説明

ソホロリピッドを含む吸着抑制組成物

【課題】界面活性剤を含有する洗浄剤について、皮膚、頭髪、食品(例えば野菜や果物)および食器等の硬表面への吸着および蓄積を抑制することで、すすぎ時の皮膚へのぬるつきや洗浄後の皮膚のつっぱり感を低減し、また食品(野菜や果物)や食器への残留を低減する方法を提供する。
【解決手段】上記界面活性剤にソホロリピッドを併用する。ソホロリピッドを、界面活性剤の吸着抑制剤、界面活性剤による洗浄のすすぎ向上剤、または界面活性剤による皮膚洗浄後のつっぱり感抑制剤として使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソホロリピッドの新規用途に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄剤には、泡立ちや洗浄力を高めるために一般に界面活性剤が含まれているが、これらの界面活性剤が皮膚に吸着し、残留して蓄積されると、皮膚蛋白の変性が促進され、肌荒れ、ひび割れ、またはアカギレ等といった比較的重篤な皮膚障害をもたらす危険性が高まることが知られている(非特許文献1参照)。また、使用感の面からも、界面活性剤が皮膚に残留すると、洗浄後につっぱり感を感じるという問題がある。特に、脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムなどの脂肪酸石けんを主剤とする洗浄料は、油性汚れと水性汚れの両者を落とす作用に優れるという特性を有するものの、洗浄後に著しいつっぱり感が生じる。
【0003】
こうした問題を改良するために、脂肪酸石けんを主剤とする洗浄料中に、各種添加成分を加え、つっぱり感を抑制しようとする技術(特許文献1、特許文献2参照)、用時に洗浄組成物に保湿剤を添加し、洗浄時に保湿剤の効果を最大限発揮させる用に剤形を工夫する技術(特許文献3参照)、あるいは脂肪酸アルカノールアミド及び油性成分を含有するもの(特許文献4参照)等が提案されている。
【0004】
しかしながら、充分に満足する効果を得るには至っていないのが現状である。このため、充分に石けんの残留を低減し、洗顔後の皮膚つっぱり感を抑制した洗顔料の開発が望まれている。
【0005】
また、最近では、“皮膚等に対してマイルド”と言われる低刺激性の非糖脂質系の合成界面活性剤である、アシルアミノ酸塩、アシルメチルタウリン塩およびアミドエーテル硫酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、またはアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アミドアミノ酸塩およびアルキルイミノジカルボン酸塩等の両性界面活性剤が使用されることが多くなっている。しかしこれらの合成界面活性剤は、すすぎ時に不快な“ぬめり”がなかなか抜けず、すすぎ性が不良であるという問題がある。
【0006】
そこで近年、様々な合成界面活性剤を組み合わせることによって、すすぎ時のぬめり感を抑えた低刺激性皮膚洗浄剤が種々提案されている。かかる低刺激性皮膚洗浄剤としては、例えば、アシルアミノ酸塩、アシルメチルタウリン塩および多価アルコールを組み合せた皮膚洗浄剤(特許文献5参照);アシルラクチレートをアシルメチルタウリン塩またはアルキルエーテル硫酸塩等と組み合せたクレンジング組成物(特許文献6参照);エーテルカルボン酸塩(特許文献7参照);アシルアミノ酸塩とエーテルカルボン酸塩を組み合せた洗浄剤組成物(特許文献8参照);特定のアルキル鎖を有するアミドプロピルベタインとエーテルカルボン酸塩を組み合せた低刺激性洗浄剤組成物(特許文献9参照)などが提案されている。
【0007】
しかしながら、これらの組成物は起泡性や泡質が石けんを含有する組成物と比べて劣っており、しかも、すすぎ時に少なからずぬめり感を有し、ぬめりを取るためにすすぎ時に力を入れすぎて余計に肌を痛めることがある。
【0008】
また、食器の洗浄、ならびに野菜や果物から寄生虫卵や農薬を洗浄除去するために、合成界面活性剤を主成分とする中性洗剤が開発されて以来、この種の洗剤は急速に普及し、食品衛生の向上に貢献している。しかし、合成洗剤の残留および食の安全性が議論されるようになり、野菜や果物の洗浄実施率はかなり低いものとなっている。このため、人体に対して無毒性で、かつ食器や野菜類に吸着残留しにくい洗浄剤が必要となってきている。
【0009】
ところで、近年、微生物によって量産される糖脂質であるソホロリピッドが注目されている。ソホロリピッドは、生分解性が高く、低毒性で環境にも優しいことが知られている。さらに氷粒子に対する凝集抑制効果、抗微生物活性、細胞分化誘導活性、糖タンパク質結合能などが知られている。このため、化粧品、食品、医薬品、化学工業ならびに環境分野等に広く適用することによって、環境を破壊することなく高機能製品が提供できるという利点がある。
【特許文献1】特開2000−44997号公報
【特許文献2】特開平10−25223号公報
【特許文献3】特開2003−73256号公報
【特許文献4】特開平8−12993号公報
【特許文献5】特開昭62−226921号公報
【特許文献6】特開平6−40850号公報
【特許文献7】特開平5−112795号公報
【特許文献8】特開平6−25695号公報
【特許文献9】特開平8−183993号公報
【非特許文献1】芋川玄爾、フレグランスジャーナル、74、38−47(1985)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、微生物に由来する糖脂質であるソホロリピッドの新規用途を提供することを目的とする。より具体的には、界面活性剤を含有する洗浄剤について、従来の問題点であった、皮膚、頭髪、衣服類、食品(例えば野菜や果物)、および食器や住居や等の硬質表面への吸着および蓄積を抑制することで、すすぎ時の皮膚へのぬるつきや洗浄後の皮膚のつっぱり感を低減し、また食品(野菜や果物)や食器への残留を低減する方法を提供することを目的とする。また、界面活性剤を含有する洗浄剤の泡立ちや洗浄性に大きく悪影響することなく、上記従来の問題を解消する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究していたところ、微生物由来の糖脂質であるソホロリピッドが、皮膚に対する刺激性が低く、しかも界面活性剤の泡立ちや洗浄力に悪影響を与えることなく、皮膚への吸着残留を抑制して、すすぎ時の皮膚のぬるつきや洗浄後の皮膚のつっぱり感を低減する効果を奏することを見出した。さらに、本発明者らは、当該ソホロリピッドには、皮膚のみならず、野菜等の食品への界面活性剤の吸着をも抑制する作用があることを見出し、これによって食品またはその他の物に対する界面活性剤の吸着および残留という問題を解消することができることを確信して、本発明を開発するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は下記の態様を含む、ソホロリピッドを含有する組成物ならびにソホロリピッドの新規用途を提供するものである:
(I)ソホロリピッドを含有する組成物
(I-1)ソホロリピッドと界面活性剤を含む組成物。
(I-2)界面活性剤1重量部に対してソホロリピッドを0.005〜10重量部の割合で含む(I-1)に記載する組成物。
(I-3)洗浄用組成物である、(I-1)または(I-2)に記載する組成物。
【0013】
(II)ソホロリピッドの、界面活性剤の吸着抑制剤としての用途
(II-1)ソホロリピッドを有効成分とする、界面活性剤の吸着抑制剤。
(II-2)界面活性剤が、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、および両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(II-1)に記載する吸着抑制剤。
(II-3)吸着抑制対象物が、皮膚、毛髪、衣服や寝装品などの繊維製品、野菜、果物、および食器や住居等の硬質表面からなる群から選択される少なくとも1つである(II-1)または(II-2)に記載する吸着抑制剤。
(II-4)ソホロリピッドの、界面活性剤の吸着抑制剤としての使用。
【0014】
(III)ソホロリピッドを用いた、界面活性剤の吸着抑制方法
(III-1)ソホロリピッドを用いることを特徴とする、界面活性剤の吸着抑制方法。
(III-2)ソホロリピッドの存在下で、界面活性剤を含む洗浄剤で洗浄対象物を処理する工程を有する(III-1)記載の吸着抑制方法。
(III-3)界面活性剤が、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、および両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(III-1)または(III-2)に記載する吸着抑制方法。
(III-4)吸着抑制対象物または洗浄対象物が、皮膚、毛髪、衣服や寝装品などの繊維製品、野菜、果物、および食器や住居等の硬質表面からなる群から選択される少なくとも1つである(III-1)乃至(III-3)のいずれかに記載の吸着抑制方法。
【0015】
(IV)ソホロリピッドの、界面活性剤による洗浄後のすすぎ性向上剤としての用途
(IV-1)ソホロリピッドを有効成分とする、界面活性剤による洗浄後のすすぎ性向上剤。
(IV-2)界面活性剤が、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、および両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(IV-1)に記載するすすぎ性向上剤。
(IV-3)洗浄対象物が、皮膚、毛髪、衣服や寝装品などの繊維製品、野菜、果物、および食器や住居等の硬質表面からなる群から選択される少なくとも1つである(IV-1)または(IV-2)に記載するすすぎ性向上剤。
(IV-4)ソホロリピッドの、界面活性剤による洗浄後のすすぎ性向上剤としての使用。
【0016】
(V)ソホロリピッドを用いた、界面活性剤による洗浄後のすすぎ性向上方法
(V-1)ソホロリピッドを用いることを特徴とする、界面活性剤による洗浄後のすすぎ性向上方法。
(V-2)ソホロリピッドの存在下で、界面活性剤を含む洗浄剤で洗浄対象物を処理し、次いで水ですすぐ工程を有する(V-1)記載のすすぎ性向上方法。
(V-3)界面活性剤が、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、および両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(V-1)または(V-2)に記載するすすぎ性向上方法。
(V-4)洗浄対象物が、皮膚、毛髪、衣服や寝装品などの繊維製品、野菜、果物、および食器や住居等の硬質表面からなる群から選択される少なくとも1つである(V-1)乃至(V-3)のいずれかに記載のすすぎ性向上方法。
【0017】
なお、当該ソホロリピッドによる洗浄後のすすぎ性向上方法は、「界面活性剤による洗浄後のぬめり感を低減する方法」と言い換えることができる。
【0018】
(VI)ソホロリピッドの、界面活性剤による皮膚洗浄後のつっぱり感抑制剤としての用途
(VI-1)ソホロリピッドを有効成分とする、界面活性剤による皮膚洗浄後のつっぱり感抑制剤。
(VI-2)界面活性剤が、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、および両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(VI-1)に記載するつっぱり感抑制剤。
(VI-3)界面活性剤が脂肪酸石けんである、(VI-1)または(VI-2)に記載するつっぱり感抑制剤。
(VI-4)ソホロリピッドの、界面活性剤による皮膚洗浄後のつっぱり感抑制剤としての使用。
【0019】
(VII)ソホロリピッドを用いた、界面活性剤による皮膚洗浄後のつっぱり感抑制方法
(VII-1)ソホロリピッドを用いることを特徴とする、界面活性剤による皮膚洗浄後のつっぱり感抑制方法。
(VII-2)ソホロリピッドの存在下で、界面活性剤を含む洗浄剤で皮膚を洗浄する工程を有する(VI-1)記載するつっぱり感抑制方法。
(VII-3)界面活性剤が、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、および両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(VII-1)または(VII-2)に記載するつっぱり感抑制方法。
(VII-4)界面活性剤が脂肪酸石けんである、(VII-1)乃至(VII-3)のいずれかに記載のつっぱり感抑制方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明の組成物は、界面活性剤に加えてソホロリピッドを含むことによって、処理対象物に対する界面活性剤の吸着や残留が低減され、また処理後のすすぎ性が向上されているため、水で濯ぐことによってぬめり感が速やかに除去できるとともに、使用後の皮膚つっぱり感が少ないという効果を有している。
【0021】
また本発明によれば、ソホロリピッドの新規用途を提供することができる。具体的には、界面活性剤の処理対象物に対する吸着や吸着による残留を抑制するためのソホロリピッドの用途(吸着抑制剤、吸着抑制方法);界面活性剤による洗浄後のすすぎ性を向上して、洗浄対象物のぬめり感を低減するためのソホロリピッドの用途(すすぎ性向上剤、すすぎ性向上方法、ぬめり感低減剤、ぬめり感低減方法);および、界面活性剤による皮膚洗浄後のつっぱり感を抑制するためのソホロリピッドの用途(皮膚つっぱり感抑制剤、皮膚つっぱり感抑制方法)を提供することができる。
【0022】
すなわち、ソホロリピッドを界面活性剤と組み合わせて用いることにより、皮膚、毛髪、衣服類、野菜や果物等の食品、食器や住居等の硬質表面等への界面活性剤の吸着やそれによる残留を抑制し、すすぎ時のぬるつきを改善し、洗浄後の皮膚の突っ張り感を緩和することができる。さらに、野菜や果物や食器への界面活性剤残留を低減することによって食の安全性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明で用いるソホロリピッド(SL)は、キャンディダ属に属する微生物(例えば、Candida bombicola, C. apicola, C. petrophilum, C. bogoriensなど)の培養によって得られるものであって、ソホロースあるいはヒドロキシル基が一部アセチル化したソホロースと、ヒドロキシル脂肪酸とからなる糖脂質である(Canadian Journal of Chemistry, 39, 849(1961))。ここでソホロースとは、β1→2結合した2分子のブドウ糖からなる糖である。またヒドロキシ脂肪酸は、ヒドロキシル基を有する脂肪酸である。
【0024】
このようなソホロリピッドとしては、ヒドロキシ脂肪酸のカルボキシル基が遊離した酸型ソホロリピッドと分子内のソホロースが結合したラクトン型ソホロリピッドとに大別される。本発明で対象とするソホロリピッドには、このようなラクトン型ソホロリピッド、酸型ソホロリピッドおよび酸型ソホロリピッドの塩のいずれもが含まれる(下式1参照)。
【0025】
【化1】

【0026】
上記式中、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子(−H)又はアセチル基(−COCH)であり、nは通常11〜20、好ましくは13〜17、より好ましくは14〜16の整数であり、飽和脂肪族炭化水素鎖または二重結合を少なくとも1個有する不飽和脂肪族炭化水素鎖を構成している。
【0027】
なお、酸型ソホロリピッドの塩として、上記式ではナトリウム塩を例示しているが、これに限定されず、カリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩やカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;およびアンモニウム塩などを挙げることができる。
【0028】
なお、ソホロリピッドの調製は、具体的には、上記キャンディダ属に属する微生物を、高濃度の糖と油性基質とを同時に与えて培養することによって行うことができる。ソホロリピッドは、培地中に多量(100〜150g/L)に蓄積するため、次いで、かかる培地から、遠心分離、デカンテーション、酢酸エチル抽出などの方法で分離し、さらにヘキサンで洗浄することにより、茶褐色、飴状物質として得ることができる。なお、ソホロリピッドは、水より比重が大きいため、培養終了液を静置することで容易に下層に分離することができる。斯くしてソホロリピッドは、濃度約50重量%の含水物として調製することができる。ここでソホロリピッドは、酸型ソホロリピッドとラクトン型ソホロリピッドとの混合物として調製される。なお、かかるソホロリピッドは、さらに特開2003-9896号公報に記載する方法を用いることにより、ソホロリピッドを、夾雑固形物をほとんど含まない高濃度のソホロリピッド含水物として精製取得することができる。
【0029】
また酸型ソホロリピッドは、上記方法で得られる酸型ソホロリピッドとラクトン型ソホロリピッドとの混合物(ソホロリピッド含水物)をアルカリ処理して、ラクトン型ソホロリピッド中のエステル結合を加水分解することによって調製することができる。アルカリ処理としては、例えばアルカリ還流法を挙げることができ、その具体的方法は、例えば特開2006-070231号公報を参照することができる。
【0030】
本発明が対象とする界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、およびカチオン界面活性剤を挙げることができる。なお、これらの界面活性剤には糖脂質であるソホロリピッドは含まれない。
【0031】
具体的には、脂肪酸ナトリウムおよび脂肪酸カリウムなどの脂肪酸石けん、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、高級アルコールスルホコハク酸エステル塩、およびイセチオン酸ナトリウム、アシル化アミノ酸塩、アルキル硫酸塩などのアニオン界面活性剤;脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン型、多価アルコールエステル型、およびエチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体に代表されるノニオン界面活性剤;アミドベタイン型、アミドスルフォベタイン型、ベタイン型、およびスルフォベタイン型などの両性界面活性剤;ならびにモノアルキル第四級アンモニウム塩、ジアルキル第四級アンモニウム塩、アシルアミノアルキル第四級アンモニウム塩、アルキルエテノキシ第四級アンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、アシル塩基性アミノ酸アルキルエステル塩、ラウリルアミン塩酸塩等の第一級アミン塩、ジラウリルアミン酢酸塩等の第二級アミン塩または第三級アミン塩、脂肪酸アミドグアニジニウム塩、およびアルキルトリアルキレングリコールアンモニウム塩などのカチオン界面活性剤を挙げることができる。これらは、一種単独で使用してもよいし、また二種以上を組み合わせて使用することもできる。また、ここで用いられる塩としてはナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩;マグネシウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム塩等の有機アンモニウム塩を例示することができる。
【0032】
好ましくは、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−ラウロイル−L−アスパラギン酸ナトリウムやアシルメチルタウリン酸ナトリウムなどのアシル化アミノ酸塩、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドやヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド、およびラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩などのアニオン界面活性剤、ならびにヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインなどのアミドベタイン型両性界面活性剤を例示することができる。
【0033】
(I)ソホロリピッドを含有する組成物
本発明の組成物は、前述するソホロリピッドと界面活性剤を含むことを特徴とする。
【0034】
ここでソホロリピッドは、酸型およびラクトン型の別を問わないが、好ましくは酸型ソホロリピッドまたは酸型ソホロリピッドとラクトン型ソホロリピッドとの混合物である。また界面活性剤としては、前述するアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン界面活性剤を挙げることができるが、好ましくはアニオン界面活性剤である。
【0035】
組成物中に含まれる界面活性剤に対するソホロリピッドの割合として、界面活性剤1重量部に対してソホロリピッド0.005〜10重量部を挙げることができる。かかる割合でソホロリピッドを配合することにより、界面活性剤の適用対象物に対する吸着を有意に抑制することができる。
【0036】
界面活性剤1重量部に対するソホロリピッドの好ましい配合割合としては、0.05〜5重量部、より好ましくは0.2〜1重量部である。
【0037】
なお、上記配合比を満たす限りにおいて、本発明の組成物中に含まれるソホロリピッドおよび界面活性剤の割合は、特に制限されないが、組成物100重量%中に含まれるソホロリピッドの割合としては、通常0.001〜30重量%、好ましくは、0.1〜20重量%であり、より好ましくは1〜10重量%を挙げることができる。また組成物100重量%に含まれる界面活性剤の割合としては、通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%を挙げることができる。
【0038】
界面活性剤の吸着を抑制することができる対象物としては、皮膚、毛髪、野菜や果物などの食品、衣服や寝装品などの繊維製品、食器などの台所用品、テーブルなどの住居用品の硬表面、および医療機器や精密機器などの機材の硬表面を例示することができる。
【0039】
本発明の組成物は、上記対象物に適用されるものであればその用途を特に問わないが、例えば洗浄用組成物、柔軟剤組成物、毛髪処理用組成物、入浴剤用組成物、口腔用組成物などを挙げることができる。またその形態も特に制限されず、液状、固形、粉末状、顆粒状、フォーム状、乳液状、およびゲル状のいずれの形態を有していてもよい。
【0040】
本発明の組成物は、界面活性剤の適用対象物に対する吸着を抑制するというソホロリピッドの効果を損なわない範囲で、他の成分を含有することができる。かかる成分としては、抗酸化剤、抗菌剤、抗炎症剤、血行促進剤、美白剤、肌荒れ防止剤、老化防止剤、発毛促進剤、ホルモン剤、色素、タンパク質、脂質、ビタミン類、保湿剤、防腐剤、増粘剤、油剤、溶剤、香料、およびpH調整剤を例示することができる。
【0041】
(II)ソホロリピッドの、界面活性剤の吸着抑制剤としての用途
後述する実験例1および5に示すように、前述するソホロリピッドは、皮膚や野菜などに対する界面活性剤の吸着および残留を抑制する作用を有する。このため本発明は、ソホロリピッドの、界面活性剤の吸着抑制剤としての新規用途を提供する。
【0042】
ここでソホロリピッドは、酸型およびラクトン型の別を問わないが、好ましくは酸型ソホロリピッドまたは酸型ソホロリピッドとラクトン型ソホロリピッドとの混合物である。また界面活性剤としては、前述するアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン界面活性剤を挙げることができるが、好ましくはアニオン界面活性剤である。
【0043】
吸着抑制対象物としては、特に制限されないが、実験例1および5に示す皮膚や野菜のほか、毛髪、果物等の食品、衣服や寝装品などの繊維製品、食器などの台所用品、テーブルなどの住居用品の硬表面、および医療機器や精密機器などの機材の硬表面を例示することができる。
【0044】
本発明の吸着抑制剤は、ソホロリピッド100重量%からなるものであってもよいし、他成分として防腐剤、溶剤、香料またはpH調整剤などを含むものであってもよい。他成分を含む場合、ソホロリピッドは吸着抑制剤中に10重量%以上100重量%未満の範囲で含まれるように調整することが好ましい。
【0045】
本発明の吸着抑制剤は、上記界面活性剤を含む、例えば洗浄剤などと組み合わせて用いられ、斯くして洗浄剤など中に含まれる界面活性剤の上記対象物への吸着を抑制することができる。組み合わせる態様としては、好適には洗浄剤中での界面活性剤との混合を挙げることができる。ソホロリピッドと界面活性剤とを併用する割合としては、界面活性剤(総量)1重量部に対して、ソホロリピッド0.005〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは0.2〜1重量部の割合を挙げることができる。
【0046】
なお、本発明の吸着抑制剤と界面活性剤を併用して洗浄剤を調整する場合、洗浄剤100重量%中に配合する吸着抑制剤の割合は、ソホロリピッドの量に換算して0.001〜30重量%となるような範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜20重量%であり、最も好ましくは1〜10重量%である。この場合、洗浄剤100重量%に含まれる界面活性剤の配合割合としては通常0.1〜50重量%を挙げることができる。好ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
【0047】
(III)ソホロリピッドを用いた、界面活性剤の吸着抑制方法
また本発明は、ソホロリピッドを用いることを特徴とする、界面活性剤の吸着抑制方法を提供する。当該方法は、ソホロリピッドの存在下で、界面活性剤を含む洗浄剤で洗浄対象物を処理することによって行うことができる。ここでソホロリピッド、および界面活性剤は(I)で説明した通りであり、また洗浄対象物としては、(I)で説明した吸着抑制対象物を同様に挙げることができる。
【0048】
ソホロリピッドの存在下で界面活性剤を含む洗浄剤で洗浄対象物を処理する態様としては、洗浄対象物を、界面活性剤を含む洗浄剤で洗浄する前に、予めソホロリピッドで処理する方法も挙げることができるが、好ましくは界面活性剤とともにソホロリピッドを含む洗浄剤で洗浄対象物を処理する方法である。
【0049】
この場合に使用されるソホロリピッドの量としては、界面活性剤に対する割合として、前述するように界面活性剤(総量)1重量部に対して、ソホロリピッド0.005〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは0.2〜1重量部の割合を挙げることができる。また、ソホロリピッドと界面活性剤を併用して洗浄剤を調整する場合、洗浄剤100重量%中にソホロリピッドが0.001〜30重量%となるように、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%となるように調整することが望ましい。またこの場合、洗浄剤100重量%に含まれる界面活性剤の配合割合としては通常0.1〜50重量%を挙げることができる。好ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
【0050】
(IV)ソホロリピッドの、界面活性剤による洗浄後のすすぎ性向上剤としての用途
後述する実験例2および3に示すように、前述するソホロリピッドは、界面活性剤の泡立ち性や洗浄力を損なうことなく、すすぎ性を向上して界面活性剤の残留によるぬめり感を速やかに除去する作用を有する。このため本発明は、ソホロリピッドの、界面活性剤による洗浄後におけるすすぎ性を向上するための剤(すすぎ性向上剤)またはぬめり感を低減するための剤(ぬめり感低減剤)としての新規用途を提供する。
【0051】
ここでソホロリピッドは、酸型およびラクトン型の別を問わないが、好ましくは酸型ソホロリピッドまたは酸型ソホロリピッドとラクトン型ソホロリピッドとの混合物である。また界面活性剤としては、前述するアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン界面活性剤を挙げることができるが、好ましくはアニオン界面活性剤である。
【0052】
洗浄対象物としては、特に制限されないが、実験例2や3に示す皮膚のほか、毛髪、野菜や果物などの食品、衣服や寝装品などの繊維製品、食器などの台所用品、テーブルなどの住居用品の硬表面、および医療機器や精密機器などの機材の硬表面を例示することができる。
【0053】
本発明のすすぎ性向上剤またはぬめり感低減剤は、ソホロリピッド100重量%からなるものであってもよいし、他成分として防腐剤、溶剤、香料またはpH調整剤などを含むものであってもよい。他成分を含む場合、ソホロリピッドはすすぎ性向上剤またはぬめり感低減剤中に10重量%以上100重量%未満の範囲で含まれるように調整することが好ましい。
【0054】
本発明のすすぎ性向上剤またはぬめり感低減剤は、上記界面活性剤を含む、例えば洗浄剤などと組み合わせて用いられ、斯くして洗浄剤による洗浄後のすすぎ性を向上させ、また界面活性剤の残留によるぬめり感を速やかに除去することができる。組み合わせる態様としては、好適には洗浄剤中での界面活性剤との混合を挙げることができる。ソホロリピッドと界面活性剤とを併用する割合としては、界面活性剤(総量)1重量部に対して、ソホロリピッド0.005〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは0.2〜1重量部の割合を挙げることができる。
【0055】
なお、本発明のすすぎ性向上剤またはぬめり感低減剤と界面活性剤を併用して洗浄剤を調整する場合、洗浄剤100重量%中に配合するすすぎ性向上剤またはぬめり感低減剤の割合は、ソホロリピッドの量に換算して0.001〜30重量%となるような範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜20重量%であり、最も好ましくは1〜10重量%である。この場合、洗浄剤100重量%に含まれる界面活性剤の配合割合としては通常0.1〜50重量%を挙げることができる。好ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
【0056】
(V)ソホロリピッドを用いた、界面活性剤による洗浄後のすすぎ性向上方法
また本発明は、ソホロリピッドを用いることを特徴とする、界面活性剤による洗浄後のすすぎ性向上方法を提供する。当該方法は、ソホロリピッドの存在下で、界面活性剤を含む洗浄剤で洗浄対象物を処理し、次いで水ですすぐ(洗浄する)ことによって行うことができる。ここでソホロリピッド、および界面活性剤は(I)で説明した通りであり、また洗浄対象物としては、(I)で説明した吸着抑制対象物を同様に挙げることができる。
【0057】
ソホロリピッドの存在下で界面活性剤を含む洗浄剤で洗浄対象物を処理する態様としては、洗浄対象物を、界面活性剤を含む洗浄剤で洗浄する前に、予めソホロリピッドで処理する方法も挙げることができるが、好ましくは界面活性剤とともにソホロリピッドを含む洗浄剤で洗浄対象物を処理する方法である。
【0058】
この場合に使用されるソホロリピッドの量としては、界面活性剤に対する割合として、前述するように界面活性剤(総量)1重量部に対して、ソホロリピッド0.005〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは0.2〜1重量部の割合を挙げることができる。また、ソホロリピッドと界面活性剤を併用して洗浄剤を調整する場合、洗浄剤100重量%中にソホロリピッドが0.001〜30重量%となるように、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%となるように調整することが望ましい。またこの場合、洗浄剤100重量%に含まれる界面活性剤の配合割合としては通常0.1〜50重量%を挙げることができる。好ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
【0059】
(VI)ソホロリピッドの、界面活性剤による皮膚洗浄後のつっぱり感抑制剤としての用途
後述する実験例4、ならびに実験例2〜3に示すように、前述するソホロリピッドは、界面活性剤の泡立ち性や洗浄力を損なうことなく、皮膚洗浄後のつっぱり感を抑制し低減する作用を有する。このため本発明は、ソホロリピッドの、界面活性剤による皮膚洗浄後におけるつっぱり感を抑制低減するための剤(つっぱり感抑制剤)としての新規用途を提供する。なお、当該ソホロリピッドは、実験例6に示すように細胞毒性が低いため、比較的敏感肌であっても日常的に使用することが可能と考えられる。
【0060】
ここでソホロリピッドは、酸型およびラクトン型の別を問わないが、好ましくは酸型ソホロリピッドまたは酸型ソホロリピッドとラクトン型ソホロリピッドとの混合物である。また界面活性剤としては、前述するアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン界面活性剤を挙げることができるが、好ましくはアニオン界面活性剤である。
【0061】
本発明のつっぱり感抑制剤は、ソホロリピッド100重量%からなるものであってもよいし、他成分として防腐剤、溶剤、香料またはpH調整剤などを含むものであってもよい。他成分を含む場合、ソホロリピッドはつっぱり感抑制剤中に10重量%以上100重量%未満の範囲で含まれるように調整することが好ましい。
【0062】
本発明のつっぱり感抑制剤は、上記界面活性剤を含む、例えば洗浄料(石けん、ボディシャンプー、手足洗浄料、および洗顔料など)などと組み合わせて用いられ、斯くして洗浄料による洗浄後における皮膚つっぱり感を抑制することができる。組み合わせる態様としては、好適には洗浄料中での界面活性剤との混合を挙げることができる。ソホロリピッドと界面活性剤とを併用する割合としては、界面活性剤(総量)1重量部に対して、ソホロリピッド0.005〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは0.2〜1重量部の割合を挙げることができる。
【0063】
なお、本発明のつっぱり感抑制剤と界面活性剤を併用して洗浄料を調整する場合、洗浄料100重量%中に配合するつっぱり感抑制剤の割合は、ソホロリピッドの量に換算して0.001〜30重量%となるような範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜20重量%であり、最も好ましくは1〜10重量%である。この場合、洗浄料100重量%に含まれる界面活性剤の配合割合としては通常0.1〜50重量%を挙げることができる。好ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
【0064】
(VII)ソホロリピッドを用いた、界面活性剤による皮膚洗浄後のつっぱり感抑制方法
また本発明は、ソホロリピッドを用いることを特徴とする、界面活性剤による皮膚洗浄後のつっぱり感抑制方法を提供する。当該方法は、ソホロリピッドの存在下で、界面活性剤を含む洗浄料(石けん、ボディシャンプー、手足洗浄料、および洗顔料など)で皮膚(手足、顔、身体)を処理し、次いで水ですすぐ(洗浄する)ことによって行うことができる。ここでソホロリピッド、および界面活性剤は(I)で説明した通りである。
【0065】
ソホロリピッドの存在下で界面活性剤を含む洗浄料で皮膚を処理する態様としては、皮膚を、界面活性剤を含む洗浄料で洗浄する前に、予めソホロリピッドで処理する方法も挙げることができるが、好ましくは界面活性剤とともにソホロリピッドを含む洗浄料で皮膚を洗浄する方法である。
【0066】
この場合に使用されるソホロリピッドの量としては、界面活性剤に対する割合として、前述するように界面活性剤(総量)1重量部に対して、ソホロリピッド0.005〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは0.2〜1重量部の割合を挙げることができる。また、ソホロリピッドと界面活性剤を併用して洗浄料を調整する場合、洗浄剤100重量%中にソホロリピッドが0.001〜30重量%となるように、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%となるように調整することが望ましい。またこの場合、洗浄料100重量%に含まれる界面活性剤の配合割合としては通常0.1〜50重量%を挙げることができる。好ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
【実施例】
【0067】
以下、実験例および実施例に基づいて本発明を詳説する。但し、本発明はこれらの実験例および実施例に、なんら限定されるものではない。
【0068】
調製例1 ソホロリピッドの調製
特開平2003−009896号公報に記載の方法に従ってソホロリピッドを調製した。具体的には、通常、グルコース80〜120g、植物性油脂80〜120g、酵母エキス1〜5g、尿素0.5〜2g、リン酸一カリウム5〜15g、硫酸マグネシウム7水和物5〜15g、塩化ナトリウム0.5〜2gに全量1Lになるように水を加え、発酵槽に入れ、発酵液とした。この発酵液に、同上の組成をもつ培地で30℃、48時間回転振動培養して得たCandida bombicola ATCC22214株の菌体液を接種し、温度30℃、攪拌数250〜600rpm、通気量0.5〜1L/minの条件下で発酵を開始した。培養開始4〜12日目後に発酵を停止させ、発酵槽から取り出した培養液を遠心分離し、培養液と菌体とを分離した。得られた培養液を等量のn−ヘキサンを添加し、ヘキサン層を回収した。n−ヘキサンを揮発除去し、残留物であるソホロリピッドの重量を測定した。培養液重量の約0.1%のソホロリピッド(酸型ソホロリピッド:ラクトン型ソホロリピッド=7:3(重量比))を得た。
【0069】
調製例2 酸型ソホロリピッドの調製
調製例1で得られたソホロリピッド(酸型ソホロリピッド:ラクトン型ソホロリピッド=7:3(重量比))に、けん化当量の水酸化ナトリウム水溶液(ソホロリピッドの約5分の1)を添加混合し、80℃で2時間加熱後、冷却する。次いで硫酸水溶液でpH7.0〜8.0に調整し、酸型ソホロリピッドを得た。
【0070】
実験例1 界面活性剤の皮膚への吸着残留試験
表1および表2に示す組成からなる組成物(基準例1〜2、実施例1〜10、比較例1〜9)を調製し、界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリム、ヤシ油脂肪酸、N-ラウロイル-L-アスパラギン酸ナトリム、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド)の皮膚への吸着残留量を調べた。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】

【0073】
(1)調製方法
(1-1) 比較例1
水にポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリムを添加し、クエン酸で弱酸性〜中性に調整する。
【0074】
(1-2) 比較例2〜5
水に水酸化カリウムを加え、ヤシ油脂肪酸を添加し、90℃に加熱する。冷却後、順番は特に限定せず、その他の成分を順次加える。
【0075】
(1-3) 比較例6〜9
特に順番なく、水に各成分を添加し、最後にクエン酸で弱酸性〜中性に調整する。
【0076】
(1-4) 実施例1〜4
水にポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリムを添加してから、ソホロリピッドを加え、クエン酸で弱酸性〜中性に調整する。
【0077】
(1-5) 実施例5および7〜9
水にグリセリンを加えてから、順番は特に限定せず、ソホロリピッドを含む他の成分を添加し、最後にクエン酸で弱酸性〜中性に調整する。
【0078】
(1-6) 実施例6および10
水に水酸化カリウムを加え、ヤシ油脂肪酸を添加し、90℃に加熱する。冷却後、順番は特に限定せず、ソホロリピッドを含むその他の成分を順次に加える。
【0079】
(2)界面活性剤の皮膚への吸着残留試験(その1)
上記で調製した表1に示す組成物(基準例1、比較例1および実施例1〜4)について、界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリム)の吸着残留試験を行った。試験は、非糖脂質系界面活性剤が吸着した皮膚にはインジゴカルミンが吸着染色しないという性質を利用した試験方法を採用して行った(非特許文献1参照)。具体的には、まず、ブタ皮片(1cm×2cm)を各組成物(基準例1、比較例1および実施例1〜4)に15秒間浸漬し、次いで水道水で15秒濯いだ。その後、ブタ皮片を1%のインジゴカルミン(キシダ化学(株))水溶液で15秒間染色し、温水で洗い落とした。次いで、得られたブタ皮片の染色度(色度:Lab値)を、色差計CR-300(ミノルタ(株))を用いて測定し、下式により界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリム)の吸着残存率(%)を求めた。
【0080】
【数1】

【0081】
結果を図1に示す。比較例1と実施例1〜4の界面活性剤の吸着残存率(%)から、界面活性剤にソホロリピッドを併用することにより、濃度依存的に、界面活性剤であるポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリムの皮膚への吸着および残留が低下することが判明した(図1)。
【0082】
(3)界面活性剤の皮膚への吸着残留試験(その2)
上記で調製した表2に示す組成物(基準例2、比較例2〜9および実施例5〜10)について、上記(1)の方法と同様にして、界面活性剤の吸着残留試験を行い、ブタ皮片の染色度(色度:Lab値)から、下式により界面活性剤の吸着残存率(%)を求めた。
【0083】
【数2】

【0084】
結果を図2に示す。図2に示すように、界面活性剤(ヤシ油脂肪酸、N-ラウロイル-L-アスパラギン酸ナトリム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリム、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド)にソホロリピッドを併用した組成物(実施例5〜10)は、いずれも界面活性剤の吸着残存率が、ソホロリピッドを併用しない場合(比較例2〜9)よりも低かった。このことからソホロリピッドを非糖脂質系界面活性剤と併用することにより、当該界面活性剤の皮膚への吸着および残留が低下することがわかった。
【0085】
実験例2 すすぎ性および泡立ちの評価
表3に記載する組成からなる組成物(実施例11〜13、比較例10)について、すすぎ性と泡立ちについて評価を行った。
【0086】
【表3】

【0087】
(1)調製方法
(1-1)比較例10
水にグリセリンを加えてから、界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリム)を添加し、クエン酸で弱酸性〜中性に調整する。
【0088】
(1-2)実施例11〜13
水にグリセリンを加えてから、界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリム)およびソホロリピッドを添加し、クエン酸で弱酸性〜中性に調整する。
【0089】
(2)泡立ちとすすぎ性の評価試験
8名の専門パネラーに、表3に記載する各組成物(比較例10、実施例11〜13)を用いて手洗いをしてもらい、泡立ちとすすぎ性について評価してもらった。なお、泡立ちは、表4に記載する4段階(かなり泡立つ、泡立つ、やや泡立つ、泡立たない)で、またすすぎ性は、表5に記載する2段階(ぬめりを感じる、ぬめりを感じない)でそれぞれ評価した。
【0090】
泡立ち試験の結果を表4に、すすぎ性試験の結果を表5に記載する。
【0091】
(a)泡立ち評価結果
【0092】
【表4】

【0093】
この結果から、ソホロリピッドが、非糖脂質系界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)による泡立ち性に全く影響しないことがわかった。
【0094】
(b)すすぎ性評価結果
【0095】
【表5】

【0096】
ソホロリピッドを配合しない比較例10の組成物では、ぬめりを感じる者が6名もいたのに対して、ソホロリピッドを配合した実施例11〜13の組成物では、ぬめりを感じる者が少なくなっていた。
【0097】
これらのことから、ソホロリピッドには、非糖脂質系界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)による泡立ち性を損なうことなく、そのぬめりを解消し、すすぎ性を向上させる効果があることがわかる。
【0098】
実験例3
表6に記載する組成からなる組成物(比較例11〜12、実施例14〜16)を調製し、実験例2の方法に従って、泡立ちとすすぎ性の評価を行った。
【0099】
【表6】

【0100】
(1)調製方法
(1-1)比較例11および12
水にグリセリンを加え、順番は特に限定せず、クエン酸以外のその他の成分を添加する。最後にクエン酸で弱酸性〜中性に調整する。
【0101】
(1-2)実施例14〜16
水にグリセリンを加え、順番は特に限定せず、クエン酸以外のソホロリピッドを含むその他の成分を添加する。最後にクエン酸で弱酸性〜中性に調整する。
【0102】
(2)泡立ちおよびすすぎ性の評価
8名の専門パネラーに各組成物(比較例11〜12,実施例14および16)を用いて手洗いをしてもらい、泡立ち性およびすすぎ性(ぬめりの有無)について、実験例2と同様の方法によって、評価してもらった(比較例12については泡立ち性のみ)。泡立ち試験の結果を表7に、すすぎ性試験の結果を表8に記載する。
【0103】
(a)泡立ち評価
【0104】
【表7】

【0105】
この結果から、ソホロリピッドが、界面活性剤(N−ラウロイル-L-アスパラギン酸ナトリウム)による泡立ち性に全く影響しないことがわかった。
【0106】
(b)すすぎ性評価
【0107】
【表8】

【0108】
実施例14および16の組成物は、ソホロリピッドを配合しない比較例11の組成物よりも顕著にぬめり感が少なかった。またその効果はソホロリピッドの配合割合が多いほど高かった。また、実施例14および16の組成物は、比較的ぬめり感が少なく、すすぎ性に優れていることを特徴とする界面活性剤であるエーテルカルボン酸塩(ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム)(特許文献7参照)を添加した組成物(比較例12)よりもぬめり感が少なかった。このことから、実験例2と同様に、ソホロリピッドには、非糖脂質系界面活性剤(N-ラウロイル-L-アスパラギン酸ナトリウム)による泡立ち性を損なうことなく、当該界面活性剤によるぬめりを解消し、すすぎ性を向上させる効果があることがわかる。
【0109】
実験例4 皮膚つっぱり感の評価
表9に記載する組成からなる組成物(比較例13〜14、実施例17〜19)を調製し、皮膚つっぱり感を評価した。
【0110】
【表9】

【0111】
(1)調製方法
(1-1)比較例13および14
水に水酸化カリウムを加え、ヤシ油脂肪酸を添加し、90℃に加熱する。冷却後、順番は特に限定せず、その他の成分を順次に加える。
【0112】
(1-2)実施例17〜19
水に水酸化カリウムを加え、ヤシ油脂肪酸を添加し、90℃に加熱する。冷却後、順番は特に限定せず、ソホロリピッドを含むその他の成分を順次に加える。
【0113】
(2)皮膚つっぱり感の評価
5名の被験者に、洗顔剤として比較例13と14および実施例19の組成物を2週間ずつ使用して、洗顔後の皮膚のつっぱり感について評価をしてもらった。評価は、各組成物について、表10に記載する3段階(つっぱり感を感じない、感じるが気にならない、感じて気になる)で評価した(絶対評価)。また、相対評価として、比較例13と実施例19の組成物についてつっぱり感を対比してもらい、つっぱり感を感じない方を選択してもらった。
【0114】
結果を表10に示す。
【0115】
【表10】

【0116】
この結果からわかるように、比較例13の組成物を洗顔剤として使用した場合、つっぱりを感じなかった被験者の人数は1名であったのに対し、実施例19の組成物では3名と、つっぱりを感じない被験者の数が増加した。この数は、脂肪酸アルカノールアミド(特許文献4参照)を配合した比較例14の組成物について、つっぱりを感じない被験者の数よりも多かった。また、比較例13の組成物との相対比較において、実施例19の組成物は、5名中4名がつっぱりを感じなかった。また、表10には記載しないものの、比較例13の組成物では皮膚に刺激を感じた被験者が1名いたが、実施例19の組成物ではそういった被験者はいなかった。
【0117】
上記のことから、非糖脂質系界面活性剤(ヤシ油脂肪酸)にソホロリピッドを併用することによって、脂肪酸石けんの皮膚のつっぱり感や刺激感を緩和することができた。またこのことから、化粧のりも改善することができると予想された。
【0118】
実験例5
表11に記載する組成からなる組成物(比較例15、実施例20〜22)を調製し、吸着残留試験を行い、野菜に対する非糖脂質系界面活性剤の吸着残留量を調べた。
【0119】
【表11】

【0120】
(1)調製方法
(1-1)比較例15
順番は特に限定せず、水にクエン酸以外の成分を添加する。最後にクエン酸で弱酸性〜中性に調整する。
【0121】
(1-2)実施例20〜22
順番は特に限定せず、水にクエン酸以外のソホロリピッドを含むその他の成分を添加する。最後にクエン酸で弱酸性〜中性に調整する。
【0122】
(2)界面活性剤の野菜への吸着残留試験
各組成物(比較例15,実施例20〜22)に3cm×4cmの大根の皮を5分間浸漬した。浸漬後、15秒濯ぎと30秒濯ぎをそれぞれ行い、軽く水をきってからメチレンブルー溶液中にて染色した。その後、5mLのエタノール溶液中にて色素を抽出し、濾過後、濾液の吸光度を650nmで測定し、吸光度より、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリムの量を求めた。具体的には1重量%のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリムの吸光度は0.386であることから、これもとに、測定した吸光度からポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリム相当量を換算した。得られたポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムの量から、下式に基づいて単位面積あたりの吸着量を算出した。
【0123】
【数3】

【0124】
結果を図3に示す。図3に示すように、ソホロリピッドを添加した組成物(実施例20〜22)はいずれも未添加の比較例15の組成物よりも界面活性剤の吸着量(残留量)が低く、界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)にソホロリピッドを併用することにより、野菜への界面活性剤の吸着ならびに残留を低減することができることが判明した。
【0125】
実験例6
下記に記載する各種の界面活性剤(0.0005〜0.01重量%)について表皮細胞毒性試験を行った。
【0126】
(1)界面活性剤
ソホロリピッド
ラウリル硫酸ナトリウム
ポリオキシエチレンラウリルエーテル
ショ糖脂肪酸エステル
アシル(ヤシ)メチルタウリン酸ナトリウム
カプロイルメチルタウリン酸ナトリウム
ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン
(2)表皮細胞毒性試験
正常表皮角化細胞(クラボウ)を96ウエルプレートに2×10cells/wellの濃度で播種し、HuMedia-KG2培地(クラボウ)で72hr培養した。界面活性剤入り培地に交換し、48hr後、1mg/mL MTT〔3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)2,5-ジフェニルテトラゾリンブロマイド〕入り培地に交換した。3hr処理し、イソプロパノールで色素であるホルマザンを抽出し、570nmの吸光度を測定した。細胞残存率は下式で求めた。
【0127】
【数4】

【0128】
各種界面活性剤の各濃度で処理した細胞の残存率を図4に示す。図4に示すように、ソホロリピッド(―▲―)は、アミノ酸系界面活性剤であるカプロイルメチルタウリン酸ナトリム(---△---)と同様に細胞毒性が低く、低刺激性であることが判明した。
【0129】
上記のことから、ソホロリピッドは細胞毒性が低く、敏感肌にも日常的に連続使用することが可能と考えられる。また、非糖脂質系界面活性剤の皮膚への吸着および残存・蓄積を低減することができ、しかも当該界面活性剤の泡立ちを損なうことなく、すすぎ時の皮膚のぬるつきを改善し(すすぎ性の向上)、また皮膚のつっぱり感を緩和することができる。さらに、ソホロリピッドは、野菜や果物などへの界面活性剤の吸着および残留を低減することができる。このため、野菜や果物等の食品、住居や台所等の硬表面への界面活性剤残留を低減するために、工業分野、化粧品及び食品および医薬品分野において広く用いることが可能である。
【0130】
処方例1 洗顔料
下記に示す組成からなる洗顔料を作成した。
(処方)
ラウリン酸*3 4.5(質量%)
ミリスチン酸*3 19.0
パルミチン酸*3 0.5
ステアリン酸*3 0.5
水酸化カリウム 5.6
ソホロリピッド 10.0
グリセリン 5.0
精製水 残 量
防腐剤 適 量
合 計 100.0
*3:旭化成(株)製。
【0131】
実施例24 ボディシャンプー
下記に示す処方からなるボディシャンプーを作成した。
(処方)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 11.0(質量%)
アシル(ヤシ)メチルタウリン酸ナトリム*3 1.2
カプロイルメチルタウリン酸ナトリム*3 2.0
ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド*5 6.0
ソホロリピッド 5.0
カチオン化グァガム 0.02
グリシン 0.25
へキシレングリコール 3.0
グリチルレチン酸 0.01
グリセリン 5.0
pH調整剤 適 量
精製水 残 量
防腐剤 適 量
合 計 100.0
*3:旭化成(株)製
*5:花王(株)。
【0132】
実施例25 シャンプー
下記に示す処方からなるシャンプーを作成した。
(処方)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 7.6(質量%)
ラウリン酸アミドプロピルベタイン*6 9.5
ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリム*7 0.15
ソホロリピッド 2.5
カチオン化グァガム 0.1
ヒドロキシエチルセルロース 0.2
グリシン 2.0
へキシレングリコール 3.0
ポリプロピレングリコール 0.5
グリチルレチン酸 0.01
グリセリン 5.0
pH調整剤 適 量
精製水 残 量
防腐剤 適 量
*6:三洋化成工業(株)
*7:川研ファインケミカル(株)。
【0133】
実施例26 ハンドソープ
下記に示す組成を用いてハンドソープを作成した。
(処方)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 10.0(質量%)
ポリオキシエチレン(2)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド*7 2.0
ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド 2.0
ソホロリピッド 1.0
ヒドロキシプロピレンセルロース 0.5
アラントイン 0.1
へキシレングリコール 3.0
グリセリン 3.0
pH調整剤 適 量
精製水 残 量
防腐剤 適 量
*7:川研ファインケミカル(株)。
【0134】
実施例27 台所用洗剤
下記に示す組成を用いて台所用洗剤を作成した。
(成分)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 12.75(質量%)
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.75
ソホロリピッド 2.5
pH調整剤 適 量
精製水 残 量
防腐剤 適 量
【0135】
以上の実施例23〜27で得られた洗浄剤組成物はいずれも、起泡性、泡質、すすぎ性、低刺激性、洗い上がりのしっとり感、洗浄性及び経時安定性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】アニオン系界面活性剤の皮膚残留を評価した図である。
【図2】他種界面活性剤の皮膚残留を評価した図である。
【図3】界面活性剤の野菜残留を評価した図である。
【図4】細胞毒性を評価した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソホロリピッドおよび界面活性剤を含む組成物。
【請求項2】
界面活性剤1重量部に対してソホロリピッドを0.005〜10重量部の割合で含む請求項1に記載する組成物。
【請求項3】
ソホロリピッドを有効成分とする、界面活性剤の吸着抑制剤。
【請求項4】
ソホロリピッドを用いることを特徴とする、界面活性剤の吸着抑制方法。
【請求項5】
ソホロリピッドを有効成分とする、界面活性剤による洗浄後のすすぎ性向上剤。
【請求項6】
ソホロリピッドを用いることを特徴とする、界面活性剤による洗浄後のすすぎ性向上方法。
【請求項7】
ソホロリピッドを有効成分とする、界面活性剤による皮膚洗浄後のつっぱり感抑制剤。
【請求項8】
ソホロリピッドを用いることを特徴とする、界面活性剤による皮膚洗浄後のつっぱり感抑制方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−275145(P2009−275145A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128809(P2008−128809)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(000106106)サラヤ株式会社 (44)
【Fターム(参考)】