説明

タッチパネルスイッチ装置

【課題】本発明が解決しようとする課題は、シート状のシンプルで薄く、且つ安価で高付加価値の各種電気製品のタッチパネルスイッチシートを提供するものである。
【解決手段】本発明のタッチパネルスイッチシートは、基材下面に操作スイッチの文字・数字等の加飾印刷を行った基材フィルムの下面にタッチパネルを配置し、その下面に絶縁層を介して無機EL発光層を前記文字・数字等の加飾印刷部分に対応してセグメント単位に配置したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂をベース基材とした透明シートの下面に操作スイッチの文字・数字等の加飾印刷をし、それにタッチパネルシートを貼り合わせるか、若しくは印刷によりタッチパネル層を形成することによって、薄くて、シンプルで、安価で、且つ高付加価値のシート状のタッチパネルスイッチシート、或いはタッチパネルスイッチ装置を提供するものである。このシート状のタッチパネルスイッチ装置は如何なる製品形状にも沿わせて操作スイッチ部を形成することが可能であり、信号線を機器本体の制御装置に接続するだけで、各種電気製品のタッチパネルスイッチ部を容易に構成することが可能である。
【0002】
さらに本発明は、熱可塑性樹脂をベース基材とした透明シートの下面に操作スイッチの文字・数字等の加飾印刷をし、それにタッチパネルシートを貼り合わせるか、若しくは印刷によりタッチパネル層を形成したシート状のタッチパネルスイッチを立体成型することにより、タッチパネルスイッチ装置自体でも、どのキーを操作しているかを視覚的に確認できるという従来の平面スイッチでは達成できない効果を奏するタッチパネルスイッチ装置を提供するものであり、視覚によっても指触的にも確認できる基準部を成型することも可能な立体的形状のタッチパネルスイッチ装置を提供するものである。
【0003】
さらに本発明は、熱可塑性樹脂をベース基材とした透明シートの下面に操作スイッチの文字・数字等の加飾印刷をし、タッチパネルシートを貼り合わせるか、若しくは印刷によりタッチパネル層を形成し、さらに絶縁層を介して無機EL発光層を貼り合わせることにより発光を伴った、薄くて、シンプルで、安価で、且つ高付加価値のシート状のタッチパネルスイッチ装置を提供するものである。このシート状のタッチパネルスイッチ装置も3次元成型することにより、立体的形状のタッチパネルスイッチ装置を提供するものである。
【背景技術】
【0004】
従来のタッチパネルスイッチは、通常、表示装置(LCDやCRT等)の表面に貼って使用するために、指等がタッチする部分は下面の表示部分で操作部を表示するために透明である必要がある。そして、タッチした位置を検出する方法は、それを電気的に行うものと、電気を用いないものに分かれる。
【0005】
タッチした位置を電気的に検出する方式としては、抵抗膜方式と静電容量方式があり、主に液晶カラーディスプレイ等の表示装置と併用し、例を上げるまでもなく、携帯電話、PDA、銀行ATM、カーナビといった平面形状で用いられるものが一般的である。
【0006】
電気を用いない方式としては、音響パルス認識方式、超音波表面弾性波方式、赤外遮光方式、画像認識方式等が知られており、画面の色再現性もよく、タッチする部分に電極がないために耐久力も高いといわれている。
【0007】
いずれにしても、液晶等の表示画面の上に透明のタッチパネルを配し、下面の液晶画面等にスイッチを表示させておき、タッチパネルの座標認識により操作者がタッチした位置と、液晶画面上のスイッチ表示の位置とが一致したときに所定のスイッチ信号を出すようにしたタッチパネルスイッチ装置は既に周知である。しかしながら、この従来のタッチパネルスイッチ装置は、タッチパネルと液晶表示装置等との組み合わせであるが故に、液晶表示装置等をタッチパネルとは別に設ける必要があり、またタッチパネルは透明でなければならなかった。そのために構造は複雑なものとなり、高価なものであった。
【0008】
以上のようなタッチパネルスイッチ装置は周知なものであり、例えば、特許文献1及び2に開示されている。各文献は以下のとおりである。
【0009】
このようなタッチパネルスイッチ装置は、構造上からタッチパネルの下面に液晶等の表示装置を設ける必要があることから、構造的にも複雑になり高価になるものであった。さらには、一般的には、平面形状のタッチパネルスイッチを採用することから、指で押してもクリック感もないのでどのキーを操作しているのか視覚的・感覚的に確認するには、高価な表示装置との組み合わせが必要になり、コストが高くなっていた。つまり、タッチパネルスイッチは平面形状であるがために、キーを押す際のタッチポイントに基準がなく、タッチポイントに基準が必要な場合には、突起などの貼り合わせや形成治具が必要になるので高価になっていた。
【0010】
さらには、ITO等の導電性薄膜はフレキシブル性に欠け、変形などに弱く成型を行うことが難しいものであった。なお、平板状の透明プラスチックフイルムの片面に透明性導電体の薄膜層を皮膜させ、透明性導電体をコートされた透明プラスチックフイルムを予めドーム型に形成されたプラスチック成型機により低温深絞りに成型してドーム型透明プラスチックフイルムを成型することが特許文献3に開示されているが、これも緩やかなドーム形状への成型を前提としており、導電膜にITOを用いている以上、複雑な形状の3次元成型には耐えられない。
【0011】
一方、タッチパネルを用いたものにおいて、スイッチ部分を視覚的或いは指触的に分からせるようにするための特殊な構造を設けたものも以下の通りに知られている。
【0012】
特許文献4には、視覚障害者にとっても容易に操作することのできるエレベータの表示装置であり、光透過性を有するタッチパネルスイッチを具備するパネル装置と、タッチパネルスイッチの表面に近接して設けられ、表示パネルからタッチパネルスイッチを透して表示された情報に対応する位置に触知用の凸部又は凹部を有し、タッチパネルスイッチの表面に向けて押圧可能な触知手段とを備えたものが開示されている。これ以外に、触覚入力用凸部を設けたものに、特許文献5が存在する。
【0013】
さらには、特許文献6には、電気的に表示を変更可能とする表示装置の表示面上に透明上部接点シートと透明下部接点シートを積層した透明タッチパネルスイッチを配設するとともに、この透明タッチパネルスイッチ上に膨出部を形成した透視可能なクリックシートを配設したものが開示されている。
【0014】
また、特許文献7には、各キーあるいはボタンのほぼ中央に、上に凸状あるいは下に凸状あるいは上と下の両者に凸状の突起をそれぞれ設けた柔軟な補助シートをタッチパネル上に備えたことを特徴とするタッチパネル補助装置が開示されており、特許文献8には、基板には各キーあるいはボタンに対応するそれぞれの位置に上面から突出する凸状の突起部を有し、該突起部と上基板とが一体に形成されているタッチパネルが開示されている。
【0015】
さらには、情報を表示する表示パネルと、タッチ式位置検出機能により検出した位置情報を入力するタッチパネルとを、表示パネルが前面に配置されタッチパネルが背面に配置されるように一体配置して成るタッチパネル一体型情報表示装置に関しては、特許文献9に開示されている。しかしながら、この特許文献9では情報を表示するパネルの構造が複雑なものであり、安価で汎用性の高いタッチパネルスイッチシートの提供は難しい。
【0016】
【特許文献1】特開2000−222126号公報
【特許文献2】特開2003−131233号公報
【特許文献3】特開平5−197493号公報
【特許文献4】特開2006−69709号公報
【特許文献5】特開2004−295716号公報
【特許文献6】特開平10−134671号公報
【特許文献7】特開平11−110111号公報
【特許文献8】特開2005−148809号公報
【特許文献9】特開2007−322587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
以上のように、従来のタッチパネルは液晶等の表示装置との併用が前提のものであり、それのみでスイッチ機能を完結できる装置ではなかった。また、液晶等の表示装置との併用を必須としているために、背後の表示装置で表示される文字及び図形等が視覚で確認できることが大前提であり、タッチパネルに加飾印刷により文字や図形を表示させようとする発想が起きなかった。さらに、従来の液晶等の表示装置とタッチパネルを接合したものは平面形状が主流であり、その技術背景としては、ガラス板を基材とし、透明電極膜にITO等の導電性薄膜を用いているため、フレキシブル性に欠けるためである。なかには、PETフィルムをベースにフレキシブルな物も存在するが、緩やかな曲面に設置することを前提としている。これに対して、特許文献3乃至特許文献5のような、特殊構造のタッチパネルとして視認性を上げたものもあるが構造が複雑となることは否めない。また、特許文献9は、タッチパネルよりも前面側に表示装置を配置しようとする発想は見られるものの、表示装置を別構成として設けるという点からは向け出してはいなく、タッチパネルシートとして自由な形状への3次元成型には向かない懸念もある。
【0018】
このように、従来の平面形状のタッチパネルスイッチを採用した場合には、スイッチを押した時に押したという感触が無いので、どのキーを操作しているのかを視覚的にも感覚的にも確認することが困難で、それを達成するためには高価な表示装置との組み合わせが必要になりコスト高となるものであった。従来のタッチパネルスイッチは平面形状であるがために、キーを押す際にタッチポイントに基準がなく、タッチポイントに基準が必要な時には、突起などを別部材として形成する必要があり、貼り合わせや形成治具も必要になり、やはり高価なものになる。
【0019】
また、ITO等の導電性薄膜はフレキシブル性に欠け、変形などに弱く、成型を行うことが難しく、緩やかなドーム形状への成型が限度であり、複雑な形状の成型には耐えられなかった。また、抵抗膜式タッチパネルスイッチにおいては、一般的に透明電極膜にITO等の金属皮膜を用いていることから、変形などに弱く、他のタッチパネルスイッチ方式に比べて耐打鍵性が劣るものである。本発明は、有機導電ポリマーを用いることにより、フレキシブル性を向上させて、複雑な形状の成型加工を可能とするものである。本発明はタッチパネルシートの素材自体に関する発明ではないので、ここではこれ以上の説明は必要ない。
【0020】
本発明を適用してカラーディスプレイ等の高価な表示装置を使用しないでタッチパネルシートを形成した場合には、加飾印刷と3次元成型を行った操作パネルをタッチパネルと組み合わせることが想定されるが、別途、LEDのような光源も設けるとすると、必然的に部品点数が多くなり、組み立てコストも高くなる。本発明はさらに現実的なタッチパネルスイッチシートの提供を課題とするものであり、加飾印刷を行い操作パネルとタッチパネルシートとを組み合わせ、さらに無機ELシートを張り合わせて同時に成型することにより、組み立てコスト及び部品点数の削減を図ったタッチパネルシートを提供するものである。
【0021】
以上のように、本発明が解決しようとする課題は、シート状でありシンプルで薄く、且つ安価で高付加価値の各種電気製品用のタッチパネルスイッチ装置を提供するものである。さらには、タッチパネルスイッチ自体でも、どのキーを操作しているかを視覚的に確認でき、指触的にも確認できる汎用性の高いタッチパネルスイッチ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明のタッチパネルスイッチシートは、基材下面に操作スイッチの文字・数字等の加飾印刷を行った基材フィルムの下面にタッチパネルシートを配置したことを特徴とする。
【0023】
さらに、本発明のタッチパネルスイッチシートは、該タッチパネルスイッチシートを3次元成型より成型して操作キー部を凸部に形成した3次元タッチパネルスイッチシートを特徴とする。
【0024】
さらに、本発明のタッチパネルスイッチシートは、該タッチパネルスイッチシートを3次元成型より成型して操作キー部を凸部に形成した後に、前記タッチパネルスイッチシートの凸部下面に形成された凹部に充填材を充填した3次元タッチパネルスイッチシートを特徴とする。
【0025】
本発明のタッチパネルスイッチ装置は、上記タッチパネルスイッチシートと、タッチパネルシートに対して指等のタッチ位置を検知する位置検知回路と、該タッチパネルの位置検知回路からの信号を受け取りスイッチ制御信号を出力するスイッチ信号出力制御回路とを備えたことを特徴とする。
【0026】
本発明のタッチパネルスイッチシートは、基材下面に操作スイッチの文字・数字等の加飾印刷を行った基材フィルムの下面にタッチパネルシートを配置し、その下面に絶縁層を介して無機EL発光層を前記文字・数字等の加飾印刷部分に対応してセグメント単位に配置したことを特徴とする。
【0027】
さらに、本発明のタッチパネルスイッチシートは、該タッチパネルスイッチシートを3次元成型より成型して操作キー部を凸部に形成した3次元タッチパネルスイッチシートを特徴とする。
【0028】
さらに、本発明のタッチパネルスイッチシートは、タッチパネルスイッチシートを3次元成型より成型して操作キー部を凸部に形成した後に、前記タッチパネルスイッチシートの凸部下面に形成された凹部に充填材を充填した3次元タッチパネルスイッチシートを特徴とする。
【0029】
本発明のタッチパネルスイッチ装置は、上記タッチパネルスイッチシートと、タッチパネルシートに対して指等のタッチ位置を検知する位置検知回路と、該タッチパネルの位置検知回路からの信号を受け取りスイッチ制御信号を出力するスイッチ信号出力制御回路と、前記無機EL発光層の発光部分をセグメント単位に点滅制御するEL点滅制御回路と、前記スイッチ信号出力制御回路からのスイッチ制御信号によって、前記EL点滅制御回路を制御する無機EL制御回路とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明のタッチパネルスイッチシートによれば、薄くて、シンプルで、安価で、且つ高付加価値のタッチパネルスイッチシートを得ることができる。また、無機EL発光層を設けることによって、夜間でも視覚によって認識できるタッチパネルスイッチシートを得ることができる。
【0031】
また、本発明のタッチパネルスイッチシートによれば、有機導電ポリマーを用いることでフレキシブル性を向上することができ、タッチスイッチシートを成型してキートップの突起部を3次元成型により設けることができる。これにより、複雑な形状の3次元成型加工が可能となり、耐打鍵性の向上という効果を奏することができる。
【0032】
さらに、本発明のタッチパネルスイッチシートを組み込んでタッチパネルスイッチ装置を構成すれば、従来のように下面に配置した別装置としての表示装置の力を借りることなく自装置のみで、薄くて、シンプルで、安価で、且つ高付加価値のシート状のタッチパネルスイッチ装置を得ることができる。
【0033】
さらに本発明のタッチパネルスイッチ装置によれば、加飾印刷と組み合わせて、同時3次元成型により、組み立てコスト及び部品点数の削減が可能になる。また、無機ELとの組み合わせにより、光源を同時に成型することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。本発明の説明において、上下とは絶対的な意味合いで用いているものではなく、相対的な説明で上下という用語を用いて表現しているものであるので、実際の製品で上下関係が逆になったり、左右方向或いは前後方向の関係になったりすることがある。さらに、本発明において「数字」という用語で表現されるものは、特に制限を加えない場合は、1,2,3・・・0の数値、各種記号・マーク及び文字を意味するものとして用いる。
【0035】
以降の説明は静電タッチ方式について述べていくが、本発明のタッチパネルスイッチ装置は、静電タッチ方式に限られるものではなく、例えば圧電素子を利用した圧電タッチ方式なども考えられる。
【0036】
図1は、本発明の新規なタッチパネルスイッチシート10の層構成図であり、基材であるポリカーボネートフィルム11の下面に数字キー部分の加飾印刷層12を施した後に、タッチパネルシート13を接合したものである。図1に示したタッチパネルスイッチシート10は数字1から数字0までのテンキーシートを具体的な実施例としたものであり、加飾印刷としては、数字キー4から数字キー9(12−1,12−2,12−3・・・)までのキートップ部分が印刷された図が示されている。実際の製品としてのタッチパネルスイッチシート10は、これらの層が相互に貼り合わされて、若しくは印刷により順次積層されて1枚のシートで構成される。この場合、加飾印刷層12は1枚の層として他とは別の層として形成されるものではなく、ポリカーボネートフィルム11の下面に印刷されるものであるが、図面では独立した1枚の層構成として図示している(以下同様)。
【0037】
図1の実施例のタッチパネルシート13には図示されていないが、加飾印刷で形成した数字キー(図示のものは数字キー4から数字キー9(12−1、12−2、12−3・・・))に対応した位置(指等で押した位置)がタッチパネルシート13面全体において検出できるように構成されている。これは、既に市販されているタッチパネルシートに適用されている技術であるので、ここでは詳細な説明はしない。それ以外にも、例えば図2で示す実施例のように、タッチパネルシート13に、数字キー(図示のものは数字キー4から数字キー9(12−1、12−2、12−3・・・)に対応させて静電容量式のタッチキー部13−1、13−2、13−3・・・をそれぞれ備えることも可能である。
【0038】
図1の実施例のタッチパネルシート13の場合は、後段(図10)においても説明するが、これにより、ポリカーボネートフィルム基材11の上方より指等がタッチした際、タッチスイッチキーの電極と指等の間に仮想的にコンデンサが形成され、指等にタッチされたタッチスイッチキーの静電容量が変化する。この時、タッチセンサー用ICにて、タッチスイッチキー部の静電容量変化を検知し、静電容量変化が発生したキーに対応した座標位置信号が出力される。また、数字キーに対応したタッチキー部を備える構成のタッチパネル(図2)の場合には、指等が触れたことを静電容量等の変化により検知し、その静電容量の変化がどのタッチキー部分において発生したかの信号を出力する。前者の場合(図1)は、タッチパネルセンサーICからの位置検出信号は座標位置を表す信号として出力されるが、その座標と印刷した数字キーの座標領域との関係を予め知っておくことで、どの数字キーがタッチされたかを知ることが可能である。これにより、タッチパネルセンサーICからの位置検出信号を図示していない制御手段に取り込むことにより、各種機器の所望の制御が可能になる。
【0039】
図3は、本発明の図1又は図2に示したタッチパネルスイッチシート10の下面に無機EL発光層を形成した別実施例の新規なタッチパネルスイッチシート20の層構成図である。これは、基材であるポリカーボネートフィルム21の下面に数字キー部分の加飾印刷層22を施した後に、タッチパネルシート23を接合し、さらに、絶縁層24を介して無機EL発光層25を接合したものである。ここで、無機EL発光層25は、2枚の電極層(共通の第1電極層と点滅制御部分に対応して独立したセグメント単位に形成された第2の電極層)間に、発光層としての蛍光体層を配置した、複数層から成る積層構造を有しているものであるが、本発明においてはその詳細な層構造が発明ではないので説明は省略する。この無機EL発光層の詳細については、本出願人が先に出願した特願2007−266958、特願2007−266963、特願2007−296307及び特願2008−50711において詳細に説明している。
【0040】
図3に示したタッチパネルスイッチシート20は、数字1から数字0までのテンキーシートを具体的な実施例としたものであり、図示された加飾印刷としては、数字キー4から数字キー9(22−1,22−2,22−3・・・)までのキートップ部分の印刷された図が示され、無機EL発光層25には、各々のキートップ部分に対応して無機EL層(25−1,25−2,25−3・・・)がセグメント単位で印刷されている。実際の製品としてのタッチパネルスイッチシート20は、これらの層が相互に貼り合わされて、若しくは順次印刷積層されて1枚のシートで構成される。
【0041】
図1の実施例においては、タッチパネルセンサーICは、ポリカーボネートフィルム基材21を介しタッチパネルシール23の上面より指等がタッチしたことを静電容量等の変化により検知し、その静電容量の変化がどの位置において発生したかの座標信号を出力する。タッチセンサーICからの位置検出信号は座標位置を表す信号として出力されるが、その座標と印刷された、若しくは貼り合せされた数字キーの座標領域(座標位置の範囲)との関係を予め知っておくことで、どの数字キーがタッチされたかを知ることが可能である。これにより、タッチパネルスイッチシート20からの位置検出信号を図10に示すように、機器の制御手段に取り込むことにより、各種機器の所望の制御が可能になる。また、タッチしたキートップに対応してキーを点灯させたい場合には、図示していない無機EL点滅回路構成により点灯制御することにより、キーボードとしての操作の視認性を高めることができる。
【0042】
無機ELをセグメント化し、そのELをセグメント単位に点滅制御する技術は、本発明者等によって既に、特願2007−266958、特願2007−266963及び特願2007−296307(以下、単に「先願」と称する)において開示されているが、回路構成等の概要については、先願を引用する形で後段において説明する。特願2008−50711は、タッチパネルELスイッチに関する発明である。
【0043】
図4(A),図4(B)及び図4(C)は、本発明のタッチパネルスイッチシートの層構成を明確に理解するために、タッチパネルスイッチシートのタッチパネルスイッチ部分のみを示したものである。図4(A)のタッチパネルスイッチシート10は、基材であるポリカーボネートフィルム11に加飾印刷層12を施した後に、タッチパネルシート13を接合し、それに絶縁層14を介して無機ELシート15を一体的に形成したタッチパネルスイッチ部を示している。図4(B)のタッチパネルスイッチシート20は、図4(A)で示したタッチパネルスイッチ部を所定の金型内でキー凸部26を3次元成型したタッチパネルスイッチ部を示している。図4(C)のタッチパネルスイッチシート30は、さらに図4(B)のキー凸部36の下に形成される裏面凹部に充填材37を充填したタッチパネルスイッチ部を示している。
【0044】
本発明は、以上のように、1枚の基材に対して加飾印刷加工、タッチパネルシートの接合、無機EL層の印刷加工によりタッチパネルスイッチ部を一体形成し、その後に3次元立体成型加工を行ったものであり、特殊な表示装置を別に設ける必要も無く、加飾印刷によって安価で容易にキーボードや銘板を印刷形成することが可能であり、タッチパネルの位置検出機能によってスイッチ機能も実現可能であり、さらに背面に無機EL層を印刷等の手段により施すことにより照明機能も達成できるという、1枚のシートでありながら3種類の機能を実現する表示装置構成を簡単な方法で且つ安価に提供できるものである。
【0045】
本発明のタッチパネルスイッチ装置は、さらに照明部の無機EL層をセグメント化し、任意のスイッチ部のELセグメントを点灯・点滅させることでパイロット機能を持たせることも可能である。これにより、キーボードとしての使用や銘板機能、タッチスイッチ機能、照明機能によるユーザのキー操作を誘導する表示装置を簡単な実装手段で安価に提供できるものである。
【0046】
次に、図5(A)乃至(H)において、本発明のタッチパネルスイッチ部を3次元成型する手順を説明する。
(1)〔ステップ(A),ステップ(B)〕
成型性の優れたポリカーボネート等の基材シート11に、加飾印刷12を印刷形成する。
(2)〔ステップ(C)〕
加飾印刷12を施した面に、タッチパネル層13を印刷形成する。或いは、加飾印刷12をした面に、タッチパネルシート13を貼り合せる。
(3)〔ステップ(D)〕
タッチパネル層13形成面(或いはタッチパネルシート13貼り合せ下面)に、後工程〔ステップ(E)〕で無機EL層を形成する際のタッチパネル層とEL層間の絶縁を確保するための絶縁層を印刷形成、若しくは貼り合せする。
(4)〔ステップ(E)〕
絶縁層14形成面に、無機EL層15を印刷形成する。この場合は、共通の第1電極層、無機EL蛍光体層、第2電極層の順で印刷形成する。若しくは、別工程で形成した無機ELシート15を貼り合せする。
(5)〔ステップ(F),ステップ(G)〕
ステップ(A)〜ステップ(E)の工程を終了した後、専用金型41,42によりタッチパネルスイッチシート10の成型加工を行う。
(6)〔ステップ(H)〕
成型加工後の製品(G)において、用途により裏面凹部に充填材を充填する。
【0047】
本発明においては、透明電極の材料は特に限定はされない。従来材料であるITOなどの金属皮膜でも成型可能だが、好ましくは有機導電ポリマーを用いることで、フレキシブル性を向上させ、複雑な凹凸形状又は、任意の曲面への立体成型加工を行うことができる。特に曲率の小さな曲面形状への実装に至っては、透明電極自体のフレキシブル性が必要と考えられ、有機導電ポリマーを使用することが好ましい。
【0048】
具体的には、基材は成型が可能な材料(例えばPET、アクリル、ウレタンなど)であれば問題ないが、好ましくはポリカーボネートなど成型性に富んだベース材を用いることで、複雑な凹凸形状・任意の曲面形状への立体成型加工を行い易い。
【0049】
本発明の無機EL蛍光体層の発光させたい部分だけをセグメント単位に点滅制御するための具体的回路構成は、既に上記先願において詳細に説明しているが、ここでその概略を先願明細書を引用する形で説明する。図6はEL駆動回路の構成の概要を示す回路図であり、図7はその動作を説明するために一つのELセグメントのみを抜き出して描いた回路図である。
【0050】
図6において、100,110,120,130はELの発光素子群、200,210,220,230は交流電源制御素子群、300,310,320,330はスイッチ素子群、400はCPUインターフェース、600は交流のインバータ電源である。図6に示したEL駆動回路は、発光素子群が複数の発光素子(ELセグメント)100,110,120,130・・・から成り、夫々のELセグメントに対して、交流電源制御素子群及びスイッチ素子群は、複数のフォト・トライアック200,210,220,230・・・、及び複数のキースイッチ300,310,320,330・・・を備えている。夫々のELセグメント100,110,120,130・・・は、タッチセンサーIC53からの信号に基づいてCPUインターフェース400からの制御によってインバータ電源600からの電源を制御することにより点滅される。タッチセンサーIC53からの信号に基づかずに、CPUインターフェース400独自の制御によっても、インバータ電源600からの電源を制御して夫々のELセグメント100,110,120,130・・・を点滅させることも可能である。
【0051】
インバータ電源600は全てのELセグメント100,110,120,130・・・に対して共通に設けられている。インバータ電源600から供給される交流電源は100V、400Hzである。
【0052】
図6のELの点滅制御回路に対して、フォト・トライアック200,210,220,230・・・の発光素子側を並列接続し、受光素子側を交流インバータ電源600とELセグメント100,110,120,130・・・に直列接続した回路構成になっており、タッチパネルの特定のキーが押されたことをタッチパネル回路の入出力を監視しているマイクロコンピュータにより検知する回路構成になっている。ここで、フォト・トライアックは、交流を制御するための公知のフォトカプラであるので、特にその詳細の説明はしない。
【0053】
図6に示された実施例の回路の動作を、図7の一つのELセグメントのみを抜き出して描いた回路図によって説明する。今、マイクロコンピュータに、タッチパネル300を押した際にELセグメント100を点灯させるというプログラムが設定されているとして、その際の動作を説明する。
【0054】
まず、図7及び図8を用いて、本発明の駆動回路の動作の概略を説明する。EL100の点滅制御はインバータ電源600で生成した交流電源のゼロクロス点をCPU400の割り込みとして、このタイミングでCPU400の出力ポート(O1〜O4)からフォト・トライアック200の受光部のアノード側に対してHi信号を出力する。また、同様にCPU400の入出力ポート(I1〜I4)からフォト・トライアック200の受光部のカソード側に対してLow信号を出力しフォトトラアック200をオンする。フォト・トライアック200のターンオン保持特性を利用して、この割り込みのタイミングの時だけフォト・トライアック200を通してのインバータ電源600の制御をするだけで、EL100の点灯/点滅/消灯の点滅制御をすることができる。
【0055】
一方、図8において、フォト・トライアック200と、交流インバータ電源600とELセグメント100とが直列で接続された回路を抜き出して、ELセグメント100を点灯させる動作をさらに詳細に説明する。
【0056】
フォト・トライアックは、交流信号をON・OFFするための素子であり、本発明においてはフォト・トライアックを利用したが、同様の効果を奏する素子であれば、特にフォト・トライアックに限定されるものではない。図8に示すように、本発明では、インバータ電源600から、例えば100V、400Hz(1周期2.5msec)の交流電源が供給されており、その交流電源のゼロクロスのポイント(A)で、フォト・トライアック200の入力側のLEDにパルスを出してやれば受光側のトライアック200が半周期(1.25msec)の期間はオンし、それに繋がったELセグメント100は点灯することになる。しかしながら、ELは電流が供給され続けないと点灯を連続させることができない。そこで、インバータ電源600からの交流の次のゼロクロスのポイント(B)で、次のパルスを出してやればフォト・トライアック210の受光側のトライアックを次の半周期(1.25msec)の期間もオンさせることが可能となる。この考え方で、次々と続くインバータ電源600からの交流のゼロクロスのポイント(C),(D),(E)・・・でパルスを出してやれば、ELを連続的に点灯させておくことが可能である。
【0057】
このように、図8に示す如く、インバータ電源の負荷電圧がゼロクロス電圧以下のポイントでフォト・トライアックの入力側LEDに対してパルス信号を出力することにより受光側のトライアックをオンさせることができる。この動作を、セグメント単位で、インバータ電源のゼロクロスのポイントで毎回制御を行うことで、各セグメントELの点灯、点滅、消灯を制御することが可能となる。
【0058】
次に、タッチパネル300のスキャンニングとフォト・トライアック200の点滅制御との関係を説明する必要がある。そのためには、タッチパネル側回路で検出したスイッチスキャン信号をマイクロコンピュータに出力し、マイクロコンピュータからフォト・トライアックを動作させることでELを点灯制御する。
【0059】
つまり、ELの点滅制御はインバータ電源で生成した交流電源のゼロクロス点をCPUの割り込みとして、このタイミングでCPUの出力ポート(O1〜O4)からフォト・トライアックの受光部のアノード側に対してHi信号を出力する。また、同様にCPUの入出力ポート(I1〜I4)からフォト・トライアックの受光部のカソード側に対してLow信号を出力しフォトトラアックをオンする。前述したように、フォト・トライアックのターンオン保持特性を利用して、この割り込みのタイミングの時だけフォト・トライアックの制御をするだけでELの点灯/点滅/消灯を制御することができる。
【0060】
図6及び図7の回路図では、特定のタッチパネルスイッチが押されたことを監視しているマイクロコンピュータ400により点灯制御を行う。タッチパネル回路で検出されるスイッチスキャン信号と各セグメント単位の発光素子ELの点灯制御とが関連性を持っていなければならない(例えば、タッチパネル上のキー300が押されたら対応するELセグメント100が点灯する)ようにも理解されがちであるが、これら二つの動作は全く関係なく操作することが可能なものである。つまり、タッチパネル上のキー300が押されたら、それに対応するELセグメント100を点灯するように制御することも可能であるし、タッチパネル上のキー300が押されたら、次に押すべきスイッチ、例えばタッチパネル上のキー310に対応するELセグメント110を点灯するように制御することも可能なものである。さらには、制御されるべき本体機器の動作状態・動作モード等に応じて、マイクロコンピュータ400のプログラムにより、点滅制御させるべきELセグメントを、例えば、状態表示として点灯するように制御することも可能なものである。
【0061】
本発明のタッチパネルスイッチシート或いはタッチパネルスイッチ装置は、以上の回路構成を備えることにより、キースイッチON/OFFに応じて、特定のELセグメントを点滅制御することも可能であるし、マイクロコンピュータからの信号により点灯制御するため、キースイッチON/OFFとは全く関係なく、マイコンでのプログラミングにより任意のELセグメントを点滅制御することも可能であるので、各種機器の操作・表示装置として極めて有効なものである。
【0062】
つまり、複数のタッチパネルスイッチに対応して、位置的には各々の複数のタッチパネルスイッチの下に一つずつのELセグメントを配置しておけば、特定のタッチパネルスイッチが押されたら、その下に配置してあるELセグメントを点灯させて、押したタッチパネルスイッチが何であるかをユーザに分からしめることも可能であるし、特定のタッチパネルスイッチが押されたら、次に操作すべきタッチパネルスイッチの下に配置してあるELセグメントを点滅させて、ユーザによる次の操作のガイダンスに用いてもよいし、タッチパネルスイッチの操作とは全く関係なく、例えば、時間により或いは操作モードにより、ユーザに注意を喚起すべきタッチパネルスイッチの下に配置してあるELセグメントを点滅させても良い。このように自由な、制御動作が一つの回路構成により達成できるものである。
【0063】
さらには、以上の回路構成の他に、図9に示すように、タッチパネルスイッチのキー300からの信号で直接フォト・トライアック200を制御する構成を採用することもできる。
【0064】
図10は、図2に示したタッチパネルスイッチシート10を機器の表示・制御手段として構成した際の回路構成概念図である。
【0065】
キー部分が加飾印刷された基材とタッチパネルシートが一体構造とされたタッチパネルスイッチシート10のキー部分12−1に指50等が触れると、タッチパネルシートのキー部分13−1と指50等の間に仮想回路としてのコンデンサが形成され、タッチパネルキー部分13−1の静電容量が変化する。すると、それに接続されているタッチセンサーIC53がタッチパネルキー部分13−1の静電容量変化を検知する。それにより、タッチセンサーIC53から機器制御手段59に対して検知信号58が出力され、機器制御手段59によって機器の所定の制御が達成される。
【0066】
図11は、図1に示したタッチパネルスイッチシート10を機器の表示・制御手段として構成した際の回路構成概念図であり、図10と同様に、タッチセンサーと無機EL発光層とを貼り合わせて1枚のシートに構成した一例で、タッチパネルセンサースイッチの回路構成概念図である。
【0067】
まず、キーと無機EL発光層との一体構造のタッチパネルセンサースイッチ60のタッチパネルキー51の部分(タッチパネルキー51の位置は加飾印刷されているキーの位置に対応た座標位置として認識される)に指50等が触れると、タッチパネルキー51と指50等の間に仮想回路としてのコンデンサ(点線にて表示)が形成され、タッチパネルキー51対応部分の静電容量が変化する。すると、それに接続されているタッチセンサーIC53がタッチパネルキー51対応部分の静電容量変化を検知する。それにより、タッチセンサーIC53からEL点滅制御回路であるマイクロコンピュータ(マイコン)400にON・OFF信号56が出力される。
【0068】
予めマイコン400でのプログラミングにより、例えば、ON信号56がマイコンに入力された時、マイコン400からフォト・トライアック54の入力LEDにON信号57を出力するようにプログラミングしておくことで、フォト・トライアック54がONとなり、EL52に対してインバータ電源55から交流電源が供給されて、セグメント単位のEL52が点灯する。
【0069】
なお、タッチパネルセンサーの回路構成は、タッチパネルセンサーの種類により相違するが、図2、図10に示すようなキー部分が構成されたタッチパネルセンサーであれば、当該キーが操作されたとする直接的な検知により信号が出力されるが、図1、図11に示すようなタッチパネルセンサーが指等のタッチ位置を座標で認識できるタイプの場合には、検知信号は座標信号で出力されるが、それとキーの対応座標範囲とを比較検討して操作されたキーに対応する信号を出力する。これにより、フォト・トライアック54がONとなり、EL52に対してインバータ電源55から交流電源が供給されて、セグメント単位のEL52が点灯する。
【0070】
次に、本発明の3次元成型タッチパネルセンサースイッチの各種機器への適用例を説明する。
【0071】
従来タッチパネルスイッチは、視覚での確認を前提にしてディスプレイなどの表示装置と組み合わせて使用しており、視覚で確認が出来ない状態の人にとっては使うことが出来ない。そこで、本発明においては、タッチパネルであっても3次元成型することによりキー部を視覚でも触覚でも認識可能にし、更には、点字部位とタッチパネルの組み合わせることにより、タッチパネル自体に点字文字を成型加工することで、視覚確認が出来ない人に対しても、タッチパネルスイッチとして使用することが出来るタッチパネルスイッチを提供することができるものである。さらに、ユーザの使いやすさを考慮すれば、音声ガイドシステムを併用することにより、視力の弱い人にとってはより使い勝手が向上する。
【0072】
図12及び図13は、本発明の3次元成型タッチパネルセンサースイッチを電卓等のテンキー部分に適用した例を記載している。
【0073】
図12には各キートップ部を突出させた電卓用の3次元成型タッチパネルセンサースイッチの実施例を示す。ここで、その製作手順を説明する。まず、ポリカーボネートなどの成形性の良い樹脂をベース基材とし、電卓の数字や文字及び表面外装を加飾印刷にて形成する。次いで、その下面にタッチパネル部を貼り合せるか、若しくは印刷によりタッチパネル層を形成し、1枚のシートとして構成した後、電卓のキー部71,72,73・・・を3次元成型用の金型により、成型加工を行って3次元成型タッチパネルセンサースイッチを形成する。この場合は、スイッチ機能が既に備わっているために、従来のキースイッチのようにストロークを出すことは必要なく、ストローク感に代えてスイッチ操作を検知した際には「ピッ」等の音を出すように構成することが良い。さらに無理やりに押し込んでシートの破損を早めないためにも、3次元成型加工後の裏面凹部には充填材を充填する構成を採用するのが良い。このようにして得られたタッチパネルシートは、最終的にタッチパネルシートの裏面に両面テープを貼るか、又は粘着材を塗布して、電卓キースイッチ配置部に貼り合せる状態として3次元成型タッチパネルセンサースイッチの完成となる。勿論、電卓として完成させるためには、3次元成型タッチパネルセンサースイッチからの信号線と給電配線とからなるケーブル79を電卓本体側の制御手段及び電源手段と接続して完成となる。
【0074】
図13は、図12に示すようにキートップ部分にキー突出部を形成するのに代えてキー部分に数字キーの加飾印刷とその数字に対応した点字突起部81,82,83・・・を形成した3次元成型タッチパネルセンサースイッチの実施例である。勿論、この点字突起部81,82,83・・・は3次元成型したキー部に付けることも可能であるし、その方がより認識度は向上する。ここで、その製作手順を説明すると、前述の図12で説明した方法と同様であるが、キー突出部の成型加工を行う際に3次元形成用の金型に点字突起部を設けるものである。また、キー突出部と点字突起部を同時に成型加工することも可能である。最終的に機器として完成させるためには、信号線と給電配線とからなるケーブル89を機器本体側の制御手段及び電源手段と接続して完成となる。
【0075】
図13に示すような点字を形成したタッチパネルスイッチシートは、例えば現在、駅に設置されている切符販売機の表示画面上に貼り付けるだけで、視力の弱い人に対しても健常者と同一の販売機を使用することを可能とするものである。
【0076】
従来の炊飯器や洗濯機などの操作パネル部は曲面形状のものが多く、さらにボタンスイッチ部は平面ではなく、ボタン部を盛り上げて作られている。例えば、3次元タッチパネルスイッチと加飾印刷、セグメントELを併用させることで、従来の操作パネルと同じ形状で、タッチスイッチとセグメントELによる誘導発光機能を持たせることができるだけでなく、一体成型が可能なことから、組み立てコストがさらに安価になり、部品点数も減らすことができる。
【0077】
図14には、本発明の3次元成型タッチパネルスイッチシートの配線構成図を示す。図14は、タッチパネルシート13のキー部分13−1,13−2,13−3・・・の配置と、それぞれのキー部分から引き出された信号配線29の配置を示している。点線部分はその上に配置されている3次元成型されたキートップ部71,72,73・・・を示している。3次元成型されたキートップ部の内側の点線部分はキートップの上面部分を示しており、外側の点線部分はキートップの下面部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明のタッチパネルスイッチシートの層構成図である。
【図2】本発明のタッチパネルスイッチシートの別実施例の層構成図である。
【図3】本発明の別実施例のタッチパネルスイッチシートの層構成図である。
【図4】(A),(B),(C) 本発明のタッチパネルスイッチ装置のタッチパネルスイッチ部を示した要部概略図である。
【図5】(A),(B),(C),(D),(E),(F),(G),(H)発明の3次元タッチパネルスイッチ部の製造工程を示す工程図である。
【図6】EL駆動回路の概要を示す回路図である。
【図7】EL駆動回路の動作説明のために一つのセグメントELのみを抜き出して描いた回路図である。
【図8】EL点灯制御とスイッチ検出制御の説明図である。
【図9】(A),(B) 別実施例を示す回路図である。
【図10】本発明のタッチパネルスイッチシートを機器の表示・制御手段として構成した際の回路構成概念図である。
【図11】本発明のタッチパネルスイッチ装置の回路構成図の概略図である。
【図12】本発明の3次元成型タッチパネルスイッチシートの概観斜視図である。
【図13】本発明の別実施例の3次元成型タッチパネルスイッチシートの概観斜視図である。
【図14】本発明の3次元成型タッチパネルスイッチシートの配線構成図である。
【符号の説明】
【0079】
10,20,30 タッチパネルスイッチシート
11,21,31 基材(ポリカーボネートフィルム)
12,22,32 加飾印刷層
13,23,33 タッチパネルスイッチ層
14,24,34 絶縁層
15,25,35 無機EL層
26,36 タッチパネルスイッチ凸部
37 充填材
71,72,73 3次元成型キートップ部
81,82,83 点字キートップ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材下面に操作スイッチの文字・数字等の加飾印刷を行った基材フィルムの下面にタッチパネルシートを配置したことを特徴とするタッチパネルスイッチシート。
【請求項2】
請求項1に記載されたタッチパネルスイッチシートを3次元成型より成型して操作キー部を凸部に形成したことを特徴とする3次元タッチパネルスイッチシート。
【請求項3】
前記タッチパネルスイッチシートを3次元成型より成型して操作キー部を凸部に形成した後に、前記タッチパネルスイッチシートの凸部下面に形成された凹部に充填材を充填したことを特徴とする請求項2記載のタッチパネルスイッチシート。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の内の一つの請求項に記載されたタッチパネルスイッチシートと、タッチパネルシートに対して指等のタッチ位置を検知する位置検知回路と、該タッチパネルの位置検知回路からの信号を受け取りスイッチ制御信号を出力するスイッチ信号出力制御回路とを備えたことを特徴とするタッチパネルスイッチ装置。
【請求項5】
基材下面に操作スイッチの文字・数字等の加飾印刷を行った基材フィルムの下面にタッチパネルシートを配置し、その下面に絶縁層を介して無機EL発光層を前記文字・数字等の加飾印刷部分に対応してセグメント単位に配置したことを特徴とするタッチパネルスイッチシート。
【請求項6】
請求項5に記載されたタッチパネルスイッチシートを3次元成型より成型して操作キー部を凸部に形成したことを特徴とする3次元タッチパネルスイッチシート。
【請求項7】
前記タッチパネルスイッチシートを3次元成型により成型して操作キー部を凸部に形成した後に、前記タッチパネルスイッチシートの凸部下面に形成された凹部に充填材を充填したことを特徴とする請求項6記載のタッチパネルスイッチシート。
【請求項8】
請求項4乃至請求項7の内の一つの請求項に記載されたタッチパネルスイッチシートと、タッチパネルシートに対して指等のタッチ位置を検知する位置検知回路と、該タッチパネルの位置検知回路からの信号を受け取りスイッチ制御信号を出力するスイッチ信号出力制御回路と、前記無機EL発光層の発光部分をセグメント単位に点滅制御するEL点滅制御回路と、前記スイッチ信号出力制御回路からのスイッチ制御信号によって、前記EL点滅制御回路を制御する無機EL制御回路とを備えたことを特徴とするタッチパネルスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−212031(P2009−212031A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56038(P2008−56038)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(307037624)株式会社 函館セコニック (8)
【Fターム(参考)】