説明

タッチパネル、およびそれを備えた表示装置

【課題】本発明は、寄生容量の偏差を抑制することによって静電容量検出感度の偏差の低減が可能なタッチパネルおよびそれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明によるタッチパネルは、複数の検出配線と端子とを電気的に接続するように形成された複数の引き出し配線と、複数の引き出し配線からなる配線束の最外両側の引き出し配線のうちの少なくとも一方の引き出し配線であって、当該引き出し配線のさらに外側端に沿って設けられ一端が端子10と電気的に接続されたダミー引き出し配線8b、9aとを有するタッチスクリーン1と、タッチスクリーン1にて発生した静電容量を検出する静電容量検出回路21と、検出配線と静電容量検出回路21との接続を順次に選択し、非選択の検出配線を所定電位となるように接続するスイッチ回路20とを備え、ダミー引き出し配線は、所定電位となるように接続されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル、およびそれを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
指などによるタッチを検出してその位置座標を特定するタッチパネルは、優れたユーザーインターフェース手段の一つとして注目されており、抵抗膜方式や静電容量方式などの種々方式によるタッチパネルが製品化されている。
【0003】
静電容量方式の一つとして、タッチセンサが内蔵されるタッチスクリーンの前面側を数mm厚程度のガラス板等の保護膜で覆った場合であってもタッチ検出が可能な投影型静電容量(Projected Capacitive)方式がある。この方式は、保護板を前面に配置できるので、堅牢性に優れる点、手袋装着時であってもタッチ検出が可能である点、稼動部が無いため長寿命である点などの利点を有している。
【0004】
例えば、特許文献1に記載のタッチパネルのタッチスクリーンの構成は、静電容量を検出するための検出導体として、薄い誘電膜に形成された第1シリーズの導体エレメントと、絶縁膜を隔てて形成された第2シリーズの導体エレメントとを備えており、各導体エレメント間には電気的接触はなく複数の交点を形成している。導体エレメントとして最適な材料は、例えば銀などの金属材料である。また、導体エレメントに替えて、10〜20μmの細い電線も使用することができる。
【0005】
また、静電容量を検出する導体エレメントは、出力線、マルチプレクサを介して容量制御オシレータに接続される。容量制御オシレータからの出力は除算器によってカウントされ容量検出データとされる。さらに、1以上の導体エレメントの検出容量相対値によって導体エレメント間のタッチ位置を補間できる。また、容量制御オシレータ出力によりバッファを介してサンプリングされていない導体エレメントを駆動することによって、背面側シールド面をなくすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表平9−511086号公報(第7頁19行〜第8頁4行、第8頁23行〜第9頁6行、第13頁4行〜12行、第13頁23行〜第14頁10行、図1、2、6、8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のタッチパネルに用いられる静電容量を検出する検出回路では、例えば特許文献1に記載されるような容量制御オシレータとして弛張発信器を用いることができる。弛張発信器には、抵抗素子および容量素子の充放電時定数に合わせて発振周期が概ね決まる形式や、定電流で容量素子を充電したときの電位が所定電位となる時間によって発振周期が概ね決まる形式などがある。
【0008】
このような静電容量を検出する検出回路は、タッチパネルの検出配線や、各々の検出配線と検出回路とを接続する接続配線の寄生容量など、使用者の指等(以下、指示体とする)によるタッチが無いときの検出量に対して、検出配線と指示体との間にて形成される静電容量(以下、タッチ容量とする)の検出量を変化量として検出する。従って、一般に、タッチ容量の検出感度は、寄生容量の大きさに対するタッチ容量の大きさに依存する。各検出配線の検出値によってタッチ位置の座標を補間演算する場合は、各検出配線の検出値間における偏差が小さいことが望ましい。
【0009】
検出感度に影響する寄生容量としては、タッチスクリーンの検出配線から外部接続用端子までの引き出し配線が有する寄生容量も含まれる。しかし、複数の引き出し配線からなる配線束の最外側の引き出し配線は、隣接する引き出し配線が片側にしか形成されていないため、最外側の引き出し配線において形成される静電容量は、最外側の引き出し配線以外の引き出し配線において形成される静電容量よりも小さい。そのため、最外側の引き出し配線に対応する検出配線をスキャンする際の容量検出感度は、最外側の引き出し配線以外の引き出し配線に対応する検出配線をスキャンする際の容量検出感度に対して偏差を生じる原因になるという問題があった。
【0010】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、寄生容量の偏差を抑制することによって静電容量検出感度の偏差の低減が可能なタッチパネルおよびそれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明によるタッチパネルは、行列方向に形成された複数の検出配線と、外部装置に対して電気的に接続可能に設けられた端子と、複数の検出配線と端子とを電気的に接続するように形成された複数の引き出し配線と、複数の引き出し配線からなる配線束の最外両側の引き出し配線のうちの少なくとも一方の引き出し配線であって、当該引き出し配線のさらに外側端に沿って設けられ一端が端子と電気的に接続されたダミー引き出し配線とを有するタッチスクリーンと、タッチスクリーンにて発生した静電容量を検出する静電容量検出回路と、検出配線と静電容量検出回路との接続を順次に選択し、非選択の検出配線を所定電位となるように接続するスイッチ回路とを備え、ダミー引き出し配線は、所定電位となるように接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、複数の引き出し配線からなる配線束の最外両側の引き出し配線のうちの少なくとも一方の引き出し配線であって、当該引き出し配線のさらに外側端に沿って設けられ一端が端子と電気的に接続されたダミー引き出し配線とを有するタッチスクリーンと、タッチスクリーンにて発生した静電容量を検出する静電容量検出回路と、検出配線と静電容量検出回路との接続を順次に選択し、非選択の検出配線を所定電位となるように接続するスイッチ回路とを備え、ダミー引き出し配線は、所定電位となるように接続されるため、寄生容量の偏差を抑制することによって静電容量検出感度の偏差の低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態1によるタッチスクリーンの構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施形態1によるタッチスクリーンの斜視断面図である。
【図3】本発明の実施形態1によるタッチパネルの全体構成図である。
【図4】本発明の実施形態1によるタッチパネルにおける静電容量検出系およびタッチ座標算出系のブロック図である。
【図5】本発明の実施形態1によるタッチパネルにおけるスイッチ回路の回路図である。
【図6】本発明の実施形態1によるタッチパネルにおけるダミー引き出し配線の効果を示す特性図である。
【図7】本発明の実施形態2による液晶表示装置の断面構成図である。
【図8】本発明の実施形態3によるタッチスクリーンの構成を示す平面図である。
【図9】本発明の実施形態3による液晶表示装置の断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。
【0015】
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態1によるタッチスクリーン1の構成を示す平面図であり、図2は、本発明の実施形態1によるタッチスクリーン1の斜視断面図である。なお、本実施形態2の場合の図面を含めた以下の各図面において、各図中にて用いられる同一の符号は、同一または相当の構成要素を示す。
【0016】
図1に示すように、タッチスクリーン1は、列方向(図1中のy方向に相当)に伸在し、かつ所定ピッチで行方向(図1中のx方向に相当)に平行配列された複数の検出用列配線2(検出配線)と、行方向xに伸在し、かつ所定ピッチで列方向yに平行配列された複数の検出用行配線3(検出配線)とを備えている。
【0017】
所定本数の検出用列配線2は、それぞれタッチスクリーン1の上端および下端にて接続用配線4a、4bによって共通に電気的に接続されており、一束の検出用列配線群6を構成している。同様に、所定本数の検出用行配線3は、それぞれタッチスクリーン1の左端および右端にて接続用配線5a、5bによって共通に電気的に接続されており、一束の検出用行配線群7を構成している。さらに、所定本数の検出用列配線群6が行方向xに平行配列されており、所定本数の検出用行配線群7も列方向yに平行配列されている。
【0018】
検出用列配線群6および検出用行配線群7(以下、検出配線群とする)は、引き出し配線によって端子10に接続されている。端子10は、外部装置に対して電気的に接続可能に設けられている。図1では、指示体がタッチスクリーン1にタッチしたとき、検出用列配線2および検出用行配線3(以下、検出配線とする)と指示体との間にタッチ容量が形成される。
【0019】
なお、図1において、検出配線群、引き出し配線、端子の図示を一部省略している。また、検出配線群の本数および配線ピッチ、検出配線群を構成する検出配線の本数、配線幅、および配線ピッチは、タッチパネルのタッチ位置(タッチ座標値)の要求分解能から適宜選択される。本実施形態では、検出用列配線群6および検出用行配線群7の本数をそれぞれm、nとし、説明の便宜上、検出用列配線群6をWc(0)、Wc(1)、・・・、Wc(m−2)、Wc(m−1)とし、検出用行配線群7をWr(0)、Wr(1)、・・・、Wr(n−2)、Wr(n−1)とする。また、これらの配線群に対応して、検出用列配線群6のWc(0)、Wc(1)、・・・、Wc(m−2)、Wc(m−1)の引き出し配線(列検出配線用引き出し配線)をそれぞれLc(0)、Lc(1)、・・・、Lc(m−2)、Lc(m−1)とし、検出用行配線群7のWr(0)、Wr(1)、・・・、Wr(n−2)、Wr(n−1)の引き出し線(行検出配線用引き出し配線)をそれぞれLr(0)、Lr(1)、・・・、Lr(n−2)、Lr(n−1)とする。すなわち、引き出し配線は、検出配線と端子10とを電気的に接続するように形成されている。
【0020】
引き出し配線は、端子10から配線束となってタッチスクリーン1上に引き回して形成される。例えば、図1に示すように、端子10をタッチスクリーン1の下辺に設けて、引き出し線Lr(0)、Lr(1)、・・・、Lr(n−2)、Lr(n−1)、およびLc(0)、Lc(1)、・・・、Lc(m−2)、Lc(m−1)のそれぞれを、端子10の左端から順に検出用列配線群6および検出用行配線群7に接続すると、引き出し配線からなる配線束の最外両端の引き出し配線はLr(0)およびLc(m−1)となる。本実施形態1では、引き出し配線Lr(0)のさらに外側にダミー引き出し配線9a(第1のダミー引き出し配線)を設け、Lc(m−1)のさらに外側にダミー引き出し配線8b(第2のダミー引き出し配線)を設けている。ダミー引き出し配線9a、8bの一端は、それぞれ端子10に電気的に接続されている。
【0021】
すなわち、ダミー引き出し配線は、複数の引き出し配線からなる配線束の最外両側の引き出し配線のうちの少なくとも一方の引き出し配線であって、当該引き出し配線のさらに外側端に沿って設けられ一端が端子10と電気的に接続されている。また、上記複数の引き出し配線が、行方向に形成された複数の検出用行配線群7に対応する複数の行検出配線用引き出し配線と、列方向に形成された複数の検出用列配線群6に対応する複数の列検出配線用引き出し配線とを備える場合において、ダミー引き出し配線9a(第1のダミー引き出し配線)は複数の行検出配線用引き出し配線からなる配線束(第1の配線束)の最外両側の引き出し配線のうちの少なくとも一方の引き出し配線に対応し、ダミー引き出し配線8b(第2のダミー引き出し配線)は複数の列検出配線用引き出し配線からなる配線束(第2の配線束)の最外両側の引き出し配線のうちの少なくとも一方の引き出し配線に対応する。
【0022】
また、図1に示すように、引き出し配線Lc(0)、Lc(1)、・・・、Lc(m−2)、Lc(m−1)からなる引き出し配線束(第2の配線束)と、Lr(0)、Lr(1)、・・・、Lr(n−2)、Lr(n−1)からなる引き出し配線束(第1の配線束)との間に、それぞれダミー引き出し配線8a、9bを設けている。ダミー引き出し配線8a、9bの一端は、それぞれ端子10に電気的に接続されている。すなわち、第1の配線束と第2の配線束とが並列に設けられる場合において、第1の配線束の最も第2の配線束側の行検出配線用引き出し配線、または、第2の配線束の最も第1の配線束側の列検出配線用引き出し配線のうちの少なくとも一方のさらに外側端に沿ってダミー配線が設けられる。
【0023】
ここで、検出配線群を複数の検出配線から構成するのではなく、検出配線群を1本のいわゆるベタ配線として構成すると、タッチ容量は大きく確保できるものの、表示パネルの前面にタッチパネルを配置して使用する場合には検出配線群が表示パネルの表示光の透過を妨げる要因となってしまい、表示光の透過率を低下させてしまう。そこで、本実施形態では、検出配線群を複数本の検出配線から構成し、検出配線間のスリット状開口部の面積を大きく設定することによって表示光の透過率の低下の抑制を図っている。ただし、表示光の透過率の低下の問題を甘受して、各検出配線群を1本のいわゆるベタ配線として構成する変形例を適用してもよい。
【0024】
次に、タッチスクリーン1の層構成について説明する。図2に示すように、タッチスクリーン1の上面層は透明なガラス材料または透明な樹脂からなる透明基板(以下、ベース基板12とする)であり、ベース基板12の裏面にはITO(Indium Thin Oxide:酸化インジウムスズ)などの透明配線材料からなる検出用列配線2が形成される。また、検出用列配線2を被覆するようにSiN(窒化シリコン)等の透明な層間絶縁膜13が形成され、層間絶縁膜13の裏面に透明配線材料からなる検出用行配線3が形成される。さらに、検出用行配線3を被覆するようにSiN等の透明な保護膜14が形成される。なお、図2に示すようなタッチスクリーン1の層構成において、検出用列配線2と検出用行配線3との配設位置を逆にして、ベース基板12の裏面に検出用行配線3を形成し、層間絶縁膜13の裏面に検出用列配線2を形成するようにしてもよい。
【0025】
なお、検出配線はITO等の透明配線材料を用いた透明配線ではなく、アルミニウム等の金属配線材料を用いて構成してもよい。金属配線材料を用いる場合は、前述の通り、検出配線群を複数本の検出配線から構成し、検出配線間のスリット状開口部の面積を大きく設定することによって表示光に対する透過率が確保される。
【0026】
図3は、本発明の実施形態1によるタッチパネルの全体構成図である。図3に示すように、タッチスクリーン1の端子10(図1参照)には、FPC(Flexible Printed Circuit)17の端子がACF(Anisotropic Conductive Film)等を用いて実装されており、FPC17を介してタッチスクリーン1の検出配線群の端部とコントローラ基板18とが電気的に接続されることによって、タッチパネルとして機能する。また、コントローラ基板18には、タッチスクリーン1にて検出されたタッチ容量の検出結果に基づいて、指示体のタッチ位置をタッチスクリーン1上におけるタッチ位置座標として算出処理を行う検出処理回路19が搭載されている。検出処理回路19にて算出された指示体のタッチ座標の値は、検出座標データとして外部のコンピュータ(図示せず)等に出力される。このように、本実施形態によるタッチパネルは、タッチスクリーン1とFPC17およびコントローラ基板18とを組み合わせたものであり、以下、単にタッチパネルとする。
【0027】
図4は、本発明の実施形態1によるタッチパネルにおける静電容量検出系およびタッチ座標算出系のブロック図である。図4に示すように、図3における検出処理回路19は、スイッチ回路20、静電容量検出回路21、タッチ位置算出回路22を備え、スイッチ回路20、静電容量検出回路21、タッチ位置算出回路22のそれぞれを制御する検出制御回路23が設けられている。静電容量検出回路21は、タッチスクリーン1にて発生した静電容量を検出し、静電容量検出回路21の検出端には、バッファ回路24の入力端が接続されている。ここで、例えば、静電容量検出回路として前述のRC時定数によって発振周期変化を検出する弛張発信器を用いる場合は、抵抗素子と容量素子との接続点が検出端となる。また、定電流を容量素子に充電する時間を発振周期とする場合は、定電流源と容量素子との接続点が検出端となる。
【0028】
各検出用列配線群6の一端(図4中の下端)は、引き出し配線Lc(0)、・・・、Lc(m−1)および端子10を介してスイッチ回路20に接続され、各検出用行配線群7の一端(図4中の左端)は、引き出し配線Lr(0)、・・・、Lr(n−1)および端子10を介してスイッチ回路20に接続されている。
【0029】
図5は、本発明の実施形態1によるタッチパネルにおけるスイッチ回路20の回路図である。図5に示すように、スイッチ回路20は、検出用列配線群6および検出用行配線群7の各配線群ごとに2:1に接続を切り替えるアナログ・マルチプレクサ回路27を含む。検出用列配線群6および検出用行配線群7の各配線群は、それぞれに対応したスイッチ回路20のアナログ・マルチプレクサ回路29によって静電容量検出回路21の検出端またはバッファ回路24の出力端に接続が切り替えられる。なお、アナログ・マルチプレクサ回路27もスイッチ回路と称することがある。
【0030】
スイッチ回路20を構成するアナログ・マルチプレクサ回路27は、検出制御回路23から出力される制御信号に指示に従って接続を選択し、検出用列配線群6および検出用行配線群7から1配線群ずつ静電容量検出回路21との接続を順に切り替える。従って、静電容量回路21との接続が選択された1つの配線群が選択配線群として検出対象となり、その他の非選択配線群はバッファ回路24の出力(所定電位)に接続される。静電容量検出回路21から出力される各検出配線群に対応した静電容量検出結果は、タッチ座標算出回路22に入力され、タッチ座標算出回路22にて静電容量検出結果に基づいて指示体のタッチ座標が算出される。タッチ座標の算出は、所定閾値を超える検出値となる検出配線群がある場合において、隣接する検出群の検出値も用いることによって検出配線群間の座標を補間演算して求める。タッチ座標の算出では、各検出配線群に対応した検出値の偏差が小さいことが望ましい。
【0031】
バッファ回路24は、静電容量検出回路21の検出端に現れる電位(所定電位)をバッファリングして非選択配線群に印加している。このようにすることによって、スイッチ回路20による選択配線群と非選択配線群とを略同電位とすることができ、両配線群間に形成されるカップリング容量の影響を低減することが可能となる。同様に、選択配線群に接続される引き出し配線と、その他の配線群に接続される引き出し配線との間におけるカップリング容量も低減される。しかし、バッファ回路24の周波数特性、駆動能力、オフセット等の影響によって入出力誤差が生じるため、選択配線群に接続される引き出し配線と、その他の配線群に接続される引き出し配線との間にカップリング容量が発生する。
【0032】
例えば、図4に示すように、端子10からの列検出配線群用引き出し配線からなる配線束のうちの最外側(端子10の右端)の引き出し配線Lc(m−1)は、片側に隣接引き出し配線が存在しないため、他の列検出配線用引き出し配線Lc(0)、・・・、Lc(m−2)よりも引き出し配線間のカップリング容量が小さくなる。同様に、端子10からの行検出配線用引き出し配線からなる配線束のうちの最外側(端子10の左端)の引き出し配線Lr(0)は、片側に隣接引き出し配線が存在しないため、他の行検出配線用引き出し配線Lr(1)、・・・、Lr(n−1)よりも引き出し配線間のカップリング容量が小さくなる。このような傾向は、タッチスクリーンのサイズが大きくなり、引き出し配線が長くなるほど顕著に現れる。
【0033】
このような問題を解決するために、本実施形態1では、引き出し配線Lc(m−1)のさらに外側にダミー引き出し配線8bを設け、引き出し配線Lr(0)のさらに外側にダミー引き出し配線9aを設けている。そして、図4に示すように、ダミー引き出し配線8b、9aをバッファ回路24の出力と接続し、静電容量検出回路21における検出端のバッファリング電位を印加するように構成する。すなわち、ダミー引き出し配線は、バッファ回路24の出力(所定電位)となるように接続されている。
【0034】
図6は、本発明の実施形態1によるタッチパネルにおけるダミー引き出し配線の効果を示す特性図である。図6では、例えば、各引き出し配線幅を100μm、引き出し配線長を100mm、引き出し配線の本数を20本とした場合、引き出し配線間のスペース(間隙)における引き出し配線間の静電容量について、最外側の引き出し配線と中央引き出し配線と比較を示している。ダミー引き出し配線が形成されていない場合、最外側の引き出し配線における静電容量(図中点線)は、中央引き出し配線における静電容量(図中鎖線)とかなりの差が生じている。これに対して、最外側にダミー引き出し配線を形成した場合、最外側の引き出し配線における静電容量(図中実線)は、中央引き出し配線における静電容量とほとんど差が無いことが分かる。
【0035】
FPCによって外部(外部装置)に接続するために設けられた端子10は、本実施形態に示すように、FPCの実装やコストの関係からタッチスクリーン1の一辺の一箇所に設けることが望ましい。このように設けた場合、列検出配線用引き出し配線の配線束と行検出配線用引き出し配線の配線束とが近接して形成される。例えば、本実施形態(図1)のように、端子10を検出用列配線群6の端子10に近い下辺側(接続用配線4a側)に設けた場合、列検出配線用引き出し配線Lc(0)と、それに隣接する行検出配線用引き出し配線Lr(n−1)との距離は、他の列検出配線用引き出し配線間(例えば、Lc(0)とLc(1))の距離に比べて長くなる。同様に、行検出配線用引き出し配線Lr(n−1)と、それに隣接する列検出配線用引き出し配線Lc(0)との距離は、他の行検出配線用引き出し配線間(例えば、Lr(n−1)とLr(n−2))の距離に比べて長くなる。
【0036】
上記のことから、本実施形態では、図1および図4に示すように、列検出配線用引き出し配線Lc(0)と行検出配線用引き出し配線Lr(n−1)との間であって列検出配線用引き出し配線Lc(0)に沿ってダミー引き出し配線8aを設けている。同様に、行検出配線用引き出し配線Lr(n−1)と列検出配線用引き出し配線Lc(0)との間であって行検出配線用引き出し配線Lr(n−1)に沿ってダミー引き出し配線9bを設けている。
【0037】
このように、ダミー引き出し配線8aを設けることによって、列検出配線用引き出し配線Lc(0)の両側の配線間隔を他の列検出配線用引き出し配線の間隔と同じにすることができ、列検出配線用引き出し配線Lc(0)にて生じる寄生容量と、他の列検出配線用引き出し配線にて生じる寄生容量との偏差を抑えることができる。同様に、ダミー引き出し配線9bを設けることによって、行検出配線用引き出し配線Lr(n−1)の両側の配線間隔を他の行検出配線用引き出し配線の間隔と同じにすることができ、行検出配線用引き出し配線Lr(n−1)にて生じる寄生容量と、他の行検出配線用引き出し配線にて生じる寄生容量との偏差を抑えることができる。
【0038】
なお、ダミー引き出し配線の幅は、寄生容量を揃える対象となる隣接する引き出し配線の幅によって適宜設定すればよい。通常は、引き出し配線と同じ幅に設定することが望ましい。
【0039】
以上のことから、ダミー引き出し配線8bを設けることによって、列検出配線用引き出し配線Lc(m−1)における静電容量が、他の列検出配線用引き出し配線における静電容量より小さくなることを防ぐことができ、列検出配線用引き出し配線や検出用列配線群を含めた列側の検出対象となる配線の寄生容量の偏差を抑制することができ、列方向検出の静電容量検出感度の偏差の低減が可能となる。同様に、ダミー引き出し配線9aを設けることによって、行検出配線用引き出し配線Lr(0)における静電容量が、他の行検出配線用引き出し配線における静電容量より小さくなることを防ぐことができ、行検出配線用引き出し配線や検出用行配線群を含めた行側の検出対象となる配線の寄生容量の偏差を抑制することができ、行方向検出の静電容量検出感度の偏差の低減が可能となる。
【0040】
また、ダミー引き出し配線8aを設けることによって、列検出配線用引き出し配線Lc(0)の両側の配線間隔を他の列検出配線用引き出し配線の間隔と同じにすることができ、列検出配線用引き出し配線や検出用列配線群を含めた列側の検出対象となる配線の寄生容量の偏差を抑制することができ、列方向検出の静電容量検出感度の偏差の低減が可能となる。同様に、ダミー引き出し配線9bを設けることによって、行検出配線用引き出し配線Lr(n−1)の両側の配線間隔を他の行検出配線用引き出し配線の間隔と同じにすることができ、行検出配線用引き出し配線や検出用行配線群を含めた行側の検出対象となる配線の寄生容量の偏差を抑制することができ、行方向検出の静電容量検出感度の偏差の低減が可能となる。
【0041】
〈実施形態2〉
本発明の実施形態2は、実施形態1におけるタッチスクリーン1を液晶表示パネルに貼り付けることによって、タッチパネルと液晶表示パネルとを一体化させた液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)であることを特徴とする。
【0042】
図7は、本発明の実施形態2による液晶表示装置の検出用列配線2に沿った断面構成図である。図7に示すように、液晶表示パネル41は、ガラス基板上にカラーフィルタ、ブラックマトリックス、透明電極、および配向膜のそれぞれが形成されてなるカラーフィルタ基板44と、ガラス基板上にスイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)等が形成されてなるTFTアレイ基板46と、カラーフィルタ基板44とTFTアレイ基板46との間に挟持されたTN(Twisted Nematic)液晶からなる液晶層45と、粘着層47によってTFTアレイ基板46の裏面側に粘着された偏光板48とを備えている。さらに、カラーフィルタ基板44の表面側には、粘着層43によって偏光板42が粘着されている。また、液晶表示パネル41の裏面側には、光源であるバックライト49が配設されている。
【0043】
他方で、本実施形態1によるタッチスクリーン1が、粘着層40によって液晶表示パネル41の表面側の偏光板42に粘着されている。
【0044】
TFTアレイ基板46には、外部のドライバ回路(図示せず)から、表示する画像に応じた信号が入力され、それに応じて画素ごとに形成されたTFTによるスイッチング素子を介して液晶層45に対する印加電圧を制御し、液晶層45の液晶分子の配列方向を変化させる。バックライト49からの入射光は、偏光板48を通過して直線偏光の光となり、液晶層45を通過することによって表示する画像信号に応じて振動方向が曲げられ、カラーフィルタ基板44に形成されたカラーフィルタを通過することによって三原色の光に分離される。そして、分離された各光は偏光板42を通過することによって、画像信号に応じた光強度を有する光となる。偏光板42を通過した光は、タッチスクリーン1を通過して表示光として使用者に視認される。
【0045】
このように、画像信号に応じてバックライト49からの光の透過率を制御することによって、液晶表示装置は所望の表示を行う。また、タッチスクリーン1を含むタッチパネルは、実施形態1と同様に、静電容量検出結果の変化に基づいてタッチ座標を算出し、算出したタッチ座標を出力する。
【0046】
このとき、実施形態1におけるタッチスクリーン1(図1参照)では、検出用列配線群6および検出用行配線群7のそれぞれを複数の検出配線から構成し、検出配線間のスリット状開口部の面積を大きく設定することによって表示光の透過率の低下を抑制しているため、偏光板42を通過した光のほとんどはタッチスクリーン1を通過して表示光となる。このため、タッチスクリーン1が液晶表示パネル41の前面側(表面側)に配設されても、表示輝度をほとんど低下させることがない。
【0047】
なお、本実施形態2では、STN(Super Twisted Nematic)液晶等、TN液晶以外の液晶を用いても同様の液晶表示装置を構成することが可能である。また、本実施形態2では、表示装置として液晶表示装置を例として説明したが、有機または無機のEL(Electro Luminescence)表示装置やPDP(Plasma Display Panel)装置等の他方式の表示装置であっても、実施形態1におけるタッチパネルを備えた表示装置を構成することが可能である。
【0048】
以上のことから、タッチスクリーン1と液晶表示パネル41とを貼り付けて一体化して表示装置を構成しているため、従来では必要であったタッチスクリーンの保持機構をなくすことができ、表示装置全体の厚みを薄くすることが可能となる。また、タッチスクリーン1と液晶表示パネル41とが一体化して表示装置を構成しているため、タッチスクリーン1と液晶表示パネル41との間隙にゴミ等の異物が混入することによって生じ得る表示への悪影響を防止することができる。
【0049】
〈実施形態3〉
本発明の実施形態3では、実施形態1におけるダミー引き出し配線を設ける替わりに、他の引き出し配線に比べて寄生容量が小さくなる引き出し配線に対して容量形成部を設けることを特徴とする。タッチスクリーン1におけるその他の構成および動作は、実施形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0050】
図8は、本発明の実施形態3によるタッチスクリーン1の構成を示す平面図であり、図9は、本発明の実施形態3による液晶表示装置の検出用列配線2に沿った断面構成図である。実施形態1にて説明したように、列検出配線用引き出し配線Lc(m−1)は、他の列検出配線用引き出し配線よりも寄生容量が小さい。そこで、本実施形態3では、図8に示すように、列検出配線用引き出し配線Lc(m−1)に対して新たに静電容量を付加するために容量形成部30aを設けている。
【0051】
タッチスクリーン1を液晶表示装置等と組み合わせて表示装置を構成する際、液晶表示装置等で生じたノイズを抑制するために、図9に示すようなタッチスクリーン1の裏面にITO等からなる透明シールド電極52を設けることが考えられる。図9では、タッチスクリーン1の裏面に、例えば粘着層50によってベースフィルム53の表面に透明シールド電極52が形成された透明シールドフィルム51が粘着された構成を示している。ここで、透明シールド電極52に対して印加される電位は、例えばグランド電位またはバッファ回路24の出力電位とする。
【0052】
列検出配線用引き出し配線Lc(m−1)に設けられた容量形成部30a(第1の容量形成部)と、タッチスクリーン1の裏面に配置された透明シールド電極52との間に形成される静電容量が寄生容量として付加される。すなわち、容量形成部30aは、複数の引き出し配線からなる配線束の両側の引き出し配線のうちの少なくとも一方の引き出し配線に対して、シールド電極52との間で静電容量を発生させるように形成されている。
【0053】
また、列検出配線用引き出し配線Lc(0)に対しても容量形成部30bを設け、容量形成部30bと透明シールド電極52との間に形成される静電容量が寄生容量として付加される。
【0054】
同様に、行検出配線用引き出し配線Lr(0)に対して容量形成部30c(第2の容量形成部)を設け、行検出配線用引き出し配線Lr(n−1)に対して容量形成部30dが設け、容量形成部30c、30dと透明シールド電極52との間に形成される静電容量が寄生容量として付加される。
【0055】
ただし、列検出配線用引き出し配線Lc(0)は、行検出配線用引き出し配線Lr(n−1)と近接して形成されることが考えられ、寄生容量が他の引き出し配線に比べて小さくならないことがある。この場合は、容量形成部30bの有無を選択すればよい。また、容量形成部30a〜30dのサイズは、他の引き出し配線の寄生容量とのバランスによって、付加される寄生容量の大きさに応じて適宜設定すればよい。すなわち、行検出配線用引き出し配線からなる配線束(第1の配線束)と、列検出配線用引き出し配線からなる配線束(第2の配線束)とが並列に設けられる場合において、第1の配線束の最も第2の配線束側の行検出配線用引き出し配線、または、第2の配線束の最も第1の配線束側の列検出配線用引き出し配線のうちの少なくとも一方に対して容量形成部が設けられる。
【0056】
静電容量検出回路の方式によっては、測定対象の静電容量の接続点までの配線抵抗によって検出感度が低下する場合がある。この場合、検出配線群の配線抵抗の大きさによっては、タッチ位置が引き出し配線側から反対側に離れるに従ってタッチ容量の検出感度が低下傾向を示す。また、引き出し配線抵抗が検出配線群の抵抗に対して無視できない大きさとなると、引き出し配線の抵抗も各検出配線群の検出感度偏差の原因となる。
【0057】
このように、引き出し配線抵抗が無視できない場合、列検出配線用引き出し配線および行検出配線用引き出し配線のそれぞれにおいて、容量形成部30a〜30dを設けた各引き出し配線の抵抗を揃えるように各引き出し配線幅が選定されることが望ましい。このとき、容量形成部30a〜30dが設けられた引き出し配線の抵抗と、同一の配線束における他の引き出し配線の抵抗との差を抑えるために、容量形成部30a〜30dが設けられた引き出し配線の延在方向の長さなどを選定すればよい。
【0058】
以上のことから、列検出配線用引き出し配線Lc(m−1)に対して容量形成部30aを設けることによって、列検出配線用引き出し配線Lc(m−1)における静電容量が、他の列検出配線用引き出し配線における静電容量より小さくなることを防ぐことができ、列検出配線用引き出し配線や検出用列配線群を含めた列側の検出対象となる配線の寄生容量の偏差を抑制することができ、列方向検出の静電容量検出感度の偏差の低減が可能となる。同様に、行検出配線用引き出し配線Lr(0)に対して容量形成部30cを設けることによって、行検出配線用引き出し配線Lr(0)における静電容量が、他の行検出配線用引き出し配線における静電容量より小さくなることを防ぐことができ、行検出配線用引き出し配線や検出用行配線群を含めた行側の検出対象となる配線の寄生容量の偏差を抑制することができ、行方向検出の静電容量検出感度の偏差の低減が可能となる。
【0059】
なお、本実施形態では、端子10をタッチスクリーン1の下辺に設けるようにしたが、他の辺の一辺または複数辺に分割して設ける場合であっても同様に実施することが可能である。
【0060】
また、本実施形態では、行検出配線用引き出し配線をタッチスクリーン1の左辺側を通るようにして端子10と接続するように形成したが右辺側であってもよく、左右両辺側(例えば、上半分の引き出し配線を左辺側、下半分の引き出し配線を右辺側)に分割して端子10と接続するように形成してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 タッチスクリーン、2 検出用列配線、3 検出用行配線、4a,4b,5a,5b 接続用配線、6 検出用列配線群、7 検出用行配線群、8a,8b,9a,9b ダミー引き出し配線、10 端子、12 ベース基板、13 層間絶縁膜、14 保護膜、17 FPC、18 コントローラ基板、19 検出処理回路、20 スイッチ回路、21 静電容量検出回路、22 タッチ座標算出回路、23 検出制御回路、24 バッファ回路、27 アナログ・マルチプレクサ回路、30a〜30d 容量形成部、40 粘着層、41 液晶表示パネル、42 偏光板、43 粘着層、44 カラーフィルタ基板、45 液晶層、46 TFTアレイ基板、47 粘着層、48 偏光板、49 バックライト、50 粘着層、51 透明シールドフィルム、52 透明シールド電極、53 ベースフィルム、Lc(0)〜Lc(m−1) 列検出用引き出し配線、Lr(0)〜Lr(n−1) 行検出用引き出し配線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列方向に形成された複数の検出配線と、
外部装置に対して電気的に接続可能に設けられた端子と、
前記複数の検出配線と前記端子とを電気的に接続するように形成された複数の引き出し配線と、
前記複数の引き出し配線からなる配線束の最外両側の引き出し配線のうちの少なくとも一方の引き出し配線であって、当該引き出し配線のさらに外側端に沿って設けられ一端が前記端子と電気的に接続されたダミー引き出し配線と、
を有するタッチスクリーンと、
前記タッチスクリーンにて発生した静電容量を検出する静電容量検出回路と、
前記検出配線と前記静電容量検出回路との接続を順次に選択し、非選択の前記検出配線を所定電位となるように接続するスイッチ回路と、
を備え、
前記ダミー引き出し配線は、前記所定電位となるように接続されることを特徴とする、タッチパネル。
【請求項2】
前記複数の引き出し配線は、
行方向に形成された前記複数の検出配線に対応する複数の行検出配線用引き出し配線と、
列方向に形成された前記複数の検出配線に対応する複数の列検出配線用引き出し配線と、
を備え、
前記ダミー引き出し配線は、
前記複数の行検出配線用引き出し配線からなる第1の配線束の最外両側の引き出し配線のうちの少なくとも一方の引き出し配線に対応する第1のダミー引き出し配線と、
前記複数の列検出配線用引き出し配線からなる第2の配線束の最外両側の引き出し配線のうちの少なくとも一方の引き出し配線に対応する第2のダミー引き出し配線と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記第1の配線束と、前記第2の配線束とが並列に設けられる場合において、
前記第1の配線束の最も前記第2の配線束側の前記行検出配線用引き出し配線、または、前記第2の配線束の最も前記第1の配線束側の前記列検出配線用引き出し配線のうちの少なくとも一方のさらに外側端に沿ってダミー引き出し配線が設けられることを特徴とする、請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
行列方向に形成された複数の検出配線と、
外部装置に対して電気的に接続可能に設けられた端子と、
前記複数の検出配線と前記端子とを電気的に接続するように形成された複数の引き出し配線と、
を有するタッチスクリーンと、
前記タッチスクリーンの裏面に配置されたシールド電極と、
前記タッチスクリーンにて発生した静電容量を検出する静電容量検出回路と、
前記検出配線と前記静電容量検出回路との接続を順次に選択し、非選択の前記検出配線を所定電位となるように接続するスイッチ回路と、
前記複数の引き出し配線からなる配線束の両側の引き出し配線のうちの少なくとも一方の引き出し配線に対して、前記シールド電極との間で静電容量を発生させるように形成された容量形成部と、
を備える、タッチパネル。
【請求項5】
前記複数の引き出し配線は、
行方向に形成された前記複数の検出配線に対応する複数の行検出配線用引き出し配線と、
列方向に形成された前記複数の検出配線に対応する複数の列検出配線用引き出し配線と、
を備え、
前記容量形成部は、
前記複数の行検出配線用引き出し配線からなる第1の配線束の最外両側の行検出用引き出し配線のうちの少なくとも一方の行検出用引き出し配線に対して形成された第1の容量形成部と、
前記複数の列検出配線用引き出し配線からなる第2の配線束の最外両側の列検出用引き出し配線のうちの少なくとも一方の列検出用引き出し配線に対して形成された第2の容量形成部と、
を備えることを特徴とする、請求項4に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記第1の配線束と、前記第2の配線束とが並列に設けられる場合において、
前記第1の配線束の最も前記第2の配線束側の前記行検出配線用引き出し配線、または、前記第2の配線束の最も前記第1の配線束側の前記列検出配線用引き出し配線のうちの少なくとも一方に対して前記容量形成部が設けられることを特徴とする、請求項5に記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記静電容量検出回路の検出端の電位をバッファリングして出力するバッファ回路をさらに備え、
前記スイッチ回路によって接続される前記所定電位は、前記バッファ回路の出力電位であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のタッチパネルと、
表示パネルと、
を備える、表示装置。
【請求項9】
前記タッチスクリーンは、前記表示パネルの前面側に粘着されていることを特徴とする、請求項8に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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