説明

センター装置、情報配信システム、情報配信方法

【課題】ユーザやサービス事業者の都合に合わせて静的情報の更新を行うことができるセンター装置、情報配信システム、情報配信方法を提供する。
【解決手段】駐車場の静的情報を配信するセンター装置であって、日本地図を経線と緯線により所定の大きさに区画した地域区画ごとに駐車場情報を記憶する記憶手段と、前記駐車場情報を前記地域区画単位で前記車載器に送信する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記車載器から、前記駐車場情報に含まれる静的情報の更新要求があった場合は、当該更新要求に含まれる検索位置情報に基づいて前記静的情報を更新する地域区画を設定し、前記設定された地域区画に含まれるすべての駐車場の静的情報を更新する一括更新用の静的情報か、又は前記設定された地域区画に含まれる駐車場の静的情報と、前記車載器に記憶されている静的情報との差分を更新する差分更新用の静的情報を送信することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センター装置、情報配信システム、情報配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置のような車載器では、DSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信)を利用して路上や駐車場等に設置された路側無線装置と無線通信を行い、当該路側無線装置を介してセンター装置から自車の周辺にある施設(例えば、店舗や医療機関等)に関するコンテンツ情報の提供を受けることが可能となっている。車載器においては、路側無線装置から受信した情報をメモリに格納し、路側無線装置と通信できない環境においても、コンテンツ情報を再生できるようにしている。また、携帯電話等の広域通信網に接続できる通信手段を用いてインターネットと接続し、交通情報の受信や電子メールのやりとりを行ったり、Webブラウザで各種Webページを参照したりすることが可能なものもある。
【0003】
コンテンツ提供の一例として、駐車場の識別情報や位置情報等静的な情報で構成された静的情報、及び満空情報等の常時状態が変化する動的な情報で構成された動的情報を提供する情報配信システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−17464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、提供される情報のうち静的情報が送信される際、車載器側からの取得要求や情報送信の際の情報の単位に特徴がないため、全体として通信時間が長くなったり、所定のエリア以外の部分の駐車場情報を入手したりすることができず、使い勝手がいいとはいえなかった。
【0005】
本発明は、ユーザやサービス事業者の都合に合わせて静的情報の更新を行うことができるセンター装置、情報配信システム、情報配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、駐車場の静的情報を配信するセンター装置であって、日本地図を経線と緯線により所定の大きさに区画した地域区画ごとに駐車場情報を記憶する記憶手段と、前記駐車場情報を前記地域区画単位で前記車載器に送信する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記車載器から、前記駐車場情報に含まれる静的情報の更新要求があった場合は、当該更新要求に含まれる検索位置情報に基づいて前記静的情報を更新する地域区画を設定し、前記設定された地域区画に含まれるすべての駐車場の静的情報を更新する一括更新用の静的情報か、又は前記設定された地域区画に含まれる駐車場の静的情報と、前記車載器に記憶されている静的情報との差分を更新する差分更新用の静的情報を送信することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のセンター装置において、前記地域区画は、区画の大きさが異なる複数の区画レベルを有し、
前記制御手段は、最小区画レベルの地域区画が前記更新領域として設定された場合にだけ、前記差分更新を可能とすることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のセンター装置において、前記区画レベルは、通信手段ごとに予め定められていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3に記載のセンター装置において、前記制御手段は、車載器からの要求に基づいて前記一括更新用の静的情報と、前記差分更新用の静的情報と、のいずれを送信するかを判断することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、駐車場の静的情報を配信するセンター装置と、センター装置から配信された駐車場情報の静的情報を受信する受信手段を備えた車載器と、を含む情報配信システムであって、前記センター装置は、日本地図を経線と緯線により所定の大きさに区画した地域区画ごとに駐車場情報を記憶する記憶手段と、前記駐車場情報を前記地域区画単位で前記車載器に送信する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記車載器から、前記駐車場情報に含まれる静的情報の更新要求があった場合は、当該更新要求に含まれる検索位置情報に基づいて前記静的情報を更新する地域区画を設定し、前記設定された地域区画に含まれるすべての駐車場の静的情報を更新する一括更新用の静的情報か、又は前記設定された地域区画に含まれる駐車場の静的情報と、前記車載器に記憶されている静的情報との差分を更新する差分更新用の静的情報を送信することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、日本地図を経線と緯線により所定の大きさに区画した地域区画ごとに駐車場情報を記憶し、前記駐車場情報に含まれる静的情報の更新要求があった場合は、当該更新要求に含まれる検索位置情報に基づいて前記静的情報を更新する地域区画を設定し、前記設定された地域区画に含まれるすべての駐車場の静的情報を更新する一括更新用の静的情報か、又は前記設定された地域区画に含まれる駐車場の静的情報と、前記車載器に記憶されている静的情報との差分を更新する差分更新用の静的情報を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザやサービス事業者の都合に合わせて静的情報の更新を行うことができるセンター装置、情報配信システム、情報配信方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本実施形態における情報配信システム100について示した図である。なお、情報配信システム100は、センター装置30から車両Cに搭載された車載器10にコンテンツ情報を配信するシステムである。
図1に示すように、センター装置30は、DSRC専用のネットワークN1を介して路上や駐車場、道の駅等に複数設置された路側無線装置20A、20Bと接続されている。各路側無線装置20A、20Bは、DSRC通信機能を備えた車載器10と無線通信可能に構成され、車載器10と通信が確立すると、その旨をセンター装置30に通知し、センター装置30からコンテンツ情報を受信して車載器10に送信する。路側無線装置20Aは、DSRC専用の独自プロトコルにより車載器10及びセンター装置30と通信(DSRC非IP通信という)を行う。路側無線装置20Bは、インターネットプロトコル(IP)により車載器10及びセンター装置30と通信(DSRCIP通信という)を行う。
また、センター装置30は、外部ネットワークN2、N3に接続されている。外部ネットワークN2、N3は、インターネット、及びこれに接続された移動体通信網、無線LAN(Local Area Network)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線通信網を含んでおり、センター装置30は、外部ネットワークN2、N3を介して車載器10からのコンテンツ情報の取得要求を受信すると、要求されたコンテンツ情報を車載器10に送信する。
【0015】
ここで、センター装置30が路側無線装置20Aを介して車載器10に提供するコンテンツ情報は、例えば、車両C周辺の店舗、駐車場、医療施設等の各種施設のサービス案内である。また、センター装置30が外部ネットワークN2、N3を介して、若しくは路側無線装置20Bを介して車載器10に提供するコンテンツ情報は、車載器10でWebページを表示するためのHTMLファイルや、Webページを介して提供される画像情報、音楽情報等のマルチメディアコンテンツ等である。
【0016】
図2は、路側無線装置20及び路側エリアZについて示した図である。
図2に示すように、路側無線装置20A、20Bは、本体装置21とアンテナ22とから構成されている。路側無線装置20A、20Bは、道路脇や道路上方、駐車場、道の駅等に設置されたアンテナ22から、到達距離が限定されたDSRCの電波を放射して、近傍に路側エリアZを形成する。この路側エリアZ内にある車両Cの車載器10とだけ双方向狭域無線通信が可能となる。以下、路側無線装置20A、20Bと車載器10間の狭域無線通信を路車間通信という場合がある。
【0017】
DSRCは5.8GHz帯域の電波を使った通信方式であり、その通信範囲は例えば数メートルから数十メートルである。路側無線装置20A、20BからのDSRCの送信出力は何れも同じ程度に設定されているので、複数の路側無線装置20A、20Bがそれぞれ形成する路側エリアZは設置場所に関係なく、ほぼ一定である。
【0018】
本体装置21は、車載器10とセンター装置30間の情報のやりとりを仲介するための処理を行う。すなわち、アンテナ22を介して車載器10から受信された情報をセンター装置30に転送し、センター装置30から送信されたコンテンツ情報を車載器10に転送する。本体装置21は、情報処理や通信制御を行う制御部、記憶部等を備えたコンピュータ端末を適用することができる。
【0019】
路側無線装置20Aの本体装置21の制御部は、DSRC専用のプロトコルにより車載器10との通信制御を行う。また、路側無線装置20Bの本体装置21の制御部は、DSRC専用のプロトコル及びインターネットプロトコルにより車載器10との通信制御を行う。
【0020】
図3は、車載器10の一構成例を示すブロック図である。車載器10は、車両Cに搭載され、案内経路への誘導のための処理等を行うナビゲーション機能の他、DSRCによるETC(Electronic Toll Collection System)利用のための処理を行う機能等を有している。
図3に示すように、車載器10は、カーナビ部1、VICS(Vehicle Information and Communication System)モジュール2、DSRC部3、制御部4、無線通信部5を備えて構成されている。
【0021】
カーナビ部1は、カーナビ制御部1a、現在地検出部1b、地図記憶部1c、操作部1d、表示部1e、記憶部1f、音声出力部1g等を備え、車両Cを案内経路へ誘導するための処理を行う。
カーナビ制御部1aは、現在地検出部1bから取得した現在地の情報及び地図記憶部1cに記憶された地図情報等に基づいて、車両Cの現在地から操作部1dを介して設定された目的地までの案内経路を算出する。そして、地図記憶部1cに記憶されている地図情報を用いて算出した案内経路へ誘導するための地図画面を生成し、表示部1eにより表示させる。
【0022】
現在地検出部1bは、GPS(Global Positioning System)アンテナ、角度センサ、方位センサ、距離センサ等の各種センサを備え、これらセンサによる検出結果に基づいて車両Cの現在地を検出する。GPSアンテナは、GPS衛星から送信されるGPS信号を検出する。また、角度センサは移動方向の変化量を示す車の加速度(単位時間あたりの水平方向への回転速度)を検出し、方位センサは地磁気の検出を行って、車両Cの絶対方位を検出する。現在地検出部1bは、これらセンサから取得した各検出結果に基づいて車両Cの現在地を示す現在地情報(経度、緯度等の情報)を生成し、カーナビ制御部1aに出力する。
【0023】
地図記憶部1cは、メモリやDVD等の記録媒体から構成され、案内表示に必要な地図情報、駐車場情報、VICSモジュール2を介して受信されるガイド情報(道路情報、渋滞情報等)等を記憶している。
地図情報は、表示用の地図画像、経路探索用の情報、施設や公園等の地点の情報等を含んでいる。地点の情報とは、例えば地点の名称、緯度経度、住所、電話番号等である。
【0024】
駐車場情報は、予め登録された駐車場に関する情報を含んでおり、静的情報と、動的情報と、から構成されている。
静的情報は、例えば、図4に示すようなフォーマットから構成されており、各駐車場に個々に割り振られたID(以下、駐車場ID)、駐車場の位置する緯度経度(以下、駐車場中心座標)、駐車場の入口、名称、収容台数、形式、車両制限(車幅や車高、重量等の制限)、営業時間、提携店舗、設備状況、料金の決済手段、予約対応等を含んでいる。
また、動的情報は、例えば、図5に示すようなフォーマットから構成されており、最新駐車場情報有無フラグ、駐車場の満空情報の数(最大15ヶ所)、駐車場ID、開いている入口、営業時間、料金等の各種設定、入口別の満空情報、情報更新時刻等を含んでいる。
なお、静的情報の更新が行われる際、地図記憶部1cに格納されている静的情報をすべて一度に更新する方法と、特定のエリア(メッシュ単位)のみを更新する方法が存在する。ここで、メッシュ単位について、図6を用いて詳しく説明する。
【0025】
図6は、メッシュ単位について示した図である。ここで、メッシュとは、日本地図を経線と緯線により所定の大きさに区画した地域区画のことである。なお、本実施形態で使用するメッシュは、昭和48年行政管理庁告示143号で制定された標準地域メッシュである。
図6に示すように、1次メッシュは、地図が経度差1度、緯度差40分で区画したエリアのことである。2次メッシュは、1次メッシュの1区画を8×8=64分割したエリア(約10km四方)のことである。また、3次メッシュは、2次メッシュの1区画を10×10=100分割したエリア(約1km四方)のことである。このように、メッシュは、区画の大きさが異なる複数の区画レベル(単位)を有する。
なお、一度に更新できる3次メッシュの数は、最大4メッシュであるものとする。
【0026】
操作部1dは、操作キーや表示部1eと一体に構成されるタッチパネル等から構成されている。操作部1dは、これらの操作に対応する操作信号を生成し、制御部4に出力する。
表示部1eは、モニタを備え、制御部4の制御に従ってモニタ上に各種情報を表示する。例えば、設定画面や地図画面、センター装置30から受信したコンテンツ情報の表示画面等である。
【0027】
記憶部1fは、不揮発性メモリやHDD(Hard Disk Drive)等から構成され、制御部4やカーナビ制御部1aにより実行される制御プログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータ等を記憶している。記憶部1fに記憶されるプログラムは、例えば、制御部4において、後述する駐車場情報要求処理、静的情報更新処理、動的情報設定処理、経路案内処理を実行するためのプログラム、Webブラウザとしての機能を実行するためのプログラム等が含まれる。
また、記憶部1fは、センター装置30から送信されたコンテンツ情報やセンター装置30に送信するアップリンク情報U、そして車両情報等を記憶している。車両情報は車両Cに関する情報であり、例えば車両Cの車幅、車高、重量、排気量等である。
【0028】
音声出力部1gは、音声処理部、D/A変換器、増幅器、スピーカ等を備えて構成される。音声出力部1gは、制御部4から指示された音声データをD/A変換器によりアナログ信号に変換してスピーカにより音声出力する。また、音声出力部1gは、制御部4から指示された表音文字列データに基づいて音声処理部により合成音声信号を生成し、スピーカにより音声出力する。
【0029】
VICSモジュール2は、光通信用、FM通信用、2.4GHz電波通信用のアンテナをそれぞれ備え、VICSセンターと光通信、FM通信、電波通信を行う。VICSモジュール2はVICSセンターから渋滞情報や道路交通情報等を受信し、制御部4に出力する。
【0030】
DSRC部3は、DSRC制御部3a、DSRC通信部3b、記憶部3c、ETC処理部3d、ICカードI/F部3eを備え、DSRCによるETC利用のための処理や、センター装置30からコンテンツ情報を受信するための通信処理等を行う。
【0031】
DSRC制御部3aは、CPU、RAM等から構成され、記憶部3cに記憶されている制御プログラムとの協働によりDSRC部3の各部の動作を制御する。
例えば、DSRC通信部3bを介して路側無線装置20AとDSRC非IP通信を行うための制御を行うとともに、DSRC通信部3bを介して路側無線装置20BとDSRCIP通信を行うための制御を行う。センター装置30からコンテンツ情報を受信する際には、制御部4の指示に従って記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに記憶されている情報を、DSRC通信部3bにより路側無線装置20A、20Bに送信させる。また、DSRC通信部3bを介してセンター装置30からコンテンツ情報を受信した場合には、これを制御部4に出力する。
また、例えば、ETCによる決済を行う際には、DSRC通信部3bの通信動作を制御してETC基地局(ETC決済を行うためにETCゲート付近等に設けられる無線基地局)と決済情報の送受信を行わせる。また、ETC処理部3dにより決済情報の書込処理を行わせる。
【0032】
DSRC通信部3bは、車両Cのダッシュボード上でフロントガラス近傍に固設されたアンテナを備え、このアンテナを介して路側無線装置20A、20BやETC基地局等と、DSRCの電波の送受信を行う。
【0033】
記憶部3cは、DSRC制御部3aにより実行される制御プログラム等を記憶している。
また、記憶部3cにはアップリンク情報記憶領域Mが設けられている。アップリンク情報記憶領域Mは、センター装置30に情報を提供するために専用に設けられた記憶領域であり、アップリンク情報の他、車載器10の特性情報が記憶される。
【0034】
特性情報とは、車載器10の機器特性に関する情報をいう。特性情報には、車載器10に個々に割り振られたID(以下、車載器IDという)、車載器10が対応できる言語、地図の測地系、著作権管理技術、表示部1eのモニタの解像度、SVG(Scalable Vector Graphics)の対応性、コンテンツ情報を蓄積可能な記憶容量等の情報が含まれる。
【0035】
アップリンク情報とは、センター装置30において配信するコンテンツ情報を選択するために用いる情報である。本実施形態におけるアップリンク情報の送信方法には、車載器10が路側無線装置20Aを介してセンター装置30に送信する方法、及び車載器10が外部ネットワークN2、N3を介して、若しくは路側無線装置20Bを介してセンター装置30に送信する方法がある。
【0036】
路側無線装置20Aを介して送信されるアップリンク情報には、ユーザがコンテンツ情報の配信について契約をしたサービス事業者の特定情報、車両Cの目的地情報、経由地情報、累計走行距離情報、過去の立ち寄り地情報、ユーザの嗜好データ、受信再生履歴情報等が含まれる。アップリンク情報は、制御部4によってサービス事業者に応じた内容でサービス事業者毎に生成され、最新の内容となるように制御部4が常に更新を行っている。
【0037】
サービス事業者の特定情報は、ユーザが予めコンテンツ情報の配信について契約したサービス事業者を特定する情報であり、例えば事業者コード、事業者名等である。
車両Cの目的地情報は、カーナビ部1で設定された目的地の緯度、経度の情報であり、経由地情報はカーナビ部1で設定された目的地までの誘導経路において経由する地点の緯度、経度の情報である。また、累計走行距離情報はDSRC部3のセットアップ(起動)時点から現在までの車両Cの累計走行距離の情報であり、過去の立ち寄り地情報は過去に車両Cが停車した(つまり車載器10の電源がON又はOFFされた)地点の緯度、経度の情報及び時刻情報である。
【0038】
嗜好データは、センター装置30においてユーザの嗜好に応じたコンテンツ情報を選択するのに用いる情報である。嗜好データは、コンテンツ情報を分類する複数のカテゴリ毎にユーザが好むか好まないかを示す情報を含む。このカテゴリは、「暮らし」、「買い物」等のようにコンテンツ情報の分類を示すものであり、サービス事業者が任意に設定できるものである。
【0039】
受信再生履歴情報は、センター装置30から配信されたコンテンツ情報に付与されている情報コード及びその再生の履歴の情報である。履歴の情報は、受信したコンテンツ情報のうち、実際に表示部1eに表示される等して再生されたコンテンツ情報の情報コードがあり、再生時の緯度経度情報や時刻情報等が含まれることもある。
【0040】
一方、外部ネットワークN2、N3、若しくは路側無線装置20Bを介して送信されるアップリンク情報Uは、例えば、図7に示すようなフォーマットから構成されており、満空情報を受け取るサービス会員であることを識別するための「会員情報」、検索位置を示す「検索位置情報」、「3次メッシュコード」、「3次メッシュコードのバージョン」、最新情報の要不要を示す「情報更新リクエスト」、一括更新を行うか差分更新を行うかを判断するための「最新情報形体フラグ」、その他種々の「検索条件」等を含んでいる。なお、当該アップリンク情報Uは、路側無線装置20Aを介して送信することも可能である。
【0041】
ETC処理部3dは、ICカードI/F部3eに挿抜されるIC付きクレジットカード又はデビットカード等に対して決済情報等の読み書きを行う。
ICカードI/F部3eは、上記クレジットカード等のスロットを備え、このスロットに挿入されたクレジットカード等のICとETC処理部3dの間で情報のやりとりを仲介する。
【0042】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部1fに記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。
例えば、路側無線装置20A、20Bとの路車間通信を行う際にはDSRC部3の通信動作を制御する。なお、DSRC部3の制御にあたっては、DSRC部3のDSRC制御部3aとの協働により制御を行う。また、DSRC部3を介してセンター装置30から受信したコンテンツ情報の保存、再生制御等を行う。
【0043】
無線通信部5は、移動体通信網(PDC/CDMA/PHS/GSM・GPRS等)、無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n等)、WiMAX(IEEE802.16a/e/h等)等の各種の無線通信網の無線通信アクセスポイント20cと無線通信を行い、無線通信アクセスポイント20cを介して車載器10が外部ネットワークN2、N3に接続されたセンター装置30を始めとする外部機器にアクセスし、データ送受信を行うための通信制御を行う。例えば、車載器10からセンター装置30に送信されるデータには、アップリンク情報U等がある。無線通信部5としては、例えば、無線LANカード、WiMAX用の通信カード、及びこれらを装填するためのスロットや、携帯電話機及び携帯電話機を車載器10に接続するためのUSB(Universal Serial Bus)等の通信インタフェース等の通信デバイスが含まれる。無線通信部5は、受信した情報を制御部4に出力する。
【0044】
図8は、センター装置30の一構成例を示すブロック図である。センター装置30は、コンテンツ情報を記憶し、これを車載器10に配信する。なお、図1では1台のセンター装置30のみ示したが、コンテンツ情報を配信するサービス事業者を複数設定し、センター装置30はサービス事業者毎に備えられるようにしてもよい。
図8に示すように、センター装置30は、制御部31、操作部32、表示部33、記憶部34、通信部35を備えて構成されている。
【0045】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、記憶部34に記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。
例えば、制御部31は、第1の通信部351により路側無線装置20Aから車載器10と通信が確立したことが通知されると、記憶部34からコンテンツ情報を読み出して、第1の通信部351を介して路側無線装置20Aに送信する。また、制御部31は、車載器10から送信されたアップリンク情報Uを受信すると、当該アップリンク情報に基づいて満空情報等を車載器10に送信させる。
また、制御部31は、Webサーバとしての機能を有し、第1の通信部351により路側無線装置20Bを介して車載器10から指定されたURL(Uniform Resource Locator)に格納された情報の取得要求が受信されると、車載器10により指定されたURLに対応する領域に格納されたコンテンツ情報を読み出し、第1の通信部351により路側無線装置20Bを介して車載器10に送信する等、車載器10からの要求に応じた処理を実行する。また、制御部31は、第2の通信部352により外部ネットワークN2、N3を介して車載器10から指定されたURLに格納された情報の取得要求が受信されると、車載器10により指定されたURLに対応する領域に格納されたコンテンツ情報を読み出し、第2の通信部352により外部ネットワークN2、N3を介して車載器10に送信する等、車載器10からの要求に応じた処理を実行する。
【0046】
なお、制御部31は、路側無線装置20Aを介して車載器10にコンテンツ情報を送信する際には、路側無線装置20Aの配置されているエリアに応じた情報を抽出して配信する。また、制御部31は、各車載器10のユーザが嗜好するカテゴリの情報(嗜好データ)を予め取得しておき、情報の送信先となる車載器10の嗜好データに応じた情報を抽出して配信するようにすることが好ましい。
【0047】
操作部32は、キーボード等を備えて操作入力を受け付け、当該操作入力に応じた操作信号を制御部31に出力する。
表示部33はディスプレイを備え、制御部31の表示制御に従ってディスプレイ上に各種画面を表示する。
【0048】
記憶部34は、HDD等により構成される。記憶部34は、制御部31により実行されるプログラムの他、プログラムの実行に必要な各種データを記憶する。
また、記憶部34は、センター装置30において予め登録されている各駐車場についての満空情報を記憶している。なお、本実施形態において、満空情報とは駐車場の混雑に関する情報であり、満車、混雑、空車の状況等を示す情報をいう。具体的には、各駐車場IDに対応付けて混雑状況、空き台数、更新時刻等の情報を記憶している。満空情報は、できるだけ現状に近い情報を提供できるように、一定時間(例えば5分)毎に制御部31により更新されるものとする。
さらに、ユーザはコンテンツ情報の配信サービスに加入する契約を行う際、会員登録を行うので、記憶部34はこの会員登録されたユーザの氏名、住所等の特定情報を記憶する他、ユーザが所有する車載器10の車載器ID、ユーザの嗜好データ等の情報をユーザ毎にデータベース化して記憶する。
また、記憶部34は、コンテンツ情報(後述する図9に詳述)を記憶する。
【0049】
通信部35は、第1の通信部351と第2の通信部352により構成される。第1の通信部351は、センター装置30がネットワークN1に接続された路側無線装置20A、20Bとデータ送受信を行うための通信制御を行う。第2の通信部352は、センター装置30が外部ネットワークN2、N3に接続された車載器10を始めとする外部機器とデータ送受信を行うための通信制御を行う。
【0050】
図9は、コンテンツ情報のフォーマットの一例について示した図である。また、図10は、コンテンツ情報に含まれる駐車場情報について詳述した図である。
図9に示すように、コンテンツ情報には、個々にIDが付された情報、例えば構成ID情報、サービス事業者情報、情報提供企業情報、駐車場情報等が含まれている。
【0051】
ID=00の「構成ID情報」は、コンテンツ情報内に含まれる情報のIDの一覧を表す情報である。ID=00の構成IDを参照することによりコンテンツ情報内にどの情報が含まれているかを判断することができる。
ID=01の「サービス事業者情報」は、当該コンテンツを配信するサービス事業者を特定するための情報であり、例えば、コンテンツを提供するサービス事業者の「サービス事業者コード」、「サービス事業者表示テキスト」等が含まれる。
ID=02の「情報提供企業情報」は、当該コンテンツの属性を示す情報であり、例えば、コンテンツを提供する情報提供企業の「企業コード」、「企業表示テキスト」、コンテンツを特定するための「情報コード」、コンテンツの内容を示す「情報表示テキスト」、コンテンツのカテゴリを示す「嗜好データカテゴリ」等が含まれる。
【0052】
ID=50の「駐車場満空情報」は、車載器により指定された座標から最寄の最大15ヶ所の駐車場の満空情報である。「最新駐車場情報有無フラグ」、「駐車場の満空情報の数」、駐車場を特定するための「駐車場ID」、「入口」、「営業時間」、「初期料金/追加料金」、「入口別満空情報」、「情報更新時刻」等が含まれる。
ID=51の「駐車場静的情報更新」は、駐車場の静的情報を3次メッシュ単位で更新するための情報であり、「最新情報形体フラグ」、「3次メッシュ数」、「3次メッシュコード」、「3次メッシュバージョン情報」、「対象駐車場数」、「静的情報」等が含まれる。
ID=52の「削除駐車場ID情報」は、駐車場の静的情報を更新する際に、バージョン情報に基づいて差分のみを更新する場合の、削除対象である駐車場の駐車場IDに関する情報であり、「最新情報形体フラグ」、「3次メッシュ数」、「3次メッシュコード」、「3次メッシュバージョン情報」、「削除駐車場ID数」、「削除駐車場ID」等が含まれる。
なお、上記した「駐車場満空情報」、「駐車場静的情報更新」、「削除駐車場ID情報」は、車載器から送信されたアップリンク情報U(図10参照)に基づいて生成される。
【0053】
コンテンツ情報は、上記各IDの情報を含めて予め作成されたものが記憶部34に保存され、配信時に、これらコンテンツ情報のうち、配信すべきコンテンツ情報が制御部31により選択される。なお、各IDの情報は、必要に応じてコンテンツ情報に含められるので、常に全てのIDの情報がコンテンツ情報に含まれているわけではない。
【0054】
図11は、駐車場の満空情報を取得する際に車載器10内で行われる一連の処理の流れについて示したフローチャートである。なお、図11の各ステップはすべて実施されていてもよいし、必要に応じてその一部のみ実施されるようにしてもよい。
図11に示すように、ステップA1では、駐車場情報要求処理が行われる。以下、図12のフローチャートを用いて、当該処理を説明する。
【0055】
図12に示すように、ステップA11では、満空情報の検索条件が入力される。満空情報の検索条件とは、例えば、「3No.対応」、「RV対応」、「1BOX対応」、といった車種に合わせた条件や、「身障者スペースあり」、「女性専用スペース対応」、といった運転者(或いは同乗者)に合わせた条件等である。
ステップA12では、目的地までの時間又は距離に基づいた検索要求条件に合致しているか否かが判定される。検索要求条件とは、センター装置30に対して検索要求を行うタイミングを定めた条件のことであり、例えば、「目的地までの時間が10分」、「目的地までの距離が5km」といった条件等である。検索要求条件に合致した場合は、次のステップA13へと移行し、検索要求条件に合致していなかった場合は、当該ステップA12を繰り返す。
ステップA13では、満空情報の検索要求がセンター装置30に送信される。ここで、センター装置30(例えば、サービスプロバイダ)に送信(アップリンク)される情報は、例えば、要求エリアを緯度経度で表した「検索位置情報」、「検索条件」等が含まれる。また、静的情報を更新するか否かを表す「情報更新リクエスト」、一括更新を行うか差分更新を行うかを判別するための「最新情報形体フラグ」等が含まれる。
ステップA14では、センター装置30から送信された満空情報の検索結果が受信される。
ステップA15では、閾値以上の検索結果が得られたか否かが判定される。例えば、閾値を10と設定した場合、検索結果(駐車場の満空情報)が10件以上得られたか否かが判定される。閾値以上の検索結果が得られた場合は、図11のステップA2へと移行し、閾値以上の検索結果が得られなかった場合は、ステップA11へと移行する。
【0056】
次に、図11のステップA2では、静的情報更新処理が行われる。以下、図13のフローチャートを用いて、当該処理を説明する。
図13に示すように、ステップA21では、静的情報を受信しているか否かが判定される。当該静的情報は、図4に示したような静的情報である。静的情報を受信した場合は、次のステップA22へと移行し、静的情報を受信していなかった場合は、静的情報の更新は行われず、図11のステップA3へと移行する。
ステップA22では、静的情報の更新領域が3次メッシュ単位で設定されているか否かが判定される。3次メッシュ単位で設定されていた場合は、次のステップA23へと移行し、3次メッシュ単位で設定されていなかった場合は、ステップA28へと移行する。なお、3次メッシュ単位以外の設定の場合(ステップA22で“NO”)、静的情報の更新は一括更新で行われる。
【0057】
ここで、一括更新とは、指定メッシュの駐車場情報の静的情報をすべて一度に更新する方法のことである。一方、差分更新とは、車載器が保持している静的情報と最新の静的情報を比較して変化(追加、削除)した情報のみを更新する方法のことである。
【0058】
ステップA23では、静的情報の更新方法が一括更新に設定されているか否かが判定される。当該判定は、受信した静的情報に含まれる「最新情報形体フラグ」を参照して行われる。一括更新に設定されていた場合は、次のステップA24へと移行し、一括更新に設定されていなかった場合は、ステップA27へと移行する。
ステップA24では、車載器10側で差分更新を行うか否かが判定される。本来、差分更新は、ベースとなる情報と最新情報との差異をセンター装置30側で判断するわけであるが、センター装置30が差分更新に対応していない場合等、センター装置30で差分更新を行わない場合は、車載器10側で差分更新を行うことができる。ただし、車載器10が差分更新に対応している必要がある。差分更新を行うと判定された場合は、次のステップA25へと移行し、差分更新を行わないと判定された場合は、ステップA26へと移行する。
ステップA25では、差分更新が行われ、更新すべき駐車場IDのみが更新設定される。
ステップA26では、更新対象に設定されているメッシュが削除領域とされ、受信した静的情報が更新設定される。
ステップA27では、削除対象の駐車場IDが削除設定され、追加対象の駐車場IDが追加設定される。
ステップA28では、受信した領域の駐車場IDが削除設定され、受信した静的情報が更新設定される。
ステップA29では、各種設定に基づいて静的情報が更新される。
【0059】
次に、図11のステップA3では、動的情報設定処理が行われる。以下、図14のフローチャートを用いて、当該処理を説明する。
図14に示すように、ステップA31では、動的情報を受信しているか否かが判定される。動的情報を受信した場合は、次のステップA32へと移行し、動的情報を受信していなかった場合は、動的情報の更新は行われず、図11のステップA4へと移行する。
ステップA32では、受信した動的情報に基づいて動的情報が設定される。
【0060】
次に、図11のステップA4では、経路案内処理が行われる。以下、図15のフローチャートを用いて、当該処理を説明する。
図15に示すように、ステップA41では、設定されている目的地と検索された駐車場の中心座標が一致しているか否かが判定される。中心座標が一致した場合は、ステップA44へと移行し、中心座標が一致しなかった場合は、次のステップA42へと移行する。
ステップA42では、目的地最寄の駐車場リストが提示される。なお、当該駐車場リストは、駐車場名だけでなく満空情報も表示されている。
ステップA43では、利用したい駐車場が選択される。
ステップA44では、目的駐車場の入口が複数あるか否かが判定される。入口が複数あった場合は、次のステップA45へと移行し、入口が複数なかった場合は、ステップA48へと移行する。
ステップA45では、目的地の座標と目的駐車場の入口座標が一致しているか否かが判定される。座標が一致していた場合は、ステップA48へと移行し、座標が一致しなかった場合は、次のステップA46へと移行する。
ステップA46では、目的駐車場の入口リストが提示される。なお、当該入口リストは、入口ごとに満空情報が表示されている。
ステップA47では、利用したい入口が選択される。そして、選択された入口が目的地として設定される。
ステップA48では、目的地まで経路案内が行われる。
【0061】
このように、本実施形態に係る車載器10は、満空情報の検索要求をセンター装置30に向けて送信し、検索結果を受信する。受信した検索結果に基づいて静的情報と動的情報の更新を行い、更新情報に基づいて経路案内を行う。
【0062】
図16、図17は、駐車場の満空情報を取得する際にセンター装置30内で行われる一連の処理の流れについて示したフローチャートである。この一連の処理は、車載器10から満空情報の検索要求(アップリンク情報)を受信したことを契機に実現される。
図16に示すように、ステップB1では、受信したアップリンク情報から要求メッシュコードが抽出される。なお、アップリンク情報には、目的地若しくは利用者が情報を要求する地点を含んだエリアを示す「3次メッシュコード」、当該メッシュコードの更新日を示す「3次メッシュコードバージョン」、静的情報の更新要求の有無を示す「情報更新リクエスト」等が含まれる。
ステップB2では、抽出されたメッシュコードのバージョンが最新情報であるか否かが判定される。当該判定は、アップリンク情報に含まれる「3次メッシュコードバージョン」を参照して行われる。最新情報であった場合は、ステップB6へと移行し、最新情報でなかった場合は、次のステップB3へと移行する。
ステップB3では、静的情報の更新要求があるか否かが判定される。当該判定は、アップリンク情報に含まれる「情報更新リクエスト」を参照して行われる。更新要求があった場合は、次のステップB4へと移行し、更新要求がなかった場合は、ステップB7へと移行する。
ステップB4では、静的情報の更新情報が生成される。
ステップB5では、静的情報送信処理が行われる。以下、図18のフローチャートを用いて、当該処理を説明する。
【0063】
図18に示すように、ステップB101では、更新領域選択処理が行われる。以下、図19のフローチャートを用いて、当該処理を説明する。
図19に示すように、ステップB111では、接続された通信手段が確認される。
ステップB112では、送信領域選択処理が行われる。以下、図20、図22のフローチャートを用いて、当該処理を説明する。
【0064】
図20は、送信領域選択処理の一例(送信領域選択処理1)について示したフローチャートである。
図20に示すように、ステップB121では、通信手段対応テーブルを用いて送信領域が設定される。当該通信手段対応テーブルについて、図21を用いて詳細に説明する。
【0065】
図21は、通信手段対応テーブルについて示した図である。
図21に示すように、通信手段対応テーブルには、通信手段、通信速度、領域といった項目が設けられている。通信手段には、携帯電話、DSRC、WiMAX、IEEE802.11が例示されており、例えば、携帯電話の場合、通信速度が○Mbps、送信領域が3次メッシュ単位で通信されることが示されている。また、DSRCは通信速度が△Mbps、送信領域が3次メッシュ単位で、WiMAXは通信速度が□Mbps、送信領域が2次メッシュ単位で、それぞれ通信されることが示されている。
【0066】
図22は、送信領域選択処理の一例(送信領域選択処理2)について示したフローチャートである。送信領域選択処理2は、送信領域選択処理1と比べ、ユーザによる領域選択の変更指示を受け付けることができる点において異なる。
図22に示すように、ステップB131では、通信手段対応テーブルを用いて送信領域が設定される。
ステップB132では、静的情報のダウンロード時間の目安が算出される。
ステップB133では、送信予定領域とダウンロード時間の目安が車載器10に送信される。送信された情報は、車載器10の表示部1eを通じてユーザに通知されることとなる。
ステップB134では、車載器10から送信領域の変更指示があるか否かが判定される。変更指示があった場合は、ステップB136へと移行し、変更指示がなかった場合は、ステップB135へと移行する。
【0067】
ここで、車載器10から送信領域の変更指示を送信するためには、車載器10側で更新領域選択処理が行われる必要がある。以下、図23のフローチャートを用いて、当該処理を説明する。
図23に示すように、ステップA101では、センター装置30と通信可能な通信手段が表示部1eに表示される。センター装置30と通信可能な通信手段としては、例えば、携帯電話、DSRC、WiMAX、IEEE802.11等がある。
ステップA102では、センター装置30と通信を行う通信手段が選択される。
ステップA103では、選択された通信手段でセンター装置30に接続される。
ステップA104では、図22のステップB133でセンター装置30から送信された送信予定領域とダウンロード時間の目安が受信される。
ステップA105では、送信領域の変更指示があるか否かが判定される。変更指示があった場合は、ステップA107へと移行し、変更指示がなかった場合は、次のステップA106へと移行する。
ステップA106では、静的情報の更新領域が設定される。
ステップA107では、送信領域の変更指示内容がセンター装置30に送信される。
【0068】
図22に戻り、ステップB135では、静的情報の送信領域が決定される。
ステップB136では、車載器10からの指示内容に沿った送信領域が設定される。
【0069】
次に、図18のステップB102では、更新方法選択処理が行われる。以下、図24のフローチャートを用いて、当該処理を説明する。
図24に示すように、ステップB141では、設定された更新領域が3次メッシュ単位であるか否かが判定される。3次メッシュ単位であった場合は、次のステップB142へと移行し、3次メッシュ単位でなかった場合は、差分更新を行わないため更新方法の選択は行われず、図18のステップB103へと移行する。
ステップB142では、車載器10から送信された要求が差分更新であるか否かが判定される。当該判定は、受信した検索要求に含まれる「最新情報形体フラグ」を参照して行われる。要求が差分更新であった場合は、次のステップB143へと移行し、要求が差分更新でなかった場合は、ステップB146へと移行する。
ステップB143では、静的情報を差分更新で送信可能であるか否かが判定される。ここでは、センター装置30が差分更新に対応しているか否かが判断される。送信可能であった場合(センター装置30が差分更新に対応)は、次のステップB144へと移行し、送信可能でなかった場合(センター装置30が差分更新に非対応)は、ステップB145へと移行する。
ステップB144では、差分更新処理が行われる。以下、図25のフローチャートを用いて、当該処理を説明する。
【0070】
図25に示すように、ステップB151では、受信した検索要求に含まれる3次メッシュコードに基づいて、送信対象となる3次メッシュが抽出される。
ステップB152では、受信した3次メッシュのバージョンと送信対象となる3次メッシュのバージョンが一致するか否かが判定される。当該判定は、受信した検索要求に含まれる「3次メッシュコードバージョン」を参照して行われる。バージョンが一致した場合は、次のステップB153へと移行し、バージョンが一致しなかった場合は、ステップB154へと移行する。
ステップB153では、更新情報なしと設定される。
ステップB154では、追加された更新情報があるか否かが判定される。追加更新情報があった場合は、次のステップB155へと移行し、追加更新情報がなかった場合は、ステップB156へと移行する。
ステップB155では、追加された更新情報が設定される。追加された更新情報は、コンテンツ情報に含まれるID=51の「駐車場静的情報更新」、又は図26に示すようなフォーマットから構成される「更新用静的情報」である。
図26に示すように、「更新用静的情報」は、「最新情報形体フラグ」、「3次メッシュ数」、「3次メッシュコード」、「3次メッシュバージョン情報」、「対象駐車場数」、「静的情報」等が含まれる。
ステップB156では、削除された更新情報があるか否かが判定される。削除更新情報があった場合は、次のステップB157へと移行し、削除更新情報がなかった場合は、図18のステップB103へと移行する。
ステップB157では、削除された更新情報が設定される。削除された更新情報は、コンテンツ情報に含まれるID=52の「削除駐車場ID情報」、又は図27に示すようなフォーマットから構成される「削除用静的情報」である。
図27に示すように、「削除用静的情報」は、「最新情報形体フラグ」、「3次メッシュ数」、「3次メッシュコード」、「3次メッシュバージョン情報」、「削除駐車場ID数」、「削除駐車場ID」等が含まれる。
【0071】
次に、図24のステップB145では、差分更新不可通知処理が行われる。以下、図28のフローチャートを用いて、当該処理を説明する。
図28に示すように、ステップB161では、車載器10に対して差分更新できない旨が通知される。
ステップB162では、新たに車載器10から一括更新の要求があるか否かが判定される。一括更新の要求があった場合は、図24のステップB146へと移行し、一括更新の要求がなかった場合は、センター装置30における一連の処理を終了する。
【0072】
次に、図24のステップB146では、一括更新処理が行われる。以下、図29のフローチャートを用いて、当該処理を説明する。
図29に示すように、ステップB171では、受信した検索要求に含まれる3次メッシュコードに基づいて、送信対象となる3次メッシュが抽出される。
ステップB172では、受信した3次メッシュのバージョンと送信対象となる3次メッシュのバージョンが一致するか否かが判定される。当該判定は、受信した検索要求に含まれる「3次メッシュコードバージョン」を参照して行われる。バージョンが一致した場合は、次のステップB173へと移行し、バージョンが一致しなかった場合は、ステップB174へと移行する。
ステップB173では、更新情報なしと設定される。
ステップB174では、送信対象となる3次メッシュの静的情報が更新情報に設定される。
【0073】
次に、図18のステップB103では、更新設定に基づいて静的情報が車載器10に送信される。なお、本実施形態では、更新情報なしに設定されている場合は、静的情報の送信は行われないものとする。
静的情報が車載器10に送信されると、図16のステップB6へと移行し、車載器10から要求された検索条件が確認される。検索条件が確認されると、図17のステップB13へと移行する。
ステップB7では、ステップB1で抽出されたメッシュコードのバージョンに基づいた静的情報を用いて、指定メッシュで検索される。
【0074】
図30は、指定メッシュで駐車場の検索が行われる様子の一例について示した図である。なお、指定メッシュとは、目的地を含んだメッシュのことである。
図30に示すように、駐車場検索対象エリアは、目的地Oから所定の距離(半径)内にあるエリアEである。ここでは、目的地OはメッシュM1に含まれているので、指定メッシュはM1である。指定メッシュで検索を行う場合、指定メッシュM1のみが検索対象となるので、他のメッシュM2、M3、M4は検索対象外となり、検索される駐車場Pは1件となる(図30参照)。
【0075】
次に、ステップB8では、閾値以上の検索結果が得られたか否かが判定される。閾値以上の検索結果が得られた場合は、ステップB11へと移行し、閾値以上の検索結果が得られなかった場合は、次のステップB9へと移行する。
ステップB9では、隣接メッシュで検索される。
【0076】
図31は、隣接メッシュで駐車場の検索が行われる様子の一例について示した図である。なお、隣接メッシュとは、指定メッシュに隣接するメッシュのうち、駐車場検索対象エリアを含むメッシュのことである。
図31に示すように、駐車場検索対象エリアは、目的地Oから所定の距離(半径)内にあるエリアEである。ここでは、目的地OはメッシュM1に含まれているので、指定メッシュはM1である。また、駐車場検索対象エリアEは、M1を中心に、M2、M3、M4に跨っているので、隣接メッシュに該当するのはM1〜4である。隣接メッシュで検索を行う場合、隣接メッシュM1〜4が検索対象となるので、検索される駐車場Pは6件となる(図31参照)。
なお、ここでは、目的地Oが指定メッシュM1の右上にあるため、駐車場検索対象エリアEがM2、M3、M4に跨っている。つまり、例えば、目的地Oが指定メッシュM1の左下にあった場合は、駐車場検索対象エリアEが図示しない他のメッシュに跨ることとなるので、隣接メッシュは上記M2、M3、M4とは異なるメッシュとなる。
【0077】
次に、ステップB10では、閾値以上の検索結果が得られたか否かが判定される。閾値以上の検索結果が得られた場合は、ステップB11へと移行し、閾値以上の検索結果が得られなかった場合は、次のステップB12へと移行する。
ステップB11では、検索結果に基づいて、目的地から近い順に満空情報(動的情報)が生成される。
ステップB12では、「検索条件変更」又は「静的情報更新」の依頼が車載器10に通知される。
【0078】
次に、図17に示すように、ステップB13では、指定メッシュで検索される。
ステップB14では、閾値以上の検索結果が得られたか否かが判定される。閾値以上の検索結果が得られた場合は、ステップB19へと移行し、閾値以上の検索結果が得られなかった場合は、次のステップB15へと移行する。
ステップB15では、隣接メッシュで検索される。
ステップB16では、閾値以上の検索結果が得られたか否かが判定される。閾値以上の検索結果が得られた場合は、ステップB19へと移行し、閾値以上の検索結果が得られなかった場合は、次のステップB17へと移行する。
ステップB17では、メッシュ範囲を拡大して検索される。
ステップB18では、閾値以上の検索結果が得られたか否かが判定される。閾値以上の検索結果が得られた場合は、ステップB19へと移行し、閾値以上の検索結果が得られなかった場合は、次のステップB20へと移行する。
ステップB19では、検索結果に基づいて、目的地から近い順に満空情報(動的情報)が生成される。
ステップB20では、満空情報(動的情報)が送信される。
ステップB21では、「検索条件変更」の依頼が車載器10に通知される。
【0079】
このように、本実施形態に係るセンター装置30は、受信したアップリンク情報に含まれるメッシュコードのバージョンに基づいて静的情報の更新設定を行い、車載器10に送信する。また、当該メッシュコードが示すエリアに存在する駐車場のうち、検索条件にマッチした駐車場の満空情報を車載器10に送信する。
【0080】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0081】
例えば、上記実施形態では、図16のステップB5に示したように、静的情報の車載器10への送信処理を動的情報の車載器10への送信処理の途中に組み入れているが、静的情報の送信処理を動的情報の送信処理とは個別に行わせるようにしてもよい。
【0082】
また、例えば、上記実施形態では、センター装置30から車載器10に動的情報を送信する際、静的情報の更新情報を先に送信し、車載器10内において更新処理を行わせてから動的情報を送信するようにしているが、例えば、静的情報と動的情報を同時に送信することも可能である。また、例えば、静的情報の送信に関係なく動的情報の送信処理を独立させることも可能である。まず、静的情報と動的情報を同時に送信する場合における動的情報送信処理について、図32のフローチャートを用いて説明する。
【0083】
図32は、動的情報送信処理の一例(動的情報送信処理1)について示したフローチャートである。
図32に示すように、ステップB201では、静的情報の更新設定がされているか否かが判定される。静的情報の更新設定がされていた場合は、次のステップB202へと移行し、静的情報の更新設定がされていなかった場合は、ステップB203へと移行する。
ステップB202では、動的情報設定処理1が行われる。以下、図33のフローチャートを用いて、当該処理を説明する。
【0084】
図33は、動的情報設定処理の一例(動的情報設定処理1)について示したフローチャートである。
図33に示すように、ステップB211では、検索地及び検索条件に基づいて駐車場が検索される。
ステップB212では、検索された駐車場のうち、アップリンクされたメッシュとその近傍のメッシュに含まれる駐車場が抽出される。
ステップB213では、抽出された駐車場のうち所定数の駐車場の動的情報が、送信情報に設定される。送信情報に設定される動的情報の数は、任意に設定することができる。
【0085】
次に、ステップB203では、動的情報設定処理2が行われる。以下、図34のフローチャートを用いて、当該処理を説明する。
図34は、動的情報設定処理の一例(動的情報設定処理2)について示したフローチャートである。
図34に示すように、ステップB221では、検索地及び検索条件に基づいて駐車場が検索される。
ステップB222では、検索された駐車場のうち、アップリンクされたメッシュとその近傍のメッシュに含まれる駐車場が抽出される。
ステップB223では、抽出された駐車場が目的地から近い順に並び替えられる。
ステップB224では、i=1、n=0が設定される。なお、iは並び替えられた駐車場の並び順を、nは保存された駐車場情報(動的情報)の数を表す。
ステップB225では、当該駐車場(i)の駐車場IDが対象メッシュのバージョン内に存在するか否かが判定される。バージョン内に存在した場合は、次のステップB226へと移行し、バージョン内に存在しなかった場合は、ステップB229へと移行する。
ステップB226では、当該駐車場情報(動的情報)が保存され、nに1がプラスされる。
ステップB227では、n=Nであるか否かが判定される。ここで、Nとは、予め設定されている閾値の値であり、例えば、N=10と設定した場合、nが10であるか否かが判定される。n=Nであった場合は、次のステップB228へと移行し、n=Nでなかった場合は、ステップB229へと移行する。
ステップB228では、保存された駐車場情報(動的情報)が送信対象として設定される。
ステップB229では、iに1がプラスされる。
【0086】
図32に戻り、ステップB204では、各種設定に基づいて動的情報が送信される。
このように、本実施形態に係るセンター装置30は、静的情報の更新設定がされているかを判断し、静的情報の更新設定がされていた場合は、アップリンクされた検索要求に基づいて動的情報を設定し、車載器10に送信する。また、静的情報の更新設定がされていなかった場合は、アップリンクされた検索要求に含まれているメッシュコードのバージョンを参照して、当該バージョン内に含まれている駐車場の動的情報のみを車載器10に送信する。
【0087】
次に、静的情報の送信に関係なく動的情報の送信処理を独立して行う場合における動的情報送信処理について、図35のフローチャートを用いて説明する。
図35は、動的情報送信処理の一例(動的情報送信処理2)について示したフローチャートである。
図35に示すように、ステップB231では、検索地及び検索条件に基づいて駐車場が検索される。
ステップB232では、検索された駐車場のうち、アップリンクされたメッシュとその近傍のメッシュに含まれる駐車場が抽出される。
ステップB233では、抽出された駐車場が目的地から近い順に並び替えられる。
ステップB234では、所定数(例えば、N=10)の駐車場情報(動的情報)が送信対象として設定される。
なお、当該動的情報送信処理2は、静的情報の送信に関係なく行われるため、車載器10が動的情報を受信した際、車載器10側が保持する静的情報が必ずしも最新であるとはいえない。このような場合、受信した動的情報に含まれる駐車場IDが、車載器10側が保持する静的情報に含まれておらず、当該駐車場IDを車載器10が認識できない状況が発生しうる。車載器10は、受信した動的情報に認識不可能な駐車場IDが含まれている場合、当該動的情報を自動的に削除する。
【0088】
このように、本実施形態に係るセンター装置30は、アップリンクされた検索要求に基づいて動的情報を設定し、車載器10に送信する。
これにより、静的情報の送信に関係なく動的情報の送信処理を独立して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本実施形態における情報配信システム100について示した図である。
【図2】路側無線装置20及び路側エリアZについて示した図である。
【図3】車載器10の一構成例を示すブロック図である。
【図4】静的情報のフォーマットの一例について示した図である。
【図5】動的情報のフォーマットの一例について示した図である。
【図6】メッシュ単位について示した図である。
【図7】アップリンク情報のフォーマットの一例について示した図である。
【図8】センター装置30の一構成例を示すブロック図である。
【図9】コンテンツ情報のフォーマットの一例について示した図である。
【図10】コンテンツ情報に含まれる駐車場情報について詳述した図である。
【図11】駐車場の満空情報を取得する際に車載器10内で行われる一連の処理の流れについて示したフローチャートである。
【図12】駐車場情報要求処理の一例について示したフローチャートである。
【図13】静的情報更新処理の一例について示したフローチャートである。
【図14】動的情報設定処理の一例について示したフローチャートである。
【図15】経路案内処理の一例について示したフローチャートである。
【図16】駐車場の満空情報を取得する際にセンター装置30内で行われる一連の処理の流れについて示したフローチャートである。
【図17】駐車場の満空情報を取得する際にセンター装置30内で行われる一連の処理の流れについて示したフローチャートである。
【図18】静的情報更新処理の一例について示したフローチャートである。
【図19】更新領域選択処理の一例について示したフローチャートである。
【図20】送信領域選択処理の一例(送信領域選択処理1)について示したフローチャートである。
【図21】通信手段対応テーブルについて示した図である。
【図22】送信領域選択処理の一例(送信領域選択処理2)について示したフローチャートである。
【図23】更新領域選択処理の一例について示したフローチャートである。
【図24】更新方法選択処理の一例について示したフローチャートである。
【図25】差分更新処理の一例について示したフローチャートである。
【図26】更新用静的情報のフォーマットの一例について示した図である。
【図27】削除用静的情報のフォーマットの一例について示した図である。
【図28】差分更新不可通知処理の一例について示したフローチャートである。
【図29】一括更新処理の一例について示したフローチャートである。
【図30】指定メッシュで駐車場の検索が行われる様子の一例について示した図である。
【図31】隣接メッシュで駐車場の検索が行われる様子の一例について示した図である。
【図32】動的情報送信処理の一例(動的情報送信処理1)について示したフローチャートである。
【図33】動的情報設定処理の一例(動的情報設定処理1)について示したフローチャートである。
【図34】動的情報設定処理の一例(動的情報設定処理2)について示したフローチャートである。
【図35】動的情報送信処理の一例(動的情報送信処理2)について示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
100 情報配信システム
10 車載器
1 カーナビ部
1a カーナビ制御部
1b 現在地検出部
1c 地図記憶部
1d 操作部
1e 表示部
1f 記憶部
1g 音声出力部
2 VICSモジュール
3 DSRC部
3a DSRC制御部
3b DSRC通信部
3c 記憶部
3d ETC処理部
3e ICカードI/F部
4 制御部
5 無線通信部
20 路側無線装置
21 本体装置
22 アンテナ
30 センター装置
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 記憶部
35 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の静的情報を配信するセンター装置であって、
日本地図を経線と緯線により所定の大きさに区画した地域区画ごとに駐車場情報を記憶する記憶手段と、
前記駐車場情報を前記地域区画単位で前記車載器に送信する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記車載器から、前記駐車場情報に含まれる静的情報の更新要求があった場合は、当該更新要求に含まれる検索位置情報に基づいて前記静的情報を更新する地域区画を設定し、
前記設定された地域区画に含まれるすべての駐車場の静的情報を更新する一括更新用の静的情報か、又は前記設定された地域区画に含まれる駐車場の静的情報と、前記車載器に記憶されている静的情報との差分を更新する差分更新用の静的情報を送信することを特徴とするセンター装置。
【請求項2】
前記地域区画は、区画の大きさが異なる複数の区画レベルを有し、
前記制御手段は、最小区画レベルの地域区画が前記更新領域として設定された場合にだけ、前記差分更新を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のセンター装置。
【請求項3】
前記区画レベルは、通信手段ごとに予め定められていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンター装置。
【請求項4】
前記制御手段は、車載器からの要求に基づいて前記一括更新用の静的情報と、前記差分更新用の静的情報と、のいずれを送信するかを判断することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のセンター装置。
【請求項5】
駐車場の静的情報を配信するセンター装置と、センター装置から配信された駐車場情報の静的情報を受信する受信手段を備えた車載器と、を含む情報配信システムであって、
前記センター装置は、
日本地図を経線と緯線により所定の大きさに区画した地域区画ごとに駐車場情報を記憶する記憶手段と、
前記駐車場情報を前記地域区画単位で前記車載器に送信する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記車載器から、前記駐車場情報に含まれる静的情報の更新要求があった場合は、当該更新要求に含まれる検索位置情報に基づいて前記静的情報を更新する地域区画を設定し、
前記設定された地域区画に含まれるすべての駐車場の静的情報を更新する一括更新用の静的情報か、又は前記設定された地域区画に含まれる駐車場の静的情報と、前記車載器に記憶されている静的情報との差分を更新する差分更新用の静的情報を送信することを特徴とする情報配信システム。
【請求項6】
日本地図を経線と緯線により所定の大きさに区画した地域区画ごとに駐車場情報を記憶し、
前記駐車場情報に含まれる静的情報の更新要求があった場合は、当該更新要求に含まれる検索位置情報に基づいて前記静的情報を更新する地域区画を設定し、
前記設定された地域区画に含まれるすべての駐車場の静的情報を更新する一括更新用の静的情報か、又は前記設定された地域区画に含まれる駐車場の静的情報と、前記車載器に記憶されている静的情報との差分を更新する差分更新用の静的情報を送信することを特徴とする情報配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2010−3176(P2010−3176A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−162409(P2008−162409)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】