説明

タッチスクリーン・システムのための応力封止

ベゼルの周りに簡易な封止システムを組み込んだタッチスクリーン・システムが供される。タッチスクリーン・システムは、タッチスクリーン面にタッチ検知領域を有し、平面ディスプレイ面を備えたディスプレイ・デバイスに結合される平面タッチスクリーンを有して成る。フレームは平面タッチスクリーン上に配置される。フレームは、タッチ検知領域の外縁を実質的に規定する中央開口部;フレームの外側周縁領域を成す剛性部分;剛性部分に接続され、フレームの内側周縁領域を成す可撓性部分;および、平面タッチスクリーン面と可撓性部分との間に設けられる封止部分を有して成る。フレームがタッチスクリーンに当接する前では、フレームの可撓性部分は、剛性部分の上面によって規定される平面から離れるように、タッチスクリーンに向かって延在している。その一方、フレームがタッチスクリーンに設けられる際には、可撓性部分が封止部分を介して平面タッチスクリーンを押圧するように、フレームの可撓性部分が移動することになる。ベゼル周りの簡易な封止システムは、平面ディスプレイ面を有するいずれの種類のディスプレイまたはいずれの種類のタッチスクリーン技術に対して用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスクリーンおよびタッチスクリーン・システムに関する。より詳細には、本発明は、封止システムを有するタッチスクリーン・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
データ処理システムへと送られる情報の入力手段として、タッチスクリーンは、種々のディスプレイ(例えば、陰極線管(CRT)および液晶ディスプレイ・スクリーン(即ち、LCDスクリーン))と共に用いられる。タッチスクリーンがディスプレイ上に設けられたり、ディスプレイに組み込まれたりすると、ユーザーは、スクリーン上をタッチすることにより所望の表示アイコンまたは表示要素を選択できるようになる。タッチスクリーンは、例えば、店頭端末システム、情報提供所、現金自動預入支払機(即ち、ATM)、データ入力システム、ゲーム機、改札機などを含む様々な用途で用いられている。
【0003】
タッチスクリーンの種類は、弾性波タッチスクリーン、容量式タッチスクリーン(capacitive touchscreen)、赤外線式タッチスクリーンおよび力(force)を利用したタッチスクリーンを含め、幾つか存在する。弾性波タッチスクリーンはタッチ検知エリアを有している。タッチ検知エリアがタッチされると、表面を横切って伝搬する弾性波へ及ぼされるタッチ効果によって、タッチの存在およびタッチ位置が検知されることになる。一般的な弾性波タッチスクリーンは、レイリー波(本明細書では「レイリー波」は「擬似レイリー波」を含む)を用いている。レイリー波タッチスクリーンに関連した例示的な開示には、Adlerの米国特許第4642423号;同4645870号;同4700176号;同4746914号;同4791416号;再発行特許第33151号;Adlerらの米国特許第4825212号;同4859996号;同4880665号;Brennerらの米国特許第4644100号;Davis−Cannonらの米国特許第5739479号;Kentの米国特許第5708461号;同5854450号が含まれる。また、ラム波もしくはせん断波(またはシャーウェーブ)等の他の種類の弾性波、または種々の弾性波の組合わせ(レイリー波を含んだ組合せを含む)を用いた弾性波タッチスクリーンも既知であり、例えば、Kentの米国特許第5591945号;同5854450号;Knowlesの米国特許第5072427号;同5162618号;同5177327号;同5243148;同5329070号;同5573077号;およびKnowlesらの米国特許第5260521号で開示されている弾性波タッチスクリーンがある。上述の引用する全ての特許は、参照することによって、本明細書に組み込まれる。
【0004】
タッチスクリーン用途では、屋外環境または工場もしくはレストラン等の比較的過酷な屋内環境でタッチスクリーンが機能することが求められる。タッチスクリーンは、雨、霧、風、埃、洗浄液、スプレー、液漏れ等にさらされ得る。このような条件が存在するので、一般的に、タッチスクリーンとシステム・エンクロージャーとの間に封止が必要とされる。しかしながら、タッチ検出機構(例えば、表面を伝搬する弾性波)に起因して弾性波タッチスクリーンでは満足のいく封止を得ることが困難である。なぜなら、封止部は過剰量の弾性波エネルギーを吸収することになり、タッチスクリーンの性能が損なわれることになるからである。一般的には、封止システムに起因する弾性波損失は6dBとなる。
【0005】
米国特許第5331138号には、表面弾性波エネルギーに対して実質的に透過性を有する圧縮可能な弾性フォーム・ストリップを用いた封止システムが開示されている。タッチスクリーン面にオープンセル面を配置することによって、または、フォーム・ストリップのコーナーへの封止接触を制限することによって、許容レベルの減衰を達成している。フォーム・ストリップには、液体に不透過性のハウジングとタッチスクリーンとの間で延在する膜面(membrane surface)が少なくとも1つ含まれている。尚、フォーム・ストリップを所定の位置に維持する構造が開示されている
【0006】
米国特許第5784054号には、別の封止機構が開示されている。この米国特許では、封止がクローズドセルフォームから形成され、タッチスクリーン接触面が液体不透性バリヤで覆われている。別法にて、発泡ポリテトラフルオロエチレンなどの発泡ポリマーからシール(または封止)を形成している。開示されているシステムの少なくとも1つの態様では、通常のハウジングまたはベゼルを交換または変更することなく、シールがCRTモニターに使用されている。
【0007】
米国特許第6411287号(これらの内容は本明細書の一部を構成する)では、フレームに連結されたシールを含んだ、タッチスクリーンと共に使用される封止システムが開示されている。このシステムは、封止部の周縁部に均一な圧縮力が加えられるように、張力要素を含んでいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術にて求められている封止(タッチスクリーン・システムにシールを施す封止)は、封止部の周縁部に沿って均一な圧縮力がもたらされる簡易な封止であって、種々のディスプレイ(特にフラットなディスプレイ面(例えば、CRTディスプレイ面やLCDディスプレイ面))および種々のタッチスクリーン技術(弾性波タッチスクリーン技術、赤外線式タッチスクリーン技術、抵抗式タッチスクリーン技術および容量式タッチスクリーン技術を含む)と共に使用できる封止である。本発明では、そのような条件を満たす封止システムが供されると共に、それを備えたタッチスクリーン・システムが供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、タッチスクリーンのタッチ検知領域の周縁部付近にて封止部(またはシール)を有するタッチスクリーン・システムを供する。本発明のタッチスクリーン・システムは、いずれの種類の平面タッチスクリーン(平面状の弾性波タッチスクリーン、赤外線式タッチスクリーン、容量式タッチスクリーンおよび抵抗式タッチスクリーンを含む)を組み込むことができる。更に、本発明のタッチスクリーン・システムは、CRTディスプレイ、LCDディスプレイ、エレクトロルミネセント・ディスプレイ、プラズマ・ディスプレイを含めて、いずれの種類の平面ディスプレイ・デバイス(即ち、平面ディスプレイ面を有するディスプレイ・デバイス)を組み込むことができる。
【0010】
第1の要旨では、本発明は、平面タッチスクリーン面にタッチ検知領域を有し、平面ディスプレイ面を備えたディスプレイ・デバイスに結合される平面タッチスクリーンを有して成るタッチスクリーン・システムを供する。フレームは平面タッチスクリーン上に配置される。フレームは、タッチ検知領域の外縁を実質的に規定する中央開口部;フレームの外側周縁領域を成す剛性部分;剛性部分と接続され、フレームの内側周縁領域を成す可撓性部分;および、平面タッチスクリーン面と可撓性部分との間に設けられる封止部分を有して成る。フレームが平面タッチスクリーンに当接する前では、フレームの可撓性部分は、剛性部分の上面によって規定される平面から離れるように、平面タッチスクリーンに向かって延在している。フレームが平面タッチスクリーンに設けられた後では、可撓性部分が封止部分を介して平面タッチスクリーンを押圧するように、フレームの可撓性部分が、フレームを平面タッチスクリーンに設ける前の状態から移動した状態となっている。
【0011】
第2の要旨では、本発明は、タッチスクリーン・システムを組み立てる方法であって、
平面タッチスクリーン面にタッチ検知領域を有して成る平面タッチスクリーンを供する工程、および
平面ディスプレイ面を備えたディスプレイ・デバイスに対して平面タッチスクリーンを結合する工程
を含んで成る方法を供する。この本発明の方法は、中央開口部;フレームの外側周縁領域を成す剛性部分;剛性部分と接続され、フレームの内側周縁領域を成す可撓性部分;および、可撓性部分の内側周縁部に配置された封止部分を有して成るフレームを供する工程を含んでいる。組み立ての前では、フレームの可撓性部分は、剛性部分の上面によって規定される平面から離れるように延在している。フレームは平面タッチスクリーン上に配置されるが、その際、可撓性部分が平面タッチスクリーンに向くようにして、開口部によってタッチ検知領域の外縁が実質的に規定されるように、平面タッチスクリーン上にフレームを配置する。フレームを平面タッチスクリーンに設ける際には、封止部分がタッチスクリーン面に接触するようにフレームを設けるので、平面タッチスクリーンがフレームの封止部分を介して可撓性部分によって押圧されるように可撓性部分が移動することになる。
【0012】
第3の要旨では、本発明は、平らな外面を備えたタッチスクリーンを有するタッチスクリーン・システムの封止に使用するフレームを供する。フレームは、前記平らな外面上に配置されるものである。フレームは、前記外面のタッチ検知領域の中央に配置される中央開口部;フレームの外側周縁領域を成す剛性部分;剛性部分に接続され、フレームの内側周縁領域を成す可撓性部分;および、前記外面と可撓性部分との間に設けられる封止部分を有して成る。フレームの剛性部分は、第1平面を規定する上面を有しており、フレームの可撓性部分は、フレームが前記外面に接する前では、かかる第1平面から離れるように前記外面に向かって延在している。その一方、フレームが前記外面と接した後では、可撓性部分が封止部分を介して前記外面を押圧するように、フレームの可撓性部分が、前記外面と接する前の状態から移動した状態となる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、図面を参照しながら本発明を説明する。いずれの種類のタッチスクリーン(例えば、弾性波式タッチスクリーン、抵抗式タッチスクリーン、容量式タッチスクリーンまたは赤外線式タッチスクリーン)に適用可能なタッチスクリーン・システムを図1に示す。タッチスクリーン・システム100は、例えば、陰極線管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマ・ディスプレイ、電子発光ディスプレイまたはその他のディスプレイ等のディスプレイ・デバイス(図示せず)と結合したタッチスクリーン111を含んでいる。タッチスクリーン111は、タッチ検知領域112およびタッチ検知機構113を含んでいる。タッチ検知機構113は、タッチ検知領域112を最大限にすべく、タッチスクリーン111の周縁部に配置されている。タッチスクリーン・システム100は、タッチ検知機構113からの情報を送受信する制御電子機器114を含んでいる。タッチスクリーン・システム100にはハウジング115が設けられている。ハウジング115は、タッチ検知機構113をカバーおよび保護するフレームまたはベゼル116を含んでいる。タッチスクリーン111は、オーバーレイ・タッチスクリーン(overlay touchscreen)またはダイレクト・オン・チューブ・タッチスクリーン(direct−on−tube touchscreen)であってよい。オーバーレイ・タッチスクリーンは、ディスプレイ・パネルに設けられる別個の基板(例えばガラス基板)に対して形成されるタッチスクリーンであり、ダイレクト・オン・チューブ・タッチスクリーンは、ディスプレイ(例えばCRTパネル)と一体化するようにディスプレイ・パネルの面に直接的に形成されるタッチスクリーンである。
【0014】
弾性波タッチスクリーンでは、タッチスクリーン111は、表面弾性波(例えば、レイリー波、ラブ波、および、面に対してタッチ検知性を有するその他の波)が伝搬するのに適した面(または表面)を有している。表面弾性波タッチスクリーン(即ち、SAWタッチスクリーン)は、米国特許第4644100号、同4700176号、同5708461号、同5854450号および再発行特許第33151号に開示されている(これらの内容は本明細書の一部を構成する)。タッチ検知機構113は、送信トランスデューサー、受信トランスデューサーおよび反射アレイを含んでいる。弾性波タッチスクリーンのタッチ検知機構については、上記で詳細に説明したが、例えば米国特許第6411287号を参照のこと(その内容は本明細書の一部を構成する)。
【0015】
赤外式タッチスクリーンの場合では、タッチ検知機構113は、光エミッタおよび光検出器を含んでいる。光エミッタがアレンジされて赤外線が案内される(例えば反射体を用いて案内される)ことによって、タッチ検知領域112を横切るようなIRグリッドまたはIRパターンが形成される。赤外線式タッチスクリーンのタッチ検知機構については、上記で詳細に説明したが、例えば米国特許第4761637号を参照のこと(その内容は本明細書の一部を構成する)。赤外式タッチスクリーンの場合、タッチ検知機構113をカバーするベゼル116は、用いられる光の波長に対して実質的に透明となっている必要がある。
【0016】
抵抗式タッチスクリーンおよび容量式タッチスクリーン(または電気容量式タッチスクリーン)の場合では、タッチ検知機構113は、タッチ検知領域112の周囲の種々のポイントで抵抗、電圧または電気容量(もしくはキャパシタンス)を測定する回路を含んでいる。
【0017】
図2は、ディスプレイ・スクリーン(例えばCRT)201に取り付けられたベゼル・アッセンブリの一部を示した断面図である。ベゼル・アッセンブリは、タッチスクリーン・システムと共に使用できたり、または、タッチスクリーン・システムと共には用いないものである。ベゼル・アッセンブリは、CRTスクリーン201の正面206に対してシール205を保持する弾性部材203(好ましくは成形されたプラスチックから形成された弾性部材)を有して成る。弾性部材203のカンチレバー部207によって加えられる圧力によってシール205がスクリーン201に対して保持されている。別法にて、弾性部材203およびCRTスクリーン201の双方に対して一時的または永続的にシールが取り付けられていてもよい(例えば接合されていてもよい)。シール205によって、汚染物質がCRTハウジング内に入り込むことが防止され、内部取付部品(例えばCRT電源)に対する損傷が防止されることになり、タッチスクリーンと共に用いられる場合では、タッチ検知機構113または制御電子機器114等のタッチスクリーン部品に対する損傷が防止される。典型的な構成では、取付サイト(例えば、CRTのための衝撃圧縮バンド)211を介してディスプレイに取り付けられたコーナー・タブ209を用いることによって、弾性部材203がディスプレイ・スクリーン201に設けられている。
【0018】
図3は、ベゼルを備えたタッチスクリーン・システムに対してシールを形成するための別の手段を示している。ベゼル・アッセンブリ303およびタブ209は、例えばボルトおよびロック部材などを用いて、ハウジング・アッセンブリ301に取り付けられている。
【0019】
図4は、ディスプレイ・スクリーン201に取り付けられたベゼル・アッセンブリ401の断面図である(ベゼルの取付構成は、図2に示した構成と同様である)。図4に示す構成では、マジックテープ材(hook and loop material、(マジックテープ:登録商標))、接着剤または他の手段413を介して、タッチスクリーンのオーバーレイ・スクリーン403がディスプレイ・スクリーン210に取り付けられている。タッチ検知手段411(例えば、弾性波タッチスクリーンのための弾性波反射要素およびトランスデューサー)が、ベゼル・アッセンブリ401の下側かつ封止部材405の後方に配置されている。それゆえ、弾性波タッチスクリーンでは、封止部材405による弾性波吸収を最小限にしなければならない。タッチスクリーン・システムの要素(例えば、トランスデューサー、反射アレイなど)が図2と同様な構成(通常、「ダイレクト・オン・チューブ弾性波タッチスクリーン・システム」と呼ばれる)を有するようにディスプレイ面に直接取り付けられる場合であっても、封止部材による弾性波吸収を最小限にしなければならないことは理解されよう。
【0020】
図4の構成について述べたように、封止部材による弾性波吸収を最小限にしなければならないものの、かかる設計要件は、封止性能を最大限にする要件と矛盾し得ることである。例えば、シリコーンゴムのシールでは、しっかりとした封止が供されるものの、典型的な弾性波タッチスクリーンに使用される弾性波信号を必要以上に吸収しすぎることになる。逆に言えば、軽量なオープンセルフォームは、弱い圧縮下で弾性波信号にわずかな影響しか及ぼさないものの、封止性能は限られている。
【0021】
タッチスクリーンを封止する試みの1つは、比較的幅の狭いシールを使用することであり、約1mm以下の幅のシールを使用することである。かかるシールの幅が狭いことに起因して、種々の封止材料(固形状ゴムから形成される封止材も含む)の弾性波吸収が許容レベルとなり得る。しかしながら、シールは、高さよりも幅が大きくならないと機械的な安定性が得られないことは良く知られている。従って、1mm幅のシールでは、高さが1mm未満でなければならず、好ましくは1mmよりも相当に小さい高さでなければならない。このような制約が存在する結果(即ち、シール幅が1mm未満で、シール高さがシール幅よりも相当に小さい条件)、ベゼル・アッセンブリおよびディスプレイ・ハウジングに課せられる設計条件は非常に厳しいものになる。
【0022】
タッチスクリーンを封止する別の取組みは、米国特許第6411287号に記載されているように、張力バンド(tensioning band)を使用することである(尚、米国特許第6411287号に記載されている内容は本明細書の一部を構成する)。しかしながら、張力バンドは湾曲面(例えば湾曲したCRT)に対しては良好に機能し得るものの、張力バンドが固定されているコーナーから最も遠い領域のフラット面(例えばLCD)に対してはシールが機能し得ない。例えば、フレーム上に小さい歪みポイント(または曲げポイント)が形成され得るので、シールの穴が形成され得る。あるいは、製作公差によって、2つの面の間のシールに穴が形成され得る。
【0023】
エロ・タッチシステム(Elo TouchSystems Inc.)から市販されているタッチスクリーン・システム1787Cには、湾曲したディスプレイ面を有する矩形CRTスクリーンに使用される湾曲したベゼル・アッセンブリが含まれている。かかるベゼル・アッセンブリは、CRTスクリーンに対応する矩形開口部を有している。図5は、上記矩形開口部の1つの側部に沿って設けられるタッチスクリーン・システム1787C(組み立て前)の断面図を示している。CRTディスプレイ・デバイス500は、湾曲した外側ディスプレイ面501を有しており、ベゼル・アッセンブリ502は、剛性部分503、可撓性部分504および封止部分505を有している。ベゼル・アッセンブリ502は、CRT300の湾曲面501と同様の方向に湾曲した輪郭を有しているものの、ベゼル・アッセンブリ502の曲率半径は、CRT500のディスプレイ面500の曲率半径よりも僅かに大きくなっている。封止部分505は、CRT面501に面するように可撓性部分504の内側部に設けられている。図6は、CRT500に設けられたベゼル・アッセンブリ502であって、剛性部分503を取付ブラケット(mounting bracket)506に取り付けることで搭載されたベゼル・アッセンブリ502を備えたタッチスクリーン・システム1787Cの断面図を示している。ベゼル・アッセンブリが設けられる際、可撓性部分504は、CRT面501のより小さな曲率半径に対応するように伸長するので、封止部分505を介して表面501に圧力が生じることになる。タッチ検知領域などが収まるように、ベゼル・アッセンブリ503のコーナー領域に凹部(図示せず)を設けてもよい。1787Cタッチスクリーン・システムによって用いられる方法で環境封止(environmental seal)が得られるものの、シールの形成が湾曲面501上へと伸長する湾曲した可撓性部分504に依存しているので、そのような環境封止は、湾曲ディスプレイ面の封止にのみ適用される。
【0024】
本発明では、フラットな面(即ち、平面状の面)に対して、ベゼルに結合したシール(または封止部)を用いることによって、従来の封止システムに関連した問題を解決している。ベゼルが平面タッチスクリーンと組み合わされた際にはシールとタッチスクリーン面との間に均一な圧力が加えられるように、ベゼルの封止領域にはプレストレス(prestress)が与えられている。
【0025】
図7は、本発明のタッチスクリーン・システムに用いられる封止システムを備えたフレーム(即ち、ベゼル・アッセンブリ)の態様の断面図を示している。図7に示すベゼルは、タッチスクリーン・システムに組み込まれる前のベゼルである。フレーム700には、剛性部分705、可撓性部分706、取付部分710(または搭載部分710)および位置決めリブ709が含まれる。可撓性部分706は、剛性部分705から延在しており、剛性部分705の上面714によって規定される平面から離れるように、タッチスクリーン702に向かって延在している(即ち、可撓性部分706は剛性部分705から斜めに離れるように延在している)。剛性部分705は、ベゼルの機能および外観を向上すべく、略いずれの形状を有し得る。例えば、図7に示す態様では、剛性部分705は、平面タッチスクリーン702と略平行になっている。内部(即ち、タッチスクリーンと面している側)のコーナー711は、剛性部分705と可撓性部分706とを境界付けるものであり、剛性部分705と可撓性部分706との間には内部屈曲ポイントが存在している。剛性部分705が存在する側とは反対側の可撓性部分706の端部には封止部分708が取り付けられている。かかる封止部分708は、取付部材707,717によって所定の位置に保持されている。好ましくは、取付部材717(剛性部分705により近い側に存在している取付部材)は、取付部材707よりも長くタッチスクリーンに向かって延在している。尚、封止部分708は、2つの取付部分707,717よりも長く延在している。ベゼル・アッセンブリ700がタッチスクリーン・システムに組み込まれる際、封止部分708は、タッチスクリーン702の上面713と接して封止し、取付部材717が、タッチスクリーン702に抗するように可撓性部分706に対してハード・ストップ(hard−stop)として機能する。ベゼル・アッセンブリ700は、いずれの適当な方法によってタッチスクリーン・システムに組み込むことできる。例えば、ディスプレイ・デバイス、タッチスクリーン、外側ハウジングまたは取付ブラケットにベゼル・アッセンブリ700を取り付けることによって、ベゼル・アッセンブリ700をタッチスクリーン・システムに組み込むことができる。好ましくは、ベゼル・アッセンブリは、剛性部分705に対して非平面を成す方向(例えば、剛性部分705に対して実質的に垂直な方向)に延在する取付部分710を含んでおり、これによって、ベゼル・アッセンブリ700の外側周縁部の硬さが増すことになる。図7に示す態様では、取付ブラケット704を介して、封止システム700の取付部分710をディスプレイ701に取り付けることができる。図7に示す態様では、マジックテープ材または接着剤などを有して成り得る取付部材703によって、タッチスクリーン702がディスプレイ701に取り付けられる。別法にて、タッチスクリーン702は、ディスプレイ・デバイスと一体化してもよい。
【0026】
図8は、本発明のタッチスクリーン・システムの態様を拡大した図を示している。図示されるタッチスクリーン・システム800は、組み立て前の状態であり、ベゼル・アッセンブリ700を含んでいる。ディスプレイ701(例えば、LCD、CRT、プラズマ・ディスプレイ、エレクトロルミネセント・ディスプレイ等のフラットな面を有する何れの種類のディスプレイ)は、取付穴808を有する取付ブラケット704を含んでいると共に、タッチスクリーン・システムに対して制御電子機器などの電子機器を包囲し得る背面側ハウジング809を含んでいる。平面タッチスクリーン702は、ディスプレイ701の正面に配置される。ベゼル・アッセンブリ700は、タッチスクリーン702の上に配置される。ベゼル・アッセンブリ700は、剛性部分705および可撓性部分706を含んでいる(尚、点線は、剛性部分と可撓性部分との境界を示している)。また、ベゼル・アッセンブリ700は、タッチスクリーン・システムが組み立てられた際にタッチスクリーン702と接触し得る封止部分708を含んでいると共に、同様にタッチスクリーン・システムが組み立てられた際に取付ブラケット704を介してディスプレイ701に取り付けることができる取付部分710を含んでいる。ベゼル・アッセンブリ700が矩形状の中央開口部を有する図8および図9に示す態様では、可撓性部分706が、矩形状中央開口部方向へとタッチスクリーン702に向かって剛性部分705から下方に延在すると共に、矩形状中央開口部の各側部に沿ってタッチスクリーン702に向かって湾曲した輪郭を有するように、ベゼル・アッセンブリにプレストレスが加えられている。尚、湾曲した輪郭は、矩形状中央開口部の各側部に曲率中心(即ち、最下点であり、各側部の中心付近にて803で示されている)を有している。図9は、図8の線9−9’に沿って切り取られたベゼル・アッセンブリ700の断面図を示している。
【0027】
図10は、タッチスクリーン・システムに組み込まれた状態にある本発明の封止システムを含んだベゼル・アッセンブリ700の断面図を示している。ベゼル700の封止部分708は、取付部材707,717によって所定の位置に保持されており、タッチスクリーン702と接触してそれらの間で封止を形成している。可撓性部分706は、プレストレスの加えられた弾性部材であるために、上方向に移動した状態となっているので、封止部分708を介してタッチスクリーン702に力が加えられる。取付部材717は、ベゼル・アッセンブリ700をタッチスクリーン・システム702に設ける際に、可撓性部分706に対してハード・ストップとして機能する。可撓性部分706の移動量は、用いられる材料、タッチスクリーンのサイズ、タッチスクリーン技術の種類などの種々の変数に依存し得る。図10に示す態様では、ベゼル・アッセンブリ700がタッチスクリーン・システム800に組み込まれた後では、可撓性部分706が、組み込み前の状態から移動した状態となっており、可撓性部分706がタッチスクリーン702および剛性部分705と略平行となっている。組立てに際しては、例えばボルト、ネジ穴、クランプ、接着剤またはスナップなどの適当な手段によって、ベゼル700の取付部分710を、ディスプレイ701の取付ブラケット704に取り付けることができる。位置決めリブ709は、タッチスクリーン702の位置決めを行う機能を有している。図10に示す態様では、位置決めリブ709は、タッチスクリーン702と当接している。図11は、組み合わされたタッチスクリーン・システム800を示している。
【0028】
図12は、図11の組み立てられたタッチスクリーン・システム800を線12−12’で切り取った断面図を示している。尚、分かり易くするために、図12ではディスプレイ・デバイス701、取付ブラケット704およびハウジング809を省略している。組立て前の可撓性部分706’、取付部材707’,717’および封止部分708’は点線で示している(図9参照のこと)。組み立てる際の可撓性部分706の移動によって、封止部材708を介してタッチスクリーン702上に張力(または応力)が加えられ、封止が行われている。ベゼルの各側部における可撓性部分706の張力によって、ベゼルの周辺部付近が全体的に効果的に封止されることになる。可撓性部分706の各々の側部における湾曲に起因して、組立て時の可撓性部分706の側部における移動が異なるものとなっている。即ち、曲率中心付近では移動量が最大となり(即ち、線1202で示されるように側部の中心付近では移動量が最大となり)、その曲率中心から離れてコーナーに向かうにつれ、移動量は単調減少することになる(線1201および1203で示されるようにコーナーでは移動量が減少している)。このため、封止部材708に加えられる張力は、側部の中心に向かって単調増加しているので、コーナーからの離れに対して自動的に補償される。その結果、平面状の面に対して環境封止が得られることになり、たとえ側部の真ん中の部分であっても、環境封止の周縁部付近では実質的に均一な張力(または応力)がもたらされる。
【0029】
図13は、タッチスクリーン・システムに取り付ける前のベゼル・アッセンブリ700の態様を示した断面図である。取付部材707よりも長く延在する内側取付部材717は、それがフラットなタッチスクリーン面に取り付けられた後では、可撓性部分706に対してハード・ストップとして機能する。好ましくは、内側取付部材717では、タッチスクリーン面と接触することになる箇所が丸くなっている。図14は、タッチスクリーン・システムに取り付ける前の封止部分708の態様を示した断面図である。図示される態様では、タッチスクリーンと面しないエッジ730が、タッチスクリーンと面することになるエッジ731よりも断面寸法が狭く(または短く)なっている。更に、フィンガー部732はエッジ731から延在しており、取付けに際してはフィンガー部732がまず最初にタッチスクリーンと接触することになる。また、好ましくは封止部分708は、適当な断面形状(例えば円形)を有した中空領域733を含んでいる。
【0030】
図15は、本発明に用いることの可能なベゼル・アッセンブリ1500の別の態様を示している。かかる態様では、剛性部分705には、その幅方向に分配されて設けられた取付部分1510が含まれる。剛性部分1505は、タッチスクリーン702の平面状の面に対して略平行とはなっていないものの、可撓性部分1506が、剛性部分1505の上面1514で規定される平面から離れるようにタッチスクリーン702に向かって延在している。可撓性部分1506は、タッチスクリーン702に向かって延在する方向にテーパーが付けられている。可撓性部分1506の内側側部に隣接して、下向きの先端部1532を有する封止部分1508が設けられている。封止部分1508は、剛性部分1505および可撓性部分1506と共に一体成形することができる。
【0031】
好ましくは、ベゼル・アッセンブリ(例えば、ベゼル・アッセンブリ700または1500)は、プラスチックを造形することによって形成される。例えば、プラスチック成形、プラスチック材料の押出成形、プラスチックの熱成形、機械加工、溶液キャスティングまたは他の適当な手段によって、ベゼル・アッセンブリを形成することができる。プラスチックによってタッチスクリーンに圧力が加えられ封止が形成されることになるように、プラスチックは、可撓性かつ弾性を有している必要がある。例えば、ABS(アクリロニトリルブダジエンスチレン)/ポリカーボネート・ブレンドを成形して、本発明のベゼル・アッセンブリを作製することができる。IRタッチスクリーンの場合では、タッチセンサーに用いられる赤外線(即ち、スクリーンを横切るように送信されて検知される光)に対して実質的に透明なプラスチック(例えばポリウレタン)を選択しなければならない。好ましくは、封止部分を除く全てのベゼル・アッセンブリ要素(尚、図7〜図13に示す態様について言うと、取付部分710、リブ709、剛性部分705、可撓性部分706および取付部材707,717であり、図15の態様についていうと、剛性部分1505、可撓性部分1506、取付部分1510である)は、ベゼル・アッセンブリを形成すべく、同じ材料から全て形成され、同時に造形(例えば成形)される。封止部分(例えば708,1508)は、いずれの適当な封止材料(例えば、TPU(熱可塑性ウレタン)などの軟質熱可塑性プラスチックまたはゴム)から形成することができる。封止部分は、ベゼル・アッセンブリの他の要素と同時に造形(例えば、一体成形)することができる。別法にて、ベゼルのベゼル・アッセンブリの他の要素を形成した後に、例えば取付部材707,717を挿入することによって、封止部分を適用することもできる。
【0032】
図7〜図15に示す態様では、矩形状の形状および開口部を有するベゼル・アッセンブリが示されているものの、本発明は、非矩形状(例えば、円形、楕円形、六角形、ひし形またはその他のいずれの適当な形状)の形または開口部を有するベゼル・アッセンブリに対しても等しく良好に適用することができる。
【0033】
可撓性部分706,1506のサイズに対する剛性部分705,1505の相対的なサイズは、タッチスクリーンのサイズ、ベゼルに用いられる材料、および、用いられるタッチスクリーンの種類に依存する。例えば、ある態様では、可撓性部分706,1506の幅(即ち、剛性部分との境界からフレームの内側周縁までの寸法)が剛性部分705,1505の幅(即ち、フレームの外側周縁から可撓性部分との境界までの寸法)と少なくとも等しいことが望ましい。別の態様では、可撓性部分の幅が剛性部分の幅よりも少なくとも50%大きいことが好ましい。本発明は、以下の2つの実施例(本発明のタッチスクリーン・システムに使用されるベゼル・アッセンブリの特定の材料および寸法が示されている)によって例示される。また、かかる実施例を参照することによって、本発明の実施態様を更に理解できる。尚、かかる実施例は、本発明の例示にすぎず、本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0034】
実施例1
フラットな12インチのディスプレイ(タッチスクリーン・システムに対する幅−長さアスペクト比が標準的な3−4となっている)に対して、標準的なABSまたはABS/ポリカーボネート・ブレンド、好ましくは難燃材(例えば、LGケミカル(LG Chemical)から市販されているABS FR AF−312T、同じくLGケミカルから市販されているPC/ABS合金GN−5008、または、バイエル(Bayer)から市販されているPC+ABS FR2000)を用いた成形法(成形条件はメーカーの標準的な指針による)によって本発明で用いられるベゼル・アッセンブリが設けられている。ベゼル・アッセンブリの断面を図15に示す。可撓性部分は、テーパーが付けられており、剛性部分に隣接する領域では約1.9mmの厚さを有する一方、最も内側のエッジ領域では約1mm厚さを有している。尚、剛性部分に隣接する領域から最も内側のエッジ領域までの可撓性部分の延在長さは約10.7mmである。剛性部分は、タッチスクリーンの所望の外観や重量に適した寸法を有し得る。剛性部分は、図15の要素1510に示すような取付部材を有している。かかる取付部材は、ベゼル・アッセンブリの周縁部をより強固にし、ディスプレイへの取付けを可能にする。可撓性部分の各々の側部が図8および図9に示すように平面タッチスクリーンに向かって湾曲するように、ベゼル・アッセンブリには形成に際してプレストレス(prestress)が加えられている。封止部分は、約0.9mm厚さを有し、TPU(熱可塑性ウレタン)から成る。また、封止部分は、ベゼル・アッセンブリの他の要素と一体成形されている。かかる封止部分は、タッチスクリーンに向かって延在する約0.5mmの先端部(図15では要素1532として示されている)を有している。ベゼル・アッセンブリがフラットな12インチのディスプレイに設けられた際に、可撓性部分がコーナー領域で約0.4mm移動する一方(図12で線1201および線1203に相当する)、可撓性部分が4つの側部の中間領域で約1.0mm移動するように(図12で線1202に相当する)、可撓性部分の湾曲が形成されている。
【0035】
実施例2
本発明のタッチスクリーン・システムに用いられるフラットな19インチのディスプレイに対してベゼル・アッセンブリが設けられている。ベゼル・アッセンブリの断面は図7〜図13に示す。ベゼル・アッセンブリは、標準的なABSまたはABS/ポリカーボネート・ブレンド、好ましくは難燃材(例えば、LGケミカルから市販されているABS FR AF−312T、同じくLGケミカルから市販されているPC/ABS合金GN−5008、または、バイエルから市販されているPC+ABS FR2000)を用いた成形法(成形条件はメーカーの標準的な指針による)によって成形されている。可撓性部分の厚さは約1.5mmであり、可撓性部分の長さ(図13に示すように剛性部分に隣接する領域から取付部材707の端部までの長さ)は約21mmである。剛性部分は、タッチスクリーンの所望の外観や重量に適した寸法を有し得る。剛性部分は、図7〜13に示すような取付部分710を有している。かかる取付部分は、ベゼル・アッセンブリの周縁部をより強固にし、ベゼル・アッセンブリのディスプレイへの取付けを可能にする。可撓性部分の各々の側部が図8および図9に示すように平面タッチスクリーンに向かって湾曲するように、ベゼル・アッセンブリには形成に際してプレストレスが加えられている。取付部材707と取付部材717とは相互に約1.3mm離隔している。封止部分は、図14に示すような断面を有している(上部の断面幅は約1.3mmであり、底部の断面幅は約1.8mmである)。封止部材の内部に設けられた穴は、約0.6mmの直径を有している。封止部分は、本体から約0.5mm延在するフィンガー部を有している。封止部分は、シリコーンゴム(例えば、ハニフィン社(Hannifin Corp.)から市販されているコンパウンドS7309−80)からストリップとして押し出されることで形成される。ベゼル・アッセンブリがフラットな19インチのディスプレイに設けられた際に、可撓性部分がコーナー領域で約0.4mm移動する一方(図12で線1201および線1203に相当する)、可撓性部分が4つの側部の中間領域で約1.5mm移動するように(図12で線1202に相当する)、可撓性部分の湾曲が形成されている。
【0036】
上述の本発明の詳細な説明は、主としてまたは専ら本発明の特定の部分または要旨に関する記載を含んでいる。そのような説明は明瞭にするためのものであって、便宜上のものであり、特定の特徴が、開示されている記載の範囲を超えて妥当するものであること、また、本明細書の開示が、種々の記載から理解される情報を適当に組み合わせたあらゆるものを含んでいることを理解されよう。同様に、本明細書の種々の図面および説明は、本発明の特定の態様に関係しているが、特定の特徴が特定の図面および態様の内容に開示されている場合、かかる特徴は、別の図面または態様の内容において、または、別の特徴との組合せにおいて、あるいは一般的に本発明において適切な程度まで用いることが可能であることを理解されよう。
【0037】
更に、上述したシステムの態様は単に本発明の原理の応用を例示しているにすぎず、特許請求の範囲に記載されている発明の範囲および意図から逸脱することなく、多くの他の態様が可能であり、本発明の変更が可能であることを理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、従来技術のタッチスクリーン・システムを示している。
【図2】図2は、従来技術のディスプレイ・デバイスに設けられたベゼル・アッセンブリを示す断面図である。
【図3】図3は、従来技術のディスプレイ・スクリーンのハウジングに設けられたベゼル・アッセンブリを示す断面図である。
【図4】図4は、従来技術のディスプレイ・デバイスに設けられたタッチスクリーン・システムに用いられるベゼル・アッセンブリを示す断面図である。
【図5】図5は、湾曲面を有する従来技術のタッチスクリーン・システムに設ける前の状態のベゼル・アッセンブリを示す断面図である。
【図6】図6は、タッチスクリーン・システムに設けた後の状態の図5のベゼル・アッセンブリを示す断面図である。
【図7】図7は、本発明のタッチスクリーン・システムのベゼル・アッセンブリの態様(タッチスクリーン・システムの組立て前の状態)を示す断面図である。
【図8】図8は、ベゼル・アッセンブリが設けられる前の状態の本発明のタッチスクリーン・システムを示す分解斜視図である。
【図9】図9は、本発明のタッチスクリーン・システムのベゼル・アッセンブリを示す断面図(図8の線9−9’で切り取った断面図)である。
【図10】図10は、組み立てられた本発明のタッチスクリーン・システムを示す断面図である。
【図11】図11は、組み立てられた本発明のタッチスクリーン・システムを示す斜視図である。
【図12】図12は、組み立てられた本発明のタッチスクリーン・システムを示す断面図(図11の線12−12’で切り取った断面図)である。
【図13】図13は、本発明のタッチスクリーン・システムのベゼル・アッセンブリの態様を示す断面図である。
【図14】図14は、図13に示されるベゼル・アッセンブリの封止部分を示す拡大断面図である
【図15】図15は、本発明のタッチスクリーン・システムのベゼル・アッセンブリの別の態様を示す断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)平面タッチスクリーン面にタッチ検知領域を有して成り、平面ディスプレイ面を備えたディスプレイ・デバイスに結合される平面タッチスクリーン、ならびに
(2)平面タッチスクリーン上に配置されるフレーム
を有して成るタッチスクリーン・システムであって、
フレームが、
(a)タッチ検知領域の外縁を実質的に規定する中央開口部;
(b)第1平面を規定する上面を有し、フレームの外側周縁領域を成す剛性部分;
(c)剛性部分と接続され、フレームの内側周縁領域を成す可撓性部分;および
(d)平面タッチスクリーン面と可撓性部分との間に設けられる封止部分
を有して成り、
(i)フレームを平面タッチスクリーンに当接させる前では、フレームの可撓性部分が前記第1平面から離れるように平面タッチスクリーンに向かうように延在しており、また
(ii)フレームを平面タッチスクリーンに当接させ、フレームを平面タッチスクリーンに設けた後では、封止部分を介して平面タッチスクリーン面がフレームの可撓性部分によって押圧されるように、フレームの可撓性部分が、フレームを平面タッチスクリーンに設ける前の状態から移動した状態となる、
タッチスクリーン・システム。
【請求項2】
フレームを平面タッチスクリーンに設けることには、フレームをディスプレイ・デバイスに設けることが含まれる、請求項1に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項3】
フレームを平面タッチスクリーンに設けた後では、可撓性部分が平面タッチスクリーンと概ね平行となるように、可撓性部分が移動した状態となっている、請求項1に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項4】
可撓性部分によって平面タッチスクリーン面に加えられる圧力が、フレームの内側周縁領域付近で実質的に均一となっている、請求項1に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項5】
可撓性部分と剛性部分とが一体化している、請求項1に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項6】
封止部分が、ゴムまたは軟質な熱可塑性材料を含んで成る、請求項1に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項7】
フレームに設けられた開口部が、略矩形状であって、4つの内側側部および4つの内側コーナーを有して成り、
可撓性部分が、各々の内側側部に沿いに平面タッチスクリーンに向かって湾曲した輪郭を有し、該輪郭が各々の内側側部の中間点付近に曲率中心を有している、請求項1に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項8】
フレームが平面タッチスクリーンに設けられる際、可撓性部分の曲率中心付近における移動距離が、可撓性部分の開口部の内側コーナーにおける移動距離の少なくとも2倍となっており、好ましくは、可撓性部分の曲率中心付近における移動距離が、可撓性部分の開口部の内側コーナーにおける移動距離の少なくとも3倍となっている、請求項7に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項9】
可撓性部分の厚さが、剛性部分の厚さの半分以下である、請求項1に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項10】
可撓性部分にテーパーが付けられている、請求項1に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項11】
可撓性部分が、剛性部分との境界とフレームの内側周縁との間に規定される幅を有し、剛性部分が、フレームの外側周縁と可撓性部分との境界との間に規定される幅を有しており、可撓性部分の幅が剛性部分の幅と少なくとも等しくなっている、請求項1に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項12】
剛性部分とは同一平面上とならないように剛性部分に接続されている取付部分をフレームが更に有して成り、好ましくは、該取付部分がディスプレイ・デバイスに接続される、
請求項1に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項13】
平面タッチスクリーンが、その周縁領域に配置されたタッチ検知機構を有して成り、フレームによって、該タッチ検知機構が包囲され、該タッチ検知機構の周りに封止が形成されている、請求項1に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項14】
平面タッチスクリーンが、弾性波タッチスクリーン、容量式タッチスクリーンまたは抵抗式タッチスクリーンである、請求項1に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項15】
平面タッチスクリーンが赤外線式タッチスクリーンを有して成り、好ましくは、赤外線式タッチスクリーンに使用される赤外線に対して実質的に透明な材料をフレームが含んで成る、請求項1に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項16】
平面タッチスクリーンとディスプレイ・デバイスとが一体化しており、好ましくは、ディスプレイ・デバイスが、陰極線管または液晶ディスプレイを有して成る、請求項1に記載のタッチスクリーン・システム。
【請求項17】
タッチスクリーン・システムを組み立てる方法であって、
(1)平面タッチスクリーン面に平面タッチ検知領域を有して成る平面タッチスクリーンを供する工程、
(2)平面ディスプレイ面を備えたディスプレイ・デバイスに対して平面タッチスクリーンを結合する工程であって、
(a)中央開口部、
(b)第1平面を規定する上面を有し、フレームの外側周縁領域を成す剛性部分、
(c)剛性部分と接続され、フレームの内側周縁領域を成す可撓性部分であって、前記第1平面から離れるように延在している可撓性部分、および
(d)可撓性部分の内側周縁部に配置された封止部分
を有して成るフレームを供する工程、
(3)可撓性部分を平面タッチスクリーンに向くようにし、開口部により平面タッチ検知領域の外縁が実質的に規定されるように、平面タッチスクリーン上にフレームを配置する工程、ならびに
(4)封止部分と平面タッチスクリーン面とが接触するようにフレームを設け、平面タッチスクリーンが封止部分を介して可撓性部分によって押圧されるように可撓性部分を前記第1平面の方向へと移動させる工程
を含んで成る方法。
【請求項18】
タッチスクリーンが弾性波タッチスクリーンを有して成る、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2008−503804(P2008−503804A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516727(P2007−516727)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/021269
【国際公開番号】WO2006/007390
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(399132320)タイコ・エレクトロニクス・コーポレイション (234)
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Corporation
【Fターム(参考)】