説明

タオルの製造方法

【課題】タオルの製造方法として、タオル表面のフィロプルームが少なくなり、それによってプロセスフローを短縮できる方法を提供する。
【解決手段】120Sコーマ長繊維綿と10Sコーマ長繊維綿をダブルワイヤーマシンで巻いてから筒として巻く;前記通りに巻いてからの筒をダブルツイスト機に送入して撚糸する;前記撚糸後の糸卷をボビンの形に巻き、そしてキバタの形に紡績する;前記キバタを連続精練漂白機の溶液に浸し湯伸しをして、パルプ、綿糸不純物を取り除く;前記キバタは脱酸、染色、酵素洗浄、軟化、開繊乾燥と縫製のプロセスを経由してタオルとして作られることを特徴とするタオルの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紡績分野に関わり、特にタオルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のタオルの製造方法には以下の内容を含む:原綿は開繊及び精選、カージング(carding) 、条、太糸、細糸、ワインダーのプロセスにおいて3撚/10センチメートルの10S長繊維綿として作られ、ビニロンを添加してダブルワイヤーを実施して、120S/1ビニロンと10S/1長繊維綿合糸で一緒にダブルツイストを実施して、ダブルツイスト後の撚数が39撚/10センチメートルであり、ボビン、スライバー整経、織造のプロセスを経由して半成品キバタを織り、連続精練漂白機にて五回でビニロンを取り除く(即ち:圧力0.3Mpaぐらい、速度12〜15メートル/分間の条件において二回で100度高温水にて洗浄し取り除く、三階で室温水で洗浄する)、オーバーフロー機で糊抜剤と浸透剤を添加して糊抜を実施して、水酸化ナトリウム、前処理剤と過酸化水素溶液において練込・漂白を実施して、それからクエン酸を添加して中和して、脱酸酵素で脱酸して、150%3RS黄+無水硫酸ナトリウム+純炭酸ソーダで染色して、洗剤LSでソーピングして、軟化剤で軟化して、乾燥、縫製のプロセスを経由してタオルを作る。その中にRS黄は:ドイツDYSTAR(ダイスター)会社が生産する活性染料であり、織物を染色するプロセスにおいての主要材料である;LSは:クラリアント会社が生産する洗剤であり、その役割は染色後に織物表面に付着するフラッディングを取り除く。
【0003】
但し従来のタオルの製造方法はビニロンと10Sコーマ長繊維綿を採用して合撚を実施して、ビニロンを分解してから、残りの長繊維綿は撚数が少なすぎるので(大体に4-6撚/10センチメートルぐらい)、従って、糸表面の繊維は束縛から抜け出して四週に伸ばして、タオル表面において大きな面積のフィロプルームを形成して、タオルは二次水洗を経由して、フィロプルームが水流の衝撃により脱落してピルを形成して、フィロプルームが多いほど多ければピルも多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明はタオルの製造方法を提供しており、その方法で作られたタオル表面のフィロプルームが少なくなり、それによってプロセスフローを短縮できる方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は以下のプロセスによって達成される:
120Sコーマ長繊維綿と10Sコーマ長繊維綿をダブルワイヤーマシンで巻いてから、筒として巻く;
前記通りに、巻いた筒をダブルツイスト機にフィードし撚糸する;
前記撚糸後の糸をボビンの形で巻き、そしてキバタの形で紡績する;
前記キバタを連続精練漂白機の溶液において浸し湯伸して、パルプ、綿糸不純物を取り除く;
前記キバタは脱酸、染色、酵素洗浄、軟化、開繊乾燥と縫製のプロセスを経由して、タオルとして作られるステップを含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明の方法は以下の効果がある:
当発明実施例の製造プロセスにおいて、120Sコーマ長繊維綿(撚数が180撚/10センチメートル)を利用してビニロンを代替して10Sコーマ長繊維綿(撚数が33撚/10センチメートル)と合撚して、合糸撚数が24撚/10センチメートルであり、処理後の10Sコーマ長繊維綿は残留撚数が8-9撚/センチメートルであり、処理後の糸において、120Sコーマ長繊維綿を10S長繊維綿に巻き付くので、糸表面に分散している繊維に対して、束縛の役を立ち製品表面のフィロプルームが少ない。
当発明実施例の製造プロセスにおいてビニロンを取り除くプロセスを減らすので、労働者の労働負荷を下げて、汚水処理の取扱いステップを減少して、環境汚染の問題を減少させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本件発明の実施例のプロセスを詳しく描写して説明する。本発明のタオルの製造方法は以下のステップを含む:
1.原綿処理プロセス:
ベールプラッカ(bale plucker)でたくさんの綿包(便利に運送する為に、きちんと包みの形として押された原綿を紡績工場に入れて、原綿にたくさんの不純物とごみを含む)から綿塊を掴み、初歩的な開繊と混合プロセスを経由して、開繊機にフィードする。
2.開繊及び精選プロセス:
原綿を混合してから、開繊機で開繊して不純物を取り除き、開繊機の開繊は高速回転のビーター(刃物類、ブラッド或いはスパイク)を利用して、原綿に打撃を与えて分割或いはカージング(carding) を実施して、繊維と繊維或いは繊維と不純物の間における連結力を破壊する。不純物を取り除く場合に、ビーターの周囲に若干の三角形グリッドバーで構成されたフェンス状グリッドを据付けて、高速回転ビーターの作用を引き受けてから、繊維と不純物がグリッドに投げされ、グリッドバーと衝突して、グリッドバーには繊維を残して、不純物がグリッドバーの隙間から落ちる。前記シリーズの機械加工を経由して、原綿は一定程度の開繊と混合する。一部大きな不純物を取り除き、クリーニング機を利用して、残りの相当数量の廃棄綿実、種の屑と短繊維を更に開繊とクリアする必要がある。クリーニング機の作用は、持続的に開繊して均一に原綿を混合して、持続的に屑と廃棄綿実等不純物と部分短繊維をクリアにして、綿の層縦横方向の均一度を制御し向上させて、規定された仕様がある綿ロール或いは綿の層を作る。綿ロールにおける繊維は大部分が固まっていない綿塊、綿束の状態であり、そして40-50%の不純物を含有する。
3.カージング(carding) プロセス:作られた綿ロール或いは綿の層をコイラに送入して、詳しく徹底的にカージング(carding) を実施して、束繊維を単繊維の状態に分離し、そして繊維部分をまっすぐに伸ばす。続けて綿の層に残っている不純物とごみを取り除く。コイラを利用するために、繊維を十分に混合して、規定密度がある均一の楕円形カージング(carding) スライバーを作り、そして規律がある輪の形でスリーバ・カン(Sliver can)の内に置き、次のプロセスの為に提供する。
4.練条プロセス:コイラで生産されたカージング(carding) スライバーは、初歩的な指向、まっすぐ伸ばすというプロセスを経由し、ヤーンの初歩的な形態になる。但しカージング(carding) スライバーの不均一率が大きい、且つカージング(carding) スライバー内の繊維配列がめちゃくちゃになるので、大部分の繊維はホックの形になる。そのため、更に紡績する前にカージング(carding) スライバーを巻く必要があり、それによってカージング(carding) スライバー均一度及び繊維状態を改善できる。
当該練条プロセスは主に以下の内容を含む:
(1)巻き:6〜8本のカージング(carding) スライバーを組み合わせて予備練条機に送入して、スライバーを一本作成して、スライバーごとの太い部分、細い部分は互いに重なり合う機会があるので、スライバー長さの不均一率を改善できる。カージング(carding) スライバーの重量は不均一率が約4.0%ぐらいであり、組み合わせてから、スライバーの重量は不均一率が1%以下に低下できる。
(2)引き伸ばす:即ちスライバーを元の程度に細く長く引き伸ばして、同時に引き伸ばすプロセスを経由して繊維の状態を改善して、従ってホックと卷曲繊維を更にまっすぐに平行に伸ばして、小さな綿束を更に単繊維に分離できる。引き伸ばす倍数を変わる上に、有効にスライバーの定量を制御できる。
(3)混合:繰り返しからなる組合せの方法を採用して更に単繊維の混合を実施して、スライバーの混綿成分の均一性を保証し、完成品としての糸の品質を安定にする。
(4)スライバーの仕上げ:練条機で作られたスライバーを規則的に輪の形でスリーバ・カン(Sliver can)の内に置く。これは運送と保管に便利であり、次のプロセスに用いられる。
5.太糸プロセス:スライバーを太糸機に送入して、5〜12倍ぐらい長く細く引き伸ばして、繊維を更にまっすぐに平行に伸ばす。太糸機で引き伸ばしてから、繊維バンド切断面の繊維本数が少なくなり、まっすぐ伸ばすことで、平行度が良く、従って強力が低くて、一定的な撚数を加えて、太糸強力を向上でき、そして、リールとアンリール時において、長く伸ばすことを防止でき、次に細糸を引き伸ばす為に準備する。撚糸後の太糸を糸巻きに巻き、規定の形とサイズがある巻きの形にする。これは運送と保管に便利であり、細糸のフィードに適応する。
6.細糸プロセス:太糸を細糸機に送入して、均一に要求された線密度がある細糸まで長く細く伸ばし、(J10S或いはJ100S、この二種糸について、前のプロセスは同じであり、但し細糸プロセスにおいて長く細く伸ばす程度が不一致であり、J10S糸はJ100S糸より10倍太い)、引き伸ばされた繊維バンドに適当な撚数を増加する。中長繊維綿を採用する上にコーマを実施したので、完成品としての紡績糸の撚数が少ないが、正常に紡績でき、( J120S糸は正常の細番糸生産プロセスにおいて生産して、撚数が180撚/10センチメートルぐらい)、紡績された細糸を一定的成形要求に応じて糸巻きに巻き、ボビンを作成する。
7.ダブルワイヤープロセス:細糸プロセスにおいて紡績されたボビンJ120S糸とJ10S 糸用ダブルワイヤーマシンを組み合わせてから筒として巻く、ダブルワイヤープロセスに二種糸の番手差別が大きいので、その弾性と長く伸びる程度の差異が大きい。そして巻く時に、二種糸に異なる張力のピースで加圧して、 J120S糸について6グラムで加圧して、J10S糸について35グラムで加圧する。そしてダブルワイヤーの速度を適当に低下して、(従って)太さが(ずいぶん)異なる糸を均一に平行に組み合わせて、更に撚糸する時に撚数の均一分布を保証する。
8.ダブルツイストプロセス:組み合わせてからの筒をダブルツイスト機撚糸に送入して、当該ダブルツイストプロセスにおいて、二本の単糸は全てZ撚なので、ダブルツイストプロセスにおいてダブルヤーンにS撚を加える。S撚を加える目的の一つは、二本の単糸を一緒に巻き付けることであり、もう一つの目的は二本単糸の一部撚数を引くことである。ダブルヤーンの撚数が24撚/10センチメートルであり、そしてJ10Sの24撚を引き、残り撚数が8撚/10センチメートルである。J120S糸は単糸本体撚数が大きいので、撚数を引いても変化が大きくない。
9.ボビンプロセス:ダブルツイストしてからの糸卷きをボビンとして巻き、最終的に糸が均一であり、光沢度が柔らかい、手触りがふわふわしている J120S糸とJ10S糸を上手く(成功に)紡績した。
10.糊抜練込・漂白プロセス:150kgキバタを1500L水に入れて、前記キバタを連続精練漂白機の溶液(当該溶液には水酸化ナトリウム、フロー(FLOW)前処理剤、過酸化水素を含有して、それぞれの濃度が5mL/L、3mL/L、7.8mL/Lである)に浸し、それから100℃温度における連続精練漂白機に60分間で湯伸して、パルプ、綿糸不純物を取り除き、キバタの白色度を向上する。その中にフロー(FLOW)前処理剤は:スイスCLARIANT(クラリアント)会社が生産した助剤であり、その作用は精錬、安定、潤滑との三つの性能を一体にして、漂白染色プロセスにおいて織物の柔軟性を確保する。
11.脱酸プロセス:オーバーフロー機を利用して、濃度が1mL/Lであるクエン酸溶液を用い、100℃の条件において軽くキバタを10分間を利用して洗い、その結果、溶液PH値が中性になり、その後、濃度が0.12mL/Lである脱酸酵素N255溶液を用い、40℃条件においてキバタを20分間を利用して洗い脱酸目的を達成する。
12.染色プロセス:オーバーフロー機に150%3RS黄0.0157g/L、少量の無水硫酸ナトリウム、純炭酸ソーダ5g/L等染色材料を入れて、60℃の温度において、軽くキバタを30分間を利用して洗い、キバタ着色を実施する。
13.ソーピングプロセス:90℃の温度において、濃度が0.13g/Lである洗剤LS溶液を用い、キバタを10分間を利用して洗い、着色されない染色材料を取り除く。
14.酵素洗浄プロセス:先ず0.5Lクエン酸を添加して、溶液を弱酸性にして、それから1.5L繊維酵素を添加して、50℃の温度において軽く20分間を利用して洗い、経糸のフィロプルームを減少する。
15.軟化プロセス:3L軟化剤JWJ溶液を入れて、その濃度が2ml/lであり、それから40℃の温度において20分間洗い、製品を更に軟化して、それから開繊乾燥プロセス、縫製プロセスを経由してタオルを作る。JWJは、クラリアント会社が生産する軟化剤であり、その使用が処理プロセスにおいて織物を更に軟化する。
【0008】
以上は本発明の好ましい実施形態であり、タオルの製造方法について詳細を紹介した。実際には、この分野の一般的な技術者であれば、本発明の開示を前提として、若干の変更或いは改善を実現できる。これらの変更或いは改善の実施も本発明の保護対象である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
120Sコーマ長繊維綿と10Sコーマ長繊維綿をダブルワイヤーマシンで巻いてから筒として巻く;
前記通りに巻いてからの筒をダブルツイスト機に送入して撚糸する;
前記撚糸後の糸卷をボビンの形に巻き、そしてキバタの形に紡績する;
前記キバタを連続精練漂白機の溶液に浸し湯伸しをして、パルプ、綿糸不純物を取り除く;
前記キバタは脱酸、染色、酵素洗浄、軟化、開繊乾燥と縫製のプロセスを経由することによってタオルとして作られることを特徴とするタオルの製造方法。
【請求項2】
開繊(opening)および精選(cleaning)プロセスにおいて、原綿を混合してから、開繊機で開繊して不純物を取り除き、クリーニング機で続けて開繊して不純物を除き去り、そして原綿を固定な規格がある綿ロール或いは綿の層として作る;
カージング(carding) プロセスにおいて、作られた綿ロール或いは綿の層を梳綿機に送入して、細かく徹底的にカージング(carding) を実施して、束繊維を単繊維の状態に分離して、繊維部分をまっすぐに伸ばして、規定された密度があり、均一な楕円形のカージング(carding) スライバーとして作り、そしてきちんと配列された輪としてスリーバ・カン(Sliver can)の内に入れて、それからコイラで生産したカージング(carding) スライバーは、初期の方向定め、まっすぐに伸ばすプロセスを経由して、最初のヤーンの形態になる;
太糸プロセスにおいて、カージング(carding) スライバーを太糸機に送入して、5〜12倍に長く細く伸ばして、そして更に繊維を太い糸まっすぐに平行に伸ばして、撚糸後の太糸を糸巻きに巻き、規定された形のサイズがある形状として作る;
細糸プロセスにおいて、太糸を細糸機に送入して、均一に要求された密度の細糸に長く細く伸ばして、紡績した細糸を規定された成形要求に応じて糸巻きに巻き、ボビンを作成することを特徴とする請求項1記載のタオルの製造方法。
【請求項3】
前記の溶液に水酸化ナトリウム、フロー(FLOW)前処理剤、過酸化水素を含有することを特徴とする請求項1記載のタオルの製造方法。
【請求項4】
前記の水酸化ナトリウム、フロー前処理剤、過酸化水素濃度がそれぞれ5mL/L、3mL/L、7.8mL/Lであることを特徴とする請求項3記載のタオルの製造方法。
【請求項5】
前記のキバタを連続精練漂白機の溶液に湯伸しをする場合に:前記のキバタを100℃温度において連続精練漂白機に60分間で湯伸しをすることを特徴とする請求項1記載のタオルの製造方法。


【公開番号】特開2009−235659(P2009−235659A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194094(P2008−194094)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(508228614)
【Fターム(参考)】