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タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
説明

タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

【課題】低燃費性を向上できるタイヤ用ゴム組成物、及び該タイヤ用ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、サイドウォールパッキング、ベーストレッド、及び/又はブレーカークッション)に用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと、下記式(1)及び/又は下記式(2)で表される化合物と、カーボンブラックとを含み、ゴム成分100質量%中の改質天然ゴムの含有量が80質量%以上、カーボンブラックの含有量が、ゴム成分100質量部に対して20〜60質量部、下記式(1)及び下記式(2)で表される化合物の合計含有量が、カーボンブラック及びシリカの合計100質量部に対して0.5〜8質量部であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
[化1]


[式(1)中、pは2〜8の整数を表す。式(2)中、qは2〜8の整数を表す。Mr+は金属イオンを表し、rはその価数を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、輸送業界では、燃料代の高騰や環境規制の導入による経費増大等の理由から、低燃費性に優れたタイヤが望まれている。そのため、タイヤの大部分を占めるキャップトレッドゴムだけではなく、内部部材であるサイドウォールパッキング、ベーストレッド、ブレーカークッション等においても低燃費性の向上が求められている。
【0003】
特許文献1〜3では、低燃費性の向上を目的として、シリカを含む配合において、ゴムに特定の極性基を付加することによりシリカと親和性を持たせ、シリカの分散性を高め、低燃費性に優れたゴム組成物を得る方法が記載されているが、他の方法の提供も求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−114939号公報
【特許文献2】特開2005−126604号公報
【特許文献3】特開2005−325206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性を向上できるタイヤ用ゴム組成物、及び該タイヤ用ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、サイドウォールパッキング、ベーストレッド、及び/又はブレーカークッション)に用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと、下記式(1)及び/又は下記式(2)で表される化合物と、カーボンブラックとを含み、ゴム成分100質量%中の改質天然ゴムの含有量が80質量%以上、カーボンブラックの含有量が、ゴム成分100質量部に対して20〜60質量部、下記式(1)及び下記式(2)で表される化合物の合計含有量が、カーボンブラック及びシリカの合計100質量部に対して0.5〜8質量部であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
【化1】

[式(1)中、pは2〜8の整数を表す。式(2)中、qは2〜8の整数を表す。Mr+は金属イオンを表し、rはその価数を表す。]
式(2)中のMr+で表される金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオン、又は亜鉛イオンであることが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオンであることがより好ましい。
【0007】
上記タイヤ用ゴム組成物は、下記式(A)で表される化合物を含むことが好ましい。
【化2】

[式(A)中、Yは、炭素数2〜10のアルキレン基、R10及びR11は、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。]
【0008】
上記改質天然ゴムの窒素含有量が0.3質量%以下であり、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下であることが好ましい。
【0009】
上記改質天然ゴムは、天然ゴムラテックスをケン化処理し、ケン化天然ゴムラテックスを得る工程(A)、及び得られたケン化天然ゴムラテックスをゴム中に含まれるリン含有量が200ppm以下になるまで洗浄する工程(B)を含む製法により得られたものであることが好ましい。
【0010】
上記タイヤ用ゴム組成物は、サイドウォールパッキング用ゴム組成物、ベーストレッド用ゴム組成物、及び/又はブレーカークッション用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
【0011】
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。上記空気入りタイヤは、トラック・バス用タイヤであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、特定量の改質天然ゴムと、特定量の上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される化合物と、特定量のカーボンブラックとを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、低燃費性を相乗的に向上できる。該ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、サイドウォールパッキング、ベーストレッド、及び/又はブレーカークッション)に使用することにより、上記性能に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、特定量の改質天然ゴムと、特定量の上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される化合物と、特定量のカーボンブラックとを含む。
【0014】
本発明では、ゴム成分として、リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴム(HPNR)が使用される。天然ゴム(NR)中に含まれるリン脂質を低減、除去したHPNR(好ましくはタンパク質やゲル分も除去したHPNR)は、発熱しにくい性質があるため、NRの使用に比べて、更なる低燃費化を図ることができる。
【0015】
上記改質天然ゴム(HPNR)は、リン含有量が200ppm以下である。200ppmを超えると、貯蔵中にゲル量が増加し、加硫ゴムのtanδが上昇して低燃費性が悪化したり、未加硫ゴムのムーニー粘度が上昇して加工性が悪化する。該リン含有量は、150ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましい。ここで、リン含有量は、たとえばICP発光分析等、従来の方法で測定することができる。リンは、リン脂質(リン化合物)に由来するものである。
【0016】
改質天然ゴムにおいて、窒素含有量は0.3質量%以下が好ましく、0.15質量%以下がより好ましい。窒素含有量が0.3質量%を超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇して加工性が悪くなる傾向があり、また、低燃費性が悪化するおそれもある。窒素含有量は、例えばケルダール法等、従来の方法で測定することができる。窒素は、蛋白質に由来するものである。
【0017】
改質天然ゴム中のゲル含有率は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましい。20質量%を超えると、ムーニー粘度が上昇して加工性が悪くなる傾向があり、また、低燃費性が悪化するおそれもある。ゲル含有率とは、非極性溶媒であるトルエンに対する不溶分として測定した値を意味し、以下においては単に「ゲル含有率」または「ゲル分」と称することがある。ゲル分の含有率の測定方法は次のとおりである。まず、天然ゴム試料を脱水トルエンに浸し、暗所に遮光して1週間放置後、トルエン溶液を1.3×10rpmで30分間遠心分離して、不溶のゲル分とトルエン可溶分とを分離する。不溶のゲル分にメタノールを加えて固形化した後、乾燥し、ゲル分の質量と試料の元の質量との比からゲル含有率が求められる。
【0018】
改質天然ゴムは、実質的にリン脂質が存在しないことが好ましい。「実質的にリン脂質が存在しない」とは、天然ゴム試料をクロロホルムで抽出し、抽出物の31P−NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在しない状態を表す。−3ppm〜1ppmに存在するリンのピークとは、リン脂質におけるリンのリン酸エステル構造に由来するピークである。
【0019】
改質天然ゴムの製造方法としては、例えば、特開2010−138359号公報に記載の製法、すなわち、天然ゴムラテックスをケン化処理し、ケン化天然ゴムラテックスを得る工程(A)、及び得られたケン化天然ゴムラテックスをゴム中に含まれるリン含有量が200ppm以下になるまで洗浄する工程(B)を含む製法などが挙げられる。具体的には、先ず天然ゴムラテックスをアルカリでケン化処理してケン化天然ゴムラテックスを調製し、次いで、該ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムを、ゴム分に対するリン含有率が200ppm以下になるまで繰り返し水で洗浄し、乾燥する方法などにより改質天然ゴム(ケン化天然ゴム)を製造できる。
【0020】
上記製造方法によれば、ケン化により分離したリン化合物が洗浄除去されるので、天然ゴムのリン含有量を抑えることができる。また、ケン化処理により、天然ゴム中の蛋白質が分解されるので、天然ゴムの窒素含有量を抑えることができる。
【0021】
本発明のゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の改質天然ゴムの含有量は、80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%である。80質量%未満であると、低燃費性を充分に向上できない。
【0022】
HPNR以外に本発明に使用されるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0023】
本発明では、下記式(1)及び/又は下記式(2)で表される化合物が使用される。
【化3】

[式(1)中、pは2〜8の整数を表す。式(2)中、qは2〜8の整数を表す。Mr+は金属イオンを表し、rはその価数を表す。]
【0024】
上記式(2)で表される化合物は任意の公知の方法により製造することができる。具体的には、ハロアルキルアミンとチオ硫酸ナトリウムとを反応させる方法、フタルイミドのカリウム塩とジハロアルカンとを反応させて、得られた化合物とチオ硫酸ナトリウムとを反応させ、次いで、得られた化合物を加水分解する方法等が挙げられる。
【0025】
具体的には、qが6の化合物の場合、例えば、6−ハロヘキシルアミンとチオ硫酸ナトリウムとを反応させる方法、フタルイミドのカリウム塩と1,6−ジハロヘキサンとを反応させて、得られた化合物とチオ硫酸ナトリウムとを反応させ、次いで、得られた化合物を加水分解する方法等が挙げられる。
【0026】
また、qが3の化合物の場合、例えば、3−ハロプロピルアミンとチオ硫酸ナトリウムとを反応させる方法、フタルイミドのカリウム塩と1,3―ジハロプロパンとを反応させて、得られた化合物とチオ硫酸ナトリウムとを反応させ、次いで、得られた化合物を加水分解する方法等が挙げられる。
【0027】
上記式(1)で表される化合物は、例えば、上記式(2)で表される化合物とプロトン酸とを反応させることにより製造することができる。
【0028】
本発明では、上記式(1)で表される化合物と上記式(2)で表される化合物の混合物を用いることもできる。かかる混合物は、上記式(1)で表される化合物と上記式(2)で表される化合物とを混合する方法、金属アルカリ(上記Mで示される金属を含有する水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩等)を用いて上記式(1)で表される化合物の一部を金属塩化する方法、プロトン酸を用いて上記式(2)で表される化合物の一部を中和する方法により製造することができる。このようにして製造した上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物は、濃縮、晶析等の操作により、反応混合物から取り出すことができ、取り出された上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物は、通常0.1〜5%程度の水分を含む。本発明では、上記式(1)で表される化合物のみを用いることができ、また、上記式(2)で表される化合物のみを用いることもできる。また、複数種の上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物を併用することもできる。
【0029】
式(1)中、pは2〜8の整数を表し、2〜5が好ましい。式(2)中、qは2〜8の整数を表し、2〜5が好ましい。
【0030】
r+で示される金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオンおよび亜鉛イオンが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオンおよびカリウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンが更に好ましい。rは金属イオンの価数を表わし、当該金属において可能な範囲であれば、限定されない。金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオンのようなアルカリ金属イオンの場合、rは通常1であり、金属イオンがコバルトイオンの場合、rは通常2または3である。金属イオンが、銅イオンの場合、rは通常1〜3の整数であり、金属イオンが、亜鉛イオンの場合、rは通常2である。上記製法によれば、通常、上記式(1)で表される化合物のナトリウム塩が得られるが、カチオン交換反応を行うことにより、ナトリウム塩以外の金属塩に変換することができる。
【0031】
上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物のメディアン径は、好ましくは0.05〜100μmの範囲であり、より好ましくは1〜100μmの範囲である。かかるメディアン径は、レーザー回折法にて測定することができる。
【0032】
上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物は、予め担持剤と混合してから使用してもよい。担持剤としては、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」第510〜513頁に記載されている「無機充てん剤、補強剤」が挙げられ、なかでも、カーボンブラック、シリカ、焼成クレー、水酸化アルミニウムが好ましい。担持剤の使用量は、特に限定されないが、上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される化合物の合計量100質量部に対して、10〜1000質量部の範囲が好ましい。
【0033】
上記式(1)及び上記式(2)で表される化合物の合計含有量はカーボンブラック及びシリカの合計100質量部に対して、0.5質量部以上、好ましくは0.8質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。0.5質量部未満であると、低燃費性を充分に向上できない。また、該合計含有量は、カーボンブラック及びシリカの合計100質量部に対して、8質量部以下、好ましくは7.5質量部以下である。8質量部を超えると、機械的強度、熱劣化後の機械的強度、耐摩耗性が悪化する。
【0034】
本発明では、カーボンブラックが使用される。使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。
【0035】
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、好ましくは60ml/100g以上、より好ましくは90ml/100g以上である。60ml/100g未満であると、低燃費性が悪化する傾向がある。
また、カーボンブラックのDBPは、好ましくは140ml/100g以下、より好ましくは125ml/100g以下である。140ml/100gを超えると、機械的強度、熱劣化後の機械的強度が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4の測定方法によって求められる。
【0036】
本発明のゴム組成物をサイドウォールパッキング用ゴム組成物として用いる場合、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは20m/g以上、より好ましくは30m/g以上である。20m/g未満では、機械的強度、熱劣化後の機械的強度、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、該カーボンブラックのNSAは、好ましくは100m/g以下、より好ましくは60m/g以下である。100m/gを超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。また、分散性に劣り、耐摩耗性、機械的強度、熱劣化後の機械的強度が低下する傾向がある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
【0037】
本発明のゴム組成物をベーストレッド用ゴム組成物として用いる場合、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは40m/g以上、より好ましくは60m/g以上である。40m/g未満では、機械的強度、熱劣化後の機械的強度、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、該カーボンブラックのNSAは、好ましくは120m/g以下、より好ましくは90m/g以下である。120m/gを超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。また、分散性に劣り、耐摩耗性、機械的強度、熱劣化後の機械的強度が低下する傾向がある。
【0038】
本発明のゴム組成物をブレーカークッション用ゴム組成物として用いる場合、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは60m/g以上、より好ましくは100m/g以上である。60m/g未満では、機械的強度、熱劣化後の機械的強度、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、該カーボンブラックのNSAは、好ましくは150m/g以下、より好ましくは125m/g以下である。150m/gを超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。また、分散性に劣り、耐摩耗性、機械的強度、熱劣化後の機械的強度が低下する傾向がある。
【0039】
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、20質量部以上、好ましくは30質量部以上である。20質量部未満であると、機械的強度、熱劣化後の機械的強度を充分に向上できない。上記カーボンブラックの含有量は、60質量部以下、好ましくは50質量部以下である。60質量部を超えると、低燃費性が悪化する。
本発明では、カーボンブラックと共に、特定量の改質天然ゴムと、特定量の上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される化合物とを併用することにより、低燃費性を向上できる。そのため、低燃費性の向上のために、カーボンブラックを減量する必要がなく、カーボンブラックの含有量を上記量とすることができるので、機械的強度の低下を抑制でき、低燃費性、機械的強度、熱劣化後の機械的強度がバランス良く得られる。
【0040】
本発明では、加硫剤として、下記式(A)で表される化合物を配合することが好ましい。本発明では、上記併用により、低燃費性を向上できるものの、タイヤ走行により発生する熱によりゴムの劣化が起こり、熱劣化後の機械的強度が低下するおそれがあるが、下記式(A)で表される化合物を配合することにより、結合エネルギーが高く、熱安定性が高いCC結合をゴム組成物に保有させることができるため、上記併用により得られる良好な低燃費性を維持しながら、耐熱劣化性を改善でき、低燃費性、熱劣化後の機械的強度(耐久性)をバランス良く向上できる。なお、下記式(A)で表される化合物と共に硫黄を配合してもよい。
【化4】

[式(A)中、Yは、炭素数2〜10のアルキレン基、R10及びR11は、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。]
【0041】
Yのアルキレン基(炭素数2〜10)としては、特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状のものがあげられるが、なかでも、直鎖状のアルキレン基が好ましい。炭素数は4〜8が好ましい。アルキレン基の炭素数が1では、熱的な安定性が悪く、アルキレン基を有することによる効果が得られない傾向があり、炭素数が11以上では、−S−S−Y−S−S−で表される架橋鎖の形成が困難になる傾向がある。
【0042】
上記条件を満たすアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基などがあげられる。なかでも、ポリマー間に−S−S−Y−S−S−で表される架橋がスムーズに形成され、熱的にも安定であるという理由から、ヘキサメチレン基が好ましい。
【0043】
10及びR11としては、チッ素原子を含む1価の有機基であれば特に限定されないが、芳香環を少なくとも1つ含むものが好ましく、炭素原子がジチオ基に結合したN−C(=S)−で表される結合基を含むものがより好ましい。また、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、分岐状が好ましい。
【0044】
10及びR11は、それぞれ同一でも、異なっていてもよいが、製造の容易さなどの理由から、同一であることが好ましい。
【0045】
上記条件を満たす化合物としては、例えば、1,2−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)エタン、1,3−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)プロパン、1,4−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ブタン、1,5−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ペンタン、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、1,7−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘプタン、1,8−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)オクタン、1,9−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ノナン、1,10−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)デカンなどがあげられる。なかでも、熱的に安定であり、分極性に優れるという理由から、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンが好ましい。
【0046】
式(A)で表される化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。0.3質量部未満であると、熱劣化後の機械的強度の向上効果が小さい傾向がある。式(A)で表される化合物の含有量は、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下、特に好ましくは1.5質量部以下である。5質量部を超えると、架橋密度が高くなり過ぎて、熱劣化後の機械的強度が悪化するおそれがある。
【0047】
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ、クレー等の補強用充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加工助剤、各種老化防止剤、オイル等の軟化剤、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
【0048】
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系若しくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、又は、キサンテート系加硫促進剤が挙げられる。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
【0049】
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)等が挙げられる。なかでも、本発明のゴム組成物をサイドウォールパッキング用ゴム組成物として用いる場合は、CBSが好ましく、本発明のゴム組成物をベーストレッド用ゴム組成物、ブレーカークッション用ゴム組成物として用いる場合は、TBBSが好ましい。
【0050】
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。0.5質量部未満であると、機械的疲労を受けやすくなり耐久性が低下し、低燃費性との両立も困難となる傾向がある。上記硫黄の含有量は、好ましくは4.0質量部以下、より好ましくは3.5質量部以下、更に好ましくは3.0質量部以下、特に好ましくは2.5質量部以下である。4.0質量部を超えると、熱劣化後の機械的強度が低下するおそれがある。
本発明では、特定量のカーボンブラックと、特定量の改質天然ゴムと、特定量の上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される化合物とを併用することにより、低燃費性を向上できる。そのため、低燃費性の向上のために、硫黄を増量する必要がなく、硫黄の含有量を上記量とすることができるので、熱劣化後の機械的強度の低下を抑制でき、低燃費性、熱劣化後の機械的強度がバランス良く得られる。
【0051】
本発明のゴム組成物をサイドウォールパッキング用ゴム組成物として用いる場合、オイルの含有量は、好ましくは15質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。15質量部を超えると、機械的強度、熱劣化後の機械的強度、耐摩耗性が悪化するおそれがある。
【0052】
本発明のゴム組成物をベーストレッド用ゴム組成物、ブレーカークッション用ゴム組成物として用いる場合、オイルの含有量は、好ましくは8質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、特に好ましくは0.1質量部以下、最も好ましくは0質量部(含有しない)である。8質量部を超えると、機械的強度、熱劣化後の機械的強度、耐摩耗性が悪化するおそれがある。
【0053】
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
【0054】
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材(特に、サイドウォールパッキング、ベーストレッド、及び/又はブレーカークッション)に好適に使用できる。
【0055】
サイドウォールパッキングとは、ビードエイペックスのタイヤ半径方向外側に設けられる部材であり、具体的には、特開2010−159376号公報の図1、特開2006−273934号公報の図2等に示される部材である。
【0056】
ベーストレッドとは、多層構造を有するトレッドの内層部であり、2層構造〔表面層(キャップトレッド)及び内面層(ベーストレッド)〕からなるトレッドでは内面層である。
【0057】
ブレーカークッションとは、ブレーカーのエッジ部とケース(カーカス)との間に設けられる部材であり、具体的には、特開2006−273934号公報の図1等に示される部材である。
【0058】
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、サイドウォールパッキング、ベーストレッド、及び/又はブレーカークッション)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
【0059】
また、本発明のタイヤは、トラック・バス用タイヤとして好適に用いられる。
【実施例】
【0060】
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0061】
(製造例1)(S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩の製造)
反応容器内の気体を窒素ガスに置換した。該反応容器に、3−ブロモプロピルアミン臭素酸塩25g(0.11モル)、チオ硫酸ナトリウム・五水和物28.42g(0.11モル)、メタノール125mlおよび水125mlを仕込み、得られた混合物を70℃で4.5時間還流した。反応混合物を放冷し、減圧下でメタノールを除去した。得られた残渣に、水酸化ナトリウム4.56gを加え、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。減圧下で溶媒を完全に除去した後、残渣にエタノール200mlを加えて1時間還流した。熱ろ過により副生成物である臭化ナトリウムを除去した。ろ液を減圧下で、結晶が析出するまで濃縮し、その後静置した。結晶をろ過により取り出し、エタノール、次いでヘキサンで洗浄した。得られた結晶を真空乾燥して、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩(下記式で表される化合物)を得た。
H−NMR(270.05MHz,MeOD)δppm:3.1(2H,t,J=6.3Hz),2.8(2H,t,J=6.2Hz),1.9−2.0(2H,m)
得られたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩のメディアン径(50%D)を、島津製作所製SALD−2000J型を用い、レーザー回折法(測定操作は下記のとおり)により測定したところ、メディアン径(50%D)は66.7μmであった。得られたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を粉砕し、そのメディアン径(50%D)が14.6μmであるS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を調製した。メディアン径(50%D)が14.6μmであるS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を以下の実施例で使用した。
<測定操作>
得られたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を下記の分散溶媒(トルエン)と分散剤(10質量%スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム/トルエン溶液)との混合溶液に室温で分散させ、得られた分散液に超音波を照射しながら、該分散液を5分間撹拌して試験液を得た。該試験液を回分セルに移し、1分後に測定した。(屈折率:1.70−0.20i)
また、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩10.0gを水30mlに溶解させて得られる水溶液のpHは11〜12であった。
【化5】

【0062】
以下、製造例2、3で使用した各種薬品について、まとめて説明する。なお、薬品は必要に応じて定法に従い精製を行った。
天然ゴムラテックス:タイテックス社から入手したフィールドラテックスを使用
界面活性剤:花王(株)製のEmal−E(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
【0063】
(製造例2)(ケン化天然ゴムの合成)
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E10gとNaOH20gを加え、室温で48時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。このラテックスに水を添加してDRC15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して固形ゴム(ケン化天然ゴム1(HPNR1))を得た。
(製造例3)(ケン化天然ゴムの合成)
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E10gとNaOH15gを加え、室温で48時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。このラテックスに水を添加してDRC15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して固形ゴム(ケン化天然ゴム2(HPNR2))を得た。
【0064】
製造例2、3により得られたHPNR1、2と、後述するゴム組成物の評価で使用したTSRについて以下に示す方法により、窒素含有量、リン含有量、ゲル含有率を測定した。結果を表1に示す。
【0065】
(窒素含有量の測定)
窒素含有量は、CHN CORDER MT−5(ヤナコ分析工業社製)を用いて測定した。測定には、まずアンチピリンを標準物質として、窒素含有量を求めるための検量線を作製した。次いで、各製造例で得られた天然ゴム約10mgを秤量し、3回の測定結果から平均値を求めて、試料の窒素含有量とした。
【0066】
(リン含有量の測定)
ICP発光分析装置(ICPS−8100、(株)島津製作所製)を使用してリン含有量を求めた。
また、リンの31P−NMR測定は、NMR分析装置(400MHz、AV400M、日本ブルカー社製)を使用し、80%リン酸水溶液のP原子の測定ピークを基準点(0ppm)として、クロロホルムにより生ゴムより抽出した成分を精製し、CDClに溶解して測定した。
【0067】
(ゲル含有率の測定)
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(質量%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
【0068】
【表1】

【0069】
表1に示すように、ケン化天然ゴム(HPNR)は、TSRに比べて、窒素含有量、リン含有量、ゲル含有率が低減していた。また、製造例において得られたHPNR1、2から抽出した抽出物の31P−NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークを検出しなかった。
【0070】
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
HPNR1、2:上記製造例2、3で調製したケン化天然ゴム1、2(HPNR1、2)
カーボンブラック1:キャボットジャパン(株)製のN550(NSA:42m/g、DBP:115ml/100g)
化合物1:上記製造例1で調製した化合物
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH40
老化防止剤1:精工化学工業(株)製の老化防止剤RD
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
VP KA9188:ランクセス社製のVulcuren VP KA9188(1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)(加硫剤)
硫黄1:日本乾溜工業(株)製のセイミサルファー(純硫黄分:80質量%、オイル分:20質量%)
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
カーボンブラック2:キャボットジャパン(株)製のN330(NSA:75m/g、DBP:102ml/100g)
老化防止剤2:FLEXSYS(株)製の老化防止剤6C(SANTOFLEX 6PPD)
硫黄2:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
カーボンブラック3:キャボットジャパン(株)製のN220(NSA:111m/g、DBP:115ml/100g)
【0071】
実施例及び比較例
表2〜4に示す配合処方(なお、化合物1の()内の配合量はカーボンブラック及びシリカの合計100質量部に対する化合物1の配合量を示す)に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄、VP KA9188及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄、VP KA9188及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間、2mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
【0072】
得られた加硫ゴム組成物について下記の評価を行った。結果を表2〜4に示す。
【0073】
(低燃費性)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合(加硫ゴム組成物)のtanδを測定し、比較例1のtanδを100として、下記計算式により指数表示した。指数が小さいほど、低燃費性に優れる。
(低燃費性指数)=(各配合のtanδ)/(比較例1のtanδ)×100
【0074】
(熱劣化後の機械的強度)
得られた各加硫ゴム組成物を80℃で1週間熱劣化させ、熱劣化後の加硫ゴム組成物を得た。次いで、JIS K6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム一引張特性の求め方」に準じて、各熱劣化後の加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて引張試験を実施し、破断強度(TB)及び破断時伸び(EB)を測定し、破壊エネルギー(TB×EB/2)を算出した。そして、比較例1の破壊エネルギーを100とし、下記計算式により、各配合の破壊エネルギーを指数表示した。指数が大きいほど、熱劣化後の機械的強度が高く、タイヤとしての耐久性に優れることを示す。
(強度指数)=(各配合の破壊エネルギー)/(比較例1の破壊エネルギー)×100
【0075】
【表2】

【0076】
【表3】

【0077】
【表4】

【0078】
表2〜4の結果より、特定量の改質天然ゴム(HPNR1、2)と、特定量の上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される化合物(化合物1)と、特定量のカーボンブラックとを含む実施例は、低燃費性を向上できた。また、上記成分と共に、上記式(A)で表される化合物(VP KA9188)を配合した実施例4、5、9、10、14、15では、低燃費性、熱劣化後の機械的強度(耐久性)をバランス良く向上できた。
【0079】
比較例1、2、5、実施例2の比較、比較例6、7、10、実施例7の比較、比較例11、12、15、実施例12の比較より、改質天然ゴム(HPNR)と、上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される化合物(化合物1)とを併用することにより、低燃費性を相乗的に向上できることが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと、下記式(1)及び/又は下記式(2)で表される化合物と、カーボンブラックとを含み、
ゴム成分100質量%中の改質天然ゴムの含有量が80質量%以上、
カーボンブラックの含有量が、ゴム成分100質量部に対して20〜60質量部、下記式(1)及び下記式(2)で表される化合物の合計含有量が、カーボンブラック及びシリカの合計100質量部に対して0.5〜8質量部であるタイヤ用ゴム組成物。
【化1】

[式(1)中、pは2〜8の整数を表す。式(2)中、qは2〜8の整数を表す。Mr+は金属イオンを表し、rはその価数を表す。]
【請求項2】
式(2)中のMr+で表される金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオン、又は亜鉛イオンである請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項3】
式(2)中のMr+で表される金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオンである請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項4】
下記式(A)で表される化合物を含む請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【化2】

[式(A)中、Yは、炭素数2〜10のアルキレン基、R10及びR11は、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。]
【請求項5】
前記改質天然ゴムの窒素含有量が0.3質量%以下であり、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項6】
前記改質天然ゴムは、天然ゴムラテックスをケン化処理し、ケン化天然ゴムラテックスを得る工程(A)、及び得られたケン化天然ゴムラテックスをゴム中に含まれるリン含有量が200ppm以下になるまで洗浄する工程(B)を含む製法により得られたものである請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項7】
サイドウォールパッキング用ゴム組成物、ベーストレッド用ゴム組成物、及び/又はブレーカークッション用ゴム組成物として用いられる請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
【請求項9】
トラック・バス用タイヤである請求項8記載の空気入りタイヤ。

【公開番号】特開2013−43929(P2013−43929A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181870(P2011−181870)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】