説明

センシング方法およびセンサネットワークシステム

【課題】多様なセンサの種別やセンサの状況の変化が存在するような複数のセンサデータを収集するセンサネットワークシステムにおいて、センサ状況の変化に対応したセンサネットワークシステムの構築を容易にし、そのセンサネットワークシステムを構築するのに要する開発コストを抑制する。
【解決手段】センサによって収集された情報をセンサデータとして記憶するセンサノード10−1〜10−nと、このセンサノードから送信されるセンサデータを記憶するセンサデータ収集装置11とから構成されるセンサネットワークにおいて、センサノード固有の識別情報(ID)に基づいてセンサノードの種別を識別し、識別したセンサノードの種別に関連付けてセンサノードから収集したセンサデータを記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センシング方法およびセンサネットワークシステムに関し、特に、人の行動や状態に関する情報を収集するセンシング方法およびセンサネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、低炭素化社会を目指し、照明やエアコン、TV(Television)などにおける省エネルギー技術の開発のため、人の状態や行動を計測する技術が必要とされている。
具体的には、機器の使用環境を測定し、さらに機器を使用する人の行動を自動的に認識することで、機器の使用環境やその機器を使用する人の要求に応じた機器の動作制御を実行して省電力運転を行うため、体温や動作などの人の状態や行動を測定、推定する技術が重要となっている。
【0003】
従来では、例えば、体温や動作など、ある人の状態や行動を測定、推定するのに、その人にセンサを装着して計測することにより、リアルタイムにその人の状態を推定する技術が知られている(特許文献1)。また、人の状態だけでなく、人の操作するものの状態を同時に計測する技術も知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−320290号公報
【特許文献2】特開2009−89633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2のような従来の技術では、センサの種別毎にセンサデータのフォーマットが異なるため、異なる種別の複数のセンサにより取得されたセンサデータの全てを収集するためには、センサの種別毎に異なるデータ収集プログラムを開発してセンサの種別毎にデータ収集を実行するセンシングシステム(以下、「センサネットワークシステム」という。)を構築する必要があり、システムの構築に要する開発コストが大きくなるといった問題があった。
また、人に装着される多様なセンサによって取得されたセンサデータを収集する場合では、多種多様なセンサが用いられるうえに、センサが頻繁に脱着されるといったように、センサの使用状況や動作状況が頻繁に変化する。よって、このようなセンサの使用状況や動作状況の変化(以下、「センサ状況の変化」という。)に応じたセンシングシステムを構築することは困難であるといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述の問題を解決すべく、多様なセンサの種別やセンサの状況の変化が存在するような場合でも、異なる種別の複数のセンサからセンサデータを収集するセンサネットワークシステムの開発コストを抑制し、その構築を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、センサによって収集された情報をセンサデータとして記憶するセンサノードと、このセンサノードから送信されるセンサデータを収集して記憶するセンサデータ収集装置とから構成されるセンサネットワークのセンシング方法において、前記センサノードから前記センサデータ収集装置に対して前記センサノード固有の識別情報(ID)と前記センサデータとを関連付けて送信する送信ステップと、前記ID送信ステップにより送信された前記識別情報(ID)に基づいて前記センサデータ収集装置に前記センサノードの種別を識別させる識別ステップと、前記センサデータ送信ステップによって送信された前記センサデータを前記センサノードの種別に関連付けて前記センサデータ収集装置に記憶させる記憶ステップとを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる前記識別ステップは、前記センサデータ収集装置に予め記憶される前記センサノードの識別情報(ID)と前記センサノードの種別とを関連付けた対応表に基づいて前記センサノードの種別を識別しても良い。
さらに、本発明にかかる前記識別情報(ID)および前記センサデータは、前記センサデータ収集装置から前記センサノードに対して送信される要求信号を前記センサノードが受信した後に送信されることを特徴とするセンシング方法。
さらに、本発明にかかる前記識別情報(ID)および前記センサデータは、前記センサデータ収集装置から前記センサノードに対して送信される要求信号を前記センサノードが受信した後に送信されても良い。
さらに、本発明にかかる前記識別情報(ID)および前記センサデータは、前記センサノードから無線通信によって前記センサデータ収集装置へ送信されても良い。
【0009】
また、本発明は、センサによって収集された情報をセンサデータとして記憶するセンサノードと、このセンサノードから送信されるセンサデータを記憶するセンサデータ収集装置とから構成されるセンサネットワークシステムとして、前記センサノードに、情報を収集するセンサ部と、センサノード固有の識別情報(ID)および前記センサデータを記憶するノード記憶部と、前記センサデータ収集装置に対して前記記憶部に記憶される前記識別情報(ID)および前記センサデータを送信する送信部とを備え、前記センサデータ収集装置に、前記センサノードから送信される前記識別情報(ID)および前記センサデータを受信する受信部と、この受信部により受信した前記識別情報(ID)に基づいて前記センサノードの種別を識別する識別部と、前記受信部により受信した前記センサデータを前記識別部によって識別された前記センサノードの種別に関連付けて記憶する記憶部とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる前記センサデータ収集装置の識別部は、予め前記記憶部に記憶したセンサノードの識別情報(ID)とセンサノードの種別とを関連付けた対応表に基づいて前記センサノードの種別を識別しても良い。
さらに、本発明にかかる前記センサデータ収集装置は、前記センサノードに対して前記識別情報(ID)および前記センサデータの送信要求信号を送信する送信部をさらに備えても良い。
さらに、本発明にかかる前記センサノードの送信部および前記センサデータ収集装置の受信部は、無線通信によってデータの送受信を実行する無線モジュールを有しても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、センサノードから送信されるそのセンサノード固有の識別情報(ID)に基づいて、そのセンサノードが備えるセンサの種別をセンサデータ収集装置が識別し、そのセンサノードから送信されるセンサデータを、識別したセンサの種別に関連付けてセンサデータ収集装置に記憶させることによって、多様なセンサによって取得されたセンサデータをそのセンサの種類に関連付けて収集することができる。
したがって、異なる種別のセンサを含む場合でも、センサネットワークシステムの開発コストを抑え、容易にセンサ状況の変化に対応したセンサネットワークシステムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるセンサネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかるセンサネットワークシステムにおけるセンサノードの構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態にかかるセンサネットワークシステムにおけるゲートウェイ装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるゲートウェイ装置に予め記憶されている対応表の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態にかかるセンサネットワークシステムのセンシング動作を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかるセンサネットワークシステムの構成を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態にかかるセンサネットワークシステムのセンシング動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態にかかるセンサネットワークシステムは、センサによるセンシング機能とデータを送信するデータ通信機能とを有する複数のセンサノードと、このセンサノードから送信されるデータを受信するゲートウェイ装置とから構成され、センサノードが備えるセンサによって取得された情報をそのセンサの種類に関連付けてゲートウェイ装置が収集するものである。
【0014】
図1は、本実施の形態にかかるセンサネットワークシステムの構成を示す図である。
本実施の形態にかかるセンサネットワークシステムは、図1に示すように、センサによって情報を収集する複数のセンサノード10−1〜10−nと、これらセンサノード10−1〜10−nによって取得された情報を収集するゲートウェイ装置11とから構成されている。
【0015】
本実施の形態にかかるセンサネットワークシステムを構成するセンサノード10−nおよびゲートウェイ装置11の構成について、図2および図3を参照して詳しく説明する。
本実施の形態におけるセンサノード10−nは、図2に示すように、センサ部101−n、ノード通信部102−n、制御部103−n、ノード記憶部104−n、表示部105−nとから構成されている。
センサ部101−nは、センサノード10−nの周囲の環境状態や、センサノード10−nが装着された人または移動物の運動状態といった情報を所定のセンサにより測定する。具体的には、GPS(Global Positioning System)センサによる緯度・経度情報、方位センサによる方位情報、加速度センサによる3次元加速度情報、スイッチの状態、大気センサによる濃度情報などを測定することができる。
【0016】
ノード通信部102−nは、後述するノード記憶部104−nに記憶されるデータをゲートウェイ装置11に対して送信する。
制御部103−nは、センサ部101−n、ノード通信部102−n、後述するノード記憶部104−nや表示部105−nの各機能を制御する。具体的には、センサノード10−nのハードウェア構成であるCPU(中央演算装置)やメモリ、インターフェースからなるコンピュータの各種ハードウェア資源とコンピュータプログラム(ソフトウェア)とが協働することにより、上記の各機能を制御する。
ノード記憶部104−nは、センサノード10−n固有の識別情報(ID)と、センサ部101−nによって測定された情報(以下、「センサデータ」という。)とを記憶する。
表示部105−nは、ゲートウェイ装置11とのデータ通信の状態を表示する。
【0017】
ここで、センサノード10−nは、一般的に、人や移動物に装着され、センサ部101−nによるセンシング機能により、周辺環境の情報や装着された人や移動物の運動情報を取得する。このため、センサノード10−nのIDやセンサデータをゲートウェイ装置11へ送信する際、ノード通信部102−nは、無線通信によってデータを送信することが必要である。具体的には、ノード通信部102−nの無線通信手段として、無線LAN(Loacal Area Network)、BLUETOOTH(登録商標)、特定小電力無線、ZIGBEE(登録商標)、微弱無線などの無線通信手段を利用することができる。
【0018】
本実施の形態におけるゲートウェイ装置11は、図3に示すように、通信部111、識別部112、記憶部113とから構成されている。
通信部111は、センサノード10−nとの間で無線通信によりデータの送受信を行い、特に、センサノード10−nから送信されるIDおよびセンサデータを受信する。通信部111の無線通信手段は、センサノード10−nのノード通信部102−nが有する無線通信手段に対応したものであり、具体的には、無線LAN(Loacal Area Network)、BLUETOOTH(登録商標)、特定小電力無線、ZIGBEE(登録商標)、微弱無線などの無線通信手段を利用することができる。
【0019】
識別部112は、センサノード10−nから送信されたIDに基づいて、センサノード10−nのセンサ部101−nに搭載されているセンサの種別を識別する。
具体的には、後述する記憶部113に予め記憶されたセンサノードのIDとセンサノードの種別とを関連付けた対応表に基づいて、受信したセンサノード10−nのIDからセンサ部101−nに搭載されているセンサの種別を識別する。
ここで、記憶部113に予め記憶された対応表の一例を図4に示す。例えば、通信部111によって受信されたIDが1の場合、識別部112は、図4に示す対応表と受信したIDとを比較し、IDを送信したセンサノードのセンサの種別がGPSセンサであることを識別する。
【0020】
記憶部113は、通信部111によって受信されたセンサデータを、識別部112によって識別されたセンサの種別に関連付けて記憶する。例えば、図4に示す対応表に受信したセンサデータを関連付けて記憶する。
なお、ゲートウェイ装置11の上記した各構成要素は、ゲートウェイ装置11のハードウェア構成であるCPU(中央演算装置)やメモリ、インターフェースからなるコンピュータに、コンピュータプログラムをインストールすることによって実現され、上述した構成要素の各種機能は、上記コンピュータの各種ハードウェア資源と上記コンピュータプログラム(ソフトウェア)とが協働して実現される。
また、ゲートウェイ装置11は、センサノード10−nのノード通信部102−nと通信部111との間で無線通信が可能な範囲(以下、「センサネットワークの範囲」とする。)に存在するセンサノード10−nから送信されるセンサデータを収集して記憶部113に記憶する。この記憶したセンサデータをさらに遠隔の装置(例えば、サーバ装置)に送信する機能をゲートウェイ装置11が有しても良い。
【0021】
次に、本実施の形態にかかるセンサネットワークシステムの動作について、図5に示すシーケンス図を参照して説明する。
図5に示すように、センサノード10−1が起動して(S101)、センサノード10−1固有の識別情報(ID)を含んだパケットをゲートウェイ装置11に対して送信する(S102)。
ゲートウェイ装置11は、センサノード10−1から送信されたパケットを受信して、受信したパケットに含まれるIDに基づいてセンサノード10−1のセンサの種別を識別する(S103)。
【0022】
また、センサノード10−nが起動すると(S104)、センサノード10−nは、ゲートウェイ装置11に対してIDを送信する(S105)。
ゲートウェイ装置11は、センサノード10−nから送信されたパケットを受信して、受信したパケットに含まれるIDに基づいてセンサノード10−nのセンサの種別を識別する(S106)。
【0023】
センサノード10−nがセンサデータを記憶すると、センサノード10−nはIDとセンサデータとを関連付けたセンサデータパケットを生成して(S107)、ゲートウェイ装置11に対し送信する(S108)。ここで、センサデータパケットは、例えば、パケットのヘッダ部分にセンサノードのIDを示す情報を付加し、データ部分にセンサノード10−nが記憶したセンサデータを示す情報を付加したパケットとすることができる。
【0024】
ゲートウェイ装置11は、センサノード10−nから送信されたセンサデータパケットを受信し、受信したセンサデータパケットに含まれるIDに基づいて、受信したセンサデータパケットに含まれるセンサデータをセンサノード10−nのセンサ種別に関連付けて記憶する(S109)。
【0025】
例えば、ゲートウェイ装置11に、図4に示す対応表が予め記憶されており、センサノード10−1のIDが「1」、センサノード10−nのIDが「n」であった場合、ゲートウェイ装置11は、センサノード10−1から送信されたパケットに含まれるIDが「1」であることから、センサノード10−1のセンサ種別は「GPS」であると識別できる。同様に、センサノード10−nから送信されたパケットに含まれるIDが「n」であることから、センサノード10−nのセンサ種別は「大気センサ」であると識別できる。
【0026】
また、センサノード10−1およびセンサノード10−nから送信されるセンサデータパケットは、それぞれのセンサノードのIDが付加されたセンサデータを含むパケットであることから、ゲートウェイ装置11は、受信したセンサデータをセンサノードのIDから識別したセンサ種別に関連付けて記憶する。
【0027】
具体的には、センサノード10−1から送信されたセンサデータは「GPSセンサ」によって取得された「緯度・経度情報」であることから、ゲートウェイ装置11に予め記憶されている対応表のID(センサ種別)の「GPS」に関連付けて、センサノード10−1から取得した「緯度・経度情報」を記憶する。
同様に、センサノード10−nから送信されたセンサデータは「大気センサ」によって取得された「濃度情報」であることから、ゲートウェイ装置11に予め記憶されている対応表のID(センサ種別)の「大気センサ」に関連付けて、センサノード10−nから取得した「濃度情報」を記憶する。
【0028】
また、センサノード10−1がセンサデータを記憶すると、センサノード10−1はIDをセンサデータを関連付けたセンサデータパケットを生成して(S110)、ゲートウェイ装置11に対し送信する(S111)。
ゲートウェイ装置11は、センサノード10−1から送信されたセンサデータパケットを受信し、受信したセンサデータパケットに含まれるIDに基づいて、受信したセンサデータパケットに含まれるセンサデータをセンサノード10−1のセンサ種別に関連付けて記憶する(S112)。
【0029】
ここで、センサノード10−1からセンサデータパケットをゲートウェイ装置11へ正常に送信できない状態が発生した場合、センサノード10−1は、表示部105−1に通信異常状態が発生した旨の警告表示を行う(S113)。ここで、表示部104−1による警告表示は、画面による表示の他に、音声による表示やバイブレータなどの振動による表示としても良い。
【0030】
このように、本実施の形態にかかるセンサネットワークシステムによれば、ゲートウェイ装置が受信したセンサノードのIDによってセンサ種別を識別してセンサデータを識別したセンサ種別に関連付けて記憶することにより、センサ種別の異なるセンサを具備するセンサノードが混在するセンサネットワークシステムにおいて、これら複数のセンサノードから送信されたセンサデータを統一のフォーマットで記憶することができ、センサの種類およびセンサノードの追加や削除に容易に対応することができる。
したがって、センサ種別の異なるセンサを具備するセンサノードが混在するセンサネットワークシステムの構築が容易に実現することができ、かつ、ゲートウェイ装置がセンサノードからセンサデータを収集するためのプログラム開発が容易となり、開発コストを抑制することができる。
【0031】
なお、本実施の形態においては、センサノードが起動した後にIDをゲートウェイ装置に送信し、さらに、センサデータをゲートウェイ装置に送信する際にIDと関連付けて送信すると説明したが、センサノードが起動後にセンサデータを記憶し、記憶したセンサデータとIDとを関連付けたセンサデータパケットをゲートウェイ装置へ送信しても何ら問題はない。
【0032】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態にかかるセンサネットワークシステムは、第1の実施の形態において説明したセンサネットワークシステムにおけるゲートウェイ装置11にセンサノードに対してID送信要求およびデータ送信要求を送信する要求送信機能と、センサノード10−nにゲートウェイ装置から送信された送信要求に応じてIDおよびセンサデータをゲートウェイ装置に送信する機能とをさらに備えたものである。
【0033】
図6は、本実施の形態にかかるセンサネットワークシステムの構成を示す図である。
本実施の形態にかかるセンサネットワークシステムは、図6に示すように、センサによって情報を収集する複数のセンサノード20−1〜20−nと、これらセンサノード20−1〜20−nによって取得された情報を収集するゲートウェイ装置21とから構成されている。
なお、本実施の形態にかかるセンサネットワークシステムの構成要素について、第1の実施の形態において説明したセンサネットワークシステムの構成要素と同様の構成および機能を有するものには、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0034】
本実施の形態におけるセンサノード20−nは、図6に示すように、センサ部101−n、ノード通信部202−n、制御部103−n、ノード記憶部104−n、表示部105−nとから構成されている。
ノード通信部202−nは、後述するゲートウェイ装置21から送信されるID送信要求およびデータ送信要求を受信する要求受信部202−n−aと、ゲートウェイ装置21から送信される送信要求に応じたデータを送信するデータ送信部202−n−bとから構成されている。
【0035】
本実施の形態におけるゲートウェイ装置21は、図6に示すように、通信部211、識別部112、記憶部113とから構成されている。
通信部211は、センサノード20−1〜20−nに対してIDの送信を要求するID送信要求およびセンサデータの送信を要求するデータ送信要求とを送信する要求送信部211−aと、センサノード20−1〜20−nから送信されるIDおよびセンサデータを受信するデータ受信部211−bとから構成されている。
ここで、センサノード20−1〜20−nおよびゲートウェイ装置21の上記した各構成要素は、センサノード20−1〜20−nおよびゲートウェイ装置21のハードウェア構成であるCPU(中央演算装置)やメモリ、インターフェースからなるコンピュータに、コンピュータプログラムをインストールすることによって実現され、上述した構成要素の各種機能は、上記コンピュータの各種ハードウェア資源と上記コンピュータプログラム(ソフトウェア)とが協働して実現される。
【0036】
次に、本実施の形態にかかるセンサネットワークシステムの動作について、図7に示すシーケンス図を参照して説明する。
図7に示すように、ゲートウェイ装置21が起動すると(S201)、ゲートウェイ装置21は、センサノード20−1に対して識別情報(ID)の送信要求であるID送信要求を送信する(S202)。
センサノード20−1は、ゲートウェイ装置21から送信されたID送信要求を受信すると(S203)、センサノード20−1のIDを含んだパケットをゲートウェイ装置21に対して送信する(S204)。
【0037】
ゲートウェイ装置21は、センサノード20−1から送信されたパケットを受信して、受信したパケットに含まれるIDに基づいてセンサノード20−1のセンサの種別を識別する(S205)。
【0038】
センサノード20−1のセンサ種別が識別されると、ゲートウェイ装置21は、センサノード20−1に対して、センサデータの送信要求であるデータ送信要求を送信する(S206)。
センサノード20−1は、ゲートウェイ装置21から送信されたデータ送信要求を受信すると(S207)、記憶しているセンサデータとIDとを関連付けたセンサデータパケットをゲートウェイ装置21に対して送信する(S208)。
【0039】
ゲートウェイ装置21は、センサノード20−nから送信されたセンサデータパケットを受信し、受信したセンサデータパケットに含まれるIDに基づいて、受信したセンサデータパケットに含まれるセンサデータをセンサノード20−nのセンサ種別に関連付けて記憶する(S209)。
【0040】
引き続き、ゲートウェイ装置21は、センサノード20−nに対して識別情報(ID)の送信要求であるID送信要求を送信する(S210)。
センサノード20−nは、ゲートウェイ装置21から送信されたID送信要求を受信すると(S211)、センサノード20−nのIDを含んだパケットをゲートウェイ装置21に対して送信する(S212)。
【0041】
ゲートウェイ装置21は、センサノード20−nから送信されたパケットを受信して、受信したパケットに含まれるIDに基づいてセンサノード20−nのセンサの種別を識別する(S213)。
【0042】
センサノード20−nのセンサ種別が識別されると、ゲートウェイ装置21は、センサノード20−1に対して、センサデータの送信要求であるデータ送信要求を送信する(S214)。
センサノード20−nは、ゲートウェイ装置21から送信されたデータ送信要求を受信すると(S215)、記憶しているセンサデータとIDとを関連付けたセンサデータパケットをゲートウェイ装置21に対して送信する(S215)。
【0043】
ここで、センサノード20−nからセンサデータパケットをゲートウェイ装置21へ正常に送信できない状態が発生した場合、センサノード20−nは、通信異常状態が発生した旨の警告表示を行う(S216)。ここで、センサノード20−nによる警告表示は、画面による表示の他に、音声による表示やバイブレータなどの振動による表示としても良い。さらに、センサノード20−nは、通信異常状態が発生した旨の情報を記憶装置(ノード記憶部104−nおよび図示しない記憶装置)に記録しても良い。
ゲートウェイ装置21は、センサノード20−nからセンサデータパケットを正常に受信できないなど、センサノード20−nとの通信異常を検出して記録する(S217)。
【0044】
このように、本実施の形態にかかるセンサネットワークシステムによれば、ゲートウェイ装置から送信される送信要求を受信したセンサノードがIDおよびセンサデータをゲートウェイ装置へ返信することから、ゲートウェイ装置とセンサノード間の通信異常の検出を容易にかつ正確に把握することができ、センサネットワークシステムの保守管理を容易に実現することができる。
【0045】
なお、上述した本発明の実施の形態において、センサノード10−1〜10−nのセンサ部101−1〜101−nは、1種類のセンサを具備するものとして説明したが、多種類のセンサを具備するものでも良い。この場合は、具備するセンサに対して固有の識別情報(ID)を1つ関連付けることにより、本発明の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
人の行動や状態を計測し推定することにより、照明やエアコン、テレビジョン装置などの機器における省エネルギーを実現させる制御システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
10−1〜10−n、20−1〜20−n…センサノード、11,21…ゲートウェイ装置、101−1〜101−n…センサ部、102−1〜102−n,202−1〜202−n…ノード通信部、202−1−a〜202−n−a…要求受信部、202−1−b〜202−n−b…データ送信部、103−1〜103−n…制御部、104−1〜104−n…ノード記憶部、105−1〜105−n…表示部、111,211…通信部、211−a…要求送信部、211−b…データ受信部、112…識別部、113…記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサによって収集された情報をセンサデータとして記憶するセンサノードと、このセンサノードから送信されるセンサデータを収集して記憶するセンサデータ収集装置とから構成されるセンサネットワークのセンシング方法において、
前記センサノードから前記センサデータ収集装置に対して前記センサノード固有の識別情報(ID)と前記センサデータとを関連付けて送信する送信ステップと、
前記ID送信ステップにより送信された前記識別情報(ID)に基づいて前記センサデータ収集装置に前記センサノードの種別を識別させる識別ステップと、
前記センサデータ送信ステップによって送信された前記センサデータを前記センサノードの種別に関連付けて前記センサデータ収集装置に記憶させる記憶ステップと
を備えることを特徴とするセンシング方法。
【請求項2】
請求項1に記載のセンシング方法において、
前記識別ステップは、前記センサデータ収集装置に予め記憶される前記センサノードの識別情報(ID)と前記センサノードの種別とを関連付けた対応表に基づいて前記センサノードの種別を識別することを特徴とするセンシング方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のセンシング方法において、
前記識別情報(ID)および前記センサデータは、前記センサデータ収集装置から前記センサノードに対して送信される要求信号を前記センサノードが受信した後に送信されることを特徴とするセンシング方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のセンシング方法において、
前記識別情報(ID)および前記センサデータは、前記センサノードから無線通信によって前記センサデータ収集装置へ送信されることを特徴とするセンシング方法。
【請求項5】
センサによって収集された情報をセンサデータとして記憶するセンサノードと、このセンサノードから送信されるセンサデータを記憶するセンサデータ収集装置とから構成されるセンサネットワークシステムにおいて、
前記センサノードは、
情報を収集するセンサ部と、
センサノード固有の識別情報(ID)および前記センサデータを記憶するノード記憶部と、
前記センサデータ収集装置に対して前記記憶部に記憶される前記識別情報(ID)および前記センサデータを送信する送信部とを備え、
前記センサデータ収集装置は、
前記センサノードから送信される前記識別情報(ID)および前記センサデータを受信する受信部と、
この受信部により受信した前記識別情報(ID)に基づいて前記センサノードの種別を識別する識別部と、
前記受信部により受信した前記センサデータを前記識別部によって識別された前記センサノードの種別に関連付けて記憶する記憶部と
を備えることを特徴とするセンサネットワークシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のセンサネットワークシステムにおいて、
前記センサデータ収集装置の識別部は、予め前記記憶部に記憶したセンサノードの識別情報(ID)とセンサノードの種別とを関連付けた対応表に基づいて前記センサノードの種別を識別することを特徴とするセンサネットワークシステム。
【請求項7】
請求項5または6に記載のセンサネットワークシステムにおいて、
前記センサデータ収集装置は、前記センサノードに対して前記識別情報(ID)および前記センサデータの送信要求信号を送信する送信部をさらに備えること特徴とするセンサネットワークシステム。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれかに記載のセンサネットワークシステムにおいて、
前記センサノードの送信部および前記センサデータ収集装置の受信部は、無線通信によってデータの送受信を実行する無線モジュールを有することを特徴とするセンサネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−258109(P2011−258109A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133881(P2010−133881)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】