説明

センサ較正

使い捨てセンサおよびコンピュータ装置を含むセンサシステムを較正する方法であって、当該センサおよび当該コンピュータ装置は両方とも無線通信リンクを介したその間のデータ送信を容易にするための回路を有する。この方法は、第1の使い捨てセンサを用いて得られた、モニタされたパラメータの最終値、または前記最終値から生じ得る他の何らかの値をコンピュータ装置のメモリに格納するステップと、前記最終値または前記他の値を用いて新しい使い捨てセンサ用システムを較正するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明はセンサの較正に関し、特に身体着用可能型の医療用バイオセンサの較正に関するが、必ずしもこれに限られない。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
「バイオセンサ」は、生物学的もしくは生物学的な由来の検出要素が、物理化学的トランスデューサと一体化され、または密接に関連付けられて組込まれた、分析装置として定義される。バイオセンサは、アナログ信号をもたらすことも排除されるべきではないが、一般に単一の検体または関連する検体群に比例する、離散的もしくは連続的なデジタル電子信号を生成するよう設計される。
【0003】
バイオセンサの用途には多くの分野があり、たとえば環境センシング、化学製品生産、および飲食物の生産や準備などを含む。しかしながら、多大な関心を集める用途の一分野は、医療用の診断学、モニタリングおよび治療である。以下の説明は、考慮される問題および解決策が非医学的な用途を有し得ることが認識されるとはいえ、本来、これらの医療用途に対処するものである。
【0004】
医療用モニタリングバイオセンサの典型例は、ユーザ(すなわち患者)の体系内に存在するブドウ糖レベルを示す電気信号を生成するよう設計される、ブドウ糖バイオセンサである。今日のブドウ糖バイオセンサは、酵素または他の試薬を電極の表面上に固定する概念を基礎とする傾向があり、実質的なpH検出器をもたらす。患者から得られた試料、たとえば一滴の血液に試薬が晒されると、装置の電気的出力は試料のpH値を示し、したがって間接的にブドウ糖レベルを表す。商業上利用可能なブドウ糖バイオセンサは、使い捨てのテスト用片または要素を有する携帯型装置となる傾向がある。
【0005】
たとえば糖尿病患者の場合、検出されたブドウ糖レベルが「正常な」レベルから著しく外れたならば診断ができるように十分にフィードバックを行なうため、ユーザは自分のブドウ糖レベルを一日数回検査することが求められる。この型のバイオセンサには限界がある。特に、ユーザが血液試料を取るために自分の皮膚を刺し、次にバイオセンサを用いて、短いとはいえなお不便な検査手順を実行する必要があるので、ユーザは必要とされる頻度で検査を行なわないことがある。皮膚を刺すのは痛くもあり、また長期的に見れば結果として重大な皮膚損傷を生じかねない。これらの問題は、血中に存在する検体を測定し、したがって血液試料の準備を必要とする、他の型のバイオセンサにも等しく当てはまる。たとえば酸素、乳酸塩、硝酸、クレアチニン(creatinie)、ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンなどの測定である。これらの検体の測定は、心臓病、慢性関節リウマチおよびパーキンソン病など多様な疾病について理解し、モニタリングするのに有用である。
【0006】
実質的に非侵襲性のバイオセンサが提案されてきた。これらは皮膚上に着用可能であり得、微小な極微針によって皮膚の上部層を通って吸出される間質液と接触し、連続したモニタリングをもたらす。しかしながら、このようなバイオセンサの性質は、たとえばユーザの衣服を介して汚れおよび水分に晒され、かつ強い物理的接触を受けることから、センサが比較的短期間のみに用いられる使い捨てであることを要するであろう。電力消費およびバッテリ容量の点でも使い捨てが好ましいオプションであろう。着用可能型バイオセンサと中央コントローラとの間でデータを送信するために無線周波数ワイヤレスリンクを用
いる2部構成のバイオセンサシステムが提案されてきた。このようなコントローラはユーザのポケットに入れて運ばれ、またはユーザのベルトに着用され得る。コントローラは、測定された結果を表示画面上に表示し、履歴データを記録してもよい。
【0007】
典型的なバイオセンサシステムは、装置のばらつきを補正して結果の精度を保証するために、使用前にバイオセンサの較正を必要とする。これはたとえば、既知の流体試料のパラメータの測定を必要とし得る。ブドウ糖バイオセンサの場合、ブドウ糖濃度がわかっている液体が入った薬瓶がユーザに与えられ、ユーザは封を切って液体を活性なセンサ表面に注ぎ、システムを較正する。この手法にはユーザにとって時間がかかり、かつ不便であって、バイオセンサごとにユーザに新しい薬瓶が与えられることが必要である。
【0008】
US6,441,747は、着用された複数のバイオセンサトランシーバと通信するよう設計されたベースユニットを含む、医療用モニタリング用の無線プログラマブルシステムを記載する。
【0009】
US2004/0096959は、間質液を吸い出すために皮膚を貫通する極微針を有する皮膚用パッチの形のブドウ糖センサを記載する。ブドウ糖測定値は無線リンクを介してパッチから遠隔表示装置へ送られる。
【0010】
この分野に関連する他の文書は次の通りである:
IEEEトランスバイオメッド英語版(IEEE Trans biomed Eng)、第35巻第7号、1998年7月、526−532頁、
糖尿病技術治療(Diabetes Technol Ther)第1巻第3号、1999年、261−6頁、
医学英語物理(Med Eng Phys)第18巻8号、1996年12月632−40頁、
US20010041831、および
WO2000067633である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
発明の要約
本発明は、2部構成のセンサシステムが、データを古いセンサから持ち越すことにより新しいセンサを較正するための手段を与えるという認識から生じている。対照試料を用いた較正が各々のセンサすべてについて必要なわけではない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の局面によれば、使い捨てセンサとコンピュータ装置とを含むセンサシステムを較正する方法が与えられ、センサおよびコンピュータ装置は両方とも無線通信リンクを介したその間のデータ送信を容易にするための回路を有し、方法は、
第1の使い捨てセンサを用いて得られた、モニタされたパラメータの最終値または前記最終値から生じ得る他の何らかの値をコンピュータ装置のメモリに格納するステップと、
前記最終値または前記他の値を用いて、新しい使い捨てセンサ用システムを較正するステップとを含む。
【0013】
前記最終値または他の値は、新しいセンサについて較正係数を計算するために用いられる。この係数は、モニタされたパラメータを測定値から評価するために用いられる定数であってもよい。最終値もしくは前記他の値または前記較正係数はコンピュータ装置から使い捨てセンサに送られることができ、センサにおいて、モニタされたパラメータの評価または評価の一部が行なわれる。他方、最終値もしくは前記他の値または前記較正係数はコンピュータ装置に保持されることができ、コンピュータ装置において、モニタされたパラメータの評価または評価の一部が行なわれる。
【0014】
本発明は医療用センサシステムに特に適用可能であり、センサは着用可能型である。センサはpHセンサであってもよい。より特定的にはセンサはISFETベースのバイオセンサであってもよく、その場合測定値はISFETのゲート−ソース電圧またはドレイン/ソースを通る電圧もしくは電流である。
【0015】
本発明の第2の局面によれば、センサシステムが与えられ、センサシステムは、
少なくとも一部が使用中に物質と接触するよう配置される使い捨てセンサと、
コンピュータ装置とを含み、
センサおよびコンピュータ装置は両方とも無線通信リンクを介したその間のデータ送信を容易にするための回路を有し、コンピュータ装置はさらに、第1の使い捨てセンサについてモニタされたパラメータの最終値または前記最終値から駆動され得る他の何らかの値を格納するためのメモリと、前記最終値または他の値を新しい使い捨てセンサを較正するために用いるための処理手段とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明の一定の実施例の詳細な説明
図1には、人間が着用可能なセンサシステムが示される。これは、たとえば糖尿病を患うユーザのブドウ糖レベルを連続的にモニタするのに適切であり得る。システムは2つの主要な要素を含む。ユーザの皮膚、たとえばアーム2に貼付されるパッチの形の使い捨てセンサ1と、示される例においてユーザのベルト4に取付けられるコントローラ3とである。コントローラ3は、液晶表示装置(LCD)5およびキーパッド6を含むユーザインターフェースを含む。
【0017】
図2は、ユーザの皮膚に貼付されたセンサパッチ1の断面図を示す。パッチ1は、プラスチックもしくはファブリック材料または金属フォイルであり得る、可撓性キャリヤ7を含む。キャリヤ自体が十分に「粘着性」でない場合は、パッチが皮膚に固定され得るように、キャリヤの下側は接着剤でコーティングされてもよい。パッチの下側から突出するのは極微針8のアレイ、たとえばアレイ100である。これらは、典型的に1000分の1マイクロメータの直径で、皮下注射針の形状、すなわちその中を通って延在する通路を備え、その通路が底部の先端で開口する形状である。パッチが皮膚に対して押圧されると、針が皮下レベルまで皮膚の表面を貫通し、間質液が針を通って上がりパッチに導かれることが可能になる。針のサイズが比較的小さいのでユーザに痛みを与えず、長期にわたる皮膚損傷がほとんど、または全くない結果となることが明らかである(「ENDOPORATOR」(EU FP5 IST−2001−33141))参照)。
【0018】
流体を針から活性なバイオセンサ構成要素9まで導くためのいくつかの手段(図示せず)が与えられる。この手段は、たとえば毛管もしくは管の集合、または何らかの種類の芯(wick)であり得る。バイオセンサ構成要素9は、たとえば、エルゼビア社(Elsevier BV)の「センサとアクチュエータ(Sensors and Actuators)2004」のレイラ・シェパード(Leila Shepard)およびクリス・トマゾー(Chris Toumazou)による「超低消費電力のバイオ化学センシングおよびリアルタイム分析用の弱反転ISFET(Weak Inversion ISFETs for ultra low power biochemical sensing and real time analysis)」に記載された種類のイオン感応電界効果トランジスタ(ISFET)ベースのバイオセンサであってもよい。用いられるバイオセンサの種類にかかわらず、センサは、出力において、サンプリングされた流体におけるブドウ糖レベルを示す電気信号を与える。
【0019】
ここで図3を参照して、センサパッチ1のさまざまな構成要素が概略的に示される。プロセッサ10の入力はバイオセンサ9の出力に結合される。プロセッサ10はメモリ11および無線周波数トランシーバ12にも結合される。トランシーバは無線周波数アンテナ
13に結合される。さまざまな構成要素9−13が離散的な構成要素として与えられ得る一方、好ましい実現例では、これらはすべて単一の1片のシリコン上に一体化される。さまざまな電装品に動力を供給するために電源14が与えられる。これはたとえばバッテリであり得る。バッテリは、新しいパッチについては、ユーザがパッチからストリップを引きはがすことによって活性化されてもよく、ストリップは電源供給リードからバッテリ端子を絶縁する。
【0020】
サイズを小さく、価格を安く押さえる必要がある一方でパッチを使い捨てにする必要性に迫られるので、パッチの電子工学的複雑さは絶対的に最小に保たれなければならない。この目的は、極めて低消費電力であるべき要求を満たすのにも非常に役立つ。モニタされる生データには、典型的にはパッチ電子部品によっては僅かな処理しか実行されない。生データはプロセッサ10によって単にデジタル化され、無線リンクを介してトランシーバ12によってコントローラ3に送信されることができる。
【0021】
コントローラ3の主要な要素は、図4に概略的に示される。これは、トランシーバ16に結合されたマイクロプロセッサ15、メモリ17、およびユーザインターフェース5、6を含む。トランシーバ16はアンテナ18に結合される。これらの構成要素はバッテリ19によって動力供給される。コントローラに対するサイズおよび電力消費の要件が、センサ1に対する要件よりも著しく緩いことが認識される。したがって、このシステムで用いられる手法は、モニタされた信号のほとんどの処理をコントローラ3で実行することである。これは、メモリ17においてプログラムコードとして格納され、プロセッサ15によってアクセスされる、いくつかの処理ルーチンを利用する。
【0022】
センサシステムは、コントローラ3のユーザインターフェースを介して、ある程度までユーザによって構成可能である。たとえば、ユーザが新しいセンサパッチを活性化するとき、ユーザは、指に針を刺す(血液)検査を用いて得られた血糖読取値を入力して下記に記載されるデフォルトの「繰越し(carry-forward)」較正プロセスを無効にすることによって、較正プロセスをリセットすることができる。
【0023】
バイオセンサパッチのISFETについてさらに考察して、典型的なISFETおよび関連付けられたバイアスおよび測定回路が図5に概略的に示される。ISFETのイオン感応ゲートに接する溶液のpHの変化によって、ISFETしきい電圧の変化が引き起こされる。したがって、しきい電圧の変化を検出することによって、pHが測定され得る。(L ラベッツィ(Ravezzi)およびP コンチ(Conchi)による、IEE電子工学レター(IEE Electronics letters)、1998年、34(23)、2234頁−2235ページの「CMOS読出し回路マイクロシステムと結合したISFETセンサ(ISFET sensor coupled with CMOS read-out circuit microsystem)」参照。)このISFETは線形の領域でバイアスされ、したがってドレイン電流は次のとおりである:
【0024】
【数1】

【0025】
ここで、IDS=ドレイン電流、VGS=ゲート−ソース電圧、VT=しきい電圧、VDS=ドレイン−ソース電圧、かつ、K=装置相互コンダクタンスである。
【0026】
方程式(1)は、次のように書き直すことができる:
【0027】
【数2】

【0028】
図5では、ISFETは固定ドレイン電流IDSおよび固定ドレイン−ソース電圧VDSでバイアスされる。装置相互コンダクタンスKが固定パラメータであるので、しきい電圧VTにおけるいかなる変化もゲート−ソース電圧VGSの変化を引き起こし、したがって出力においてVGSが測定される。
【0029】
ISFETのしきい電圧は以下のように書くことができる:
【0030】
【数3】

【0031】
ここでVth=熱電圧=kT/q、かつ、VOSはプロセスおよび化学的に依存するオフセット電圧であり、装置によって異なる。αは次のように規定される:
【0032】
【数4】

【0033】
ここでCdは、試料の電解質濃度に依存するISFET二重層キャパシタンスであり、βはISFETゲート酸化物表面の固有の緩衝能力である。Ta255などの非常に高い緩衝能力を示すゲート酸化物材料を選ぶことによって、方程式(4)の中の第2項の値は無視でき、すなわち
【0034】
【数5】

【0035】
であり、
すなわち
【0036】
【数6】

【0037】
である。
pHの変化をVTの変化から計算することができるようにISFETを較正するために、オフセット電圧VOSが決定されなければならない。これは以下のように行うことができる。
【0038】
DSおよびVDSの値は、図5に示されるような適切なバイアス回路によって固定される。したがって、ISFET寸法およびプロセスデータからKがわかるので、VGSの測定によりVTが決定されることが可能になる。[Kがさらに極めて高い精度で知られる必要がある場合、IDSおよび/またはVDSは変動することができ、VGSの2つ以上の測定値がKおよびVTの両方の正確な値を決定することを可能にする。]
OSの値は方程式(5)のVTを用いて計算することができる。熱電圧Vthは、ISFETに隣接した温度センサによって知られる。試料のpH値もわかっている場合、VOS
を計算することができる。
【0039】
既に説明されたように、最初にISFETを較正するために、pHがわかっている流体試料を用いることができる。しかしながら、すべての新しいセンサパッチのためにそうすることは実際的ではない。したがってここでは、第1のセンサパッチだけをこのような手順を用いて較正し、その後に較正データを1つのセンサから次のセンサに渡すことが提案される。前のパッチが取除かれた直後(たとえば血糖モニタリングのために5分以内)に新しいセンサパッチがユーザの皮膚に与えられる場合、前のセンサの最後のpH読取り値はいまだ有効であり、新しいセンサを較正するために用いることができると仮定し得る。
【0040】
上記の方程式(3)、古いセンサパッチの最終pH、および電流を参照して、新しいセンサパッチのVTの測定値を新しいパッチのVOSを計算するために用いることができる。その後、新しいパッチについて得られた各々の連続する測定値については、現在のpHを決定するために方程式(3)を用いることができる。
【0041】
方程式(3)の評価は、センサパッチ1またはコントローラ3のいずれかで行なわれ得る(これは、パッチにおける処理に起因する電力消費と無線リンクを介した大容量データパケットの送信に起因する電力消費とのトレードオフの評価に依存する)。前者の場合には、これにより、前のセンサパッチの最終pH読取り値をコントローラから新しいセンサパッチに送ることが必要となるであろう。この交換は、新しいセンサの電源を入れることによりトリガされて、新しいパッチのためのコントローラを用いた登録プロセス中に実行され得る。
【0042】
図6は、新しいパッチが使用されるごとにセンサシステムを較正するための一般的な操作手順を示すフロー図である。
【0043】
本発明の範囲から逸脱することなく上述の実施例にさまざまな修正が加えられ得ることが、当業者には認識される。たとえば、パッチ1およびコントローラ3の電子部品や電装品は、離散的な機能要素、たとえばプロセッサトランシーバ、メモリとして示されるが、これらの要素は少なくともある程度までは合体されてもよい。たとえばトランシーバの機能のいくつかはプロセッサによって実現されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】ユーザが担持するモニタリングシステムを概略的に示す図である。
【図2】ユーザの皮膚に取付けられる、図1のシステムのバイオセンサのパッチを示す断面図である。
【図3】図2のバイオセンサの電子部品を概略的に示す図である。
【図4】図1のシステムのコントローラを概略的に示す図である。
【図5】ISFETを含む、図2のバイオセンサのパッチの電気回路を示す図である。
【図6】図1のシステムを動作する方法を示すフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨てセンサおよびコンピュータ装置を含むセンサシステムを較正する方法であって、前記センサおよび前記コンピュータ装置は両方とも無線通信リンクを介したその間のデータ送信を容易にするための回路を有し、前記方法は、
第1の使い捨てセンサを用いて得られた、モニタされたパラメータの最終値、または前記最終値から生じ得る他の何らかの値を前記コンピュータ装置のメモリに格納するステップと、
前記最終値または前記他の値を用いて新しい使い捨てセンサについて前記システムを較正するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記新しいセンサについて較正係数を計算するために前記最終値または他の値を用いるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記係数は、前記モニタされたパラメータを測定値から評価するために用いられる定数である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
最終値もしくは前記他の値または前記較正係数は前記コンピュータ装置から前記使い捨てセンサに送られ、前記センサにおいて、前記モニタされたパラメータの評価または前記評価の一部が行われる、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
最終値もしくは前記他の値または前記較正係数は前記コンピュータ装置に格納され、そこで前記モニタされたパラメータの評価または前記評価の一部が行われる、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記センサは着用可能型である、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記センサはpHセンサである、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記センサはISFETベースのバイオセンサであって、前記測定値は、前記ISFETのゲート−ソース電圧またはドレイン/ソースを通る電圧もしくは電流である、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記システムは使用において血糖値を決定するよう配置される、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記最終値は血糖値である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
血糖値はpHの関数であって、前記pHは、方程式:
【数1】

から生じ、
ここでVth=熱電圧=kT/q、かつ、VOSはプロセスおよび化学的に依存するオフセット電圧であって装置によって異なり、αは熱および装置に依存する定数であって、
前記システムを較正する前記ステップは、前記新しいセンサで行われた測定値および前のセンサについて得られた前記最終pH値に基づいてVDSを決定するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
新しい使い捨てセンサのために前記システムを較正する前記ステップは、前記使い捨て
パッチに電源を入れる際に実行される、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
少なくとも一部が使用中に物質と接触するよう配置された使い捨てセンサと、
コンピュータ装置とを含み、
前記センサおよび前記コンピュータ装置は両方とも無線通信リンクを介したその間のデータ送信を容易にするための回路を有し、前記コンピュータ装置はさらに、第1の使い捨てセンサについてモニタされたパラメータの最終値または前記最終値から駆動され得る他の何らかの値を格納するためのメモリと、新しい使い捨てセンサを較正するために前記最終値または他の値を用いるための処理手段とを含む、センサシステム。
【請求項14】
前記システムは、使用においてユーザの血糖値を決定するよう配置されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記使い捨てセンサは、較正が必要であることを前記コンピュータ装置に知らせるための手段を含み、前記システムを較正する前記ステップは、知らされた情報が前記コンピュータ装置によって受取られる際に行われる、請求項13または14に記載のシステム。
【請求項16】
前記使い捨てセンサは、前記モニタされたパラメータの前記最終値を前記無線リンクを介して前記コンピュータ装置から受取るための手段を含む、請求項13から15のいずれかに記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−540013(P2008−540013A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511800(P2008−511800)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【国際出願番号】PCT/GB2006/050111
【国際公開番号】WO2006/123186
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(507354105)バイオ−ナノ・センシアム・テクノロジーズ・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】BIO−NANO SENSIUM TECHNOLOGIES LIMITED
【Fターム(参考)】