説明

センシングシステム

【課題】
光ファイバーから離れた任意の場所にセンサを設置できるセンシングシステムを提供する。
【解決手段】
監視装置12は、無線・光変換ノード13(n)において定常光を出射するレーザ光源121と、送り返される信号光を受信する光信号受信器122とを備える。複数のセンサノード14(m)は、それぞれ、複数のセンサインタフェース142と、これに接続されたセンサSkからの検出データを対応する無線・光変換ノードに無線送信する無線送信回路141と、マイクロプロセッサ143とを備える。複数の無線・光変換ノード13(n)は、それぞれ、定常光の一部を電力に変換する光電変換器131と、センサノードからの検出データを無線受信する無線受信回路132と、マイクロプロセッサ133と、定常光の他の一部に変調を加え検出データが埋め込まれた信号光を生成する光変調器135とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバーと無線を用いて、広範な領域に多数のセンサを設置できるセンシングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、所定の山岳・丘陵地帯の崩落・崩壊をいち早く検出し、所定の領域で大気中のCO2等の濃度の検出、気温や湿度の検出等を逐一行うために、無線を利用したセンサネットワークが広く研究されている。
たとえば、特許文献1に示す無線通信端末,光ファイバー等を利用した崩壊監視システムが知られている。図5に示すように、センシングシステム(崩壊監視システム)8では、歪センサが接続されてなる無線通信端末861〜864,871〜874,881〜884を各山岳・丘陵地帯に配置する。無線通信端末861〜863はアドホック方式により無線通信端末864に検出データを転送しており、受信器86は無線通信端末861〜864から検出データを受信することができる。同様に、受信器87は無線通信端末871〜874から検出データを受信することができる。受信器88は無線通信端末881〜884から検出データを受信することができる。
【0003】
受信器86,87,88は、各無線通信端末からの検出データを光ファイバー82を介して基地局83に送る。基地局83は光スイッチ831を備えており、光スイッチ831を切り換えることにより受信器86,87,88からの検出データを順次受信する。
基地局83は受信した検出データを公衆網84を介して観測センター85に送る。
【0004】
一方、特許文献2に示すセンシング技術が本発明者により提案されている。この技術では、図6に示すように、センシングシステム9は、光ファイバー92を介して接続されたホスト装置(監視装置)93と、複数のセンサノード911,912,・・と、これらセンサノード(光端末装置)911,912,・・にそれぞれ接続された複数のセンサとからなる。図6ではセンサノード911にセンサS1,S2が接続され、センサノード912にセンサS3,S4,S5が接続されている。
【0005】
ホスト装置93は、レーザ光源931と光信号受信器932と光サーキュレータ933を備えており、レーザ光源931からは電力用および信号用として機能する定常光が出射される。センサノード911,912,・・には光電変換器94がそれぞれ設けられており、この光電変換器94によりホスト装置93から送出される定常光の一部が駆動用電力に変換される。
【0006】
センサS1,S2,S3,S4,S5,・・・からの検出データは、センサノード911,912,・・・に入力される。センサノード911,912,・・・に搭載した光変調器95は、検出データに基づいて、光ファイバー92を介して受け取った定常光を変調し、信号光は、光ファイバー92および光サーキュレータ933を介して光信号受信器932に送信される。
【特許文献1】2007−018126
【特許文献2】2007−335987
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のセンシングシステム8では、無線通信端末がアドホック方式によりデータの送受信を行なうので、システム制御が面倒となる問題がある。また、通信範囲が極めて狭いため(たとえば、受信器81を中心として500m程度)、センシングする領域を拡大することが容易ではない。特許文献1では、センサに識別符号(ID)を付与せずに、光スイッチ831によりセンサからの信号を選択している。このため、受信器(図5では86,87,88)の数は限定され、増設も容易ではない。
【0008】
一方、特許文献2のセンシングシステム9では、センサをセンサノード911,912,・・・のせいぜい数メートルの距離にしか配置できず、センサが設置できる領域はせいぜいセンサノード911,912,・・・の周辺にとどまる。このため、検出領域を拡張したい場合であっても、拡張できる領域はせいぜい光ファイバーの周辺に限られ、広範な領域に展開できないという問題がある。しかも、センサを増設するには、光ファイバーを増設する必要があり、工事が煩雑になるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、光ファイバーから離れた任意の場所にセンサを設置し、また広範な領域に多数のセンサを増設できるセンシングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のセンシングシステムは、(1)から(5)を要旨とする。
(1)
監視装置と、前記監視装置に光ファイバーを介して接続された複数の無線・光変換ノードと、前記複数の無線・光変換ノードに対応して設けられる複数のセンサノードとからなり、
前記監視装置は、
前記複数の無線・光変換ノードを駆動し、かつ当該無線・光変換ノードにおいて信号光を生成するための定常光を前記光ファイバーに出射するレーザ光源と、
前記複数の無線・光変換ノードから送り返される信号光を受信する光信号受信器と、
を備え、
前記複数の無線・光変換ノードは、それぞれ、
前記光ファイバーを介して供給された前記定常光の一部を電力に変換する、電源として機能する光電変換器と、
前記センサノードからの検出データを無線受信する無線受信回路と、
前記定常光の他の一部に変調を加え、前記検出データが埋め込まれた前記信号光を生成する光変調器と、
前記光電変換器、前記無線受信回路および前記光変調器を制御するマイクロプロセッサと、
を備え、
前記複数のセンサノードは、それぞれ、
電源として機能する光電変換器と、
複数のセンサを有線接続するための少なくとも1つのインタフェースと、
前記少なくとも1つのインタフェースに接続された少なくとも1つのセンサからの検出データを対応する前記無線・光変換ノードに無線送信する無線送信回路と、
前記光電変換器、前記インタフェースおよび前記無線送信回路を制御するマイクロプロセッサと、
を備えたセンシングシステムであって、
前記複数のセンサノードの前記マイクロプロセッサは、
自己のセンサノードの識別符号を、前記センサから受け取った検出データに付与し、または、
前記センサの識別符号および自己のセンサノードの識別符号を、前記センサからの検出データに付与し、
前記複数の無線・光変換ノードの前記マイクロプロセッサは、それぞれ、自己の無線・光変換ノードの識別符号を、前記センサノードから受け取った検出データに付与する、
ことを特徴とするセンシングシステム。
【0011】
(2)
前記複数のセンサノードのマイクロプロセッサは、それぞれ、当該センサノード全体を制御し、自己のセンサノードに接続されたあるセンサからの検出データを、他のセンサとは重ならない時刻であって、所定時間幅内のランダムに決定された時刻に取得することを特徴とする(1)に記載のセンシングシステム。
【0012】
(3)
前記センサノードの無線送信回路が所定周波数で送信を行い、前記無線・光変換ノードの無線受信回路が前記所定周波数で受信を行なうセンシングシステムであって、
前記無線・光変換ノードのマイクロプロセッサは、前記所定周波数で受信したデータが前記検出データであることを、前記センサ識別符号または前記センサノード識別符号に基づき検証し、受信したデータが前記検出データであるときは当該データを前記検出データとして前記光変調器に渡し、受信したデータが前記検出データでないときは当該データを破棄することを特徴とする(1)または(2)に記載のセンシングシステム。
【0013】
(4)
前記センサノードの無線送信回路が所定周波数で送信を行い、前記無線・光変換ノードの無線受信回路が前記所定周波数で受信を行なうセンシングシステムであって、
前記無線・光変換ノードのマイクロプロセッサは、受信したデータが前記検出データであるか否かを検証することなく当該データを前記光変調器に渡す、
ことを特徴とする(1)または(2)に記載のセンシングシステム。
【0014】
前記センサノードは、前記無線・光変換ノードに対して電波指向性を有することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、光ファイバーから離れた任意の場所にセンサを設置し、また広範な領域に多数のセンサを増設できるセンシングシステムを提供することができる。また、必要に応じ、容易に、センサノードを増設したり、既存センサノードにセンサを追加したりできる。
【0016】
本発明では無線・光変換ノードが、発光素子を有しないように構成することで、低電力で無線・光変換ノードを駆動することができる。また、無線・光変換ノードに対する電波指向性を各センサノードに持たせることや、各センサノードの無線送信回路から、無線・光変換ノードの無線受信回路へのデータ送信を無手順としてソフトウェアの実行量を少なくすることで、さらに、消費電力を低減できる。
【0017】
本発明では無線・光変換ノードは、監視装置からの光給電により駆動されるので、バッテリーを不要にできる。すなわち、この場合にはバッテリー交換などが不要となり、メンテナンスフリーとできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のセンシングシステムの全体説明図である。
【図2】本発明における無線・光変換ノードの回路構成を示す図である。
【図3】センサノードの回路構成を示す図である。
【図4】検出データにセンサIDが書き込まれていない場合のセンサ,センサノード,無線・光変換ノードが出力する検出データおよびこれに付加された識別符号を示す図である。
【図5】従来のセンシングシステムの一例を示す説明図である。
【図6】従来のセンシングシステムの他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の一実施形態を図1から図4により説明する。
図1は、本発明のセンシングシステムの全体説明図である。図1において、センシングシステム1は、監視装置12と、複数の無線・光変換ノード13(1),13(2),・・・,13(N)とが光ファイバー11を介して接続され、無線・光変換ノードにそれぞれ増設可能に複数のセンサノード14(1),14(2),・・・,14(M)が設けられて構成されている。
【0020】
図2に無線・光変換ノード13(n)(n=1,2,・・・,N)の回路構成を、図3にセンサノード14(m)(m=1,2,・・・,M)の回路構成を示す。
図1において、監視装置12は、レーザ光源121と、光信号受信器122と、光サーキュレータ123とを備えている。レーザ光源121は、複数の無線・光変換ノード13(n)を駆動しかつ当該無線・光変換ノードにおいて信号光を生成するための定常光BSを生成する。光信号受信器122は、無線・光変換ノード13(n)から変調が加えられて返えされる信号光BDDを光サーキュレータ123を介して受信する。
【0021】
図2に示すように、無線・光変換ノード13(n)は、それぞれ、光電変換器131と、無線受信回路132と、マイクロプロセッサ133と、増幅器134と、光変調器135と、ミラー136とを備えている。光電変換器131は、レーザ光源121から光ファイバー11を介して伝播される定常光BSの一部を電力に変換する。
【0022】
無線・光変換ノード13(n)の無線受信回路132は、センサノード14(m)の無線送信回路141からの送出される電波(検出データDDを含む)を受信することができる。具体的には、無線受信回路132に備えた選局フィルタにより、センサノード14(m)が発する特定周波数の電波のみを受信する。さらに、電波の持つ特定コード(センサノード14(m)の識別符号ID)を識別し、センサノードからの電波信号だけを取得する。
【0023】
通常、複数の無線・光変換ノード13(n)が1つのセンサノード14(m)から検出データDDを受信するようにはセンサノード14(m)は配置されないので、すべての無線・光変換ノード13(n)の無線受信回路132は、共通の周波数の検出データDDを受信するように構成することができる。
【0024】
マイクロプロセッサ133は、後述するように、無線・光変換ノード13(n)において、当該無線・光変換ノード13(n)の識別符号を検出データDDに付加するなど、信号の処理や制御を行なうことができる。
マイクロプロセッサ133は、所定周波数で受信したデータが検出データであることを、センサ識別符号a、センサノード識別符号bに基づき検証し、受信したデータが検出データDDであるときは当該データを光変調器135に渡し、受信したデータが検出データDDでないときは当該データを破棄することができる。また、無線・光変換ノードのマイクロプロセッサ133は、受信したデータが検出データであるか否かを検証することなく当該データを光変調器に渡すこともできる。
【0025】
増幅器134は、受信した検出データDDを増幅して光変調器135に渡す。光変調器135は、レーザ光源121からの定常光BSの一部を、検出データDDによって変調し信号光BDDを生成する。信号光BDDには検出データDDが埋め込まれている。前述したように、監視装置12では、光信号受信器122が信号光BDDを受信する。
【0026】
図3に示すように、センサノード14(m)は、それぞれ、無線送信回路141と、センサインタフェース142と、マイクロプロセッサ143と、太陽電池144と、二次電池145とを備えている。無線送信回路141は、無線・光変換ノード13(n)の何れかに複数のセンサSkからの検出データDDを無線送信する。本発明では、あるセンサノード14(m)は固定点なので、ある無線・光変換ノード13(n)に検出データを指向性アンテナにより送信するようにできる。これにより、センサノード14(m)や無線・光変換ノード13(n)の消費電力が大幅に削減できる。
【0027】
センサインタフェース142は、少なくとも1つのセンサSkが接続できるように構成し、センサSkからの信号をA/D変換する。図3では、センサS1,S2が接続されているセンサインタフェース142を実線のブロックで示してあり、センサS1,S2が接続されていないセンサインタフェース142を破線のブロックで示してある。
【0028】
マイクロプロセッサ143は、センサノード14(m)全体を制御し、たとえば、各センサSkからの検出データを、他のセンサSkとは重ならない時刻であって、所定時間幅内のランダムに決定された時刻に取得するようにできる。
また、マイクロプロセッサ143は、センサSkからの信号に識別符号IDを付与する。太陽電池144により発生したエネルギーは、二次電池145に蓄積される。本実施形態では、電力源として太陽電池144を用い光電力を二次電池145に蓄積したが、キャパシタに蓄積するようにしてもよい。また、電力源として太陽電池144および二次電池145の組に代えて一次電池を使用することもできる。
【0029】
本実施形態では、光ファイバー11には多数の無線・光変換ノード13(n)を設けることができる。具体的には、光ファイバー11を20kmに渉って敷設し、適宜箇所に100以上の無線・光変換ノード13(n)を設けることができる。また、ひとつの無線・光変換ノード13(n)には複数(10程度)のセンサノード14(m)を接続できる。
【0030】
また、1つのセンサノード14(m)にセンサSkを複数(1から10)接続できる。したがって、1つの無線・光変換ノード13(n)で、平均50個程度のセンサSkからの信号を受けられるから、センシングシステムでは、5,000個以上のセンサSkを配置することができる。また、センサSkの設置範囲を、10km四方とすることも可能となる。
【0031】
本発明のセンシングシステムでは、センサSkが多数に及ぶことから、センサの識別技法が重要となる。
センサノード14(m)に備えられたインタフェース142には複数のセンサが搭載できる仕様で構成されるが、あるセンサノード14(m)のインタフェース142に接続されるセンサの種類は、同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0032】
本実施形態では、センサSkから出力される検出データDDにセンサ識別符号aが含まれておらず、センサノード14(m)のマイクロプロセッサ143がセンサ識別符号aを検出データDDに付与している。
【0033】
なお、センサSkから出力される検出データDDにセンサ識別符号aが含まれておらず、かつセンサノード14(m)がセンサ識別符号aを検出データDDに付与しないようにもできる。たとえば、マンホール蓋について複数のセンサSkにより開蓋検出を行なっている場合において、開蓋状態となったときには、そのマンホールさえ特定できれば、センサまで特定する必要がない。このように、センサSkによりある検出を行なっている場合において、異常が生じたようなときには、異常を検出したセンサSkが接続されたセンサノード14(m)さえ特定できれば、センサSkまでも特定する必要がないので、センサSkから出力される検出データDDにセンサ識別符号aを付与しなくてもよい。
【0034】
センサノード14(m)に備えられたマイクロプロセッサ143は、検出データDDを送信する際に、検出データDDにセンサノード14(m)を特定するための情報(センサノード識別符号b)を付与することができる。本実施形態では、マイクロプロセッサ143は、センサ識別符号aとセンサノード識別符号bとを検出データDDに付記することになる。このセンサノード識別符号bはセンサノード14(m)のIDである。
【0035】
また、センサノード14(m)においてセンサノード識別符号bが検出データDDに付記されない場合であっても、無線・光変換ノード13(n)においてセンサノード識別符号bを検出データDDに付与することができる。すなわち、図2における無線・光変換ノード13(n)では、マイクロプロセッサ132が、センサノード14(m)の無線送信回路141から検出データDDを受信したときに、センサノード14(m)を特定するためのセンサノード識別符号bを検出データDDに付記することができる。
【0036】
また、図2における無線・光変換ノード13(n)では、マイクロプロセッサ132が、無線・光変換ノード13(n)を特定するための無線・光変換ノード識別符号cを検出データDDに付記することができる。
【0037】
監視装置12は、検出データDDを、無線・光変換ノード13(n)から受信したときに、検出データDDに含まれている識別符号a,b,cから、無線・光変換ノード13(n)、センサノード14(m)およびセンサSkを特定できる。また、あるセンサノード14(m)に属する複数のセンサSkの何れかがある事象を検出すれば、検出の目的が達成できるようなときには、検出データDDに識別符号aを含める必要がない場合もある。このような場合には、識別符号b,cにより無線・光変換ノード13(n)およびセンサノード14(m)が特定される。
【0038】
従来であれば、1つのセンサノードには、1つのセンサが配置される場合が一般的である。このときには、センサノードを識別しさえすればよく、またセンサ数も少ないので管理が容易である。これに対し、本発明では、センサノードに多数のセンサがあり、センサ識別を系統的に行なう必要がある。
センサには、センサ固有の所在がわかる識別情報Z(上記の、a,b,cに相当する識別符号)が付与されるので、途中のノードで識別情報が付与されることはない。
【0039】
本発明では、検出データが伝送される際に、ノードごとに識別符号が付与される。したがって、センサノードやセンサを追加するごとに、その都度、そのセンサにシステム全体からみた識別情報Zを付与する必要はない。
センサの識別は、センサ数が少なければ管理容易であるが、センサ数が数千とした場合には、センサ固有の識別情報Zで管理することは容易ではない。本発明では、センサSkを、固有の識別情報Zで特定せずに、各ノードで付与される識別符号a,b,cからセンサSkを特定したり、識別符号b,cからセンサノード14(m)を特定したりできるので、センサSkの管理が容易である。検出データDDにセンサSkの識別符号が書き込まれている場合の、検出データDDの識別符号付与の変化の様子を図4に示す。なお、識別符号bが、無線・光変換ノード13(n)をも特定できる情報を含んでいる場合には、識別符号cは必要はない。
【0040】
従来は、センサの増設を行なう場合には、既存の光ファイバー11の敷設経路の変更や延長が必要となり、工事が容易ではない。しかも、都市部では、光ファイバー11の敷設経路の変更や延長に制約が生じる場合も多い。これに対して、本発明のセンシングシステム1では、光ファイバー11の敷設経路の変更や延長なしに、センサノード14(m)やセンサSkを容易に任意の場所に増設し、各センサセンサSkからの検出データDDを監視装置12において管理することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 センシングシテム
11 光ファイバー
12 監視装置
13(n) 無線・光変換ノード
14(m) センサノード
121 レーザ光源
122 光信号受信器
123 光サーキュレータ
131 光電変換器
132 無線受信回路
133 識別器
134 増幅器
135 光変調器
136 ミラー
141 無線送信回路
142 インタフェース
143 マイクロプロセッサ
144 太陽電池
145 二次電池
Sk センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視装置と、前記監視装置に光ファイバーを介して接続された複数の無線・光変換ノードと、前記複数の無線・光変換ノードに対応して設けられる複数のセンサノードとからなり、
前記監視装置は、
前記複数の無線・光変換ノードを駆動し、かつ当該無線・光変換ノードにおいて信号光を生成するための定常光を前記光ファイバーに出射するレーザ光源と、
前記複数の無線・光変換ノードから送り返される信号光を受信する光信号受信器と、
を備え、
前記複数の無線・光変換ノードは、それぞれ、
前記光ファイバーを介して供給された前記定常光の一部を電力に変換する、電源として機能する光電変換器と、
前記センサノードからの検出データを無線受信する無線受信回路と、
前記定常光の他の一部に変調を加え、前記検出データが埋め込まれた前記信号光を生成する光変調器と、
前記光電変換器、前記無線受信回路および前記光変調器を制御するマイクロプロセッサと、
を備え、
前記複数のセンサノードは、それぞれ、
電源として機能する光電変換器と、
複数のセンサを有線接続するための少なくとも1つのインタフェースと、
前記少なくとも1つのインタフェースに接続された少なくとも1つのセンサからの検出データを対応する前記無線・光変換ノードに無線送信する無線送信回路と、
前記光電変換器、前記インタフェースおよび前記無線送信回路を制御するマイクロプロセッサと、
を備えたセンシングシステムであって、
前記複数のセンサノードの前記マイクロプロセッサは、
自己のセンサノードの識別符号を、前記センサから受け取った検出データに付与し、または、
前記センサの識別符号および自己のセンサノードの識別符号を、前記センサからの検出データに付与し、
前記複数の無線・光変換ノードの前記マイクロプロセッサは、それぞれ、自己の無線・光変換ノードの識別符号を、前記センサノードから受け取った検出データに付与する、
ことを特徴とするセンシングシステム。
【請求項2】
前記複数のセンサノードのマイクロプロセッサは、それぞれ、当該センサノード全体を制御し、自己のセンサノードに接続されたあるセンサからの検出データを、他のセンサとは重ならない時刻であって、所定時間幅内のランダムに決定された時刻に取得することを特徴とする請求項1に記載のセンシングシステム。
【請求項3】
前記センサノードの無線送信回路が所定周波数で送信を行い、前記無線・光変換ノードの無線受信回路が前記所定周波数で受信を行なうセンシングシステムであって、
前記無線・光変換ノードのマイクロプロセッサは、前記所定周波数で受信したデータが前記検出データであることを、前記センサ識別符号または前記センサノード識別符号に基づき検証し、受信したデータが前記検出データであるときは当該データを前記検出データとして前記光変調器に渡し、受信したデータが前記検出データでないときは当該データを破棄することを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載のセンシングシステム。
【請求項4】
前記センサノードの無線送信回路が所定周波数で送信を行い、前記無線・光変換ノードの無線受信回路が前記所定周波数で受信を行なうセンシングシステムであって、
前記無線・光変換ノードのマイクロプロセッサは、受信したデータが前記検出データであるか否かを検証することなく当該データを前記光変調器に渡す、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンシングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−101644(P2013−101644A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−280338(P2012−280338)
【出願日】平成24年12月22日(2012.12.22)
【分割の表示】特願2008−121660(P2008−121660)の分割
【原出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【出願人】(504132881)国立大学法人東京農工大学 (595)
【Fターム(参考)】