タグラベル作成装置
【課題】操作者の望むニーズに対応した短いラベルを容易に作成でき、利便性を向上できる。
【解決手段】タグテープ3Aに所定ピッチにて複数個配置された無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行うアンテナ204と、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へのアクセス情報を生成し、アンテナ204を介して無線タグ回路素子Toへ送信し、無線タグ回路素子ToのIC回路部150への情報書き込み又はIC回路部150からの情報読みとりを行う送信部212、受信部213、及び信号処理回路202と、タグテープ3Aを繰り出すためのプラテンローラ26と、このプラテンローラ26で繰り出されたタグテープ3Aにおける、無線タグ回路素子Toを備え長手方向寸法が所定ピッチよりも小さい無線タグラベルTを生成可能な切断位置を決定する制御回路210とを有する。
【解決手段】タグテープ3Aに所定ピッチにて複数個配置された無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行うアンテナ204と、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へのアクセス情報を生成し、アンテナ204を介して無線タグ回路素子Toへ送信し、無線タグ回路素子ToのIC回路部150への情報書き込み又はIC回路部150からの情報読みとりを行う送信部212、受信部213、及び信号処理回路202と、タグテープ3Aを繰り出すためのプラテンローラ26と、このプラテンローラ26で繰り出されたタグテープ3Aにおける、無線タグ回路素子Toを備え長手方向寸法が所定ピッチよりも小さい無線タグラベルTを生成可能な切断位置を決定する制御回路210とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と情報の無線通信が可能な無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0003】
このような無線タグは、通常、ラベル状の素材上に無線タグ回路素子を設けて形成され、このタグラベルが例えば各種書類・物品の分類・整理のために対象物品等に貼り付けられることが多い。また、この無線タグの管理上、タグ自体に併せて文字情報を印字しておくと非常に便利である。これに応じ、従来、無線タグへの情報読み取り/書き込みとタグへの印字とを併せて行うタグラベル作成装置が既に提唱されている。
【0004】
例えばこのようなタグラベル作成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来技術では、所定間隔で長方形状のラベルが貼り付けられた帯状のテープ(連続ラベル紙)がロール(ロール紙)から繰り出され、搬送経路を搬送される際に印字手段(インクジェット記録ヘッド)によって所定の印字情報がラベルの表面に印字される。印字後のラベルはその後搬送方向下流側に搬送され、上記印字された印字情報に対応し装置側で生成した所定の無線タグ通信情報が、ラベルに設けた無線タグ回路素子のアンテナに対し送信され、アンテナに接続されたIC回路部(ICチップ)に順次書き込まれ、無線タグラベルが完成するようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−208573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、無線タグの利用の拡大とともに多種多様な用途が望まれており、印字態様を種々変えてラベルを作成したいというニーズが生じつつある。
【0007】
しかしながら、上記従来技術では、無線タグ回路素子を備えたラベルの大きさ(長さ)が固定的に決まっているため、例えば印字文字数がある程度少なくなるとラベル長に対し被印字部分である余白部分が多くなる。この結果、短い文字数ならこれに対応してラベルの長さも短くしたいという操作者(ユーザ)の一般的な要請に応えることができず、操作者はラベル作成後自ら手操作でラベルをカットするか、あるいは短くない通常長さのラベルで我慢する必要があり、利便性が低下していた。
【0008】
また、上記印字文字数のニーズ以外にも、用途によっては、印字文字数に関係なくタグラベルのラベル長を短くしたい場合も考えられる。
【0009】
本発明の目的は、操作者の望むニーズに対応した短いラベルを容易に作成でき、利便性を向上できるタグラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記目的を達成するために、第1の発明は、タグテープに所定ピッチにて複数個配置された無線タグ回路素子との間で無線通信により情報の送受信を行う装置側アンテナと、前記無線タグ回路素子のIC回路部へのアクセス情報を生成し、前記装置側アンテナを介して前記無線タグ回路素子へ送信し、前記無線タグ回路素子のIC回路部への情報書き込み又はIC回路部からの情報読みとりを行う情報アクセス手段と、前記タグテープを繰り出すための駆動手段と、前記駆動手段で繰り出された前記タグテープにおける、前記無線タグ回路素子を備え長手方向寸法が前記所定ピッチよりも小さいタグラベルを生成可能な切断位置を決定する切断位置決定手段とを有することを特徴とする。
【0011】
装置側アンテナを介し、情報アクセス手段によって、タグテープに備えられる無線タグ回路素子のIC回路部への情報書き込み又は読み取りが行われる。ここで本願第1発明においては、このような書き込み又は読み取り処理済みの無線タグ回路素子を備えたタグテープより無線タグラベルを作成するための切断位置を決定するに際し、切断位置決定手段が、タグラベルの長手方向寸法が、タグテープの無線タグ回路素子の配置ピッチよりも小さくなるように切断位置を決定可能となっている。これにより、タグテープ上の無線タグ回路素子の配置ピッチに関係なく、操作者のニーズに対応した短いタグラベルとなるような適宜の位置に切断位置を決定し、切断を行うことで、容易に当該短いタグラベルを作成することができる。したがって、利便性を向上することができる。
【0012】
(2)第2の発明は、上記第1発明において、前記切断位置決定手段は、前記タグテープにおける前記無線タグ回路素子の配置位置を回避するように、前記切断位置を決定することを特徴とする。
【0013】
これにより、切断時に無線タグ回路素子に損傷を与え無線タグとしての機能に支障をきたすのを防止することができる。
【0014】
(3)第3の発明は、上記第1又は第2発明において、前記切断位置決定手段が決定した前記切断位置を、前記タグテープ上に印字する切断位置印字手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
これにより、印字された切断位置を操作者が視覚的に確認できるので、操作者が手動操作にて容易にタグテープを切断することが可能となる。
【0016】
(4)第4の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、手動操作により前記切断位置において前記タグテープを切断可能な第1切断手段を有することを特徴とする。
【0017】
第1切断手段を操作者が手動操作して、切断位置においてタグテープを切断することができる。
【0018】
(5)第5の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記切断位置を検出し、当該位置において前記タグテープを切断する第2切断手段を有することを特徴とする。
【0019】
これにより、切断位置においてタグテープを自動で切断することができる。
【0020】
(6)第6の発明は、上記第4又は第5発明において、前記第1又は第2切断手段が前記タグテープの前記切断位置に略対向した位置であることを検出したら前記駆動手段による繰り出し動作を停止させる停止制御手段を有することを特徴とする。
【0021】
駆動手段によりタグテープが繰り出され、第1又は第2切断手段が切断位置に略対向したら、停止制御手段が駆動手段を停止させる。これにより、この状態において、手動で第1切断手段を操作して切断位置にてタグテープを切断するか、又は、第2切断手段によって自動で切断位置にてタグテープを切断することができる。
【0022】
(7)第7の発明は、上記第6発明において、前記停止制御手段による前記繰り出し動作の停止時に、対応する報知を行う報知手段を有することを特徴とする。
【0023】
これにより、切断可能な状態においてタグテープが位置決め停止されたことを操作者に確実に報知することができる。
【0024】
(8)第8の発明は、上記第1乃至第7発明のいずれか1つにおいて、前記タグテープ上に、前記IC回路部へ書き込んだ情報又は読みとった情報に関連する印字を行う情報印字手段を有することを特徴とする。
【0025】
これにより、IC回路部へ書き込んだ情報又は読みとった情報についての簡単な内容を視覚的に明らかにすることができる。
【0026】
(9)第9の発明は、上記第8発明において、前記切断位置決定手段は、前記情報印字手段で印字する印字情報量に応じて、前記切断位置を決定することを特徴とする。
【0027】
これにより、例えば印字量が比較的少ない場合には相対的に短いタグラベルとなるように切断位置を決定し、印字量が比較的多い場合には相対的に長いタグラベルとなるように切断位置を決定する等、印字量に応じて柔軟にタグラベル長さを設定することが可能となる。
【0028】
(10)第10の発明は、上記第1乃至第7発明のいずれか1つにおいて、前記切断位置決定手段は、前記タグラベルの前記長手方向寸法が選択された所定の値となるように、前記切断位置を決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【0029】
これにより、例えば印字量が多い少ないに関係なく常時同じ長さのタグラベルとなるように切断位置を決定できるので、例えば貼り付ける場所の大きさが固定的に決まっている場合(所定規格のファイルの背表紙のラベル、ビデオカセットのラベル、記憶媒体のラベル)等において便利なラベルを容易に作成することが可能となる。
【0030】
(11)第11の発明は、上記第10発明において、前記駆動手段は、前記タグテープのうち前記長手方向寸法が前記選択された所定の値の部分を前記タグラベルとして装置外へ排出するとともに、前記所定ピッチと前記選択された所定の値との差の余剰部分を当該タグラベルと関連づけて装置外へ排出することを特徴とする。
【0031】
これにより、タグテープの余剰部分を、当該タグラベルと関連した控えラベル、予備用ラベル等に活用することが可能となる。
【0032】
(12)上記目的を達成するために、第12の発明は、上記第11発明において、前記タグテープのうち、前記タグラベルとこれに対応する前記余剰部分との境界部位を、厚さ方向途中部分まで切断する半切断手段を有することを特徴とする。
【0033】
これにより、タグラベルとこれに対応する余剰部分とを一部分がつながった状態で(関連づけを明確にしたまま)装置外に排出できるとともに、ラベル貼り付け時には容易にタグラベルを余剰部分から分離若しくは引きはがせるようにすることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、操作者の望むニーズに対応した短いラベルを容易に作成でき、利便性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0036】
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置の概略構成を表す斜視図である。
【0037】
図1において、タグラベル作成装置1は、本体筐体2と、透明樹脂製の上カバー5と、この上カバー5の前側略中央部に対向するように立設される透明樹脂製のトレー6と、このトレー6の前側に配置される電源ボタン7と、カッタレバー9と、LEDランプ(報知手段)34等を備えている。
【0038】
図2は、図1に示したタグラベル作成装置の上記上カバー5を取り外した状態を表す斜視図である。
【0039】
図2において、テープホルダ収納部4に、テープホルダ3が収納配置されている。このテープホルダ3は、位置決め保持部材12とガイド部材20とを備えており、所定幅のタグテープ3Aが回転可能に巻回されている。すなわち、タグテープ3Aの軸方向両側にその軸線と略直交するように、一方側側壁部としての上記ガイド部材20と他方側側壁部としての上記位置決め保持部材12とが設けられている。またテープホルダ収納部4の上側を覆うように、前述の上カバー5が後側上端縁部に開閉自在に取り付けられている。
【0040】
またテープホルダ収納部4の搬送方向に対して略垂直方向の一方の側端縁部にホルダ支持部材15が設けられ、このホルダ支持部材15には、上方に開口する正面視略縦長コの字状の第1位置決め溝部16が形成されている。そして、上記位置決め保持部材12の外側方向に突設され、正面視下方向に幅狭になるように形成された上下方向に縦長の断面略矩形状の取付部材13が、下方向に幅狭な上記第1位置決め溝部16内に密着することで上記ホルダ支持部材15に嵌め込まれる。なおこの取付部材13の突出高さ寸法は、第1位置決め溝部16の幅寸法にほぼ等しくなるように形成されている。
【0041】
テープホルダ収納部4の他方の側端縁部の搬送方向前端部には、レバー27が設けられている。また上記のタグテープ3Aにおいて、IC回路部150及びアンテナ151を備えた無線タグ回路素子Toが、この例では幅方向中央部に設けられている。
【0042】
図3は、図2に示した構造の側面図である。
【0043】
図3において、タグテープ3Aはこの例では3層構造となっており(図3中部分拡大図参照)、外側に巻かれる側(図3中左上側)よりその反対側(図3中右下側)へ向かって、剥離紙3a、粘着層3b、自己発色性を有する長尺状の感熱紙(いわゆる、サーマルペーパー)3cの順序で積層され構成されている。
【0044】
感熱紙3cの裏側(図3中左上側)には、情報を記憶するIC回路部150がこの例では一体的に設けられており、感熱紙3cの裏側の表面には上記IC回路部150に接続され情報の送受信を行うアンテナ151が形成されており、これらIC回路部150及びアンテナ151によって無線タグ回路素子Toが構成されている。感熱紙3cの裏側(図3中左上側)にはまた、上記粘着層3bによって上記剥離紙3aが感熱紙3cに接着されている。この剥離紙3aは、最終的に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層3bにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
【0045】
なお、本体筐体2の背面部には一方の側端部に電源コード10が接続されている。
【0046】
図4は、図3中X−X′断面による断面図である。
【0047】
図4において、上記タグテープ3Aは、巻芯3Bにロール状に巻回されている。これらタグテープ3A及び巻芯3Bと、上記位置決め保持部材12、ガイド部材20等を備えたテープホルダ3とからタグテープロール体100が構成されている。
【0048】
位置決め保持部材12とガイド部材20との間には、上記巻芯3Bの内周側にて軸方向に配置されるように略筒状形状のホルダ軸部材40が設けられており、主としてこれら位置決め保持部材12、ガイド部材20、及びホルダ軸部材40によってテープホルダ3が構成されている。
【0049】
ホルダ支持部材15の内側基端部には係合凹部15Aが形成されており、この係合凹部15Aに対し、位置決め保持部材12の下端部に突設された弾性係止片12Aが係合されている。
【0050】
テープホルダ収納部4の底面部には、ホルダ支持部材15の内側基端部から搬送方向に対して略垂直に、平面視横長四角形の位置決め凹部4Aが所定深さ(例えば約1.5〜3mm)で形成される。またテープホルダ収納部4の下側には、外部のパーソナルコンピュータ等からの指令により各機構部を駆動制御する制御回路部が形成された制御基板32が設けられている。
【0051】
位置決め凹部4Aの搬送方向幅寸法は、テープホルダ3を構成する位置決め保持部材12及びガイド部材20の各下端縁部の幅寸法にほぼ等しくなるように形成されている。また位置決め凹部4Aのホルダ支持部材15の内側基端部には、位置決め保持部材12の下端縁部から略直角内側方向に延出される後述のテープ判別部60(後述の図11〜図13も参照)に対向する位置に判別凹部4Bが形成されている。
【0052】
この判別凹部4Bは、搬送方向に縦長の平面視長四角形となっており、位置決め凹部4Aよりもさらに所定深さ(例えば約1.5〜3mm)だけ深くなるように形成されている。また判別凹部4Bには、プッシュ式のマイクロスイッチ等から構成され、タグテープ3Aの種別を判別する4個のテープ判別センサS1、S2、S3、S4がこの例では略L字状に設けられている。これらテープ判別センサS1〜S4は、それぞれプランジャーとマイクロスイッチ等から構成される公知の機械式スイッチからなり、該各プランジャーの上端部は、該判別凹部4Bの底面部から位置決め凹部4Aの底面部近傍まで突き出るように設けられている。そして、この各テープ判別センサS1〜S4によってテープ判別部60の各センサ孔(後述)が有るか否かを検出し、そのオン・オフ信号によりテープホルダ3に装着されたタグテープ3Aの種類を検出するようになっている。
【0053】
図5(A)及び図5(B)は、図1に示したタグラベル作成装置より上カバー5及びタグテープロール体100を取り外した状態を表す斜視図、及び図3(A)中W部の拡大斜視図である。
【0054】
これら図5(A)及び図5(B)において、テープホルダ3を構成する上記ガイド部材20の先端部が載置される載置部21が設けられている。この載置部21は、上記タグテープ3Aを挿入する挿入口18の後端縁部からテープホルダ収納部4の前側上端縁部まで略水平に延出されている。なお前述のガイド部材20の先端部は上記挿入口18まで延出されるようになっている。
【0055】
載置部21の搬送方向後側の端縁角部には、タグテープ3Aの複数の幅寸法に対応して断面略L字状の4個の第2位置決め溝部22A〜22Dが形成されている。各第2位置決め溝部22A〜22Dは、テープホルダ3を構成するガイド部材20の載置部21に当接する部分の一部を上方から嵌め込むことができるように形成されている。なお、前述した上記位置決め凹部4Aは、ホルダ支持部材15の内側基端部から上記第2位置決め溝部22Aに対向する位置まで設けられている。
【0056】
巻芯3B、タグテープ3A、及びテープホルダ3からなるタグテープロール体100は、位置決め部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の第1位置決め溝部16に嵌め込み、該位置決め部材12の下端部に突設される弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の内側基端部に形成される係合凹部15Aに係合させると共に、ガイド部材20の先端部下面を各第2位置決め溝部22A〜22Dに嵌め込んで該ガイド部材20の下端部を位置決め凹部4A内に嵌入して当接させることによって、テープホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられる。
【0057】
図6は、図1に示したタグラベル作成装置の上カバー5及びタグテープロール体100を取り外した状態を表す後方斜視図である。
【0058】
図6において、上記挿入口18のホルダー支持部材15側の側端縁部には、案内リブ部23が立設されている。また、挿入口18のホルダー支持部材15側の側端縁部(図6中左端縁部)は、該ホルダー支持部材15に嵌め込まれる上記位置決め部材12の内側端面に対応する位置になるように形成されている。
【0059】
なお、本体筐体2の背面部の他方の側端部には、不図示のパーソナルコンピュータ等と接続されるUSB(Universal Serial Bus)等から構成されるコネクタ部11が設けられている。
【0060】
図7は、図1に示したタグラベル作成装置1にテープホルダ3が装着された状態を上カバー5を取り外して示す側断面図である。
【0061】
図7において、前側側面部に左右移動可能に設けられた上記カッタレバー9によって左右に移動される切断手段としてのカッタユニット(第1切断手段)8が設けられ、このカッタユニット8のテープ3A搬送方向上流側(図7中右側)下部には印字を行うサーマルヘッド(以下適宜、印字ヘッドという)31が設けられ、この印字ヘッド(情報印字手段)31と対向する位置にはプラテンローラ(駆動手段)26が設けられている。
【0062】
カッタユニット8は、ソレノイドストッパ24により、その切断動作が制限可能に構成されている。すなわちソレノイドストッパ24は、軸方向(図7中左右方向、矢印参照)に前進・後退可能に配置されたプランジャ24aと、このプランジャ24aを上記前進方向に付勢するスプリング24bと、上記プランジャ24aを上記後退方向に駆動可能なソレノイド24cとを備えている。プランジャ24aは、ソレノイド24cが通電されずスプリング24bの付勢力によって前進した時にはカッタレバー9の前述の左右方向移動をロックしカッタユニット8の切断動作を制限するととともに、ソレノイド24cが通電され後退駆動された時には上記ロックを解除してカッタユニット8の切断動作の制限を解放するようになっている。
【0063】
印字ヘッド31は、その上下動操作用の前述のレバー27を上方に回動させることにより印字ヘッド31が下方に移動されてプラテンローラ26から離間した状態となり、レバー27を下方に回動させることにより上方に移動されてタグテープ3Aをプラテンローラ26に押圧付勢して印字可能な状態になる。
【0064】
すなわち、印刷実行時においては、まずレバー27を上方に回動させて、タグテープ3Aの一方の側端縁部をガイド部材20の内側面に当接させつつ、このタグテープ3Aの他方の側端縁部を挿入口18の側縁部に立設される上記案内リブ部23に当接させながら挿入口18内に挿入し、この状態でレバー27を下方に回動させることにより、挿入口18から挿入されたタグテープ3Aは、ライン型の印字ヘッド31によってプラテンローラ26に向かって押圧されるように付勢される。そして、該プラテンローラ26をパルスモータあるいはステッピングモータ等からなるプラテンローラ用モータ208(後述の図9参照)等により回転駆動しつつ、該印字ヘッド31を駆動制御することによって、タグテープ3Aを搬送しながら印字面に順次所定の印字データを印字でき、さらにその搬送方向下流側に位置するアンテナ(装置側アンテナ)204を介し無線タグ回路素子Toのアンテナ151を介しIC回路部150へのアクセス(情報読み取り又は書き込み)が行われる。そして、トレー6上に排出された印字済みのタグテープ3Aは、カッタレバー9を右側方向に手動操作することによってカッタユニット8により切断され、無線タグ回路素子Toを備えた無線タグラベルT(後述の図18参照)が分割生成される。
【0065】
図8は、上記タグテープ3Aに備えられる無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。
【0066】
この図8において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置1側のアンテナ204とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ151と、このアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0067】
IC回路部150は、アンテナ151により受信された搬送波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部150の駆動電源とするための電源部153と、上記アンテナ151により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部155と、上記アンテナ151に接続された変復調部156と、上記整流部152、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
【0068】
変復調部156は、アンテナ151により受信された上記タグラベル作成装置1のアンテナ204からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部157からの応答信号に基づき、アンテナ204より受信された搬送波を変調反射する。
【0069】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0070】
図9は、タグラベル作成装置1の制御系を表す概念図である。
【0071】
図9において、巻芯3Bに巻回された上記タグテープ3Aは、前述したように複数の無線タグ回路素子Toがその幅方向中央部に配列されるとともに、この例では、それぞれの無線タグ回路素子Toに対応している領域が印字ヘッド31により各無線タグ回路素子Toに対応する印字Rが行われる印字領域S(なお、この印字領域Sのテープ長手方向長さは印字情報量に応じて可変する。詳細は後述)となっており、前述した印刷の後、上記アンテナ204によって、タグテープ3Aに備えられる無線タグ回路素子Toとの間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の授受が行われ、印字済みのタグテープ3Aは前述のようにカッタレバー9が操作されることでカッタユニット8にて切断され、無線タグラベルTが生成される。
【0072】
そのほか、タグラベル作成装置1には、搬出口Eに至る搬送経路におけるタグテープ3Aの有無並びにタグテープ3Aの無線タグ回路素子Toに略沿って印刷された識別マークMを検出するマークセンサ239と、タグテープ3A及び切断後の無線タグラベルTを搬出口Eへと搬送し送出する上記プラテンローラ26と、上記アンテナ204を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報(無線タグ情報)へアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路201と、無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を高周波回路201を介して入力し所定の処理を行って情報を読み出すとともに、高周波回路201を介して無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスする信号処理回路202と、上記印字ヘッド31への通電を制御する印刷駆動回路205と、上記プラテンローラ26を駆動するプラテンローラ用モータ208を制御するプラテンローラ駆動回路209と、上記ソレノイド24への通電を制御するロックソレノイド駆動回路25と、上記高周波回路201、信号処理回路202、印刷駆動回路205、プラテンローラ駆動回路209、ロックソレノイド駆動回路25等を介し、タグラベル作成装置1全体の動作を制御するための制御回路210と、この制御回路210からの制御信号により点灯する前述のLED34とが設けられている。なお、上記無線通信による信号授受時において無線タグ回路素子Toをアンテナ204に対向する所定のアクセスエリアに設定保持するとともに切断後の各無線タグラベルTを案内する搬送ガイドをさらに設けてもよい。
【0073】
なお、マークセンサ239は、例えば投光器及び受光器からなる反射型の光電センサであり、タグテープ3Aの所定箇所に塗布された黒塗りの識別マークMを検出しない場合には、投光器から出力された光が反射されて受光器に入力される。一方、識別マークMを検出した場合には、投光器から出力された光が反射されないために受光器に入力されず、制御出力が反転させられるようになっている。
【0074】
制御回路210は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。また、この制御回路210は、電源回路211Aにより給電されるとともに、通信回路211Bを介し例えば通信回線に接続され、この通信回線に接続された図示しないルートサーバ、他の端末、汎用コンピュータ、及び情報サーバ等との間で情報のやりとりが可能となっている。
【0075】
図10は、上記高周波回路201の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図10において、高周波回路201は、アンテナ204を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部212と、アンテナ204により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部213と、送受分離器214とから構成される。
【0076】
送信部212は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスする(読み取り/書き込みを行う)ための搬送波を発生させる水晶発振回路215と、上記信号処理回路212から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路212からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路216(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路216により変調された変調波を増幅(この例では制御回路210からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する送信アンプ217とを備えている。そして、上記送信アンプ217の出力は、送受分離器214を介してアンテナ204に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。
【0077】
受信部213は、アンテナ204により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路218と、その第2乗算回路218の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのバンドパスフィルタ219と、このバンドパスフィルタ219の出力を増幅する受信第1アンプ221と、この受信第1アンプ221の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ220と、上記アンテナ204により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に移相器227で位相を90°遅らせた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路222と、その受信第2乗算回路222の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのバンドパスフィルタ223と、このバンドパスフィルタ223の出力を増幅する受信第2アンプ225と、この受信第2アンプ225の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ224とを備えている。そして、上記第1リミッタ220から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ224から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路202に入力されて処理される。
【0078】
また、受信第1アンプ221及び受信第2アンプ225の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路202に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態のタグラベル作成装置1では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
【0079】
図11(A)及び図11(B)は、図1に示したタグラベル作成装置1に備えられたタグテープロール体100の詳細構造を表す、前側上方からの斜視図、及び下側後方からの斜視図である。
【0080】
これら図11(A)及び図11(B)において、タグテープロール体100に備えられたテープホルダ3のガイド部材20には、テープホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4Aに嵌入されて該位置決め凹部4Aの底面に当接される第1延出部42と、タグテープ3Aの前側方向略1/4円周上の外側端面部を覆うように外側方向に延出される第2延出部43と、この第2延出部43の外周部からタグテープ3Aの上記挿入口18(図6参照)近傍まで上側端縁部が前下がり状に延出される第3延出部44とが形成されている。
【0081】
第3延出部44の先端部の下端面は、略水平に形成され、タグラベル作成装置1の前述の載置部21上に当接して、該第3延出部44と第2延出部43の内側面によって装着されたタグテープ3Aの一側端縁部を上記挿入口18まで案内するように構成されている。また、この第3延出部44の下端面の載置部21の搬送方向後端縁部に対向する位置から第1延出部42まで、所定長さ延出される第4延出部45が形成されている。この第4延出部45の搬送方向先端部分は、上記第3延出部44の下端面が載置部21上に当接された場合に、装着されたタグテープ3Aのテープ幅に対向する各第2位置決め溝部22A〜22Dのいずれかに嵌入されるように構成されている(前述の図7参照)。
【0082】
また、テープホルダ3の位置決め部材12の取付部材13の下端部には、該取付部材13の下端部よりも左右方向に各々外側方向に所定長さ(この例では、約1.5mm〜3mm)突出する正面視略四角形の平板状(この例では長さ約1.5mm〜3mm)の案内部57が形成されている。これにより、テープホルダ3を装着する場合は、取付部材13の下端部に形成される案内部57をホルダ支持部材15の外側端面に当接させつつ、取付部材13を第1位置決め溝部16に挿入することによって、該テープホルダ3を容易に位置決めしつつ装着できるようになっている。
【0083】
位置決め部材12の延出部56の下端縁部は、ガイド部材20の下端縁部よりも所定長さ(この例では、約1mm〜2.5mm)下側方向に突出するように延出されており、この下端縁部に、略直角内側方向に所定長さ延出される略長四角形のテープ判別部60が形成されている。
【0084】
このテープ判別部60は、前述した各テープ判別センサS1〜S4に対向する所定位置に各センサ孔60A〜60Dが略L字状に配置されて穿設され、これらセンサS1〜S4と協働してタグテープ3Aの種類を特定するタグテープ特定部として機能するものである。さらに、上記センサS1〜S4は、タグテープの種類として印字位置、テープ幅、タグの有り無し等も特定することが出来るようになっている。
【0085】
図12(A)は、テープホルダを斜め後方側からみた斜視図であり、図12(B)は斜め前方側からみた斜視図である。
【0086】
これら図12(A)及び図12(B)において、上記ガイド部材20には第1筒部35が設けられており、この第1筒部35が巻芯3Bの筒孔の一端側端縁部に嵌挿されることによって、ガイド部材20がタグテープ3Aの一方の端面に当接されている。一方、上記位置決め保持部材12には第2筒部37が設けられており、この第2筒部37が巻芯3Bの他端側に嵌挿されることによって、位置決め保持部材12がタグテープ3Aの他方の端面に当接されている。これら第1筒部35と第2筒部37とによって、タグテープ3Aが巻回された巻芯3Bが回転可能に保持される。
【0087】
また上記ホルダ軸部材40は、一端側が上記ガイド部材20の第1筒部35に嵌挿されるとともに、その一端側端面の外周部にフランジ部36が形成されており、このフランジ部36は上記第1筒部35の外側端面に固着されている。またホルダ軸部材40の他端側端部は、位置決め保持部材12の第2筒部37に嵌挿されてその第2筒部37に固着されている。
【0088】
このとき、ガイド部材20の上記第1延出部42は、第1筒部35の外側端面の下側外周部から下側方向に延出されており、その上端部、即ち、第1筒部35の外側端面の外周部の左右両中央部には、正面視略四角形の各切欠部47が設けられている。
【0089】
また、ガイド部材20の各延出部43,44,45の内側面には、装着されたタグテープ3Aの巻回長さ10m、20m、30mをそれぞれ表す各目盛り43A,43,43Cが形成されている。なお、テープホルダ3に巻回されるタグテープ3Aの最大巻回長さは、約30mの長さである。
【0090】
一方、位置決め部材12の上記第2筒部37の外周部には、フランジ部55が形成されると共に、このフランジ部55の下側外周部から下側方向に延出される延出部56が形成されている。このフランジ部55と延出部56の内側面がタグテープ3A及び巻芯3Bの外側端面に当接される。そして、上記取付部材13は、これらフランジ部55と延出部56の外側端面部の幅方向(図12(A)中左上〜右下方向)略中央部に、即ちホルダ軸部材40の軸心の端縁部から該軸心に対してほぼ直交するように、突設されている。
【0091】
図13(A)は、上記テープホルダ3の詳細構造を表す左側面図であり、図13(B)は正面図であり、図13(C)は右側面図である。
【0092】
これら図13(A)〜(C)において、前述したように、上記位置決め保持部材12と上記ガイド部材20との間に上記ホルダ軸部材40が設けられている。このとき、ホルダ軸部材40は、前述した巻芯3Bの各長さ寸法に対応して複数種類(例えば4種類)の長さ寸法のものが設けられており、このホルダ軸部材40の長さ寸法を変更することにより、異なる幅寸法のタグテープ3Aが装着可能な複数種類のテープホルダ3を容易に製作できるようになっている。
【0093】
図14は、図13(A)中Y−Y′断面における矢視断面図である。
【0094】
図14において、ホルダ軸部材40のうち、位置決め保持部材12の第2筒部37内に嵌入される先端部には略縦長の切欠部51が形成されている。この切欠部51には、第2筒部37の内側下端部に内側半径方向に突設される位置決めリブ50が嵌入され、これによって、ホルダ軸部材40を介して位置決め保持部材12とガイド部材20との位置決めを行えるようになっている。
【0095】
また、位置決め部材12の取付部材13の下端部には延出部56に縦長四角形の貫通孔62が穿設され、この貫通孔62の上端縁部には、下側方向に先端部に外側方向に突出する突起部が形成された弾性係止片12Aが設けられている。
【0096】
図15は、図13(A)中Z−Z′断面における矢視断面図である。
【0097】
図15において、前述した第1延出部42の切欠部47に、ホルダ軸部材40の上記フランジ部36の内側面に突設される各位置決め突起48が嵌入され、これによってホルダ軸部材40のガイド部材に対する位置決めが行われる。
【0098】
図16(A)〜(E)は、それぞれ、位置決め保持部材12のテープ判別部60におけるタグテープの種類を表すセンサ孔の穿設例を示す図である。
【0099】
図16(A)は、前述したようにテープ判別部60に4つのセンサ孔60A〜60Dが設けられた例を表している。テープホルダ収納部4の判別凹部4Bにはこれらテープ判別孔60A〜60Dに対応して前述のテープ判別センサS1〜S4が設けられている。各センサS1〜S4は、そのプランジャーが上記判別凹部4Bの底面から位置決め凹部4Aの底面部近傍まで突き出し、マイクロスイッチがオフ状態になっている。そして、各センサ孔60A〜60Dが各テープ判別センサS1〜S4に対向する位置にそれぞれ存在する場合にはプランジャーが押下されずマイクロスイッチがオフ状態にあるためオフ信号が出力され、テープ判別部60の各センサ孔60A〜60Dが各テープ判別センサS1〜S4に対向する位置にない場合には上記プランジャーが押下されてマイクロスイッチがオン状態になり、オン信号が出力されるようになっている。
【0100】
このように、4つのセンサS1〜S4に4つのセンサ孔60A〜60Dの有無の検出結果を関連づけ、ひとつひとつのセンサ孔の有無を「1」と「0」に対応させることにより、該テープホルダ3に装着されたタグテープ3Aの種類を4ビットの符号によって(言い換えれば16通りを区別して)表示できるようになっている。図16(A)〜図16(E)はそれら16通りのうちの一例をそれぞれ表しており、図16(A)はセンサ孔60A,60B,60C,60Dがすべて存在し「1,1,1,1」の検出信号が出力される場合、図16(B)はセンサ孔60A,60B,60Cが存在し「1,1,1,0」の検出信号が出力される場合、図16(C)はセンサ孔60A,60B,60Dが存在し「1,1,0,1」の検出信号が出力される場合、図16(D)はセンサ孔60Bが存在し「0,1,0,0」の検出信号が出力される場合、図16(E)はセンサ孔60C,60Dが存在し「0,0,1,1」の検出信号が出力される場合を表している。
【0101】
以上のようにして、位置決め部材12の内側下端縁部に設けられたテープ判別部60が判別凹部4B内に挿入され、センサS1〜S4で各センサ孔60A〜60Dの有無が検出されることで、テープホルダ3に装着されたタグテープ3Aの種類が検出可能となっている。
【0102】
図17(A)及び図17(B)は、上記のように構成されたテープホルダ3のタグラベル作成装置1側への装着挙動の一例について説明するための説明図である。
【0103】
図17(A)は、巻芯3Bに最大幅のタグテープ3Aが巻回されたテープホルダ3を装着する場合の例を表している。図17(A)において、まずテープホルダ3の位置決め保持部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の位置決め溝部16に挿入する。そして、テープホルダ3のガイド部材20の第3延出部44の下端面を載置部21上に当接させると共に、該ガイド部材20の第4延出部45を載置部21の搬送方向後側角部に形成される第2位置決め溝部21Aに嵌入させる。また、該ガイド部材20の第1延出部42の下端縁部をテープホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4A内に嵌入して当接させる。
【0104】
このとき同時に、テープホルダ3の位置決め保持部材12の延出部56の下端部に形成されるテープ判別部60を、ホルダ支持部材15の基端部内側に形成される判別凹部4Bに挿入すると共に、弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の基端部に形成される係合凹部15Aに係合させる。
【0105】
以上の操作により、テープホルダ3がテープホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられ、また各テープ判別センサS1〜S4を介して対向するテープ判別部60の各センサ孔60A〜60Eの有無が検出可能となる。
【0106】
続いて、レバー27を上方に回動させた状態で、タグテープ3Aの一方の側端縁部をガイド部材20の内側面に当接させつつ、該タグテープ3Aを引きだし、このタグテープ3Aの他方の側端縁部を挿入口18の側端縁部に立設された案内リブ部23に当接させつつ挿入口18に挿入する。その後、レバー27を下方に回動させることにより、該タグテープ3Aの先端部が印字ヘッド31によってプラテンローラ26に押圧され、印字可能な状態になる。
【0107】
図17(B)は、巻芯3Bに最小幅のタグテープ3Aが巻回されたテープホルダ3を装着する場合の例を表している。図17(B)において、まずテープホルダ3の位置決め保持部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の位置決め溝部16に挿入する。そして、テープホルダ3のガイド部材20の第3延出部44の下端面を載置部21上に当接させると共に、該ガイド部材20の第4延出部45を載置部21の搬送方向後側角部に形成される第2位置決め溝部21Dに嵌入させる。また、該ガイド部材20の第1延出部42の下端縁部をテープホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4A内に嵌入して当接させる。
【0108】
このとき同時に、テープホルダ3の位置決め保持部材12の延出部56の下端部に形成されるテープ判別部60を、ホルダ支持部材15の基端部内側に形成される判別凹部4Bに挿入すると共に、弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の基端部に形成される係合凹部15Aに係合させる。
【0109】
以上の操作により、テープホルダ3がテープホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられ、また各テープ判別センサS1〜S4を介して対向するテープ判別部60の各センサ孔60A〜60Eの有無が検出可能となる。
【0110】
以降レバー27を上方に回動させる等については上記と同様であるので説明を省略する。
【0111】
図18(a)及び図18(b)は、上記のようにして無線タグ回路素子Toの情報読み取り(又は書き込み)及びタグテープ3Aの切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図18(a)は上面図、図18(b)は下面図である。また図19は、図18中XIX−XIX′断面による横断面図である。
【0112】
これら図18(a)、図18(b)、及び図19において、本実施形態のタグラベル作成装置により作成、排出された無線タグラベルTの例を示している。前述のように3層構造となっており、表面側(図19中上側)よりその反対側(図19中下側)へ向かって、感熱紙3c、粘着層3b、剥離紙3aの順で積層している。そして、前述のように感熱紙3cの裏側に、IC回路部150及びアンテナ151からなる無線タグ回路素子Toが備えられる(Toは図19中上下逆向きでも良い。)とともに、感熱紙3cの表面に印字R(この例では「AA−AA」の文字)が印刷されている。さらに、剥離紙3aの表面には、搬送方向前方側(図18(a)中左側)のアンテナ151の先端より後方側の位置を始点として、黒塗りの識別マークMが搬送方向下流側(図18(a)中右側)端部まで印刷されている。
【0113】
なお、図示の例では、無線タグ回路素子Toにおいてテープ長手方向にアンテナ151が延設されているが、これに限られず、テープ長手方向と交差方向(例えば直角方向)にアンテナ151が延設されていても良い。
【0114】
上記のような基本構成のタグラベル作成装置1において、本実施形態の最大の特徴は、感熱紙3cに印字する印字情報量に応じてタグテープ3Aの切断位置を決定し、無線タグ回路素子Toの配置ピッチよりも短い長さの無線タグラベルTを作成することにある。以下、この詳細について説明する。
【0115】
まず、タグラベル作成装置1におけるタグテープ3Aの搬送位置に応じた動作を図20及び図21を用いて説明する。
【0116】
図20(A)〜(F)はそれぞれ、連続的に繰り出されるタグテープ3Aの識別マークM及び無線タグ回路素子Toの、マークセンサ239、印字ヘッド31、カッタユニット8との位置関係を表す説明図であり、図21(A)〜(F)は、図20(A)〜(F)それぞれの状態におけるタグテープ3Aの上記印字領域S、無線タグ回路素子To、識別マークMの位置関係を詳細に表す概念図である。
【0117】
まず、図20(A)及び図21(A)は、巻芯3Bからタグテープ3Aの繰り出しが開始され、今回作成する無線タグラベルTに係わる無線タグ回路素子Toが繰り出された直後の状態を表している。この状態では識別マークMはマークセンサ239によって検出されておらず、ソレノイドストッパ24のプランジャ24aは後退した位置(ロック解除位置)にあるため、カッタユニット8はテープ3Aを切断するように作動可能である。
【0118】
この状態からさらにタグテープ3Aの搬送が進むと、無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向先端が印字ヘッド31の位置に到達する(図20(B)及び図21(B)参照)。
【0119】
ここで、本実施形態では、タグテープ3Aに長手方向に連続して配置される無線タグ回路素子Toに対応する全長を切断禁止領域Fとし、隣接する無線タグ回路素子Toと無線タグ回路素子Toの間の領域を切断可能領域Gとして設定している(図21(B)参照)。このとき、前述したように、タグテープ3Aの剥離紙3a(図19等参照)の表面には、上記切断禁止領域Fの全長に対応して黒塗りの識別マークMが予め例えば印刷により設けられている。識別マークMのテープ搬送方向下流側先端は、切断禁止領域F(言い換えれば無線タグ回路素子To)のテープ搬送方向先端よりも搬送方向上流側に距離L1だけオフセットした位置にあり、識別マークMのテープ搬送方向(上流側)後端は切断禁止領域Fの後端より距離L2だけ搬送方向上流側にオフセットした位置にある。
【0120】
この結果、タグテープ3Aの移動により識別マークMの先端がマークセンサ239の位置に到達したときは、無線タグ回路素子To位置に対応した印字領域Sの先端が印字ヘッド31の位置に到達する。これに対応し、識別マークMがマークセンサ239で検出されると、印字領域Sに印字Rが開始される(図20(B)及び図21(B)参照)。
【0121】
上記図20(B)及び図21(B)の状態からさらにタグテープ3Aの搬送が進むと、無線タグ回路素子To(言い換えれば切断禁止領域F)のテープ搬送方向先端がカッタユニット8の位置に到達する(図20(C)及び図21(C)参照)。この状態では前述のように既にマークセンサ239によって識別マークMの検出中であるため、この位置に来たことの検出は、前述の図20(B)及び図21(B)の状態(識別マークM検出開始状態)からタグテープ3AがL2−L1だけ進んだことを検知(詳細は後述)することによって行う。この検出に対応して、ソレノイドストッパ24のプランジャ24aが前進した位置(ロック位置)に駆動され、カッタユニット8のテープ3Aの切断が不可能となる(制限される)。
【0122】
図20(D)及び図21(D)は、上記図20(C)及び図21(C)の状態からさらにタグテープ3Aの搬送が進み、無線タグ回路素子To(言い換えれば切断禁止領域F)がカッタユニット8の位置を通過中の状態を表している。このとき、マークセンサ239は識別マークMの存在を依然として検出中である。
【0123】
上記図20(D)及び図21(D)の状態からさらにタグテープ3Aの搬送が進むと、無線タグ回路素子To(言い換えれば切断禁止領域F)のテープ搬送方向後端がカッタユニット8の位置に到達する(図20(E)及び図21(E)参照)。このとき前述の寸法設定関係によって、識別マークMの後端がマークセンサ239の位置に到達するようになっている。したがって、マークセンサ239によって識別マークMが検出されなくなると、無線タグ回路素子To(切断禁止領域F)がカッタユニット8の位置より搬送方向下流側へ抜けた(言い換えれば切断可能領域Gがカッタユニット8に対向している)とみなされ、これに対応して、ソレノイドストッパ24のプランジャ24aが再び後退位置(ロック解除位置)に駆動され、カッタユニット8のテープ3Aの切断が可能となる(図20(E)及び図21(E)参照)。
【0124】
その後、上記図20(E)及び図21(E)の状態からさらにタグテープ3Aの搬送が進むと、印字情報量に応じた(すなわち印字領域Sのテープ長手方向長さに応じた)タグテープ3Aの切断位置に到達する(図20(F)及び図21(F)参照)。ここでは、印字領域Sのテープ長手方向長さが上記切断禁止領域F(言い換えれば無線タグ回路素子To)のテープ長手方向長さよりも長く設定されており、上記切断位置は無線タグ回路素子To位置に対応した印字領域Sの先端よりもテープ搬送方向上流側に距離L3だけオフセットした位置にある(図20(D)及び図21(B)等参照)。なお、この距離L3は、無線タグ回路素子Toの配置ピッチG+Fよりも短く設定される(図21(B)等参照)。したがって、マークセンサ239によって識別マークMが検出されなくなってから(上記図20(E)及び図21(E)の状態)、さらにタグテープ3AがL3−Fだけ進んだことを検知(詳細は後述)すると、上記切断位置に到達したとみなされる。このとき、タグテープ3Aの搬送が停止され、この切断位置においてタグテープ3Aはカッタユニット8により切断される。なお、印字領域Sのテープ長手方向長さが切断禁止領域Fよりも短い場合には、上述したように切断禁止領域Fにおいてはカッタユニット8がソレノイドストッパ24により動作不能とされるため、切断位置は印字領域Sの先端よりもテープ搬送方向上流側に距離Fだけオフセットした位置となる(すなわち、作成される無線タグラベルTの長さは切断禁止領域F(無線タグ回路素子To)のテープ長手方向長さとなる)。
【0125】
なお、上記の例では、また、無線タグ回路素子Toの配置位置(言い換えれば切断禁止領域F)に対応して黒塗りの識別マークMが付され、その先端位置と後端位置の両方をセンサ239で検出したが、これに限られない。例えば、識別マークとして切断禁止領域の始点及び終点にそれぞれ対応する2つの短いマーク(=始点トリガマーク及び及び終点トリガマーク)を設けてこれをセンサ239で検出するようにしてもよい。さらに、上記始点トリガマークのみを設け、その始点トリガマークからの距離情報を適宜の手法で追加付与する(例えば上記始点トリガマークを検出してから上記終点トリガマーク位置に相当する距離までテープが搬送されたか否かをモータの駆動量で判断する)ことで終点トリガマーク自体は省略するようにしてもよい。
【0126】
以上のようにして、本実施形態では、タグテープ3Aの繰り出しに応じ、識別マークMの検出状態と、切断禁止領域Fまたは切断可能領域Gがカッタユニット8と対向するタイミングとを対応づけ、カッタユニット8を切断不能又は切断可能とする制御を行うと共に、印字情報量に応じてタグテープ3Aの切断位置を決定し、無線タグ回路素子Toの配置ピッチよりも短い長さの無線タグラベルTを作成する制御を行う。
【0127】
図22は、このような制御をおこなうために上記制御回路210によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0128】
前述したテープ判別センサS1〜S4でタグラベル作成装置1の読み取り操作が行われ、無線タグ回路素子を含まない(タグレステープ)でないことが検出されるとこのフローが開始される(すなわち本実施形態のタグラベル作成装置1では、詳細は省略するが上記タグレステープもタグテープ3Aの代わりにテープホルダ3に収納して装着可能となっており、当該タグレステープであることに対応した判別部60が例えばテープ判別センサS1〜S4によって検出されるようになっている)。
【0129】
図22において、まずステップS105で、図示しない端末又は汎用コンピュータを介して入力操作された、印字ヘッド31により無線タグラベルTへ印字すべき印字情報が通信回路211B及び入出力インターフェイスを介し読み込まれる。
【0130】
次のステップS107では、上記ステップS105で読み込んだ印字情報に基づき、タグテープ3Aの感熱紙3cに印字する印字情報量に応じたタグテープ3Aの切断位置を決定する。これは言い換えれば、印字情報量に応じた無線タグラベルTの長さ(=印字領域Sのテープ長手方向長さ)を決定することである。具体的には、印字量が比較的少ない場合には相対的にタグラベルTの長さが短くなるように切断位置を決定し、印字量が比較的多い場合には相対的にタグラベルの長さが長くなるように切断位置を決定する)。
【0131】
その後、ステップS110において、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合にリトライを行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数N、及び通信良好か不良かを表すフラグFを0に初期化する。
【0132】
そして、ステップS111において、プラテンローラ駆動回路209(図9参照)に制御信号を出力し、例えばパルスモータによって構成されるプラテンローラ用モータ208の駆動力によってプラテンローラ26の駆動軸を回転駆動させる。これにより、巻芯3Bにロール状に巻回されているタグテープ3Aが繰り出される。
【0133】
次に、ステップS112において、繰り出されたタグテープ3Aの識別マークMがマークセンサ239で検出されたか否かを判定する。識別マークMを検出した場合は、識別マークMがマークセンサ239の位置まで到達し、無線タグ回路素子Toに対応した印字領域Sの先端が印字ヘッド31位置に到達した状態(図20(B)及び図21(B)参照)であることから、判定が満たされ、ステップS113に移る。ステップS113では、印刷駆動回路205に制御信号を出力し、印字ヘッド31によって印字領域Sに印字を開始させる。
【0134】
次のステップS114では、タグテープ3Aが、上記ステップS112における識別マークMの検出時から更に所定量(=前述したL2−L1分の搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判定する。このときの搬送距離の判定は、例えばプラテンローラ用モータ208を駆動するプラテンローラ駆動回路209の出力するパルス数をカウントすることによって行えば足りる。
【0135】
前述のようにして、タグテープ3Aが識別マークMの検出時から更にL2−L1だけ搬送され無線タグ回路素子To(言い換えれば切断禁止領域F)の先端がカッタユニット8の位置に到達したら、判定が満たされ、ステップS115に移る。
【0136】
ステップS115では、ロックソレノイド駆動回路25に制御信号を出力してソレノイドストッパ24のソレノイド24cへの通電を停止させ(すなわちこれまではソレノイド24cへ通電状態にありカッタユニット8はロック解除状態にある)、スプリング24bによってプランジャ24aを前進駆動させてカッタレバー9の左右操作を制限する。これによってカッタユニット8の切断動作が制限される(ロック状態、図20(C)及び図21(C)参照)。
【0137】
次いで、ステップS120では、タグテープ3Aが、上記ステップS115におけるソレノイドストッパ24の作動時から更に所定量だけ搬送されたかどうか(例えば無線タグ回路素子Toの先端がアンテナ204に対向する位置または近傍の読み取り可能位置に来たか否か)が判定される。このときの搬送距離の判定も、上記同様、例えばプラテンローラ用モータ208を駆動するプラテンローラ駆動回路209の出力するパルス数をカウントすることによって行えば足りる。判定が満たされたらステップS200に移る。
【0138】
ステップS200ではタグ情報読み取り処理を行い、読み込むための問いかけ信号を無線タグ回路素子Toに送信し、無線タグ情報を含む返答信号を受信して読み込む。このステップS200が終了したらステップS125に移る。
【0139】
ステップS125では、フラグF=0であるかどうかが判定される。読み取り処理が正常に完了していればF=0のままである(後述の図23のステップS280参照)ので、この判定が満たされ、ステップS130に移る。
【0140】
ステップS130では、上記ステップS200で無線タグ回路素子Toより読み取られた情報と、これに対応して既に印字ヘッド31により印字された印字情報との組み合わせを、通信回路211Bを介して例えば図示しない端末又は汎用コンピュータを介して出力し、この出力された組み合わせは情報サーバやルートサーバに記憶される。なお、この記憶データは必要に応じて端末又は汎用コンピュータより参照可能に例えばデータベース内に格納保持される。
【0141】
その後、ステップS135では、タグテープ3Aのうちこの時点で処理対象としている無線タグ回路素子Toに対応する印字領域Sへの印字Rがすべて完了しているかどうかを確認した後、ステップS140へ移る。
【0142】
なお、先に述べたステップS125において、何らかの理由で読み取り処理が正常に完了していない場合はF=1とされている(後述の図23のステップS280参照)のでステップS125の判定が満たされず、ステップS137に移り、印刷駆動回路205(図9参照)に制御信号を出力して印字ヘッド31への通電を中止し印字を停止させる。このように印字中途停止によって当該無線タグ回路素子Toが正常品でないことを明らかに表示するようにした後、ステップS140へ移る。
【0143】
ステップS140では、印字済のタグテープ3Aが、上記ステップS115におけるソレノイドストッパ24の作動時から更に所定量(例えば無線タグ回路素子To、言い換えれば切断禁止領域Fの全長分)だけ搬送されたか(無線タグ回路素子To、言い換えれば切断禁止領域Fの後端がカッタユニット8を通過したか)どうかを判定する。前述したようにこの判定はタグテープ3Aの識別マークMがマークセンサ239で検出されなくなったか否かによって行う。識別マークMが検出されなくなった場合は、識別マークMの後端がマークセンサ239の位置を通過し、無線タグ回路素子To及び切断禁止領域Fの後端がカッタユニット位置を通過した状態(図20(E)及び図21(E)参照)であることから、判定が満たされ、ステップS141に移る。
【0144】
ステップS141では、ロックソレノイド駆動回路25に制御信号を出力してソレノイドストッパ24のソレノイド24cに通電しプランジャ24aを後退させ、上述のロックを解除する。これにより、カッタユニット8によるタグテープ3Aの切断動作が可能となる。
【0145】
次のステップS143では、タグテープ3Aが、上記ステップS140における識別マークMが検出されなくなった時点から更に所定量(=前述したL3−F分の搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判定する。このときの搬送距離の判定も、上記同様、例えばプラテンローラ用モータ208を駆動するプラテンローラ駆動回路209の出力するパルス数をカウントすることによって行えば足りる。所定量(=L3−F分の搬送距離)搬送されている場合には、先のステップS107で決定されたタグテープ3Aの切断位置がカッタユニット位置に到達した状態(図20(F)及び図21(F)参照)であることから、判定が満たされ、次のステップS145に移る。
【0146】
ステップS145では、プラテンローラ駆動回路209(図9参照)に制御信号を出力し、プラテンローラ用モータ208によるプラテンローラ26の駆動軸の回転駆動を停止させる。これにより、タグテープ3Aの搬送が停止され、カッタユニット8によるタグテープ3Aの切断動作が可能となる。また、LEDランプ34に点灯制御信号を出力して点灯を行わせる。上記ステップS145が完了したら、このフローを終了する。
【0147】
なお、上記ではタグテープ3Aの搬送停止をLEDランプ34の点灯により報知するようにしたが、これに限られず、例えば液晶画面に文字を表示させたり、又は音声により報知するようにしてもよい。
【0148】
以上のフローにより、カッタユニット8のカッタレバー9を手動操作によりタグテープ3Aを横切る方向へ移動させることでタグテープ3Aが印字情報量に応じた適正な位置で切断され、無線タグ回路素子Toの無線タグ情報が読み取られかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される。
【0149】
図23は、上述したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【0150】
図23において、まず、ステップS210では、タグテープ3Aの印刷後、情報読み取り対象とする無線タグ回路素子Toがアンテナ204近傍に搬送され、対象となるタグが設定される。
【0151】
その後、ステップS220において、所定の通信パラメータ等に沿う形で無線タグ回路素子Toに記憶された情報を読み出す「Scroll
All ID」コマンドを信号処理回路202に出力する。これに基づき信号処理回路202でアクセス情報としての「Scroll All ID」信号が生成されて高周波回路201を介してアクセス対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
【0152】
次に、ステップS230において、上記「Scroll All ID」信号に対応してアクセス対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(物品情報等の無線タグ情報)をアンテナ204を介して受信し、高周波回路201及び信号処理回路202(図9参照)を介し取り込む。
【0153】
次に、ステップS240において、上記ステップS230で受信したリプライ信号に誤りがないか否かを公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて判定する。
【0154】
判定が満たされない場合はステップS250に移ってNに1を加え、さらにステップS260においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS220に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS270に移り、エラー表示信号を図示しない入出力インターフェイス及び通信回路211Bを介し端末又は汎用コンピュータへ出力し、対応する読み取り失敗(エラー)表示を行わせ、ステップS280で前述のフラグF=1にして、このフローを終了する。このようにして読み取りが不調でも5回までは再試行が行われる。
【0155】
ステップS240の判定が満たされた場合、読み取り対象とする無線タグ回路素子Toからの無線タグ情報の読み取りが完了し、このルーチンを終了する。
【0156】
以上のルーチンにより、タグラベル作成装置1内におけるタグテープ3Aのアクセス対象の無線タグ回路素子Toに対し、IC回路部151の無線タグ情報にアクセスし、これを読み出すことができる。
【0157】
以上において、高周波回路201の送信部212、受信部213、及び信号処理回路202が、各請求項記載の無線タグ回路素子のIC回路部への情報書き込み又はIC回路部からの情報読みとりを行う情報アクセス手段を構成する。
【0158】
また、制御回路210、プラテンローラ駆動回路209、プラテンローラ用モータ208、及びプラテンローラ26が、請求項6記載の駆動手段による繰り出し動作を停止させる停止制御手段を構成する。
【0159】
以上のように構成した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0160】
すなわち、本実施形態のタグラベル作成装置1においては、プラテンローラ2
6の駆動軸によりタグテープ3Aを繰り出し、このタグテープ3Aに備えられた無線タグ回路素子Toにアンテナ204により無線通信を行って所定の情報の読み取り(又は書き込み、後述の変形例参照)を行った後、カッタユニット8でタグテープ3Aを切断して無線タグラベルTを作成する。
【0161】
このとき、本実施形態においては、読み取り(又は書き込み)処理済みの無線タグ回路素子Toを備えたタグテープ3Aより無線タグラベルTを作成するための切断位置を決定するに際し、タグテープ3Aの感熱紙3cに印字する印字情報量に応じて切断位置を決定する。すなわち、印字量が比較的少ない場合には相対的に短いタグラベルとなるように切断位置が決定され、印字量が比較的多い場合には相対的に長いタグラベルとなるように切断位置が決定されるので、タグテープ3Aの無線タグ回路素子Toの配置ピッチ(F+G)よりも小さい範囲内において、印字量に応じて柔軟に無線タグラベルTの長さが設定される。この結果、タグテープ3A上の無線タグ回路素子Toの配置ピッチに関係なく、操作者のニーズに対応した短いタグラベルとなるような適宜の位置に切断位置が決定されるので、この切断位置にてカッタユニット8で切断を行うことで、容易に当該短い無線タグラベルTを作成することができる。したがって、利便性を向上することができる。
【0162】
また、本実施形態においては特に、プラテンローラ26によってタグテープ3Aが繰り出されて搬送されていくとき、カッタユニット8が制御回路210により印字情報量に応じて決定された切断位置に対向した位置でテープの搬送が自動停止するので(図22のステップS145参照)、手動操作にてカッタレバー9を介しカッタユニット8を動作させてテープ切断を行うことができる。すなわち印字情報量に応じた切断位置になるまでタグテープ3Aが自動的に搬送されることから、操作者がテープ送り操作をする手間がなくなり、労力を軽減することができる。
【0163】
さらに、本実施形態においては特に、制御回路210により印字情報量に応じて決定された切断位置がカッタユニット8によるカッタ位置に到達した際に、LEDランプ34に点灯制御信号を出力して点灯を行わせる(図22のステップS145参照)。これにより、切断可能な状態においてタグテープ3Aが位置決め停止されたことを操作者に確実に報知することができる。
【0164】
また、本実施形態においては特に、タグテープ3Aに切断禁止領域F及び切断可能領域Gを識別するための識別マークMを設けてこれをマークセンサ239で検出し、その検出結果に応じソレノイドストッパ24がカッタレバー9の操作によるレバーカッタユニット8の動作を制限して、切断可能領域Gではタグテープ3Aを切断できるが切断禁止領域Fではタグテープ3Aを切断できないようにする。これにより、切断時に誤って無線タグ回路素子ToのIC回路部150やアンテナ151に損傷を与え、無線タグとしての機能に支障をきたすのを防止することができる。
【0165】
なお、本発明は、上記一実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で、種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
【0166】
(1)無線タグラベルTのラベル長さを選択する場合
図24は、この変形例において制御回路210が実行する制御手順を表すフローチャートであり、上記実施形態における図22に対応する図である。図22と同等の手順には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0167】
図24において、先に説明した図22のフローチャートと異なる点は、図22
のステップS107に代えてステップS107′を設けたことである。
【0168】
すなわち、ステップS105で無線タグラベルTへ印字すべき印字情報を読み込むと、次のステップS107′に移る。ステップS107′では、図示しない端末又は汎用コンピュータを介して入力操作された、作成対象である無線タグラベルTのラベル長情報が通信回路211B及び入出力インターフェイスを介し読み込まれる。このラベル長情報は、この例では、複数の固定的に決まった値(例えば所定規格のファイルの背表紙のラベル、ビデオカセットのラベル、記憶媒体のラベル等に最適な値)の中から1つの所定の値が操作者により選択入力されるようになっている。なお、操作者がラベル長の具体的数値を任意に入力するようにしてもよいことは言うまでもない。そして、この読み込んだラベル長情報に基づき、タグテープ3Aの切断位置を決定する。
【0169】
次に続くステップS110からステップS145までは図22と同様であるので説明を省略する。
【0170】
本変形例のタグラベル作成装置1によれば、上記実施形態と同様の効果に加え、例えば印字量が多い少ないに関係なく常時同じ長さの無線タグラベルTとなるように切断位置を決定できるので、例えば貼り付ける場所の大きさが固定的に決まっている場合(上記の例では所定規格のファイルの背表紙のラベル、ビデオカセットのラベル、記憶媒体のラベル)等において便利なラベルを容易に作成することができる。
【0171】
(2)カッタユニットによる切断動作を自動で行なう場合(オートカッタ)
図25は、この変形例によるタグラベル作成装置1の制御系を表す概念図であり、上記実施形態の図9に対応する図である。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。図示のように、この変形例におけるタグラベル作成装置1では、印字情報量に応じて決定された切断位置がカッタ位置に到達すると、当該搬送が停止するとともに、制御回路210からカッタソレノイド駆動回路30への制御信号に基づきカッタソレノイド28が駆動されてカッタユニット(第2切断手段)8′が作動し、タグテープ3Aの自動切断が行われる。
【0172】
この際、マークセンサ239による識別マークMの検出信号に基づき、カッタユニット8′の対向位置に切断禁止領域Fが存在している場合には上記カッタユニット8′による切断動作がロック(制限)され、カッタユニット8′の対向位置に切断可能領域Gが存在している場合には上記カッタユニット8′による切断動作のロックが解除されるようになっている。
【0173】
図26は、この変形例において上記挙動を実現するために制御回路210が実行する制御手順を表すフローチャートであり、上記実施形態における図22、上記(1)の変形例の図24に対応する図である。図22及び図24と同等の手順には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0174】
図26において、先に説明した図22のフローチャートと異なる点は、図22のステップS115に代えてステップS115′を設け、図22のステップS141を削除し、図22のステップS145に代えてステップS145′を設け、ステップS150を新たに加えたことである。
【0175】
すなわち、ステップS105からステップS114までは図22のフローと同じフローが実行される。
【0176】
ステップS114の判定が満たされるとステップS115′に移る。ステップS115′では、カッタソレノイド駆動回路30に制御信号を出力し、カッタソレノイド28を介してカッタユニット8′の刃物をタグテープ3Aの搬送経路から後退した位置に保持する(言い換えれば制御回路210からの制御信号というソフトウェア的手法でカッタユニット8′の作動をロックする)とともに、LED34に制御信号を出力して消灯させる。
【0177】
次に続くステップS120からステップS140までは図22と同様であるので説明を省略する。
【0178】
ステップS140の判定が満たされると直接ステップS143に移り、タグテープ3Aの切断位置がカッタユニット位置に到達したかどうかが判定される。このステップS143の判定が満たされると、次のステップS145′に移る。
【0179】
ステップS145′では、プラテンローラ駆動回路209(図25参照)に制御信号を出力し、プラテンローラ用モータ208によるプラテンローラ26の駆動軸の回転駆動を停止させる。これにより、タグテープ3Aの搬送が停止される。
【0180】
次のステップS150では、カッタソレノイド駆動回路30に制御信号を出力し、カッタユニット8′の刃物をタグテープ3Aに向けて前進移動(切断動作)させて印字済みタグテープ3Aを切断する(言い換えれば制御回路210からの制御信号というソフトウェア的手法でカッタユニット8′のロックを解除する)とともに、LED34に点灯制御信号を出力して点灯させる。
【0181】
本変形例のタグラベル作成装置1によれば、容易に短い無線タグラベルTを作成することができ、利便性を向上することができるという上記実施形態と同様の効果を得られるだけでなく、自動切断による操作者労力低減効果を得ることもできる。
【0182】
また本変形例では、上記実施形態と異なり、カッタユニット8′の作動をロックした場合にLED34を消灯させ、カッタユニット8′のロックを解除した場合にLED34を点灯させる。すなわち、マークセンサ239の検出結果に基づき、カッタユニット8′が切断禁止領域Fに対向しているか切断可能領域Gに対向しているかをLEDランプ34が点灯の有無をもって表示するので、現在カッタユニット8′が切断動作可能な状態にあるのか、切断動作禁止の状態にあるのかを操作者に明確に表示することができる。
【0183】
(3)切断せずにカットマークを印字する場合
図27は、この変形例におけるタグラベル作成装置1のタグテープ3Aの搬送位置に応じた動作を示す図であり、上記実施形態の図20に対応する図である。上記実施形態の図20と同等の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0184】
この図27に示すように、本変形例のタグラベル作成装置1は、カッタユニット8及びソレノイドストッパ24を備えていない。すなわち、図27(A)の状態からタグテープ3Aの搬送が進むと、識別マークM′の先端がマークセンサ239の位置に到達すると共に、無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向先端が印字ヘッド31の位置に到達し、印字領域Sに印字Rが開始される(図27(B)参照)。そして、図27(C)に示すように印字ヘッド31により印字領域Sに印字が行われつつ、さらにタグテープ3Aの搬送が進むと、識別マークM′の後端がマークセンサ239の位置に到達する。このとき、無線タグ回路素子To(切断禁止領域F)の後端が印字ヘッド31の位置となるように、識別マークM′は形成されている。したがって、マークセンサ239によって識別マークMが検出されなくなると、無線タグ回路素子To(切断禁止領域F)が印字ヘッド31の位置より搬送方向下流側へ抜けたとみなされる(図27(D)参照)。なお、上記図27(B)の状態から図27(D)の状態まで(すなわち印字ヘッド31が無線タグ回路素子To(切断禁止領域F)に対抗している区間)は、制御回路210から印刷駆動回路205に制御信号が出力され、印字ヘッド31によるカットマークの印字はできないようになっている(但し印字Rは正常に行われる)。これにより、無線タグ回路素子To(切断禁止領域F)上にカットマークが印字されるのを防止でき、切断時に無線タグ回路素子Toに損傷を与え無線タグとしての機能に支障をきたすのを防止することができる。
【0185】
さらにタグテープ3Aの搬送が進むと、印字情報量に応じた(すなわち印字領域Sのテープ長手方向長さに応じた)タグテープ3Aの切断位置(印字領域Sの先端よりもテープ搬送方向上流側に距離L3だけオフセットした位置)が印字ヘッド31による印字位置に到達する(図27(E)参照)。このとき、制御回路210により印刷駆動回路205に制御信号が出力され、印字ヘッド31によって切断位置にカットマーク(切断予定線)CMが印字される。そして、カットマークCMが印字されたタグテープ3Aは切断されずにさらに搬送され(図27(F)参照)、タグラベル作成装置1から排出される。切断位置にカットマークCMが印字されることで切断位置を操作者が視覚的に確認できるので、操作者は、この後例えばハサミ等を用いて容易にタグテープ3Aを切断し、無線タグラベルTを作成することができる。
【0186】
なお、本変形例において、印字ヘッド31は請求項3記載のタグテープ上に印字する切断位置印字手段を構成する。
【0187】
本変形例によっても、上記実施形態と同様の利便性向上効果を得る。
【0188】
(4)余剰部分を控えテープとして活用する場合
上記実施形態及び変形例(1)(2)においては、無線タグ回路素子Toの配置ピッチよりも短いタグラベルとなるような切断位置でタグテープを3Aを切断するようにしたが、その際には、特に記載しなかったがその切断位置から次の無線タグ回路素子Toの前端部までの余剰部分が生じる。本変形例は、この余剰部分と作成した無線タグラベルTとの間をハーフカット(剥離紙3a部分のみを残して感熱紙3c及び粘着層3bを切断)し、無線タグラベルTと余剰部分とを一部分がつながった状態で装置外に排出するものである。
【0189】
図28は、この変形例によるタグラベル作成装置1の制御系を表す概念図であり、上記実施形態の図9に対応する図である。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0190】
この図28において、上述のカッタユニット8に代えてカッタユニット8″が設けられており、制御回路210からカッタソレノイド駆動回路30に制御信号が出力され、この制御信号に基づきカッタソレノイド28が駆動されることにより作動する。このカッタユニット8″は、通常のタグテープ3Aの切断(分断)機能と共に、タグテープ3Aの剥離紙3a部分のみを残して感熱紙3c及び粘着層3bを切断するハーフカットを行えるようになっている(その意味でカッタユニット8″は半切断手段をも構成する)。なお、このように通常のカッティングとハーフカッティングとを1つのカッタユニットで兼用して行うのではなく、それぞれ別々のカッタを設けてもよい。
【0191】
図29は、この変形例において制御回路210が実行する制御手順を表すフローチャートであり、上記実施形態における図22及び上記変形例(1)(2)における図24及び図26に対応する図である。これらの図と同等の手順には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0192】
図24において、先に説明した変形例(2)の図26のフローチャートと異なる点は、図26のステップS143に代えてステップS143′を設け、ステップSステップS146〜ステップS149を新たに追加し、図26のステップS150に代えてステップS150’を設けたことである。
【0193】
すなわち、ステップS105からステップS143′までは図26のフローと同じ手順が実行される。なお、ステップS143′の第1切断位置はステップS107で印字情報量に応じて決定された切断位置であり、図26のステップS143と同様の制御が行われるが、ここでは後述の第2切断位置と区別するために第1切断位置と呼称する。ステップS143′の判定が満たされると、次のステップS145′に移り、タグテープ3Aの搬送を停止する。
【0194】
次のステップS146では、カッタソレノイド駆動回路30にハーフカットに対応した制御信号を出力し、カッタユニット8″をタグテープ3Aに向けて前進移動させて印字済みタグテープ3Aをハーフカットする(剥離紙3a部分のみを残して感熱紙3c及び粘着層3bを切断する)とともに、LED34に点灯制御信号を出力して点灯させる。
【0195】
次のステップS147では、プラテンローラ駆動回路209に制御信号を出力し、例えばパルスモータによって構成されるプラテンローラ用モータ208の駆動力によってプラテンローラ26の駆動軸を回転駆動させる。これにより、再びタグテープ3Aの搬送が開始される。
【0196】
次のステップS148では、第2切断位置がカッタユニット8″によるカッタ位置に到達したがどうかを判定する。ここで、第2切断位置とはタグテープ3Aの上流側に位置する次の無線タグ回路素子Toの前端部に対応する位置であり、無線タグ回路素子Toの配置ピッチG+Fごとに位置する切断位置である。したがって、先のステップS143′における第1切断位置がカッタ位置に到達してからタグテープ3AがG+F−L3分の距離(図21(B)等参照)だけ搬送された場合には、第2切断位置である次の無線タグ回路素子Toの前端部がカッタ位置に到達した状態であることから、判定が満たされ、次のステップS149に移る。
【0197】
ステップ149では、プラテンローラ駆動回路209(図28参照)に制御信号を出力し、プラテンローラ用モータ208によるプラテンローラ26の駆動軸の回転駆動を停止させ、タグテープ3Aの搬送を停止する。
【0198】
次のステップ150′では、カッタソレノイド駆動回路30に制御信号を出力し、カッタユニット8″のカッタを作動させてタグテープ3Aを切断(分断)する。以上で本フローを終了する。
【0199】
本変形例のタグラベル作成装置1によれば、上記実施形態と同様の効果に加え、無線タグラベルTとこれに対応する余剰部分とを一部分がつながった状態で(関連づけを明確にしたまま)タグラベル作成装置1外に排出できるとともに、ラベル貼り付け時には剥離紙3cを剥がすことにより無線タグラベルTを容易に余剰部分から分離することができる。これにより、その余剰部分を当該タグラベルと関連した控えテープ、又は予備用テープとして活用することが可能となる。
【0200】
なお、上記変形例(4)ではハーフカットすることによりタグラベルと余剰部分とをつながった状態として関連づけを行うようにしたが、これに限られない。すなわち例えば、タグラベルの印字と共に余剰部分にも当該タグラベルと関連づけるための印字を行っておき、上記ハーフカット位置においてもハーフカットでない通常の切断(分断)を行って(言い換えれば1つのタグラベルTにつき2回切断を行うことになる)それらを分離した状態で排出し、排出後は当該印字部分によってそれらの関連性を確保するようにしてもよい。あるいは上記関連づけのための印字も行わず、上記のように続けて2枚(タグラベル部分とこれに続く余剰部分)排出されることで関連性を持たせてもよい。
【0201】
(5)その他
(5−1)無線タグ情報の書き込みを行う場合
以上においては、読み取りのみ可能な(書き込みは不可の)無線タグラベルを作成する場合を例にとって説明したが、これに限られず、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に情報の書き込みを行う場合に本発明を適用してもよい。
【0202】
この場合、前述の図22のステップS105に相当する手順において、印字ヘッド31により無線タグラベルTへ印字すべき印字情報に加え、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に書き込む情報とを読み込むようにし、ステップS200に相当する手順で、タグID(全部又は一部)を指定してそのID情報又は物品情報等の無線タグ情報を書き込むためのメモリ初期化(消去)を行った後、当該無線タグ情報を無線タグ回路素子Toに送信して書き込むようにし、ステップS130に相当する手順で、上記無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報と、これに対応して既に印字された印字情報との組み合わせが記憶される。
【0203】
本変形例によっても、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に情報書き込みを行う場合において、上記実施形態と同様の効果を得る。
【0204】
(5−2)被印字テープと貼り合わせる構成
上記実施形態においては、巻芯3Bに巻回したタグテープ3Aに印字ヘッド31で印字を行なうとともに、そのタグテープ3Aに備えた無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みを行い、さらに所定長さに切断した無線タグラベルTを作成したが、これに限られない。すなわち、無線タグ回路素子Toがテープ長手方向に所定間隔で配置されタグテープロールから繰り出されるタグテープ(基材テープ)と、タグテープロールとは別の被印字テープロールから繰り出され印字ヘッドにより印字される被印字テープとを貼り合わせ、この貼り合わせた印字済みタグラベル用テープを所定の長さに切断して無線タグラベルとする場合にも本発明を適用できる。この場合、上記識別子としての識別マークM等は、基材テープ側に設けることもできるし、被印字テープ側に設けることもできる。またマークセンサ239は、当該基材テープまたは被印字テープ側に配置されて当該識別マークMを検出すれば足りる。これらの場合も、同様の効果を得る。
【0205】
また、既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0206】
なお、以上で用いた「Scroll All ID」信号等は、EPC globalが策定したAuto−ID仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
【0207】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0208】
【図1】本発明の一実施形態のタグラベル作成装置の概略構成を表す斜視図である。
【図2】図1に示したタグラベル作成装置の上カバーを取り外した状態を表す斜視図である。
【図3】図2に示した構造の側面図である。
【図4】図3中X−X′断面による断面図である。
【図5】図1に示したタグラベル作成装置より上カバー及びタグテープロールを取り外した状態を表す斜視図、及び図3(A)中W部の拡大斜視図である。
【図6】図1に示したタグラベル作成装置の上カバー及びタグテープロールを取り外した状態を表す後方斜視図である。
【図7】図1に示したタグラベル作成装置にテープホルダが装着された状態を、上カバーを取り外して示す側断面図である。
【図8】タグテープに備えられる無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図9】タグラベル作成装置の制御系を表す概念図である。
【図10】高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図11】図1に示したタグラベル作成装置に備えられたタグテープロール体の詳細構造を表す、前側上方からの斜視図、及び下側後方からの斜視図である。
【図12】テープホルダを斜め後方側からみた斜視図及び斜め前方側からみた斜視図である。
【図13】テープホルダの詳細構造を表す左側面図、正面図、及び右側面図である。
【図14】図13(A)中Y−Y′断面における矢視断面図である。
【図15】図13(A)中Z−Z′断面における矢視断面図である。
【図16】位置決め保持部材のテープ判別部にタグテープの種類を表すセンサ孔の穿設例を示す図である。
【図17】テープホルダのタグラベル作成装置側への装着挙動の一例について説明するための説明図である。
【図18】無線タグラベルの外観の一例を表す上面図及び下面図である。
【図19】図18中XIX−XIX′断面による横断面図である。
【図20】タグテープの識別マーク及び無線タグ回路素子の、マークセンサ、印字ヘッド、カッタユニットとの位置関係を表す説明図である。
【図21】図20(A)〜(F)それぞれの状態におけるタグテープの印字領域、無線タグ回路素子、識別マークの位置関係を詳細に表す概念図である。
【図22】制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図23】図22のステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【図24】ラベル長さを選択する変形例において制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図25】カッタユニットによる切断動作を自動で行う変形例によるタグラベル作成装置の制御系を表す概念図である。
【図26】カッタユニットによる切断動作を自動で行う変形例において制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図27】切断せずにカットマークを印字する変形例におけるタグラベル作成装置のタグテープの搬送位置に応じた動作を示す図である。
【図28】余剰部分を控えテープとして活用する変形例によるタグラベル作成装置の制御系を表す概念図である。
【図29】余剰部分を控えテープとして活用する変形例において制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0209】
1 タグラベル作成装置
3A タグテープ
8 カッタユニット(第1切断手段)
8′ カッタユニット(第2切断手段)
8″ カッタユニット(半切断手段)
26 プラテンローラ(駆動手段、停止制御手段)
34 LEDランプ(報知手段)
31 印字ヘッド(情報印字手段、切断位置印字手段)
150 IC回路部
202 信号処理回路(情報アクセス手段)
204 アンテナ(装置側アンテナ)
208 プラテンローラ用モータ(停止制御手段)
209 プラテンローラ駆動回路(停止制御手段)
210 制御回路(切断位置決定手段、停止制御手段)
212 送信部(情報アクセス手段)
213 受信部(情報アクセス手段)
T 無線タグラベル
To 無線タグ回路素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と情報の無線通信が可能な無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0003】
このような無線タグは、通常、ラベル状の素材上に無線タグ回路素子を設けて形成され、このタグラベルが例えば各種書類・物品の分類・整理のために対象物品等に貼り付けられることが多い。また、この無線タグの管理上、タグ自体に併せて文字情報を印字しておくと非常に便利である。これに応じ、従来、無線タグへの情報読み取り/書き込みとタグへの印字とを併せて行うタグラベル作成装置が既に提唱されている。
【0004】
例えばこのようなタグラベル作成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来技術では、所定間隔で長方形状のラベルが貼り付けられた帯状のテープ(連続ラベル紙)がロール(ロール紙)から繰り出され、搬送経路を搬送される際に印字手段(インクジェット記録ヘッド)によって所定の印字情報がラベルの表面に印字される。印字後のラベルはその後搬送方向下流側に搬送され、上記印字された印字情報に対応し装置側で生成した所定の無線タグ通信情報が、ラベルに設けた無線タグ回路素子のアンテナに対し送信され、アンテナに接続されたIC回路部(ICチップ)に順次書き込まれ、無線タグラベルが完成するようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−208573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、無線タグの利用の拡大とともに多種多様な用途が望まれており、印字態様を種々変えてラベルを作成したいというニーズが生じつつある。
【0007】
しかしながら、上記従来技術では、無線タグ回路素子を備えたラベルの大きさ(長さ)が固定的に決まっているため、例えば印字文字数がある程度少なくなるとラベル長に対し被印字部分である余白部分が多くなる。この結果、短い文字数ならこれに対応してラベルの長さも短くしたいという操作者(ユーザ)の一般的な要請に応えることができず、操作者はラベル作成後自ら手操作でラベルをカットするか、あるいは短くない通常長さのラベルで我慢する必要があり、利便性が低下していた。
【0008】
また、上記印字文字数のニーズ以外にも、用途によっては、印字文字数に関係なくタグラベルのラベル長を短くしたい場合も考えられる。
【0009】
本発明の目的は、操作者の望むニーズに対応した短いラベルを容易に作成でき、利便性を向上できるタグラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記目的を達成するために、第1の発明は、タグテープに所定ピッチにて複数個配置された無線タグ回路素子との間で無線通信により情報の送受信を行う装置側アンテナと、前記無線タグ回路素子のIC回路部へのアクセス情報を生成し、前記装置側アンテナを介して前記無線タグ回路素子へ送信し、前記無線タグ回路素子のIC回路部への情報書き込み又はIC回路部からの情報読みとりを行う情報アクセス手段と、前記タグテープを繰り出すための駆動手段と、前記駆動手段で繰り出された前記タグテープにおける、前記無線タグ回路素子を備え長手方向寸法が前記所定ピッチよりも小さいタグラベルを生成可能な切断位置を決定する切断位置決定手段とを有することを特徴とする。
【0011】
装置側アンテナを介し、情報アクセス手段によって、タグテープに備えられる無線タグ回路素子のIC回路部への情報書き込み又は読み取りが行われる。ここで本願第1発明においては、このような書き込み又は読み取り処理済みの無線タグ回路素子を備えたタグテープより無線タグラベルを作成するための切断位置を決定するに際し、切断位置決定手段が、タグラベルの長手方向寸法が、タグテープの無線タグ回路素子の配置ピッチよりも小さくなるように切断位置を決定可能となっている。これにより、タグテープ上の無線タグ回路素子の配置ピッチに関係なく、操作者のニーズに対応した短いタグラベルとなるような適宜の位置に切断位置を決定し、切断を行うことで、容易に当該短いタグラベルを作成することができる。したがって、利便性を向上することができる。
【0012】
(2)第2の発明は、上記第1発明において、前記切断位置決定手段は、前記タグテープにおける前記無線タグ回路素子の配置位置を回避するように、前記切断位置を決定することを特徴とする。
【0013】
これにより、切断時に無線タグ回路素子に損傷を与え無線タグとしての機能に支障をきたすのを防止することができる。
【0014】
(3)第3の発明は、上記第1又は第2発明において、前記切断位置決定手段が決定した前記切断位置を、前記タグテープ上に印字する切断位置印字手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
これにより、印字された切断位置を操作者が視覚的に確認できるので、操作者が手動操作にて容易にタグテープを切断することが可能となる。
【0016】
(4)第4の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、手動操作により前記切断位置において前記タグテープを切断可能な第1切断手段を有することを特徴とする。
【0017】
第1切断手段を操作者が手動操作して、切断位置においてタグテープを切断することができる。
【0018】
(5)第5の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記切断位置を検出し、当該位置において前記タグテープを切断する第2切断手段を有することを特徴とする。
【0019】
これにより、切断位置においてタグテープを自動で切断することができる。
【0020】
(6)第6の発明は、上記第4又は第5発明において、前記第1又は第2切断手段が前記タグテープの前記切断位置に略対向した位置であることを検出したら前記駆動手段による繰り出し動作を停止させる停止制御手段を有することを特徴とする。
【0021】
駆動手段によりタグテープが繰り出され、第1又は第2切断手段が切断位置に略対向したら、停止制御手段が駆動手段を停止させる。これにより、この状態において、手動で第1切断手段を操作して切断位置にてタグテープを切断するか、又は、第2切断手段によって自動で切断位置にてタグテープを切断することができる。
【0022】
(7)第7の発明は、上記第6発明において、前記停止制御手段による前記繰り出し動作の停止時に、対応する報知を行う報知手段を有することを特徴とする。
【0023】
これにより、切断可能な状態においてタグテープが位置決め停止されたことを操作者に確実に報知することができる。
【0024】
(8)第8の発明は、上記第1乃至第7発明のいずれか1つにおいて、前記タグテープ上に、前記IC回路部へ書き込んだ情報又は読みとった情報に関連する印字を行う情報印字手段を有することを特徴とする。
【0025】
これにより、IC回路部へ書き込んだ情報又は読みとった情報についての簡単な内容を視覚的に明らかにすることができる。
【0026】
(9)第9の発明は、上記第8発明において、前記切断位置決定手段は、前記情報印字手段で印字する印字情報量に応じて、前記切断位置を決定することを特徴とする。
【0027】
これにより、例えば印字量が比較的少ない場合には相対的に短いタグラベルとなるように切断位置を決定し、印字量が比較的多い場合には相対的に長いタグラベルとなるように切断位置を決定する等、印字量に応じて柔軟にタグラベル長さを設定することが可能となる。
【0028】
(10)第10の発明は、上記第1乃至第7発明のいずれか1つにおいて、前記切断位置決定手段は、前記タグラベルの前記長手方向寸法が選択された所定の値となるように、前記切断位置を決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【0029】
これにより、例えば印字量が多い少ないに関係なく常時同じ長さのタグラベルとなるように切断位置を決定できるので、例えば貼り付ける場所の大きさが固定的に決まっている場合(所定規格のファイルの背表紙のラベル、ビデオカセットのラベル、記憶媒体のラベル)等において便利なラベルを容易に作成することが可能となる。
【0030】
(11)第11の発明は、上記第10発明において、前記駆動手段は、前記タグテープのうち前記長手方向寸法が前記選択された所定の値の部分を前記タグラベルとして装置外へ排出するとともに、前記所定ピッチと前記選択された所定の値との差の余剰部分を当該タグラベルと関連づけて装置外へ排出することを特徴とする。
【0031】
これにより、タグテープの余剰部分を、当該タグラベルと関連した控えラベル、予備用ラベル等に活用することが可能となる。
【0032】
(12)上記目的を達成するために、第12の発明は、上記第11発明において、前記タグテープのうち、前記タグラベルとこれに対応する前記余剰部分との境界部位を、厚さ方向途中部分まで切断する半切断手段を有することを特徴とする。
【0033】
これにより、タグラベルとこれに対応する余剰部分とを一部分がつながった状態で(関連づけを明確にしたまま)装置外に排出できるとともに、ラベル貼り付け時には容易にタグラベルを余剰部分から分離若しくは引きはがせるようにすることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、操作者の望むニーズに対応した短いラベルを容易に作成でき、利便性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0036】
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置の概略構成を表す斜視図である。
【0037】
図1において、タグラベル作成装置1は、本体筐体2と、透明樹脂製の上カバー5と、この上カバー5の前側略中央部に対向するように立設される透明樹脂製のトレー6と、このトレー6の前側に配置される電源ボタン7と、カッタレバー9と、LEDランプ(報知手段)34等を備えている。
【0038】
図2は、図1に示したタグラベル作成装置の上記上カバー5を取り外した状態を表す斜視図である。
【0039】
図2において、テープホルダ収納部4に、テープホルダ3が収納配置されている。このテープホルダ3は、位置決め保持部材12とガイド部材20とを備えており、所定幅のタグテープ3Aが回転可能に巻回されている。すなわち、タグテープ3Aの軸方向両側にその軸線と略直交するように、一方側側壁部としての上記ガイド部材20と他方側側壁部としての上記位置決め保持部材12とが設けられている。またテープホルダ収納部4の上側を覆うように、前述の上カバー5が後側上端縁部に開閉自在に取り付けられている。
【0040】
またテープホルダ収納部4の搬送方向に対して略垂直方向の一方の側端縁部にホルダ支持部材15が設けられ、このホルダ支持部材15には、上方に開口する正面視略縦長コの字状の第1位置決め溝部16が形成されている。そして、上記位置決め保持部材12の外側方向に突設され、正面視下方向に幅狭になるように形成された上下方向に縦長の断面略矩形状の取付部材13が、下方向に幅狭な上記第1位置決め溝部16内に密着することで上記ホルダ支持部材15に嵌め込まれる。なおこの取付部材13の突出高さ寸法は、第1位置決め溝部16の幅寸法にほぼ等しくなるように形成されている。
【0041】
テープホルダ収納部4の他方の側端縁部の搬送方向前端部には、レバー27が設けられている。また上記のタグテープ3Aにおいて、IC回路部150及びアンテナ151を備えた無線タグ回路素子Toが、この例では幅方向中央部に設けられている。
【0042】
図3は、図2に示した構造の側面図である。
【0043】
図3において、タグテープ3Aはこの例では3層構造となっており(図3中部分拡大図参照)、外側に巻かれる側(図3中左上側)よりその反対側(図3中右下側)へ向かって、剥離紙3a、粘着層3b、自己発色性を有する長尺状の感熱紙(いわゆる、サーマルペーパー)3cの順序で積層され構成されている。
【0044】
感熱紙3cの裏側(図3中左上側)には、情報を記憶するIC回路部150がこの例では一体的に設けられており、感熱紙3cの裏側の表面には上記IC回路部150に接続され情報の送受信を行うアンテナ151が形成されており、これらIC回路部150及びアンテナ151によって無線タグ回路素子Toが構成されている。感熱紙3cの裏側(図3中左上側)にはまた、上記粘着層3bによって上記剥離紙3aが感熱紙3cに接着されている。この剥離紙3aは、最終的に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層3bにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
【0045】
なお、本体筐体2の背面部には一方の側端部に電源コード10が接続されている。
【0046】
図4は、図3中X−X′断面による断面図である。
【0047】
図4において、上記タグテープ3Aは、巻芯3Bにロール状に巻回されている。これらタグテープ3A及び巻芯3Bと、上記位置決め保持部材12、ガイド部材20等を備えたテープホルダ3とからタグテープロール体100が構成されている。
【0048】
位置決め保持部材12とガイド部材20との間には、上記巻芯3Bの内周側にて軸方向に配置されるように略筒状形状のホルダ軸部材40が設けられており、主としてこれら位置決め保持部材12、ガイド部材20、及びホルダ軸部材40によってテープホルダ3が構成されている。
【0049】
ホルダ支持部材15の内側基端部には係合凹部15Aが形成されており、この係合凹部15Aに対し、位置決め保持部材12の下端部に突設された弾性係止片12Aが係合されている。
【0050】
テープホルダ収納部4の底面部には、ホルダ支持部材15の内側基端部から搬送方向に対して略垂直に、平面視横長四角形の位置決め凹部4Aが所定深さ(例えば約1.5〜3mm)で形成される。またテープホルダ収納部4の下側には、外部のパーソナルコンピュータ等からの指令により各機構部を駆動制御する制御回路部が形成された制御基板32が設けられている。
【0051】
位置決め凹部4Aの搬送方向幅寸法は、テープホルダ3を構成する位置決め保持部材12及びガイド部材20の各下端縁部の幅寸法にほぼ等しくなるように形成されている。また位置決め凹部4Aのホルダ支持部材15の内側基端部には、位置決め保持部材12の下端縁部から略直角内側方向に延出される後述のテープ判別部60(後述の図11〜図13も参照)に対向する位置に判別凹部4Bが形成されている。
【0052】
この判別凹部4Bは、搬送方向に縦長の平面視長四角形となっており、位置決め凹部4Aよりもさらに所定深さ(例えば約1.5〜3mm)だけ深くなるように形成されている。また判別凹部4Bには、プッシュ式のマイクロスイッチ等から構成され、タグテープ3Aの種別を判別する4個のテープ判別センサS1、S2、S3、S4がこの例では略L字状に設けられている。これらテープ判別センサS1〜S4は、それぞれプランジャーとマイクロスイッチ等から構成される公知の機械式スイッチからなり、該各プランジャーの上端部は、該判別凹部4Bの底面部から位置決め凹部4Aの底面部近傍まで突き出るように設けられている。そして、この各テープ判別センサS1〜S4によってテープ判別部60の各センサ孔(後述)が有るか否かを検出し、そのオン・オフ信号によりテープホルダ3に装着されたタグテープ3Aの種類を検出するようになっている。
【0053】
図5(A)及び図5(B)は、図1に示したタグラベル作成装置より上カバー5及びタグテープロール体100を取り外した状態を表す斜視図、及び図3(A)中W部の拡大斜視図である。
【0054】
これら図5(A)及び図5(B)において、テープホルダ3を構成する上記ガイド部材20の先端部が載置される載置部21が設けられている。この載置部21は、上記タグテープ3Aを挿入する挿入口18の後端縁部からテープホルダ収納部4の前側上端縁部まで略水平に延出されている。なお前述のガイド部材20の先端部は上記挿入口18まで延出されるようになっている。
【0055】
載置部21の搬送方向後側の端縁角部には、タグテープ3Aの複数の幅寸法に対応して断面略L字状の4個の第2位置決め溝部22A〜22Dが形成されている。各第2位置決め溝部22A〜22Dは、テープホルダ3を構成するガイド部材20の載置部21に当接する部分の一部を上方から嵌め込むことができるように形成されている。なお、前述した上記位置決め凹部4Aは、ホルダ支持部材15の内側基端部から上記第2位置決め溝部22Aに対向する位置まで設けられている。
【0056】
巻芯3B、タグテープ3A、及びテープホルダ3からなるタグテープロール体100は、位置決め部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の第1位置決め溝部16に嵌め込み、該位置決め部材12の下端部に突設される弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の内側基端部に形成される係合凹部15Aに係合させると共に、ガイド部材20の先端部下面を各第2位置決め溝部22A〜22Dに嵌め込んで該ガイド部材20の下端部を位置決め凹部4A内に嵌入して当接させることによって、テープホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられる。
【0057】
図6は、図1に示したタグラベル作成装置の上カバー5及びタグテープロール体100を取り外した状態を表す後方斜視図である。
【0058】
図6において、上記挿入口18のホルダー支持部材15側の側端縁部には、案内リブ部23が立設されている。また、挿入口18のホルダー支持部材15側の側端縁部(図6中左端縁部)は、該ホルダー支持部材15に嵌め込まれる上記位置決め部材12の内側端面に対応する位置になるように形成されている。
【0059】
なお、本体筐体2の背面部の他方の側端部には、不図示のパーソナルコンピュータ等と接続されるUSB(Universal Serial Bus)等から構成されるコネクタ部11が設けられている。
【0060】
図7は、図1に示したタグラベル作成装置1にテープホルダ3が装着された状態を上カバー5を取り外して示す側断面図である。
【0061】
図7において、前側側面部に左右移動可能に設けられた上記カッタレバー9によって左右に移動される切断手段としてのカッタユニット(第1切断手段)8が設けられ、このカッタユニット8のテープ3A搬送方向上流側(図7中右側)下部には印字を行うサーマルヘッド(以下適宜、印字ヘッドという)31が設けられ、この印字ヘッド(情報印字手段)31と対向する位置にはプラテンローラ(駆動手段)26が設けられている。
【0062】
カッタユニット8は、ソレノイドストッパ24により、その切断動作が制限可能に構成されている。すなわちソレノイドストッパ24は、軸方向(図7中左右方向、矢印参照)に前進・後退可能に配置されたプランジャ24aと、このプランジャ24aを上記前進方向に付勢するスプリング24bと、上記プランジャ24aを上記後退方向に駆動可能なソレノイド24cとを備えている。プランジャ24aは、ソレノイド24cが通電されずスプリング24bの付勢力によって前進した時にはカッタレバー9の前述の左右方向移動をロックしカッタユニット8の切断動作を制限するととともに、ソレノイド24cが通電され後退駆動された時には上記ロックを解除してカッタユニット8の切断動作の制限を解放するようになっている。
【0063】
印字ヘッド31は、その上下動操作用の前述のレバー27を上方に回動させることにより印字ヘッド31が下方に移動されてプラテンローラ26から離間した状態となり、レバー27を下方に回動させることにより上方に移動されてタグテープ3Aをプラテンローラ26に押圧付勢して印字可能な状態になる。
【0064】
すなわち、印刷実行時においては、まずレバー27を上方に回動させて、タグテープ3Aの一方の側端縁部をガイド部材20の内側面に当接させつつ、このタグテープ3Aの他方の側端縁部を挿入口18の側縁部に立設される上記案内リブ部23に当接させながら挿入口18内に挿入し、この状態でレバー27を下方に回動させることにより、挿入口18から挿入されたタグテープ3Aは、ライン型の印字ヘッド31によってプラテンローラ26に向かって押圧されるように付勢される。そして、該プラテンローラ26をパルスモータあるいはステッピングモータ等からなるプラテンローラ用モータ208(後述の図9参照)等により回転駆動しつつ、該印字ヘッド31を駆動制御することによって、タグテープ3Aを搬送しながら印字面に順次所定の印字データを印字でき、さらにその搬送方向下流側に位置するアンテナ(装置側アンテナ)204を介し無線タグ回路素子Toのアンテナ151を介しIC回路部150へのアクセス(情報読み取り又は書き込み)が行われる。そして、トレー6上に排出された印字済みのタグテープ3Aは、カッタレバー9を右側方向に手動操作することによってカッタユニット8により切断され、無線タグ回路素子Toを備えた無線タグラベルT(後述の図18参照)が分割生成される。
【0065】
図8は、上記タグテープ3Aに備えられる無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。
【0066】
この図8において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置1側のアンテナ204とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ151と、このアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0067】
IC回路部150は、アンテナ151により受信された搬送波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部150の駆動電源とするための電源部153と、上記アンテナ151により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部155と、上記アンテナ151に接続された変復調部156と、上記整流部152、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
【0068】
変復調部156は、アンテナ151により受信された上記タグラベル作成装置1のアンテナ204からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部157からの応答信号に基づき、アンテナ204より受信された搬送波を変調反射する。
【0069】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0070】
図9は、タグラベル作成装置1の制御系を表す概念図である。
【0071】
図9において、巻芯3Bに巻回された上記タグテープ3Aは、前述したように複数の無線タグ回路素子Toがその幅方向中央部に配列されるとともに、この例では、それぞれの無線タグ回路素子Toに対応している領域が印字ヘッド31により各無線タグ回路素子Toに対応する印字Rが行われる印字領域S(なお、この印字領域Sのテープ長手方向長さは印字情報量に応じて可変する。詳細は後述)となっており、前述した印刷の後、上記アンテナ204によって、タグテープ3Aに備えられる無線タグ回路素子Toとの間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の授受が行われ、印字済みのタグテープ3Aは前述のようにカッタレバー9が操作されることでカッタユニット8にて切断され、無線タグラベルTが生成される。
【0072】
そのほか、タグラベル作成装置1には、搬出口Eに至る搬送経路におけるタグテープ3Aの有無並びにタグテープ3Aの無線タグ回路素子Toに略沿って印刷された識別マークMを検出するマークセンサ239と、タグテープ3A及び切断後の無線タグラベルTを搬出口Eへと搬送し送出する上記プラテンローラ26と、上記アンテナ204を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報(無線タグ情報)へアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路201と、無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を高周波回路201を介して入力し所定の処理を行って情報を読み出すとともに、高周波回路201を介して無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスする信号処理回路202と、上記印字ヘッド31への通電を制御する印刷駆動回路205と、上記プラテンローラ26を駆動するプラテンローラ用モータ208を制御するプラテンローラ駆動回路209と、上記ソレノイド24への通電を制御するロックソレノイド駆動回路25と、上記高周波回路201、信号処理回路202、印刷駆動回路205、プラテンローラ駆動回路209、ロックソレノイド駆動回路25等を介し、タグラベル作成装置1全体の動作を制御するための制御回路210と、この制御回路210からの制御信号により点灯する前述のLED34とが設けられている。なお、上記無線通信による信号授受時において無線タグ回路素子Toをアンテナ204に対向する所定のアクセスエリアに設定保持するとともに切断後の各無線タグラベルTを案内する搬送ガイドをさらに設けてもよい。
【0073】
なお、マークセンサ239は、例えば投光器及び受光器からなる反射型の光電センサであり、タグテープ3Aの所定箇所に塗布された黒塗りの識別マークMを検出しない場合には、投光器から出力された光が反射されて受光器に入力される。一方、識別マークMを検出した場合には、投光器から出力された光が反射されないために受光器に入力されず、制御出力が反転させられるようになっている。
【0074】
制御回路210は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。また、この制御回路210は、電源回路211Aにより給電されるとともに、通信回路211Bを介し例えば通信回線に接続され、この通信回線に接続された図示しないルートサーバ、他の端末、汎用コンピュータ、及び情報サーバ等との間で情報のやりとりが可能となっている。
【0075】
図10は、上記高周波回路201の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図10において、高周波回路201は、アンテナ204を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部212と、アンテナ204により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部213と、送受分離器214とから構成される。
【0076】
送信部212は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスする(読み取り/書き込みを行う)ための搬送波を発生させる水晶発振回路215と、上記信号処理回路212から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路212からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路216(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路216により変調された変調波を増幅(この例では制御回路210からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する送信アンプ217とを備えている。そして、上記送信アンプ217の出力は、送受分離器214を介してアンテナ204に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。
【0077】
受信部213は、アンテナ204により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路218と、その第2乗算回路218の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのバンドパスフィルタ219と、このバンドパスフィルタ219の出力を増幅する受信第1アンプ221と、この受信第1アンプ221の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ220と、上記アンテナ204により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に移相器227で位相を90°遅らせた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路222と、その受信第2乗算回路222の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのバンドパスフィルタ223と、このバンドパスフィルタ223の出力を増幅する受信第2アンプ225と、この受信第2アンプ225の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ224とを備えている。そして、上記第1リミッタ220から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ224から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路202に入力されて処理される。
【0078】
また、受信第1アンプ221及び受信第2アンプ225の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路202に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態のタグラベル作成装置1では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
【0079】
図11(A)及び図11(B)は、図1に示したタグラベル作成装置1に備えられたタグテープロール体100の詳細構造を表す、前側上方からの斜視図、及び下側後方からの斜視図である。
【0080】
これら図11(A)及び図11(B)において、タグテープロール体100に備えられたテープホルダ3のガイド部材20には、テープホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4Aに嵌入されて該位置決め凹部4Aの底面に当接される第1延出部42と、タグテープ3Aの前側方向略1/4円周上の外側端面部を覆うように外側方向に延出される第2延出部43と、この第2延出部43の外周部からタグテープ3Aの上記挿入口18(図6参照)近傍まで上側端縁部が前下がり状に延出される第3延出部44とが形成されている。
【0081】
第3延出部44の先端部の下端面は、略水平に形成され、タグラベル作成装置1の前述の載置部21上に当接して、該第3延出部44と第2延出部43の内側面によって装着されたタグテープ3Aの一側端縁部を上記挿入口18まで案内するように構成されている。また、この第3延出部44の下端面の載置部21の搬送方向後端縁部に対向する位置から第1延出部42まで、所定長さ延出される第4延出部45が形成されている。この第4延出部45の搬送方向先端部分は、上記第3延出部44の下端面が載置部21上に当接された場合に、装着されたタグテープ3Aのテープ幅に対向する各第2位置決め溝部22A〜22Dのいずれかに嵌入されるように構成されている(前述の図7参照)。
【0082】
また、テープホルダ3の位置決め部材12の取付部材13の下端部には、該取付部材13の下端部よりも左右方向に各々外側方向に所定長さ(この例では、約1.5mm〜3mm)突出する正面視略四角形の平板状(この例では長さ約1.5mm〜3mm)の案内部57が形成されている。これにより、テープホルダ3を装着する場合は、取付部材13の下端部に形成される案内部57をホルダ支持部材15の外側端面に当接させつつ、取付部材13を第1位置決め溝部16に挿入することによって、該テープホルダ3を容易に位置決めしつつ装着できるようになっている。
【0083】
位置決め部材12の延出部56の下端縁部は、ガイド部材20の下端縁部よりも所定長さ(この例では、約1mm〜2.5mm)下側方向に突出するように延出されており、この下端縁部に、略直角内側方向に所定長さ延出される略長四角形のテープ判別部60が形成されている。
【0084】
このテープ判別部60は、前述した各テープ判別センサS1〜S4に対向する所定位置に各センサ孔60A〜60Dが略L字状に配置されて穿設され、これらセンサS1〜S4と協働してタグテープ3Aの種類を特定するタグテープ特定部として機能するものである。さらに、上記センサS1〜S4は、タグテープの種類として印字位置、テープ幅、タグの有り無し等も特定することが出来るようになっている。
【0085】
図12(A)は、テープホルダを斜め後方側からみた斜視図であり、図12(B)は斜め前方側からみた斜視図である。
【0086】
これら図12(A)及び図12(B)において、上記ガイド部材20には第1筒部35が設けられており、この第1筒部35が巻芯3Bの筒孔の一端側端縁部に嵌挿されることによって、ガイド部材20がタグテープ3Aの一方の端面に当接されている。一方、上記位置決め保持部材12には第2筒部37が設けられており、この第2筒部37が巻芯3Bの他端側に嵌挿されることによって、位置決め保持部材12がタグテープ3Aの他方の端面に当接されている。これら第1筒部35と第2筒部37とによって、タグテープ3Aが巻回された巻芯3Bが回転可能に保持される。
【0087】
また上記ホルダ軸部材40は、一端側が上記ガイド部材20の第1筒部35に嵌挿されるとともに、その一端側端面の外周部にフランジ部36が形成されており、このフランジ部36は上記第1筒部35の外側端面に固着されている。またホルダ軸部材40の他端側端部は、位置決め保持部材12の第2筒部37に嵌挿されてその第2筒部37に固着されている。
【0088】
このとき、ガイド部材20の上記第1延出部42は、第1筒部35の外側端面の下側外周部から下側方向に延出されており、その上端部、即ち、第1筒部35の外側端面の外周部の左右両中央部には、正面視略四角形の各切欠部47が設けられている。
【0089】
また、ガイド部材20の各延出部43,44,45の内側面には、装着されたタグテープ3Aの巻回長さ10m、20m、30mをそれぞれ表す各目盛り43A,43,43Cが形成されている。なお、テープホルダ3に巻回されるタグテープ3Aの最大巻回長さは、約30mの長さである。
【0090】
一方、位置決め部材12の上記第2筒部37の外周部には、フランジ部55が形成されると共に、このフランジ部55の下側外周部から下側方向に延出される延出部56が形成されている。このフランジ部55と延出部56の内側面がタグテープ3A及び巻芯3Bの外側端面に当接される。そして、上記取付部材13は、これらフランジ部55と延出部56の外側端面部の幅方向(図12(A)中左上〜右下方向)略中央部に、即ちホルダ軸部材40の軸心の端縁部から該軸心に対してほぼ直交するように、突設されている。
【0091】
図13(A)は、上記テープホルダ3の詳細構造を表す左側面図であり、図13(B)は正面図であり、図13(C)は右側面図である。
【0092】
これら図13(A)〜(C)において、前述したように、上記位置決め保持部材12と上記ガイド部材20との間に上記ホルダ軸部材40が設けられている。このとき、ホルダ軸部材40は、前述した巻芯3Bの各長さ寸法に対応して複数種類(例えば4種類)の長さ寸法のものが設けられており、このホルダ軸部材40の長さ寸法を変更することにより、異なる幅寸法のタグテープ3Aが装着可能な複数種類のテープホルダ3を容易に製作できるようになっている。
【0093】
図14は、図13(A)中Y−Y′断面における矢視断面図である。
【0094】
図14において、ホルダ軸部材40のうち、位置決め保持部材12の第2筒部37内に嵌入される先端部には略縦長の切欠部51が形成されている。この切欠部51には、第2筒部37の内側下端部に内側半径方向に突設される位置決めリブ50が嵌入され、これによって、ホルダ軸部材40を介して位置決め保持部材12とガイド部材20との位置決めを行えるようになっている。
【0095】
また、位置決め部材12の取付部材13の下端部には延出部56に縦長四角形の貫通孔62が穿設され、この貫通孔62の上端縁部には、下側方向に先端部に外側方向に突出する突起部が形成された弾性係止片12Aが設けられている。
【0096】
図15は、図13(A)中Z−Z′断面における矢視断面図である。
【0097】
図15において、前述した第1延出部42の切欠部47に、ホルダ軸部材40の上記フランジ部36の内側面に突設される各位置決め突起48が嵌入され、これによってホルダ軸部材40のガイド部材に対する位置決めが行われる。
【0098】
図16(A)〜(E)は、それぞれ、位置決め保持部材12のテープ判別部60におけるタグテープの種類を表すセンサ孔の穿設例を示す図である。
【0099】
図16(A)は、前述したようにテープ判別部60に4つのセンサ孔60A〜60Dが設けられた例を表している。テープホルダ収納部4の判別凹部4Bにはこれらテープ判別孔60A〜60Dに対応して前述のテープ判別センサS1〜S4が設けられている。各センサS1〜S4は、そのプランジャーが上記判別凹部4Bの底面から位置決め凹部4Aの底面部近傍まで突き出し、マイクロスイッチがオフ状態になっている。そして、各センサ孔60A〜60Dが各テープ判別センサS1〜S4に対向する位置にそれぞれ存在する場合にはプランジャーが押下されずマイクロスイッチがオフ状態にあるためオフ信号が出力され、テープ判別部60の各センサ孔60A〜60Dが各テープ判別センサS1〜S4に対向する位置にない場合には上記プランジャーが押下されてマイクロスイッチがオン状態になり、オン信号が出力されるようになっている。
【0100】
このように、4つのセンサS1〜S4に4つのセンサ孔60A〜60Dの有無の検出結果を関連づけ、ひとつひとつのセンサ孔の有無を「1」と「0」に対応させることにより、該テープホルダ3に装着されたタグテープ3Aの種類を4ビットの符号によって(言い換えれば16通りを区別して)表示できるようになっている。図16(A)〜図16(E)はそれら16通りのうちの一例をそれぞれ表しており、図16(A)はセンサ孔60A,60B,60C,60Dがすべて存在し「1,1,1,1」の検出信号が出力される場合、図16(B)はセンサ孔60A,60B,60Cが存在し「1,1,1,0」の検出信号が出力される場合、図16(C)はセンサ孔60A,60B,60Dが存在し「1,1,0,1」の検出信号が出力される場合、図16(D)はセンサ孔60Bが存在し「0,1,0,0」の検出信号が出力される場合、図16(E)はセンサ孔60C,60Dが存在し「0,0,1,1」の検出信号が出力される場合を表している。
【0101】
以上のようにして、位置決め部材12の内側下端縁部に設けられたテープ判別部60が判別凹部4B内に挿入され、センサS1〜S4で各センサ孔60A〜60Dの有無が検出されることで、テープホルダ3に装着されたタグテープ3Aの種類が検出可能となっている。
【0102】
図17(A)及び図17(B)は、上記のように構成されたテープホルダ3のタグラベル作成装置1側への装着挙動の一例について説明するための説明図である。
【0103】
図17(A)は、巻芯3Bに最大幅のタグテープ3Aが巻回されたテープホルダ3を装着する場合の例を表している。図17(A)において、まずテープホルダ3の位置決め保持部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の位置決め溝部16に挿入する。そして、テープホルダ3のガイド部材20の第3延出部44の下端面を載置部21上に当接させると共に、該ガイド部材20の第4延出部45を載置部21の搬送方向後側角部に形成される第2位置決め溝部21Aに嵌入させる。また、該ガイド部材20の第1延出部42の下端縁部をテープホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4A内に嵌入して当接させる。
【0104】
このとき同時に、テープホルダ3の位置決め保持部材12の延出部56の下端部に形成されるテープ判別部60を、ホルダ支持部材15の基端部内側に形成される判別凹部4Bに挿入すると共に、弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の基端部に形成される係合凹部15Aに係合させる。
【0105】
以上の操作により、テープホルダ3がテープホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられ、また各テープ判別センサS1〜S4を介して対向するテープ判別部60の各センサ孔60A〜60Eの有無が検出可能となる。
【0106】
続いて、レバー27を上方に回動させた状態で、タグテープ3Aの一方の側端縁部をガイド部材20の内側面に当接させつつ、該タグテープ3Aを引きだし、このタグテープ3Aの他方の側端縁部を挿入口18の側端縁部に立設された案内リブ部23に当接させつつ挿入口18に挿入する。その後、レバー27を下方に回動させることにより、該タグテープ3Aの先端部が印字ヘッド31によってプラテンローラ26に押圧され、印字可能な状態になる。
【0107】
図17(B)は、巻芯3Bに最小幅のタグテープ3Aが巻回されたテープホルダ3を装着する場合の例を表している。図17(B)において、まずテープホルダ3の位置決め保持部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の位置決め溝部16に挿入する。そして、テープホルダ3のガイド部材20の第3延出部44の下端面を載置部21上に当接させると共に、該ガイド部材20の第4延出部45を載置部21の搬送方向後側角部に形成される第2位置決め溝部21Dに嵌入させる。また、該ガイド部材20の第1延出部42の下端縁部をテープホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4A内に嵌入して当接させる。
【0108】
このとき同時に、テープホルダ3の位置決め保持部材12の延出部56の下端部に形成されるテープ判別部60を、ホルダ支持部材15の基端部内側に形成される判別凹部4Bに挿入すると共に、弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の基端部に形成される係合凹部15Aに係合させる。
【0109】
以上の操作により、テープホルダ3がテープホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられ、また各テープ判別センサS1〜S4を介して対向するテープ判別部60の各センサ孔60A〜60Eの有無が検出可能となる。
【0110】
以降レバー27を上方に回動させる等については上記と同様であるので説明を省略する。
【0111】
図18(a)及び図18(b)は、上記のようにして無線タグ回路素子Toの情報読み取り(又は書き込み)及びタグテープ3Aの切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図18(a)は上面図、図18(b)は下面図である。また図19は、図18中XIX−XIX′断面による横断面図である。
【0112】
これら図18(a)、図18(b)、及び図19において、本実施形態のタグラベル作成装置により作成、排出された無線タグラベルTの例を示している。前述のように3層構造となっており、表面側(図19中上側)よりその反対側(図19中下側)へ向かって、感熱紙3c、粘着層3b、剥離紙3aの順で積層している。そして、前述のように感熱紙3cの裏側に、IC回路部150及びアンテナ151からなる無線タグ回路素子Toが備えられる(Toは図19中上下逆向きでも良い。)とともに、感熱紙3cの表面に印字R(この例では「AA−AA」の文字)が印刷されている。さらに、剥離紙3aの表面には、搬送方向前方側(図18(a)中左側)のアンテナ151の先端より後方側の位置を始点として、黒塗りの識別マークMが搬送方向下流側(図18(a)中右側)端部まで印刷されている。
【0113】
なお、図示の例では、無線タグ回路素子Toにおいてテープ長手方向にアンテナ151が延設されているが、これに限られず、テープ長手方向と交差方向(例えば直角方向)にアンテナ151が延設されていても良い。
【0114】
上記のような基本構成のタグラベル作成装置1において、本実施形態の最大の特徴は、感熱紙3cに印字する印字情報量に応じてタグテープ3Aの切断位置を決定し、無線タグ回路素子Toの配置ピッチよりも短い長さの無線タグラベルTを作成することにある。以下、この詳細について説明する。
【0115】
まず、タグラベル作成装置1におけるタグテープ3Aの搬送位置に応じた動作を図20及び図21を用いて説明する。
【0116】
図20(A)〜(F)はそれぞれ、連続的に繰り出されるタグテープ3Aの識別マークM及び無線タグ回路素子Toの、マークセンサ239、印字ヘッド31、カッタユニット8との位置関係を表す説明図であり、図21(A)〜(F)は、図20(A)〜(F)それぞれの状態におけるタグテープ3Aの上記印字領域S、無線タグ回路素子To、識別マークMの位置関係を詳細に表す概念図である。
【0117】
まず、図20(A)及び図21(A)は、巻芯3Bからタグテープ3Aの繰り出しが開始され、今回作成する無線タグラベルTに係わる無線タグ回路素子Toが繰り出された直後の状態を表している。この状態では識別マークMはマークセンサ239によって検出されておらず、ソレノイドストッパ24のプランジャ24aは後退した位置(ロック解除位置)にあるため、カッタユニット8はテープ3Aを切断するように作動可能である。
【0118】
この状態からさらにタグテープ3Aの搬送が進むと、無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向先端が印字ヘッド31の位置に到達する(図20(B)及び図21(B)参照)。
【0119】
ここで、本実施形態では、タグテープ3Aに長手方向に連続して配置される無線タグ回路素子Toに対応する全長を切断禁止領域Fとし、隣接する無線タグ回路素子Toと無線タグ回路素子Toの間の領域を切断可能領域Gとして設定している(図21(B)参照)。このとき、前述したように、タグテープ3Aの剥離紙3a(図19等参照)の表面には、上記切断禁止領域Fの全長に対応して黒塗りの識別マークMが予め例えば印刷により設けられている。識別マークMのテープ搬送方向下流側先端は、切断禁止領域F(言い換えれば無線タグ回路素子To)のテープ搬送方向先端よりも搬送方向上流側に距離L1だけオフセットした位置にあり、識別マークMのテープ搬送方向(上流側)後端は切断禁止領域Fの後端より距離L2だけ搬送方向上流側にオフセットした位置にある。
【0120】
この結果、タグテープ3Aの移動により識別マークMの先端がマークセンサ239の位置に到達したときは、無線タグ回路素子To位置に対応した印字領域Sの先端が印字ヘッド31の位置に到達する。これに対応し、識別マークMがマークセンサ239で検出されると、印字領域Sに印字Rが開始される(図20(B)及び図21(B)参照)。
【0121】
上記図20(B)及び図21(B)の状態からさらにタグテープ3Aの搬送が進むと、無線タグ回路素子To(言い換えれば切断禁止領域F)のテープ搬送方向先端がカッタユニット8の位置に到達する(図20(C)及び図21(C)参照)。この状態では前述のように既にマークセンサ239によって識別マークMの検出中であるため、この位置に来たことの検出は、前述の図20(B)及び図21(B)の状態(識別マークM検出開始状態)からタグテープ3AがL2−L1だけ進んだことを検知(詳細は後述)することによって行う。この検出に対応して、ソレノイドストッパ24のプランジャ24aが前進した位置(ロック位置)に駆動され、カッタユニット8のテープ3Aの切断が不可能となる(制限される)。
【0122】
図20(D)及び図21(D)は、上記図20(C)及び図21(C)の状態からさらにタグテープ3Aの搬送が進み、無線タグ回路素子To(言い換えれば切断禁止領域F)がカッタユニット8の位置を通過中の状態を表している。このとき、マークセンサ239は識別マークMの存在を依然として検出中である。
【0123】
上記図20(D)及び図21(D)の状態からさらにタグテープ3Aの搬送が進むと、無線タグ回路素子To(言い換えれば切断禁止領域F)のテープ搬送方向後端がカッタユニット8の位置に到達する(図20(E)及び図21(E)参照)。このとき前述の寸法設定関係によって、識別マークMの後端がマークセンサ239の位置に到達するようになっている。したがって、マークセンサ239によって識別マークMが検出されなくなると、無線タグ回路素子To(切断禁止領域F)がカッタユニット8の位置より搬送方向下流側へ抜けた(言い換えれば切断可能領域Gがカッタユニット8に対向している)とみなされ、これに対応して、ソレノイドストッパ24のプランジャ24aが再び後退位置(ロック解除位置)に駆動され、カッタユニット8のテープ3Aの切断が可能となる(図20(E)及び図21(E)参照)。
【0124】
その後、上記図20(E)及び図21(E)の状態からさらにタグテープ3Aの搬送が進むと、印字情報量に応じた(すなわち印字領域Sのテープ長手方向長さに応じた)タグテープ3Aの切断位置に到達する(図20(F)及び図21(F)参照)。ここでは、印字領域Sのテープ長手方向長さが上記切断禁止領域F(言い換えれば無線タグ回路素子To)のテープ長手方向長さよりも長く設定されており、上記切断位置は無線タグ回路素子To位置に対応した印字領域Sの先端よりもテープ搬送方向上流側に距離L3だけオフセットした位置にある(図20(D)及び図21(B)等参照)。なお、この距離L3は、無線タグ回路素子Toの配置ピッチG+Fよりも短く設定される(図21(B)等参照)。したがって、マークセンサ239によって識別マークMが検出されなくなってから(上記図20(E)及び図21(E)の状態)、さらにタグテープ3AがL3−Fだけ進んだことを検知(詳細は後述)すると、上記切断位置に到達したとみなされる。このとき、タグテープ3Aの搬送が停止され、この切断位置においてタグテープ3Aはカッタユニット8により切断される。なお、印字領域Sのテープ長手方向長さが切断禁止領域Fよりも短い場合には、上述したように切断禁止領域Fにおいてはカッタユニット8がソレノイドストッパ24により動作不能とされるため、切断位置は印字領域Sの先端よりもテープ搬送方向上流側に距離Fだけオフセットした位置となる(すなわち、作成される無線タグラベルTの長さは切断禁止領域F(無線タグ回路素子To)のテープ長手方向長さとなる)。
【0125】
なお、上記の例では、また、無線タグ回路素子Toの配置位置(言い換えれば切断禁止領域F)に対応して黒塗りの識別マークMが付され、その先端位置と後端位置の両方をセンサ239で検出したが、これに限られない。例えば、識別マークとして切断禁止領域の始点及び終点にそれぞれ対応する2つの短いマーク(=始点トリガマーク及び及び終点トリガマーク)を設けてこれをセンサ239で検出するようにしてもよい。さらに、上記始点トリガマークのみを設け、その始点トリガマークからの距離情報を適宜の手法で追加付与する(例えば上記始点トリガマークを検出してから上記終点トリガマーク位置に相当する距離までテープが搬送されたか否かをモータの駆動量で判断する)ことで終点トリガマーク自体は省略するようにしてもよい。
【0126】
以上のようにして、本実施形態では、タグテープ3Aの繰り出しに応じ、識別マークMの検出状態と、切断禁止領域Fまたは切断可能領域Gがカッタユニット8と対向するタイミングとを対応づけ、カッタユニット8を切断不能又は切断可能とする制御を行うと共に、印字情報量に応じてタグテープ3Aの切断位置を決定し、無線タグ回路素子Toの配置ピッチよりも短い長さの無線タグラベルTを作成する制御を行う。
【0127】
図22は、このような制御をおこなうために上記制御回路210によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0128】
前述したテープ判別センサS1〜S4でタグラベル作成装置1の読み取り操作が行われ、無線タグ回路素子を含まない(タグレステープ)でないことが検出されるとこのフローが開始される(すなわち本実施形態のタグラベル作成装置1では、詳細は省略するが上記タグレステープもタグテープ3Aの代わりにテープホルダ3に収納して装着可能となっており、当該タグレステープであることに対応した判別部60が例えばテープ判別センサS1〜S4によって検出されるようになっている)。
【0129】
図22において、まずステップS105で、図示しない端末又は汎用コンピュータを介して入力操作された、印字ヘッド31により無線タグラベルTへ印字すべき印字情報が通信回路211B及び入出力インターフェイスを介し読み込まれる。
【0130】
次のステップS107では、上記ステップS105で読み込んだ印字情報に基づき、タグテープ3Aの感熱紙3cに印字する印字情報量に応じたタグテープ3Aの切断位置を決定する。これは言い換えれば、印字情報量に応じた無線タグラベルTの長さ(=印字領域Sのテープ長手方向長さ)を決定することである。具体的には、印字量が比較的少ない場合には相対的にタグラベルTの長さが短くなるように切断位置を決定し、印字量が比較的多い場合には相対的にタグラベルの長さが長くなるように切断位置を決定する)。
【0131】
その後、ステップS110において、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合にリトライを行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数N、及び通信良好か不良かを表すフラグFを0に初期化する。
【0132】
そして、ステップS111において、プラテンローラ駆動回路209(図9参照)に制御信号を出力し、例えばパルスモータによって構成されるプラテンローラ用モータ208の駆動力によってプラテンローラ26の駆動軸を回転駆動させる。これにより、巻芯3Bにロール状に巻回されているタグテープ3Aが繰り出される。
【0133】
次に、ステップS112において、繰り出されたタグテープ3Aの識別マークMがマークセンサ239で検出されたか否かを判定する。識別マークMを検出した場合は、識別マークMがマークセンサ239の位置まで到達し、無線タグ回路素子Toに対応した印字領域Sの先端が印字ヘッド31位置に到達した状態(図20(B)及び図21(B)参照)であることから、判定が満たされ、ステップS113に移る。ステップS113では、印刷駆動回路205に制御信号を出力し、印字ヘッド31によって印字領域Sに印字を開始させる。
【0134】
次のステップS114では、タグテープ3Aが、上記ステップS112における識別マークMの検出時から更に所定量(=前述したL2−L1分の搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判定する。このときの搬送距離の判定は、例えばプラテンローラ用モータ208を駆動するプラテンローラ駆動回路209の出力するパルス数をカウントすることによって行えば足りる。
【0135】
前述のようにして、タグテープ3Aが識別マークMの検出時から更にL2−L1だけ搬送され無線タグ回路素子To(言い換えれば切断禁止領域F)の先端がカッタユニット8の位置に到達したら、判定が満たされ、ステップS115に移る。
【0136】
ステップS115では、ロックソレノイド駆動回路25に制御信号を出力してソレノイドストッパ24のソレノイド24cへの通電を停止させ(すなわちこれまではソレノイド24cへ通電状態にありカッタユニット8はロック解除状態にある)、スプリング24bによってプランジャ24aを前進駆動させてカッタレバー9の左右操作を制限する。これによってカッタユニット8の切断動作が制限される(ロック状態、図20(C)及び図21(C)参照)。
【0137】
次いで、ステップS120では、タグテープ3Aが、上記ステップS115におけるソレノイドストッパ24の作動時から更に所定量だけ搬送されたかどうか(例えば無線タグ回路素子Toの先端がアンテナ204に対向する位置または近傍の読み取り可能位置に来たか否か)が判定される。このときの搬送距離の判定も、上記同様、例えばプラテンローラ用モータ208を駆動するプラテンローラ駆動回路209の出力するパルス数をカウントすることによって行えば足りる。判定が満たされたらステップS200に移る。
【0138】
ステップS200ではタグ情報読み取り処理を行い、読み込むための問いかけ信号を無線タグ回路素子Toに送信し、無線タグ情報を含む返答信号を受信して読み込む。このステップS200が終了したらステップS125に移る。
【0139】
ステップS125では、フラグF=0であるかどうかが判定される。読み取り処理が正常に完了していればF=0のままである(後述の図23のステップS280参照)ので、この判定が満たされ、ステップS130に移る。
【0140】
ステップS130では、上記ステップS200で無線タグ回路素子Toより読み取られた情報と、これに対応して既に印字ヘッド31により印字された印字情報との組み合わせを、通信回路211Bを介して例えば図示しない端末又は汎用コンピュータを介して出力し、この出力された組み合わせは情報サーバやルートサーバに記憶される。なお、この記憶データは必要に応じて端末又は汎用コンピュータより参照可能に例えばデータベース内に格納保持される。
【0141】
その後、ステップS135では、タグテープ3Aのうちこの時点で処理対象としている無線タグ回路素子Toに対応する印字領域Sへの印字Rがすべて完了しているかどうかを確認した後、ステップS140へ移る。
【0142】
なお、先に述べたステップS125において、何らかの理由で読み取り処理が正常に完了していない場合はF=1とされている(後述の図23のステップS280参照)のでステップS125の判定が満たされず、ステップS137に移り、印刷駆動回路205(図9参照)に制御信号を出力して印字ヘッド31への通電を中止し印字を停止させる。このように印字中途停止によって当該無線タグ回路素子Toが正常品でないことを明らかに表示するようにした後、ステップS140へ移る。
【0143】
ステップS140では、印字済のタグテープ3Aが、上記ステップS115におけるソレノイドストッパ24の作動時から更に所定量(例えば無線タグ回路素子To、言い換えれば切断禁止領域Fの全長分)だけ搬送されたか(無線タグ回路素子To、言い換えれば切断禁止領域Fの後端がカッタユニット8を通過したか)どうかを判定する。前述したようにこの判定はタグテープ3Aの識別マークMがマークセンサ239で検出されなくなったか否かによって行う。識別マークMが検出されなくなった場合は、識別マークMの後端がマークセンサ239の位置を通過し、無線タグ回路素子To及び切断禁止領域Fの後端がカッタユニット位置を通過した状態(図20(E)及び図21(E)参照)であることから、判定が満たされ、ステップS141に移る。
【0144】
ステップS141では、ロックソレノイド駆動回路25に制御信号を出力してソレノイドストッパ24のソレノイド24cに通電しプランジャ24aを後退させ、上述のロックを解除する。これにより、カッタユニット8によるタグテープ3Aの切断動作が可能となる。
【0145】
次のステップS143では、タグテープ3Aが、上記ステップS140における識別マークMが検出されなくなった時点から更に所定量(=前述したL3−F分の搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判定する。このときの搬送距離の判定も、上記同様、例えばプラテンローラ用モータ208を駆動するプラテンローラ駆動回路209の出力するパルス数をカウントすることによって行えば足りる。所定量(=L3−F分の搬送距離)搬送されている場合には、先のステップS107で決定されたタグテープ3Aの切断位置がカッタユニット位置に到達した状態(図20(F)及び図21(F)参照)であることから、判定が満たされ、次のステップS145に移る。
【0146】
ステップS145では、プラテンローラ駆動回路209(図9参照)に制御信号を出力し、プラテンローラ用モータ208によるプラテンローラ26の駆動軸の回転駆動を停止させる。これにより、タグテープ3Aの搬送が停止され、カッタユニット8によるタグテープ3Aの切断動作が可能となる。また、LEDランプ34に点灯制御信号を出力して点灯を行わせる。上記ステップS145が完了したら、このフローを終了する。
【0147】
なお、上記ではタグテープ3Aの搬送停止をLEDランプ34の点灯により報知するようにしたが、これに限られず、例えば液晶画面に文字を表示させたり、又は音声により報知するようにしてもよい。
【0148】
以上のフローにより、カッタユニット8のカッタレバー9を手動操作によりタグテープ3Aを横切る方向へ移動させることでタグテープ3Aが印字情報量に応じた適正な位置で切断され、無線タグ回路素子Toの無線タグ情報が読み取られかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される。
【0149】
図23は、上述したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【0150】
図23において、まず、ステップS210では、タグテープ3Aの印刷後、情報読み取り対象とする無線タグ回路素子Toがアンテナ204近傍に搬送され、対象となるタグが設定される。
【0151】
その後、ステップS220において、所定の通信パラメータ等に沿う形で無線タグ回路素子Toに記憶された情報を読み出す「Scroll
All ID」コマンドを信号処理回路202に出力する。これに基づき信号処理回路202でアクセス情報としての「Scroll All ID」信号が生成されて高周波回路201を介してアクセス対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
【0152】
次に、ステップS230において、上記「Scroll All ID」信号に対応してアクセス対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(物品情報等の無線タグ情報)をアンテナ204を介して受信し、高周波回路201及び信号処理回路202(図9参照)を介し取り込む。
【0153】
次に、ステップS240において、上記ステップS230で受信したリプライ信号に誤りがないか否かを公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて判定する。
【0154】
判定が満たされない場合はステップS250に移ってNに1を加え、さらにステップS260においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS220に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS270に移り、エラー表示信号を図示しない入出力インターフェイス及び通信回路211Bを介し端末又は汎用コンピュータへ出力し、対応する読み取り失敗(エラー)表示を行わせ、ステップS280で前述のフラグF=1にして、このフローを終了する。このようにして読み取りが不調でも5回までは再試行が行われる。
【0155】
ステップS240の判定が満たされた場合、読み取り対象とする無線タグ回路素子Toからの無線タグ情報の読み取りが完了し、このルーチンを終了する。
【0156】
以上のルーチンにより、タグラベル作成装置1内におけるタグテープ3Aのアクセス対象の無線タグ回路素子Toに対し、IC回路部151の無線タグ情報にアクセスし、これを読み出すことができる。
【0157】
以上において、高周波回路201の送信部212、受信部213、及び信号処理回路202が、各請求項記載の無線タグ回路素子のIC回路部への情報書き込み又はIC回路部からの情報読みとりを行う情報アクセス手段を構成する。
【0158】
また、制御回路210、プラテンローラ駆動回路209、プラテンローラ用モータ208、及びプラテンローラ26が、請求項6記載の駆動手段による繰り出し動作を停止させる停止制御手段を構成する。
【0159】
以上のように構成した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0160】
すなわち、本実施形態のタグラベル作成装置1においては、プラテンローラ2
6の駆動軸によりタグテープ3Aを繰り出し、このタグテープ3Aに備えられた無線タグ回路素子Toにアンテナ204により無線通信を行って所定の情報の読み取り(又は書き込み、後述の変形例参照)を行った後、カッタユニット8でタグテープ3Aを切断して無線タグラベルTを作成する。
【0161】
このとき、本実施形態においては、読み取り(又は書き込み)処理済みの無線タグ回路素子Toを備えたタグテープ3Aより無線タグラベルTを作成するための切断位置を決定するに際し、タグテープ3Aの感熱紙3cに印字する印字情報量に応じて切断位置を決定する。すなわち、印字量が比較的少ない場合には相対的に短いタグラベルとなるように切断位置が決定され、印字量が比較的多い場合には相対的に長いタグラベルとなるように切断位置が決定されるので、タグテープ3Aの無線タグ回路素子Toの配置ピッチ(F+G)よりも小さい範囲内において、印字量に応じて柔軟に無線タグラベルTの長さが設定される。この結果、タグテープ3A上の無線タグ回路素子Toの配置ピッチに関係なく、操作者のニーズに対応した短いタグラベルとなるような適宜の位置に切断位置が決定されるので、この切断位置にてカッタユニット8で切断を行うことで、容易に当該短い無線タグラベルTを作成することができる。したがって、利便性を向上することができる。
【0162】
また、本実施形態においては特に、プラテンローラ26によってタグテープ3Aが繰り出されて搬送されていくとき、カッタユニット8が制御回路210により印字情報量に応じて決定された切断位置に対向した位置でテープの搬送が自動停止するので(図22のステップS145参照)、手動操作にてカッタレバー9を介しカッタユニット8を動作させてテープ切断を行うことができる。すなわち印字情報量に応じた切断位置になるまでタグテープ3Aが自動的に搬送されることから、操作者がテープ送り操作をする手間がなくなり、労力を軽減することができる。
【0163】
さらに、本実施形態においては特に、制御回路210により印字情報量に応じて決定された切断位置がカッタユニット8によるカッタ位置に到達した際に、LEDランプ34に点灯制御信号を出力して点灯を行わせる(図22のステップS145参照)。これにより、切断可能な状態においてタグテープ3Aが位置決め停止されたことを操作者に確実に報知することができる。
【0164】
また、本実施形態においては特に、タグテープ3Aに切断禁止領域F及び切断可能領域Gを識別するための識別マークMを設けてこれをマークセンサ239で検出し、その検出結果に応じソレノイドストッパ24がカッタレバー9の操作によるレバーカッタユニット8の動作を制限して、切断可能領域Gではタグテープ3Aを切断できるが切断禁止領域Fではタグテープ3Aを切断できないようにする。これにより、切断時に誤って無線タグ回路素子ToのIC回路部150やアンテナ151に損傷を与え、無線タグとしての機能に支障をきたすのを防止することができる。
【0165】
なお、本発明は、上記一実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で、種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
【0166】
(1)無線タグラベルTのラベル長さを選択する場合
図24は、この変形例において制御回路210が実行する制御手順を表すフローチャートであり、上記実施形態における図22に対応する図である。図22と同等の手順には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0167】
図24において、先に説明した図22のフローチャートと異なる点は、図22
のステップS107に代えてステップS107′を設けたことである。
【0168】
すなわち、ステップS105で無線タグラベルTへ印字すべき印字情報を読み込むと、次のステップS107′に移る。ステップS107′では、図示しない端末又は汎用コンピュータを介して入力操作された、作成対象である無線タグラベルTのラベル長情報が通信回路211B及び入出力インターフェイスを介し読み込まれる。このラベル長情報は、この例では、複数の固定的に決まった値(例えば所定規格のファイルの背表紙のラベル、ビデオカセットのラベル、記憶媒体のラベル等に最適な値)の中から1つの所定の値が操作者により選択入力されるようになっている。なお、操作者がラベル長の具体的数値を任意に入力するようにしてもよいことは言うまでもない。そして、この読み込んだラベル長情報に基づき、タグテープ3Aの切断位置を決定する。
【0169】
次に続くステップS110からステップS145までは図22と同様であるので説明を省略する。
【0170】
本変形例のタグラベル作成装置1によれば、上記実施形態と同様の効果に加え、例えば印字量が多い少ないに関係なく常時同じ長さの無線タグラベルTとなるように切断位置を決定できるので、例えば貼り付ける場所の大きさが固定的に決まっている場合(上記の例では所定規格のファイルの背表紙のラベル、ビデオカセットのラベル、記憶媒体のラベル)等において便利なラベルを容易に作成することができる。
【0171】
(2)カッタユニットによる切断動作を自動で行なう場合(オートカッタ)
図25は、この変形例によるタグラベル作成装置1の制御系を表す概念図であり、上記実施形態の図9に対応する図である。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。図示のように、この変形例におけるタグラベル作成装置1では、印字情報量に応じて決定された切断位置がカッタ位置に到達すると、当該搬送が停止するとともに、制御回路210からカッタソレノイド駆動回路30への制御信号に基づきカッタソレノイド28が駆動されてカッタユニット(第2切断手段)8′が作動し、タグテープ3Aの自動切断が行われる。
【0172】
この際、マークセンサ239による識別マークMの検出信号に基づき、カッタユニット8′の対向位置に切断禁止領域Fが存在している場合には上記カッタユニット8′による切断動作がロック(制限)され、カッタユニット8′の対向位置に切断可能領域Gが存在している場合には上記カッタユニット8′による切断動作のロックが解除されるようになっている。
【0173】
図26は、この変形例において上記挙動を実現するために制御回路210が実行する制御手順を表すフローチャートであり、上記実施形態における図22、上記(1)の変形例の図24に対応する図である。図22及び図24と同等の手順には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0174】
図26において、先に説明した図22のフローチャートと異なる点は、図22のステップS115に代えてステップS115′を設け、図22のステップS141を削除し、図22のステップS145に代えてステップS145′を設け、ステップS150を新たに加えたことである。
【0175】
すなわち、ステップS105からステップS114までは図22のフローと同じフローが実行される。
【0176】
ステップS114の判定が満たされるとステップS115′に移る。ステップS115′では、カッタソレノイド駆動回路30に制御信号を出力し、カッタソレノイド28を介してカッタユニット8′の刃物をタグテープ3Aの搬送経路から後退した位置に保持する(言い換えれば制御回路210からの制御信号というソフトウェア的手法でカッタユニット8′の作動をロックする)とともに、LED34に制御信号を出力して消灯させる。
【0177】
次に続くステップS120からステップS140までは図22と同様であるので説明を省略する。
【0178】
ステップS140の判定が満たされると直接ステップS143に移り、タグテープ3Aの切断位置がカッタユニット位置に到達したかどうかが判定される。このステップS143の判定が満たされると、次のステップS145′に移る。
【0179】
ステップS145′では、プラテンローラ駆動回路209(図25参照)に制御信号を出力し、プラテンローラ用モータ208によるプラテンローラ26の駆動軸の回転駆動を停止させる。これにより、タグテープ3Aの搬送が停止される。
【0180】
次のステップS150では、カッタソレノイド駆動回路30に制御信号を出力し、カッタユニット8′の刃物をタグテープ3Aに向けて前進移動(切断動作)させて印字済みタグテープ3Aを切断する(言い換えれば制御回路210からの制御信号というソフトウェア的手法でカッタユニット8′のロックを解除する)とともに、LED34に点灯制御信号を出力して点灯させる。
【0181】
本変形例のタグラベル作成装置1によれば、容易に短い無線タグラベルTを作成することができ、利便性を向上することができるという上記実施形態と同様の効果を得られるだけでなく、自動切断による操作者労力低減効果を得ることもできる。
【0182】
また本変形例では、上記実施形態と異なり、カッタユニット8′の作動をロックした場合にLED34を消灯させ、カッタユニット8′のロックを解除した場合にLED34を点灯させる。すなわち、マークセンサ239の検出結果に基づき、カッタユニット8′が切断禁止領域Fに対向しているか切断可能領域Gに対向しているかをLEDランプ34が点灯の有無をもって表示するので、現在カッタユニット8′が切断動作可能な状態にあるのか、切断動作禁止の状態にあるのかを操作者に明確に表示することができる。
【0183】
(3)切断せずにカットマークを印字する場合
図27は、この変形例におけるタグラベル作成装置1のタグテープ3Aの搬送位置に応じた動作を示す図であり、上記実施形態の図20に対応する図である。上記実施形態の図20と同等の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0184】
この図27に示すように、本変形例のタグラベル作成装置1は、カッタユニット8及びソレノイドストッパ24を備えていない。すなわち、図27(A)の状態からタグテープ3Aの搬送が進むと、識別マークM′の先端がマークセンサ239の位置に到達すると共に、無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向先端が印字ヘッド31の位置に到達し、印字領域Sに印字Rが開始される(図27(B)参照)。そして、図27(C)に示すように印字ヘッド31により印字領域Sに印字が行われつつ、さらにタグテープ3Aの搬送が進むと、識別マークM′の後端がマークセンサ239の位置に到達する。このとき、無線タグ回路素子To(切断禁止領域F)の後端が印字ヘッド31の位置となるように、識別マークM′は形成されている。したがって、マークセンサ239によって識別マークMが検出されなくなると、無線タグ回路素子To(切断禁止領域F)が印字ヘッド31の位置より搬送方向下流側へ抜けたとみなされる(図27(D)参照)。なお、上記図27(B)の状態から図27(D)の状態まで(すなわち印字ヘッド31が無線タグ回路素子To(切断禁止領域F)に対抗している区間)は、制御回路210から印刷駆動回路205に制御信号が出力され、印字ヘッド31によるカットマークの印字はできないようになっている(但し印字Rは正常に行われる)。これにより、無線タグ回路素子To(切断禁止領域F)上にカットマークが印字されるのを防止でき、切断時に無線タグ回路素子Toに損傷を与え無線タグとしての機能に支障をきたすのを防止することができる。
【0185】
さらにタグテープ3Aの搬送が進むと、印字情報量に応じた(すなわち印字領域Sのテープ長手方向長さに応じた)タグテープ3Aの切断位置(印字領域Sの先端よりもテープ搬送方向上流側に距離L3だけオフセットした位置)が印字ヘッド31による印字位置に到達する(図27(E)参照)。このとき、制御回路210により印刷駆動回路205に制御信号が出力され、印字ヘッド31によって切断位置にカットマーク(切断予定線)CMが印字される。そして、カットマークCMが印字されたタグテープ3Aは切断されずにさらに搬送され(図27(F)参照)、タグラベル作成装置1から排出される。切断位置にカットマークCMが印字されることで切断位置を操作者が視覚的に確認できるので、操作者は、この後例えばハサミ等を用いて容易にタグテープ3Aを切断し、無線タグラベルTを作成することができる。
【0186】
なお、本変形例において、印字ヘッド31は請求項3記載のタグテープ上に印字する切断位置印字手段を構成する。
【0187】
本変形例によっても、上記実施形態と同様の利便性向上効果を得る。
【0188】
(4)余剰部分を控えテープとして活用する場合
上記実施形態及び変形例(1)(2)においては、無線タグ回路素子Toの配置ピッチよりも短いタグラベルとなるような切断位置でタグテープを3Aを切断するようにしたが、その際には、特に記載しなかったがその切断位置から次の無線タグ回路素子Toの前端部までの余剰部分が生じる。本変形例は、この余剰部分と作成した無線タグラベルTとの間をハーフカット(剥離紙3a部分のみを残して感熱紙3c及び粘着層3bを切断)し、無線タグラベルTと余剰部分とを一部分がつながった状態で装置外に排出するものである。
【0189】
図28は、この変形例によるタグラベル作成装置1の制御系を表す概念図であり、上記実施形態の図9に対応する図である。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0190】
この図28において、上述のカッタユニット8に代えてカッタユニット8″が設けられており、制御回路210からカッタソレノイド駆動回路30に制御信号が出力され、この制御信号に基づきカッタソレノイド28が駆動されることにより作動する。このカッタユニット8″は、通常のタグテープ3Aの切断(分断)機能と共に、タグテープ3Aの剥離紙3a部分のみを残して感熱紙3c及び粘着層3bを切断するハーフカットを行えるようになっている(その意味でカッタユニット8″は半切断手段をも構成する)。なお、このように通常のカッティングとハーフカッティングとを1つのカッタユニットで兼用して行うのではなく、それぞれ別々のカッタを設けてもよい。
【0191】
図29は、この変形例において制御回路210が実行する制御手順を表すフローチャートであり、上記実施形態における図22及び上記変形例(1)(2)における図24及び図26に対応する図である。これらの図と同等の手順には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0192】
図24において、先に説明した変形例(2)の図26のフローチャートと異なる点は、図26のステップS143に代えてステップS143′を設け、ステップSステップS146〜ステップS149を新たに追加し、図26のステップS150に代えてステップS150’を設けたことである。
【0193】
すなわち、ステップS105からステップS143′までは図26のフローと同じ手順が実行される。なお、ステップS143′の第1切断位置はステップS107で印字情報量に応じて決定された切断位置であり、図26のステップS143と同様の制御が行われるが、ここでは後述の第2切断位置と区別するために第1切断位置と呼称する。ステップS143′の判定が満たされると、次のステップS145′に移り、タグテープ3Aの搬送を停止する。
【0194】
次のステップS146では、カッタソレノイド駆動回路30にハーフカットに対応した制御信号を出力し、カッタユニット8″をタグテープ3Aに向けて前進移動させて印字済みタグテープ3Aをハーフカットする(剥離紙3a部分のみを残して感熱紙3c及び粘着層3bを切断する)とともに、LED34に点灯制御信号を出力して点灯させる。
【0195】
次のステップS147では、プラテンローラ駆動回路209に制御信号を出力し、例えばパルスモータによって構成されるプラテンローラ用モータ208の駆動力によってプラテンローラ26の駆動軸を回転駆動させる。これにより、再びタグテープ3Aの搬送が開始される。
【0196】
次のステップS148では、第2切断位置がカッタユニット8″によるカッタ位置に到達したがどうかを判定する。ここで、第2切断位置とはタグテープ3Aの上流側に位置する次の無線タグ回路素子Toの前端部に対応する位置であり、無線タグ回路素子Toの配置ピッチG+Fごとに位置する切断位置である。したがって、先のステップS143′における第1切断位置がカッタ位置に到達してからタグテープ3AがG+F−L3分の距離(図21(B)等参照)だけ搬送された場合には、第2切断位置である次の無線タグ回路素子Toの前端部がカッタ位置に到達した状態であることから、判定が満たされ、次のステップS149に移る。
【0197】
ステップ149では、プラテンローラ駆動回路209(図28参照)に制御信号を出力し、プラテンローラ用モータ208によるプラテンローラ26の駆動軸の回転駆動を停止させ、タグテープ3Aの搬送を停止する。
【0198】
次のステップ150′では、カッタソレノイド駆動回路30に制御信号を出力し、カッタユニット8″のカッタを作動させてタグテープ3Aを切断(分断)する。以上で本フローを終了する。
【0199】
本変形例のタグラベル作成装置1によれば、上記実施形態と同様の効果に加え、無線タグラベルTとこれに対応する余剰部分とを一部分がつながった状態で(関連づけを明確にしたまま)タグラベル作成装置1外に排出できるとともに、ラベル貼り付け時には剥離紙3cを剥がすことにより無線タグラベルTを容易に余剰部分から分離することができる。これにより、その余剰部分を当該タグラベルと関連した控えテープ、又は予備用テープとして活用することが可能となる。
【0200】
なお、上記変形例(4)ではハーフカットすることによりタグラベルと余剰部分とをつながった状態として関連づけを行うようにしたが、これに限られない。すなわち例えば、タグラベルの印字と共に余剰部分にも当該タグラベルと関連づけるための印字を行っておき、上記ハーフカット位置においてもハーフカットでない通常の切断(分断)を行って(言い換えれば1つのタグラベルTにつき2回切断を行うことになる)それらを分離した状態で排出し、排出後は当該印字部分によってそれらの関連性を確保するようにしてもよい。あるいは上記関連づけのための印字も行わず、上記のように続けて2枚(タグラベル部分とこれに続く余剰部分)排出されることで関連性を持たせてもよい。
【0201】
(5)その他
(5−1)無線タグ情報の書き込みを行う場合
以上においては、読み取りのみ可能な(書き込みは不可の)無線タグラベルを作成する場合を例にとって説明したが、これに限られず、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に情報の書き込みを行う場合に本発明を適用してもよい。
【0202】
この場合、前述の図22のステップS105に相当する手順において、印字ヘッド31により無線タグラベルTへ印字すべき印字情報に加え、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に書き込む情報とを読み込むようにし、ステップS200に相当する手順で、タグID(全部又は一部)を指定してそのID情報又は物品情報等の無線タグ情報を書き込むためのメモリ初期化(消去)を行った後、当該無線タグ情報を無線タグ回路素子Toに送信して書き込むようにし、ステップS130に相当する手順で、上記無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報と、これに対応して既に印字された印字情報との組み合わせが記憶される。
【0203】
本変形例によっても、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に情報書き込みを行う場合において、上記実施形態と同様の効果を得る。
【0204】
(5−2)被印字テープと貼り合わせる構成
上記実施形態においては、巻芯3Bに巻回したタグテープ3Aに印字ヘッド31で印字を行なうとともに、そのタグテープ3Aに備えた無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みを行い、さらに所定長さに切断した無線タグラベルTを作成したが、これに限られない。すなわち、無線タグ回路素子Toがテープ長手方向に所定間隔で配置されタグテープロールから繰り出されるタグテープ(基材テープ)と、タグテープロールとは別の被印字テープロールから繰り出され印字ヘッドにより印字される被印字テープとを貼り合わせ、この貼り合わせた印字済みタグラベル用テープを所定の長さに切断して無線タグラベルとする場合にも本発明を適用できる。この場合、上記識別子としての識別マークM等は、基材テープ側に設けることもできるし、被印字テープ側に設けることもできる。またマークセンサ239は、当該基材テープまたは被印字テープ側に配置されて当該識別マークMを検出すれば足りる。これらの場合も、同様の効果を得る。
【0205】
また、既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0206】
なお、以上で用いた「Scroll All ID」信号等は、EPC globalが策定したAuto−ID仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
【0207】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0208】
【図1】本発明の一実施形態のタグラベル作成装置の概略構成を表す斜視図である。
【図2】図1に示したタグラベル作成装置の上カバーを取り外した状態を表す斜視図である。
【図3】図2に示した構造の側面図である。
【図4】図3中X−X′断面による断面図である。
【図5】図1に示したタグラベル作成装置より上カバー及びタグテープロールを取り外した状態を表す斜視図、及び図3(A)中W部の拡大斜視図である。
【図6】図1に示したタグラベル作成装置の上カバー及びタグテープロールを取り外した状態を表す後方斜視図である。
【図7】図1に示したタグラベル作成装置にテープホルダが装着された状態を、上カバーを取り外して示す側断面図である。
【図8】タグテープに備えられる無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図9】タグラベル作成装置の制御系を表す概念図である。
【図10】高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図11】図1に示したタグラベル作成装置に備えられたタグテープロール体の詳細構造を表す、前側上方からの斜視図、及び下側後方からの斜視図である。
【図12】テープホルダを斜め後方側からみた斜視図及び斜め前方側からみた斜視図である。
【図13】テープホルダの詳細構造を表す左側面図、正面図、及び右側面図である。
【図14】図13(A)中Y−Y′断面における矢視断面図である。
【図15】図13(A)中Z−Z′断面における矢視断面図である。
【図16】位置決め保持部材のテープ判別部にタグテープの種類を表すセンサ孔の穿設例を示す図である。
【図17】テープホルダのタグラベル作成装置側への装着挙動の一例について説明するための説明図である。
【図18】無線タグラベルの外観の一例を表す上面図及び下面図である。
【図19】図18中XIX−XIX′断面による横断面図である。
【図20】タグテープの識別マーク及び無線タグ回路素子の、マークセンサ、印字ヘッド、カッタユニットとの位置関係を表す説明図である。
【図21】図20(A)〜(F)それぞれの状態におけるタグテープの印字領域、無線タグ回路素子、識別マークの位置関係を詳細に表す概念図である。
【図22】制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図23】図22のステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【図24】ラベル長さを選択する変形例において制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図25】カッタユニットによる切断動作を自動で行う変形例によるタグラベル作成装置の制御系を表す概念図である。
【図26】カッタユニットによる切断動作を自動で行う変形例において制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図27】切断せずにカットマークを印字する変形例におけるタグラベル作成装置のタグテープの搬送位置に応じた動作を示す図である。
【図28】余剰部分を控えテープとして活用する変形例によるタグラベル作成装置の制御系を表す概念図である。
【図29】余剰部分を控えテープとして活用する変形例において制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0209】
1 タグラベル作成装置
3A タグテープ
8 カッタユニット(第1切断手段)
8′ カッタユニット(第2切断手段)
8″ カッタユニット(半切断手段)
26 プラテンローラ(駆動手段、停止制御手段)
34 LEDランプ(報知手段)
31 印字ヘッド(情報印字手段、切断位置印字手段)
150 IC回路部
202 信号処理回路(情報アクセス手段)
204 アンテナ(装置側アンテナ)
208 プラテンローラ用モータ(停止制御手段)
209 プラテンローラ駆動回路(停止制御手段)
210 制御回路(切断位置決定手段、停止制御手段)
212 送信部(情報アクセス手段)
213 受信部(情報アクセス手段)
T 無線タグラベル
To 無線タグ回路素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タグテープに所定ピッチにて複数個配置された無線タグ回路素子との間で無線通信により情報の送受信を行う装置側アンテナと、
前記無線タグ回路素子のIC回路部へのアクセス情報を生成し、前記装置側アンテナを介して前記無線タグ回路素子へ送信し、前記無線タグ回路素子のIC回路部への情報書き込み又はIC回路部からの情報読みとりを行う情報アクセス手段と、
前記タグテープを繰り出すための駆動手段と、
前記駆動手段で繰り出された前記タグテープにおける、前記無線タグ回路素子を備え長手方向寸法が前記所定ピッチよりも小さいタグラベルを生成可能な切断位置を決定する切断位置決定手段とを有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項2】
請求項1記載のタグラベル作成装置において、
前記切断位置決定手段は、前記タグテープにおける前記無線タグ回路素子の配置位置を回避するように、前記切断位置を決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のタグラベル作成装置において、
前記切断位置決定手段が決定した前記切断位置を、前記タグテープ上に印字する切断位置印字手段を設けたことを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
手動操作により前記切断位置において前記タグテープを切断可能な第1切断手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記切断位置を検出し、該位置において前記タグテープを切断する第2切断手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項6】
請求項4又は5記載のタグラベル作成装置において、
前記第1又は第2切断手段が前記タグテープの前記切断位置に略対向した位置であることを検出したら前記駆動手段による繰り出し動作を停止させる停止制御手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項7】
請求項6記載のタグラベル作成装置において、
前記停止制御手段による前記繰り出し動作の停止時に、対応する報知を行う報知手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記タグテープ上に、前記IC回路部へ書き込んだ情報又は読みとった情報に関連する印字を行う情報印字手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項9】
請求項8記載のタグラベル作成装置において、
前記切断位置決定手段は、前記情報印字手段で印字する印字情報量に応じて、前記切断位置を決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記切断位置決定手段は、前記タグラベルの前記長手方向寸法が選択された所定の値となるように、前記切断位置を決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項11】
請求項10記載のタグラベル作成装置において、
前記駆動手段は、前記タグテープのうち前記長手方向寸法が前記選択された所定の値の部分を前記タグラベルとして装置外へ排出するとともに、前記所定ピッチと前記選択された所定の値との差の余剰部分を当該タグラベルと関連づけて装置外へ排出することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項12】
請求項11記載のタグラベル作成装置において、
前記タグテープのうち、前記タグラベルとこれに対応する前記余剰部分との境界部位を、厚さ方向途中部分まで切断する半切断手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項1】
タグテープに所定ピッチにて複数個配置された無線タグ回路素子との間で無線通信により情報の送受信を行う装置側アンテナと、
前記無線タグ回路素子のIC回路部へのアクセス情報を生成し、前記装置側アンテナを介して前記無線タグ回路素子へ送信し、前記無線タグ回路素子のIC回路部への情報書き込み又はIC回路部からの情報読みとりを行う情報アクセス手段と、
前記タグテープを繰り出すための駆動手段と、
前記駆動手段で繰り出された前記タグテープにおける、前記無線タグ回路素子を備え長手方向寸法が前記所定ピッチよりも小さいタグラベルを生成可能な切断位置を決定する切断位置決定手段とを有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項2】
請求項1記載のタグラベル作成装置において、
前記切断位置決定手段は、前記タグテープにおける前記無線タグ回路素子の配置位置を回避するように、前記切断位置を決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のタグラベル作成装置において、
前記切断位置決定手段が決定した前記切断位置を、前記タグテープ上に印字する切断位置印字手段を設けたことを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
手動操作により前記切断位置において前記タグテープを切断可能な第1切断手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記切断位置を検出し、該位置において前記タグテープを切断する第2切断手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項6】
請求項4又は5記載のタグラベル作成装置において、
前記第1又は第2切断手段が前記タグテープの前記切断位置に略対向した位置であることを検出したら前記駆動手段による繰り出し動作を停止させる停止制御手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項7】
請求項6記載のタグラベル作成装置において、
前記停止制御手段による前記繰り出し動作の停止時に、対応する報知を行う報知手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記タグテープ上に、前記IC回路部へ書き込んだ情報又は読みとった情報に関連する印字を行う情報印字手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項9】
請求項8記載のタグラベル作成装置において、
前記切断位置決定手段は、前記情報印字手段で印字する印字情報量に応じて、前記切断位置を決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記切断位置決定手段は、前記タグラベルの前記長手方向寸法が選択された所定の値となるように、前記切断位置を決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項11】
請求項10記載のタグラベル作成装置において、
前記駆動手段は、前記タグテープのうち前記長手方向寸法が前記選択された所定の値の部分を前記タグラベルとして装置外へ排出するとともに、前記所定ピッチと前記選択された所定の値との差の余剰部分を当該タグラベルと関連づけて装置外へ排出することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項12】
請求項11記載のタグラベル作成装置において、
前記タグテープのうち、前記タグラベルとこれに対応する前記余剰部分との境界部位を、厚さ方向途中部分まで切断する半切断手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2006−209267(P2006−209267A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17493(P2005−17493)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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