タイムレコーダー、タイムカード発行システム及びタイムカード発行方法
【課題】カード使用期間を印字するための使用期間情報に係る制御方法を工夫して、タイムカードを数ヶ月分まとめて発行できるようにすると共に、月々のカード発行手間を省略できるようにする。
【解決手段】時計カレンダ部42と、カードIDを有したカード素材30’から、当該カードIDを読み取るカード読取部41と、ここに読み取られたカード素材30’にカード番号を印字する印字部46と、カード番号を印字したタイムカード30がカード番号印字後の初回に使用されるタイムカード30か否かを判別し、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30であると判別されたとき、カード使用者の締日情報と時計カレンダ部42から出力される時刻暦情報とに基づいて作成した使用期間情報に基づいて印字制御をする制御部45とを備えるものである。
【解決手段】時計カレンダ部42と、カードIDを有したカード素材30’から、当該カードIDを読み取るカード読取部41と、ここに読み取られたカード素材30’にカード番号を印字する印字部46と、カード番号を印字したタイムカード30がカード番号印字後の初回に使用されるタイムカード30か否かを判別し、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30であると判別されたとき、カード使用者の締日情報と時計カレンダ部42から出力される時刻暦情報とに基づいて作成した使用期間情報に基づいて印字制御をする制御部45とを備えるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カード使用者の数ヶ月分のタイムカードを事前に自動発行する勤務管理システムに適用して好適なタイムレコーダー、タイムカード発行システム及びタイムカード発行方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各企業や事務所等に従業員の出退勤を管理する装置としてタイムレコーダーが配置され、タイムレコーダーにタイムカードを差し込んで、差し込んだ時刻を出勤又は退勤時刻として記録するようになされる。
【0003】
近頃ではパーソナルコンピュータ(PC:以下パソコンという)とタイムレコーダーとをリンクさせて使用される場合が多い。タイムレコーダーがタイムカードの登録発行を分担し、パソコンがカード使用者の勤務日数や勤務体系、締日等を管理するように取り扱われる(PCリンクタイムレコーダー)。
【0004】
このようなPCリンクタイムレコーダーを備えたタイムカード発行システムで使用されるタイムカードには、それぞれ異なるカード固有の識別情報(以下カードIDという)が付加されている。
【0005】
一方、タイムカードは、月単位で新しいカードID付きのタイムカード用のカード素材を登録して発行する方法が採られる場合が多い。しかし、パソコン管理上の個人コード(以下カード番号情報という)が毎月同じ内容でないと、毎月、カード番号情報と新しいタイムカードのカードIDを紐付けする必要が生じて、その作業が面倒で多くの時間を要する場合がある。
【0006】
そこで、タイムレコーダー上で今月/来月カードの登録モードを設けて、カード番号情報を表示し、カード使用期間である今月/来月等を表示画面上で選択して、新しいカードID付きのタイムカードを挿入した際に、カード番号、カードID及び使用期間を紐付けてメモリに記憶する方法が採られていた。
【0007】
このようなタイムカードを発行するシステムに関連して、特許文献1には、タイムカード印字システムが開示されている。このシステムによれば、タイムレコーダーが備えられ、カード固有の識別情報が付された所定のタイムカードに、出退勤時刻等の印字を行う場合に、カード認識手段、印字手段、記憶手段、通信手段及び制御手段を備えられる。カード認識手段は、タイムカードに付された識別情報を認識する。印字手段は、タイムカードに対して文字、数字等を印字する。
【0008】
記憶手段には、複数のタイムカードの識別情報が記憶されると共に、当該識別情報に対応する印字情報が記憶される。通信手段は、タイムカードに印字すべき印字情報を備えた外部装置と通信を行う。これを前提にして、制御手段が通信手段を介して外部装置から印字情報を取得し、ここに取得した印字情報に基づいてタイムカードに対して所定の印字を行うように印字手段を制御するようにした。
【0009】
このようにタイムカード発行システムを構成すると、パソコン等によって入力した氏名その他の印字情報を用いてタイムカードに所定の印字をできるというものである。
【0010】
また、特許文献2にはタイムカード発行システムが開示されている。タイムカード発行システムによれば、特許文献1に見られるようなタイムレコーダーと管理装置とが直接またはインターネット回線等の通信手段を介して接続される。タイムレコーダーは、識別情報が付された所定のタイムカードに従業員の出退勤時刻等の印字を行う。
【0011】
管理装置は、タイムレコーダーによって印字される従業員に関する従業員情報を管理する。これを前提にして、管理装置が従業員情報に基づいて印字情報を生成するとともに、当該印字情報をタイムレコーダーに対して送信し、印字が行われたタイムカードの識別情報を取得するようになされる。このようにタイムカード発行システムを構成すると、簡易迅速にタイムカードを発行できるというものである。なお、パソコン側で作成した印字データをタイムレコーダーに出力してタイムカードを発行するタイムレコーダーが、特許文献3にも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2002−230605号公報(第4頁 図2)
【特許文献2】特開2002−230606号公報(第3頁 図2)
【特許文献3】特開2005−025534号公報(第6頁 )
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、従来方式のタイムレコーダー及びタイムカード発行システムによれば、次のような問題がある。
i.特許文献1〜3に見られるようなタイムレコーダーによれば、カード使用者のカード番号(個人コード)、カード素材固有の識別情報(カードID)及びカード使用者の使用期間を紐付けた印字データが管理装置側で作成され、この印字データを管理装置からタイムレコーダー側に転送する方法が採られる。この方法は、毎月、タイムレコーダーを介して管理装置側にカード登録する必要が有り、かつ、締日近辺では他の業務で忙しいタイムカード発行管理者からタイムカード発行の改善を要求される場合が多い。
【0014】
特に、当該カード使用者のタイムカードを数ヶ月分まとめて発行する要求があった場合にその対処が困難となり、月々のカード発行手間が多くなるという問題がある。
【0015】
ii.また、カード使用者の使用期間を印字するための使用期間情報を管理装置側から転送を受けたタイムレコーダーによれば、その使用期間情報をカード使用者毎に記録するためのメモリ領域がタイムレコーダー内のメモリ部に割り当てられる。このメモリ部はメモリ容量が限られている場合が多く、タイムカードの発行数が多くなればなるほど、その使用期間情報がメモリ領域を占め割合が多くなるという問題がある。
【0016】
iii.更に、当月の途中で従業員が採用され、当月の途中から打刻管理されたタイムカード(以下引継カードという)が来月の新しいタイムカードに引き継がれる場合、メモリ領域上において、当月終了日に、当該引継カードから先月使用カードの打刻履歴を記録するメモリ領域へ移行、及び、先月使用カードから今月の新品カードの発行等、更に面倒な作業となるという問題がある。
【0017】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑み創作されたものであり、カード使用期間を印字するための使用期間情報を得る方法を工夫して、タイムカードを数ヶ月分まとめて発行できるようにすると共に、月々のカード発行手間を省略できるようにしたタイムレコーダー、タイムカード発行システム及びタイムカード発行方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の課題を解決するため、請求項1に係るタイムレコーダーは、タイムカードを使用する期間をカード使用期間とし、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報を締日情報とし、時計暦部から得られる当月の情報を当月情報として、カード番号情報に基づいて前記カード使用者の勤務実績を管理する使用者管理装置に接続され、前記タイムカードに現在時刻を印字するタイムレコーダーであって、現在時刻を示す時刻情報を発生すると共に当月情報を出力する時計暦部と、カード固有の識別情報を有したタイムカード用のカード素材から、当該カード素材の固有の識別情報を読み取る情報読取部と、前記情報読取部によって固有の識別情報が読み取られた前記カード素材に当該カード使用者のカード番号情報に基づいてカード番号を印字する印字部と、前記印字部によってカード番号を印字した前記カード使用者のカード素材がカード番号印字後の初回に使用されるタイムカードであるか否かを判別し、当該カード素材がカード番号印字後の初回に使用されたタイムカードである場合に、前記カード使用者の締日情報と前記時計暦部から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成し、前記使用期間情報に基づいて前記印字部を制御する制御部とを備えることを特徴とするものである。
【0019】
請求項1に係るタイムレコーダーによれば、カード番号情報に基づいてカード使用者の勤務実績を管理する使用者管理装置に接続され、タイムカードに現在時刻を印字する場合に、時計暦部、情報読取部、印字部及び制御部を備える。時計暦部は現在時刻を示す時刻情報を発生すると共に当月情報を出力する。
【0020】
情報読取部は、カード固有の識別情報を有したタイムカード用のカード素材から、当該カード素材の固有の識別情報を読み取る。印字部は、情報読取部によって固有の識別情報が読み取られたカード素材に当該カード使用者のカード番号情報に基づいてカード番号を印字する。
【0021】
制御部は、印字部によってカード番号を印字したカード使用者のカード素材がカード番号印字後の初回に使用されるタイムカードであるか否かを判別する。これを前提にして、制御部は、カード素材がカード番号印字後の初回に使用されたタイムカードである場合に、カード使用者の締日情報と時計暦部から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成し、使用期間情報に基づいて印字部を制御するようになる。
【0022】
この制御によって、使用者管理装置からカード使用者の使用期間情報の転送を受けることなく、カード番号印字後の初回に使用されたカード素材にカード使用者のカード使用期間を印字できるようになる。しかも、当該タイムレコーダー内で対応付けられたカード固有の識別情報及びカード使用者のカード番号情報に基づいてタイムカードを数ヶ月分まとめて発行できるようになるので、勤怠管理者の月々のタイムカード発行手間を省略できるようになる。
【0023】
請求項2に記載のタイムレコーダーは、請求項1において、前記情報読取部によって固有の識別情報が読み取られた前記カード素材とカード使用者のカード番号情報とを対応付けて保存する記憶部を有することを特徴とするものである。
【0024】
請求項3に記載のタイムレコーダーは、請求項2において、前記記憶部には、当該タイムカードの前月分の打刻情報を記録する第1のメモリ領域と当月分の打刻情報を記憶する第2のメモリ領域とが割り当てられ、前記制御部は、前記第1のメモリ領域に使用期間情報が記憶されているか否かを検出して、カード番号印字後の初回に使用されたカード素材であるか否かを判別することを特徴とするものである。
【0025】
請求項4に記載のタイムカード発行システムは、タイムカードを使用する期間をカード使用期間とし、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報を締日情報とし、時計暦部から得られる当月の情報を当月情報として、当該カード使用者のタイムカードを発行するタイムカード発行システムであって、所定のカード番号情報に基づいて前記カード使用者の勤務実績を管理する使用者管理装置と、前記使用者管理装置に接続されて前記タイムカードに現在時刻を印字するタイムレコーダーとを備え、前記タイムレコーダーは、現在時刻を示す時刻情報を発生すると共に当月情報を出力する時計暦部と、カード固有の識別情報を有したタイムカード用のカード素材から、当該カード素材の固有の識別情報を読み取る情報読取部と、前記情報読取部によって固有の識別情報が読み取られた前記カード素材に当該カード使用者のカード番号情報に基づいてカード番号を印字する印字部と、前記印字部によってカード番号が印字されたカード使用者のカード素材がカード番号印字後の初回に使用されるカード素材か否かを判別し、当該カード素材がカード番号印字後の初回に使用されたタイムカードである場合に、前記カード使用者の締日情報と前記時計暦部から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成し、前記使用期間情報に基づいて前記印字部を制御する制御部とを有することを特徴とするものである。
【0026】
請求項5に記載のタイムカード発行システムは、請求項4において、前記使用者管理装置は、前記情報読取部によって読み取られた前記カード素材の固有の識別情報とカード使用者のカード番号情報とを対応付けて保存することを特徴とするものである。
【0027】
請求項6に記載のタイムカード発行方法は、タイムカードを使用する期間をカード使用期間とし、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報を締日情報とし、時計暦部から得られる当月の情報を当月情報として、前記カード使用者の勤務実績を管理する使用者管理装置に接続され、前記タイムカードに現在時刻を印字するタイムレコーダーが、カード固有の識別情報を有したタイムカード用のカード素材から、当該カード素材の固有の識別情報を読み取り、前記カード素材とカード使用者のカード番号情報とを対応付けて保存すると共に、当該カード使用者のカード番号情報に基づいて前記カード素材に当該カード使用者のカード番号を印字するステップと、前記カード使用者のカード番号を印字したカード素材がカード番号印字後の初回に使用されるカード素材か否かを判別するステップと、前記カード素材がカード番号印字後の初回に使用されたタイムカードであると判別されたとき、前記カード使用者の締日情報と前記タイムレコーダーから得られる当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成するステップと、前記使用期間情報に基づいて当該カード使用者のカード使用期間を前記カード素材に印字すると共に、前記カード使用者の使用期間情報を対応付けて保存するステップとを実行することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係るタイムレコーダーによれば、カード番号印字後に挿入されたカード素材が初回に使用されたタイムカードである場合に、カード使用者の締日情報と時計暦部から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成し、この使用期間情報に基づいて印字部を制御する制御部を備えるものである。
【0029】
この構成によって、使用者管理装置からカード使用者の使用期間情報の転送を受けることなく、カード番号印字後の初回に使用されたカード素材にカード使用者のカード使用期間を印字できるようになる。しかも、当該タイムレコーダー内で対応付けられたカード素材の固有の識別情報及びカード使用者のカード番号情報に基づいてタイムカードを数ヶ月分まとめて発行できるようになるので、勤怠管理者の月々のカード発行手間を省略できるようになる。
【0030】
また、従来方式に比べて、カード使用者毎に記述されていた使用期間情報を格納するためのメモリ領域を省略できるようになるので、当該タイムレコーダーにおけるメモリ容量を削減できるようになる。
【0031】
本発明に係るタイムカード発行システム及びタイムカード発行方法によれば、カード番号印字後の初回に使用されたカード素材が判別されたとき、カード使用者の締日情報と時計暦部から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成し、この使用期間情報に基づいて印字部を制御するタイムレコーダーを備えるものである。
【0032】
この構成によって、使用者管理装置からカード使用者の使用期間情報の転送を受けることなく、カード番号印字後の初回に使用されたカード素材にカード使用者のカード使用期間を印字できるようになる。しかも、当該タイムレコーダー内で対応付けられたカード素材の固有の識別情報及びカード使用者のカード番号情報に基づいてタイムカードを数ヶ月分まとめて発行できるようになるので、勤怠管理者の手間を省くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る実施形態としてのタイムカード発行管理システム100の構成例を示す概念図である。
【図2】タイムレコーダー10の構成例を示すブロック図である。
【図3】タイムレコーダー10のキーボード14の構成例を示す説明図である。
【図4】(A)及び(B)は、メモリ部13内のデータ管理例を示す説明図である。
【図5】(A)及び(B)は、メモリ容量の比較例(その1)を示す説明図である。
【図6】(A)及び(B)は、メモリ容量の比較例(その2)を示す説明図である。
【図7】(A)及び(B)は、メモリ容量の比較例(その3)を示す説明図である。
【図8】(A)及び(B)は、メモリ容量の比較例(その4)を示す説明図である。
【図9】タイムカード管理装置40の構成例を示すブロック図である。
【図10】タイムカード30の管理例を示す表図である。
【図11】タイムカード用のカード素材30’の構成例を示す説明図である。
【図12】タイムレコーダー10におけるカード番号の表示例を示す説明図である。
【図13】(A)〜(D)は、第1の実施例としてのタイムカード30の発行例を示す説明図である。
【図14】タイムカード30の印字例(その1)を示す説明図である。
【図15】(A)〜(D)は、第2の実施例としてのタイムカード30の発行例を示す説明図である。
【図16】タイムカード30の印字例(その2)を示す説明図である。
【図17】タイムカード30の発行例を示すフローチャートである。
【図18】タイムカード30の使用時の取扱例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係るタイムレコーダー、タイムカード発行システム及びタイムカード発行方法について説明をする。図1に示すタイムカード発行管理システム100はタイムカード発行システムの一例を構成し、タイムレコーダー10及びタイムカード管理装置40を備え、当該カード使用者のタイムカード30を発行し、その勤務実績(体系)を管理する。カード使用者は社員やパートタイマー等の従業員である。
【0035】
タイムレコーダー10は、通常その従業者が勤務する事業所に設置されるものであって、タイムカード30上の所定の欄に出勤時、退勤時の時刻を印字するための装置である。出勤時、退勤時の時刻は、従業者が出勤時および退勤時に自分専用のタイムカード30を当該タイムレコーダー10に差し込むことによって印字される。
【0036】
タイムレコーダー10は通信手段20を介してサーバー等のタイムカード管理装置40に接続して使用される。通信手段20にはインターネット回線や、ローカルエリアネットワーク(LAN)回線が使用される。また、通信手段20にはコンパクトフラッシュ(登録商標)、USBメモリ等の外部記憶媒体60を介して通信する方法を用いてもよい。もちろん、タイムレコーダー10は通信手段20を介さずに直接、タイムカード管理用の情報端末装置50に接続して使用してもよい。タイムレコーダー10は、カード使用者の出勤時や、退出時等の現在時刻をタイムカード30に印字し、出勤時刻情報や、退出時刻情報等をタイムカード管理装置40に出力する。
【0037】
この例で、タイムレコーダー10は、カード発行時に、タイムカード用のカード素材30’からその固有の識別情報(以下カードIDを示すデータD11という)を読み取り、読み取ったデータD11をタイムカード管理装置40に通知する。この通知は当該カード素材30’のカードIDとカード番号情報(以下カード番号を示すデータD41という)とを紐付けするためである。
【0038】
タイムカード管理装置40は使用者管理装置の一例を構成し、タイムレコーダー10からカード使用者の出勤時刻情報や、退出時刻情報等を入力し、当該出勤時刻情報や、退出時刻情報、カード番号を示すデータD41等に基づいてカード使用者の勤務実績を管理する。タイムカード管理装置40,50にはパーソナルコンピュータが使用される。
【0039】
この例でタイムカード管理装置40は、カード発行時、タイムレコーダー10によって読み取られたカード素材30’の固有のカードIDを示すデータD11とカード使用者のカード番号を示すデータD41とを対応付けて保存する。このようにカードIDとカード番号とを対応付けて保存すると、カードIDとカード番号とを対応付けられたタイムカード30に基づいてタイムカード管理装置40で当該カード使用者の勤務体系を管理できるようになる。
【0040】
続いて、図2を参照して、タイムレコーダー10の構成例について説明する。図2に示すタイムレコーダー10は、カード番号を示すデータD41に基づいてカード使用者の勤務実績を管理するタイムカード管理装置40に接続され、タイムカード30に出勤時や退出時の現在時刻を印字するものである。タイムレコーダー10は、カード読取部11、時計カレンダ部12、メモリ部13、キーボード14、制御部15、印字部16、通信部17及び表示部18を有して構成される。
【0041】
制御部15は中央演算装置(Central Processing Unit:以下CPU53という)、プログラム格納用の読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM52)や、ワークメモリ用の随時情報の書き込み読出し可能なメモリ(Random Access Memory:RAM51)、EEPROMや、ハードディスク装置(HDD)等の不揮発メモリから構成された演算処理手段を構成し、所定のプログラムに基づいてタイムレコーダー10の機能全体を制御するものである。例えば、CPU53は、電源オンと共にROM52からシステムプログラムを読み出し、RAM51に展開してシステムを起動する。
【0042】
制御部15にはカード読取部11が接続され、カード読取部11は、カード固有のカードIDを有したタイムカード用のカード素材30’から、当該カード素材30’のカードIDを読み取る。カード読取部11には、タイムカード30に穿設された小孔によって形成されたカード固有の識別情報(カードID)を認識するための光学検知手段が使用される。例えば、カード読取部11には、透過型の光学センサ及び、タイムカード30を一定速度で引き込むカード引き入れ駆動機能を有したものが使用される。
【0043】
制御部15にはカード読取部11の他に時計カレンダ部12が接続される。時計カレンダ部12は現在時刻を示す時刻データを発生すると共に当月情報を示す暦データを出力する。以下で、時刻データ及び暦データを総称して時刻暦データD12という。ここに当月情報とは時計カレンダ部12から得られる当月の情報をいう。時計カレンダ部12は制御部15が有するクロック(CLK)に基づいて時刻暦データD12を生成する。
【0044】
この時刻暦データD12には、当月情報の他に年月日情報、現在時刻情報、曜日情報、午前/午後等が含まれる。当該時計カレンダ部12で生成された時刻暦データD12は表示部18に出力される。時刻暦データD12は出退勤データの一部として使用される。
【0045】
制御部15には記憶部の一例を構成するメモリ部13が接続される。メモリ部13には、制御部15によって実行される所定のプログラムデータ、キーボード14の入力に伴う各種設定情報、個々のタイムカード30(カードID毎)の出退勤時刻、および後述するカード番号を印字するためのデータD41が一時的に記憶される。メモリ部13にはRAMや、不揮発メモリ(EEPROM)等が使用される。
【0046】
制御部15にはキーボード14が接続される。キーボード14は、タイムレコーダー10に対する種々の設定や機能を利用するために使用するものであり、「時刻設定」「締日(集計日)設定」「始業時刻設定」「終業時刻設定」「残業開始時刻設定」「日付変更時刻設定(タイムレコーダー内部での日にちの切換を行う時刻)」「計算モード設定」等を行うための入力設定手段である(図3参照)。
【0047】
印字部16は、カード発行時に、カード読取部11によって固有のカードID読み取られ、このカードIDを示すデータD11が取得されたカード素材30’に当該カード使用者のカード番号を示すデータD41に基づいてカード使用者固有のカード番号を印字する。
【0048】
また、締日はカード使用者の締日情報(以下締日を示すデータD61という)に基づいて印字される。使用期間はカード使用者の使用期間情報(以下で使用期間を示すデータD62という)に基づいて印字される。これらのデータD41、データD61及びデータD62を総称して印字データD16ともいう。もちろん、印字部16は、周知技術と同様にして、タイムカード30がタイムレコーダー10に挿入された際、所定の出勤時刻、退勤時刻等をその出勤・退出時刻印字領域35等の所定の位置に印字するようになされる。
【0049】
通信部17はタイムカード管理装置40と通信をするための所定のインターフェースとしての機能を有している。例えば、カード発行時、通信部17は、タイムカード管理装置40からカード番号を示すデータD41を受信して当該データD41をメモリ部13へ転送する。
【0050】
表示部18は時刻暦データD12に基づく表示データD18により、現在時刻や、曜日、年月日、午前/午後等を表示する。表示部18には液晶表示装置が使用される。この例では、現在時刻や曜日等が表示された画面をタイムレコーダー10における待機画面という。表示データD18は、時刻暦データD12に基づいて、例えば、液晶表示用に信号変換処理等されて作成される。
【0051】
この例で、上述のメモリ部13には、カード読取部11によってカード素材30’から読み取られたカードIDを示すデータD11と、カード使用者のカード番号を示すデータD41とを対応付けて保存するようになされる。メモリ部13には、例えば、当該タイムカード30の当(今)月分の打刻情報を記録する第1のメモリ領域M1と前(先)月分の打刻情報を記憶する第2のメモリ領域M2とが割り当てられる(図4参照)。
【0052】
上述の制御部15は、カード発行時、印字部16によってカード番号を印字したカード使用者のタイムカード30が、カード使用時、カード番号印字後の初回に使用されるタイムカード30か否かを判別する。例えば、制御部15は、メモリ部13のメモリ領域M1に使用期間を示すデータD62が記憶されているか否かを検出して、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30であるか否かを判別する。ここに使用期間情報とは、タイムカード30を使用するカード使用期間を印字する情報をいう。カード使用期間とは、タイムカード30を使用する期間をいう。
【0053】
この判別は、カード番号印字後の初回に使用されるタイムカード30にカード使用者のカード使用期間を印字するためである。制御部15は、当該タイムレコーダー10に挿入されたタイムカード30がカード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30である場合に、カード使用者の締日を示すデータD61と時計カレンダ部12から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間を示すデータD62を作成し、このデータD62に基づいて印字部16を制御する。
【0054】
もちろん、二回目以降に使用されたタイムカード30については、初回に使用されたタイムカード30でないと判別されるので、カード番号印字後の二回目以降に使用されたタイムカード30に、カード使用期間を印字する事態を回避できるようになる。
【0055】
この例で、メモリ部13にはインターフェース19が接続される。インターフェース19には外部記憶媒体60が装着される。外部記憶媒体60は制御部15を介して、又は、直接、メモリ部13に接続され、カードID、データD61,D62等が読み書きされる。外部記憶媒体60は、タイムカード管理装置40によって作成したタイムカード発行・管理用のデータ、例えば、カードID、データD61,D62等を一時記憶してタイムレコーダー10に提供するように取り扱われる。
【0056】
続いて、図3を参照して、タイムレコーダー10のキーボード14の構成例について説明する。図3に示すタイムレコーダー10のキーボード14には操作ボタンとして、例えば、16個のキーK1〜K16が備えられる。
【0057】
キーK1は表示部18の待機画面に表示される現在時刻をセットするキーである。キーK2はその待機画面に表示される年月日をセットするキーである。キーK3は各種設定取込をセットするキーである。キーK4はカード使用者の締日を変更するキーである。
【0058】
キーK5は1日の時間表示を12時間表示又は24時間表示するかを切り換えるキーである。キーK6は当該タイムレコーダー10の置き方をセットするキーである。キーK7は当該タイムレコーダー10を管理するユーザのパスワードをセットするキーである。
【0059】
キーK8はカード発行時、カード発行を指示するキーである。キーK8は、例えば、約3秒間押し続けると、カードの発行を開始する。キーK9はシフト予定表の読み込みを指示するキーである。キーK9は、例えば、約3秒間押し続けると、シフト予定表の読み込みを開始する。
【0060】
キーK10はメモリカード出力を指示するキーである。キーK10はメモリカードにデータをコピーする際に押下操作される。キーK11は数字送りを指示するキーである。キーK11は点滅している数字を送る際に押下操作される。
【0061】
キーK12は数字戻しを指示するキーである。キーK12は点滅している数字を戻す際に押下操作される。キーK13は設定開始を指示するキーである。キーK13は、例えば、約3秒間押し続けると、設定を開始する。キーK14は項目送りを指示するキーである。キーK14は設定モードの項目を選択する際に押下操作される。
【0062】
キーK15はセットを指示するキーである。キーK15は点滅している数字を確定する。カード発行中はシフト選択を開始する。キーK16は表示画面を時計に戻すキーである。キーK16は、各種設定、カード発行、カード削除等を終了し、時計表示に戻す際に押下操作される。これらにより、操作ボタンとして16個のキーK1〜K16をキーボード14に備えたタイムレコーダー10を構成する。なお、キーボード14から制御部15へ出力されるデータを総称して操作データD14で示している。
【0063】
続いて、図4A及びBを参照して、メモリ部13におけるデータ管理例について説明する。図4Aに示すメモリ部13には、3つのメモリ領域M0〜M2が設けられ、カード発行及びカード使用時に発生するデータを管理するようになされる。
【0064】
この例でメモリ領域M0はタイムカード発行分に割り当てられ、メモリ領域M0には、タイムカードの登録発行時に発生したデータが蓄積(記録)される。メモリ領域M1(第1のメモリ領域)は今月データ蓄積分に割り当てられ、メモリ領域M1には、タイムカード30の今(当)月分の打刻情報が記録され蓄積される。メモリ領域M2(第2のメモリ領域)は、先月データ蓄積分に割り当てられ、メモリ領域M2には、タイムカード30の先(前)月分の打刻情報が記録され蓄積される。
【0065】
図4Bにおいて、当月が5月で、向こう1年間の50名の12ヶ月分のタイムカード30を発行する場合を想定した場合、メモリ領域M0には50名の12ヶ月分のタイムカード30を発行するための(カードID+カード番号=登録発行データ)=50×12=600のカードIDが記録される。
【0066】
また、メモリ領域M1には当月である5月分の使用期間10/05/11−10/06/10の50名分の打刻データが各カードID毎に今月データとして蓄積されている。更に、メモリ領域M2には先月である4月分の使用期間10/04/11−10/05/10の50名分の打刻データが各カードID毎に先月データとして蓄積されている。
【0067】
このようなカード発行及びカード使用時に発生するデータを管理する場合であって、制御部15は当月終了日を迎え、翌月にデータ管理を移行する時点において、データの削除及びデータの移行処理を実行する。移行要件は、メモリ領域M0からメモリ領域M1へ翌月使用のための50名分のカードIDを移す。この例では、初回の打刻時にメモリ領域M0からメモリ領域M1へカードID毎に移す。
【0068】
また、同時点において、メモリ領域M2から先月使用済みの50名分の打刻データを削除する。また、メモリ領域M1からメモリ領域M2へ当月使用済みの50名分の打刻データを移す。
【0069】
これらを移行条件にして、例えば、制御部15は5月終了日を迎え、6月のデータ管理を開始する時点において、メモリ領域M2から4月使用済みの50名分の打刻データをまとめて削除する。この削除はメモリ領域M2を空にするためである。
【0070】
また、メモリ領域M1から空になったメモリ領域M2へ5月使用済みの50名分の打刻データをまとめて移すようになされる。このデータの移行(シフト)により、メモリ領域M1が空になる。
【0071】
そこで、メモリ領域M0から空になったメモリ領域M1へ6月使用のための50名分のカードIDを移す。このカードIDは、初回の打刻時にメモリ領域M0からメモリ領域M1へ移す。このように、初回打刻でメモリ領域M0からメモリ領域M1へ50名分のカードIDが移行すると、以降は、そのカードIDの打刻データは、今月データ蓄積分として記憶されるようになる。このカードIDの移行によってメモリ領域M0には、カードID50名分の空き領域が発生する。12ヶ月分のカードIDの移行によってメモリ領域M0は空になる。
【0072】
もちろん、メモリ領域M0からメモリ領域M1へ移行された50名分のカードIDにはカード番号が紐付けられているが、カード使用期間を印字するためのデータD62は付加されていない。これにより、図5Aに示すような3ヶ月分の使用期間×4=12ヶ月分の使用期間に係るメモリ領域を削減できるようになる。
【0073】
更に、当月の途中で従業員が採用され、当月の途中から打刻管理された引継カードが来月の新しいタイムカード30に引き継がれる場合に、メモリ領域M1上において、当月終了日に、当該引継カードの打刻データがメモリ領域M2へ移行されるので、メモリ領域M0からメモリ領域M1に移行されるカードIDに基づいて今月分の新品のタイムカード30に使用期間等を円滑に印字できるようになる。なお、メモリ領域M1,M2は、今月分及び先月分の蓄積データを月毎に入れ替えて記録するように使用してもよい。
【0074】
続いて、図5〜図8を参照して、従来例及び本発明に係るメモリ容量の比較例(その1〜4)について説明する。図5A、図6A、図7A及び図8Aは、いずれも従来例としてのタイムカード発行時のメモリ部13のメモリ容量を示している。この例では、8名のカード番号に対して3ヶ月分(3枚×8名=24枚)のタイムカードを発行する場合について、従来例及び本発明に係るメモリ部13のメモリ容量を比較する。
【0075】
従来例によれば、カード使用期間を印字するための使用期間を示すデータD62がタイムカード管理装置40で作成され、このデータD62をタイムカード管理装置40から受信してタイムレコーダー10のメモリ部13に記憶する場合である。メモリ部13には、カード使用者のカード番号に対してカードID、カード使用期間のメモリ領域131が割り当てられる。カード番号はデータD41に基づいて記述され、カードIDはカード素材30’から読み取って得たデータD11に基づいて記述され、カード使用期間はデータD62に基づいて記述される。
【0076】
これらを前提にして、図5Aに示す一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対しては、データD11及びD62に基づいて今月(1枚目)の記述欄にカードID「0001」+データ使用期間「10/04/11−10/05/10」が記述される。来月(2枚目)の記述欄には、データD11及びD62に基づき、カードID「0002」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が記述される。再来月(3枚目)の記述欄には、データD11及びD62に基づき、カードID「0003」+カード使用期間「10/06/11−10/07/10」が記述される。
【0077】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、データD11及びD62に基づき、今月(1枚目)の記述欄には、カードID「0004」+カード使用期間「10/04/11−10/05/10」が記述される。来月(2枚目)の記述欄には、データD11及びD62に基づき、カードID「0005」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が記述される。再来月(3枚目)の記述欄には、データD11及びD62に基づき、カードID「0006」+カード使用期間「10/06/11−10/07/10」が記述される。
【0078】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、今月(1枚目)の記述欄には、データD11及びD62に基づき、カードID「0007(0010,0013,0016,0019,0022)」+カード使用期間「10/04/11−10/05/10」が記述される。来月(2枚目)の記述欄には、カードID「0008(0011,0014,0017,0020,0023)」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が記述される。再来月(3枚目)の記述欄には、カードID「0009(0012,0015,0018,0021,0024)」+カード使用期間「10/06/11−10/07/10」が記述される。
【0079】
これに対して、図5Bに示す本発明に係るカード発行時によれば、8名のカード番号に対して3ヶ月分(3枚×8名=24枚)の未使用の登録済みタイムカードを発行する場合であって、カード使用期間を印字するための使用期間を示すデータD62がタイムレコーダー10の内部で作成される。
【0080】
メモリ部13には、カード使用者のカード番号に対して未使用のカードIDを示すデータD11の記述領域132が割り当てられる。カード番号はデータD41に基づいて記述され、カードIDはカード素材30’から読み取って得たデータD11に基づいて記述され、カード使用期間はカード使用時に、タイムレコーダー内で作成された使用期間を示すデータD62に基づいて記述される。
【0081】
図5Bにおいて、タイムカード発行時の一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対しては、今月(1枚目)の記述欄には、データD11に基づき、カードID「0001」が記述される。来月(2枚目)の記述欄には、カードID「0002」が記述される。再来月(3枚目)の記述欄には、カードID「0003」が記述される。
【0082】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、今月(1枚目)の記述欄には、データD11に基づき、カードID「0004」が記述される。来月(2枚目)の記述欄には、カードID「0005」が記述される。再来月(3枚目)の記述欄には、カードID「0006」が記述される。
【0083】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、今月(1枚目)の記述欄には、データD11に基づき、カードID「0007(0010,0013,0016,0019,0022)」が記述される。来月(2枚目)の記述欄には、カードID「0008(0011,0014,0017,0020,0023)」が記述される。再来月(3枚目)の記述欄には、カードID「0009(0012,0015,0018,0021,0024)」が記述される。
【0084】
このように、カード発行時の従来例に係るメモリ部13のメモリ容量と、本発明のメモリ部13のメモリ容量とを比較すると、本発明によれば、カード使用期間を印字するためのデータD62をタイムレコーダー内で作成するようにしたので、図中、斜線に示すメモリ空き領域133が節約できるようになる。メモリ空き領域133は、図5Aのメモリ領域131で8名分の3ヶ月分の使用期間10/04/11−10/05/10、使用期間10/05/11−10/06/10及び使用期間10/06/11−10/07/10を記述していた部分であって、カード登録発行直後、この部分のメモリ容量を削減できるようになる。
【0085】
図6Bは、本発明に係るカード発行後の1月目のメモリ部13における記述例を示す表図である。図6Bに示す記述例によれば、カード発行後の1月目の初回打刻時(使用期間記述時)のメモリ部13には、図4Aに示したメモリ領域M0及びM1が今月使用分及び未使用分のタイムカード30の記述領域132として割り当てられる。メモリ領域M2はメモリ空き領域133となる。
【0086】
この例で、メモリ領域M0の今月使用分(1枚目)の記述欄には、一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対応して、データD11及びD62に基づくカードID「0001」+データ使用期間「10/04/11−10/05/10」が記述される。
【0087】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、データD11及びD62に基づく、カードID「0004」+カード使用期間「10/04/11−10/05/10」が今月使用分(1枚目)の記述欄に記述される。
【0088】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、データD11及びD62に基づくカードID「0007(0010,0013,0016,0019,0022)」+カード使用期間「10/04/11−10/05/10」が今月使用分(1枚目)の記述欄に記述される。
【0089】
メモリ領域M1の未使用の登録済みカードID(以下未使用のカードIDともいう)の記述欄には、一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対応して、カードID「0002」(2枚目:来月分)及び、カードID「0003」(3枚目:再来月分)が記述される。
【0090】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、カードID「0005」(2枚目:来月分)及び、カードID「0006」(3枚目:再来月分)が未使用のカードIDの記述欄に記述される。
【0091】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、例えば、カードID「0008(0011,0014,0017,0020,0023)」(2枚目:来月分)及び、カードID「0009(0012,0015,0018,0021,0024)」(3枚目:再来月分)が未使用のカードIDの記述欄に記述される。
【0092】
このように、カード発行後の1月目の従来例に係るメモリ部13のメモリ容量と、本発明のメモリ部13のメモリ容量とを比較すると、本発明によれば、カード使用期間を印字するためのデータD62をタイムレコーダー内で作成するようにしたので、図中、斜線に示すメモリ空き領域133が節約できるようになる。メモリ空き領域133は、図5Aのメモリ領域131で8名分の2ヶ月分の使用期間10/05/11−10/06/10及び、10/06/11−10/07/10を記述していた部分であって、カード発行後の1月目において、この部分のメモリ容量を削減できるようになる。
【0093】
図7Bは、本発明に係るカード発行後の2月目のメモリ部13における記述例を示す表図である。図7Bにおいて、カード発行後の2月目の打刻時(使用期間記述時)のメモリ部13における記述例によれば、図4Aに示したメモリ領域M0、M1の全部及びメモリ領域M2の一部が、先月使用分、今月使用分及び未使用のカードIDの記述領域132に割り当てられる。メモリ領域M2は未使用のカードIDを記述する領域以外がメモリ空き領域133となる。
【0094】
この例で、メモリ領域M0の先月使用分の記述欄には、一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対応して、データD11及びD62に基づく、カードID「0001」+データ使用期間「10/04/11−10/05/10」が記述される。
【0095】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、データD11及びD62に基づく、カードID「0004」+カード使用期間「10/04/11−10/05/10」が先月使用分の記述欄に記述される。
【0096】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、データD11及びD62に基づく、カードID「0007(0010,0013,0016,0019,0022)」+カード使用期間「10/04/11−10/05/10」が先月使用分の記述欄に各々記述される。
【0097】
メモリ領域M1の今月使用分の記述欄には、一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対応して、データD11及びD62に基づく、カードID「0002」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が記述される。
【0098】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、データD11及びD62に基づく、カードID「0005」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が今月使用分の記述欄(2枚目)に記述される。
【0099】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、データD11及びD62に基づき、カードID「0008(0011,0014,0017,0020,0023)」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が今月使用分の記述欄(2枚目)に記述される。
【0100】
メモリ領域M2の未使用のカードIDの記述欄には、一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対応して、再来月用の3枚目のカードID「0003」が記述される。二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、再来月用の3枚目のカードID「0006」が未使用のカードIDの記述欄に記述される。
【0101】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、再来月用の3枚目のカードID「0009(0012,0015,0018,0021,0024)」が未使用のカードIDの記述欄に記述される。
【0102】
このように、カード発行後の2月目の従来例に係るメモリ部13のメモリ容量と、本発明のメモリ部13のメモリ容量とを比較すると、本発明によれば、カード使用期間を印字するためのデータD62をタイムレコーダー内で作成するようにしたので、図中、斜線に示すメモリ空き領域133が節約できるようになる。
【0103】
図8Bは、本発明に係るカード発行後の3月目のメモリ部13における記述例を示す表図である。図8Bにおいて、カード発行後の3月目の打刻時(使用期間記述時)のメモリ部13における記述例によれば、図4Aに示したメモリ領域M0、M1の全部が、先月使用分及び今月使用分の記述領域132に割り当てられる。メモリ領域M2はこの時点で登録済みカードが使用され、未使用のカードIDが存在しないので、メモリ空き領域133となる。
【0104】
この例で、メモリ領域M0の先月使用分の記述欄には、一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対応して、データD11及びD62に基づく、カードID「0002」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が記述される。
【0105】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、データD11及びD62に基づく、カードID「0005」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が先月使用分の記述欄に記述される。
【0106】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、データD11及びD62に基づき、カードID「0008(0011,0014,0017,0020,0023)」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が先月使用分の記述欄に記述される。
【0107】
また、メモリ領域M1の今月使用分の記述欄には、一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対応して、データD11及びD62に基づく、カードID「0003」+カード使用期間「10/06/11−10/07/10」が記述される。
【0108】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、データD11及びD62に基づき、カードID「0004」+カード使用期間「10/04/11−10/05/10」が今月使用分の記述欄に記述される。
【0109】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、データD11及びD62に基づき、カードID「0009(0012,0015,0018,0021,0024)」+カード使用期間「10/06/11−10/07/10」が今月使用分の記述欄に記述される。
【0110】
このように、カード発行後の3月目の従来例に係るメモリ部13のメモリ容量と、本発明のメモリ部13のメモリ容量とを比較すると、本発明によれば、カード使用期間を印字するためのデータD62をタイムレコーダー内で作成するようにしたので、図中、斜線に示すメモリ空き領域133が節約できるようになる。 続いて、図9を参照して、タイムカード管理装置40の構成例について説明する。図9に示すタイムカード管理装置40は、メモリ部43、キーボード44、制御部45、印字部46、通信部47、表示部48及びインターフェース49を有して構成される。タイムカード管理装置40には、パーソナルコンピュータが用いられる。
【0111】
制御部45にはキーボード44が接続される。キーボード44は、カード使用者の勤務体系を管理する際に、例えば、カード番号を示すデータD41を制御部45に入力するように操作される。制御部45は、キーボード44から出力されるカード番号を示すデータD41に基づいてタイムレコーダー10を制御する。例えば、制御部45は、カード発行時、カードIDを示すデータD11とカード番号を示すデータD41とを対応付けて保存するようにタイムレコーダー10に指示する。
【0112】
制御部45にはメモリ部43が接続される。メモリ部43には、カード使用者のカード番号に対して名前、社員ID、所属部門及び勤務シフトを記述するメモリ領域431が割り当てられる(図10参照)。メモリ領域431はデータベース化され、カード発行時や、カード使用時等において、カード使用者の勤務体系を管理する際に使用される。
【0113】
印字部46は外部機器として制御部45に接続される。印字部46は、例えば、カード使用者の1ケ月分の勤務計算書等を印字する際に使用される。印字部46にはインクジット方式や電子写真方式のプリンタが使用される。
【0114】
制御部45には通信部47が接続される。通信部47は、RS232C、USBその他のインターフェース手段であり、必要に応じて、通信モデムその他の電話回線を利用した通信を行うための通信手段も併用される。通信部47はタイムレコーダー10の通信部17に接続される。
【0115】
通信手段にはコンパクトフラッシュ(登録商標)、USBメモリ等の外部記憶媒体60を介して通信する方法を用いてもよい。外部記憶媒体60には、カードIDや、データD41、データD62等が書き込まれる。例えば、外部記憶媒体60はインターフェース49に装着される。インターフェース49は制御部45に接続される。
【0116】
外部記憶媒体60は制御部45を介して、又は、直接、メモリ部43に接続され、カードID、データD61,D62等が読み書きされる。外部記憶媒体60は、タイムカード管理装置40によって作成したタイムカード発行・管理用のデータ、例えば、カードID、データD61,D62等を一時記憶してタイムカード管理装置40に提供するように取り扱われる。
【0117】
制御部45には外部機器として表示部48が接続される。表示部48には液晶表示装置が使用され、タイムカード30の管理情報が表示される。これらにより、タイムカード管理装置40を構成する。タイムカード管理装置40には、CD−ROMその他の所定の記憶媒体により、所定の制御プログラムが提供されるようになっている。
【0118】
続いて、図10を参照して、タイムカード30の管理例について説明する。図10に示すタイムカード30の管理例によれば、カード素材30’のカードIDとカード使用者のカード番号とを対応付けたタイムカード30をタイムレコーダー10に挿入すると、出社・退時刻等を示す打刻履歴情報が得られる。タイムカード管理装置40では打刻履歴情報に基づいてカード使用者の勤務体系を管理するようになる。
【0119】
この例で、図9に示したメモリ部43には、カード使用者のカード番号に対して名前、社員ID、所属部門及び勤務シフトを記述するメモリ領域431が割り当てられる。カード番号はデータD41に基づいて記述され、社員IDは社員の固有の識別情報に基づいて記述される。社員IDは、各会社や事業所で社員を管理するための社員番号である。所属部門は当該社員の所属する担当部門情報に基づいて記述される。勤務シフトは当該社員の勤務体系である日勤、夜勤等の情報に基づいて記述される。
【0120】
この例では、図10に示す一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対して、名前の欄には「○○○○」が記述され、社員IDの欄には「00001」が記述され、所属部門の欄には「開発」が記述され、勤務シフトの欄には「日勤」が記述される。
【0121】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対して、名前の欄には「××××」が記述され、社員IDの欄には「00002」が記述され、所属部門の欄には「開発」が記述され、勤務シフトの欄には「日勤」が記述される。
【0122】
三人目のタイムカード30に関するカード番号「003」に対して、名前の欄には「△△△△」が記述され、社員IDの欄には「00003」が記述され、所属部門の欄には「開発」が記述され、勤務シフトの欄には「日勤」が記述される。
【0123】
四人目のタイムカード30に関するカード番号「004」に対して、名前の欄には「○×××」が記述され、社員IDの欄には「00004」が記述され、所属部門の欄には「営業」が記述され、勤務シフトの欄には「夜勤」が記述される。このように、メモリ領域431内に保存されるカード番号に対する、そのごく一部の使用者の情報を示している。
【0124】
続いて、図11を参照して、タイムカード用のカード素材30’の構成例について説明する。この例で、タイムカード用のカード素材30’は、カード固有の識別情報を示す複数の穿孔が予め形成されているが、カード番号、締日、使用期間、出勤・退出時刻が印字されておらず、しかも、カード使用者の氏名や所属等が記述されていないカードが使用される。
【0125】
図11に示すタイムカード用のカード素材30’によれば、複数枚のカード本体紙31を備えて構成される。カード本体紙31には、カード番号印字領域32、締日印字領域33、使用期間印字領域34、出勤・退出時刻印字領域35、カードID領域36,37、確認欄記述領域38及び氏名/所属記述領域39が割り当てられている。
【0126】
カード本体紙31には、所定の厚さの紙に所定の文字や線図が予め印刷されたものを使用する。カード本体紙31のカードID領域36,37には、カード固有の識別情報を示す複数の小孔(直径1mm程度)が予め穿設されている。小孔を通過する光線の受光オン又はオフを検出してカードIDを示すデータD11を得るようになされる。
【0127】
カード番号印字領域32には、社員やパート従業員等のカード使用者のカード番号がデータD41に基づいて数字により印字される。この数字は当該カード使用者のタイムカード30としてタイムカード管理装置40に登録されているカード番号である。
【0128】
締日印字領域33にはカード使用者の締日が締日情報(以下で締日を示すデータD61という)に基づいて印字部16により印字される。ここに締日情報とは、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報をいう。締日は、「10日」、「15日」、「20日」等である。
【0129】
使用期間印字領域34にはカード使用者のカード使用期間を示すデータD62に基づいて印字部16により印字される。カード使用期間は、締日を基準にして、当該タイムカード30を使用する年月日を数字により示される。例えば、カード使用期間は、締日が10日である場合であって、使用期間に関して西暦2010年4月11日から西暦2010年5月10日が設定された場合に、使用期間印字領域34には「10/03/11−10/04/11」が印字される(図14参照)。
【0130】
出勤・退出時刻印字領域35には、カード使用者の出勤・退出時刻が時刻暦データD12に基づいて印字される。カードID領域36,37には、カード固有の識別情報を示す複数の穿孔が形成されている。カードID領域36,37は、複数の穿孔に限られることはなく、バーコードであってもよい。その際にはカード読取部11にはバーコード読取装置が使用される。確認欄記述領域38は、カード使用者の出勤・退出時刻の印字が間違いない場合に押印又はサインするように取り扱われる。
【0131】
氏名/所属記述領域39はカード使用者の氏名や所属等を記述するように取り扱われる。氏名欄には、例えば、社員の氏名が記述される。所属欄には、社員の所属する部署が記述される。これらにより、タイムカード用のカード素材30’を構成する。
【0132】
続いて、図12A〜Dを参照してタイムレコーダー10におけるカード番号の表示例について説明する。図12Aに示す表示部18の所定の位置P1にはキャラクタマークが表示される。キャラクタマークは前月分から使用されているタイムカード30を示すマークである。キャラクタマークは、カード発行後、初回使用時を除く、二回目以降のカード使用時に表示部18に表示される。
【0133】
この例で、一人目のカード番号「001」を表示するためのデータD41は、カード発行時のメモリ部13から読み出される。カード番号は、表示部18において、データD41に基づき、表示桁を示す位置P2に表示される。締日は、表示部18において、締日を示すデータD61に基づき、締日を示す位置P3に、「10日」が表示される。
【0134】
図12Bにおいても、表示部18には前月分から使用されているタイムカード30を示すキャラクタマークが位置P1に表示されている。表示桁を示す位置P2には、二人目のカード番号「002」が表示されている。カード番号「002」を表示するためのデータD41は、カード発行時のメモリ部13から読み出される。カード番号は、データD41に基づいて表示部18に表示される。締日を示す位置P3には、締日を示すデータD61に基づいて「10日」が表示される。
【0135】
図12Cにおいても、表示部18には前月分から使用されているタイムカード30を示すキャラクタマークが位置P1に表示されている。表示桁を示す位置P2には、三人目のカード番号「003」が表示されている。締日を示す位置P3には、締日を示すデータD61に基づいて「10日」が表示される。
【0136】
図12Dにおいては、前月分から使用されていないタイムカード30、すなわち、今回、カード発行後、始めて使用されるタイムカード30が当該タイムレコーダー10に挿入されたため、表示部18には、キャラクタマークが表示されていない。表示桁を示す位置P2には、四人目のカード番号「004」が表示されている。カード番号「004」を表示するためのデータD41は、カード発行時のメモリ部13から読み出される。カード番号は、データD41に基づいて表示部18に表示される。締日を示す位置P3には、締日を示すデータD61に基づいて「20日」が表示される。
【0137】
この例では、カード使用者の締日を示すデータD61とタイムレコーダー10から得られる時刻暦データD12とに基づいて当該カード使用者の使用期間を示すデータD62を作成する。その後、現在を含む使用期間及び現在時刻を指定欄に印字する。例えば、印字部16は、使用期間を示すデータD62に基づいて当該カード使用者のカード使用期間をタイムカード30の使用期間印字領域34に印字するようになる。
【実施例1】
【0138】
続いて、図13A〜Dを参照して、第1の実施例としてのタイムカード30の発行例について説明する。この例では、図11に示したカード素材30’を12枚準備し、カード番号「001」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)のタイムカード30と、カード番号「002」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)のタイムカード30と、カード番号「003」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)のタイムカード30と、カード番号「004」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)のタイムカード30を発行する場合を例に挙げる。
【0139】
まず、カード番号「001」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図13Aにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「001」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録し、3枚のタイムカード30をタイムレコーダー10により発行する。タイムカード30の発行時、カード番号印字領域32には「001」が印字されるが、締日印字領域33及び使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。これは初回のカード使用時に使用期間を印字するためである。
【0140】
次に、カード番号「002」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図13Bにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「002」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録し、3枚のタイムカード30をタイムレコーダー10により発行する。
【0141】
この例でも、タイムカード30の登録時、カード番号印字領域32には「002」が印字される。なお、締日印字領域33及び使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。使用期間は、初回のカード使用時に印字される。
【0142】
更に、カード番号「003」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図13Cにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「003」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録し、3枚のタイムカード30をタイムレコーダー10により発行する。
【0143】
この例でも、タイムカード30の登録時、カード番号印字領域32には「003」が印字されるが、締日印字領域33及び使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。使用期間は、初回のカード使用時に印字される。
【0144】
更に、カード番号「004」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図13Dにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「004」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録し、3枚のタイムカード30をタイムレコーダー10により発行する。
【0145】
この例でも、タイムカード30の登録時、カード番号印字領域32には「004」が印字されるが、締日印字領域33及び使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。使用期間は、初回のカード使用時に印字される。
【0146】
これらにより、カード番号「001」の3枚のタイムカード30、カード番号「002」の3枚のタイムカード30、カード番号「003」の3枚のタイムカード30、カード番号「004」の3枚のタイムカード30の合計12枚のタイムレコーダー10により発行できるようになる。
【0147】
続いて、図14を参照して、タイムカード30の初回使用時の印字例(その1)について説明する。この例では、使用期間「10/03/11−10/04/10」が印字されたカード使用者(カード番号001、締日:10日)の当月分のタイムカード30を発行する場合を例に挙げる。
【0148】
この例では、ユーザが締日「10日」を印字するための締日を示すデータD61をキーボード14を介してタイムレコーダー10に入力するように操作する。タイムレコーダー10では、図13で登録されたカード使用者(カード番号001)のタイムカード30が当該タイムレコーダー10に挿入される。
【0149】
タイムカード30が当該タイムレコーダー10に挿入されると、制御部15では、メモリ部13のメモリ領域M1に使用期間を示すデータD62が記憶されているか否かを検出して、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30であるか否かを判別する。制御部15は、当該タイムレコーダー10に挿入されたタイムカード30がカード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30である場合に、カード使用者の締日を示すデータD61と時計カレンダ部12から出力される時刻暦データD12とに基づいて当該カード使用者の使用期間を示すデータD62を作成し、この使用期間を示すデータD62に基づいて印字部16を制御する。
【0150】
印字部16は、データD61,D62に基づく印字データD16によりカード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30にカード使用者のカード使用期間を印字するようになる。このとき、図14に示すような初回使用時のタイムカード30の締日印字領域33に、「10日」が印字されると共に、使用期間印字領域34には「10/03/11−10/04/10」が印字される。これにより、カード使用者(カード番号001)の使用期間「10/03/11−10/04/10」が印字された当月分のタイムカード30を発行できるようになる。
【実施例2】
【0151】
図15A〜Dを参照して、第2の実施例としてのタイムカード30の発行例について説明する。この例では、図11に示したカード素材30’を12枚準備し、タイムカード管理装置40から締日を示すデータD61を取得して、カード番号「001」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)の締日印字済みのタイムカード30と、カード番号「002」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)の締日印字済みのタイムカード30と、カード番号「003」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)、カード番号「004」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)の締日印字済みのタイムカード30を発行する場合を例に挙げる。
【0152】
まず、カード番号「001」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図15Aにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「001」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録する。この登録を受けて、タイムカード管理装置40はタイムレコーダー10へカード番号「001」のカード使用者の締日を示すデータD61を送信する。
【0153】
タイムレコーダー10では、カード番号を示すデータD41及び、受信した締日を示すデータD61に基づいてカード番号「001」のカード使用者の3枚のタイムカード30を発行する。タイムカード30の発行時、カード番号印字領域32には「001」が印字され、締日印字領域33には締日「10日」が印字される。使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。これは初回のカード使用時に使用期間を印字するためである。
【0154】
次に、カード番号「002」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図15Bにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「002」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録する。この登録を受けて、タイムカード管理装置40はタイムレコーダー10へカード番号「002」のカード使用者の締日を示すデータD61を送信する。
【0155】
タイムレコーダー10では、カード番号を示すデータD41及び、受信した締日を示すデータD61に基づいてカード番号「002」のカード使用者の3枚のタイムカード30を発行する。タイムカード30の発行時、カード番号印字領域32には「002」が印字され、締日印字領域33には締日「10日」が印字される。使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。使用期間は、初回のカード使用時に印字するためである。
【0156】
更に、カード番号「003」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図15Cにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「003」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録する。この登録を受けて、タイムカード管理装置40はタイムレコーダー10へカード番号「003」のカード使用者の締日を示すデータD61を送信する。
【0157】
タイムレコーダー10では、カード番号を示すデータD41及び、受信した締日を示すデータD61に基づいてカード番号「003」のカード使用者の3枚のタイムカード30を発行する。タイムカード30の発行時、カード番号印字領域32には「003」が印字され、締日印字領域33には締日「10日」が印字される。使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。使用期間は、初回のカード使用時に印字するためである。
【0158】
更に、カード番号「004」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図15Dにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「004」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録する。この登録を受けて、タイムカード管理装置40はタイムレコーダー10へカード番号「004」のカード使用者の締日を示すデータD61を送信する。
【0159】
タイムレコーダー10では、カード番号を示すデータD41及び、受信した締日を示すデータD61に基づいてカード番号「004」のカード使用者の3枚のタイムカード30を発行する。タイムカード30の発行時、カード番号印字領域32には「004」が印字され、締日印字領域33には締日「20日」が印字される。使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。使用期間は、初回のカード使用時に印字するためである。
【0160】
これらにより、カード番号「001」及び締日「10日」印字済みの3枚のタイムカード30、カード番号「002」及び締日「10日」印字済みの3枚のタイムカード30、カード番号「003」及び締日「10日」印字済みの3枚のタイムカード30及びカード番号「004」及び締日「20日」印字済みの3枚のタイムカード30の合計12枚をタイムレコーダー10により発行できるようになる。
【0161】
続いて、図16を参照して、タイムカード30の初回使用時の印字例(その2)について説明する。この例では、図15で登録されたカード使用者(カード番号001)のタイムカード30に関して、使用期間「10/03/11−10/04/10」が印字された当月分のタイムカード30を発行する場合を例に挙げる。なお、締日「10日」を印字するための締日を示すデータD61は、タイムカード30の登録と共にタイムカード管理装置40からタイムレコーダー10へ既に送信される場合を前提とする。
【0162】
タイムレコーダー10では、図15で登録されたカード使用者(カード番号001)のタイムカード30が当該タイムレコーダー10に挿入される。タイムカード30が挿入されると、制御部15では、メモリ部13のメモリ領域M1に使用期間を示すデータD62が記憶されているか否かを検出して、カード番号印字後の初回に使用されたカード素材であるか否かを判別する。
【0163】
制御部15は、当該タイムレコーダー10に挿入されたタイムカード30がカード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30である場合に、カード使用者の締日を示すデータD61と時計カレンダ部12から出力される時刻暦データD12とに基づいて当該カード使用者の使用期間を示すデータD62を作成し、使用期間を示すデータD62に基づいて印字部16を制御する。
【0164】
印字部16は、データD62に基づく印字データD16によりカード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30にカード使用者のカード使用期間を印字するようになる。このとき、図16に示すような初回使用時のタイムカード30の締日印字領域33には、既に「10日」が印字されている。カード初回使用時、使用期間印字領域34には「10/03/11−10/04/10」が印字される。これにより、カード使用者(カード番号001)の使用期間「10/03/11−10/04/10」が印字された当月分のタイムカード30を発行できるようになる。
【0165】
続いて、図17を参照して、本発明に係るタイムカード発行方法に関して、タイムレコーダー10におけるカード発行時の制御例について説明する。この例では、タイムカード30を使用する期間をカード使用期間とし、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報を締日を示すデータD61とし、時計カレンダ部42から得られる当月の情報を時刻暦データD12として、タイムカード30に現在時刻を印字するタイムレコーダー10がカード使用者の勤務実績を管理するタイムカード管理装置40に接続されている場合であって、例えば、50名分のカード使用者のタイムカード30を発行する場合を例に挙げる。
【0166】
これらを制御条件にして、まず、図17に示すフローチャートのステップST1で制御部15は待機画面を表示するように表示部18を制御する。このとき、表示部18では時刻暦データD12に基づいて現在時刻や、曜日、年月日、午前/午後等を含んだ待機画面を表示する。時刻暦データD12は、時計カレンダ部12から制御部15を介して表示部18に出力される。
【0167】
次に、ステップST2で制御部15はカード発行用のキーK8が押下されたかを検出する。このとき、キーボード14では、カード発行用のキーK8がユーザによって連続して数秒間押下されると、制御部15がカード発行モードに移行する。ここにカード発行モードとは、タイムカード用のカード素材30’からカードIDを示すデータD11を読み取り、このデータD11とカード使用者のカード番号を示すデータD41とを紐付けし、その後、当該データD41に基づいてカード使用者固有のカード番号をカード素材30’に印字する動作をいう。
【0168】
上述のカード発行用のキーK8が押下され、カード発行モードが設定された場合は、ステップST3に移行する。ステップST3で制御部15は前月/今月の使用実績をカード番号に対応して表示部18に表示するように制御する。このとき表示部18は表示データD18に基づいてカード番号に対応させた前月/今月の使用実績を表示する。
【0169】
次に、ステップST4で制御部15は締日変更の指示を受け付ける。このとき、キーボード14では、締日変更用のキーK4がユーザによって連続して数秒間押下されると、制御部15が締日変更モードに移行する。ここに締日変更モードとは、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日を示す締日を変更する設定動作をいう。
【0170】
キーボード14から締日変更を指示する操作データD14が入力された場合は、ステップST5に移行して制御部15は締日変更モードを実行する。締日は当該企業やカード使用者の実績によって変更する場合がある。例えば、締日を「10日」から「15日」に変更する場合に、キーボード14から制御部15へ、締日「10日」を締日「15日」に変更する旨の操作データD14が入力される。
【0171】
締日変更が指示されない場合は、ステップST6に移行して、制御部15はカード素材30’が当該タイムレコーダー10に挿入されたかを検出して制御を分岐する。カード素材30’が挿入されたか否かは、カード読取部11のカード引き入れる駆動機能が作動したことを検出することで、その挿入有無が判別される。この判別で、カード素材30’が当該タイムレコーダー10に挿入された場合は、ステップST7に移行する。
【0172】
ステップST7で制御部15はタイムカード用のカード素材30’から、当該カード素材30’の固有のカードIDを示すデータD11を読み取るようにカード読取部11を制御する。このとき、カード読取部11は、カード素材30’に穿設された小孔を読み取り、当該小孔によって形成された固有のカードIDを認識すると、カードIDを示すデータD11を制御部15に出力する。これにより、カード素材30’から、当該カード固有のカードIDを読み取ることができる。
【0173】
次に、ステップST8で制御部15は、当該カード使用者のカード番号を示すデータD41に基づいてカード素材30’に当該カード使用者のカード番号を印字するように印字部16を制御する。このとき、通信部17は、タイムカード管理装置40からカード番号を示すデータD41を受信して当該カード番号を示すデータD41をメモリ部13へ転送する。印字部16は、カードIDが取得されたカード素材30’に、メモリ部13から読み出したデータD41に基づいてカード使用者固有のカード番号を印字する。これにより、カード使用者のカード番号をカード素材30’に印字することができる。
【0174】
その後、ステップST9で、制御部15は、当該カード素材30’のカードIDとカード使用者のカード番号とを対応付けて記憶するようにメモリ部13を制御する。メモリ部13は、カードIDを示すデータD11とカード使用者のカード番号を示すデータD41とを対応付けて保存する(図5B参照)。
【0175】
なお、カード素材30’のカードIDとカード使用者のカード番号とが対応付けられたことを通信手段20を介してタイムカード管理装置40に通知してもよい。その後、ステップST10に移行する。
【0176】
上述のステップST2でカード発行用のキーK8が押下されない場合及び、ステップST6でカード素材30’が挿入されない場合は、ステップST10で制御部15は、カード発行の終了判別を実行する。
【0177】
この例では、50名分のカード使用者のタイムカード30の登録及びカード発行が終了していない場合は、ステップST2に戻って上述したステップST2〜ST8を繰り返す。50名分のカード使用者のタイムカード30の登録及びカード発行が終了した場合は、カード発行制御を終了する。
【0178】
続いて、図18を参照して、タイムレコーダー10におけるタイムカード30の使用時の制御例について説明する。この例では、カード番号及び締日が既に印字されたタイムカード30を使用する場合を例に挙げる。また、メモリ部13のメモリ領域M1に記憶された当該タイムカード30の打刻履歴情報の中に、使用期間を示すデータD62が有るか、無いかを判別し、データD62が無い場合に、カード使用者の使用期間を印字する場合を前提とする。
【0179】
これを制御条件にして、まず、図18に示すフローチャートのステップST11で制御部15は待機画面を表示するように表示部18を制御する。このとき、表示部18では時刻暦データD12に基づいて現在時刻や、曜日、年月日、午前/午後等を含んだ待機画面を表示する。時刻暦データD12は、時計カレンダ部12から制御部15を介して表示部18に出力される。
【0180】
次に、ステップST12で制御部15はタイムカード30の挿入を待機する。制御部15はタイムカード30が当該タイムレコーダー10に挿入されたかを検出して制御を分岐する。タイムカード30が挿入された場合は、ステップST13に移行する。
【0181】
ステップST13で制御部15はメモリ部13のメモリ領域M1から当該タイムカード30の打刻履歴情報(使用期間を示すデータD62等)を読み込んで、データD62等の検索を実行する。この検索は、カード使用者のカード番号を印字したタイムカード30がカード番号印字後の初回に使用されるタイムカード30であるか否かを検出するためである。
【0182】
そして、ステップST14で制御部15は当該タイムカード30の打刻履歴情報がメモリ部13のメモリ領域M1内に記憶(有る)され、又は、記憶されていない(無い)かを判別する。このとき、制御部15は、メモリ領域M1にカード使用者の使用期間を示すデータD62が記憶されていない場合は、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30であると判断する。また、制御部15は、メモリ領域M1にデータD62が記憶されている場合は、カード番号印字後の二回目以降に使用されたタイムカード30であると判断する。
【0183】
カード使用期間を示す打刻履歴情報が無い場合は、ステップST15で制御部15は当該カード使用者の使用期間を示すデータD62を作成する。このとき、制御部15はカード使用者の締日を示すデータD61とタイムレコーダー10から得られる時刻暦データD12とに基づいて当該カード使用者の使用期間を示すデータD62を作成する。
【0184】
その後、ステップST16で制御部15は、現在を含む使用期間及び現在時刻を指定欄に印字するように印字部16を制御する。このとき、印字部16は使用期間を示すデータD62に基づいて当該カード使用者のカード使用期間をタイムカード30に印字する。
【0185】
そして、ステップST17で制御部15は当該タイムカード30に対応付けた使用期間を示すデータD62を記憶する。制御部15は、カード使用者の使用期間を示すデータD62を今月の打刻履歴情報としてメモリ部13に記憶する。その後、ステップST12に戻る。
【0186】
上述のステップST14で打刻履歴情報が既に有る場合は、ステップST18に移行する。ステップST18で制御部15は現在時刻を指定欄に印字するように印字部16を制御する。二回目以降に使用されたタイムカード30については、初回に使用されたタイムカード30でないと判別されるので、カード番号印字後の二回目以降に使用されたタイムカード30に、カード使用期間を印字する事態を回避できるようになる。
【0187】
このとき、印字部16は出退勤データの一部として時刻暦データD12を使用し、現在時刻、曜日、年月日、午前/午後等をタイムカード30に印字する。時刻暦データD12は、時計カレンダ部12から制御部15を介して印字部16に出力される。その後、ステップST12に戻って制御部15は上述したステップST11〜ST18を繰り返すようになされる。
【0188】
このように、実施形態としてのタイムレコーダー10及びタイムカード発行方法を備えたタイムカード発行管理システム100によれば、カード番号を示すデータD41に基づいてカード使用者の勤務実績を管理するタイムカード管理装置40に接続され、当該タイムレコーダー10に挿入されたタイムカード30に現在時刻を印字する場合に、制御部15は、印字部46によってカード番号を印字されたカード使用者のタイムカード30がカード番号印字後の初回に使用されるタイムカード30か否かを判別する。
【0189】
そして、制御部15は、当該タイムカード30が、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30であることを判別したとき、カード使用者の締日を示すデータD61と時計カレンダ部42から出力される時刻暦データD12とに基づいて当該カード使用者の使用期間を示すデータD62を作成し、このデータD62に基づいて印字部46を制御するようになる。
【0190】
この制御によって、タイムカード管理装置40からカード使用者の使用期間を示すデータD62の転送を受けることなく、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30にカード使用者のカード使用期間を印字できるようになる。しかも、当該タイムレコーダー10内で対応付けられたカードID及びカード番号に基づいて1年分(12枚)のタイムカード30をまとめて発行できるようになるので、勤怠管理者の手間を省くことが可能となる。
【0191】
また、従来方式に比べて、カード使用者毎に記述されていた使用期間を示すデータD62を格納するためのメモリ領域を省略できるようになるので、当該タイムレコーダー10におけるメモリ容量を削減できるようになる。
【0192】
上述した実施例では、初回に使用されるタイムカード30に関して、メモリ部13のメモリ領域M1に使用期間を示すデータD62が記憶されているか否かを検出する場合について説明したが、これに限られることはなく、カード素材30’でカード使用期間の印字を予定している所定の領域に、既に当該カード使用期間が印字されているか否かを光学センサ等により検出して、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30であるか否かを判別してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0193】
この発明は、カード使用者の数ヶ月分のタイムカードを事前に自動発行する勤務管理システムに適用して極めて好適である。
【符号の説明】
【0194】
10・・・タイムレコーダー、11・・・カード読取部、12・・・時計カレンダ部(時計暦部)、13・・・メモリ部、14・・・キーボード、15・・・制御部、16・・・印字部、17・・・通信部、18・・・表示部、20・・・通信手段、30・・・タイムカード、30’・・・カード素材、40・・・タイムカード発行管理装置(使用者管理装置)、43・・・メモリ部、44・・・キーボード、45・・・制御部、46・・・印字部、47・・・通信部、48・・・表示部、49・・・インターフェース、100・・・タイムカード発行管理システム(タイムカード発行システム)
【技術分野】
【0001】
この発明は、カード使用者の数ヶ月分のタイムカードを事前に自動発行する勤務管理システムに適用して好適なタイムレコーダー、タイムカード発行システム及びタイムカード発行方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各企業や事務所等に従業員の出退勤を管理する装置としてタイムレコーダーが配置され、タイムレコーダーにタイムカードを差し込んで、差し込んだ時刻を出勤又は退勤時刻として記録するようになされる。
【0003】
近頃ではパーソナルコンピュータ(PC:以下パソコンという)とタイムレコーダーとをリンクさせて使用される場合が多い。タイムレコーダーがタイムカードの登録発行を分担し、パソコンがカード使用者の勤務日数や勤務体系、締日等を管理するように取り扱われる(PCリンクタイムレコーダー)。
【0004】
このようなPCリンクタイムレコーダーを備えたタイムカード発行システムで使用されるタイムカードには、それぞれ異なるカード固有の識別情報(以下カードIDという)が付加されている。
【0005】
一方、タイムカードは、月単位で新しいカードID付きのタイムカード用のカード素材を登録して発行する方法が採られる場合が多い。しかし、パソコン管理上の個人コード(以下カード番号情報という)が毎月同じ内容でないと、毎月、カード番号情報と新しいタイムカードのカードIDを紐付けする必要が生じて、その作業が面倒で多くの時間を要する場合がある。
【0006】
そこで、タイムレコーダー上で今月/来月カードの登録モードを設けて、カード番号情報を表示し、カード使用期間である今月/来月等を表示画面上で選択して、新しいカードID付きのタイムカードを挿入した際に、カード番号、カードID及び使用期間を紐付けてメモリに記憶する方法が採られていた。
【0007】
このようなタイムカードを発行するシステムに関連して、特許文献1には、タイムカード印字システムが開示されている。このシステムによれば、タイムレコーダーが備えられ、カード固有の識別情報が付された所定のタイムカードに、出退勤時刻等の印字を行う場合に、カード認識手段、印字手段、記憶手段、通信手段及び制御手段を備えられる。カード認識手段は、タイムカードに付された識別情報を認識する。印字手段は、タイムカードに対して文字、数字等を印字する。
【0008】
記憶手段には、複数のタイムカードの識別情報が記憶されると共に、当該識別情報に対応する印字情報が記憶される。通信手段は、タイムカードに印字すべき印字情報を備えた外部装置と通信を行う。これを前提にして、制御手段が通信手段を介して外部装置から印字情報を取得し、ここに取得した印字情報に基づいてタイムカードに対して所定の印字を行うように印字手段を制御するようにした。
【0009】
このようにタイムカード発行システムを構成すると、パソコン等によって入力した氏名その他の印字情報を用いてタイムカードに所定の印字をできるというものである。
【0010】
また、特許文献2にはタイムカード発行システムが開示されている。タイムカード発行システムによれば、特許文献1に見られるようなタイムレコーダーと管理装置とが直接またはインターネット回線等の通信手段を介して接続される。タイムレコーダーは、識別情報が付された所定のタイムカードに従業員の出退勤時刻等の印字を行う。
【0011】
管理装置は、タイムレコーダーによって印字される従業員に関する従業員情報を管理する。これを前提にして、管理装置が従業員情報に基づいて印字情報を生成するとともに、当該印字情報をタイムレコーダーに対して送信し、印字が行われたタイムカードの識別情報を取得するようになされる。このようにタイムカード発行システムを構成すると、簡易迅速にタイムカードを発行できるというものである。なお、パソコン側で作成した印字データをタイムレコーダーに出力してタイムカードを発行するタイムレコーダーが、特許文献3にも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2002−230605号公報(第4頁 図2)
【特許文献2】特開2002−230606号公報(第3頁 図2)
【特許文献3】特開2005−025534号公報(第6頁 )
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、従来方式のタイムレコーダー及びタイムカード発行システムによれば、次のような問題がある。
i.特許文献1〜3に見られるようなタイムレコーダーによれば、カード使用者のカード番号(個人コード)、カード素材固有の識別情報(カードID)及びカード使用者の使用期間を紐付けた印字データが管理装置側で作成され、この印字データを管理装置からタイムレコーダー側に転送する方法が採られる。この方法は、毎月、タイムレコーダーを介して管理装置側にカード登録する必要が有り、かつ、締日近辺では他の業務で忙しいタイムカード発行管理者からタイムカード発行の改善を要求される場合が多い。
【0014】
特に、当該カード使用者のタイムカードを数ヶ月分まとめて発行する要求があった場合にその対処が困難となり、月々のカード発行手間が多くなるという問題がある。
【0015】
ii.また、カード使用者の使用期間を印字するための使用期間情報を管理装置側から転送を受けたタイムレコーダーによれば、その使用期間情報をカード使用者毎に記録するためのメモリ領域がタイムレコーダー内のメモリ部に割り当てられる。このメモリ部はメモリ容量が限られている場合が多く、タイムカードの発行数が多くなればなるほど、その使用期間情報がメモリ領域を占め割合が多くなるという問題がある。
【0016】
iii.更に、当月の途中で従業員が採用され、当月の途中から打刻管理されたタイムカード(以下引継カードという)が来月の新しいタイムカードに引き継がれる場合、メモリ領域上において、当月終了日に、当該引継カードから先月使用カードの打刻履歴を記録するメモリ領域へ移行、及び、先月使用カードから今月の新品カードの発行等、更に面倒な作業となるという問題がある。
【0017】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑み創作されたものであり、カード使用期間を印字するための使用期間情報を得る方法を工夫して、タイムカードを数ヶ月分まとめて発行できるようにすると共に、月々のカード発行手間を省略できるようにしたタイムレコーダー、タイムカード発行システム及びタイムカード発行方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の課題を解決するため、請求項1に係るタイムレコーダーは、タイムカードを使用する期間をカード使用期間とし、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報を締日情報とし、時計暦部から得られる当月の情報を当月情報として、カード番号情報に基づいて前記カード使用者の勤務実績を管理する使用者管理装置に接続され、前記タイムカードに現在時刻を印字するタイムレコーダーであって、現在時刻を示す時刻情報を発生すると共に当月情報を出力する時計暦部と、カード固有の識別情報を有したタイムカード用のカード素材から、当該カード素材の固有の識別情報を読み取る情報読取部と、前記情報読取部によって固有の識別情報が読み取られた前記カード素材に当該カード使用者のカード番号情報に基づいてカード番号を印字する印字部と、前記印字部によってカード番号を印字した前記カード使用者のカード素材がカード番号印字後の初回に使用されるタイムカードであるか否かを判別し、当該カード素材がカード番号印字後の初回に使用されたタイムカードである場合に、前記カード使用者の締日情報と前記時計暦部から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成し、前記使用期間情報に基づいて前記印字部を制御する制御部とを備えることを特徴とするものである。
【0019】
請求項1に係るタイムレコーダーによれば、カード番号情報に基づいてカード使用者の勤務実績を管理する使用者管理装置に接続され、タイムカードに現在時刻を印字する場合に、時計暦部、情報読取部、印字部及び制御部を備える。時計暦部は現在時刻を示す時刻情報を発生すると共に当月情報を出力する。
【0020】
情報読取部は、カード固有の識別情報を有したタイムカード用のカード素材から、当該カード素材の固有の識別情報を読み取る。印字部は、情報読取部によって固有の識別情報が読み取られたカード素材に当該カード使用者のカード番号情報に基づいてカード番号を印字する。
【0021】
制御部は、印字部によってカード番号を印字したカード使用者のカード素材がカード番号印字後の初回に使用されるタイムカードであるか否かを判別する。これを前提にして、制御部は、カード素材がカード番号印字後の初回に使用されたタイムカードである場合に、カード使用者の締日情報と時計暦部から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成し、使用期間情報に基づいて印字部を制御するようになる。
【0022】
この制御によって、使用者管理装置からカード使用者の使用期間情報の転送を受けることなく、カード番号印字後の初回に使用されたカード素材にカード使用者のカード使用期間を印字できるようになる。しかも、当該タイムレコーダー内で対応付けられたカード固有の識別情報及びカード使用者のカード番号情報に基づいてタイムカードを数ヶ月分まとめて発行できるようになるので、勤怠管理者の月々のタイムカード発行手間を省略できるようになる。
【0023】
請求項2に記載のタイムレコーダーは、請求項1において、前記情報読取部によって固有の識別情報が読み取られた前記カード素材とカード使用者のカード番号情報とを対応付けて保存する記憶部を有することを特徴とするものである。
【0024】
請求項3に記載のタイムレコーダーは、請求項2において、前記記憶部には、当該タイムカードの前月分の打刻情報を記録する第1のメモリ領域と当月分の打刻情報を記憶する第2のメモリ領域とが割り当てられ、前記制御部は、前記第1のメモリ領域に使用期間情報が記憶されているか否かを検出して、カード番号印字後の初回に使用されたカード素材であるか否かを判別することを特徴とするものである。
【0025】
請求項4に記載のタイムカード発行システムは、タイムカードを使用する期間をカード使用期間とし、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報を締日情報とし、時計暦部から得られる当月の情報を当月情報として、当該カード使用者のタイムカードを発行するタイムカード発行システムであって、所定のカード番号情報に基づいて前記カード使用者の勤務実績を管理する使用者管理装置と、前記使用者管理装置に接続されて前記タイムカードに現在時刻を印字するタイムレコーダーとを備え、前記タイムレコーダーは、現在時刻を示す時刻情報を発生すると共に当月情報を出力する時計暦部と、カード固有の識別情報を有したタイムカード用のカード素材から、当該カード素材の固有の識別情報を読み取る情報読取部と、前記情報読取部によって固有の識別情報が読み取られた前記カード素材に当該カード使用者のカード番号情報に基づいてカード番号を印字する印字部と、前記印字部によってカード番号が印字されたカード使用者のカード素材がカード番号印字後の初回に使用されるカード素材か否かを判別し、当該カード素材がカード番号印字後の初回に使用されたタイムカードである場合に、前記カード使用者の締日情報と前記時計暦部から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成し、前記使用期間情報に基づいて前記印字部を制御する制御部とを有することを特徴とするものである。
【0026】
請求項5に記載のタイムカード発行システムは、請求項4において、前記使用者管理装置は、前記情報読取部によって読み取られた前記カード素材の固有の識別情報とカード使用者のカード番号情報とを対応付けて保存することを特徴とするものである。
【0027】
請求項6に記載のタイムカード発行方法は、タイムカードを使用する期間をカード使用期間とし、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報を締日情報とし、時計暦部から得られる当月の情報を当月情報として、前記カード使用者の勤務実績を管理する使用者管理装置に接続され、前記タイムカードに現在時刻を印字するタイムレコーダーが、カード固有の識別情報を有したタイムカード用のカード素材から、当該カード素材の固有の識別情報を読み取り、前記カード素材とカード使用者のカード番号情報とを対応付けて保存すると共に、当該カード使用者のカード番号情報に基づいて前記カード素材に当該カード使用者のカード番号を印字するステップと、前記カード使用者のカード番号を印字したカード素材がカード番号印字後の初回に使用されるカード素材か否かを判別するステップと、前記カード素材がカード番号印字後の初回に使用されたタイムカードであると判別されたとき、前記カード使用者の締日情報と前記タイムレコーダーから得られる当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成するステップと、前記使用期間情報に基づいて当該カード使用者のカード使用期間を前記カード素材に印字すると共に、前記カード使用者の使用期間情報を対応付けて保存するステップとを実行することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係るタイムレコーダーによれば、カード番号印字後に挿入されたカード素材が初回に使用されたタイムカードである場合に、カード使用者の締日情報と時計暦部から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成し、この使用期間情報に基づいて印字部を制御する制御部を備えるものである。
【0029】
この構成によって、使用者管理装置からカード使用者の使用期間情報の転送を受けることなく、カード番号印字後の初回に使用されたカード素材にカード使用者のカード使用期間を印字できるようになる。しかも、当該タイムレコーダー内で対応付けられたカード素材の固有の識別情報及びカード使用者のカード番号情報に基づいてタイムカードを数ヶ月分まとめて発行できるようになるので、勤怠管理者の月々のカード発行手間を省略できるようになる。
【0030】
また、従来方式に比べて、カード使用者毎に記述されていた使用期間情報を格納するためのメモリ領域を省略できるようになるので、当該タイムレコーダーにおけるメモリ容量を削減できるようになる。
【0031】
本発明に係るタイムカード発行システム及びタイムカード発行方法によれば、カード番号印字後の初回に使用されたカード素材が判別されたとき、カード使用者の締日情報と時計暦部から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成し、この使用期間情報に基づいて印字部を制御するタイムレコーダーを備えるものである。
【0032】
この構成によって、使用者管理装置からカード使用者の使用期間情報の転送を受けることなく、カード番号印字後の初回に使用されたカード素材にカード使用者のカード使用期間を印字できるようになる。しかも、当該タイムレコーダー内で対応付けられたカード素材の固有の識別情報及びカード使用者のカード番号情報に基づいてタイムカードを数ヶ月分まとめて発行できるようになるので、勤怠管理者の手間を省くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る実施形態としてのタイムカード発行管理システム100の構成例を示す概念図である。
【図2】タイムレコーダー10の構成例を示すブロック図である。
【図3】タイムレコーダー10のキーボード14の構成例を示す説明図である。
【図4】(A)及び(B)は、メモリ部13内のデータ管理例を示す説明図である。
【図5】(A)及び(B)は、メモリ容量の比較例(その1)を示す説明図である。
【図6】(A)及び(B)は、メモリ容量の比較例(その2)を示す説明図である。
【図7】(A)及び(B)は、メモリ容量の比較例(その3)を示す説明図である。
【図8】(A)及び(B)は、メモリ容量の比較例(その4)を示す説明図である。
【図9】タイムカード管理装置40の構成例を示すブロック図である。
【図10】タイムカード30の管理例を示す表図である。
【図11】タイムカード用のカード素材30’の構成例を示す説明図である。
【図12】タイムレコーダー10におけるカード番号の表示例を示す説明図である。
【図13】(A)〜(D)は、第1の実施例としてのタイムカード30の発行例を示す説明図である。
【図14】タイムカード30の印字例(その1)を示す説明図である。
【図15】(A)〜(D)は、第2の実施例としてのタイムカード30の発行例を示す説明図である。
【図16】タイムカード30の印字例(その2)を示す説明図である。
【図17】タイムカード30の発行例を示すフローチャートである。
【図18】タイムカード30の使用時の取扱例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係るタイムレコーダー、タイムカード発行システム及びタイムカード発行方法について説明をする。図1に示すタイムカード発行管理システム100はタイムカード発行システムの一例を構成し、タイムレコーダー10及びタイムカード管理装置40を備え、当該カード使用者のタイムカード30を発行し、その勤務実績(体系)を管理する。カード使用者は社員やパートタイマー等の従業員である。
【0035】
タイムレコーダー10は、通常その従業者が勤務する事業所に設置されるものであって、タイムカード30上の所定の欄に出勤時、退勤時の時刻を印字するための装置である。出勤時、退勤時の時刻は、従業者が出勤時および退勤時に自分専用のタイムカード30を当該タイムレコーダー10に差し込むことによって印字される。
【0036】
タイムレコーダー10は通信手段20を介してサーバー等のタイムカード管理装置40に接続して使用される。通信手段20にはインターネット回線や、ローカルエリアネットワーク(LAN)回線が使用される。また、通信手段20にはコンパクトフラッシュ(登録商標)、USBメモリ等の外部記憶媒体60を介して通信する方法を用いてもよい。もちろん、タイムレコーダー10は通信手段20を介さずに直接、タイムカード管理用の情報端末装置50に接続して使用してもよい。タイムレコーダー10は、カード使用者の出勤時や、退出時等の現在時刻をタイムカード30に印字し、出勤時刻情報や、退出時刻情報等をタイムカード管理装置40に出力する。
【0037】
この例で、タイムレコーダー10は、カード発行時に、タイムカード用のカード素材30’からその固有の識別情報(以下カードIDを示すデータD11という)を読み取り、読み取ったデータD11をタイムカード管理装置40に通知する。この通知は当該カード素材30’のカードIDとカード番号情報(以下カード番号を示すデータD41という)とを紐付けするためである。
【0038】
タイムカード管理装置40は使用者管理装置の一例を構成し、タイムレコーダー10からカード使用者の出勤時刻情報や、退出時刻情報等を入力し、当該出勤時刻情報や、退出時刻情報、カード番号を示すデータD41等に基づいてカード使用者の勤務実績を管理する。タイムカード管理装置40,50にはパーソナルコンピュータが使用される。
【0039】
この例でタイムカード管理装置40は、カード発行時、タイムレコーダー10によって読み取られたカード素材30’の固有のカードIDを示すデータD11とカード使用者のカード番号を示すデータD41とを対応付けて保存する。このようにカードIDとカード番号とを対応付けて保存すると、カードIDとカード番号とを対応付けられたタイムカード30に基づいてタイムカード管理装置40で当該カード使用者の勤務体系を管理できるようになる。
【0040】
続いて、図2を参照して、タイムレコーダー10の構成例について説明する。図2に示すタイムレコーダー10は、カード番号を示すデータD41に基づいてカード使用者の勤務実績を管理するタイムカード管理装置40に接続され、タイムカード30に出勤時や退出時の現在時刻を印字するものである。タイムレコーダー10は、カード読取部11、時計カレンダ部12、メモリ部13、キーボード14、制御部15、印字部16、通信部17及び表示部18を有して構成される。
【0041】
制御部15は中央演算装置(Central Processing Unit:以下CPU53という)、プログラム格納用の読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM52)や、ワークメモリ用の随時情報の書き込み読出し可能なメモリ(Random Access Memory:RAM51)、EEPROMや、ハードディスク装置(HDD)等の不揮発メモリから構成された演算処理手段を構成し、所定のプログラムに基づいてタイムレコーダー10の機能全体を制御するものである。例えば、CPU53は、電源オンと共にROM52からシステムプログラムを読み出し、RAM51に展開してシステムを起動する。
【0042】
制御部15にはカード読取部11が接続され、カード読取部11は、カード固有のカードIDを有したタイムカード用のカード素材30’から、当該カード素材30’のカードIDを読み取る。カード読取部11には、タイムカード30に穿設された小孔によって形成されたカード固有の識別情報(カードID)を認識するための光学検知手段が使用される。例えば、カード読取部11には、透過型の光学センサ及び、タイムカード30を一定速度で引き込むカード引き入れ駆動機能を有したものが使用される。
【0043】
制御部15にはカード読取部11の他に時計カレンダ部12が接続される。時計カレンダ部12は現在時刻を示す時刻データを発生すると共に当月情報を示す暦データを出力する。以下で、時刻データ及び暦データを総称して時刻暦データD12という。ここに当月情報とは時計カレンダ部12から得られる当月の情報をいう。時計カレンダ部12は制御部15が有するクロック(CLK)に基づいて時刻暦データD12を生成する。
【0044】
この時刻暦データD12には、当月情報の他に年月日情報、現在時刻情報、曜日情報、午前/午後等が含まれる。当該時計カレンダ部12で生成された時刻暦データD12は表示部18に出力される。時刻暦データD12は出退勤データの一部として使用される。
【0045】
制御部15には記憶部の一例を構成するメモリ部13が接続される。メモリ部13には、制御部15によって実行される所定のプログラムデータ、キーボード14の入力に伴う各種設定情報、個々のタイムカード30(カードID毎)の出退勤時刻、および後述するカード番号を印字するためのデータD41が一時的に記憶される。メモリ部13にはRAMや、不揮発メモリ(EEPROM)等が使用される。
【0046】
制御部15にはキーボード14が接続される。キーボード14は、タイムレコーダー10に対する種々の設定や機能を利用するために使用するものであり、「時刻設定」「締日(集計日)設定」「始業時刻設定」「終業時刻設定」「残業開始時刻設定」「日付変更時刻設定(タイムレコーダー内部での日にちの切換を行う時刻)」「計算モード設定」等を行うための入力設定手段である(図3参照)。
【0047】
印字部16は、カード発行時に、カード読取部11によって固有のカードID読み取られ、このカードIDを示すデータD11が取得されたカード素材30’に当該カード使用者のカード番号を示すデータD41に基づいてカード使用者固有のカード番号を印字する。
【0048】
また、締日はカード使用者の締日情報(以下締日を示すデータD61という)に基づいて印字される。使用期間はカード使用者の使用期間情報(以下で使用期間を示すデータD62という)に基づいて印字される。これらのデータD41、データD61及びデータD62を総称して印字データD16ともいう。もちろん、印字部16は、周知技術と同様にして、タイムカード30がタイムレコーダー10に挿入された際、所定の出勤時刻、退勤時刻等をその出勤・退出時刻印字領域35等の所定の位置に印字するようになされる。
【0049】
通信部17はタイムカード管理装置40と通信をするための所定のインターフェースとしての機能を有している。例えば、カード発行時、通信部17は、タイムカード管理装置40からカード番号を示すデータD41を受信して当該データD41をメモリ部13へ転送する。
【0050】
表示部18は時刻暦データD12に基づく表示データD18により、現在時刻や、曜日、年月日、午前/午後等を表示する。表示部18には液晶表示装置が使用される。この例では、現在時刻や曜日等が表示された画面をタイムレコーダー10における待機画面という。表示データD18は、時刻暦データD12に基づいて、例えば、液晶表示用に信号変換処理等されて作成される。
【0051】
この例で、上述のメモリ部13には、カード読取部11によってカード素材30’から読み取られたカードIDを示すデータD11と、カード使用者のカード番号を示すデータD41とを対応付けて保存するようになされる。メモリ部13には、例えば、当該タイムカード30の当(今)月分の打刻情報を記録する第1のメモリ領域M1と前(先)月分の打刻情報を記憶する第2のメモリ領域M2とが割り当てられる(図4参照)。
【0052】
上述の制御部15は、カード発行時、印字部16によってカード番号を印字したカード使用者のタイムカード30が、カード使用時、カード番号印字後の初回に使用されるタイムカード30か否かを判別する。例えば、制御部15は、メモリ部13のメモリ領域M1に使用期間を示すデータD62が記憶されているか否かを検出して、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30であるか否かを判別する。ここに使用期間情報とは、タイムカード30を使用するカード使用期間を印字する情報をいう。カード使用期間とは、タイムカード30を使用する期間をいう。
【0053】
この判別は、カード番号印字後の初回に使用されるタイムカード30にカード使用者のカード使用期間を印字するためである。制御部15は、当該タイムレコーダー10に挿入されたタイムカード30がカード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30である場合に、カード使用者の締日を示すデータD61と時計カレンダ部12から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間を示すデータD62を作成し、このデータD62に基づいて印字部16を制御する。
【0054】
もちろん、二回目以降に使用されたタイムカード30については、初回に使用されたタイムカード30でないと判別されるので、カード番号印字後の二回目以降に使用されたタイムカード30に、カード使用期間を印字する事態を回避できるようになる。
【0055】
この例で、メモリ部13にはインターフェース19が接続される。インターフェース19には外部記憶媒体60が装着される。外部記憶媒体60は制御部15を介して、又は、直接、メモリ部13に接続され、カードID、データD61,D62等が読み書きされる。外部記憶媒体60は、タイムカード管理装置40によって作成したタイムカード発行・管理用のデータ、例えば、カードID、データD61,D62等を一時記憶してタイムレコーダー10に提供するように取り扱われる。
【0056】
続いて、図3を参照して、タイムレコーダー10のキーボード14の構成例について説明する。図3に示すタイムレコーダー10のキーボード14には操作ボタンとして、例えば、16個のキーK1〜K16が備えられる。
【0057】
キーK1は表示部18の待機画面に表示される現在時刻をセットするキーである。キーK2はその待機画面に表示される年月日をセットするキーである。キーK3は各種設定取込をセットするキーである。キーK4はカード使用者の締日を変更するキーである。
【0058】
キーK5は1日の時間表示を12時間表示又は24時間表示するかを切り換えるキーである。キーK6は当該タイムレコーダー10の置き方をセットするキーである。キーK7は当該タイムレコーダー10を管理するユーザのパスワードをセットするキーである。
【0059】
キーK8はカード発行時、カード発行を指示するキーである。キーK8は、例えば、約3秒間押し続けると、カードの発行を開始する。キーK9はシフト予定表の読み込みを指示するキーである。キーK9は、例えば、約3秒間押し続けると、シフト予定表の読み込みを開始する。
【0060】
キーK10はメモリカード出力を指示するキーである。キーK10はメモリカードにデータをコピーする際に押下操作される。キーK11は数字送りを指示するキーである。キーK11は点滅している数字を送る際に押下操作される。
【0061】
キーK12は数字戻しを指示するキーである。キーK12は点滅している数字を戻す際に押下操作される。キーK13は設定開始を指示するキーである。キーK13は、例えば、約3秒間押し続けると、設定を開始する。キーK14は項目送りを指示するキーである。キーK14は設定モードの項目を選択する際に押下操作される。
【0062】
キーK15はセットを指示するキーである。キーK15は点滅している数字を確定する。カード発行中はシフト選択を開始する。キーK16は表示画面を時計に戻すキーである。キーK16は、各種設定、カード発行、カード削除等を終了し、時計表示に戻す際に押下操作される。これらにより、操作ボタンとして16個のキーK1〜K16をキーボード14に備えたタイムレコーダー10を構成する。なお、キーボード14から制御部15へ出力されるデータを総称して操作データD14で示している。
【0063】
続いて、図4A及びBを参照して、メモリ部13におけるデータ管理例について説明する。図4Aに示すメモリ部13には、3つのメモリ領域M0〜M2が設けられ、カード発行及びカード使用時に発生するデータを管理するようになされる。
【0064】
この例でメモリ領域M0はタイムカード発行分に割り当てられ、メモリ領域M0には、タイムカードの登録発行時に発生したデータが蓄積(記録)される。メモリ領域M1(第1のメモリ領域)は今月データ蓄積分に割り当てられ、メモリ領域M1には、タイムカード30の今(当)月分の打刻情報が記録され蓄積される。メモリ領域M2(第2のメモリ領域)は、先月データ蓄積分に割り当てられ、メモリ領域M2には、タイムカード30の先(前)月分の打刻情報が記録され蓄積される。
【0065】
図4Bにおいて、当月が5月で、向こう1年間の50名の12ヶ月分のタイムカード30を発行する場合を想定した場合、メモリ領域M0には50名の12ヶ月分のタイムカード30を発行するための(カードID+カード番号=登録発行データ)=50×12=600のカードIDが記録される。
【0066】
また、メモリ領域M1には当月である5月分の使用期間10/05/11−10/06/10の50名分の打刻データが各カードID毎に今月データとして蓄積されている。更に、メモリ領域M2には先月である4月分の使用期間10/04/11−10/05/10の50名分の打刻データが各カードID毎に先月データとして蓄積されている。
【0067】
このようなカード発行及びカード使用時に発生するデータを管理する場合であって、制御部15は当月終了日を迎え、翌月にデータ管理を移行する時点において、データの削除及びデータの移行処理を実行する。移行要件は、メモリ領域M0からメモリ領域M1へ翌月使用のための50名分のカードIDを移す。この例では、初回の打刻時にメモリ領域M0からメモリ領域M1へカードID毎に移す。
【0068】
また、同時点において、メモリ領域M2から先月使用済みの50名分の打刻データを削除する。また、メモリ領域M1からメモリ領域M2へ当月使用済みの50名分の打刻データを移す。
【0069】
これらを移行条件にして、例えば、制御部15は5月終了日を迎え、6月のデータ管理を開始する時点において、メモリ領域M2から4月使用済みの50名分の打刻データをまとめて削除する。この削除はメモリ領域M2を空にするためである。
【0070】
また、メモリ領域M1から空になったメモリ領域M2へ5月使用済みの50名分の打刻データをまとめて移すようになされる。このデータの移行(シフト)により、メモリ領域M1が空になる。
【0071】
そこで、メモリ領域M0から空になったメモリ領域M1へ6月使用のための50名分のカードIDを移す。このカードIDは、初回の打刻時にメモリ領域M0からメモリ領域M1へ移す。このように、初回打刻でメモリ領域M0からメモリ領域M1へ50名分のカードIDが移行すると、以降は、そのカードIDの打刻データは、今月データ蓄積分として記憶されるようになる。このカードIDの移行によってメモリ領域M0には、カードID50名分の空き領域が発生する。12ヶ月分のカードIDの移行によってメモリ領域M0は空になる。
【0072】
もちろん、メモリ領域M0からメモリ領域M1へ移行された50名分のカードIDにはカード番号が紐付けられているが、カード使用期間を印字するためのデータD62は付加されていない。これにより、図5Aに示すような3ヶ月分の使用期間×4=12ヶ月分の使用期間に係るメモリ領域を削減できるようになる。
【0073】
更に、当月の途中で従業員が採用され、当月の途中から打刻管理された引継カードが来月の新しいタイムカード30に引き継がれる場合に、メモリ領域M1上において、当月終了日に、当該引継カードの打刻データがメモリ領域M2へ移行されるので、メモリ領域M0からメモリ領域M1に移行されるカードIDに基づいて今月分の新品のタイムカード30に使用期間等を円滑に印字できるようになる。なお、メモリ領域M1,M2は、今月分及び先月分の蓄積データを月毎に入れ替えて記録するように使用してもよい。
【0074】
続いて、図5〜図8を参照して、従来例及び本発明に係るメモリ容量の比較例(その1〜4)について説明する。図5A、図6A、図7A及び図8Aは、いずれも従来例としてのタイムカード発行時のメモリ部13のメモリ容量を示している。この例では、8名のカード番号に対して3ヶ月分(3枚×8名=24枚)のタイムカードを発行する場合について、従来例及び本発明に係るメモリ部13のメモリ容量を比較する。
【0075】
従来例によれば、カード使用期間を印字するための使用期間を示すデータD62がタイムカード管理装置40で作成され、このデータD62をタイムカード管理装置40から受信してタイムレコーダー10のメモリ部13に記憶する場合である。メモリ部13には、カード使用者のカード番号に対してカードID、カード使用期間のメモリ領域131が割り当てられる。カード番号はデータD41に基づいて記述され、カードIDはカード素材30’から読み取って得たデータD11に基づいて記述され、カード使用期間はデータD62に基づいて記述される。
【0076】
これらを前提にして、図5Aに示す一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対しては、データD11及びD62に基づいて今月(1枚目)の記述欄にカードID「0001」+データ使用期間「10/04/11−10/05/10」が記述される。来月(2枚目)の記述欄には、データD11及びD62に基づき、カードID「0002」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が記述される。再来月(3枚目)の記述欄には、データD11及びD62に基づき、カードID「0003」+カード使用期間「10/06/11−10/07/10」が記述される。
【0077】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、データD11及びD62に基づき、今月(1枚目)の記述欄には、カードID「0004」+カード使用期間「10/04/11−10/05/10」が記述される。来月(2枚目)の記述欄には、データD11及びD62に基づき、カードID「0005」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が記述される。再来月(3枚目)の記述欄には、データD11及びD62に基づき、カードID「0006」+カード使用期間「10/06/11−10/07/10」が記述される。
【0078】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、今月(1枚目)の記述欄には、データD11及びD62に基づき、カードID「0007(0010,0013,0016,0019,0022)」+カード使用期間「10/04/11−10/05/10」が記述される。来月(2枚目)の記述欄には、カードID「0008(0011,0014,0017,0020,0023)」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が記述される。再来月(3枚目)の記述欄には、カードID「0009(0012,0015,0018,0021,0024)」+カード使用期間「10/06/11−10/07/10」が記述される。
【0079】
これに対して、図5Bに示す本発明に係るカード発行時によれば、8名のカード番号に対して3ヶ月分(3枚×8名=24枚)の未使用の登録済みタイムカードを発行する場合であって、カード使用期間を印字するための使用期間を示すデータD62がタイムレコーダー10の内部で作成される。
【0080】
メモリ部13には、カード使用者のカード番号に対して未使用のカードIDを示すデータD11の記述領域132が割り当てられる。カード番号はデータD41に基づいて記述され、カードIDはカード素材30’から読み取って得たデータD11に基づいて記述され、カード使用期間はカード使用時に、タイムレコーダー内で作成された使用期間を示すデータD62に基づいて記述される。
【0081】
図5Bにおいて、タイムカード発行時の一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対しては、今月(1枚目)の記述欄には、データD11に基づき、カードID「0001」が記述される。来月(2枚目)の記述欄には、カードID「0002」が記述される。再来月(3枚目)の記述欄には、カードID「0003」が記述される。
【0082】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、今月(1枚目)の記述欄には、データD11に基づき、カードID「0004」が記述される。来月(2枚目)の記述欄には、カードID「0005」が記述される。再来月(3枚目)の記述欄には、カードID「0006」が記述される。
【0083】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、今月(1枚目)の記述欄には、データD11に基づき、カードID「0007(0010,0013,0016,0019,0022)」が記述される。来月(2枚目)の記述欄には、カードID「0008(0011,0014,0017,0020,0023)」が記述される。再来月(3枚目)の記述欄には、カードID「0009(0012,0015,0018,0021,0024)」が記述される。
【0084】
このように、カード発行時の従来例に係るメモリ部13のメモリ容量と、本発明のメモリ部13のメモリ容量とを比較すると、本発明によれば、カード使用期間を印字するためのデータD62をタイムレコーダー内で作成するようにしたので、図中、斜線に示すメモリ空き領域133が節約できるようになる。メモリ空き領域133は、図5Aのメモリ領域131で8名分の3ヶ月分の使用期間10/04/11−10/05/10、使用期間10/05/11−10/06/10及び使用期間10/06/11−10/07/10を記述していた部分であって、カード登録発行直後、この部分のメモリ容量を削減できるようになる。
【0085】
図6Bは、本発明に係るカード発行後の1月目のメモリ部13における記述例を示す表図である。図6Bに示す記述例によれば、カード発行後の1月目の初回打刻時(使用期間記述時)のメモリ部13には、図4Aに示したメモリ領域M0及びM1が今月使用分及び未使用分のタイムカード30の記述領域132として割り当てられる。メモリ領域M2はメモリ空き領域133となる。
【0086】
この例で、メモリ領域M0の今月使用分(1枚目)の記述欄には、一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対応して、データD11及びD62に基づくカードID「0001」+データ使用期間「10/04/11−10/05/10」が記述される。
【0087】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、データD11及びD62に基づく、カードID「0004」+カード使用期間「10/04/11−10/05/10」が今月使用分(1枚目)の記述欄に記述される。
【0088】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、データD11及びD62に基づくカードID「0007(0010,0013,0016,0019,0022)」+カード使用期間「10/04/11−10/05/10」が今月使用分(1枚目)の記述欄に記述される。
【0089】
メモリ領域M1の未使用の登録済みカードID(以下未使用のカードIDともいう)の記述欄には、一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対応して、カードID「0002」(2枚目:来月分)及び、カードID「0003」(3枚目:再来月分)が記述される。
【0090】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、カードID「0005」(2枚目:来月分)及び、カードID「0006」(3枚目:再来月分)が未使用のカードIDの記述欄に記述される。
【0091】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、例えば、カードID「0008(0011,0014,0017,0020,0023)」(2枚目:来月分)及び、カードID「0009(0012,0015,0018,0021,0024)」(3枚目:再来月分)が未使用のカードIDの記述欄に記述される。
【0092】
このように、カード発行後の1月目の従来例に係るメモリ部13のメモリ容量と、本発明のメモリ部13のメモリ容量とを比較すると、本発明によれば、カード使用期間を印字するためのデータD62をタイムレコーダー内で作成するようにしたので、図中、斜線に示すメモリ空き領域133が節約できるようになる。メモリ空き領域133は、図5Aのメモリ領域131で8名分の2ヶ月分の使用期間10/05/11−10/06/10及び、10/06/11−10/07/10を記述していた部分であって、カード発行後の1月目において、この部分のメモリ容量を削減できるようになる。
【0093】
図7Bは、本発明に係るカード発行後の2月目のメモリ部13における記述例を示す表図である。図7Bにおいて、カード発行後の2月目の打刻時(使用期間記述時)のメモリ部13における記述例によれば、図4Aに示したメモリ領域M0、M1の全部及びメモリ領域M2の一部が、先月使用分、今月使用分及び未使用のカードIDの記述領域132に割り当てられる。メモリ領域M2は未使用のカードIDを記述する領域以外がメモリ空き領域133となる。
【0094】
この例で、メモリ領域M0の先月使用分の記述欄には、一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対応して、データD11及びD62に基づく、カードID「0001」+データ使用期間「10/04/11−10/05/10」が記述される。
【0095】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、データD11及びD62に基づく、カードID「0004」+カード使用期間「10/04/11−10/05/10」が先月使用分の記述欄に記述される。
【0096】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、データD11及びD62に基づく、カードID「0007(0010,0013,0016,0019,0022)」+カード使用期間「10/04/11−10/05/10」が先月使用分の記述欄に各々記述される。
【0097】
メモリ領域M1の今月使用分の記述欄には、一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対応して、データD11及びD62に基づく、カードID「0002」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が記述される。
【0098】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、データD11及びD62に基づく、カードID「0005」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が今月使用分の記述欄(2枚目)に記述される。
【0099】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、データD11及びD62に基づき、カードID「0008(0011,0014,0017,0020,0023)」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が今月使用分の記述欄(2枚目)に記述される。
【0100】
メモリ領域M2の未使用のカードIDの記述欄には、一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対応して、再来月用の3枚目のカードID「0003」が記述される。二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、再来月用の3枚目のカードID「0006」が未使用のカードIDの記述欄に記述される。
【0101】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、再来月用の3枚目のカードID「0009(0012,0015,0018,0021,0024)」が未使用のカードIDの記述欄に記述される。
【0102】
このように、カード発行後の2月目の従来例に係るメモリ部13のメモリ容量と、本発明のメモリ部13のメモリ容量とを比較すると、本発明によれば、カード使用期間を印字するためのデータD62をタイムレコーダー内で作成するようにしたので、図中、斜線に示すメモリ空き領域133が節約できるようになる。
【0103】
図8Bは、本発明に係るカード発行後の3月目のメモリ部13における記述例を示す表図である。図8Bにおいて、カード発行後の3月目の打刻時(使用期間記述時)のメモリ部13における記述例によれば、図4Aに示したメモリ領域M0、M1の全部が、先月使用分及び今月使用分の記述領域132に割り当てられる。メモリ領域M2はこの時点で登録済みカードが使用され、未使用のカードIDが存在しないので、メモリ空き領域133となる。
【0104】
この例で、メモリ領域M0の先月使用分の記述欄には、一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対応して、データD11及びD62に基づく、カードID「0002」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が記述される。
【0105】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、データD11及びD62に基づく、カードID「0005」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が先月使用分の記述欄に記述される。
【0106】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、データD11及びD62に基づき、カードID「0008(0011,0014,0017,0020,0023)」+カード使用期間「10/05/11−10/06/10」が先月使用分の記述欄に記述される。
【0107】
また、メモリ領域M1の今月使用分の記述欄には、一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対応して、データD11及びD62に基づく、カードID「0003」+カード使用期間「10/06/11−10/07/10」が記述される。
【0108】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対しては、データD11及びD62に基づき、カードID「0004」+カード使用期間「10/04/11−10/05/10」が今月使用分の記述欄に記述される。
【0109】
同様にして、三人目から八人目のタイムカード30に関するカード番号「003」〜「008」に対しては、データD11及びD62に基づき、カードID「0009(0012,0015,0018,0021,0024)」+カード使用期間「10/06/11−10/07/10」が今月使用分の記述欄に記述される。
【0110】
このように、カード発行後の3月目の従来例に係るメモリ部13のメモリ容量と、本発明のメモリ部13のメモリ容量とを比較すると、本発明によれば、カード使用期間を印字するためのデータD62をタイムレコーダー内で作成するようにしたので、図中、斜線に示すメモリ空き領域133が節約できるようになる。 続いて、図9を参照して、タイムカード管理装置40の構成例について説明する。図9に示すタイムカード管理装置40は、メモリ部43、キーボード44、制御部45、印字部46、通信部47、表示部48及びインターフェース49を有して構成される。タイムカード管理装置40には、パーソナルコンピュータが用いられる。
【0111】
制御部45にはキーボード44が接続される。キーボード44は、カード使用者の勤務体系を管理する際に、例えば、カード番号を示すデータD41を制御部45に入力するように操作される。制御部45は、キーボード44から出力されるカード番号を示すデータD41に基づいてタイムレコーダー10を制御する。例えば、制御部45は、カード発行時、カードIDを示すデータD11とカード番号を示すデータD41とを対応付けて保存するようにタイムレコーダー10に指示する。
【0112】
制御部45にはメモリ部43が接続される。メモリ部43には、カード使用者のカード番号に対して名前、社員ID、所属部門及び勤務シフトを記述するメモリ領域431が割り当てられる(図10参照)。メモリ領域431はデータベース化され、カード発行時や、カード使用時等において、カード使用者の勤務体系を管理する際に使用される。
【0113】
印字部46は外部機器として制御部45に接続される。印字部46は、例えば、カード使用者の1ケ月分の勤務計算書等を印字する際に使用される。印字部46にはインクジット方式や電子写真方式のプリンタが使用される。
【0114】
制御部45には通信部47が接続される。通信部47は、RS232C、USBその他のインターフェース手段であり、必要に応じて、通信モデムその他の電話回線を利用した通信を行うための通信手段も併用される。通信部47はタイムレコーダー10の通信部17に接続される。
【0115】
通信手段にはコンパクトフラッシュ(登録商標)、USBメモリ等の外部記憶媒体60を介して通信する方法を用いてもよい。外部記憶媒体60には、カードIDや、データD41、データD62等が書き込まれる。例えば、外部記憶媒体60はインターフェース49に装着される。インターフェース49は制御部45に接続される。
【0116】
外部記憶媒体60は制御部45を介して、又は、直接、メモリ部43に接続され、カードID、データD61,D62等が読み書きされる。外部記憶媒体60は、タイムカード管理装置40によって作成したタイムカード発行・管理用のデータ、例えば、カードID、データD61,D62等を一時記憶してタイムカード管理装置40に提供するように取り扱われる。
【0117】
制御部45には外部機器として表示部48が接続される。表示部48には液晶表示装置が使用され、タイムカード30の管理情報が表示される。これらにより、タイムカード管理装置40を構成する。タイムカード管理装置40には、CD−ROMその他の所定の記憶媒体により、所定の制御プログラムが提供されるようになっている。
【0118】
続いて、図10を参照して、タイムカード30の管理例について説明する。図10に示すタイムカード30の管理例によれば、カード素材30’のカードIDとカード使用者のカード番号とを対応付けたタイムカード30をタイムレコーダー10に挿入すると、出社・退時刻等を示す打刻履歴情報が得られる。タイムカード管理装置40では打刻履歴情報に基づいてカード使用者の勤務体系を管理するようになる。
【0119】
この例で、図9に示したメモリ部43には、カード使用者のカード番号に対して名前、社員ID、所属部門及び勤務シフトを記述するメモリ領域431が割り当てられる。カード番号はデータD41に基づいて記述され、社員IDは社員の固有の識別情報に基づいて記述される。社員IDは、各会社や事業所で社員を管理するための社員番号である。所属部門は当該社員の所属する担当部門情報に基づいて記述される。勤務シフトは当該社員の勤務体系である日勤、夜勤等の情報に基づいて記述される。
【0120】
この例では、図10に示す一人目のタイムカード30に関するカード番号「001」に対して、名前の欄には「○○○○」が記述され、社員IDの欄には「00001」が記述され、所属部門の欄には「開発」が記述され、勤務シフトの欄には「日勤」が記述される。
【0121】
二人目のタイムカード30に関するカード番号「002」に対して、名前の欄には「××××」が記述され、社員IDの欄には「00002」が記述され、所属部門の欄には「開発」が記述され、勤務シフトの欄には「日勤」が記述される。
【0122】
三人目のタイムカード30に関するカード番号「003」に対して、名前の欄には「△△△△」が記述され、社員IDの欄には「00003」が記述され、所属部門の欄には「開発」が記述され、勤務シフトの欄には「日勤」が記述される。
【0123】
四人目のタイムカード30に関するカード番号「004」に対して、名前の欄には「○×××」が記述され、社員IDの欄には「00004」が記述され、所属部門の欄には「営業」が記述され、勤務シフトの欄には「夜勤」が記述される。このように、メモリ領域431内に保存されるカード番号に対する、そのごく一部の使用者の情報を示している。
【0124】
続いて、図11を参照して、タイムカード用のカード素材30’の構成例について説明する。この例で、タイムカード用のカード素材30’は、カード固有の識別情報を示す複数の穿孔が予め形成されているが、カード番号、締日、使用期間、出勤・退出時刻が印字されておらず、しかも、カード使用者の氏名や所属等が記述されていないカードが使用される。
【0125】
図11に示すタイムカード用のカード素材30’によれば、複数枚のカード本体紙31を備えて構成される。カード本体紙31には、カード番号印字領域32、締日印字領域33、使用期間印字領域34、出勤・退出時刻印字領域35、カードID領域36,37、確認欄記述領域38及び氏名/所属記述領域39が割り当てられている。
【0126】
カード本体紙31には、所定の厚さの紙に所定の文字や線図が予め印刷されたものを使用する。カード本体紙31のカードID領域36,37には、カード固有の識別情報を示す複数の小孔(直径1mm程度)が予め穿設されている。小孔を通過する光線の受光オン又はオフを検出してカードIDを示すデータD11を得るようになされる。
【0127】
カード番号印字領域32には、社員やパート従業員等のカード使用者のカード番号がデータD41に基づいて数字により印字される。この数字は当該カード使用者のタイムカード30としてタイムカード管理装置40に登録されているカード番号である。
【0128】
締日印字領域33にはカード使用者の締日が締日情報(以下で締日を示すデータD61という)に基づいて印字部16により印字される。ここに締日情報とは、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報をいう。締日は、「10日」、「15日」、「20日」等である。
【0129】
使用期間印字領域34にはカード使用者のカード使用期間を示すデータD62に基づいて印字部16により印字される。カード使用期間は、締日を基準にして、当該タイムカード30を使用する年月日を数字により示される。例えば、カード使用期間は、締日が10日である場合であって、使用期間に関して西暦2010年4月11日から西暦2010年5月10日が設定された場合に、使用期間印字領域34には「10/03/11−10/04/11」が印字される(図14参照)。
【0130】
出勤・退出時刻印字領域35には、カード使用者の出勤・退出時刻が時刻暦データD12に基づいて印字される。カードID領域36,37には、カード固有の識別情報を示す複数の穿孔が形成されている。カードID領域36,37は、複数の穿孔に限られることはなく、バーコードであってもよい。その際にはカード読取部11にはバーコード読取装置が使用される。確認欄記述領域38は、カード使用者の出勤・退出時刻の印字が間違いない場合に押印又はサインするように取り扱われる。
【0131】
氏名/所属記述領域39はカード使用者の氏名や所属等を記述するように取り扱われる。氏名欄には、例えば、社員の氏名が記述される。所属欄には、社員の所属する部署が記述される。これらにより、タイムカード用のカード素材30’を構成する。
【0132】
続いて、図12A〜Dを参照してタイムレコーダー10におけるカード番号の表示例について説明する。図12Aに示す表示部18の所定の位置P1にはキャラクタマークが表示される。キャラクタマークは前月分から使用されているタイムカード30を示すマークである。キャラクタマークは、カード発行後、初回使用時を除く、二回目以降のカード使用時に表示部18に表示される。
【0133】
この例で、一人目のカード番号「001」を表示するためのデータD41は、カード発行時のメモリ部13から読み出される。カード番号は、表示部18において、データD41に基づき、表示桁を示す位置P2に表示される。締日は、表示部18において、締日を示すデータD61に基づき、締日を示す位置P3に、「10日」が表示される。
【0134】
図12Bにおいても、表示部18には前月分から使用されているタイムカード30を示すキャラクタマークが位置P1に表示されている。表示桁を示す位置P2には、二人目のカード番号「002」が表示されている。カード番号「002」を表示するためのデータD41は、カード発行時のメモリ部13から読み出される。カード番号は、データD41に基づいて表示部18に表示される。締日を示す位置P3には、締日を示すデータD61に基づいて「10日」が表示される。
【0135】
図12Cにおいても、表示部18には前月分から使用されているタイムカード30を示すキャラクタマークが位置P1に表示されている。表示桁を示す位置P2には、三人目のカード番号「003」が表示されている。締日を示す位置P3には、締日を示すデータD61に基づいて「10日」が表示される。
【0136】
図12Dにおいては、前月分から使用されていないタイムカード30、すなわち、今回、カード発行後、始めて使用されるタイムカード30が当該タイムレコーダー10に挿入されたため、表示部18には、キャラクタマークが表示されていない。表示桁を示す位置P2には、四人目のカード番号「004」が表示されている。カード番号「004」を表示するためのデータD41は、カード発行時のメモリ部13から読み出される。カード番号は、データD41に基づいて表示部18に表示される。締日を示す位置P3には、締日を示すデータD61に基づいて「20日」が表示される。
【0137】
この例では、カード使用者の締日を示すデータD61とタイムレコーダー10から得られる時刻暦データD12とに基づいて当該カード使用者の使用期間を示すデータD62を作成する。その後、現在を含む使用期間及び現在時刻を指定欄に印字する。例えば、印字部16は、使用期間を示すデータD62に基づいて当該カード使用者のカード使用期間をタイムカード30の使用期間印字領域34に印字するようになる。
【実施例1】
【0138】
続いて、図13A〜Dを参照して、第1の実施例としてのタイムカード30の発行例について説明する。この例では、図11に示したカード素材30’を12枚準備し、カード番号「001」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)のタイムカード30と、カード番号「002」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)のタイムカード30と、カード番号「003」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)のタイムカード30と、カード番号「004」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)のタイムカード30を発行する場合を例に挙げる。
【0139】
まず、カード番号「001」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図13Aにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「001」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録し、3枚のタイムカード30をタイムレコーダー10により発行する。タイムカード30の発行時、カード番号印字領域32には「001」が印字されるが、締日印字領域33及び使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。これは初回のカード使用時に使用期間を印字するためである。
【0140】
次に、カード番号「002」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図13Bにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「002」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録し、3枚のタイムカード30をタイムレコーダー10により発行する。
【0141】
この例でも、タイムカード30の登録時、カード番号印字領域32には「002」が印字される。なお、締日印字領域33及び使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。使用期間は、初回のカード使用時に印字される。
【0142】
更に、カード番号「003」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図13Cにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「003」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録し、3枚のタイムカード30をタイムレコーダー10により発行する。
【0143】
この例でも、タイムカード30の登録時、カード番号印字領域32には「003」が印字されるが、締日印字領域33及び使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。使用期間は、初回のカード使用時に印字される。
【0144】
更に、カード番号「004」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図13Dにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「004」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録し、3枚のタイムカード30をタイムレコーダー10により発行する。
【0145】
この例でも、タイムカード30の登録時、カード番号印字領域32には「004」が印字されるが、締日印字領域33及び使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。使用期間は、初回のカード使用時に印字される。
【0146】
これらにより、カード番号「001」の3枚のタイムカード30、カード番号「002」の3枚のタイムカード30、カード番号「003」の3枚のタイムカード30、カード番号「004」の3枚のタイムカード30の合計12枚のタイムレコーダー10により発行できるようになる。
【0147】
続いて、図14を参照して、タイムカード30の初回使用時の印字例(その1)について説明する。この例では、使用期間「10/03/11−10/04/10」が印字されたカード使用者(カード番号001、締日:10日)の当月分のタイムカード30を発行する場合を例に挙げる。
【0148】
この例では、ユーザが締日「10日」を印字するための締日を示すデータD61をキーボード14を介してタイムレコーダー10に入力するように操作する。タイムレコーダー10では、図13で登録されたカード使用者(カード番号001)のタイムカード30が当該タイムレコーダー10に挿入される。
【0149】
タイムカード30が当該タイムレコーダー10に挿入されると、制御部15では、メモリ部13のメモリ領域M1に使用期間を示すデータD62が記憶されているか否かを検出して、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30であるか否かを判別する。制御部15は、当該タイムレコーダー10に挿入されたタイムカード30がカード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30である場合に、カード使用者の締日を示すデータD61と時計カレンダ部12から出力される時刻暦データD12とに基づいて当該カード使用者の使用期間を示すデータD62を作成し、この使用期間を示すデータD62に基づいて印字部16を制御する。
【0150】
印字部16は、データD61,D62に基づく印字データD16によりカード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30にカード使用者のカード使用期間を印字するようになる。このとき、図14に示すような初回使用時のタイムカード30の締日印字領域33に、「10日」が印字されると共に、使用期間印字領域34には「10/03/11−10/04/10」が印字される。これにより、カード使用者(カード番号001)の使用期間「10/03/11−10/04/10」が印字された当月分のタイムカード30を発行できるようになる。
【実施例2】
【0151】
図15A〜Dを参照して、第2の実施例としてのタイムカード30の発行例について説明する。この例では、図11に示したカード素材30’を12枚準備し、タイムカード管理装置40から締日を示すデータD61を取得して、カード番号「001」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)の締日印字済みのタイムカード30と、カード番号「002」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)の締日印字済みのタイムカード30と、カード番号「003」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)、カード番号「004」のカード使用者の3ヶ月分(3枚)の締日印字済みのタイムカード30を発行する場合を例に挙げる。
【0152】
まず、カード番号「001」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図15Aにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「001」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録する。この登録を受けて、タイムカード管理装置40はタイムレコーダー10へカード番号「001」のカード使用者の締日を示すデータD61を送信する。
【0153】
タイムレコーダー10では、カード番号を示すデータD41及び、受信した締日を示すデータD61に基づいてカード番号「001」のカード使用者の3枚のタイムカード30を発行する。タイムカード30の発行時、カード番号印字領域32には「001」が印字され、締日印字領域33には締日「10日」が印字される。使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。これは初回のカード使用時に使用期間を印字するためである。
【0154】
次に、カード番号「002」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図15Bにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「002」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録する。この登録を受けて、タイムカード管理装置40はタイムレコーダー10へカード番号「002」のカード使用者の締日を示すデータD61を送信する。
【0155】
タイムレコーダー10では、カード番号を示すデータD41及び、受信した締日を示すデータD61に基づいてカード番号「002」のカード使用者の3枚のタイムカード30を発行する。タイムカード30の発行時、カード番号印字領域32には「002」が印字され、締日印字領域33には締日「10日」が印字される。使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。使用期間は、初回のカード使用時に印字するためである。
【0156】
更に、カード番号「003」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図15Cにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「003」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録する。この登録を受けて、タイムカード管理装置40はタイムレコーダー10へカード番号「003」のカード使用者の締日を示すデータD61を送信する。
【0157】
タイムレコーダー10では、カード番号を示すデータD41及び、受信した締日を示すデータD61に基づいてカード番号「003」のカード使用者の3枚のタイムカード30を発行する。タイムカード30の発行時、カード番号印字領域32には「003」が印字され、締日印字領域33には締日「10日」が印字される。使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。使用期間は、初回のカード使用時に印字するためである。
【0158】
更に、カード番号「004」のカード使用者のタイムカード30を発行する場合、図15Dにおいて、図11に示したカード素材30’のカードIDと、カード使用者のカード番号「004」とを対応付けて、カード使用者のタイムカード30をタイムカード管理装置40に登録する。この登録を受けて、タイムカード管理装置40はタイムレコーダー10へカード番号「004」のカード使用者の締日を示すデータD61を送信する。
【0159】
タイムレコーダー10では、カード番号を示すデータD41及び、受信した締日を示すデータD61に基づいてカード番号「004」のカード使用者の3枚のタイムカード30を発行する。タイムカード30の発行時、カード番号印字領域32には「004」が印字され、締日印字領域33には締日「20日」が印字される。使用期間印字領域34には、使用期間が印字されていない。使用期間は、初回のカード使用時に印字するためである。
【0160】
これらにより、カード番号「001」及び締日「10日」印字済みの3枚のタイムカード30、カード番号「002」及び締日「10日」印字済みの3枚のタイムカード30、カード番号「003」及び締日「10日」印字済みの3枚のタイムカード30及びカード番号「004」及び締日「20日」印字済みの3枚のタイムカード30の合計12枚をタイムレコーダー10により発行できるようになる。
【0161】
続いて、図16を参照して、タイムカード30の初回使用時の印字例(その2)について説明する。この例では、図15で登録されたカード使用者(カード番号001)のタイムカード30に関して、使用期間「10/03/11−10/04/10」が印字された当月分のタイムカード30を発行する場合を例に挙げる。なお、締日「10日」を印字するための締日を示すデータD61は、タイムカード30の登録と共にタイムカード管理装置40からタイムレコーダー10へ既に送信される場合を前提とする。
【0162】
タイムレコーダー10では、図15で登録されたカード使用者(カード番号001)のタイムカード30が当該タイムレコーダー10に挿入される。タイムカード30が挿入されると、制御部15では、メモリ部13のメモリ領域M1に使用期間を示すデータD62が記憶されているか否かを検出して、カード番号印字後の初回に使用されたカード素材であるか否かを判別する。
【0163】
制御部15は、当該タイムレコーダー10に挿入されたタイムカード30がカード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30である場合に、カード使用者の締日を示すデータD61と時計カレンダ部12から出力される時刻暦データD12とに基づいて当該カード使用者の使用期間を示すデータD62を作成し、使用期間を示すデータD62に基づいて印字部16を制御する。
【0164】
印字部16は、データD62に基づく印字データD16によりカード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30にカード使用者のカード使用期間を印字するようになる。このとき、図16に示すような初回使用時のタイムカード30の締日印字領域33には、既に「10日」が印字されている。カード初回使用時、使用期間印字領域34には「10/03/11−10/04/10」が印字される。これにより、カード使用者(カード番号001)の使用期間「10/03/11−10/04/10」が印字された当月分のタイムカード30を発行できるようになる。
【0165】
続いて、図17を参照して、本発明に係るタイムカード発行方法に関して、タイムレコーダー10におけるカード発行時の制御例について説明する。この例では、タイムカード30を使用する期間をカード使用期間とし、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報を締日を示すデータD61とし、時計カレンダ部42から得られる当月の情報を時刻暦データD12として、タイムカード30に現在時刻を印字するタイムレコーダー10がカード使用者の勤務実績を管理するタイムカード管理装置40に接続されている場合であって、例えば、50名分のカード使用者のタイムカード30を発行する場合を例に挙げる。
【0166】
これらを制御条件にして、まず、図17に示すフローチャートのステップST1で制御部15は待機画面を表示するように表示部18を制御する。このとき、表示部18では時刻暦データD12に基づいて現在時刻や、曜日、年月日、午前/午後等を含んだ待機画面を表示する。時刻暦データD12は、時計カレンダ部12から制御部15を介して表示部18に出力される。
【0167】
次に、ステップST2で制御部15はカード発行用のキーK8が押下されたかを検出する。このとき、キーボード14では、カード発行用のキーK8がユーザによって連続して数秒間押下されると、制御部15がカード発行モードに移行する。ここにカード発行モードとは、タイムカード用のカード素材30’からカードIDを示すデータD11を読み取り、このデータD11とカード使用者のカード番号を示すデータD41とを紐付けし、その後、当該データD41に基づいてカード使用者固有のカード番号をカード素材30’に印字する動作をいう。
【0168】
上述のカード発行用のキーK8が押下され、カード発行モードが設定された場合は、ステップST3に移行する。ステップST3で制御部15は前月/今月の使用実績をカード番号に対応して表示部18に表示するように制御する。このとき表示部18は表示データD18に基づいてカード番号に対応させた前月/今月の使用実績を表示する。
【0169】
次に、ステップST4で制御部15は締日変更の指示を受け付ける。このとき、キーボード14では、締日変更用のキーK4がユーザによって連続して数秒間押下されると、制御部15が締日変更モードに移行する。ここに締日変更モードとは、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日を示す締日を変更する設定動作をいう。
【0170】
キーボード14から締日変更を指示する操作データD14が入力された場合は、ステップST5に移行して制御部15は締日変更モードを実行する。締日は当該企業やカード使用者の実績によって変更する場合がある。例えば、締日を「10日」から「15日」に変更する場合に、キーボード14から制御部15へ、締日「10日」を締日「15日」に変更する旨の操作データD14が入力される。
【0171】
締日変更が指示されない場合は、ステップST6に移行して、制御部15はカード素材30’が当該タイムレコーダー10に挿入されたかを検出して制御を分岐する。カード素材30’が挿入されたか否かは、カード読取部11のカード引き入れる駆動機能が作動したことを検出することで、その挿入有無が判別される。この判別で、カード素材30’が当該タイムレコーダー10に挿入された場合は、ステップST7に移行する。
【0172】
ステップST7で制御部15はタイムカード用のカード素材30’から、当該カード素材30’の固有のカードIDを示すデータD11を読み取るようにカード読取部11を制御する。このとき、カード読取部11は、カード素材30’に穿設された小孔を読み取り、当該小孔によって形成された固有のカードIDを認識すると、カードIDを示すデータD11を制御部15に出力する。これにより、カード素材30’から、当該カード固有のカードIDを読み取ることができる。
【0173】
次に、ステップST8で制御部15は、当該カード使用者のカード番号を示すデータD41に基づいてカード素材30’に当該カード使用者のカード番号を印字するように印字部16を制御する。このとき、通信部17は、タイムカード管理装置40からカード番号を示すデータD41を受信して当該カード番号を示すデータD41をメモリ部13へ転送する。印字部16は、カードIDが取得されたカード素材30’に、メモリ部13から読み出したデータD41に基づいてカード使用者固有のカード番号を印字する。これにより、カード使用者のカード番号をカード素材30’に印字することができる。
【0174】
その後、ステップST9で、制御部15は、当該カード素材30’のカードIDとカード使用者のカード番号とを対応付けて記憶するようにメモリ部13を制御する。メモリ部13は、カードIDを示すデータD11とカード使用者のカード番号を示すデータD41とを対応付けて保存する(図5B参照)。
【0175】
なお、カード素材30’のカードIDとカード使用者のカード番号とが対応付けられたことを通信手段20を介してタイムカード管理装置40に通知してもよい。その後、ステップST10に移行する。
【0176】
上述のステップST2でカード発行用のキーK8が押下されない場合及び、ステップST6でカード素材30’が挿入されない場合は、ステップST10で制御部15は、カード発行の終了判別を実行する。
【0177】
この例では、50名分のカード使用者のタイムカード30の登録及びカード発行が終了していない場合は、ステップST2に戻って上述したステップST2〜ST8を繰り返す。50名分のカード使用者のタイムカード30の登録及びカード発行が終了した場合は、カード発行制御を終了する。
【0178】
続いて、図18を参照して、タイムレコーダー10におけるタイムカード30の使用時の制御例について説明する。この例では、カード番号及び締日が既に印字されたタイムカード30を使用する場合を例に挙げる。また、メモリ部13のメモリ領域M1に記憶された当該タイムカード30の打刻履歴情報の中に、使用期間を示すデータD62が有るか、無いかを判別し、データD62が無い場合に、カード使用者の使用期間を印字する場合を前提とする。
【0179】
これを制御条件にして、まず、図18に示すフローチャートのステップST11で制御部15は待機画面を表示するように表示部18を制御する。このとき、表示部18では時刻暦データD12に基づいて現在時刻や、曜日、年月日、午前/午後等を含んだ待機画面を表示する。時刻暦データD12は、時計カレンダ部12から制御部15を介して表示部18に出力される。
【0180】
次に、ステップST12で制御部15はタイムカード30の挿入を待機する。制御部15はタイムカード30が当該タイムレコーダー10に挿入されたかを検出して制御を分岐する。タイムカード30が挿入された場合は、ステップST13に移行する。
【0181】
ステップST13で制御部15はメモリ部13のメモリ領域M1から当該タイムカード30の打刻履歴情報(使用期間を示すデータD62等)を読み込んで、データD62等の検索を実行する。この検索は、カード使用者のカード番号を印字したタイムカード30がカード番号印字後の初回に使用されるタイムカード30であるか否かを検出するためである。
【0182】
そして、ステップST14で制御部15は当該タイムカード30の打刻履歴情報がメモリ部13のメモリ領域M1内に記憶(有る)され、又は、記憶されていない(無い)かを判別する。このとき、制御部15は、メモリ領域M1にカード使用者の使用期間を示すデータD62が記憶されていない場合は、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30であると判断する。また、制御部15は、メモリ領域M1にデータD62が記憶されている場合は、カード番号印字後の二回目以降に使用されたタイムカード30であると判断する。
【0183】
カード使用期間を示す打刻履歴情報が無い場合は、ステップST15で制御部15は当該カード使用者の使用期間を示すデータD62を作成する。このとき、制御部15はカード使用者の締日を示すデータD61とタイムレコーダー10から得られる時刻暦データD12とに基づいて当該カード使用者の使用期間を示すデータD62を作成する。
【0184】
その後、ステップST16で制御部15は、現在を含む使用期間及び現在時刻を指定欄に印字するように印字部16を制御する。このとき、印字部16は使用期間を示すデータD62に基づいて当該カード使用者のカード使用期間をタイムカード30に印字する。
【0185】
そして、ステップST17で制御部15は当該タイムカード30に対応付けた使用期間を示すデータD62を記憶する。制御部15は、カード使用者の使用期間を示すデータD62を今月の打刻履歴情報としてメモリ部13に記憶する。その後、ステップST12に戻る。
【0186】
上述のステップST14で打刻履歴情報が既に有る場合は、ステップST18に移行する。ステップST18で制御部15は現在時刻を指定欄に印字するように印字部16を制御する。二回目以降に使用されたタイムカード30については、初回に使用されたタイムカード30でないと判別されるので、カード番号印字後の二回目以降に使用されたタイムカード30に、カード使用期間を印字する事態を回避できるようになる。
【0187】
このとき、印字部16は出退勤データの一部として時刻暦データD12を使用し、現在時刻、曜日、年月日、午前/午後等をタイムカード30に印字する。時刻暦データD12は、時計カレンダ部12から制御部15を介して印字部16に出力される。その後、ステップST12に戻って制御部15は上述したステップST11〜ST18を繰り返すようになされる。
【0188】
このように、実施形態としてのタイムレコーダー10及びタイムカード発行方法を備えたタイムカード発行管理システム100によれば、カード番号を示すデータD41に基づいてカード使用者の勤務実績を管理するタイムカード管理装置40に接続され、当該タイムレコーダー10に挿入されたタイムカード30に現在時刻を印字する場合に、制御部15は、印字部46によってカード番号を印字されたカード使用者のタイムカード30がカード番号印字後の初回に使用されるタイムカード30か否かを判別する。
【0189】
そして、制御部15は、当該タイムカード30が、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30であることを判別したとき、カード使用者の締日を示すデータD61と時計カレンダ部42から出力される時刻暦データD12とに基づいて当該カード使用者の使用期間を示すデータD62を作成し、このデータD62に基づいて印字部46を制御するようになる。
【0190】
この制御によって、タイムカード管理装置40からカード使用者の使用期間を示すデータD62の転送を受けることなく、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30にカード使用者のカード使用期間を印字できるようになる。しかも、当該タイムレコーダー10内で対応付けられたカードID及びカード番号に基づいて1年分(12枚)のタイムカード30をまとめて発行できるようになるので、勤怠管理者の手間を省くことが可能となる。
【0191】
また、従来方式に比べて、カード使用者毎に記述されていた使用期間を示すデータD62を格納するためのメモリ領域を省略できるようになるので、当該タイムレコーダー10におけるメモリ容量を削減できるようになる。
【0192】
上述した実施例では、初回に使用されるタイムカード30に関して、メモリ部13のメモリ領域M1に使用期間を示すデータD62が記憶されているか否かを検出する場合について説明したが、これに限られることはなく、カード素材30’でカード使用期間の印字を予定している所定の領域に、既に当該カード使用期間が印字されているか否かを光学センサ等により検出して、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカード30であるか否かを判別してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0193】
この発明は、カード使用者の数ヶ月分のタイムカードを事前に自動発行する勤務管理システムに適用して極めて好適である。
【符号の説明】
【0194】
10・・・タイムレコーダー、11・・・カード読取部、12・・・時計カレンダ部(時計暦部)、13・・・メモリ部、14・・・キーボード、15・・・制御部、16・・・印字部、17・・・通信部、18・・・表示部、20・・・通信手段、30・・・タイムカード、30’・・・カード素材、40・・・タイムカード発行管理装置(使用者管理装置)、43・・・メモリ部、44・・・キーボード、45・・・制御部、46・・・印字部、47・・・通信部、48・・・表示部、49・・・インターフェース、100・・・タイムカード発行管理システム(タイムカード発行システム)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイムカードを使用する期間をカード使用期間とし、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報を締日情報とし、時計暦部から得られる当月の情報を当月情報として、カード番号情報に基づいて前記カード使用者の勤務実績を管理する使用者管理装置に接続され、前記タイムカードに現在時刻を印字するタイムレコーダーであって、
現在時刻を示す時刻情報を発生すると共に当月情報を出力する時計暦部と、
カード固有の識別情報を有したタイムカード用のカード素材から、当該カード素材の固有の識別情報を読み取る情報読取部と、
前記情報読取部によって固有の識別情報が読み取られた前記カード素材に当該カード使用者のカード番号情報に基づいてカード番号を印字する印字部と、
前記印字部によってカード番号を印字した前記カード使用者のタイムカードがカード番号印字後の初回に使用されるタイムカードであるか否かを判別し、当該タイムカードがカード番号印字後の初回に使用されたタイムカードである場合に、前記カード使用者の締日情報と前記時計暦部から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成し、前記使用期間情報に基づいて前記印字部を制御する制御部とを備えることを特徴とするタイムレコーダー。
【請求項2】
前記制御部によって情報が記憶制御される記憶部を有し、
前記記憶部は、
前記情報読取部によって固有の識別情報が読み取られた前記カード素材とカード使用者のカード番号情報とを対応付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載のタイムレコーダー。
【請求項3】
前記記憶部には、
当該タイムカードの当月分の打刻情報を記録する第1のメモリ領域と前月分の打刻情報を記憶する第2のメモリ領域とが割り当てられ、
前記制御部は、
前記第1のメモリ領域に使用期間情報が記憶されているか否かを検出して、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカードであるか否かを判別することを特徴とする請求項2に記載のタイムレコーダー。
【請求項4】
タイムカードを使用する期間をカード使用期間とし、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報を締日情報とし、時計暦部から得られる当月の情報を当月情報として、当該カード使用者のタイムカードを発行するタイムカード発行システムであって、
所定のカード番号情報に基づいて前記カード使用者の勤務実績を管理する使用者管理装置と、
前記使用者管理装置に接続されて前記タイムカードに現在時刻を印字するタイムレコーダーとを備え、
前記タイムレコーダーは、
現在時刻を示す時刻情報を発生すると共に当月情報を出力する時計暦部と、
カード固有の識別情報を有したタイムカード用のカード素材から、当該カード素材の固有の識別情報を読み取る情報読取部と、
前記情報読取部によって固有の識別情報が読み取られた前記カード素材に当該カード使用者のカード番号情報に基づいてカード番号を印字する印字部と、
前記印字部によってカード番号が印字されたカード使用者のタイムカードがカード番号印字後の初回に使用されるタイムカードであるか否かを判別し、当該タイムカードがカード番号印字後の初回に使用されるタイムカードである場合に、前記カード使用者の締日情報と前記時計暦部から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成し、前記使用期間情報に基づいて前記印字部を制御する制御部とを有することを特徴とするタイムカード発行システム。
【請求項5】
前記使用者管理装置は、
前記情報読取部によって読み取られた前記カード素材の固有の識別情報とカード使用者のカード番号情報とを対応付けて保存することを特徴とする請求項4に記載のタイムカード発行システム。
【請求項6】
タイムカードを使用する期間をカード使用期間とし、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報を締日情報とし、時計暦部から得られる当月の情報を当月情報として、前記カード使用者の勤務実績を管理する使用者管理装置に接続され、前記タイムカードに現在時刻を印字するタイムレコーダーが、
カード固有の識別情報を有したタイムカード用のカード素材から、当該カード素材の固有の識別情報を読み取り、前記カード素材とカード使用者のカード番号情報とを対応付けて保存すると共に、当該カード使用者のカード番号情報に基づいて前記カード素材に当該カード使用者のカード番号を印字するステップと、
前記カード使用者のカード番号を印字したタイムカードがカード番号印字後の初回に使用されるタイムカードであるか否かを判別するステップと、
前記タイムカードがカード番号印字後の初回に使用されたタイムカードであると判別されたとき、前記カード使用者の締日情報と前記タイムレコーダーから得られる当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成するステップと、
前記使用期間情報に基づいて当該カード使用者のカード使用期間を前記タイムカードに印字すると共に、前記カード使用者の使用期間情報を対応付けて保存するステップとを実行することを特徴とするタイムカード発行方法。
【請求項1】
タイムカードを使用する期間をカード使用期間とし、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報を締日情報とし、時計暦部から得られる当月の情報を当月情報として、カード番号情報に基づいて前記カード使用者の勤務実績を管理する使用者管理装置に接続され、前記タイムカードに現在時刻を印字するタイムレコーダーであって、
現在時刻を示す時刻情報を発生すると共に当月情報を出力する時計暦部と、
カード固有の識別情報を有したタイムカード用のカード素材から、当該カード素材の固有の識別情報を読み取る情報読取部と、
前記情報読取部によって固有の識別情報が読み取られた前記カード素材に当該カード使用者のカード番号情報に基づいてカード番号を印字する印字部と、
前記印字部によってカード番号を印字した前記カード使用者のタイムカードがカード番号印字後の初回に使用されるタイムカードであるか否かを判別し、当該タイムカードがカード番号印字後の初回に使用されたタイムカードである場合に、前記カード使用者の締日情報と前記時計暦部から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成し、前記使用期間情報に基づいて前記印字部を制御する制御部とを備えることを特徴とするタイムレコーダー。
【請求項2】
前記制御部によって情報が記憶制御される記憶部を有し、
前記記憶部は、
前記情報読取部によって固有の識別情報が読み取られた前記カード素材とカード使用者のカード番号情報とを対応付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載のタイムレコーダー。
【請求項3】
前記記憶部には、
当該タイムカードの当月分の打刻情報を記録する第1のメモリ領域と前月分の打刻情報を記憶する第2のメモリ領域とが割り当てられ、
前記制御部は、
前記第1のメモリ領域に使用期間情報が記憶されているか否かを検出して、カード番号印字後の初回に使用されたタイムカードであるか否かを判別することを特徴とする請求項2に記載のタイムレコーダー。
【請求項4】
タイムカードを使用する期間をカード使用期間とし、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報を締日情報とし、時計暦部から得られる当月の情報を当月情報として、当該カード使用者のタイムカードを発行するタイムカード発行システムであって、
所定のカード番号情報に基づいて前記カード使用者の勤務実績を管理する使用者管理装置と、
前記使用者管理装置に接続されて前記タイムカードに現在時刻を印字するタイムレコーダーとを備え、
前記タイムレコーダーは、
現在時刻を示す時刻情報を発生すると共に当月情報を出力する時計暦部と、
カード固有の識別情報を有したタイムカード用のカード素材から、当該カード素材の固有の識別情報を読み取る情報読取部と、
前記情報読取部によって固有の識別情報が読み取られた前記カード素材に当該カード使用者のカード番号情報に基づいてカード番号を印字する印字部と、
前記印字部によってカード番号が印字されたカード使用者のタイムカードがカード番号印字後の初回に使用されるタイムカードであるか否かを判別し、当該タイムカードがカード番号印字後の初回に使用されるタイムカードである場合に、前記カード使用者の締日情報と前記時計暦部から出力される当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成し、前記使用期間情報に基づいて前記印字部を制御する制御部とを有することを特徴とするタイムカード発行システム。
【請求項5】
前記使用者管理装置は、
前記情報読取部によって読み取られた前記カード素材の固有の識別情報とカード使用者のカード番号情報とを対応付けて保存することを特徴とする請求項4に記載のタイムカード発行システム。
【請求項6】
タイムカードを使用する期間をカード使用期間とし、カード使用者の当月毎に締め切られる勤務計算日の最終日の情報を締日情報とし、時計暦部から得られる当月の情報を当月情報として、前記カード使用者の勤務実績を管理する使用者管理装置に接続され、前記タイムカードに現在時刻を印字するタイムレコーダーが、
カード固有の識別情報を有したタイムカード用のカード素材から、当該カード素材の固有の識別情報を読み取り、前記カード素材とカード使用者のカード番号情報とを対応付けて保存すると共に、当該カード使用者のカード番号情報に基づいて前記カード素材に当該カード使用者のカード番号を印字するステップと、
前記カード使用者のカード番号を印字したタイムカードがカード番号印字後の初回に使用されるタイムカードであるか否かを判別するステップと、
前記タイムカードがカード番号印字後の初回に使用されたタイムカードであると判別されたとき、前記カード使用者の締日情報と前記タイムレコーダーから得られる当月情報とに基づいて当該カード使用者の使用期間情報を作成するステップと、
前記使用期間情報に基づいて当該カード使用者のカード使用期間を前記タイムカードに印字すると共に、前記カード使用者の使用期間情報を対応付けて保存するステップとを実行することを特徴とするタイムカード発行方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−243123(P2011−243123A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116754(P2010−116754)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
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