センシング方法およびそのセンシング方法を応用したセンサ、マーカー
【課題】電源を接続せず、非接触の状態で、周期的にかつ自己補対的に配置された導電膜間の接触の有無を検知すること、また、小型で簡便な構成で安定して化学物質の検量するセンサ、あるいは、応力、温度などを検出するセンサを得ることは、困難であった。
【解決手段】 表面に互いに近接または接触した複数の導電膜を前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域とが同面積になるように周期的に形成した絶縁性の基板に、導電膜の設置周期に近い波長を有する光を照射し、その光の透過量または反射量を測定することにより、非接触で導電膜間の接触の有無を検知する。
【解決手段】 表面に互いに近接または接触した複数の導電膜を前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域とが同面積になるように周期的に形成した絶縁性の基板に、導電膜の設置周期に近い波長を有する光を照射し、その光の透過量または反射量を測定することにより、非接触で導電膜間の接触の有無を検知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、互いに近接して自己補対的にかつ周期的に配置された複数の導電体間の導通を非接触でセンシングする方法、およびこの原理を利用した導電体間の導通または圧力、温度、気体の濃度、液体の導電率などを検量するセンサ、マーカーに係るものである。
【背景技術】
【0002】
金属表面で発生する表面プラズモン共鳴を利用して気体や液体などの化学物質を検量するセンサは従来から知られており、金属の表面に直接または間接に付着する化学物質により共鳴条件が変化することを利用して化学物質の検量を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−250981号公報(第2〜3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような従来の表面プラズモン共鳴センサによる化学物質の検量においては、表面プラズモンとプローブ光を効率よく結合する必要がある。平坦な金属膜に対してプローブ光を用いて表面プラズモンを発生させるためには、金属上に光学プリズムを設置して特定の入射角度でプローブ光を照射しなければならず、プローブ光の光源、光学プリズム、金属膜、光検出器の位置関係を高精度に保持する必要がある。
【0005】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、互いに近接した周期構造を有する導電体間の導通を非接触でセンシングする方法、およびこのセンシング方法を利用した、導通の有無、圧力、温度の検知、化学物質の検量などを行うセンサを提供すること、さらに、このセンシング方法を利用して視認が困難な情報を有するマーカーを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るセンシング方法は、表面に互いに近接または接触した複数の導電膜を前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域とが同形状で同面積になるように周期的に形成した絶縁性の基板に光を照射し、前記基板を透過した前記光または前記基板から反射した前記光の強度を検出することにより複数の前記導電膜の相互接触の有無を判別するものである。
【0007】
また、この発明に係るセンサは、光発生部と、絶縁性の基板と、基板上に周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜と、光検出部とを備え、複数の導電膜の相互接触の有無を判別することにより、導通の有無の検知、圧力、温度、化学物質の検量などを行うものである。
【0008】
さらに、この発明に係るマーカーは、周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜が、導電膜のない領域と導電膜がある領域が同形状、同面積でかつ周期的に設けられているものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、互いに近接して自己補対的にかつ周期的に配置された導電体間の導通を非接触でセンシングできる。
【0010】
また、この発明によれば、小型で簡便な構成で安定して化学物質の検量するセンサ、あるいは、応力、温度などを検出するセンサを得ることができる。
【0011】
また、この発明によれば、視認できない情報を有するマーカーを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるセンシング方法を説明する模式図である。図1において、特定波長の光を出射する光発生部10と、光発生部10から出射される光の強度を検出する光検出部20の間に、光を透過する基板30が配置されている。基板30の表面上には、複数の導電膜40である金属膜が周期的にかつ自己補対的に互いに近接または接触して形成されている。自己補対的な配置とは、例えば平面の場合、平面上の任意の構造で、その構造の構成材料がない部分の形状が、その構造の構成材料がある部分の形状と同面積で同形状であるような配置のことをいう。
【0013】
基板30の表面への導電膜40の自己補対的な配置の例を図2および図3に示す。図2および図3は基板30を基板30の上方からみた平面図である。図2では、基板30の一方の表面上に、複数の正方形の導電膜40が互いに角を近接して周期的に配置されており、図3では、基板30の一方の表面上に、複数の正方形の導電膜40が互いに角部で接触して周期的に配置されている。
【0014】
次に、本実施の形態におけるセンシング方法について、図1〜4を用いて説明する。
基板30であるセルロース基板の上に、一辺が1mmの正方形の形状のアルミニウム金属膜である導電膜40を図2および図3に示すように互いに近接または接触させて形成したものに、光発生部10から光を照射すると、隣接する金属膜が接触している場合と、接触していない場合とにより、光検出部20に達する光のスペクトルが変化する。
【0015】
図4は、金属膜が互いに接触している場合と接触していない場合との光検出部20に達する透過光の周波数依存性を示すスペクトル図である。図4において、図3のように金属膜が互いに接触している場合には透過光はスペクトルAとなり、図2のように金属膜が接触していない場合には透過光はスペクトルBとなる。金属膜間の接触の有無による透過スペクトルの変化は、金属膜間のギャップの大きさに関係なく、接していればスペクトルAとなり、接していなければスペクトルAを反転したスペクトルBとなる。
【0016】
図4では、少なくとも0.1THz以上で0.33THz以下の周波数の領域で透過率変化が大きくなっており、中でも周波数0.24THz近傍で透過率が最も大きく変化している。
本実施の形態の場合、基板30上の金属膜の繰返し周期、すなわち導電膜40の設置周期は図2および図3の縦横方向には2mmであり、この設置周期に対応する光の周波数は0.15THzである。
【0017】
このように、導電膜40の設置周期に対応する波長を有する光、つまり、導電膜40の設置周期と少なくともオーダーが同じ波長を有する光、より好ましくは導電膜40の設置周期の0.5〜2倍の波長を有する光の強度を光検知部20で検知することにより、金属膜の相互接触の有無をより有効に検知できる。
したがって、例えば、導電膜40の設置周期を1〜10μm程度にすると、赤外線により導電膜40の相互接触の有無が、また、導電膜40の設置周期を0.1〜1μm程度にすると、紫外光から近赤外光により導電膜40の相互接触の有無が検知できる。
【0018】
このような効果は、表面プラズモンを利用していないために幅広い波長の光を利用できる。また、使用する光により導電膜40の周期を変えることにより、同じ材料を用いて可視光からマイクロ波までの幅広い波長領域で動作するセンサを得ることができる。
【0019】
また、本実施の形態における基板30のように、周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜40が、導電膜40のない領域と導電膜40がある領域が同面積でかつ周期的に設けられたものは、視認が困難な導電膜40の接触または非接触の情報を有するマーカーとして利用できる。
【0020】
なお、本実施の形態においては、互いに近接した金属膜の自己補対的な配置の例として基板30を上方から見て正方形のものを配置した例を示したが、この配置はこれに限るものではなく、金属膜の形状は四角形であっても正方形以外の長方形、菱型、平行四辺形などであってもよい。また、図5に示すように正三角形などの三角形であってもよく、また図6に示す十字型や図7と図8とに示す卍型であっても、複数の金属膜が互いに近接しており、導電膜40と導電膜40がない部分と同じ形状と面積であれば、同様の効果を奏する。
【0021】
また、本実施の形態においては、導電膜40の材料の例として金属膜であるアルミニウムの例を示したが、金属膜の材料としてはこれに限るものではなく、金、銀、銅、クロムなど、可視光からマイクロ波の周波数領域の光に対して金属の性質、すなわち、金属表面に平行な電界成分が0となる性質を有する材料であれば、何であってもよく、可視光からマイクロ波の周波数領域の光を使用したセンサに利用できる。
さらに、導電膜40の材料としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛,酸化スズなどの酸化物、あるいは高濃度に不純物をドープした珪素、ゲルマニウム、炭素、ガリウム砒素、インジウム燐、炭化珪素、シリコンゲルマニウムなどであってもよく、テラヘルツ波やマイクロ波の周波数領域で金属の性質を示す材料であれば、他の材料であっても利用することができる。
【0022】
また、基板30の材料としてはセルロースの例を示したが、使用する光の波長に対して透過性を有するものであれば、他の材料であってもよく、例えば可視光に対しては透明なガラスなどを使用できる。
【0023】
実施の形態2.
図9は、この発明を実施するための実施の形態2における、センシング方法を説明する模式図である。図9において、複数の導電膜40である金属膜が基板30の表面上に周期的にかつ自己補対的に互いに近接または接触して形成されている。基板30の上方には、光を出射する光発生部10と、光発生部10から出射される光の強度を検出する光検出部20とが配置されている。ここで、基板30は光発生部10から出射される光を吸収する材料で構成されているものとする。基板30の表面上への導電膜40である金属膜の配置は、図2または図3に示したものと同様に一辺が1mmの正方形の形状のものを周期的に配置したものとする。
【0024】
基板30の材料はアモルファスガラスであり、導電膜40である金属膜はアルミニウムからなる。ここで、光発生部10から光を照射すると、隣接する金属膜が接触している場合と、接触していない場合とにより、光検出部20に達する光のスペクトルが変化する。
本実施の形態においては、光検出部20に達する光のスペクトルは、実施の形態1の図4を反転したものになる。したがって、実施の形態1の場合と同様に0.33THz以下の周波数の光の強度を検出することにより導電膜40の接触の有無を検出できる。
【0025】
なお、基板30の材料としては、アモルファスガラスのほかに、誘電体、半導体、セラミックス、ガラス材料、有機材料などであってもよい。導電膜40の材料は実施の形態1と同様に金属の性質を示すものであればよい。導電膜40の材料としては、実施の形態1と同様に選択すればよい。
【0026】
実施の形態3.
図10は、この発明を実施するための実施の形態3における、センシング方法を説明する模式図である。図9において、複数の立方体形状の導電体ブロック50である金属ブロックが絶縁性の接続棒55によって、各頂点で互いに近接または接触するように、自己補対的に配置されている。複数の金属ブロックの一方に光発生部10が設けられており、その反対側に光検知部20が設けられている。
複数の導電体ブロック50と導電体ブロック50の空隙とは、空間の中で等しい体積を有し、導電体ブロック50は自己補対的にかつ周期的に配置されている。また、透過光は導電体ブロック50の設置周期に近い波長を有する。
【0027】
図10に示した立体的に自己補対的に配置された複数の導電体ブロック50に対して光発生部10から光を照射した場合、導電体ブロック50の相互接触の有無によって、光の透過光強度が特定の波長領域で大幅に変化する。したがって、透過率が大幅に変化する波長領域の光強度を検知することにより、微細な接触の有無を検出することができる。
【0028】
実施の形態4.
図11は、この発明を実施するための実施の形態4における、センサの模式図である。基板30の上面図であり、図12は図11のA−A’断面に沿って基板30をみた断面模式図である。この発明を実施するための実施の形態4におけるセンサは、図11および図12に示した基板30が実施の形態1の図1の基板30のように配置されたものである。図11および図12において、基板30は伸び縮みする弾性体の材料で構成されており、基板30の上に導電膜40である金属膜が実施の形態1の図2あるいは図3と同様に設けられている。
応力のない初期の状態では、図12に示すように金属膜は互いに接触しているが、基板30に引っ張り応力が加わると、図13に示すように金属膜の間に空隙ができる。
【0029】
基板30に引っ張り応力が加わって複数の金属膜間に空隙ができるかできないかにより、実施の形態1と同様に光検知部20に達する光の透過率が変動するため、光検知部20で検知される光の強度により基板30かかる引っ張り応力の有無が検出できる。
また、初期の状態の基板30上の金属膜の配置を図13に示すように金属膜間に空隙を有するものにすると、圧縮応力がかかることにより基板30の断面図が図12に示すように金属膜が接触し間の空隙がなくなると基板30の透過率が変動するので、圧縮応力の有無を検知できる。
【0030】
なお、図14に示すように本実施の形態の基板30を、応力が発生する構造体60に貼り付け、光をあててその透過光を検出することにより、構造体にかかる応力を測定することができる。この場合は、透過光を測定するのではなく、実施の形態2に示したように反射光を検知してもよい。このような基板30を応力が発生する構造体の表面全面に貼り付け、光発生部10および光検知部20をスキャンすることにより、構造体全体の応力分布を測定することができる。
【0031】
また、基板30を熱により伸縮するものとすることにより、基板の温度を検出することができる。また、これを構造体に貼り付けることにより、構造体の温度分布を測定できることは応力測定の場合と同様である。
【0032】
実施の形態5.
図15は、この発明を実施するための実施の形態5における、センサの模式図である。図15において、基板30の上に周期的にかつ自己補対的に配置された複数の導電膜40である金属膜がわずかな間隔をもって設けられている。この基板30を容器75に入れた導電性の液体70に浸した状態で光発生部10から光を出射すると、液体の導電率の違いにより光検知部20において検出される光の強度が変動する。液体70の導電性が高い場合には、導電膜40である金属膜間の抵抗値が変化して光検知部20で検知される光強度が大きくなるが、液体の導電性が低い場合には、導電膜40である金属膜間の抵抗値が高く光検知部20で検知される光強度が小さくなる。
【0033】
本実施の形態におけるセンサにおいては、液体70の導電率の大きさによって光検知部20で検知される光強度が決まるため、実施の形態1のような二値的な変化をするのではなく、導電膜40である金属膜間の導電率の大きさに応じて検知される光の強度が変化する。
あらかじめ導電率の判明している液体を用いて導電率と光検知部20で検知される光強度との関係を測定しておくことにより、光検知部20で検知される光強度から液体70の導電率を得ることができる。
【0034】
実施の形態6.
図16は、この発明を実施するための実施の形態6における、センサの基板の模式図である。図16において、基板30の上に自己補対的に配置された導電膜40である金属膜がわずかな間隔をもって設けられている。このわずかな間隔部分に、化学物質の吸着によって導電率が変化する機能膜80を設ける。図16に示した基板30が実施の形態1の図1の基板30のように配置される。
【0035】
本実施の形態におけるセンサにおいては、機能膜80に吸着する化学物質の濃度により、導電膜40である金属膜間の導電率が変動する。例えば、機能膜80として酸化亜鉛、酸化チタニウム、酸化ガリウムなどを設けると、アンモニア、一酸化窒素、一酸化炭素などのガスの濃度の検出ができる。
あらかじめ濃度の判明している化学物質を用いて化学物質の濃度と光検知部20で検知される光強度との関係を測定しておくことにより、光検知部20で検知される光強度から化学物質の濃度が検出できる。
【0036】
実施の形態7.
図17は、この発明を実施するための実施の形態7における、センサの模式図である。導電膜が実施の形態1の図2に示したように配置された基板30に、導電膜の周期に対応する波長より短い波長の光を発する第1の光発生部11と、導電膜の周期に対応する波長より長い波長の光を発する第2の光発生部12とから出射した光とをダイクロイックミラー90などで合波し、基板30に照射する。基板30を透過した光をダイクロイックミラー、あるいはハーフミラーとフィルタを組み合わせた光学部品で構成された光分波器91により波長の異なる2つの光を分離し、導電膜の周期の波長より短い波長の光の光強度を第1の光検出部21で、導電膜の周期の波長より長い波長の光の光強度を第2の光検出部21で、個別に検出する。
【0037】
第1の光発生部11から出射する光の透過率は導電膜の接触の有無により大きく変化するが、第2の光発生部12から出射する光の透過率は導電膜の接触の有無によりほとんど変化しない。そのため、第1の光検出部21の出力信号と第2の光検出部21の出力信号とを比較することにより、測定にともなうノイズを低減することができ、より高感度に導電膜の接触の有無の検知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法を説明する模式図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法の基板上の導電膜の配置を示す模式図である。
【図3】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法の基板上の導電膜の配置を示す模式図である。
【図4】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法の出力例を示すスペクトル図である。
【図5】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法の基板上の導電膜の配置を示す模式図である。
【図6】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法の導電膜の配置を示す模式図である。
【図7】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法の導電膜の配置を示す模式図である。
【図8】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法の導電膜の配置を示す模式図である。
【図9】この発明の実施の形態2におけるセンシング方法の模式図である。
【図10】この発明の実施の形態3におけるセンシング方法の模式図である。
【図11】この発明の実施の形態4におけるセンサの基板上の導電膜の配置を示す模式図である。
【図12】この発明の実施の形態4におけるセンサの断面模式図である。
【図13】この発明の実施の形態4におけるセンサの断面模式図である。
【図14】この発明の実施の形態4におけるセンサを用いた構造体の応力分布の測定例を示す断面模式図である。
【図15】この発明の実施の形態5におけるセンサの断面模式図である。
【図16】この発明の実施の形態6におけるセンサの断面模式図である。
【図17】この発明の実施の形態7におけるセンシング方法の模式図である。
【符号の説明】
【0039】
10,11,12 光発生部、20,21,22 光検知部、30 基板、40 金属膜、50 金属ブロック、55 接続棒、60 応力が発生する構造体、70 液体、75 容器、80 機能膜、90 ダイクロイックミラー、91 光分波器。
【技術分野】
【0001】
この発明は、互いに近接して自己補対的にかつ周期的に配置された複数の導電体間の導通を非接触でセンシングする方法、およびこの原理を利用した導電体間の導通または圧力、温度、気体の濃度、液体の導電率などを検量するセンサ、マーカーに係るものである。
【背景技術】
【0002】
金属表面で発生する表面プラズモン共鳴を利用して気体や液体などの化学物質を検量するセンサは従来から知られており、金属の表面に直接または間接に付着する化学物質により共鳴条件が変化することを利用して化学物質の検量を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−250981号公報(第2〜3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような従来の表面プラズモン共鳴センサによる化学物質の検量においては、表面プラズモンとプローブ光を効率よく結合する必要がある。平坦な金属膜に対してプローブ光を用いて表面プラズモンを発生させるためには、金属上に光学プリズムを設置して特定の入射角度でプローブ光を照射しなければならず、プローブ光の光源、光学プリズム、金属膜、光検出器の位置関係を高精度に保持する必要がある。
【0005】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、互いに近接した周期構造を有する導電体間の導通を非接触でセンシングする方法、およびこのセンシング方法を利用した、導通の有無、圧力、温度の検知、化学物質の検量などを行うセンサを提供すること、さらに、このセンシング方法を利用して視認が困難な情報を有するマーカーを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るセンシング方法は、表面に互いに近接または接触した複数の導電膜を前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域とが同形状で同面積になるように周期的に形成した絶縁性の基板に光を照射し、前記基板を透過した前記光または前記基板から反射した前記光の強度を検出することにより複数の前記導電膜の相互接触の有無を判別するものである。
【0007】
また、この発明に係るセンサは、光発生部と、絶縁性の基板と、基板上に周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜と、光検出部とを備え、複数の導電膜の相互接触の有無を判別することにより、導通の有無の検知、圧力、温度、化学物質の検量などを行うものである。
【0008】
さらに、この発明に係るマーカーは、周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜が、導電膜のない領域と導電膜がある領域が同形状、同面積でかつ周期的に設けられているものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、互いに近接して自己補対的にかつ周期的に配置された導電体間の導通を非接触でセンシングできる。
【0010】
また、この発明によれば、小型で簡便な構成で安定して化学物質の検量するセンサ、あるいは、応力、温度などを検出するセンサを得ることができる。
【0011】
また、この発明によれば、視認できない情報を有するマーカーを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるセンシング方法を説明する模式図である。図1において、特定波長の光を出射する光発生部10と、光発生部10から出射される光の強度を検出する光検出部20の間に、光を透過する基板30が配置されている。基板30の表面上には、複数の導電膜40である金属膜が周期的にかつ自己補対的に互いに近接または接触して形成されている。自己補対的な配置とは、例えば平面の場合、平面上の任意の構造で、その構造の構成材料がない部分の形状が、その構造の構成材料がある部分の形状と同面積で同形状であるような配置のことをいう。
【0013】
基板30の表面への導電膜40の自己補対的な配置の例を図2および図3に示す。図2および図3は基板30を基板30の上方からみた平面図である。図2では、基板30の一方の表面上に、複数の正方形の導電膜40が互いに角を近接して周期的に配置されており、図3では、基板30の一方の表面上に、複数の正方形の導電膜40が互いに角部で接触して周期的に配置されている。
【0014】
次に、本実施の形態におけるセンシング方法について、図1〜4を用いて説明する。
基板30であるセルロース基板の上に、一辺が1mmの正方形の形状のアルミニウム金属膜である導電膜40を図2および図3に示すように互いに近接または接触させて形成したものに、光発生部10から光を照射すると、隣接する金属膜が接触している場合と、接触していない場合とにより、光検出部20に達する光のスペクトルが変化する。
【0015】
図4は、金属膜が互いに接触している場合と接触していない場合との光検出部20に達する透過光の周波数依存性を示すスペクトル図である。図4において、図3のように金属膜が互いに接触している場合には透過光はスペクトルAとなり、図2のように金属膜が接触していない場合には透過光はスペクトルBとなる。金属膜間の接触の有無による透過スペクトルの変化は、金属膜間のギャップの大きさに関係なく、接していればスペクトルAとなり、接していなければスペクトルAを反転したスペクトルBとなる。
【0016】
図4では、少なくとも0.1THz以上で0.33THz以下の周波数の領域で透過率変化が大きくなっており、中でも周波数0.24THz近傍で透過率が最も大きく変化している。
本実施の形態の場合、基板30上の金属膜の繰返し周期、すなわち導電膜40の設置周期は図2および図3の縦横方向には2mmであり、この設置周期に対応する光の周波数は0.15THzである。
【0017】
このように、導電膜40の設置周期に対応する波長を有する光、つまり、導電膜40の設置周期と少なくともオーダーが同じ波長を有する光、より好ましくは導電膜40の設置周期の0.5〜2倍の波長を有する光の強度を光検知部20で検知することにより、金属膜の相互接触の有無をより有効に検知できる。
したがって、例えば、導電膜40の設置周期を1〜10μm程度にすると、赤外線により導電膜40の相互接触の有無が、また、導電膜40の設置周期を0.1〜1μm程度にすると、紫外光から近赤外光により導電膜40の相互接触の有無が検知できる。
【0018】
このような効果は、表面プラズモンを利用していないために幅広い波長の光を利用できる。また、使用する光により導電膜40の周期を変えることにより、同じ材料を用いて可視光からマイクロ波までの幅広い波長領域で動作するセンサを得ることができる。
【0019】
また、本実施の形態における基板30のように、周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜40が、導電膜40のない領域と導電膜40がある領域が同面積でかつ周期的に設けられたものは、視認が困難な導電膜40の接触または非接触の情報を有するマーカーとして利用できる。
【0020】
なお、本実施の形態においては、互いに近接した金属膜の自己補対的な配置の例として基板30を上方から見て正方形のものを配置した例を示したが、この配置はこれに限るものではなく、金属膜の形状は四角形であっても正方形以外の長方形、菱型、平行四辺形などであってもよい。また、図5に示すように正三角形などの三角形であってもよく、また図6に示す十字型や図7と図8とに示す卍型であっても、複数の金属膜が互いに近接しており、導電膜40と導電膜40がない部分と同じ形状と面積であれば、同様の効果を奏する。
【0021】
また、本実施の形態においては、導電膜40の材料の例として金属膜であるアルミニウムの例を示したが、金属膜の材料としてはこれに限るものではなく、金、銀、銅、クロムなど、可視光からマイクロ波の周波数領域の光に対して金属の性質、すなわち、金属表面に平行な電界成分が0となる性質を有する材料であれば、何であってもよく、可視光からマイクロ波の周波数領域の光を使用したセンサに利用できる。
さらに、導電膜40の材料としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛,酸化スズなどの酸化物、あるいは高濃度に不純物をドープした珪素、ゲルマニウム、炭素、ガリウム砒素、インジウム燐、炭化珪素、シリコンゲルマニウムなどであってもよく、テラヘルツ波やマイクロ波の周波数領域で金属の性質を示す材料であれば、他の材料であっても利用することができる。
【0022】
また、基板30の材料としてはセルロースの例を示したが、使用する光の波長に対して透過性を有するものであれば、他の材料であってもよく、例えば可視光に対しては透明なガラスなどを使用できる。
【0023】
実施の形態2.
図9は、この発明を実施するための実施の形態2における、センシング方法を説明する模式図である。図9において、複数の導電膜40である金属膜が基板30の表面上に周期的にかつ自己補対的に互いに近接または接触して形成されている。基板30の上方には、光を出射する光発生部10と、光発生部10から出射される光の強度を検出する光検出部20とが配置されている。ここで、基板30は光発生部10から出射される光を吸収する材料で構成されているものとする。基板30の表面上への導電膜40である金属膜の配置は、図2または図3に示したものと同様に一辺が1mmの正方形の形状のものを周期的に配置したものとする。
【0024】
基板30の材料はアモルファスガラスであり、導電膜40である金属膜はアルミニウムからなる。ここで、光発生部10から光を照射すると、隣接する金属膜が接触している場合と、接触していない場合とにより、光検出部20に達する光のスペクトルが変化する。
本実施の形態においては、光検出部20に達する光のスペクトルは、実施の形態1の図4を反転したものになる。したがって、実施の形態1の場合と同様に0.33THz以下の周波数の光の強度を検出することにより導電膜40の接触の有無を検出できる。
【0025】
なお、基板30の材料としては、アモルファスガラスのほかに、誘電体、半導体、セラミックス、ガラス材料、有機材料などであってもよい。導電膜40の材料は実施の形態1と同様に金属の性質を示すものであればよい。導電膜40の材料としては、実施の形態1と同様に選択すればよい。
【0026】
実施の形態3.
図10は、この発明を実施するための実施の形態3における、センシング方法を説明する模式図である。図9において、複数の立方体形状の導電体ブロック50である金属ブロックが絶縁性の接続棒55によって、各頂点で互いに近接または接触するように、自己補対的に配置されている。複数の金属ブロックの一方に光発生部10が設けられており、その反対側に光検知部20が設けられている。
複数の導電体ブロック50と導電体ブロック50の空隙とは、空間の中で等しい体積を有し、導電体ブロック50は自己補対的にかつ周期的に配置されている。また、透過光は導電体ブロック50の設置周期に近い波長を有する。
【0027】
図10に示した立体的に自己補対的に配置された複数の導電体ブロック50に対して光発生部10から光を照射した場合、導電体ブロック50の相互接触の有無によって、光の透過光強度が特定の波長領域で大幅に変化する。したがって、透過率が大幅に変化する波長領域の光強度を検知することにより、微細な接触の有無を検出することができる。
【0028】
実施の形態4.
図11は、この発明を実施するための実施の形態4における、センサの模式図である。基板30の上面図であり、図12は図11のA−A’断面に沿って基板30をみた断面模式図である。この発明を実施するための実施の形態4におけるセンサは、図11および図12に示した基板30が実施の形態1の図1の基板30のように配置されたものである。図11および図12において、基板30は伸び縮みする弾性体の材料で構成されており、基板30の上に導電膜40である金属膜が実施の形態1の図2あるいは図3と同様に設けられている。
応力のない初期の状態では、図12に示すように金属膜は互いに接触しているが、基板30に引っ張り応力が加わると、図13に示すように金属膜の間に空隙ができる。
【0029】
基板30に引っ張り応力が加わって複数の金属膜間に空隙ができるかできないかにより、実施の形態1と同様に光検知部20に達する光の透過率が変動するため、光検知部20で検知される光の強度により基板30かかる引っ張り応力の有無が検出できる。
また、初期の状態の基板30上の金属膜の配置を図13に示すように金属膜間に空隙を有するものにすると、圧縮応力がかかることにより基板30の断面図が図12に示すように金属膜が接触し間の空隙がなくなると基板30の透過率が変動するので、圧縮応力の有無を検知できる。
【0030】
なお、図14に示すように本実施の形態の基板30を、応力が発生する構造体60に貼り付け、光をあててその透過光を検出することにより、構造体にかかる応力を測定することができる。この場合は、透過光を測定するのではなく、実施の形態2に示したように反射光を検知してもよい。このような基板30を応力が発生する構造体の表面全面に貼り付け、光発生部10および光検知部20をスキャンすることにより、構造体全体の応力分布を測定することができる。
【0031】
また、基板30を熱により伸縮するものとすることにより、基板の温度を検出することができる。また、これを構造体に貼り付けることにより、構造体の温度分布を測定できることは応力測定の場合と同様である。
【0032】
実施の形態5.
図15は、この発明を実施するための実施の形態5における、センサの模式図である。図15において、基板30の上に周期的にかつ自己補対的に配置された複数の導電膜40である金属膜がわずかな間隔をもって設けられている。この基板30を容器75に入れた導電性の液体70に浸した状態で光発生部10から光を出射すると、液体の導電率の違いにより光検知部20において検出される光の強度が変動する。液体70の導電性が高い場合には、導電膜40である金属膜間の抵抗値が変化して光検知部20で検知される光強度が大きくなるが、液体の導電性が低い場合には、導電膜40である金属膜間の抵抗値が高く光検知部20で検知される光強度が小さくなる。
【0033】
本実施の形態におけるセンサにおいては、液体70の導電率の大きさによって光検知部20で検知される光強度が決まるため、実施の形態1のような二値的な変化をするのではなく、導電膜40である金属膜間の導電率の大きさに応じて検知される光の強度が変化する。
あらかじめ導電率の判明している液体を用いて導電率と光検知部20で検知される光強度との関係を測定しておくことにより、光検知部20で検知される光強度から液体70の導電率を得ることができる。
【0034】
実施の形態6.
図16は、この発明を実施するための実施の形態6における、センサの基板の模式図である。図16において、基板30の上に自己補対的に配置された導電膜40である金属膜がわずかな間隔をもって設けられている。このわずかな間隔部分に、化学物質の吸着によって導電率が変化する機能膜80を設ける。図16に示した基板30が実施の形態1の図1の基板30のように配置される。
【0035】
本実施の形態におけるセンサにおいては、機能膜80に吸着する化学物質の濃度により、導電膜40である金属膜間の導電率が変動する。例えば、機能膜80として酸化亜鉛、酸化チタニウム、酸化ガリウムなどを設けると、アンモニア、一酸化窒素、一酸化炭素などのガスの濃度の検出ができる。
あらかじめ濃度の判明している化学物質を用いて化学物質の濃度と光検知部20で検知される光強度との関係を測定しておくことにより、光検知部20で検知される光強度から化学物質の濃度が検出できる。
【0036】
実施の形態7.
図17は、この発明を実施するための実施の形態7における、センサの模式図である。導電膜が実施の形態1の図2に示したように配置された基板30に、導電膜の周期に対応する波長より短い波長の光を発する第1の光発生部11と、導電膜の周期に対応する波長より長い波長の光を発する第2の光発生部12とから出射した光とをダイクロイックミラー90などで合波し、基板30に照射する。基板30を透過した光をダイクロイックミラー、あるいはハーフミラーとフィルタを組み合わせた光学部品で構成された光分波器91により波長の異なる2つの光を分離し、導電膜の周期の波長より短い波長の光の光強度を第1の光検出部21で、導電膜の周期の波長より長い波長の光の光強度を第2の光検出部21で、個別に検出する。
【0037】
第1の光発生部11から出射する光の透過率は導電膜の接触の有無により大きく変化するが、第2の光発生部12から出射する光の透過率は導電膜の接触の有無によりほとんど変化しない。そのため、第1の光検出部21の出力信号と第2の光検出部21の出力信号とを比較することにより、測定にともなうノイズを低減することができ、より高感度に導電膜の接触の有無の検知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法を説明する模式図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法の基板上の導電膜の配置を示す模式図である。
【図3】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法の基板上の導電膜の配置を示す模式図である。
【図4】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法の出力例を示すスペクトル図である。
【図5】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法の基板上の導電膜の配置を示す模式図である。
【図6】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法の導電膜の配置を示す模式図である。
【図7】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法の導電膜の配置を示す模式図である。
【図8】この発明の実施の形態1におけるセンシング方法の導電膜の配置を示す模式図である。
【図9】この発明の実施の形態2におけるセンシング方法の模式図である。
【図10】この発明の実施の形態3におけるセンシング方法の模式図である。
【図11】この発明の実施の形態4におけるセンサの基板上の導電膜の配置を示す模式図である。
【図12】この発明の実施の形態4におけるセンサの断面模式図である。
【図13】この発明の実施の形態4におけるセンサの断面模式図である。
【図14】この発明の実施の形態4におけるセンサを用いた構造体の応力分布の測定例を示す断面模式図である。
【図15】この発明の実施の形態5におけるセンサの断面模式図である。
【図16】この発明の実施の形態6におけるセンサの断面模式図である。
【図17】この発明の実施の形態7におけるセンシング方法の模式図である。
【符号の説明】
【0039】
10,11,12 光発生部、20,21,22 光検知部、30 基板、40 金属膜、50 金属ブロック、55 接続棒、60 応力が発生する構造体、70 液体、75 容器、80 機能膜、90 ダイクロイックミラー、91 光分波器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に互いに近接または接触した複数の導電膜を前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域とが同形状で同面積になるように周期的に形成した絶縁性の基板に光を照射し、前記基板を透過した前記光または前記基板から反射した前記光の強度を検出することにより複数の前記導電膜の相互接触の有無を判別することを特徴とするセンシング方法。
【請求項2】
光は、周期的に形成された複数の導電膜の設置周期に対応する波長を有することを特徴とする請求項1に記載のセンシング方法。
【請求項3】
互いに近接または接触した複数の導電体ブロックが前記導電体ブロックのない領域と前記導電体ブロックがある領域とが同形状で同体積になるように周期的に配置された被検査対象に、光を照射し、前記被検査対象を透過した前記光の強度を検出することにより複数の前記導電体ブロックの相互接触の有無を判別することを特徴とするセンシング方法。
【請求項4】
表面に互いに近接または接触した複数の導電膜を前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域とが同形状で同面積になるように周期的に形成された絶縁性の基板に、周期的に形成された複数の前記導電膜の設置周期より長い波長の第1の光と、前記設置周期より短い波長の第2の光とを照射し、前記基板を透過または前記基板から反射した前記第1の光の強度及び第2の光の強度をそれぞれ検出することにより複数の前記導電膜の相互接触の有無を判別することを特徴とするセンシング方法。
【請求項5】
光発生部と、絶縁性の弾性体基板と、前記基板上に周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜と、光検出部とを有し、前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域が同形状で同面積であり、前記弾性体基板に印加される応力に応じて光検出部の出力が変動するセンサ。
【請求項6】
光発生部と、絶縁性の基板と、前記基板上に周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜と、光検出部とを有し、前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域が同形状で同面積であり、前記基板の温度に応じて光検出部の出力が変動するセンサ。
【請求項7】
光発生部と、絶縁性の基板と、前記基板上に周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜と、光検出部とを有し、前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域が同形状で同面積であり、前記基板に接触する液体の導電率に応じて光検出部の出力が変動するセンサ。
【請求項8】
光発生部と、絶縁性の基板と、前記基板上に周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜と、光検出部とを有し、前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域が同形状で同面積であり、前記複数の導電膜の間に化学物質の吸着により導電率が変動する機能膜が設けられ、前記機能膜に吸着される化学物質の濃度に応じて光検出部の出力が変動するセンサ。
【請求項9】
周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜が、前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域が同形状、同面積でかつ周期的に設けられたことを特徴とするマーカー。
【請求項1】
表面に互いに近接または接触した複数の導電膜を前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域とが同形状で同面積になるように周期的に形成した絶縁性の基板に光を照射し、前記基板を透過した前記光または前記基板から反射した前記光の強度を検出することにより複数の前記導電膜の相互接触の有無を判別することを特徴とするセンシング方法。
【請求項2】
光は、周期的に形成された複数の導電膜の設置周期に対応する波長を有することを特徴とする請求項1に記載のセンシング方法。
【請求項3】
互いに近接または接触した複数の導電体ブロックが前記導電体ブロックのない領域と前記導電体ブロックがある領域とが同形状で同体積になるように周期的に配置された被検査対象に、光を照射し、前記被検査対象を透過した前記光の強度を検出することにより複数の前記導電体ブロックの相互接触の有無を判別することを特徴とするセンシング方法。
【請求項4】
表面に互いに近接または接触した複数の導電膜を前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域とが同形状で同面積になるように周期的に形成された絶縁性の基板に、周期的に形成された複数の前記導電膜の設置周期より長い波長の第1の光と、前記設置周期より短い波長の第2の光とを照射し、前記基板を透過または前記基板から反射した前記第1の光の強度及び第2の光の強度をそれぞれ検出することにより複数の前記導電膜の相互接触の有無を判別することを特徴とするセンシング方法。
【請求項5】
光発生部と、絶縁性の弾性体基板と、前記基板上に周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜と、光検出部とを有し、前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域が同形状で同面積であり、前記弾性体基板に印加される応力に応じて光検出部の出力が変動するセンサ。
【請求項6】
光発生部と、絶縁性の基板と、前記基板上に周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜と、光検出部とを有し、前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域が同形状で同面積であり、前記基板の温度に応じて光検出部の出力が変動するセンサ。
【請求項7】
光発生部と、絶縁性の基板と、前記基板上に周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜と、光検出部とを有し、前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域が同形状で同面積であり、前記基板に接触する液体の導電率に応じて光検出部の出力が変動するセンサ。
【請求項8】
光発生部と、絶縁性の基板と、前記基板上に周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜と、光検出部とを有し、前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域が同形状で同面積であり、前記複数の導電膜の間に化学物質の吸着により導電率が変動する機能膜が設けられ、前記機能膜に吸着される化学物質の濃度に応じて光検出部の出力が変動するセンサ。
【請求項9】
周期的にかつ互いに近接または接触して形成された複数の導電膜が、前記導電膜のない領域と前記導電膜がある領域が同形状、同面積でかつ周期的に設けられたことを特徴とするマーカー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−121833(P2009−121833A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293068(P2007−293068)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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