説明

ゾーン切り替えスポーツ訓練用メガネ

視力訓練メガネは、複数個の遮蔽ゾーンを有するレンズを設ける。これら遮蔽ゾーンは、個別に切り替え可能で、光を透過させる、または装用者の通常の視界を妨げることができる減衰を行う。パターンまたはパターンのシーケンスは、訓練者がテスト状況下にある間に、固定または可変の割合で選択的に動作させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とくにスポーツ視力の視力訓練に関する。
【背景技術】
【0002】
個人スポーツおよびチームスポーツの双方おける運動競技の成果は改善され続けている。科学的に証明された栄養および訓練方法は、個人トレーナー、専門コーチ、ならびにインターネットベースのトレーナーおよび訓練プログラムから全てのレベルのアスリートに利用可能である。さらに、競技用具、靴、および衣服が進化し、アスリートたちに優れたパフォーマンスならびにスタイリッシュな外観および快適性を提供している。けがの治療法も改善され、かつてはスポーツ人生終わらせるものであったいくつかの重篤なけがも、単に短期間のリハビリテーションだけでほぼ完全な回復を可能とする技術で治療することができる。このようにして、アスリートたちは、これまでよりも、一層適応性よく、より強靭に、より良く訓練され、より良い用具を装備し、またより良い体調管理受けることができる。
【0003】
運動競技パフォーマンスはアスリートの身体的条件の直接的な機能であるが、多くのスポーツは、競技者が、チームメート、対戦相手、およびスポーツ固有の対象物、例えばアメリカンフットボールのボール、野球のボール、アイスホッケーのパック、他の対象物の位置、および動き(例えば、速度、加速度、減速度)を正確に把握し、そして反応することを要求する。例えば、成功している野球の打者またはアメリカンフットボールのクオーターバックは、少なくともそれらのスポーツで遭遇する状況に関して、他人より高い視覚的鋭敏性を持っているように見える。個人のパフォーマンスを向上させるために、アスリートはパフォーマンスを改善するための別のアプローチとして視力訓練に興味を持つようになってきている。例えば、打者は90マイル/時以上の速球の縫い目を見ることができるように視力を改善したいと思っている。このように、アスリートは、より優れた視力の敏捷性を得て身体の敏捷性を補完することを狙っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,129,435号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
不幸なことに、視力訓練および評価の利用可能な方法は、一般に、特定のスポーツに必要な特定の技能に十分適合するよう仕立てられておらず、その方法も直ちに設定を変えることはできず、要求されうる変化に富む訓練を提供できない。従って、視力訓練のための改善した方法および装置が必要である
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は視力訓練メガネおよび訓練方法を提供する。代表的なメガネは、選択可能な光透過率を持つ複数個のゾーンを画定する少なくとも1個の第1レンズと、およびこの第1レンズを保持し、装用者の眼の前にレンズを支持するよう構成したフレームと、を備える。1個またはそれ以上のゾーン接続導体を第1レンズの1個またはそれ以上のゾーンに接続し、このゾーンに制御信号を供給するよう構成する。典型的な実施形態では、メガネは、さらに複数個のゾーンを画定し、またフレーム内に保持した第2レンズを備え、フレームは、装用者の各眼の前方に第1レンズおよび第2レンズを位置決めする構成とする。ゾーン接続導体は、第1レンズおよび第2レンズの1個またはそれ以上のゾーンに接続する。他の実施形態では、レンズドライバをフレームに固定し、第1および第2レンズのゾーンに制御信号を供給するよう第1および第2レンズに接続する。ある好適な実施形態では、レンズはゾーンを画定する可撓性液晶デバイスを有し、この可撓性液晶デバイスをレンズ基板に固定する。レンズは装用位置での前面および後面を持ち、この前面および後面は少なくとも4ジオプターの曲率を有する。
【0007】
ある特別な実施形態では、一方のレンズ(または両方のレンズ)は、装用者の眼の前方に取り付け、顔に向かって傾斜した、低負倍率非矯正レンズ基板を有する。このレンズ基板は、顔に対して傾斜する方向とはほぼ反対方向に、視線に平行な角度から十分離れた角度をなす光軸を有して、プリズムゆがみを大幅に縮小する構成とする。(レンズ基板の光軸は、レンズ基板の前面および後面の曲率の中央を通過するラインである。)
【0008】
他の実施形態では、メガネは、一方または双方のレンズによって生ずる視力難易レベルを調整するよう構成したレベルセレクタを有する。ある実施形態では、難易レベルは、ゾーンパターンを実質上光遮蔽する持続時間と関連付けする。さらに代表的な好適形態では、ゾーンセレクタは、透過率を減少させるためゾーンよりなる一組の所定ゾーンセットを選択するよう構成する。
【0009】
ある実施形態では、メガネは、第1および第2レンズを有し、これら第1レンズおよび第2レンズは、それぞれの複数個のゾーンを画定し、装用者の各眼の前方に第1レンズおよび第2レンズを位置決めするようフレームに保持する。少なくとも1個のゾーン接続導体を、第1および第2レンズのゾーンに接続し、ゾーンセットの光透過率を選択的に変化させるために制御信号を受信するよう構成する。レンズドライバはメガネに固定し(または別個に設け)、第1レンズにおける一組のゾーンよりなる第1ゾーンセットおよび第2レンズにおける一組のゾーンよりなる第2ゾーンセットを作動させて、第1レンズおよび第2レンズを通過する光束を、交互に実質的に透過し実質的に減衰させるよう構成する。メガネは、第1ゾーンセットおよび第2ゾーンセットを選択するよう構成したパターンセレクタ、および第1ゾーンセットおよび第2ゾーンセットを実質的に減衰させる間隔を選択するためのユーザー入力も含む。第1レンズおよび第2レンズのゾーンは行および列状に配列することができ、パターンセレクタは、行セレクタおよび列セレクタを有し、これら行セレクタおよび列セレクタにより、第1ゾーンセットおよび第2ゾーンセットを含めて、各レンズ内のゾーンの、1個またはそれ以上の行および1個またはそれ以上の列を選択するよう構成する。
【0010】
視力訓練システムは、訓練者の視野の一部分を選択的に遮るよう構成したメガネ、および訓練者の視野の遮蔽部分を選択し時間的に変化させるよう構成したパターン生成器を有する。ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)のようなコンピュータ読み出し可能メディアは、パターン生成器によって選択した視野の遮蔽部分を記録するよう、または訓練者に与えられる視野遮蔽パターンのシーケンスを保存するよう構成することができる。ある実施形態では、パターン生成器は、透過状態持続時間をほぼ一定に保ち、非透過状態持続時間を実質的に変化させることによって、視野の遮蔽部分を時間的に変化させる。遮蔽パターンは(通常の視線または活動固有の視線のような)視線上のまたは視線近くの視野の部分を遮蔽するよう、または視線から外れた視野の部分を遮蔽するよう、選択することができる。ある実施形態では、干渉模様を用いる。
【0011】
訓練方法は、訓練者の少なくとも一方の眼の視野に少なくとも1個の遮蔽パターンを与えるステップと、および訓練者にパフォーマンス課題を提示するステップとを有する。例えば、打者の視野の部分を遮蔽することができ、それによって打者は通常の打撃の状況を体験することができる。訓練者に提示する遮蔽パターンはパターン提示中に時間変化させることができ、通常は複数個の遮蔽ゾーンを有する。ある実施形態では、遮蔽パターンのシーケンスを供給し、遮蔽パターンを訓練者の各眼の視野に与える。通常、パフォーマンス課題に対する訓練者の反応は、他の訓練条件を決定する、または進捗状況を評価するために記録する。
【0012】
開示する技術の上述したおよび他の目的、特徴、ならびに利点は、添付図面につき説明する以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】視力訓練メガネの代表的な実施例を示す図である。
【図2】視力訓練メガネを有する視力訓練システムを示す図である。
【図3】視力訓練メガネの実施例を示す図である。
【図4】視力訓練メガネのレンズ内におけるゾーンの代表的な配列状態を示す図である。
【図5】視力訓練メガネのレンズ内におけるゾーンの代表的な配列状態を示す図である。
【図6】視力訓練メガネのレンズ内におけるゾーンの代表的な配列状態を示す図である。
【図7】遮蔽ゾーンを用いる代表的な視力訓練方法を示す図である。
【図8】行列式に配列したゾーンを含む例示的な視力訓練メガネを用いて提示する代表的な遮蔽パターンを示す図である。
【図9】行列式に配列したゾーンを含む例示的な視力訓練メガネを用いて提示する代表的な遮蔽パターンを示す図である。
【図10】行列式に配列したゾーンを含む例示的な視力訓練メガネを用いて提示する代表的な遮蔽パターンを示す図である。
【図11】行列式に配列したゾーンを含む例示的な視力訓練メガネを用いて提示する代表的な遮蔽パターンを示す図である。
【図12】行列式に配列したゾーンを含む例示的な視力訓練メガネを用いて提示する代表的な遮蔽パターンを示す図である。
【図13】メガネ装用位置に装用したときの通常の視線付近に位置するゾーンを基本とする遮蔽パターンを示す図である。
【図14】メガネによって得られる視覚的難易レベルを選択するための制御装置を含む視力訓練メガネのテンプル部片を示す図である。
【図15】複数個のゾーンを含み、右レンズは7セグメントディスプレイのためのディスプレイ領域を有する、左右レンズを示す図である。
【図16A】図15のレンズの明状態を示す図である。
【図16B】図15のレンズの暗状態を示す図である。
【図17A】図15のレンズの明状態示す図である。
【図17B】図15の右レンズは明状態を維持しつつ左レンズを暗状態にした図である。
【図18】視力訓練メガネによって得られる一連の視覚的難易レベルを規定するために用いる明状態および暗状態の持続時間を示す図である。
【図19】ゾーンの行および列を選択する制御装置を有する視力訓練メガネの代表的なテンプル部片の一部を示す図である。
【図20】各眼のレンズは行列式に配列した12個のゾーンを含む、代表的な視力訓練メガネを示す図である。
【図21】各眼のレンズは行列式に配列した12個のゾーンを含む、代表的な視力訓練メガネを示す図である。
【図22】各眼のレンズは行列式に配列した12個のゾーンを含む、代表的な視力訓練メガネを示す図である。
【図23】各眼のレンズは行列式に配列した12個のゾーンを含む、代表的的な視力訓練メガネを示す図である。
【図24】各眼のレンズは行列式に配列した12個のゾーンを含む、代表的な視力訓練メガネを示す図である。
【図25】各眼のレンズは行列式に配列した12個のゾーンを含む、代表的な視力訓練メガネを示す図である。
【図26】各眼のレンズは行列式に配列した12個のゾーンを含む、代表的な視力訓練メガネを示す図である。
【図27】各眼のレンズは行列式に配列した12個のゾーンを含む、代表的な視力訓練メガネを示す図である。
【図28】各眼のレンズは行列式に配列した12個のゾーンを含む、代表的な視力訓練メガネを示す図である。
【図29】各眼のレンズは行列式に配列した12個のゾーンを含む、代表的な視力訓練メガネを示す図である。
【図30】各眼のレンズは行列式に配列した12個のゾーンを含む、代表的な視力訓練メガネを示す図である。
【図31】各眼のレンズは行列式に配列した12個のゾーンを含む、代表的な視力訓練メガネを示す図である。
【図32】各眼のレンズは行列式に配列した12個のゾーンを含む、代表的な視力訓練メガネを示す図である。
【図33】代表的な視力訓練メガネを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で用いるように、文脈が明確に指示しない限り、単数形「1つの」および「この」は複数形を含むものとする。加えて、「含む」という語は「有する」を意味する。記載のシステム、装置、および方法は決して限定的なものと解釈すべきではない。代わりに、本明細書は、単体および相互とのさまざまな組み合わせおよび副結合において、種々記載する実施形態の、全ての新規的および進歩的な特徴および態様に指向するものとする。開示するシステム、方法、および装置は、いかなる特定の態様または特徴またはそれらの組み合わせにも限定せず、また開示するシステム、方法、および装置は、いずれか1つまたはそれ以上の特別な利点が存在すること、または課題を解決することを要するものでもない。
【0015】
開示する方法のいくつかの操作を、説明上都合のよい特定な、逐次的順序で説明するが、以下に述べる特別な順序が必要でない限り、この記載方法は再配列を含有するものと理解されたい。例えば、逐次的に記載した操作は、ある場合においては、再配列するまたは同時に実行することができる。さらに、説明を簡潔にするため、添付図面は、開示するシステム、方法、および装置を他のシステム、方法、および装置と併せて用いることができる、そのさまざまな手法をすべて示すものではない。
【0016】
図1につき説明すると、訓練メガネ100は、第1レンズ104および第2レンズ106を保持するよう構成したフレーム102を有する。あるいくつかの実施例では、レンズ104,106は、近視、遠視、乱視、または他の視覚障害を矯正するために通常用いるような倍率にすることができるが、レンズ104,106は、このような矯正用の屈折率をほとんどまたは全く生じない構成にすることもできる。図1に符号付けした代表的なゾーン108,110のような、複数個のセグメントまたはゾーンを有する。以下の説明の都合上、レンズ104,106の全てのゾーンを、ときに、それぞれゾーン108,110と称する。ゾーン108,110は、例えばセグメント(ゾーン)に加える電気信号で調整、選択、または設定することができる光学的特性を有する。例えば、セグメントは、高分子分散液晶、ネマチック液晶、コレステリック液晶、または電気的にスイッチング可能な他の光学的材料で画定することができ、これら材料は、選択したセグメントの幾何学的形状を生成するようパターン形成する透明導電層間に配置する。液晶材料はその比較的低い駆動電圧のため好都合であるが、他の電気光学材料、例えば可撓性フラットパネルディスプレイのために開発された、電気泳動材料、すなわちいわゆる「電子インク」を用いることもできる。
【0017】
図1のメガネは左眼および右眼用の分離したレンズを含むが、他の実施例では、各眼に関して適切に配置する単レンズ枠(ペイン)を設けることができる。ある実施例では、一方の眼用のレンズまたはレンズ枠の一部分は、関連する眼に入る視野をほぼ遮蔽するよう構成する。このような遮蔽は、例えば、不透明体、半透明体、または他の光遮断および/または光散乱レンズ領域またはレンズ枠領域、を用いて達成することができる。ある実施例では、レンズおよびレンズ枠領域のうち一方は、パターン化した遮蔽を表示するよう構成することなく、ほぼ遮蔽するまたはほぼ透過するよう選択的に切り替え可能とするようにパターン形成することができる。
【0018】
図1に示すように、ゾーン108,110はおよそ長方形のグリッド内に配置するが、ゾーンは他の方法で構成することもできる。さらに、ゾーン108,110はほぼ同じ面積を持つが、他の実施例では、ゾーン面積は、いくつかの面積を相当大きくまたは相当小さくなるよう構成することができ、またゾーン面積は、例えば装用位置におけるメガネの水平もしくは垂直位置の関数として、徐々にもしくは急激に変化させることができる、またはゾーン面積は、幾何学的中心または装用者の真っすぐな視線と装用位置におけるレンズの交点によって決定される中心のような、レンズ中央からの距離の関数とすることができる。長方形構成または他の規則的な構成のゾーンを用いることができ、またこのようなアレイにおけるゾーンの行/列を任意の方向に指向させることができ、水平方向または垂直方向に指向させる必要はない。
【0019】
ゾーン108,110はレンズドライバに電気的に接続することができ、このレンズドライバは例えば、メガネのテンプル部片112もしくは他の部分に固定する、または独立的に配置可能とし、都合に応じて、例えば腕章、ポケット、またはウエストバンドに固定することができるようにする。レンズドライバは、いくつかまたはすべてのゾーンをほぼ不透明、または半透明にする、またはゾーン透過率を変化させるよう動作する電気制御信号を生ずる構成にすることができる。ゾーンは電気的に変更可能な分光透過率を供給するよう構成することができ、透過光のスペクトルは適用する電気的ドライバにより変化する。ゾーンのパターンまたは構成および作動方法は、レンズドライバの一部としてまたは別個に設けたパターン生成器またはコントローラとともにレンズドライバによって選択することができる。遠隔レンズまたはパターン生成器は電気ケーブルによってメガネに接続することができる。ある実施例では、パターンを無線でメガネに伝達することができるようにし、これによりトレーナーは、装用者の活動を邪魔することなく、適切なゾーン作動パターンを選択できる。
【0020】
ゾーン108,110は、アクティブ化したゾーンの幾何学的構成、ゾーンを動作させる時間的シーケンス、ゾーン作動速度、ゾーンパターンの進行、または他の空間的および/または時間的に変動するまたは固定の構成をベースとする、さまざまなゾーン作動パターンでアクティブ化することができる。例えば、いくつかのまたは全てのゾーンをアクティブ化して、時間的シーケンスで装用者の視界を遮蔽し、この時間的シーケンスとして、初期的には遮蔽の相対持続時間を小さく、徐々に遮蔽持続時間が増加する。ゾーンは、選択した活動固有の、またはスポーツ固有の状況に基づいた遮蔽を行うよう選択することができる。例えば、打者が野球ボールを追う中心視力を改善する訓練において、視界の中央部分を、ゾーン透過率を静的にまたは時間的に変化する調整を行って、部分的または完全に遮蔽することができる。しかし、中央視力を鍛えるこの実施例においては、アクティブ化したゾーンはメガネレンズの中央ゾーンでない場合もあるが、投球の軌道に対する打者の相対的な頭の位置および視線に基づいて選択することができる。
【0021】
ゾーンまたは選択したゾーンの組は、装用者の視野の一部分を遮蔽するよう選択することができる。便宜上、1個またはそれ以上のゾーン構成を遮蔽パターンと称する。遮蔽パターンが光透過率または発光を変調する程度を遮蔽強度と称する。1個またはそれ以上のアクティブ化した遮蔽パターンの連続をシーケンスと称する。シーケンスにおけるアクティブ化するパターンのアクティブ化速度をストロボ速度と称することができる。ストロボ速度は、固定または可変の周波数とすることができる。あるいくつかの実施例では、同一または類似のパターンおよびシーケンスを左レンズおよび右レンズに指示するが、異なるパターン、シーケンス、およびタイミングを異なるレンズに与えることができる。シーケンスおよびパターンは、レンズに異なる位相で供給することもできる。例えば、左レンズであるパターンをアクティブ化し、つぎに、このパターンの部分的または完全に非アクティブにする際に、右レンズで対応するまたは異なるパターンをアクティブ化することができる。ある実施例では、左および右レンズ上のパターンの作動はほぼ同時に行う(同位相)が、他の実施例では、一方をアクティブ化するのは、他方を非アクティブ化にするときのみとする(非同位相)。
【0022】
切り替え可能メガネ202および制御システム204を有する代表的な視力訓練システムを図2に示す。この制御システム204をメガネ202に可撓性電気ケーブル206により接続し、この電気ケーブル206はメガネ202に対して電気信号を送受信するよう構成する。このメガネ202は、テンプル部片208,209、レンズ210,211およびブリッジ212を有する。これらレンズ210,211は、通常は、ブリッジ212も含むフレーム前部で画定されるレンズリムよって保持するが、リムレスメガネのような他のメガネ形態も用いることができる。光センサ214をメガネ202におけるブリッジ212または他の位置の内部または上部に配置することができる。図2に示すように、レンズ210,211は、ゾーン216,217,218および219,220,221をそれぞれ含むが、より多くのゾーンまたは異なるゾーン構成を設けることができる。
【0023】
制御システム204は、適切な電気信号をレンズゾーン216〜221に供給するよう構成した遠隔レンズドライバ/デコーダ234を有する。ある実施例では、レンズドライバ234は、通常液晶ディスプレイパネルをアドレス指定するように、ゾーンを行毎にまたは列毎に選択的にアドレス指定することによって、電気信号を供給するよう構成する。2または3個程度のゾーンしか持たないレンズにおいては、各ゾーンは専用導体を用いて独立的にアドレス指定可能とすることができる。メガネにおいて復号するまたは分配する信号を供給して、例えばケーブル206を介する多重行信号および列信号を供給する必要性を回避するよう、制御システム204への電気的接続部を簡素化することは好適である。ある実施例では、制御システム204または制御システムのいくつかの部分を、メガネ202におけるブリッジ、テンプル部片、または他の部分に固定また組み込むものとする。図2において、フレームに取り付けたデコーダ235は左テンプル部片209上に配置する。他の実施例では、制御システムまたはその一部分を、メガネ使用者の衣服、身体、または装備品に取り付けるよう構成する。
【0024】
制御システム204は、さらに、メモリ222およびパターン生成器/シーケンサ224を有するものとすることができる。メモリ222は、遮蔽パターンおよびこのようなパターンをアクティブ化するための時間シーケンスを保存するとともに、訓練セッションにおいてメガネを使用した持続時間およびシーケンスに対応する訓練データを記録するよう構成することができる。パターン生成器/シーケンサ224は、使用のために予め設定したパターンシーケンスまたは遮蔽パターンを決定するよう構成することができる。さらに、パターンおよびシーケンスは、例えばユーザーインタフェース226を介して受信した入力命令または他のユーザー入力に応答して、変更または適応することができる。ある実施例では、ユーザーインタフェース226は、パターンおよびシーケンスを選択するよう構成し、ノブ、スライダ、押しボタン、または他の入力デバイスのような1個またはそれ以上のユーザー制御装置を有するものとすることができる。典型的な調整としては、特定パターンを反復する速度またはパターンシーケンスを発生する速度に関する。例えば、遮蔽パターンは、装用者が主に減少した透過光強度でストロボに気づくように、高速で(30Hz以上)ストロボさせる。代案として、パターンは装用者が、自分の視力が妨げられる間隔と気づく速度でストロボさせることができる。通常約15Hz以下の速度が知覚できる遮蔽に関連する。ストロボ速度が一定である必要はない。例えば、ストロボ速度は高速から低速に変化させることができ、これにより、装用者に提示する視力遮蔽が増加し、装用者に対する視力要求を増大させる。このような可変周波数駆動は「さえずり(チャープド)」駆動と称することができる。
【0025】
外部入/出力接続部228、例えばユニバーサル・シリアル・バス(USB:Universal Serial Bus)または他の通信接続部を設けることができる。このような接続部はパターン生成器/シーケンサ224に接続して、利用可能なパターンおよびシーケンスを供給することができる。追加のパターンおよびシーケンスもメモリ222内に記憶するために接続部228から受信することもできる。ある実施例では、視力訓練スケジュールを、1つまたはそれ以上のその後における訓練セッションのために、制御システム204に転送することができる。訓練スケジュールは、アスリートのコンピュータから転送する、またはインターネットのようなネットワークを介してトレーナーからアスリートに転送することができる。さらに、使用に関するデータは、例えばアスリートの訓練スケジュールの記録に含ませて、接続部228に配信することができる。このような記録はインターネットのようなネットワーウを介してまたはeメールまたはインスタントメッセージを介してコーチまたはトレーナーに転送することができる。
【0026】
ディスプレイコントローラ230は、レンズ211のディスプレイ部分232を制御するよう構成する。通常ディスプレイ部分232は、当該メガネまたは訓練設定または条件に関する情報を使用者の視野に提示できるよう、複数個のディスプレイ画素を有する。ある実施例では、ディスプレイ部分は、ストロボ点滅またはメガネの状態を表示することができる単独のピクセルを有する。例えば、急速ストロボディスプレイ部分232はパターン速度または訓練セッションの持続時間を表示することができる。
【0027】
光センサ214はセンサプロセッサ238と通信し、このセンサプロセッサは、例えばメガネ202が置かれている環境における周囲の光、またはメガネ202が受ける直接光の指標を提示することができる。遮蔽パターン、シーケンス、および強度はこの指標に基づいて変化させることができる。一般にプロセッサ238は、光センサ214から電気信号を受信することができる増幅器またはバッファーを有し、受ける光を示す出力信号を供給する。例えば、全体照明レベルは、例えば、装用者の眼が周囲の照明条件に関係なく同様の光束を受けるよう設定することができる。
【0028】
異なる遮蔽パターンおよびシーケンスを左および右のレンズに供給することができる。ある実施例では、片方の眼の視力を訓練したいとき、対応する側のレンズのみを用いる。他の実施例では、レンズは、ランダムな間隔で、例えばファンの動き、またはスポーツイベントにおける他の規則的または不規則的な動作によって、遭遇するような攪乱として作用するように選択する。
【0029】
図3は、テンプル部片302、フレーム前部304、およびレンズ306を有する代表的な視力訓練メガネ300を示す。レンズ306は、代表的なゾーン308のようなゾーンを有する。制御スイッチ310を設け、フレーム前部内に含まれる相互接続部312を有するレンズゾーンに電気的に接続する。制御スイッチ310は、ゾーンをアクティブ化するまたはパターンもしくはパターンシーケンスを選択するよう構成することができる。例えば、スイッチ310は、パターンストロボ速度を選択することができる回転部分、およびメガネのオン・オフを切り替えるためのプッシュ機構を有することができる。
【0030】
図4〜6は、ゾーンの代表的構成を示す。図4に示すように、レンズ402,404は、それぞれゾーン406〜409および410〜413を持つ代表的な行403,405を有する。フレーム軸線420に近接するゾーンほど大きくなり、フレーム軸線420からより遠くに離れて位置するゾーンほど顕著に小さくなるようにする。
【0031】
図5においては、レンズ502,504は、それぞれゾーン506〜509および510〜513を有する。レンズ502,504が装用位置にあるとき、これらゾーンは主に水平に延在する。図6は、それぞれ縦置きしたゾーン606〜609および610〜613を有するレンズ602,604示す。
【0032】
視力訓練メガネ用レンズは、ガラス、ポリカーボネート、アクリル、または他の適切な光学材料のレンズ素材片のような、レンズ基板を有することができる。この基板は、それぞれ使用することができる左右レンズの双方を画定するようこいする、または個別の基板を左右それぞれのレンズに使用することができる。基板は着色または彩色して総透過率を制御するおよび/または所定スペクトル透過率を生ずるようにする、または調光材料により形成することができる。通常、レンズ基板は装用位置において後面(装用者側の面)および前面(装用者側とは反対側の面)を持つ。これら表面の一方または双方における曲率および曲率中心は、好ましい光学的補正を行う、またはほぼ光学的に中性となるよう選択することができる。便宜上、正の曲率は、曲率中心が装用位置におけるレンズ基板の後面側にくる曲率として定義する。通常、表面の曲率は、約0ジオプター〜+14ジオプターの間における値となるよう選択する。
【0033】
視力訓練レンズは、さらに、ゾーン切り替え可能な光学的変調器を有するものとし、この光学的変調器は、レンズ基板の前面または後面に適合させるまたは結合することができる。このような光学的変調器は4ジオプターまたはそれ以上の光学的曲率を持つ表面に取り付けるための融通性を有するものとすることができる。光学的変調器は、所望に応じて、両側の表面に結合することができる。一般に、この変調器は、光学的活性(すなわち切り替え可能な)区域、および相互接続部分(通常は視野計に設ける)を有し、この相互接続部分は、制御信号を受信し、直接的に切り替え可能ゾーン、またはゾーンドライバデコーダに制御信号を送信するものとし、このゾーンドライバデコーダは、例えばマトリクスアドレス指定のための適切な行および列の導体信号を規定する。可撓性液晶ベースの変調器が好適である。
【0034】
図7は選択的視野遮蔽に基づく代表的な視力訓練法を示す。ステップ702において、使用者の視野の一部分、通常は中央部分または周辺部分のどちらか、を訓練のために選択する。周辺部分は中央部分よりも色に基づく遮蔽に一層鈍感である傾向があり、また色を用いることができるが、異なる色も同様の視力的課題を課すことができる。対照的に、(通常、中央窩上で受け取る視野像に関連する)中央部分においては、色を使用することができ、色に基づいた視力的課題を課すことができる。ステップ704において、訓練者の通常の視線を決定する。この通常の視線は活動に特有の視線とすることができる。例えば、通常、バレーボールプレーヤは上向きの視線を有する。通常の視線と装用位置における視力訓練メガネの交点を用いて、どのゾーンをアクティブ化して中央または周辺の視力的課題を課すかを選択することができる。ステップ706において、遮蔽パターン/シーケンスを選択し、ステップ708において、訓練者は自らの視野を選択パターン/シーケンスによって遮蔽されながらテスト状況にさらされる。テスト状況はスポーツに特有の状況(野球の打撃または守備、サッカーボールのトラッピング、その他)またはより一般的なテスト状況とすることができる。ステップ710において、訓練者のパフォーマンスを評価し、ステップ712において、パターン/シーケンスはテスト結果に基づいて調整する。パターン/シーケンスおよびその調整は、例えば監視コンピュータシステムによって行うことができ、この監視コンピュータシステムはパターン/シーケンス/タイミングを選択するためのユーザーインタフェースを設け、さらに訓練結果を受信するものとし、パターン/シーケンスはユーザーの介入なしで調整できるよう、さらにほぼ同時に訓練者を適切な視力的課題にさらすことができるようにする。
【0035】
フレームをベースとするメガネは一般的使用および活動(アクティビティ)固有の訓練に有利であるが、活動固有のメガネ、バイザー、フェースシールド、または保護シールドを同様に構成することができる。例えば、遮蔽ゾーンを、アメリカンフットボール、ホッケー、ラクロスのヘルメットまたは他のヘッドプロテクタに適合するフェースシールド上に設けることができる。ラケットスポーツ、ラクロス、および野球用のゴーグルおよびフェースマスクも、複数個の切り替え可能なゾーンを画定することができる視力シールド部分を有するよう構成することができる。
【0036】
図8〜12は、図1のようなメガネ上に提示することができる代表的なパターンを示す。図8は、視野全体にわたり実質的に光を減衰するよう切り替えた右レンズ802を示し、左レンズ804は非アクティブ状態とする。左レンズ804は、同様に、全てのゾーンにおいて、右レンズ802のパターンで、同位相または異なる位相でアクティブ化する、またはこの左レンズ804は非アクティブ状態のままにすることができる。
【0037】
図9は右レンズ904上に提示する遮蔽パターン902および左レンズ908上に提示する遮蔽パターン906を示す。パターン902,906は軸線910に関して対称とする。これらのパターンは同位相、異なる位相、一定速度、または好適な可変速度でストロボさせることができる。光減衰または発生は視力課題を課すよう選択することができ、各レンズにおいて同一または異なるようにすることができる。
【0038】
図10は、右レンズ1002および左レンズ1004上に、垂直軸線1006および水平軸線1008の交点にあるポイント1006に関してほぼ反転対称であるゾーンパターンを示す。図11は左レンズ1104上に規定するパターン1106を示し、右レンズ1102上にはパターンを設けない。図12は左レンズ1204上に規定する追加パターンを示しており、右レンズ1202上にはパターンを設けない。
【0039】
図13は、装用位置において、装用者の通常の視線(NLOS:normal line of sight)とレンズ1302,1304のそれぞれの交点1306,1310を持つ右レンズ1302および左レンズ1304を示す。遮蔽パターン1308,1312は交点1306,1310に配置する。他の実施例では、交点のゾーンはアクティブ化せず、交点1306,1310からより離れたゾーンをアクティブ化する。活動固有のLOSの代表的な交点1316,1320を示し、遮蔽パターンはこれらの交点に配置することができる。
【0040】
他の実施例では、単レンズまたは二重レンズメガネ(例えば、メガネまたはゴーグル)、保護シールド(例えば、ホッケーフェースシールド)、固定装置(例えば、固定画面または保護スクリーン)のような視力訓練装置は、モアレパターンをベースとする遮蔽を提示するよう構成することができる。一般に、モアレパターンは、2個またはそれ以上の反復パターンの重ね合わせによって形成する干渉パターンと見なすことができ、この反復パターンは、例えば、ロンチ刻線(ロンチルーリング:Ronchi ruling)によって与えられる透明と不透明との交互細条のような格子パターンまたは他の周期的または非周期的パターンである。1個またはそれ以上の電気的に切り替え可能なパターン層を画定して、モアレパターンを使用者の視野に提示するようにパターン領域を選択可能とすることができる。例えば、レンズは、互いにオフセットする第1パターン層および第2パターン層を有することができる。一方または双方のパターン層のパターンセグメントは、モアレパターンを有する遮蔽を生ずるよう選択することができる。例えば、第1パターン層および第2パターン層は同一パターンに基づくものとすることができる。一方のパターン層は選択的に切り替えて遮蔽パターンを形成することができ、この遮蔽パターンにおいて、第1パターン層内のパターンセグメントの様々な組み合わせをアクティブ化する。モアレパターンは、第1パターン層および第2パターン層双方において、選択的に切り替えるパターンセグメントによって形成することができる。このようにして、モアレおよび他のパターン双方を生ずることができる。ある実施例では、パターン層の1つは、ほぼ全てのパターンセグメントを通常のように同時にアクティブ化可能とするが、個別に選択することができないよう、構成することができる。
【0041】
2個のアクティブパターン層によって生ずる2個またはそれ以上のパターンの干渉に基づくパターンを得ることができるが、他の実施例では、アクティブパターン層(すなわち、少なくともいくつかのパターンセグメントが選択的に切り替えることができる透過率または他の光学特性を持つパターン)を固定パターンと組み合わせることができる。つまり固定パターン層と組み合わせたアクティブパターン層内のパターンセグメントを選択的にアクティブ化することに基づいてモアレパターンが提示される。モアレパターンに、固定パターンと組み合わせた切り替え可能画面スクリーンを設けることもできる。ある訓練状況では、2個の固定パターンを用い、モアレパターンは固定パターンの相対的な角度変位または線形変位に基づいて選択することができる。メガネシステムは、電気的に切り替え可能メガネおよび個別の固定パターン層により得ることができ、この個別の固定パターン層は、視線について使用者が選択できる角度変位または視線に直交する線形変位を持つものとすることができる。便宜上、本明細書ではこのような変位は双方とも視線に対する変位と称する。
【0042】
図7〜13に図示したパターンは例であり、他のパターンも可能である。例えば、不規則に変化する格子縞パターンを用いて、装用者の視野の一部分または全体を遮蔽することができる。さらに、パターンシーケンスは実質的に互いに異なる一連のパターンを有し、これらパターンのうち選択したパターンにおいて隣接ゾーンを追加するまたはこのパターンから周辺ゾーンを除去し、またレンズにわたってパターンに段差を付けることができる。パターン内の異なるゾーンを異なる色に関連付けし、色の割り当てを変化させることができる。1個またはそれ以上のゾーンはランダムに作動させ、視覚的攪乱を生ずるようにすることができる。
【0043】
視力訓練メガネは、様々な活動固有の状況または他の訓練状況において使用上都合がよくなるよう構成することができ、遮蔽パターンは、メガネなしで視力訓練用に設けることもできる。例えば、視力訓練窓を設け、遮蔽パターンおよびこのようなパターンのシーケンスを視力訓練窓に生ずることができる。代表的な実施例では、ガラス、プラスチック、または他の透明な窓に切り替え可能ゾーンを設け、窓の背後の訓練者に視力訓練刺激を与える。他の実施例では、車のフロントガラスを同様に構成し、車の運転者に視力課題を提示することができる。
【0044】
上述の実施例は、視野の一部分を遮断または部分的に遮断する遮蔽パターンまたはゾーンを有する。しかし、他の種類の遮蔽パターンおよび遮蔽ゾーンを用いることができる。例えば、発光ゾーンを設け、装用者の視野に増加した発光領域を提示して視野を遮蔽することができる。このような発光ゾーンは、スペクトルを変化させる発光を含む、一時的に変化する発光を生ずるよう構成することができる。所要に応じて、このような発光は、空間的および/または一時的に変化する偏光性を有する構成とすることができる。ゾーンは、レンズのほぼ全域を占める、またはレンズ区域の小さな一部分のみを占めるよう、構成することができる。例えば、不透明な発光領域を有するレンズは、レンズの大部分が透明となるよう構成することができる。したがって、光減衰ゾーンおよび/または発光ゾーンを設けることができる。
【0045】
図14は例示的な視力訓練メガネのテンプル部片1402を示す。テンプル部片1402は、電源スイッチ1404およびレベル調節ボタン1406,1408を有し、このレベル調整ボタンを使用して、メガネが供給する視力課題(つまり難易レベル)を減少または増加することができる。これらボタンは、使用中に都合よく調整ができるよう、テンプル部片1402に配置する。電源ボタン1404は、視力訓練メガネの操作を開始および終了するよう構成することができる。さらに、電源ボタン1404は、ボタンを押して右レンズのみのストロボ、左レンズのみのストロボ、左右双方のストロボとの間でトグル切り替えて用いることができるよう構成することができる。電源ボタン1404は、ゾーンパターンまたはシーケンスの所定メニューが順番に並ぶよう構成することもできるが、追加選択ボタンを設け、これらまたは他のユーザー調整を容易にすると一層好適である。レベル調整ボタン1408は、レベル調整ボタン1408を押すことにより、最大設定可能難易レベルがこれ以上ボタンを押しても影響がない段階までは難易レベルが増加するよう構成することができる。レベル調整ボタン1406の操作は最小難易レベルにおいても同様とすることができる。
【0046】
図15は、図14のようにテンプル部片を用いて制御することができる左レンズ1502および右レンズ1504内のゾーンの構成を示す。図15に示すように、左レンズ1502および右レンズ1504は一体レンズ組立体1500として形成するが、個別に設けることもできる。ディスプレイ領域1510を設け、使用者にメガネ設定を伝達できるようにする。レンズ1502,1504はそれぞれ代表的ゾーン1506,1508を有する。残りのゾーンは図15において参照符号を振っていない。ある実施例では、ゾーンは可変光減衰を生ずる。ゾーンは制御してほぼ透明、ほぼ不透明、または光透過率の中間値を持つようにすることができるが、テンプル部片1402およびレンズ1502,1504を有するメガネの代表的な操作は、「明」状態または「暗」状態に設定可能と見なすゾーンとして説明する。
【0047】
図15のレンズの操作を図16A〜16B,17A〜17B、および18に示す。電源ボタン1404を用いてレンズの電源を投入するとき、初期またはデフォルトの難易レベルがディスプレイ領域1510に表示され、レンズは明状態に維持する。初期難易レベルは最も容易なレベルとし、レンズの電源を投入するとき表示される指標「1」を割り当てることができる。短い間隔(例えば2〜10秒)後、レンズ1502,1504のゾーンは初期難易レベルに関連する速度でストロボを始め、ディスプレイ1510をスイッチオフにすることができる。片方または双方のレンズのストロボは、電源ボタン1404によって制御することのできる初期モード操作として設定することができる。電源ボタン1404をさらに追加で押すことによって、左レンズ、右レンズ、および電源オフの選択を循環して切り替えることができる。通常、メガネのスイッチを切った状態で、電源ボタン1404を押すと、明状態と暗状態の間を変化する左および右レンズ双方を具えるメガネを初期化する。図16A〜16Bは、全てのゾーンを切り替える、それぞれ明状態および暗状態のメガネを示している。代案として、片方のレンズのみのゾーンを図17A〜17Bに示すように切り替えることができる。難易レベルはいつでも調節することができ、新しい難易レベルをディスプレイ領域1510に表示することができる。
【0048】
8つの難易レベルの代表的な構成を図18に示す。「最も容易な」レベル1802、「最も困難な」レベル1816、および中間レベル1804,1806,1808,1810,1812の明状態間隔および暗状態間隔の持続時間を示す。図18の例示的なレベルにおいては、明状態間隔1802a,…,1816aは、0.1秒の固定持続時間を有し、暗状態間隔1802b,…,1816bは難易レベルが上昇するとともに増加する持続時間を有する。例えば、もっとも困難なレベル1816は遮蔽間隔0.9秒を設け、その間装用者の視野を遮る。図18の全てのレベルにおいて、明状態/暗状態間隔の反復シーケンスを設け、代表的な1秒の時間周期の明状態/暗状態間隔を示す。レベル1〜8の暗状態間隔の持続時間を以下の表に列記する。
【0049】
【表1】

【0050】
明状態/暗状態間隔のこの構成は一例であり、他の構成を用いることができ、明状態および暗状態双方の間隔持続時間を変化させる構成、または明状態/暗状態間隔を切り替える周波数を有する。約10〜20Hzより高い周波数において、明および暗レベルを順に交代させると融合する傾向があり、灰色として知覚できる。この融合は、中心視野および周辺視野で異なる周波数において生じ、周辺視野は高周波数において点滅に気づく傾向がある。暗/明間隔の持続時間はこのような融合に基づいて選択することができる。視力課題は、点滅が観測される速度、またはより低い速度でより知覚できる。
【0051】
難易レベルは、明状態または暗状態となるよう制御するパターンまたはゾーンのシーケンスと関連させることもでき、レベル調整は明状態/暗状態間隔持続時間に限定しない。レベル調整ボタンは視力課題を選択するために遮蔽パターン、シーケンス、および/またはタイミングを変化させるよう構成することができる。
【0052】
図19〜32に示す別の実施例では、テンプル部片1900に、電源スイッチ1902、行選択スイッチ1904、および列選択スイッチ1906を設ける。スイッチ1904,1906の反復作動はそれぞれ異なる行または列の選択を可能とする。ゾーンタイミングは電源スイッチ1902の反復作動を用いて変化させることができる。図22に示すように、レンズ組立体は、それぞれ3個の列ゾーン2206〜2208および2209〜2211を持つ右レンズ2202および左レンズ2204を有する。4個の行ゾーン2212〜2215も設けることができる。
【0053】
選択スイッチ1904,1906を用いて減衰させる行および列を選択することができる。図20〜21は、選択スイッチ1904に応答して列2206,2209を減衰した状態を示す。図23〜26は、それぞれ行2215、行2214〜2215、行2212および2214〜2215、ならびに行2212を減衰した状態を示す。図27〜32は、選択スイッチ2204,2206双方を用いる可能な組み合わせを示す。
【0054】
図33は左レンズ3304および右レンズ3306を有するフレーム前部3302を示す。各レンズは12個のゾーン(4行および3列)を有し、レンズ3306は7セグメントディスプレイ3310を有する。回路基板3312は、レンズの操作を制御するスイッチまたは圧力感知ボタン3314,3316,3318を有し、ケーブル3321,3322を介してバッテリー3320に電気的に接続する。メガネフレームのフレーム前部3324以外の部分を使用して、電気的接続部に、フレーム内部または外部導体を設けることができる。レンズ3304,3306は、ポリカーボネートシート間に積層させた可撓性液晶デバイスを有する。
【0055】
様々な種類のレンズ基板を視力訓練メガネに用いることができる。通常、レンズ基板はさらに付加的な視力課題を提示しない。適切なレンズ基板の一例は、参考として本明細書に付記した特許文献1(米国特許第6,129,435号)に記載されている傾斜、非共軸レンズとする。これらレンズは低負倍率レンズとし、この低負倍率レンズは、視線および周辺視野双方においてプリズムゆがみを最小化するよう、視線と平行な角度から十分に逸れた光軸を持つ。このレンズは、とくに保護用非矯正メガネに適し、このようなメガネではレンズを視線に対して傾斜した方向に取り付ける。レンズの光軸は、低負倍率レンズを傾斜させるべき方向と一般に逆方向に角度的に逸らし、このようにするとレンズの光学的ひずみを最小化することが分かっている。このレンズ設計によれば、このようなレンズで作成するメガネにおいて、両眼連動および両眼離反運動の必要性、ならびに乱視性の不明瞭さを減少させる。
【0056】
非矯正平面レンズを顔面に向けて傾斜させることによって、プリズムベースをレンズが傾斜している方向へ導く。例えば、広角傾斜を取り付けるレンズの下縁を顔面に向けて傾斜させるとき、ベースダウンプリズムが生じる。通常、低倍率レンズの光軸は、傾斜によって生じたプリズムを相殺するために、傾斜によって生じたプリズムの方向と実質的に反対の方向から、一般に上方に逸らす。同様に、側面巻き込み(顔面に向けて傾けた側頭部の縁)を取り付けたレンズはベースアウトプリズムを生じ、このベースアウトプリズムは一般的な鼻の方向から低倍率レンズの光軸を角度変位させることによって相殺する。広角傾斜および側面巻き込みを取り付けるレンズは、それゆえ、傾斜によって生じたプリズムを最小化するために、上および鼻双方の方向に逸れた光軸を持つ。レンズ傾斜の他の方向における光学的補償は、光軸を一般にレンズの内向き傾斜から逸らすことによって、同様に達成することができる。
【0057】
低倍率レンズは、所定ベース曲率の同心レンズの負倍率に至るまで、任意の量の負倍率を持つことができる。低倍率レンズは、例えば−0.005ジオプター以上、特に−0.01〜−0.12ジオプター、また例えば−0.04〜−0.09ジオプターの範囲とする−0.01または−0.02ジオプター以上の負倍率を持つことができる。このような低倍率レンズによって多数の利点を達成することができる。低倍率レンズは先細りをより小さくし、倍率0のレンズより薄くすることができる。先細りの減少は、付随する周辺プリズムを減少させ、この周辺プリズムはさもなければ平面レンズの過剰に非平行な表面によって生じてしまう。より薄いレンズは、平面レンズより、良い物理的安定性、改善した光学的品質、低い重量、および均一な光透過率ももたらす。低負倍率レンズの生理的な利点は、高度な視覚的要求および/またはストレスのある活動に係わるアスリートおよび他の人間が調節する姿勢に良く適合する点である。
【0058】
このレンズ設計の多用途性によって、異なる側面巻き込み、広角傾斜、倍率、中央厚さ、およびレンズ表面曲率を持つ幅広い種類のレンズに適用することができ、それは傾斜によって生じたプリズム(「傾斜によるプリズム」)を多数のこれらの要素を変化させることによって中和することができるからである。それゆえ、実質的な広角傾斜を具えるレンズは、アペックスおよび視線間の大きな間隔および傾斜によるプリズムの付随する増分を持つ。このプリズムは、例えば視線および光軸間の偏角の増加、レンズの負倍率の増加、またはレンズのベース曲率を減少させるような、1つ以上のパラメータの組み合わせによって減少させることができる。
【0059】
このような設計は高ベースレンズに特に良く適し、この高ベースレンズは少なくともベース4枚レンズ、例えばベース6〜9枚レンズとする。このレンズは特に2重レンズメガネの使用にも適し、この2重レンズメガネは約1〜3mm(例えば約1.5〜2.25mm)の中央厚さ、約−0.01〜−0.12ジオプター(特に約−0.04〜−0.09ジオプター)の倍率、3〜20度の広角傾斜、および5〜30度の側面巻き込みを持つレンズを具えるものとする。特別な実施例では、レンズは約1.6nmの中央厚さ、約−0.045ジオプターの倍率を具える6枚ベースレンズとし、このレンズの傾斜方向は約15°の側面巻き込み、約12.5°の広角傾斜を有し、さらに光軸および視線(または視線の平行線)間の偏角は鼻方向に約22〜23°および上方向に18〜19°とする。
【0060】
レンズは球形、円筒形、ドーナツ形、楕円形、または従来技術で既知の他の形状とすることができる。しかし、代表的実施例では球面レンズを用い、このレンズにおいては、実質的に球面の前面は第1中心を持つ第1球面にほぼ一致させ、ほぼ球面の後面は第2中心を持つ第2球面にほぼ一致させる。第1球面の半径は第2球面の半径より大きくして、レンズ厚さが(レンズをオンまたはオフにできる)低倍率レンズの光学的中心から離れる方向にテーパを付け、光軸が球面の第1および第2中心ならびにレンズの光学的中心を通過するようにする。この光軸は、(側面巻き込みおよび広角傾斜を補償するよう)視線と平行な方向から鼻方向および上方向に角度的に離して回転させて、この回転は、傾斜によって生じたプリズムを実質的に相殺するために十分な(例えば、プリズムを25%,50%,75%,または100%減少させる)ものとする。この角度的変位は、改善された光学的特性の広域スペクトルを持ち、プリズムの減少、視線および周辺双方に沿った乱視性の不明瞭さ減少、両眼連動および両眼離反運動の要求を低減する、レンズをもたらす。
【0061】
これらの非共軸レンズをレンズ基板として用いることができるが、矯正レンズを用いることもできる。加えて、視力訓練および評価は、矯正レンズ基板を用いて実行し、(コンタクトレンズによって視力矯正を提供し)非矯正レンズ基板と比較して、どの矯正が優れた成績をもたらしそうかを決定することができる。
【0062】
競技成績を改善するために、視力を上述の方法および装置を用いて訓練することができるが、このような訓練は視力の改善によって成績や安全を向上させることができる他の活動に直ちに適用することができる。例えば、自動車または他の乗り物の操縦は安全の改善のために訓練することができる。加えて、上述の方法および装置は、脳損傷患者に用いて回復を刺激するまたは損傷を評価することができる、または利き眼の視力を遮蔽して逆眼を用いる知覚を鋭敏化することができる。
【0063】
左眼および右眼のパターンおよびシーケンスは、異なる周波数、振幅(異なる光透過率)、負荷サイクル(異なる相対的オン/オフの持続時間)、および位相においてアクティブ化することができる。パターンは一定周波数で切り替える必要はなく、チャープまたは他の可変周波数とすることができる、または不規則間隔で切り替えることができる。レンズ透過率はいくつかの実施例で変化させるが、偏光の透過光状態も変化させることができる。このような偏光変調はネマチック液晶によって規定するゾーンに有利に供給することができる。レンズは薄く色を付ける、または光透過率を静的に制御するよう中性グレーとすることもできる、または光互変性基板を用いることができる。
【0064】
メガネおよびメガネシステムは固定または可変速度で所定パターンおよびパターンシーケンスを提示するよう有利に構成する。通常、使用者またはトレーナーは追加のパターン、パターンシーケンス、遮蔽範囲、可変または固定パターン速度、パターン色または色シーケンス、または他の視力遮蔽を選択することができる。これらの追加の訓練選択はパーソナルコンピュータまたは他のコンピュータシステムを用いて選択することができ、これらのコンピュータは使用者またはトレーナーがキーボードまたはマウスのようなポインティングデバイスを用いて選択するカスタマイズオプションの範囲を提示するよう構成するものとする。これらの追加の訓練シーケンスを設計後、シーケンスは、メモリ内に保存し、メガネと一体とするまたは一体としないメガネコントローラの記憶部のために、メガネシステムに伝達することができる。カスタマイズおよびパターン選択はスポーツ固有の機能、固有の訓練目標、装用者の生理(眼の離れ具合、眼窩の非対称性)または別の設定をベースとすることができる。
【0065】
開示した技術の原理を適用することができる多く実施形態があり得ることを考慮して、説明した実施形態は単に好適な実施例でしかなく、本発明の範囲を限定するものと解すべきでないことを認識されたい。さらに正確には、本発明の範囲は特許請求の範囲によって定義する。したがって、添付特許請求の範囲および精神に含まれる全てを請求する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視力訓練メガネにおいて、選択可能な光透過率を持つ複数個のゾーンを画定する少なくとも第1レンズと、およびこの第1レンズを保持し、装用者の眼の前方にレンズを支持するよう構成したフレームと、を備えた視力訓練メガネ。
【請求項2】
請求項1に記載のメガネにおいて、さらに、複数個のゾーンを画定し、また前記フレーム内に保持した第2レンズを備え、前記フレームは、前記第1レンズおよび前記第2レンズを装用者の各眼の前方に位置決めする構成とした、メガネ。
【請求項3】
請求項1に記載のメガネにおいて、さらに、ユーザー入力部を備え、該ユーザー入力部は、前記フレームに固定し、前記レンズに供給する電力を制御するよう構成した、メガネ。
【請求項4】
請求項1に記載のメガネにおいて、前記レンズは、装用位置での前面および後面を持つレンズ基板を有し、これら前面および後面は少なくとも約4ジオプターの曲率を有する構成としたことを特徴とする、メガネ。
【請求項5】
請求項1に記載のメガネにおいて、前記レンズは、眼の前方に取り付け、顔面に向かって傾斜した低負倍率非矯正レンズ基板を有し、このレンズ基板は、顔面に向かって傾斜する方向とはほぼ反対方向に、視線に平行な角度から十分離れた角度をなす光軸を有して、プリズムゆがみを大幅に縮小する構成としたことを特徴とする、メガネ。
【請求項6】
請求項1に記載のメガネにおいて、さらに、レベルセレクタを備えこのレベルセレクタは、前記少なくとも1個のレンズによって生ずる視力難易レベルを調整する構成とした、メガネ。
【請求項7】
請求項6に記載のメガネにおいて、前記難易レベルは、ゾーンパターンが実質的に光遮蔽する持続時間に関連付けしたことを特徴とする、メガネ。
【請求項8】
請求項1に記載のメガネにおいて、さらに、ゾーンセレクタを備え、このゾーンセレクタは、光透過率を減少させるゾーンよりなる一組の所定ゾーンセットを選択するよう構成したことを特徴とする、メガネ。
【請求項9】
請求項1に記載のメガネにおいて、さらに、複数個のゾーンを画定する第2レンズであって、前記第1レンズおよび前記第2レンズを装用者の各眼の前方に位置決めするよう前記フレームに保持する該第2レンズと、前記第1レンズにおける一組のゾーンよりなる第1ゾーンセットおよび前記第2レンズにおける一組のゾーンよりなる第2ゾーンセットを作動させるレンズドライバであって、前記第1レンズおよび前記第2レンズを通過する光束を、交互に実質的に透過させまた実質的に減衰させるレンズドライバと、前記第1ゾーンセットおよび前記第2ゾーンセットを選択するよう構成したパターンセレクタと、および前記第1ゾーンセットおよび前記第2ゾーンセットを実質的に減衰させる持続時間を選択するレベルセレクタと、を備えたメガネ。
【請求項10】
請求項9に記載のメガネにおいて、前記第1レンズのゾーンおよび前記第2レンズのゾーンを行および列として配置し、前記パターンセレクタは行セレクタおよび列セレクタを有し、これら行セレクタおよび列セレクタは前記第1ゾーンセットおよび前記第2ゾーンセット内に含まれるゾーンの1個もしくはそれ以上の行および/または1個もしくはそれ以上の列を選択するよう構成したことを特徴とする、メガネ。
【請求項11】
請求項9に記載のメガネにおいて、さらに、ディスプレイ素子を備え、このディスプレイ素子は、前記第1レンズに固定し、メガネによって提示する視力難易レベルを表示する構成としたことを特徴とする、メガネ。
【請求項12】
請求項1に記載のメガネにおいて、さらに、前記フレーム内に保持した第2レンズを備え、前記第1レンズおよび前記第2レンズは装用者の第1および第2の眼の前方にそれぞれ位置決めし、前記第2レンズは前記第2の眼の視力を実質的に遮蔽することを特徴とする、メガネ。
【請求項13】
請求項1に記載のメガネにおいて、前記第1レンズは、第1パターン層内に複数個の第1ゾーンおよび第2パターン層内に複数個の第2ゾーンを有し、前記第1および第2のパターン層は、これら第1および第2のパターン層内に画定されるパターンの重ね合わせに基づいた遮蔽パターンを生成するよう配置したことを特徴とする、メガネ。
【請求項14】
請求項13に記載のメガネにおいて、前記第1および第2のパターン層はモアレパターンを生成するよう構成したことを特徴とする、メガネ。
【請求項15】
請求項13に記載のメガネにおいて、前記第1および第2のパターン層の前記ゾーンは共通のゾーンパターンを画定するよう構成し、第1パターン層内の前記ゾーンパターンは前記第2パターン層内の前記ゾーンパターンに関して変位させることを特徴とする、メガネ。
【請求項16】
光を透過する基板と、この基板に固定する複数個の光学的に切り替え可能なゾーンと、および使用者の視野を少なくとも部分的に遮蔽するために少なくとも1組のゾーンよりなるゾーンセットを選択的に作動するよう構成するパターン生成器と、を有する装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置において、前記ゾーンのそれぞれを、対応する液晶セグメントに関連付けしたことを特徴とする、装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置において、前記パターン生成器は、前記ゾーンの選択したセットを実質的に不透明とする時間間隔を変化させる構成としたことを特徴とする、装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置において、さらに、7セグメントディスプレイを備え、この7セグメントディスプレイは前記基板に固定し、視力難易レベルを表示する構成とした、装置。
【請求項20】
視力訓練システムにおいて、訓練者の視野の一部分を選択的に遮蔽するよう構成したメガネと、および前記訓練者の視野の前記遮蔽部分を選択し、時間的に変化するよう構成したパターン生成器とを備えた視力訓練システム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムにおいて、さらに、メモリを備え、このメモリは前記パターン生成器によって選択した前記視野の前記遮蔽部分を記録する構成とした、システム。
【請求項22】
請求項20に記載のシステムにおいて、さらにメモリを備え、このメモリは訓練者に提示する視野遮蔽パターンのシーケンスを記憶する構成とした、システム。
【請求項23】
請求項20に記載のシステムにおいて、前記パターン生成器は、透過状態持続時間をほぼ一定に保ち、実質的非透過状態持続時間を変更することによって、前記視野の前記遮蔽部分を時間的に変化させることを特徴とする、システム。
【請求項24】
請求項20に記載のシステムにおいて、前記パターン生成器は、活動固有の視線に基づいて前記訓練者の視野の部分を選択するよう構成したことを特徴とする、システム。
【請求項25】
請求項20に記載のシステムにおいて、前記視野の前記遮蔽部分は前記視野の中央部分とすることを特徴とする、システム。
【請求項26】
請求項20に記載のシステムにおいて、前記視野の前記遮蔽部分は前記視野の周辺部分とすることを特徴とする、システム。
【請求項27】
方法において、訓練者の少なくとも一方の眼の視野に少なくとも1個の遮蔽パターンを与えるステップと、および前記訓練者にパフォーマンス課題を提示するステップと、を有する方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、前記訓練者に提示する前記遮蔽パターンは前記提示中に時間変化させることを特徴とする、方法。
【請求項29】
請求項27に記載の方法において、複数個の遮蔽ゾーンを含む前記遮蔽パターンを視野に提示することを特徴とする、方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法において、遮蔽パターンのシーケンスを前記提示中に供給することを特徴とする、方法。
【請求項31】
請求項29に記載の方法において、さらに、前記訓練者の各眼の視野に少なくとも1個の遮蔽パターンを設けるステップを有する、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法において、各眼の前記遮蔽パターンは、前記提示中に時間変化させることを特徴とする、方法。
【請求項33】
請求項31に記載の方法において、遮蔽パターンのシーケンスは、前記提示中に各眼に供給することを特徴とする、方法。
【請求項34】
請求項27に記載の方法において、前記遮蔽パターンは、前記パフォーマンス課題と関連付けした視線に沿って前記訓練者の視野を遮蔽することを特徴とする、方法。
【請求項35】
請求項27に記載の方法において、前記遮蔽パターンは、前記パフォーマンス課題と関連付けした視線から外れた領域で前記訓練者の視野を遮蔽することを特徴とする、方法。
【請求項36】
請求項27に記載の方法において、さらに、前記パフォーマンス課題に対する訓練者の反応を評価するステップを有する、方法。
【請求項37】
請求項27に記載の方法において、前記遮蔽パターンはモアレパターンとすることを特徴とする、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公表番号】特表2010−503029(P2010−503029A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526934(P2009−526934)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/077406
【国際公開番号】WO2008/033689
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(592228398)ナイキ・インコーポレーテッド (43)
【氏名又は名称原語表記】Nike Inc
【Fターム(参考)】