説明

タイヤ洗浄装置及びこの装置用すのこユニット

【課題】 車両のタイヤの付着物を効率よく除去できるタイヤ洗浄装置を提供する。
【解決手段】 タイヤ洗浄装置1は、車両が通行可能に形成されるとともに水が溜められるプール2と、プール2内の水中に浸かるように配設されかつプール2内を通行する車両に対する路面を成す左側すのこ部21a,31a及び右側すのこ部21b,31bを具備する。各すのこ部は、車両通行方向に間隔的に並べられた複数の下部材と、これら下部材にわたって斜状に、かつ、互いに間隔を置いて平行に前記下部材に固定された複数の上部材とを備える。各上部材はタイヤの溝に入り込める太さの棒材である。左側すのこ部の各上部材と右側すのこ部の各上部材とを、それらの離間距離が車両通行方向下流側ほど広がるように互いに逆に傾けたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックやダンプカー等のタイヤに付着した鉄鋼スラグや土等の付着物を除去するタイヤ洗浄装置及びこの装置に用いるすのこユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ダンプカーなどの車両が通行可能なプールの水中に、車両のタイヤに変形を与える変形付与部材を設けて、プールを通行する車両のタイヤを局部的に変形させることにより、タイヤの表面や溝に嵌って付着した土や泥等を除去するタイヤ洗浄装置が、従来技術として知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0003】
特許文献1のタイヤ洗浄装置の変形付与部材は、プール底部からの立ち上がり部と上面の平面部を有したH形鋼等からなる多数の桁材であり、これらは、プールに対する車両の通行方向と直角で、かつ、通行方向に沿って所定間隔で並べられている。これにより、隣り合う桁材を車両のタイヤが通過する際に水中に浸かったタイヤに局部的な変形を与えることができる。
【0004】
特許文献2のタイヤ洗浄装置の変形付与部材は、L形鋼材等からなる複数の凸部であり、これらは、プールの底の両側に配列されていて、しかも、プールに対する車両の通行方向と直角で、かつ、通行方向に沿って所定間隔で並べられている。これにより、車両の水中に浸かったタイヤが凸部に載って転がることでタイヤに局部的な変形を与えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6−53338号公報
【特許文献1】特開2004−237913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2に記載のタイヤ洗浄装置は、タイヤの溝を拡大させるようにタイヤを局部的に変形させる多数の変形付与部材を、車両の通行方向に直交して配設しているので、プールを車両が通行する際におけるタイヤの変形付与部材への接触長さが、タイヤ幅に制限され、タイヤを変形させる機会が比較的少ない。このため、タイヤの洗浄効率が良くない。タイヤの付着物が十分に除去されるようにするには、変形付与部材の使用数を増やしてプールを長く形成する必要があるが、そうすると、設置コストが高くかつ設置場所も広く必要とすることがある。
【0007】
更に、特許文献1,2のタイヤ洗浄装置は、並べられた変形付与部材でタイヤを局部的に変形させながら車両をプールに通行させるので、車両の上下方向の動きがタイヤの局部的変形により吸収されて、プールを低速で通行する車両は殆ど振動することなくプールを通行する。このように専らタイヤを局部的に変形させることでタイヤの付着物を除去するので、タイヤの洗浄効率がよくない。この点でも、タイヤの洗浄効率を高めるためには、変形付与部材の使用数を増やしてプールを長く形成する必要があるが、そうすると、設置コストが高くかつ設置場所も広く必要とすることがある。
【0008】
したがって、本発明の目的は、車両のタイヤの付着物を効率よく除去できるタイヤ洗浄装置及びこの装置用すのこユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、請求項1の発明のタイヤ洗浄装置は、車両が通行可能に形成されるとともに水が溜められるプールと、このプール内に水中に浸かるように配設され、かつ、前記プール内を通行する前記車両の左タイヤが接する路面を成す左側すのこ部と、前記プール内に水中に浸かって配設され、かつ、前記プール内を通行する前記車両の右タイヤが接する路面を成す右側すのこ部と、を具備し、左右の前記すのこ部の夫々が、前記車両の通行方向に間隔的に並べられた複数の下部材と、これら下部材にわたって斜状に、かつ、互いに間隔を置いて前記下部材に固定されるとともに、前記タイヤの溝に入り込める太さの棒材からなる複数の上部材とを備え、前記左側すのこ部の各上部材と前記右側すのこ部の各上部材とが、これらの離間距離が前記車両の通行方向下流側ほど広がるように互いに逆に傾けられていることを特徴としている。
【0010】
この発明で、プールは、地面より下側に形成されていても、上側に形成されていても良く、後者の場合には、地面からプールの入口部にわたる車両の導入スロープと、プールの出口部から地面にわたる車両の導出スロープを設けて実施すればよい。この発明で、左側すのこ部と右側すのこ部は、互いに独立して設置されていても、或いは請求項2の発明のようにユニットとして構成されたすのこの左右両側部からなる部位で形成されていても差し支えない。この発明で、各下部材には、H形、I形、溝形等の形鋼を好適に用いることができるが、廃レール等を用いることも可能である。
【0011】
この発明で、各上部材をなす棒材には、鋼製の丸棒や角棒等を好適に用いることができるとともに、これら上部材は真っ直ぐな棒材に制約されるものではなく、例えば、ある特定のタイヤの溝のパターンに適合して、この溝が上部材に嵌ることが可能となるような形状に少なくとも一箇所の曲げ部を有して折れ曲がっていても差し支えない。この発明で、各すのこ部は、プールの底に水平に設置されていても、或いはプールの出口部側に行くほど高くなるように傾斜して設置されていても良い。
【0012】
この発明は、例えば鉄鋼スラグヤード、又は製鉄原料ヤード、或いは製鉄ダストの脱処理ヤード等の作業場に設置して実施することが可能である。
【0013】
請求項1の発明では、プールを車両が通行するに伴って、水中に配置された左右のすのこ部上を車両のタイヤが転がり動く。この場合、左右のすのこ部が有した斜めの上部材は、は、タイヤの幅方向ではなくこの幅方向に斜めに交差する方向に沿うようにタイヤに接するので、上部材がタイヤを局部的に変形させる長さを長く確保できる。加えて、既述の局部的変形を伴ってタイヤが上部材に乗り上げ、かつ、これと時期をずらしてタイヤの溝が上部材に嵌ってタイヤが下降される。こうした挙動を繰り返しながら、左右のすのこ部上をタイヤが通過するので、タイヤ及び車体に対して上下方向の振動を付与できる。したがって、車両のタイヤの付着物を効率よく除去することが可能である。
【0014】
請求項2の発明のタイヤ洗浄装置は、請求項1において、前記左側すのこ部の下部材と右側すのこ部の下部材とが一体であって、左右の前記すのこ部をユニット化したことを特徴としている。
【0015】
この請求項2の発明では、請求項1において、更に、左右のすのこ部がユニット化されているので、その取扱いやプールへの設置作業が容易となる。
【0016】
請求項3の発明のタイヤ洗浄装置は、請求項1又は2において、前記プール内でしかも左右の前記すのこ部より前記車両の通行方向下流側でかつ水面より高い位置に、左右の前記すのこ部と同様な構成の左右の下流側すのこ部を配設したことを特徴としている。
【0017】
この発明で、下流側すのこ部は、水中に設置された左右の(上流側)すのこ部と連続していても、非連続であっても差し支えないとともに、下流側すのこ部は、水平に配設されていても斜めに配設されていても良い。
【0018】
この請求項3の発明では、請求項1又は2において、更に、プール内で水中から出た場所で、下流側すのこ部により、これを通過しようとするタイヤに対して更に局部的な変形と振動を与えるので、タイヤの水切りをしながら、水中の(上流側)すのこ部で除去し切れなかった付着物を除去することが可能であり、付着部の除去信頼性を向上できる。
【0019】
請求項4の発明のタイヤ洗浄装置は、請求項3において、前記下流側すのこ部とこれに対し前記車両の通行方向上流側に配設された左右の前記すのこ部とを、連続させかつ前記プールの上下方向に斜めに配設したことを特徴としている。
【0020】
この請求項4の発明では、請求項3において、更に、水中のすのこ部と水上の下流側すのこ部との間にタイヤの転がりを邪魔するような構成がないので、車両をプールに円滑に通行させることが可能である。しかも、その際、積載重量が軽い車両が、上下方向に斜めの各すのこ部において下部材が延びる方向にスリップしようとする場合、このスリップを、プールの幅方向に対して斜めに配設された各上部材により抑制して、車両をプールに円滑に通行させることが可能である。
【0021】
請求項5の発明のタイヤ洗浄装置は、請求項3又は4において、前記下流側すのこ部が有した複数の上部材の配設ピッチが、前記上流側に配設されたすのこ部が有した複数の前記上部材の配設ピッチより狭いことを特徴としている。
【0022】
この請求項5の発明では、請求項3又は4において、更に、水上でタイヤに与える局部変形及び振動を、水中のすのこ部よりも細かく下流側すのこ部で与えることができるので、タイヤの水切りができるとともに、水中のすのこ部で除去し切れなかった付着物の除去信頼性をより向上できる。
【0023】
請求項6の発明のタイヤ洗浄装置は、請求項1から5のいずれかにおいて、前記各上部材の角度が40°〜50°であることを特徴としている。
【0024】
この請求項6の発明では、請求項1から5のいずれかにおいて、更に、各上部材の角度がプールを通過しようとするダンプカーやトラック等の車両のタイヤが有した溝の角度と略同じであるので、タイヤの溝が上部材に嵌リ易い。そのため、タイヤに振動を与え易い点で好ましい。
【0025】
請求項7の発明のタイヤ洗浄装置は、請求項1から6のいずれかにおいて、前記各下部材がH形鋼又はI形鋼からなり、これら形鋼のウェブを縦にするとともにフランジを横にした状態で前記各下部材が設けられているとともに、前記ウェブの上端に連続したフランジの上面に前記各上部材を固定したことを特徴としている。
【0026】
この請求項7の発明では、請求項1から6のいずれかにおいて、更に、タイヤの溝が上部材に嵌リ終わった際に、タイヤを形鋼のフランジで支持できるので、上部材に車両の重量が集中して過度に加わり、上部材を変形させることを抑制可能である。
【0027】
請求項8の発明のタイヤ洗浄装置は、請求項1から7のいずれかにおいて、前記プールの近傍に設置されて前記プールより深い沈殿ピットを更に備え、この沈殿ピットの底部と前記プールの底部とを連通させたことを特徴としている。
【0028】
この請求項8の発明では、請求項1から7のうちのいずれかにおいて、更に、プール内に落とされたタイヤの付着物を、沈殿ピットに移動させ沈殿させて溜めて置くことができる。そのため、付着物及びこれを含んだ水を処理する場合に、サンドポンプ等により沈殿ピットから汲み出すことが可能である。
【0029】
又、前記課題を解決するために、請求項9の発明のタイヤ洗浄装置用すのこユニットは、プールを通行する車両のタイヤが通過するように前記プール内の水中に配設して使用されるタイヤ洗浄装置用すのこユニットであって、上端に平らな上端部位を有して間隔的に並べられて前記プールの幅方向に延びた形鋼製の複数の下部材と、前記通行方向を基準に前記各下部材の長手方向中央と左端との間に、前記車両の左タイヤが接する路面を前記上端部位とともに形成して前記各下部材にわたって斜めに、かつ、互いに間隔を置いて前記上端部位上に固定され、前記各下部材とともに左側すのこ部を形成する複数の左側上部材と、前記通行方向を基準に前記各下部材の長手方向中央と右端との間に、前記車両の右タイヤが接する路面を前記上端部位とともに形成して前記各下部材にわたって斜めに、かつ、互いに間隔を置いて前記上端部位上に固定され、前記各下部材とともに右側すのこ部を形成する複数の右側上部材と、を具備し、左右の前記各上部材の太さが前記タイヤの溝に入り込める太さであるとともに、前記各左側上部材と前記各右側上部材とが、これらの離間距離が前記車両の通行方向下流側ほど広がるように互いに逆に傾けられていることを特徴としている。
【0030】
この請求項9の発明のすのこユニットは、請求項2の発明のタイヤ洗浄装置に使用されるものである。したがって、この請求項9の発明のすのこユニットをタイヤ洗浄装置に用いることにより、車両のタイヤの付着物を効率よく除去することが可能である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、車両のタイヤに付着した付着物を効率よく除去できるタイヤ洗浄装置を提供可能である、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態に係るタイヤ洗浄装置の一部を示す斜視図である。
【図2】図1のタイヤ洗浄装置を示す平面図である。
【図3】図2中F3−F3線に沿ってタイヤ洗浄装置を示す断面図である。
【図4】図2中F4−F4線に沿ってタイヤ洗浄装置を示す断面図である。
【図5】図1のタイヤ洗浄装置が備える上流側すのこユニットを示す平面図である。
【図6】図1のタイヤ洗浄装置が備える下流側すのこユニットを示す平面図である。
【図7】洗浄されるタイヤの一例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るタイヤ洗浄装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図7を参照して詳細に説明する。
【0034】
図1〜図4中符号1は、例えば製鉄スラグヤードで作業をしたトラックやダンプカー又はショベルカー等の車両のタイヤに付着した鉄鋼スラグや土等の付着物を除去するタイヤ洗浄装置を示している。このタイヤ洗浄装置1は、プール2と、沈殿ピット4と、ガードレール8と、複数の主桁11(図4参照)と、上流側すのこユニット21(図5参照)と、下流側すのこユニット31(図6参照)等を具備している。
【0035】
プール2は製鉄スラグヤードの地面にコンクリートを打設して設置される。プール2は平面視長方形状であり、その長手方向の長さは例えば約30m、プール幅は例えば10トンを超える大きさのダンプカー等の車両が通過できるように例えば6mを超える幅に形成されている。プール2の周囲はアスファルトで舗装されている。
【0036】
プール2は、その長手方向一端部に入口部2aを有し、かつ、長手方向他端部に出口部2bを有している。これら入口部2a及び出口部2bの上面は平坦であり、これらの上面は地面と同じ高さである。
【0037】
図3に示すようにプール2は、入口部2aに連続し、かつ、この入口部2aから遠ざかるほど低くなる下降底壁部2cと、この下降底壁部2cに連続する水平な底壁部2dと、この底壁部2cから出口部2bにわたって設けられかつ出口部2bに近付くほど高くなる上昇底壁部2eと、一側壁2hと、この一側壁2hに対してプール2の幅方向に対向する他側壁2iを有している。
【0038】
図3及び図4に示すように上昇底壁部2eは凹部となっていて、この上昇底壁部2eの最も下がっている部位に溝2gが設けられている。溝2gはプール2の幅方向(長手方向と直交する方向)に延びている。この溝2gに向けて上昇底壁部2eの上面(底面)は次第に下がっている。一側壁2h及び他側壁2iは、プール2の長手方向に延びているとともに、それらの上端が、一般的なダンプカーやトラックなどの車両がプール2を通行するときのタイヤの上端の高さと略同じとなるように設けられている。
【0039】
排水用の沈殿ピット4はプール2の他側壁2iの外面に連続して設けられている。この沈殿ピット4は、コンクリート製であって、プール2より深いとともに、プール2の上端よりも高く形成されている。この沈殿ピット4の底部は図1に示す配管5を通じて溝2gに連通されている。配管5は、溝2gから沈殿ピット4の底部に向けて次第に下がるように傾斜して設けられている。
【0040】
図1及び図4中符号6は沈殿ピット4の上端から上方に突出して設置された転落防止用の防護柵を示している。沈殿ピット4にはサンドポンプPの吸入口が連通されている。このサンドポンプPの吐出し口は図示しない処理設備に連通されている。この処理設備は、沈殿ピット4からサンドポンプPで吸い出された廃液などの処理対象物を無害化する設備である。サンドポンプPで排水をする際、排水量と略同量の水をプール2内に補給する給水設備をプール2に付設することが好ましい。こうして給排水することは、プール2内の沈殿したスラグをより容易に排出できる利点がある。
【0041】
図1及び図2のみに図示したガードレール8は、プール2に対して側方からの不用意な侵入を抑制するためのもので、プール2の一側壁2h上に設置されている。
【0042】
複数の主桁11は、上流側すのこユニット21と下流側すのこユニット31を下方から支持する部材である。これらの主桁11は、上昇底壁部2e上に設置されているとともに、プール2の長手方向に延びていて、かつ、プール2の幅方向に一定間隔を置いて互いに平行に設けられている。各主桁11は出口部2bに近付くほど高くなるように上下方向に傾斜されている。各主桁11の傾斜下端側の部位は、溝2gの上端開口を横切っている。
【0043】
これらの主桁11には例えばH形鋼が使用されている。各主桁11は、縦にした状態のウェブ11aの下側に連続したフランジ11bを上昇底壁部2eに固定して設置されている。なお、主桁11には、H形鋼に代えて、I形鋼、又は溝形鋼、或いは廃レール等を用いることも可能である。
【0044】
主桁11上に複数の上流側すのこユニット21と複数の下流側すのこユニット31とが連続して配設されている。したがって、これら上流側すのこユニット21と下流側すのこユニット31は、車両の通行方向下流側ほど、言い換えれば、出口部2b側ほど高くなるようにプール2に対して上下方向に傾斜して設置されている。
【0045】
次に、上流側すのこユニット21について説明する。図5に示すように上流側すのこユニット21は、複数の下部材22と、車両の通行方向を基準に複数の左側上部材23と、同じく車両の通行方向を基準に複数の右側上部材24とを具備している。
【0046】
各下部材22は、プール2を通行する車両の通行方向と交叉して、好ましくは直交している。したがって、各下部材22は、各主桁11に対しても好ましくは直交する方向に延びている。これら下部材22は、プール2及び各主桁11の長手方向に間隔的に並べられていて、好ましくは一定間隔で並べられている。これらの下部材22には形鋼例えばH形鋼が用いられている。図4に示すようにウェブ22aの両端に夫々フランジ22b,22cが連続して設けられている。H形鋼は、そのウェブ22aを縦にするとともにフランジ22b,22cを横にした状態で、かつ、下側のフランジ22cが主桁11の上に支持されている。上側のフランジ22bは平らな上端部位として用いられている。
【0047】
なお、図4中符号25は下部材22から下向きに突設された係合片を示している。これらの係合片25は、主桁11の上側のフランジ11cに側方向から接触可能であり、この係合によってプール2の幅方向への上流側すのこユニット21の移動を防止することができる。
【0048】
複数の左側上部材23と右側上部材24は、いずれも鋼材製の丸棒からなり、それらの太さは、プール2を通行する車両のタイヤに形成された溝に入り込める太さとなっており、例えば直径19mmである。なお、図7にシャベルカーのタイヤTを示す。このタイヤTはそのトレッド面に所定パターンで溝Mが形成されており、溝MはタイヤTのサイドウォールにも開放されている。溝Mのサイドウォール側の部分は略45°の角度となっている。こうしたタイヤTのサイドウォール側での溝Mの傾きは、ダンプカーやトラック等のタイヤにおいても同様である。
【0049】
図5に示すように複数の左側上部材23は、プール2に対する車両の通行方向を基準に下部材22の長手方向中央と左端との間に位置されて、各下部材22の上端部位上に溶接等で固定され、各下部材22とともに左側すのこ部21aを形成している。これら左側上部材23は、各下部材22にわたって斜めに、かつ、互いに間隔を置いて、しかも、好ましくは互いに平行に固定されている。左側すのこ部21aは、その上を通行する車両の左タイヤが接する路面を形成している。左側上部材23の配設ピッチは例えば150mmとすることが好ましい。
【0050】
同様に、図5に示すように複数の右側上部材24は、プール2に対する車両の通行方向を基準に下部材22の長手方向中央と右端との間に位置されて、各下部材22の上端部位上に溶接等で固定され、各下部材22とともに右側すのこ部21bを形成している。これら左側上部材24は、各下部材22にわたって斜めに、かつ、互いに間隔を置いて、しかも好ましくは互いに平行に固定されている。右側すのこ部21bは、その上を通行する車両の右タイヤが接する路面を形成している。右側上部材24の配設ピッチは例えば150mmとすることが好ましい。
【0051】
プール2の長手方向に対して斜めに交差するように設けられた各複数の左側上部材23と複数の右側上部材24とは、これらの離間距離が車両の通行方向下流側ほど広がるように互いに逆に傾けられている。図5中矢印は左側上部材23と右側上部材24とが離間する方向を示している。プール2の長手方向に対する左側上部材23と右側上部材24の角度は40°〜50°であり、角度が40°未満又は50°を超えると、タイヤTの溝Mが左側上部材23と右側上部材24に適正に嵌り難くなり、前記角度が45°である場合が、最も容易かつ適正にタイヤTの溝Mが左側上部材23と右側上部材24に嵌り易い。
【0052】
複数の左側上部材23とこれらと同数の右側上部材24とは、上流側すのこユニット21の中心線を境に例えば線対称であるが、そうでなくてもよい。実施形態1では左側すのこ部21aと右側すのこ部21bに対して各下部材22は共通して用いられている。こうして左側すのこ部21aと右側すのこ部21bがユニット化されているので、両すのこ部が独立している場合に比較して、その取扱いやプール2への設置作業が容易である。
【0053】
次に、下流側すのこユニット31について説明する。下流側すのこユニット31は、上流側すのこユニット21に対して車両の通行方向下流側に、この上流側すのこユニット21に連続して配設されている。この下流側すのこユニット31は、図6に示すように上流側すのこユニット21と同様な構成であり、複数の下部材32と、複数の左側上部材33と、複数の右側上部材34とを具備している。
【0054】
各下部材32は、プール2を通行する車両の通行方向と交叉して、好ましくは直交して、したがって、各主桁11に対しても好ましくは直交する方向に延びていて、かつ、プール2及び各主桁11の長手方向に間隔的に並べて、好ましくは一定間隔で並べて設置されている。これらの下部材32には前記下部材22と同じく形鋼例えばH形鋼が用いられていて、そのプール2への配設も下部材32と同じである。つまり、下部材32をなすH形鋼は、そのウェブの両端に夫々フランジが連続して設けて形成され、更にフランジ間に複数の補強板が所定間隔で溶接されている。下部材32は、そのウェブを縦にするとともにフランジを横となるように配した状態で、かつ、下側のフランジが主桁11上に支持されている。上側のフランジは平らな上端部位として用いられている。
【0055】
複数の左側上部材33と右側上部材34は、いずれも鋼製の丸棒からなり、それらの太さは、プール2を通行する車両のタイヤTに形成された溝Mに入り込める太さとなっており、例えば直径19mmである。
【0056】
複数の左側上部材33は、プール2に対する車両の通行方向を基準に下部材32の長手方向中央と左端との間に位置されて、各下部材32の上端部位上に溶接等で固定され、各下部材32とともに左側すのこ部31aを形成している。これら左側上部材33は、各下部材32にわたって斜状に、かつ、互いに間隔を置いて、しかも、好ましくは互いに平行に固定されている。左側すのこ部31aは、その上を通行する車両の左タイヤが接する路面を形成している。左側上部材33の配設ピッチは、上流側すのこユニット21での左側上部材23の配設ピッチより狭く例えば75mmとすることが好ましい。
【0057】
同様に、複数の右側上部材34は、プール2に対する車両の通行方向を基準に下部材32の長手方向中央と右端との間に位置されて、各下部材32の上端部位上に溶接等で固定され、各下部材32とともに右側すのこ部31bを形成している。これら左側上部材34は、各下部材32にわたって斜状に、かつ、互いに間隔を置いて、しかも好ましくは互いに平行に固定されている。右側すのこ部31bは、その上を通行する車両の右タイヤが接する路面を形成している。右側上部材34の配設ピッチも、上流側すのこユニット21での右側上部材34の配設ピッチより狭く例えば75mmとすることが好ましい。
【0058】
各複数の左側上部材33と複数の右側上部材34とは、これらの離間距離が車両の通行方向下流側ほど広がるように互いに逆に傾けられている。図6中矢印は左側上部材33と右側上部材34とが離間する方向を示している。プール2の長手方向に対する左側上部材33と右側上部材34の角度は40°〜50°であり、角度が40°未満又は50°を超えると、タイヤTの溝Mが左側上部材33と右側上部材34に適正に嵌り難くなり、前記角度が45°である場合が、最も容易かつ適正にタイヤTの溝Mが左側上部材33と右側上部材34に嵌り易い。
【0059】
複数の左側上部材33とこれらと同数の右側上部材34とは、下流側すのこユニット31の中心線を境に例えば線対称であるが、そうでなくてもよい。左側すのこ部31aと右側すのこ部31bに対して各下部材32は共通して用いられている。こうして左側すのこ部31aと右側すのこ部31bがユニット化されているので、両すのこ部が独立している場合に比較して、その取扱いやプール2への設置作業が容易である。
【0060】
前記各上流側すのこユニット21と、各下流側すのこユニット31は、主桁11上に敷き詰めるように配設されているので、主桁11に対して固定してあっても固定しなくてもよい。これら主桁11と、各上流側すのこユニット21と、各下流側すのこユニット31とは、すのこ装置を形成している。このすのこ装置は、プール2に対してその出口部2b側ほど高くなるように傾斜してプール2に設置されている。下流側すのこユニット31の傾斜上端部の高さは、出口部2bと略同じ高さである。
【0061】
出口部2bはグレーチング溝37(図3参照)を有している。グレーチング溝37は、プール2の幅方向全幅にわたって延びる溝部と、この溝部の中央とプール2内とを連通した溝部とを有して平面視T字形状をなしている。このグレーチング溝37の上端開口は多数のスロットを有した金属製のグレーチング38で覆われている。
【0062】
タイヤ洗浄装置1は、そのプール2に水を溜めて使用される。溜められた水の水位Hを図3中に二点鎖線で示す。この水位Hは、上流側すのこユニット21と下流側すのこユニット31とが連続する部位の高さと略同じになるように設定されている。これにより、上流側すのこユニット21は水中に浸かって配設され、下流側すのこユニット31はプール2の水面より高い位置に配設されるとともに、最深部でプール2を通行する車両のタイヤTの下端からタイヤ径の略1/3が浸かることができるようになっている。
【0063】
前記構成のタイヤ洗浄装置1で鉄鋼スラグヤードから公道に出ようとする車両のタイヤTを洗浄するには、車両を、最徐行の速度で、タイヤ洗浄装置1のプール2をその入口部2aから出口部2bに向けて通行させる。この通行中に、すのこ装置をタイヤTが通過することで、このタイヤTが洗浄される。
【0064】
即ち、プール2を車両が通行するに伴って、水中に配置された上流側すのこユニット21の左側すのこ部21aと右側すのこ部21b上を車両の左右のタイヤTが転がり動くとともに、これに引き続いて、同様に、水上の下流側すのこユニット31の左側すのこ部31aと右側すのこ部31b上を車両の左右のタイヤTが転がり動く。
【0065】
そのため、水中において、左側すのこ部21aが有した斜めの左側上部材23と右側すのこ部21bすのこ部21bが有した斜めの右側上部材24は、タイヤTに対して、その幅方向ではなく、相対的にタイヤTの幅方向に斜めに交差する方向に接する。これにより、左側上部材23がその上を通過する左側のタイヤTを局部的に変形させる長さを長く確保できるとともに、同様に、右側上部材24がその上を通過する右側のタイヤTを局部的に変形させる長さを長く確保できる。
【0066】
加えて、既述の局部的変形を伴い左右のタイヤTが左側上部材23と右側上部材24に乗り上げ、これと時期をずらしてタイヤTの溝Mが左側上部材23と右側上部材24に嵌ってタイヤTが下降される挙動を繰り返しながら、上流側すのこユニット21をタイヤTが通過するので、タイヤTとともに車体に上下方向に振動が付与される。
【0067】
したがって、以上のような左右の各上部材23,24のタイヤTに対する接触の機会が増えて、それによるタイヤTの局部的変形の付与と、タイヤTへの上下振動の付与により、車両のタイヤTに付着している鉄鋼スラグや土・泥等の付着物を水中で効率よく除去することができる。
【0068】
こうした洗浄において、車両の通行方向に対する左側上部材23と右側上部材24の角度が略45°で、この角度はダンプカーやトラック等の車両のタイヤTの溝Mの角度と略同じである。これにより、タイヤTの溝Mが左右の上部材23,24に嵌リ易く、タイヤTに確実に振動を与えることが可能である。
【0069】
しかも、H形鋼からなる各下部材22のウェブ22aの上端に連続したフランジ22bの上面に左右の各上部材23,24が固定されているので、タイヤTの溝Mが上部材23,24に嵌リ終わった際に、タイヤTがH形鋼のフランジ22bで支持される。このため、各上部材23,24に車両の重量が過度に加わって、これら上部材23,24を変形させることを抑制することができる。
【0070】
以上の洗浄に引き続いて、車両のタイヤTは、水中の上流側すのこユニット21に対して車両の通行方向下流側に配設された水上の下流側すのこユニット31を通過する。この場合、下流側すのこユニット31は上流側すのこユニット21に隙間なく連続し、このユニット21と同じ角度で斜めに配設されていて、上流側すのこユニット21と下流側すのこユニット31の間に、通行の支障となる段差などの境がない。このため、下流側すのこユニット31に車両を円滑に乗り移らせて、この車両をプール2に通行させることが可能である。
【0071】
そして、上流側すのこユニット21と同様な構成の下流側すのこユニット31は、その左側すのこ部31aと右側すのこ部31bとで、この上を通過しようとするタイヤTに対して更に局部的な変形と振動を与える。このため、水中の上流側すのこユニット21で除去し切れなかった付着物を、水切りしながら除去することができ、その除去信頼性が高い。
【0072】
この場合、下流側すのこ部31a,31bが有した複数の上部材33,34の配設ピッチは、下流側すのこ部21a,21bが有した複数の上部材23,24の配設ピッチより狭い。このため、水中の上流側すのこユニット21よりも下流側すのこユニット31の方が、細かい局部的変形及び振動をタイヤTに与えるので、水中のすのこ部で除去し切れなかった付着物の除去信頼性をより向上できる
そして、既述のように効率よく付着物をタイヤTから除去できるので、プール2の長さが短くてすみコンパクトなタイヤ洗浄装置1を構成でき、それに伴い、タイヤ洗浄装置1の設置コストを低減できかつ設置場所も小さくすることが可能である。
【0073】
更に、前記水切りによって、プール2の出口部2bに連続する道路面が、鉄鋼スラグや泥等で汚されることを抑制でき、仮に、道路面が汚されることがあってもその範囲を短くできるので、環境汚染対策上好ましい。なお、車両がプール2を通行する際、プール2内の水が車両の進行方向に押し動かされるが、その水は、グレーチング溝37に流入しすのこ装置の下側に戻されるので、出口部2bを越えてプール2から出ることが防止される。
又、以上のように洗浄される車両の積載重量が軽い場合、この車両がすこの装置上を、下部材22,32が延びる方向にスリップしようとすることがある。しかし、上流側すのこユニット21の左右の上部材23,24が互いに逆を向いて斜めに配設されているとともに、下流側すのこユニット31の左右の上部材33,34も互いに逆を向いて斜めに配設されているので、前記スリップを抑制可能である。このため、車両をプール2に円滑に通行させることができる。
【0074】
以上のタイヤ洗浄によって、タイヤTから除去された鉄鋼スラグ等の付着物は、すのこ装置の隙間などを通ってプール2の底部に沈殿される。この沈殿物は、プール2内の水が沈殿ピット4に吸い込まれるに伴って、プール2より深い沈殿ピット4内に移動されて、サンドポンプPにより吸い出されて適宜処理装置で処理される。
【0075】
なお、第1実施形態において上流側すのこユニット21と下流側すのこユニット31は、同じ構成でも良い。この場合、水中に浸ったすのこ装置の部位が上流側すのこユニットをなし、水上に配設されたすのこ装置の部位が下流側すのこユニットをなす。このような構成でも、本発明の課題を解決することが可能である。
【0076】
次に、図8を参照して本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態の構成と同様な構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略し、以下、第1実施形態とは異なる構成のみを説明する。
【0077】
第2実施形態では、第1実施形態で説明したすのこ装置が左右に分割されている。したがって、第1実施形態で説明した上流側すのこユニットと下流側すのこユニットの代わりに、左側すのこユニット41と右側すのこユニット42とが用いられている。
【0078】
左側すのこユニット41は、第1実施形態で説明した主桁11の左側部位と、水中に設置された上流側の左側すのこ部21aと、これに連続して水上に配設された下流側の左側すのこ部31aとで形成されている。同様に、右側すのこユニット42は、第1実施形態で説明した主桁11の右側部位と、水中に設置された上流側の右側すのこ部21bと、これに連続して配設された配設された下流側の右側すのこ部31bとで形成されている。
【0079】
これにより、水中に配設された上流側の左側すのこ部21aと右側すのこ部21bとが独立して夫々設けられているとともに、水上に配設された下流側の左側すのこ部31aと右側すのこ部31bとが独立して夫々設けられている。
【0080】
以上の説明以外の構成は、図8に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。したがって、この第2実施形態のタイヤ洗浄装置においても、第1実施形態で既に説明した理由によって、本発明の課題を解決して、プール2を通行する車両のタイヤTに付着された鉄鋼スラグ等の付着物を効率よく除去することができる。
【0081】
なお、本発明は前記両実施形態に制約されない。例えば、すのこ装置が配設されたプール2を複数直線的に連続して設けた構成として実施することも可能である。
【符号の説明】
【0082】
1…タイヤ洗浄装置
2…プール
2e…上昇底壁部
4…沈殿ピット
11…主桁
21…上流側すのこユニット
21a…左側すのこ部
21b…右側すのこ部
22…下部材
22a…ウェブ
22b…フランジ(上端部位)
23…左側上部材
24…右側上部材
31…上流側すのこユニット
31a…左側すのこ部
31b…右側すのこ部
32…下部材
32a…ウェブ
32b…フランジ
33…左側上部材
34…右側上部材
H…水位
T…タイヤ
M…タイヤの溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が通行可能に形成されるとともに水が溜められるプールと、
このプール内に水中に浸かるように配設され、かつ、前記プール内を通行する前記車両の左タイヤが接する路面を成す左側すのこ部と、
前記プール内に水中に浸かって配設され、かつ、前記プール内を通行する前記車両の右タイヤが接する路面を成す右側すのこ部と、を具備し、
左右の前記すのこ部の夫々が、前記車両の通行方向に間隔的に並べられた複数の下部材と、これら下部材にわたって斜状に、かつ、互いに間隔を置いて前記下部材に固定されるとともに、前記タイヤの溝に入り込める太さの棒材からなる複数の上部材とを備え、
前記左側すのこ部の各上部材と前記右側すのこ部の各上部材とが、これらの離間距離が前記車両の通行方向下流側ほど広がるように互いに逆に傾けられていることを特徴とするタイヤ洗浄装置。
【請求項2】
前記左側すのこ部の下部材と右側すのこ部の下部材とが一体であって、左右の前記すのこ部をユニット化したことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ洗浄装置。
【請求項3】
前記プール内でしかも左右の前記すのこ部より前記車両の通行方向下流側でかつ水面より高い位置に、左右の前記すのこ部と同様な構成の左右の下流側すのこ部を配設したことを特徴する請求項1又は2に記載のタイヤ洗浄装置。
【請求項4】
前記下流側すのこ部とこれに対し前記車両の通行方向上流側に配設された左右の前記すのこ部とを、上下方向に斜めに配設したことを特徴とする請求項3に記載のタイヤ洗浄装置。
【請求項5】
前記下流側すのこ部が有した複数の上部材の配設ピッチが、前記上流側に配設されたすのこ部が有した複数の前記上部材の配設ピッチより狭いことを特徴とする請求項3又は4に記載のタイヤ洗浄装置。
【請求項6】
前記各上部材の角度が40°〜50°であることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載のタイヤ洗浄装置。
【請求項7】
前記各下部材がH形鋼又はI形鋼からなり、これら形鋼のウェブを縦にするとともにフランジを横にした状態で前記各下部材が設けられているとともに、前記ウェブの上端に連続したフランジの上面に前記各上部材を固定したことを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか一項に記載のタイヤ洗浄装置。
【請求項8】
前記プールの近傍に設置されて前記プールより深い沈殿ピットを更に備え、この沈殿ピットの底部と前記プールの底部とを連通させたことを特徴とする請求項1から7のうちのいずれか一項に記載のタイヤ洗浄装置。
【請求項9】
プールを通行する車両のタイヤが通過するように前記プール内の水中に配設して使用されるタイヤ洗浄装置用すのこユニットであって、
上端に平らな上端部位を有して間隔的に並べられてプールの幅方向に延びる形鋼製の複数の下部材と、
前記通行方向を基準に前記各下部材の長手方向中央と左端との間に、前記車両の左タイヤが接する路面を前記上端部位とともに形成して前記各下部材にわたって斜めに、かつ、互いに間隔を置いて前記上端部位上に固定され、前記各下部材とともに左側すのこ部を形成する複数の左側上部材と、
前記通行方向を基準に前記各下部材の長手方向中央と右端との間に、前記車両の右タイヤが接する路面を前記上端部位とともに形成して前記各下部材にわたって斜めに、かつ、互いに間隔を置いて前記上端部位上に固定され、前記各下部材とともに右側すのこ部を形成する複数の右側上部材と、
を具備し、
左右の前記各上部材の太さが前記タイヤの溝に入り込める太さであるとともに、前記各左側上部材と前記各右側上部材とが、これらの離間距離が前記車両の通行方向下流側ほど広がるように互いに逆に傾けられていることを特徴とするタイヤ洗浄装置用すのこユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−144077(P2012−144077A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2150(P2011−2150)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000200301)JFEミネラル株式会社 (79)
【出願人】(511007635)株式会社 松原組 (1)
【Fターム(参考)】