説明

タイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ

【課題】中〜高温にかけてグリップ性能を向上させたタイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分、磁性体粉末、磁性流体およびオイルを含有するトレッド用ゴム組成物およびそれを用いたトレッドを有する空気入りタイヤ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性体粉末および磁性流体を含有するタイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いたトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の高性能化および高馬力化が進む一方、安全性に対する意識も高まっており、タイヤに対するグリップ性能の要求も強まってきている。たとえば、高速走行時の諸性能もその1つにあげられている。空気入りタイヤのトレッド部は、車の走行とともに発熱が生じ、高温になることでグリップ性能が低下するという問題があった。
【0003】
従来、グリップ性能を向上させる手法としては、たとえば、特許文献1のようにイミダゾール類やラクタム類のような塩基性老化防止剤と有機金属化合物を配合させることにより、タイヤトレッド用ゴム組成物中でイオン結合を有する塩基性老化防止剤を付与させることができ、その結果グリップ性能を向上させることができた。しかしながら、塩基性老化防止剤にイオン結合を付与するために使用される有機金属化合物は、カルボン酸が発生し、架橋阻害を起こすという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−124423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、中〜高温にかけてグリップ性能を向上させたタイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ゴム成分、磁性体粉末および磁性流体を含有するトレッド用ゴム組成物に関する。
【0007】
前記タイヤトレッド用ゴム組成物が、ゴム成分100重量部に対して磁性体粉末を1〜50重量部、磁性流体を1〜50重量部含有することが好ましい。
【0008】
前記タイヤトレッド用ゴム組成物が、さらに、ゴム成分100重量部に対して水素結合および/またはイオン結合を含む化合物を0.5〜20重量部含有することが好ましい。
【0009】
また、本発明は前記タイヤトレッド用ゴム組成物を用いたトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、磁性体粉末および磁性流体を配合することで、広い温度領域のグリップ性能を向上させたタイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分、磁性体粉末および磁性流体を含有する。
【0012】
ゴム成分としては、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)など、通常ゴム工業に用いられるものがあげられ、これらはとくに制限はなく、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、タイヤトレッド用ゴムとして充分な強度を有し、優れた耐摩耗性を示すことから、NR、SBRまたはBRを用いることが好ましく、SBRを用いることがより好ましい。
【0013】
SBRの結合スチレン量は、10重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましく、30重量%以上がさらに好ましく、35重量%以上がとくに好ましい。SBRの結合スチレン量が10重量%未満では、中温(30〜50℃)および高温(100℃前後)条件下において、グリップ性能の充分な改善効果が得られない傾向がある。また、SBRの結合スチレン量は、60重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましく、45重量%以下がさらに好ましい。SBRの結合スチレン量が60重量%をこえると、ゴムが硬くなり、路面との接地面積が減少し、高いグリップ性能が得られない傾向がある。
【0014】
ゴム成分中にSBRを含む場合、充分なグリップ性能が得られることから、SBRの含有率は、100重量%が最も好ましい。
【0015】
ゴム組成物に磁性をもたせることにより、高温グリップを向上させることができる。
【0016】
本発明で、磁性体粉末とは、磁性を有する一般的な粉末である。
【0017】
磁性体粉末としては、フェライト系磁石、希土類磁石、γ酸化鉄、二酸化クロムまたはコバルト−クロム合金などあげられる。フェライト系磁石としては、フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、銅亜鉛フェライトなどがあげられる。希土類磁石に用いられる希土類元素としては、具体的には、サマリウム、ネオジムなどがあげられる。なかでも、入手し易いという理由から、フェライトを用いることが好ましい。
【0018】
磁性体粉末の平均粒子径は、磨耗性能に優れるという理由から、0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましい。また、磁性体粉末の平均粒子径は、高充填に優れるという理由から、50μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましい。
【0019】
磁性体粉末の含有量は、充分な磁力が得られるという理由から、ゴム成分100重量部に対して1重量部以上であることが好ましく、2重量部以上であることがより好ましい。また、磁性体粉末の含有量は、耐摩耗性能に優れるという理由から、ゴム成分100重量部に対して50重量部以下であることが好ましく、40重量部以下であることがより好ましい。
【0020】
磁性体粉末の磁束密度は、5〜1000mTが好ましい。
【0021】
磁性体粉末を配合し、ゴム組成物に磁性をもたせた場合には分散が難しく、異物のため摩耗性も悪化していたが、本発明では磁性体粉末と磁性流体を組み合わせてゴム組成物に少量配合することで、高温グリップを向上させ、かつ磨耗性の低下も抑えることができる。
【0022】
本発明で、磁性流体とは、磁性体粉末を界面活性剤を用いて分散媒によく分散させたものである。
【0023】
磁性流体に含まれる磁性体粉末としては、フェライト、マンガン亜鉛フェライト、マグネタイトなどがあげられる。なかでも、入手しやすいという理由から、フェライトを用いることが好ましい。
【0024】
磁性流体に含まれる磁性体粉末は、摩耗性能に優れるという理由から、平均粒子径が0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましい。また、磁性流体に含まれる磁性体粉末は、高充填に優れるという理由から、平均粒子径が50μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましい。
【0025】
充分な磁力が得られるという理由から、磁性流体中に磁性体粉末は、5重量%以上含まれていることが好ましく、10重量%以上含まれていることが好ましい。また、分散性に優れるという理由から、磁性流体中に磁性体粉末は、70重量%以下含まれていることが好ましく、60重量%以下含まれていることがより好ましい。
【0026】
磁性流体に用いる分散媒としては、アルキルナフタリン、水、イソパラフィン、ポリαオレフィン、パーフルオロポリエーテルなどがあげられる。なかでも、ゴムの可塑剤であるオイルに混合しやすいという理由から、ポリαオレフィンを用いることが好ましい。
【0027】
磁性流体に含まれる界面活性剤としては、オレイン酸などの長鎖不飽和脂肪酸などがあげられる。
【0028】
磁性流体の含有量は、充分な磁力が得られるという理由から、ゴム成分100重量部に対し、1重量部以上であることが好ましく、2重量部以上であることがより好ましい。また、摩耗性能に優れるという理由から、ゴム成分100重量部に対し50重量部以下であることが好ましく、40重量部以下であることがより好ましい。
【0029】
なお、磁性流体は、(株)シグマハイケミカル製の「P−206」、「P−254」、「P−304」、「P−306」、「M−300」、「N−304」、「N−504」、[A−200]、「A−300」、「A−400」、「A−500」、「F−206」、「F−306」、「F−210」、「F−310」、「F−211」、「F−311」として入手することができる。
【0030】
磁性流体の磁束密度は、5〜1000mTが好ましく、5〜100mTがより好ましい。
【0031】
本発明は、さらに水素結合および/またはイオン結合を含む化合物を含有することが好ましい。水素結合および/またはイオン結合を含む化合物とは、歪みや熱などの外部からの刺激を結合エネルギーロスに換えることができる化合物である。水素結合を有する化合物をゴム組成物に配合することで、中温条件(30〜50℃)下でのグリップ性能を向上させることができ、イオン結合を有する化合物をゴム組成物に配合することで、高温条件(100℃前後)下でのグリップ性能を向上させることができる。
【0032】
水素結合を含む化合物としては、ピペリジン誘導体、イミダゾール類およびカプロラクタム類などがあげられる。なかでも、入手し易いという理由から、イミダゾール類が好ましい。
【0033】
イオン結合を含む化合物としては、有機カルボン酸金属塩などの有機金属化合物、チオカルボン酸塩およびリン酸塩などがあげられる。なかでも、入手し易いという理由で、プロピオン酸カルシウムが好ましい。
【0034】
水素結合および/またはイオン結合を含む化合物は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。グリップ性能に優れるという理由から、水素結合を含む化合物およびイオン結合を含む化合物を2種以上組み合わせて用いることが好ましい。
【0035】
水素結合および/またはイオン結合を化合物の含有量は、グリップ性能に優れるという理由から、ゴム成分100重量部に対して0.5重量部以上であることが好ましい。また、水素結合および/またはイオン結合を有する化合物の含有量は、摩耗性能および加工性に優れるという理由から、ゴム成分100重量部に対して20重量部以下であることが好ましい。
【0036】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、さらに、老化防止剤を配合することが好ましい。老化防止剤としては、とくに制限はなく、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンなどがあげられ、これらの老化防止剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100重量部に対して、0.1重量部以上が好ましく、1重量部以上がより好ましい。老化防止剤の含有量が0.1重量部未満では、老化防止効果が小さい傾向がある。また、老化防止剤の含有量は、20重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましい。老化防止剤の含有量が20重量部をこえると、タイヤ性能に影響がでる傾向がある。
【0038】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、さらに、充填剤を含むことが好ましい。
【0039】
前記充填剤としては、たとえば、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどがあげられるが、補強効果が大きいという理由から、カーボンブラックが好ましい。
【0040】
カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、80m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積が80m2/g未満では、グリップ性能および耐摩耗性が低下する傾向がある。また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、280m2/g以下が好ましく、200m2/g以下がより好ましい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積が280m2/gをこえると、加工性が低下する傾向がある。
【0041】
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100重量部に対して、10重量部以上が好ましく、20重量部以上がより好ましい。カーボンブラックの含有量が10重量部未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、200重量部以下が好ましく、150重量部以下がより好ましい。カーボンブラックの含有量が200重量部をこえると、加工性が低下する傾向がある。
【0042】
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、さらに、軟化剤を含むことが好ましい。
【0043】
軟化剤としては、たとえば、アロマオイル、ナフテンオイル、パラフィンオイル、植物油などのオイルや、クマロンレジン、石油系レジン、フェノール系レジン、テルペンレジン、キシレンレジンなどのレジンがあげられる。
【0044】
オイルを配合する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100重量部に対して、油展オイルを含めて、10重量部以上が好ましく、20重量部以上がより好ましい。オイルの含有量が10重量部未満では、ウェットグリップ性能が不充分となる傾向がある。
【0045】
また、オイルの含有量は、200重量部以下が好ましく、150重量部以下がより好ましい。オイルの配合量が200重量部をこえると、耐摩耗性が著しく低下する傾向がある。
【0046】
レジンの軟化点は、40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。レジンの軟化点が40℃未満では、高温条件下でのグリップ性能が低下する傾向がある。また、レジンの軟化点は、200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましい。レジンの軟化点が200℃をこえると、混練時の分散性が低下する傾向がある。
【0047】
レジンを配合する場合、レジンの含有量は、ゴム成分100重量部に対して、1重量部以上が好ましく、5重量部以上がより好ましい。レジンの含有量が1重量部未満では、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、レジンの含有量は、ゴム成分100重量部に対して、50重量部以下が好ましく、30重量部以下がより好ましい。レジンの含有量が50重量部をこえると、過度の粘着性を示すため、加工が困難となる傾向がある。
【0048】
グリップ性能に優れるという理由から、オイルおよびレジンを併用することが好ましい。
【0049】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分、磁性体粉末、磁性流体、水素結合および/またはイオン結合を含有する化合物、老化防止剤、充填剤および軟化剤以外にも、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤など、一般的にゴム工業において使用される添加剤を適宜配合することができる。
【0050】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、まずゴム成分と磁性体粉末を混合し、可塑剤であるオイルを配合する工程で磁性流体を配合することにより得ることができる。このような工程製造することにより、ゴム成分とオイルの両方に磁性体を分散することができる。
【0051】
本発明の空気入りタイヤは、タイヤトレッド用ゴム組成物をタイヤのトレッドに用いて、通常の方法により製造される。すなわち、前記ゴム組成物を未加硫の段階でタイヤのトレッド部の形状に押出し加工し、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り合わせて未加硫タイヤを成形する。該未加硫タイヤを加硫機中で加熱・加圧して空気入りタイヤを得ることができる。
【実施例】
【0052】
本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
【0053】
次に、実施例および比較例で用いた各種薬品について詳細に説明する。
SBR:旭化成(株)製のタフデン4350(結合スチレン量:39%、ゴム固形分100重量部に対してオイル分50重量部含有)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラックA(N110、窒素吸着比表面積:130m2/g)
レジン:新日本石油化学工業(株)製のネオポリマー140
チッ素化合物:三共ライフテック(株)製のサノールLS−765
酸:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS30(4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール))
酢酸マグネシウム:キシダ化学(株)製の酸化マグネシウム
磁性体粉末:戸田工業(株)製のFH801(平均粒子径:1.2μm)
磁性流体:(株)シグマハイケミカル製のA−200(磁性体粉末:フェライト(平均粒子径:5μm)、分散媒:ポリαオレフィン、磁束密度:23mT)
老化防止剤6C:フレキシス(株)製のサントフレックス13(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
老化防止剤224:フレキシス(株)製のノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−260
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
【0054】
実施例1〜4および比較例1〜5
表1の配合内容にしたがい、BP型バンバリーミキサーにて、150℃の条件下で3分間混練りし、さらに、硫黄および加硫促進剤NSを配合し、オープンロールで50℃の条件下で5分間混練りし、未加硫ゴムシートを作製した。
【0055】
さらに、未加硫ゴムシートを170℃の条件下で12分間プレス加硫し、実施例1〜4および比較例1〜5の加硫ゴムシートを作製した。
【0056】
(架橋度(SWELL))
加硫ゴムシートをトルエンに25℃で24時間浸漬し、浸漬前後の体積変化率(SWELL)を測定した。測定値が大きいほど、架橋のばらつきが大きく好ましくないことを示す。
【0057】
(粘弾性試験)
岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪10%、動歪2%、振動周波数10Hzの条件下で、40℃および100℃の加硫ゴムシートの物性(複素弾性率E’および損失tanδ)を測定した。tanδの値が大きいほどグリップが高く、グリップ性能が優れていることを示す。E’の値が大きいほど、剛性に優れていることを示す。
【0058】
(引張試験)
JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に基づき、ダンベル3号サンプルにて試験を行い、300%伸張時応力(M300)を測定した。比較例1のM300を100とし、下記計算式により、それぞれ指数表示した。引張強度指数が大きいほど、耐アブレージョン摩耗性能が向上していることを示す。
(引張強度指数)=(各配合のM300)/(比較例1のM300)×100
【0059】
(実車評価)
未加硫ゴムシートをトレッド形状に成形して、他のタイヤ部材と貼りあわせ、170℃の条件下で12分間プレス加硫することにより、11×7.10−5サイズのカート用タイヤを作製した。
【0060】
カートに作製したタイヤを装着し、1周2kmのテストコースを8週走行し、比較例1のタイヤのグリップ性能を3点とし、5点満点でテストドライバーが官能評価した。点数が高いほど、グリップ性能が高いことを示す。なお、初期グリップ性能は1〜4周目のグリップ性能、後半グリップ性能は5〜8周目のグリップ性能を示す。さらに、走行後の比較例1のタイヤの外観を3点とし、各配合の摩耗外観を5点満点で相対評価した。点数が高いほど、タイヤの摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れていることを示す。
【0061】
各評価結果を表1に示す。
【0062】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム成分100重量部に対して、磁性体粉末1〜50重量部、磁性流体1〜50重量部、およびオイル10〜200重量部を含むトレッド用ゴム組成物であって、
まずゴム成分と磁性体粉末を混合し、可塑剤であるオイルを配合する工程で磁性流体を配合することにより得られるトレッド用ゴム組成物。
【請求項2】
さらに、ゴム成分100重量部に対して水素結合および/またはイオン結合を含む化合物を0.5〜20重量部含有する請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
【請求項3】
さらに、ゴム成分100重量部に対して、レジンを1〜50重量部含有する請求項1または2記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
【請求項4】
ゴム成分が、スチレンブタジエンゴム100重量%からなるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いたトレッドを有する空気入りタイヤ。

【公開番号】特開2013−79403(P2013−79403A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−12216(P2013−12216)
【出願日】平成25年1月25日(2013.1.25)
【分割の表示】特願2007−252001(P2007−252001)の分割
【原出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】