説明

ソフトカプセル皮膜及びソフトカプセル

【課題】 本発明は、狂牛病、口締疫などの伝染の懸念がなく、ヒートシール性及び透明性に優れたソフトカプセル被膜、これにより構成されるソフトカプセル、並びに内部に食品、化粧品又は医薬品を封入してなる崩壊性及び水溶性に優れたソフトカプセルを提供することを課題とする。
【解決手段】 硫酸基を有しない水溶性多糖類及び硫酸基を有する水溶性多糖類とともに、可塑剤を含有してなるソフトカプセル皮膜、及び、これにより構成されるソフトカプセルを提供することにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトカプセル皮膜及びこれにより構成されるソフトカプセルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ソフトカプセルは、固状物又は液状物を特定の用量で摂取する目的に適しており、一般的に、皮膜で調製された中空のカプセルに内容物を充填することにより調製されている。現在、ソフトカプセル皮膜の主原料として、ゼラチンが最もよく用いられている。しかしながら、ゼラチンは哺乳動物の皮若しくは骨を原料として得られる蛋白質であるため、使用者の宗教上又は菜食主義など主義上の理由から摂取を拒否される場合がある。また、近年、狂牛病や口締疫などの家畜伝染病が流行しており、伝染の懸念から動物由来のゼラチンは敬遠される傾向にある。そこで、ゼラチンに代わる非動物性の物質を使用したソフトカプセル皮膜の開発が求められている。
【0003】
近年、動物由来のゼラチンを用いない、いわゆるゼラチンフリーのソフトカプセル皮膜として、種々の多糖類原料を用いたものが提案されている。特許文献1乃至4にはジェランガム、水溶性エーテル化澱粉誘導体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び、改質澱粉及びカラギーナンを用いたものがそれぞれ開示されている。しかしながら、いまだ汎用されているゼラチンフリーの皮膜はなく、さらに多種のソフトカプセル皮膜が求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−291928号公報
【特許文献2】特開2003−55198号公報
【特許文献3】特表2002−529398号公報
【特許文献4】特表2003−504326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ゼラチンが有する狂牛病や口締疫などの伝染の懸念がなく、且つ、ヒートシール性及び透明性に優れたソフトカプセル皮膜、これにより構成されるソフトカプセル、並びに内部に食品、化粧品又は医薬品を封入してなる、崩壊性及び水溶性に優れたソフトカプセルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明者等は、新規ソフトカプセルの確立を目指して鋭意検討したところ、硫酸基を有しない水溶性多糖類及び硫酸基を有する水溶性多糖類とともに、可塑剤を含有せしめることによりゼラチンフリーの、ヒートシール性及び透明性に優れたソフトカプセル皮膜が得られることを見出し、また、このソフトカプセル被膜により構成されるソフトカプセルは崩壊性及び水溶性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、硫酸基を有しない水溶性多糖類及び硫酸基を有する水溶性多糖類とともに、可塑剤を含有してなるソフトカプセル皮膜、及び、これにより構成されるソフトカプセルを提供することにより上記課題を解決するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のソフトカプセル皮膜は、硫酸基を有しない水溶性多糖類及び硫酸基を有する水溶性多糖類とともに、可塑剤を含有してなるソフトカプセル皮膜である。
【0009】
本発明で用いられる硫酸基を有しない水溶性多糖類としては、いずれも可食性の多糖類であって、例えば、プルラン、エルシナン、アルギン酸ナトリウム、寒天、ペクチン、タマリンドガム、キサンタンガム、グアガム、タラガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクタン、アラビアガム、キトサン、アミロース、アミロペクチン、デキストラン又はこれらの誘導体などが挙げられる。このうち、マルトトリオースを反復単位とする水溶性多糖類、例えば、プルラン及びエルシナンが好ましく、とりわけ、入手が容易なプルランがより好ましく本発明に用いられる。また、必要に応じて、プルランとともに他の硫酸基を有しない水溶性多糖類を組み合わせて用いることも有利に実施できる。プルランを用いた皮膜は、酸素の透過を妨げる性質を有していることから、十分に封止されたカプセルにすれば、包装対象物の酸化劣化を防ぐことも容易である。
【0010】
本発明で好ましく用いられるプルランとしては、通常、入手しやすさ及び価格の点で有利であることから、澱粉分解物を含有する培地中でオーレオバシディウム属などの酵母を培養することにより製造されたプルランが有利に用いられる。例えば、株式会社林原商事販売のプルラン(商品名『プルランPI−20』及び『プルランPF−20』等)が好適に使用できる。ただし、これらに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲で、他のプルラン製品を用いたり、他のマルトトリオースを反復単位とする多糖類、例えば、エルシナンを用いることもできる。また、必要に応じて、任意の置換度のエステル化などの修飾を施すなどして誘導体化したマルトトリオースを反復単位とする多糖類を用いることもできる。本発明において用いられるマルトトリオースを反復単位とする多糖類の重量平均分子量としては、通常、5,000ダルトン以上、好ましくは、10,000乃至1,000,000ダルトン、より好ましくは50,000乃至500,000ダルトンの範囲から選ばれる。なお、マルトトリオースを反復単位とする多糖類の重量平均分子量や分子量分布を選択することによって、作製されたソフトカプセルを所望の崩壊速度に調節することができるので、用途に応じて適宜の重量平均分子量及び分子量分布のマルトトリオースを反復単位とする多糖類を用いればよい。配合する他の成分にもよるが、一般的に、マルトトリオースを反復単位とする多糖類の重量平均分子量が5,000ダルトン未満であるとシート状の皮膜形成が難しくなり、1,000,000ダルトンを越えると水性溶媒への溶解速度が小さくなりすぎるので好ましくない場合がある。
【0011】
本発明で用いる硫酸基を有する水溶性多糖類としては、硫酸基を有する水溶性多糖類であれば特に制限なく用いることができるが、本発明のソフトカプセル皮膜においてその効果を十分に発揮させるためには、構成単糖あたり、0.5以上の硫酸基を有するもの、更に好ましくは1以上有するものが適しており、例えば、いずれも可食性多糖類であるカラギーナン、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、デルタマン硫酸、ヘパリンなどの天然の多糖類又はその塩、もしくは、本来は硫酸基を有しない水溶性多糖類、また、硫酸基を有していても、構成単糖当たりの硫酸基数が0.5に達しない水溶性多糖類に、適宜の方法で、例えば、酵素反応や化学反応を利用するなどして硫酸化させたものを用いることもできる。本発明においては、入手しやすく、また、ソフトカプセル皮膜に強度及び柔軟性などの物性を付与するのに適しているカラギーナンが好適に用いられる。また、必要に応じて、カラギーナンとともに他の硫酸基を有する水溶性多糖類を組み合わせて用いることも有利に実施できる。硫酸基を有する水溶性多糖類は、皮膜を成形し易くし、成形された皮膜の柔軟性、皮膜強度を高めることができる。
【0012】
カラギーナンは、紅藻抽出物中に含まれる、D−ガラクトースと3,6−アンヒドロ−D−ガラクトースからなる二糖を単位構造とする水溶性多糖類であり、糖の種類及び硫酸基の数・位置によって、κ(カッパ)型、ι(イオタ)型、λ(ラムダ)型、μ(ミュー)型、ν(ニュー)型の5種類のタイプが知られている(表1参照)。本発明で用いられるカラギーナンは、タイプ、由来、製法を問わず、市販のカラギーナン製品を用いることができる。とりわけ、構成単糖当り0.5の硫酸基を有するκ型、構成単糖当り1の硫酸基を有するλ及びι型カラギーナンは入手しやすく、本発明に有利に用いることができる。κ型カラギーナンは、シート状皮膜の強度を改善するのに優れ、λ、ι型カラギーナンは皮膜の保水性、柔軟性を改善するのに優れている。したがって、本発明の皮膜においては、様々な型のカラギーナンを組み合わせて含有させるのが好ましい。
【0013】
【表1】

【0014】
また、皮膜の可塑性を調節するために、可塑剤を含有させる必要がある。可塑剤としては、各種ポリオール類、例えば、グリセリン、ポリビニルアルコールなどの多価アルコール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトールなどの糖アルコール、α,α−トレハロース(以下、単に「トレハロース」と呼称する)、グリコシルα,α−トレハロース、環状オリゴ糖、グリコシル環状オリゴ糖などの非還元性糖質など、またはこれらの誘導体などが挙げられる。これらのうち、とりわけ、グリセリン、ソルビトール及びトレハロースから選ばれる1種又は2種以上を用いるのが好ましく、必要に応じて他のポリオール類を併用することも有利に実施できる。
【0015】
本発明のソフトカプセル皮膜には、上記の成分に加えて、本発明の目的を妨げない範囲で、他の成分を適宜含有させることができるものの、ソフトカプセル皮膜の水溶性を低下させ過ぎないように調整する必要がある。含有させることができる物質としては、大豆蛋白質などのタンパク質及びその分解物、脂質類、糖脂肪酸エステル類、エタノールなどのアルコール類、着色料、保存料、着香料、矯味剤などが挙げられる。とりわけ、ショ糖ステアリン酸エステルなどの糖脂肪酸エステル類は、ソフトカプセル皮膜製造時において、ポリエチレンテレフタレート製などの皮膜作成台から皮膜を剥離する作業を容易にするので好適に配合される。
【0016】
本発明のソフトカプセル皮膜における各配合成分の比率としては、硫酸基を有しない水溶性多糖類と硫酸基を有する水溶性多糖類との質量比が、通常6:4乃至9:1、望ましくは、7:3乃至8:2が好適であり、水溶性多糖類の総質量に対する可塑剤の量を、通常、30乃至250%、望ましくは、50乃至200%とするのが好適である。
【0017】
本発明のソフトカプセル皮膜の製造方法としては、水溶性多糖類と可塑剤を水やエタノールなどの水性溶媒により適度な粘性の溶液状態とし、これを常法にしたがい、流延法、押出成形法、スプレー法、ロールコーティング法、ディッピング法などの方法により、薄膜を形成後、室温若しくは室温を越える温度の雰囲気中で乾燥することにより、シート状に成形する方法が挙げられる。また、ヒートシール性は劣るものの、他の皮膜と本発明の皮膜とをヒートシールしてラミネート型皮膜にすることもできる。
【0018】
さらには、カプセル成形に用いるヒートシール装置の能力によって左右されるものの、上記のごとく粘性溶液を乾燥させてシート化する工程を経ずに、当該粘性溶液を冷却しゲル化させることにより比較的水分含量が高い湿潤シートを調製し、この湿潤シートを直接ヒートシール装置にかけてソフトカプセルに成形して、その後、必要に応じて乾燥させる方法も有利に実施できる。
【0019】
かくして得られる皮膜は、通常、食品、化粧品又は医薬品を充填したソフトカプセルとした後、これを摂取するか又は水溶液中に溶解せしめて利用する目的に使用される。したがって、ソフトカプセルは崩壊性、水溶性を有する必要がある。水性媒体中での崩壊速度は、溶媒の種類、量及び温度、撹拌の強度などを考慮して、ソフトカプセル皮膜の厚さ、水溶性多糖類の重量平均分子量、水溶性多糖類の分子量分布、各種水溶性多糖類の比率、各種ポリオール類の混合比率、ソフトカプセルの大きさや形状を本発明の範囲内で適宜選択することにより調整することができる。なお、本発明のソフトカプセル皮膜においては、水溶性がより高いことが望まれるので、ソフトカプセル皮膜の水溶性を低下させる原因、とりわけ、含有させる水溶性多糖類によっては、水不溶性とする作用のある、例えばカルシウムなどのミネラル類などの物質を各配合成分から排除しておくことが望ましい。
【0020】
本発明のソフトカプセル皮膜の厚さは、必要に応じて決定すればよく、通常、0.1乃至1mm、好ましくは、0.2乃至0.8mmの範囲から選ばれる。厚さが0.1mm未満だと、破れやすいので好ましくなく、厚さが1mmを越えると、ソフトカプセル成形に支障が発生したり、崩壊時間が長くなりすぎるなど、好ましくない場合がある。
【0021】
本発明のソフトカプセルの製造方法としては、常法の平板式、ロータリー・ダイ式などの打抜き法を用いることができる。例えば、ロータリー・ダイ法について説明すると、2枚の上記ソフトカプセル皮膜の間に内容物を圧入しつつ、ロータリー式の温度制御可能な金型で加圧圧着及びヒートシールすることにより皮膜同士を接着してソフトカプセルに成形する。また、必要ならば、酸素や水蒸気など内容物の品質を劣化させる気体を内部に封入することを防ぐために、不活性ガスや真空中で成形することも、さらには、無菌的に操作することも随意である。
【0022】
ソフトカプセル成形装置としては、皮膜同士を圧着及びヒートシールできる装置、例えば、ロータリー・ダイ式自動ソフトカプセル製造機、平板式自動カプセル製造機などを用いることができる。より良好なヒートシールを行うためには、ロータリー・ダイ式自動ソフトカプセル製造機の場合、打ち抜き用金型部の温度を制御できる機種を用いるのが望ましい。
【0023】
本発明におけるソフトカプセルの形状、大きさは特に限定されない。形状としては、ラウンド型(球型)、オーバル型(フットボール型)、オブロング型(長楕円型)、チューブ型、坐剤型、セルフカット型、二連型、角型などが挙げられ、大きさは、通常、内容物質量として約1mg乃至約10gの範囲に適宜調整すれば良い。また、必要に応じて本発明のソフトカプセルの表面をカオリン、タルクなどの適宜被覆剤で被覆することも有利に実施できる。
【0024】
本発明の皮膜により構成されるソフトカプセルは、保存中において実質的に内容物がカプセルから外に漏れないように十分に封止されている必要があり、ソフトカプセルに負荷されることが想定される圧力、張力、せん断力、振動などに耐える十分な強度を有していることが望まれる。カプセルの強度は、通常の硬度計、例えば、木屋式硬度計((株)藤原製作所製、最大加重30kg/cm)を用いて測定することができる。用途にもよるが、ソフトカプセルの強度は、通常、5kg/cm以上、望ましくは10kg/cm以上が望まれる。
【0025】
本発明のソフトカプセルの用途としては、粉末、顆粒、錠剤、クリーム、エマルジョン、マスキット、ペースト、油性液体などの形態の食品、化粧品及び医薬品のカプセル化に用いられ、特に、密封することにより、空気中の酸素による内容物の酸化を防ぐことができる。さらに、ソフトカプセルの状態のまま、摂取したり、適宜の溶媒にそのまま投入したり、溶媒を注いだりしても、カプセルが崩壊又は溶解して、内容物を溶媒中に放出させることができる。また、皮膜の内容物に接触する側に、油脂などの耐水性の物質をコーティングすれば、水分を多く含むものや水性液体をカプセル内に収容することができる。したがって、これらソフトカプセルは、食品、化粧品及び医薬品分野に適用すれば、それらの物質の取扱いを安全かつ容易にすることができる。
【0026】
本発明の皮膜によりソフトカプセル化が可能な内容物としては、油液、ペースト状油液、粉末懸濁油液、エキス、非水性液が一般的であるところ、前記のコーティング処理などにより水性液もソフトカプセルとすることが可能である。また、液体に限らず、粉末、顆粒、裸錠などの固形物を内容物とすることもできる。食品分野における内容物としては、例えば、サラダ油、オリーブ油、バターオイル、ワサビオイル、ラー油、胡麻油、椿油、卵油、レシチンなどの液体状油脂乃至調味油、香料類、粉末油脂、バター、チーズ、マーガリンなどの固体状油脂、果汁、野菜エキス、ニンニクエキスなどの果物・野菜加工品、胡麻ペースト、ナッツペースト、コーンペーストなどの種実ペースト、生餡、粉末こし餡などの餡、サツマイモ粉、ヤマイモ粉などのいも粉、米粉、小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、ハト麦粉、大豆粉、大豆胚芽粉、ソバ粉、コーンフラワーなどの穀類の粉末、すり胡麻、はったい粉、きな粉、荒挽きコーヒーなど種実加工物などの粉末、イワシペースト、カキ肉エキス、ウニペースト、魚粉などの水産品、畜肉ペーストなどの畜産品、牛乳、練乳、ヨーグルト、アイスクリーム、コーヒーフレッシュなどの乳製品、プリン、ババロア、ゼリー、ジャム、マーマレードなどのゲル状食品、水飴、シロップなどの甘味料類、醤油、味噌、みりん、酢、ソース、マヨネーズ、ケチャップ、ドレッシング、カレールウなどペースト状乃至液状調味料、ふりかけなどの粉末調味料、唐辛子、胡椒、ワサビ、ショウガ、芥子などのスパイス類、ハーブ類、各種茶類から製造される茶飲料、コーヒー飲料、乳飲料、乳酸菌飲料などの清涼飲料、清酒、甘酒、ワイン、リキュールなどのアルコール飲料、離乳食、治療食、健康食品、ペプチド食品などがある。
【0027】
本発明の皮膜によりソフトカプセル化が可能な化粧品分野の内容物としては、例えば、香水、口中清涼剤、口臭予防剤、うがい剤、歯磨き、入浴剤、制汗剤、石けん、シャンプー、リンス、ボディーソープ、ボディーローション、デオドラント剤、ヘアクリーム、色白剤、美肌剤、美毛剤、育毛剤などが挙げられる。使い切りタイプの化粧品を内容物とする場合には、手で容易にねじ切ることができる前記セルフカット型のカプセルが好ましい。また、直接浴槽に投入して用いる入浴剤などの場合は、そのカプセルの容量が大きいものが好ましい。
【0028】
本発明の皮膜によりソフトカプセル化が可能な医薬品分野の内容物としては、例えば、虫歯・口内炎などの治療剤、消毒剤、抗菌剤、抗炎症剤、ビタミン剤、ドリンク剤、経口栄養剤、経管栄養剤、肝油、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)などの高級不飽和脂肪酸などの医薬品が挙げられる。
【0029】
以下、実験により本発明をさらに詳しく説明する。
【0030】
<実験1:ソフトカプセル皮膜>
硫酸基を有しない水溶性多糖類としてプルランを、また、硫酸基を有する水溶性多糖類としてカラギーナンを用い、可塑剤として多価アルコール、糖アルコール、及び非還元性糖質などのポリオール類の1種又は2種以上を含有してなるソフトカプセル皮膜の調製を検討した。実験1−1及び実験1−2でプルランとカラギーナンとの配合比及び水溶性多糖類に対する可塑剤グリセリンの配合比をそれぞれ検討した。また、実験1−3では二種以上の可塑剤(グリセリンと他のポリオール類)の使用を検討した。
【0031】
<実験1−1:ソフトカプセル皮膜の成形性に及ぼすプルランとカラギーナンとの配合比率の検討>
市販のプルラン((株)林原商事販売、商品名『プルランPI−20』)、カラギーナン(中央フーズマテリアル(株)販売、商品名『NEWGELIN CH−200』、κ型)、及び可塑剤として、グリセリンを用い、表2に示す配合比で精製水と混合した後、加熱しつつ均一に攪拌し溶解して、9種類のソフトカプセル用皮膜液を調製した。水溶性多糖類の総質量に対するグリセリンの配合量は100%とした。
【0032】
【表2】

【0033】
次いで、得られた溶液それぞれをアプリケーター(ヨシミツ精機(株)販売、商品名『ベーカーアプリケーターYBA型』を使用して、ガラス平板上にポリエチレンテレフタレートを密着させたものの上に適量滴下し、展延した後、50℃で約6時間乾燥させてシート状のソフトカプセル皮膜(以下、単に「シート」と呼称する場合がある。)を調製した。その結果、水分17.1乃至21.3%、厚さ約0.5mmのシートを得た。なお、各シートの水分含量は常法の乾燥減量法若しくは電気抵抗により水分含量を測定する装置である(株)ケット科学研究所販売の紙水分計、商品名『K−200』を用いて測定した。
【0034】
上記で得たシートのヒートシール性を実験室的に評価する目的で、各シートを5cm平方に切断し、2枚重ねにした後、ヒートシール装置((株)富士インパルス販売、商品名『富士インパルスシーラー FI−200−10W型』)を使用して、目盛り9で一辺をヒートシールした。各シートのヒートシール性(接着性)の評価は、ヒートシールした辺の反対部分を手でつまみ、2枚のシートを剥離するように広げたとき、容易に剥離する場合を「×」、剥離が困難な場合を「○」とした。また、シートの透明性を肉眼にて観察し、濁りが認められないものを「○」と評価した。各シートの乾燥後の水分含量とヒートシール性及び透明性評価の結果を表3に示す。
【0035】
【表3】

【0036】
なお、カラギーナンを配合せず、プルランとグリセリンのみ配合したシートNo.9は冷却後もゲル化しないためシートが得られず、また、プルランに対するカラギーナンの質量比が最も低いシートNo.8においては、ゲル化は認められるもののゲル強度が弱く、シートをガラス平板から剥離する際に容易に破れるため不適と判定した。表3の結果から明らかなように、プルランとカラギーナンとの配合比が3:7乃至5:5の範囲のシートNo.1乃至3はヒートシール部が容易に剥離し、ヒートシール性は「×」であった。同配合比が6:4乃至9:1のシートNo.4乃至7は良好なヒートシール性を示した。プルランとカラギーナンとの配合比は6:4乃至9:1の範囲が好適であった。なお、調製したシートの透明性はいずれも良好であった。本実験の結果から、被膜の調製には硫酸基を有さない水溶性多糖類と硫酸基を有する水溶性多糖類のいずれもが必要でありその配合比は6:4乃至9:1の範囲が好適であることが判明した。
【0037】
<実験1−2:皮膜のソフトカプセル成形性に及ぼすグリセリン配合量の検討>
グリセリンの配合量を検討するため、表4に示す配合で、プルランとカラギーナンとの配合比を8:2に固定し、グリセリン及び水の量を変化させた以外は、実験1−1と同様に操作して調製した8種類のシートを同様に評価した。結果を表5に示す。
【0038】
【表4】

【0039】
【表5】

【0040】
なお、プルランとカラギーナンの総質量に対してグリセリンを300%配合したシートNo.17はゲル強度が弱く、ガラス平板からの剥離時に容易に破れるため不適と判定した。表5の結果から明らかなように、プルランとカラギーナンの総質量に対するグリセリンの量が20%であるシートNo.10はヒートシール部が容易に剥離し、ヒートシール性は「×」であった。プルランとカラギーナンの総質量に対するグリセリンの量が30乃至250%のシートNo.11乃至16は良好なヒートシール性を示した。プルランとカラギーナンの総質量に対するグリセリンの量は30乃至250%が好適であることが判明した。
【0041】
<実験1−3皮膜基剤のソフトカプセル成形性に及ぼす二種以上の可塑剤の影響>
可塑剤として、グリセリン単独だけでなく、グリセリンと他のポリオール類を併用して調製したシートのソフトカプセル成形性を検討した。グリセリンと併用する他のポリオール類としてソルビトール若しくはトレハロースを用い、その総量を水溶性多糖類の総質量の100%として、表6に示す配合で6種類のシートを調製した。なお、プルランとカラギーナンの配合比は8:2に固定し、シートの調製及び評価は実験1−1と同様に行った。結果を表7に示す。
【0042】
【表6】

【0043】
【表7】

【0044】
表7の結果から明らかなように、可塑剤としてグリセリンと他のポリオール類を併用して調製したシート、即ち、グリセリンとソルビトールを併用して調製したシートNo.18乃至20、及びグリセリンとトレハロースを併用して調製したシートNo.21乃至23のいずれもヒートシール性及び透明性に優れていた。このことから、グリセリンと他のポリオール類を併用して調製したシートも、実験1−1及び実験1−2において調製したグリセリン単独使用のシートと同様に、ソフトカプセル皮膜として使用できることが判明した。
【0045】
<実験2:ソフトカプセル>
実験1の結果に基づき、表8に示す配合割合を用いた以外は実験1と同じ方法で厚さ約0.5mmの12種類のシートを調製した後、それぞれをソフトカプセル皮膜とし、ソフトカプセルの内容物として調味油を用いて、常法通りロータリー・ダイ法により長径約13mm、短径約8mm、内容量250mgのオーバル型調味油含有ソフトカプセルを調製した。
【0046】
【表8】

【0047】
得られた各ソフトカプセルにつき、崩壊試験、水溶性試験及びカプセル強度の測定を行った。崩壊試験は第13改正日本薬局方に準拠して行い、崩壊に要する時間を測定した。水溶性試験は、37℃に保持した精製水500mlを入れたビーカーに各カプセルを1個投入した後、マグネットスターラーにて攪拌し、15分以内に完全に溶解すれば「問題なし」と判定した。カプセル強度は木屋式硬度計((株)藤原製作所製、最大加重30kg/cm)を用い、カプセルがつぶれるまでの加重を測定した。
【0048】
【表9】

【0049】
表9から明らかなように、12種のソフトカプセルはいずれも崩壊試験において15分以内に崩壊し、水溶性試験において15分以内に完全に溶解した。崩壊性、水溶性ともに良好であった。カプセル強度は、シートのカラギーナンの配合量が多いカプセルほど高い値を示す傾向が認められた。これらソフトカプセルの特性は汎用されているゼラチンソフトカプセルに比べ遜色のないものであった。
【0050】
実験1及び実験2の結果から、硫酸基を有さない水溶性多糖類であるプルランと硫酸基を有する水溶性多糖類であるカラギーナン、及びポリオール類であるグリセリン又はグリセリンと他のポリオール類との混合物をある一定の配合、即ち、硫酸基を有さない水溶性多糖類と硫酸基を有する水溶性多糖類との質量比が6:4乃至9:1、上記水溶性多糖類の総質量に対する可塑剤の割合が30乃至250%になるよう調製したシートはソフトカプセル皮膜として用いることができ、得られるソフトカプセルは崩壊性、水溶性に優れたものであることが判明した。
【0051】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。しかしながら本発明は本実施例によって限定されるものではない。
【実施例1】
【0052】
<ソフトカプセル皮膜>
プルラン((株)林原商事販売、商品名『プルランPI−20』)16質量部、κ:λ=7:3の比率で含有するカラギーナン(中央フーズマテリアル(株)販売、商品名『NEWGELIN NC−400』)4質量部に、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)、商品名『シュガーエステルS1670』)0.01質量部、グリセリン20質量部及び脱イオン水60質量部を混合し加熱溶解した後、これをアプリケーター(ヨシミツ精機(株)販売、商品名『ベーカーアプリケーターYBA型』を使用して、ガラス平板上にポリエチレンテレフタレートを密着させたものの上に適量滴下し展延し、ゲル化させた後、50℃で6時間乾燥し、水分含量約18%、厚さ0.5mmのソフトカプセル皮膜を製造した。
【0053】
本品はヒートシール性及び透明性に優れており、これを用いてロータリー・ダイ法にて製造したソフトカプセルは、崩壊性及び水溶性に優れている。また、プルランを主原料としているので、酸素難透過性の特性を有しており、酸化し易い対象物をソフトカプセルにする上で好適である。
【実施例2】
【0054】
<ソフトカプセル皮膜>
プルラン((株)林原商事販売、商品名『PI−20』)18質量部、ι型のみからなるカラギーナン(中央フーズマテリアル(株)販売、商品名『NEWGELIN GJ−300』)2質量部、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)、商品名『シュガーエステルS1670』)0.01質量部、及びグリセリン30質量部及び脱イオン水50質量部を混合、加熱溶解した後、これをアプリケーター(ヨシミツ精機(株)販売、商品名『ベーカーアプリケーターYBA型』を使用して、ガラス平板上にポリエチレンテレフタレートを密着させたものの上に適量滴下し展延し、50℃で6時間放置し、水分含量約20%、厚さ0.7mmのソフトカプセル皮膜を製造した。
【0055】
本品はヒートシール性及び透明性に優れており、これを用いてロータリー・ダイ法にて製造したソフトカプセルは、崩壊性及び水溶性に優れている。また、プルランを主原料としているので、酸素難透過性の特性を有しており、酸化し易い対象物をソフトカプセルにする上で好適である。
【実施例3】
【0056】
<ソフトカプセル皮膜>
プルラン((株)林原商事販売、商品名『プルランPI−20』)14質量部、κ型のみからなるカラギーナン(中央フーズマテリアル(株)販売、商品名『NEWGELIN CH−200』)、κ:λ=7:3の比率で含有するカラギーナン(中央フーズマテリアル(株)販売、商品名『NEWGELIN NC−400』)4質量部、ι型のみからなるカラギーナン(中央フーズマテリアル(株)販売、商品名『NEWGELIN GJ−300』)2質量部、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)、商品名『シュガーエステルS1670』)0.01質量部、グリセリン10質量部を脱イオン水70質量部に溶解し、これをアプリケーター(ヨシミツ精機(株)販売、商品名『ベーカーアプリケーターYBA型』を使用して、ガラス平板上にポリエチレンテレフタレートを密着させたものの上に適量滴下し展延し、50℃で7時間乾燥し、水分含量約18%の厚さ0.4mmのソフトカプセル皮膜を製造した。
【0057】
本品はヒートシール性及び透明性に優れており、これを用いてロータリー・ダイ法にて製造したソフトカプセルは、崩壊性及び水溶性に優れている。また、プルランを主原料としているので、酸素難透過性の特性を有しており、酸化し易い対象物をソフトカプセルにする上で好適である。
【実施例4】
【0058】
<ソフトカプセル皮膜>
プルラン((株)林原商事販売、商品名『プルランPI−20』)16質量部、κ型のみからなるカラギーナン(中央フーズマテリアル(株)販売、商品名『NEWGELIN CH−200』)4質量部、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)、商品名『シュガーエステルS1670』)0.01質量部、グリセリン15質量部、ソルビトール10質量部を脱イオン水55質量部に溶解し、これをアプリケーター(ヨシミツ精機(株)販売、商品名『ベーカーアプリケーターYBA型』を使用して、ガラス平板上にポリエチレンテレフタレートを密着させたものの上に適量滴下し展延し、50℃で7時間乾燥し、水分含量約15%の厚さ0.4mmのソフトカプセル皮膜を製造した。
【0059】
本品はヒートシール性及び透明性に優れており、これを用いてロータリー・ダイ法にて製造したソフトカプセルは、崩壊性及び水溶性に優れている。また、プルランを主原料としているので、酸素難透過性の特性を有しており、酸化し易い対象物をソフトカプセルにする上で好適である。
【実施例5】
【0060】
<ソフトカプセル皮膜>
プルラン((株)林原商事販売、商品名『プルランPI−20』)9質量部、κ:λ=7:3の比率で含有するカラギーナン(中央フーズマテリアル(株)販売、商品名『NEWGELIN NC−400』)6質量部、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)、商品名『シュガーエステルS1670』)0.01質量部、グリセリン15質量部、トレハロース((株)林原商事販売、登録商標『トレハ』)5質量部を脱イオン水65質量部に溶解し、これをアプリケーター(ヨシミツ精機(株)販売、商品名『ベーカーアプリケーターYBA型』を使用して、ガラス平板上にポリエチレンテレフタレートを密着させたものの上に適量滴下し展延し、50℃で7時間乾燥し、水分含量約16%の厚さ0.5mmのソフトカプセル皮膜を製造した。
【0061】
本品はヒートシール性及び透明性に優れており、これを用いてロータリー・ダイ法にて製造したソフトカプセルは、崩壊性及び水溶性に優れている。また、プルランを主原料としているので、酸素難透過性の特性を有しており、酸化し易い対象物をソフトカプセルにする上で好適である。
【実施例6】
【0062】
<調味油含有ソフトカプセル>
調味油を内容液とし、実施例1の方法で調製したソフトカプセル皮膜を用い、常法通りロータリー・ダイ法にて長径18mm、短径7mm、内容量400mgのオブロング型調味油含有ソフトカプセルを調製した。
本品は崩壊性、水溶性に優れた調味油含有ソフトカプセルであり、プルランを主原料としていることから、酸素難透過性の特性を有しており、調味油の酸化に伴う劣化が防止されているので、保存性にも優れた調味油含有ソフトカプセルである。本品は取り扱いが容易な上、熱湯を注ぐと容易に溶解するので即席麺などの調味油として好適である。
【実施例7】
【0063】
<口中清涼剤>
下記の処方に従い各成分を混合し、口中清涼剤の内容液を調製した。
L−メントール 1質量部
中鎖脂肪酸トリグリセリド 2質量部
レモンライム香料 7質量部
【0064】
次いで、この内容液と実施例2の方法で調製したソフトカプセル皮膜とを用い、常法通りロータリー・ダイ法にて直径5mm、内容量35mgのラウンド型口中清涼用ソフトカプセルを調製した。
【0065】
本品は崩壊性、水溶性に優れた口中清涼用ソフトカプセルであり、そのまま口中で使用することができる。また、プルランを主原料としていることから、酸素難透過性の特性を有しており、内容液の酸化に伴う劣化が防止されているので、保存性にも優れた口中清涼剤として好適である。
【実施例8】
【0066】
<入浴剤>
下記の処方に従い各成分を混合し、入浴剤の内容液を調製した。
流動パラフィン 50質量部
ミリスチン酸イソプロピル 20質量部
POEソルビタンジオレート 20質量部
L−メントール 5質量部
スクワラン 5質量部
ラベンダー香料 適量
水溶性色素 微量
精製水 微量
【0067】
次いで、この内容液と実施例3の方法で調製したソフトカプセル皮膜とを用い、常法通りロータリー・ダイ法にて直径約25mm、内容量7,000mgのラウンド型入浴剤含有ソフトカプセルを調製した。
【0068】
本品は崩壊性、水溶性に優れた入浴剤含有ソフトカプセルであり、開封することなく、そのまま浴槽に入れて使用することができる。また、プルランを主原料としていることから、酸素難透過性の特性を有しており、内容液の酸化に伴う劣化が防止されているので、保存性にも優れた入浴剤として好適である。
【実施例9】
【0069】
<ヘアオイル含有ソフトカプセル>
下記の処方に従い各成分を混合し、内容物としてのヘアオイルを調製した。
流動パラフィン 33質量部
ヒマシ油 33質量部
ミリスチン酸イソプロピル 34質量部
香料 適量
香料可溶化剤 適量
色素 適量
【0070】
次いで、この内容液と実施例4の方法で調製したソフトカプセル皮膜とを用い、常法通りロータリー・ダイ法にて、縦幅約11mm、横幅約30mm、高さ約11mm、内容量約3mlのセルフカット型ヘアオイル含有ソフトカプセルを調製した。
【0071】
本品は使い切りタイプのヘアオイル含有ソフトカプセルであり、手で容易にカプセルを開封でき、内部のヘアオイルを絞り出して使用することができる。また、プルランを主原料としていることから、酸素難透過性の特性を有しており、内容液の酸化に伴う劣化が防止されているので、保存性にも優れたヘアオイル含有ソフトカプセルとして好適である。
【実施例10】
【0072】
<ビタミン含有ソフトカプセル>
下記の処方に従い各成分を混合し、ビタミン剤の内容液を調製した。
小麦胚芽油 99質量部
ビタミンADオイル 2質量部
ビタミンEオイル 24質量部
【0073】
次いで、この内容液と実施例5の方法で調製したソフトカプセル皮膜とを用い、常法通りロータリー・ダイ法にて長径13mm、短径8mm、内容量250mgのオーバル型ビタミン含有ソフトカプセルを調製した。
【0074】
本品は崩壊性、水溶性に優れたビタミン含有ソフトカプセルであり、そのまま摂取することができる。また、プルランを主原料としていることから、酸素難透過性の特性を有しており、内容液の酸化に伴う劣化が防止されているので、保存性にも優れたビタミン剤として好適である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
叙述のとおり、本発明のソフトカプセル皮膜は、可食性の水溶性多糖類が主たる成分であるので、安全性が高く、また、ヒートシール性及び透明性に優れている。さらに、これを用いて製造したソフトカプセルは崩壊性及び水溶性に優れており、ゼラチンを用いたソフトカプセルに比べ遜色のない特性を有していた。本発明のソフトカプセル皮膜及びこれにより構成されるソフトカプセルは、食品、化粧品、医薬品など、ソフトカプセルを使用する広範囲の分野において有利に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本質的に、水溶性多糖類としてのプルラン及びカラギーナンとともに、グリセリン、ソルビトール及びα,α−トレハロースから選ばれる1種又は2種以上の可塑剤、並びに水からなるソフトカプセル皮膜。
【請求項2】
請求項1記載のソフトカプセル皮膜により構成されるソフトカプセル。

【公開番号】特開2011−153147(P2011−153147A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44446(P2011−44446)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【分割の表示】特願2005−505949(P2005−505949)の分割
【原出願日】平成16年4月30日(2004.4.30)
【出願人】(000155908)株式会社林原生物化学研究所 (168)
【Fターム(参考)】