説明

ソフトウエア・アプリケーションを有する記録媒体

【課題】着脱可能な記録媒体からロードされ、この媒体のためのプレーヤー上で実行されているソフト・ウェアアプリケーションがこの着脱可能が媒体が取り出されたときに実行を継続するべきか、終了するべきかを制御する方法を提供する。
【解決手段】オーディオ/ビデオ・データのための再生装置内でソフトウエア・アプリケーションを実行する方法は、第1の着脱可能な記録媒体から、前記再生装置内で実行されるべきソフトウエア・アプリケーションのためのデータが読み出される。このデータは、アプリケーションのための終了条件を定義するインジケーションを含む。前記終了条件に基づき、さらに、アプリケーションを格納した媒体がどのように取り出されるかに依存して、アプリケーションが終了するか、存続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトウエア・アプリケーションを実行する、または、終了するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
着脱可能な記録媒体のための高解像度(HD: high−definition)ムービー・プレイヤーなど、家庭用電子機器における最新の開発は、ユーザに対して先進のインタラクティビィティ(interactivity)のための可能性を提供している。インタラクティブなソフトウエア・アプリケーションのための技術は、装置内のバーチャル・マシン(VM: virtual machine)上での実行のために、解釈された、または、予めコンパイルされた、ECMAスクリプトなどのスクリプトの実行、または、JAVA(登録商標)などのコードの実行に基づいている。このようなアプリケーションとしては、例えば、HDムービーが実行され、スクリーン上で描画されている間にオーバーレイの中の画像の下部にテキストを表示するニュース・ティッカーが挙げられる。HDムービーは、着脱可能な記録媒体から読み出され、実行可能なティッカー・アプリケーションは、同じ媒体から、または、プレイヤーのローカル媒体から読み出される。アプリケーション・データは、例えば、アーカイブ・ファイルの中、例えば、Java(商標)アプリケーションのJARファイルの中に格納される。しかしながら、ティッカー・アプリケーションによって使用されるデータ、即ち、表示されるメッセージは、例えば、インターネットを介してサーバーから読み出される。
【発明の概要】
【0003】
ソフトウエア・アプリケーションに対して一般的に発せられる質問は、このようなアプリケーションのライフサイクルがどのようなものであるか、さらに誰がそれを制御するのかである。特に、アプリケーションが第1の記録媒体から読み出しされ、開始される際に、この記録媒体がプレイヤーに挿入され、その後、記録媒体がプレイヤーから取り出されて離れるような場合には、実行されているアプリケーション(例えば、ニュース・ティッカー)は、通常、プレイヤーに挿入される記録媒体とは独立して実行が継続されるか、または、直ちに実行が終了されるような結果となる。前者の場合には、アプリケーションの処理は、例えば、装置のスイッチをオフにするなど、通常、ユーザがアプリケーションを手動で終了するまで実行される。これはユーザにとって、特に、家庭用電子機器の場合には不都合である。さらに、ソフトウエア・アプリケーションがロードされた記録媒体が取り除かれるか、もしくは、アクセスができなくなった場合にも存続する(即ち、実行が継続される)ソフトウエア・アプリケーションを有することが望ましい。
【0004】
本発明は、着脱可能な記録媒体からロードされ、この媒体のためのプレイヤー上で実行されているソフトウエア・アプリケーションがこの着脱可能な媒体が取り出されたときに実行を継続するべきか、終了するべきかを制御するための方法を提供する。プレイヤーと他の装置との結合にソフトウエア・アプリケーションを終了するための制御線が含まれる場合には、原則的に、ソフトウエア・アプリケーションは、この異なる結合された装置上で実行することもできる。さらに、本発明に係る方法は、ソフトウエア・アプリケーションの実行が、プレイヤーに別の着脱可能な記録媒体が挿入された後に継続するかどうかを制御するのに適している。本発明に従えば、媒体を取り出したときに、実行されているアプリケーションが終了するかどうかは、媒体がなぜ取り出されたか、また、アプリケーションを存続させる、即ち、実行を継続する条件に依存する。
【0005】
具体的には、記録媒体が複数のタイトルを格納し、これらのタイトルの中からユーザが選択することができ、または、自動的に付加されるか、つなぎ合わされることができると仮定すると、これらの条件として、タイトルが変更されると常にアプリケーションを終了する、従前のタイトルが特定の次のタイトルをリクエストし、次のタイトルがリクエストされたタイトルでなかったときにアプリケーションを終了する、媒体の取り出しがあったときに無条件にアプリケーションが終了する、媒体の取り出しがユーザによって、例えば、(ハードウエアまたは、ソフトウエア、即ち、画面上に表示される)取り出しボタンを押すなどして行われた場合のみにアプリケーションを終了する、媒体取り出しおよび別の媒体の挿入があったときにアプリケーションを終了する、並びに、アプリケーションが特定の次の媒体をリクエストし、実際に挿入された媒体がそのリクエストされた次の媒体と異なる場合は媒体取り出しおよび別の媒体の挿入があったときにアプリケーションを終了する、といったものが挙げられる。換言すれば、着脱可能な記録媒体からロードされる本発明のソフトウエア・アプリケーションは、所定のライフタイムを有し、特定の他の記録媒体をリクエストし、リクエストされた記録媒体が挿入されたときに実行を継続し、他の、リクエストされない記録媒体が挿入されたときに実行を終了することができる。
【0006】
さらに、一実施の形態においては、アプリケーションは、許容する複数の記録媒体を特定することができ、特定のいずれかの媒体が挿入されたときに実行を継続し、別の媒体が挿入されたときに実行を終了させる。
【0007】
本発明によれば、着脱可能な記録媒体から読み出されたオーディオ/ビデオ・データのための再生装置内のソフトウエア・アプリケーションを実行するための方法において、再生装置は、着脱可能な記録媒体を取り出すためのハードウエア・ボタンおよび/またはソフトウエア・ボタンを備え、この方法は、第1の記録媒体から(好ましくは、前記再生装置内で)実行されるソフトウエア・アプリケーションのためのデータを読み出すステップを含む。データは、前記アプリケーションを定義するスクリプト・コードまたは実行可能なコード、さらに、アプリケーションの終了条件を定義するインジケーションを含む。
さらに、この方法は、(好ましくは再生装置内で)前記インジケーションを格納するステップと、(好ましくは再生装置内で)前記アプリケーションの実行を開始するステップと、第1の記録媒体の取り出しのためのコマンドを受信するステップと、取り出しのための受信したコマンドがソフトウエア・アプリケーションによって開始されたものであるか、ユーザによって取り出しのためのハードウエアおよび/またはソフトウエア・ボタンを使用して開始されたものであるかを検出するステップと、格納されたインジケーションおよび検出結果に基づいて、ソフトウエア・アプリケーションを終了するか継続するかを決定するステップと、決定に基づいて、ソフトウエア・アプリケーションを終了するか実行するステップと、を含む。アプリケーションが再生装置に結合された別の装置上で実行されている場合には、実行されている処理を終了させるために、この別の装置に対して終了信号を送信するステップをさらに含む。
【0008】
発明の一実施の形態においては、ソフトウエア・アプリケーションを実行するための方法は、さらに、決定するステップが
前記第1の記録媒体の取り出しがあったときにソフトウエア・アプリケーションの実行を継続することを前記インジケーションが示す場合、または、検出により、取り出しのコマンドがソフトウエア・アプリケーションから開始されたことが示され、取り出しがソフトウエア・アプリケーションから開始された場合に前記第1の記録媒体の取り出しがあったときにソフトウエア・アプリケーションの実行を継続することを前記インジケーションが示す場合ソフトウエア・アプリケーションの実行を継続することを決定するステップ、または、
前記インジケーションが、前記第1の記録媒体の取り出しがあったときにソフトウエア・アプリケーションを終了することを示す場合、または、前記検出により、取り出しがユーザによって開始されたことを示された場合に前記ソフトウエア・アプリケーションを終了することを決定するステップを含む。
【0009】
一実施の形態においては、ソフトウエア・アプリケーションを実行する方法は、さらに、
前記ソフトウエア・アプリケーションから第1の識別子を受信するステップと、
第1の識別子を格納するステップと、
別の着脱可能な記録媒体の挿入を決定するステップの前に検出を行うステップと、
第2の着脱可能な記録媒体から第2の識別子を読み出すステップと、
格納された第1の識別子と第2の識別子を比較するステップと、
前記格納されたインジケーション、前記検出結果、および前記比較結果に基づいて、ソフトウエア・アプリケーションを終了するか継続するかを決定するステップと、をさらに含む。
【0010】
媒体から読み出される識別子は、例えば、タイトル識別子または媒体識別子であり、例えば、媒体の幾つかのコピー、または全てのコピーに同じものを使用してもよい。従って、識別子は、物理的な媒体というものよりは、コンテンツに関するものである。即ち、特定のムービーの特定の版の幾つかのコピー、または全てのコピーが同じ識別子を有する。読み出し専用の媒体(ROM)のために、コンテンツ・プロバイダはこの識別子を割り当てることができる。
【0011】
本発明の別の態様によれば、着脱可能な記録媒体のための再生装置内のソフトウエア・アプリケーションを実行、または終了するための方法において、
この方法は、
第1の着脱可能な記録媒体から第1の識別子を読み出すステップと、
ソフトウエア・アプリケーションのための第1の媒体データを読み出すステップと、
例えば、バーチャル・マシン(VM)上で前記アプリケーションの実行を開始し、その後、特定の着脱可能な記録媒体に対するリクエストを検出するステップと、
リクエストがユーザから来たものであるか、アプリケーションから来たものであるかを判定し、リクエストがアプリケーションから来たものである場合には、リクエストされた着脱可能な記録媒体を識別する識別子を受信するステップと、を含み、
さらに、リクエストされた着脱可能な記録媒体を識別する受信した識別子を格納するステップと、
第1の着脱可能な記録媒体を取り出すステップと、を含み、
前記ソフトウエア・アプリケーションの実行は継続し、
第2の着脱可能な記録媒体の挿入を検出するステップと、
第2の着脱可能な記録媒体から識別子を読み出すステップと、
格納された識別子と第2の着脱可能な記録媒体の読み出された識別子を比較するステップと、比較された各識別子が一致する場合に前記ソフトウエア・アプリケーションを継続し、比較された各識別子が一致しない場合に前記ソフトウエア・アプリケーションを終了するステップと、を含む。
【0012】
好ましい実施の形態においては、実行されているソフトウエア・アプリケーションは、アプリケーションが継続する資格があるかどうか、即ち、アプリケーションが読み出された着脱可能な記録媒体の取り出し後、直ちにアプリケーションが終了しなければならないかどうかを示す識別子を含む。このようなアプリケーションは、本明細書において「バウンド(bound)」と呼ぶ。なぜならば、このようなアプリケーションは、特定の着脱可能な記録媒体にバウンドされているからである。他のアプリケーションは、本明細書において「アンバウンド(unbound)」と呼ぶ。なぜならば、このようなアプリケーションは、特定の媒体にバウンドされておらず、アプリケーションが読み出された媒体が取り出された後の特定の条件に基づき実行が継続されるからである。アプリケーションに関連するこの識別子は、実行されている処理、または、実行されているVMアプリケーションのリスト内に格納され、前記着脱可能な記録媒体が取り出される間、または、後で新しい記録媒体が挿入される間にチェックされる。後者の場合には、新たな媒体の識別子がバウンド・アプリケーションを終了する前にチェックされ、同じ媒体が再び挿入された場合には、バウンド・アプリケーションでも継続される。
【0013】
本発明によって提供される解決法は、コンテンツ・プロバイダとプレイヤーのユーザを同様に満足させるものである。この解決法は、一方では、自己のマルチメディア・コンテンツが不正に使用されることを恐れるコンテンツ・プロバイダのためのセキュリティ上の利点を提供し、他方では、ユーザが媒体を取り出すことを決定したのにも係らずアプリケーションが継続することによってユーザが困惑するようなことがないようにする。
【0014】
着脱可能な記録媒体から読み出されたマルチメディア・データの再生のための発明に係る装置は、
例えば、Java(商標)またはECMAスクリプトのようなスクリプト・コードや実行可能なコードを実行する処理ユニットと、
着脱可能な記録媒体を取り出すためのハードウエアおよび/またはソフトウエア・ボタンと、
前記処理ユニット内で実行されるべきソフトウエア・アプリケーションのためのデータを第1の着脱可能な記録媒体から読み出す手段とを備え、
データは、前記アプリケーションを定義するスクリプト・コードまたは実行可能なコードと、さらに、アプリケーションの終了条件を定義するインジケーションとからなり、
例えば、レジスタのような、前記インジケーションを格納する手段と、
上述したハードウエアおよび/またはソフトウエア・ボタンのような第1の記録媒体の取り出しのためのコマンドを受信する手段と、
取り出しのためのコマンドがソフトウエア・アプリケーションによって開始されたか、取り出しのための前記ハードウエアおよび/またはソフトウエア・ボタンを用いてユーザによって開始されたかを検出する手段と、
前記格納されたインジケーションに依存して、さらに、前記検出結果に基づいて、ソフトウエア・アプリケーションを終了するか継続するかを決定する手段と、を含み、
決定する手段は、決定信号を出力し、さらに、前記決定信号に基づいてソフトウエア・アプリケーションを終了するか継続する手段を含む。
【0015】
本発明の別の態様によれば、着脱可能な記録媒体から読み出したマルチメディア・データの再生のための装置は、
バーチャル・マシン(VM)を実行する処理ユニットと、
第1の着脱可能な記録媒体から識別子を読み出す手段と、
VM上で実行可能な第1のソフトウエア・アプリケーションのためのデータを第1の着脱可能な記録媒体から読み出す手段と、
着脱可能な記録媒体の変更を求めるリクエストを検出する手段と、
変更リクエストがユーザから来るものであるか、アプリケーションから来るものであるかを判定する手段と、
リクエストがアプリケーションから来る場合にリクエストされた識別子のインジケーションを受信する手段と、
リクエストされた識別子を格納する手段と、
第1の媒体を取り出す手段と、
第2の媒体の挿入を検出する手段と、
第2の媒体からの第2の識別子を読み出す手段と、
格納された識別子と第2の識別子とを比較する手段と、
比較された各識別子が一致しない場合に前記ソフトウエア・アプリケーションを終了し、比較された各識別子が一致する場合に前記ソフトウエア・アプリケーションを継続する手段とを含む。
【0016】
本発明の有益な実施の形態は、従属請求項および以下の説明および図面に開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】複数の異なるソフトウエア・アプリケーションのライフサイクルの図である。
【図2】例示的なメニュー・アプリケーションの図である。
【図3】インタラクティブなアプリケーションを開始するためのフローチャートである。
【図4】インタラクティブなアプリケーションを終了するための、アプリケーションが媒体を取り出す場合のフローチャートである。
【図5】インタラクティブなアプリケーションを終了するための、ユーザが媒体を取り出す場合のフローチャートである
【図6】媒体の取り出し前に実行される処理のフローチャートである。
【図7】媒体の挿入前に実行される処理のフローチャートである。
【図8】特定の記録媒体の挿入をリクエストするアプリケーション・プログラミング・インターフェース呼び出しの図である
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面を参照して本発明の例示的な実施の形態を説明する。
【0019】
以下の各例は、光ディスク・プレイヤーに基づくものであるが、本明細書において記載する本発明は、他の高密度記録媒体および各プレイヤーにも適用することができる。HDムービー・プレイヤーのような家庭用電子機器では、ソフトウエア・アプリケーション、特に、ニュース・ティッカー(news tickers)やムービーを組み合わせたゲームなどの特にインタラクティブなソフトウエア・アプリケーションを実行するオプションが提供される。本発明に従えば、これらのアプリケーションは、ディスク・バウンド(disc‐bound)またはディスク・アンバウンド(disc‐unbound)のいずれでもよいし、タイトル・バウンド(title‐bound)またはタイトル・アンバウンド(title‐unbound)でもよい。一般に、全てのディスク・バウンドのアプリケーションは、ディスクが取り出されると、即ち、プレイヤーを離れると終了する。
【0020】
しかしながら、ディスク・アンバウンドのアプリケーションは、開始されると、特定のディスクが挿入されているか否かに係らず、環境(即ち、ムービー・プレイヤー)、バーチャル・マシン(VM)、またはインタープリタによって実行され続ける可能性がある。本発明の1つのアイディアは、アプリケーションが、例えば、フラグまたはインジケーションにより、ディスクにバウンドされたものであるかどうかを知らせることである。このフラグは、アプリケーションがディスク・バウンドのアプリケーションであるか、ディスク・アンバウンドのアプリケーションであるかを示す。フラグは、単一のビットを超えるものでもよく、所定の条件に基づいて、記録媒体が取り出されたときに、どのようにアプリケーションが動作するべきかを条件的に示すものであってもよい。プレイヤーのファームウエア内に提供されるアプリケーション・プログラム・インターフェース(API)は、各(実行されている)アプリケーションについて、このフラグを調査することによって、このような情報を抽出する機能を有する。
【0021】
本発明のさらなる利点は、例えば、インタラクティブなHDムービー・ディスクのコンテンツ・プロバイダが複数の異なるディスクに渡って安全且つシームレスに動作するマルチディスク・アプリケーションを使用することを可能にするメカニズムを提供する。従って、本発明は、海賊行為に対するデータの安全性を向上させる。さらに、本発明は、HDムービー・プレイヤーのユーザが、ユーザが望む場合には、このようなシームレスなマルチディスク・アプリケーションを確実に終了することができるようにする。現行技術のプレイヤーでは、コンテンツ・プロバイダは、マルチディスク・アプリケーションを作成することができないか、ユーザは、このようなマルチディスク・アプリケーションを終了させることができない。本発明は、両者の利益を確保するものである。
【0022】
1つのアイディアは、ディスクを取り出す(または、タイトルの再生を終了する)場合、プレイヤー(即ち、環境)が、誰が取り出しを開始したかを検出することである。取り出しが各権利を有するアプリケーション、例えば、ディスク・アンバウンドの(例えば、幾つかのJava(商標)アプリケーションが同時に実行されるJava(商標) Xletによって実行される)インタラクティブ・アプリケーションによってリクエストされたものであった場合には、取り出しにより、ディスク・アンバウンドのアプリケーションは終了しない。別のディスクの挿入(または、新たなタイトルのそれぞれの開始)により、ディスク・アンバウンドのアプリケーションの実行を継続する条件がさらにチェックされる。このような条件は、例えば、新たなタイトルがディスク・アンバウンドのアプリケーションの実行を可能にしなければならないことを含む。これは、ディスク・アンバウンドのアプリケーションを一般的に許容するか、または、セキュリティ・フレームワークを介してインタラクティブなアプリケーションが新たなディスクを用いた実行のために認証されていると、または、署名されていると識別できるかどうかをチェックすることにより、さらに区分できる。
【0023】
ユーザが直接取り出しをリクエストした場合には、全てのバウンド、さらに、全てのアンバウンドのインタラクティブなアプリケーションが終了する。この場合のアンバウンドのアプリケーションの終了は、ユーザに終了の確認を求めることによって、さらに多様化させることができる。これにより、意図しない中断が回避される。さらに、取り出されたばかりの(または、タイトルが終了したばかりの)ディスクに関連するアプリケーションと、取り出されたばかりの(または、タイトルが終了したばかりの)ディスクにバウンドされていないインタラクティブなアプリケーションとを区別することができる。一般的に、最初のタイプのアプリケーションの終了は、ユーザがデフォルトとして決定し、二番目のタイプのアプリケーションの終了は、各場合により、別個にユーザが決定できる。
【0024】
先進のインタラクティブなムービー・プレイヤーのVMやスクリプト・インタプリタ上で実行されるインタラクティブなアプリケーションは、プレイヤーまたはユーザよって開始することができる。図1は、第1のディスク(ディスクA)が取り出され、現在第2のディスク(ディスクB)が挿入されている、例えば、プレイヤーにおける複数の異なるソフトウエア・アプリケーションのライフサイクルを示している。矢印は、ユーザが開始した2つのアプリケーション(ii、iv)の開始を示している。アプリケーションのライフサイクルは、ディスク・バウンド(i)〜(v)またはディスク・アンバウンド(vi)である。図1は、さらに、このようなディスク・バウンドのインタラクティブなアプリケーションをタイトル・バウンド(i、ii)とタイトル・アンバウンド(iii、iv、v)でさらに区別している。
【0025】
原則として、ディスク・バウンドおよびタイトル・バウンドは、論理的には極めて類似している。単純な場合、ムービー・ディスクは、1つのコンテンツ・プロバイダから提供される1つのタイトルのみを格納しており、このタイトルが終了するか、離れると、全てのバウンドのインタラクティブなアプリケーションのライフサイクルが終了する。
【0026】
しかしながら、多くの場合、コンテンツ・プロバイダは、例えば、大容量ディスクに標準解像度(SD)の幾つかのエピソード(話)を提供するために、1枚のディスク上に1つを超える数のタイトルを格納する。1つのタイトル、または1枚のディスクを超えるライフサイクルを有するインタラクティブなアプリケーションを制御する際の問題の解決は、換言すれば、サービスが切り替えられても存続するライフサイクルのインタラクティブなアプリケーションを制御する際の問題の解決であり、これは極めて類似している。本発明は(部分的には)、両方の場合に適用される。これは、しかしながら、ユーザのアクションを含まない。なぜならば、1枚のディスクから複数のタイトルを再生する際、ディスクを取り出し、別のディスクを挿入するユーザのインタラクションは必要なく、省略することができるからである。図1のケース(iii)〜(v)の場合では1つのディスク内でのタイトルの変更では後述するdisc_bound_flagの検査をスキップすることができる。1枚のディスクに複数のタイトルが存在する場合を黙示的に対象としているディスク・アンバウンドのアプリケーションのライフサイクル(図1の(vi))に説明の焦点をあてる。
【0027】
本発明は、プレイヤーにディスク・バウンドのインタラクティブなアプリケーションとディスク・アンバウンドのインタラクティブなアプリケーションとを区別させる手段を提供し、プレイヤーが実行されているアプリケーションの適切なライフサイクルを判定できるようにする。本発明の1つのアイディアは、各(インタラクティブな)アプリケーションに関連付けられたフラグが意図された使用法、即ち、インタラクティブなアプリケーションがディスク(またはタイトル)・バウンドのアプリケーションであるか、または、ディスク(またはタイトル)・アンバウンドのアプリケーションであるかを記載することである。さらなるアイディアは、プレイヤーのファームウエアに存在するアプリケーション・プログラム・インターフェース(API)を定義し、アプリケーション毎に定義されたdisc_bound_flag情報のための制御されたアクセスを提供することである。disc_bound_flagを調査することによって、プレイヤーは適切なライフサイクルを判定すること、即ち、ディスク取り出しリクエストおよびインタラクティブなアプリケーションの開始リクエストに正しく反応することができる。
【0028】
本発明のさらなる利点は、一方で、インタラクティブなHDムービー・ディスクのコンテンツ・プロバイダがシームレスなマルチディスク・アプリケーションを使用することを可能し、他方で、プレイヤーのユーザに対し、ユーザが望んだ場合にこのようなシームレスなアプリケーションを終了することを可能にするメカニズムを提供することである。
【0029】
以下、シームレスなマルチディスク・アプリケーションと理解できるものを説明する。シームレスなマルチディスク・アプリケーションは、大容量コンテンツ、例えば、1つのインタラクティブ・アプリケーションによって提供されるTVの続き物、またはムービーのコレクションを対象とする際に有用である。例えば、22枚のディスクに134エピソード(話)の連続ドラマを格納してコレクションとすることができ、全てのディスクからのエピソードの全ては、共通のインタラクティブ・アプリケーションを利用、または提供する。この構成のインタラクティブなアプリケーションは、コレクションのどのディスクが現在挿入されているかとは独立して、ユーザには、統一されたインターフェースとして目に見えるものである。ディスク・アンバウンドのインタラクティブなアプリケーションは、さらに、インターディスク・ナビゲーション、即ち、複数のディスクのアプリケーションに渡ったタイトルを変更する機能、または、ゲームの中間結果を蓄積する機能、または、視聴の順序などを格納する機能を果たす。
【0030】
コンテンツ・プロバイダにマルチディスク・アプリケーションを設定するツールを提供すると、ユーザ側に、実行されているディスク・アンバウンドのアプリケーションに強制的に反応させられるという不都合が生じる。ユーザが、例えば、別のムービーを再生しようとして、ムービー・プレイヤーにおけるディスクを変更する場合、依然としてアクティブなアンバウンドのアプリケーションが、例えば、ユーザに対して、特別のディスクを挿入することを求めたり、サービスをきっぱりと止めるようにリクエストしたりすることによってユーザを困惑させることがある。より深刻な場合には、ユーザに強制的に電源回路のスイッチをオフにさせて終了させるようなことがある。本発明は、両当事者の利益を確保するという利点を提供する。
【0031】
図3〜図5のフローチャートに描いているように、誰がディスクの取り出しまたはサービスの変更を開始したかを認証するのはプレイヤーであることから、プレイヤーは、ディスク・アンバウンドのインタラクティブなアプリケーションの終了の両方の種類を区別するメカニズムを使用する。
【0032】
図3は、例示的なインタラクティブなアプリケーションがどのように開始するかを示すフロー図である。挿入されたディスクから来るインタラクティブなアプリケーション、プレイヤーのローカル・ストレージからのインタラクティブなアプリケーション、または、インターネットからのインタラクティブなアプリケーションを取り扱うインタラクティブなアプリケーションのための3つの異なるソースが組み込まれている。最初の場合は、最も一般的な状況である。なぜならば、マルチディスク・アプリケーションにおいてもまた、ディスク・アンバウンドのインタラクティブなアプリケーションのソースは、通常、全ての関連するディスク上に存在するからである。2番目の場合は、例えば、ニュース・ティッカーである。3番目の場合は、通常は、スタジオ(studio)によって提供される特別のディスクのためのスタジオ・サーバーである。
【0033】
セキュリティ・フレームワークは、インタラクティブなアプリケーションを開始する際の整合性を図る、即ち、挿入されたディスクが未知のアプリケーションの開始を可能にするかをチェックする、または、インタラクティブなアプリケーション開始リクエストがディスクからの認証されるものとして、例えば、署名認証によって識別されるかどうかをチェックする機能を有する。図3のフロー図は、Bにおいて、インタラクティブなアプリケーションの開始が成功している。
【0034】
図3における第1のダイアグラムの中で開始されるインタラクティブなアプリケーションのライフサイクルは、図4および図5の2つの次のフローチャートのうちの1つ、常にこの2つのうちの1つに続く。ダイアグラム内の終了状態Bは、開始状態B1または開始状態B2が続く。
【0035】
図4のフローチャートは、ディスクを取り出すリクエストがディスク・バウンドのインタラクティブなアプリケーション(例えば、Java(商標) Xlet)から来る場合のアクションを示している。取り出しにより、ディスク・アンバウンドのアプリケーションが終了するものではないが、プレイヤーは、例えば、セキュリティ・フレームワークおよび署名認証により、次に挿入されるディスクがリクエストされたものであるかどうかをチェックする。次のディスクがリクエストされたものである場合には、この状況は図3の最後に到達したときと同じである。即ち、図4のBの状態に到達し、図3のフローチャートの別のループが続くか、図4のフローチャートが続く。リクエストされたディスクではない別のディスクが挿入されると(即ち、新たなサービスが開始されると)、ユーザは、自己のアクションについて通知され、即ち、正しいディスクを挿入するように促されるか、実行されているマルチディスク・アプリケーションが終了する。ユーザがエラーをしたことを認識している場合には、サービスの変更を拒絶することにより、ディスクは再び取り出され(または、ユーザがディスクを取り出し)、正しいディスクを挿入することを求めるリクエストが繰り返される。ユーザがサービスの変更をリクエストする場合、インタラクティブなアプリケーションが終了し、終了の状態に達する。新たなディスクは、図3の最初から再び開始する。
【0036】
図5のフローチャートは、ディスクを取り出すリクエストがユーザから来た場合のアクションを示している。図5(a)のフローチャートは、全てのバウンド、さらに、全てのアンバウンドのインタラクティブなアプリケーションを終了することによる単純な解決法を示している。図5(b)は、より洗練された解決法を示す。終了の確認をユーザに求めることによって、アンバウンドのアプリケーションの終了をさらに多様化させることができる。これにより、意図しない中断が回避される。
【0037】
取り出されたばかりのディスクに関連する各インタラクティブなアプリケーションと、取り出されたばかりのディスクにアンバウンドな各インタラクティブなアプリケーションを区別することが可能である。第1タイプのアプリケーションの終了はユーザによって一般に決定可能であり、第2のタイプのアプリケーションの終了は、それぞれ、個別にユーザによって決定可能である。
【0038】
以下、本発明のさらなる実施の形態について説明し、アプリケーションのフレームワークのより詳細な説明を提供する。この例は、ムービー・プレイヤーのファームウエア内の上述したdisc_bound_flagを利用して、ディスクが変更されても確実に対応するインタラクティブなアプリケーションが実行され続けるようにする。さらに、図6および図7に示す以下のフローチャート内でアプリケーション署名の使用法について説明する。
【0039】
図6は、ディスクの取り出しを求めるリクエストがムービー・プレイヤーのファームウエアに対してなされたときに、ファームウエアから処理される各ステップの内容を記載し、図7は、ディスクがプレイヤーに挿入される毎にファームウエアから処理される各ステップを対象とするものである。ここに記載する特定の挿入、取り出しの流れの組み合わせは、マルチディスクのインタラクティブなアプリケーションを提供するために必要である。コンテンツ・プロバイダのセキュリティのため、さらに適切なユーザ体感のためのデータの完全性を保つ際の問題に対する解決法を示している(即ち、例えば、ユーザがシームレスな印象を受けるようにするとよい)。
【0040】
図6のフローチャートは、ディスクの取り出しがリクエストされる毎に開始される。これは、(ハードウエアまたはソフトウエアの)取り出しボタンを押してユーザによって、または、インタラクティブなマルチディスク・アプリケーションによってリクエストされる。ディスク・アンバウンドのインタラクティブなアプリケーションは、リクエストされたディスクの媒体識別子(ディスクID)(または複数の許容可能なディスクの複数の媒体識別子)を前もって特定用途向レジスタ(ディスクIDレジスタ)に書き込むことによって、取り出しリクエストを作成し、ユーザのボタン押圧によるリクエストがあると、ディスクIDレジスタが空の状態でフローチャートに入る。
【0041】
リクエストされたディスクの媒体識別子(または複数の許容可能なディスクの複数の媒体識別子)の特定用途向レジスタへの書き込みは、必ずしもディスク・アンバウンドのアプリケーション自体によって行われることを要するものではないが、APIや、ディスク・アンバウンドのアプリケーションによって呼び出されるか、開始される別のサービスまたは別のアプリケーションによって行われる場合もある。
【0042】
この場合、ディスクは、直ちに取り出されてもよいが、図8に示すように取り出しのためのコマンドを格納して、実際の取り出しがユーザによって確認されなければならないようにしてもよい。これは、ユーザが決定を変更したり、アプリケーションを継続させたりすることがある場合に有益である。
【0043】
実行されているアプリケーションは、通常、プレイヤー内のキャッシュに格納されるので、一般に、媒体が変更されても存続可能な場合がある。しかしながら、このようなアプリケーションは、ロードされた媒体からのリローディング・コードを必要が必要となる場合があるため、リローディングが可能となるように、アンバウンド・アプリケーションによって許容される全ての媒体上に同一の完全なアプリケーション・コードが格納されることが有用である。
【0044】
ファームウエアは、ディスクIDレジスタの状態を分析し、リクエストがユーザから来た場合には、全てのインタラクティブなアプリケーションを終了させる。他の描かれていない詳細な事項は、既に図5(a)内で説明されている。全てのインタラクティブなアプリケーションを終了した後、ムービー・プレイヤーは物理的にディスクを取り出し、フローチャートが終了する。
【0045】
ファームウエア分析がディスクIDレジスタ内のディスクIDを検出すると、全ての実行されているインタラクティブなアプリケーションに渡ってループが開始され、ディスク・アンバウンドなアプリケーションかどうか、署名がされているかどうか、さらに、アプリケーションがプレイヤーのキャッシュ・メモリに格納されているかを各々に対してチェックする。全ての条件が満たされた場合のみ、ディスクがプレイヤーを離れてもアプリケーションの実行が継続される。
【0046】
他の全ての場合、検査されたインタラクティブなアプリケーションが破壊される。アプリケーションの署名のチェックにより、認証されていないアプリケーション(悪意のある、または海賊版のアプリケーション)がセキュリティ・フレームワークを通過することが可能とならないことを確実にする。ディスク・アンバウンドのアプリケーションがキャッシュされているかどうかをチェックすることにより、アプリケーションは、ディスクがプレイヤーを離れたときにも確実に存続できるようにする。アプリケーションがキャッシュに格納されないような場合には、「枯れた(starve)」状態であろう、即ち、継続できないであろう。なぜならば、ロードされたディスクが無くなってしまい、リロードするものが何も残っていないからである。
【0047】
全ての実行されているアプリケーションに渡ったループが終了すると、署名され、キャッシュされたディスク・アンバウンドのアプリケーションのみが依然として実行され、ディスクの物理的な取り出しとともに、フローチャートが終了する。
【0048】
本発明のさらなるアイディアは、フローチャートには描かれていないが、全ての実行されているインタラクティブなアプリケーションに渡ったループを離れる場合に関する。ループを離れる際、つまり、全てのアプリケーションが終了しているときは、次のディスクのためのウォーム・スタート(warm start)を避けるために、ディスクIDレジスタもまたクリアされているとよい。これにより、データの整合性およびアプリケーションのロバスト性(堅牢性)が向上する。
【0049】
図7は、ディスクが挿入される毎にムービー・プレイヤーのファームウエアが入るフローチャートを描いている。まず、ディスクIDレジスタに媒体識別子(例えば、ディスクID)が格納されているかどうかをチェックする。これは、インタラクティブなアプリケーションがユーザに別のディスクを挿入することをリクエストしたことを示す。これは、実行が継続されるアプリケーションが存在しなくとも可能である。
【0050】
ディスクIDレジスタが空であると、ディスクは最初から初期モードで開始する。最初から開始することは「コールド(cold)」スタートと呼ばれ、これにより、全ての実行されているインタラクティブなアプリケーションが破壊され、ディスクIDレジスタがクリアされる。ディスクIDがディスクIDレジスタに格納されている場合には、第2のチェックにより、格納されたディスクIDが挿入されたディスクのものと本当に一致するかどうかが判明する。格納されたディスクIDが挿入されたディスクのものと一致しない場合には、ユーザに対して警告がなされ、先への進み方を決定するためのヘルプが与えられる。
【0051】
ユーザが意図的に別のディスクを挿入した場合、全ての実行されているアプリケーションは終了し、ディスクのコールド・スタートが続いて行われるか、または、ユーザが間違いを犯した場合には、図7のディスク挿入フローチャートに戻るループに示すように正しいディスクを挿入する別のチャンスが与えられる。
【0052】
新たに挿入されたディスクのディスクIDがディスクIDレジスタ内に格納されたディスクIDと一致する場合には、ディスクIDレジスタがクリアされ、全ての実行されているアプリケーションに渡った新たな調査ループが実行される。実行されているアプリケーションが新たなディスク上の新たなタイトルの一部を構成するかどうか、ディスク上に存在するものと同一の署名が存在するかどうかががさらにチェックされる。
【0053】
両方のチェックを行うことにより、セキュリティおよびロバスト性が向上する。両方のチェックが無事に通過すると、ディスク・アンバウンドのインタラクティブなアプリケーションの実行が継続する。アプリケーションが新たなディスクにリストされていなかった(または新たなディスク上のタイトルでなかった)場合には、このアプリケーションは破壊される。ディスクのアプリケーション署名およびキャッシュが一致しない場合には、整合性のためにディスクからアプリケーションが再度開始(再起動)する。ループは、ディスクのウォーム・スタートで終了する。これは、ディスク・アンバウンドのインタラクティブなアプリケーションが、例えば、再生のためのサービスを制御するために継続することを意味する。
【0054】
図7に、アプリケーションのチェック・ループを離れたときに実行されているアプリケーションが全く存在しない場合の別の変形例を描く。この場合もまた、ディスクのコールド・スタートが実行されるとよい。
【0055】
図2に例を示す。関連する識別子diskID_1を有する第1のディスクD1からディスク・プレイヤーPLがロードされ、メニュー・アプリケーションがスクリーンSCR上に表示されている。表示されたメニューは、ユーザが選択する選択肢のリスト、ソフトウエア取り出しボタンSW_EJ_B、および、「キャンセル(Cancel)」ボタンC_Bを含む。プレイヤーは、ハードウエア取り出しボタンHW_EJ_Bを有する。ユーザがタイトル、例えば、Part_31を選択すると、メニュー・アプリケーションは、内部リストから、選択された項目が現在挿入されているものではない別のディスク上に存在するものであることを判定し、ユーザにリクエストされたディスクを挿入することを促すメッセージを表示する。内部的には、アプリケーションは、リクエストされたディスクdiskID_2のための識別子を専用のレジスタ(ディスクIDレジスタ)に格納する。例えば、現在挿入されているディスクの取り出しは、ユーザが自己の選択の確認を、例えば、自己が選択したPart_31を再び選択することにより行うことができる。さらに、ユーザは、ハードウエア取り出しボタンまたはソフトウエア取り出しボタンを用いて現在のディスクを取り出すこともできる。アプリケーションは、リクエストされた次のディスクのためのID(disk_ID2)を専用のレジスタに格納しているため、取り出しは、ユーザが開始したものではなく、アプリケーションが開始したものと分類される。従って、ディスク・アンバウンドのアプリケーションは、メニュー・アプリケーションと同様に、実行が継続される場合がある。ユーザが決定を変更する場合も、キャンセル・ボタンC_Bを押すことができる。これにより、例えば、既に開いているディスク・トレイが再び閉じ、アプリケーションが元の状態に復帰する。
【0056】
一般に、家庭用電子機器は、ユーザに対し、ソフトウエア・アプリケーションとして実行される先進のインタラクティビィティの可能性を提供することができる。本発明は、オーディオ/ビデオ・データのための再生装置内でソフトウエア・アプリケーションを実行する方法を提供し、この方法において、第1の着脱可能な記録媒体から、前記再生装置内で実行されるべきソフトウエア・アプリケーションのためのデータが読み出される。このデータは、アプリケーションのための終了条件を定義するインジケーションを含む。前記終了条件に基づき、アプリケーションを保存した媒体がどのように取り出されるかに依存して、アプリケーションが終了するか、存続する。
【0057】
アプリケーションの別の例は、マルチプル・ディスクを対象として構成されたガイド・アプリケーションである。連続物の第1のディスクを入力すると、ガイド・アプリケーションが開始し、ガイド・アプリケーションは、連続物の一部を構成しないディスクが挿入されるまで、ディスクの変更の間も存続する。これにより、ユーザは、シームレスな体感を得ることができる。本発明は、認証されたアプリケーションのみが自動的にディスクの変更の際にも存続し、一致しないインタラクティブなアプリケーションが終了することを確実にするものである。
【0058】
本発明は、全ての種類の記録媒体および対応するプレイヤーに適用可能であり、これらには、今日では、DVD、HD−DVDまたはブルーレイ(Blu−ray)ディスクのような光ディスク、および対応するプレイヤーが含まれる。本発明は、インタラクティブなソフトウエア・アプリケーションを実行するプレイヤーのために特に有用である。
【0059】
ソフトウエア・アプリケーションの例として、インターネットに接続するニュース・ティッカー、または、現在挿入されているディスクに依存して変更可能な携帯電子端末(PDA)形式の、例えば、ハードディスク・ドライブ(HDD)のようなローカル・ストレージからデータを読み出すカレンダー・マネージャーのようなオーガナイジング・ソフトウエア(organizing software)が挙げられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイトルを含むAVデータが記録された記録媒体であって、
前記タイトルと関連づけられた、ソフトウエア・アプリケーションであるアプリケーションと、
前記アプリケーションに関連するインジケーションと、
を有し、
当該記録媒体を装置により使用することにおいて、
第1の記録媒体から読み出された第1のタイトルの選択を検出するステップと、
前記第1の記録媒体上の前記第1のタイトルに関連付けられたアプリケーションと当該アプリケーションに関連するインジケーションを検出するステップと、
前記第1のタイトルを再生し、前記アプリケーションを実行するステップと、
前記第1のタイトルが終了すると、前記インジケーションが前記アプリケーションがタイトル・バウンドであることを示す第1の値を有する場合に前記アプリケーションを終了し、当該第1の値を有さない場合に前記アプリケーションを継続するステップと、
前記第1の記録媒体の取り出しがあったとき、前記インジケーションが前記第1の値と異なる、ディスク・バウンドであることを示す第2の値を有する場合に前記アプリケーションを終了し、当該第2の値を有さない場合に前記アプリケーションを継続するステップと、
第2の記録媒体の挿入を検出するステップと、
前記第2の記録媒体から読み出された第2のタイトルの選択を検出するステップと、
前記第2のタイトルが前記実行しているアプリケーションと関連付けられているかどうかを判定するステップと、
前記第2のタイトルが前記実行しているアプリケーションと関連付けられていない場合に前記アプリケーションを終了し、前記第2のタイトルが前記実行しているアプリケーションと関連付けられている場合に前記アプリケーションを継続するステップと、
を行うことによって、アプリケーションのライフサイクルが判定される、
前記記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−164411(P2012−164411A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−40078(P2012−40078)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【分割の表示】特願2010−220917(P2010−220917)の分割
【原出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】