軸部12aを有し、詳細の説明は割愛するが、センサ軸部12aの回転角度に比例して出力電圧を可変可能な位置検出センサである。
【0033】
センサユニット12はセンサ軸部12aが当接面11a側に露出するように貫通孔11cの内部に係止され、センサ装置1となる。
【0034】
次にセンサ装置1の動作について図3を用いて説明する。図3はセンサ装置1の取り付け状態を示す模式図である。
【0035】
センサ装置1は、図3に示すように、動作部MPをセンサ軸部12aに係止して被検知体TVに固定される。このとき、センサ装置1が保持される被検知体TVの所定の面と当接面11aとは気密に保持された状態である。
【0036】
したがって、動作部MPの回転動作に連動してセンサ軸部12aが回転し、センサ装置1はセンサ軸部12aの回転角度にあった出力電圧を出力する。これにより、出力電圧を見ることで、例えば、動作部MPがスロットルバルブの回転軸であれば、スロットルバルブの開閉角度を検出することが可能となる。
【0037】
本実施形態のセンサ装置1は各種バルブの開閉角度検出に用いられることがある。仮に、各種バルブ内を流れる流体が被検知体TVの所定の面と当接面11aとの間から漏れた場合、センサ装置1が検出した回転角度から算出した流体の流量と、実際にバルブ内を流れる流体の流量に大きな誤差が生じ、正しい制御ができなくなる。
【0038】
したがって、センサ装置1が保持される被検知体TVの所定の面と当接面11aとの気密性を保持し、流体の漏れを確実に防ぐ必要がある。
【0039】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0040】
本実施形態のセンサ装置1では、被検知体TVに固定され被検知体TVの有する動作部MPの移動または回転を検知するセンサ装置1であって、被検知体TVの所定の面に当接するセンサ装置1の当接面11aと被検知体TVの所定の面とが気密に保持された状態で被検知体TVに固定されるセンサ装置1において、センサ装置1の外形を形成するケース11は当接面11aと、当接面11aの外周を囲うように当接面11aの裏面方向に突出して形成された側壁11bとを有し、側壁11bの複数箇所はケース11の外周部から内部方向に入り込んだ形状(凹溝11e)に形成されている構造とした。
【0041】
これにより、樹脂成型されたケース11は、その外周部を構成する側壁11bの複数個所をケース11の内部方向に突出する形状とすることで、側壁11bを形成する面の面積が増えるため、ケース11を樹脂成形した際に当接面11aよりも側壁11bのほうに熱が溜まりやすくなる。冷却されると、図4(a)に示すように、側壁11bが収縮しケース11の内部方向(矢印A方向)に反りやすくなり、当接面11aはケース外部に向かって突出する方向(矢印B方向)に反りやすくなり、当接面の中央部近辺が外部方向へ突出した形状となる。これにより被検知体TVに取り付けた時に、当接面11aの周縁部と被検知体TVの所定の面との間に隙間Clができる。
【0042】
従来例では当接面11aの中央部近辺が内部方向へ突出した形状になりやすい傾向があったため、仮に反りが発生した場合には、当接面11aと被検知体TVの所定の面との気密性が低下する可能性があったが、本実施形態では、当接面11aの中央部近辺が外部方向へ突出した形状となるため、当接面11aの中央部近辺を被検知体TVの所定の面に確実に当接させることができる。また、ケース11と被検知体TVとを、例えば、ねじなどで固定することで、図4(b)に示すように、当接面11aの周縁部の形状は矢印C方向に矯正され、当接面11aと被検知体TVの所定の面は密着し、当接面と被検知体の所定の面との気密性を確保できるという効果を奏する。
【0043】
また、本実施形態のセンサ装置1では、ケース11の側壁11bの複数個所はケース11の外周部から内部方向に矩形状に入り込んだ形状(凹溝11e)に形成されている構造とした。
【0044】
これにより、ケース11の側壁11bの複数個所にケース11の内部方向に矩形状に入り込んだ形状を設けることで、矩形のおおきさを調整することで前記側壁および前記当接面の反り量を前記ケースのサイズに合わせて容易に調整することができるという効果を奏する。
【0045】
また、本実施形態のセンサ装置1では、被検知体TVへのセンサ装置1の固定は、ねじ止めで行うこととした。
【0046】
これにより、ケース11と被検知体TVとをねじSCで固定することで、当接面11aの周縁部の形状は矯正され、当接面11aと被検知体TVの所定の面は密着し、当接面11aと被検知体TVの所定の面との気密性をより確実に確保することができるという効果を奏する。
【0047】
また、本実施形態のセンサ装置1では、センサ装置1は被検知体TVの動作部MPと係合するセンサ軸部12aを有し、センサ軸部12aを対称中心として点対称となる一対の位置にねじSCを挿通可能なねじ止め部11dをそれぞれ備え、被検知体TVへねじ止めで固定する構造とした。
【0048】
これにより、被検知体TVとセンサ装置1とを、被検知体TVの動作部MPと係合するセンサ軸部12aを対称中心として点対称となる一対の位置にねじ止め部11dをそれぞれ設けてねじ止めすることで、ねじSCの本数を増やすことなく2本でもバランスよく固定することができ、センサ装置1の小型化に寄与するとともに、バランスよく当接面11aの周縁部の形状を矯正することで、当接面11aと被検知体TVの所定の面との気密性をより確実に確保することができるという効果を奏する。
【0049】
なお、ケースの成型には種々の合成樹脂が適用できるが、特に結晶性樹脂にガラス繊維を分散した合成樹脂材料が好適である。以下に述べる他の実施形態についても同様の合成樹脂材料が適用できる。
【0050】
[第2実施形態]
以下に第2実施形態におけるセンサ装置2について、図5を用いて説明する。図5は、センサ装置2に用いるケース21を示す図である。
【0051】
本実施形態のセンサ装置2は、第1実施形態のセンサ装置1におけるケース11の凹溝11eの形状のみ違うもので、その他の構成部品や構造、動作などはセンサ装置1と同一である。以下に記すセンサ装置2の説明においては、センサ装置1と同じ部分についての説明は割愛し、同一の部品については符号についてもセンサ装置1と同一の符号を用いる。
【0052】
まず、センサ装置2の構成について説明する。
【0053】
センサ装置2の構成はセンサ装置1と同様の構造をしており、被検知体TVの動作部MPに係合し動作部MPの動きを検知するセンサユニット12と、センサ装置2の外形を形成し被検知体TV(図3参照)に当接し保持されるケース21と、を有している。
【0054】
ケース21は、図5に示すように、合成樹脂材により略直方体状に形成されており、被検知体TVの所定の面に当接する当接面(不図示 図2の11aに相当)と、この当接面の外周を囲うように該当接面の裏面方向に突出して形成された側壁21bと、内部にセンサユニット12(図1参照)を配置可能な貫通孔21cと、ねじSC(図3参照)を挿通可能なねじ止め部21dと、を有している。
【0055】
側壁21bの複数箇所にはケース21の外周部から内部方向に円弧状に入り込んだ形状に凹溝21eが形成されている。なお、本実施形態において、凹溝21eは図5に示す位置S2に形成されているが、ケース21の大きさ、形状などにより必要に応じて位置や大きさを変更する。
【0056】
なお、当接面21a、側壁21b、貫通孔21cおよびねじ止め部21dの詳細な説明は割愛する。
【0057】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0058】
本実施形態のセンサ装置2では、ケース21の側壁21bの複数個所(位置S2)はケース21の外周部から内部方向に円弧状に入り込んだ形状に凹溝21eが形成されている構造とした。
【0059】
これにより、ケース21の側壁21bの複数個所(位置S2)にケース21の内部方向に円弧状に入り込んだ形状に凹溝21eを設けることで、円弧のおおきさを調整することで側壁21bおよび当接面21aの反り量をケース21のサイズに合わせて容易に調整することができるという効果を奏する。
【0060】
[第3実施形態]
以下に第3実施形態におけるセンサ装置3について、図6を用いて説明する。図6は、センサ装置3に用いるケース31を示す図である。
【0061】
本実施形態のセンサ装置3は、被検知体TVへの固定を固着で行なうものとし、センサ装置1におけるケース11のねじ止め部11dおよびセンサ装置2におけるケース21のねじ止め部21dを取り除いたもので、その他の構成部品や構造、動作などはセンサ装置1およびセンサ装置2と同一である。以下に記すセンサ装置3の説明においては、センサ装置1およびセンサ装置2と同じ部分についての説明は割愛し、同一の部品については符合も同一のものを用いる。
【0062】
まず、センサ装置3の構成について説明する。
【0063】
センサ装置3の構成はセンサ装置1およびセンサ装置2と同様の構造をしており、被検知体TVの動作部MPに係合し動作部MPの動きを検知するセンサユニット12と、センサ装置3の外形を形成し被検知体TV(図3参照)に当接し保持されるケース31と、を有している。
【0064】
ケース31は、図6に示すように、合成樹脂材により略直方体状に形成されており、被検知体TVの所定の面に当接する当接面(不図示 図2の11aに相当)と、この当接面の外周を囲うように該当接面の裏面方向に突出して形成された側壁31bと、内部にセンサユニット12(図1参照)を配置可能な貫通孔31cと、を有している。
【0065】
側壁31bの複数箇所にはケース31の外周部から内部方向に矩形状に入り込んだ形状に凹溝31eが形成されている。なお、本実施形態において、凹溝31eは図6に示す位置S3に形成されているが、ケース31の大きさ、形状などにより必要に応じて位置や大きさを変更する。
【0066】
また、図6ではケース31を、ケース11からねじ止め部11dを取り除いた形状(凹溝31eの形状が矩形状)で表わしているが、ケース21からねじ止め部21dを取り除いた形状(凹溝31eの形状が円弧形状)であっても良い。
【0067】
なお、当接面31a、側壁31b、および貫通孔31cの詳細な説明は割愛する。
【0068】
また、センサ装置3の固定は、ケース31の当接面31aの周縁部を被検知体TVに接着剤を用いて固着する。
【0069】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0070】
本実施形態のセンサ装置3では、被検知体TVへのセンサ装置3の固定は、ケース31の当接面31aの周縁部を被検知体TVに固着する構造とした。
【0071】
これにより、ケース31の当接面31aの周縁部を被検知体TVに接着剤を用いて固着することで、当接面31aと被検知体TVの所定の面は接着剤により充填され密着し、当接面31aと被検知体TVの所定の面との気密性を確保できるとともに、被検知体TVに固定するためのねじ止め部が不要となるためセンサ装置3をより小型化することができるという効果を奏する。
【0072】
また、ねじSCを使わないので、軽量化することができるという効果を奏する。
【0073】
以上のように、本発明の実施形態に係るセンサ装置1、センサ装置2およびセンサ装置3について具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0074】
実施形態1、実施形態2および実施形態3に使用されるセンサユニット12は、回転動作を検知するセンサであるが、それに限定するものではなく、直動動作などを検知するセンサであっても良い。
【0075】
実施形態1のケース11の凹溝11eは2本の凹溝11eが1組となって配置されている箇所があるが、図7に示すように、1本の太い凹溝でも良い。
【符号の説明】
【0076】
1 センサ装置
11 ケース
11a 当接面
11b 側壁
11c 貫通孔
11d ねじ止め部
11e 凹溝
12 センサユニット
12a センサ軸部
2 センサ装置
21 ケース
21b 側壁
21c 貫通孔
21d ねじ止め部
21e 凹溝
3 センサ装置
31 ケース
31b 側壁
31c 貫通孔
31e 凹溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検知体に固定され前記被検知体の有する動作部の移動または回転を検知するセンサ装置であって、前記被検知体の所定の面に当接する前記センサ装置の当接面と前記被検知体の所定の面とが気密に保持された状態で前記被検知体に固定されるセンサ装置において、
前記センサ装置の外形を形成するケースは、前記当接面と、前記当接面の外周を囲うように前記当接面の裏面方向に突出して形成された側壁とを有し、
前記側壁の複数箇所は前記ケースの外周部から内部方向に入り込んだ形状に形成されていることを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記ケースの側壁の複数個所は前記ケースの外周部から内部方向に矩形状に入り込んだ形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記ケースの側壁の複数個所は前記ケースの外周部から内部方向に円弧状に入り込んだ形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記被検知体への前記センサ装置の固定は、ねじ止めであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記センサ装置は前記被検知体の前記動作部と係合するセンサ軸部を有し、前記センサ軸部を対称中心として点対称となる一対の位置にねじを挿通可能なねじ止め部をそれぞれ備えることを特徴とする請求項4に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記被検知体への前記センサ装置の固定は、前記ケースの前記当接面の周縁部を前記被検知体に固着することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のセンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−53980(P2013−53980A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193510(P2011−193510)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】