説明

タッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法

【課題】LCDノイズの影響を低減することにより、誤動作を防止し、操作感を向上させることができるタッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法を得る。
【解決手段】静電容量方式のタッチパネルを備えた液晶表示装置であって、液晶ディスプレイの表示イメージに基づいて、液晶ディスプレイに出力される極性反転信号を可変するタイミングコントローラを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、静電容量(Projected cap)方式のタッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
静電容量方式のタッチパネルは、指の接触等による静電容量の変化を測定することによってタッチ位置を検出するものであり、例えば携帯電話やタブレットPC等に適用されている。
【0003】
図11は、従来の一般的なタッチパネルを備えた液晶表示装置を示す断面図である。図11において、この液晶表示装置は、液晶ディスプレイ(以下、「LCD(Liquid Crystal Display)」と称する)10と、LCD10の表面に設けられたタッチパネル20とから構成されている。
【0004】
LCD10は、第1偏光板11、TFT(Thin Film Transistor)側ガラス基板12、TFT側ガラス基板12の表面に形成された液晶駆動電極13、カラーフィルタ側ガラス基板14、および第2偏光板15が、層状に重ねられて構成されている。なお、液晶は、TFT側ガラス基板12と液晶駆動電極13との間に注入等されるが、図示を省略している。また、カラーフィルタおよび配向膜も、図示を省略している。
【0005】
タッチパネル20は、第2偏光板15とエアギャップを介して設けられたシールドITO(Indium Tin Oxide)21、センサ基板22、センサ基板22の表面に形成されたセンサITO23、接着剤24、および接着剤24によって接着されるカバーガラス25が、層状に重ねられて構成されている。
【0006】
図12は、図11に示した液晶表示装置の駆動回路を示す回路ブロック図である。図12において、この駆動回路は、LCD10およびLCD10に接続されたタイミングコントローラ30と、タッチパネル20およびタッチパネル20に接続されたタッチパネルコントローラ40と、タイミングコントローラ30およびタッチパネルコントローラ40に接続されたホストコントローラ50とを備えている。
【0007】
タイミングコントローラ30は、ホストコントローラ50から入力されるクロック信号、画像データ信号および水平同期信号に基づいて、LCD10にLCD制御信号を出力し、LCD10の液晶書き込みを実行する。
【0008】
タッチパネルコントローラ40は、タッチパネル20に駆動信号(センシング矩形波)Txを出力(ドライビング)するとともに、タッチパネル20からスキャン信号Rxが入力される。また、タッチパネルコントローラ40は、入力されたスキャン信号Rxに基づいて、座標データ信号をホストコントローラ50に出力する。ここで、タッチパネルコントローラ40の動作タイミングは、タイミングコントローラ30の動作タイミングから独立している(GNDは共通)。
【0009】
一般的に、液晶表示装置においては、LCD10の液晶書き込みに伴ってノイズが発生する。以下、このノイズを「LCDノイズ」と称する。なお、最も大きなLCDノイズは、液晶駆動電極13に供給される共通電圧Vcomの変動によるノイズである。
【0010】
ここで、図11に示した液晶表示装置では、カラーフィルタ側ガラス基板14は約0.4mm、第2偏光板15は約0.2mm、エアギャップは約0.5mm、センサ基板22は約0.5mmの厚さをそれぞれ有している。
【0011】
すなわち、LCDノイズの発生源である液晶駆動電極13から、タッチパネル20のセンサITO23までは、約1.6mmの距離が確保される。また、シールドITO21が存在するとともに、シールドITO21がグランド(GND)に接続されている。そのため、図11に示した液晶表示装置は、LCDノイズに対して強い構成となっている。
【0012】
一方、近年では、静電容量方式のタッチパネルの薄型化が進んでおり、LCD内部にセンサが取り込まれたオンセル方式のタッチパネルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
図13は、従来の薄型タッチパネルを備えた液晶表示装置を示す断面図である。図13において、この液晶表示装置は、LCD10Aと、LCD10Aの内部にセンサITO23が形成されたタッチパネル20Aとから構成されている。
【0014】
LCD10Aは、第1偏光板11、TFT側ガラス基板12、TFT側ガラス基板12の表面に形成された液晶駆動電極13、カラーフィルタ側ガラス基板14、および第2偏光板15が、層状に重ねられて構成されている。なお、液晶は、TFT側ガラス基板12と液晶駆動電極13との間に注入等されるが、図示を省略している。また、カラーフィルタおよび配向膜も、図示を省略している。
【0015】
タッチパネル20Aは、カラーフィルタ側ガラス基板14の表面に形成されたセンサITO23、第2偏光板15の表面に設けられた接着剤24、および接着剤24によって接着されるカバーガラス25が、層状に重ねられて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2010−232162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
図13に示した従来の薄型タッチパネルを備えた液晶表示装置では、カラーフィルタ側ガラス基板14が約0.4mmの厚さなので、LCDノイズの発生源である液晶駆動電極13から、タッチパネル20AのセンサITO23までの距離が、約0.4mmとなる。
【0018】
すなわち、図13に示した液晶表示装置では、図11に示した液晶表示装置と比較して、液晶駆動電極13とセンサITO23との距離が近くなる。また、図11に示したシールドITOが省略されていることから、LCDノイズの影響を受けやすい構成となっている。そのため、LCDノイズの影響によって誤動作が生じるとともに操作感が低下し、タッチパネル20Aのパフォーマンスが低下するという問題があった。
【0019】
図14は、図11および図13に示した液晶表示装置のノイズ量およびノイズ期間を示す説明図である。図14において、図11に示した一般的なタッチパネルでは、ノイズが発生していないのに対して、図13に示した薄型タッチパネルでは、最大で840mVのノイズが15.6μs継続することが分かる。
【0020】
ここで、LCDノイズの影響を低減するために、水平同期信号に同期した水平制御信号を用いて、タッチパネルコントローラ40の動作タイミングを制御する技術が提案されている。すなわち、LCDノイズの影響を低減するために、タッチパネルコントローラ40が、ノイズ期間を避けて駆動信号Txを出力することが提案されている。
【0021】
図15は、図13に示した液晶表示装置において、LCDノイズの影響を低減するための駆動回路を示す回路ブロック図である。図15において、この駆動回路のブロック構成は、図12に示したものと同様なので、説明を省略する。
【0022】
タイミングコントローラ30は、タッチパネルコントローラ40に対して、水平同期信号に同期した水平制御信号を出力する。タッチパネルコントローラ40は、水平制御信号のパルスn(nは、1以上の整数、例えばn=4)回ごとに1回、ノイズ期間を避けてタッチパネル20Aに駆動信号Txを出力する。
【0023】
しかしながら、例えば1280×800ドットの解像度のLCDでは、1水平期間が20μs程度である。これに対して、図14に示したように、ノイズ期間は15.6μsもあり、スキャン(センシング)可能な期間は、4.4μsしかない。そのため、図16に示されるように、十分なスキャン期間を確保することができず、LCDノイズの影響を完全に低減することができないという問題がある。
【0024】
なお、スキャン信号RxのSN比(signal to noise ratio)を改善してLCDノイズの影響を低減するために、駆動信号Txの印加電圧を従来(例えば、3.3V)よりも高電圧にすることが考えられる。図17(a)、(b)は、図15に示した駆動回路において、駆動信号Txの印加電圧を変化させた場合のスキャン信号Rxを示す説明図である。
【0025】
図17(a)は、駆動信号Txの印加電圧を3.3Vとした場合のスキャン信号Rxを示し、図17(b)は、駆動信号Txの印加電圧を18Vとした場合のスキャン信号Rxを示している。図17において、駆動信号Txの印加電圧を高電圧にすることにより、スキャン信号RxのSN比を改善して、タッチ検出精度を向上させることができる。
【0026】
しかしながら、駆動信号Txの印加電圧を高電圧にした場合には、消費電力が増加するとともに、電圧レベルを変化させるレベルシフタ等の追加部品が必要になるという問題がある。そのため、駆動信号Txの印加電圧を高電圧にするよりも、LCDノイズの影響を低減することが望ましい。
【0027】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、十分なスキャン期間を確保して、LCDノイズの影響を低減することにより、誤動作を防止し、操作感を向上させることができるタッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
この発明に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置は、静電容量方式のタッチパネルを備えた液晶表示装置であって、液晶ディスプレイの表示イメージに基づいて、液晶ディスプレイに出力される極性反転信号を可変するタイミングコントローラを備えたものである。
【0029】
また、この発明に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置の駆動方法は、静電容量方式のタッチパネルを備えた液晶表示装置の駆動方法であって、液晶ディスプレイの表示イメージに基づいて、液晶ディスプレイに出力される極性反転信号を可変する可変ステップを備えたものである
【発明の効果】
【0030】
この発明に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法によれば、タイミングコントローラは、液晶ディスプレイの表示イメージに基づいて、液晶ディスプレイに出力される極性反転信号を可変する。
そのため、十分なスキャン期間を確保して、LCDノイズの影響を低減することにより、タッチパネルの誤動作を防止し、操作感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置における極性反転信号を例示する説明図である。
【図2】(a)〜(d)は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置における極性反転信号および表示イメージのパターンを例示する説明図である。
【図3】(a)〜(d)は、図2(a)に示した極性反転信号と図2(c)に示した表示イメージとを組み合わせた場合のLCDノイズを示す説明図である。
【図4】(a)〜(d)は、図2(b)に示した極性反転信号と図2(c)に示した表示イメージとを組み合わせた場合のLCDノイズを示す説明図である。
【図5】(a)〜(d)は、図2(b)に示した極性反転信号と図2(d)に示した表示イメージとを組み合わせた場合のLCDノイズを示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置のタイミングコントローラの構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示した表示イメージ判定部の構成を示すブロック図である。
【図8】図6に示したタイミングコントローラの動作を示す説明図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置における表示イメージのパターンと極性反転信号との組み合わせを例示する説明図である。
【図10】図6に示したタイミングコントローラの動作を示すフローチャートである。
【図11】従来の一般的なタッチパネルを備えた液晶表示装置を示す断面図である。
【図12】図11に示した液晶表示装置の駆動回路を示す回路ブロック図である。
【図13】従来の薄型タッチパネルを備えた液晶表示装置を示す断面図である。
【図14】図11および図13に示した液晶表示装置のノイズ量およびノイズ期間を示す説明図である。
【図15】図13に示した液晶表示装置において、LCDノイズの影響を低減するための駆動回路を示す回路ブロック図である。
【図16】図15に示した駆動回路による動作の問題を示す説明図である。
【図17】(a)、(b)は、図15に示した駆動回路において、駆動信号の印加電圧を変化させた場合のスキャン信号を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、この発明に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置およびその駆動方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
【0033】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置の構成は、図13に示したものと同様なので、説明を省略する。また、この発明の実施の形態1に係るタッチパネルを備えた液晶表示装置の駆動回路は、図15に示したタイミングコントローラ30に代えて、タイミングコントローラ30Aを備えている。タイミングコントローラ30Aは、LCD10Aに対して、LCD制御信号とともに、極性反転信号(後述する)を出力する。駆動回路のその他のブロック構成は、図15に示したものと同様なので、説明を省略する。
【0034】
まず、図1〜5を参照しながら、この液晶表示装置において、LCD10Aの液晶書き込みに伴って発生するLCDノイズのレベルの変化を、LCD10Aの極性反転信号と表示イメージとの組合せに基づいて説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置における極性反転信号を例示する説明図である。図2(a)〜(d)は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置における極性反転信号および表示イメージのパターンを例示する説明図である。なお、NおよびN+1は、ライン番号を示している。
【0035】
図1では、2ドット反転の極性反転信号を示している。例えば1280×800ドットの解像度のLCD10Aでは、ソースドライバ側にはRGBの3色があるので、1280×3=3840ラインが設けられている。図1において、「+」は共通電圧Vcomよりも高い値を示し、「−」は共通電圧Vcomよりも低い値を示している。なお、LCD10Aは、交流駆動が必要なので、フレーム毎に正負の極性が反転する。
【0036】
図1に示した極性反転信号を簡素化すると、図2(a)に示されるパターンを繰り返し配置したことと等価である。また、極性反転信号は、図2(b)に示される1ドット反転のパターンを繰り返し配置したものであってもよい。
【0037】
また、図2(c)、(d)は、LCD10Aに表示される表示イメージのパターンを示しており、図2(c)、(d)において、灰色で塗りつぶされている箇所は、透過率が低い状態であり、塗りつぶされていない箇所は、透過率が高い状態である。ここでは、ノーマリーブラック型のLCD10Aとしているので、透過率が低い状態では、電圧が共通電圧Vcomに近い値になる。
【0038】
図3(a)〜(d)は、図2(a)に示した極性反転信号と図2(c)に示した表示イメージとを組み合わせた場合のLCDノイズを示す説明図である。図4(a)〜(d)は、図2(b)に示した極性反転信号と図2(c)に示した表示イメージとを組み合わせた場合のLCDノイズを示す説明図である。図5(a)〜(d)は、図2(b)に示した極性反転信号と図2(d)に示した表示イメージとを組み合わせた場合のLCDノイズを示す説明図である。なお、図3(b)、図4(b)、図5(b)において、極性反転信号の「+」は、共通電圧Vcomよりも高い(上の)値を示し、極性反転信号の「−」は、共通電圧Vcomよりも低い(下の)値を示している。
【0039】
図3において、図3(a)に示された極性反転信号と表示イメージとの組合せでは、各ラインについて、ソースドライバからの出力が図3(b)に示すようになる。この場合に、各ラインの出力を合成した出力、およびこの合成出力に対応するLCDノイズは、それぞれ図3(c)および図3(d)に示すようになる。すなわち、合成出力が大きく変化することにより、LCDノイズが発生していることが分かる。
【0040】
図4において、図4(a)に示された極性反転信号と表示イメージとの組合せでは、各ラインについて、ソースドライバからの出力が図4(b)に示すようになる。この場合に、各ラインの出力を合成した出力、およびこの合成出力に対応するLCDノイズは、それぞれ図4(c)および図4(d)に示すようになる。すなわち、極性反転信号を変えることにより、LCDノイズがなくなることが分かる。
【0041】
図5において、図5(a)に示された表示イメージと極性反転信号との組合せでは、各ラインについて、ソースドライバからの出力が図5(b)に示すようになる。この場合に、各ラインの出力を合成した出力、およびこの合成出力に対応するLCDノイズは、それぞれ図5(c)および図5(d)に示すようになる。すなわち、図2(b)に示した1ドット反転の極性反転信号を用いた場合であっても、表示イメージのパターンが変化することにより、LCDノイズが発生することが分かる。
【0042】
図3から図5より、表示イメージのパターンの変化に応じて、極性反転信号と表示イメージとの組合せによって生じるLCDノイズが変化することが分かる。
【0043】
したがって、LCD10Aの表示イメージを判定して、LCDノイズが発生すると判定された場合に、極性反転信号を変化させることにより、LCDノイズの発生頻度を減少させて、LCDノイズの影響(ノイズ量およびノイズ期間)の影響を低減することができる。
【0044】
図6は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置のタイミングコントローラ30Aの構成を示すブロック図である。図6において、タイミングコントローラ30Aは、LCDタイミングコントロール信号生成部31、表示イメージ判定部32および選択器33を有している。
【0045】
LCDタイミングコントロール信号生成部31は、ホストコントローラ50から入力されるクロック信号、画像データ信号および水平同期信号に基づいて、LCD10Aの液晶書き込みを実行するためのLCD制御信号を生成し、LCD制御信号をLCD10Aに出力する。
【0046】
また、LCDタイミングコントロール信号生成部31は、複数の極性反転信号(Pol_a〜Pol_c)を作成して、極性反転信号を選択器33に出力する。なお、極性反転信号は、例えば1ドット反転、2ドット反転および2ドット反転+1ラインシフトとするが、これらに限定されるものではない。
【0047】
表示イメージ判定部32は、ホストコントローラ50から入力されるクロック信号、画像データ信号および水平同期信号に基づいて、LCD10Aの表示イメージを判定し、Pol選択信号を選択器33に出力する。
【0048】
上述したことから、LCDノイズは、前ラインの画像データと現ラインの画像データとの変化量、変化方向および変化データ数が要素となるので、表示イメージ判定部32は、前ラインの画像データと現ラインの画像データとを比較して、表示イメージを判定する。
【0049】
図7は、図6に示した表示イメージ判定部32の構成を示すブロック図である。図7において、表示イメージ判定部32は、ラインメモリ321、減算部322、加減算部323および閾値判定部324を含んでいる。
【0050】
ラインメモリ321は、ホストコントローラ50から入力された前ラインの画像データを記憶する。減算部322は、現ラインの画像データから、ラインメモリ321に記憶された前ラインの画像データを、画素毎に減算して変化量を算出する。
【0051】
加減算部323は、1ライン分の変化量を加減算する。例えば1280×800ドットの解像度のLCD10Aでは、1ライン分のデータは、1280×RGB(3色)=3840データとなる。閾値判定部324は、加減算部323での加減算結果と所定の閾値とを比較して、Pol選択信号を出力する。ここで、所定の閾値は、LCDノイズが許容範囲内であるか否かに応じて、あらかじめ設定されている。
【0052】
図6に戻って、選択器33は、LCDタイミングコントロール信号生成部31からの極性反転信号(Pol_a〜Pol_c)から、表示イメージ判定部32からのPol選択信号に基づいて1つの極性反転信号を選択し、極性反転信号を出力する。
【0053】
以下、図8を参照しながら、図6に示したタイミングコントローラ30Aの動作について、従来のものと比較しながら説明する。
まず、従来の駆動回路(図8参照)では、上述したように、十分なスキャン期間を確保することができず、LCDノイズの影響を完全に低減することができない。
【0054】
これに対して、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の駆動回路では、適切な極性反転信号を選択することにより、LCDノイズの発生頻度を減少させて、LCDノイズのノイズ量およびノイズ期間を減少させることにより、LCDノイズの影響の影響を低減して、十分なスキャン時間を確保することができる。
【0055】
ここで、図9、10を参照しながら、具体的な表示イメージのパターンと極性反転信号との組み合わせを例示して、タイミングコントローラ30Aの動作について説明する。図9は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置における表示イメージのパターンと極性反転信号との組み合わせを例示する説明図である。また、図10は、図6に示したタイミングコントローラ30Aの動作を示すフローチャートである。
【0056】
図9より、表示イメージのパターンがNormal Imageである場合において、極性反転信号がV1dot反転であるとき、表示イメージのパターンがVLineおよびSub VLineである場合において、極性反転信号がColumn反転であるとき、表示イメージのパターンが2Dotである場合において、極性反転信号がV2dot反転であるときに、LCDノイズが低減されていることが分かる。
【0057】
そこで、タイミングコントローラ30Aは、図10に示されるように、表示イメージのパターンを認識し(ステップS1)、認識された表示イメージのパターンに基づいて極性反転信号を選択し(ステップS2)、極性反転信号を出力する(ステップS3)。
【0058】
以上のように、実施の形態1によれば、タイミングコントローラは、液晶ディスプレイの表示イメージに基づいて、液晶ディスプレイに出力される極性反転信号を可変する。
そのため、十分なスキャン期間を確保して、LCDノイズの影響を低減することにより、タッチパネルの誤動作を防止し、操作感を向上させることができる。
【符号の説明】
【0059】
11 第1偏光板、12 TFT側ガラス基板、13 液晶駆動電極、14 カラーフィルタ側ガラス基板、15 第2偏光板、20、20A タッチパネル、21 シールドITO、22 センサ基板、23 センサITO、24 接着剤、25 カバーガラス、30、30A タイミングコントローラ、31 タイミングコントロール信号生成部、32 表示イメージ判定部、33 選択器、40 タッチパネルコントローラ、50 ホストコントローラ、321 ラインメモリ、322 減算部、323 加減算部、323 加減算部、324 閾値判定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量方式のタッチパネルを備えた液晶表示装置であって、
液晶ディスプレイの表示イメージに基づいて、前記液晶ディスプレイに出力される極性反転信号を可変するタイミングコントローラ
を備えたことを特徴とするタッチパネルを備えた液晶表示装置。
【請求項2】
前記タイミングコントローラは、
ホストコントローラから入力されるクロック信号、画像データ信号および水平同期信号に基づいて、前記液晶ディスプレイの液晶書き込みを実行するためのLCD制御信号を生成するとともに、複数の極性反転信号を生成するLCDタイミングコントロール信号生成部と、
前記ホストコントローラから入力される前記クロック信号、前記画像データ信号および前記水平同期信号に基づいて、前記液晶ディスプレイの表示イメージを判定し、Pol選択信号を生成する表示イメージ判定部と、
前記LCDタイミングコントロール信号生成部からの複数の極性反転信号から、前記表示イメージ判定部からのPol選択信号に基づいて1つの極性反転信号を選択し、極性反転信号を出力する選択器と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルを備えた液晶表示装置。
【請求項3】
前記表示イメージ判定部は、
前記ホストコントローラから入力された前ラインの画像データを記憶するラインメモリと、
現ラインの画像データから、前記ラインメモリに記憶された前記前ラインの画像データを、画素毎に減算して変化量を算出する減算部と、
1ライン分の変化量を加減算する加減算部と、
前記加減算部での加減算結果と所定の閾値とを比較して、前記Pol選択信号を生成する閾値判定部と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載のタッチパネルを備えた液晶表示装置。
【請求項4】
前記タイミングコントローラは、前記液晶ディスプレイの表示イメージがNormal Imageである場合には、V1dot反転の極性反転信号を出力し、VLineおよびSub VLineである場合には、Column反転の極性反転信号を出力し、2Dotである場合には、V2dot反転の極性反転信号を出力する
ことを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか1項に記載のタッチパネルを備えた液晶表示装置。
【請求項5】
静電容量方式のタッチパネルを備えた液晶表示装置の駆動方法であって、
液晶ディスプレイの表示イメージに基づいて、前記液晶ディスプレイに出力される極性反転信号を可変する可変ステップ
を備えたことを特徴とするタッチパネルを備えた液晶表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−114247(P2013−114247A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263391(P2011−263391)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】