説明

ソマトスタチンアゴニスト

【課題】新規なソマトスタチンアゴニスト作用を誘発する化合物を提供する。
【解決手段】ソマトスタチンアゴニスト作用を誘発する環状のペプチド:D-b-Nal-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2などのペプチド、ならびに該ペプチドを含む医薬組成物。該ペプチドは、各アミドペプチド結合およびN−末端アミノ酸のアミノ基のアミン窒素はメチル基で置換されていてもよく、ただしそのようなメチル基が化合物中に少なくとも1つある。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
Brazeauらが発見したテトラデカペプチドであるソマトスタチン(SRIF)は、下垂体、膵臓および消化管などの組織において種々の分泌プロセスに対する有効な抑制作用をもつことが示された。SRIFは、中枢神経系において神経調節物質としても作用する。SRIFがもつこれらの生物学的作用はすべて抑制性であり、一連のGタンパク質共役型受容体により誘発される。受容体について5つの異なるサブタイプが解明されている(SSTR−1〜SSTR−5)。これら5つのサブタイプは内因性SRIFリガンドに対して類似の親和性をもつが、種々の組織における分布が異なる。ソマトスタチンはこれら5つの異なる受容体(SSTR)サブタイプに比較的高い親和性で結合し、各サブタイプに対する親和性は等しい。SRIFは、ホルモン放出、たとえば成長ホルモン、グルカゴン、インスリン、アミリンおよび神経伝達物質の放出の調節を含めた、多様な作用を生じる。これらの作用のうち幾つかには、特異的SRIF受容体への結合が関連する。たとえば成長ホルモンの抑制はタイプ−2受容体(”SSTR−2”)によるものであり(Raynor, et al., Molecular Pharmacol. 43: 838 (1993); Lloyd, et al., Am. J. Physiol. 268: G102 (1995))、一方、インスリンの抑制はソマトスタチンタイプ−5受容体(”SSTR−5”)による(Coy, et al. 197:366-371 (1993))。成長ホルモンの抑制、より具体的にはGH分泌性腺腫(末端肥大症)およびTSH分泌性腺腫の抑制には、タイプ2と5の活性化が関連する。プロラクチン分泌性腺腫の治療には、タイプ5ではなくタイプ2の活性化が関連する。
【0002】
当業者に周知のように、SRIFおよびその類似体は多種多様な疾病および/または症状の処置に有用である。そのような疾病および/または症状のリストには下記のものが含まれるが、これらは例示であって、限定ではない:クッシング症候群 (参照:Clark, R. V. et al, Clin. Res. 38, p. 943A, 1990);ゴナドトロピン産生腫瘍 (参照:Ambrosi B., et al., Acta Endocr. (Copenh.) 122, 569-576, 1990);副甲状腺機能亢進症(参照:Miller, D., et al., Canad. Med. Ass. J., Vol. 145, pp. 227-228, 1991);ページェット病(参照:Palmieri, G. M. A., et al., J. of Bone and Mineral Research, 7, (Suppl. 1), p. S240 (Abs. 591), 1992);VIP産生腫瘍 (参照:Koberstein, B., et al., Z. Gastroenterology, 28, 295-301, 1990 および Christensen, C., Acta Chir. Scand. 155, 541-543, 1989);膵島細胞症およびインスリン過剰症(参照:Laron, Z., Israel J. Med. Sci., 26, No. 1, 1-2, 1990;Wilson, D. C., Irish J. Med. Sci., 158, No. 1, 31-32, 1989;および Micic, D., et al., Digestion, 16, Suppl. 1.70. Abs. 193, 1990);ガストリン産生腫瘍 (参照:Bauer, F. E., et al., Europ. J. Pharmacol., 183, 55 1990);ゾリンジャー-エリソン症候群 (参照:Mozell, E., et al., Surg. Gynec. Obstet., 170, 476-484, 1990);エイズその他の症状に関連する分泌過多性下痢 (エイズによるもの:参照:Cello, J. P., et al., Gastroenterology, 98, No. 5, Part 2, Suppl., A163 1990;ガストリン放出ペプチド過多によるもの:参照:Alhindawi, R., et al., Can. J. Surg., 33, 139-142, 1990;腸移植片対宿主疾患に伴うもの:参照: Bianco J. A., et al., Transplantation, 49, 1194-1195, 1990;化学療法関連の下痢:参照:Petrelli, N., et al., Proc. Amer. Soc. Clin. Oncol., Vol. 10, P 138, Abstr. No. 417 1991);過敏性腸症候群 (参照:O'Donnell, L. J. D., et al., Aliment. Pharmacol. Therap., Vol. 4., 177-181, 1990);膵炎 (参照:Tulassay, Z., et al., Gastroenterology, 98, No. 5, Part 2, Suppl., A238, 1990);クローン病 (参照:Fedorak, R. N., et al., Can. J. Gastroenterology, 3, No. 2, 53-57, 1989);全身性硬化症 (参照:Soudah, H., et al., Gastroenterology, 98, No. 5, Part 2, Suppl., A129, 1990);甲状腺癌 (参照:Modigliani, E., et al., Ann., Endocr. (Paris), 50, 483-488, 1989);乾癬 (参照:Camisa, C., et al., Cleveland Clinic J. Med., 57 No. 1, 71-76, 1990);低血圧症 (参照:Hoeldtke, R. D., et al., Arch. Phys. Med. Rehabil., 69, 895-898, 1988 および Kooner, J. S., et al., Brit. J. Clin. Pharmacol., 28, 735P-736P, 1989); パニック発作 (参照:Abelson, J. L., et al., Clin. Psychopharmacol., 10, 128-132, 1990); 硬腫(sclerodoma)(参照:Soudah, H., et al., Clin. Res., Vol. 39, p. 303A, 1991); 小腸閉塞 (参照:Nott, D. M., et al., Brit. J. Surg., Vol. 77, p. A691, 1990); 胃食道逆流症 (参照:Branch, M. S., et al., Gastroenterology, Vol. 100, No. 5, Part 2 Suppl., p. A425, 1991); 十二指腸胃逆流症 (参照:Hasler, W., et al., Gastroenterology, Vol. 100, No. 5, Part 2, Suppl., p. A448, 1991); グレーブズ病 (参照:Chang, T. C., et al., Brit. Med. J., 304, p. 158, 1992); 多嚢胞性卵巣 (参照:Prelevic, G. M., et al., Metabolism Clinical and Experimental, 41, Suppl. 2, pp 76-79, 1992); 上部消化管出血 (参照:Jenkins, S. A., et al., Gut., 33, pp. 404-407, 1992 および Arrigoni, A., et al., American Journal of Gastroenterology, 87, p. 1311, (abs. 275), 1992); 膵仮性嚢胞および腹水 (参照:Hartley, J. E., et al., J. Roy. Soc. Med., 85, pp. 107-108, 1992); 白血病 (参照:Santini, et al., 78, (Suppl. 1), p. 429A (Abs. 1708), 1991); 髄膜腫 (参照:Koper, J. W., et al., J. Clin. Endocr. Metab., 74, pp. 543-547, 1992); ならびに癌悪液質 (参照:Bartlett, D. L., et al., Surg. Forum., 42, pp. 14-16, 1991)。
【0003】
SRIF受容体サブタイプの活性化を伴う他の適応症は下記のものである:インスリンおよび/またはグルカゴンの抑制、より具体的には糖尿病、血管障害、増殖性網膜障害、あけぼの現象および腎障害の抑制;胃酸分泌の抑制、より具体的には消化性潰瘍、腸皮および膵皮フィステル、過敏性腸症候群、ダンピング症候群、漿液性下痢症候群、エイズ関連下痢、化学療法誘発性下痢、急性または慢性膵炎、および消化管ホルモン分泌性腫瘍の抑制;癌、たとえば肝癌の治療;血管形成の抑制、炎症性障害、たとえば関節炎の治療;網膜障害の治療;慢性同種移植片拒絶反応の抑制;血管形成術;移植血管および消化管の出血防止。
【0004】
目的とする生物学的反応に関与する1以上の特定のSRIF受容体サブタイプに対して選択的な類似体を入手することにより、不都合な副作用をもたらす可能性のある他の受容体サブタイプとの相互作用を減らすことが好ましい。さらに、天然SRIFの半減期は短いので種々のSRIF類似体が開発された;たとえば末端肥大症の治療のため(Raynor, et al., Molecular Pharmacol. 43: 838 (1993))。有効な低分子SRIFアゴニストの開発により、異なるサブタイプに対する種々のトランケート形リガンドの親和性を識別する方法が見いだされた。この受容体が認識するリガンド中にはTrp−Lys残基がしばしば存在すると思われる。Trp−Lys残基はβ−折れ曲がりの部分を形成し、これは通常はL−TrpからD−Trpへの置換、主鎖の環化、ジスルフィド橋、またはあらゆる拘束により安定化される。複数の受容体サブタイプが見いだされる前に行われたそのような構造単純化により生じた意図しない結果のひとつは、広域結合親和性の喪失であった。その代表例は、オクトレオチド(OCTREOTIDE、登録商標)系列ペプチドにおいてタイプ2親和性は高いが、タイプ1、3、4および5親和性が低いことである。したがって、このタイプの類似体を用いた多くの基礎的な生物学的研究では、1つのタイプ以外のすべてのソマトスタチン受容体が仲介する作用を検出することができなかった。
【0005】
本発明者らは、N−アルキル化によりペプチド主鎖拘束を導入できることを見いだした。この修飾により、当該残基およびその前のアミノ酸が伸長コンホメーションをとるのが大幅に制限され、潜在的な分子内水素結合部位および同様にタンパク質分解酵素開裂部位がさらにブロックされ、これによりペプチドの薬物動態特性を向上させることができる。市販されているN−メチルアミノ酸はごくわずかであり、それらの合成は冗長である。しかし本発明の他の態様において本発明者らは、MillerおよびScanlanが報告した方法(J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 2301-2302)から応用した固相法により、トランケート形SRIF類似体をあらゆるアミノ酸残基においてN−メチル化する方法を見いだした。
【0006】
1態様において本発明は、式(I)によるペプチド:
A1-cyclo{Cys-A2-D-Trp-A3-A4-Cys}-A5-Y1
(I)
またはその医薬的に許容できる塩に関する;
式中:
は、置換されていてもよいD−もしくはL−芳香族α−アミノ酸、または置換されていてもよいD−もしくはL−シクロ(C3−6)アルキルアラニンであり;
は、置換されていてもよい芳香族α−アミノ酸、または置換されていてもよいシクロ(C3−6)アルキルアラニンであり;
は、LysまたはOrnであり;
は、β−ヒドロキシバリン、Ser、hSerまたはThrであり;
は、β−ヒドロキシバリン、Ser、hSerまたはThrであり;
は、OH、NHまたはNHRであり、ここでRは(C1−6)アルキルであり;
これらにおいて、置換されていてもよい各芳香族α−アミノ酸および置換されていてもよい各シクロ(C3−6)アルキルアラニンは、それぞれ独立してハロゲン、NO、OH、CN、(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C1−6)アルコキシ、Bzl、O−BzlおよびNR10よりなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、RおよびR10はそれぞれ独立してHまたは(C1−6)アルキルであり;
式(I)の各アミドペプチド結合およびAのアミノ基のアミン窒素はメチル基で置換されていてもよく、ただしそのようなメチル基が少なくとも1つあり;
さらに、前記化合物はD-Phe-cyclo{Cys-Phe-D-Trp-Lys-(N-Me-Thr)-Cys}-Thr-NH2ではない。
【0007】
好ましい式(I)の化合物群は、下記の化合物またはその医薬的に許容できる塩である:
が、Phe、D-Phe、Tyr、D-Tyr、β-Nal、D-β-Nal、ChaまたはD-Chaであり;
が、Phe、Tyr、β-NalまたはChaであり;
が、OHまたはNHである。
【0008】
上記群の化合物のうち好ましい化合物群は、AがD−PheもしくはAがTyrであり;またはAがPheであり;またはAがLysであり;またはAがThrであり;またはAがThrである化合物;あるいはその医薬的に許容できる塩である。
【0009】
さらに、より好ましい態様において本発明は、化合物が次式によるものである式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩である:
【0010】
【化1】

【0011】
他の態様において本発明は、式(II)の化合物またはその医薬的に許容できる塩である:
【0012】
【化2】

【0013】
式中:
は、Ala、Leu、Ile、Val、Nle、Thr、Ser、b-Nal、b-Pal、Trp、Phe、2,4-ジクロロ-Phe、ペンタフルオロ-Phe、p-X-Pheまたはo-X-PheのD−またはL−異性体であり、これらにおいてXはCH3、Cl、Br、F、OH、OCH3またはNO2であり;
は、Ala、Leu、Ile、Val、Nle、Phe、b-Nal、ピリジル-Ala、Trp、2,4-ジクロロ-Phe、ペンタフルオロ-Phe、o-X-Pheまたはp-X-Pheであり、これらにおいてXはCH3、Cl、Br、F、OH、OCH3またはNO2であり;
は、ピリジル-Ala、Trp、Phe、b-Nal、2,4-ジクロロ-Phe、ペンタフルオロ-Phe、o-X-Pheまたはp-X-Pheであり、これらにおいてXはCH3、Cl、Br、F、OH、OCH3またはNO2であり;
は、Val、Ala、Leu、Ile、Nle、Thr、AbuまたはSerであり;
は、Ala、Leu、Ile、Val、Nle、Phe、b-Nal、ピリジル-Ala、Trp、2,4-ジクロロ-Phe、ペンタフルオロ-Phe、o-X-Pheまたはp-X-Pheであり、これらにおいてXはCH3、Cl、Br、F、OH、OCH3またはNO2であり;
は、Ala、Leu、Ile、Val、Nle、Thr、Ser、Phe、b-Nal、ピリジル-Ala、Trp、2,4-ジクロロ-Phe、ペンタフルオロ-Phe、p-X-Pheまたはo-X-PheのD−またはL−異性体であり、これらにおいてXはCH3、Cl、Br、F、OH、OCH3またはNO2であり;
およびRは、それぞれ独立してH、低級アシルまたは低級アルキルであり;RはOHまたはNHであり;各アミドペプチド結合およびN−末端アミノ酸のアミン窒素はメチル基で置換されていてもよく;
ただしそのようなメチル基が式(II)の化合物中に少なくとも1つあり;AとAのうちの少なくとも1つ、およびAとAのうちの少なくとも1つは芳香族アミノ酸でなければならず;A、A、AおよびAのすべてが芳香族アミノ酸ではあり得ない。
【0014】
1態様において本発明は、下記よりなる群から選択される式(II)の化合物またはその医薬的に許容できる塩である:
H-D-Phe-p-クロロ-Phe-Tyr-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Thr-NH2
H-D-Phe-p-NO2-Phe-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Phe-Thr-NH2
H-D-Nal-p-クロロ-Phe-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Phe-Thr-NH2
H-D-Phe-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Thr-NH2
H-D-Phe-Phe-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Phe-Thr-NH2
H-D-Phe-p-クロロ-Phe-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Phe-Thr-NH2;および
H-D-Phe-Ala-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Ala-β-D-Nal-NH2
【0015】
他の態様において本発明は、下記よりなる”グループIII”と表示するペプチド群から選択されるペプチドまたはその医薬的に許容できる塩である:
【0016】
【化3】

【0017】
【化4】

【0018】
【化5】

【0019】
【化6】

【0020】
および
【0021】
【化7】

【0022】
これらにおいて、2個のCys残基を有する化合物にはジスルフィド結合が存在し、各アミドペプチド結合およびN−末端アミノ酸のアミノ基のアミン窒素はメチル基で置換されていてもよく、ただしそのようなメチル基が化合物中に少なくとも1つある。
【0023】
他の態様において本発明は、SRIFアゴニストであって、下記の刊行物中の式に含まれるSRIFアゴニストの、またはそこに具体的に引用されたものの、N−メチル化類似体を含む:
EP出願 No. P5 164 EU (発明者: G. Keri);
Van Binst, G. et al. Peptide Research 5:8 (1992);
Horvath, A. et al. 抄録, "抗腫瘍活性をもつソマトスタチン類似体のコンホメーション", 第22回欧州ペプチドシンポジウム, 1992年9月13-19日, スイス国インターラーケン;
U.S.P. No. 6,001,801 (1999);
U.S.P. No. 4,904,642 (1990);
U.S.P. No. 4,871,717 (1989);
U.S.P. No. 4,853,371 (1989);
U.S.P. No. 4,725,577 (1988);
U.S.P. No. 4,684,620 (1987)
U.S.P. No. 4,650,787 (1987);
U.S.P. No. 4,603,120 (1986);
U.S.P. No. 4,585,755 (1986);
EP 出願 0 203 031 A2 (1986);
U.S.P. No. 4,522,813 (1985);
U.S.P. No. 4,486,415 (1984);
U.S.P. No. 4,485,101 (1984);
U.S.P. No. 4,435,385 (1984);
U.S.P. No. 4,395,403 (1983);
U.S.P. No. 4,369,179 (1983);
U.S.P. No. 4,360,516 (1982);
U.S.P. No. 4,358,439 (1982);
U.S.P. No. 4,328,214 (1982);
U.S.P. No. 4,316,890 (1982);
U.S.P. No. 4,310,518 (1982);
U.S.P. No. 4,291,022 (1981);
U.S.P. No. 4,238,481 (1980);
U.S.P. No. 4,235,886 (1980);
U.S.P. No. 4,224,190 (1980);
U.S.P. No. 4,211,693 (1980);
U.S.P. No. 4,190,648 (1980);
U.S.P. No. 4,146,612 (1979);
U.S.P. No. 4,133,782 (1979);
U.S.P. No. 5,506,339 (1996);
U.S.P. No. 4,261,885 (1981);
U.S.P. No. 4,728,638 (1988);
U.S.P. No. 4,282,143 (1981);
U.S.P. No. 4,215,039 (1980);
U.S.P. No. 4,209,426 (1980);
U.S.P. No. 4,190,575 (1980);
EP 出願 0 363 589 A2 (1990);
EP 特許 No. 0 389 180 (1990);
EP 出願 No. 0 505 680 (1982);
EP 出願 No. 0 083 305 (1982);
EP 出願 No. 0 030 920 (1980);
PCT 出願 No. WO 97/01579 (1997);
PCT 出願 No. WO 91/18016 (1991);
PCT 出願 No. WO 91/09056 (1991);
PCT 出願 No. WO 90/12811 (1990);
PCT 出願 No. WO 88/05052 (1988);
英国出願 No. GB 2,095,261 (1981); および
フランス出願 No. FR 2,522,655 (1983)。
【0024】
本発明の式(I)、式(II)およびグループ(III)の化合物は、結合特異性またはその欠如に応じてSRIFと同じ用途に有用である。結合特異性は本明細書に記載する結合アッセイ法により測定できる。
【0025】
したがって他の態様において本発明は、ヒトのソマトスタチンサブタイプ受容体−1、−2、−3、−4および−5のうち1種類以上を結合する方法であって、式(I)および/または式(II)および/またはグループ(III)の化合物(1種類以上)またはその化合物の医薬的に許容できる塩をその必要があるレシピエントに投与する工程を含む方法である。
【0026】
上記方法の好ましい態様は、ソマトスタチンアゴニスト作用を誘発する方法であって、式(I)および/または式(II)および/またはグループ(III)の化合物(1種類以上)またはその化合物の医薬的に許容できる塩をその必要があるレシピエントに投与する工程を含む方法である。
【0027】
上記方法のより好ましい態様は、その必要があるヒトまたは他の動物において疾病または症状を処置する方法であって、式(I)および/または式(II)および/またはグループ(III)の化合物またはその医薬的に許容できる塩をヒトまたは他の動物に投与することを含み、その際、疾病または症状がクッシング症候群、ゴナドトロピン産生腫瘍、副甲状腺機能亢進症、ページェット病、VIP産生腫瘍、膵島細胞症、インスリン過剰症、ガストリン産生腫瘍、ゾリンジャー-エリソン症候群、エイズその他の症状に関連する分泌過多性下痢、過敏性腸症候群、膵炎、クローン病、全身性硬化症、甲状腺癌、乾癬、低血圧症、パニック発作、硬腫、小腸閉塞、胃食道逆流症、十二指腸胃逆流症、グレーブズ病、多嚢胞性卵巣、上部消化管出血、膵仮性嚢胞、膵性腹水、白血病、髄膜腫、癌悪液質、末端肥大症、再狭窄、肝癌、肺癌、黒色腫、充実性腫瘍加速増殖の抑制、体重の減少、インスリン抵抗性の治療、X症候群、膵細胞の生存延長、線維症、高脂血症、高アミリン血症、高プロラクチン血症およびプロラクチノーマよりなる群から選択されるものである方法である。
【0028】
本明細書においてN−末端アミノ酸(たとえばAについてのPhe)以外のすべてのアミノ酸の略号が-NH-CH(R)-CO-の構造を表わし、この式中のRはアミノ酸の側鎖(たとえばAlaについてのCH)である。N−末端アミノ酸については、略号は(R1R2)-N-CH (R)-CO-の構造を表わし、ここでRはアミノ酸の側鎖であり、RおよびRは本明細書に定義したものである。
【0029】
ソマトスタチン受容体サブタイプの命名法はIUPHARの推奨に従う。SSTR−4は最初にBrunoらがクローニングした受容体を表わし、SSTR−5は最初にO'Carrollらがクローニングした受容体を表わす。一般アミノ酸の略号はIUPAC-IUBの推奨に従う。本明細書中で用いる特定のα−アミノ酸の略号は下記のものである:
Abu = a-アミノ酪酸;
Aib = a-アミノイソ酪酸;
β-Ala = b-アラニン;
Amp = 4-アミノフェニルアラニン;
Ava = 5-アミノ吉草酸;
Cha = シクロヘキシルアラニン;
Gaba = g-アミノ酪酸;
Lys = リシン;
β-Nal = β-(2-ナフチル)アラニン;
Nle = ノルロイシン;
Nva = ノルバリン;
Orn = オルニチン;
Pal = β-(3-ピリジニル)アラニン;
Phe = フェニルアラニン;
Ser = セリン;
hSer = ホモセリン;
Thr = トレオニン;および
Tyr = チロシン。
【0030】
他の略号には下記のものが含まれる:
DBU = 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン;
DCM = ジクロロメタン;
DIC = ジシクロヘキシルカルボジイミド;
DIEA = ジイソプロピルエチルアミン;
DMF = ジメチルホルムアミド;
MTBD = 1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-1-メチル-2H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン;
NPS = 2-ニトロフェニルスルホニル;
TBTU = O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート;および
TFA = トリフルオロ酢酸。
【0031】
本発明化合物またはその医薬的に許容できる塩は、経口、非経口(たとえば筋肉内、腹腔内、静脈内もしくは皮下への注射、または埋込み)、鼻、膣、直腸、舌下または局所投与経路で投与でき、医薬的に許容できるキャリヤーと配合して各投与経路に適切な剤形を得ることができる。
【0032】
経口投与のための固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が含まれる。そのような固体剤形においては、有効化合物を少なくとも1種類の医薬的に許容できる不活性キャリヤー、たとえばショ糖、乳糖またはデンプンと混合する。そのような剤形は、常法によりこれらの不活性希釈剤以外の物質、たとえばステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤を含むこともできる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、これらの剤形は緩衝剤を含むこともできる。錠剤および丸剤はさらに腸溶コーティングを備えたものとして製造できる。
【0033】
経口投与用の液体剤形には、当技術分野で慣用される不活性希釈剤、たとえば水を含有する、医薬的に許容できる乳剤、液剤、懸濁液剤、シロップ剤、エリキシル剤が含まれる。そのような不活性希釈剤のほかに、組成物は佐剤、たとえば湿潤剤、乳化剤および沈殿防止剤、ならびに甘味剤、着香剤および香料を含有することもできる。
【0034】
非経口投与用の本発明製剤には、無菌の水性または非水性の液剤、懸濁液剤または乳剤が含まれる。非水性の溶剤またはビヒクルの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、たとえばオリーブ油およびトウモロコシ油、ゼラチン、ならびに注射用有機エステル、たとえばオレイン酸エチルである。そのような剤形は、佐剤、たとえば保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤を含有してもよい。それらは、たとえば細菌捕獲フィルターによる濾過により、殺菌剤を組成物に含有させることにより、組成物の照射により、または組成物の加熱により殺菌できる。それらを無菌固体組成物の形で調製し、使用直前に無菌水または他のいずれかの無菌注射用媒質に溶解することもできる。
【0035】
直腸または膣投与用組成物は好ましくは坐剤であり、これらは有効物質のほかに賦形剤、たとえばカカオ脂または坐剤用ろうを含有することができる。
【0036】
鼻または舌下投与用組成物も、当技術分野で周知の標準的賦形剤を用いて製造される。
【0037】
本発明組成物中の有効成分の用量は変更できるが、有効成分の用量は適切な剤形が得られるものでなければならない。選択する用量は、目的とする療法効果、投与経路および処置期間に依存する。目的とする療法効果を得るためには、一般に1日当たり25μg/kg〜100mg/kg(体重)のレベルの量を、1回量として、または多数回に分けて、ヒトまたは他の動物、たとえば哺乳動物に投与する。
【0038】
好ましい一般用量範囲は1日当たり250μg/kg〜5.0mg/kg(体重)であり、これを1回量として、または多数回に分けて投与できる。
【0039】
さらに、式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩をたとえば下記の特許に記載される持効性組成物として投与できる。これらの配合物のうち、14日または28日徐放性配合物が好ましい。USP5,672,659には、ペプチドおよびポリエステルを含む持効性組成物が教示されている。USP5,595,760には、ゲル化可能な形のペプチドを含む持効性組成物が教示されている。USP5,821,221には、ペプチドおよびキトサンを含む持効性高分子組成物が教示されている。USP5,916,883には、ペプチドおよびシクロデキストリンを含む持効性組成物が教示されている。国際特許出願PCT/US99/01180(公開番号WO99/38536、1999年8月5日)には、吸収可能な持効性ペプチド組成物が教示されている。以上の特許および出願の内容を本明細書に援用する。
【0040】
即効性または持効性組成物の使用は、目標とする適応症のタイプに依存する。適応症が急性または過急性障害からなる場合、持効性組成物による治療より即効性剤形による治療の方が好ましいであろう。これに対し、予防または長期治療のためには持効性組成物が一般に好ましいであろう。
【0041】
発明の詳細な説明
当業者は本明細書の記載に基づいて本発明を最大限に利用できる。したがって以下の具体的な態様は単なる本発明の説明と解釈すべきであり、本発明の全範囲を限定するためのものではない。
【0042】
合成
4−メチルベンゾヒドリルアミン塩酸塩樹脂(0.25または0.5ミリ当量/g)をAdvanced ChemTech Inc.(ケンタッキー州ルイビル)から入手した。Nαt−ブチルオキシカルボニル(Boc)保護されたアミノ酸をBachem Inc.(カリフォルニア州トランス)、Advanced ChemTech Inc.およびSynthetech Inc.(オレゴン州アルバニー)から購入した。アミノ酸の反応性側鎖を下記の1以上の基で遮閉した:Cys,4−メチルベンジルオキシカルボニル;Lys,2−クロロベンジルオキシカルボニル;Thr,O−ベンジル;Tyr,O−2,6−ジクロロベンジル。試薬および溶媒はすべてACS等級以上であり、それ以上精製せずに用いられた。
【0043】
本発明化合物、たとえば式(I)の化合物は、4−メチルベンゾヒドリルアミン官能化1%架橋ポリスチレン樹脂(0.25または0.5ミリ当量/g)上、0.25mmol規模で、Advanced ChemTech(200型)合成装置により、下記のプロトコルを用いて合成でき、この方法で合成された:脱ブロック、40%TFA(2分、20分);DCM洗浄サイクル(3回洗浄);中和、10%DIEA(1分、5分);DMF洗浄サイクル;DCM洗浄サイクル(2回洗浄);2回の結合;1回目は1,3−ジイソプロピルカルボジイミドエステル(3当量)を用いてDCM中で30分間;DCM洗浄(3回洗浄);2回目の結合は予備調製TBTUエステル(3当量)を用いてDMF中で90分間、触媒量のDIEAを使用;DMF洗浄(1回洗浄);DCM洗浄(3回洗浄)。結合反応をニンヒドリン試験により定性的にモニターした。
【0044】
α−保護:目的とするメチル化部位のアミノ基を脱ブロックした後、樹脂をDCM(20mL)に懸濁した。この懸濁液にコリジン(3当量)およびo−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(3当量)を添加し、混合物をAdvanced ChemTech(200型)合成装置で2時間振とうした。次いで樹脂をDCM洗浄(2回洗浄)およびDMF洗浄(3回洗浄)した。保護をニンヒドリン試験により定性的にモニターした。
【0045】
α−メチル化:o−ニトロベンゼンスルホンアミド保護した樹脂をDMF(20mL)に懸濁し、これにMTBD(3当量)および4−ニトロベンゼンスルホン酸メチルまたはジメチル硫酸(Cys11について)を添加した。混合物をAdvanced ChemTech(200型)合成装置で0.5時間振とうし、樹脂をDMF洗浄(4回洗浄)した。
【0046】
α−Me脱保護:目的残基をメチル化した後、樹脂を再びDMF(20mL)に懸濁した。この懸濁液にDBU(3当量)および2−メルカプトエタノール(3当量)を添加し、混合物をAdvanced ChemTech(200型)合成装置中で0.5時間撹拌した。次いで樹脂をDMF(5回洗浄)で十分に洗浄した。
【0047】
ペプチドの開裂:捕そく剤アニソール(約30%v/v)を含有する無水フッ化水素を用いて0℃で45分間の酸加水分解により、ペプチドを樹脂支持体から開裂させ、同時に側鎖を脱保護した。ペプチドを90%酢酸(約600mL)中でわずかに過剰のIにより環化した(15分間)。次いで過剰のIをアスコルビン酸の添加により除去した。
【0048】
精製:粗製ペプチドを、C−18結合シリカゲル上、軸圧縮カラム(Dynamax-300Å、5または8μm、21.4×250mm)を用いる調製用RP−HPLCにより精製した。直線勾配溶離系を20mL/分の流速で用いた:A;0.1%TFA、B;80%MeCN中の0.1%TFA、20%B〜50%B、1%/分。分離を分析用RP−HPLCにより215nmでモニターした。生成物含有画分をプールし、真空濃縮し、凍結乾燥した。各ペプチドが酢酸水溶液からの凍結乾燥により一定重量の綿毛状白色粉末として得られた。最終ペプチドの純度を分析用RP−HPLCにより215nmで評価した。Vydac C−18支持体(4.6×250mm、5μm、孔径300Å、Liquid Separations Group)を用いて分析用RP−HPLCを記録した。直線勾配溶離系を1.5mL/分の流速で用いた:HPLC−1、A;0.1%TFA、B;80%MeCN中の0.1%TFA;20%B〜50%B、1%/分;HPLC−2、C、TEAP(0.1M、pH3)中の5%MeCN;D、MeCN中の20%C、10%D〜70%D、1%/分。カラム溶出液を215nmでモニターした。各ペプチドの保持時間および純度をRainin Dynamax HPLC Method Managerにより評価した。
【0049】
アミノ酸分析:ペプチドを真空下に(110℃;20時間)、0.2%の3−(2−アミノエチル)インドール(Pierce)を含有する4Mメタンスルホン酸中で加水分解した。加水分解物について、o−フタリドアルデヒド試薬(Sigma Chemical Co.)で誘導体化した後、一体式ガードカラム付き100×4.6mm、3μmのC18軸圧縮カラム(Microsorb AAAnalysis(商標)O型;Rainin Instrument Co.)を取り付けた自動HPLCシステム(Rainin Instrument Co.)によりアミノ酸分析を行った。誘導体化した第一級アミノ酸を二元勾配により溶離した:緩衝液A;4.5%v/vのメタノールおよび0.5%v/vのテトラヒドロフランを含有する0.10M酢酸ナトリウム(pH7.2)および緩衝液B;メタノール。勾配シーケンス;0分で0%A;16.5分で35%A;30分で90%A;33分で90%Aを、流速1.0mL/分で周囲温度において使用。溶出液を340nmでモニターし、Dynamax HPLC Method Manager(Rainin)により積分した。標準保持時間は下記のとおりであった:Asp、6.6分;Arg、19.9分;Trp、25.4分およびLys、29.5分。表1の各ペプチドが第一級アミノ酸について予想した分析結果を示した。システインは定量されなかった。
【0050】
質量分析:LaserMat 2000 質量分析計(Thermal Bioanalysis、カリフォルニア州サンホゼ)を使用し、マトリックスとしてのα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸および内標準としてのサブスタンスP(1348.7 Da)を用いて、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析によりペプチドを分析した。それぞれの場合、スペクトルは内標準に関する主M−Hイオンピーク、予想した被分析体M−Hイオンピーク、およびマトリックス(< 500 Da)に伴う数ピークからなっていた。本発明の特定の代表的化合物についてこうして得た質量値を表1に詳述する。
【0051】
SRIF類似体によるGH放出抑制:雄ラット成体から下垂体前葉を採集し、これまでに文献記載されているトリプシン/DNase法により分散させた(Murphy, W. A.; Taylor, J.; Moreau, J.-P. および Coy, D. H., Peptide Res. 1989, 2, 128-132)。分散した細胞を、無菌濾過したダルベッコ改変イーグル培地で希釈し(MEM、Gibco Laboratories、ニューヨーク州グランド・アイランド)、これに2.5%のウシ胎仔血清(Gibco)、3%のウマ血清(Gibco)、10%の新鮮ラット血清(氷上に保存、1時間を超えない)(下垂体ドナー由来)、1%のMEM非必須アミノ酸(Gibco)、ゲンタマイシン(10 ng mL−1;Sigma)およびナイスタチン(10,000 U mL−1;Gibco)を補充した。細胞をランダムに約200,000個/ウェルの密度で接種した(Costar cluster 24;Rochester Scientific Co.;ニューヨーク州ロチェスター)。接種した細胞を前記ダルベッコ培地中に、95%空気/5%CO、37℃の加湿雰囲気で4〜5日間維持した。ホルモン攻撃用に調製する際には、細胞を培地199(Gibco、1mL、3回)で洗浄した。各用量の本発明化合物(プレート当たり6種類の用量)を、3ウェル内で、1%のBSA(フラクションV;Sigma Chemical Co.)を含有する全体積1mLの培地199中で試験した。すべてのウェルにGHRH(1−29)NH(1nM)を装入した。空気/二酸化炭素雰囲気(95/5%、37℃で3時間)でインキュベートした後、培地を除去し、ホルモン含量をアッセイするまで−20℃に保存した。National Hormone and Pituitary Program (NHHP)(カリフォルニア州トランス)のDr. A. F. Parlowから好意的に提供された成分を用いて、培地中の成長ホルモンを標準二重抗体RIAにより測定した。アゴニストのIC50をSigmaplot(Jandel Scientific、カリフォルニア州サン・ラファエル)により計算した。数値を(n)の別個の用量応答曲線からの平均IC50(nM)±SEMとして表わす。
【0052】
クローン化ヒトソマトスタチン受容体の機能性発現:ヒトソマトスタチン受容体(hSSTR−1〜hSSTR−5)を含むゲノムクローン(Yamada, Y., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 1992, 89, 251-255;Yasuda, K., et al., J. Biol. Chem. 1992, 267, 20422-20428;Yamada, Y., et al., Mol. Pharmacol. 1992, 42, 2136-2142;Rohrer, L., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 1993, 90, 4196-4200)は、Dr. Graeme I. Bell(シカゴ大学)から好意的に提供された。hSSTR−1、hSSTR−2、hSSTR−3、hSSTR−4およびhSSTR−5 cDNAを、それぞれ1.5−kbのPstI−XmnIフラグメント、1.7−kbのBamHI−HindIIIフラグメント、2.0−kbのNcoI−HindIIIフラグメント、1.4−kbのNheI−NdeIフラグメント、および1.2−kbのHindIII−XbaIフラグメントとして単離した。これらはそれぞれ全長受容体の全コード領域を含む。これらのフラグメントを個別に、哺乳動物発現ベクターpCMV5の対応する制限エンドヌクレアーゼ部位において、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターの下流にサブクローニングし、発現プラスミドpCMV5/hSSTR−1、pCMV5/hSSTR−2、pCMV5/hSSTR−3、pCMV5/hSSTR−4およびpCMV5/hSSTR−5を作製した。CHO−K1細胞中へのトランスフェクションのために、哺乳動物細胞ネオマイシン選択マーカーを保有するプラスミドpRSV−neo(American Type Culture Collection、マリーランド州ロックビル)を付加した。
【0053】
受容体発現およびトランスフェクション:リン酸カルシウム法によりトランスフェクションを実施した。10%のウシ胎仔血清を補充したα−最少必須培地(α−MEM;Gibco)にCHO−K1細胞を維持し、リン酸カルシウム沈殿法によりそれぞれの発現プラスミドでトランスフェクションした。発現プラスミドが挿入されたクローンを、500μg mL−1のゲネチシン(G418;Gibco)を補充したα−MEM中で選択した。独立したCHO−K1クローンをガラス環クローニングにより採取し、選択培地での培養により増殖させた。単離クローンから膜を調製し、まず[125I]Tyr11−SRIFおよび[125I]MK−678(SSTR−2について)との結合についてhSSTR−発現を評価した。
【0054】
放射性リガンド結合アッセイ:5タイプの細胞の細胞膜を、対応するCHO−K1細胞のホモジェネート(Polytron設定6、15秒)から氷冷トリス−HCl(50mM)中で採取し、遠心した(39000g、10分、2回);中間で新たな緩衝液に再懸濁した。最終ペレットをアッセイのためにトリス−HCl(10mM)に再懸濁した。アリコートの膜を0.05nMの[125I]Tyr11−SRIF(タイプ1、3、4、5)または[125I]MK−678(タイプ2)と共に、BSA(10 mg mL-1)、MgCl(5 mM)、Trasylol(200 kIU mL-1)、バシトラシン(0.02 mg mL-1)およびフッ化フェニルメタンスルホニル(0.02 mg mL-1)を含有する50nM HEPES(pH7.4)中でインキュベートした(37℃、30分間)。最終アッセイ体積は0.3mLであり、0.3%ポリ(エチレンイミン)に予め浸漬したGF/CフィルターでBrandel迅速濾過モジュールを用いて迅速濾過することによりインキュベーションを終了した。次いでそれぞれの試験管およびフィルターをアリコートの冷緩衝液(5mL、3回)で洗浄した。
【0055】
結合した全放射性リガンドから1.0μM SRIFの存在下で結合したリガンドを差し引いたものとして比結合を定義する。これらのアッセイ系により下記の全放射性リガンド結合値および非特異的結合(nsb)値が一般に得られた:hSSTR−1、7000cpmの全結合−対3500cpmのnsb;hSSTR−2、9000cpmの全結合−対1000cpmのnsb;hSSTR−3、8000cpmの全結合−対1000cpmのnsb;hSSTR−4、6000cpmの全結合−対3500cpmのnsb;およびhSSTR−5、7500cpmの全結合−対3500cpmのnsb。結合親和性を5種類の受容体サブタイプそれぞれについてK値±SEM(nM)として表わす。本発明の代表的化合物により得られたK値を表2に詳述する。
【0056】
分子モデリング:Silicon Graphics Indigo2High Impact 10000 コンピューターにより、SYBYL6.6を用い、Kollman全原子力場法ですべての分子モデリングを行った。始化合物Sandostatin/オクトレオチド(OCTREOTIDE、登録商標)の3溶液NMR構造;DPhe5-c[Cys6-Phe7-DTrp8-Lys9-Thr10-Cys11]-Thr12-ol(1SOCおよび2SOC)に関するPDBファイルをPDBデータベースから入手した。これらの構造をSYBYL 6.6に入れて、変更して、実施例9を基礎とするN−メチル化化合物を形成した。Kollman部分原子電荷をモノマー辞書から負荷した。変更残基をアニーリングし、次いで共役勾配アルゴリズムを用いて≦ 0.01 Kcal molA-1の終rms(final root mean square)勾配に完全エネルギー最小化することにより、構造を最適化した。他のすべての最小化オプションについて、距離依存誘電関数をデフォルト設定と共に用いた。結果を表3に詳述する。
【0057】
実施例9および18をメチルベンゾヒドリルアミン樹脂上で組み立てながら、残基毎に固相法でアルキル化した。目的とするN−メチル化部位のt−ブトキシカルボニル(Boc)基を除去した後、樹脂結合ペプチドの遊離アミンを、ジクロロメタン中でo−ニトロベンゼンスルホニルクロリドおよびコリジンにより保護した。次いでo−ニトロベンゼンスルホンアミドのアミドN−Hを強いヒンダード非イオン性塩基MTBDにより選択的に脱プロトンし、p−ニトロベンゼンスルホン酸メチルを用いてDMF中でメチル化した。このメチル化スルホンアミドをβ−メルカプトエタノールおよびDBUによりDMF中で脱保護した。この反応は、樹脂結合ペプチドからo−ニトロベンゼンスルホニル基が除去されたことを示す明かるい黄色が溶液に見られることによって容易に追跡された。またこの脱保護は、N−スルホンアミドがアルキル化されずに非アルキル化ペプチドがキャッピングされた場合はより遅かった。DICの代わりにTBTU/DIPEAを用いると、後続のアミノ酸は2倍結合した。
【0058】
配列(o-NBS) HN-Cys11(4-MeZ)-Thr12(OBzl)- (R)をp−ニトロベンゼンスルホン酸メチルによりメチル化することはできなかった。しかしこの問題は、嵩高いp−ニトロベンゼンスルホン酸メチルの代わりににジメチル硫酸をメチル化剤として用いることにより克服された。
【0059】
すべてのSRIF類似体の結合親和性(Kd、nM)を、対応するヒトソマトスタチン受容体でトランスフェクションしたCHO細胞より単離した膜からの125I−放射性標識ペプチドリガンドの濃度依存性置換により測定した。基準として、同一系におけるSRIF−14およびSRIF−28の結合親和性を用いた。SRIF−28は、SRIF−14と対比してタイプ5受容体に対し特に高い親和性を示す。N−末端アミノ酸のコンホメーションおよび側鎖がこのタイプの類似体の生物活性に著しい影響をもつので、2系列の基本構造(化合物9および18)、すなわち一方はDPheを含むもの(類似体9)と、他方はTyr残基を含むもの(類似体18)をこの試験に用いて、合計16種類のN−メチル化類似体を得た。それらの構造および物理化学的特性を表1に示す。
【0060】
本発明化合物は前記および/または本明細書に引用した各種参考文献の記載に従って合成された。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
理論分子量(M−H,Da);
実測分子量(M−H,Da);
逆相HPLC(C−18,5μm、4.6×250mm,λ=215nm)保持時間(分)。各化合物は>98%の純度をもつことがHPLCにより認められた;
HPLC溶離系:A;0.1%TFA、B;80%MeCN中の0.1%TFA、20%B〜50%B、1%/分および1.5mL/分;
HPLC−2溶離系:C、TEAP(0.1M、pH3)中の5%MeCN;D、MeCN中の20%C、10%D〜70%D、1%/分および1.5mL/分。
【0064】
【表3】

【0065】
平均±SEMとして表わす;単純数値は1回の結合実験の結果を示す;
SRIF(1.0nM)に対するラットインビトロアンタゴニストIC50(nM):(n)の別個の用量応答曲線の平均±SEMとして表わす;
測定しなかった;
適用できない。
【0066】
本発明をその詳細な記述に関して記載したが、以上の記述は本発明を説明するためのものであり、特許請求の範囲により定められる本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。他の態様、利点および変更も本発明に含まれる。本明細書に引用した各参考文献の全体を援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記よりなる群から選択される化合物:
D-b-Nal-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
D-Phe-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-b-Nal-NH2;
D-Phe-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-b-Nal-NH2;
D-b-Nal-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NIH2;
D-Phe-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Thr-Pen]-Thr-NH2;
D-Phe-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Pen]-Thr-NH2;
D-Phe-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Thr-Pen]-Thr-OH;
D-Phe-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Pen]-Thr-OH;
Gly-cyclo[Pen-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-OH;
Phe-cyclo[Pen-Tyr-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-OH;
Phe-cyclo[Pen-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Pen]-Thr-OH;
H-D-Phe-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-ol;
H-D-Phe-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
H-D-Trp-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Cys]-Thr-NH2;
H-D-Trp-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
H-D-Phe-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Cys]-Thr-NH2;
H-D-Phe-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Cys]-Trp-NH2;
H-D-Phe-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-Phe-Lys*-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Asp-Thr-NH2
(Lys* と Aspの間にアミド橋を形成);
Ac-hArg(Et)2-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-hArg(Et)2-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-hArg(Bu)-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-hArg(Et)2-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
Ac-L-hArg(Et)2-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-hArg(CH2CF3)2-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-hArg(CH2CF3)2-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-hArg(CH2CF3)2-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Phe-NH2;
Ac-D-hArg(CH2CF3)2-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NHEt;
Ac-L-hArg(CH2CF3)2-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-hArg(CH2CF3)2-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys(Me)-Thr-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-hArg(CH2CF3)2-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys(Me)-Thr-Cys]-Thr-NHEt;
Ac-hArg(CH3; hexyl)-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
H-hArg(hexyl2)-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-hArg(Et)2-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NHEt;
Ac-D-hArg(Et)2-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Phe-NH2;
プロピオニル-D-hArg(Et)2-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys(iPr)-Thr-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-b-Nal-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Gly-hArg(Et)2-NH2;
Ac-D-Lys(iPr)-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-hArg(CH2CF3)2-D-hArg(CH2CF3)2-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-hArg(CH2CF3)2-D-hArg(CH2CF3)2-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Phe-NH2;
Ac-D-hArg(Et)2-D-hArg(Et)2-Gly-cyclo[Cys-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Cys]-Thr-NH2;
Ac-cyclo[Cys-Lys-Asn-4-Cl-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Thr-Ser-D-Cys]-NH2;
cyclo[Bmp-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Cys]-Thr-NH2;
cyclo[Bmp-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Cys]-Phe-NH2;
cyclo[Bmp-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Cys]-p-Cl-Phe-NH2;
cyclo[Bmp-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Cys]-b-Nal-NH2;
H-D-b-Nal-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Cys]-Thr-NH2;
H-D-Phe-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Abu-Cys]-Thr-NH2;
H-D-Phe-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Abu-Cys]-b-Nal-NH2;
H-ペンタフルオロ-D-Phe-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-b-Nal-cyclo[Cys-ペンタフルオロ-Phe-D-Trp-Lys-Val-Cys]-Thr-NH2;
H-D-b-Nal-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Cys]-b-Nal-NH2;
H-D-Phe-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Cys]-b-Nal-NH2;
H-D-b-Nal-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Abu-Cys]-Thr-NH2;
H-D-p-Cl-Phe-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Abu-Cys]-Thr-NH2;
Ac-D-p-Cl-Phe-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Abu-Cys]-Thr-NH2;
H-D-Phe-cyclo[Cys-b-Nal-D-Trp-Lys-Val-Cys]-Thr-NH2;
H-D-Phe-cyclo[Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Cys]-Thr-NH2;
cyclo(Pro-Phe-D-Trp-N-Me-Lys-Thr-Phe);
cyclo(Pro-Phe-D-Trp-N-Me-Lys-Thr-Phe);
cyclo(Pro-Phe-D-Trp-Lys-Thr-N-Me-Phe);
cyclo(N-Me-Ala-Tyr-D-Trp-Lys-Thr-Phe);
cyclo(Pro-Tyr-D-Trp-Lys-Thr-Phe);
cyclo(Pro-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe);
cyclo(Pro-Phe-L-Trp-Lys-Thr-Phe);
cyclo(Pro-Phe-D-Trp(F)-Lys-Thr-Phe);
cyclo(Pro-Phe-Trp(F)-Lys-Thr-Phe);
cyclo(Pro-Phe-D-Trp-Lys-Ser-Phe);
cyclo(Pro-Phe-D-Trp-Lys-Thr-p-Cl-Phe);
cyclo(D-Ala-N-Me-D-Phe-D-Thr-D-Lys-Trp-D-Phe);
cyclo(D-Ala-N-Me-D-Phe-D-Val-Lys-D-Trp-D-Phe);
cyclo(D-Ala-N-Me-D-Phe-D-Thr-Lys-D-Trp-D-Phe);
cyclo(D-Abu-N-Me-D-Phe-D-Val-Lys-D-Trp-D-Tyr);
cyclo(Pro-Tyr-D-Trp-t-4-AchxAla-Thr-Phe);
cyclo(Pro-Phe-D-Trp-t-4-AcbxAla-Thr-Phe);
cyclo(N-Me-Ala-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Phe);
cyclo(N-Me-Ala-Tyr-D-Trp-t-4-AcbxAla-Thr-Phe);
cyclo(Pro-Tyr-D-Trp-4-Amphe-Thr-Phe);
oyclo(Pro-Phe-D-Trp-4-Amphe-Thr-Phe);
cyclo(N-Me-Ala-Tyr-D-Trp-4-Amphe-Thr-Phe);
cyolo(Asn-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Gaba);
cyclo(Asn-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Gaba-Gaba);
cyclo(Asn-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe);
cyclo(Asn-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-NH(CH2)4CO);
cyclo(Asn-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-b-Ala);
cyclo(Asn-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-D-Glu)-OH;
cyclo(Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe);
cyclo(Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Gly);
cyclo(Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Gaba);
cyclo(Asn-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Gly);
cyclo(Asn-Phe-Phe-D-Trp(F)-Lys-Thr-Phe-Gaba);
cyclo(Asn-Phe-Phe-D-Trp(NO2)-Lys-Thr-Phe-Gaba);
cyclo(Asn-Phe-Phe-Trp(Br)-Lys-Thr-Phe-Gaba);
cyclo(Asn-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe(I)-Gaba);
cyclo(Asn-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Tyr(But)-Gaba);
cyclo(Bmp-Lys-Asn-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Thr-Pro-Cys)-OH;
cyclo(Bmp-Lys-Asn-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Thr-Pro-Cys)-OH;
cyclo(Bmp-Lys-Asn-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Thr-Tpo-Cys)-OH;
cyclo(Bmp-Lys-Asn-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Thr-MeLeu-Cys)-OH;
cyclo(Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Phe-Gaba) ;
cyclo(Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-D-Phe-Gaba) ;
cyclo(Phe-Phe-D-Trp(5F)-Lys-Thr-Phe-Phe-Gaba) ;
cyclo(Asn-Phe-Phe-D-Trp-Lys (Ac)-Thr-Phe-NH-(CH2)3-CO);
cyclo(Lys-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Gaba);
cyclo(Lys-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Gaba);
cyclo(Orn-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Gaba); and
H-cyclo[Cys-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Cys]-NH2;
これらにおいて、各アミドペプチド結合およびN−末端アミノ酸のアミノ基のアミン窒素はメチル基で置換されていてもよく、ただしそのようなメチル基が化合物中に少なくとも1つある。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容できる塩を含む医薬組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容できる塩を含む、ソマトスタチンアゴニスト作用を誘発する医薬組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容できる塩を含む、その必要があるヒトまたは他の動物において疾病または症状を処置するための医薬組成物であって、その際、疾病または症状がクッシング症候群、ゴナドトロピン産生腫瘍、副甲状腺機能亢進症、ページェット病、VIP産生腫瘍、膵島細胞症、インスリン過剰症、ガストリン産生腫瘍、ゾリンジャー-エリソン症候群、エイズその他の症状に関連する分泌過多性下痢、過敏性腸症候群、膵炎、クローン病、全身性硬化症、甲状腺癌、乾癬、低血圧症、パニック発作、硬腫、小腸閉塞、胃食道逆流症、十二指腸胃逆流症、グレーブズ病、多嚢胞性卵巣、上部消化管出血、膵仮性嚢胞、膵性腹水、白血病、髄膜腫、癌悪液質、末端肥大症、再狭窄、肝癌、肺癌、黒色腫、充実性腫瘍加速増殖の抑制、体重の減少、インスリン抵抗性の治療、X症候群、膵細胞の生存延長、線維症、高脂血症、高アミリン血症、高プロラクチン血症およびプロラクチノーマよりなる群から選択されるものである前記医薬組成物。

【公開番号】特開2008−69160(P2008−69160A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−245290(P2007−245290)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【分割の表示】特願2002−579485(P2002−579485)の分割
【原出願日】平成14年4月8日(2002.4.8)
【出願人】(501228417)ジ・アドミニストレーターズ・オブ・ザ・ツーレイン・エデュケイショナル・ファンド (6)
【Fターム(参考)】