説明

タイヤの空気充填装置及び空気充填方法

【課題】タイヤの空気充填作業の安全性を高め、空気充填作業が適切に行われているか否かの確認を容易にしたタイヤの空気充填装置及び、タイヤの空気充填方法を提供する。
【解決手段】適用リムのウェルにタイヤの両ビード部を落とし込んだチューブレスタイヤを、タイヤ中心軸線を水平面から斜めに傾けた姿勢で収容可能なケージと、ブースターノズルから高圧空気を噴出するビードブースターとを具えるものであって、該ケージは、側面の少なくともタイヤの近接側の側面に対向する一方側を区画する剛性の多孔板と、上面側を区画する剛性の上面板とを有し、その一方側の多孔板に設けた一の窓穴にビードブースターのブースターノズルを、ケージ内に向けて固定可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タイヤの空気充填装置及び、該装置を用いたタイヤの空気充填方法に関するものであり、特には、チューブレスタイヤの空気充填作業の安全性を高めつつ、空気充填作業の確実性を向上させる技術を提案するものである。
【背景技術】
【0002】
タイヤの空気充填作業の際に、タイヤのビードベースと、リムのビードシートとの間に隙間が残存すると、タイヤの空気漏れが生じる。しかしながら、特に偏平率の高いタイヤでは、リム組みの際に、ビードベースとビードシートとを隙間なく適正に密着させることが甚だ困難になる。
【0003】
そこで、タイヤのビードベースとビードシートとの密着性を高めるために、ビードブースターが用いられている。
ビードブースターを用いるに当っては、図1(a)に示すように、タイヤ1の両ビード部100aを適用リム(以下、「リム」という)101のウェル101aに落とし込んだ状態で、ビード部100aとリム101との隙間にビードブースターのブースターノズル102を挿入して、ブースターノズル102から高圧の空気を瞬間的に噴出させて、該噴出空気の圧力により、ビード部100aを、タイヤの全周にわたって適用リムの軸線方向外側に向かって押圧して、各個のビードベース100bをビードシート101bに沿ってリムフランジ101c側へ移動させ、これにより、図1(b)に示すように各ビードベース100bをビードシート101bに密着させることとしている。
【0004】
しかるに、このようにしてビードブースターを使用する場合は、タイヤやホイールリムに損傷が生じている場合には、ブースターノズル102から高圧の空気を噴出することによって、タイヤやホイールリムが裂損して、破片が飛散等するおそれがあった他、ビードブースターを使用するに当っては、多くは、タイヤの一方の側面を載置面等に接触させて作業を行うこととしており、この場合には、作業者はタイヤが接地していない他方側の側面だけしか視認することができないため、タイヤの空気充填作業が適正に行われているか否かを、タイヤを移動させることなしに全体にわたって目視確認することが難しかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、ビードブースターを使用してタイヤの空気充填作業を行うに当って生じていた、従来技術のこのような問題点を解決するものであり、タイヤの空気充填作業の安全性を十分に高め、その上、空気充填作業が適切に行われているか否かの、タイヤ全体にわたる目視確認を極めて容易にした、タイヤの空気充填装置及び空気充填方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のタイヤの空気充填装置は、適用リムのウェルにタイヤの両ビード部を落とし込んだチューブレスタイヤを、タイヤ中心軸線を水平面から斜めに傾けた姿勢で収容可能なケージと、ブースターノズルから高圧空気を噴出するビードブースターとを具えるものであって、該ケージは、側面の少なくともタイヤの近接側の側面に対向する一方側を区画する剛性の多孔板と、上面側を区画する剛性の上面板とを有し、その一方側の多孔板に設けた一の窓穴にビードブースターのブースターノズルを、抜き差し可能に配設してなるものである。
【0007】
このような空気充填装置では、前記ブースターノズルの、窓穴の上下方向の昇降変位を許容する昇降ガイド手段と、該ブースターノズルを窓穴の開口幅方向に変位させる水平変位ガイド手段と、該ブースターノズルの先端の仰角及び俯角の調整を可能とする揺動ガイド手段とを具えるものとすることが好ましい。
【0008】
また、前記タイヤの空気充填装置は、タイヤへの加圧空気の充填を司るインフレータと、ケージに収容したタイヤの、回動変位を許容する回転ローラとを具えるものとすることが好ましい。
【0009】
そして、この発明のタイヤの空気充填方法は、先に述べた、この発明のいずれかの空気充填装置を用いる方法であって、適用リムのウェルにタイヤの両ビード部を落とし込んだチューブレスタイヤを、タイヤ中心軸線を水平面から斜めに傾けた姿勢で前記ケージ内に収容し、ビードブースターのブースターノズルを、該ケージの窓穴を介して、タイヤのビード部とリムフランジとの隙間に差し込み、該ブースターノズルから高圧の空気を噴出して、該タイヤのビードベースをリムのビードシート上に密着させた後に、該ブースターノズルを、タイヤビード部とリムとの間から抜き取ることからなる。
【0010】
なお、この明細書及び特許請求の範囲でいう「適用リム」とは、タイヤが生産され、または使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)のYEAR BOOK等に規定されたリムを指す。
なお、この明細書及び特許請求の範囲でいう空気は、窒素ガスその他の不活性ガスに置換することもできる。
【発明の効果】
【0011】
この発明のタイヤの空気充填装置では、チューブレスタイヤを、タイヤ中心軸線を水平面から斜めに傾けた姿勢で収容可能なケージが、側面の、少なくともタイヤの近接側の側面に対向する一方側を覆う剛性の多孔板と、上面側を覆う剛性の上面板とを有し、その一方側の多孔板に設けた一の窓穴にビードブースターのブースターノズルをケージ内に向けて固定可能とすることで、タイヤの空気充填作業中にタイヤやホイールが破裂等することがあっても、剛性の多孔板及び上面板で、破裂した破片の飛散から作業者を守ることによって、作業者の安全をより十分に確保することができる。
また作業者は多孔板の孔から、タイヤを移動させることなしに、タイヤの空気充填作業が適正に行われているか否かを全体にわたって目視確認することができるため、空気充填作業の効率および確実性を向上させることができる。
【0012】
またここで、前記ブースターノズルの、窓穴の上下方向の昇降変位を許容する昇降ガイド手段と、該ブースターノズルを窓穴の開口幅方向に変位可能とする水平変位ガイド手段と、該ブースターノズルの先端の仰角及び俯角の調整を可能とする揺動ガイド手段とを設けた場合には、各種のサイズ及び各種形状のリムに対して空気充填作業を行うことが可能となる。
【0013】
なお、前記タイヤの空気充填装置に、タイヤへの加圧空気の充填を司るインフレータを設けた場合には、ビードブースターの使用後に、タイヤを移動させることなく、タイヤの空気圧を適正なものとできることにより、作業の効率を高めることができる。また、タイヤの空気充填装置に、タイヤの回動変位を許容する回転ローラを設けることで、タイヤをケージに収容した後に、リムのエアバルブの位置を調整することが容易となり、作業の効率を一層高めることができる。
【0014】
さらに、この発明のビードブースターを用いてチューブレスタイヤの空気を充填する方法では、適用リムのウェルにタイヤの両ビード部を落とし込んだチューブレスタイヤを、タイヤ中心軸線を水平面から斜めに傾けた姿勢で前記ケージに収容した状態で、該ビードブースターのブースターノズルを該タイヤのビード部とリムとの隙間に挿入し、該ブースターノズルから高圧の空気を噴出して、該タイヤのビードベースをリムシート上に密着させた後に、該ブースターノズルを、タイヤビード部とリムとの間から抜き取ることで、ビードブースターの使用時にタイヤやリムが破裂しても、飛散するタイヤやリムの破片がケージで食い止められて、作業者の安全性を向上できるとともに、タイヤの空気充填作業が適正に行われているか否かを、タイヤを移動させることなしに、全体にわたって目視確認することができるため、空気充填作業の確実性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ビードブースターを用いてタイヤを適用リムに組み付ける際の態様を示す要部断面図である。
【図2】本発明に係る装置の実施形態を示す側面図及び正面図である。
【図3】作業者が、タイヤの各側面の空気充填状態を確認する様子を示す図である。
【図4】図2(a)の仮想線で囲んだ各種のガイド手段を示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。
なお、下記の説明はあくまで例示であり、各部材の構成や機構等は、これに限定されるものではない。
【0017】
図2に例示するタイヤの空気充填装置1は、ケージ2と、ケージ2の上面に取付けた、高圧空気を噴出するビードブースター3とを具え、ケージ2は両側面を区画する剛性の多孔板4と、上面側を区画する剛性の上面板4’とを有する。
全体として六面体形状をなすケージ2は、図2(b)に仮想線で示すように、適用リム101のウェルに両ビード部を落とし込んだ各種のサイズのチューブレスタイヤ100を、タイヤ中心軸線を水平面から斜めに傾けた姿勢で収容することができる高さ寸法及び幅寸法を有する。
なお、図2では、ケージの正面及び背面は吹き抜けとしているが、ケージの正面または背面に板や扉を設けることもできる。
【0018】
前記多孔板4には、例えば、孔が網目状となるように穿設されている。
なお、多孔板によってケージの外からタイヤが目視できれば、本発明の課題を解決することができるため、孔は格子目状の配列となるように形成することもでき、また、スリット状となるように形成することもできる。さらに、短冊状の棒の複数本を相互に平行に配設することで、多孔板の孔を形成することもできる。また、ケージの上面側の上面板を多孔板とすることもできる。
【0019】
このような多孔板の配設により、作業者は、図3に示すようにケージ2に近づくことで(200aの状態)、多孔板4の孔4bを介して、タイヤ100の上面側の状態を目視にて確認することができ、また、ケージ2から離れることで(200bの状態)、多孔板4の孔4bを介して、タイヤ100の下面側の状態を確認することができる。
この一方で、ケージ内に収容したタイヤやリムが破損した場合には、飛散するタイヤやビードの破片を多孔板で遮断することによって、作業者を十分に保護することができる。
従って、多孔板4の孔の大きさや形状、多孔板4の厚さ等は、ケージ2内のタイヤ100の視認性及び作業者の安全性を考慮して決定される。
【0020】
ケージ2の上面上に取り付けたビードブースター3は、タンク3aと圧力ホース3bと、圧力ホース3bの先端に取付けたブースターノズル3cとを具える。
ブースターノズル3cは、ケージ2の一方の側面の多孔板4に設けた窓穴4aに、抜き差し可能に配設され、これにより、ノズル3c先端の前後方向の位置決め、ノズル3cの回転方向の位置決めを行うことができる。
【0021】
このブースターノズル3cは、図2(b)に拡大して示すところから明らかなように、先端部分を二叉に分岐させ、該ブースターノズル3cから噴出される空気をタイヤ内で均等に拡散し易くしている。
なお、ブースターノズル3cの先端部分の吹出口の形状を、長円形、楕円形などの幅広の形状とすることもできる。この場合には、ブースターノズル3cをタイヤ100のビード部100aとリム101との隙間に差し込んだ際の、隙間を小さくして、空気充填の効率を高めることができる。
【0022】
また、この空気充填装置1では、ブースターノズル3cを、図2(a)及び図4に示すように、図の上下方向に延在させて設けた一対のガイドロッド5と、これらのガイドロッド5に外接して図の左右方向に延在し、ガイドロッド5上を摺動して昇降変位する筒状部材6aと棒状部材6bとで構成される昇降ガイド手段と、棒状部材6bに掛けられて、棒状部材6b上を摺動するように接続されるスライダー7で構成される水平変位ガイド手段と、棒状部材6bの周りを回動するスライダー7と、スライダー7に取り付けられた揺動リング8とで構成される揺動ガイド手段とを具えることができる。
この場合には、揺動リング8に取り付けられたブースターノズル3cのケージ2の側面からの高さ、幅方向位置及び仰角・俯角を調整できることにより、各種サイズ及び各種形状のリムに対して空気充填作業を行うことができる。
なお、昇降ガイド手段、水平変位ガイド手段、揺動ガイド手段のそれぞれに、図示しない固定手段を設けることもできる。
【0023】
ここで、ビードブースター3のみでは、タイヤ100の空気圧を適正なものに調整することが困難であり、またビードブースター使用後に、タイヤの空気圧を適切なものとしないままでタイヤ100を移動させると、タイヤのビード部とリムとの間にずれが発生したり、タイヤの空気漏れが起きたりすることによって、空気充填作業のやり直しが発生するおそれがある。
そこで、タイヤ100の空気充填装置1に、インフレータ10と回転ローラ11とを具えることで、ビードブースターを使用した直後に、タイヤの空気圧を適切なものとし、作業の確実性を向上させることができる。
【0024】
さらに、タイヤの空気充填装置1は、図2のようにケージ2の上方に配設されるインフレータ10と、ケージ2内の底面に配設される回転ローラ11とを具えることができる。
この場合には、ビードブースター3により、タイヤのビードベースとリムのビードシートが密着されているタイヤ100に対し、インフレータ10によって加圧空気を充填して、タイヤ100の空気圧を調整することができる。ビードブースターの使用と、タイヤ100の空気圧の調整とを、ケージ2内で、タイヤ100を移動させることなく行うことで、後述するように、作業者の安全性を確保しつつ、作業効率を向上させることができる。
また、回転ローラ12により、タイヤ100の位置を変えずに周方向に回動変位させることによって、リム101のエアバルブ位置を調整することができるため、インフレータ10のチューブ10aを、エアバルブに接続する作業を容易とすることができる。
ここでインフレータ10には、タイヤの空気圧を測定するための圧力ゲージを具えることができる。
なお、インフレータのチューブ10aは、窓穴4aを経てリム101のエアバルブに接続することができ、また、ケージ2の正面から背面にわたる吹き抜け部分を通ってリム101のエアバルブに接続することもできる。
【0025】
また、空気充填作業の際に、タイヤ100が移動してしまうのを防止するためにストッパ12を設けることができ、空気充填装置1を移動させるためにキャスタ13を設けることもできる。
【0026】
以下、本発明のタイヤの空気充填装置1の使用方法について詳述する。
まず作業者は、図1(a)に示すように、タイヤ100のビード部100aをリム101のウェル101aに落とし込み、タイヤ100を転動等させながらタイヤ100を空気充填装置1のケージ2内まで移動させて、その後、図2(b)に示すように、タイヤの上方を窓穴4aに向けて傾ける。
なおここで、ケージ2が回転ローラ11またはストッパ12を具える場合には、タイヤ100を固定することができる。
【0027】
次に、作業者は、図1(a)及び図2(b)に示すように、ビードブースター3のブースターノズル3c、102の、前後方向及び回転方向の位置決めを行いながら、ブースターノズル3c、102を、ケージ2の窓穴4aを介して、タイヤ100のビード部101aとリムフランジとの隙間に差し込む。ここで、タイヤの空気充填装置1が、上述した昇降ガイド手段と、水平変位ガイド手段と、揺動ガイド手段とを具える場合には、リムの径及び形状に合わせて、ブースターノズル3c、102の、ケージ2の側面から見た高さ、幅方向位置及び仰角・俯角を調整することができる。
この状態で、ブースターノズル3c、102から高圧空気を噴出することで、タイヤの全周を適切にリムと密着させることができる。高圧空気の噴出時にタイヤやリムが破裂した場合でも、ケージ2の多孔板4及び上面板4’が、飛散するタイヤやリムの破片を遮断するため、作業者を十分に保護することができる。
【0028】
また、タイヤ100の上方が窓穴4aに向かって傾いているため、図3のように、作業者がケージ2に近づく(200a)ことで、ケージ2の多孔板4の孔4bを経てタイヤ100の上面の状態を目視にて確認でき、作業者がケージから離れる(200b)ことで、多孔板4の孔4bを経てタイヤ100の下面の状態を目視にて確認することができる。これによって、タイヤ100の空気充填作業が適正に行われているか否かを、タイヤ100を移動させることなしに、全体にわたって目視確認することができるため、空気充填作業の確実性を向上させることができる。なお、窓穴4aが設けられていない他方の多孔板4からも、タイヤ100の状態を目視確認することができる。
【0029】
なお、ブースターノズル3c、102を差し込む位置は一般に、立てたリム101の上端付近となる。リム101の上端付近から高圧の空気を噴出することで、タイヤ100の上端付近では、噴出された高圧の空気によって、適切にビードベース100bがリムシート101bと密着し、一方、タイヤ100の下端付近では、噴出された空気の圧力はタイヤ100の上端付近よりも弱まるが、タイヤ100の自重を利用することで、適切にビードベース100bをリムシート101bと密着させることができる。
タイヤ100の空気充填作業が完了した後に、ブースターノズル3c、102は、ビード部100aとリムとの間から抜き取られる。
【0030】
ここで、ビードブースター3のみでは、タイヤ100の空気圧を適正なものに調整することが困難であり、また、ビードブースター使用後に、タイヤの空気圧を適切なものとしないままにタイヤ100を移動させると、タイヤのビード部100aとリムとの間にずれが発生したり、空気漏れが起きたりすることによって、空気充填作業のやり直しが発生するおそれがある。
そのため、タイヤ100の空気充填装置1が、インフレータ10と回転ローラ11とを具えることで、ビードブースター3の使用直後に、インフレータ10によってタイヤ100の空気圧を適切なものとすることで、空気充填作業のやり直しが発生しないようにして、作業の効率性を向上させることができる。
【0031】
この場合、作業者はタイヤの空気充填後、回転ローラ11によってタイヤ100を回動変位させて、リム101のエアバルブを鉛直下方等の適切な位置に調整して、インフレータ10のチューブ10aをエアバルブに接続する。このことで、チューブ10aが作業の妨げとなってしまうことを防止することができる。チューブ10aをエアバルブに接続した後に、図示しない空気ゲージによってタイヤ100の空気圧を測定しながら、タイヤ100に加圧空気を充填し、タイヤ100の空気圧を適切なものとする。
【0032】
なお、タイヤに空気を充填している際にタイヤやリムが破裂した場合でも、ケージ2の多孔板4及び上面板4’が、飛散するタイヤやリムの破片を遮断するため、作業者を十分に保護することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 タイヤの空気充填装置
2 ケージ
3 ビードブースター
3a タンク
3b 圧力ホース
3c ブースターノズル
4 多孔板
4a 窓穴
4b 孔
4’ 上面板
5 ガイドロッド
6a 筒状部材
6b 棒状部材
7 スライダー
8 揺動リング
10 インフレータ
10a チューブ
11 回転ローラ
12 ストッパ
13 キャスタ
100 チューブレスタイヤ
100a ビード部
100b ビードライン
101 適用リム
101a ウェル
101b ビードシート
101c リムフランジ
102 ブースターノズル
200a、200b 作業者


【特許請求の範囲】
【請求項1】
適用リムのウェルにタイヤの両ビード部を落とし込んだチューブレスタイヤを、タイヤ中心軸線を水平面から斜めに傾けた姿勢で収容可能なケージと、ブースターノズルから高圧空気を噴出するビードブースターとを具えるものであって、
該ケージは、側面の少なくともタイヤの近接側の側面に対向する一方側を区画する剛性の多孔板と、上面側を区画する剛性の上面板とを有し、
その一方側の多孔板に設けた一の窓穴にビードブースターのブースターノズルを、ケージ内に向けて固定可能としてなるタイヤの空気充填装置。
【請求項2】
前記ブースターノズルの、窓穴の上下方向の昇降変位を許容する昇降ガイド手段と、
該ブースターノズルを窓穴の開口幅方向に変位させる水平変位ガイド手段と、
該ブースターノズルの先端の仰角及び俯角の調整を可能とする揺動ガイド手段とを具えてなる請求項1に記載のタイヤの空気充填装置。
【請求項3】
前記タイヤの空気充填装置は、タイヤへの加圧空気の充填を司るインフレータと、ケージに収容したタイヤの、回動変位を許容する回転ローラとを具えてなる請求項1または2に記載のタイヤの空気充填装置。
【請求項4】
請求項1〜3に記載のいずれかのタイヤの空気充填装置を用いた、タイヤの空気充填方法であって、
適用リムのウェルにタイヤの両ビード部を落とし込んだチューブレスタイヤを、タイヤ中心軸線を水平面から斜めに傾けた姿勢で前記ケージ内に収容し、
ビードブースターのブースターノズルを、該ケージの窓穴を介して、タイヤのビード部とリムフランジとの隙間に差し込み、
該ブースターノズルから高圧の空気を噴出して、該タイヤのビードベースをリムのビードシート上に密着させた後に、
該ブースターノズルを、タイヤビード部とリムとの間から抜き取ることからなるタイヤの空気充填方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−112292(P2013−112292A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262674(P2011−262674)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)