説明

ゼンマイ式駆動ユニット

【課題】単一の駆動軸で入力と出力の回転方向を同一にする。
【解決手段】ゼンマイ1の端部を走行歯車列24と巻上げ歯車列23の一端の巻芯用ギア12と香箱用ギア2に係合させ、他端の各駆動軸用ギア5、6を駆動軸4に設け、巻上げ時における巻上げ系ギア比を走行系ギア比よりも大きくするとともに、巻上げ歯車列をゼンマイ巻上げ方向にのみ回転させる一方向回転機構と、巻上げ歯車列の2つのギア5、10を巻上げ時には噛合させ、走行時には切り離す切換え機構とを備え、2つのギアを噛合させて駆動軸を回転させ、走行時には、切換え機構により2つのギアを切り離すとともに、一方向回転機構により巻上げ歯車列の逆回転を阻止することにより、ゼンマイの開放時の回転力を走行歯車列を介して駆動軸用ギアに伝達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼンマイ(渦巻ばね)を動力源として回転を出力する駆動ユニットに関する。さらに詳述すると、本発明は、動力源の巻上用回転軸と駆動用回転軸が単一であり、同じ回転方向になるゼンマイ式駆動ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車おもちや等に使用されているプルバック巻上式ゼンマイ式駆動ユニットは、タイヤを装着した駆動軸を後に引き提げることにより、前記駆動軸を逆回転させて、巻上げ回転時のみ噛合う歯車列を利用してゼンマイの巻上げを行い、ゼンマイの開放時は、走行回転時のみ噛合う歯車列を利用して前記駆動軸を、走行回転に回転させて前進させる。即ち、前記駆動軸の回転が巻上げと走行で逆回転になる。
【0003】
また、ゼンマイの巻上げ時と走行時の駆動軸の回転方向を合わせているゼンマイ式駆動ユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これは、単一でない巻上げ回転体と駆動回転体で独立した2系統の歯車列を使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−144488
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のプルバック式ゼンマイ式駆動ユニットでは、巻上げ回転時と走行回転時の駆動軸の回転方向を合わせることができなかった。また、ゼンマイ式駆動ユニットの巻上げ回転体と駆動回転体を独立した2系統の歯車列にした場合は、駆動回転体が回転している時は巻上げ回転体が逆回転しているので、巻上げ回転体を外部からの力がかからない様にしなければならず、部品点数も多くなり量産コストが高くなる。
【0006】
また、従来のプルバック式ゼンマイ式駆動ユニットを搭載した玩具、例えば自動車のおもちやの場合、幼児は後ろに引いてゼンマイを巻き上げる機構は理解できないので、常に進行方向に押して遊ぶ場合が多かった。
【0007】
そこで、本発明は、簡単な構造で、単一の駆動軸を利用して入力と出力の回転方向を同一にする、ゼンマイ式駆動ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、香箱用ギアの内側に配置されたゼンマイの内側端部をハウジングに設けられた走行歯車列の一端の巻芯用ギアに、上記ゼンマイの外側端部をハウジングに設けられた巻上げ歯車列の一端の香箱用ギアにそれぞれ係合させ、走行歯車列と巻上げ歯車列の他端の各駆動軸用ギアを駆動軸に設け、巻上げ時における、巻上げ歯車列側の巻上げ系ギア比を、走行歯車列側の走行系ギア比よりも大きくするとともに、上記巻上げ歯車列をゼンマイ巻上げ方向にのみ回転させる一方向回転機構と、巻上げ歯車列を構成する2つのギアを、巻上げ時には噛合させ、走行時には切り離す切換え機構とを備え、巻上げ時には、上記2つのギアを噛合させて上記駆動軸を回転させることにより、上記巻上げ歯車列と走行歯車列とを回転させつつゼンマイを巻き上げ、走行時には、上記切換え機構により上記2つのギアを切り離すとともに、上記一方向回転機構により上記巻上げ歯車列の逆回転を阻止することにより、上記ゼンマイの開放時の回転力を走行歯車列を介して上記駆動軸用ギアに伝達することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1において、上記2つのギアのうち一方は上記駆動用ギアで、該駆動用ギアの駆動軸は上記ハウジングに形成された上下に長い長穴に軸受けされているとともに、上記駆動軸は長穴の下端にあって、他方のギアと切り離されるように付勢されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、ゼンマイ巻上げ時には、駆動軸を回転させることにより、巻上げ歯車列と走行歯車列とが回転するが、巻上げ系ギア比の方が走行系ギア比よりも大きいから、駆動軸の回転に従いゼンマイが巻き上げられていく。巻上げ後、走行時には、切換え機構により巻上げ歯車列を構成する2つのギアが切り離されるので、駆動軸は走行歯車列の歯車のみが回転するとともに、一方向回転機構により上記巻上げ歯車列の逆回転が阻止されるから、ゼンマイは巻上げ時と同じ方向に開放され、走行歯車列を介して駆動軸用ギアに伝達し、駆動軸は巻上げ時と同じ方向に回転する。
【0011】
このように、駆動軸を巻上げ歯車列との噛合いを切換えることにより単一の駆動軸でゼンマイの巻上げ、走行を行うことが可能である。また、一方向回転機構によりゼンマイの収納された香箱用ギアが、巻上げ時と走行時で同じ回転方向に回転するため、駆動軸の回転方向を巻上げ時と走行時で同じ回転方向にすることが可能である。さらに、部品点数も少なくて済み、製造コストが安くなると共にユニットを小型化することができる。
【0012】
また、駆動ユニットを玩具例えば自動車のおもちゃに搭載した場合、進行方向に押して放すと進行方向に走行するので、幼児でも容易に遊ぶ事ができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、巻上げ時にはハウジングを下方に押し付けることによって、駆動軸は長穴の上端に移動し、他方のギアと噛合するので、巻上げ歯車列が作動し、走行時にはハウジングを下に押す力を緩めることによって、駆動軸は長穴の下端に移動し、他方のギアと切り離されて巻上げ歯車列が作動しないように構成されている。したがって、走行時には走行歯車列のみが作動するから、走行は円滑に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のゼンマイ式駆動ユニットの一実施形態の内部構造を示す正面図である。
【図2】同駆動ユニットの内部構造を示す斜視図である。
【図3】巻上げ歯車列と走行歯車列とを簡単に示した底面図
【図4】駆動ユニットの歯車機構の歯車列を主に示す平面図である。
【図5】走行時の同駆動ユニットの歯車機構のギア列を主に示す正面図である。
【図6】駆動ユニットの雛形フレームを示す図で(A)は正面図、(B)は斜視図である。
【図7】駆動ユニットの隔壁フレームを示す図で(A)は正面図、(B)は斜視図である。
【図8】駆動ユニットの雌形フレームを示す図で(A)は正面図、(B)は斜視図である。
【図9】同駆動ユニットの一方向回転機構の一実施形態を示す(A)は正面図、(B)は断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図9に、本発明のゼンマイ式駆動ユニットの一実施形態を示す。このゼンマイ式駆動ユニットは、雄形フレーム9aと雌形フレーム9cと隔壁フレーム9bとからなるハウジング9と、雄形フレーム9aと雌形フレーム9cの長穴17に沿って移動可能な回転自在に支持された駆動軸4と、駆動軸4上に設けられる駆動軸用ギア5、6と、動力源のゼンマイ1と、このゼンマイ1を巻上げる為のハウジング9に支持された巻芯用ギア12と、巻芯用ギア12と同軸上に配置されるゼンマイ1を収納した香箱用ギア2と、ゼンマイ1の巻上げ時に駆動軸用ギア5と噛合う巻上げ用ギア10を含む巻上げ歯車列23(図3参照)と、ゼンマイ1を収納した香箱用ギア2の走行回転を駆動軸用ギア6に伝える走行用ギア7を含む走行歯車列24(図3参照)と、雌形フレーム9cに固定されたラチェット11のアーム11a先端の爪11bの外側に組み合わさる巻芯用ギア12の鋸歯状内歯12aによってゼンマイ1の巻上げる方向には回転し、ゼンマイ1の開放方向には回転しない一方向回転機構14と、走行時と巻上げ時とで構成ギアを一部切り替えてギア比を変える歯車機構3と、雄形フレーム9aと雌形フレーム9cの長穴17に沿って動くことの可能な駆動軸用ギア5、6は走行用ギア7と噛合っているが、隔壁フレーム9bと一体の樹脂バネ18に当接し、巻上げ用ギア10に噛合わない様に保持され、駆動軸4が長穴17aに移動した時に巻上げ用ギア10に噛合う切換え機構13から主に構成されている。巻上げ時は、駆動軸4から入力される回転を切換え機構13の駆動軸用ギア5を巻上げ用ギア10に噛み合わせ歯車機構3の巻上げ歯車列23を介してゼンマイ1に伝達し、走行時には、一方向回転機構14によりゼンマイ1の力で回転する香箱用ギア2の回転を歯車機構3の走行歯車列24を介して駆動軸4に伝達し、駆動軸4の巻上げ時と走行時の回転方向を同じにしている。
【0016】
歯車機構3は、ゼンマイ1が装着された香箱用ギア2と駆動軸4に固定されている駆動ギア6と、この駆動ギア6と噛合する走行用ギア7と、この走行用ギア7と同軸上に形成され香箱ギア2と噛合する走行用ギア8と、駆動用ギア6と同軸上に形成された駆動用ギア5と、ゼンマイ1の端部を係合固定している巻芯用ギア12と、この巻芯用ギア12と巻上げ時のみ噛合いする巻上げ用ギア10とから構成されている。この歯車機構3は、図3、図4に示されるように、ゼンマイ1を巻上げる時には、駆動軸4→駆動用ギア5→巻上げ用ギア10→巻芯用ギア12→ゼンマイ1へと回転を伝える巻上げ歯車列23を構成する。また、ゼンマイ1の開放の時は、図4、図5に示されるように、ゼンマイ1→香箱用ギア2→走行用ギア8→走行用ギア7→駆動用ギア6→駆動軸4へと回転を伝える走行歯車列24を構成する。なお、巻上げ系ギア比を走行系ギア比より大きくしている。
【0017】
尚、走行用ギア7と8、巻上げ用ギア10は、例えばポリアセタール等のプラスチックによって各々シヤフトと共に一体成形されている。また、巻上げ用ギア10は駆動ギア5の回転方向によって巻芯用ギア12と噛み合ったり外れたりする、かけ上がりギアであり、巻上げ用ギア10のシャフトは雌形フレーム9cと隔壁フレーム9bに形成された円弧状の長穴16内に収容されている。各長穴16は、駆動用ギア5が強制的に巻上げ用ギア10と噛み合った時の同心円の一部を成す円弧状に形成されている。
【0018】
駆動軸4は、本実施例の場合プラスチック成形品4aとこれを支持する金属シャフト4bから構成され、圧入によって一体化されている。プラスチック成形品4aは一体成形によって、駆動用ギア5、6を形成している。
【0019】
切換え機構13は、走行歯車列24と巻上げ歯車列23を切り換えるもので、駆動軸4は雄形フレーム9aと雌形フレーム9cに形成された長穴17に軸受けされている。各長穴17は、走行用ギア7と駆動用ギア6は上下に長い斜めの長穴17のどの位置にある時も常に噛み合うように構成され、巻上げ用ギア10と駆動用ギア5とは、駆動軸4が長穴17の上端17aにある時(図1の状態)は噛合い、下端17bにある時(図5の状態)は切り離されるようになっている。
【0020】
また、駆動軸4を雄形フレーム9a、雌形フレーム9cの各長穴17の下端17bの位置に保持するように付勢するバネ手段18が設けられている。このバネ手段18は、隔壁フレーム9bに形成されており駆動軸4が雄形フレーム9aと雌形フレーム9cの長穴17の上端17aの位置に移動した時に下端17bの位置に戻すよう付勢している。バネ手段18は、本実施形態では、プラスチックによって成形された可僥性のある樹脂バネからなっており、長穴17の上端17aの方向に撓むように設けられている。
【0021】
一方向回転機構14は、巻芯用ギア12を一方向にのみ回転可能とするもので、ラチェット11は、雌形フレーム9cに圧入などによって固着されているS字形のアーム11aと巻芯用ギア12に形成されると共にアーム11がゼンマイ1の開放方向に回転する際にその先端11bが係合する鋸歯状の内歯12aとから構成されている。したがって巻芯用ギア12はゼンマイの巻上げ方向には回転するが、ゼンマイの開放方向には回転しない。なお、本実施例の場合ラチェット11はプラスチック製で一体成形により形成されている。
【0022】
巻芯用ギア12は、例えばポリアセタール等のプラスチックスによってシャフトと共に一体成形されている。また、ゼンマイの内側の端部を取りつけるための二股状のゼンマイ取付け部19と巻芯用ギア12と鋸歯状内歯12aを形成している。
【0023】
香箱用ギア2には、ゼンマイ1を径方向から全周に亘って囲む周壁20が設けられている。この周壁には、少なくとも1つの凹部20aが形成されている。ゼンマイ1の外側端部は、折り返されて香箱用ギア12の凹部20aに押し込まれて係合している。一方、ゼンマイ1の内側端部は巻芯用ギア12に一体成形された2本の突起19の間に嵌め込まれ、係合状態で固定されている。したがって、ゼンマイ1を巻き過ぎると、ゼンマイ1の外側の端部が凹部20aから飛び出して内壁面に沿って移動し、それ以上巻かれないようになっている。
【0024】
ギアボックスは、雄形フレーム9aと雌形フレーム9cとこれらの間に挟持される隔壁フレーム9bとに分離可能に構成され、雄形フレーム9aに形成された係合ピン22aを雌形フレーム9cに形成された穴22bに圧入することで各フレーム9a〜9cは一体化されている。
【0025】
以上のように構成したゼンマイ式駆動ユニットによれば、次のようにして単一の駆動軸で巻上げ時と走行時が同じ回転方向とすることができる。
【0026】
駆動ユニットを玩具例えば自動車のおもちゃに搭載した場合を例に挙げる。まず、おもちゃを床面に押しつけることにより、図4に示されるように、駆動軸4はフレーム9a、9cの各フレーム長穴17の上端17aの位置に移動するから、駆動軸用ギア5と巻上げ用ギア10が噛み合い、おもちゃを走行方向(図1に矢印(←)で示す方向)に押して駆動軸4を正回転(図上反時計回転)させると、駆動用ギア5の回転によって巻上げ用ギア10がゼンマイ1を装着した巻芯用ギア12に食い込み、駆動軸4から伝達された回転でゼンマイ1を巻上げる。このとき常に噛み合っている駆動軸用ギア6と走行用ギア7、8も回転し、香箱用ギア2も正方向に回転するが、巻上げ系ギア比を走行系ギア比より大きくしているため、ゼンマイ1を巻上げることができる。このとき、駆動軸4を走行方向と逆方向に回転させると、駆動用ギア5の時計回転により駆動用ギア5に係合していた巻上げ用ギア10が長穴16内を駆動用ギア5の回転方向に押し上げられて(16aの位置)巻芯用ギア12との噛み合いが外れて空転し、巻芯用ギア12が壊れるのを保護している。ゼンマイ1が所定量巻上げられると、拘束されていないゼンマイ1の外側の端部は香箱用ギア2の凹部20aから抜け出して移動する。このことは、ゼンマイ1の端部が凹部20aを出入りする音で知ることができる。そこで、巻上げ操作を停止する。
【0027】
次いで、自動車おもちゃを離すと、図9に示すように、巻芯用ギア12は一方向回転機構14によって時計方向に回転できないから、切換え機構13により回転は走行歯車列24に切り換えられ、ゼンマイ1の開放によって香箱用ギア2が反時計方向へ回転する。このため、香箱用ギア2の回転は香箱用ギア2→走行用ギア8→走行用ギア7→駆動用ギア6へと伝達され、自動車おもちゃを走行させる。このとき、走行用ギア7に噛合いする駆動軸用ギア6が走行用ギア7の回転力によって各フレームの長穴17の下端17bの方向に押し付けられるから、巻上げ用ギア10と駆動用ギア5とは切り離され、走行歯車列24のみが作動するので、走行は円滑に行われる。ゼンマイの開放が終わると切換え機構13を構成する隔壁フレーム9bのばね手段18によって駆動軸4は各フレーム長穴17の下端17b方向に押され、駆動用ギア5は巻上げ用ギア10から切り離される(図1の状態)。したがって、駆動軸4は走行方向に回転してもゼンマイ1を巻上げることはできない。
【0028】
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定される物ではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種種変形実施可能である。例えば、切換え機構13としては、上述の樹脂バネを使用したものに限定されない。例えば、図示していないが、トーションスプリングやコイルスプリングを利用した切換え機構の利用も可能である。
【0029】
更に、上述の説明では、一方向回転機構14にラチェット11と鋸歯形状の内歯12aで形成されていたが、例えば、図示していないが、フレーム9cと巻芯用ギア12にスラスト方向に鋸歯を形成した一方向回転機構も利用可能である。
【0030】
なお、上述の実施形態では、プレート9a、9bの穴17をどちらも長穴としているが、走行歯車列24側のプレート9aの長穴17は円孔としてもよい。
また、切換え機構はバネ手段によって構成されているが、駆動歯車を手動で移動するようにし、ゼンマイの巻上げ時に駆動歯車と巻上げ用ギアとを噛合させ、走行時には切り離すよう、切り換える構成であってもよい。
さらに、一方向回転機構は、他の構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明のゼンマイ式駆動ユニットは、自動車玩具の駆動源として走行方向に押してゼンマイを巻上げ、ゼンマイの開放で同じ方向に走行する回転を出力させたり、移動する方向に押すことによりゼンマイを巻上げ、ゼンマイ開放時に同じ方向に移動する動きを得る駆動源として利用可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 ゼンマイ
2 香箱用ギア
3 歯車機構
4 駆動軸
5、6 駆動軸用ギア
8、7 走行用ギア
9 ハウジング
9a 雄形フレーム
9b 隔壁フレーム
9c 雌形フレーム
10 巻上げ用ギア
12 巻芯用ギア
13 切換え機構
14 一方向回転機構
17 長穴
23 巻上げ歯車列
24 走行歯車列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
香箱用ギアの内側に配置されたゼンマイの内側端部をハウジングに設けられた走行歯車列の一端の巻芯用ギアに、上記ゼンマイの外側端部をハウジングに設けられた巻上げ歯車列の一端の香箱用ギアにそれぞれ係合させ、走行歯車列と巻上げ歯車列の他端の各駆動軸用ギアを駆動軸に設け、
巻上げ時における、巻上げ歯車列側の巻上げ系ギア比を、走行歯車列側の走行系ギア比よりも大きくするとともに、
上記巻上げ歯車列をゼンマイ巻上げ方向にのみ回転させる一方向回転機構と、巻上げ歯車列を構成する2つのギアを、巻上げ時には噛合させ、走行時には切り離す切換え機構とを備え、
巻上げ時には、上記2つのギアを噛合させて上記駆動軸を回転させることにより、上記巻上げ歯車列と走行歯車列とを回転させつつゼンマイを巻き上げ、走行時には、上記切換え機構により上記2つのギアを切り離すとともに、上記一方向回転機構により上記巻上げ歯車列の逆回転を阻止することにより、上記ゼンマイの開放時の回転力を走行歯車列を介して上記駆動軸用ギアに伝達する
ことを特徴とするゼンマイ式駆動ユニット。
【請求項2】
上記2つのギアのうち一方は上記駆動用ギアで、該駆動用ギアの駆動軸は上記ハウジングに形成された上下に長い長穴に軸受けされているとともに、上記駆動軸は長穴の下端にあって、他方のギアと切り離されるように付勢されていることを特徴とする、請求項1に記載のゼンマイ式駆動ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−232054(P2012−232054A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104222(P2011−104222)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(599131996)株式会社シャイン (9)
【Fターム(参考)】