タグ通信装置、タグ通信装置の制御方法、およびタグ通信装置制御プログラム
【課題】RFIDタグとの通信時間を短縮する。
【解決手段】本発明のRFIDリーダ/ライタ1は、RFIDタグ3に送信する送信データを取得する外部I/F部14と、外部I/F部14で取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮解凍部22と、データ圧縮解凍部22が圧縮した部分については、データ圧縮解凍部22が出力した圧縮データのみを、RFIDタグ3に送信する無線処理部12と、を備えている。これにより、RFIDタグ3に送信するデータのデータ量が圧縮されるのでRFIDタグ3との通信時間を短縮することができる。
【解決手段】本発明のRFIDリーダ/ライタ1は、RFIDタグ3に送信する送信データを取得する外部I/F部14と、外部I/F部14で取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮解凍部22と、データ圧縮解凍部22が圧縮した部分については、データ圧縮解凍部22が出力した圧縮データのみを、RFIDタグ3に送信する無線処理部12と、を備えている。これにより、RFIDタグ3に送信するデータのデータ量が圧縮されるのでRFIDタグ3との通信時間を短縮することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波を介してRFIDタグと無線通信を行うタグ通信装置、タグ通信装置の制御方法、およびタグ通信装置制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)タグ(無線タグ)に対し、リーダ/ライタであるタグ通信装置により無線で通信を行うRFID技術が利用されている。そして、RFIDタグは、バーコードに替わるものとして特に物流の分野において期待を集めており、近い将来において爆発的に普及することが予想されている。
【0003】
そして、RFIDタグの記憶領域には、例えば、対象物品の名称、製造年月日、用途に応じた種々の情報や、氏名、生年月日等の個人情報等が記憶されている。
【0004】
また、RFIDタグが普及し、RFIDタグの利用範囲が広がると、RFIDタグの記憶領域に記憶すべき情報も増えることが予想され、RFIDタグの記憶容量を増大させる必要性が出てくる。
【0005】
また、特許文献1には、RFIDタグに、第1の情報と、第1の情報と同一内容で第1の情報とは異なる態様で処理した(例えば、圧縮した)第2の情報とを記憶する技術が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献2には、RFIDタグにタグ通信装置からの信号に対する応答回数を積算する手段を備え、応答回数が所定の回数に達すると応答を行わないようにすることで、RFIDタグに記憶された情報のセキュリティを向上させる技術が開示されている。
【0007】
また、特許文献3には、複数のRFIDタグがある場合に、所定のキーコードで、第1のRFIDタグに記憶すべき情報を暗号化し、第2のRFIDタグに記憶すべき情報を第1のRFIDタグに記憶すべき情報で暗号化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−213115号公報(2007年8月23日公開)
【特許文献2】特開2009−15606号公報(2009年1月22日公開)
【特許文献3】特開2007−94873号公報(2007年4月12日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、RFIDタグの利用範囲が広がることにより、RFIDタグの記憶領域の容量を増大させる必要性が出てきた場合、タグ通信装置とRFIDタグとの通信における情報量も増え、通信が完了するまでに時間がかかるという問題を生じる。
【0010】
この問題に対し、上記特許文献1の構成では、RFIDタグに記憶すべき第1の情報と、第1の情報と同一内容で第1の情報とは異なる態様で処理した第2の情報とをタグ通信装置からRFIDタグへ送信するので、第2の情報が第1の情報を圧縮したものであっても、より時間がかかってしまい、通信時間の短縮にはつながらない。
【0011】
また、上記特許文献2、3に記載の構成でも、RFIDタグに記憶すべき情報をRFIDタグに送信するのみであり、タグ通信装置とRFIDタグとの通信時間の短縮にはつながらない。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、RFIDタグとの通信時間を短縮できるタグ通信装置等を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係るタグ通信装置は、電波を介してRFIDタグと無線通信を行うタグ通信装置であって、上記RFIDタグに送信する送信データを取得するデータ取得部と、上記データ取得部で取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮手段と、上記データ圧縮手段が圧縮した部分については、該データ圧縮手段が出力した圧縮データのみを、上記RFIDタグに送信する送信手段と、を備えていることを特徴としている。
【0014】
また、本発明に係るタグ通信装置の制御方法は、電波を介してRFIDタグと無線通信を行うタグ通信装置の制御方法であって、上記RFIDタグに送信する送信データを取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップで取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮ステップと、上記データ圧縮ステップで圧縮した部分については、該データ圧縮ステップで出力した圧縮データのみを上記RFIDタグに送信する送信ステップと、を含むことを特徴としている。
【0015】
上記の構成または方法によれば、RFIDタグに送信するデータとして取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮した部分については、圧縮後のデータである圧縮データのみをRFIDタグに送信する。よって、データを圧縮しない場合と比較して送信すべきデータ量を削減することができるので、自装置とRFIDタグとの通信時間の短縮を実現することができる。また、RFIDタグに対し、同じデータ量でより多くの情報を記憶させることができる。
【0016】
本発明に係るタグ通信装置では、上記RFIDタグの記憶部における、記憶する領域と記憶する情報とを対応付けた領域情報を作成する領域情報作成手段を備え、上記データ取得部は、複数の上記送信データを取得し、上記データ圧縮手段は、上記データ取得部が取得した複数の上記送信データを圧縮するとともに、それぞれの圧縮データを出力し、上記領域情報作成手段は、上記圧縮データのうち、どの圧縮データが上記RFIDタグの記憶部のどの領域に記憶されるかを対応付けた圧縮データ領域情報を作成し、上記送信手段は、上記データ圧縮手段が出力した複数の圧縮データと、上記領域情報作成手段が作成した圧縮データ領域情報とを送信するものであってもよい。
【0017】
上記の構成によれば、取得した複数の送信データをそれぞれ圧縮するとともに、それぞれの圧縮データをRFIDタグの記憶部のどの領域に記憶するかを対応付けた圧縮データ領域情報を作成する。そして、複数の圧縮データと圧縮データ領域情報とをRFIDタグに送信する。
【0018】
従来、RFIDタグには、記憶領域と記憶されている情報とを対応付けたテーブルが存在しなかったので、1つのデータしか送信できなかった。しかしながら、上記の構成によれば、それぞれの圧縮データをRFIDタグの記憶部のどの領域に記憶するかを対応付けた圧縮データ領域情報を送信するので、複数のデータをRFIDタグに送信することができる。
【0019】
本発明に係るタグ通信装置では、上記RFIDタグの記憶部に上記圧縮データを記憶することができる空き領域があるか否かを判定する空き領域判定手段と、上記空き領域判定手段が、空き領域がないと判定したとき、上記データ取得部が取得した送信データの送信元装置に対し、空き領域がない旨を示す領域不足情報を送信する領域不足情報送信手段と、を備えているものであってもよい。
【0020】
上記の構成によれば、RFIDタグに圧縮データを記憶する空き領域がない場合、送信データの送信元装置に対し、空き領域がない旨を示す領域不足情報を送信する。これにより、送信元装置において、RFIDタグ3に送信データを記憶する空き領域がないことを認識することができる。
【0021】
本発明に係るタグ通信装置では、データビット列のビット情報を送信するために必要な時間であるビット情報送信時間が一方よりも他方が長い通信形式において、上記データ圧縮手段は、上記送信データにおけるデータビット列のビットの出現数を計数し、ビット情報送信時間が短いビットの方がビット情報送信時間が長いビットよりも多い場合は、上記送信データをそのまま出力し、ビット情報送信時間が長いビットの方がビット情報送信時間が短いビットよりも多い場合は、上記送信データにおけるデータビット列のビットを入れ換えた変換データを作成して出力するものであってもよい。
【0022】
上記の構成によれば、データビット列のビット情報を送信するために必要な時間であるビット情報送信時間が一方よりも他方が長い通信形式において、送信データのデータビット列のビット情報送信時間が長いビットが多い場合に、ビットを入れ換えると、送信データ全体の送信時間を短くすることができる。これにより、自装置とRFIDタグとの通信時間、すなわち自装置からRFIDタグへの送信時間およびRFIDタグから自装置への受信時間を短縮することができる。
【0023】
また、データビット列のビットの出現数を計数し、出現数の大小を比較してデータ変換を行うという簡易な処理でデータの変換を行うことができるので、従来のデータ圧縮方法と比較して処理負荷を軽くすることができる。
【0024】
また、上記の構成によれば、データ圧縮手段は独自の方法でデータを圧縮するので、圧縮されたデータを他の装置で読み出すことできなくなる。よって、RFIDタグに記憶されているデータを、他の装置で読み出すことができず、データの安全性が向上する。
【0025】
本発明に係るタグ通信装置では、上記送信手段が上記RFIDタグに送信した圧縮データを該RFIDタグ3から取得する圧縮データ取得手段と、上記圧縮データ取得手段が取得した圧縮データを解凍するデータ解凍手段と、を備えているものであってもよい。
【0026】
上記の構成によれば、RFIDタグに送信した圧縮データを解凍することができるので、圧縮データの内容を認識することができる。
【0027】
本発明に係るタグ通信装置では、上記送信手段が上記RFIDタグに送信した圧縮データ領域情報を用いて所望の圧縮データを取得する圧縮データ取得手段と、上記圧縮データ取得手段が取得した圧縮データを解凍するデータ解凍手段と、を備えているものであってもよい。
【0028】
上記の構成によれば、RFIDタグに送信された複数の圧縮データのうち、所望の圧縮データを取得して解凍することができる。これにより、所望の圧縮データの内容を認識することができる。
【0029】
なお、上記タグ通信装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記タグ通信装置をコンピュータにて実現させるタグ通信装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0030】
以上のように、本発明に係るタグ通信装置はRFIDタグに送信する送信データを取得するデータ取得部と、上記データ取得部で取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮手段と、上記データ圧縮手段が圧縮した部分については、該データ圧縮手段が出力した圧縮データのみを、上記RFIDタグに送信する送信手段と、を備えている構成である。
【0031】
また、本発明に係るタグ通信装置の制御方法は、RFIDタグに送信する送信データを取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップで取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮ステップと、上記データ圧縮ステップで圧縮した部分については、該データ圧縮ステップで出力した圧縮データのみを上記RFIDタグに送信する送信ステップと、を含む方法である。
【0032】
これにより、データを圧縮しない場合と比較して送信すべきデータ量を削減することができるので、自装置とRFIDタグとの通信時間の短縮を実現することができるという効果を奏する。また、RFIDタグに対し、同じデータ量でより多くの情報を記憶させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態を示すものであり、RFIDリーダ/ライタの要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記実施の形態の概要を示す図である。
【図3】上記実施の形態を示すものであり、RFIDタグの要部構成を示すブロック図である。
【図4】上記RFIDタグのメモリ部の構成を示す図である。
【図5】上記RFIDタグのメモリ部の構成を示す図である。
【図6】上記実施の形態における処理の流れを示すシーケンス図である。
【図7】上記実施の形態における処理の流れを示すシーケンス図である。
【図8】上記RFIDリーダ/ライタのデータ圧縮解凍部におけるデータ圧縮の説明図である。
【図9】上記RFIDリーダ/ライタのデータ圧縮解凍部におけるデータ圧縮の説明図である。
【図10】上記データ圧縮解凍部における、0−1反転形式の効果を示す図である。
【図11】上記データ圧縮解凍部における、0−1反転形式の効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(本実施の形態の概要)
本発明の一実施の形態について図1から図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態に係るRFIDリーダ/ライタ(タグ通信装置)1は、RFIDタグ3に対し、無線通信を行ってデータの読み書きを行うものである。
【0035】
本実施の形態では、RFIDリーダ/ライタ1がRFIDタグ3に対し無線通信を行うにあたり、データを圧縮してRFIDタグ3に送信することで、送信するデータの情報量を減らし、送信時間の短縮を実現するものである。
【0036】
また、RFIDタグ3には、圧縮されたデータが書き込まれるので、RFIDタグ3に書き込まれたデータを読み出すには圧縮方式に対応した復号を行う必要があり、RFIDタグ3に書き込まれたデータを第三者に読み出される可能性を減らすことができる。これにより、RFIDタグ3に書き込まれたデータのセキュリティが向上する。
【0037】
具体的に図2を用いて説明する。図2(a)は、本実施の形態の概要を示す図であり、図2(b)は、従来の構成を示す図である。図2(a)に示すように本実施の形態では、RFIDリーダ/ライタ1は、上位機器であるPC(Personal Computer)2から、RFIDタグ3に書き込むべきデータを受信すると、受信したデータを圧縮し、送信に適した形式に変換して、アンテナ130を介して、RFIDタグ3へ送信する。
【0038】
一方、従来の構成では、図2(b)に示すように、RFIDリーダ/ライタ100は、PC2から受信した、RFIDタグ3に書き込むべきデータをそのまま送信に適した形式に変換して、アンテナ130を介して、RFIDタグ3へ送信する。
【0039】
よって、本実施の形態によれば、RFIDリーダ/ライタ1からRFIDタグ3へ送信するデータが圧縮されているので、送信すべきデータ量が減り、送信時間を短縮することができる。
【0040】
(RFIDリーダ/ライタの構成)
次に、図1を用いて、本実施の形態に係るRFIDリーダ/ライタ1について説明する。図1に示すように、RFIDリーダ/ライタ1は、制御部10、記憶部11、無線処理部(送信手段)12、アンテナ部13、および外部I/F部(データ取得部)14を含む構成である。
【0041】
制御部10は、RFIDリーダ/ライタ1内における動作を統括的に制御するものである。制御部10は、例えばPC(Personal Computer)ベースのコンピュータによって構成される。そして、RFIDリーダ/ライタ1の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディアに記録されているものを読み込んで使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み込んで使用する形態であってもよい。また、外部I/F部14を介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態などであってもよい。
【0042】
また、制御部10は、タグ制御部(領域情報作成手段、空き領域判定手段、領域不足情報送信手段)21およびデータ圧縮解凍部(データ圧縮手段、データ解凍手段、圧縮データ取得手段)22を備える構成である。タグ制御部21は、無線処理部12、アンテナ部13を介してRFIDタグ3に対し、所定のコマンドを送信したり、RFIDタグ3から受信したコマンドの処理行うものである。
【0043】
より詳細には、タグ制御部21は、外部I/F部14がRFIDタグ3に書き込むべきデータを受信すると、RFIDタグ3に対して、ファイルデータを送信するように要求する。そして、RFIDタグ3からファイルデータを取得すると、ファイルデータからアドレスマップを算出して、RFIDタグ3にデータの書き込みが可能か否かを判定する。そして、可能であれば、RFIDタグ3に書き込むべきデータについてファイルテーブルエリア505に書き込むべきデータであるファイル情報(領域情報、圧縮データ領域情報)を作成し、RFIDタグ3へ送信する。また、可能でなければ、RFIDタグ3へ書き込むべきデータの送信元であるRFIDリーダ/ライタ1の上位機器(送信元装置)に対し、RFIDタグ3にはデータを書き込む領域がないことを示すデータ(領域不足情報)を外部I/F部14を介して送信する。
【0044】
ここで、ファイルデータとは、RFIDタグ3のメモリ部35における、記憶領域と記憶している情報とを対応付けているデータである。ファイルデータを作成することにより、RFIDリーダ/ライタ1は、複数のデータをRFIDタグ3に書き込むことができる。
【0045】
データ圧縮解凍部22は、外部I/F部14を介して取得したRFIDタグ3へ書き込むデータを圧縮するものである。そして、圧縮後のデータである圧縮データのデータ長を算出し、圧縮データと該データのデータ長とを無線処理部12へ送信する。なお、データの圧縮の詳細については後述する。また、データ圧縮解凍部22は、アンテナ部13、無線処理部12を介して取得した、RFIDタグ3から送信された圧縮データを解凍する。また、RFIDタグ3に複数の圧縮データが書き込まれている場合、ファイルデータから所望の圧縮データの記憶領域を算出し、当該記憶領域に書き込まれている圧縮データを取得して、解凍する。
【0046】
記憶部11は、上記したハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。記憶部11に記憶される内容としては、上記した制御プログラム、OS(operating system)プログラム、およびその他各種プログラム、ならびに各種データが挙げられる。
【0047】
無線処理部12は、制御部10から受信したデータを無線送信に適した形式に変換し、変換した無線信号をアンテナ部13を介して外部に送信するとともに、外部からアンテナ部16を介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したデータを制御部10に送信するものである。無線処理部12には、A/D(Analog to Digital)変換回路、D/A(Digital to Analog)変換回路、変復調回路、RF回路などが使用される。
【0048】
アンテナ部13は、無線処理部12からの無線信号を電波として外部に送信するとともに、外部から受信した電波を無線信号に変換して無線処理部12に送信するものである。アンテナ部16には、アンテナ160、共振回路などが使用される。
【0049】
外部I/F部14は、PCなどの外部のデバイスと通信を行うものである。外部I/F部14のインタフェース規格としては、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、Ethernet(登録商標)、などが挙げられる。
【0050】
(RFIDタグの構成)
次にRFIDタグ3の構成について、図3を用いて説明する。なお、一般的なRFIDタグは、電池などの電源を有しておらず、RFIDリーダ/ライタから電波で送電された電力によって回路が動作し、RFIDリーダ/ライタとの無線通信を行うものである。
【0051】
図3に示すように、RFIDタグ3は、アンテナ部30および無線通信IC31を備える構成である。
【0052】
アンテナ部30は、RFIDリーダ/ライタ1からの電波を、無線通信IC31を動作させる電力源として受け取るものである。また、アンテナ部30は、RFIDリーダ/ライタ1から受信した電波を無線信号に変換して無線通信IC31に送信するとともに、無線通信IC31からの無線信号を電波に変換してRFIDリーダ/ライタ1に送信するものである。アンテナ部30には、アンテナ、共振回路などが使用される。
【0053】
無線通信IC31は、RFIDリーダ/ライタ1からアンテナ部30を介して受信した信号に基づいて、RFIDリーダ/ライタ1からのデータを記憶したり、記憶されたデータをアンテナ部30を介してRFIDリーダ/ライタ1に送信したりするものである。図5に示すように、無線通信IC31は、電源部32、無線処理部33、制御部34、およびメモリ部35を備える構成である。
【0054】
電源部32は、アンテナ部30が電波を受信することにより発生する誘起電圧を整流回路にて整流し、電源回路にて所定の電圧に調整した後、無線通信IC31の各部に供給するものである。電源部32には、ブリッジダイオード、電圧調整用コンデンサなどが使用される。
【0055】
無線処理部33は、外部からアンテナ部30を介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したデータを制御部34に送信するとともに、制御部34から受信したデータを無線送信に適した形式に変換し、変換した無線信号をアンテナ部30を介して外部に送信するものである。無線処理部33には、A/D(Analog to Digital)変換回路、D/A(Digital to Analog)変換回路、変復調回路、RF回路などが使用される。
【0056】
制御部34は、無線通信IC31内における動作を統括的に制御するものである。制御部34は、論理演算回路、レジスタなどを備え、コンピュータとして機能する。そして、動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。このプログラムは、例えばメモリ部35のROM(Read Only Memory)などにインストールされたものを読み込んで使用する形態であってもよいし、RFIDリーダ/ライタ1からアンテナ部30および無線処理部33を介して上記プログラムをダウンロードしてメモリ部35にインストールして実行する形態であってもよい。
【0057】
また、制御部34は、RFIDリーダ/ライタ1からアンテナ部30および無線処理部33を介して受信したデータに基づいて、RFIDリーダ/ライタ1からのデータをメモリ部35に記憶したり、メモリ部35に記憶されたデータを読み出して、無線処理部33およびアンテナ部30を介してRFIDリーダ/ライタ1に送信したりする。
【0058】
メモリ部35は、上記したROMや、SRAM(Static RAM)、FeRAM(強誘電体メモリ)などの半導体メモリによって構成される。このメモリ部35に記憶される内容としては、上記した制御プログラム、およびその他各種のプログラム、ならびに各種データが挙げられる。なお、無線通信IC31は、RFIDリーダ/ライタ1から送信される電波を電力源としているため、ROMなどの不揮発性メモリや、SRAM、FeRAMなどの消費電力の少ないメモリを利用することが望ましい。
【0059】
(RFIDタグのメモリ部の構造)
次に、図4、5を用いて、RFIDタグ3のメモリ部35の構造について説明する。図4は、1種類のデータを記憶するときのメモリ部35の構造であり、図5は、複数種類のデータを記憶するときのメモリ部35の構造である。
【0060】
図4に示すように、メモリ部35に記憶する(書き込む)データが1種類の場合、メモリ部35は、記憶するデータのデータ長を書き込むエリアであるデータ長書き込みエリア401と圧縮データを書き込むエリアである圧縮データ書き込みエリア402とを含む構造となっている。これは、書き込むべきデータが圧縮されているので、該書き込むべきデータのデータ長が可変となり、書き込まれている圧縮データのデータ長も書き込んでおかないと、当該圧縮データを読み出せなくなる可能性があるためである。
【0061】
また、図5に示すように、メモリ部35に記憶するデータが複数種類の場合、メモリ部35は、書き込むべきデータそれぞれのファイル名、ファイルサイズ、ファイル格納開始アドレスが書き込まれているファイルテーブルエリア505と、圧縮データを書き込む圧縮データ書き込みエリア506とを含む構造となっている。これは、書き込むべきデータが複数種類ある場合、それぞれのデータがどこに書き込まれているかを示す情報がなければ、データを読み出すことができなくなるためである。
【0062】
図5では、複数種類のデータとして、検査工程1ログデータ501a、検査工程2ログデータ502a、および検査工程3ログデータ503aをRFIDタグ3に書き込む例を示している。図5に示すように、これらのデータをRFIDタグ3に書き込む場合、これらのデータを圧縮し、圧縮したデータである検査工程1圧縮データ501b、検査工程2圧縮データ502b、および検査工程3圧縮データ503bのファイル名、ファイルサイズ、圧縮データ書き込みエリア506に書き込むときのファイル格納開始アドレスを示すファイル情報を作成する。そして、作成したファイル情報をメモリ部35のファイルテーブルエリア505に書き込む。
【0063】
具体的には、ファイルテーブルエリア505の検査工程1データ情報格納エリア511に検査工程1圧縮データ501bのファイル名、ファイルサイズ、圧縮データ書き込みエリア506に書き込むときのファイル格納開始アドレスを書き込む。同様に、ファイルテーブルエリア505の検査工程2データ情報格納エリア512に検査工程2圧縮データ502bのファイル名、ファイルサイズ、圧縮データ書き込みエリア506に書き込むときのファイル格納開始アドレスを書き込む。さらに、ファイルテーブルエリア505の検査工程3データ情報格納エリア513に検査工程3圧縮データ503bのファイル名、ファイルサイズ、圧縮データ書き込みエリア506に書き込むときのファイル格納開始アドレスを書き込む。
【0064】
そして、圧縮データである検査工程1圧縮データ501b、検査工程2圧縮データ502b、および検査工程3圧縮データ503bを、圧縮データ書き込みエリア506の、それぞれのファイル格納開始アドレスが示す位置に書き込む。
【0065】
(処理の流れ)
次に、図6、7を用いて、本実施の形態における処理の流れを説明する。図6は、1種類のデータをRFIDタグ3に書き込む場合の処理の流れを示し、図7は、複数種類のデータをRFIDタグ3に書き込む場合の処理の流れを示す。
【0066】
図6に示すように、1種類のデータをRFIDタグ3に書き込む場合、まず、RFIDリーダ/ライタ1の外部I/F部14は、上位機器からRFIDタグ3に書き込むべきデータを取得する(S601、データ取得ステップ)。そして、データ圧縮解凍部22には、外部I/F部14が取得したRFIDタグ3に書き込むべきデータを圧縮する(S602、データ圧縮ステップ)。さらに、データ圧縮解凍部22は、圧縮後のデータである圧縮データのデータ長を算出する(S603)。そして、無線処理部12およびアンテナ部13を介して、算出したデータ長をRFIDタグ3へ送信する(S604、送信ステップ)。そして、RFIDタグ3は、受信したデータ長をメモリ部35に書き込む(S605)。次に、RFIDリーダ/ライタ1は、データ圧縮解凍部22に圧縮した圧縮データをRFIDタグ3へ送信する(S606)。RFIDタグ3は、圧縮データを受信すると、メモリ部35の圧縮データ書き込みエリア402に書き込む(S607)。以上で、1種類のデータをRFIDタグ3に書き込む場合の処理が終了する。
【0067】
次に、複数種類のデータをRFIDタグ3に書き込む場合の処理の流れについて、図7を用いて説明する。
【0068】
図7に示すように、まず、RFIDリーダ/ライタ1の外部I/F部14は、RFIDタグ3に書き込むべき複数種類のデータを取得する(S701)。次に、タグ制御部21は、RFIDタグ3に対して、ファイルテーブルを送信するように要求する(S702)。そして、RFIDタグ3は、要求に応じてファイルテーブルをRFIDリーダ/ライタ1へ送信する(S703)。タグ制御部21は、ファイルテーブルを取得すると(S704)、メモリ部35において、これからデータを書き込む位置を示すアドレスマップを算出する(S705)。
【0069】
次に、データ圧縮解凍部22は、外部I/F部14が取得したRFIDタグ3に書き込むべき複数種類のデータをそれぞれ圧縮し(S706)、圧縮後のデータである圧縮データそれぞれのデータ長を算出する(S707)。そして、タグ制御部21は、算出したアドレスマップおよびデータ長から、メモリ部35に圧縮データを書き込むことが可能か否かを判定し、可能と判定すると(S708でYES)、メモリ部35のファイルテーブルエリア505へ書き込むデータであるファイル情報を作成する(S710)。そして、作成したファイル情報をRFIDタグ3へ送信する(S711)。RFIDタグ3は、受信したファイル情報を、メモリ部35のファイルテーブルエリア505に書き込む(S712)。次に、RFIDリーダ/ライタ1は、圧縮したデータである圧縮データそれぞれをRFIDタグ3へ送信する(S713)。そして、RFIDタグ3は、受信した圧縮データそれぞれを、メモリ部35の圧縮データ書き込みエリア506に書き込む(S714)。
【0070】
一方、メモリ部35に圧縮データを書き込むことが不可能と判定すると(S708でNO)、タグ制御部21は、外部I/F部14を介して、RFIDタグ3に書き込むべきデータの送信元である上位機器に、RFIDタグ3への書き込みが不可能であることを示すアドレスオーバーエラーを送信する(S709)。以上で、複数種類のデータをRFIDタグ3に書き込む場合の処理が終了する。
【0071】
(圧縮例)
次に図8〜11を用いて、データ圧縮解凍部22におけるデータ圧縮・変換の例について説明する。図8は、LZH形式でデータを圧縮した場合を示す図であり、図9〜11は、“0”と“1”とを反転させる圧縮形式(以下、“0−1”反転形式と呼ぶ)でデータを変換した場合を示す図である。
【0072】
まず、LZH形式でデータを圧縮した場合について説明する。図8のデータ801は圧縮前の状態を示すものであり、データ802はLZH形式でデータ801を圧縮した後の状態を示すものである。圧縮前のデータ801のデータ量は512バイトであり、圧縮後のデータ802のデータ量は、68バイトである。このように、LZH形式でデータを圧縮することにより、データ量を約87%減らすことができる。これにより、RFIDリーダ/ライタ1とRFIDタグ3との通信時間の短縮、およびRFIDタグ3におけるメモリ使用量の改善を図ることができる。
【0073】
次に、0−1反転形式でデータを変換した場合について説明する。0−1反転形式とは、変換対象となるデータのビット列の“0”と“1”との出現数を計数し、“0”が多い場合はデータをそのままとし、“1”が多い場合は、“0”と“1”とを入れ換えたデータにするものである。本実施の形態では、RFIDリーダ/ライタ1からRFIDタグ3へコマンドを送信する単位(16ビット)で、0−1反転形式でデータを変換する。なお、0−1反転形式は、UHF帯域においてRFIDリーダ/ライタ1とRFIDタグ3との通信が行われる場合に適用できる。
【0074】
図9(a)のデータ901は、変換前の状態と示すものであり、データ902は、0−1反転形式で変換した後の状態を示すものである。また、図9(b)は、0−1反転形式で変換した場合の、メモリ部35の構造を示すものである。図9(b)に示すように、0−1反転形式で変換した場合、メモリ部35は、変換データを書き込む変換データ書き込みエリア903と変換情報を示すデータを書き込む変換情報フラグ書き込みエリア904とを含んでいる。なお、変換情報フラグの書き込みは、HF(High Frequency)機器のライトプロテクト方式に従っている。
【0075】
0−1反転形式でデータを変換することにより、変換前のデータ901および変換後のデータ902はともに、データ量が512バイトで変わらないが、RFIDリーダ/ライタ1とRFIDタグ3との通信時間が約10%改善される。この理由について、図10、11を用いて説明する。図10は、UHF帯において、データ“0”とデータ“1”とのシンボル時間を示すものである。図10に示すように、データ“0”のシンボル時間が1Tari(TypeA Reference Interval)であるのに対し、データ“1”のシンボル時間は、1.5〜2.0Tariとなっている。これにより、データ“1”よりもデータ“0”の方が送信時間が短いことが分かる。
【0076】
また、図11は、LF帯において、データ“0”と、データ“1”との送信時間を示すものである。図11に示すようにデータ“0”は、134.2kHzであり、送信時間が119.9μsであるのに対し、データ“1”は、123.2kHzで、送信時間は129.2μsである。よって、データ“0”の方がデータ“1”よりも送信時間が短いことが分かる。
【0077】
以上より、0−1反転形式でデータを変換して、“1”が多い場合は、“0”と“1”とを入れ換えたデータに変換することにより、データの送信時間(RFIDリーダ/ライタ1からRFIDタグ3への送信時間およびRFIDタグ3からRFIDリーダ/ライタ1への受信時間)を短縮することができる。また、圧縮・解凍方式よりも演算処理負荷が軽いので、この点でもデータの送信時間を短縮することができる。
【0078】
なお、0−1反転形式は、データが“0”と“1”との場合に限られるものではなく、一方の情報を送信するために必要な時間である情報送信時間と他方の情報送信時間とが異なる場合であれば適用することが可能である。
【0079】
また、0−1反転形式は、0−1反転形式のデータ変換が可能なRFIDリーダ/ライタ1と不可能なRFIDリーダ/ライタ1とを各工程に設置することで、RFIDリーダ/ライタ1とRFIDタグ3との通信を行いたい工程のみで処理を行うということが可能となり、工程管理に利用することができる。
【0080】
また、上記のように独自のデータ圧縮方法を用いることにより、当該圧縮を行った装置以外で圧縮データを読み出して解凍することが不可能となる。これにより、RFIDタグ3に書き込まれたデータの安全性が高まり、RFIDリーダ/ライタ1とRFIDタグ3との通信システムにおけるセキュリティが向上する。
【0081】
また、RFIDリーダ/ライタ1からRFIDタグ3への送信速度とRFIDタグ3からRFIDリーダ/ライタ1への受信速度とが異なる場合、送信速度と受信速度とから送受信時間を算出し、一方の情報を送受信するために必要な時間である情報送受信時間と他方の情報送受信時間とを比較して、より送受信時間が短縮されるようにデータを変換するものであってもよい。
【0082】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0083】
(ソフトウェアによる構成)
最後に、RFIDリーダ/ライタ1およびRFIDタグ3の各ブロック、特にRFIDリーダ/ライタ1の制御部10(タグ制御部21、データ圧縮解凍部22)、無線処理部12、およびRFIDタグ3の制御部34は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現していもよいし、CPU(central processing unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0084】
後者の場合、RFIDリーダ/ライタ1およびRFIDタグ3は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるRFIDリーダ/ライタ1およびRFIDタグ3の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記のRFIDリーダ/ライタ1およびRFIDタグ3に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU(microprocessor unit))が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0085】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM(compact disc read-only memory)/MO(magneto-optical)/MD(Mini Disc)/DVD(digital versatile disk)/CD−R(CD Recordable)等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM(erasable programmable read-only memory)/EEPROM(electrically erasable and programmable read-only memory)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0086】
また、RFIDリーダ/ライタ1およびRFIDタグ3を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(local area network)、ISDN(integrated services digital network)、VAN(value-added network)、CATV(community antenna television)通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE(institute of electrical and electronic engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(asynchronous digital subscriber loop)回線等の有線でも、IrDA(infrared data association)やリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(high data rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
RFIDタグに送信するデータを圧縮して送信することができるので、データ量の多い情報をRFIDタグに送信するタグ通信装置に好適である。
【符号の説明】
【0088】
1 RFIDリーダ/ライタ(タグ通信装置)
3 RFIDタグ
11 記憶部
12 無線処理部(送信手段)
13 アンテナ部
14 外部I/F部(データ取得部)
21 タグ制御部(領域情報作成手段、空き領域判定手段、領域不足情報送信手段)
22 データ圧縮解凍部(データ圧縮手段、データ解凍手段、圧縮データ取得手段)
35 メモリ部(記憶部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波を介してRFIDタグと無線通信を行うタグ通信装置、タグ通信装置の制御方法、およびタグ通信装置制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)タグ(無線タグ)に対し、リーダ/ライタであるタグ通信装置により無線で通信を行うRFID技術が利用されている。そして、RFIDタグは、バーコードに替わるものとして特に物流の分野において期待を集めており、近い将来において爆発的に普及することが予想されている。
【0003】
そして、RFIDタグの記憶領域には、例えば、対象物品の名称、製造年月日、用途に応じた種々の情報や、氏名、生年月日等の個人情報等が記憶されている。
【0004】
また、RFIDタグが普及し、RFIDタグの利用範囲が広がると、RFIDタグの記憶領域に記憶すべき情報も増えることが予想され、RFIDタグの記憶容量を増大させる必要性が出てくる。
【0005】
また、特許文献1には、RFIDタグに、第1の情報と、第1の情報と同一内容で第1の情報とは異なる態様で処理した(例えば、圧縮した)第2の情報とを記憶する技術が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献2には、RFIDタグにタグ通信装置からの信号に対する応答回数を積算する手段を備え、応答回数が所定の回数に達すると応答を行わないようにすることで、RFIDタグに記憶された情報のセキュリティを向上させる技術が開示されている。
【0007】
また、特許文献3には、複数のRFIDタグがある場合に、所定のキーコードで、第1のRFIDタグに記憶すべき情報を暗号化し、第2のRFIDタグに記憶すべき情報を第1のRFIDタグに記憶すべき情報で暗号化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−213115号公報(2007年8月23日公開)
【特許文献2】特開2009−15606号公報(2009年1月22日公開)
【特許文献3】特開2007−94873号公報(2007年4月12日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、RFIDタグの利用範囲が広がることにより、RFIDタグの記憶領域の容量を増大させる必要性が出てきた場合、タグ通信装置とRFIDタグとの通信における情報量も増え、通信が完了するまでに時間がかかるという問題を生じる。
【0010】
この問題に対し、上記特許文献1の構成では、RFIDタグに記憶すべき第1の情報と、第1の情報と同一内容で第1の情報とは異なる態様で処理した第2の情報とをタグ通信装置からRFIDタグへ送信するので、第2の情報が第1の情報を圧縮したものであっても、より時間がかかってしまい、通信時間の短縮にはつながらない。
【0011】
また、上記特許文献2、3に記載の構成でも、RFIDタグに記憶すべき情報をRFIDタグに送信するのみであり、タグ通信装置とRFIDタグとの通信時間の短縮にはつながらない。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、RFIDタグとの通信時間を短縮できるタグ通信装置等を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係るタグ通信装置は、電波を介してRFIDタグと無線通信を行うタグ通信装置であって、上記RFIDタグに送信する送信データを取得するデータ取得部と、上記データ取得部で取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮手段と、上記データ圧縮手段が圧縮した部分については、該データ圧縮手段が出力した圧縮データのみを、上記RFIDタグに送信する送信手段と、を備えていることを特徴としている。
【0014】
また、本発明に係るタグ通信装置の制御方法は、電波を介してRFIDタグと無線通信を行うタグ通信装置の制御方法であって、上記RFIDタグに送信する送信データを取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップで取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮ステップと、上記データ圧縮ステップで圧縮した部分については、該データ圧縮ステップで出力した圧縮データのみを上記RFIDタグに送信する送信ステップと、を含むことを特徴としている。
【0015】
上記の構成または方法によれば、RFIDタグに送信するデータとして取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮した部分については、圧縮後のデータである圧縮データのみをRFIDタグに送信する。よって、データを圧縮しない場合と比較して送信すべきデータ量を削減することができるので、自装置とRFIDタグとの通信時間の短縮を実現することができる。また、RFIDタグに対し、同じデータ量でより多くの情報を記憶させることができる。
【0016】
本発明に係るタグ通信装置では、上記RFIDタグの記憶部における、記憶する領域と記憶する情報とを対応付けた領域情報を作成する領域情報作成手段を備え、上記データ取得部は、複数の上記送信データを取得し、上記データ圧縮手段は、上記データ取得部が取得した複数の上記送信データを圧縮するとともに、それぞれの圧縮データを出力し、上記領域情報作成手段は、上記圧縮データのうち、どの圧縮データが上記RFIDタグの記憶部のどの領域に記憶されるかを対応付けた圧縮データ領域情報を作成し、上記送信手段は、上記データ圧縮手段が出力した複数の圧縮データと、上記領域情報作成手段が作成した圧縮データ領域情報とを送信するものであってもよい。
【0017】
上記の構成によれば、取得した複数の送信データをそれぞれ圧縮するとともに、それぞれの圧縮データをRFIDタグの記憶部のどの領域に記憶するかを対応付けた圧縮データ領域情報を作成する。そして、複数の圧縮データと圧縮データ領域情報とをRFIDタグに送信する。
【0018】
従来、RFIDタグには、記憶領域と記憶されている情報とを対応付けたテーブルが存在しなかったので、1つのデータしか送信できなかった。しかしながら、上記の構成によれば、それぞれの圧縮データをRFIDタグの記憶部のどの領域に記憶するかを対応付けた圧縮データ領域情報を送信するので、複数のデータをRFIDタグに送信することができる。
【0019】
本発明に係るタグ通信装置では、上記RFIDタグの記憶部に上記圧縮データを記憶することができる空き領域があるか否かを判定する空き領域判定手段と、上記空き領域判定手段が、空き領域がないと判定したとき、上記データ取得部が取得した送信データの送信元装置に対し、空き領域がない旨を示す領域不足情報を送信する領域不足情報送信手段と、を備えているものであってもよい。
【0020】
上記の構成によれば、RFIDタグに圧縮データを記憶する空き領域がない場合、送信データの送信元装置に対し、空き領域がない旨を示す領域不足情報を送信する。これにより、送信元装置において、RFIDタグ3に送信データを記憶する空き領域がないことを認識することができる。
【0021】
本発明に係るタグ通信装置では、データビット列のビット情報を送信するために必要な時間であるビット情報送信時間が一方よりも他方が長い通信形式において、上記データ圧縮手段は、上記送信データにおけるデータビット列のビットの出現数を計数し、ビット情報送信時間が短いビットの方がビット情報送信時間が長いビットよりも多い場合は、上記送信データをそのまま出力し、ビット情報送信時間が長いビットの方がビット情報送信時間が短いビットよりも多い場合は、上記送信データにおけるデータビット列のビットを入れ換えた変換データを作成して出力するものであってもよい。
【0022】
上記の構成によれば、データビット列のビット情報を送信するために必要な時間であるビット情報送信時間が一方よりも他方が長い通信形式において、送信データのデータビット列のビット情報送信時間が長いビットが多い場合に、ビットを入れ換えると、送信データ全体の送信時間を短くすることができる。これにより、自装置とRFIDタグとの通信時間、すなわち自装置からRFIDタグへの送信時間およびRFIDタグから自装置への受信時間を短縮することができる。
【0023】
また、データビット列のビットの出現数を計数し、出現数の大小を比較してデータ変換を行うという簡易な処理でデータの変換を行うことができるので、従来のデータ圧縮方法と比較して処理負荷を軽くすることができる。
【0024】
また、上記の構成によれば、データ圧縮手段は独自の方法でデータを圧縮するので、圧縮されたデータを他の装置で読み出すことできなくなる。よって、RFIDタグに記憶されているデータを、他の装置で読み出すことができず、データの安全性が向上する。
【0025】
本発明に係るタグ通信装置では、上記送信手段が上記RFIDタグに送信した圧縮データを該RFIDタグ3から取得する圧縮データ取得手段と、上記圧縮データ取得手段が取得した圧縮データを解凍するデータ解凍手段と、を備えているものであってもよい。
【0026】
上記の構成によれば、RFIDタグに送信した圧縮データを解凍することができるので、圧縮データの内容を認識することができる。
【0027】
本発明に係るタグ通信装置では、上記送信手段が上記RFIDタグに送信した圧縮データ領域情報を用いて所望の圧縮データを取得する圧縮データ取得手段と、上記圧縮データ取得手段が取得した圧縮データを解凍するデータ解凍手段と、を備えているものであってもよい。
【0028】
上記の構成によれば、RFIDタグに送信された複数の圧縮データのうち、所望の圧縮データを取得して解凍することができる。これにより、所望の圧縮データの内容を認識することができる。
【0029】
なお、上記タグ通信装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記タグ通信装置をコンピュータにて実現させるタグ通信装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0030】
以上のように、本発明に係るタグ通信装置はRFIDタグに送信する送信データを取得するデータ取得部と、上記データ取得部で取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮手段と、上記データ圧縮手段が圧縮した部分については、該データ圧縮手段が出力した圧縮データのみを、上記RFIDタグに送信する送信手段と、を備えている構成である。
【0031】
また、本発明に係るタグ通信装置の制御方法は、RFIDタグに送信する送信データを取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップで取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮ステップと、上記データ圧縮ステップで圧縮した部分については、該データ圧縮ステップで出力した圧縮データのみを上記RFIDタグに送信する送信ステップと、を含む方法である。
【0032】
これにより、データを圧縮しない場合と比較して送信すべきデータ量を削減することができるので、自装置とRFIDタグとの通信時間の短縮を実現することができるという効果を奏する。また、RFIDタグに対し、同じデータ量でより多くの情報を記憶させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態を示すものであり、RFIDリーダ/ライタの要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記実施の形態の概要を示す図である。
【図3】上記実施の形態を示すものであり、RFIDタグの要部構成を示すブロック図である。
【図4】上記RFIDタグのメモリ部の構成を示す図である。
【図5】上記RFIDタグのメモリ部の構成を示す図である。
【図6】上記実施の形態における処理の流れを示すシーケンス図である。
【図7】上記実施の形態における処理の流れを示すシーケンス図である。
【図8】上記RFIDリーダ/ライタのデータ圧縮解凍部におけるデータ圧縮の説明図である。
【図9】上記RFIDリーダ/ライタのデータ圧縮解凍部におけるデータ圧縮の説明図である。
【図10】上記データ圧縮解凍部における、0−1反転形式の効果を示す図である。
【図11】上記データ圧縮解凍部における、0−1反転形式の効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(本実施の形態の概要)
本発明の一実施の形態について図1から図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態に係るRFIDリーダ/ライタ(タグ通信装置)1は、RFIDタグ3に対し、無線通信を行ってデータの読み書きを行うものである。
【0035】
本実施の形態では、RFIDリーダ/ライタ1がRFIDタグ3に対し無線通信を行うにあたり、データを圧縮してRFIDタグ3に送信することで、送信するデータの情報量を減らし、送信時間の短縮を実現するものである。
【0036】
また、RFIDタグ3には、圧縮されたデータが書き込まれるので、RFIDタグ3に書き込まれたデータを読み出すには圧縮方式に対応した復号を行う必要があり、RFIDタグ3に書き込まれたデータを第三者に読み出される可能性を減らすことができる。これにより、RFIDタグ3に書き込まれたデータのセキュリティが向上する。
【0037】
具体的に図2を用いて説明する。図2(a)は、本実施の形態の概要を示す図であり、図2(b)は、従来の構成を示す図である。図2(a)に示すように本実施の形態では、RFIDリーダ/ライタ1は、上位機器であるPC(Personal Computer)2から、RFIDタグ3に書き込むべきデータを受信すると、受信したデータを圧縮し、送信に適した形式に変換して、アンテナ130を介して、RFIDタグ3へ送信する。
【0038】
一方、従来の構成では、図2(b)に示すように、RFIDリーダ/ライタ100は、PC2から受信した、RFIDタグ3に書き込むべきデータをそのまま送信に適した形式に変換して、アンテナ130を介して、RFIDタグ3へ送信する。
【0039】
よって、本実施の形態によれば、RFIDリーダ/ライタ1からRFIDタグ3へ送信するデータが圧縮されているので、送信すべきデータ量が減り、送信時間を短縮することができる。
【0040】
(RFIDリーダ/ライタの構成)
次に、図1を用いて、本実施の形態に係るRFIDリーダ/ライタ1について説明する。図1に示すように、RFIDリーダ/ライタ1は、制御部10、記憶部11、無線処理部(送信手段)12、アンテナ部13、および外部I/F部(データ取得部)14を含む構成である。
【0041】
制御部10は、RFIDリーダ/ライタ1内における動作を統括的に制御するものである。制御部10は、例えばPC(Personal Computer)ベースのコンピュータによって構成される。そして、RFIDリーダ/ライタ1の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディアに記録されているものを読み込んで使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み込んで使用する形態であってもよい。また、外部I/F部14を介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態などであってもよい。
【0042】
また、制御部10は、タグ制御部(領域情報作成手段、空き領域判定手段、領域不足情報送信手段)21およびデータ圧縮解凍部(データ圧縮手段、データ解凍手段、圧縮データ取得手段)22を備える構成である。タグ制御部21は、無線処理部12、アンテナ部13を介してRFIDタグ3に対し、所定のコマンドを送信したり、RFIDタグ3から受信したコマンドの処理行うものである。
【0043】
より詳細には、タグ制御部21は、外部I/F部14がRFIDタグ3に書き込むべきデータを受信すると、RFIDタグ3に対して、ファイルデータを送信するように要求する。そして、RFIDタグ3からファイルデータを取得すると、ファイルデータからアドレスマップを算出して、RFIDタグ3にデータの書き込みが可能か否かを判定する。そして、可能であれば、RFIDタグ3に書き込むべきデータについてファイルテーブルエリア505に書き込むべきデータであるファイル情報(領域情報、圧縮データ領域情報)を作成し、RFIDタグ3へ送信する。また、可能でなければ、RFIDタグ3へ書き込むべきデータの送信元であるRFIDリーダ/ライタ1の上位機器(送信元装置)に対し、RFIDタグ3にはデータを書き込む領域がないことを示すデータ(領域不足情報)を外部I/F部14を介して送信する。
【0044】
ここで、ファイルデータとは、RFIDタグ3のメモリ部35における、記憶領域と記憶している情報とを対応付けているデータである。ファイルデータを作成することにより、RFIDリーダ/ライタ1は、複数のデータをRFIDタグ3に書き込むことができる。
【0045】
データ圧縮解凍部22は、外部I/F部14を介して取得したRFIDタグ3へ書き込むデータを圧縮するものである。そして、圧縮後のデータである圧縮データのデータ長を算出し、圧縮データと該データのデータ長とを無線処理部12へ送信する。なお、データの圧縮の詳細については後述する。また、データ圧縮解凍部22は、アンテナ部13、無線処理部12を介して取得した、RFIDタグ3から送信された圧縮データを解凍する。また、RFIDタグ3に複数の圧縮データが書き込まれている場合、ファイルデータから所望の圧縮データの記憶領域を算出し、当該記憶領域に書き込まれている圧縮データを取得して、解凍する。
【0046】
記憶部11は、上記したハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。記憶部11に記憶される内容としては、上記した制御プログラム、OS(operating system)プログラム、およびその他各種プログラム、ならびに各種データが挙げられる。
【0047】
無線処理部12は、制御部10から受信したデータを無線送信に適した形式に変換し、変換した無線信号をアンテナ部13を介して外部に送信するとともに、外部からアンテナ部16を介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したデータを制御部10に送信するものである。無線処理部12には、A/D(Analog to Digital)変換回路、D/A(Digital to Analog)変換回路、変復調回路、RF回路などが使用される。
【0048】
アンテナ部13は、無線処理部12からの無線信号を電波として外部に送信するとともに、外部から受信した電波を無線信号に変換して無線処理部12に送信するものである。アンテナ部16には、アンテナ160、共振回路などが使用される。
【0049】
外部I/F部14は、PCなどの外部のデバイスと通信を行うものである。外部I/F部14のインタフェース規格としては、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、Ethernet(登録商標)、などが挙げられる。
【0050】
(RFIDタグの構成)
次にRFIDタグ3の構成について、図3を用いて説明する。なお、一般的なRFIDタグは、電池などの電源を有しておらず、RFIDリーダ/ライタから電波で送電された電力によって回路が動作し、RFIDリーダ/ライタとの無線通信を行うものである。
【0051】
図3に示すように、RFIDタグ3は、アンテナ部30および無線通信IC31を備える構成である。
【0052】
アンテナ部30は、RFIDリーダ/ライタ1からの電波を、無線通信IC31を動作させる電力源として受け取るものである。また、アンテナ部30は、RFIDリーダ/ライタ1から受信した電波を無線信号に変換して無線通信IC31に送信するとともに、無線通信IC31からの無線信号を電波に変換してRFIDリーダ/ライタ1に送信するものである。アンテナ部30には、アンテナ、共振回路などが使用される。
【0053】
無線通信IC31は、RFIDリーダ/ライタ1からアンテナ部30を介して受信した信号に基づいて、RFIDリーダ/ライタ1からのデータを記憶したり、記憶されたデータをアンテナ部30を介してRFIDリーダ/ライタ1に送信したりするものである。図5に示すように、無線通信IC31は、電源部32、無線処理部33、制御部34、およびメモリ部35を備える構成である。
【0054】
電源部32は、アンテナ部30が電波を受信することにより発生する誘起電圧を整流回路にて整流し、電源回路にて所定の電圧に調整した後、無線通信IC31の各部に供給するものである。電源部32には、ブリッジダイオード、電圧調整用コンデンサなどが使用される。
【0055】
無線処理部33は、外部からアンテナ部30を介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したデータを制御部34に送信するとともに、制御部34から受信したデータを無線送信に適した形式に変換し、変換した無線信号をアンテナ部30を介して外部に送信するものである。無線処理部33には、A/D(Analog to Digital)変換回路、D/A(Digital to Analog)変換回路、変復調回路、RF回路などが使用される。
【0056】
制御部34は、無線通信IC31内における動作を統括的に制御するものである。制御部34は、論理演算回路、レジスタなどを備え、コンピュータとして機能する。そして、動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。このプログラムは、例えばメモリ部35のROM(Read Only Memory)などにインストールされたものを読み込んで使用する形態であってもよいし、RFIDリーダ/ライタ1からアンテナ部30および無線処理部33を介して上記プログラムをダウンロードしてメモリ部35にインストールして実行する形態であってもよい。
【0057】
また、制御部34は、RFIDリーダ/ライタ1からアンテナ部30および無線処理部33を介して受信したデータに基づいて、RFIDリーダ/ライタ1からのデータをメモリ部35に記憶したり、メモリ部35に記憶されたデータを読み出して、無線処理部33およびアンテナ部30を介してRFIDリーダ/ライタ1に送信したりする。
【0058】
メモリ部35は、上記したROMや、SRAM(Static RAM)、FeRAM(強誘電体メモリ)などの半導体メモリによって構成される。このメモリ部35に記憶される内容としては、上記した制御プログラム、およびその他各種のプログラム、ならびに各種データが挙げられる。なお、無線通信IC31は、RFIDリーダ/ライタ1から送信される電波を電力源としているため、ROMなどの不揮発性メモリや、SRAM、FeRAMなどの消費電力の少ないメモリを利用することが望ましい。
【0059】
(RFIDタグのメモリ部の構造)
次に、図4、5を用いて、RFIDタグ3のメモリ部35の構造について説明する。図4は、1種類のデータを記憶するときのメモリ部35の構造であり、図5は、複数種類のデータを記憶するときのメモリ部35の構造である。
【0060】
図4に示すように、メモリ部35に記憶する(書き込む)データが1種類の場合、メモリ部35は、記憶するデータのデータ長を書き込むエリアであるデータ長書き込みエリア401と圧縮データを書き込むエリアである圧縮データ書き込みエリア402とを含む構造となっている。これは、書き込むべきデータが圧縮されているので、該書き込むべきデータのデータ長が可変となり、書き込まれている圧縮データのデータ長も書き込んでおかないと、当該圧縮データを読み出せなくなる可能性があるためである。
【0061】
また、図5に示すように、メモリ部35に記憶するデータが複数種類の場合、メモリ部35は、書き込むべきデータそれぞれのファイル名、ファイルサイズ、ファイル格納開始アドレスが書き込まれているファイルテーブルエリア505と、圧縮データを書き込む圧縮データ書き込みエリア506とを含む構造となっている。これは、書き込むべきデータが複数種類ある場合、それぞれのデータがどこに書き込まれているかを示す情報がなければ、データを読み出すことができなくなるためである。
【0062】
図5では、複数種類のデータとして、検査工程1ログデータ501a、検査工程2ログデータ502a、および検査工程3ログデータ503aをRFIDタグ3に書き込む例を示している。図5に示すように、これらのデータをRFIDタグ3に書き込む場合、これらのデータを圧縮し、圧縮したデータである検査工程1圧縮データ501b、検査工程2圧縮データ502b、および検査工程3圧縮データ503bのファイル名、ファイルサイズ、圧縮データ書き込みエリア506に書き込むときのファイル格納開始アドレスを示すファイル情報を作成する。そして、作成したファイル情報をメモリ部35のファイルテーブルエリア505に書き込む。
【0063】
具体的には、ファイルテーブルエリア505の検査工程1データ情報格納エリア511に検査工程1圧縮データ501bのファイル名、ファイルサイズ、圧縮データ書き込みエリア506に書き込むときのファイル格納開始アドレスを書き込む。同様に、ファイルテーブルエリア505の検査工程2データ情報格納エリア512に検査工程2圧縮データ502bのファイル名、ファイルサイズ、圧縮データ書き込みエリア506に書き込むときのファイル格納開始アドレスを書き込む。さらに、ファイルテーブルエリア505の検査工程3データ情報格納エリア513に検査工程3圧縮データ503bのファイル名、ファイルサイズ、圧縮データ書き込みエリア506に書き込むときのファイル格納開始アドレスを書き込む。
【0064】
そして、圧縮データである検査工程1圧縮データ501b、検査工程2圧縮データ502b、および検査工程3圧縮データ503bを、圧縮データ書き込みエリア506の、それぞれのファイル格納開始アドレスが示す位置に書き込む。
【0065】
(処理の流れ)
次に、図6、7を用いて、本実施の形態における処理の流れを説明する。図6は、1種類のデータをRFIDタグ3に書き込む場合の処理の流れを示し、図7は、複数種類のデータをRFIDタグ3に書き込む場合の処理の流れを示す。
【0066】
図6に示すように、1種類のデータをRFIDタグ3に書き込む場合、まず、RFIDリーダ/ライタ1の外部I/F部14は、上位機器からRFIDタグ3に書き込むべきデータを取得する(S601、データ取得ステップ)。そして、データ圧縮解凍部22には、外部I/F部14が取得したRFIDタグ3に書き込むべきデータを圧縮する(S602、データ圧縮ステップ)。さらに、データ圧縮解凍部22は、圧縮後のデータである圧縮データのデータ長を算出する(S603)。そして、無線処理部12およびアンテナ部13を介して、算出したデータ長をRFIDタグ3へ送信する(S604、送信ステップ)。そして、RFIDタグ3は、受信したデータ長をメモリ部35に書き込む(S605)。次に、RFIDリーダ/ライタ1は、データ圧縮解凍部22に圧縮した圧縮データをRFIDタグ3へ送信する(S606)。RFIDタグ3は、圧縮データを受信すると、メモリ部35の圧縮データ書き込みエリア402に書き込む(S607)。以上で、1種類のデータをRFIDタグ3に書き込む場合の処理が終了する。
【0067】
次に、複数種類のデータをRFIDタグ3に書き込む場合の処理の流れについて、図7を用いて説明する。
【0068】
図7に示すように、まず、RFIDリーダ/ライタ1の外部I/F部14は、RFIDタグ3に書き込むべき複数種類のデータを取得する(S701)。次に、タグ制御部21は、RFIDタグ3に対して、ファイルテーブルを送信するように要求する(S702)。そして、RFIDタグ3は、要求に応じてファイルテーブルをRFIDリーダ/ライタ1へ送信する(S703)。タグ制御部21は、ファイルテーブルを取得すると(S704)、メモリ部35において、これからデータを書き込む位置を示すアドレスマップを算出する(S705)。
【0069】
次に、データ圧縮解凍部22は、外部I/F部14が取得したRFIDタグ3に書き込むべき複数種類のデータをそれぞれ圧縮し(S706)、圧縮後のデータである圧縮データそれぞれのデータ長を算出する(S707)。そして、タグ制御部21は、算出したアドレスマップおよびデータ長から、メモリ部35に圧縮データを書き込むことが可能か否かを判定し、可能と判定すると(S708でYES)、メモリ部35のファイルテーブルエリア505へ書き込むデータであるファイル情報を作成する(S710)。そして、作成したファイル情報をRFIDタグ3へ送信する(S711)。RFIDタグ3は、受信したファイル情報を、メモリ部35のファイルテーブルエリア505に書き込む(S712)。次に、RFIDリーダ/ライタ1は、圧縮したデータである圧縮データそれぞれをRFIDタグ3へ送信する(S713)。そして、RFIDタグ3は、受信した圧縮データそれぞれを、メモリ部35の圧縮データ書き込みエリア506に書き込む(S714)。
【0070】
一方、メモリ部35に圧縮データを書き込むことが不可能と判定すると(S708でNO)、タグ制御部21は、外部I/F部14を介して、RFIDタグ3に書き込むべきデータの送信元である上位機器に、RFIDタグ3への書き込みが不可能であることを示すアドレスオーバーエラーを送信する(S709)。以上で、複数種類のデータをRFIDタグ3に書き込む場合の処理が終了する。
【0071】
(圧縮例)
次に図8〜11を用いて、データ圧縮解凍部22におけるデータ圧縮・変換の例について説明する。図8は、LZH形式でデータを圧縮した場合を示す図であり、図9〜11は、“0”と“1”とを反転させる圧縮形式(以下、“0−1”反転形式と呼ぶ)でデータを変換した場合を示す図である。
【0072】
まず、LZH形式でデータを圧縮した場合について説明する。図8のデータ801は圧縮前の状態を示すものであり、データ802はLZH形式でデータ801を圧縮した後の状態を示すものである。圧縮前のデータ801のデータ量は512バイトであり、圧縮後のデータ802のデータ量は、68バイトである。このように、LZH形式でデータを圧縮することにより、データ量を約87%減らすことができる。これにより、RFIDリーダ/ライタ1とRFIDタグ3との通信時間の短縮、およびRFIDタグ3におけるメモリ使用量の改善を図ることができる。
【0073】
次に、0−1反転形式でデータを変換した場合について説明する。0−1反転形式とは、変換対象となるデータのビット列の“0”と“1”との出現数を計数し、“0”が多い場合はデータをそのままとし、“1”が多い場合は、“0”と“1”とを入れ換えたデータにするものである。本実施の形態では、RFIDリーダ/ライタ1からRFIDタグ3へコマンドを送信する単位(16ビット)で、0−1反転形式でデータを変換する。なお、0−1反転形式は、UHF帯域においてRFIDリーダ/ライタ1とRFIDタグ3との通信が行われる場合に適用できる。
【0074】
図9(a)のデータ901は、変換前の状態と示すものであり、データ902は、0−1反転形式で変換した後の状態を示すものである。また、図9(b)は、0−1反転形式で変換した場合の、メモリ部35の構造を示すものである。図9(b)に示すように、0−1反転形式で変換した場合、メモリ部35は、変換データを書き込む変換データ書き込みエリア903と変換情報を示すデータを書き込む変換情報フラグ書き込みエリア904とを含んでいる。なお、変換情報フラグの書き込みは、HF(High Frequency)機器のライトプロテクト方式に従っている。
【0075】
0−1反転形式でデータを変換することにより、変換前のデータ901および変換後のデータ902はともに、データ量が512バイトで変わらないが、RFIDリーダ/ライタ1とRFIDタグ3との通信時間が約10%改善される。この理由について、図10、11を用いて説明する。図10は、UHF帯において、データ“0”とデータ“1”とのシンボル時間を示すものである。図10に示すように、データ“0”のシンボル時間が1Tari(TypeA Reference Interval)であるのに対し、データ“1”のシンボル時間は、1.5〜2.0Tariとなっている。これにより、データ“1”よりもデータ“0”の方が送信時間が短いことが分かる。
【0076】
また、図11は、LF帯において、データ“0”と、データ“1”との送信時間を示すものである。図11に示すようにデータ“0”は、134.2kHzであり、送信時間が119.9μsであるのに対し、データ“1”は、123.2kHzで、送信時間は129.2μsである。よって、データ“0”の方がデータ“1”よりも送信時間が短いことが分かる。
【0077】
以上より、0−1反転形式でデータを変換して、“1”が多い場合は、“0”と“1”とを入れ換えたデータに変換することにより、データの送信時間(RFIDリーダ/ライタ1からRFIDタグ3への送信時間およびRFIDタグ3からRFIDリーダ/ライタ1への受信時間)を短縮することができる。また、圧縮・解凍方式よりも演算処理負荷が軽いので、この点でもデータの送信時間を短縮することができる。
【0078】
なお、0−1反転形式は、データが“0”と“1”との場合に限られるものではなく、一方の情報を送信するために必要な時間である情報送信時間と他方の情報送信時間とが異なる場合であれば適用することが可能である。
【0079】
また、0−1反転形式は、0−1反転形式のデータ変換が可能なRFIDリーダ/ライタ1と不可能なRFIDリーダ/ライタ1とを各工程に設置することで、RFIDリーダ/ライタ1とRFIDタグ3との通信を行いたい工程のみで処理を行うということが可能となり、工程管理に利用することができる。
【0080】
また、上記のように独自のデータ圧縮方法を用いることにより、当該圧縮を行った装置以外で圧縮データを読み出して解凍することが不可能となる。これにより、RFIDタグ3に書き込まれたデータの安全性が高まり、RFIDリーダ/ライタ1とRFIDタグ3との通信システムにおけるセキュリティが向上する。
【0081】
また、RFIDリーダ/ライタ1からRFIDタグ3への送信速度とRFIDタグ3からRFIDリーダ/ライタ1への受信速度とが異なる場合、送信速度と受信速度とから送受信時間を算出し、一方の情報を送受信するために必要な時間である情報送受信時間と他方の情報送受信時間とを比較して、より送受信時間が短縮されるようにデータを変換するものであってもよい。
【0082】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0083】
(ソフトウェアによる構成)
最後に、RFIDリーダ/ライタ1およびRFIDタグ3の各ブロック、特にRFIDリーダ/ライタ1の制御部10(タグ制御部21、データ圧縮解凍部22)、無線処理部12、およびRFIDタグ3の制御部34は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現していもよいし、CPU(central processing unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0084】
後者の場合、RFIDリーダ/ライタ1およびRFIDタグ3は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるRFIDリーダ/ライタ1およびRFIDタグ3の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記のRFIDリーダ/ライタ1およびRFIDタグ3に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU(microprocessor unit))が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0085】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM(compact disc read-only memory)/MO(magneto-optical)/MD(Mini Disc)/DVD(digital versatile disk)/CD−R(CD Recordable)等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM(erasable programmable read-only memory)/EEPROM(electrically erasable and programmable read-only memory)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0086】
また、RFIDリーダ/ライタ1およびRFIDタグ3を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(local area network)、ISDN(integrated services digital network)、VAN(value-added network)、CATV(community antenna television)通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE(institute of electrical and electronic engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(asynchronous digital subscriber loop)回線等の有線でも、IrDA(infrared data association)やリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(high data rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
RFIDタグに送信するデータを圧縮して送信することができるので、データ量の多い情報をRFIDタグに送信するタグ通信装置に好適である。
【符号の説明】
【0088】
1 RFIDリーダ/ライタ(タグ通信装置)
3 RFIDタグ
11 記憶部
12 無線処理部(送信手段)
13 アンテナ部
14 外部I/F部(データ取得部)
21 タグ制御部(領域情報作成手段、空き領域判定手段、領域不足情報送信手段)
22 データ圧縮解凍部(データ圧縮手段、データ解凍手段、圧縮データ取得手段)
35 メモリ部(記憶部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を介してRFIDタグと無線通信を行うタグ通信装置であって、
上記RFIDタグに送信する送信データを取得するデータ取得部と、
上記データ取得部で取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮手段と、
上記データ圧縮手段が圧縮した部分については、該データ圧縮手段が出力した圧縮データのみを、上記RFIDタグに送信する送信手段と、を備えていることを特徴とするタグ通信装置。
【請求項2】
上記RFIDタグの記憶部における、記憶する領域と記憶する情報とを対応付けた領域情報を作成する領域情報作成手段を備え、
上記データ取得部は、複数の上記送信データを取得し、
上記データ圧縮手段は、上記データ取得部が取得した複数の上記送信データを圧縮するとともに、それぞれの圧縮データを出力し、
上記領域情報作成手段は、上記圧縮データのうち、どの圧縮データが上記RFIDタグの記憶部のどの領域に記憶されるかを対応付けた圧縮データ領域情報を作成し、
上記送信手段は、上記データ圧縮手段が出力した複数の圧縮データと、上記領域情報作成手段が作成した圧縮データ領域情報とを送信することを特徴とする請求項1に記載のタグ通信装置。
【請求項3】
上記RFIDタグの記憶部に上記圧縮データを記憶することができる空き領域があるか否かを判定する空き領域判定手段と、
上記空き領域判定手段が、空き領域がないと判定したとき、上記データ取得部が取得した送信データの送信元装置に対し、空き領域がない旨を示す領域不足情報を送信する領域不足情報送信手段と、を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のタグ通信装置。
【請求項4】
データビット列のビット情報を送信するために必要な時間であるビット情報送信時間が一方よりも他方が長い通信形式において、
上記データ圧縮手段は、上記送信データにおけるデータビット列のビットの出現数を計数し、ビット情報送信時間が短いビットの方がビット情報送信時間が長いビットよりも多い場合は、上記送信データをそのまま出力し、ビット情報送信時間が長いビットの方がビット情報送信時間が短いビットよりも多い場合は、上記送信データにおけるデータビット列のビットを入れ換えた変換データを作成して出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタグ通信装置。
【請求項5】
上記送信手段が上記RFIDタグに送信した圧縮データを該RFIDタグ3から取得する圧縮データ取得手段と、
上記圧縮データ取得手段が取得した圧縮データを解凍するデータ解凍手段と、を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のタグ通信装置。
【請求項6】
上記送信手段が上記RFIDタグに送信した圧縮データ領域情報を用いて所望の圧縮データを取得する圧縮データ取得手段と、
上記圧縮データ取得手段が取得した圧縮データを解凍するデータ解凍手段と、を備えていることを特徴とする請求項2に記載のタグ通信装置。
【請求項7】
電波を介してRFIDタグと無線通信を行うタグ通信装置の制御方法であって、
上記RFIDタグに送信する送信データを取得するデータ取得ステップと、
上記データ取得ステップで取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮ステップと、
上記データ圧縮ステップで圧縮した部分については、該データ圧縮ステップで出力した圧縮データのみを上記RFIDタグに送信する送信ステップと、を含むことを特徴とするタグ通信装置の制御方法。
【請求項8】
電波を介してRFIDタグと無線通信を行うタグ通信装置を動作させるタグ通信装置制御プログラムであって、
上記RFIDタグに送信する送信データを取得するデータ取得ステップと、
上記データ取得ステップで取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮ステップと、
上記データ圧縮ステップで圧縮した部分については、該データ圧縮ステップで出力した圧縮データのみを上記RFIDタグに送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させるためのタグ通信装置の制御プログラム。
【請求項1】
電波を介してRFIDタグと無線通信を行うタグ通信装置であって、
上記RFIDタグに送信する送信データを取得するデータ取得部と、
上記データ取得部で取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮手段と、
上記データ圧縮手段が圧縮した部分については、該データ圧縮手段が出力した圧縮データのみを、上記RFIDタグに送信する送信手段と、を備えていることを特徴とするタグ通信装置。
【請求項2】
上記RFIDタグの記憶部における、記憶する領域と記憶する情報とを対応付けた領域情報を作成する領域情報作成手段を備え、
上記データ取得部は、複数の上記送信データを取得し、
上記データ圧縮手段は、上記データ取得部が取得した複数の上記送信データを圧縮するとともに、それぞれの圧縮データを出力し、
上記領域情報作成手段は、上記圧縮データのうち、どの圧縮データが上記RFIDタグの記憶部のどの領域に記憶されるかを対応付けた圧縮データ領域情報を作成し、
上記送信手段は、上記データ圧縮手段が出力した複数の圧縮データと、上記領域情報作成手段が作成した圧縮データ領域情報とを送信することを特徴とする請求項1に記載のタグ通信装置。
【請求項3】
上記RFIDタグの記憶部に上記圧縮データを記憶することができる空き領域があるか否かを判定する空き領域判定手段と、
上記空き領域判定手段が、空き領域がないと判定したとき、上記データ取得部が取得した送信データの送信元装置に対し、空き領域がない旨を示す領域不足情報を送信する領域不足情報送信手段と、を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のタグ通信装置。
【請求項4】
データビット列のビット情報を送信するために必要な時間であるビット情報送信時間が一方よりも他方が長い通信形式において、
上記データ圧縮手段は、上記送信データにおけるデータビット列のビットの出現数を計数し、ビット情報送信時間が短いビットの方がビット情報送信時間が長いビットよりも多い場合は、上記送信データをそのまま出力し、ビット情報送信時間が長いビットの方がビット情報送信時間が短いビットよりも多い場合は、上記送信データにおけるデータビット列のビットを入れ換えた変換データを作成して出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタグ通信装置。
【請求項5】
上記送信手段が上記RFIDタグに送信した圧縮データを該RFIDタグ3から取得する圧縮データ取得手段と、
上記圧縮データ取得手段が取得した圧縮データを解凍するデータ解凍手段と、を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のタグ通信装置。
【請求項6】
上記送信手段が上記RFIDタグに送信した圧縮データ領域情報を用いて所望の圧縮データを取得する圧縮データ取得手段と、
上記圧縮データ取得手段が取得した圧縮データを解凍するデータ解凍手段と、を備えていることを特徴とする請求項2に記載のタグ通信装置。
【請求項7】
電波を介してRFIDタグと無線通信を行うタグ通信装置の制御方法であって、
上記RFIDタグに送信する送信データを取得するデータ取得ステップと、
上記データ取得ステップで取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮ステップと、
上記データ圧縮ステップで圧縮した部分については、該データ圧縮ステップで出力した圧縮データのみを上記RFIDタグに送信する送信ステップと、を含むことを特徴とするタグ通信装置の制御方法。
【請求項8】
電波を介してRFIDタグと無線通信を行うタグ通信装置を動作させるタグ通信装置制御プログラムであって、
上記RFIDタグに送信する送信データを取得するデータ取得ステップと、
上記データ取得ステップで取得した送信データの少なくとも一部を圧縮し、圧縮データを出力するデータ圧縮ステップと、
上記データ圧縮ステップで圧縮した部分については、該データ圧縮ステップで出力した圧縮データのみを上記RFIDタグに送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させるためのタグ通信装置の制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−193299(P2011−193299A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58547(P2010−58547)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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