説明

タイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置、タイヤモデル作成プログラム、及びタイヤ性能解析方法

【課題】有限要素法(FEM)等の数値解析手法によるタイヤの解析において、計算時間の増加を抑えつつ、タイヤ接地面内の発生力分布等のタイヤ性能を精度良く算出する。
【解決手段】タイヤモデル作成方法は、タイヤの断面モデルを作成するステップと、前記タイヤの回転中心から周方向に前記タイヤを複数の要素に要素分割する場合に、前記タイヤと路面との接触が開始する踏み込み点を含む踏み込み側領域及び前記タイヤと前記路面との接触が終了する蹴り出し点を含む蹴り出し側領域の少なくとも一方の領域の前記周方向における周方向分割角度が、他の領域の周方向分割角度よりも小さくなるように前記周方向分割角度を設定するステップと、前記断面モデルを前記タイヤの周方向に展開すると共に前記周方向分割角度に従って要素分割することによりタイヤモデルを作成するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置、及びタイヤモデル作成プログラム、及びタイヤ性能解析方法に係り、より詳しくは、有限要素法によりタイヤの性能を解析するためタイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置、タイヤモデル作成プログラム、及びタイヤ性能解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤ挙動についての解析は、実際に設計・製造したタイヤを計測したり自動車に装着して得た性能試験結果を用いたりしたものから、計算機(コンピュータ)環境の発達にともなって、計算機上でシミュレーションによって実現できるようになってきている。このタイヤ挙動をシミュレーションによって解析する主要な方法としては、有限要素法(FEM)等の数値解析手法が主に用いられている。FEMは、構造体を有限個の要素でモデル化して、コンピュータを用いて構造体の挙動を解析する手法であり、その特徴から構造体を有限個の要素に分割する(以下、メッシュ分割、または要素分割という。)ことが必要である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従って、タイヤをFEMで解析する場合にはタイヤを要素分割する必要であるが、タイヤは円環状の形状であるから、タイヤの断面に対して2次元の要素分割を行い、これを円環状に360度展開して3次元モデル化するのが通常である。ここで、タイヤ転動方向をタイヤの周方向とすると、一般的に、タイヤの周方向に通常60分割程度の要素を配置している。また、タイヤのケース部分(サイドウォール部分とトレッド下のカーカス部分及びビード部分を含む)、すなわちタイヤ本体とタイヤのトレッド部分を結合させるモデル化においても、通常はケース部分の円環形状を周方向に分割する。例えば、上記特許文献1のFEMタイヤモデルでも、ケース部分とトレッド部分は別々に作成されているため、ケース部分は周方向に均等に60分割している。
【0004】
また、特許文献2には、使用状態でタイヤの挙動を模擬的に解析するために、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するタイヤモデルについて、タイヤ周方向について1周を、120個以上でかつ360個以下の要素に分割したタイヤモデルが開示されている。
【0005】
また、タイヤモデルの転動解析を擬似的に行う方法として、タイヤモデルをシミュレーションにおいて実際に転動させることなく擬似的にタイヤの定常転動状態を解析する方法がある。例えば非特許文献1に記載されたSteady State Transport解析(定常輸送解析)である。これを擬似転動解析と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−153520号公報
【特許文献2】特開2006−7913号公報
【非特許文献1】ABAQUS Version6.6 Analysis User’s Manual6.4.1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
周方向に分割されたタイヤモデルで、移動体の走行を想定した擬似転動解析を行う場合、幾何学的には多角形のものが路面に接するため、タイヤ接地面内で発生する力の分布は、厳密には実タイヤと異なるものとなる。この問題を解決するためには、タイヤ本体の周方向分割数を多くして、周方向分割角度Δθを限りなく小さくすることが有効であるが、要素数が多くなってしまい、計算に要する時間、計算コストが大きくなる。また、周方向分割角度Δθは小さいほどよいというわけではなく、小さすぎる場合には発生力が振動して、実タイヤの挙動から乖離してしまう場合もある。
【0008】
本発明は、上記事実を鑑みて成されたものであり、有限要素法(FEM)等の数値解析手法によるタイヤの解析において、計算時間の増加を抑えつつ、タイヤ接地面内の発生力分布等のタイヤ性能を精度良く算出することができるタイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置、タイヤモデル作成プログラム、及びタイヤ性能解析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明のタイヤモデル作成方法は、断面モデル作成手段が、タイヤの断面を複数の要素に分割した断面モデルを作成するステップと、設定手段が、前記タイヤの回転中心から周方向に前記タイヤを複数の要素に要素分割する場合に、前記タイヤと路面との接触が開始する踏み込み点を含む踏み込み側領域及び前記タイヤと前記路面との接触が終了する蹴り出し点を含む蹴り出し側領域の少なくとも一方の領域の前記周方向における周方向分割角度が、他の領域の周方向分割角度よりも小さくなるように前記周方向分割角度を設定するステップと、タイヤモデル作成手段が、設定された前記周方向分割角度に従って前記断面モデルを前記タイヤの周方向に展開することにより、前記タイヤを複数の要素に分割したタイヤモデルを作成するステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、タイヤの回転中心から周方向にタイヤを複数の要素に要素分割する場合に、タイヤと路面との接触が開始する踏み込み点を含む踏み込み側領域及びタイヤと路面との接触が終了する蹴り出し点を含む蹴り出し側領域の少なくとも一方の領域の周方向における周方向分割角度が、他の領域の周方向分割角度よりも小さくなるように周方向分割角度を設定して要素分割する。すなわち、踏み込み側領域及び蹴り出し側領域の少なくとも一方の領域を他の領域よりも細かく要素分割する。これにより、計算時間の増加を抑えつつ、タイヤ接地面内の発生力分布等のタイヤ性能を精度良く算出することができる。
【0011】
なお、請求項2に記載したように、前記周方向分割角度が0.1度以上で且つ2.0度以下の範囲であることが好ましい。
【0012】
また、請求項3に記載したように、前記少なくとも一方の領域の範囲が、前記タイヤの回転中心から前記周方向において4度以上で且つ20度以下の範囲であることが好ましい。
【0013】
また、請求項4に記載したように、前記少なくとも一方の領域から離れるに従って徐々に前記周方向分割角度が大きくなるように前記周方向分割角度を設定することが好ましい。
【0014】
請求項5記載の発明のタイヤモデル作成装置は、タイヤの断面を複数の要素に分割した断面モデルを作成する断面モデル作成手段と、前記タイヤの回転中心から周方向に前記タイヤを複数の要素に要素分割する場合に、前記タイヤと路面との接触が開始する踏み込み点を含む踏み込み側領域及び前記タイヤと前記路面との接触が終了する蹴り出し点を含む蹴り出し側領域の少なくとも一方の領域の前記周方向における周方向分割角度が、他の領域の周方向分割角度よりも小さくなるように前記周方向分割角度を設定する設定手段と、
【0015】
設定された前記周方向分割角度に従って前記断面モデルを前記タイヤの周方向に展開することにより、前記タイヤを複数の要素に分割したタイヤモデルを作成するタイヤモデル作成手段と、を含むことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、タイヤの回転中心から周方向にタイヤを複数の要素に要素分割する場合に、タイヤと路面との接触が開始する踏み込み点を含む踏み込み側領域及びタイヤと路面との接触が終了する蹴り出し点を含む蹴り出し側領域の少なくとも一方の領域の周方向における周方向分割角度が、他の領域の周方向分割角度よりも小さくなるように周方向分割角度を設定して要素分割するので、計算時間の増加を抑えつつ、タイヤ接地面内の発生力分布等のタイヤ性能を精度良く算出することができる。
【0017】
請求項6記載の発明のタイヤモデル作成プログラムは、 タイヤの断面を複数の要素に分割した断面モデルを作成するステップと、前記タイヤの回転中心から周方向に前記タイヤを複数の要素に要素分割する場合に、前記タイヤと路面との接触が開始する踏み込み点を含む踏み込み側領域及び前記タイヤと前記路面との接触が終了する蹴り出し点を含む蹴り出し側領域の少なくとも一方の領域の前記周方向における周方向分割角度が、他の領域の周方向分割角度よりも小さくなるように前記周方向分割角度を設定するステップと、設定された前記周方向分割角度に従って前記断面モデルを前記タイヤの周方向に展開することにより、前記タイヤを複数の要素に分割したタイヤモデルを作成するステップと、を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、タイヤの回転中心から周方向にタイヤを複数の要素に要素分割する場合に、タイヤと路面との接触が開始する踏み込み点を含む踏み込み側領域及びタイヤと路面との接触が終了する蹴り出し点を含む蹴り出し側領域の少なくとも一方の領域の周方向における周方向分割角度が、他の領域の周方向分割角度よりも小さくなるように周方向分割角度を設定して要素分割するので、計算時間の増加を抑えつつ、タイヤ接地面内の発生力分布等のタイヤ性能を精度良く算出することができる。
【0019】
請求項7記載の発明のタイヤ性能解析方法は、前記請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のタイヤモデル作成方法によりタイヤモデルを作成するステップと、前記タイヤモデルについて擬似転動解析を実行するステップと、を含むことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、前記請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のタイヤモデル作成方法によりタイヤモデルを作成し、このタイヤモデルについて擬似転動解析を実行するので、精度よくタイヤ性能を解析することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、計算時間の増加を抑えつつ、タイヤ接地面内の発生力分布等のタイヤ性能を精度良く算出することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】タイヤの性能予測を実施するためのコンピュータの概略図である。
【図2】コンピュータの概略ブロック図である。
【図3】タイヤ性能シミュレーションプログラムのフローチャートである。
【図4】タイヤモデル作成のフローチャートである。
【図5】タイヤの周方向の分割について説明するための図である。
【図6】タイヤ接地面を示す図である。
【図7】タイヤ本体の断面モデルを示す図である。
【図8】タイヤの接地圧分布を示す図である。
【図9】シミュレーション結果を示す表である。
【図10】シミュレーション結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0024】
図1には一例として空気入りタイヤのタイヤモデルの作成や性能予測を実施するためのタイヤ性能シミュレーション装置としてのコンピュータの概略が示されている。このコンピュータは、データ等を入力するためのキーボード10、予め記憶された処理プログラムに従ってタイヤの3次元モデルを作成したり性能を予測したりするコンピュータ12、コンピュータ12による演算結果や各種画面等を表示するディスプレイ14、及びディスプレイ14に表示されたカーソルを所望の位置に移動させたり、カーソル位置のメニュー項目やオブジェクト等を選択したり選択解除したりドラッグしたりする操作を行うためのマウス16を含んで構成されている。
【0025】
コンピュータ12は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)12A、ROM(Read Only Memory)12B、RAM(Random Access Memory)12C、不揮発性メモリ12D、及び入出力インターフェース(I/O)12Eがバス12Fを介して各々接続された構成となっている。
【0026】
I/O12Eには、キーボード10、ディスプレイ14、マウス16、ハードディスク18、及び記録媒体としてのCD−ROM20が挿抜可能なCD−ROMドライブ22が接続されている。
【0027】
ハードディスク18には、後述する各種プログラムや、これらの実行に必要な各種パラメータやデータ等が記憶されている。CPU12Aは、ハードディスク18に記憶されたタイヤ性能シミュレーションプログラムを読み込んで実行する。
【0028】
なお、後述する各種プログラム等は、例えばCD−ROMドライブ22を用いてCD−ROM20に対して読み書き可能とすることもできるので、後述する各種プログラムは、予めCD−ROM20に記録しておき、CD−ROMドライブ22を介してCD−ROM20に記録された各種プログラムを読み込んで実行してもよい。また、記録媒体としては、CD−ROMに限らず、DVD−ROM等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがあり、これらを用いるときには、上記CD−ROMドライブ22に代えて、またはさらにDVD−ROMドライブ、MDドライブ、MOドライブ等を用いればよい。
【0029】
次に、本実施の形態の作用として、コンピュータ12で実行されるプログラムの処理ルーチンについて図3、4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0030】
まず、ステップ100では、挙動解析の対象となるタイヤの設計案(タイヤ形状、構造、材料など)を定める。例えば、ハードディスク18に、予め複数種類のタイヤのCADデータ(タイヤ形状、構造、材料等の設計データ)等の設計データを記憶しておき、挙動解析の対象となるタイヤの設計データを選択して読み込むことにより、挙動解析の対象となるタイヤを設定することができる。
【0031】
なお、ステップ100における設定はタイヤ設計案に限定されるものではなく、現存するタイヤを解析する場合を含む。すなわち、現存するタイヤそのものを対象のモデルとして設定してもよい。
【0032】
次のステップ102では、タイヤ設計案を数値解析上のモデルに落とし込むためのタイヤのタイヤモデルを作成する。このタイヤモデルの作成は、用いる数値解析手法により若干異なる。本実施の形態では数値解析手法として有限要素法(FEM)を用いるものとする。また、本実施形態では、タイヤモデルの転動解析の手法として、上記非特許文献1に記載された擬似転動解析を用いる。
【0033】
従って、上記ステップ102で作成するタイヤモデルは、有限要素法(FEM)に対応した要素分割、すなわちメッシュ分割によって複数の要素に分割され、タイヤを数値的・解析的手法に基づいて作成されたコンピュータプログラムヘのインプットデータ形式に数値化したものをいう。この要素分割とはタイヤ、及び路面(後述)等の対象物を小さな幾つかの(有限の)小部分、すなわち要素に分割することをいう。この要素ごとに計算を行い全ての要素について計算した後、全部の要素を足し合わせることにより全体の応答を得ることができる。
【0034】
上記ステップ102のタイヤモデルの作成では、図4に示すタイヤモデル作成ルーチンが実行される。
【0035】
まずステップ140では、有限要素法(FEM)に対応した要素分割のタイヤ周方向における分割条件を設定する。タイヤ周方向(回転方向)の分割は、図5に示すように、タイヤの回転中心Aから放射状に分割される。本実施形態では、図5に示すように、タイヤ1周を例えば数十個以上の分割数で分割するように設定する。
【0036】
さらに、タイヤ周方向について、図5に示すように、タイヤと路面とが接触を開始する踏み込み側領域30及びタイヤと路面とが接触を終える蹴り出し側領域32については、周囲の要素より細かく要素分割する。
【0037】
本実施形態では、図5に示す周方向分割角度Δθを「0.1°≦Δθ≦2.0°」の範囲に設定する。Δθは、タイヤの回転中心Aから放射状に伸びる分割線によりタイヤ周方向に要素分割する際の隣接する分割線が成す角度である。この周方向分割角度Δθが上記範囲内であれば、タイヤ本体モデルの擬似転動解析の計算時間を短縮しつつ、解析精度を高めることができる。Δθの下限を0.1度としたのは、これ以上Δθを小さく(要素分割を細かく)した場合、計算時間の増加が許容範囲を越えてしまうだけでなく、タイヤの発生力が振動してしまい逆に解析精度が低下する場合もあるからである。また、Δθの上限を2.0度としたのは、これ以上Δθが大きいと要素分割が粗すぎて計算結果の精度が低下するためである。
【0038】
タイヤの擬似転動解析を行う場合、タイヤ本体モデルは実際には転動せず、タイヤ本体モデルと路面との接触位置は一定の位置を保つため、タイヤ本体モデルと路面とが接触する領域周辺のメッシュ分割の大きさが、タイヤ接地面内で発生する力の分布などの解析結果の精度に大きな影響を及ぼす。
【0039】
さらに、タイヤ接地面内で発生する力の分布は、特に「踏み込み側」、「蹴り出し側」でその変化が大きく、タイヤ要素の周方向分割が大きいモデルでは、解析結果が実タイヤの接地挙動と大きく異なってくる。
【0040】
このため、本実施形態では、タイヤ接地面内の発生力分布を精度良く計算するために、この踏み込み側領域30及び蹴り出し側領域32のタイヤ周方向の要素分割のみを細かく設定する。これらの領域をその周囲よりも細かく要素分割することにより、変化の大きい踏み込み側領域30及び蹴り出し側領域32の発生力分布を精度良く予測することが可能となる。
【0041】
なお、踏み込み側領域30及び蹴り出し側領域32の一方の領域だけ周囲の要素より細かく要素分割するようにしてもよい。これにより、計算時間の増加を抑えることができる。
【0042】
また、踏み込み側領域30及び蹴り出し側領域32の範囲Tは、図6に示すように、タイヤと路面との接地面34上のタイヤの踏み込み側の接触点である踏み込み点36及び接地面34上のタイヤの蹴り出し側の接触点である蹴り出し点38を全て含むように設定される。なお、踏み込み点36及び蹴り出し点38は、要素の節点である。範囲Tは、一例としてタイヤの回転中心Aを中心としてタイヤ周方向に4〜20度の範囲に設定する。
【0043】
図6に示すように、通常、タイヤクラウン部は丸みを帯びた形状となっている。このため、例えばタイヤの接地面34における各踏み込み点36のタイヤ周方向における位置は同一とはならない。すなわち、タイヤ幅方向におけるセンター側よりショルダー側の踏み込み点36の方が遅れて接地する。なお、ショルダー側よりセンター側の踏み込み点36が遅れて接地する場合もあり得る。
【0044】
範囲Tの最小範囲を4度としたのは、センター側及びショルダー側の踏み込み点36がほぼ同時に接地し、センター側及びショルダー側の蹴り出し点38がほぼ同時に路面から離れるようなタイヤの場合、すなわち接地面34の形状が真四角に近い形状のタイヤの場合、この範囲でも十分高精度に発生力を計算できるためである。また、範囲Tの最大範囲を20度としたのは、例えばセンター側及びショルダー側の何れかの踏み込み点36が大きく遅れて接地し、センター側及びショルダー側の何れかの蹴り出し点38が大きく遅れて路面から離れるようなタイヤの場合、すなわち接地面の形状が丸みを帯びた形状のタイヤの場合、この範囲に踏み込み点36及び蹴り出し点38が全て含まれ、十分高精度に発生力を計算できるためである。
【0045】
なお、範囲Tは、踏み込み側領域30及び蹴り出し側領域32で同一である必要はなく、異なる範囲であってもよい。例えば、踏み込み側領域30の範囲Tを5度、蹴り出し側領域32の範囲Tを10度としてもよい。
【0046】
さらに、例えばタイヤショルダー部のみタイヤ周方向の要素分割が細かくなっているような、3次元タイヤモデルにおいて踏み込み点及び蹴り出し点のタイヤ周方向における位置が同一でないタイヤ本体モデルについても本発明を適用可能である。
【0047】
また、本実施形態では、踏み込み側領域30及び蹴り出し側領域32からタイヤ周方向に徐々に離れるに従って、周方向分割角度Δθが徐々に大きくなるように、すなわちタイヤ周方向の要素分割の分割数が少なくなるように要素分割するように設定する。図5に示すように、踏み込み側領域30及び蹴り出し側領域32のタイヤ周方向における周方向分割角度Δθが最も小さく、その領域から離れていくに従って、周方向分割角度Δθが大きくなっている。
【0048】
隣接する要素の周方向分割角度Δθが大きく異なる場合、その部分の変形に段差が生じるため、計算結果の精度が著しく悪化する場合がある。Δθが最も細かい踏み込み側領域30及び蹴り出し側領域32からタイヤ周方向に離れるに従って徐々にΔθが大きくなるように分割することにより、上記精度低下を抑制することができる。タイヤ周方向に隣接する要素の周方向分割角度Δθが連続的に変化することが好ましいが、タイヤ本体モデルの作成工数が多くなるため、タイヤ周方向にある程度の範囲で区切って、その範囲毎に周方向分割角度Δθを徐々に変えるようにしてもよい。
【0049】
このように、ステップ140では、分割条件として、周方向分割角度Δθ、範囲T等を設定する。
【0050】
タイヤ本体モデルのタイヤ周方向における分割条件を設定した後は、図4のステップ142において、タイヤ径方向断面のモデル(すなわちタイヤ断面データ)を作成する。タイヤ断面データは、例えばタイヤ外形をレーザー形状測定器等で計測した値を用いることができる。また、タイヤ内部の構造は設計図面および実際のタイヤ断面データ等の正確な値を用いることができる。また、タイヤ断面内のゴム、補教材(ベルト、プライ等、鉄・有機繊維等でできた補強コードをシート状に束ねたもの)をそれぞれ有限要素法のモデル化手法に応じてモデル化する。なお、ステップ140の前にこの処理を行ってもよい。
【0051】
図7には、タイヤ本体モデルの断面モデルの一例を示した。同図に示したタイヤ本体モデルは、1枚のカーカスプライ40、カーカスプライ40の外側に2枚の補強交錯ベルト42A、42Bを備えた構成のタイヤ本体の断面モデルである。
【0052】
次のステップ144では、2次元データであるタイヤ断面データ(タイヤ径方向断面のモデル)を周方向に一周分(360度)展開し、タイヤの3次元(3D)モデルを作成する。この周方向に一周分(360度)展開するときに、上記ステップ140で設定した分割条件を反映させる。すなわち、踏み込み側領域30及び蹴り出し側領域32の周方向分割角度Δθが0.1°≦Δθ≦2.0°を満たすと共に、踏み込み側領域30及び蹴り出し側領域32の範囲Tが4°≦T≦20°を満たし、かつ、踏み込み側領域30及び蹴り出し側領域32からタイヤ周方向に徐々に離れるに従って、周方向分割角度Δθが大きくなるように、要素分割する。このようにして、タイヤ本体モデルが作成される。
【0053】
上記のようにして作成したタイヤ20の有限要素モデル(解析モデル)を含むタイヤモデルを作成した後には、図3のステップ104へ進み、路面の設定すなわち路面モデルの作成と共に路面状態の入力がなされる。このステップ104では、路面をモデル化し、そのモデル化した路面を実際の路面状態に設定するために入力するものである。路面のモデル化は、路面形状を要素分割してモデル化し、路面の摩擦係数μを選択設定することで路面状態を入力する。例えば、路面状態により乾燥(DRY)、濡れ(WET)、氷上、雪上、非舗装等に対応する路面の摩擦係数μが存在するので、摩擦係数μについて適正な値を選択することで、実際の路面状態を再現させることができる。
【0054】
なお、流体モデルを作成して、路面とタイヤモデルの間に設けても良い。流体モデルは、タイヤの一部(または全部)および接地面、タイヤが移動・変形する領域を含む流体領域を分割し、モデル化するものである。
【0055】
このようにして、路面状態の入力がなされると、次のステップ106において、境界条件の設定がなされる。この境界条件とは、タイヤモデルに解析上すなわちタイヤの挙動をシミュレートする上で必要なものであり、タイヤモデルに付与する各種条件である。このステップ106の境界条件の設定では、まず、タイヤモデルには内圧を与える。次に、所望の計算条件に応じて、タイヤモデルに回転変位及び直進変位(変位は力、速度でも良い)、予め定めた負荷荷重等を与える。
【0056】
次に、ステップ106までに作成・設定した数値モデルをもとに、解析としてのタイヤモデルの変形計算を行う。すなわち、上記ステップ106で境界条件の設定が終了すると、ステップ108へ進み、タイヤモデルの変形計算を行う。このステップ108では、タイヤモデルおよび与えた境界条件より、有限要素法に基づいてタイヤモデルの変形計算を行う。この変形計算では、前述した擬似転動解析手法を用いることができる。
【0057】
次のステップ110では、上述の計算結果を出力する。この計算結果とは、タイヤ変形時の物理量を採用する。具体的には、サイドのたわみ量や接地形状、接地圧分布、タイヤ中心に作用する横力、モーメント、タイヤの上下方向の偏心固有値等である。
【0058】
なお、計算結果の出力は、タイヤの接地部の形状や接地圧の分布、タイヤ中心に作用する力等の値または分布を可視化することを採用してもよい。これらは計算結果の値や変化量または変化率、力の向き(ベクトル)そして分布から導出することができ、それらをタイヤモデル周辺やパターン周辺と共に線図等で表せば、把握しやすく提示可能な可視化をすることができる。
【0059】
このように、本実施形態では、踏み込み側領域30及び蹴り出し側領域32のタイヤ周方向の要素分割のみを細かく設定している。これらの領域をその周囲よりも細かく要素分割することにより、変化の大きい踏み込み側領域30及び蹴り出し側領域32の発生力分布を精度良く予測することができる。
【0060】
(実施例)
【0061】
次に、本発明の実施例について説明する。タイヤサイズ195/65R15の乗用車用タイヤに対して、内部空気圧210kPa、キャンバー角0度、スリップアングル0度で垂直荷重4kNを負荷し、路面との摩擦係数1.0、速度50km/hの擬似転動解析を行ってタイヤ接地面での接地圧分布を計算した結果について、実タイヤの場合と比較した。
【0062】
図8には、接地圧分布の一例を示した。同図において実線が実タイヤの接地圧分布を、丸印で示したのが擬似転動解析によるシミュレーションにより算出した接地圧分布を示す。
【0063】
図8に示すように、実タイヤでの接地圧と擬似転動解析によるシミュレーションにより算出した接地圧との各接地位置におけるズレ量をΔPiとし、これを二乗したΔPiを全接地領域で積算したものをΣΔPiと定義して、従来例(タイヤ周方向の要素分割数を一様にした場合)を100とした指数により比較を行った。なお、ΣΔPiは実タイヤとの差を示す指標であり、この値が小さいほど計算精度が良いことを示す。
【0064】
なお、タイヤ本体は、図7に示したように1枚のカーカスプライ40と、プライの外層側に2枚の補強交錯ベルト42A、42Bを有するモデルである。これをタイヤ周方向に360度展開して3次元モデル化する際に、以下に示すように周方向分割角度Δθを変化させて計算した。
【0065】
以下では、計算に用いたタイヤ本体モデルを「モデルA」とする。モデルAの接地領域輪郭の形状は、踏み込み点及び蹴り出し点がタイヤ幅方向に比較的そろった「四角い形状」であり、踏み込み側領域30及び蹴り出し側領域32の範囲TはともにT=4度の範囲に十分おさまるものである。モデルAにおける計算結果を図9に示した。
【0066】
ここで、従来例Aは、Δθ=3度でタイヤ全体を等分割したモデルであり、タイヤ周方向の分割数は120である。
【0067】
実施例A1は、要素分割を他の領域より細かく分割した細メッシュ部は踏み込み側領域のみとし、その範囲Tを4.0度とし、Δθ=0.5度で範囲Tを等分割したモデルである。なお、踏み込み側領域の周辺の領域は徐々にΔθが大きくなるようにし、周方向分割数が120となるように、他の領域のメッシュ分割を変更して調整した。
【0068】
実施例A2は、細メッシュ部を蹴り出し側領域のみとし、範囲Tを4.0度とし、Δθ=0.5度で範囲Tを等分割したモデルである。なお、踏み込み側領域の周辺の領域は徐々にΔθが大きくなるようにし、周方向分割数が120となるように、他の領域のメッシュ分割を変更して調整した。
【0069】
実施例A3は、細メッシュ部を踏み込み側領域及び蹴り出し側領域の両方とし、その範囲Tを4.0度とし、Δθ=0.5度で範囲Tを等分割したモデルである。なお、踏み込み側領域の周辺の領域は徐々にΔθが大きくなるようにし、周方向分割数が120となるように、他の領域のメッシュ分割を変更して調整した。
【0070】
実施例A4は、細メッシュ部を踏み込み側領域及び蹴り出し側領域の両方とし、その範囲Tを4.0度とし、Δθ=0.1度で範囲Tを等分割したモデルである。なお、踏み込み側領域の周辺の領域は徐々にΔθが大きくなるようにし、周方向分割数が120となるように、他の領域のメッシュ分割を変更して調整した。
【0071】
実施例A5は、細メッシュ部を踏み込み側領域及び蹴り出し側領域の両方とし、その範囲Tを4.0度とし、Δθ=2.0度で範囲Tを等分割したモデルである。なお、踏み込み側領域の周辺の領域は徐々にΔθが大きくなるようにし、周方向分割数が120となるように、他の領域のメッシュ分割を変更して調整した。
【0072】
比較例A6は、細メッシュ部を踏み込み側領域及び蹴り出し側領域の両方とし、その範囲Tを4.0度とし、Δθ=0.05度で範囲Tを等分割したモデルである。なお、踏み込み側領域の周辺の領域は徐々にΔθが大きくなるようにした。また、周方向分割数が200なっているのは、範囲Tのメッシュが細かすぎるため、他の領域のメッシュ分割を調整しても分割数を120に抑えることができなかったためである。
【0073】
比較例A7は、細メッシュ部を踏み込み側領域及び蹴り出し側領域の両方とし、その範囲Tを2.0度とし、Δθ=0.5度で範囲Tを等分割したモデルである。なお、踏み込み側領域の周辺の領域は徐々にΔθが大きくなるようにし、周方向分割数が120となるように、他の領域のメッシュ分割を変更して調整した。
【0074】
また、タイヤ本体モデルの断面形状が異なる「モデルB」についても上記と同様の擬似転動解析を行った。モデルBの接地形状は、センター側よりショルダー側の踏み込み点が遅れて接地する、いわゆる「丸い形状」である。そして、モデルBは、踏み込み側領域及び蹴り出し側領域の範囲Tが、踏み込み点及び蹴り出し点ともにT=20度の範囲におさまるようなモデルである。
【0075】
前述したモデルAと同様の計算を行ってタイヤ接地面での接地圧力分布について計算し、実タイヤと比較した結果を図10に示した。
【0076】
ここで、従来例Bは、Δθ=3度でタイヤ全体を等分割したモデルである。なお、周方向分割数は120である。
【0077】
実施例B1は、細メッシュ部を踏み込み側領域及び蹴り出し側領域の両方とし、その範囲Tを20.0度とし、Δθ=0.5度で範囲Tを等分割したモデルである。なお、踏み込み側領域の周辺の領域は徐々にΔθが大きくなるようにし、周方向分割数が120となるように、他の領域のメッシュ分割を変更して調整した。
【0078】
比較例B2は、細メッシュ部を踏み込み側領域及び蹴り出し側領域の両方とし、その範囲Tを30.0度とし、Δθ=0.5度で範囲Tを等分割したモデルである。なお、踏み込み側領域の周辺の領域は徐々にΔθが大きくなるようにした。また、周方向分割数が140となっているのは、範囲Tを拡大させたため、単純に分割数が増加したためである。
【0079】
以上より、従来例Aと実施例A1〜A5との比較、従来例Bと実施例B1との比較より、本発明に係るタイヤ本体モデルを用いることにより、計算結果の精度が大幅に向上していることが分かる。計算時間は、路面との接触要素が増加することが影響し、わずかに増加しているが、いずれも15%以内の増加にとどまっており、計算精度が20%以上向上するメリットの方が大きいと言える。本発明のタイヤ本体モデルを用いて擬似転動解析することにより、計算時間の増加を最小限に抑えた上で、タイヤ接地面内の発生力分布を精度良く算出することが可能とることが判った。
【0080】
また、従来例Aと実施例A3、実施例A4、実施例A5、比較例A6との比較から、計算時間の増加を最小限に留めて計算結果の精度が向上するΔθの範囲が「0.1°≦Δθ≦2.0°」であることが判った。Δθが上記範囲外となるΔθ=0.05度の比較例A6においても、従来例Aとの比較においては、計算結果の精度は向上しているものの、計算時間が90%以上増加しているのに対し、計算結果の精度は50%しか向上していない。この計算結果の精度はΔθ=0.1度の実施例A4より低いものであり、要素分割を部分的に細かくしすぎた影響で、発生力が振動してしまったことが原因である。従って、Δθの下限は0.1度となる。
【0081】
また、従来例Aの分割数120(Δθ=3度)は、一般的な要素分割の例(例えば、上記特許文献2に記載の方法による要素分割)であるため、これよりもΔθが小さい実施例A5の2度がΔθの上限となる。
【0082】
また、実施例A3と比較例A6との比較、実施例B1と比較例B2との比較から、細分化された範囲Tは、4°≦T≦20°の範囲がよいことがわかる。比較例A6では、全ての踏み込み点及び蹴り出し点が細かく分割された範囲Tに入りきれていないため、計算結果の精度向上が見られない。一方、比較例B2では、全ての踏み込み点及び蹴り出し点を含む範囲Tを必要以上に大きくして細かい要素分割を行っても、計算結果の精度は同等であり、計算時間だけが増大する結果となっている。
【0083】
以上より、タイヤ本体モデルの踏み込み側領域及び蹴り出し側領域のタイヤ周方向の要素分割をその周囲よりも細かく適正な分割数及び範囲で分割することにより、計算時間の増加を最小限に抑えた上で、タイヤ接地面内の発生力分布の大幅な精度向上を得ることができることが判った。
【符号の説明】
【0084】
10 キーボード
12 コンピュータ
14 ディスプレイ
16 マウス
18 ハードディスク
20 タイヤ
22 CD−ROMドライブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面モデル作成手段が、タイヤの断面を複数の要素に分割した断面モデルを作成するステップと、
設定手段が、前記タイヤの回転中心から周方向に前記タイヤを複数の要素に要素分割する場合に、前記タイヤと路面との接触が開始する踏み込み点を含む踏み込み側領域及び前記タイヤと前記路面との接触が終了する蹴り出し点を含む蹴り出し側領域の少なくとも一方の領域の前記周方向における周方向分割角度が、他の領域の周方向分割角度よりも小さくなるように前記周方向分割角度を設定するステップと、
タイヤモデル作成手段が、設定された前記周方向分割角度に従って前記断面モデルを前記タイヤの周方向に展開することにより、前記タイヤを複数の要素に分割したタイヤモデルを作成するステップと、
を含むタイヤモデル作成方法。
【請求項2】
前記周方向分割角度が0.1度以上で且つ2.0度以下の範囲である
請求項1記載のタイヤモデル作成方法。
【請求項3】
前記少なくとも一方の領域の範囲が、前記タイヤの回転中心から前記周方向において4度以上で且つ20度以下の範囲である
請求項1又は請求項2記載のタイヤモデル作成方法。
【請求項4】
前記少なくとも一方の領域から離れるに従って徐々に前記周方向分割角度が大きくなるように前記周方向分割角度を設定する
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のタイヤモデル作成方法。
【請求項5】
タイヤの断面を複数の要素に分割した断面モデルを作成する断面モデル作成手段と、
前記タイヤの回転中心から周方向に前記タイヤを複数の要素に要素分割する場合に、前記タイヤと路面との接触が開始する踏み込み点を含む踏み込み側領域及び前記タイヤと前記路面との接触が終了する蹴り出し点を含む蹴り出し側領域の少なくとも一方の領域の前記周方向における周方向分割角度が、他の領域の周方向分割角度よりも小さくなるように前記周方向分割角度を設定する設定手段と、
設定された前記周方向分割角度に従って前記断面モデルを前記タイヤの周方向に展開することにより、前記タイヤを複数の要素に分割したタイヤモデルを作成するタイヤモデル作成手段と、
を含むタイヤモデル作成装置。
【請求項6】
タイヤの断面を複数の要素に分割した断面モデルを作成するステップと、
前記タイヤの回転中心から周方向に前記タイヤを複数の要素に要素分割する場合に、前記タイヤと路面との接触が開始する踏み込み点を含む踏み込み側領域及び前記タイヤと前記路面との接触が終了する蹴り出し点を含む蹴り出し側領域の少なくとも一方の領域の前記周方向における周方向分割角度が、他の領域の周方向分割角度よりも小さくなるように前記周方向分割角度を設定するステップと、
設定された前記周方向分割角度に従って前記断面モデルを前記タイヤの周方向に展開することにより、前記タイヤを複数の要素に分割したタイヤモデルを作成するステップと、
を含む処理をコンピュータに実行させるためのタイヤモデル作成プログラム。
【請求項7】
前記請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のタイヤモデル作成方法によりタイヤモデルを作成するステップと、
前記タイヤモデルについて擬似転動解析を実行するステップと、
を含むタイヤ性能解析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−181600(P2012−181600A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42648(P2011−42648)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】