説明

タイヤ情報送信装置、タイヤ情報取得システムおよびタイヤ・ホイール組立体

【課題】タイヤ・ホイール組立体に長時間装着しても常時タイヤ空洞領域内の雰囲気情報を送信することのできるタイヤ情報送信装置、およびこれを用いたタイヤ情報取得システム、およびタイヤ・ホイール組立体を提供する。
【解決手段】タイヤ情報送信装置10は、タイヤ空洞領域の雰囲気情報を検知するセンサと、このセンサの検知信号を処理する処理回路およびこの処理した信号を無線で送信する送信回路を備える回路基板16と、処理回路および送信回路の駆動のための電力を供給する、内部抵抗が5Ω以下であり、かつ質量エネルギー密度が130mAh/g以上の1次電池18と、を有する。また、1次電池18は、絶縁性フィルム64により電池構成部材を封止することにより薄板面を有する薄板形状の封止体を成し、この封止体の薄板形状の厚さに対する薄板面の面積の比が200mm以上であり、かつ質量が5g以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラック、バス、乗用車あるいは二輪車等の車輪を有する車両に装着されるタイヤのタイヤ内圧やタイヤ温度等のタイヤ空洞領域内の雰囲気情報を送信するタイヤ情報送信装置、この雰囲気情報を取得するタイヤ情報取得システムおよびタイヤ・ホイール組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
トラック、バス、乗用車さらにはモーターバイク等のタイヤをホイールに組み付けた車輪を有する車両において、タイヤ内圧やタイヤ空洞領域におけるタイヤ温度を常時監視し、タイヤ内圧やタイヤ温度が設定された範囲を超えた異常時には異常を報知するタイヤ監視システムを装着することが提案されている。
【0003】
タイヤ監視システムでは、タイヤ内周面およびホイール壁面によって囲まれたタイヤ空洞領域内に、この領域内の雰囲気情報を検知し、この雰囲気情報をタイヤ空洞領域外へ無線で送信するタイヤ情報送信装置が設けられる。この雰囲気情報は、車両本体のタイヤハウス近傍に設けられた受信装置で受信され、受信された雰囲気情報に応じて異常の有無を判定し、異常の場合はその旨をドライバに警報する。
【0004】
上記タイヤ監視システムとして、例えば下記特許文献1に開示するタイヤの空気圧検知装置が例示される。この装置では、空気圧・温度検知部本体がタイヤ内周面およびホイール壁面によって囲まれ外部と閉ざされた閉空間のタイヤ空洞領域中の、タイヤバルブ(バルブ)近傍に設けられ、タイヤ空洞領域の雰囲気情報を常時監視する。
このような空気圧・温度検知部本体では、検出センサや検出した雰囲気情報を送信するための各種回路を駆動する電力が必要であり、例えばコイン形電池等の小型の電池が用いられる。
【0005】
【特許文献1】特開2002−225519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、タイヤおよびホイールの組立体(タイヤ・ホイール組立体)は、タイヤの寿命によりタイヤ交換をする場合や、タイヤやホイールの損傷により交換する場合にしかタイヤとホイールを分離せず、普通はタイヤ・ホイール組立体は、5〜10年の長い期間にわたって分離されることなく使用される。したがって、タイヤ情報を監視するタイヤ監視システムではタイヤ・ホイールが寿命になるまでの長時間にわたりメンテナンスフリーの状態で常時監視することが必要であり、これに応じて検知センサや回路を駆動するための電池の容量は大きくしなければならない。
【0007】
一方、上述のようにタイヤ空洞領域に設けられるタイヤ情報送信装置は、タイヤおよびホイールの組立体(タイヤ・ホイール組立体)に装着されて一体的に回転するため、この回転によってアンバランスによる振動が発生しないことが必要である。したがって、タイヤ・ホイール組立体に装着され、回転するタイヤ情報送信装置全体の質量も制限され、これに伴ってこの装置に内蔵する電池の質量も制限される。
このような実用上の問題を解決する実用性の優れたタイヤ情報送信装置は未だに提案されていない。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題点を解決して、タイヤ・ホイール組立体に長時間装着しても常時タイヤ空洞領域内の雰囲気情報を送信することのできる実用性の優れたタイヤ情報送信装置、およびこれを用いたタイヤ情報取得システム、およびタイヤ・ホイール組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、タイヤ内周面およびホイール壁面によって囲まれたタイヤ空洞領域内に取り付けられ、このタイヤ空洞領域内の雰囲気情報を検知して、タイヤ空洞領域外へ無線で送信するタイヤ情報送信装置であって、タイヤ空洞領域内の雰囲気情報を検知するセンサと、このセンサの検知信号を処理する処理回路およびこの処理した信号を無線で送信する送信回路を備える回路基板と、前記処理回路および前記送信回路の駆動のための電力を供給する電池であって、絶縁性フィルムにより電池構成部材(正極電極、負極電極、セパレータ等)を封止することにより、薄板面を有する薄板形状の封止体を成し、この封止体の薄板形状の厚さに対する薄板面の面積の比が200mm以上であり、かつ質量が5g以下である電池と、を有することを特徴とするタイヤ情報送信装置を提供する。
【0010】
前記封止体の薄板形状の厚さに対する薄板面の面積の比は好ましくは400mm以上である。
ここで、前記センサ、前記回路基板および前記電池は、曲面を成したホイール回転体面に対応して一定の曲率で曲面を成した装着面を有する筐体内に収納され、前記電池および前記回路基板が、前記装着面の側から前記電池、前記回路基板の順に前記筐体内に配置され、前記送信回路の信号送信用のアンテナ素子が、前記処理回路および前記送信回路とともに、前記回路基板からみて前記装着面と反対側の基板面の側に設けられているのが好ましい。
また、前記回路基板は平板形状を成し、前記電池の厚さは3(mm)以下であり、前記筐体の前記装着面に対して垂直方向の高さは、前記装着面の曲率半径の10分の1以下であるのが好ましい。
前記電池は、例えば、正極電極、負極電極、セパレータおよび非水電解液が絶縁性フィルムで被われて封止体となった1次電池である。
また、前記電池の薄板面が、前記回路基板の基板面と当接する当接面となっているのが好ましい。
【0011】
さらに、前記電池の前記当接面は矩形形状を成した平面であり、この当接面に対する垂直方向の厚さが、この当接面のサイズを規定する縦方向および横方向のいずれの長さに対しても3分の1以下であるのが好ましい。その際、前記電池の正極リードおよび負極リードは、例えば、前記封止体から、前記当接面に沿って平行に延びて前記回路基板上の回路に接続される。
【0012】
また、前記雰囲気情報は、例えばタイヤ空洞領域内の内圧および温度の少なくともいずれか一方を含む情報である。
【0013】
さらに、本発明は、前記タイヤ情報送信装置と、前記タイヤ空洞領域の外側に設けられ、前記タイヤ情報送信装置からの信号を受信する受信装置と、を有し、前記タイヤ情報送信装置は、タイヤ空洞領域内の雰囲気情報を前記受信装置に断続的に送信することを特徴とするタイヤ情報取得システムを提供する。
【0014】
また、本発明は、前記タイヤ情報送信装置がタイヤ空洞領域内のホイール回転体面に取り付けられたことを特徴とするタイヤ・ホイール組立体を提供する。
【0015】
その際、前記タイヤ情報送信装置が、ホイール回転軸を中心とするホイールの周上において、ホイールバルブの配置位置と反対側の位置に配置されているのが好ましい。
【0016】
さらに、本発明は、タイヤ内周面およびホイール壁面によって囲まれたタイヤ空洞領域内に取り付けられ、このタイヤ空洞領域内の雰囲気情報を検知して、タイヤ空洞領域外へ無線で送信するタイヤ情報送信装置であって、タイヤ空洞領域内の雰囲気情報を検知するセンサと、このセンサの検知信号を処理する処理回路およびこの処理した信号を無線で送信する送信回路を備える回路基板と、前記処理回路および前記送信回路の駆動のための電力を供給する、内部抵抗が5Ω以下であり、かつ質量エネルギー密度が130mAh/g以上の電池と、を有することを特徴とするタイヤ情報送信装置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明におけるタイヤ情報送信装置は各種回路に電力を供給する電池を有し、この電池は、絶縁性フィルムにより、正極電極、負極電極、セパレータ等の電池構成部材を封止することにより薄板面を有する薄板形状の封止体を成し、この封止体の薄板形状の厚さに対する薄板面の面積の比が200mm以上、好ましくは400mm以上であり、かつ質量が5g以下である。このため、タイヤ情報送信装置を軽少化し、かつ高さを低く抑えることができるので、一定の曲率を有するホイールの回転体面に取り付けても、ホイールにタイヤを組み付ける際の障害物とならず、タイヤ・ホイール組立体とともに回転してもアンバランスによる振動も発生せず、実用性に優れたタイヤ情報送信装置を提供できる。また、電池は内部抵抗が5Ω以下であり、かつ質量エネルギー密度が130mAh/g以上の特性を有するので、タイヤおよびホイールで囲まれた閉空間であるタイヤ空洞領域に長期間、例えば略10年間にわたって、メンテナンスフリーでタイヤ情報を送信し続けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明のタイヤ情報送信装置、タイヤ情報取得システムおよびタイヤ・ホイール組立体について、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。
【0019】
図1(a)および(b)は、本発明のタイヤ情報送信装置の一実施形態である、タイヤ・ホイール組立体に取り付けたタイヤ内圧・温度送信装置(以降、送信装置という)10の外観を示す図である。送信装置10は、ホイールのアンバランスによる振動を発生させないように、ホイール回転軸を中心とするホイール周上において、ホイールバルブの配置位置に対して反対側(180度)の位置に配置される。
送信装置10は、タイヤとホイール11の組立体である車輪の、タイヤ内周面およびホイール壁面によって囲まれたタイヤ空洞領域に面する、曲面を成したホイール底面(一定の曲率を有する回転体面)11aに、ホイール底面11aに沿うように取り付けられている。送信装置10は、タイヤ空洞領域内の雰囲気圧力であるタイヤ内圧および雰囲気温度であるタイヤ温度を検知し、車輪外部に設けられた受信装置30に無線送信するデバイスである。
送信装置10および受信装置30は、本発明のタイヤ情報取得システムを形成する。
【0020】
図2は、送信装置10の断面図である。
送信装置10は、圧力センサおよび温度センサを備えるセンサ部12、平板状の回路基板16、1次電池18およびこれらの部品を所定の位置に収納する筐体20を有して構成されている。
センサ部12における圧力センサは、タイヤ内圧を検知する検知センサで、ゲージ圧、差圧あるいは絶対圧を検出する公知の半導体圧力センサや静電容量型圧力センサが用いられる。
センサ部12における温度センサは、タイヤ空洞領域の温度を検知する検知センサで、公知の半導体温度センサあるいは抵抗素子型温度センサ等が用いられる。これらのセンサは、タイヤ空洞領域内のタイヤ圧力およびタイヤ温度を検知できるように筐体20に穿孔された孔20bの近傍に配置されている。
これらのセンサは、回路基板16上に設けられており、回路基板16に設けられたA/D変換回路17に供給される。
【0021】
回路基板16には、図3(a)に示すように、A/D変換回路17、マイクロプロセサ(MP)21、メモリ22、送信回路24、スイッチング素子26およびアンテナ素子28が設けられている。図2,図3(b)中、符号29はタイヤ内圧等の監視を行うための閾値設定や送信装置10の識別情報の設定等を行うために外部通信装置との通信を行う受信用のアンテナ素子を有する設定専用の通信部である。
回路基板16は、ホイール底面11aに装着するために筐体20の表面に形成されたホイール装着面20aに向かい合う位置関係で筐体20内に設けられ、上記各種回路および素子が、回路基板16から見て、ホイール底面11aに装着するための筐体20に形成されたホイール装着面20aと反対側の基板面に設けられている。
【0022】
A/D変換回路17は、圧力センサおよび温度センサを有するセンサ部12と接続されており、圧力センサから出力された圧力信号および温度センサから出力された温度信号を例えば8ビット等の信号にデジタル変換する部分である。
MP21は、A/D変換回路18においてA/D変換されて供給された内圧データおよび温度データと、メモリ22から呼び出された、他の送信装置と識別することのできる識別情報(ID)とワード信号と、後述するスイッチング素子26からの検知信号の情報と、を用いて、受信装置30に送信する送信信号を生成する他、各回路の動作を制御管理する部分である。
【0023】
MP21で生成される送信信号は、所定の形式の信号が繰返し生成された信号である。IDやワード信号は、特定のビット数の0と1が所定の規則で連続して配列された信号である。ワード信号は、例えば0を10ビット配列し、その後1を10ビット配列したブロックを3ブロック繰り返して配置した信号である。
メモリ22は、送信装置10のIDを記憶保持する他、計測された内圧データおよび温度データを記憶することができる。
【0024】
送信回路24は、所定の周波数、例えば315MHzの搬送波を生成する図示されない発振回路と、MP21で生成された送信信号に応じて搬送波を変調した高周波信号を生成する図示されない変調回路と、高周波信号を増幅する図示されない増幅回路とを有する。ここで、搬送波の変調方式は、ASK(Amplitude shift keying) 方式、FSK(Frequency shift keying)方式、PSK(Phase shift keying)方式、QPSKや8層PSK等の多値のPSK方式、16QAMや64QAM等の多値のASK方式等、公知の方式であればよい。
【0025】
スイッチング素子26は、車両の走行に伴って送信装置10に作用する遠心力あるいは振動によって接点の当接、非当接が行われて、車輪の転動状態、非転動(停止状態)を自動的に検知することのできる素子(検知センサ)である。スイッチング素子26で生成される転動状態の検知信号はMP21に送られる。この検知信号の情報は受信装置30に送信する送信信号に含まれ、受信装置30において非転動状態であるタイヤの停止時間の算出等に用いられる。
アンテナ素子28は、受信装置30に向けて、例えば315MHzの電波を放射するように構成される。
【0026】
このような回路基板16に設けられた各種回路や素子は筐体20内の所定の位置に収納されており、筐体20は、ホイール底面11aに対応して曲面を成したホイール装着面20aがホイール11の曲面状の底面と接するように装着される。なお、回路基板16は、上記各種回路やアンテナ素子等を設けた基板面が、筐体20のホイール装着面20aと反対側の方向に向くように筐体20の所定の位置に収納されている。
【0027】
1次電池18は、図3(b)に示すように、アルミニウム箔の両面が樹脂コーティングされた収納用の絶縁性フィルム64で被われた薄板形状(平面形状あるいはペーパ形状ともいう)の1次電池である。1次電池18は、内部抵抗が5Ω以下で、かつ質量エネルギー密度が130mAh/g以上の特性となっており、例えば、内部抵抗2Ω以下168mAh/gを達成する。
この1次電池18は、矩形形状の回路基板16と略同等の矩形形状を成して、回路基板16から見て筐体20のホイール装着面20a側の基板面に、この基板面に沿うように設けられている。すなわち、1次電池18は、回路基板16の基板面と当接して筐体20中に収納、保持するための平面状の当接面18aを形成し、この当接面18aが図2に示されるように回路基板16の基板面と当接するように筐体20に収納される。
また、1次電池18は、絶縁性フィルム64により電池構成部材を封止することにより、当接面18a等の薄板面を有する矩形形状の薄板形状の封止体を成し、この封止体の薄板形状の厚さに対する当接面18a(薄板面)の面積の比が200mm以上、好ましくは400mm以上であり、かつ質量が5g以下となっている。また、上記当接面18aに対する垂直方向の厚さ、つまり、ペーパ形状の電池の厚さt(図3(b)参照)が、この当接面18aのペーパ形状のサイズ(面積)を規定する縦方向および横方向のいずれの長さに対しても3分の1以下になっている。1次電池18の正極リード58および負極リード60は、電池の一方の端部から上記当接面18aに沿って平行に延びて回路基板16上の図示されない接続端子に接続されている。
また、1次電池18は上述したように矩形形状を成しており、ホイールの幅に応じて、矩形形状の短辺の幅を変えて用いることもできる。
【0028】
このような1次電池18は、電池の内部抵抗が5Ω以下であり、かつ単位質量当たりの電池容量(mAh)を表す質量エネルギー密度が130mAh/g以上の特性を有する。回路基板16に供給される電力は、主に、MP21を断続的にスリープ状態から覚醒させて駆動し、A/D変換回路17でA/D変換を行い、送信回路24にて送信信号を無線で送信するエネルギに費やされる。1次電池18は、例えば、スイッチング素子26がONの状態で定格出力3Vで数10秒に1回の割合で数10mAの電流を数m秒の単位で長期間にわたって断続的に流すための電源として機能する。
【0029】
一般に、1次電池の寿命を伸ばすためには、電池容量を大きくすることが行われるが、電池容量を大きくするほど1次電池の質量も増大する。本発明では、回転するタイヤ・ホイール組立体に装着するため、回転に伴って振動が発生しないように電池の質量を可能な限り抑えつつ電池容量を確保しなければならない。
また、電池の内部抵抗を極力低下させて電力を回路に効率よく供給することも必要である。
本発明の1次電池18は、このような条件を満たすものとして提供するものである。
1次電池18の構成については後述する。
【0030】
図4は、送信装置10から送信されたタイヤ内圧やタイヤ温度の送信信号を受信する受信装置30の概略の構成を示すブロック図である。
受信装置30は、受信器本体部32と、受信器本体部32に有線で接続された受信器処理部34とを有する。
受信器本体部32は、アンテナ素子36および増幅回路38を有する。アンテナ素子36は、送信装置10から送信された、例えば315MHzの電波を受信するように構成される。増幅回路38は、FET(電界効果トランジスタ)等を用いて構成され、受信した高周波信号を増幅し、受信器処理部34に供給する。
受信機本体部32は、送信装置10が取り付けられている車輪近傍の、例えば車体側のタイヤハウスに取り付けられ、受信器処理部34は例えば車体本体の中央制御ユニットに取り付けられる。
【0031】
受信器処理部34は、復調回路40において、高周波信号から送信信号を復調して内圧データ、温度データおよびIDを取り出し、MP42において送信された内圧データおよび温度データがどの装着位置に装着された車輪のタイヤのデータであるか、取り出されたIDから予めメモリ44に設定登録された対応づけの結果を用いて取得する。MP42において、取得された装着位置情報にしたがってタイヤの内圧データによってタイヤ内圧が監視される。信号処理回路45では、例えば、右前輪のタイヤ内圧が予め定められた設定値と比較され、「通常」、「注意」、「警告」の3段階のタイヤ内圧の状態に区別して判定される。判定結果は、受信器処理部34に接続された表示盤46に供給される。表示盤46は、タイヤ内圧の値を車両装着位置毎に表示する。ここで表示盤46は、車両の計器パネルに内圧の数値および判定した内圧の状態を表示するものである。
【0032】
このような送信装置10および受信装置30を有して構成されるタイヤ情報取得システムは、スイッチング素子26の転動状態の検知によって計測が開始し、数10秒に1回断続的にタイヤ内圧データおよびタイヤ温度データを取得するために、例えば数10秒に1回、数10mAの電流を数m秒流す電力が送信装置10には必要とされる。しかも、略10年間、寿命になるまで分離することのないタイヤ・ホイール組立体のタイヤ空洞領域内に装着されるので、1次電池18は、長期間電力が尽きることなく回路基板上の各種回路に電力を供給しなければならない。
【0033】
図5(a),(b)および図6には1次電池18の概略の構成が示されている。
図5(a)は1次電池18の電池構成部材(正極電極、負極電極、セパレータ)の分解斜視図であり、図5(b)は1次電池18の電池構成部材の外観斜視図であり、図6は1次電池18の組み立てを説明する図である。
1次電池18は、正極活物質をフッ化黒鉛、負極活物質をリチウムとする、非水電解液を用いた、厚さが極めて薄い薄板形状(ペーパ形状)のリチウム電池である。なお、1次電池18は、非水電解液を電解液とする他、水溶液を電解液としてもよいが、好ましくは非水電解液を電解液とした非水電解液電池である。
【0034】
図5(a)に示すように、電池構成部材として、3つの正極板50と、正極板50間に挟まれた2つの負極板54と、正極板50と負極板54とを分離するセパレータ56とを有する。
【0035】
正極板50は例えばアルミニウム箔によって構成され、正極活物質層52はフッ化黒鉛にからなるバインダを混ぜて正極板50に接着されている。
一方、負極板54はリチウム箔で構成され、正極板50の間に挿入されて負極を成している。セパレータ56は、例えば、マイクロポーラスフォルムが用いられる。
【0036】
一方、非水電解液の有機溶剤として例えばγ−ブチロラクタンが用いられ、溶質としてホウフッ化リチウムが所定のモル濃度で有機溶媒に溶解している。また、図5(a)に示すように、正極板50それぞれの一方の端から正極リード58が突出し、負極板54それぞれの一方の端からアルミニウム等からなる負極リード60が突出し、複数の正極リード58が1つにまとめられ正極端子を形成し、また複数の負極リード60が1つにまとめられて負極端子を形成し、これらの端子が1次電池18から突出するように構成されている。
なお、正極活物質層52に用いられるフッ化黒鉛自体の質量エネルギー密度は860mAh/gであり、負極板54に用いられるリチウムの質量エネルギー密度は3860mAh/gであり、いずれも質量エネルギー密度が非常に高く、しかも起電圧も略3Vと高く、本発明の送信装置10における1次電池18の電池材料として好適に用いることができる。
【0037】
このように板状の正極板50および負極板54を、セパレータ56を挟んで積層して構成された図5(b)に示すような積層体61が、図6に示すように、絶縁性フィルム64の凹部62に収められる。このようにして図6に示すように積層体61を非水電解液とともに絶縁性フィルム64で被われ、絶縁性フィルム64の縁部同士が加熱圧着されて封止体となった平板状(ペーパ形状)の電池が作製される。
【0038】
ペーパ形状の1次電池18に用いられる絶縁性フィルム64は、例えばアルミニウム箔の両面を絶縁性の樹脂層でラミネートした、軽量のラミネート樹脂フィルムである。
1次電池18の一方の面は、筐体20内で回路基板16の基板面に沿って当接する当接面18aとなる。正極リード58および負極リード60は、絶縁性フィルム64に挟まれ、一方の端から当接面18aに沿って延びており、回路基板16の図示されない電源端子に接続される。
1次電池18の当接面18aに対する垂直方向の厚さtは、この当接面20aのサイズを規定する縦方向および横方向のいずれの長さに対しても3分の1以下であり、好ましくは5分の1以下である。例えば厚さ、幅および長さがそれぞれ2.0mm、15mmおよび60mmとなっている。
【0039】
なお、1次電池18の厚さは3mm以下、好ましくは2.5mm以下であり、筐体20のホイール装着面20aに対する垂直方向の高さは、ホイール装着面20aの曲率半径の10分の1以下であるのが好ましい。例えば曲率半径が15cmの場合筐体20の前記高さは1.5cm以下であるのが好ましい。
また、筐体20に収納される回路基板16は平板形状を成しているので、周方向に一定の曲率を有するホイール底面11aに回路基板16を周方向に沿わせて配置すると、回路基板16の端部は、ホイール底面11aから大きく離れ、筐体20の高さは装着面の曲率半径の10分の1を超える場合がある。この場合、ホイール底面11aから筐体20が突出するため、ホイール11にタイヤを組み立てるタイヤ組み立て時に障害物となってしまう。また、ホイール底面11aにはタイヤ内圧を確保するために空気を注入するバルブを固定するナット等があるが、筐体20の高さも、タイヤ組み立て時に障害とならないバルブの突出量程度に抑える必要がある。このような点から、筐体20の高さは制限され、1次電池18の厚さは3mm以下、好ましくは2.5mm以下に制限される。そして、筐体20のホイール装着面20aに対する垂直方向の高さを前記装着面の曲率半径の10分の1以下とすることが好ましい。
【0040】
さらに、1次電池18の厚さを薄くすることで、筐体20がホイール底面に装着されたとき、送信装置10が無線で効率よく送信することができる。すなわち、送信装置10が装着されるホイール11は鉄、アルミニウム等の導体で構成されるため、ホイール11は電波を発振する際の有効なグランド導体を形成し易い。一般に、グランド導体を広くすることで電波の安定した放射特性を得られることからわかるように、回路基板と導体となるホイール11との間隔を近づけることで、ホイール11をグランド導体として有効に機能させることができる。
【0041】
また、1次電池18は、所望のサイズのホイールに適用できるように筐体20の幅が規制され、この結果1次電池の幅も規制される。例えば20mm以下に規制される。
さらに、送信装置20を装着するホイール11はホイール底面11aで一定の曲率を有する回転体面を成しているため、平板形状の回路基板16に沿って1次電池18の形状を長くすると、筐体20も長くし、ホイール底面11aと当接する筐体20のホイール装着面20aもホイール底面の回転体面の形状に沿って長く設けなければならない。一方、回路基板16および1次電池18は平板形状であるため、筐体20の両端とホイール底面との距離は回転体面形状の曲率に応じて極めて長くなり、この部分の筐体20の厚さは急激に増大する。このため、筐体20自体の質量および容積が増大する。一方、送信装置10は回転するホイール11に設けられるため、質量を増大させることはホール11の回転に伴うアンバランスによる振動を増大させることになりタイヤ・ホイール組立体として好ましくない。この点から、筐体20および1次電池18の長さも長くすることはできない。
このように1次電池18は、送信装置10の特徴に応じて厚さのみならず、幅および長さが制限されて筐体20に収納される。
【0042】
一方、1次電池18は、長期間例えば略10年間にわたり、断続的に電力を回路に供給しなければならず、これに応じて電池容量を確保しなければならない。しかし、上述したように1次電池18のサイズおよび質量、容積が制限されるため、電池サイズを大きくして電池容量を単に増大させるわけにはいかない。本発明における1次電池18は、上述したように、正極板および負極板がセパレータを挟んで層状に積層した状態で、絶縁性フィルムで封止されたペーパ形状の電池となっている。すなわち、1次電池18のサイズが制限される中で電池容量に大きな影響を与える負極の容積を有効に増大させ、かつ内部抵抗を下げるため正極および負極の対向面積を有効に増大させたものである。しかも、1次電池18は、絶縁性フィルムによって封止体を成しているので、金属製筐体に比べて質量を効率よく低減させることができる。
このように、絶縁性フィルム64により電池構成部材(正極電極、負極電極、セパレータ)を封止することにより薄板面を有する薄板形状の封止体を成し、この封止体の薄板形状の厚さに対する当接面18a(薄板面)の面積の比が200mm以上であり、かつ質量が5g以下となった、送信装置10に好適な電池を構成することができる。
なお、本発明において封止体の薄板形状の厚さに対する当接面18aの面積の比は200mm以上であるが好ましくは400mm以上である。
【0043】
本発明の送信装置10に用いる1次電池18は、例えば内部抵抗が2Ω以下であり、質量エネルギー密度が168mAh/gを達成し、本発明の電池の特徴である内部抵抗が5Ω以下であり、かつ質量エネルギー密度が130mAh/g以上の特性を有する。
一般に、タイヤ・ホイール組立体は回転した時に質量のアンバランスによって振動が生じないように、タイヤ・ホイール組立体に装着する送信装置10は質量が小さいことが好ましい。しかし、従来のタイヤ情報送信装置に用いるコイン形1次電池は、内部抵抗が6Ω以上あり、かつ質量エネルギー密度が130mAh/g未満である。このため、必要とする電池容量が定まっている送信装置10ではこの電池容量を確保するには1次電池の容積を大きくして質量を大きくしなければならない。この結果、送信装置10の全体質量も増大し、タイヤ・ホイール組立体に装着して回転させた時のアンバランスによる振動を励起し易い。このため、送信装置10全体の質量は可能な限り小さいことが好ましい。また、ホイール11には、タイヤ空洞領域に空気を注入するためのバルブが別途設けられ、このバルブの質量によりホイールのアンバランスが生じ易い。本発明の送信装置10において、送信装置10を、ホイール11の回転軸を中心とするホイール周上の位置に関してバルブの配置位置と180度反対側の位置に配置し、かつ1次電池18の軽量化によって上記バルブの質量と釣り合わせてホイール11のアンバランスを効率よく解消することができる。このために、1次電池18はバルブの質量程度の質量を上限とし5g以下とする。
【0044】
また、1次電池18は、正極板50および負極板54が積層された構成となって内部抵抗が5Ω以下となっている。内部抵抗が5Ω以下とするのは、内部抵抗が5Ωを超えると、回路を駆動する電流が規定値以下となり回路が駆動しない場合が多いからである。1次電池18の内部抵抗は好ましくは3Ω以下である。
【0045】
このような1次電池18の構成により、送信装置10の装着されたタイヤ・ホイール組立体であっても、回転に伴う振動を抑え、かつ長期間にわたって送信装置10を駆動してタイヤ空洞領域内のタイヤ空気圧およびタイヤ温度を雰囲気情報として送信を続けることができる。
なお、1次電池18は、回路基板16の基板面に沿って配置されるものであるが、上述したように、絶縁性フィルム64によって封止された封止体であるので、封止体をある程度フレキシブルに変形させることができ、例えば、筐体20内において、ホイール底面11aの曲率に対応させて一定の曲率で湾曲させて収納することもできる。この場合、回路基板16もホイール底面11aの曲率に沿うように、例えば長さの短い平板形状の基板を複数個接続して構成してもよい。また、回路基板16は、ホイール底面16aの曲率に沿うように湾曲可能なフレキシブルな基板を用いてもよい。
【0046】
図7は、1次電池18の特性の一例として、100℃保存時の経時変化であって、23℃の測定条件下で100Ω、0.1秒間電流を流した時のCCV(Closed Circuit Voltage)の経時変化を示すグラフ図である。
下記表1は、図7中の発明品である1次電池18の仕様と、図8に示されている市販品であるCR2450の仕様との比較を示している。1次電池18は、図5(a),(b)および図6に示す電池構成を有し、正極板50はアルミニウム箔を、正極活物質層52はフッ化黒鉛を、負極板54はリチウム箔を用い、非水電解液として、γ−ブチルラクトンにホウフッ化リチウムが所定のモル濃度で溶解された溶液を用いた。表1中の電池容量は、2.7kΩ定抵抗連続放電によって測定し、内部抵抗は、1kHz交流インピーダンス法により測定したものである。
【0047】
【表1】

【0048】
図7に示すように、質量エネルギー密度が154mAh/gであり、内部抵抗が2.0Ωであり、かつ薄板形状の厚さに対する薄板面の面積の比が409mm(=15×60/2.2)であり、かつ質量が2.6gである本発明品の1次電池18は、CR2450に対して優れたCCVの特性を有したものである。
【0049】
以上、本発明のタイヤ情報送信装置、タイヤ情報取得システムおよびタイヤ・ホイール組立体について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】(a)および(b)は、本発明のタイヤ情報送信装置の一実施形態であるタイヤ内圧・温度送信装置の外観を示す図である。
【図2】図1(b)に示すタイヤ内圧・温度送信装置の断面図である。
【図3】(a)は、図1(b)に示すタイヤ内圧・温度送信装置が有する回路基板上の回路構成を示すブロック図であり、(b)は図1(b)に示すタイヤ内圧・温度送信装置が有する1次電池の概略斜視図である。
【図4】本発明のタイヤ情報取得システムに用いられる受信装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図5】(a)は、本発明における電池の電池構成部材の分解斜視図であり、(b)は本発明における電池の電池構成部材の外観斜視図である。
【図6】図3(b)に示す1次電池の組み立てを説明する図である。
【図7】図3(b)に示す1次電池の特性の一例を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0051】
10 タイヤ内圧・温度送信装置
11 ホイール
11a ホイール底面
12 センサ部
16 回路基板
18 1次電池
18a 当接面
20 筐体
20a ホイール装着面
20b 孔
21 マイクロプロセサ
22 メモリ
24 送信回路
26 スイッチング素子
28 アンテナ素子
29 通信部
30 受信装置
32 受信器本体部
34 受信器処理部
36 アンテナ素子
38 増幅回路
40 復調回路
40 復調回路
42 マイクロプロセサ
44 メモリ
45信号処理回路
46 表示盤
50 正極板
52 正極活物質層
54 負極板
56 セパレータ
58 正極リード
60 負極リード
62 凹部
61 積層体
64 絶縁性フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ内周面およびホイール壁面によって囲まれたタイヤ空洞領域内に取り付けられ、このタイヤ空洞領域内の雰囲気情報を検知して、タイヤ空洞領域外へ無線で送信するタイヤ情報送信装置であって、
タイヤ空洞領域内の雰囲気情報を検知するセンサと、
このセンサの検知信号を処理する処理回路およびこの処理した信号を無線で送信する送信回路を備える回路基板と、
前記処理回路および前記送信回路の駆動のための電力を供給する電池であって、絶縁性フィルムにより電池構成部材を封止することにより、薄板面を有する薄板形状の封止体を成し、この封止体の薄板形状の厚さに対する薄板面の面積の比が200mm以上であり、かつ質量が5g以下である電池と、を有することを特徴とするタイヤ情報送信装置。
【請求項2】
前記センサ、前記回路基板および前記電池は、曲面を成したホイール回転体面に対応して一定の曲率で曲面を成した装着面を有する筐体内に収納され、
前記電池および前記回路基板が、前記装着面の側から前記電池、前記回路基板の順に前記筐体内に配置され、前記送信回路の信号送信用のアンテナ素子が、前記処理回路および前記送信回路とともに、前記回路基板からみて前記装着面と反対側の基板面の側に設けられている請求項1に記載のタイヤ情報送信装置。
【請求項3】
前記回路基板は平板形状を成し、前記電池の厚さは3(mm)以下であり、前記筐体の前記装着面に対して垂直方向の高さは、前記装着面の曲率半径の10分の1以下である
請求項2に記載のタイヤ情報送信装置。
【請求項4】
前記電池は、正極電極、負極電極、セパレータおよび非水電解液が絶縁性フィルムで被われて封止体となった1次電池である請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ情報送信装置。
【請求項5】
前記電池の薄板面が、前記回路基板の基板面と当接する当接面となっている請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ情報送信装置。
【請求項6】
前記電池の前記当接面は矩形形状を成した平面であり、この当接面に対する垂直方向の厚さが、この当接面のサイズを規定する縦方向および横方向のいずれの長さに対しても3分の1以下である請求項5に記載のタイヤ情報送信装置。
【請求項7】
前記電池の正極リードおよび負極リードは、前記封止体から、前記当接面に沿って平行に延びて前記回路基板上の回路に接続されている請求項6に記載のタイヤ情報送信装置。
【請求項8】
前記雰囲気情報は、タイヤ空洞領域内の内圧および温度の少なくともいずれか一方を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のタイヤ情報送信装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のタイヤ情報送信装置と、
前記タイヤ空洞領域の外側に設けられ、前記タイヤ情報送信装置からの信号を受信する受信装置と、を有し、
前記タイヤ情報送信装置は、タイヤ空洞領域内の雰囲気情報を前記受信装置に断続的に送信することを特徴とするタイヤ情報取得システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のタイヤ情報送信装置がタイヤ空洞領域内のホイール回転体面に取り付けられたことを特徴とするタイヤ・ホイール組立体。
【請求項11】
前記タイヤ情報送信装置が、ホイール回転軸を中心とするホイールの周上において、ホイールバルブの配置位置と反対側の位置に配置されている請求項10に記載のタイヤ・ホイール組立体。
【請求項12】
タイヤ内周面およびホイール壁面によって囲まれたタイヤ空洞領域内に取り付けられ、このタイヤ空洞領域内の雰囲気情報を検知して、タイヤ空洞領域外へ無線で送信するタイヤ情報送信装置であって、
タイヤ空洞領域内の雰囲気情報を検知するセンサと、
このセンサの検知信号を処理する処理回路およびこの処理した信号を無線で送信する送信回路を備える回路基板と、
前記処理回路および前記送信回路の駆動のための電力を供給する、内部抵抗が5Ω以下であり、かつ質量エネルギー密度が130mAh/g以上の電池と、を有することを特徴とするタイヤ情報送信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−15884(P2006−15884A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196223(P2004−196223)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】