説明

センサ装置

【課題】 複数個の特性(物理量)を特定可能なセンサ装置を提供する。
【解決手段】 センサ装置10の第2の電極14は、Y方向に間隔を空けて配置されており、それぞれがX方向に伸びている複数個の第3の電極部分14aと、複数個の第3の電極部分14aの一方の端側に配置されており、隣り合う第3の電極部分14aを電気的に接続する第4の電極部分14gと、を備える。第3の電極部分14aは、X方向に伸びている2個の第1の導電部14bと、2個の第1の導電部14bと、第3の電極部分14aの他方の端側で電気的に接続する第2の導電部14cとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、センサ装置を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、液体内に配置される電極対を備える液面レベルセンサが開示されている。特許文献1の技術では、電極対の静電容量を測定することによって、液体の液面レベルが特定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−40753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
測定対象の複数の特性(物理量)の特定が望まれる場合がある。この場合、特定すべき物理量の数と同じ数のセンサ装置を用いることによって、複数の特性(物理量)を特定することができる。しかしながら、この構成では、複数のセンサ装置を配置するスペースを確保しなければならない。本明細書では、複数の特性(物理量)を特定可能なセンサ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示される技術は、センサ装置である。センサ装置は、第1の電極と、第2の電極と、を備える。第1の電極は、第1の電源に電気的に接続可能な第1の接続部が設けられている。第2の電極は、第2の電源に電気的に接続可能な第2の接続部が一端に設けられ、特定の電位に維持される特定の部分に電気的に接続可能な第3の接続部が他端に設けられている。第1の電極は、第1の電極部分と、第2の電極部分とを備える。第1の電極部分は、第1の方向に間隔を空けて配置されている。第1の電極部分のそれぞれは、第1の方向と異なる第2の方向に伸びている。第2の電極部分は、複数個の第1の電極部分を電気的に接続する。第2の電極は、第3の電極部分と、第4の電極部分とを備える。第3の電極部分は、第1の方向に間隔を空けて配置されている。第3の電極部分のそれぞれは、第2の方向に伸びている。複数個の第3の電極部分のそれぞれは、隣り合う2個の第1の電極部分の間に配置されている。第4の電極部分は、複数個の第3の電極部分の一方の端側に配置されている。第4の電極部分は、複数個の第3の電極部分のそれぞれについて、当該第3の電極部分と隣り合う第3の電極部分とを電気的に接続する。複数個の第3の電極部分のうちの少なくとも1個の第3の電極部分は、2個の第1の導電部と、第2の導電部と、を備える。2個の第1の導電部のそれぞれは、第2の方向に伸びている。第2の導電部は、2個の第1の導電部を、第3の電極部分の他方の端側で電気的に接続する。
【0006】
このセンサ装置は、第2の電極の第3の接続部を特定の電位(基準電位)に接続した状態で、第1の電極の第1の接続部を第1の電源に接続し、かつ、第2の電極の第2の接続部を第2の電源に接続しない第1の状態と、第1の電極の第1の接続部を第1の電源に接続せず、かつ、第2の電極の第2の接続部を第2の電源に接続する第2の状態の2つの状態で使用することができる。
【0007】
第1の状態では、第2の電極は、第2の電源に接続されないため、特定の電位(基準電位)に維持される。一方、第1の電極は、第1の電源に接続される。この結果、第1の電極と第2の電極との間に電荷が蓄えられ、その電荷は第1の電極と第2の電極との間の静電容量によって変化する。したがって、センサ装置を第1の状態とすることで、第1の電極と第2の電極との間の静電容量と相関のある物理量を特定することができる。
【0008】
一方、第2の状態では、第2の電極の第2の接続部に第2の電源から電圧が印加され、第2の電極の第3の接続部は特定の電位(基準電位)に接続される。この結果、第2の電極に電流が流れ、その電流値は第2の電極の抵抗値によって変化する。したがって、センサ装置を第2の状態とすることで、第2の電極の抵抗値と相関のある物理量(第1の状態とは異なる物理量)を特定することができる。この構成によれば、測定対象の複数の物理量を特定することができる。ここで、複数個の第3の電極部分のうちの少なくとも1個の第3の電極部分は、2個の第1の導電部と第2の導電部とを備えている。この結果、第2の電極を流れる電流の経路を長くし得る。即ち、第2の電極の抵抗値を大きくし得る。これにより、測定対象の物理量の変化に対する第2の電極の抵抗値の変化量を大きくでき、第2の状態におけるセンサ感度を向上し得る。
【0009】
第3の電極部分の断面積は、第1の電極部分の断面積及び第2の電極部分の断面積よりも小さくてもよい。第4の電極部分の断面積は、第1の電極部分の断面積及び第2の電極部分の断面積よりも小さくてもよい。この構成によれば、第2の電極の抵抗値を大きくすることができる。この結果、第2の状態において、測定対象の物理量の変化に対する第2の電極の抵抗値の変化量を大きくでき、第2の状態におけるセンサ感度を向上し得る。
【0010】
複数個の第3の電極のそれぞれが、第2の方向に伸びている2個の第1の導電部と、2個の第1の導電部を第3の電極部分の他方の端側で電気的に接続する第2の導電部を備えていてもよい。この構成によれば、第2の電極の長さを長くすることができ、第2の電極の抵抗値を大きくすることができる。これにより、第2の状態において、測定対象の物理量の変化に対する第2の電極の抵抗値の変化量を大きくし得る。
【0011】
第2の電極は、第5の電極部分をさらに備えていてもよい。第5の電極部分は、複数個の第1の電極部分のうちの少なくとも一方の第1の電極部分よりも外側に位置してもよい。第4の電極部分は、さらに、第5の電極部分と、第5の電極部分と隣り合う第3の電極部分と、を第3の電極部分の一方の端側で接続してもよい。第5の電極部分は、それぞれが第2の方向に伸びている2個の第3の導電部と、2個の第3の導電部を第3の電極部分の他方の端側で電気的に接続する第4の導電部を備えていてもよい。この構成によれば、第2の電極の長さを長くすることができ、第2の電極の抵抗値を大きくすることができる。これにより、第2の状態において、測定対象の物理量の変化に対する第2の電極の抵抗値の変化量を大きくし得る。
【0012】
上記のセンサ装置を備えるセンサシステムも新規で有用である。このセンサシステムは、上記のセンサ装置と、特定装置と、を備える。特定装置は、センサ装置の少なくとも一部が液体内に配置されており、かつ、第3の接続部が上記の特定の部分に接続されている状態で、第1の接続部に第1の電源が接続されず、かつ、第2の接続部に第2の電源が接続されるときの第2の電極の抵抗値に基づいて、液体の温度を特定する。特定装置は、上記の特定の状態において、第1の接続部に第1の電源が接続され、かつ、第2の接続部に第2の電源が接続されていないときの第1の電極と第2の電極との間の静電容量と、特定された液体の温度と、に基づいて、液体の液位と、液体に含まれる特定の物体の濃度と、の少なくとも一方を特定する。
【0013】
第1の電極と第2の電極との間の静電容量を検出することによって、液体の液位と、液体に含まれる特定の物質の濃度の少なくとも一方を特定することができる。しかしながら、液体の誘電率は、液体の温度によって変化するため、液体の液位等を適切に特定するためには、液体の温度を考慮することが好ましい。上記のセンサシステムでは、第2の電極の抵抗値を検出することによって、液体の温度を特定することができる。この結果、液体の温度と、第1の電極と第2の電極との間の静電容量に基づいて、液体の液位と、液体に含まれる特定の物質の濃度の少なくとも一方を、適切に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施例のセンサシステムの概略を示す。
【図2】第2実施例のセンサシステムの概略を示す。
【図3】第3実施例のセンサ装置の正面図を示す。
【図4】変形例のセンサ装置の正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施例)
(センサシステム2の構成)
図1に示すように、センサシステム2は、センサ装置10と、特定装置50を備える。センサシステム2は、燃料タンク(図示省略)内に配置され、エタノールを含む混合燃料のエタノール濃度を特定するために用いられる。
【0016】
(特定装置50の構成)
特定装置50は、発振回路52と、抵抗器54と、信号増幅部56と、整流部58と、演算部(MCU)60と、スイッチ62を備える。
【0017】
発振回路52は、一定の周波数の信号(電圧)を発生する。発振回路52は、抵抗器54を介してスイッチ62に接続されている。スイッチ62は、発振回路52を、端子T1に接続する状態と、端子T2に接続する状態に切り替える。
【0018】
信号増幅部56は、抵抗器54とスイッチ62との間の位置P1に接続されている。信号増幅部56には、位置P1における信号(電圧)が入力される。信号増幅部56は、入力する信号(電圧)を増幅する。整流部58には、信号増幅部56で増幅された信号が入力する。整流部58は、入力した信号(電圧)を整流する。演算部60は、信号増幅部56及び整流部58を介して位置P1における信号(電圧)が入力される。演算部60は、整流部58から入力された信号の電圧値と、燃料の温度とを用いて、エタノール濃度を算出するための濃度データベースと、整流部58から入力された信号の電圧値を用いて、燃料の温度を特定するための温度データベースを記憶している。これらのデータベースは、予め試験等を元に作成され、演算部60に記憶されている。
【0019】
(センサ装置10の構成)
センサ装置10は、第1の電極12と、第2の電極14と、基板20を備える。基板20は、ポリイミドで形成されている。変形例では、基板20は、PPS(Poly Phenylene Sulfide Resin、ポリフェニレンサルファイド樹脂)で形成されていてもよい。基板20は、矩形状の平板である。
【0020】
基板20の一方の面には、第1の電極12と第2の電極14が配置されている。第1の電極12は、複数個(図1では5個)の第1の電極部分12b(なお、図1では1個の第1の電極部分12bのみに符号を付している)と、第2の電極部分12aを備える。複数個の第1の電極部分12bは、互いに平行に、燃料タンクの深さ方向(即ち燃料の深さ方向、図1のY方向)に垂直な方向(図1のX方向)に伸びている。複数個の第1の電極部分12bは、Y方向に等間隔に配置されている。複数個の第1の電極部分12bは、同一形状で形成されている。第2の電極部分12aは、Y方向に伸びている。第2の電極部分12aは、複数個の第1の電極部分12bの一方の端(図1の右側の端)に接続されている。これにより、複数個の第1の電極部分12bは、第2の電極部分12aに電気的に接続される。第2の電極部分12aの上端には、第1の電極12と端子T1とを接続する第1の接続部12cが設けられている。
【0021】
第2の電極14は、複数個(図1では4個)の第3の電極部分14a(なお、図1では1個の第3の電極部分14aのみに符号を付している)と、2個の第5の電極部分14f1,f2と、複数個(図1では5個)の第4の電極部分14gを備える。
【0022】
第3の電極部分14aのそれぞれは、隣り合う2個の第1の電極部分12bの間に配置されている。第3の電極部分14aのそれぞれは、2個の第1の導電部14bと、1個の第2の導電部14cを備える。2個の第1の導電部14bは、互いに平行に、Y方向に間隔を空けて配置されている。2個の第1の導電部14bは、X方向に伸びており、同一の長さを有する。第2の導電部14cは、Y方向に伸びており、第1の導電部14bの右側の端において、2個の第1の導電部14bを電気的に接続している。複数個の第3の電極部分14aは、同一形状で形成されている。
【0023】
一方の第5の電極部分14f2は、最も上方に位置する第1の電極部分12bよりも上方に配置されている。第5の電極部分14f2は、2個の第3の導電部14d2と、1個の第4の導電部14e2を備える。2個の第3の導電部14d2は、互いに平行に、Y方向に間隔を空けて配置されている。2個の第3の導電部14d2は、X方向に伸びている。なお、2個の第3の導電部14d2のうち、上方の第3の導電部14d2は、下方の第3の導電部14d2よりも短い。第4の導電部14e2は、Y方向に伸びており、第3の導電部14d2の右側の端において、第3の導電部14d2を電気的に接続している。
【0024】
他方の第5の電極部分14f1は、複数個の第1の電極部分12bのうちの最も下方に位置する第1の電極部分12bよりも下方に配置されている。第5の電極部分14f1は、2個の第3の導電部14d1と、1個の第4の導電部14e1を備える。2個の第3の導電部14d1は、互いに平行に、Y方向に間隔を空けて配置されている。2個の第3の導電部14d1は、X方向に伸びており、同一の長さを有する。第4の導電部14e1は、Y方向に伸びており、第3の導電部14d1の右側の端において、第3の導電部14d1を電気的に接続している。
【0025】
第5の電極部分14f1の第3の導電部14d1は、上方に位置する第5の電極部分14f2の第3の導電部14d2よりも長く、複数個の第3の電極部分14aの第1の導電部14bよりも長い。
【0026】
隣り合う2個の第3の電極部分14aはそれぞれ、第3の電極部分14a(即ち第1の導電部14b)の左側の端において、1個の第4の電極部分14gによって電気的に接続されている。詳細には、第4の電極部分14gは、隣り合う2個の第3の電極部分14aのうち、上方に位置する第3の電極部分14aの下側の第1の導電部14dと、下方に位置する第3の電極部分14aの上側の第1の導電部14dとを電気的に接続する。また、隣り合う第3の電極部分14aと第5の電極部分14f2とは、1個の第4の電極部分14gで接続されている。詳細には、第4の電極部分14gは、第5の電極部分14f2の下側の第3の導電部14d2と、第3の電極部分14aの上側の第1の導電部14bとを電気的に接続する。さらに、隣り合う第3の電極部分14aと第5の電極部分14f1とは、1個の第4の電極部分14gで接続されている。詳細には、第4の電極部分14gは、第5の電極部分14f1の上側の第3の導電部14d1と、第3の電極部分14aの下側の第1の導電部14bとを電気的に接続する。これにより、複数個の第3の電極部分14aと2個の第5の電極部分14f1,f2とが電気的に接続されている。
【0027】
第2の電極14は、第5の電極部分14f2の2個の第3の導電部14dのうち、上方に位置する第3の導電部14d2の左側の端から、Y方向に沿って基板20の上端まで伸びている。第2の電極14の基板20の上端に位置する部分には、第2の電極14と端子T2とを接続する第2の接続部14hが設けられている。
【0028】
また、第2の電極14は、第5の電極部分14f1の2個の第3の導電部14d1のうち、下方に位置する1個の第3の導電部14d1の左側の端から、Y方向に沿って基板20の上端まで伸びている延伸部14jを備える。延伸部14jの上端には、第2の電極14を接地するための第3の接続部14iが設けられている。
【0029】
第2の電極14では、第2の接続部14hから第3の接続部14iに至るまでに、2個の第5の電極部分14f1,f2と、複数個の第3の電極部分14aと、複数個の第4の電極部分14gが直列に接続され、一本の導電経路が形成されている。
【0030】
第1、第2の電極12,14は、銅、銀又は白金を主原料とする導電材で形成されている。第1、第2の電極12,14は、例えば、導電材を基板20上に蒸着させることによって形成することができる。第1の電極12と第2の電極14とは、同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。第1の電極12の各電極部分12a,12bの長手方向に垂直な方向の断面積(以下、第1の断面積という)は、同一である。第2の電極14の各電極部分14a,14f1,f2,14gの長手方向に垂直な方向の断面積(以下、第2の断面積という)は、同一である。第2の断面積は、第1の断面積よりも小さい。基板20に形成されている第1及び第2の電極12,14は、保護膜22によって覆われている。保護膜22は、基板20と同じ材料、即ちポリイミドで形成されている。なお、第1の電極12と第2の電極14とは、電気的に接続されていない。
【0031】
次いで、センサシステム2の動作について説明する。最初に、スイッチ62は、端子T2に接続される。これにより、発振回路52からの信号(電圧)は、第2の電極14の第2の接続部14hに印加される。この結果、第2の電極14の全体、即ち、2個の第5の電極部分14f1,f2と、複数個の第3の電極部分14aと、複数個の第4の電極部分14gを電流が流れる。第2の電極14は、抵抗器として機能する。第2の電極14は、燃料タンク内に設置されているため、第2の電極14のうち燃料内に位置する部分の温度は、燃料タンク内の燃料の温度と略等しい温度となっている。第2の電極14の抵抗値は、第2の電極14の温度(即ち燃料の温度)に依存して変化する。このため、第2の電極14の抵抗値を特定できると、燃料の温度を特定することができる。抵抗器54の抵抗値は一定であるため、第2の電極14の抵抗値に応じて、位置P1の電圧が変化する。したがって、位置P1の電圧を検出することで、第2の電極14の抵抗値を特定でき、燃料の温度を特定することができる。
【0032】
演算部60は、発振回路52の信号が第2の電極14に入力されている間に、整流部58から入力される信号の電圧値と温度データベースとを用いて、燃料の温度を特定する。
【0033】
続いて、スイッチ62は、端子T1に接続される。これにより、発振回路52からの信号(電圧)は、第1の電極12に印加される。第2の電極14は、第2の接続部14hが開放され、第3の接続部14iによって接地された状態となっている。この結果、第1の電極12と第2の電極14との間に、電荷が蓄えられる。第1の電極12と第2の電極14との静電容量は、燃料のエタノール濃度によって変化する。従って、第1の電極12と第2の電極14との静電容量が特定できると、燃料内のエタノール濃度を特定することができる。抵抗器54の抵抗値は一定であるため、第1の電極12と第2の電極14との静電容量に応じて、位置P1の電圧が変化する。したがって、位置P1の電圧を検出することで、第1の電極12と第2の電極14との静電容量を特定でき、燃料内のエタノール濃度を特定することができる。なお、第1の電極12と第2の電極14との静電容量は、燃料の温度によっても変化する。
【0034】
演算部60は、発振回路52からの信号が第1の電極12に入力されている間に、整流部58から入力する信号の電圧値(即ち第1の電極12に印加される電圧値)と、特定済みの燃料の温度と、濃度データベースとを用いて、エタノール濃度を特定する。
【0035】
センサシステム2では、センサ装置10を用いて、燃料の温度を特定することができる。センサシステム2では、さらに、センサ装置10を用いて、燃料のエタノール濃度を特定することができる。この構成によれば、複数個のセンサ装置を用いることなく、燃料の温度とエタノール濃度とを特定することができる。
【0036】
第2の電極14の各電極部分14a,14f1,f2,14gの断面積(第2の断面積)は、第1の電極12の各電極部分12a,12bの断面積(第1の断面積)よりも小さい。この構成では、第2の断面積を第1の断面積と等しくする場合と比較して、第2の電極14の抵抗値を大きくすることができる。この結果、燃料の温度変化に応じた第2の電極14の抵抗値の変化量を大きくでき、燃料の温度に対するセンサ感度を向上することができる。
【0037】
第2の電極14では、複数個の第3の電極部分のそれぞれは、2個の第1の導電部14bと、1個の第2の導電部14cを備える。第2の電極14に電圧が印加されると、複数個の第3の電極部分のそれぞれについて、2個の第1の導電部14bと、1個の第2の導電部14cに電流が流れる。この構成によれば、第2の電極14の全長、即ち、電流が流れる導電経路を長くすることができる。これにより、第2の電極14の抵抗値が大きくなる。この結果、燃料の温度変化に応じた第2の電極14の抵抗値の変化量を大きくでき、燃料の温度に対するセンサ感度を向上することができる。
【0038】
第2の電極14は、第5の電極部分14f1,f2を備える。この構成によれば、第2の電極14の全長、即ち、電流が流れる電流経路を長くすることができる。これにより、第2の電極14の抵抗値が大きくなる。この結果、燃料の温度変化に応じた第2の電極14の抵抗値の変化量を大きくでき、燃料の温度に対するセンサ感度を向上することができる。
【0039】
1個の発振回路52によって、第1の電極12と第2の電極14とに電圧が印加される。この構成によれば、電極ごとに電源を設ける場合と比較して、特定装置50の構成を簡素化することができる。
【0040】
(第2実施例)
図2に示すように、センサシステム100は、センサ装置10と、特定装置150と、を備える。センサ装置10は、第1実施例のセンサ装置10と同一の構成である。
【0041】
特定装置150は、発振回路152と、抵抗器154と、信号増幅部156と、整流部158と、演算部(MCU)160を備える。各部152〜160は、第1実施例の各部50〜60と同一の構成である。特定装置150は、さらに、直流電源168と、抵抗器166と、スイッチ162,164を備える。
【0042】
スイッチ162は、発振回路152と第1の電極12とを、接続する状態と切断する状態に切り替える。なお、信号増幅部156は、抵抗器154とスイッチ162との間の位置P2に接続されている。直流電源168は、抵抗器166を介して、スイッチ164に接続されている。スイッチ164は、直流電源168と第2の電極14とを、接続する状態と切断する状態に切り替える。
【0043】
演算部160は、スイッチ164と第2の電極14との間の位置P3に接続されている。この結果、演算部160には、直流電源168が第2の電極14に接続されている間に、位置P3における信号(電圧)が入力する。
【0044】
スイッチ164によって直流電源168と第2の電極14が接続され、スイッチ162によって発振回路152と第1の電極12が切断されている状態では、第2の電極14の全体を電流が流れる。第2の電極14は、抵抗器として機能する。演算部160には、位置P3における信号(電圧)が入力される。演算部160は、入力された信号の電圧値と温度データベースとを用いて、燃料の温度を特定することができる。
【0045】
一方、スイッチ164によって直流電源168と第2の電極14が切断され、スイッチ162によって発振回路152と第1の電極12が接続されている状態では、第1の電極12と第2の電極14との間に、電荷が蓄えられる。演算部160は、発振回路152からの信号電圧が第1の電極12に印加されている間に、整流部158から入力する信号の電圧値(即ち第1の電極12に印加される電圧)と、特定済みの燃料の温度と、濃度データベースとを用いて、エタノール濃度を特定する。
【0046】
第2実施例の構成でも、第1実施例と同様の効果を奏することができる。
【0047】
また、特定装置150は、第1の電極12に電圧を印加する発振回路152と、第2の電極14に電圧を印加する直流電源168とが、別個に設けられている。この構成によれば、電極12,14毎に、特定すべき物理量に合わせて、適切な電圧信号を選択することができる。
【0048】
(第3実施例)
図3に示すように、第3実施例のセンサ装置200は、第1の電極202と、第2の電極204と、第3の電極206と、基板220を備える。
【0049】
基板220の一方の面には、3個の電極202,204,206が配置されている。第1の電極202は、複数個(図1では5個)の第1の電極部分202b(なお、図3では1個の第1の電極部分202bのみに符号を付している)と、第2の電極部分202aを備える。第1の電極部分202bと第2の電極部分202aとは、第1の電極部分12bと第2の電極部分12aと同様の構成を有する。第2の電極202は、さらに、第2の電極部分202aの上端(最も上に位置する第1の電極部分202bに接続されている部分)から基板220の上端まで、Y方向に伸びる延長部分202dを備える。なお、延長部分202dの上端には、発振回路(図示省略)に接続される第1の接続部202cが設けられている。
【0050】
第1の電極202の延長部分202dと第2の電極204との間には、第3の電極206が配置されている。第3の電極206は、第1の電極部分202bよりも上側に位置する。
【0051】
第3の電極206は、複数個(図3では26個)の第6の電極部分206b(なお、図3では1個の第6の電極部分206bのみに符号を付している)と第7の電極部分206aとを備える。複数個の第6の電極部分206bは、互いに平行に、X方向に伸びている。複数個の第6の電極部分206bは、Y方向に等間隔に配置されている。複数個の第6の電極部分206bは、同一形状で形成されている。第7の電極部分206aは、Y方向に伸びている。第7の電極部分206aは、複数個の第1の電極部分206bの一方の端(図3の右側の端)に接続されている。これにより、複数個の第6の電極部分206bは、第7の電極部分206aに電気的に接続される。第7の電極部分206aの上端には、発振回路(図示省略)に接続される第4の接続部206cが設けられている。
【0052】
第6の電極部分206bは、第1の電極部分202bに平行に配置されている。第6の電極部分206bの長さ(X方向の長さ)は、第1の電極部分202bの長さ(X方向の長さ)よりも短い。
【0053】
第2の電極204は、複数個の第3の電極部分204aと、複数個の第5の電極部分204f1〜f4と、複数個の第4の電極部分204gと、を備える。複数個の第3の電極204aは、第1の電極202に対応する複数個(図3では4個)の下方第3の電極部分204a1と、第3の電極206に対応する複数個(図3では25個)の上方第3の電極部分204a2と、を備える。なお、図3では、第3の電極部分204aと、下方第3の電極部分204a1と、上方第3の電極部分204a2と、第4の電極部分204gと、のそれぞれについて、1個の電極部分のみに符号を付している。
【0054】
下方第3の電極部分204a1のそれぞれは、隣り合う2個の第1の電極部分202bの間に配置されている。下方第3の電極部分204a1のそれぞれは、2個の下方第1の導電部204b1と、1個の下方第2の導電部204c1を備える。2個の下方第1の導電部204b1は、互いに平行に、Y方向に間隔を空けて配置されている。2個の下方第1の導電部204b1は、X方向に伸びており、同一の長さを有する。下方第2の導電部204c1は、Y方向に伸びており、下方第1の導電部204b1の右側の端において、2個の下方第1の導電部204b1を電気的に接続している。複数個の下方第3の電極部分204a1は、同一形状で形成されている。
【0055】
上方第3の電極部分204a2のそれぞれは、隣り合う2個の第6の電極部分206bの間に配置されている。上方第3の電極部分204a2のそれぞれは、2個の上方第1の導電部204b2と、1個の上方第2の導電部204c2を備える。2個の上方第1の導電部204b2は、互いに平行に、Y方向に間隔を空けて配置されている。2個の上方第1の導電部204b2は、X方向に伸びており、同一の長さを有する。上方第2の導電部204c2は、Y方向に伸びており、上方第1の導電部204b2の右側の端において、2個の上方第1の導電部204b2を電気的に接続している。複数個の上方第3の電極部分204a2は、同一形状で形成されている。
【0056】
第3の電極204の下端には、1個の第5の電極部分204f1が配置されている。第5の電極部分204f1は、最も下方に位置する第1の電極部分202bよりも下方に配置されている。第5の電極部分204f1は、2個の第3の導電部204d1と、1個の第4の導電部204e1を備える。2個の第3の導電部204d1は、互いに平行に、Y方向に間隔を空けて配置されている。2個の第3の導電部204d1は、X方向に伸びており、同一の長さを有する。なお、第3の導電部204d1のX方向の長さは、下方第1の導電部204b1よりも長い。第4の導電部204e1は、Y方向に伸びており、第3の導電部204d1の右側の端において、2個の第3の導電部204d1を電気的に接続している。
【0057】
最も上方に位置する第1の電極部分202bと最も下方に位置する第6の電極部分206bとの間には、2個の第5の電極部分204f2,f3が配置されている。第5の電極部分204f2は、2個の第3の導電部204d2と、1個の第4の導電部204e2を備える。第5の電極部分204f2は、下方第3の電極部分204a1と同一の形状を有する。2個の第3の導電部204d2は、2個の下方第1の導電部204b1に対応し、1個の第4の導電部204e2は、1個の下方第2の導電部204c1に対応する。
【0058】
第5の電極部分204f3は、第5の電極部分204f2と第6の電極部分206bとの間に配置されている。第5の電極部分204f3は、2個の第3の導電部204d3と、1個の第4の導電部204e3を備える。第5の電極部分204f3は、上方第3の電極部分204a2と同一の形状を有する。2個の第3の導電部204d3は、2個の上方第1の導電部204b2に対応し、1個の第4の導電部204e3は、1個の上方第2の導電部204c2に対応する。
【0059】
第3の電極部分204aの上端には、1個の第5の電極部分204f4が配置されている。第5の電極部分204f4は、最も上方に位置する第6の電極部分206bよりも上方に配置されている。第5の電極部分204f4は、2個の第3の導電部204d4と、1個の第4の導電部204e4と、を備える。第5の電極部分204f4は、上方第3の電極部分204a2と同一の形状を有する。2個の第3の導電部204d4は、2個の上方第1の導電部204b2に対応し、1個の第4の導電部204e4は、1個の上方第2の導電部204c2に対応する。
【0060】
隣り合う2個の下方第3の電極部分204a1はそれぞれ、下方第3の電極部分204a1(即ち下方第1の導電部204b1)の左側の端において、1個の第4の電極部分204gによって電気的に接続されている。隣り合う2個の上方第3の電極部分204a2はそれぞれ、上方第3の電極部分204a2(即ち上方第1の導電部204b2)の左側の端において、1個の第4の電極部分204gによって、電気的に接続されている。
【0061】
隣り合う下方第3の電極部分204a1と第5の電極部分204f1と、隣り合う下方第3の電極部分204a1と第5の電極部分204f2とは、それぞれ、下方第3の電極部分204a1の左側の端において、1個の第4の電極部分204gで接続される。隣り合う上方第3の電極部分204a2と第5の電極部分204f3と、隣り合う上方第3の電極部分204a2と第5の電極部分204f4とは、それぞれ、上方第3の電極部分204a2の左側の端において、1個の第4の電極部分204gで接続される。さらに、隣り合う第5の電極部分204f2と第5の電極部分204f3とは、上方第5の電極部分204f2の左側の端において、1個の第4の電極部分204gで接続される。これにより、複数個の第3の電極部分14aと4個の第5の電極部分14fとが電気的に接続されている。なお、第4の電極部分204gは、Y方向に沿って伸びている。
【0062】
なお、第4の電極部分204gは、第1実施例の第4の電極部分14gと同様に、隣り合う2個の電極部分のうち、上方に位置する電極部分の下側の導電部と、下方に位置する電極部分の上側の導電部とを電気的に接続する。
【0063】
第2の電極204は、第5の電極部分204f4の2個の第3の導電部204d4のうち、上方に位置する第3の導電部204d4の左側の端から、Y方向に沿って基板220の上端まで伸びている。第2の電極204の基板220の上端に位置する部分には、第2の電極204と端子T2とを接続する第2の接続部204hが設けられている。
【0064】
また、第2の電極204は、第5の電極部分204f1の2個の第3の導電部204d1のうち、下方に位置する第3の導電部204d1の左側の端から、Y方向に沿って、基板220の上端まで伸びている延伸部204jを備える。延伸部204jの上端には、第2の電極204を接地するための第3の接続部204iが設けられている。
【0065】
第2の電極204では、第2の接続部204hから第3の接続部204iに至るまでに、複数個の第5の電極部分204f1〜4と、複数個の第3の電極部分204aと、複数個の第4の電極部分204gが直列に接続され、一本の導電経路が形成されている。
【0066】
第1、第2、第3の電極202,204,206は、第1実施例の第1、第2の電極12,14と同様に形成されていてもよい。第1、第2、第3の電極202,204,206とは、同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。第1の電極202の各電極部分202a,202bの長手方向に垂直な方向の断面積(以下、第3の断面積という)は、同一である。第3の電極206の各電極部分206a,206bの長手方向に垂直な方向の断面積(以下、第4の断面積という)は、同一である。第2の電極204の各電極部分204a等の長手方向に垂直な方向の断面積(以下、第2の断面積という)は、同一である。第1の断面積と第3の断面積とは同一であり、第2の断面積は、第1、第3の断面積よりも小さい。
【0067】
センサ装置200の使用方法について説明する。センサ装置200は、例えば、混合燃料の燃料タンク内に、Y方向が深さ方向となるように収容される。センサ装置200の一部は、燃料タンク内の燃料に浸かった状態で使用される。詳細には、センサ装置200のうち、第1の電極202の第1の電極部分202bは、常時、燃料に浸かった状態であり、第3の電極206は、燃料の液位に応じて、燃料に浸かっている長さが異なる。
【0068】
燃料の温度を特定すべき場合、図示省略した発振回路からの信号(電圧)を、第2の接続部204hに印加する。この結果、第2の電極204は、抵抗器として機能する。第2の電極204に電圧が印加されると、第2の電極204の全体、即ち、複数個の第5の電極部分204fと、複数個の第3の電極部分204aと、複数個の第4の電極部分204gを電流が流れる。これにより、燃料の温度に依存して変化する第2の電極204の抵抗値を特定できると、燃料の温度を特定することができる。
【0069】
燃料のエタノール濃度を特定すべき場合、図示省略した発振回路からの信号(電圧)を、第1の接続部202cに印加する。第2の電極204は、第3の接続部204iによって接地された状態となっている。この結果、第2の電極202と第2の電極204との間に、電荷が蓄えられる。第1の電極202と第2の電極204との静電容量は、燃料のエタノール濃度によって変化する。従って、第1の電極202と第2の電極204との静電容量が特定できると、燃料内のエタノール濃度を特定することができる。この際、第1実施例と同様に、燃料の温度を考慮することによって、燃料内のエタノール濃度を、より適切に特定することができる。
【0070】
燃料の液位を特定すべき場合、図示省略した発振回路からの信号(電圧)を、第4の接続部206cに印加をする。なお、第2の電極204は、第3の接続部204iによって接地された状態となっている。この結果、第3の電極206と第2の電極204との間に、電荷が蓄えられる。第3の電極206と第2の電極204との静電容量は、燃料に浸かっている第3の電極206(及び第2の電極204)の長さに依存して変化する。従って、第3の電極206と第2の電極204との静電容量を特定することによって、燃料の液位を特定することができる。なお、第3の電極206と第2の電極204との静電容量は、燃料の温度とエタノール濃度とによっても変化するため、燃料の温度とエタノール濃度とを考慮することによって、燃料の液位を、より適切に特定することができる。
【0071】
第3実施例の構成でも、第1実施例と同様の効果を奏することができる。さらに、センサ装置200では、3個の電極を用いて、3個の物理量(燃料の温度、エタノール濃度及び液位)を特定することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0073】
(変形例)
(1)センサ装置は、第1の電極302と、第2の電極304と、第3の電極306と、を備えるセンサ装置300であってもよい。第1の電極302は、第1実施例の第1の電極12と同様に、第1の電極部分302bと第2の電極部分302aとを備えていてもよい。第3の電極306は、第1の電極302に対して、対称に配置されていてもよい。即ち、第3の電極306は、第1の電極302と同様に、第1の電極部分306bと第2の電極部分306aとを備えていてもよい。第2の電極304は、隣り合う第1の電極部分306bの間と、隣り合う第1の電極部分302bの間と、に配置される複数個(図4では8個)の第3の電極部分304aを備えていてもよい。第2の電極304は、さらに、その上端側に、2個の第5の電極部分304bを備えていてもよい。複数個の第3の電極部分304aと2個の第5の電極部分304bとのうちの隣り合う電極部分は、第4の電極部分304cで接続されていてもよい。
【0074】
センサ装置300は、第2の電極304が接地されている状態で、第1,第3の電極302,306に、同一の信号(電圧)を印加してもよい。これにより、第1,第3の電極302,306と第2の電極304との間の静電容量を特定することができる。さらに、第2の電極304に電圧を印加することによって、第2の電極304の抵抗値を特定することができる。センサ装置300によっても、第1実施例と同様の効果を奏することができる。
【0075】
(2)上記の第1実施例では、第2の導電部14cは、第2の導電部14bの右端において、2個の第2の導電部14bを接続している。しかしながら、第2の導電部14cは、第2の導電部14bの右端から所定の距離だけ左側の位置において、2個の第2の導電部14bを接続していてもよい。この構成も、「2個の第1の導電部を、第3の電極部分の他方の端側で電気的に接続する第2の導電部」に含まれる。
【0076】
(3)上記の各実施例では、センサ装置10等は、燃料の温度、エタノール濃度及び液位を特定するために用いられている。しかしながら、センサ装置10等は、粒状の物体(例えば米)の貯留タンク内に配置されていてもよい。この場合、センサ装置10は、粒状の物体の温度と貯留量とを特定するために用いてもよい。
【0077】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0078】
2:センサシステム
10:センサ装置
12:第1の電極
12a:第2の電極部分
12b:第1の電極部分
12c:第1の接続部
14:第2の電極
14a:第3の電極部分
14b:第1の導電部
14c:第2の導電部
14d1,d2:第3の導電部
14e1,e2:第4の導電部
14f1,f2:第5の電極部分
14g:第4の電極部分
14h:第2の接続部
14i:第3の接続部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電源に電気的に接続可能な第1の接続部が設けられている第1の電極と、
第2の電源に電気的に接続可能な第2の接続部が一端に設けられ、特定の電位に維持される特定の部分に電気的に接続可能な第3の接続部が他端に設けられている第2の電極と、を備え、
前記第1の電極は、
第1の方向に間隔を空けて配置されており、それぞれが前記第1の方向と異なる第2の方向に伸びている複数個の第1の電極部分と、
前記複数個の第1の電極部分を電気的に接続する第2の電極部分と、を備え、
前記第2の電極は、
前記第1の方向に間隔を空けて配置されており、それぞれが前記第2の方向に伸びており、隣り合う2個の前記第1の電極部分の間に配置されている複数個の第3の電極部分と、
前記複数個の第3の電極部分の一方の端側に配置されており、前記複数個の第3の電極部分のそれぞれについて、当該第3の電極部分と隣り合う前記第3の電極部分とを電気的に接続する第4の電極部分と、を備え、
前記複数個の第3の電極部分のうちの少なくとも1個の前記第3の電極部分は、
それぞれが前記第2の方向に伸びている2個の第1の導電部と、
前記2個の第1の導電部を、前記第3の電極部分の他方の端側で電気的に接続する第2の導電部と、を備える、センサ装置。
【請求項2】
前記第3の電極部分の断面積は、前記第1の電極部分の断面積及び前記第2の電極部分の断面積よりも小さく、
前記第4の電極部分の断面積は、前記第1の電極部分の断面積及び前記第2の電極部分の断面積よりも小さい、請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記複数個の第3の電極のそれぞれが、
前記第2の方向に伸びている前記2個の第1の導電部と、
前記2個の第1の導電部を、前記第3の電極部分の他方の端側で電気的に接続する前記第2の導電部と、
を備える、請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記第2の電極は、
前記複数個の第1の電極部分のうち、前記第1の方向において、両端に配置される前記第1の電極部分のうちの少なくとも一方の前記第1の電極部分よりも外側に位置する第5の電極部分を、さらに備え、
前記第4の電極部分は、さらに、前記第5の電極部分と、前記第5の電極部分と隣り合う前記第3の電極部分と、を前記第3の電極部分の前記一方の端側で接続し、
前記第5の電極部分は、それぞれが前記第2の方向に伸びている2個の第3の導電部と、前記2個の第3の導電部を、前記第3の電極部分の他方の端側で電気的に接続する第4の導電部と、
を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサ装置と、
特定装置と、を備え、
前記特定装置は、
前記センサ装置の少なくとも一部が液体内に配置されており、かつ、前記第3の接続部が前記特定の部分に接続されている特定の状態において、前記第1の接続部に前記第1の電源が接続されず、かつ、前記第2の接続部に前記第2の電源が接続されるときの前記第2の電極の抵抗値に基づいて、前記液体の温度を特定し、
前記特定の状態において、前記第1の接続部に前記第1の電源が接続され、かつ、前記第2の接続部に前記第2の電源が接続されてないときの前記第1の電極と前記第2の電極との間の静電容量と、特定された前記液体の温度と、に基づいて、前記液体の液位と、前記液体に含まれる特定の物体の濃度と、の少なくとも一方を特定する、センサシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−79883(P2013−79883A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220450(P2011−220450)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000116574)愛三工業株式会社 (1,018)
【Fターム(参考)】