タッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法
【課題】LCDノイズの影響を低減することにより、誤動作を防止し、操作感を向上させることができるタッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法を得る。
【解決手段】ホストコントローラ50から入力される水平同期信号に同期した水平制御信号を生成するタイミングコントローラ30Aと、LCD10に供給される共通電圧のフィードバック電圧および水平制御信号に基づいて、共通電圧を安定化制御するVcomフィードバック回路60Aとを備え、Vcomフィードバック回路60Aは、フィードバック電圧と所定の参照電圧とを比較するオペアンプと、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗と、液晶ディスプレイの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズを低減するように、抵抗と協働して、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整するVcomフィードバック調整回路61と、を有する。
【解決手段】ホストコントローラ50から入力される水平同期信号に同期した水平制御信号を生成するタイミングコントローラ30Aと、LCD10に供給される共通電圧のフィードバック電圧および水平制御信号に基づいて、共通電圧を安定化制御するVcomフィードバック回路60Aとを備え、Vcomフィードバック回路60Aは、フィードバック電圧と所定の参照電圧とを比較するオペアンプと、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗と、液晶ディスプレイの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズを低減するように、抵抗と協働して、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整するVcomフィードバック調整回路61と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、静電容量(Projected cap)方式のタッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
静電容量方式のタッチパネルは、指の接触等による静電容量の変化を測定することによってタッチ位置を検出するものであり、例えば携帯電話やタブレットPC等に適用されている。
【0003】
図6は、従来の一般的なタッチパネルを備えた液晶表示装置を示す断面図である。図6において、この液晶表示装置は、液晶ディスプレイ(以下、「LCD(Liquid Crystal Display)」と称する)10と、LCD10の表面に設けられたタッチパネル20とから構成されている。
【0004】
LCD10は、第1偏光板11、TFT(Thin Film Transistor)側ガラス基板12、TFT側ガラス基板12の表面に形成された液晶駆動電極13、カラーフィルタ側ガラス基板14、および第2偏光板15が、層状に重ねられて構成されている。なお、液晶は、TFT側ガラス基板12と液晶駆動電極13との間に注入等されるが、図示を省略している。また、カラーフィルタおよび配向膜も、図示を省略している。
【0005】
タッチパネル20は、第2偏光板15とエアギャップを介して設けられたシールドITO(Indium Tin Oxide)21、センサ基板22、センサ基板22の表面に形成されたセンサITO23、接着剤24、および接着剤24によって接着されるカバーガラス25が、層状に重ねられて構成されている。
【0006】
図7は、図6に示した液晶表示装置の駆動回路を示す回路ブロック図である。図7において、この駆動回路は、LCD10、タッチパネル20、タイミングコントローラ30、タッチパネルコントローラ40、ホストコントローラ50およびVcomフィードバック回路60を備えている。
【0007】
タイミングコントローラ30は、ホストコントローラ50から入力されるクロック信号、画像データ信号および水平同期信号に基づいて、LCD10にLCD制御信号を出力し、LCD10の液晶書き込みを実行する。
【0008】
タッチパネルコントローラ40は、タッチパネル20に駆動信号(センシング矩形波)Txを出力(ドライビング)するとともに、タッチパネル20からスキャン信号Rxが入力される。また、タッチパネルコントローラ40は、入力されたスキャン信号Rxに基づいて、座標データ信号をホストコントローラ50に出力する。
【0009】
なお、この駆動回路において、タッチパネルコントローラ40の動作タイミングは、タイミングコントローラ30の動作タイミングから独立している。また、タッチパネルコントローラ40のグランド(GND)とタイミングコントローラ30のグランド(GND)とは、互いに共通である。
【0010】
Vcomフィードバック回路60は、LCD10の液晶駆動電極13に共通電圧Vcomを供給するとともに、LCD10から共通電圧Vcomのフィードバック電圧Vcom_FBが入力される。以下、図8を参照しながら、Vcomフィードバック回路60について詳細に説明する。
【0011】
図8は、図7に示した駆動回路のVcomフィードバック回路を示す回路ブロック図である。図8において、Vcomフィードバック回路60は、オペアンプでLCD10からのフィードバック電圧Vcom_FBと所定の参照電圧Vcom_Refとを比較し、安定化された共通電圧VcomをLCD10に供給している。
【0012】
一般的に、液晶表示装置においては、LCD10の液晶書き込みに伴ってノイズが発生する。以下、このノイズを「LCDノイズ」と称する。なお、最も大きなLCDノイズは、LCD10の液晶駆動電極13に供給される共通電圧Vcomの変動によるノイズである。
【0013】
ここで、図6に示した液晶表示装置では、カラーフィルタ側ガラス基板14は約0.4mm、第2偏光板15は約0.2mm、エアギャップは約0.5mm、センサ基板22は約0.5mmの厚さをそれぞれ有している。
【0014】
すなわち、LCDノイズの発生源である液晶駆動電極13から、タッチパネル20のセンサITO23までは、約1.6mmの距離が確保される。また、シールドITO21が存在するとともに、シールドITO21がグランド(GND)に接続されている。そのため、図6に示した液晶表示装置は、LCDノイズに対して強い構成となっている。
【0015】
一方、近年では、静電容量方式のタッチパネルの薄型化が進んでおり、LCD内部にセンサが取り込まれたオンセル方式のタッチパネルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0016】
図9は、従来の薄型タッチパネルを備えた液晶表示装置を示す断面図である。図9において、この液晶表示装置は、LCD10Aと、LCD10Aの内部にセンサITO23が形成されたタッチパネル20Aとから構成されている。
【0017】
LCD10Aは、第1偏光板11、TFT側ガラス基板12、TFT側ガラス基板12の表面に形成された液晶駆動電極13、カラーフィルタ側ガラス基板14、および第2偏光板15が、層状に重ねられて構成されている。なお、液晶は、TFT側ガラス基板12と液晶駆動電極13との間に注入等されるが、図示を省略している。また、カラーフィルタおよび配向膜も、図示を省略している。
【0018】
タッチパネル20Aは、カラーフィルタ側ガラス基板14の表面に形成されたセンサITO23、第2偏光板15の表面に設けられた接着剤24、および接着剤24によって接着されるカバーガラス25が、層状に重ねられて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2010−232162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
図9に示した従来の薄型タッチパネルを備えた液晶表示装置では、カラーフィルタ側ガラス基板14が約0.4mmの厚さなので、LCDノイズの発生源である液晶駆動電極13から、タッチパネル20AのセンサITO23までの距離が、約0.4mmとなる。
【0021】
すなわち、図9に示した液晶表示装置では、図6に示した液晶表示装置と比較して、液晶駆動電極13とセンサITO23との距離が近くなる。また、図6に示したシールドITOが省略されていることから、LCDノイズの影響を受けやすい構成となっている。そのため、LCDノイズの影響によって誤動作が生じるとともに操作感が低下し、タッチパネル20Aのパフォーマンスが低下するという問題があった。
【0022】
図10は、図6および図9に示した液晶表示装置のノイズ量およびノイズ期間を示す説明図である。図10において、図6に示した一般的なタッチパネルでは、ノイズが発生していないのに対して、図9に示した薄型タッチパネルでは、最大で840mVのノイズが15.6μs継続することが分かる。
【0023】
ここで、LCDノイズの影響を低減するために、水平同期信号に同期した水平制御信号を用いて、タッチパネルコントローラの動作タイミングを制御する技術が提案されている。すなわち、LCDノイズの影響を低減するために、タッチパネルコントローラが、ノイズ期間を避けて駆動信号Txを出力することが提案されている。
【0024】
図11は、図9に示した液晶表示装置(10A、20A)において、LCDノイズの影響を低減するための駆動回路を示す回路ブロック図である。図11において、この駆動回路は、図7に示したタイミングコントローラ30およびタッチパネルコントローラ40に代えて、タイミングコントローラ30Aおよびタッチパネルコントローラ40Aを備えている。その他のブロック構成は、図7に示したものと同様なので、説明を省略する。
【0025】
タイミングコントローラ30Aは、タッチパネルコントローラ40Aに対して、水平同期信号に同期した水平制御信号を出力する。タッチパネルコントローラ40Aは、水平制御信号のパルスn(nは、1以上の整数、例えばn=4)回ごとに1回、ノイズ期間を避けてタッチパネル20Aに駆動信号Txを出力する。
【0026】
しかしながら、Vcomフィードバック回路60のオペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗R7(図8参照)の抵抗値によって、LCDノイズのノイズレベルが変化する。すなわち、抵抗R7の抵抗値とLCDノイズとの関係を示す図12に現されているように、抵抗R7の抵抗値が変わると、LCDノイズのノイズレベルが安定するまでの時間が変化する。
【0027】
具体的には、図12において、抵抗R7の抵抗値が例えば750Ωである場合には、LCDノイズのノイズレベルが早期に安定しているのに対して、抵抗R7の抵抗値が例えば100Ωである場合には、LCDノイズがゆっくり下がり、安定するまでに時間がかかることが分かる。そのため、LCDノイズが安定していない状況でスキャン(センシング)を行うと、スキャン結果がLCDノイズの影響を受けてしまうという問題がある。
【0028】
ここで、抵抗R7の抵抗値は、液晶表示装置の製造時に固定された値であるのに対して、最適な抵抗値は、液晶表示装置毎に異なるものと考えられる。また、最適な抵抗値は、経年等によっても変化するものと考えられる。すなわち、抵抗R7の抵抗値として最適な抵抗値を選定していない場合には、LCDノイズが安定するまでに時間がかかるにも関わらず、抵抗R7の抵抗値を個々に調整することができない。
【0029】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、LCDノイズの影響を低減することにより、誤動作を防止し、操作感を向上させることができるタッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
この発明に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置は、静電容量方式のタッチパネルを備えた液晶表示装置であって、ホストコントローラから入力される水平同期信号に同期した水平制御信号を生成するタイミングコントローラと、液晶ディスプレイに供給される共通電圧のフィードバック電圧および水平制御信号に基づいて、共通電圧を安定化制御するVcomフィードバック回路と、を備え、Vcomフィードバック回路は、フィードバック電圧と所定の参照電圧とを比較するオペアンプと、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗と、液晶ディスプレイの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズを低減するように、抵抗と連動して、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整するVcomフィードバック調整回路と、を有するものである。
【0031】
また、この発明に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置の駆動方法は、静電容量方式のタッチパネルと、ホストコントローラから入力される水平同期信号に同期した水平制御信号を生成するタイミングコントローラと、液晶ディスプレイに供給される共通電圧のフィードバック電圧および水平制御信号に基づいて、共通電圧を安定化制御するVcomフィードバック回路と、を備え、Vcomフィードバック回路は、フィードバック電圧と所定の参照電圧とを比較するオペアンプと、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗と、を有する液晶表示装置の駆動方法であって、液晶ディスプレイの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズを低減するように、抵抗と協働して、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整するVcomフィードバック調整ステップ、を備えたものである。
【発明の効果】
【0032】
この発明に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法によれば、Vcomフィードバック調整回路(ステップ)は、液晶ディスプレイの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズを低減するように、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗と協働して、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整する。
そのため、LCDノイズの影響を低減することにより、タッチパネルの誤動作を防止し、操作感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の駆動回路を示す回路ブロック図である。
【図2】図1に示した駆動回路のVcomフィードバック回路を示す回路ブロック図である。
【図3】図2に示した駆動回路のVcomフィードバック回路における、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値とLCDノイズとの関係を示す説明図である。
【図4】(a)、(b)は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置において、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値がそれぞれ750Ω、1.5kΩである場合におけるタッチパネルからのRawdataを示す説明図である。
【図5】図4に示した測定結果を表に表した説明図である。
【図6】従来の一般的なタッチパネルを備えた液晶表示装置を示す断面図である。
【図7】図6に示した液晶表示装置の駆動回路を示す回路ブロック図である。
【図8】図7に示した駆動回路のVcomフィードバック回路を示す回路ブロック図である。
【図9】従来の薄型タッチパネルを備えた液晶表示装置を示す断面図である。
【図10】図6および図9に示した液晶表示装置のノイズ量およびノイズ期間を示す説明図である。
【図11】図9に示した液晶表示装置において、LCDノイズの影響を低減するための駆動回路を示す回路ブロック図である。
【図12】図11に示した駆動回路のVcomフィードバック回路における、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗の抵抗値とLCDノイズとの関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、この発明に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
【0035】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置の構成は、図9に示したものと同様なので、説明を省略する。
【0036】
図1は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の駆動回路を示す回路ブロック図である。図1において、この駆動回路は、図11に示したVcomフィードバック回路60に代えて、Vcomフィードバック回路60Aを備えている。また、Vcomフィードバック回路60Aには、タイミングコントローラ30Aから水平制御信号が入力されている。駆動回路のその他のブロック構成は、図11に示したものと同様なので、説明を省略する。
【0037】
図2は、図1に示した駆動回路のVcomフィードバック回路を示す回路ブロック図である。図2において、Vcomフィードバック回路60Aは、図11に示したVcomフィードバック回路60に加えて、抵抗R7と並列に接続されたVcomフィードバック調整回路61を有している。その他の構成および作用は、図7に示したものと同様なので、説明を省略する。
【0038】
Vcomフィードバック調整回路61は、抵抗制御部62と可変抵抗63とを含んでいる。ここで、Vcomフィードバック調整回路61は、例えばデジタルポテンショメータ(Digital Potential Meter)等によって構成されている。
【0039】
抵抗制御部62は、タイミングコントローラ30Aから水平制御信号が入力され、LCD10Aからフィードバック電圧Vcom_FBが入力されるとともに、入力された水平制御信号およびフィードバック電圧Vcom_FBに基づいて、可変抵抗63に抵抗制御信号を出力する。
【0040】
可変抵抗63は、抵抗R7と並列に接続されている。また、可変抵抗63は、抵抗制御部62からの抵抗制御信号に応じて抵抗値が可変され、抵抗R7と合成抵抗を構成して、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整する。
【0041】
以下、抵抗制御部62の動作について詳細に説明する。
抵抗制御部62は、電源がオンされたときに、タイミングコントローラ30Aからの水平制御信号に同期したタイミングで、可変抵抗63に抵抗制御信号を出力して、可変抵抗63の抵抗値を可変する。すなわち、抵抗制御部62は、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整する。
【0042】
ここで、LCDノイズとフィードバック電圧Vcom_FBとの関係について説明する。LCDノイズは、Vcom−Rx間に形成される容量成分Cgを通じて伝播する。そのため、LCDノイズの形は、LCD10Aからのフィードバック電圧Vcom_FBと同じ形になる。したがって、抵抗制御部62は、フィードバック電圧Vcom_FBレベルを検出することにより、LCDノイズのノイズレベルを知ることができる。
【0043】
また、Vcomフィードバック調整回路61における、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値とLCDノイズとの関係を示す図3に現されているように、この抵抗値が最適な抵抗値(この液晶表示装置において、例えば750Ω)よりも低い場合(例えば、100Ω)には、LCDノイズは、ゆっくり下がる。
【0044】
一方、図3に現されているように、この抵抗値が最適な抵抗値よりも高い場合(例えば、1.5kΩや3kΩ)には、LCDノイズは、急激に下がった後に上昇する。すなわち、水平制御信号のパルスから所定時間経過後のフィードバック電圧Vcom_FBを検出することにより、この抵抗値が最適な抵抗値よりも高いか低いかが分かる。
【0045】
そこで、抵抗制御部62は、タイミングコントローラ30Aからの水平制御信号のパルスが入力されてから所定時間経過後に、フィードバック電圧Vcom_FBレベルを検出し、LCDノイズのノイズレベルが安定している場合における所定基準値(例えば、0)と比較して、可変抵抗63に抵抗制御信号を出力する。
【0046】
具体的には、抵抗制御部62は、検出されたフィードバック電圧Vcom_FBレベルが所定基準値よりも大きい(LCDノイズがゆっくり下がっている)場合には、所定基準値との差異に基づいて、可変抵抗63と抵抗R7とで構成される合成抵抗の抵抗値が最適な抵抗値(例えば、750Ω)になるように、可変抵抗63の抵抗値を小さく設定する。
【0047】
一方、抵抗制御部62は、検出されたフィードバック電圧Vcom_FBレベルが所定基準値よりも小さい(LCDノイズが急激に下がった後に上昇する)場合には、所定基準値との差異に基づいて、可変抵抗63と抵抗R7とで構成される合成抵抗の抵抗値が最適な抵抗値(例えば、750Ω)になるように、可変抵抗63の抵抗値を大きく設定する。
【0048】
図4(a)、(b)は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置において、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値がそれぞれ750Ω、1.5kΩである場合におけるタッチパネルからのRawdataを示す説明図である。また、図5は、図4に示した測定結果を表に表した説明図である。
【0049】
図4、5において、可変抵抗63と抵抗R7とで構成される合成抵抗の抵抗値を、最適な抵抗値(例えば、750Ω)とすることにより、駆動信号Txがハイである期間において、LCDノイズのノイズレベルが変化しないので、LCDノイズの影響を低減することができる。
【0050】
このように、Vcomフィードバック調整回路61を用いて、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を最適な抵抗値とすることにより、LCDノイズのノイズレベルを早期に安定させることができる。
【0051】
以上のように、実施の形態1によれば、Vcomフィードバック調整回路は、液晶ディスプレイの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズを低減するように、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗と協働して、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整する。
そのため、LCDノイズの影響を低減することにより、タッチパネルの誤動作を防止し、操作感を向上させることができる。
また、液晶表示装置の製造が容易になり、製造時間の短縮およびコストの削減を実現することができる。
【符号の説明】
【0052】
10、10A LCD、11 第1偏光板、12 TFT側ガラス基板、13 液晶駆動電極、14 カラーフィルタ側ガラス基板、15 第2偏光板、20、20A タッチパネル、21 シールドITO、22 センサ基板、23 センサITO、24 接着剤、25 カバーガラス、30、30A タイミングコントローラ、40、40A タッチパネルコントローラ、50 ホストコントローラ、60、60A フィードバック回路、61 フィードバック調整回路、62 抵抗制御部、63 可変抵抗。
【技術分野】
【0001】
この発明は、静電容量(Projected cap)方式のタッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
静電容量方式のタッチパネルは、指の接触等による静電容量の変化を測定することによってタッチ位置を検出するものであり、例えば携帯電話やタブレットPC等に適用されている。
【0003】
図6は、従来の一般的なタッチパネルを備えた液晶表示装置を示す断面図である。図6において、この液晶表示装置は、液晶ディスプレイ(以下、「LCD(Liquid Crystal Display)」と称する)10と、LCD10の表面に設けられたタッチパネル20とから構成されている。
【0004】
LCD10は、第1偏光板11、TFT(Thin Film Transistor)側ガラス基板12、TFT側ガラス基板12の表面に形成された液晶駆動電極13、カラーフィルタ側ガラス基板14、および第2偏光板15が、層状に重ねられて構成されている。なお、液晶は、TFT側ガラス基板12と液晶駆動電極13との間に注入等されるが、図示を省略している。また、カラーフィルタおよび配向膜も、図示を省略している。
【0005】
タッチパネル20は、第2偏光板15とエアギャップを介して設けられたシールドITO(Indium Tin Oxide)21、センサ基板22、センサ基板22の表面に形成されたセンサITO23、接着剤24、および接着剤24によって接着されるカバーガラス25が、層状に重ねられて構成されている。
【0006】
図7は、図6に示した液晶表示装置の駆動回路を示す回路ブロック図である。図7において、この駆動回路は、LCD10、タッチパネル20、タイミングコントローラ30、タッチパネルコントローラ40、ホストコントローラ50およびVcomフィードバック回路60を備えている。
【0007】
タイミングコントローラ30は、ホストコントローラ50から入力されるクロック信号、画像データ信号および水平同期信号に基づいて、LCD10にLCD制御信号を出力し、LCD10の液晶書き込みを実行する。
【0008】
タッチパネルコントローラ40は、タッチパネル20に駆動信号(センシング矩形波)Txを出力(ドライビング)するとともに、タッチパネル20からスキャン信号Rxが入力される。また、タッチパネルコントローラ40は、入力されたスキャン信号Rxに基づいて、座標データ信号をホストコントローラ50に出力する。
【0009】
なお、この駆動回路において、タッチパネルコントローラ40の動作タイミングは、タイミングコントローラ30の動作タイミングから独立している。また、タッチパネルコントローラ40のグランド(GND)とタイミングコントローラ30のグランド(GND)とは、互いに共通である。
【0010】
Vcomフィードバック回路60は、LCD10の液晶駆動電極13に共通電圧Vcomを供給するとともに、LCD10から共通電圧Vcomのフィードバック電圧Vcom_FBが入力される。以下、図8を参照しながら、Vcomフィードバック回路60について詳細に説明する。
【0011】
図8は、図7に示した駆動回路のVcomフィードバック回路を示す回路ブロック図である。図8において、Vcomフィードバック回路60は、オペアンプでLCD10からのフィードバック電圧Vcom_FBと所定の参照電圧Vcom_Refとを比較し、安定化された共通電圧VcomをLCD10に供給している。
【0012】
一般的に、液晶表示装置においては、LCD10の液晶書き込みに伴ってノイズが発生する。以下、このノイズを「LCDノイズ」と称する。なお、最も大きなLCDノイズは、LCD10の液晶駆動電極13に供給される共通電圧Vcomの変動によるノイズである。
【0013】
ここで、図6に示した液晶表示装置では、カラーフィルタ側ガラス基板14は約0.4mm、第2偏光板15は約0.2mm、エアギャップは約0.5mm、センサ基板22は約0.5mmの厚さをそれぞれ有している。
【0014】
すなわち、LCDノイズの発生源である液晶駆動電極13から、タッチパネル20のセンサITO23までは、約1.6mmの距離が確保される。また、シールドITO21が存在するとともに、シールドITO21がグランド(GND)に接続されている。そのため、図6に示した液晶表示装置は、LCDノイズに対して強い構成となっている。
【0015】
一方、近年では、静電容量方式のタッチパネルの薄型化が進んでおり、LCD内部にセンサが取り込まれたオンセル方式のタッチパネルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0016】
図9は、従来の薄型タッチパネルを備えた液晶表示装置を示す断面図である。図9において、この液晶表示装置は、LCD10Aと、LCD10Aの内部にセンサITO23が形成されたタッチパネル20Aとから構成されている。
【0017】
LCD10Aは、第1偏光板11、TFT側ガラス基板12、TFT側ガラス基板12の表面に形成された液晶駆動電極13、カラーフィルタ側ガラス基板14、および第2偏光板15が、層状に重ねられて構成されている。なお、液晶は、TFT側ガラス基板12と液晶駆動電極13との間に注入等されるが、図示を省略している。また、カラーフィルタおよび配向膜も、図示を省略している。
【0018】
タッチパネル20Aは、カラーフィルタ側ガラス基板14の表面に形成されたセンサITO23、第2偏光板15の表面に設けられた接着剤24、および接着剤24によって接着されるカバーガラス25が、層状に重ねられて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2010−232162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
図9に示した従来の薄型タッチパネルを備えた液晶表示装置では、カラーフィルタ側ガラス基板14が約0.4mmの厚さなので、LCDノイズの発生源である液晶駆動電極13から、タッチパネル20AのセンサITO23までの距離が、約0.4mmとなる。
【0021】
すなわち、図9に示した液晶表示装置では、図6に示した液晶表示装置と比較して、液晶駆動電極13とセンサITO23との距離が近くなる。また、図6に示したシールドITOが省略されていることから、LCDノイズの影響を受けやすい構成となっている。そのため、LCDノイズの影響によって誤動作が生じるとともに操作感が低下し、タッチパネル20Aのパフォーマンスが低下するという問題があった。
【0022】
図10は、図6および図9に示した液晶表示装置のノイズ量およびノイズ期間を示す説明図である。図10において、図6に示した一般的なタッチパネルでは、ノイズが発生していないのに対して、図9に示した薄型タッチパネルでは、最大で840mVのノイズが15.6μs継続することが分かる。
【0023】
ここで、LCDノイズの影響を低減するために、水平同期信号に同期した水平制御信号を用いて、タッチパネルコントローラの動作タイミングを制御する技術が提案されている。すなわち、LCDノイズの影響を低減するために、タッチパネルコントローラが、ノイズ期間を避けて駆動信号Txを出力することが提案されている。
【0024】
図11は、図9に示した液晶表示装置(10A、20A)において、LCDノイズの影響を低減するための駆動回路を示す回路ブロック図である。図11において、この駆動回路は、図7に示したタイミングコントローラ30およびタッチパネルコントローラ40に代えて、タイミングコントローラ30Aおよびタッチパネルコントローラ40Aを備えている。その他のブロック構成は、図7に示したものと同様なので、説明を省略する。
【0025】
タイミングコントローラ30Aは、タッチパネルコントローラ40Aに対して、水平同期信号に同期した水平制御信号を出力する。タッチパネルコントローラ40Aは、水平制御信号のパルスn(nは、1以上の整数、例えばn=4)回ごとに1回、ノイズ期間を避けてタッチパネル20Aに駆動信号Txを出力する。
【0026】
しかしながら、Vcomフィードバック回路60のオペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗R7(図8参照)の抵抗値によって、LCDノイズのノイズレベルが変化する。すなわち、抵抗R7の抵抗値とLCDノイズとの関係を示す図12に現されているように、抵抗R7の抵抗値が変わると、LCDノイズのノイズレベルが安定するまでの時間が変化する。
【0027】
具体的には、図12において、抵抗R7の抵抗値が例えば750Ωである場合には、LCDノイズのノイズレベルが早期に安定しているのに対して、抵抗R7の抵抗値が例えば100Ωである場合には、LCDノイズがゆっくり下がり、安定するまでに時間がかかることが分かる。そのため、LCDノイズが安定していない状況でスキャン(センシング)を行うと、スキャン結果がLCDノイズの影響を受けてしまうという問題がある。
【0028】
ここで、抵抗R7の抵抗値は、液晶表示装置の製造時に固定された値であるのに対して、最適な抵抗値は、液晶表示装置毎に異なるものと考えられる。また、最適な抵抗値は、経年等によっても変化するものと考えられる。すなわち、抵抗R7の抵抗値として最適な抵抗値を選定していない場合には、LCDノイズが安定するまでに時間がかかるにも関わらず、抵抗R7の抵抗値を個々に調整することができない。
【0029】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、LCDノイズの影響を低減することにより、誤動作を防止し、操作感を向上させることができるタッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
この発明に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置は、静電容量方式のタッチパネルを備えた液晶表示装置であって、ホストコントローラから入力される水平同期信号に同期した水平制御信号を生成するタイミングコントローラと、液晶ディスプレイに供給される共通電圧のフィードバック電圧および水平制御信号に基づいて、共通電圧を安定化制御するVcomフィードバック回路と、を備え、Vcomフィードバック回路は、フィードバック電圧と所定の参照電圧とを比較するオペアンプと、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗と、液晶ディスプレイの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズを低減するように、抵抗と連動して、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整するVcomフィードバック調整回路と、を有するものである。
【0031】
また、この発明に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置の駆動方法は、静電容量方式のタッチパネルと、ホストコントローラから入力される水平同期信号に同期した水平制御信号を生成するタイミングコントローラと、液晶ディスプレイに供給される共通電圧のフィードバック電圧および水平制御信号に基づいて、共通電圧を安定化制御するVcomフィードバック回路と、を備え、Vcomフィードバック回路は、フィードバック電圧と所定の参照電圧とを比較するオペアンプと、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗と、を有する液晶表示装置の駆動方法であって、液晶ディスプレイの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズを低減するように、抵抗と協働して、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整するVcomフィードバック調整ステップ、を備えたものである。
【発明の効果】
【0032】
この発明に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法によれば、Vcomフィードバック調整回路(ステップ)は、液晶ディスプレイの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズを低減するように、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗と協働して、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整する。
そのため、LCDノイズの影響を低減することにより、タッチパネルの誤動作を防止し、操作感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の駆動回路を示す回路ブロック図である。
【図2】図1に示した駆動回路のVcomフィードバック回路を示す回路ブロック図である。
【図3】図2に示した駆動回路のVcomフィードバック回路における、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値とLCDノイズとの関係を示す説明図である。
【図4】(a)、(b)は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置において、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値がそれぞれ750Ω、1.5kΩである場合におけるタッチパネルからのRawdataを示す説明図である。
【図5】図4に示した測定結果を表に表した説明図である。
【図6】従来の一般的なタッチパネルを備えた液晶表示装置を示す断面図である。
【図7】図6に示した液晶表示装置の駆動回路を示す回路ブロック図である。
【図8】図7に示した駆動回路のVcomフィードバック回路を示す回路ブロック図である。
【図9】従来の薄型タッチパネルを備えた液晶表示装置を示す断面図である。
【図10】図6および図9に示した液晶表示装置のノイズ量およびノイズ期間を示す説明図である。
【図11】図9に示した液晶表示装置において、LCDノイズの影響を低減するための駆動回路を示す回路ブロック図である。
【図12】図11に示した駆動回路のVcomフィードバック回路における、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗の抵抗値とLCDノイズとの関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、この発明に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
【0035】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置の構成は、図9に示したものと同様なので、説明を省略する。
【0036】
図1は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の駆動回路を示す回路ブロック図である。図1において、この駆動回路は、図11に示したVcomフィードバック回路60に代えて、Vcomフィードバック回路60Aを備えている。また、Vcomフィードバック回路60Aには、タイミングコントローラ30Aから水平制御信号が入力されている。駆動回路のその他のブロック構成は、図11に示したものと同様なので、説明を省略する。
【0037】
図2は、図1に示した駆動回路のVcomフィードバック回路を示す回路ブロック図である。図2において、Vcomフィードバック回路60Aは、図11に示したVcomフィードバック回路60に加えて、抵抗R7と並列に接続されたVcomフィードバック調整回路61を有している。その他の構成および作用は、図7に示したものと同様なので、説明を省略する。
【0038】
Vcomフィードバック調整回路61は、抵抗制御部62と可変抵抗63とを含んでいる。ここで、Vcomフィードバック調整回路61は、例えばデジタルポテンショメータ(Digital Potential Meter)等によって構成されている。
【0039】
抵抗制御部62は、タイミングコントローラ30Aから水平制御信号が入力され、LCD10Aからフィードバック電圧Vcom_FBが入力されるとともに、入力された水平制御信号およびフィードバック電圧Vcom_FBに基づいて、可変抵抗63に抵抗制御信号を出力する。
【0040】
可変抵抗63は、抵抗R7と並列に接続されている。また、可変抵抗63は、抵抗制御部62からの抵抗制御信号に応じて抵抗値が可変され、抵抗R7と合成抵抗を構成して、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整する。
【0041】
以下、抵抗制御部62の動作について詳細に説明する。
抵抗制御部62は、電源がオンされたときに、タイミングコントローラ30Aからの水平制御信号に同期したタイミングで、可変抵抗63に抵抗制御信号を出力して、可変抵抗63の抵抗値を可変する。すなわち、抵抗制御部62は、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整する。
【0042】
ここで、LCDノイズとフィードバック電圧Vcom_FBとの関係について説明する。LCDノイズは、Vcom−Rx間に形成される容量成分Cgを通じて伝播する。そのため、LCDノイズの形は、LCD10Aからのフィードバック電圧Vcom_FBと同じ形になる。したがって、抵抗制御部62は、フィードバック電圧Vcom_FBレベルを検出することにより、LCDノイズのノイズレベルを知ることができる。
【0043】
また、Vcomフィードバック調整回路61における、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値とLCDノイズとの関係を示す図3に現されているように、この抵抗値が最適な抵抗値(この液晶表示装置において、例えば750Ω)よりも低い場合(例えば、100Ω)には、LCDノイズは、ゆっくり下がる。
【0044】
一方、図3に現されているように、この抵抗値が最適な抵抗値よりも高い場合(例えば、1.5kΩや3kΩ)には、LCDノイズは、急激に下がった後に上昇する。すなわち、水平制御信号のパルスから所定時間経過後のフィードバック電圧Vcom_FBを検出することにより、この抵抗値が最適な抵抗値よりも高いか低いかが分かる。
【0045】
そこで、抵抗制御部62は、タイミングコントローラ30Aからの水平制御信号のパルスが入力されてから所定時間経過後に、フィードバック電圧Vcom_FBレベルを検出し、LCDノイズのノイズレベルが安定している場合における所定基準値(例えば、0)と比較して、可変抵抗63に抵抗制御信号を出力する。
【0046】
具体的には、抵抗制御部62は、検出されたフィードバック電圧Vcom_FBレベルが所定基準値よりも大きい(LCDノイズがゆっくり下がっている)場合には、所定基準値との差異に基づいて、可変抵抗63と抵抗R7とで構成される合成抵抗の抵抗値が最適な抵抗値(例えば、750Ω)になるように、可変抵抗63の抵抗値を小さく設定する。
【0047】
一方、抵抗制御部62は、検出されたフィードバック電圧Vcom_FBレベルが所定基準値よりも小さい(LCDノイズが急激に下がった後に上昇する)場合には、所定基準値との差異に基づいて、可変抵抗63と抵抗R7とで構成される合成抵抗の抵抗値が最適な抵抗値(例えば、750Ω)になるように、可変抵抗63の抵抗値を大きく設定する。
【0048】
図4(a)、(b)は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置において、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値がそれぞれ750Ω、1.5kΩである場合におけるタッチパネルからのRawdataを示す説明図である。また、図5は、図4に示した測定結果を表に表した説明図である。
【0049】
図4、5において、可変抵抗63と抵抗R7とで構成される合成抵抗の抵抗値を、最適な抵抗値(例えば、750Ω)とすることにより、駆動信号Txがハイである期間において、LCDノイズのノイズレベルが変化しないので、LCDノイズの影響を低減することができる。
【0050】
このように、Vcomフィードバック調整回路61を用いて、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を最適な抵抗値とすることにより、LCDノイズのノイズレベルを早期に安定させることができる。
【0051】
以上のように、実施の形態1によれば、Vcomフィードバック調整回路は、液晶ディスプレイの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズを低減するように、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗と協働して、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整する。
そのため、LCDノイズの影響を低減することにより、タッチパネルの誤動作を防止し、操作感を向上させることができる。
また、液晶表示装置の製造が容易になり、製造時間の短縮およびコストの削減を実現することができる。
【符号の説明】
【0052】
10、10A LCD、11 第1偏光板、12 TFT側ガラス基板、13 液晶駆動電極、14 カラーフィルタ側ガラス基板、15 第2偏光板、20、20A タッチパネル、21 シールドITO、22 センサ基板、23 センサITO、24 接着剤、25 カバーガラス、30、30A タイミングコントローラ、40、40A タッチパネルコントローラ、50 ホストコントローラ、60、60A フィードバック回路、61 フィードバック調整回路、62 抵抗制御部、63 可変抵抗。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量方式のタッチパネルを備えた液晶表示装置であって、
ホストコントローラから入力される水平同期信号に同期した水平制御信号を生成するタイミングコントローラと、
液晶ディスプレイに供給される共通電圧のフィードバック電圧および前記水平制御信号に基づいて、前記共通電圧を安定化制御するVcomフィードバック回路と、を備え、
前記Vcomフィードバック回路は、
前記フィードバック電圧と所定の参照電圧とを比較するオペアンプと、
前記オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗と、
前記液晶ディスプレイの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズを低減するように、前記抵抗と協働して、前記オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整するVcomフィードバック調整回路と、を有する
ことを特徴とするタッチパネルを備えた液晶表示装置。
【請求項2】
前記Vcomフィードバック調整回路は、
前記抵抗と並列に接続された可変抵抗と、
前記水平制御信号のパルスから所定時間経過後において、前記フィードバック電圧と所定基準値とを比較し、前記LCDノイズを低減するように、前記可変抵抗の抵抗値を可変する抵抗制御信号を出力する抵抗制御部と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルを備えた液晶表示装置。
【請求項3】
静電容量方式のタッチパネルと、
ホストコントローラから入力される水平同期信号に同期した水平制御信号を生成するタイミングコントローラと、
液晶ディスプレイに供給される共通電圧のフィードバック電圧および前記水平制御信号に基づいて、前記共通電圧を安定化制御するVcomフィードバック回路と、を備え、
前記Vcomフィードバック回路は、
前記フィードバック電圧と所定の参照電圧とを比較するオペアンプと、
前記オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗と、を有する液晶表示装置の駆動方法であって、
前記液晶ディスプレイの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズを低減するように、前記抵抗と協働して、前記オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整するVcomフィードバック調整ステップ、を備えた
ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項1】
静電容量方式のタッチパネルを備えた液晶表示装置であって、
ホストコントローラから入力される水平同期信号に同期した水平制御信号を生成するタイミングコントローラと、
液晶ディスプレイに供給される共通電圧のフィードバック電圧および前記水平制御信号に基づいて、前記共通電圧を安定化制御するVcomフィードバック回路と、を備え、
前記Vcomフィードバック回路は、
前記フィードバック電圧と所定の参照電圧とを比較するオペアンプと、
前記オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗と、
前記液晶ディスプレイの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズを低減するように、前記抵抗と協働して、前記オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整するVcomフィードバック調整回路と、を有する
ことを特徴とするタッチパネルを備えた液晶表示装置。
【請求項2】
前記Vcomフィードバック調整回路は、
前記抵抗と並列に接続された可変抵抗と、
前記水平制御信号のパルスから所定時間経過後において、前記フィードバック電圧と所定基準値とを比較し、前記LCDノイズを低減するように、前記可変抵抗の抵抗値を可変する抵抗制御信号を出力する抵抗制御部と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルを備えた液晶表示装置。
【請求項3】
静電容量方式のタッチパネルと、
ホストコントローラから入力される水平同期信号に同期した水平制御信号を生成するタイミングコントローラと、
液晶ディスプレイに供給される共通電圧のフィードバック電圧および前記水平制御信号に基づいて、前記共通電圧を安定化制御するVcomフィードバック回路と、を備え、
前記Vcomフィードバック回路は、
前記フィードバック電圧と所定の参照電圧とを比較するオペアンプと、
前記オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗と、を有する液晶表示装置の駆動方法であって、
前記液晶ディスプレイの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズを低減するように、前記抵抗と協働して、前記オペアンプの反転入力端子と出力端子との間の抵抗値を調整するVcomフィードバック調整ステップ、を備えた
ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−109095(P2013−109095A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252928(P2011−252928)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】
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