説明

センサ装置

【課題】母基板への実装が容易となったセンサ装置を提供する。
【解決手段】センサ基板(10)と、回路基板(30)と、パッケージ(50)と、を有し、パッケージ(50)が母基板(200)に実装されるセンサ装置であって、パッケージ(50)は、底部(51)と、該底部(51)に形成された環状の側壁部(52)と、該側壁部(52)の開口部を閉塞する蓋部(53)と、を有し、センサ基板(10)は、底部(51)、側壁部(52)、及び、蓋部(53)によって構成された密閉空間内に配置され、回路基板(30)は、密閉空間の外部に配置され、回路基板(30)が接続された底部(51)の外壁面(51b)には、z方向の長さが、回路基板(30)よりも長い凸部(56)が形成され、該凸部(56)と母基板(200)とが接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ基板と、該センサ基板の出力信号を処理する処理回路が形成された回路基板と、センサ基板及び回路基板が登載されるパッケージと、を有し、該パッケージが母基板に実装されるセンサ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるように、凹形状を成すメタライズド基板(セラミックスの多層基板)の内面に振動子が搭載され、メタライズド基板の開口部が金属製のふたによって閉塞され、メタライズド基板の外面に回路素子が搭載された角速度検出装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−153430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したように、特許文献1に示される角速度検出装置では、メタライズド基板の外面に回路素子が搭載されているが、この回路素子が搭載された外面を、母基板と電気的及び機械的に接続するためには、回路素子と母基板との接触を避けなくてはならない。これを実現するには、回路素子の厚さよりも長い接続部材を特別に用意しなくてはならず、角速度検出装置(メタライズド基板)の母基板への実装が煩わしい、という問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、母基板への実装が容易となったセンサ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、物理量を電気信号に変換するセンサ素子(14)が形成されたセンサ基板(10)と、該センサ基板(10)の出力信号を処理する処理回路(31)が形成された回路基板(30)と、センサ基板(10)及び回路基板(30)が登載されるパッケージ(50)と、を有し、該パッケージ(50)が母基板(200)に実装されるセンサ装置であって、パッケージ(50)は、底部(51)と、該底部(51)に形成された、互いに直交の関係にあるx方向とy方向とによって規定されるx−y平面の形状が環状の側壁部(52)と、該側壁部(52)の開口部を閉塞する蓋部(53)と、を有し、底部(51)及び側壁部(52)は、絶縁材料から成る壁部(54)と、該壁部(54)の内部に設けられた内部配線(55)と、を有し、底部(51)、側壁部(52)、及び、蓋部(53)によって密閉空間が構成され、センサ基板(10)は、密閉空間内に配置され、底部(51)の内壁面(51a)と機械的及び電気的に接続され、回路基板(30)は、密閉空間の外部に配置され、底部(51)の外壁面(51b)と機械的及び電気的に接続され、底部(51)の外壁面(51b)には、x−y平面に直交するz方向の長さが、回路基板(30)よりも長い凸部(56)が形成され、該凸部(56)と母基板(200)とが接続されていることを特徴とする。
【0007】
このように本発明によれば、回路基板(30)が接続された底部(51)の外壁面(51b)に、母基板(200)と接続される凸部(56)が形成されている。そして、凸部(56)のz方向の長さは、回路基板(30)のz方向の長さ(厚さ)よりも長くなっている。したがって、凸部(56)と母基板(200)とを接続する際に、回路基板(30)と母基板(200)との接触が抑制される。これによれば、回路基板(30)と母基板(200)との接触を回避しつつ、パッケージ(50)と母基板(200)とを接続するための接続部材を、特別に用意しなくとも良くなる。そのため、母基板(200)へのセンサ装置(100)の実装(接続)が容易となる。
【0008】
請求項2に記載のように、凸部(56)は、x−y平面の形状が環状を成し、凸部(56)、母基板(200)、及び、底部(51)によって囲まれた空間内に、回路基板(30)が配置された構成が好適である。これによれば、密閉空間の外に配置された回路基板(30)が、外部環境に晒されなくなるので、回路基板(30)の損傷が抑制される。
【0009】
請求項3に記載のように、センサ素子(14)は、x−y平面に変位可能な振動子と、該振動子をx方向に振動するための加振部と、振動子に設けられた可動電極と、該可動電極とy方向にて対向する固定電極と、を有し、z方向の角速度を、可動電極と固定電極とによって構成されるコンデンサの静電容量に変換する角速度センサ素子(14)であり、密閉空間の気圧は、1気圧よりも低い低圧状態であり、センサ基板(10)は、第1接続部材(70)を介して、底部(51)の内壁面(51a)と機械的及び電気的に接続され、回路基板(30)は、第2接続部材(71)を介して、底部(51)の外壁面(51b)と機械的及び電気的に接続された構成が好ましい。
【0010】
このように、角速度を静電容量に変換するセンサ素子(14)が形成されたセンサ基板(10)が、低圧状態の密閉空間内に配置されている。そのため、空気粘性のために、x方向の振動がy方向に漏れることが抑制され、漏れた振動(以下、漏れ振動と示す)によってコンデンサの静電容量が変動することが抑制される。これにより、角速度の検出精度の低下が抑制される。
【0011】
また、回路基板(30)が密閉空間の外部に設けられ、回路基板(30)とパッケージ(50)とを機械的及び電気的に接続する第2接続部材(71)も密閉空間の外部に設けられている。これによれば、センサ基板とパッケージとを機械的及び電気的に接続する第1接続部材と、上記した第2接続部材とが密閉空間に設けられた構成と比べて、経時変化により接続部材から揮発する成分の量が少なくなる。このため、密閉空間の低圧状態が損なわれることが抑制され、x方向の振動が、y方向に漏れることが抑制される。これにより、漏れ振動によってコンデンサの静電容量が変動することが抑制され、角速度の検出精度の低下が抑制される。なお、上記した経時変化により接続部材から揮発する成分とは、残留溶剤、接続部材の母材などである。
【0012】
請求項4に記載のように、底部(51)の内部には、センサ基板(10)と回路基板(30)とを電気的に遮蔽するシールド層(57)が設けられた構成が良い。これによれば、回路基板(30)にて生じた電気ノイズによって、コンデンサの静電容量が変動することが抑制される。これにより、角速度の検出精度の低下が抑制される。
【0013】
なお、上記したシールド層の具体的な構成としては、請求項5に記載のように、シールド層(57)は、グランドに接続された金属層である構成を採用することができる。
【0014】
請求項6に記載のように、センサ基板(10)は、第1接続部材(70)を介して、底部(51)の内壁面(51a)と機械的及び電気的に接続され、回路基板(30)は、第2接続部材(71)を介して、底部(51)の外壁面(51b)と機械的及び電気的に接続されており、対応する第1接続部材(70)と第2接続部材(71)とを電気的に接続する内部配線(55)は、底部(51)の内壁面(51a)と外壁面(51b)とに直交するように、z方向に延びている構成が好ましい。
【0015】
これによれば、対応する第1接続部材(70)と第2接続部材(71)とを電気的に接続する内部配線(55)の配線長が、最短となる。そのため、内部配線(55)を流れる電流にて生じる電気ノイズを少なくすることができる。
【0016】
請求項7に記載のように、凸部(56)と母基板(200)とは、半田を介して機械的及び電気的に接続され、第1接続部材(70)及び第2接続部材(71)は、半田よりも融点の高い導電材料から成る構成が良い。これによれば、センサ装置(100)と母基板(200)とを半田接合する際の熱によって、第1接続部材(70)と第2接続部材(71)とが溶融することが抑制される。
【0017】
請求項8に記載のように、凸部(56)は、底部(51)の一部である構成が良い。これによれば、凸部が底部とは別部材である構成と比べて、部品点数が低減される。
【0018】
請求項9に記載のように、絶縁材料は、セラミックである構成が良い。この場合、パッケージ(50)はセラミックパッケージとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態に係るセンサ装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すパッケージの上面図である。
【図3】図1に示すパッケージの下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るセンサ装置の概略構成を示す平面図である。図2は、図1に示すパッケージの上面図である。図3は、図1に示すパッケージの下面図である。なお、後述するパッケージ50と、センサ基板10、回路基板30、及び、接続部材70,71それぞれとの配置位置を明りょうとするために、図2では、センサ基板10と第1接続部材70とを破線で示し、図3では、回路基板30と第2接続部材71とを破線で示している。以下においては、互いに直交の関係にあるx方向とy方向とによって規定される平面をx−y平面、該x−y平面に直交する方向をz方向と示す。
【0021】
図1に示すように、センサ装置100は、要部として、センサ基板10と、回路基板30と、パッケージ50と、を有する。センサ基板10は、パッケージ50によって構成される密閉空間内に配置され、回路基板30は、パッケージ50の外部に配置されている。本実施形態に係るパッケージ50はセラミックパッケージであり、第1接続部材70を介してセンサ基板10と機械的及び電気的に接続され、第2接続部材71を介して回路基板30と機械的及び電気的に接続されている。また、パッケージ50(センサ装置100)は、半田(図示略)を介して、他の電子デバイスが実装される母基板200と機械的及び電気的に接続されている。接続部材70,71は、半田よりも融点の高い材料から成り、そのような材料としては、例えば、Auなどが採用される。
【0022】
センサ基板10は、2つの半導体層11,12の間に絶縁層13が挟まれて成るSOI基板である。センサ基板10には物理量を電気信号に変換するセンサ素子14が形成されており、このセンサ素子14は、周知の露光技術を用いて、第2半導体層12と絶縁層13とを所定形状にエッチングすることで形成される。センサ素子14は、絶縁層13を介さずに、第1半導体層11に対して第2半導体層12が浮いた浮遊部15と、絶縁層13を介して、第1半導体層11に対して第2半導体層12が固定された固定部16と、を有する。図示しないが、浮遊部15は、x−y平面に変位可能な振動子と、該振動子に形成された検出可動電極と、該検出可動電極と対向する検出固定電極とを有し、これら2つの検出電極によって検出コンデンサが構成されている。検出固定電極は固定部16に連結されており、外力(物理量)がセンサ装置100に印加されると、振動子とともに可動電極が変位し、検出コンデンサの静電容量が変動する。このように、センサ素子14では、外力(物理量)が静電容量に変換される。
【0023】
図示しないが、第2半導体層12には、第1接続部材70と接続するためのパッドが形成されており、このパッドと、対応する第1接続部材70とが機械的及び電気的に接続されている。センサ基板10から出力された静電容量の変化は、接続部材70,71とパッケージ50とを介して、回路基板30に入力される。
【0024】
本実施形態では、センサ素子14として、静電容量式の角速度センサ素子がセンサ基板10に形成されている。図示しないが、この場合、振動子には、固定部16に連結された加振固定電極とx方向にて対向する加振可動電極、及び、上記した検出固定電極とy方向にて対向する検出可動電極が形成されている。2つの加振電極間には、後述する電圧生成回路32にて生成される電圧印加によって、周期的に作用方向が反転する静電気力が発生するようになっており、この静電気力によって、振動子は絶えずx方向に振動している。この振動状態の振動子に、z方向に沿う角速度が印加されると、y方向に沿うコリオリ力が振動子に発生する。すると、このコリオリ力によって振動子(検出可動電極)がy方向に変位(振動)し、検出コンデンサの静電容量が変動する。なお、加振可動電極と加振固定電極が、特許請求の範囲に記載の加振部に相当する。
【0025】
回路基板30は、半導体基板であり、その主面に処理回路31、電圧生成回路32、及び、第2接続部材71と接続するためのパッド(図示略)が形成されている。処理回路31は、センサ基板10の出力信号を処理するものであり、主として、センサ基板10にて検出された角速度に依存する静電容量を電圧に変換する機能を果たす。電圧生成回路32は、振動子をx方向に振動するための電圧を生成するものであり、主として、周期的に極性が変動する電圧と、一定電圧とを生成する機能を果たす。接続部材70,71とパッケージ50とを介して、上記した加振固定電極に周期性の電圧が印加され、加振可動電極(振動子)に一定電圧が印加される。この電圧印加により、2つの加振電極間にx方向にて作用方向が周期的に変化する静電気力が発生し、この静電気力によって振動子がx方向に振動する。
【0026】
パッケージ50は、センサ基板10及び回路基板30を母基板200に機械的及び電気的に接続するものである。図1及び図2に示すように、パッケージ50は、底部51と、該底部51に形成された、x−y平面の形状が環状の側壁部52と、該側壁部52の開口部を閉塞する蓋部53と、を有する。底部51及び側壁部52は、絶縁材料(セラミック)から成る壁部54と、該壁部54の内部に設けられた、導電材料(銅やアルミニウム)から成る内部配線55と、を有し、蓋部53は金属材料から成る。
【0027】
図1に示すように、底部51、側壁部52、及び、蓋部53によって密閉空間が構成されており、この密閉空間は1気圧よりも低い低圧状態となっている。この低圧状態の密閉空間内にセンサ基板10が配置され、密閉空間外に回路基板30が配置されている。そして、図2及び図3に示すように、センサ基板10は、底部51の内壁面51aと第1接続部材70を介して機械的及び電気的に接続され、回路基板30は、底部51の外壁面51bと第2接続部材71を介して機械的及び電気的に接続されている。そして、内壁面51aに4つの第1接続部材70が設けられ、外壁面51bに4つの第2接続部材71が設けられ、対応する第1接続部材70と第2接続部材71とが、底部51を介して、z方向にて対向している。図1に示すように、対応する第1接続部材70と第2接続部材71とを電気的に接続する内部配線55は、底部51の内壁面51aと外壁面51bとに直交するように、z方向に延びている。
【0028】
図1及び図3に示すように、底部51の外壁面51bには、z方向の長さが、回路基板30よりも長い凸部56が形成され、該凸部56と母基板200とが機械的及び電気的に接続されている。本実施形態に係る凸部56は底部51の一部であり、上記した壁部54と内部配線55から成る。凸部56における母基板200との接合面に露出した内部配線55が外部電極としての機能を果たしている。
【0029】
凸部56は、x−y平面の平面形状が環状を成しており、凸部56、母基板200、及び、底部51によって囲まれた空間内に、回路基板30が配置されている。また、図1に示すように、底部51の内部には、内部配線55と同一材料から成るシールド層57が設けられており、このシールド層57はグランドに接続されている。シールド層57は、センサ基板10と回路基板30との間に設けられており、センサ基板10と回路基板30とを電気的に遮蔽する機能を果たす。
【0030】
次に、本実施形態に係るセンサ装置100の作用効果を説明する。上記したように、回路基板30が接続された底部51の外壁面51bに、母基板200と接続される凸部56が形成されている。そして、凸部56のz方向の長さは、回路基板30のz方向の長さ(厚さ)よりも長くなっている。したがって、凸部56と母基板200とを接続する際に、回路基板30と母基板200との接触が抑制される。これによれば、回路基板30と母基板200との接触を回避しつつ、パッケージ50と母基板200とを接続するための接続部材を、特別に用意しなくとも良くなる。そのため、母基板200へのセンサ装置100の実装(接続)が容易となる。
【0031】
凸部56は、x−y平面の平面形状が環状を成しており、凸部56、母基板200、及び、底部51によって囲まれた空間内に、回路基板30が配置されている。これによれば、密閉空間の外に配置された回路基板30が、外部環境に晒されなくなるので、回路基板30の損傷が抑制される。
【0032】
低圧状態の密閉空間内にセンサ基板10が配置されている。これによれば、空気粘性のために、x方向の振動がy方向に漏れることが抑制され、漏れた振動(以下、漏れ振動と示す)によって検出コンデンサの静電容量が変動することが抑制される。これにより、角速度の検出精度の低下が抑制される。
【0033】
また、回路基板30が密閉空間の外部に設けられ、回路基板30とパッケージ50とを機械的及び電気的に接続する第2接続部材71も密閉空間の外部に設けられている。これによれば、センサ基板とパッケージとを機械的及び電気的に接続する第1接続部材と、上記した第2接続部材とが密閉空間に設けられた構成と比べて、経時変化により接続部材から揮発する成分の量が少なくなる。このため、密閉空間の低圧状態が損なわれることが抑制され、x方向の振動が、y方向に漏れることが抑制される。これにより、漏れ振動によって検出コンデンサの静電容量が変動することが抑制され、角速度の検出精度の低下が抑制される。なお、上記した経時変化により接続部材から揮発する成分とは、残留溶剤、接続部材の母材などである。
【0034】
底部51の内部には、センサ基板10と回路基板30とを電気的に遮蔽するシールド層57が設けられている。これによれば、回路基板30にて生じた電気ノイズによって、検出コンデンサの静電容量が変動することが抑制される。これにより、角速度の検出精度の低下が抑制される。
【0035】
対応する第1接続部材70と第2接続部材71とを電気的に接続する内部配線55は、内壁面51aと外壁面51bとに直交するように、z方向に延びている。これによれば、対応する第1接続部材70と第2接続部材71とを電気的に接続する内部配線55の配線長が、最短となる。そのため、内部配線55を流れる電流にて生じる電気ノイズを少なくすることができる。これにより、内部配線55にて生じた電気ノイズによって、検出コンデンサの静電容量が変動することが抑制され、角速度の検出精度の低下が抑制される。
【0036】
接続部材70,71は、半田よりも融点の高い材料から成る構成が良い。これによれば、センサ装置100と母基板200とを半田接合する際の熱によって、接続部材70,71が溶融することが抑制される。
【0037】
凸部56は、底部51の一部である。これによれば、凸部が底部とは別部材である構成と比べて、部品点数が低減される。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0039】
本実施形態では、凸部56のx−y平面の形状が環状である例を示した。しかしながら、凸部56の形状としては、上記例に限定されず、z方向の長さが、回路基板30よりも長ければ良い。
【符号の説明】
【0040】
10・・・センサ基板
14・・・センサ素子
30・・・回路基板
50・・・パッケージ
56・・・凸部
57・・・シールド層
70,71・・・接続部材
100・・・センサ装置
200・・・母基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を電気信号に変換するセンサ素子(14)が形成されたセンサ基板(10)と、該センサ基板(10)の出力信号を処理する処理回路(31)が形成された回路基板(30)と、前記センサ基板(10)及び前記回路基板(30)が登載されるパッケージ(50)と、を有し、該パッケージ(50)が母基板(200)に実装されるセンサ装置であって、
前記パッケージ(50)は、底部(51)と、該底部(51)に形成された、互いに直交の関係にあるx方向とy方向とによって規定されるx−y平面の形状が環状の側壁部(52)と、該側壁部(52)の開口部を閉塞する蓋部(53)と、を有し、
前記底部(51)及び前記側壁部(52)は、絶縁材料から成る壁部(54)と、該壁部(54)の内部に設けられた内部配線(55)と、を有し、
前記底部(51)、前記側壁部(52)、及び、前記蓋部(53)によって密閉空間が構成され、
前記センサ基板(10)は、前記密閉空間内に配置され、前記底部(51)の内壁面(51a)と機械的及び電気的に接続され、
前記回路基板(30)は、前記密閉空間の外部に配置され、前記底部(51)の外壁面(51b)と機械的及び電気的に接続され、
前記底部(51)の外壁面(51b)には、前記x−y平面に直交するz方向の長さが、前記回路基板(30)よりも長い凸部(56)が形成され、
該凸部(56)と前記母基板(200)とが接続されていることを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記凸部(56)は、前記x−y平面の形状が環状を成し、前記凸部(56)、前記母基板(200)、及び、前記底部(51)によって囲まれた空間内に、前記回路基板(30)が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記センサ素子(14)は、前記x−y平面に変位可能な振動子と、該振動子を前記x方向に振動するための加振部と、前記振動子に設けられた可動電極と、該可動電極と前記y方向にて対向する固定電極と、を有し、前記z方向の角速度を、前記可動電極と前記固定電極とによって構成されるコンデンサの静電容量に変換する角速度センサ素子(14)であり、
前記密閉空間の気圧は、1気圧よりも低い低圧状態であり、
前記センサ基板(10)は、第1接続部材(70)を介して、前記底部(51)の内壁面(51a)と機械的及び電気的に接続され、
前記回路基板(30)は、第2接続部材(71)を介して、前記底部(51)の外壁面(51b)と機械的及び電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記底部(51)の内部には、前記センサ基板(10)と前記回路基板(30)とを電気的に遮蔽するシールド層(57)が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記シールド層(57)は、グランドに接続された金属層であることを特徴とする請求項4に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記センサ基板(10)は、第1接続部材(70)を介して、前記底部(51)の内壁面(51a)と機械的及び電気的に接続され、
前記回路基板(30)は、第2接続部材(71)を介して、前記底部(51)の外壁面(51b)と機械的及び電気的に接続されており、
対応する前記第1接続部材(70)と前記第2接続部材(71)とを電気的に接続する前記内部配線(55)は、前記底部(51)の内壁面(51a)と外壁面(51b)とに直交するように、前記z方向に延びていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記凸部(56)と前記母基板(200)とは、半田を介して機械的及び電気的に接続され、
前記第1接続部材(70)及び前記第2接続部材(71)は、前記半田よりも融点の高い導電材料から成ることを特徴とする請求項3〜6いずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記凸部(56)は、前記底部(51)の一部であることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記絶縁材料は、セラミックであることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載のセンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−96872(P2013−96872A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240524(P2011−240524)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】