説明

タイル枠

【課題】床面及び地面にタイルなどを敷き並べてタイル床を構築するに際し、タイルが丁度整数枚納まる広さのタイルの敷地面積や部品の必要数を容易に割出すことができるとともに、整然と見栄えの良い植栽をも可能とする活用方法を備え、二酸化炭素を低減にも貢献できる簡易組立て式のタイル枠を提供する。
【解決手段】直線形状の部品にある4つの係止め穴6と4つの係止め突起9によって、部品の複数個を組み合わせ、直線あるいは直角に連結させてタイル17などが丁度整数枚納まる広さの敷地面積と部品必要数を割出す。その後、L字形状の部品を組み合わせて略正方形もしくは長方形の枠を構成させて完成させ、タイル17やブロックもしくは略筒状の部品を直線形状あるいはL字形状の部品に備わっている台座8a,8bに乗せる。尚、タイル17やブロックは市場の汎用品をそのまま使用できるので、使用者が自由に選択でき、デザイン性も豊かである。略筒状の筒を使用した場合には、植物を植栽することも可能であるため二酸化炭素低減にも貢献できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床面及び地面にタイルなどを敷き並べてタイル床を構築するに際し、作業を容易に可能とする枠体を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
図17に従来のタイルユニットの概略構成図を示す。
【0003】
図17において、Aはタイルユニット本体であり、表面材aはタイルで構成されている。
ユニットの周辺部に複数の嵌合用の凹部b及び凸部cを有し、2辺は表面材aより平面方向に一定幅で突出した凸部嵌合機構が設けられて、もう一方の2辺の内側に凹部嵌合機構が設けられている。
【0004】
従来、建築物内や、建築物の屋上あるいはベランダなど広さ、形状が各様の場所にカーペットや畳表などの敷物をユニット化したものが頻繁に使用されるようになっている。たとえば、特許文献1などでタイルユニットが提案されている。この組込みタイルユニットは、各ユニットの側縁部を連続した凹凸模様に切り込まれたもので、敷き詰めたときに隣接するタイルユニットとの継目である凹凸模様を表面層が覆うので、隣合う敷物との接合線dは直線をもって形成され、違和感がなく、落着いた雰囲気を演出できる構造となっている。
【特許文献1】実開平6−288062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この嵌合用の凹部または凸部は、隣り合うタイルユニットの凸部または凹部を相互に嵌合し組み合わせているので、互いに干渉しあう関係により、タイルユニットの配置や数量を誤ってしまった場合もしくはタイルユニットの破損などにより交換が必要となった時には、組立てた順番を遡って再度の設置作業を実施しなければならないので、作業効率が悪くなってしまうという欠点があった。
【0006】
更に、ユニット化されているので、タイルのデザインが決められており、タイル材や木材などの汎用品を自由に選んで、デザインの拡充を図る事はできない。当然ながら、屋上、バルコニー、ベランダ、テラス、土間、コンクリート引きの廊下などにタイル敷設面とすることができるタイルユニットであり、地球温暖化対策に向けて、二酸化炭素の排出量低減として効果のある芝生や草花もしくは木などの植物を配列よく設置できるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の発明はこのような課題を解決するためになされ、その具体的解決手段として、従来のタイルユニットが、樹脂製のベースと、該ベース上に固着された複数枚のタイルとを備えていた構造から、樹脂製の枠体を分離し、枠体を先行して配置させる事で、レイアウト構成が容易で、作業効率も向上し、様々な種類のタイルやブロックあるいは小さな石などの汎用品を自由に選んで構成でき、植物をも枠体に組込むことができる構造としたものである。
【発明の効果】
【0008】
タイルやブロックなどが破損、あるいはレイアウトを変更する時の再設置作業では、変更したい部分だけを交換する事ができ、外観の見栄えを机上での確認に頼ることなく現場を見ながら容易に向上させる事ができる。樹脂製の枠体は、タイルやブロックなどをモルタルなどで結合する目地と同様の外観となるので、自然な見栄えとなると共に、水が枠体の上面に溜まらないような構造となっている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態1におけるタイル枠A本体の裏面からの斜視図
【図2】本発明の実施形態1におけるタイル枠A本体の表面からの斜視図
【図3】本発明の実施形態1におけるタイル枠A本体の側面図
【図4】本発明の実施形態1におけるタイル枠B本体の表面からの斜視図
【図5】本発明の実施形態1におけるタイル枠B本体の裏面からの斜視図
【図6】本発明の実施形態1における組立手順の表面からの斜視図
【図7】本発明の実施形態1における部品構成の表面からの斜視図
【図8】本発明の実施形態1の完成状態例における表面からの斜視図
【図9】本発明の実施形態1の完成状態例における断面図
【図10】本発明の実施形態2におけるタイル枠A本体の裏面からの斜視図
【図11】本発明の実施形態2におけるタイル枠B本体の裏面からの斜視図
【図12】本発明の実施形態2における部品構成の表面からの斜視図
【図13】本発明の実施形態2における高さ調整部品の表面からの斜視図
【図14】本発明の実施形態2の完成状態への過程例における表面からの斜視図
【図15】本発明の実施状態2の完成状態例における表面からの斜視図
【図16】本発明の実施形態3におけるタイル枠A本体の表面からの斜視図
【図17】従来のタイルユニットの概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のタイル枠の詳しい技術的構成を実施例に則して、かつ、図面を参照して具体的に説明する。
(実施形態1)
【0011】
図面により、本発明を説明する。図1〜図9は、本発明の実施形態1のタイル枠を説明する図ある。図1は本発明の実施形態1におけるタイル枠A本体の裏面からの斜視図であり、図2は本発明の実施形態1におけるタイル枠A本体の表面からの斜視図であり、図3は本発明の実施形態1におけるタイル枠A本体の側面図である。図4は本発明の実施形態1におけるタイル枠B本体の表面からの斜視図であり、図5は本発明の実施形態1におけるタイル枠B本体の裏面からの斜視図である。図6はタイル枠Aとタイル枠Bを接合したときの組立手順を示すものである。図7〜図9は、本発明の実施形態1における部品構成と完成状態例である。
【0012】
本発明の実施形態1において、平面用タイル枠A本体1は主要な合成樹脂製の構成部材である。例えば、合成樹脂の単独、あるいは、木屑、炭酸カルシュウム、再生プラスチックス、などの充填剤を高配合させたPE、PP、ポリアミドなどの可とう性のある合成樹脂、更には、耐候性安定剤や防虫剤などの添加剤を配合した合成樹脂、などの合成樹脂材で構成すればよい。また、可とう性や耐候性のあるステンレスなどの金属を使用してもよい。
【0013】
平面用タイル枠A本体1は、図1における係止め突起9が係止め穴6の位置まで図3のT3寸法が広げられることにより、押し込まれT3寸法に戻ることで係止めされる。尚、平面用タイル枠A本体1を複数個使用することにより、直線あるいは直角に連結させることができる。具体的には、直線上に連結する場合は、第1の係止め突起9aが第1の係止め穴6aに嵌合し、第2の係止め突起9bが第2の係止め穴6b、第3の係止め突起9cが第3の係止め穴6c、第4の係止め突起9dが第4の係止め穴6dにそれぞれ嵌合する。尚、図3の本発明の実施形態1におけるタイル枠A本体の側面図において、T1≦T3<T2となる寸法関係として、T2とT3の寸法差分が干渉し、嵌合後の抜けを防止可能としている。また、前方止め突起4は、前方止め5に接し、直線上に連結する場合の入り込み過ぎを防止する構造となっている。
【0014】
直角に連結する場合には、左側への曲がりもしくは右側への曲がりの2通りが実施可能になっている。左側へ曲がる連結の場合は、第1の係止め突起9aが第3の係止め穴6cに嵌合し、第2の係止め突起9bが第1の係止め穴6a、第3の係止め突起9cが第4の係止め穴6d、第4の係止め突起9dが第2の係止め穴6bにそれぞれ嵌合する。尚、前方止め突起4は、前方止め5aに接し、左側へ直角に連結する場合の入り込み過ぎを防止する構造となっている。
【0015】
右側へ曲がる連結の場合は、第1の係止め突起9aが第2の係止め穴6bに嵌合し、第2の係止め突起9bが第4の係止め穴6d、第3の係止め突起9cが第1の係止め穴6a、第4の係止め突起9dが第3の係止め穴6cにそれぞれ嵌合する。尚、前方止め突起4は、前方止め5bに接し、右側へ直角に連結する場合の入り込み過ぎを防止する構造となっている。直線及び直角に組立てることが可能であるため、平面用タイル枠A本体1だけを使って、正方形あるいは長方形の枠を構成することもできる。尚、平面用タイル枠A本体1への係止め突起9及び係止め穴6の構成角度を変更することにより、自由に曲がり角度を変更することも可能である。
【0016】
図6は、本発明の実施形態1における組立手順の表面からの斜視図である。図6の(a)の状態は、平面用タイル枠A本体1を直線上に3個連結し、左側へ直角に曲げた連結を実施した後、直線上に2個連結させている。その後、平面用タイル枠B本体10の第1の結合突起14aが、平面用タイル枠A本体1の第3の結合穴15cに嵌り、平面用タイル枠B本体10の第2の結合突起14bが、平面用タイル枠A本体1の第2の結合穴15bにそれぞれ嵌り、図6の(b)の状態となる。平面用タイル枠B本体10を8個追加し、図6の(c)の状態が完成する。平面用タイル枠B本体10同志が結合する場合には、平面用タイル枠B本体10の第1の結合突起14aが、第4の結合穴16aに嵌められ、第2の結合突起14bが、第5の結合穴16bに嵌められることで完成する。
【0017】
使用部品数量の割出しは、図6より平面用タイル枠A本体1を縦に3個、横に3個使用していることから、3×3となり平面用タイル枠B本体10を9個使用する事がわかる。更に、タイル17などが配置できる9つの枠のある空間が完成する事がわかる。尚、平面用タイル枠A本体1を設置予定場所に配置することで、タイル床を完成させるのに必要とする平面用タイル枠B本体10やタイル17などの部品個数をはじめタイル床全体の設置範囲が簡単に割出しできるという優位点がある。
【0018】
また、平面用タイル枠A本体1にある水抜き穴7及び水抜き経路3、平面用タイル枠B本体10にある水抜き穴13及び水抜き経路12は、水が浸入した際の水抜き経路となっている。例えば、タイル床上面に水がこぼれた場合、タイル17から外周に水が流れ、タイル17と平面用タイル枠A本体1の枠2もしくは平面用タイル枠B本体10の枠11との間に流れ、水抜き穴7,13を経由して水抜き経路3,12を通過して、水が地面に落ちる構造となっている。
【0019】
更に、水抜き経路3,12は、タイル枠の間で、ほぼ同じ横軸位置に設置されており、水が排出されやすいようになっている。仮に、大量の水によって一時的に溜まることがある場合でも、平面用タイル枠A本体1にある台座8a及び平面用タイル枠B本体10にある台座8bによって、タイル17の高さ位置を台座の高さ分だけ底上げしているため、水抜け空間が確保された構造によりタイル17が浸水する可能性は極めて低くなっている。
【0020】
例えば、腐食しやすい木材を使用した場合、直下置きの場合に比べ、使用耐久年数を大幅に長くできるものである。尚、水抜き経路3,12は半円形状となっており、平面用タイル枠A本体1及び平面用タイル枠B本体10ともに、ほぼ同じ場所に貫通されている。パイプに温水などを通して水抜き経路3,12に沿わせることにより、床暖房と同様の効果を得ることができる構造を実現することも可能となっている。
【0021】
図7は、本発明の実施形態1における部品構成の表面からの斜視図であり、枠の構成部品である平面用タイル枠A本体1、平面用タイル枠B本体10。スロープ22やスロープ角23は、タイル17の高さや枠の高さにある段差を解消する。尚、スロープ角23は、その端部がスロープ22の両サイドの内側に入り込み、スロープ22は、スロープ係止め突起22aが平面用タイル枠A本体1の水抜き穴7や平面用タイル枠B本体10の水抜き穴13に係止めされて固定される構造となっている。
【0022】
図8の本発明の実施形態1の完成状態例における表面からの斜視図は、屋上、バルコニー、ベランダ、テラス、土間、コンクリート引きの廊下などの敷地面が平らで比較的固くなっている場所に使用できるものであり、平面用タイル枠A本体1及び平面用タイル枠B本体10にて構成される。枠内に使用できるものとしては、タイルや石材ブロック、木製タイル、人工芝、カーペットなどとなる。また、タイルや石材ブロック、木製タイルの市場汎用品として縦横における大きさは300×300mmが最も多くの種類が揃っており、他に200×200mmや450×450mm、600×600mmなどがある。汎用品は正方形の形状のものが中心となっているものの、レンガなどの長方形の汎用品を複数個組み合わせて正方形として使用、あるいは、長方形用のタイル枠を構成することも当然ながら可能である。
【0023】
また、図9の本発明の実施形態1の完成状態例における断面図にあるように、タイル17の高さは、平面用タイル枠A本体1及び平面用タイル枠B本体10の枠高さより高くなる設定(寸法D)としている。市場汎用品におけるタイルなどの高さは、30mm〜45mmのものが多く、タイル17の重さによりタイル17の底部が平面用タイル枠A本体1の台座8aや平面用タイル枠B本体10の台座8bを常に押さえる状態となるので、平面用タイル枠A本体1、平面用タイル枠B本体10が浮き上がったりするなどの状態を防止している。
【0024】
また、本発明では全ての構成部品が、組立式であるとともに分解も容易に可能な構造となっており、従来のタイルと合成樹脂にてユニット化した構造とはしていない。従来品では部品廃却時には解体作業による材料分別やサーマルリサイクルとしての再利用方法となっていた。本発明では、ユニット化ではなく単品形態であり、単一材料により、部品廃却後の再利用を容易にしている。更に、エコキャップ運動と連動して再資源化を実施することも可能な構造であり、地球温暖化対策に向けた二酸化炭素の排出低減に大きく貢献できるものである。
(実施形態2)
【0025】
本発明の第2実施形態について図10〜図15を用いて説明する。尚、本発明の実施形態1と実施形態2の主な相違点は、図10にあるガーデン用タイル枠A本体18にある楔20及び図11にあるガーデン用タイル枠B本体19にある楔21が追加されていることにある。従って、楔の機能以外について、図10のガーデン用タイル枠A本体18は、平面用タイル枠A本体1と同じであり、図11のガーデン用タイル枠B本体19は、平面用タイル枠B本体1と同じとなっている。尚、楔20,21にはガーデン用タイル枠A本体18とガーデン用タイル枠B本体19の地面へ固定する機能の他に、芝生の根を止める役割を併せて持っている。
【0026】
実施形態1は、屋上、バルコニー、ベランダなどの敷地面が平らで比較的固く変形しにくい場所に設置されるので、図1や図5のように水抜き経路3,12が設けられ、底面が平らになっている。実施形態2は、庭や公園などの土壌34となっている場所に設置される。従って、土壌34に差し込んで使用する構造から楔20,21が設けられている。水抜き経路3,12は土壌34の排水環境の状況により、設定が必要な場合と必要としない場合があり、第2実施形態の図面からは取り除いている。図12は、本発明の実施形態2における部品構成の表面からの斜視図となっている。
【0027】
図13は、本発明の実施形態2における高さ調整部品の表面からの斜視図である。本部品は、二つの機能を持っている。一つ目は、高さ寸法を調整する機能である。汎用品のタイル17などの高さ寸法は、一般的な汎用品で最大で15mm程の差があり、様々な種類のタイルをそのまま使用してしまった場合、凹凸のある外観により見栄えを悪化させてしまう。二つ目としては、地面からの水の跳ね上げによる泥汚れ対策及び雑草が伸びてしまうことの防止機能である。ガーデン用タイル枠A本体18とガーデン用タイル枠B本体19で構成された枠の内側は、タイルなどを載せていない場合には、土壌34のままになっている。
【0028】
具体的には、ガーデン用タイル枠A本体18とガーデン用タイル枠B本体19で構成された枠の内側に第1の底上げ板24の位置決め突起28,第2の底上げ板25の位置決め突起29が水抜き穴7,13に嵌められるとともに、台座8a,8bの上に外周枠突起26が接する状態となることから、二つの機能が実現できる。尚、図13の(j)の第1の底上げ板24における外周枠突起26の高さH1は、図13の(k)の第2の底上げ板25における外周枠27の高さH2より低くなっており、タイル17などの高さ寸法の凹凸調整は、外周枠27の高さを変えることで対応を可能となる。
【0029】
また、土壌34が露出する範囲の中で、台座8a,8bと第1の底上げ板24及び第2の底上げ板25は、台座の幅寸法W1,W2分が重なり合っているので、水の跳ね上げ対策や雑草の育成防止として、より効果的な構造となっている。更に、外周枠27高さH3と外周枠突起26の高さH2との寸法差が外周枠27と台座8a,8bの間に隙間を構成させ、水の排出路としての機能を持たせている。底上げ板24及び底上げ板25の使用例としては、人工芝などを貼り付けたり、木粉を混ぜた人工木材などの樹脂を使用し、単体の状態のままでも自然な美観を保つような使用方法などがある。
【0030】
ガーデン用タイル枠A本体18とガーデン用タイル枠B本体19で構成された枠の角部分には、部品の組み合わせの寸法や嵌めあい公差により、僅かな隙間が出来てしまうものの、タイルやブロックなどの形が決まっているものを使用する場合には、そのまま使用可能である。しかしながら、芝生や草花もしくは木などの植物の場合には、土を使用するため、そのままの使用状態では、プランターのような使い方をすると土が漏れてしまい隣接するタイルなどを汚し、美観を損ねてしまうという問題がある。
【0031】
図14は、本発明の実施形態2の完成状態への過程例における表面からの斜視図であり、図14(m)のような筒状の部品やプランターそのものを使用することで、この問題を解決することが可能となる。例えば、図14(n)は筒状の部品である第1のガーデン筒31a、第2のガーデン筒31b及び第3のガーデン筒31cを使用している。また、9箇所の内、5箇所にはタイルを使用している。第3のガーデン筒31cの高さh3は、タイルと同じ高さ位置となっており、例えば芝生を植えてタイルと同じ高さに揃えることもできる。
【0032】
更に、楔20,21により芝根が隣接する範囲に侵すことなく、土壌直下に植えることができる優位点もあるので芝生育成にも良好な環境を整えることができ、見栄えもよく、手入れも容易にできるものとなる。尚、使用者が歩行に使用するタイルの高さ位置より高くすることができる第1のガーデン筒31aの高さh1及び、第2のガーデン筒31bの高さh2には、花壇を実現するなどの植栽をすることにより、整然と配置された美しい庭が容易な作業で実現できる。
【0033】
ガーデン筒31は、ガーデン筒係止め突起32の突起高さの距離分だけ筒の内側に撓んだ後、ガーデン筒係止め突起32は、ガーデン用タイル枠A本体18の水抜き穴7及びガーデン用タイル枠B本体19の水抜き穴13に嵌合される構造となっている。所定の位置に係止めされることにより、ガーデン用タイル枠A本体18及びガーデン用タイル枠B本体19とガーデン筒31は、隙間ができないように嵌合されるので土の漏れを防止することが可能となる。
【0034】
更に、ガーデン筒突起33は、枠2,11の上部の位置となり、枠への干渉による変形防止とガーデン筒31の強度向上を実現している。使用材質については、合成樹脂の単独、あるいは、木屑、炭酸カルシュウム、再生プラスチックス、などの充填剤を高配合させたPE、PP、ポリアミドなどの可とう性のある合成樹脂、更には、耐候性安定剤や防虫剤などの添加剤を配合した合成樹脂などで構成すればよい。また、可とう性や耐候性のあるステンレスなどの金属を使用してもよい。
【0035】
図15は、本発明の実施状態2の完成状態例における表面からの斜視図であり、本発明の実施形態2を具体的にイメージしたものである。ガーデン用タイル枠A本体18が、縦に12個並び横に7個並んでいることから、ガーデン用タイル枠B本体19を84個使用し、タイル17や木製タイル35あるいはガーデン筒31などの合計数が84となるものである。使用者の歩行通路として、タイル17が敷きつめられ、その周りにはガーデン筒31が配置され、草花を植栽することができるレイアウトとなっている。
【0036】
図15のガーデン筒31の中に、ホームセンターや花屋で販売されている小さなプランター付の草花をそのまま入れても美観を損なうことはない。何故なら、区画が整列されていることに加え、プランターの高さが10mm前後と低く、ガーデン筒31にプランターが隠れるので、綺麗な飾り付けをすることができる。
【0037】
更に、本発明のタイル枠にガーデン筒31に蓋を追加したり、市販の箱を設置した場合には、前記した花壇用のプランターとしての用途に加え、花檀作業用の用具、花檀用肥料などはもとより比較的容量が小さい一般用具の収納庫(物置き)などの囲み用箱となり、そのまま椅子としても活用できる。
(実施形態3)
【0038】
本発明の第3実施形態について図16を用いて説明する。尚、本発明の実施形態1と実施形態3の主な相違点は、図16にある水流溝30があることにある。水がこぼれた場合タイル17から外周に水が流れ、タイル17より低く設定されている平面用タイル枠A本体1の枠2もしくは平面用タイル枠B本体10の枠11に流れ、水抜き穴7,13を経由して水抜き経路3,12を通過し、水が地面に落ちる構造となっている。このとき、水流溝30を水抜き穴7,13の上側に設けることで、より水の流れを水抜き穴7,13から水抜き経路3,12に通過し易くすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、直線形状のタイル枠AとL字形のタイル枠Bの二種類を組み合わせることにより、所定の大きさの枠を簡単に構成でき、枠体を先に配置させる事で、簡単にレイアウトを割出すことができる。タイル枠は、樹脂などの軽いものでできているので、設置作業も手軽で効率的に実施できるとともに、拡張やタイル変更にも容易に対応できる。
【0040】
本発明は、様々な種類のタイルやブロックの他に小さな石や人工芝あるいはカーペットなどの汎用品を使用者自身の選択で、自由に選ぶことができるので、デザイン性も豊かにできる利点がある。また、構成部品すべてが単品構成のため、材料の再利用が行い易く、資源の有効利用価値が高い。特に、植物育成を行う枠体を組込むこともできる構造となっているので、二酸化炭素の排出低減による地球温暖化対策としての効果を持つ有効な構造を手軽に実現することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 ・・・・平面用タイル枠A本体
2,11 ・・・・枠
3,12 ・・・・水抜き経路
4 ・・・・前方止め突起
5 ・・・・前方止め
6 ・・・・係止め穴
6a ・・・・第1の係止め穴
6b ・・・・第2の係止め穴
6c ・・・・第3の係止め穴
6d ・・・・第4の係止め穴
7,13 ・・・・水抜き穴
8a,8b ・・・・台座
9 ・・・・係止め突起
9a ・・・・第1の係止め突起
9b ・・・・第2の係止め突起
9c ・・・・第3の係止め突起
9d ・・・・第4の係止め突起
10 ・・・・平面用タイル枠B本体
15 ・・・・結合穴
17 ・・・・タイル(ブロック)
18 ・・・・ガーデン用タイル枠A本体
19 ・・・・ガーデン用タイル枠B本体
20,21 ・・・・楔
24 ・・・・第1の底上げ板
25 ・・・・第2の底上げ板
26 ・・・・外周枠突起
27 ・・・・外周枠
28,29 ・・・・位置決め突起
30 ・・・・水流溝
31 ・・・・ガーデン筒
32 ・・・・ガーデン筒係止め突起
34 ・・・・土壌

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面及び地面にタイルなどを敷き並べてタイル床を構築するに際し、タイルが丁度整数枚納まる広さのタイルの敷地面を確定する前記床下及び地面において、4つの係止め穴と4つの係止め突起を持っている部品を複数個使用して嵌合させ、直線あるいは直角に連結させることにより、正方形もしくは長方形の枠を構成できる構造にあって、枠および枠に構成された床下及び地面への水抜き用の穴と枠の内側に収めるタイルなどが床面及び地面に直接触れないように底上げできる台座を設けていることを特徴とする簡易組立て式のタイル枠。
【請求項2】
請求項1に記載のタイル枠を構成する部品に、枠および枠に構成された床下及び地面への水抜き用の穴と枠の内側に収めるタイルなどが床面及び地面に直接触れないように底上げできる台座を設けたL字形状の部品を組み合わせ、略正方形もしくは長方形の枠を構成することを特徴とする簡易組立て式のタイル枠。
【請求項3】
請求項1及び請求項2のタイル枠を構成する部品において、床面に触れる場所には、水が溜まった場合に備え、排水用としての水抜き経路を設けたことを特徴とする簡易組立て式のタイル枠。
【請求項4】
請求項1及び請求項2のタイル枠を構成する部品において、地面に設置する場合には、隣接する範囲への根止めと土壌への部品の位置固定を目的とした楔を設けたことを特徴とする簡易組立て式のタイル枠。
【請求項5】
請求項1及び請求項2のタイル枠を構成する部品に、略筒状の部品を組み付けることにより、土壌を略筒状に直接入れて芝生や草花を植栽することが可能となる簡易組立て式のタイル枠。
【請求項6】
請求項1及び請求項2のタイル枠を構成する部品に、略平板状の部品を取り付けることにより、タイル枠からのタイルなどの高さ方向の突出量を調整するとともに、下面からの水や泥のはね返りを防止することを目的とした簡易組立て式のタイル枠。
【請求項7】
請求項1及び請求項2のタイル枠の構成部品の枠部分に、水が流れた際に水の流れを集約させるための凹凸や穴を設けたことを特徴とする簡易組立て式のタイル枠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−136922(P2012−136922A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294831(P2010−294831)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【特許番号】特許第4921586号(P4921586)
【特許公報発行日】平成24年4月25日(2012.4.25)
【出願人】(510007045)
【Fターム(参考)】