説明

ソーティングシステム

【課題】 計量器の数を減らし得ると共に、少ない台車で多品種や多数の仕分け先に対応可能なソーティングシステムを提供する。
【解決手段】 種別入力手段から入力された商品の種別が、仕分け先に分配すべき商品であるか否かを判別して、その検品結果を出力する検品手段と、計量器から商品を取り出した際に、種別入力手段からの商品の種別の情報を得て、当該商品について単重記憶部に記憶された単重と、計量器で計量された計量値の変化との関係に基づいて商品の数量を計数する計数手段と、計数手段で計数された商品の個数が、当該商品について仕分商品記憶部に記憶された仕分け先のうち種別入力手段で設定された仕分け先についての商品の個数と一致するか否かを判別して、その検数結果を出力する検数手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーティングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、スーパーマーケットやコンビニエンスストア向けの商品配送センター等では、各店舗からの商品の要求に応じて、当該要求された種類の商品を要求された個数だけ取りそろえるという集品作業が行われる。この種の作業に用いられる集品方法としては、ソーティングとピッキングとがある。
【0003】
ソーティングとは、各店舗ごとに、要求された種類の商品を要求された個数づつ投入していくことであり、種まきに例えられる。ソーティングでは、予め台車に商品が積み込まれている。作業員は、商品の積み込まれた台車を各店舗ごとに設定された集積場所に押して行き、店舗ごとに商品を置いていく。したがって、ソーティングの終了時には、仕分け台車が空になる。
【0004】
一方、ピッキングとは、在庫場所から商品を各店舗ごとに集めることであり、摘み取りに例えられる。ピッキングでは、スタート時には台車は空である。作業員は、台車を押しながら商品の在庫場所を回り、納品先の店舗毎に商品を拾い集める。したがって、仕分け台車に所定の商品が積み込まれた状態となれば、実質的にピッキングが終了時したことになる。
【0005】
下記の特許文献1には、ピッキング用台車に複数の計量器を配置し、各計量器ごとに各店舗向けのコンテナ容器を積載して、台車に搭載されたコンピューターによってピッキングした商品を指示されたコンテナに投入することにより、納品先の商品を所定のグループに仕分けるシステムが開示されている。
特許文献2および3には、前記特許文献1と同様にピッキング台車に複数の計量器をコンテナ容器毎に配置し、ピッキングまたは仕分け商品の重量を計量することにより商品の数量を検品することで、正確なピッキングや仕分け作業をする方法やシステムが開示されている。
【特許文献1】特開平11−043211号(要約)
【特許文献2】特開平11−292225号(要約)
【特許文献3】特開平2000−044021(要約)
【発明の開示】
【0006】
発明が解決しようとする課題:
しかし、従来のピッキング用台車では、商品を集積するコンテナ容器ごとに、高価な計 器を設ける必要があるため、コストアップを免れない。
また、前記コンテナ容器は、計量器に対応する数しか設けることができない。そのため、商品が多品種にわたる場合、商品の個数が少ないにも拘わらず台車の数が不足してしまうという不具合が発生していた。
かかる不具合は、ソーティングシステムにおいても同様に生じる。
【0007】
したがって、本発明の目的は、計量器の数を減らし得ると共に、少ない台車で多品種や多数の仕分け先に対応可能なソーティングシステムを提供することである。
【0008】
課題を解決するための手段:
前記目的を達成するために、本ソーティングシステムは、台車に搭載された計量器上に複数種類の商品を載せ、当該商品を仕分け先ごとに仕分けるためのソーティングシステムであって、各商品の種類ごとの単重を記憶する単重記憶部と、各仕分け先ごとに、仕分けされるべき商品の種別および当該商品の個数を記憶する仕分商品記憶部と、作業内容を表示する手段と、前記計量器から商品を取り出す際に、当該商品の種別を入力可能で、かつ、前記仕分け先の設定入力が可能な種別入力手段と、前記種別入力手段から入力された商品の種別が、前記仕分商品記憶部に記憶された仕分け先のうち前記種別入力手段で設定された仕分け先に分配すべき商品であるか否かを判別して、その検品結果を出力する検品手段と、前記計量器から商品を取り出した際に、前記種別入力手段からの商品の種別の情報を得て、当該商品について前記単重記憶部に記憶された単重と、前記計量器で計量された計量値の変化との関係に基づいて商品の数量を計数する計数手段と、前記計数手段で計数された商品の個数が、当該商品について前記仕分商品記憶部に記憶された仕分け先のうち前記種別入力手段で設定された仕分け先についての商品の個数と一致するか否かを判別して、その検数結果を出力する検数手段とを備えている。
【0009】
発明の効果:
本ソーティングシステムによれば、1つの秤に複数種類の商品を搭載することが可能となるので、高価な計量器の数が少なくなる。
なお、本発明における「単重」とは、商品の1個当たりの重量を示す。
【0010】
発明を実施するための最良の形態:
本ソーティングシステムにおいては、前記計量器に載せられた商品を各計量器ごとに記憶する載置商品記憶部と、前記計量器上に商品を載せる際に、当該計量器について前記載置商品記憶部に記憶された商品と同一または近似した重量で、かつ、別の種別の商品が存在するか否かを判別して出力する重量比較手段を更に備えているのが好ましい。
この態様によれば、CDや飲料水のビンなど、同一または近似した重量で、かつ、別の種類の商品の分別が可能となる。
【実施例1】
【0011】
本発明は、商品を仕分け先に調達するシステムであれば、種々のシステムに適用し得るが、以下の説明では、店舗に商品を仕分けするシステムについて例示して説明する。
【0012】
本ソーティングシステムでは、図1に示すように、まず、商品棚2に予め収納された複数種類の商品Miを台車1Aに積み込む。その後、図2に示すように、台車1Aに積み込んだ商品Miを仕分け先である各店舗に対応する集積場所Siに、要求された個数づつ配ることにより、ソーティングを行う。
【0013】
本システムは、商品棚2、集積場所Si、ホストコンピュータ3およびコンピュータ付き台車1Aを備えている。以下、各部の構成について説明する。
【0014】
商品棚2:
図1に示す商品棚2は多数設けられており、作業員は、台車1Aを押しながら商品棚2の間を通り、商品の積み込みを行う。
前記商品棚2には、多数の収納箇所が設けられており、各収納箇所には、予め、同一種類の商品Miがそれぞれ収納されている。各収納箇所には、当該収納箇所ごとに棚ランプLiが設けられている。
【0015】
店舗に対応する集積場所Si:
図2に示すように、各店舗に対応する仕分け先の集積場所Siには、店舗ごとに集積スペース(投入間口)が設けられている。当該集積場所Siには、店舗を特定するための店舗バーコードB2が付されていると共に、店舗確認ランプPiがそれぞれ設けられている。なお、集積場所に1個ないし複数個のコンテナを置いておいてもよい。
【0016】
ホストコンピュータ3:
本システムはホストコンピュータ3を備えている。ホストコンピュータ3には、商品棚2の棚ランプLiや集積場所Siの店舗確認ランプPiなどが、図示しない信号線を介して接続されている。また、前記ホストコンピュータ3には、無線送受信器が設けられており、台車1Aに設けられた無線送受信器10(図3)を介して台車1Aとの交信が可能である。
【0017】
台車1A:
図1に示す前記台車1Aには、上下方向に延びる本体フレーム11が設けられている。この本体フレーム11には、たとえば、上下2段の荷台12a,12bが固定されている。前記荷台12a,12bの上面には、各々計量器13a,13bが取り付けられている。
【0018】
上部の第1計量器13aには、コンテナC1〜C3が載置される。一方、下部の第2計量器13bには、コンテナC4〜C6が載置される。したがって、コンテナCiに商品Miを投入すれば、計量器13a(13b)により、その重さが計量される。
なお、各コンテナCiには、当該各コンテナCiを特定するためのコンテナバーコードB1がそれぞれ付されている。
【0019】
前記荷台12a,12bには、それぞれ、各コンテナCiに対応する位置にコンテナ指示ランプ14a〜14fが取り付けられている。コンテナ指示ランプ14a〜14fは、投入する商品Miの入ったコンテナCiを指示するためのランプである。
【0020】
下側の荷台12bには移動用の車輪15が取り付けられている。
前記本体フレーム11には、荷台12a,12bとは反対方向に延びる作業台16が設けられている。この作業台16の先端には、台車1Aを移動させるためのハンドルバー17が取り付けられている。
【0021】
機器構成:
図3(a)に示すように、前記台車1Aには、たとえばマイコン(マイクロコンピュータ)4が搭載されている。マイコン4には、ハンディタイプのバーコードリーダ7、ラベルプリンタ8、操作表示手段9、無線送受信器10、計量器13a,13bおよびコンテナ指示ランプ14a〜14fなどが、図示しないインターフェイスを介して、それぞれ接続されている。なお、操作表示手段9は、たとえば液晶パネルからなる。
【0022】
前記バーコードリーダ7は、商品や、コンテナCi、集積場所Siに付されたバーコードの読み取りを行う。バーコードリーダ7および操作表示手段9は、当該商品の種別を入力可能で、かつ、仕分け先の設定入力が可能な種別入力手段を構成している。
【0023】
操作表示手段9は、たとえば液晶表示器からなり、作業の指示や警告などの種々の内容が表示される。
無線送受信器10は、アンテナ10a(図1)に接続されている。無線送受信器10が、ホストコンピュータ3との送受信を行うことにより、種々のデータをマイコン4とホストコンピュータ3との間で無線交信することが可能である。
【0024】
マイコン4は、CPU5およびメモリ6を備えている。
メモリ6:
メモリ6には、仕分商品記憶部6a、商品総数記憶部6b、単重記憶部6cおよび載置商品記憶部6dなどが設けられている。
【0025】
図3(b)に示すように、仕分商品記憶部6aには、仕分け先である店舗No. ごとに、分配すべき商品の種類と個数とが互いに関連付けられて記憶される。
図3(c)に示すように、商品総数記憶部6bには、商品の種別ごとに、当該台車1Aに積み込まれるべき商品の総個数が記憶される。
図3(d)に示すように、単重記憶部6cには、商品の種別ごとに、当該商品の1個当たりの重量である単重が、互いに関連付けられて予め記憶されている。
図3(e)に示すように、載置商品記憶部6dには、各計量器13a,13bごとに、かつ、各コンテナCiごとにコンテナCi内の商品の種類、単重および個数などが互いに関連付けられて記憶される。
【0026】
CPU5:
CPU5は、重量比較手段5a、検品手段5b、計数手段5cおよび検数手段5dなどを備えている。
重量比較手段5aは、商品の台車1Aへの積込時において、これから積み込もうとする商品と、同一または近似した重量で、かつ、別の種別の商品が、同じ計量器13a(13b)上のコンテナCiにすでに積載されているか否かの判別を行う。
検品手段5bは商品の検品を行う。検品手段5bは、積込時において、積み込まれようとしている商品が、積み込むべき商品か否かの判別を行う。一方、ソーティング時においては、仕分け先の店舗に分配される商品が、当該仕分け先に分配すべき商品であるか否かの判別を行う。
【0027】
計数手段5cは、計量器13a(13b)で計量された計量値の変化と、商品の単重とに基づき商品の計数を行う。すなわち、計数手段5cは計量値の変化を単重で除して、商品の個数を求める。
【0028】
検数手段5dは、計数された商品の個数に基づき、積込時において、積み込むべき個数と一致するか否かの判別を行う。一方、検数手段5dは、ソーティング時において、計数された個数が仕分け先についての商品の個数と一致するか否かの判別を行う。
【0029】
ソーティングシステムでの商品の積み込み:
商品の積み込みに際しては、予め商品が収納されたコンテナを台車1Aに積み込む場合と、図1の台車1Aに載置されたコンテナCiに商品を積み込んでいく場合とがある。以下の説明では、作業員が商品棚2から商品を台車1AのコンテナCiに積み込む場合について説明する。
【0030】
商品の選択を作業員が任意に行う場合:
図1において、作業員は、商品棚2から商品を取り出し、商品Miに付されたバーコードからなる商品コードをバーコードリーダ7によりスキャンすると共に、積み込むコンテナCiのコンテナバーコードB1をスキャンする。これにより、商品Miと当該商品Miを積み込んだコンテナCiとの関連付けが行われる。その後、作業員は当該種類の商品をコンテナCiに所定個数積み込む。なお、コンテナCiは、どの計量器13a,13bに載置されているのかが予め設定入力されている。
【0031】
他の積み込み方法:
さらに、積み込むべき商品の種類および個数が、本システムによって指示されるようにしてもよい。かかる場合の積み込み方法について、図4に示す作業手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0032】
まず、作業員が図1の台車1Aの操作表示手段9から所定の操作を行うと、ホストコンピュータ3から台車1Aのマイコン4に商品の種類と総個数などからなる積み込むべき商品の商品情報が送信される。当該商品の情報に基づいて、商品総数記憶部6bに商品の種類および個数が記憶されると共に、当該積み込むべき商品についてマイコン4が操作表示手段9に商品積込の指示を表示して、積み込み作業がスタートする。
【0033】
積み込み作業がスタートすると、ステップS1において、図3のマイコン4が積み込みを行う商品Miを商品総数記憶部6bから読み出す。これに応じて、当該商品Miに対応する商品棚2の棚ランプLi(図1)が点灯すると共に、該商品Miの種類とコンテナCiに入れるべき個数が操作表示手段9に表示されてステップS2に進む。
ステップS2において、作業員が棚ランプLi(図1)の点灯している商品棚2の収納箇所から商品Miを取り出し、当該商品Miの商品コードをバーコードリーダ7によりスキャンしてステップS3に進む。
【0034】
ステップS3では、検品手段5bによって商品の検品が行われる。すなわち、検品手段5bは、バーコードリーダ7から入力された商品の種類が、選択すべき商品の種類と一致するか否かを判別して、その検品結果を出力する。マイコン4は、当該結果に基づき、当該入力された商品の種類が積み込むべき商品でない場合には、商品が間違っている旨を操作表示手段9に表示させて、作業員に注意を促す。
【0035】
つぎのステップS4において、作業員がコンテナCiに付されたコンテナバーコードB1をバーコードリーダ7を用いてスキャンすることにより、当該商品Miの収納コンテナCiを指定してステップS5に進む。前述のように、各コンテナCiと計量器13a(13b)とは、予め関連付けられている。したがって、ステップS2での商品コードのスキャンと、ステップS4でのコンテナバーコードB1のスキャンとにより、積み込んだ商品Miと計量器13a(13b)とが互いに関連付けられる。
【0036】
ステップS5では、作業員が当該種類の商品Miを、操作表示手段9に表示された個数分だけ当該コンテナCiに積み込みステップS6に進む。
【0037】
ステップS6では、検数手段5dによって商品の検数が行われる。
積込時における商品の検数:
計数手段5cは、計量器13a(13b)からの重量信号の変化に基づき、コンテナCi内に投入された商品Miの重量を算出し、当該重量から商品の個数を算出する。まず、計数手段5cは、商品投入後の重量から商品投入前の重量を減算することにより、計量値の変化を算出する。つぎに、計数手段5cは、当該計量値の変化を、単重記憶部6cから読み出した当該商品の単重で除算することにより、商品Miの個数を算出する。
【0038】
検数手段5dは商品総数記憶部6bから当該商品の総個数を読み出し、更に、前記計数手段5cで計数された商品の個数が、当該総個数と一致するか否かの判別を行う。
【0039】
前記検数の結果、商品個数の過少がある場合には、その旨を操作表示手段9に表示して、作業員に注意を促す。商品の個数が正しい場合には、マイコン4が、商品の種類(商品番号)、単重および個数などを、当該コンテナCiのコンテナ番号に関連付けて載置商品記憶部6dに記憶させ、ステップS7に進む。
したがって、載置商品記憶部6dには、今回積み込まれた商品の種類、単重および個数などが、積み込まれたコンテナCiおよび計量器13a(13b)に関連付けられて記憶される。
【0040】
前記ステップS1〜S6が繰り返し行われて、台車1Aが満杯になると、作業員が所定の操作を行い、積み込みを終了して、ソーティングに移る。
【0041】
近似した重量の商品の場合:
ここで、作業員が積み込もうと選択した商品Miが、たとえば、色違いの商品やCD、飲料など、重量が同一または近似し、かつ、異なる種類の商品の場合(たとえば、図1における商品M1と商品M4などの場合)がある。かかる商品を、同一の計量器13a(13b)上に載置した場合には、重量が近似しているため、別の種類の商品が間違って荷降し(ソーティング)されても、荷降しされた商品の重量によるチェックが難しい。そのため、近似した重量の商品を別々の計量器13a(13b)上に載置するのが好ましい。
【0042】
前述のように、載置商品記憶部6dには、商品の積込みが行われる度に、商品の種別、総個数および単重などが順次記憶される。前記ステップS2において、商品コードをスキャンした際に、重量比較手段5aは、仕分商品記憶部6aの記憶内容を検索し、同じ計量器13a(13b)上に当該商品と同一または近似した重量の商品があるか否かの判別を行う。
【0043】
マイコン4は、前記重量比較手段5aによる判別の結果、同一または近似した重量で、かつ、別の種類の商品がすでに記憶されている場合には、当該商品Miを、異なる計量器13a(13b)に載せるように、操作表示手段9に警告表示を行わせる。作業員は、別の計量器13b(13a)上のコンテナCiに付されたコンテナバーコードB1を読み込ませて、当該別のコンテナCiに商品を積み込む。
【0044】
コンテナごと積み込む場合:
なお、予め商品の収納されたコンテナCiを台車1Aに積み込んでもよい。また、図7に示すように、計量器13a(13b)上のコンテナCiの載置場所ごとに間口バーコードB4を付してもよい。かかる場合には、コンテナCiの積み込みの際に間口バーコードB4をスキャンすることにより、商品とコンテナCiの載置場所との関連付け(いわゆる、紐付け)が行われる。
【0045】
ソーティング:
つぎに、ソーティングについて、図5に示す作業手順を示すフローチャートを用いて説明する。
ホストコンピュータ3は、荷降しを行う店舗についての商品仕分情報を台車1Aのマイコン4に予め送信している。マイコン4は当該商品仕分情報を、図3の仕分商品記憶部6aに予め記憶させる。
前記積み込みの後、作業員が台車1Aを押して、図2に示す仕分け先の集積場所Siに到着し、所定の操作を行うと、ソーティングがスタートしてステップS11に進む。
【0046】
ステップS11では、作業者が台車1Aに所定の操作を行うと、マイコン4が店舗No. を仕分商品記憶部6aから読み出し、当該店舗No. に対応する集積場所Siを操作表示手段9に表示する。作業員は、荷降しする集積場所Siの店舗バーコードB2をスキャンしてステップS12に進む。
【0047】
当該間口バーコードB2のスキャンが行われると、マイコン4は、読み込まれた店舗バーコードB2に基づいて、荷降しすべき店舗であるか否かの確認(仕分間口の確認)を行う。集積場所Siが異なる場合には、その旨を操作表示手段9に表示して作業員に注意を促す。一方、集積場所Siが荷降しする店舗である場合には、当該店舗に荷降しする商品名と該商品の個数が操作表示手段9に表示される。
一方、マイコン4は、当該店舗に荷降し(ソーティング)する商品が搭載されたコンテナCiを載置商品記憶部6dから読み出し、当該コンテナCiに対応するコンテナ指示ランプ14a〜14fのいずれか1つ以上を表示する。
【0048】
ステップS12では、作業員が当該点灯しているコンテナ指示ランプ14a〜14fに対応するコンテナCiから商品Miを取り出し、バーコードリーダ7に当該商品Miに付されたバーコードをスキャンしてステップS13に進む。
【0049】
ステップS13では、以下に説明するように、商品の検品が行われる。
ソーティングにおける商品の検品:
検品手段5bは、バーコードリーダ7から入力された商品の種類が、仕分け先に分配すべき商品の種類と一致するか否かの判別を行う。マイコン4は、当該検品結果に基づき、当該入力された商品の種類が、投入すべき種類の商品でない場合には、商品の種類が間違っている旨を操作表示手段9に表示させて、作業員の注意を促す。
【0050】
つぎのステップS14では、当該種類の商品を操作表示手段9に表示された個数分だけ、該集積場所Siに投入して荷降しを行い、ステップS15に進む。
【0051】
ステップS15では、以下に説明するように、商品の検数が行われる。
ソーティングにおける商品の検数:
商品の荷降しが行われると、計数手段5cは、商品荷降し前の重量から商品荷降し後の重量を減算することにより、計量値の変化を算出すると共に、当該計量値の変化を、単重記憶部6cから読み出した当該商品の単重で除算することにより、商品の個数を算出する。
検数手段5dは、前記算出された当該商品の個数が、仕分商品記憶部6aに記憶された当該仕分け先の商品の個数と一致するか否かの判別を行う。
【0052】
前記検数の結果、商品個数の過少がある場合には、その旨を操作表示手段9に表示して、作業員に注意を促す。商品の個数が正しい場合には、荷降し実績がホストコンピュータ3に送信されて、ステップS16に進む。ステップS16において、1店舗当たり複数種類の商品がある場合は、前記ステップS12〜S15を繰り返す。
【0053】
つぎのステップS17では、台車1Aに積み込まれた商品のうち、全商品が荷降しされたか否かの判別を行う。全商品の荷降しが終了した場合には、再び前述した商品の積み込みを行う。一方、荷降しされていない商品がある場合には、ステップS11に戻る。
【0054】
なお、前述のソーティングの説明では、ステップS11において店舗を指定した後、ステップS12において荷降しする商品の指定を行うこととしたが、まず、商品のスキャンを行い商品指定を行った後、店舗コードをスキャンして当該種類の商品を各店舗ごとにソーティングするようにしてもよい。
【0055】
なお、前述の実施例では、コンテナ指示ランプ14a〜14fを設けたが、コンテナ指示ランプ14a〜14fの代わりに、図6(a)に示すように、ランプ付きのクリップ15a〜15fを設けてもよい。図6(b)に示すように、前記クリップ15a〜15fには、表示ランプ16と共に、作業員がコンテナ番号を書き込む番号表示部が設けられている。
【0056】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、前述の実施例では、商品を店舗に仕分けするシステムについて説明したが、本システムは、たとえば、工場内での部品の調達などについても適用し得る。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、商品の仕分けシステムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施例にかかるソーティングシステムに用いる商品棚および台車の概略構成図である。
【図2】同ソーティングシステムのソーティングに関する集積場所および台車の概略平面図および側面図である。
【図3】(a)はソーティングシステムの概略構成図、(b)〜(e)は記憶内容を示す表である。
【図4】ソーティングでの積み込みの作業手順を示すフローチャートである。
【図5】ソーティングでの仕分けの作業手順を示すフローチャートである。
【図6】(a)は変形例にかかる台車の概略構成図、(b)はコンテナに付するクリップを示す概略正面図である。
【図7】変形例にかかる台車を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0059】
1A:台車
5a:重量比較手段
5b:検品手段
5c:計数手段
5d:検数手段
6a:仕分商品記憶部
6c:単重記憶部
6d:載置商品記憶部
7:バーコードリーダ(種別入力手段の一例)
9:表示手段(種別入力手段の一例)
13a:第1計量器
13b:第2計量器
Mi:商品
Si:集積場所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車に搭載された計量器上に複数種類の商品を載せ、当該商品を仕分け先ごとに仕分けるためのソーティングシステムであって、
各商品の種類ごとの単重を記憶する単重記憶部と、
各仕分け先ごとに、仕分けされるべき商品の種別および当該商品の個数を記憶する仕分商品記憶部と、
作業内容を表示する表示手段と、
前記計量器から商品を取り出す際に、当該商品の種別を入力可能で、かつ、前記仕分け先の設定入力が可能な種別入力手段と、
前記種別入力手段から入力された商品の種別が、前記仕分商品記憶部に記憶された仕分け先のうち前記種別入力手段で設定された仕分け先に分配すべき商品であるか否かを判別して、その検品結果を出力する検品手段と、
前記計量器から商品を取り出した際に、前記種別入力手段からの商品の種別の情報を得て、当該商品について前記単重記憶部に記憶された単重と、前記計量器で計量された計量値の変化との関係に基づいて商品の数量を計数する計数手段と、
前記計数手段で計数された商品の個数が、当該商品について前記仕分商品記憶部に記憶された仕分け先のうち前記種別入力手段で設定された仕分け先についての商品の個数と一致するか否かを判別して、その検数結果を出力する検数手段とを備えたソーティングシステム。
【請求項2】
請求項1において、前記計量器に載せられた商品を各計量器ごとに記憶する載置商品記憶部と、
前記計量器上に商品を載せる際に、当該計量器について前記載置商品記憶部に記憶された商品と同一または近似した重量で、かつ、別の種別の商品が存在するか否かを判別して出力する重量比較手段を更に備えたソーティングシステム。
【請求項3】
請求項1もしくは2において、前記計量器が1台の台車上に複数台設けられ、前記重量比較手段と同一または近似した重量の商品であると判別された場合は、当該商品が載せられていない方の計量器に当該商品を載置するように指示する出力手段を更に備えたソーティングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−70099(P2007−70099A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−261646(P2005−261646)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】