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センシングシステム、センシング方法及びプログラム
説明

センシングシステム、センシング方法及びプログラム

【課題】電磁波によるセンシングを行うよりも対象物のセンシングにおける電力損失を抑えることができるセンシングシステムを提供する。
【解決手段】送信アンテナ16は、電源20に接続されており、入力される電力の一部を受信アンテナ18に伝達する。情報処理装置14は、電源20から出力される電力と、送信アンテナ16から電源20に還る電力と、に基づいて、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離に応じた値を特定する。情報処理装置14は、距離に応じた値に基づく処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センシングシステム、センシング方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁波を用いてセンシング対象の位置や姿勢を特定するセンシング技術が知られている。例えば、特許文献1には、リーダライタからの電磁波が届き難い場所や、リーダライタのユーザが接近できない場所のセンシングデータを、安定した無線通信により取得する、リーダライタとRFID(Radio Frequency Identification)タグを備えたセンシングシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−140270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電磁波を用いたセンシング技術では、電磁波を空間に放射して、送信アンテナから受信アンテナにエネルギーや信号を伝達するので、空間への電力の放射損失が発生するという問題がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、電磁波によるセンシングを行うよりも対象物のセンシングにおける電力損失を抑えることができるセンシングシステム、センシング方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るセンシングシステムは、電源に接続された、入力される電力の一部を受信アンテナに伝達する送信アンテナと、電源から出力される電力と、前記送信アンテナから電源に還る電力と、に基づいて、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の距離に応じた値を特定する距離特定手段と、前記距離に応じた値に基づく処理を実行する処理実行手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るセンシング方法は、入力される電力の一部を受信アンテナに伝達する送信アンテナに対して電源から出力される電力を測定するステップと、前記送信アンテナから電源に還る電力を測定するステップと、電源から前記送信アンテナに出力される電力と、前記送信アンテナから電源に還る電力と、に基づいて、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の距離に応じた値を特定する距離特定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、電源から出力される電力の一部を受信アンテナに伝達する送信アンテナに電源から出力される電力と、前記送信アンテナから前記電源に還る電力と、に基づいて、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の距離に応じた値を特定する距離特定手段、前記距離に応じた値に基づく処理を実行する処理実行手段、としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0009】
本発明によると、電源から出力される電力と送信アンテナから電力に還る電力とに基づいて受信アンテナのセンシングを行うので、電磁波によるセンシングを行うよりも対象物のセンシングにおける電力損失を抑えることができる。
【0010】
本発明の一態様では、前記距離特定手段は、電源から出力される電力に対する、前記送信アンテナから電源に還る電力の割合に基づいて、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の距離に応じた値を特定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様では、電源と、前記送信アンテナと、の間に配置された、前記センシングシステムのインピーダンスを小さくするインピーダンス変換回路、をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記送信アンテナを複数備え、前記距離特定手段が、前記各送信アンテナについて、電源から出力される電力と、当該送信アンテナから電源に還る電力と、に基づいて、当該送信アンテナと前記受信アンテナとの間の距離に応じた値を特定し、前記距離特定手段により前記各送信アンテナについて特定された値、及び、前記各送信アンテナが配置されている位置を示す情報に基づいて、前記受信アンテナの位置又は姿勢の少なくとも一方を特定する位置姿勢特定手段、をさらに備え、前記処理実行手段が、前記位置又は姿勢の少なくとも一方に基づく処理を実行することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記受信アンテナを備えた受信装置をさらに備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係るセンシングシステムの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置で実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るセンシングシステムの等価回路の回路構成の一例を示す図である。
【図4】反射係数測定回路の回路構成の一例を示す図である。
【図5】送信アンテナと受信アンテナとの間の距離と、反射係数と、の関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係るセンシングシステム10の構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るセンシングシステム10は、電力検出装置12、情報処理装置14、複数の送信アンテナ16から構成されるトランスミッタアレイ、受信アンテナ18、を含んでいる。本実施形態では、トランスミッタアレイを構成する複数の送信アンテナ16は、同一平面上に配置されている。そして、電力検出装置12は、例えば、電源20、反射係数測定回路22、インピーダンス変換回路24、スイッチング回路26、を含んで構成されている。本実施形態に係るセンシングシステム10では、電磁界共振結合を利用して、送信アンテナ16と受信アンテナ18との距離の推定や、送信アンテナ16に対する受信アンテナ18の位置や姿勢の推定を行うことができる。
【0017】
本実施形態では、電源20と反射係数測定回路22とが電気的に接続されている。また、反射係数測定回路22とインピーダンス変換回路24とが電気的に接続されている。また、インピーダンス変換回路24とスイッチング回路26とが電気的に接続されている。また、スイッチング回路26と各送信アンテナ16とは電気的に接続されている。電源20、反射係数測定回路22、インピーダンス変換回路24、スイッチング回路26は、例えば、複数のコネクタ28を備えた1つの筐体30の中に配置されている。そして、スイッチング回路26と各コネクタ28とが電気的に接続されている。そして、本実施形態では、各コネクタ28について、コネクタ28と送信アンテナ16とが、同軸ケーブルにより接続されている。
【0018】
本実施形態では、反射係数測定回路22は、例えば、双方向性結合器とデジタル電圧計(例えば、2つのデジタル電圧計、又は、デジタルマルチメータ)を含んでいる。インピーダンス変換回路24は、電源20側のインピーダンスと、送信アンテナ16側のインピーダンスと、を変換する回路であり、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離の測定におけるセンシングレンジを変更するために設けられている。
【0019】
情報処理装置14は、例えば、CPU等の制御装置、ROMやRAM等の記憶素子やハードディスクドライブ等の記憶装置、ディスプレイ等の出力装置、マウスやキーボード等の入力装置、ネットワークボード等の通信装置を備えた公知のパーソナルコンピュータにより構成されている。
【0020】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置14で実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置14は、機能的には、例えば、データ記憶部32、信号受信部34、信号送信部36、反射係数算出部38、距離特定部40、位置姿勢特定部42、処理実行部43、を含んで構成される。本実施形態では、データ記憶部32は、情報処理装置14が備えるメモリやハードディスクドライブなどといった記憶装置を主として実現される。また、本実施形態では、信号受信部34、信号送信部36は、情報処理装置14が備えるネットワークボードなどの通信装置を主として実現される。また、本実施形態では、その他の要素は、情報処理装置14が備えるCPU等の制御装置を主として実現される。
【0021】
情報処理装置14は、上述のようにコンピュータを中心に構成されており、プログラムを実行することにより、上述の各機能要素が実現されるようになっている。また、このプログラムは、例えば、CD−ROM、DVD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどの通信ネットワークを介して情報処理装置14に供給される。
【0022】
図3は、本実施形態に係るセンシングシステム10の等価回路の一例を示す図である。本実施形態では、電源20から送信アンテナ16に出力される電力の一部が受信アンテナ18に伝達され、受信アンテナ18に伝達されなかった電力のほとんどが送信アンテナ16から電源20に還ることとなる。交流電源Vsrc(角周波数の値はω0)、負荷Z1(インピーダンスの値はZ0)、キャパシタC1(キャパシタンスの値はCt)、インダクタL1(自己インダクタンスの値はLt)、及び、抵抗R1(抵抗値はR)が直列に接続された送信側回路44が、図1における電力検出装置12及び送信アンテナ16から構成される回路の等価回路である。交流電源Vsrcは、電源20に相当し、負荷Z1は、例えば、電力検出装置12と送信アンテナ16とをつなぐ同軸ケーブルに相当し、キャパシタC1、インダクタL1、及び、抵抗R1は、送信アンテナ16に相当する。
【0023】
また、負荷Z2(インピーダンスの値は負荷Z1と同じZ0)、抵抗R2(抵抗値は抵抗R1と同じR)、インダクタL2(自己インダクタンスの値はLr)、キャパシタC2(キャパシタンスの値はCr)が直列に接続された受信側回路46が、図1における受信アンテナ18に相当する等価回路である。また、インダクタL1とインダクタL2との間の相互インダクタンスの値はLmであることとする。本実施形態では、送信アンテナ16と受信アンテナ18とは磁界共振結合されている。また、本実施形態では、送信側回路44と受信側回路46とは、共振周波数が同じになるよう設計される。
【0024】
図4は、反射係数測定回路22の回路構成の一例を示す図である。図4に示すように、反射係数測定回路22には、送信端子TXとアンテナ端子ANTとをつなぐ中心導体48、第1のグランド端子GND1と第2のグランド端子GND2とをつなぐグランド線50、第1のピックアップ線52−1、第2のピックアップ線52−2、が含まれている。送信端子TX及び第1のグランド端子GND1は、電源20に通じる伝送線路と接続されている。また、アンテナ端子ANT及び第2のグランド端子GND2は、インピーダンス変換回路24に通じる伝送線路と接続されている。
【0025】
第1のピックアップ線52−1は、中心導体48に並行して延伸する線路である。そして、第1のピックアップ線52−1の送信端子TX側の一端は、抵抗器54経由でグランドに接続されている。第1のピックアップ線52−1のアンテナ端子ANT側の一端は、送信端子TXからアンテナ端子ANTに向かう向きで第1のピックアップ線52−1を流れる電流を、グランドに接続されているキャパシタ56及び進行電力検出端子FWDへ一方向に流す整流回路を構成するダイオード58に接続されている。
【0026】
第2のピックアップ線52−2は、中心導体48に並行して延伸する線路である。そして、第2のピックアップ線52−2のアンテナ端子ANT側の一端は、抵抗器60経由でグランドに接続されている。第2のピックアップ線52−2の送信端子TX側の一端は、アンテナ端子ANTから送信端子TXに向かう向きで第2のピックアップ線52−2を流れる電流を、グランドに接続されているキャパシタ62及び反射電力検出端子REVへ一方向に流す整流回路を構成するダイオード64と接続されている。
【0027】
本実施形態では、中心導体48とピックアップ線52とはCM結合により結合されている。そして、第1のピックアップ線52−1の一端は抵抗器54を介してグランドに接続されており、第2のピックアップ線52−2の一端は抵抗器60を介してグランドに接続されている。そのため、CM結合の働きにより、第1のピックアップ線52−1は、送信端子TXからアンテナ端子ANTへ進む進行波に対して起電力を生じ、アンテナ端子ANTから送信端子TXへ進む反射波(電源20から出力され、送信アンテナ16から受信アンテナ18へと伝達されずに電源20に還る波)に対して起電力を生じない。また、第2のピックアップ線52−2は、アンテナ端子ANTから送信端子TXへ進む反射波に対して起電力を生じ、送信端子TXからアンテナ端子ANTへ進む進行波に対して起電力を生じない。そして、進行電力検出端子FWDとグランド端子との間の電圧は、進行波の電力の平方根に比例し、反射電力検出端子REVとグランド端子との間の電圧は、反射波の電力の平方根に比例する。
【0028】
本実施形態では、反射係数測定回路22は、進行電力検出端子FWDとグランド端子との間の電圧を示す信号と、進行電力検出端子FWDとグランド端子との間の電圧を示す信号と、を情報処理装置14に出力する。本実施形態では、進行電力検出端子FWDとグランド端子との間の電圧の測定が、進行波の電力の測定と等価となる。また、進行電力検出端子FWDとグランド端子との間の電圧の測定が、反射波の電力の測定と等価となる。
【0029】
また、本実施形態では、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離が、図3に示す等価回路図における相互インダクタンスLmの値に対応する。すなわち、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離が変化すると、図3に示す等価回路図における相互インダクタンスLmの値が変化する。図3の例では、反射係数Γの値は、1−(2×Z0×(Z0+R))/(ω0^2×Lm^2+(Z0+R)^2)という式で表される。そのため、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離が変化すると、反射係数Γの値が変化することとなる。
【0030】
本実施形態では、予め、データ記憶部32に、反射係数Γと、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離(具体的には、例えば、受信アンテナ18と送信アンテナ16とが同軸上に配置されており、受信アンテナ18のアンテナ面と送信アンテナ16のアンテナ面とが平行である場合の送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離)と、を対応付けた表形式のデータである反射係数距離対応データが記憶されている。また、データ記憶部32には、各送信アンテナ16の位置を示す位置データ(例えば、2次元座標値や3次元座標値等を示すデータ)が記憶されている。
【0031】
図5は、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離と、反射係数Γと、の関係の一例を示す図である。図5には、例えば、受信アンテナ18と送信アンテナ16とが同軸上に配置されており、受信アンテナ18のアンテナ面と送信アンテナ16のアンテナ面とが平行であることを仮定した場合の、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離と、反射係数Γと、の関係が示されている。本実施形態では、例えば、データ記憶部32に記憶されている反射係数距離対応データには、図5における対応関係を示す値が設定されている。図5には、角周波数ω0の値を13.56MHz、インダクタL1及びインダクタL2の半径を150mm、インダクタL1及びインダクタL2の巻数を1、インダクタL1及びインダクタL2の銅線の厚みを2mmとした際において、インピーダンス変換回路24により、送信側回路44の負荷Z1の値を、100Ω、50Ω、20Ω、10Ω、5Ω、1Ωに設定した場合それぞれについての、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離と反射係数Γとの関係がグラフとして表されている。本実施形態では、例えば、インピーダンス変換回路24により、送信側回路44の負荷Z1の値を所定値(例えば、1Ω)に設定する。そして、インピーダンスマッチングのため、受信側回路46の負荷Z2の値を、上述の所定値となるよう受信アンテナ18を設定する。そして、データ記憶部32には、予め、その負荷Z1の値に対応する、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離を示す値と反射係数Γとを対応付けた反射係数距離対応データを記憶しておく。
【0032】
信号送信部36は、本実施形態では、例えば、反射係数測定回路22による反射係数の測定を行う送信アンテナ16を切り替える切替信号を出力する。スイッチング回路26は、受け付ける切替信号に応じて、反射係数測定回路22と電気的に接続される送信アンテナ16を切り替える。本実施形態では、信号送信部36は、所定時間間隔で、反射係数測定回路22と電気的に接続される送信アンテナ16を切り替えるよう、スイッチング回路26に切替信号を出力するとともに、反射係数測定回路22と電気的に接続されることとなる送信アンテナ16の識別子をデータ記憶部32に上書き出力する。
【0033】
信号受信部34は、本実施形態では、例えば、反射係数測定回路22から出力される、進行電力検出端子FWDとグランド端子との間の電圧を示す信号と、進行電力検出端子FWDとグランド端子との間の電圧を示す信号と、を受信する。本実施形態では、信号受信部34は、所定時間間隔で、進行電力検出端子FWDとグランド端子との間の電圧を示す信号と、進行電力検出端子FWDとグランド端子との間の電圧を示す信号と、を受信する。上述のように、スイッチング回路26は、所定時間間隔で、反射係数測定回路22と電気的に接続される送信アンテナ16を切り替えるので、信号受信部34は、所定時間間隔で、各送信アンテナ16に対応付けられる信号を順次受信することとなる。
【0034】
反射係数算出部38は、信号送信部36から出力された切替信号に基づいて、信号受信部34が受信した上述の信号がどの送信アンテナ16に対応付けられる信号であるかを特定する。反射係数算出部38は、本実施形態では、例えば、データ記憶部32に記憶されている送信アンテナ16の識別子(本実施形態では、反射係数測定回路22と電気的に接続されている送信アンテナ16の識別子)に基づいて、送信アンテナ16を特定する。そして、反射係数算出部38は、進行電力検出端子FWDとグランド端子との間の電圧に対する、進行電力検出端子FWDとグランド端子との間の電圧の比率を2乗して、進行波の電力に対する反射波の電力の比率である反射係数を算出する。
【0035】
このように、反射係数算出部38は、本実施形態では、電源20から送信アンテナ16に出力される電力に応じた信号と、送信アンテナ16から受信アンテナ18へと伝達されずに電源20に還る電力に応じた信号と、に基づいて、反射係数を算出する。また、反射係数測定回路22と電気的に接続される送信アンテナ16を順次切り替えながら、各送信アンテナ16についての反射係数算出部38による反射係数の算出処理を実行する。
【0036】
距離特定部40は、データ記憶部32に記憶されている反射係数距離対応データと、反射係数算出部38により算出された反射係数と、に基づいて、この反射係数に対応付けられる送信アンテナ16と、受信アンテナ18と、の間の距離に応じた値(例えば、受信アンテナ18と送信アンテナ16とが同軸上に配置されており、受信アンテナ18のアンテナ面と送信アンテナ16のアンテナ面とが平行であることを仮定した場合の、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離を示す値)を特定する。本実施形態では、各送信アンテナ16について、上述の処理を繰り返すことで、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離に応じた値が特定される。
【0037】
位置姿勢特定部42は、情報処理装置14は、データ記憶部32に記憶されている位置データと、各送信アンテナ16について特定された、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離に応じた値と、に基づいて、受信アンテナ18の位置及び姿勢を示すデータを生成する。位置姿勢特定部42は、具体的には、例えば、三角測量の原理を用いて、受信アンテナ18の位置及び姿勢を示すデータを生成する。
【0038】
処理実行部43は、受信アンテナ18の位置や姿勢を示すデータに基づく画面を生成して、ディスプレイに表示出力する処理や、受信アンテナ18の位置や姿勢を示す文字列が印字された用紙を印刷出力する処理、などといった、特定された、受信アンテナ18の位置や姿勢に基づく処理を実行する。
【0039】
上述のように、本実施形態に係るセンシングシステム10では、電源20から送信アンテナ16に出力される電力(上述の進行波の電力)に対する、送信アンテナ16から受信アンテナ18に伝達されずに電源20に還る電力(上述の反射波の電力)の比率である反射係数に基づいて、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離に応じた値を特定する。また、複数の送信アンテナ16について特定された、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離に応じた値、及び、各送信アンテナ16の位置に基づいて、受信アンテナ18の位置や姿勢を特定する。このように、本実施形態に係るセンシングシステム10では、送信アンテナ16に接続された電力検出装置12及び情報処理装置14での測定結果に基づいて、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離の推定や、受信アンテナ18の位置や姿勢の推定を行うことができる。そして、本実施形態に係るセンシングシステム10では、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離の推定や、受信アンテナ18の位置や姿勢の推定に際して、受信アンテナ18から送信アンテナ16への位置情報の送信や、受信アンテナ18側での測定が不要である。
【0040】
また、図5に示すように、送信側回路44の負荷Z1や受信側回路46の負荷Z2の値が小さくなればなるほど、反射係数の値が0である場合における送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離が長くなる。そのため、インピーダンス変換回路24により、送信側回路44の負荷Z1の値を小さくし、受信側回路46の負荷Z2の値を送信側回路44の負荷Z1の値と同じにすることで、測定可能な送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離を伸ばすことができる。また、送信側回路44のQ値を大きくすることによっても、測定可能な送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離を伸ばすことができる。
【0041】
また、本実施形態では、インダクタL1とインダクタL2との間の結合係数の値k及び磁界共振の鋭さを表すQ値とが反射係数Γの値に影響を与えることとなる。インダクタの巻数、及び、半径を変化させると、結合係数の値kが変化し、その結果、結合係数Γが変化する。また、角周波数ω0の値を変化させると、Q値が変化し、その結果、結合係数Γが変化する。具体的には、例えば、インダクタの巻数を多くすると、反射係数の値が0である場合における送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離が長くなる。また、インダクタの半径を大きくすると、反射係数の値が0である場合における送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離が長くなる。また、角周波数ω0の値を大きくすると、反射係数の値が0である場合における送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離が長くなる。また、インダクタの銅線の厚みを変化させると、結合係数Γが変化する。
【0042】
以上のように、Q値を大きくしたり、送信側回路44や受信側回路46のインピーダンスを小さくしたりすることにより、測定可能な送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離を伸ばす(センシングレンジを伸ばす)ことができる。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0044】
例えば、上述の実施形態における反射係数測定回路22として、ネットワークアナライザ(例えば、スカラネットワークアナライザやベクトルネットワークアナライザ(VNA))を用いてもよい。また、例えば、データ記憶部32に、反射係数距離対応データの代わりに、反射係数と、送信アンテナ16と受信アンテナ18との距離と、の関係式を示すデータが記憶されていてもよい。そして、距離特定部40が、この関係式を示すデータに基づいて、送信アンテナ16と受信アンテナ18との距離を算出するようにしてもよい。また、情報処理装置14で実現される機能を、ソフトウェアで実現する代わりに、電気回路等のハードウェアで実現してもよい。
【0045】
また、例えば、反射係数の代わりに、進行波の電力と反射波の電力とに基づくパラメータ(具体的には、例えば、定在波比(SWR)や、S11パラメータ)、電流が一定であるという条件の下での進行波と反射波との電圧比、電圧が一定であるという条件の下での進行波と反射波との電流比、等に基づいて、送信アンテナ16と受信アンテナ18との間の距離や、受信アンテナ18の位置や姿勢を特定してもよい。
【0046】
また、例えば、センシングシステム10に含まれる送信アンテナ16が1つであり、電力検出装置12がスイッチング回路26を備えていなくてもよい。そして、情報処理装置14が、1つの送信アンテナ16について算出される反射係数に基づいて、その送信アンテナ16に対する受信アンテナ18の相対的な位置(例えば、距離等)を特定するようにしてもよい。
【0047】
また、例えば、送信アンテナ16と受信アンテナ18とが電界共振結合により結合されていてもよい。電界共振結合を利用すると、例えば、床に送信アンテナ16をアレイ状に配置し、送信側回路44の共振周波数を人体との共振周波数である70MHzぐらいに設定し、人体を受信アンテナ18として機能させることで、送信アンテナ16に対する人体の相対的な位置や姿勢を特定することができる。また、このことをさらに応用することで、人体の血圧・心拍数・血糖値といった生体情報の検出を行えるようになることが期待される。
【符号の説明】
【0048】
10 センシングシステム、12 電力検出装置、14 情報処理装置、16 送信アンテナ、18 受信アンテナ、20 電源、22 反射係数測定回路、24 インピーダンス変換回路、26 スイッチング回路、28 コネクタ、30 筐体、32 データ記憶部、34 信号受信部、36 信号送信部、38 反射係数算出部、40 距離特定部、42 位置姿勢特定部、43 処理実行部、44 送信側回路、46 受信側回路、48 中心導体、50 グランド線、52 ピックアップ線、54 抵抗器、56 キャパシタ、58 ダイオード、60 抵抗器、62 キャパシタ、64 ダイオード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源に接続された、入力される電力の一部を受信アンテナに伝達する送信アンテナと、
電源から出力される電力と、前記送信アンテナから電源に還る電力と、に基づいて、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の距離に応じた値を特定する距離特定手段と、
前記距離に応じた値に基づく処理を実行する処理実行手段と、
を備えることを特徴とするセンシングシステム。
【請求項2】
前記距離特定手段は、電源から出力される電力に対する、前記送信アンテナから電源に還る電力の割合に基づいて、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の距離に応じた値を特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のセンシングシステム。
【請求項3】
電源と、前記送信アンテナと、の間に配置された、前記センシングシステムのインピーダンスを小さくするインピーダンス変換回路、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のセンシングシステム。
【請求項4】
前記送信アンテナを複数備え、
前記距離特定手段が、前記各送信アンテナについて、電源から出力される電力と、当該送信アンテナから電源に還る電力と、に基づいて、当該送信アンテナと前記受信アンテナとの間の距離に応じた値を特定し、
前記距離特定手段により前記各送信アンテナについて特定された値、及び、前記各送信アンテナが配置されている位置を示す情報に基づいて、前記受信アンテナの位置又は姿勢の少なくとも一方を特定する位置姿勢特定手段、をさらに備え、
前記処理実行手段が、前記位置又は姿勢の少なくとも一方に基づく処理を実行する、
を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のセンシングシステム。
【請求項5】
前記受信アンテナを備えた受信装置をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のセンシングシステム。
【請求項6】
入力される電力の一部を受信アンテナに伝達する送信アンテナに対して電源から出力される電力を測定するステップと、
前記送信アンテナから電源に還る電力を測定するステップと、
電源から前記送信アンテナに出力される電力と、前記送信アンテナから電源に還る電力と、に基づいて、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の距離に応じた値を特定する距離特定ステップと、
を含むことを特徴とするセンシング方法。
【請求項7】
電源から出力される電力の一部を受信アンテナに伝達する送信アンテナに電源から出力される電力と、前記送信アンテナから前記電源に還る電力と、に基づいて、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の距離に応じた値を特定する距離特定手段、
前記距離に応じた値に基づく処理を実行する処理実行手段、
としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−93160(P2012−93160A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239370(P2010−239370)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】