説明

タウロリジン製剤及び投与:細菌マイクロフィルム形成に対する治療処置及び抗菌保護

局部的な細菌感染の治療は、感染部位にタウロリジンを局部的に適用することを含んでいる。体内へ挿入するための装置は、装置を感染に対する耐性を付与するタウロリジンを含んでいる。細菌感染を治療するための薬剤は、ゲル、液体、揺変性ゲル、コロイド状混合物、分散懸濁液、注射可能なポリマー又は細粒のうちの一つによって担持されているタウロリジンを含んでいる。血液を治療するための方法は、体内から血液を取り出すこと、タウロリジンによって血液を処理すること及び処理された血液を戻すことを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、(i)感染の治療及び(ii)体液に細菌を蓄積するか若しくは体液へと運び又は組織と接触する装置の表面上の付着及び/又は細菌定着又は細菌定着の根絶(iii)敗血症を治療するための体外血液処理治療を提供するために、長期間に亘って特別な局部領域に供給されるタウロリジン及びタウロリジンを含んでいる混合物の使用方法、処方及び医療装置の設計に関する。
【背景技術】
【0002】
(係属中の参考先行特許出願)
Hans−Dietrich Polasheggによって2004年5月14日に出願された“TAUROLIDINE FORMULATIONS AND DELIVERY:THERAPEUTIC TREATMENTS AND ANTIMICROBIAL PROTECTION AGAINST BACTERIAL BIOFILM FORMATION”という名称の係属中の先行米国仮特許出願第60/571,272号
Hans−Dietrich Polasheggによって2004年2月2日に出願された“PREVENTION OF INDWELLING DEVICE RELATED INFECTION:COMPOSITON AND METHODS”という名称の係属中の米国特許出願第10/769,961号
Hans−Dietrich Polasheggによって2004年2月3日に出願された係属中の先行ヨーロッパ特許出願第03002292.5号
タウロリジン(4,4’メチレン−ビス(テトラヒドロ−2H−1,4−チアジアジン−1,1二酸化物))、アミノスルホン酸タウリンの誘導体は、グラム陽性及びグラム陰性の細菌及びカビを含んでいる抗菌剤活性の広いスペクトルを有する古い殺菌剤である文献1,2。分子は、低毒性及び高い安全率、エンドトキシンに対する中和活性及び抗付着活性を含む特性の特有の列によって特徴付けられる。タウロリジンは、臨床的に最も重要な細菌に対する抗菌作用が試験されており、臨床的に最も重要な細菌のほぼ全てに対して有効な試薬である。そして重要なことには、細菌耐性の画期的な進展は、25年間以上に亘る臨床試験においてほぼ全く観察されていない。
【0003】
タウロリジン化合物は、腹膜炎の治療のための洗浄液として腹腔空洞への投与のためにおよそ1980年代以来幾つかのヨーロッパの国々において市販されて来た。市販によって入手可能な化合物は、スイス国、WolhusenにあるGeistlich AGによって作られている。
【0004】
タウロリジンのための第二の市販用途は、カテーテルに関係する感染症の防止のための血液透析におけるカテーテルロック溶液として使用される米国マサチューセッツ州のBiolink Corporationによって市販されているタウロリジン及びクエン酸塩の混合物に対しておおよそ2001年にヨーロッパにおいて始まった。
【0005】
タウロリジンは、特に有望な抗菌性化学成分であることが明らかである。現在においては、細菌が当該細菌に対して最も有効に使用されて来た抗生物質に対して耐性を持つようになりつつあるので、多くの抗生物質が有効でなくなりつつある。この“細菌の耐性”の発生は、病院内ばかりでなく他の領域においても重大な健康問題になって来ている。耐性の発生のための駆動力は、発現法則に従う非生存を超える細菌生存の自然な選択である。比較的弱い細菌は、抗生物質環境内で生存せず、生存のみが繰り返されて種となる。何百億個もの細菌が小さな場所に存在する。細菌は、2〜3時間の短い再生時間を有する。小さい場所内の短い再生時間及び莫大な数は、比較的複雑な生命形態と比較して適応の発現を著しく加速する。
【0006】
多くの有害な細菌は、主要な抗生物質に対して耐性となりつつある文献3。この虞と同時に、医薬品工業は、最も新しいR&D供給源を抗生物質の開発から進路を逸らせてきており、このことは、市場に行き渡る新しい抗生物質が極めて少なくなったことによって証明される。新しい抗生物質の欠如は、医師が有効な抗菌剤の選択肢の減少に対面するので重大な問題となりつつある文献4
【0007】
タウロリジンの独特の特性は、一つの薬剤だけでは通常は提供されない多数の医療上有益な作用を提供する。表1は、本発明によって提供される新しい治療及び留置装置の予防法のために利用することができるタウロリジンの幾つかの有用な手段となる特性を列挙している。
【0008】
タウロリジンは、当初は、1980年頃に腹膜炎のための腹膜の洗浄のための抗菌剤としてヨーロッパにおいて商業的に使用された。Geistlich科学者及びその他の研究者は、多くの観察的な研究を行う際及び1970年初期に始まった種々の用途に対する特許を創造する際に全く盛んであった。しかしながら、2つの薬剤(既に記載されたGeishich腹膜洗浄液及び2001年頃に導入されたBiolinkのタウロリジンカテーテルロック)のみが市場に行き渡ったと考えられている。他のタウロリジンの用途は、臨床的な使用を阻害するある種のタウロジンの特性により医療行為として受け入れられなかった。タウロリジンは臨床的な制限を有し、これらの制限は首尾良い臨床結果を達成するためには解決される必要がある。臨床用途を制限するタウロリジンの特性が表2に列挙されている。
【0009】
幾つかの以前の臨床的な研究は、タウロリジンは、全身用途に対して起こりそうにない一般的な抗生物質治療に対して首尾良く置き換わり得ることを仮定していた。これらの治療としては、IV注射/注入、簡単なゲル又は液体処方の解放性外傷用途及び吸入治療がある。しかしながら、表2に特定されているタウロリジンの特性は、しばしば臨床的に失望される一因となって来た。タウロジンを使用する治療方法の首尾良い結果は、タウロリジンの治療能力を弱める否定的な特性(表2)を回避し又は無にしつつ、同時に有益な特性(表1)を得ることに依存している。
【0010】
1997年及び1998年における臨床的な試みが、新しい血液透析ポートからの血管へのアクセスを評価するために行われた。これらの試験は、血液の流れによる感染はカテーテルの血液導管のバイオフィルムの定着から細菌によってもたらされたことを明らかにした。これに続いて、ほぼ全ての脈管内(IV)カテーテルは、概して内側面を細菌性バイオフィルムによって汚染されるようになることが発見され、これは、カテーテルに関する血流汚染(CRBI)の主たる原因であると考えられる。幾つかの報告には、バイオフィルムの汚染を防止し且つ高いCRBIを解決するための方法として、抗菌性ロックの首尾良い使用方法が記載されている。しかしながら、細菌耐性の潜在的な出現により、これは大規模な許容可能な解決方法ではない。
【0011】
偶然にも、タウロリジンの非抗菌性は、予防薬としての抗菌剤の使用に対する可能な促進をもたらすことが発見された。これは、広いスペクトル作用を有し且つ細菌の耐性を誘起しないので理想的であと考えられた文献1,5〜8。タウロリジンロックは、ポート及びカテーテル内に関する感染を減じることにおいて大きな影響を及ぼし、入院及び死亡率を著しく低減させた9,10。この結果は、“スーパー細菌”に対してさえ予防、生体適合性の問題の完全な欠如及び細菌の耐性を非生成に対する主要な進歩と考えられた。
【0012】
過去に失敗した多くの異なるタウロリジン用途の25年間の歴史においてさえも、この成功がもたらされた。敗血症ショックの処置、骨髄炎の結果及び経口感染におけるこれらの失敗の根本的な理由を理解するための計画がなされた。
【0013】
この仕事は、表1に列挙された特性の効果を得るための留置装置のための薬剤及び抗菌剤としてのタウロリジンの最適な医療用途における一連の原理をもたらした。多くの供給源からの情報は、タウロリジンの正しく且つ十分な投与による潜在的な改良を有する幾つかの改良を有する幾つかの医療の必要性を示した。これら医療としては、火傷の治療、皮膚疾患(アトピー性皮膚炎、慢性開脚疼痛)、種々のガン治療、乳房移植技術、種々の歯感染及び治療補助がある。体の部位におけるタウロリジンの存在を理想化するための手段を提供するために明らかになった原理は、首尾良い出力を達成するための手段であり、供給変量は抗菌剤とは異なっていた。
【発明の開示】
【0014】
タウロリジン治療の失敗の分析
動的薬理学は、薬剤投与に続く体内での薬剤及びその代謝物質の時間的推移の研究である。抗菌薬剤による有効な治療は、多量(量の程度)の細菌を殺し且つ定着を阻止するのに十分な細菌の定着部位に適当な濃度の薬剤を確保し且つ維持することによって殺菌作用を発生する。適切な時間−投与量は、特別な細菌株、体の部位、利用できる薬剤の濃度、薬剤の毒性及び殺菌作用に必要な時間及びその他のファクタに依存する。最近の文献は、臨床的感染を根絶する可能性を改良するために薬剤の量を決定するためのPK/PD分析の有用性を示している文献40
【0015】
図1は、血流内の典型的な抗生物質の浄化作用を示している。これは、典型的な薬剤投与後の活力の低下曲線である。表3は、血流内の細菌に対する殺菌作用を判定する重要な変数を列挙している。この表の上部分の5つのファクタは、バンコマイシンの特性、典型的な抗菌剤及びタウロリジンの特性を規定している。この表の下部分は、サロゲート標識と呼ばれる部分である。これらの標識は、治療をガイドするために特別な部位及び薬剤のために体内の濃度分布から計算された動的薬理学/薬力学(PK/PD)値である。誘導されたパラメータは、バンコマイシンに対して推定されたものである(人体実験から得られたデータによって薬剤標識内に規定された平均値である図1を参照)。タウロリジン標識が種々の文献供給源から得られて来ている。感染の根絶における抗菌薬の効能を予測する際に標識は有用である。もちろん、PK/PDパラメータの値は、感染を生じさせる特別な細菌及び特別な体の部位に対するものでなければならない。
【0016】
遠位における感染の根絶のために全身投与された抗菌剤に対しては、濃度及び浄化は、遠隔部位においては著しく減衰されることを理解すること(及び相応して行うこと)は重要である。
【0017】
図4は、循環系内へ給送した後の体内水分内のタウロリジンの時間経過濃度を示している。計算のために、Steinbachらからの動力学パラメータ文献28及びWillattsらからの注入データは文献27を使用した。タウロリジンは迅速に拡散し、体内水分濃度は、血漿水(プラズマウォータ)の濃度に等価である。血漿と全血とは付加的な物質を含んでいるので、血漿の濃度は6%未満であり、全血濃度は約25%未満である。この曲線は体内水分の濃度の時間時間値とその平均値とを示している。タウロリジンのMICのための下端範囲は約0.5mg/mL(500μg/mL)であり、これは決して達成されない。この例における平均濃度はMICのほんの20%である。
【0018】
この制限の理由は、水性溶液内のタウロリジンの下方飽和濃度、患者への安全に許容可能な注入速度の限界及び腎臓による血液からのタウロリジンの迅速な除去である。注入流体内のタウロリジンの濃度を高くすることができる場合及び/又は浄化値を著しく減じることができる場合には、臨床有効性を改良することもできる。
【0019】
最後に、これらの弱点のため及び中心血液区画から潅流程度が低い区画まで通過する典型的な薬剤形態の作用モードの減衰のために、有効な結果を得るための現在のタウロリジン薬形態の全身薬剤給送能力は本質的に皆無であることが理解されるべきである。
【0020】
典型的なタウロリジンの用途は、必ずしも全身投与と同じ制限を有さず、これらの利益のうちの幾つかを以下に説明する。しかしながら、新規な方法は、以下の方法によってタウロリジンの全身的な特性を改良することができる。
【0021】
(i)半減期を延ばすことによって血流内の浄化値を減じる方法。これは、ペグ化技術のような他の薬剤と共に使用される幾つかの技術及びタウロリジンの浄化を低下させる他の方法によって達成することができる。
【0022】
(ii)現在実施可能であるよりも遙かに高い濃度のタウロリジンを注射するか又は注入することによってタウロリジンの濃度を高める方法。これは、水溶解限度によって管理される2%レベルよりも遙かに高い濃度を達成するために細粒形態の固体/半固体粒子を形成することによって達成することができる。これらの薬剤粒子は、有効な作用を維持するために適当な速度で周囲組織内へ薬剤を給送するために作られている。毛細血管を通過する直径が約5μmよりも小さい粒子は、血流内へ直接注入することができ、これらの粒子は、血流内で分解して流体状態での給送に比較して高いタウロリジン濃度をもたらす。
【0023】
血液内のタウロリジンの濃度を高める別の新規な方法は、体外へ分流された血液に薬剤を供給することである。この方法は、体内水分からの大きな希釈効果と腎臓による除去を阻止する。この技術を達成するための実際的な方法を以下に説明する。この技術は、タウロリジンの全身治療による効き目を欠くことが既に判明している敗血症及びその他の疾患の治療に対して特に有用であるかも知れない。更に、この体外治療の変形例は、高いタウロリジン濃度を有する処理された血液を局部的な部位の血管内へ戻すことであるかも知れない。
【0024】
現在の問題点を記載したが、これによって、タウロリジンは中心循環内に治療レベルを得ることができず、抗菌剤(例えば、バンコマイシン)のために存在し得ない。バンコマイシンは、高度に濃縮された形態で得られ、通常は適用される前に希釈される。高い全身濃度を得るための物理的な制限は存在しない。更に、バンコマイシンの分子量は遙かに大きいので、浄化値はより低い。バンコマイシンに関する虞は、治療量以下の濃度での潜在的な毒性である。この理由のために、バンコマイシンの投与は、体の体積及び腎臓の浄化値を考慮に入れなければならない。製薬会社は、この目的のためのモデルプログラムを提案しており、これはインターネット上で見つけることもできる。薬剤の投与量及び注射又は注入の周期は、MICより数倍高い濃度及び毒性の限度より低いピーク濃度で図1に示されている特性に似た特性を達成するように合わせられている。
【0025】
概念及び本発明
タウロリジンの有効な用途のために開発された主要な概念を以下に説明する。
1.簡単な水溶液としてのタウロリジンは、全身薬として機能しないであろう。この薬剤は、ほとんど如何なる細菌株に対するMIC値よりも高い濃度を達成するのに十分な速さで血流内へ供給することができない。これは、安定状態で、ボトル内の薬剤の濃度がほんの約1%(すなわち、10mg/ml)であり、これは治療成功に対して狭い許容範囲を提供するからである。IV薬剤は、生物の体積のほとんどを構成している体内水分と平衡する。更に、血流内で確立されるピーク濃度は、主として腎臓による迅速な浄化により迅速に減衰するであろう。
【0026】
a.結果:扁桃腺炎、耳の感染症又は皮膚感染症のような局部的な感染は、タウロリジンの一般的な全身投与によって根絶されないであろう。
b.結果:体外治療技術による投与は、大量の液体を中心血液系内へ同時に注入することなく、より高濃度のタウロリジンが血液と接触するようになるのを可能する。
【0027】
2.タウロリジンカテーテルロックは、タウロリジンが有効な予防治療策であることを確立して来た。この結果は、かなり長い時間に亘ってカテーテルの内面上の細菌と接触する薬剤貯蔵のための内部空間を付与するカテーテルの幾何学的構造によって達成され、前記貯蔵箇所は、濃度が長時間に対する最大細菌濃度(MBC)より高く留まるのを可能にするために体の浄化作用から隔離されている。
【0028】
a.結果:高い感染速度を有する他の装置を探し、感染の限られた部位に薬剤を目標付けしているか否かを判定する。体の浄化装置に曝されない薬剤給送経路は感染予防を提供しないかも知れない。
【0029】
b.結果:持続時間に亘って体の浄化機構によって薬剤の効能を喪失することなく薬剤貯蔵物を形成し且つ給送速度及び経路を形成するために感染した部位の近くの体内に、同様の局部的及び限られた空間を探す。
【0030】
3.ある種の条件又は留置装置と体との境界部は、以下のようなタウロリジンの臨床的有用性を高める。(i)中心血液系からの隔離又は(ii)意図した部位においてタウロリジンの濃度を低下させる保護ファクタ。これらの条件は、タウロリジンを給送する活性補給可能な給送装置から必要とされる部位まで役に立つかも知れない。
【0031】
a.結果:呼吸作用のための気管内チューブ及び尿道カテーテルのような装置(これらは両方とも、医療機関内での高い感染性を有する)は、この考えから役に立つことができる。図2は、患者の気管内チューブの配置図であり、図3は、本発明の実施形態を規定している図である。
【0032】
b.結果:尿道カテーテルと尿道との間及び膀胱内の限られた空間は、カテーテルに関係する尿感染症を減じるために能動的な供給のための有利な目標かも知れない。
c.結果:タウロリジンは、多くの抗生物質とは異なり、皮膚を介して拡散できることにおいて独特である。皮膚の外側には、皮膚に取り付けられたバリア膜によって限られた空間を形成することができる。取り付けは、単に丸いバンデージと似た外周接着層とすることができる。タウロリジンは、膜を貫通する適当な結合によって膜と皮膚(例えば、傷又は潰瘍)との間の空間に供給することができる。薬剤空間は、この空間へ材料を注入し且つこの空間から抜き取るために適当な導管を組み込んでも良い。タウロリジン薬剤の形態は、種々のタイプのゲル、液体、揺変性ゲル、コロイダル混合物及び除放特性を組み込むことができる種々の分散懸濁液として想定することができる。小さな携帯型のインスリンポンプ、IMed使い捨て型のポンプ等のような多くのタイプの注入ポンプを能動的供給のために使用することができ又は手動で注射器を介して周期的に空間を補充することができる。
【0033】
d.結果:身体の輪郭及び開口部によって形成される他の形状の領域は、2〜3列挙すると、外耳、鼻及び鼻腔、口、目/瞼、肺、感染した歯に隣接する膿によって作られた通路、膣及び肛門通路が挙げられる。これらの空間は更に、包囲物を設計することによって、隣接する身体部位に薬剤の十分な供給のためのタウロリジン貯蔵物(時間、薬剤濃度、作用領域、注入補給速度等)を提供することができる。
【0034】
4.タウロリジンは、濃度差によって駆動される拡散によって受動的に人間の皮膚ばかりでなく高分子材料を通過することができる小さな分子である。タウロリジンが、臨床的重要性を得るのに十分な速度でシリコーンゴムを通って拡散できるか否かを判定するために実験した。この実験は、HDカテーテルサイズのシリコーンゴム(すなわち、2mmのID及び5mmの壁厚)によって行った。シリコーンゴムは、水を充填して蓋をした。これを2%のタウロリジン浴内に浸漬した。3日以内に、内側体積がタウロリジン浴と平衡した。検知装置はUV−可視分光計であった。
【0035】
a.結果:皮膚上の貯蔵物としてタウロリジンを貯蔵して、皮膚の下の感染部位を治療することができる。段階I及び段階IIの床ずれ及び別の健常人の間で広く報告されている接触感染性の高い抗生物質耐性の黄色ブドウ球菌文献12のようなある種の状態は、皮下空間内の感染部位である。これらの状態には、受動拡散を介する局所的なタウロリジンの供給が有益であろう。別の方法として、経皮薬剤供給増進剤文献13をタウロリジン内に組み込んでより高度な供給を達成しても良い。物質移動速度を高めるため且つより深い皮下部位へ達するために利用できる他の手段は、(例えば、Sontra Corporationによって作られた装置によって)皮膚を超音波によって活性化することのような経皮薬剤供給用に設計された種々の装置及び経皮薬剤供給を駆動し且つ制御するための幾つかの他の入手可能な装置文献14を使用することが有益であり得る。
【0036】
b.結果:外皮層上の貯蔵物の形成は、上記3cに記載した方法によることができる。
c.結果:タウロリジンは、皮下に配置されるように貯蔵物内又は体内深くさえ組み込むことができる。貯蔵物は、速度を下げる形態又は溶媒内にあり且つ皮下的に組織へ供給するように形成されるべきである。この形態は、揺変性ゲル、エラストマ材料若しくは高分子プラスチックからなるキャリア、注射可能な高分子薬剤形状文献15を含む生体適合性及び/又は生物浸食性材料(下を参照)とすることができる。2〜3挙げると、ペグ化技術文献16、ゲルを含むリゾマー(Resomer)ポリマー文献17及びエピック(Epic)治療型の細粒文献18のような貯蔵物からの供給を遅くする幾つかの方法が利用可能である。貯蔵物の配置は、皮下注射、外科手術等によることができる。
【0037】
5.タウロリジンは、リゾマー(Resomer)生腐食性プラスチック又はゲル、エピック(Epic)治療型の細粒のようなプロテイン/固体、コロイド状材料、リポゾーム及び複合シリコーン/ヒドロゲル材料文献19のような種々のタイプのミクロ粒子に形成することができる。これらのタウロリジン媒介物の構造は、種々の用途及び使用方法のために給送速度を制御するように設計することができる。
【0038】
a.結果:0.1〜5μmの直径範囲の小さなタウロリジン粒子を、肺の深い窪みへ達するようにドライパウダー吸引器又は噴霧吸入器によって給送することができる。感染性肺炎、嚢胞性線維症感染合併症、炎症性合併症及び喘息による発作を含むある種の肺疾患は、このタイプのタウロリジン給送に役立つであろう。
【0039】
b.結果:タウロリジンを含んでいる細粒は、傷の治療のために使用される固体又は半固体を形成する手段として有用である。これらは、傷内又は傷を覆っている包囲された空間内に直接配置して、感染を防止し、痛みを減じ、傷の治療を促進し、能動的な薬剤供給期間を延ばす。
【0040】
c.結果:細粒添加物は、多くのタイプの医療装置を形成するこれらの材料の内部特性に抗菌性を可能にするためにポリマー又はエラストマ内に組み込むことができる。材料全体にこの細粒を分散させることによって、ある種のコーティング技術と比較してより多量の薬剤を使用することができる。役に立つ装置は、患者の感染に寄与し且つタウロリジンが役立つ多くの医療装置のうちのほんの幾つかを列挙すると、種々の留置カテーテル、呼吸補助の気管内チューブ、中耳内の流体を排出するための鼓膜チューブ、尿失禁治療のための女性尿道栓文献20、尿道内装置(IUD)及び縫合材料が挙げられる。
【0041】
6.タウロリジンは、発熱(すなわち、発熱材料)を惹き起こす活性鎮痛剤及び非−活性エンドトキシンである。タウロリジンは、約10mg/ml以上の濃度で接触したときに、ほとんどの組織に痛みを惹き起こす。皮膚及び皮下組織の傷の治療は、ある程度重複する2〜3の連続する段階からなるプロセスである。新しい組織の成長は、治療現象が続いて起こるのを阻止する感染又は炎症反応によって妨害されるかも知れない。最近の論文は、最少の抗炎症反応による改良され且つ迅速な治療効果を報告している文献21。最後に、新しい組織の組織再生の過程が阻止され且つ活性化される必要があるかも知れないので、治療は阻止されるかも知れない文献22,23。循環するエンドトキシンの除去は、敗血症ショックに有益な効果を有すると考えられている。臨床試験は、全身注入によって達成することができる低濃度の結果として如何なる有益な効果も示していない。
【0042】
a.結論:局部的なタウロリジン用途は、床ずれ、他の圧力によるただれ並びに慢性皮膚潰瘍及び火傷の自然治療に対する多くの障壁を緩和することができる。サリチル酸及びサリチル酸ナトリウムのような非ステロイドの抗炎症薬(NSAID)を含むタウロリジンに対する添加物、局部的な鎮痛薬及び新しい組織を再生するために傷に隣接した細胞を誘発する薬剤又は天然物質が有用であるかも知れない。
【0043】
b.結論:初期段階の床ずれは、既に述べたように皮膚及び皮下組織を通して薬剤を駆動することによって、タウロリジン又はタウロリジンと添加物とによって治療することができる。
【0044】
c.結論:炎症分子の非活性化を提供するために高濃度のタウロリジンが血液に接触するのを可能にするために、血液を体外から治療することができる。
本発明の更に別の特徴
本発明のもう一つ別の形態においては、細菌感染に対してタウロリジンを局部的に適用することを含む局所化された細菌感染の治療方法が提供される。
【0045】
本発明のもう一つ別の形態においては、局部的な細菌感染を治療するための装置であって、タウロリジンを搬送する装置が提供される。
本発明のもう一つ別の形態においては、体内に挿入するための装置であり、装置を感染に対して耐性をさせるタウロリジンを含んでいる装置が提供される。
【0046】
本発明のもう一つ別の形態においては、タウロリジンを担持するエアロゾルを吸引することを含んでいる肺感染を治療する方法が提供される。
本発明のもう一つ別の形態においては、タウロリジン粒子を吸引することを含む肺感染を治療するための方法が提供される。
【0047】
本発明のもう一つ別の形態においては、細菌感染を治療するための薬剤であり、ゲル、液体、揺変性ゲル、コロイド状混合物、分散懸濁液及び注射可能なポリマーからなる群から選択された一つによって担持されているタウロリジンを含み、感染を治療するために、十分な期間に亘って特別な領域に適用できる十分に高濃度のタウロリジンを有する薬剤が提供される。
【0048】
本発明のもう一つ別の形態においては、細菌感染を治療するための薬剤であり、リゾマー生腐食性樹脂、リゾマー生腐食性ゲル、細粒、プロテイン固体細粒、コロイド状材料、リポゾーム及びシリコーン/ヒドロゲル複合材料からなる群からの一つを含むマイクロ粒子によって担持されているタウロリジンを含む薬剤が提供される。
【0049】
本発明のもう一つ別の形態においては、再使用可能な医療装置を使用する方法であって、使用前にタウロリジン溶液内に再使用可能な医療装置を配置するステップを含んでいる方法が提供される。
【0050】
本発明のもう一つ別の形態においては、タウロリジンと種々の多孔質製剤とを含む複合材が提供される。
本発明のもう一つ別の形態においては、タウロリジンとヒアルロン酸(HA)と水分とを含む複合剤が提供される。
【0051】
本発明のもう一つ別の形態においては、タウロリジンとキチンと水分とを含む複合剤が提供される。
本発明のもう一つ別の形態においては、タウロリジンとキトサン又はアルギネートと水分とを含む複合剤が提供される。
【0052】
本発明のもう一つ別の形態においては、タウロリジンとシクロデキストリンと水分を含む複合剤が提供される。
本発明のもう一つ別の形態においては、ポリエチレンとヒドロゲル系をベースとするグリコール(PEG)とを含む複合剤が提供される。
【0053】
本発明のもう一つ別の形態においては、タウロリジンを含み、注射可能であり、体腔のための充填剤を提供し又は柔軟移植片として機能し且つ生体内にタウロリジンを解放するために、経皮的な投与の際の骨格を含んでいる複合剤が提供される。
【0054】
本発明のもう一つ別の形態においては、気管内チューブであって、
チューブと、
当該チューブの外壁に取り付けられ且つタウロリジンの通る材料を含んでいる膨張可能なカラーと、
前記チューブに沿って延び且つ前記膨張可能なカラーに結合されている通路とを含み、
それによって、タウロリジンが、前記カラーを膨張させ且つカラーの外周及び/又はカラーの末端のチューブ外面にタウロリジンを供給するために、流量及び圧力制御状態で体外から前記膨張可能なカラーへと導入されるようになされた気管内チューブが提供される。
【0055】
本発明のもう一つ別の形態においては、患者に通気する方法であって、
チューブと、当該チューブの外壁に取り付けられ且つタウロリジンが通る材料を含んでいる外側の膨張可能なカラーと、前記チューブに沿って延び且つ前記膨張可能なカラーに結合されている通路とを含んでいる気管内チューブを準備するステップと、
前記チューブを気管内に配置するステップと、
前記カラーを膨張させ且つカラーの外周及び/又はカラーの末端のチューブ外面にタウロリジンを供給するために、流量及び圧力制御状態で体外から前記膨張可能なカラー内へとタウロリジンを導入するステップと、
患者に通気するステップとを含んでいる方法が提供される。
【0056】
本発明のもう一つ別の形態においては、尿道カテーテルであって、
チューブと、
当該チューブの外壁に取り付けられ且つタウロリジンが通る材料を含んでいる外側膨張可能なカラーと、
前記チューブに沿って延び且つ前記膨張可能なカラーに結合されている通路とを含み、
それによって、タウロリジンが、前記カラーを膨張させ且つカラーの外周及び/又はカラーの末端のカテーテル外面にタウロリジンを供給するために、流量及び圧力制御状態で体外から前記膨張可能なカラーへと導入されるようになされた尿道カテーテルが提供される。
【0057】
本発明のもう一つ別の形態においては、患者を治療するための方法であって、
チューブと、当該チューブの外壁に取り付けられ且つタウロリジンが通る材料を含んでいる外側膨張可能なカラーと、前記チューブに沿って延び且つ前記膨張可能なカラーに結合されている通路とを含み、それによって、タウロリジンが、前記カラーを膨張させ且つカラーの外周でタウロリジンを分散させるために前記膨張可能なカラーへと導入されるようになされた尿道カテーテルを準備するステップと、
前記チューブを尿道内に配置するステップと、
前記カラーを膨張させ且つカラーの外周及び/又はカラーの末端のチューブ外面にタウロリジンを供給するために、流量及び圧力制御状態で体外から前記膨張可能なカラー内へとタウロリジンを導入するステップとを含んでいる方法が提供される。
【0058】
本発明のもう一つ別の形態においては、医療処置中に体内に配置され且つその後に体に隣接した組織へタウロリジンを供給するようになされたタウロリジン貯蔵物が提供される。
【0059】
本発明のもう一つ別の形態においては、患者を治療する方法であって、
医療過程中に体内にdepositされるようになされたタウロリジンを提供し且つその後にタウロリジンを体に隣接した組織へ供給するステップと、
医療処置中に体内に前記タウロリジン貯蔵物を蓄積させるステップとを含んでいる方法が提供される。
【0060】
本発明のもう一つ別の形態においては、
血液を処理する方法であって、体から血液を取り出すステップと、取り出した血液をタウロリジンによって処理するステップと、処理された血液を体に戻すステップとを含んでいる方法が提供される。
【0061】
本発明のもう一つ別の形態においては、血液を処理する装置であって、体から血液を取り出す取り出し装置と、取り出した血液をタウロリジンによって処理するための処理装置と、前記処理された血液を体内へ戻す戻し装置とを含んでいる血液を処理する装置が提供される。
【好ましい実施形態の説明】
【0062】
本発明のこれらの及びその他の目的及び特徴を、添付図面と共に考慮されるようになされている本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明によって更に詳細に開示し且つ明らかにする。添付図面においては、同様の符号は同様の部品を示している。
【0063】
生体医療抗菌薬材料−留置医療装置のための新規な抗菌エラストマ
水分が材料内へ及び材料内から自由に分散するのを可能にし且つタウロリジンを外へと分散させるために、材料全体に亘って分散可能な形態でタウロリジン貯蔵物を分散させることによる一般的な生体適合性エラストマ(特にシリコーンラバー)によって、新規な抗菌エラストマ材料を形成することができる。プロセスは、材料の最終的な化学的硬化の前の製造の早期段階に固体粉末形態のタウロリジンを添加するのが好ましい。タウロリジン粉末は、タウロリジンをバルク材料内に均一に分散させる方法で硬化しない構成成分内に(既に説明したように、所望ならば他の添加成分と)混合される。材料は、硬化段階中に一般的な方法で処理することができる。タウロリジンを添加した後の処理中に、温度は110℃を超えるべきでない。ベースとなるエラストマの選択は、生体適合性を満たし且つ装置の仕様に必要とされる機械的特性に適合する通常の基準によって制御される。タウロリジン添加物の品質及び形態は、供給速度及び設計動作寿命のための作用持続時間を達成するための試験によって決定されるであろう。体内での使用においては、水はエラストマ内に浸透し、タウロリジン粒子はこの水に溶解し且つ表面へと拡散して細菌の付着及び集団化に対する敵対面を形成することができる。拡散速度は、タウロリジンの形態、量、濃度勾配、エラストマの特性及び物品の幾何学的構造を含む幾つかの変動量に基づいている。ポリマー材料から移動する抗菌剤の移動の例としては、銀イオン、シリコンラバーヒドロゲル複合物内に含まれる薬剤及び種々の抗生物質がある文献18〜20
【0064】
シリコーンラバーは、水、タウロリジン並びに良好な生体適合性及び生体内での機械的な寿命を有する他の添加物の高い拡散速度のための特に適切なマトリクスである。
タウロリジン及びその添加物は、種々の形状に形成することができる。
【0065】
乾燥固体粒子−タウロリジンは、通常は、乾燥した広い粉末として製造される。この粉末は、便宜的に選択された大きさの粒子に作ることができ又は特定の大きさに篩い分けすることによって選択することができる。装置のポリマーを作る目的のためには、粒子の大きさは一般的に25μmを超えるべきではない。
【0066】
コーティングされた粒子−タウロリジン粒子は、ベースとなるポリマーによって生体適合性を改良するようにコーティングされ且つ供給特性を校正するために使用することができる。PVP(ポリビニルピロリドン)及びPEG(ポリエチレングリコール)は可能なコーティングの一つである。
【0067】
固体又は半固体細粒−有用な微粒形態としては、(i)リゾーマー浸食可能な固体及びゲル、(ii)広範囲治療タイプの細粒、(iii)ヒドロゲル細粒並びに(iv)リボゾーム粒子がある。
【0068】
医療装置の例
幾つかの異なる医療装置の用途は、他の促進添加剤と共にタウロリジンを組み込んだポリマーを含んでいる構成材料を使用することによって役立つことができる。有益性としては、感染の虞を増す外面上での細菌の集団化に対する保護、異物の移植による低い炎症作用、改良された生体適合性、移植後の促進された治療、プロテイン、血栓及び通常異物に付着する他のタイプの細胞の付着の低減がある。上記の材料は、以下の部分的なリストの装置、すなわち、尿道カテーテル、尿失禁のための女性尿道栓文献24、血液カテーテル、脊髄内カテーテル、腸栄養管、心室内シャント、排液管、気管内チューブ、活性創傷治療絆創膏、縫合材料、接着剤、耳排膿のための耳管、移植可能なポート及びポンプ、ペースメーカー、偽乳房、子宮内避妊器具(IUD)、内視鏡並びにその他の留置装置に役立つ。これらの装置の多くは、短期間に亘って使用され且つ患者の感染を惹き起こす虞をもたらす面上にバイオフィルムの形成を受ける。
【0069】
再使用可能な医療装置(例えば、内視鏡)は、タウロリジン溶液内で滅菌状態に保つことができる。このことは、装置が湿潤形態で使用されるときに特に有用である。
医療装置処理の例
多くの医療処置は、ポリマー容器又は担体内にタウロリジン及び/又はタウロリジン混合物を含んでいる貯蔵物薬剤供給技術又はタウロリジンの他の形態を使用することによって可能であり及び/又は促進される。貯蔵物は、担体であっても良く、棒、球、フィルム、円板及び更に複雑な幾何学的形状のような目的に適した種々の形状で形成しても良く、傷又は体腔内に配置しても良い。投与期間の後の除去を容易にするために、組織内を通過するための形状とすることができる。タウロリジンの貯蔵物は、胸骨外科切開部位(すなわち、最終的な外科的皮膚縫合閉鎖術の前の開心手術後の配置)、感染した骨の治療(すなわち、骨髄炎又は感染予防)、感染予防のための膣内挿入器具、感染歯の周囲の排膿通路内へ挿入するための小さな中実ロッド若しくは注射可能な固体若しくは揺変性ゲル(歯周疾患)、半固体若しくは揺変性ゲル及び抜歯によって生じた空洞内に配置するためのゲル−ガーゼ結合体のために意図された部位内又は近くに配置することができる。
【0070】
床ずれ及びその他の圧迫潰瘍形慢性潰瘍
これらのタイプの慢性で且つ治療することが難しい解放性外傷は、以下に示すものの組み合わせを含むタウロリジンの使用によって利益を受けるであろう。すなわち、タウロリジンのみ、タウロリジンとサリチル酸及びサリチル酸ナトリウムのような非ステロイド抗炎症薬(NSAID)文献25、タウロリジンと局所鎮痛剤及び/又は細胞修復アクチベータを備えたタウロリジン文献22,23である。
【0071】
皮膚潰瘍に対して想起される治療方法は、パラグラフ3cにおいて既に説明したバリア型の絆創膏によって傷を覆う限定空間を形成することである。絆創膏型のバリアは、シールする手段を備えた簡単な結合通路を組み入れ且つ空間へ流体を供給し且つ空間から流体を抜き取る手段を提供する。タウロリジンが傷表面と接触するのを可能にするために形成された空間内へ十分な量のタウロリジン製剤を導入することによって治療が開始される。薬剤の完全な充填によって解放性外傷と基端との接触が提供される。膜は、皮膚潰瘍を保護する役目を果たすと共に薬剤構成要素のための貯蔵空間を提供し且つ供給を容易にする。タウロリジン/絆創膏は、細菌及び真菌類の根絶のための手術と、治療、保護、痛みの解放及び高い組織の成長の容易化を提供する。絆創膏からなるバリアは、2〜3週間毎に交換されるべきである。これは単独で完全な好結果を保証しないであろうことは注目されるべきことである。永久的な治療はまた、酸素及び栄養分を潰瘍部位内の組織へと運び且つ当該組織から廃物を取り除く。適切な血液の供給無しで、治療は、最終的な段階に到達せず又は再発して治療前の状態へと戻るであろう。血管外科医は、破損した血管を再形成し且つ血管を必要とされる場所へ動かす助けとすることができる。
【0072】
早期段階の床ずれ(例えば、皮膚軟化又はただれの破過前)は、予め規定された方法で最良に治療されるであろう。早期段階の床ずれは、発赤、腫張、組織の熱感及び痛みの出現によって目認できる。この早期段階の床ずれは駆動機構のための受動的な拡散に依存する本質的に同じ方法によって利益を受けることができる。しかしながら、供給速度を高めることは、深さ及び大きさ等が受動的な拡散によって得られるよりも多くの薬剤を必要とする場合に更に適切であるかも知れない。既に注記したように、より多くの給送を提供するための多くの方法がある。更に、より直接的な方法は、皮下組織内に貯蔵物を注射することである。一つの形態の貯蔵物は、種々の生腐食性の細粒又は室温で流れ且つ体温で固体に変形するゲルを含んでいる文献14
【0073】
吸入療法
本発明の吸入療法は、肺の気道へのタウロリジンの供給によって肺感染及び/又は炎症症状を治療するために非全身局部治療を提供するように設計されている。特に、この治療方法は、十分な量のタウロリジンが気管支炎及び肺胞全体に分散されることを提供するように設計されている。タウロリジンの局部的に導かれる供給は、急性肺炎、気管支炎、喘息、嚢胞線維症に関する感染並びにその他の感染及び炎症状態のような多くの肺疾患に役立つであろう。
【0074】
生体内微生物学は、大人の嚢胞線維症患者からの耐性バークホルデリア(Burkholderia)セパシアに対するタウロリジンの陽性反応を示している。これに続いて、噴霧吸入器を介してタウロリジンを肺に供給する臨床試験を行った。この臨床結果は、殆どの患者に細菌の負荷において重大な結果を達成するのを失敗したことを示している文献26。出願人の研究分析は、肺に供給される薬剤の量は殺菌効果を達成するのに十分ではない。更に、特別な大きさの噴霧吸入器は、肺の肺胞管の遠い到達範囲への供給を確保するのに十分な小ささに制御されなかった。
【0075】
吸入のためのタウロリジンの特に良好な搬送方法は、糖尿病の治療のための臨床的に有効な吸入インスリンを成長させたエピック(Epic)タウロリジンによって成長させたプロテインの細粒に似た粒子を形成することである。この方法は、厳密な大きさの分布によって直径が約1〜10μmの小さな細粒を整形する。これらの粒子は、安全な化学物質を使用して作られ且つ高い薬剤の配合(約95%)を含み且つ低レベルの安全賦形剤を有している。粒子の大きさ及び重さは良好な揚力特性を提供する。研究によって、これらのタイプの粒子は、肺の気道内深く到達する適切な空気力学特性を有し且つ臨床的に有効となるように肺内の適当な捕捉時間を達成するように作ることができることが示されている。小さな粒子サイズ(3μm未満)の他の形態のタウロリジン細粒もまた受け入れ可能である。この治療方法は、疾患の状態が改良されるまで一日当たり1〜5回の割合で2〜3週間に亘る薬剤吸入による治療からなる。この治療方法はまた、患者が深刻な致命的な肺感染症のための従来の全身的な抗生物質による治療を受けている間に適用することができる。代替的な方法は、サリチル酸又はサリチル酸ナトリウムのような別の活性剤を備えた活性剤タウロリジンを細粒又はその他のNSAIDに形成することである。
【0076】
歯周病治療
最近の歯科的研究は、口の中に生存している多数の異なる細菌を定量化するためになされた。最初の何回かで、150以上の細菌株が分離され且つ特定された。現在感染を惹き起こし得る多数の細菌は、抗生物質によって治療することを困難にする。
【0077】
歯周病は、通常は、歯根に近い場所にバイオフィルムの形態で認められる。これは、米国の約150万人の人々に影響を及ぼし、彼らの多くは、感染を根絶するために何ヶ月又は何年にも亘る試みによって治療されている。幾つかの治療は、膿を排出する歯に沿った領域に直接供給される局部的な抗生物質を使用している。漂白剤及びその他の抗菌剤もまた使用される。(i)リゾマー材料内に活性剤を含んでいる小さな生腐食性のロッドと(ii)室温で固体へと硬化する注射可能な液体とを含む幾つかの利用可能な形態の抗生物質が歯科学に導入されて来た。これらは、周期的基準で歯科医によって処方される。これらの方法の多くは、治療薬ではないことを欠点とし、これらの多くはいやな味がし且つ歯を変色させ、患者はこれを拒絶する。現在の技術に優るタウロリジンを形成する特別な特性は、(i)タウロリジンが口の中の粘液内層を極めて良好に通過すること、(ii)極めて広範囲の抗生物質であること、(iii)抗炎症薬であること、(iv)無味であること、(v)歯を変色させないこと、(vi)偶発的な塊状の過剰投与の場合においてさえ極めて安全であること、並びに(vii)耐性菌を惹き起こさないことである。更に、口の中の多くの組織部位におけるタウロリジンに関連する痛みの発生が無い。更に、以下に記載する技術は、家庭内で毎日のペースで患者によってなされ得る好ましい供給方法である。
【0078】
有効な治療方法は、長期間(すなわち、数日間に亘って一日あたり4時間以上)に亘る十分な濃度のタウロリジンを必要とする。薬剤の形態は、歯肉組織内に分散せしめられ且つ著しく希釈されるときでさえ、薬剤が、局部的な組織部位にMICよりも数倍高く且つ表3に規定されている代理マーカーを超える濃度を依然として有するように、最大の水性坦体よりも数倍高くて約1%でなければならない。更に、貯蔵物は、除去速度よりも高い供給速度を維持するのに十分な薬剤を周囲組織及び血流内に含んでいなければならない。適用は、舌状機械的作用によって取り出されないか又は取り除かれないならば、薬剤貯蔵物が永続的であり且つ唾液によって洗い流されず又は希釈されないようにすべきである。
【0079】
好ましい治療方法は、タウロリジンを歯肉内の歯根周囲の感染した組織と接触状態とすることからなる。これは、上歯及び下歯を適切に嵌合させる均一なトレイを採用することによって達成することができる。これに似たトレイが、歯の治療のための白化溶液を保持するために使用される。これらのトレイは露出された歯のみを覆うことを意図されており、本発明のためのトレイは溶液が歯肉と接触状態となるようにより深くなければならない。歯を白くさせるためのトレイを形成する装置が、市販の歯科装置製造者によって歯科医に供給される。歯科医は、歯を白くさせる患者のための均一なトレイを作るための装置を使用する。
【0080】
トレイの形成は次のステップからなる。
A.歯科医は、患者の上歯と下歯との雌型空洞形状を成形する。型材料は、急速乾燥モルタル又はエポキシ樹脂タイプの材料であり且つ2〜3分間患者の口の中に留まらなければならないだけである。
【0081】
B.硬化した型は、型をプラットフォーム上に配置する小さな工具内に配置され、約1.5mmの厚みの15cm×15cmのシートが型の上に配置され、樹脂はランプによって加熱されて軟化する。型の側部に真空が適用され、これは、軟化した樹脂を型の上で引っ張り、その結果、これは、歯肉領域を含む上歯又は下歯の形状に適合する。プラスチック工業においては、これは真空成形と呼ばれている。歯科医は、トレイを取り除き且つ切断し且つ患者の口に合うようにトレイを切断する。この簡単な製造プロセスは、液体又はタウロリジン(又は他の抗生物質又は歯の腐蝕を防止するための抗菌薬)のような流動可能な物質を運ぶようにトレイを形成するのに最適であるように当業者が適合させ且つ修正することができる。
【0082】
患者の歯周病感染を治療する好ましい方法は、揺変性ゲル又は高粘度坦体の形態のタウロリジンによってトレイを部分的に充填することである。感染した歯の領域を含む上歯及び/又は下歯の上にトレイを配置し、薬剤を充填する。睡眠中又は何らかの他の匹敵する時間長さに亘って終夜維持する。トレイは、上歯又は下歯の全てではなく2〜3本の歯を容易に単に包囲するために、当業者が修正することができる。たとえタウロリジンの大きな漏出が発生しても患者に害はないであろう。当技術において訓練された人々は、治療されるべき歯のみへの薬剤の供給を提供するために、トレイに容易に変更を加えることができる。
【0083】
この技術はまた、感染した歯及びその近辺の治療に適用することもできる。感染した移植された歯は壊滅的な打撃を有する。有効な治療なしでは、移植された歯は失われ且つおそらく他の隣接する歯に影響を及ぼすであろう。他の歯肉感染疾患は、タウロリジンを使用するこの局部的な治療方法によって治療することができる。
【0084】
高濃度のタウロリジンを適用するための代替的な技術は、唾液内で溶解するのが少なく且つ接着剤に似て歯の露出された部分に付着し得る軟膏剤を準備することであり、タウロリジンは受動的な拡散によってこの材料を残すことができ且つ歯肉組織を通ることができる。
【0085】
口腔感染のための治療方法の他の一つの例は、抜歯動作によって形成された解放性外傷にタウロリジンを適用することである。抜歯の後の解放された組織へのタウロリジンの典型的な供給は、感染を防止し且つ炎症反応を減じる。この結果、より迅速な治癒、少ない腫脹、痛みの減少及び部位における局部的な発熱の減少がもたらされる。タウロリジンの比較的高い充填を有する揺変性ゲル形態のタウロリジンは好ましい形態である。これは、空洞内へ注射することができ、次いで、隣接する歯によって定位置に保持された詰綿又はゴム栓によって覆われる。唾液による溶解を減じるための媒体を添加することは、好ましい方法であり且つ架橋反応されたヒドロゲル坦体によって達成することができる。
【0086】
中耳感染のための局部的治療方法
米国の400万人の子供は、耳の感染症を煩っており抗生物質によって治療されている。アメリカ保健衛生当局は、最近、耐性菌の発生を止める試みにおいて、これらの数を75%減じることをねらったキャンペーンを始めた。中耳感染症は、通常は、鼓膜の内面上の空間における細菌の局部的な集団化によって生じる。鼓膜は、内部にタウロリジン経路を許容する薄い浸透性材料である。細菌による内耳感染症を煩っている多くの子供は、鼓膜の外面への局部的なタウロリジンの供給によって促進される。これは、外耳道内へ挿入することができる小さなチューブを使用して注射器から注射して少量のタウロリジン溶液を供給することによって達成することができる。タウロリジンは綿玉によって定位置に保持することができる。タウロリジンの揺変性ゲルを使用してタウロリジンを鼓膜の外面に近い空間に供給するのが好ましい方法である。
【0087】
改良された生体適合性の人工乳房
乳房移植片は、米国において行われている一般的な美容術である。この処置を受けている多くの女性は、組織カプセルが移植された人工乳房の周囲で成長し且つ移植片の周囲で収縮する合併疾患を受け、痛みの多い硬化作用を惹き起こす。このカプセル被包は、移植された合成材料に対する人体の通常の反応であり、カプセルは生存している宿主から異物を隔離する。生体適合性が高い移植片は、装置の周囲に比較的薄いシース又はカプセルを形成する。一部の外科医は、ある種の合成材料を浸漬して剥がすタウロリジンが生体適合性であり且つ移植後の治癒を改良することを観察して来た。本発明は現在の人工乳房を改良する。本発明は、整理食塩水とタウロリジンとを含んでいるタウロリジンのゲル又は流体を含んでいる薄い浸透性の可撓性袋である。この構成は、タウロリジンが袋の膜材料を介して外方へとゆっくりと拡散するような構造とされている。これは、より良好な治癒、より少ない炎症及びより少ない痛みを提供する。医療的な観察は、患者に対してより多くの自然な感じの乳房と、非タウロリジン治療に比べて配置後長期間に亘って移植片を取り巻くカプセル内の整復を示している。
【0088】
改良された感染予防を有するソフトコンタクトレンズ
本発明のこの形態においては、本発明の方法は、感染を防止するために、毎日、タウロリジンによってゲルアイコンタクト材料を充填する手段を提供することである。ゲル材料は、タウロリジンの水溶液を貯蔵することができ且つ高濃度のタウロリジン水溶液中に数時間浸漬することによって毎日補給することができる。
【0089】
整形用人工器官
本発明のこの形態においては、本発明の方法は、装置が感染に対する病巣となる場合に装置に関係する感染症を治療するために引き続き利用できるタウロリジンのための活性供給装置を組み込んだ装置と薬剤との組み合わせを設計することである。この設計は、小さなポートとリザーバとの組立体を整形用人工器官内に想起し、これは、感染症を治療するために、外科手術直後の感染予防として又は選択された未来の時点にタウロリジンを投与するために皮下注射針を介してアクセスすることができる。
【0090】
整形用人工器官の取り付けのための骨セメント
本発明のこの形態においては、本発明の方法は、タウロリジン混合物を骨セメント内に組み込み、治癒を助け、炎症及び感染を減らすことである。
【0091】
点眼液
本発明のこの形態においては、本発明の方法は、治癒を助け且つ炎症を抑え且つ感染を完全に防止するために、タウロリジン混合物を点眼液内に組み入れることである。
【0092】
タウロリジンの全身適用
タウロリジンは、抗エンドトキシン特性を有し且つ敗血症候群の治療においてWillattsらによって使用されて来た文献37。この研究においては、タウロリジンの注入効果は見出されなかった。最少の有効性を示すためには、タウロリジンは、0.0005(0.05%)を超える濃度で存在しなければならないことを考慮すると、結果は驚くべきことではない。この研究においては、4時間当たり5g=1日当たり30gのタウロリジンが注入された。血液内に注入されると、タウロリジンは血液内に広がるであろう。分子量が小さいために、体内水分全体に迅速に広がるであろう。5gのタウロリジンが2時間に亘って注入されるので、約60kgの体重の患者に対して約40リットルの体内水分内への分配(Guyton AC, Medical physiologyのテキスト、第8巻、W.B. Saunders)が推定されるはずである。結果的に得られる濃度は、長時間に亘る注入の後には0.01%未満である(図4)。
【0093】
血液中及び体内のタウロリジンの高い濃度は、タウロリジンの体外治療(ET)によって達成することができる。この説明においては、体外治療(ET)は、血液透析(HD)、血液濾過(HF)、血液透析濾過(HDF)、血漿濾過(PF)、血漿交換(PP)、血液潅流(HP)及びこれらの療法の組み合わせ、例えば血漿吸着のための一般的な用語として使用されるであろう。以下の説明のために、タウロリジンという用語は、物質及びその解離生成物を意味する。
【0094】
敗血症候群の治療に対する体外血液治療の適用は、既に提案され且つ実用性を達成するために本願の特許請求の範囲とは異なる概念に基づいて研究されて来た文献33〜36
タウロリジンの分子量は小さく、これは、タウロリジンが素早く分散して血液透析器内に速い移動速度をもたらすことを意味する。簡単な評価によると、大量のタウロリジンを透析によって体に移動させることができることを示している。効率の良い透析器、例えばF50フレジニアス(Fresenius)透析器を使用する200mL/分の水性浄化を達成することができる。約0.55の血漿水性分画によって増倍することによって、約100mL/分の全体的な浄化がもたらされる。透析液であるタウロリジン濃度は2%(2g/100mL)であり、透析液の流量は、推定された浄化(透析液の流れQD>200mL/分)を可能にすると推定される。次いで、移動速度は、1分当たり2g(移動速度=濃度*浄化度:2g/100mL*100mL=2g)である。これは、Willattsらによって報告された臨床試験において注入される30gと比較して、1日当たりほぼ3kgのタウロリジンを移動させることができる。
【0095】
Willattsの論文は、タウロリジンの効能を示していないが、これはまた、統計学的に重大な減衰作用をも示していない。タウロリジン注入の安全性は、適切な試験を行うことなく、30g/日乃至その百倍の量である3000g/日を推測されることができない。敗血症の媒介物質は血流によって運ばれるはずであると考えられ、従って、タウロリジンを有するETによる全血又は血漿の効率の良い処理は十分でなければならず、処理は、侵襲性の低い全身に亘るタウロリジンによる処理と組み合わせることができる。
【0096】
血液処理のみ(最終的には、侵襲性が少ない全身治療と組み合わせられる)のために、血液は、利用可能なET方法のうちのいずれかによってタウロリジンに曝すことができる。タウロリジンが体外の回路内の血流へと移された後に、血液は循環されるか又は貯蔵して露出時間を長くすることができる。体内の血液(又は血漿)内へ再度注入される前に、タウロリジンの全て又は一部分を除去するために再び透析される。別の方法として、タウロリジンはまた、吸着又は化学的結合によって除去することもできる。
【0097】
幾つかの実施形態を図5〜9によって説明する。図5は、独立型のタウロリジンET装置を示している。部材1は血液抜き取り血液結合部であり、部材10は血液ポンプであり、部材20は半透膜によって血液側部分と透析液側部分とに分離される透析器である。透析液部分は、タウロリジンの粉末又はスラリーが充填されている。透析液部分は、タウロリジンを充填するか又は補給するために使用される2つの結合部31,32を備えている。部材29は血液戻し結合部である。
【0098】
作動のためには、ET装置に血液アクセス装置に結合された生理学的流体(生理食塩水)が充填され、ポンプが作動せしめられる。タウロリジンは、使い古されたときに時々透析液部分に添加されなければならない。これは、透析器の透析液部分充填体積及び血流に応じて所定の時間間隔で行うことができる。
【0099】
別の方法として、センサー(光学的)は、タウロリジンの枯渇を検知するために透析器ハウジングに取り付けることができる。圧力モニター及び空気検知器のような体外回路内で一般的に使用される保護装置は示されていない。
【0100】
図6は、精密濾過による流体除去と組み合わせられた独立型のタウロリジンET装置を示している。血液回路は、図5によって説明されたものと同じである。透析液側は、循環ポンプ30及びタウロリジンカートリッジ40からなる。カートリッジ40は、装置への結合中にタウロリジンの逃げを避けるため及び作動中の固体タウロリジン粒子の逃げを避けるために、篩い又はフィルタ部材によって閉塞することができる。センサーは、タウロリジンの排出を検知するために、カートリッジの下流で回路に付加しても良い。このセンサーは、光学パラメータ又は濃度を測定することができる。任意的に、精密濾過ポンプ60は、血液から精密濾過によって交換される透析回路から流体を取り出す。
【0101】
作動のためには、装置の血液側及び透析液側には生理食塩水が充填される。血液側が血液アクセス装置に結合され、血液ポンプが作動せしめられる。
図7は、一般的な血液透析器(図示せず)を有する上記の組み合わせを示している。血液回路は、先の図5及び6と同じである。透析器からのきれいな透析液は、カートリッジ40を介して透析器20の透析液側へと圧送される。透析器の出口32は、使用されている透析器の透析液部分に結合されている。
【0102】
図8は、一般的なバッチ型の透析器(例えば、FMC(ドイツ)からのGENIUS)による治療を示している文献38。この装置50は、処置前に透析液を含んでいるタウロリジンによって充填されている。透析のためには、新鮮な透析液は、タンクの頂部から取り出され、ポンプ30によって透析器20内を圧送され、タンクの底部へと戻される。
【0103】
図9は、血液処理のみのための装置を示している。図6に記載されているように、血液は透析器20内のタウロリジンに曝される。ここから、血液は第二の透析器26へと流れ、当該第二の透析器内で、タウロリジンは一般的な透析液回路の助けによって透析されて
流出する。任意的に、容器24は、前記2つの透析器間で血液回路内に挿入されて露呈時間を増大させる。
【0104】
この原理はまた、MARSのような装置内に適用することができる文献39。この場合には、タウロリジンカートリッジは、アルブミンによってコーティングされたフィルタ/透析器と第二の透析器との間の透析液回路内に配置される。
【0105】
上記したように、全血の代わりに血漿を処理することができる。この場合には、上記した実施形態のいずれかは血液血漿(例えば、血漿フィルタ又は血液遠心分離器の血漿出口)の供給源に結合することができ且つ血流へと戻すことができる。
【0106】
図5〜9によって示された一般的なダブルアクセス装置の代わりに単一アクセス(単一針)装置を使用することができる。このような装置は、典型的には、従来技術であると考えられている。
【0107】
付加的なタウロリジン薬剤形態
A.室温における液体から体温における半固体又は固体へと変化するものを含んでいる注射可能な製剤及び/又は揺変性形態は、
・ タウロリジン+F127のようなプルロニックゲル+水分;又は
・ タウロリジン+ヒアルロン酸(HA)+水分(この製剤は、抗生物質、抗炎症剤及び薬剤への細胞移動促進特性);又は
・ タウロリジン+キチン(若しくはキトサン若しくはアルギネート+水分);又は
・ 上記の成分と添加された界面活性剤との組み合わせ
B.絆創膏適用のためのストリップを形成している細粒形態のタウロリジン及びフィルムは、活性成分を解放することができる。このフィルムは、解放速度を調製するために幾つかの層に形成することができる。
【0108】
C.タウロリジン+シクロデキストリン+水分
ヒソルブ(Hysolv)又はリソルブ(Resolv)のような溶解促進剤を有する製剤を形成することができる。溶解促進剤は、他の形態のタウロリジンと結合することができる。
【0109】
D.ポリエチレングリコール(PEG)をベースとしたヒドロゲル系は、注射可能とすることができ且つ体腔充填材を提供するための又は適合移植片として機能し且つタウロリジン薬剤を生体内で解放するための皮下投与の際の骨格を含んでいる。
【0110】
E.膣への適用において、バリア避妊剤と組み合わせた殺菌剤を、予防のためのエローゾル、クリーム又はフォームに調製することができる。
上記の製剤は、
・ 圧迫潰瘍、火傷、外科手術部位及びその他のタイプの創傷のような慢性創傷
・ 慢性骨髄炎又は骨髄炎
・ ヘリコバクターピロリによる胃潰瘍
・ 創傷被覆材治療又は予防治療薬
を含む種々の治療用途のために使用することができる。
【0111】
更に別の実施形態
本発明は、本明細書に開示され及び/又は図面に示された特別な構造には決して限定されが、本発明の範囲に含まれるあらゆる改造又は等価物をも含んでいることは理解されるべきである。
【0112】
参考文献
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参考米国特許
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3.Gillis Therapeutic treatments using the direct application of antimicrobial metal compositions. Application Pub. No. US 2003/0086977
【0113】
【表1】

【0114】
【表2】

【0115】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】図1は、患者の体内の平均IVバンコマイシンの浄化と一般的に見つけられる細菌のMIC値とを示している。
【図2】図2は、気管内チューブの配置図である。
【図3】図3は、補給可能な抗菌予防薬の図である。
【図4】図4は、2.5グラムのタウロリジンを2時間ずつ等間隔で6回注入した後24時間に亘る薬剤IV濃度を示している。
【図5】図5は、独立したタウロリジン体外敗血症治療装置を示している。
【図6】図6は、精密濾過流体除去装置を有する独立型のタウロリジン体外敗血症治療装置を示している。
【図7】図7は、別のタウロリジン体外敗血症治療装置を示している。
【図8】図8は、タウロリジン供給装置を備えたバッチ型透析器を示している。
【図9】図9は、タウロリジン体外血液処理装置を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
局部的な細菌感染を治療するための方法であり、細菌感染部位にタウロリジンを局部的に適用することを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、
前記局部的な細菌感染が、眼の感染症、耳の感染症、歯周病、扁桃腺炎、肺感染症、尿路感染症、膣感染症、直腸感染症、皮膚感染症、傷感染症及び外科感染症からなる群からの一つを含んでいる方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であり、
前記タウロリジンを局部的に適用するステップが、タウロリジンを体内の限定された空間内に配置することを含んでいる方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であり、
前記限定された空間が本来存在するものである方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であり、
前記限定された空間が、眼腔、耳腔、口、口腔、肺、膣、直腸、硬膜/くも膜下腔及び泌尿器内腔からなる群からの一つである方法。
【請求項6】
請求項3に記載の方法であり、
前記限定された空間が人工的に形成されるものである方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であり、
前記限定された空間が組織内に形成されたポケットである方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であり、
前記限定された空間が外科的ポケットである方法。
【請求項9】
請求項6に記載の方法であり、
前記限定された空間が創傷ポケットである方法。
【請求項10】
局部的な細菌感染を治療するための装置であり、タウロリジンを担持している装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であり、
当該装置が、絆創膏、インサート、ゲル、細粒及び注射可能なポリマーからなる群からの一つからなる装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であり、
当該装置が、ポリグリコール及びポリエチレングリコールからなる群から選択された少なくとも一つを含んでいる装置。
【請求項13】
請求項10に記載の装置であり、
当該装置がタウロリジンの貯蔵物を担持している装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であり、
当該装置が前記貯蔵物を組織から分離する透過性の膜を含んでいる装置。
【請求項15】
請求項10に記載の装置であり、
当該装置がタウロリジンが含浸された材料を含んでいる装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であり、
前記材料がポリマーを含んでいる装置。
【請求項17】
請求項15に記載の装置であり、
前記材料がエラストマを含んでいる装置。
【請求項18】
請求項15に記載の装置であり、
前記材料がシリコーンラバーを含んでいる装置。
【請求項19】
体内へ挿入するための装置であり、タウロリジンを含むことにより感染に対して耐性を付与するようになされた装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置であり、
当該装置が、コンタクトレンズ、点眼液、耳膿排のための耳管、歯根挿入部材、歯根治療トレイ、外部栄養供給管、気管内チューブ、尿道カテーテル、女性尿路栓、子宮内避妊器具、(IUD)、透析用カテーテル、血液カテーテル、脊髄内カテーテル、導尿カテーテル、活性創傷治癒被覆材、縫合材料、接着剤、移植可能なポート及びポンプ、ペースメーカー、内視鏡、その他の挿入可能な器具、乳房移植片、ポートを備えた矯正装置、注射可能なポリマー並びに骨セメントからなる群からの一つを含んでいる装置。
【請求項21】
タウロリジン担持エローゾルを吸入することを含む肺感染を治療するための方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であり、
前記吸入が強制通気によってなされる方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であり、
吸入器を使用して前記タウロリジン粒子が吸入される方法。
【請求項24】
タウロリジン粒子を吸入することを含む肺感染を治療する方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であり、
吸入が強制通路によって起こる方法。
【請求項26】
請求項24に記載の方法であり、
前記タウロリジン粒子が乾燥粉末吸入器を使用して吸入される方法。
【請求項27】
細菌感染を治療するための薬剤であり、
ゲル、液体、揺変性ゲル、コロイド状混合物、分散懸濁液及び注射可能なポリマーからなる群から選択された一つによって担持されているタウロリジンを含み、感染を治療するために十分に高いタウロリジン濃度を有し且つ十分な時間に亘って特別な領域に適用することができる薬剤。
【請求項28】
細菌感染を治療するための薬剤であり、細粒によって担持されているタウロリジンを含み、前記細粒は、リゾマー生腐食性樹脂、リゾマー生腐食性ゲル、細粒、プロテイン固体細粒、コロイド状材料、リポゾーム及び複合シリコーン/ヒドロゲル材料からなる群からの一つによって構成されている薬剤。
【請求項29】
再使用可能な薬剤装置を使用する方法であり、使用前にタウロリジン溶液に前記再使用可能な薬剤装置を配置することを含んでいる方法。
【請求項30】
タウロリジンと種々のプルロニック製剤とを含む複合製剤。
【請求項31】
タウロリジンとヒアルロン酸(HA)と水分とを含んでいる複合製剤。
【請求項32】
タウロリジンとキチンと水分とを含んでいる複合製剤。
【請求項33】
タウロリジンとキトサン又はアルギネートと水分とを含んでいる複合製剤。
【請求項34】
タウロリジンとシクロデキストリンと水分とを含んでいる複合製剤。
【請求項35】
ポリエチレングリコール(PEG)をベースとするヒドロゲル系を含んでいる複合製剤。
【請求項36】
タウロリジンを含み、注射可能であり、体腔のための充填材を提供し又は柔軟な移植片として機能し且つタウロリジンを生体内で解放するために皮下投与の際の骨格を含んでいる複合製剤。
【請求項37】
体外チューブであり、
チューブと、
当該チューブの外壁に取り付けられた膨張可能なカラーであって、タウロリジンが通る材料を含んでいる膨張可能なカラーと、
前記チューブに沿って延びており且つ前記膨張可能なカラーに結合されている通路とを含み、
前記カラーを膨張させ且つ前記カラー及び/又は当該カラーの末端の外面の周囲にタウロリジンを供給するために、タウロリジンが流動及び圧力制御状態で体外から前記膨張可能なカラーへ導入されるようになされた体外チューブ。
【請求項38】
患者に通気する方法であり、
チューブと、当該チューブの外壁に取り付けられ且つタウロリジンが通る材料からなる膨張可能なカラーと、前記チューブに沿って延びており且つ前記膨張可能なカラーに結合されている通路とを含む体外チューブを準備するステップと、
前記チューブを気管内に位置決めするステップと、
前記カラーを膨張させ且つ前記カラーの外周及び/又は前記カラーの末端の前記チューブの外面へタウロリジンを給送するために、タウロリジンを流動及び圧力制御状態で体外から前記膨張可能なカラー内へ導入するステップとを含む方法。
【請求項39】
尿道カテーテルであり、
チューブと、
当該チューブの外壁に取り付けられた膨張可能なカラーであって、タウロリジンが通る材料を含んでいる膨張可能なカラーと、
前記チューブに沿って延びており且つ前記膨張可能なカラーに結合されている通路とを含み、
前記カラーを膨張させ且つ前記カラー及び/又は当該カラーの末端の外面の周囲にタウロリジンを供給するために、タウロリジンが流動及び圧力制御状態で体外から前記膨張可能なカラーへ導入されるようになされた尿道カテーテル。
【請求項40】
患者を治療する方法であり、
チューブと、当該チューブの外壁に取り付けられ且つタウロリジンが通る材料からなる膨張可能なカラーと、前記チューブに沿って延びており且つ前記膨張可能なカラーに結合されている通路とを含み、前記カラーを膨張させ且つ前記カラー及び/又は当該カラーの末端の外面の周囲にタウロリジンを供給するために、タウロリジンが流動及び圧力制御状態で体外から前記膨張可能なカラーへ導入されるようになされた尿道カテーテルを準備するステップと、
前記チューブを尿道内に位置決めするステップと、
前記カラーを膨張させ且つ前記カラーの外周及び/又は前記カラーの末端の前記カテーテルの外面へタウロリジンを給送するために、タウロリジンを流動及び圧力制御状態で体外から前記膨張可能なカラー内へ導入するステップとを含む方法。
【請求項41】
医療過程中に体内に蓄積され且つその後に体内の隣接する組織にタウロリジンを給送するようになされたタウロリジン貯蔵物。
【請求項42】
請求項41に記載のタウロリジン貯蔵物であり、円筒形状を有しているタウロリジン貯蔵物。
【請求項43】
患者を治療するための方法であり、
医療過程中に体内に蓄積され且つその後にタウロリジンを体内の隣接する組織に給送するようになされたタウロリジン貯蔵物を準備するステップと、
医療過程中に体内に前記タウロリジン貯蔵物を蓄積するステップとを含む方法。
【請求項44】
血液を処理する方法であり、
体内から血液を取り出すステップと、
前記取り出された血液をタウロリジンによって処理するステップと、
前記処理された血液を体内へ戻すステップとを含む方法。
【請求項45】
血液を処理する装置であり、
体内から血液を取り出す装置と、
前記取り出された血液をタウロリジンによって処理する装置と、
前記処理された血液を体内へ戻す装置とを含む装置。
【請求項46】
請求項45に記載の装置であり、
透析タイプの装置を含んでいる装置。
【請求項47】
請求項45に記載の装置であり、
前記取り出された血液をタウロリジンの供給装置に曝すためのカートリッジを含んでいる装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−537200(P2007−537200A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512125(P2007−512125)
【出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005438
【国際公開番号】WO2005/115357
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(506381658)
【Fターム(参考)】