説明

タイヤの欠陥検出方法

【課題】 タイヤ表面の薄広凸欠陥を高精度に検出することができるタイヤの欠陥検出方法を提供する。
【解決手段】 ステップS1を開始するまでに、予め連続的にスリット光像を含む2次元画像を取得しておく。ステップS1では、撮像された複数の2次元画像データから、スリット光像を抽出する。ステップS2では、抽出されたスリット光像から偏心によるぶれである偏心成分を除去する。ステップS3では、偏心成分を除去した光像に基づいて特徴量を算出し、ステップS4で、算出された特徴量に基づいて薄広凸欠陥を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ表面の欠陥を検出する欠陥検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤ表面の欠陥検査においては、スリット光を照射して得られるスリット光像に基づいて欠陥を検査する方法が用いられる。
【0003】
特許文献1記載の検査方法は、タイヤ表面に対して第1のスリット光により照射したライン部分のラインセンサによる外観データと、第2スリット光により照射した同じライン部分のエリアセンサによる形状データとから、タイヤの外観形状の良否判定を行うものである。
【0004】
また、特許文献2記載の検査方法は、タイヤを回転させながらスリット光の照射部をエリアセンサで撮像することで得られる濃淡(または色彩)と位置情報から、外観および形状の良否判定を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−249012号公報
【特許文献2】特開2003−240521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
タイヤ表面の欠陥として、薄く広がった凸状の欠陥(以下では、「薄広凸欠陥」という。)がある。この欠陥は、肉眼では見つけることが困難であり、特許文献1,2に記載のようなスリット光像による検査が必要となる。
【0007】
また、表面全体を効率よく検査するためには、タイヤを回転軸線まわりに回転させながら連続的にスリット光像を取得して検査することが望ましい。
【0008】
特許文献1記載の検査方法は、スリット光像をラインセンサとエリアカメラの両者で取得しており、これらの位置関係などの調整が困難である。また、タイヤを回転させながら連続的に検査することは考慮されていない。
【0009】
タイヤを回転させながら検査する場合には、撮像されるスリット光像にはぶれが発生する。このぶれは、タイヤの外径自体が真円でないこと、タイヤの回転中心とタイヤを回転させる回転テーブルの回転中心が一致していない偏心が生じることによるものであり、タイヤの径方向にぶれるものであり、薄広凸欠陥の検出をより困難にするものである。
【0010】
特許文献2記載の検査方法は、タイヤを回転させながら検査する方法ではあるが、このような撮像時のぶれを考慮していないので、薄広凸欠陥を高精度に検出することができない。
【0011】
本発明の目的は、タイヤ表面の薄広凸欠陥を高精度に検出することができるタイヤの欠陥検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、トレッドパターンが設けられたタイヤのトレッド部の接地面における凸状の欠陥を検出するタイヤの欠陥検出方法であって、
前記タイヤを軸線まわりに回転させながら、前記トレッド部にスリット光を、その長手方向がタイヤの幅方向に平行となるように照射し、スリット光が照射された領域を含む2次元画像を連続的に撮像する撮像工程と、
撮像された各2次元画像に現れるスリット光の光像のうち、前記トレッド部の接地面の光像である直線状光像以外の光像を除去して、前記直線状光像を抽出する抽出工程と、
抽出された直線状光像を含む2次元画像から、タイヤの回転に起因する前記接地面の変位の影響を除去する除去工程と、
前記変位の影響が除去された各2次元画像における直線状光像の位置と、前記変位の影響が除去された全ての2次元画像における直線状光像の平均的な位置との差を、2次元画像ごとの特徴量として算出する算出工程と、
算出された2次元画像ごとの特徴量と、予め定める閾値とを比較し、特徴量が閾値よりも大きい場合に欠陥があることを検出する検出工程とを含むことを特徴とするタイヤの欠陥検出方法である。
【0013】
また本発明は、前記除去工程において、抽出された直線状光像を含む2次元画像ごとに、抽出された直線状光像の重心位置を算出し、算出された各重心位置間の変化を波形データとしてフーリエ変換を行い、フーリエ変換によって得られた周波数スペクトルから高周波成分を取り除いて得られた周波数スペクトルに対して逆フーリエ変換を行い、逆フーリエ変換後の重心位置である変換後重心位置を求め、前記重心位置と、前記変換後重心位置との差分を前記接地面の変位の影響とすることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記算出工程において、前記変位の影響が除去された2次元画像を、前記タイヤの周方向と平行に複数のブロックに分割し、分割したブロックごとに特徴量を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、撮像工程で、タイヤを軸線まわりに回転させながら、前記タイヤのトレッド部にスリット光を、その長手方向がタイヤの幅方向に平行となるように照射し、スリット光が照射された領域を含む2次元画像を連続的に撮像する。抽出工程では、撮像された各2次元画像に現れるスリット光の光像のうち、前記トレッド部の接地面の光像である直線状光像以外の光像を除去して、前記直線状光像を抽出する。
【0016】
除去工程では、抽出された直線状光像を含む2次元画像から、タイヤの回転に起因する前記接地面の変位の影響を除去し、算出工程で、前記変位の影響が除去された直線状光像を含む2次元画像ごとの直線状光像の位置と、全ての2次元画像における直線状光像の平均的な位置との差を、2次元画像ごとの特徴量として算出する。
【0017】
検出工程では、算出された2次元画像ごとの特徴量と、予め定める閾値とを比較し、特徴量が閾値よりも大きい場合に欠陥があることを検出する。
【0018】
これにより、スリット光の光像をエリアカメラで撮像するだけで、簡単な構成で欠陥を検出することができる。また、除去工程によって、回転による接地面の変位の影響を除去しているので、タイヤ表面の欠陥を高精度に検出することができる。
【0019】
また本発明によれば、前記除去工程において、2次元画像ごとに、抽出された直線状光像の重心位置を算出し、算出された重心位置の変位を波形データとしてフーリエ変換を行う。フーリエ変換によって得られた周波数スペクトルから高周波成分を取り除いて得られた周波数スペクトルに対して逆フーリエ変換を行い、逆フーリエ変換後の重心位置である変換後重心位置を求める。前記重心位置と、前記変換後重心位置の差分を前記接地面の変位の影響とする。たとえば、この差分だけ直線状光像の位置をシフトさせれば、前記接地面の変位の影響を除去することができる。
【0020】
また本発明によれば、前記算出工程において、2次元画像を、前記タイヤの周方向と平行に複数のブロックに分割し、分割したブロックごとに特徴量を算出する。ブロックは、タイヤの幅方向の位置を示しているので、欠陥が検出されたブロックに基づいてタイヤ表面の実際の欠陥位置を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】タイヤ表面のスリット光像を撮像する状態を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態である欠陥検出方法を示すフローチャートである。
【図3】スリット光像の抽出手順を示すフローチャートである。
【図4】エリアカメラ4によって撮像された2次元画像の一例を示す図である。
【図5】前処理後の画像を示す図である。
【図6】ラベリングおよびノイズ除去後の画像を示す図である。
【図7】抽出された直線状領域の画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、タイヤ表面のスリット光像を撮像する状態を示す概略図である。図1(a)に示すように、検査対象となるタイヤ1は、回転テーブル2上に載置され、回転テーブル2を軸線まわりに回転させながら、タイヤ表面にスリット光Lを照射する。スリット光は、その長手方向が、タイヤの幅方向に平行となるように照射される。タイヤ1のトレッド部の表面には、周方向に沿って溝が設けられており(トレッドパターン)、スリット光像は、トレッド部の接地面、溝部の内壁面および底面の主に3つの領域の光像からなる。
【0023】
図1(b)に示すように、スリット光源3から、スリット光Lをタイヤ1のトレッド部の接地面に照射し、エリアカメラ4によって、スリット光が照射された領域を含む所定の領域を撮像し、2次元画像データを取得する。このとき、タイヤ1は、回転テーブル2によって回転軸線まわりに回転しており、エリアカメラ4は、連続的にタイヤ1の表面のスリット光像を取得することができる。
【0024】
本実施形態において、スリット光Lは、レーザ光であり、たとえば、波長650nm前後の赤色レーザ、波長530nm前後の緑色レーザ、などを用いることができる。レーザ光の光源としては、たとえばネオアーク株式会社製レーザヘッド(DMSH−6505L、波長650nm、出力3mW)などを用いることができる。なおスリット光Lは、1または複数本照射してもよく、複数本照射する場合は、得られるスリット光像も複数となる。後述の各工程は、1本のスリット光を照射した場合について説明しているが、複数本照射した場合は、スリット光像ごとに同様の処理を行えばよい。
【0025】
なお、スリット光像を抽出する対象となる2次元画像データは、たとえば、タイヤ表面への外光を遮断して撮像する。遮断の方法は、撮像を行う室内のスリット光源3以外の光源、たとえば室内灯などを全て消灯する。好ましくは窓の無い室内で撮影する。窓がある場合は、暗幕、遮光カーテン、ブラインドなどにより外光を遮断する。また、タイヤ1、回転テーブル2、スリット光源3およびエリアカメラ4を全て暗箱で覆うようにしてもよい。さらには、エリアカメラ4のレンズにスリット光以外の光を透過しないフィルタを装着して撮像してもよい。たとえば、VS Technology社製レッドフィルタ(SV−R60−270)などを用いることができる。
【0026】
タイヤ1のトレッド部の接地面に薄広凸欠陥が存在する場合、凸部分に照射されたスリット光Lによるスリット光像は、凸部分の表面形状に沿った像として得られるので、スリット光像のうち、このような薄広凸欠陥による像(欠陥像)を検出できれば、薄広凸欠陥を検出することができる。
【0027】
ここで、薄広凸欠陥は、欠陥であるので大きさや形は様々であるが、検出すべき欠陥としては、おおよその面積が100mm以上であり、トレッド部の接地面からの高さが0.3mm以上の凸状部分である。
【0028】
欠陥像は、スリット光像のうち、トレッド部の接地面の光像である直線状光像からずれた位置に現れるので、直線状光像からのずれ量を特徴量として欠陥を検出する。
【0029】
本発明の概略手順は、タイヤ表面全周を計測した後、まず、撮像された2次元画像の各フレームにおいて、スリット光像の投影結果を抽出する。抽出された各フレームにおけるスリット光像の代表位置として横座標(以下、X座標)の平均値を求める。X座標の平均値はフレームが進むにつれて左右に変位するが、この変位がタイヤの偏心回転に起因するものであるため、変位量に基づいて偏芯成分を除去する。偏芯成分が除去された画像に対して、特徴量を求め、欠陥の検出をする。
【0030】
図2は、本発明の実施形態である欠陥検出方法を示すフローチャートである。
ステップS1を開始するまでに、予め図1に示すような方法で、連続的にスリット光像を含む2次元画像を取得しておく。
【0031】
ステップS1では、撮像された複数の2次元画像データから、スリット光像を抽出する。ステップS2では、抽出されたスリット光像から偏心によるぶれである偏心成分を除去する。ステップS3では、偏心成分を除去した光像に基づいて特徴量を算出し、ステップS4で、算出された特徴量に基づいて薄広凸欠陥を検出する。
【0032】
以下では、これらの各ステップについて詳細に説明する。
<ステップS1>スリット光像の抽出
スリット光像の抽出は、欠陥像を検出するために、スリット光像から直線状光像以外の像、すなわち、トレッド部に設けられた溝による光像などを除去し、直線状光像のみを抽出する。図3は、スリット光像の抽出手順を示すフローチャートである。
【0033】
なお、スリット光のサイズは、本実施形態では、長さが200mmで幅が3mmである。図4は、エリアカメラ4によって撮像された2次元画像の一例を示す図である。スリット光が照射された部分のみが、光像として撮像されており、他の部分は画像には現れていない。また、3つの曲線状部分は、トレッドパターンの溝によるものであり、太く表れている部分は、トレッド部の接地面に描かれた色線で反射した部分である。
【0034】
このような溝による光像、反射による光像などを除去して接地面に投影されたスリット光像のみを抽出する。
【0035】
図3に示すように、ステップA1で前処理を行い、ステップA2で光像のラベリングおよびノイズの除去を行い、スリット光像の直線状領域のみを抽出する。
【0036】
[ステップA1]前処理
前処理として撮像された2次元画像データを2値化し、さらに膨張処理および収縮処理を施す。2値化する際の閾値は、公知の決定方法で決定することができるが、本実施形態では、判別分析法を用いた。2値化された画像データに対し、膨張処理をm回行った後、収縮処理をm回行う。たとえばm=3である。ここでは、膨張処理を先に行うことで、撮像されたスリット光像に切れ目があった場合でも切れ目を無くすようにできる。
【0037】
図5は、前処理後の画像を示す図である。接地面のスリット光像と、接地面以外のスリット光像が、連結または平行して孤立している。また、反射による光像が太くなる部分は、本来光量が弱いため光像としては輝度値が小さく、2値化処理でほぼ除去できるが、スリット光付近のものは輝度値が高いため太くなって前処理でも除去することができない。
【0038】
以上のように説明した前処理は、1つのフレームについて行う処理であり、撮像した全てのフレームについて前処理を行う。
【0039】
[ステップA2]ラベリングおよびノイズ除去
スリット光像が反射によって太くなる部分と、溝の内壁面および底面のスリット光像が連結した部分は、その領域の光像の太さを算出する。画像全体に対してラベリング処理を施し、各ラベルにてX方向に射影処理して、全ラベルの射影像から中央値Pnを算出。ここで、nはフレーム番号であり、1つのフレームごとに射影処理と中央値の算出を行う。
【0040】
まず、下記式(1)に基づき閾値thn,dを決定する。閾値thn,dを用いて射影像の各行に対する閾値処理を行い、閾値thn,d以上となる行については除去する。この処理により、閾値thn,d以上の太さとなる行を削除することができ、溝の光像など連結によって太くなった部分を除去できる。
【0041】
続いて、下記式(2)に基づき閾値thn,sを決定する。閾値thn,dよりも小さい行のうち、閾値thn,s以上となる行については、thn,sと同じ値に置き換える。これにより、連結部分ほど太くはないが、反射によってやや太くなった部分について細めることができる。
【0042】
【数1】

【0043】
ここで、CとCは予め定める係数である。たとえば、C=2.5、C=1.2である。
【0044】
図6は、ラベリングおよびノイズ除去後の画像を示す図である。この段階では、接地面の光像を示す直線状領域と、溝の底面の光像を示す孤立領域とが残っている。
【0045】
[ステップA3]直線状領域の抽出
図6に示したように、孤立領域は、長さは直線状領域に比べて短い直線状であり、接地面の光像である直線状領域とほぼ平行にある。そこで、直線状領域と孤立領域の全ての光像を用いてHough変換を行い、直線を検出する。Hough変換によって検出された直線のうち上位の直線は、直線状領域を通る可能性が極めて高いので、上位k本(たとえばk=2)の直線を採用し、k本の直線のいずれかが通過するラベルを残し、それ以外のラベルについては、除去することで、孤立領域を除去することができる。図7は、抽出された直線状領域の画像を示す。孤立領域が除去され、直線状領域のみが残った光像が得られた
【0046】
<ステップS2>偏心成分の除去
ステップS1によるスリット光像の抽出で得られた画像は、2値画像であり、2値画像fi,jは、背景の黒画素をf=0であり、光像を示す白画素はf=1である。ここで、i,jは、それぞれ2次元画像における座標値を示す。
【0047】
偏心成分を除去するために、まずは、各フレームにおける直線状領域の平均X座標値の変位を波形データとして作成する。各フレームの平均X座標値xは、下記式(3)に示すように、抽出された全画素のX座標の平均値となる。
【0048】
【数2】

【0049】
ここで、nはフレーム番号を表し、Snは各フレームにおける抽出された直線状領域の面積(f=1となる画素の画素数)を示す。また、全体のフレーム数は2のべき乗になるものを用いる。式(3)では、直線状領域の重心位置のx座標を算出していることになる。
【0050】
横軸をフレーム数とし、縦軸を平均X座標値としてプロットすることにより波形データが得られる。得られた波形データに対してフーリエ変換を行い、周波数スペクトルを求める。得られた周波数スペクトルに対してローパスフィルタにより高周波成分をカットする。高周波成分をカットすることで、偏心成分の影響のみが周波数スペクトルに残る。
【0051】
高周波成分をカットして得られた周波数スペクトルに対して逆フーリエ変換を行い、高周波カット後の平均X座標値x′得る。下記式(4)に基づいて高周波カット後の平均座標値と高周波カット前の平均座標値との差分を算出し、偏心成分dを求める。
【0052】
【数3】

【0053】
求めた偏心成分を除去する方法としては、様々な方法が考えられるが、たとえば撮像された画像に対してdピクセルだけ平行移動させることで偏芯成分の除去を行うことができる。
【0054】
<ステップS3>特徴量の算出
特徴量は、1つのフレームを複数のブロックに分割して、ブロックごとに平均X座標値を求める。ブロックは、スリットに直交する方向に分割したものであり、たとえば10mm幅に分割する。
【0055】
nフレーム目のb番目ブロックにおけるx座標の平均値をXn,bとし、これを全フレームで算出する。平均X座標値Xn,bは、下記式(5)で求めることができる。
【0056】
【数4】

【0057】
次に全てのフレームにおけるブロックごとの平均X座標値Mを求める。平均X座標値Mは、下記式(6)に基づき、1つのブロックに対して全てのフレームの平均値を算出することで求められる。
【0058】
【数5】

【0059】
ここで、Nは、フレームの総数であり、全てのフレームにおける1つのブロックの平均X座標値の和をフレーム総数で割ることで平均X座標値Mが得られる。Nは、タイヤの大きさや種類などによって適宜選択すればよいが、たとえばタイヤの外周長が2000mmであれば、欠陥が撮像されるようにフレーム数を100とすればよい。
【0060】
特徴量Fn,bは、下記式(7)に示すように、ブロックごとの平均X座標値Xn, bと平均X座標値Mの差分値として得られる。
【0061】
【数6】

【0062】
<ステップS4>欠陥の検出
特徴量Fn,bが閾値αよりも大きいときは、nフレームのbブロックの画像に欠陥が撮像されていると検出することができる。フレームは、タイヤの周方向の位置を示し、ブロックは幅方向の位置を示しているので、欠陥が撮像されたフレームとブロックとがわかれば、実際の欠陥位置がわかる。
【符号の説明】
【0063】
1 タイヤ
2 回転テーブル
3 スリット光源
4 エリアカメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッドパターンが設けられたタイヤのトレッド部の接地面における凸状の欠陥を検出するタイヤの欠陥検出方法であって、
前記タイヤを軸線まわりに回転させながら、前記トレッド部にスリット光を、その長手方向がタイヤの幅方向に平行となるように照射し、スリット光が照射された領域を含む2次元画像を連続的に撮像する撮像工程と、
撮像された各2次元画像に現れるスリット光の光像のうち、前記トレッド部の接地面の光像である直線状光像以外の光像を除去して、前記直線状光像を抽出する抽出工程と、
抽出された直線状光像を含む2次元画像から、タイヤの回転に起因する前記接地面の変位の影響を除去する除去工程と、
前記変位の影響が除去された各2次元画像における直線状光像の位置と、前記変位の影響が除去された全ての2次元画像における直線状光像の平均的な位置との差を、2次元画像ごとの特徴量として算出する算出工程と、
算出された2次元画像ごとの特徴量と、予め定める閾値とを比較し、特徴量が閾値よりも大きい場合に欠陥があることを検出する検出工程とを含むことを特徴とするタイヤの欠陥検出方法。
【請求項2】
前記除去工程では、抽出された直線状光像を含む2次元画像ごとに、抽出された直線状光像の重心位置を算出し、算出された各重心位置間の変化を波形データとしてフーリエ変換を行い、フーリエ変換によって得られた周波数スペクトルから高周波成分を取り除いて得られた周波数スペクトルに対して逆フーリエ変換を行い、逆フーリエ変換後の重心位置である変換後重心位置を求め、前記重心位置と、前記変換後重心位置との差分を前記接地面の変位の影響とすることを特徴とする請求項1記載のタイヤの欠陥検出方法。
【請求項3】
前記算出工程では、前記変位の影響が除去された2次元画像を、前記タイヤの周方向と平行に複数のブロックに分割し、分割したブロックごとに特徴量を算出することを特徴とする請求項1または2記載のタイヤの欠陥検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−242186(P2012−242186A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110874(P2011−110874)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】