説明

タイマ装置

【課題】リレーを内蔵した小形で薄形のタイマ装置を提供する。
【解決手段】下方に突出する複数の端子11〜16が配備されたベース部材2上に、リレー3を支持するとともに、タイマ回路を構成するプリント基板5を立設し、プリント基板5と端子11,12とを接続するプリント基板4を配置するとともに、プリント基板5に動作時間設定用ダイアル6を設け、それらを覆うカバー7を、ダイアル6の一部6aが操作可能に外部に臨むように装着して構成している。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイマ装置に関し、さらに詳しくは、リレーを内蔵した小形で薄形のタイマ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図5に示されるように、ケーシング31の上面に、多数のソケット部33が配設されるとともに、手前の縁部に沿って、ソケット部33に対応した入出力用端子34が設けられたリレー用ターミナル30に、複数のリレー32を装着し、これらリレー32によって図示しない被制御機器の電源のオンオフを制御するような場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかるリレー用ターミナル30では、そのソケット部33に、多数のリレー32が隣接して装着されるために、ソケット部33の差し込み孔の数や配置等は規定されており、かかるソケット部33に対応する端子を有するリレー32が使用されるのであるが、リレー32だけでは、タイミングを遅らして電源のオンオフを制御するといったことができず、したがって、このようなリレー用ターミナル30に装着して使用できるような小形で薄形のタイマ装置が望まれる。
【0004】本発明は、上述の技術的課題に鑑みてなされたものであって、ソケット部の形状や配置が規定されているリレー用ターミナルなどに装着して使用できるような小形、かつ薄形のタイマ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のタイマ装置は、下方に突出する複数の端子が配備されたベース部材上に、リレーを支持するとともに、タイマ回路を構成するタイマ用基板を立設し、前記タイマ用基板に設定用ダイアルを設け、それらを覆うカバーを、前記設定用ダイアルの一部が操作可能に外部に臨むように装着することを特徴としている。
【0006】また、本発明のタイマ装置では、前記ベース部材上に立設される前記タイマ用基板は、前記設定用ダイアルが設けられる基部と、該基部よりも幅狭で下方のベース部材へ延びる延在部とを有し、前記基部と前記ベース部材との間に、前記リレーが配置されるように、前記リレーの外形に沿った形状としてもよい。
【0007】本発明のタイマ装置では、前記設定用ダイアルは、前記プリント基板に垂直な軸回りに回動自在に設けてもよい。
【0008】本発明のタイマ装置では、前記ベース部材上に、前記プリント基板を支持するリブを突設してもよい。
【0009】本発明のタイマ装置では、前記ベース部材上に、該ベース部材に配備された前記端子と前記タイマ用基板との接続用基板を配置してもよい。
【0010】本発明のタイマ装置では、前記ベース部材に配備された前記端子と、該ベース部材上に支持された前記リレーの端子とを直接接続してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施例のタイマ装置の外観を示す斜視図であり、図2は、その分解斜視図であり、図1においては、内部構成が明確になるようにカバーを透視した状態で示している。
【0013】この実施例のタイマ装置20は、後述のリレー用ターミナルに装着されるものであり、このタイマ装置20は、基本的には、下方に突出する6つの端子11〜16が配備されるベース部材2と、該ベース部材2上に支持されるリレー3と、後述のように半田接続するための接続用プリント基板4と、ベース部材2上に立設されるタイマ回路を構成するタイマ用プリント基板5と、動作時間設定用のダイアル6と、それらを覆うカバー7とを備えている。
【0014】平面視でほぼ矩形状のベース部材2上には、前記タイマ用プリント基板5を挟むようにして支持するとともに、その上面で接続用プリント基板4を支持する一対の基板支持用リブ8a,8bが突設されており、さらに、大径部9aおよび小径部9bを有して、その大径部9aで接続用プリント基板4を支持するとともに、その小径部9bでリレー3の一端側を支持する柱状リブ9が突設されている。また、リレー3の中央から他端にかけて該リレー3を支持するリレー支持用リブ10が突設されている。このベース部材2には、6つの端子11〜16のそれぞれに対応する2つの取付孔111,112が形成されるとともに、4つの取付溝113〜116が形成されており、これらの端子11〜16は、インサート成形によってベース部材2に一体化される。
【0015】リレー3とベース部材2との間に介装される接続用プリント基板4は、上述の基板支持用リブ8a,8bと同様にタイマ用プリント基板5を挟み込む切欠溝12と、リレー3の2つのピン端子131,132がそれぞれ挿通する2つのピン挿通孔141,142と、柱状リブ9の小径部9bが挿通するリブ挿通孔15と、接続用の所要の配線パターンとが形成されている。
【0016】リレー3は、6つのピン端子131〜136を有しており、2つのピン端子131,132は、上述のように、接続用プリント基板4のピン挿通孔141,142に挿通され、残余の4つのピン端子133〜136は、ベース部材2の4つの端子13〜16の端面に形成された挿通孔に挿通されて後述のように半田付けされる。
【0017】タイマ用プリント基板5は、図示しない素子が配備されるとともに、所要の配線パターンが形成されてタイマ回路を構成している。このタイマ用プリント基板5は、大略矩形状の基部5aと、この基部5aの隅部から下方に延在する幅狭の延在部5bとを有しており、基部5aから延在部5bにかけての形状は、基部5aの下方に配置されるリレー3の外形に沿った形状となっている。
【0018】このタイマ用プリント基板5は、下方に延びる延在部5bが、接続用プリント基板4の切欠溝12およびベース部材2の一対の基板支持用リブ8a,8bにそれぞれ挟まれた状態で支持されるとともに、基部5aの下端が、リレー3の上面に支持されるようになっている。このタイマ用プリント基板5には、動作時間を設定するための動作時間設定用のダイアル6が、該プリント基板5に垂直な軸16回りに回動自在に設けられる。このダイアル6は、カバー7を装着した際にカバー7の開口部7aから外部に臨む操作部6aと、外周に沿って目盛りが付された目盛部6bとを備えている。
【0019】ベース部材2上のリレー3、各プリント基板4,5および動作時間設定用のダイアル6等を覆うカバー7は、下面が開放された中空の直方体状に形成されている。また、カバー7の上面には、動作時間設定用のダイアル6の操作部6aが、外部に臨んで操作できるように、開口部7aが形成されるとともに、内部の動作状態等の確認のための図示しないLED等を目視するための透過窓7bが形成されている。さらに、カバー7の上面は、ダイアル6の目盛部6bに対応してやや上方に湾曲した湾曲部7cを有している。
【0020】次に、上記構成を有するタイマ装置の組立の手順を、図3に基づいて説明する。
【0021】先ず、同図(A)に示されるように、ベース部材2と6つの端子11〜16とをインサート成形で一体化し、同図(B)に示されるように、接続用プリント基板4を、該接続用基板4のリブ挿通孔15に、ベース部材2の柱状リブ9を挿通させて、ベース部材2の基板支持用リブ8a,8bおよび前記柱状リブ9の大径部9aに支持させて取り付け、接続用プリント基板4と電源用の2つの端子11,12とを半田付けする。
【0022】次に、同図(C)に示されるように、リレー3を、該リレー3のピン端子131〜136が、接続用プリント基板4のピン挿通孔141,142およびベース部材2の各端子13〜16の挿通孔を挿通するように、柱状リブ9の小径部9bおよびリレー支持用リブ10に支持させて取り付ける。
【0023】次に、同図(D)に示されるように、タイマ回路を構成するタイマ用プリント基板5を、該プリント基板5の延在部5bが接続用プリント基板4の切欠溝12およびベース部材2の一対の基板支持用リブ8a,8bに挟み込まれるようにして取り付け、接続用プリント基板4とタイマ用プリント基板5との半田付けを行うとともに、リレー3のピン端子131,132と接続用プリント基板4との半田付けを行い、さらに、リレー3のピン端子133〜136とベース部材2の端子13〜16とを直接半田付けする。
【0024】さらに、同図(E)に示されるように、タイマ用プリント基板5に、動作時間設定用のダイアル6を取り付けた後、カバー7を装着して図1に示される状態とする。
【0025】この実施例のタイマ装置20によれば、端子11〜16が配備されたベース部材2上に、リレー3を支持するとともに、タイマ用プリント基板5を立設し、このプリント基板5に動作時間設定用のダイアル6を設け、ベース部材2上を、前記ダイアル6の操作部6aが外部に臨むように覆うカバー7を装着して構成しているので、ベース部材2上にすべての構成要素が配備されることになり、小形で薄形のタイマ装置となる。
【0026】かかる構成を有するタイマ装置20は、図4R>4に示されるように、従来のリレー用ターミナル30に装着され、このタイマ装置20によって、タイミングを遅らして被制御機器の電源のオンオフを制御するといったことが可能となる。
【0027】上述の実施例では、電源用の端子11,12のみを、接続用プリント基板4を介して接続したけれども、本発明の他の実施例として、接続用プリント基板4の形状を大きくするとともに、所要の配線パターンを形成し、他の端子13〜16も接続用プリント基板を介して接続するようにしてもよい。さらに、本発明の他の実施例として、接続用プリント基板4は、所要の端子11,12とタイマ用プリント基板5との接続のみを行うようにしてもよい。
【0028】上述の実施例では、端子11〜16は、6つであったけれども、本発明の端子数は、リレー3のピン端子の数等に応じて任意の数であってもよいのは勿論である。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、下方に突出する複数の端子が配備されたベース部材上に、リレーを支持するとともに、タイマ回路を構成するタイマ用基板を立設し、前記タイマ用基板に設定用ダイアルを設け、それらを覆うカバーを、前記設定用ダイアルの一部が操作可能に外部に臨むように装着してタイマ装置を構成しているので、ベース部材上にリレーを含むすべての構成要素が配備されることになり、小形で薄形のタイマ装置となり、特に、リレー用ターミナルに装着して使用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイマ装置の外観斜視図である。
【図2】図1の実施例の分解斜視図である。
【図3】図1の実施例の組立手順を説明するための斜視図である。
【図4】図1の実施例のリレー用ターミナルへの装着状態を示す斜視図である。
【図5】従来例のリレー用ターミナルの斜視図である。
【符号の説明】
1〜16 端子
2 ベース部材
3 リレー
4 接続用プリント基板
5 タイマ用プリント基板
6 ダイアル
7 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 下方に突出する複数の端子が配備されたベース部材上に、リレーを支持するとともに、タイマ回路を構成するタイマ用基板を立設し、前記タイマ用基板に設定用ダイアルを設け、それらを覆うカバーを、前記設定用ダイアルの一部が操作可能に外部に臨むように装着することを特徴とするタイマ装置。
【請求項2】 前記ベース部材上に立設される前記タイマ用基板は、前記設定用ダイアルが設けられる基部と、該基部よりも幅狭で下方のベース部材へ延びる延在部とを有するとともに、前記基部と前記ベース部材との間に、前記リレーが配置されるように、前記リレーの外形に沿った形状を有する請求項1記載のタイマ装置。
【請求項3】 前記設定用ダイアルは、前記タイマ用基板に垂直な軸回りに回動自在に設けられる請求項1または2記載のタイマ装置。
【請求項4】 前記ベース部材上には、前記タイマ用基板を支持するリブが突設される請求項1ないし3のいずれかに記載のタイマ装置。
【請求項5】 前記ベース部材上に、該ベース部材に配備された前記端子と前記タイマ用基板との接続用基板が配置される請求項1ないし4のいずれかに記載のタイマ装置。
【請求項6】 前記ベース部材に配備された前記端子と、該ベース部材上に支持された前記リレーの端子とを直接接続する請求項1ないし5のいずれかに記載のタイマ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開平9−43371
【公開日】平成9年(1997)2月14日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−191589
【出願日】平成7年(1995)7月27日
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)