説明

タッチパネル、タッチ検出機能付き表示装置、タッチパネル用アダプタおよび電子機器

【課題】表面の傷の防止や強度の確保ができ、かつ、軽いタッチを実現可能なタッチパネル、タッチ検出機能付き表示装置、タッチパネル用アダプタおよび電子機器を得る。
【解決手段】それぞれ一方の面に電極が形成され、各電極形成面同士が向かい合うように互いに離間して配置された第1の基板(アレイ基板11)および第2の基板(カラーフィルタ基板12)と、第2の基板の電極形成面とは反対側に、第2の基板から離間して配置された弾性を有する板状の弾性シート16とを備える。外力が弾性シート16からカラーフィルタ基板12に伝達される際により狭い接触領域に集中させることができ、タッチセンサの表面(カラーフィルタ基板12)にかかる圧力Pが増加し、間隙15が無いときに比べ、弱い外力Fでのタッチ検出が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが指などで接触することにより情報入力が可能なタッチパネルに係わり、特に、接触によって生じる撓みに基づいてタッチを検出するタッチパネル、タッチ検出機能付き表示装置、タッチパネル用アダプタおよび電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるタッチパネルと呼ばれる接触検出装置を液晶表示装置などの表示装置上に装着し、その表示装置に各種のボタン画像を表示させることにより、通常の機械式ボタンの代わりとして情報入力を可能とした表示装置が注目されている。タッチパネルを有する表示装置は、キーボードやマウス、キーパッドのような入力装置を必要としないため、コンピュータのほか、携帯電話のような携帯情報端末などでも、使用が拡大する傾向にある。
【0003】
タッチパネルの方式には様々なものがあるが、その一つとして、指などの接触(外力)によって生じるタッチパネルの撓みを検出する方式が挙げられる。例えば、抵抗膜式、電極接触式、容量式などがこの方式に属する。抵抗膜式は、外力によりタッチパネルを構成する対向する2枚の抵抗膜の電極同士が接触したときの、その2枚の抵抗膜のそれぞれの抵抗成分に起因する抵抗分圧比を得ることにより、タッチの位置を検出するものであり、例えば表示装置上に外付けされる。電極接触式は、対向する2枚の基板上の電極同士が外力により接触することによりタッチの位置を検出するものであり、例えば表示装置に内蔵されることが多い(例えば特許文献1、2、3参照)。そして、容量式は、例えば、表示装置に内蔵され、外力により対向する2枚の基板上の電極同士が近接することによりタッチの位置を検出するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−75074号公報
【特許文献2】特開2007−52369号公報
【特許文献3】特開2007−95044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種のタッチパネルには、その表面の傷の防止や強度の確保などを目的として、ガラスやアクリルなどからなるカバーがその表面に配置されることが求められる。その場合、カバーをその表面に密着するように配置することが考えられる。しかしながら、このカバーは、指などの接触により与えられた外力を分散するように機能するため、タッチパネルの表面に実際にかかる圧力が低下する。これは、タッチが認識されるためには、カバーが無いときに比べ、より強い外力が必要となることを意味している。つまりタッチが重くなる。よって、スタイラスを使って情報を入力する場合はまだしも、例えば、指の腹などのより広い面積で接触する場合には、強い力でタッチする必要があるため、使いにくいものとなる。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、表面カバーを有しながらも、軽いタッチを実現可能なタッチパネル、タッチ検出機能付き表示装置、タッチパネル用アダプタおよび電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のタッチパネルは、第1の基板と、第2の基板と、弾性シートとを備えている。ここで、第1の基板と第2の基板は、それぞれ一方の面に電極が形成され、その電極形成面同士が向かい合うように互いに離間して配置されている。弾性シートは、元来、タッチパネル本体を覆うカバー部材として機能するものであり、第2の基板の電極形成面とは反対側(操作面側)に、その第2の基板から離間して配置されている。
【0008】
本発明のタッチ検出機能付き表示装置は、上記本発明のタッチパネルを備えた表示装置である。この場合、表示装置としては液晶を用いたものや有機ELを用いたものを利用することが可能である。
【0009】
本発明のタッチパネル用アダプタは、既存のタッチパネルに外付けされて用いられるものであり、弾性シートと、止め具とを備えている。ここで、弾性シートは、タッチパネルの操作面から離間して配置され、止め具によってタッチパネルに固定される。
【0010】
本発明の電子機器は、上記本発明のタッチパネルを備えたものであり、例えば、携帯電話、PDA(Personal Data Assistance)およびモバイルパソコン等の情報端末装置や、テレビジョン受像機、デジタルカメラおよびデジタルムービー等の映像機器等が該当する。
【0011】
本発明のタッチパネル、タッチ検出機能付き表示装置および電子機器では、指などが弾性シートの表面に接触(タッチ)したとき、その局所的圧力に応じて、この弾性シートが撓んで第2の基板に接触し、これを押下することにより第2の基板が撓み(へこみ)、第1の基板および第2の基板の電極同士が局所的に接近または接触することにより、そのタッチを検出する。このとき、外力が弾性シートを介して第2の基板に伝達される際に、より狭い接触領域に力を集中させることができる。このため、第2の基板の表面にかかる圧力が増加する。その結果、弾性シートと第2の基板との間に間隙が無いときに比べ、より弱い外力でのタッチ検出が実現できるようになる。
【0012】
なお、弾性シートは、タッチ検出領域(タッチ操作領域)の外側で支持されているのが好ましく、その支持は複数の点状の突起物によって行われているのが好ましい。弾性シートと第2の基板の間の間隙には、空気が充填されていることが好ましい。また、弾性シートと第2の基板の互いに対向する面のタッチ検出領域内に、突起が形成されていてもよい。
【0013】
また、本発明のタッチパネル用アダプタでは、指などが弾性シートの表面に接触(タッチ)したとき、その局所的圧力に応じて、この弾性シートが撓んで(へこんで)タッチパネルに接触することによりそのタッチを検出する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のタッチパネル、タッチ検出機能付き表示装置、タッチパネル用アダプタおよび電子機器によれば、表面に配置するカバー部材としての弾性シートと第2の基板との間に間隙を設けるようにしたので、表面カバーを有しながらも、より軽いタッチでの検出を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成例を表す平面図および断面図である。
【図2】図1に示したタッチ検出機能付き表示装置のより詳細な断面図である。
【図3】図2に示したタッチ検出機能付き表示装置の作用原理を表す模式図である。
【図4】図2に示したタッチ検出機能付き表示装置の実験例(接触面積)を表すプロット図である。
【図5】図2に示したタッチ検出機能付き表示装置の主要部材の光学特性を表す表である。
【図6】図2に示したタッチ検出機能付き表示装置の一実施例(作動特性)を表すプロット図および表である。
【図7】図2に示したタッチ検出機能付き表示装置の一実施例(他の作動特性)を表すプロット図および表である。
【図8】第1の実施の形態における一変形例を表す平面図および断面図である。
【図9】第1の実施の形態における他の変形例を表す断面図である。
【図10】第1の実施の形態におけるさらに他の変形例を表す断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例(タッチパネル用アダプタを外付け装着した表示装置)を表す平面図および断面図である。
【図12】上記各実施の形態を適用したタッチ検出機能付き表示装置のうち、適用例1の外観構成を表す斜視図である。
【図13】適用例2の外観構成を表す斜視図である。
【図14】適用例3の外観構成を表す斜視図である。
【図15】適用例4の外観構成を表す斜視図である。
【図16】適用例5の外観構成を表す正面図、側面図、上面図および下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(タッチ検出機能付き表示装置、およびタッチパネル)
2.第2の実施の形態(タッチパネル用アダプタ)
3.適用例
【0017】
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成例を表すものであり、(A)はタッチ検出機能付き表示装置1の平面図を示し、(B)はタッチ検出機能付き表示装置1のI−I矢視方向の概略断面構造を示す。このタッチ検出機能付き表示装置1は、液晶表示素子を用いた表示パネル構造と、外力によって発生する撓みを検出するタッチ検出構造とを備えている。これらの表示パネル構造とタッチ検出構造とは一体に構成されている。すなわち、このタッチ検出機能付き表示装置は、いわゆるインセル型のデバイスである。
【0018】
タッチ検出機能付き表示装置1は、互いに対向するアレイ基板11およびカラーフィルタ基板12を含む液晶表示パネル10と、この液晶表示パネル10を収容するバックライトユニット14と、液晶表示パネル10の前側(図では上側)に設けられた弾性シート16とを備えている。バックライトユニット14は、緩衝部材19を介して筐体18の内部に配置されている。
【0019】
アレイ基板11は、透明基板上に液晶素子を駆動するためのTFT(薄膜トランジスタ)や透明な画素電極など(後述)を形成してなる基板である。カラーフィルタ基板12は、透明基板上にカラーフィルタや透明な共通電極など(後述)を形成してなる基板である。アレイ基板11とカラーフィルタ基板12との間には、図示しない液晶層が設けられている。アレイ基板11とカラーフィルタ基板12の互いに対向する面には、後述するように、タッチセンサ構造が形成されている。
【0020】
アレイ基板11上にはCOG(Chip On Glass)13が配置されている。このCOG13は、画素電極、共通電極やTFTなどを駆動するための回路などをチップ化したものである。COG13には、このほか、タッチセンサ用の検出回路などが含まれていてもよい。バックライトユニット14は、アレイ基板11の下に配置される図示しないバックライトを含み、アレイ基板11に向かって光を射出する。この光が液晶層により変調されることにより画像が表示され、液晶表示装置として機能することとなる。
【0021】
弾性シート16は、カラーフィルタ基板12と離間して配置される透明なシート部材であり、例えば、ガラスやアクリル、ポリカーボネートなどの、衝撃に強い材料で構成される。カラーフィルタ基板12と弾性シート16との間には、間隙15が設けられており、空気で満たされている。その間隙15の間隙幅D(図2参照)は、バックライトユニット14の外枠部141によって確保されるようになっている。この外枠部141は、バックライトユニット14の外周底部から弾性シート16に向かって立設されたものであり、その上端が弾性シート16と接することにより間隙15の間隙幅を所定値に維持するスペーサとして機能している。
【0022】
なお、弾性シート16のうち、液晶表示パネル10の有効表示領域Sに対応する領域だけを透明にし、それ以外の領域については不透明加工がされていても良い。また、弾性シート16は、強度の向上や機能の付加のために多層の材料から構成されるものでも良く、例えば、表面に反射防止や傷防止のフィルム層を有していても良い。
【0023】
緩衝部材19は、筐体18とバックライトユニット14との間に在って、バックライトユニット14の上部を弾性シート16に密着させ、この部分が上述したスペーサ141として機能するようになっている。
【0024】
ここで、アレイ基板11は、本発明における「第1の基板」の一具体例に対応し、カラーフィルタ基板12は、本発明における「第2の基板」の一具体例に対応する。
【0025】
(タッチ検出機能付き表示装置1の要部断面構造)
図2(A)は、タッチ検出機能付き表示装置1の要部断面構造をより詳細に表すものである。この図に示したように、アレイ基板11とカラーフィルタ基板12との間はスペーサ25によって一定の距離に保たれており、ここに液晶層20が封止されている。
【0026】
アレイ基板11は、TFT基板21と、調整層22と、複数の画素電極23と、偏光板24とを有する。調整層22は、画素電極23の高さを調整する柱状の層である。画素電極23は、TFT基板21の液晶層20に面する側の面上にマトリックス状に配置されている。それぞれの画素電極23の一部は、調整層22を被覆するように、その上面から側面かけて延在して形成されている。アレイ基板11には、図示していないが、これらの他、画素電極23を駆動するためのTFT、各画素電極23に画像信号を供給するソース線、各TFTを駆動するゲート線などが形成されている。
【0027】
カラーフィルタ基板12は、対向基板26と、カラーフィルタ27と、共通電極28と、偏光板29とを有する。対向基板26の液晶層20に面する側の面上には、カラーフィルタ27、および共通電極28が順に形成されている。カラーフィルタ27は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ層を周期的に配列して構成したもので、表示画素(画素電極23)ごとにR、G、Bの3色が1組として対応付けられている。図示しない位相差板が貼り付けられていても良い。
【0028】
アレイ基板11とカラーフィルタ基板12において、液晶層20に面する側とは反対側の各面上には、それぞれ、偏光板24、29が配置されている。偏光板24、29は特定の偏光成分を透過または吸収するために構成されるものである。
【0029】
液晶層20は、液晶30を含む。この液晶30は、画素電極23と共通電極28に印加された駆動信号により形成された電界の状態に応じて、通過する光を変調するものであり、例えば、TN(ツイステッドネマティック)、VA(垂直配向)、ECB(電界制御複屈折)などの各種モードの液晶が用いられる。
【0030】
スペーサ25は、アレイ基板11とカラーフィルタ基板12との間に形成される柱状のものであり、上記したように、液晶層20の厚み、すなわち、セル厚を一定に保持するように機能する。スペーサ25としては、アクリル系材料や、スチレン系材料等の所望の弾性変形率を有する材料を使用することができる。このスペーサ25は、弾性シート16の表面に与えられた外力(接触力)によりカラーフィルタ基板12が撓むときに、それ自身も一緒に変形するようになっている。なお、この外力がないときのスペーサ25の高さは調整層22よりも高く設定されており、これにより、画素電極23と共通電極28とは互いに接触しないようになっている。
【0031】
弾性シート16は、カラーフィルタ基板12と間隙15を介して離間して(間隙幅Dを隔てて)配置されている。この弾性シート16の表面に指等の外部接触物体が接触すると、その接触力により弾性シート16が撓んでカラーフィルタ基板12の上面に接触し、さらにこのカラーフィルタ基板12を撓ませる。この撓みが、アレイ基板11に形成された画素電極23とカラーフィルタ基板12に形成された共通電極28との間の抵抗もしくは容量の変化として検出される。つまり、画素電極23および共通電極28は、液晶表示装置の駆動信号を印加する電極として使用されるとともに、タッチセンサのタッチに起因する信号を検出する電極としても使用されている。
【0032】
[動作および作用]
次に、以上のような構成のタッチ検出機能付き表示装置の動作および作用を説明する。
まず、本実施の形態のタッチ検出機能付き表示装置1の全体動作を説明する。
【0033】
バックライトユニット14は、アレイ基板11に向かって白色光を射出する。偏光板24は、この白色光のうち、特定の偏光方向の光のみを透過させる。画素電極23と共通電極28は、COG13から供給される駆動信号に基づいて、その電極間に電界を形成する。液晶30は、その電界の状態に応じて、偏光板24を透過した光の偏光方向を変調する。カラーフィルタ27は、R、G、Bに対応した波長の光をそれぞれ透過させる。偏光板29は、この光のうち、特定の偏光方向の光のみを透過させる。つまり、バックライトユニット14から供給された光の光量が液晶28および偏光板24、29により変調され、弾性シート16の面に画像として射出される。
【0034】
図2(B)は、外部接触物体がある状態でのタッチ検出機能付き表示装置1の要部断面構造を表すものである。弾性シート16は、指等の外部接触物体による外力により撓み、それにより間隙15が狭まってカラーフィルタ基板12に接触する。このとき、間隙15が存在することから、後述するように、弾性シート16とカラーフィルタ基板12との接触面積が、外部接触物体と弾性シート16との接触面積に比べて小さくなる。この接触により、カラーフィルタ基板12もまた撓み、カラーフィルタ基板12の画素電極23とアレイ基板11の共通電極28とは、互いに接近もしくは接触する。この状態の変化は、画素電極23と共通電極28との間の抵抗もしくは容量の変化を引き起こす。この変化の有無およびタッチ検出領域上の位置を、例えばCOG23に搭載された検出回路により検出することにより、その外部接触物体の存在とその位置を検出することができる。
【0035】
次に、間隙15と弾性シート16に関わる部分について、詳細に説明する。
【0036】
外部接触物体による外力は、外部接触物体と弾性シート16との接触面を通して弾性シート16に伝達される。その力は、さらに、弾性シート16とタッチセンサの検出面(カラーフィルタ基板12)との接触面を通して圧力Pとしてタッチセンサに伝えられる。
【0037】
圧力Pは、以下のように表される。
P=F2/A ・・・・・・(1)
F=F1+F2+F3 ・・・・・・(2)
ここで、Fは外部接触物体による外力であり、Aは、外力Fが表面基板16からタッチセンサ表面(カラーフィルタ基板12)へ伝達するときの実効的な面積(外力伝達面積)である。外力Fは、3つの成分F1、F2、F3をもつ。F1は弾性シート16が撓み、カラーフィルタ基板12に接触するのに必要な力であり、F2はタッチセンサにかかる力であり、F3はその他の力であり、例えば弾性シート16の撓み以外の変形にかかる力や、後述する間隙15への充填物質への散逸力などである。
【0038】
本実施の形態では、間隙15を設けることにより、弱い外力(F)でのタッチ認識を実現している。これは、後述するように、式(1)において力F2を増加させなくても、外力伝達面積Aを小さくすることによって圧力Pを増加させることができる、という事実に基づくものである。このとき、間隙15は、後述するように、この外力伝達面積Aを減少させる方向に作用する。以下、式(1)、(2)と図面を用いて、間隙15および弾性シート16の機能を説明する。
【0039】
まず、間隙15の機能について説明する。なお、ここでは、説明を簡単にするため、外力Fは、そのままタッチセンサに伝わること(F=F2)とする。
【0040】
図3は、間隙15の機能を表すものであり、(A)は間隙15がない状態(比較例)を示し、(B)は間隙15がある状態(本実施の形態)を示す。
【0041】
間隙15が無く、弾性シート16とカラーフィルタ基板12とが密着している場合では、図3(A)に示したように、外力Fが弾性シートにより分散されるため、弾性シート16からカラーフィルタ基板12に外力が伝達される面積(外力伝達面積)Aは、外部接触物体と弾性シート16との接触面積Bよりも広くなる。これにより、例えば、弾性シート16が無く、外部接触物体がカラーフィルタ基板12に直接接触する場合に比べて、タッチセンサの検出面における圧力Pが低下するため、タッチが認識されるためにより強い外力が必要になる。
【0042】
一方、間隙15を設けると、図3(B)に示したように、外力伝達面積Aは、間隙15が無いときの外力伝達面積A(図3(A)参照)より小さくなる。つまり、外力は、表面基板16からカラーフィルタ基板12に伝達される際、より狭い接触領域に集中するため、タッチセンサの表面(カラーフィルタ基板12)にかかる圧力Pは増加する。よって、間隙15が無いときに比べ、弱い外力Fでのタッチ認識が実現できるようになる。このように、軽いタッチが実現されるためには、例えば携帯電話の液晶表示装置程度の大きさであれば、その間隙幅Dは10um〜110um程度であれば良く、特に50um〜90um程度が好ましい。
【0043】
図4は、タッチ検出機能付き表示装置1におけるタッチによる接触面積の実験例を表すものであり、(A)は間隙15が無い状態(比較例)を示し、(B)は間隙15(間隙幅50um)がある状態(本実施の形態)を示す。この実験は、人肌(登録商標)のゲル(アスカーC硬度5)からなる直径10mmの平面圧子を外部接触物体として用い、間隙15が無い場合とある場合とで、同じ力でタッチしたときのタッチセンサの検出領域における反応点のマップを示したものである。図4(B)に示したように、間隙15を設けたことにより、外力の集中が実現していることが確認できる。その結果、上述したように、軽いタッチが実現されることになる。
【0044】
さらに、この外力の集中により、タッチセンサのタッチ位置認識精度や線形性が改善される。タッチ位置の認識は、例えば、図4に示したようなタッチセンサの面内における反応点のマップデータを用いて、その重心座標を計算することによりなされる。特に、本実施の形態のような液晶表示装置に内蔵されるタッチセンサの場合、画素電極23と共通電極28との距離(調整層22の高さ)の製造ばらつきや、スペーサ25と、画素電極23や共通電極28との位置関係などに起因して、各センサ素子の感度にばらつきが生じることがある。この場合、指などの広い領域でタッチすると、図4(A)に示したように、素子感度のばらつきに起因する反応点の濃淡が生じる。よって、その重心座標を計算してもタッチ位置認識精度や線形性が十分に確保できないおそれがある。一方、間隙15を設けた場合には、図4(B)に示したようにタッチセンサの反応点が狭い範囲に集中するため、タッチ位置認識精度や線形性が改善されることとなる。
【0045】
次に、弾性シート16の機能について説明する。
【0046】
外部接触物体の接触により与えられた外力Fは、ほとんどそのままタッチセンサに伝わること(F=F2)が望ましい。式(2)から明らかなように、F1やF3は、外力Fがタッチセンサに伝わるのを阻むものである。よって、F1やF3を外力Fに比べて十分に小さくすることが望ましい。なお、仮に、F1やF3が外力Fに比べて無視できない場合、外力Fの一部しかタッチセンサに伝わらなくなってしまうが、式(1)に示したように、その場合でも、弾性シート16からカラーフィルタ基板12に力が伝達される面積(外力伝達面積)Aを小さくすることができることから、圧力Pの低下を防ぎ、弱い外力でのタッチの認識が実現可能である。
【0047】
F1を小さくする、つまり弾性シート16を撓みやすくするには、弾性シート16の材質やその厚さなどを調整すればよい。弾性シート16の撓みは、次式のように表すことができる。
δ=αWa4/(Et3) ・・・・・・(3)
ここで、δは撓み量であり、Wは荷重であり、aは弾性シート16を支持する対向2辺間の距離であり、Eはヤング率であり、tは弾性シート16の板厚である。また、αは、弾性シート16の支持方法に依存する係数であり、例えば、4辺で支持する場合(図1(B))や4点で支持する場合などに依存して異なった値となる。
【0048】
F1は、弾性シート16が間隙15の間隙幅Dの分だけ撓み、カラーフィルタ基板12に接触するのに必要な力であるから、式(3)において、弾性シート16の撓み量δが間隙15の間隙幅Dと同等になったときの荷重Wに相当するものである。
【0049】
F1を小さくするには、例えば、弾性シート16の材質としてヤング率Eの小さいものを用いたり、弾性シート16の板厚tを薄くしたり、間隙幅Dを狭くしたりすればよい。一方、ヤング率Eや弾性シート16の板厚tを小さくすることは、撓みやすくすることを意味し、弾性シートの本来の目的である強度を確保しにくくなる。よって、F1と強度の両方を考慮する必要がある。ここで、弾性シート16のパラメータとして、βを定義する。
β=1/(Et3) ・・・・・・(4)
この式は、式(3)から、ヤング率Eおよび弾性シート16の板厚tの項を抜き出したものである。F1を小さくするためにはβは大きくなるが、強度を確保するためにはβは小さいほうがいい。特に携帯電話などの携帯情報端末では、β値としては4以下程度がよく、1〜4程度が望ましい。
【0050】
F1を小さくするほかの方法として、弾性シート16を支持する対向2辺間の距離aを広げてもよい。図1では、弾性シート16はバックライトユニット14の外枠部141によって支持されているが、他の部分によって支持してもよい。例えば、筐体や、このタッチ検出機能付き表示装置1を適用する電子機器の最外側のカバーなど、有効表示領域Sからより離れた部分によって弾性シート16を支持しても良く、また、弾性シート16を筐体と一体化してもよい。これにより、特に有効表示領域Sの端など、表示基板16が支持されている部分に近い領域においても、弱い外力Fでのタッチの認識が実現できるようになる。
【0051】
なお、F3を小さくするには、例えば、間隙15に充填する物質として、できるだけ粘性の低い、流動性の高いものを用いればよく、例えば、窒素ガス等の不活性ガスや空気等の気体が好ましい。特に、製造のしやすさやコストの観点等を考慮すると、空気が望ましい。但し、後述するように、表示パネルとしての光学特性を重視する場合には、液体やゲル状の物質でもよい。
【0052】
本実施の形態のように、例えばタッチセンサを液晶表示装置に内蔵した場合には、弾性シート16および間隙15が表示パネルとしての光学特性(表示特性)に与える影響も重要となる。カラーフィルタ基板12、間隙15、弾性シート16の屈折率の違いや、間隙15と弾性シート16の光の透過率により、視認性が左右されるからである。
【0053】
弾性シート16の材料としては、例えば、ガラス、アクリル、ポリカーボネートなどが利用可能である。その屈折率は、ガラスでは1.51、アクリルでは1.49、ポリカーボネートでは1.59である。その他の材料でもよく、屈折率が1.8以下の材料であれば望ましい。間隙15に充填する物質としては、この弾性シート16の屈折率に近いものがよく、1〜1.7の屈折率をもつものが望ましい。例えば、空気(屈折率1.0)、エタノール(同1.36)、グリセリン(同1.47)が利用可能である。
【0054】
一方、弾性シート16での光の透過率は、ガラスでは92%(厚さ:0.2mm)、アクリルでは92%(同0.5mm)、ポリカーボネートでは90%(同:0.5mm)である。
【0055】
図5は、弾性シート16と間隙15とカラーフィルタ基板12を組み合わせたときの光の透過率を表す実験例である。間隙幅100umにおいて、90%以上の透過率を実現できる。間隙15に、弾性シート16やカラーフィルタ基板12の屈折率に近い物質(例えば液体やゲル状物質)を充填すると、光の透過率を改善できる。なお、組み合わせはこれらに限られるものではなく、従来技術である抵抗膜式タッチパネルでの透過率85%と同等以上となるような組み合わせが望ましい。
【0056】
以上に示したように、本実施の形態のタッチ検出機能付き表示装置は、タッチパネル本体と弾性シート16との間に間隙15を設けただけの非常にシンプルな構成を有し、必要な部材も少ない。また、製造工程においても、細かい構造が存在しないため、リソグラフィーや印刷工程の追加の必要もなく、また、精密なアライメントも不要である。よって、コスト、生産性、品質の面で優れている。また、弾性シート16を、例えば、上述したように筐体と一体化した場合には、電子機器のデザイン性がより向上する。
【0057】
[実施例]
本実施の形態に基づき、タッチ検出機能付き表示装置を試作した。タッチ検出機能付き表示装置のタッチパネル方式は電極接触式であり、タッチ検出領域の大きさは37.44mm×49.92mmである。弾性シートは、図1に示したものと同様に、周囲4辺により支持されており、対向する2辺の距離aはそれぞれ55.10mmと42.56mmである。間隙幅は105um以下の範囲とし、その間隙には空気が充填されている。
【0058】
図6(A)、(B)は、弾性シートの材質および厚さを変えたときの、βと作動開始圧との関係を表すものである。ここで、作動開始圧は、弾性シートに外力をかけたときの、タッチセンサがタッチを検出するのに必要最小限の外力である。外力は、人肌(登録商標)のゲル(アスカーC硬度5)からなる直径10mmの平面圧子を用い、タッチセンサの検出領域の中心部に印加した。タッチ検出機能付き表示装置1の下にははかりを設置し、外力を印加してタッチセンサがタッチを検出したときのはかりの値を基に作動開始圧を得た。
【0059】
図6(A)に示したように、βが大きくなるにつれて作動開始圧は小さくなる。これは、上述したように、タッチを軽くする(作動開始圧を低くする)ためにはF1を小さくする必要があるが、このときはβが大きくなるためである。尚、弾性シートがないときの作動開始圧は67gf(参考ライン)である。
【0060】
作動開始圧は、カバーが無いときよりも低くするのが望ましく、よって、βが1〜4になるようにカバー材の材質および厚さを設計するのが望ましい。
【0061】
図7(A)、(B)は、間隙15の間隙幅と作動開始圧との関係を表すものである。ここで、弾性シートは、0.2mm厚のガラス(旭硝子製低膨張硝子、AN100)を用いた。
【0062】
図7(A)に示したように、間隙が無く、弾性シートとカラーフィルタが密着しているとき(間隙幅:0um)では、作動開始圧は114gfという高い値となっており、間隙幅が広がるにつれ、作動開始圧は40gf程度にまで低下する。これは、図3に示したように、間隙幅を増やすことにより外力伝達面積Aが狭くなり、タッチセンサ表面(カラーフィルタ基板12)での圧力Pが増加するためである。一方、さらに間隙幅を広げると、作動開始圧はやや増加する。これは、上述したように、さらに間隙幅を大きくすると、タッチが認識されるために弾性シートを大きく撓ませる必要があり、式(2)におけるF1が大きくなるためである。つまり、外部接触物体の接触により与えられた外力Fが、タッチセンサに伝わりにくくなるためである。
【0063】
以上のように、作動開始圧を低くし、軽いタッチを実現するためには、間隙幅を10um〜110um程度にすればよい。これにより、その作動開始圧は、弾性シートがないときの作動開始圧(67gf)よりも低くすることができる。
【0064】
以上のように本実施の形態では、表面に弾性シートを設けるようにしたので、表面の傷の防止や強度の確保が可能となる。しかも、弾性シートとカラーフィルタ基板との間に間隙を設けるようにしたので、外力が弾性シート16を介してカラーフィルタ基板12に伝達される際に、より狭い接触領域に力を集中させることができる。このため、タッチセンサの表面(カラーフィルタ基板12)にかかる圧力Pが増加し、間隙15が無いときに比べ、弱い外力Fでのタッチ検出が実現できるようになる。
【0065】
[第1の実施の形態の変形例]
(変形例1−1)
上記の実施の形態では、図1に示したように、弾性シート16をバックライトユニット14の外枠部141の上部の4辺によって支持するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、支持は、複数の点によって行われてもよく、有効表示領域Sの外側のほかの部分で行われてもよい。図8(A)はタッチ検出機能付き表示装置1Bの平面図を示し、図8(B)はタッチ検出機能付き表示装置1BのVIII−VIII矢視方向の概略断面構造を示す。弾性シート16は、カラーフィルタ上に、有効表示領域Sを取り囲むように形成された8つのスペーサ17により支持されている。スペーサ17としては、例えば両面テープが利用可能である。
【0066】
(変形例1−2)
上記の実施の形態において、カラーフィルタ基板12と弾性シート16のお互いに対向する面に、複数の突起が形成されていてもよい。図9は、タッチ検出機能付き表示装置1Cの要部断面構造を表すものであり、(A)はカラーフィルタ基板12に突起が形成された場合を示し、(B)は弾性シート16に突起が形成された場合を示し、(C)はカラーフィルタ基板12と弾性シート16の両方に交互に突起が形成された場合を示す。この例では、突起90は半球状の形状を有し、各タッチセンサ素子に一つずつ対応するように形成されている。これにより、弾性シート16の表面に外部接触物体の接触による外力が与えられ、弾性シート16が撓むと、弾性シート16とカラーフィルタ基板12は、突起90を介して接触することとなる。つまり、接触する面積が小さいため、タッチセンサ素子にかかる圧力は増加し、より弱い外力でタッチを検出できるようになる。なお、突起の形成は図9に示したものに限定されるものではなく、外力が集中するようなほかの突起パターンや突起形状でもよい。例えば、図9(C)では、カラーフィルタ基板12と弾性シート16の両方に1つずつ交互に突起を形成したが、2つずつ交互に突起を形成してもよい。また、突起形状は柱状でもよい。
【0067】
(変形例1−3)
上記の実施の形態では、表示装置として液晶表示装置を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、表示装置として有機EL表示装置を用いても良い。図10は、有機EL表示装置を用いたタッチ検出機能付き表示装置1Cの要部断面構造を表すものである。タッチ検出機能付き表示装置1Cは、アレイ基板11Bと、センサ基板12Bと、有機EL層39と、スペーサ25と、間隙15と、弾性シート16とを備えている。ここで、アレイ基板11Bは、本発明における「第1の基板」の一具体例に対応し、センサ基板12Bは、本発明における「第2の基板」の一具体例に対応する。
【0068】
アレイ基板11Bは、TFT基板21と、調整層22と、センサ画素電極31と、画素電極32とを有する。調整層22は、センサ画素電極31の高さを調整する柱状の層である。TFT基板21の有機EL層39に面する側の面上には、複数のセンサ画素電極31および画素電極32がマトリックス状に配置するようにパターン形成されており、それぞれのセンサ画素電極31の一部は、調整層22を被覆するように、その上面に延在して形成されている。センサ基板12Bは、対向基板26と、センサ電極33とを有する。アレイ基板11Bとセンサ基板12Bとの間に充填する物質としては、できるだけ粘性の低い、流動性の高いものを用いればよく、後述する有機EL層を劣化させないものが望ましい。例えば、窒素ガス等の不活性ガスや空気等の気体が好ましい。特に、製造のしやすさやコストの観点等を考慮すると、空気が望ましい。但し、表示パネルとしての光学特性を重視する場合には、界面反射等を低減させるために、例えば、エタノールやグリセリン等の液体や流動性の高い樹脂等でもよい。有機EL層39は、複数の有機EL素子40から構成される層である。有機EL素子40は、センサ画素電極31と画素電極32の間に形成された正孔輸送層、発光層、電子輸送層を有し、これらの電極に印加された駆動信号に基づいて、発光層の発光材料の状態遷移(励起状態から基底状態へ)を利用して、例えば赤、青、緑の3色の光を放出するものである。弾性シート16に外部接触物体が存在する場合、上記の実施の形態と同様に、その接触の外力により表示基板16が撓み、それにより間隙15が狭まり、弾性シート16とセンサ基板12Bが接触する。この状態の変化は、センサ画素電極31とセンサ電極33との間の抵抗もしくは容量の変化として検出され、タッチが検出されることとなる。
【0069】
(変形例1−4)
上記実施の形態では、タッチセンサが液晶表示装置に内蔵されているが、内蔵されていなくてもよい。この場合、例えば、液晶表示装置などの表示装置の表示面に、タッチセンサを有するタッチパネルを外付けで設置することにより、本実施の形態と同じ作用および効果を実現できる。
【0070】
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係るタッチパネル用アダプタについて説明する。なお、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0071】
[構成例]
(全体構成例)
図11は、本発明の第2の実施の形態に係るタッチパネル用アダプタを装着したタッチ検出機能付き表示装置の構成例を表すものであり、(A)はその平面図を示し、(B)は図11(A)におけるXI−XI矢視方向の概略断面構造を示す。このタッチ検出機能付き表示装置3は、外力によって発生する撓みを検出するタッチセンサが内蔵されたインセル型の液晶表示装置の表面に、タッチパネル用アダプタ2が外付けで設置されたものである。
【0072】
タッチ検出機能付き表示装置3は、その表示面の外側領域に、止め具51を備えている。この止め具51は、弾性シート16を筐体18に外付け固定するための部材であり、これにより、弾性シート16は、カラーフィルタ基板12と離間して配置されるようになっている。その他の構成は上記第1の実施の形態(図1,図2)の場合と同様である。
【0073】
[動作および作用]
本実施の形態のタッチパネル用アダプタ2を用いたタッチ検出機能付き表示装置3の動作および作用は、第1の実施の形態で説明したものと全く同様である。つまり、弾性シート16の表面に外部接触物体が接触すると、弾性シート16は、その接触の外力により撓み、それにより間隙15が狭まり、カラーフィルタ基板12に接触する。この場合、間隙15は、弾性シート16とカラーフィルタ基板12(タッチセンサの表面)との接触面積が、外部接触物体と弾性シート16との接触面積に比べて小さくなるように機能する。これにより、タッチセンサ表面での圧力Pは増加するため、弱い外力でもタッチ検出が可能となる。
【0074】
なお、本実施の形態のタッチパネル用アダプタ2は、既存のタッチパネルや、タッチ検出機能付き表示装置の表面に外付けすることができ、これにより、弱い外力でのタッチ検出が可能となる。適用可能なタッチパネル、タッチ検出機能付き表示装置としては、タッチによる外力を検出するタッチセンサであればどのようなものでも良い。
【0075】
以上のように本実施の形態では、既存のタッチパネルや、タッチ検出機能付き表示装置の表面に外付けできるようにしたので、それらの機器でも表面の傷の防止や強度の確保が可能になると共に、より弱い外力でもタッチ検出が可能となるように機器の操作性を向上させることができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0076】
<3.適用例>
次に、図12〜図16を参照して、上記実施の形態および変形例で説明したタッチ検出機能付き表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0077】
(適用例1)
図12は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表すものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0078】
(適用例2)
図13は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表すものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523およびシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0079】
(適用例3)
図14は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表すものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体531、文字等の入力操作のためのキーボード532および画像を表示する表示部533を有しており、その表示部533は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0080】
(適用例4)
図15は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表すものである。このビデオカメラは、例えば、本体部541、この本体部541の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ542、撮影時のスタート/ストップスイッチ543および表示部544を有している。そして、その表示部544は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0081】
(適用例5)
図16は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用される携帯電話機の外観を表すものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740、サブディスプレイ750、ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【符号の説明】
【0082】
1、1B、1C、1D、3…タッチ検出機能付き表示装置、2…タッチパネル用アダプタ、10…液晶表示パネル、11、11B…アレイ基板、12…カラーフィルタ基板、12B…センサ基板、13…COG、14…バックライトユニット、15…間隙、16…弾性シート、18…筐体、19…緩衝部材、20…液晶層、21…TFT基板、22…調整層、23…画素電極、24、29…偏光板、17、25…スペーサ、26…対向基板、27…カラーフィルタ、28…共通電極、30…液晶、センサ画素電極31、画素電極…32、センサ電極33、39…有機EL層、40…有機EL素子、51…止め具、90…突起、141…外枠部、A…外力伝達面積、B…接触面積、D…間隙幅、E…ヤング率、S…有効表示領域、t…弾性シートの厚さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ一方の面に電極が形成され、各電極形成面同士が向かい合うように互いに離間して配置された第1の基板および第2の基板と、
前記第2の基板の前記電極形成面とは反対側に、前記第2の基板から離間して配置された弾性シートと
を備えたタッチパネル。
【請求項2】
前記第2の基板と前記弾性シートとの間に空気が充填されている
請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記弾性シートは、タッチ検出領域の外側で支持されている
請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記弾性シートは、複数の点状の突起物によって支持されている
請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記第2の基板および前記弾性シートの互いに対向する面におけるタッチ検出領域内に突起が形成されている
請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項6】
それぞれ一方の面に電極が形成され、各電極形成面同士が向かい合うように互いに離間して配置された第1の基板および第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された表示層と、
前記第2の基板の前記電極形成面とは反対側に、前記第2の基板から離間して配置された弾性シートと
を備えたタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項7】
前記表示層が液晶層である
請求項6に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項8】
前記表示層が有機EL層である
請求項6に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項9】
タッチパネルの検出領域面から離間して配置された弾性シートと、
前記板状のカバー部材を前記タッチパネルに固定する止め具と
を備えたタッチパネル用アダプタ。
【請求項10】
それぞれ一方の面に電極が形成され、各電極形成面同士が向かい合うように互いに離間して配置された第1の基板および第2の基板と、
前記第2の基板の前記電極形成面とは反対側に、前記第2の基板から離間して配置された弾性シートと
を有するタッチパネルを備えた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−39851(P2011−39851A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187512(P2009−187512)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】