説明

タイル剥落防止具

【課題】 外装タイルに確実に係止することができ、外装タイルから離反する方向に力が加わったとしても外装タイルの裏足から外れることを抑制することができるタイル剥落防止具を提供する。
【解決手段】 タイル剥落防止具1は、所定長さと幅を有する弾性板材の中央部分を折り曲げて形成される2つの脚部を有する本体部30の当該脚部31をそれぞれ互いに反対方向に略直角に折り曲げて形成した爪部33の上方に所定高さ突出した膨出部36を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外装タイル裏面の裏あしに係止され、躯体コンクリートに埋設されて当該躯体コンクリートに外装タイルを固着するタイル剥落防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、外装タイル裏面に裏あしと呼ばれる凹凸又はリブが設けられており、特にセメントモルタルの接着性を高めるために先端が幅広で根元が先端よりも幅の狭い断面台形に形成されたあり状の裏あしが知られている(非特許文献1)。しかし、このようなあり状の裏あしを有したタイルであっても経年劣化により剥落する虞があり、特に高層建築物の外壁に用いられる外装タイルの剥落は極めて危険であるので問題であった。
【0003】
そこで、外装タイルにさらにアンカー材を取付けて、このアンカー材を躯体コンクリート内に埋設することにより、外装タイルと躯体コンクリートとの接合強度を高める技術が種々提案されている(特許文献1)。このようなアンカー材の一種として、例えば、図12に示すように、両端があり溝102に挿入される一対の挿入部103を構成し、中央部分104を円環状に撓ませた状態で、挿入部103をあり溝102に挿入することで、一対の挿入部103が離反方向に広がることによりあり溝102に押し付けられて固定されるタイル保持部材101が提案されている(特許文献2、3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献1】日本工業規格 JISA5209:2008
【特許文献1】特開平6−240768
【特許文献2】実開平6−17298
【特許文献3】特開平9−78793
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のようなタイル保持部材101は、あり溝102の傾斜する側壁105に一点で接触するだけであるので、例えばコンクリートの打設の際などに、タイル保持部材101又は外装タイルに圧力が加わった場合には、十分にその圧力を受けることができずタイル保持部材101の挿入部103が滑って、あり溝102から挿入部103が外れる虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、外装タイルに確実に係止することができ、外装タイルから離反する方向に力が加わったとしても外装タイルの裏足から外れることを抑制することができるタイル剥落防止具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載のタイル剥落防止具は、所定長さと幅を有する弾性板材の中央部分を折り曲げて形成される2つの脚部を有する本体部の当該脚部をそれぞれ互いに反対方向に略直角に折り曲げて形成した爪部の上方に所定高さ突出した膨出部を設けたことを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載のタイル剥落防止具は、前記本体部は、中央に窪み部が設けられた略M字形状であることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載のタイル剥落防止具は、前記膨出部は、前記爪部の前記脚部から突出する方向で、且つ、前記爪部の幅方向の中央部分に上面が曲面を描くように膨出して形成されたものであることを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載のタイル剥落防止具は、前記2つの脚部は、それぞれ相対向する内側へ突出したリブを形成したものであることを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載のタイル剥落防止具は、前記爪部の先端にアールを形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
タイル剥落防止具は、弾性板材の中央を折り曲げて2つの脚部を形成しており、この2つの脚部に対して接近方向に力を加えると、本体の折り曲がった部分が弾性変形することにより2つの脚部の先端側が接近する。このとき弾性応力により2つの脚部は離反方向に付勢されており、脚部を折り曲げて形成された爪部もまた互いに離反する方向に付勢されている。したがって、裏面に係止溝が設けられるとともに当該溝の開口側の両縁から係止溝の底面と平行に互いに接近する方向に突出する鍔部が形成された外装タイルに固定する場合に、爪部がそれぞれ係止溝の底面と鍔部との間のスリット空間に挿入方向に付勢された状態で挿入されるので、タイル剥落防止具が確実に外装タイルに係止される。特に爪部に膨出部が形成されているので、この膨出部が鍔部に当接することで、ガタつきなく係止することができ、コンクリートを打設したとき及び打設したコンクリートを養生して硬化した後に、タイル剥落防止具に対して外装タイルから離反する方向に力が加わっても外装タイルから外れることを防止できる。
【0013】
請求項2に記載のタイル剥落防止具によると、中央に窪み部が設けられた略M字形状であるので、外装タイルに係止した場合に外装タイルから窪み部までの距離を所定のかぶり厚以上に設計することで、プレキャスト工法で外壁を生産する場合に、外装タイルを型枠の床面に並べて設置し、タイル剥落防止具を係止した上で、このタイル剥落防止具の窪み部に鉄筋を配設し、その上からコンクリートを打設することにより、容易に所定かぶり厚すなわち外装タイルから鉄筋までの距離を確保した鉄筋コンクリートを打設することができる。
【0014】
請求項3に記載のタイル剥落防止具によると、前記膨出部が、前記爪部の前記脚部から突出する方向で、且つ、前記爪部の幅方向の中央部分に上面が曲面を描くように膨出して形成されたものであるので、外装タイルの裏面に形成された係止溝の底面と鍔部との間のスリット空間に爪部を挿入する際に、爪部の突出方向が係止溝の長手方向と平行になるように、脚部の先端及び爪部を係止溝に挿入し、その後、タイル剥落防止具を回転させて、爪部を鍔部と底面との間のスリット空間に挿入することができるので、爪部の先端の隅がまずスリット空間に挿入されることになるり、爪部の先端の角をスリット空間よりも薄く形成することで容易にこのスリット空間内に爪部を挿入することができ、また、膨出部の上面が曲面を描くように膨出していることによりスリット空間内に挿入される際に摩擦が少なく、且つ、スリット空間内に押し込まれるので、ガタつきなく固定できる。
【0015】
請求項4に記載のタイル剥落防止構具によると、一対の脚部には、互いに対向する面が膨らむように1又は複数のリブがその長手方向に沿って形成されているので脚部が補強されており、これらのリブは脚部の互いに対向する面、すなわち外装タイルの係止溝の鍔部に当接しない側の面に形成されているので、鍔部とリブが互いに干渉してタイル剥落防止具の係止強度が低下する虞もない。
【0016】
請求項5に記載のタイル剥落防止具によると、爪部の先端がアールを形成しているので、タイル剥落防止具を回転させてスリット空間内に爪部を挿入する際に、角が引っ掛かるなどの問題が生じることなく、爪部を回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】タイル剥落防止具の外観構成を説明する全体斜視図。
【図2】タイル剥落防止具を説明する側面図及びリブが複数設けられたタイル剥落防止具を説明する側面図。
【図3】(a)はタイル剥落防止具の正面図であり、(b)はタイル剥落防止具の側面図であり、(c)は外装タイルの側面図であって、タイル剥落防止具及び外装タイルの係止溝の寸法を説明する図。
【図4】外装タイルにタイル剥落防止具を係止する工程を説明する斜視図であって、(a)は、タイル剥落防止具の脚部の先端及び爪部を外装タイルの係止溝に挿入した図、(b)は、タイル剥落防止具を回転させて爪部をスリット空間に挿入した図。
【図5】係止溝のスリット空間にタイル剥落防止具の爪部が挿入された状態を示す側面図及び一部省略拡大図。
【図6】係止溝のスリット空間にタイル剥落防止具の爪部を挿入する途中の状態を示す側面図及び一部省略拡大図。
【図7】図5のA−A拡大断面図。
【図8】タイル剥落防止具を係止した外装タイルを型枠の底に敷き詰めた後、網状の鉄筋を上から載置する状態を説明する斜視図。
【図9】外装タイル剥落防止具を係止した外装タイル上に鉄筋を載置した状態を説明する断面図。
【図10】型枠内にコンクリートを打設した状態を示す省略断面図。
【図11】コンクリートを打設した後養生し、コンクリート外壁を形成した状態を示す図。
【図12】従来のタイル保持部材を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のタイル剥落防止具1の最良の実施形態について、各図を参照しつつ説明する。タイル剥落防止具1は、建築物のコンクリート外壁の化粧材として用いられる外装タイル2が剥落することを防止するために外装タイル2の裏面に係止される耐腐食性に優れた所定長さと幅を有するステンレス板金をプレス加工して形成された金具である。
【0019】
このタイル剥落防止具1は、図1及び図2に示すように、所定長さと幅を有するステンレス板金の中央部を折り曲げて、折曲部32、及びこの折曲部32の両側に一対の脚部31を有する本体部30と、一対の脚部31の先端に互いに離反する方向に向かって突出する爪部33とを有している。一対の脚部31にはそれぞれ外側を凹ませて、内側を膨らませるようにエンボス加工を施すことにより、当該脚部の長手方向と平行に一対の脚部31の対向する面にリブ34を形成している。これらのリブ34により脚部31はその剛性を高めており、外力によってこの脚部31が容易に変形することを抑制している。そして、これら脚部31をつなぐ折曲部32は湾曲してその中央が凹んだ窪み部35を形成しており、側面視M字状に形成されている。爪部33はその突出方向に沿うように、折曲部32が形成された側すなわち図1において上方に向かって膨らむ膨出部36を形成している。また、この爪部33の先端の両隅にはアール33aが形成されている。なお、一対の脚部31に形成されたリブ34は、図2(b)に示すように、脚部31毎に1本に限定されるものではなく強度を高めるために2本以上形成されていてもよい。
【0020】
このタイル剥落防止具1の使用について説明すると、タイル剥落防止具1は、裏面に係止溝6が形成された外装タイル2に係止される。外装タイル2は、図3及び図4に示すように、例えば全体が長方形の平板状に形成されており、その裏面には、底面61と、当該底面61の両側縁から略直角に立上がる一対の側壁62と、当該側壁62の底面61と逆の端縁に互いに接近する方向に向かって突出して形成された鍔部63と、を有する係止溝6が設けられている。鍔部63と係止溝6の底面61との間には細いスリット空間64が形成されている。
【0021】
タイル剥落防止具1及び当該タイル剥落防止具1を係止する係止溝6の寸法は、たとえば本実施形態においては、タイル剥落防止具1が弾性変形していない状態のとき、タイル剥落防止具1の一方の爪部33の先端から他方の爪部33の先端までの距離aが43mmであって、一方の脚部31の先端から他方の脚部31の先端までの距離bが36mmである。また、外装タイル2の一方の鍔部63の先端から他方の鍔部63の先端までの距離cが30mmである。また、外装タイル2の鍔部63の係止溝6の底面61と対向する面から底面61までの距離すなわちスリット空間64の高さeは1.5mmであって、タイル剥落防止具1の爪部33の膨出部36と反対側の面から膨出部36の最も高い位置までの距離dもまた1.5mmである。そして、タイル剥落防止具1の幅gは例えば15mmである。また、タイル剥落防止具1を外装タイル2に係止したときに、外装タイル2の係止溝6の底面61から窪み部35までの距離fは30mmである。
【0022】
上述の各寸法は、タイル剥落防止具1の材料の強度、建築物の外壁の意匠性や設計及び施工上の都合などに応じて適宜選択することができるが、少なくとも、タイル剥落防止具1を確実に外装タイル2の係止溝6に係止するために弾性応力を活かせるので「b≧c」が好ましい。また、スリット空間64にタイル剥落防止具1の爪部33がガタつきなく固定されるために「e≒d」が好ましい。そして、内部に鉄筋5を埋設してコンクリートを打設する際に、鉄筋5が所望のかぶり厚以上内側に配置されるために、「f≧カブリ厚」であることが好ましい。さらに、タイル剥落防止具1を係止溝6に挿入する際の作業を容易にするために「g<c」であることが好ましい。
【0023】
タイル剥落防止具1を外装タイル2に係止するときには、まず、図示しない作業者がタイル剥落防止具1の一対の脚部31を挟持して、一方の脚部31の先端から他方の脚部31の先端までの距離が、外装タイル2の一方の鍔部63の先端から他方の鍔部63の先端までの距離cよりも短くなるように折曲部32を弾性変形させる。そして、弾性変形した状態を保持したまま、図4(a)に示すように、一対の爪部33の突出方向が外装タイル2の係止溝6の長手方向と平行になるように、外装タイル2の係止溝6にタイル剥落防止具1の脚部31の先端及び爪部33を挿入する。そして、図6に示すように、タイル剥落防止具1を底面61上で回転させて、爪部33を鍔部63と底面61との間のスリット空間64に挿入する。このように回転させながら爪部33をスリット空間64に挿入すると、爪部33の側方側からスリット空間64に挿入されることになる。図6(b)に示すように、爪部33の側方側はスリット空間64よりも薄く形成されているため容易にこのスリット空間64内に爪部33を挿入することができる。爪部33の先端にアール33aが形成されているので、爪部33の先端の角が引っ掛かる虞もない。そして、さらに、タイル剥落防止具1を回転させて、図10(b)に示すように、タイル剥落防止具1を約90度回転させる。このとき、一対の爪部33の膨出部36の上面が曲面を描くように膨出しているので、膨出部36と、この膨出部に当接する鍔部63の面との滑りがよくなって挿入しやすい。そして、爪部33は、外装タイル2の一対の鍔部63と底面61との間に形成されたスリット空間64内に完全に挿入される。
【0024】
図3及び図7に示すように、外装タイル2の鍔部63から外装タイル2の裏面までの距離すなわちスリット空間64の幅e、及びタイル剥落防止具1の爪部33の膨出部36と反対側の面から膨出部36の最も高い位置までの距離dはともに1.5mmであるので、スリット空間64に挿入させた爪部33はほとんどガタつくことがない。なお、仮に若干の寸法誤差からスリット空間64の高さeよりもタイル剥落防止具1の爪部33の膨出部36と反対側の面から膨出部36の最も高い位置までの距離dの方が僅かに長かったとしても、タイル剥落防止具1は弾性を有するステンレスにより形成されているので、膨出部36の形状が若干弾性変形することにより、スリット空間64内に爪部33を収めることができる。
【0025】
また、爪部33全体の厚みが1.5mmあるのではなく、爪部33の突出方向に沿って設けられた膨出部36により1.5mmを確保しているので、材料を節約することができるだけでなく、タイル剥落防止具1を回転させる際に1.5mm以下の細い爪部33の側縁からスリット空間64に挿入され、その後、膨出部36をスリット空間64に挿入させることになるので、挿入作業をより容易にすることができる。
【0026】
また、外装タイル2の一方の鍔部63の先端から他方の鍔部63の先端までの距離cは30mmであるので、タイル剥落防止具1の一方の脚部31の先端から他方の脚部31の先端までの距離もほぼ30mmになるように折曲部32が弾性変形されている。すなわち、タイル剥落防止具1の脚部31は互いに離反する方向に付勢された状態で外装タイル2に係止されている。したがって、爪部33もスリット空間64の奥に向かって付勢された状態で保持されているので、爪部33がこのスリット空間64から脱落する虞もなく、確実に外装タイル2にタイル剥落防止具1を係止することができる。
【0027】
以上のようにしてタイル剥落防止具1を外装タイル2に係止した後、コンクリートを打設して外壁を形成する。例えばプレキャストで外壁を形成する場合には、図8に示すように、図示しない型枠を組み立てて、その型枠の図示しない底面に目地材7を挟んで外装タイル2を敷き詰める。タイル剥落防止具1は型枠内に外装タイル2を敷き詰めた後に外装タイル2に係止してもよく、また、型枠に敷き詰める前の外装タイル2に係止してもよい。タイル剥落防止具1を係止した外装タイル2を型枠の底に敷き詰めた後、四角い格子状に溶接した鉄筋組5を上から載置する。
【0028】
図9に示すように、鉄筋5を載置するときに格子状の鉄筋組5のうちの何本かがタイル剥落防止具1の折曲部32に載置されることになり、折曲部32の中央で窪んで形成されている窪み部35には特に安定して鉄筋5が載置される。このときタイル剥落防止具1の脚部31の先端から窪み部35までの屋内方向への距離fは30mmであるので、少なくとも鉄筋5から外装タイル2の係止溝6の底面61までのかぶり厚を30mm確保することができる。
【0029】
そして、屋内側にも所定距離を開けて鉄筋5を配置した後、コンクリートを打設して養生した後、型枠から取り外して、図10に示すように、プレキャストコンクリートの外壁3を完成させる。このようにタイル剥落防止具1の折曲部32及び両脚部31の間にもコンクリートが充分に充填されるので、タイル剥落防止具1の変形の虞もなく、外装タイル2の剥落を極めて効果的に抑制することができる。そして形成したプレキャストコンクリートの外壁3は、図11に示すように、外装タイル側が屋外側となるように建築物に固定される。
【0030】
以上のように本実施形態のタイル剥落防止具1は、底面61から略直角に立ち上がった側壁62の両側の縁に鍔部63がそれぞれ形成された係止溝6が裏面に形成された外装タイル2に係止されて、躯体コンクリート4に埋設されて当該躯体コンクリート4に外装タイル2を固着するタイル剥落防止具1であって、弾性体により形成された折曲部35と、該折曲部35の両端からそれぞれ延びる一対の脚部31と、該脚部31の先端に互いに離反する方向に突出して形成され、前記外装タイル2の裏足に係止される爪部33と、を備えている。そして、前記爪部33はその突出方向に沿って前記折曲部35側に膨らんだ膨出部36が形成され、当該膨出部36の最も膨らんだ位置から前記爪部33の前記膨出部36と反対側の面までの距離が前記外装タイル2の係止溝6の底面61から鍔部63までの距離と略等しい。したがって、タイル剥落防止具1の脚部31を爪部33側から外装タイル2の係止溝6に挿入して、爪部33を係止溝6の鍔部63と底面61との間に挿入したときに、爪部33の膨出部36が鍔部63に当接し、爪部33の膨出部36と反対側の面は底面61に当接して固定されるので、タイル剥落防止具1が係止溝6にガタつきなく係止することができ、コンクリートを打設したときに、タイル剥落防止具1に対して外装タイル2から離反する方向に力が加わっても外装タイル2から外れることを防止できる。
【0031】
なお、タイル剥落防止具1を用いた外壁3の製造方法としてプレキャスト工法を例示したが、現場打ち工法を用いて製造するコンクリート外壁3にも適用できる。
【0032】
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明に係るタイル剥落防止具1は、コンクリート躯体に外装タイルを固着させる建築物において、外装タイルの剥落を防止するタイル剥落防止具1として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 タイル剥落防止具
2 外装タイル
4 躯体コンクリート
5 鉄筋
6 係止溝
31 脚部
32 折曲部
33 爪部
33a アール
34 リブ
35 窪み部
36 膨出部
61 底面
62 側壁
63 鍔部
64 スリット空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定長さと幅を有する弾性板材の中央部分を折り曲げて形成される2つの脚部を有する本体部の当該脚部をそれぞれ互いに反対方向に略直角に折り曲げて形成した爪部に前記脚部が立ち上がっている側の面が所定距離突出した膨出部を設けたことを特徴とするタイル剥落防止具。
【請求項2】
前記本体部は、中央に窪み部が設けられた略M字形状であることを特徴とする請求項1に記載のタイル剥落防止具。
【請求項3】
前記膨出部は、前記爪部の前記脚部から突出する方向で、且つ、前記爪部の幅方向の中央部分に上面が曲面を描くように膨出して形成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタイル剥落防止具。
【請求項4】
前記2つの脚部は、それぞれ相対向する内側へ突出したリブを形成したものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のタイル剥落防止具。
【請求項5】
前記爪部の先端にアールを形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のタイル剥落防止具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−49995(P2013−49995A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189080(P2011−189080)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(511212354)株式会社デイコム (3)
【出願人】(598164511)不二窯業株式会社 (4)
【出願人】(511212365)株式会社サムシング・ファイン (3)
【Fターム(参考)】