説明

タイヤ用CT装置

【課題】十分な強度を有してタイヤに負荷を与える負荷部材によりX線が吸収され難く、負荷状態にあるタイヤの鮮明な断面画像を得ることができるタイヤ用CT装置を供する。
【解決手段】タイヤTを保持するタイヤ保持装置10と、タイヤ保持装置10により保持されたタイヤTの外周踏面に負荷部材21を押圧するタイヤ負荷装置20と、タイヤTにX線を照射し透過X線を検出してタイヤTの断面画像を得るX線CT装置30とを備えるタイヤ用CT装置において、負荷部材21は、タイヤTの外周踏面に対向して接する木板からなる踏面板22がアルミニウム製またはカーボン複合材からなる薄い板材26を加工して形成された薄板構造体25に固着されて構成されるタイヤ用CT装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は負荷状態にあるタイヤのX線による断面画像を得るタイヤ用CT(Computed Tomography)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかるタイヤ用CT装置は、回転軸に保持されたタイヤに負荷装置の負荷板が押圧されて負荷状態にあるタイヤに、X線管から射出されたX線を照射して吸収されながら透過したX線をX線検出器で検出して透過画像を、全方位に亘って取得して画像処理してタイヤの断面画像を再構成するものである。
この種のタイヤ用CT装置としては、先に特許出願された例(特許文献1参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−218844号公報(段落[0030]、図面図17)
【0004】
特許文献1に開示されたタイヤ用CT装置は、市販のホイールが取り付けられたタイヤのホイール中央部がホルダの円錐状に突出した支持部の端面に固着され、ホルダとともにタイヤが回転自在に保持されるタイヤ保持装置が設けられている。
そして、タイヤの側方にタイヤに負荷を与える矩形の加圧板がタイヤに接離自在に両側部を支持されてタイヤ負荷装置が設けられている。
【0005】
タイヤ保持装置とタイヤ負荷装置は、回転テーブル上に設けられて一緒に回転する。
この回転するタイヤ保持装置とタイヤ負荷装置を間にしてその外側に、X線管とX線検出器が互いに対向して設置されている。
【0006】
X線管から射出するX線ビームのファン角をなす水平面にタイヤの所望の断面が一致するようにタイヤを位置決めして負荷装置により加圧板をタイヤの外周踏面に押圧して実路を模した負荷状態としてタイヤ保持装置とタイヤ負荷装置を回転してX線照射による透過画像を収集し画像処理してタイヤの断面画像を再構成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1において、タイヤを押圧する加圧板は、X線の透過をよくするために、加圧板の断層面における材料厚を小さくすることが必要であるとして、薄い矩形板が使用されており、矩形加圧板の両側部に動力が作用して中央部がタイヤを押圧する構造であることから、薄板で押圧により破損しない強度と剛性を備えるものとして加圧板は鋼板製であろうと考えられる。
【0008】
さらに、加圧板は薄いだけでなく、強度を低下させないでよりX線の透過厚を小さくする必要から、板表面に溝加工や穴加工やハニカム加工のいずれかを施していることが開示されており、このような加工を施して強度および剛性を確保することができる加圧板は略鋼板製であると推察される。
鋼板製でないとすればある程度以上に厚さがある金属製ということになる。
【0009】
タイヤの外周踏面に押圧される加圧板が鋼板製または厚さのある金属製であると、加圧板でX線が吸収されてX線透過率を低減しているので、タイヤを押圧する加圧板の押圧面とタイヤとの界面が不鮮明となり、タイヤの変形を詳細に考察する妨げとなる。
なお、タイヤに取り付けられたホイールの中央部がホルダの円錐状に突出した支持部に固着されてタイヤは保持されているので、タイヤの中央部に金属製のホルダの支持部があることも、X線透過率を低減しており、断面画像の鮮明度を低下させている。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、十分な強度を有してタイヤに負荷を与える負荷部材によりX線が吸収され難く、負荷状態にあるタイヤの鮮明な断面画像を得ることができるタイヤ用CT装置を供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、タイヤを保持するタイヤ保持装置と、前記タイヤ保持装置により保持されたタイヤの外周踏面に負荷部材を押圧するタイヤ負荷装置と、タイヤにX線を照射し透過X線を検出してタイヤの断面画像を得るX線CT装置とを備えるタイヤ用CT装置において、前記負荷部材は、タイヤの外周踏面に対向して接する木板からなる踏面板がアルミニウム製またはカーボン複合材からなる薄い板材を加工して形成された薄板構造体に固着されて構成されることを特徴とするタイヤ用CT装置である。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のタイヤ用CT装置において、前記薄板構造体は前記薄い板材を断面が矩形C形に屈曲加工して形成され、前記薄板構造体の内部空洞の開口が対向する中央板部の外面に前記踏面板が固着されて前記負荷部材が構成されることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のタイヤ用CT装置において、前記タイヤ保持装置は、筒状の中空シャフトに環状のハブ板が嵌着されて構成され、前記タイヤは装着されたリムが前記ハブ板に固着されて保持されることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの項記載のタイヤ用CT装置において、前記X線CT装置は450KeV近傍のX線エネルギでX線を照射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載のタイヤ用CT装置によれば、タイヤに接する木板からなる踏面板がアルミニウム製またはカーボン複合材からなる薄い板材を加工して形成された薄板構造体に固着されて構成された負荷部材が、タイヤ保持装置により保持されたタイヤの外周踏面に押圧されるので、負荷部材のタイヤに接してタイヤを押圧する踏面板は木板でX線が吸収され難くX線透過率が高いため、X線断面画像はタイヤを押圧する踏面板の押圧面とタイヤの踏面との界面が鮮明となり、タイヤの変形を詳細に考察することができる。
踏面板を固着支持する薄板構造体は、薄い板材を用いることでX線透過率を高く維持しながら、加工して構造的に踏面板をタイヤに押圧しても変形や破損を生じない強度および剛性を確保することができる。
【0016】
請求項2記載のタイヤ用CT装置によれば、薄い板材を断面が矩形C形に屈曲加工して形成された薄板構造体の中央の板部の外面に踏面板が固着されて負荷部材が構成されるので、強度および剛性が高い薄板構造体と木製の踏面板とからなる負荷部材自体がX線を吸収し難くX線透過率が高いため、負荷状態にあるタイヤの鮮明な断面画像を得ることができる。
【0017】
請求項3記載のタイヤ用CT装置によれば、タイヤ保持装置が筒状の中空シャフトに環状のハブ板を嵌着して構成され、タイヤは装着されたリムがハブ板に固着されて保持されるので、タイヤの中心部の支持軸が中空シャフトでX線透過率が高く、よってタイヤの全体の鮮明な断面画像を得ることができる。
タイヤはリムを装着した状態でハブに固着されて保持されるので、ハブにより市販のリムを使用することができる。
【0018】
請求項4記載のタイヤ用CT装置によれば、X線CT装置が照射するX線が450KeV近傍という低エネルギX線であっても、負荷状態にあるタイヤの鮮明な断面画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る一実施の形態に係るタイヤ用CT装置の概略全体図である。
【図2】タイヤを保持する中空シャフトとハブの分解斜視図である。
【図3】中空シャフトとハブがタイヤを保持した状態の一部断面とした側面図である。
【図4】負荷部材の斜視図である。
【図5】中空シャフトに支持されたタイヤと踏面板(および負荷部材)の相対位置関係を示す斜視図である。
【図6】タイヤと負荷部材に対するX線管とX線検出器の相対位置関係を示す上面図である。
【図7】X線CT装置により得られた断面画像の例を示す図である。
【図8】図7の断面画像の要部を拡大した断面画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図8に基づいて説明する。
本実施の形態に係るタイヤ用CT装置1の概略全体図を図1に示す。
中央にタイヤ保持装置10とタイヤ負荷装置20が配置され、タイヤ保持装置10とタイヤ負荷装置20を間に挟んで前後両側にX線CT装置30のX線管31とX線検出器35が配設されている。
【0021】
なお、本実施の形態において、X線管31から見てX線検出器35のある方を前方、その反対方向を後方とし、前方を向いて右手方向を右方、左手方向を左方と決めておくこととする。
【0022】
X線管31とX線検出器35の間の床面に左右方向に指向して一対のレール11,11が敷設され、タイヤ保持装置10は同レール11,11上を左右に水平移動する移動台12の上に回転自在に取り付けられたターンテーブル13の上に支持台14を介して搭載されている。
支持台14の上には互いに対向して側壁15,16が立設されている。
【0023】
側壁15,16は、内部が空洞をなす殻体であり、上辺部と下辺部が幅広に広がって中央部15c,16cに向かって徐々に幅が狭くなり、中央部15c,16cは幅狭に形成されている。
側壁15,16の中央部15c,16c間に中空シャフト17が架設され、中空シャフト17に嵌着されたハブ18にタイヤTに装着されたリム5が固着されてタイヤTが鉛直姿勢で保持される。
ハブ18に取り付けるようにしているので、リム5は市販のものを用いることができる。
【0024】
図2に示すように、中空シャフト17は円筒状をして軸方向に小孔17hが配列されている。
一方、ハブ18は中空円板部18aの内周縁と外周縁から内筒部18iと外筒部18oがそれぞれ延出した形状をしており、内筒部18iには小孔18hが穿孔されている。
中空円板部18aの中心に関し対称な位置に雄ねじ18p,18pが突設されている。
【0025】
図3に示すように、ハブ18の内筒部18iに中空シャフト17が貫入して所定位置で小孔17h,18hを合致させてピン等を挿入して固定する。
タイヤTに装着されたリム5をハブ18の中空円板部18aに対向させ、リム5の取付孔を雄ねじ18p,18pに合わせて当接してナット19,19を雄ねじ18p,18pに螺合して緊締しタイヤTを保持する。
【0026】
なお、タイヤTの取付けの際は、中空シャフト17は一方の側壁15に片持ち支持させた状態とし、タイヤTをリム5を介してハブ18に保持した後に軸方向に移動して中空シャフト17を側壁16にも支持させて両持ち支持とする。
【0027】
したがって、タイヤ保持装置10に鉛直姿勢で保持されたタイヤTは、ターンテーブル13の回転でタイヤTの略中心を通る鉛直線を回転中心軸Lとして回転し(図3参照)、移動台12の直線移動で左右方向に水平移動することができる。
【0028】
側壁15,16の間でタイヤTの側方に、負荷部材21をタイヤTの外周踏面に押圧して負荷を与えるタイヤ負荷装置20が設けられている。
負荷部材21は、タイヤTに接する木板からなる踏面板22がアルミニウム製の肉厚の薄い薄板材26を加工して形成された薄板構造体25に固着されて構成されている(図4参照)。
【0029】
図4に示すように、木板からなる踏面板22は矩形板であり、薄板構造体25はアルミニウム製の薄板材26を断面が矩形C形に屈曲加工した上下に長尺な構造体であり、内側の空洞の上部と下部には、それぞれ2枚の矩形の補強板27が介装されて補強されている。
なお、薄板構造体25はカーボン複合材からなる薄い板材を屈曲加工して構成してもよい。
断面が矩形C形に屈曲加工し上下に長尺な薄板構造体25は、内部空洞が開いた上下に長尺の開口28に対向する中央板部26pをタイヤTに向けて配置される。
【0030】
この薄板構造体25のタイヤTに向いた中央板部26pの外面の上下中間位置に踏面板22が固着される。
したがって、薄板構造体25の中央板部26pに固着された踏面板22が、タイヤ保持装置10に鉛直姿勢で保持されたタイヤTの外周踏面に対向する。
薄板構造体25は、アルミニウム製の薄板材26からなるが、断面が矩形C形に屈曲加工した構造体なので、構造的に強度および剛性が高く、上下に介装された補強板27によって強度および剛性が十分確保されている。
【0031】
踏面板22が固着された薄板構造体25は、タイヤ保持装置10に保持されたタイヤTに対して相対的に移動および姿勢を変えることができる。
いま、図5を参照して、タイヤTの中心軸方向をX軸方向、タイヤTに踏面板22が近づいたり離れたりする方向をY軸方向、上下鉛直方向をZ軸方向とすると、薄板構造体25はX軸方向,Y軸方向,Z軸方向のいずれにも移動することができる。
【0032】
薄板構造体25がY軸方向に移動することで、踏面板22がタイヤTに接して押圧し、車体を支えるタイヤTが路面に接して変形している状態をシミュレートすることができる。
踏面板22がタイヤTを押圧した状態でX軸方向に踏面板22が移動することで、コーナリング時のタイヤTの状態をシミュレートし、踏面板22がタイヤTを押圧した状態でZ軸方向に踏面板22が移動することで、ブレーキング時またはスタート時のタイヤTの状態をシミュレートすることができる。
【0033】
また、Z軸を中心に薄板構造体25を回動して踏面板22のタイヤTに対する姿勢を変えることができる。
すなわち、踏面板22がZ軸を中心に回動することで、タイヤTが踏面板22に接するキャンバ角を変えることができ、各キャンバ角での上記各種走行時のタイヤTの状態をシミュレートすることができる。
このように踏面板22とともに薄板構造体25を、X軸,Y軸,Z軸の3軸方向へ移動したり、回動する駆動機構は、図1において省略するが、支持台14上に設けられている。
【0034】
以上のタイヤ保持装置10とタイヤ負荷装置10の後方には、左右の支柱32,32に回転自在に起立された左右一対のねじ棒33,33に両端のナット部材34n,34nを螺合させて昇降部材34が架設されており、同昇降部材34にX線管31が取り付けられている。
したがって、ねじ棒33,33が回転することでナット部材34n,34nを介して昇降部材34がX線管31とともに上下に昇降する。
【0035】
他方、タイヤ保持装置10とタイヤ負荷装置10の前方には、左右の支柱36,36に回転自在に起立された左右一対のねじ棒37,37に両端のナット部材38n,38nを螺合させて昇降部材38が架設されており、同昇降部材38にX線検出器35が取り付けられている。
したがって、ねじ棒37,37が回転することでナット部材38n,38nを介して昇降部材38がX線検出器35とともに上下に昇降する。
【0036】
X線管31とX線検出器35は、同期して昇降して常に同じ高さ位置に保たれ、X線管31から射出したX線をX線検出器35が受けて検出することができる。
図6は、X線管31とX線検出器35がタイヤTの中心軸(中空シャフト17)と同じ高さ位置にあって、ターンテーブル13によるタイヤTの略中心を通る回転中心軸LがX線管31からX線検出器35への垂直線と交わる左右移動位置にタイヤTが位置している場合におけるタイヤTと負荷部材21に対するX線管31とX線検出器35の相対位置関係を上面視で示している。
【0037】
X線管31から射出するX線のファン角α内に回転中心軸Lを中心に回転するタイヤTが略含まれており、スキャンニングエリアA内にはタイヤTとその周辺が含まれている。
したがって、タイヤTとともにタイヤTを押圧する踏面板22も断面画像として映し出される。
【0038】
X線CT装置30は、回転中心軸Lを中心に回転するタイヤTに向けてX線管31から450KeVのX線エネルギでX線をファン角αで照射する。
このようにしてタイヤTの1回転で多数の透過画像データを取得してデータ処理して再構成して得た断面画像を、図7および図8に示す。
図8は、図7の全体の断面画像のうち要部を拡大したものである。
【0039】
図7および図8に示すように、タイヤTの断面形状が明りょうに分かる鮮明な断面画像が得られている。
図7に示された全体の断面画像には、略対称位置に示されたタイヤTの2つの断面画像のうち一方が踏面板22により押圧されて他方より偏平に変形しているのが明りょうに視認され、図8に示された要部拡大断面画像では、タイヤTの踏面と踏面板22の押圧面との界面が鮮明に示されている。
【0040】
X線CT装置30が450KeVという低いX線エネルギでX線を照射しているにもかかわらず、このように断面画像の鮮明度が高いのは、タイヤTを押圧する負荷部材21の踏面板22が木製であり、かつ薄板構造体25がアルミニウム製の薄板材26を断面矩形C形に屈曲加工して形成され、負荷部材21自体がX線を吸収し難くX線透過率が高いためである。
なお、薄板構造体25を補強する補強板27はX線が照射されるタイヤTの高さ位置より上下に外れているので、X線透過率を低減させることはない。
【0041】
さらに、タイヤTを支持する中心部の支持軸が円筒状の中空シャフト17であることもX線透過率を高めている。
なお、側壁15,16が中空の殻体で中空シャフト17を支持する中央部15c,16cが幅狭に形成されていることもX線透過率を高めるのに寄与している。
【0042】
特に、タイヤTに接して押圧する踏面板22がX線透過率が極めて高い木製であるので、図8の要部拡大断面画像に示されるように、タイヤTの踏面と踏面板22の押圧面との界面が鮮明であり、タイヤの変形を明りょうに視認することができる。
したがって、各種走行時をシミュレートしたときのタイヤTの形状を詳細に考察することができる。
【0043】
本タイヤ用CT装置1では、タイヤTの断面形状が明りょうに分かる鮮明な断面画像を得ることができるX線エネルギとしては450KeV程度あればよく、従来タイヤ保持装置にタイヤ負荷装置を載せるタイヤ用CT装置では3MeV以上という高X線エネルギを必要としていたものに比べて大幅にX線エネルギを小さくでき、コストも低減できる。
【0044】
踏面板22を固着支持する薄板構造体25は、薄板材26を用いることでX線透過率を高く維持しながら、加工して構造的にタイヤTに押圧しても変形や破損を生じない強度および剛性を確保している。
【符号の説明】
【0045】
T…タイヤ、A…スキャンニングエリア、
1…タイヤ用CT装置、5…リム、
10…タイヤ保持装置、11…レール、12…移動台、13…ターンテーブル、14…支持台、15,16…側壁、17…中空シャフト、18…ハブ、19…ナット、
20…タイヤ負荷装置、21…負荷部材、22…踏面板、25…薄板構造体、26…薄板材、26p…中央板部、27…補強板、28…開口、
30…X線CT装置、31…X線管、32…支柱、33…ねじ棒、34…昇降部材、35…X線検出器、36…支柱、37…ねじ棒、38…昇降部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤを保持するタイヤ保持装置と、前記タイヤ保持装置により保持されたタイヤの外周踏面に負荷部材を押圧するタイヤ負荷装置と、タイヤにX線を照射し透過X線を検出してタイヤの断面画像を得るX線CT装置とを備えるタイヤ用CT装置において、
前記負荷部材は、タイヤの外周踏面に対向して接する木板からなる踏面板がアルミニウム製またはカーボン複合材からなる薄い板材を加工して形成された薄板構造体に固着されて構成されることを特徴とするタイヤ用CT装置。
【請求項2】
前記薄板構造体は前記薄い板材を断面が矩形C形に屈曲加工して形成され、
前記薄板構造体の内部空洞の開口が対向する中央板部の外面に前記踏面板が固着されて前記負荷部材が構成されることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用CT装置。
【請求項3】
前記タイヤ保持装置は、筒状の中空シャフトに環状のハブ板が嵌着されて構成され、
前記タイヤは装着されたリムが前記ハブ板に固着されて保持されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のタイヤ用CT装置。
【請求項4】
前記X線CT装置は450KeV近傍のX線エネルギでX線を照射することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかの項記載のタイヤ用CT装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−169737(P2011−169737A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33624(P2010−33624)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】