タッチパネル付制御装置およびプログラム
【課題】表示パネルの両面にタッチパネルを有し、各タッチパネルへの操作を関連させて各種制御を行うことができるタッチパネル付制御装置およびプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態に係る携帯装置10は、表示パネル105の両面に設けられた表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108が、利用者によって操作されることにより、表面タッチパネル107の裏面タッチパネル108のいずれか一方の操作により行なわれる制御、双方の操作で役割を分担して行なわれる制御、双方の操作により共同して行われる制御など、様々な制御を行うことができる。また、表示パネル105は、透過型のディスプレイであるから、利用者は、表面側から表示パネル105を見ていても、裏面タッチパネル108の操作を容易に行うことができる。
【解決手段】本発明の実施形態に係る携帯装置10は、表示パネル105の両面に設けられた表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108が、利用者によって操作されることにより、表面タッチパネル107の裏面タッチパネル108のいずれか一方の操作により行なわれる制御、双方の操作で役割を分担して行なわれる制御、双方の操作により共同して行われる制御など、様々な制御を行うことができる。また、表示パネル105は、透過型のディスプレイであるから、利用者は、表面側から表示パネル105を見ていても、裏面タッチパネル108の操作を容易に行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを用いた操作方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な携帯端末において、直感的な操作を行うことができることから、その操作手段にタッチパネルが用いられている。この直感的な操作を利用し、例えば、電子手帳などのPDA(Personal Digital Assistant)においては、文字入力にタッチパネルが用いられている。また、携帯端末に限られず、例えば、特許文献1に開示されているように、透過型の有機EL(Electroluminescence)ディスプレイにタッチパネルを用いたタッチスクリーンでは、利用者は、光を透過するディスプレイを挟んで反対側にある物体を見ることができ、ディスプレイの表示とその物体とをあわせて確認しながらタッチパネルを操作することができる。また、特許文献2に開示されているように、両面表示可能なディスプレイの双方の表示面にタッチパネルを用いたタッチスクリーンでは、限られた設置エリアで2人の利用者が操作することができる。
【特許文献1】特開2000−331557号公報
【特許文献2】特開2007−304361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献2に開示されたタッチスクリーンは、両面の各面に設けられたタッチパネルは、それぞれ別の利用者によって操作されるものである。すなわち、普通のディスプレイにタッチパネルが設けられたタッチスクリーン2台を各々の背面同士で接続したに過ぎず、複数のタッチパネルは、それぞれ独立して操作され、その操作に応じてそれぞれ独立した処理がなされるものであった。
【0004】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、表示パネルの両面にタッチパネルを有し、各タッチパネルへの操作を関連させて各種制御を行うことができるタッチパネル付制御装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため、本発明は、映像データを生成する生成手段と、供給される制御情報に応じた制御を行う制御手段と、前記映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルと、前記第1の面に表示されている表示内容と前記第1の操作情報との関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する第1の決定手段と、前記第1の面に表示されている表示内容と前記第2の操作情報との関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する第2の決定手段と、前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定された各制御内容に対応する制御情報を前記制御手段に供給する供給手段とを具備し、前記第1の決定手段によって決定可能な制御内容、および前記第2の決定手段によって決定可能な制御内容は、互いに異なる制御内容を有するように設定されていることを特徴とするタッチパネル付制御装置を提供する。
【0006】
また、別の好ましい態様において、前記第1の面に表示されている表示内容、前記第1の操作情報および前記第2の操作情報の関係が所定の関係にある場合に、当該関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する複合決定手段をさらに具備し、前記複合決定手段によって決定可能な制御内容は、前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定可能な制御内容とは異なる制御内容として設定され、前記供給手段は、前記複合決定手段が制御内容を決定したときには、前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定された各制御内容に代えて、前記複合決定手段によって決定された制御内容に対応する制御情報を前記制御手段に供給することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、映像データを生成する生成手段と、供給される制御情報に応じた制御を行う制御手段と、前記映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルと、前記第1の面に表示されている表示内容、前記第1の操作情報および前記第2の操作情報の関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する複合決定手段と、前記複合決定手段によって決定された制御内容に対応する制御情報を前記制御手段に供給する供給手段とを具備することを特徴とするタッチパネル付制御装置を提供する。
【0008】
また、別の好ましい態様において、前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定される制御内容のうち、いずれか一方は制御するパラメータを特定する制御内容であり、他方はパラメータの値を変更する制御内容であり、前記制御手段は、前記供給される制御情報に応じて、特定されるパラメータについての値を変更する制御を行うことを特徴とする。
【0009】
また、別の好ましい態様において、前記第1のタッチパネルは、所定の検出方式で前記第1の面に対する操作を検出し、その検出結果に応じた第1の操作情報を出力し、前記第2のタッチパネルは、前記第1のタッチパネルにおける検出方式とは異なる検出方式で前記第2の面に対する操作を検出し、その検出結果に応じた第2の操作情報を出力することを特徴とする。
【0010】
また、別の好ましい態様において、前記表示パネルは、前記第2の面側の光が前記第1の面側に透過することによって、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できることを特徴とする。
【0011】
また、別の好ましい態様において、前記第2の面側に設けられ、前記第2の面の概ね法線方向であって前記第1の面とは逆の方向を撮影して撮影データを出力する撮影手段をさらに具備し、前記表示パネルは、前記第1の面に、前記映像データおよび前記撮像手段から出力される撮影データに応じた表示を行うことによって、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できることを特徴とする。
【0012】
また、別の好ましい態様において、前記表示パネルの前記第2の面には、前記映像データに係る表示の鏡像が表示されることを特徴とする。
【0013】
また、別の好ましい態様において、前記制御手段における制御には、前記第1の面の表示態様を変更する制御が含まれることを特徴とする。
【0014】
また、別の好ましい態様において、前記制御手段における制御には、発音内容を示すオーディオデータの生成が含まれることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記記載のタッチパネル付制御装置と、開口部を有する筐体とを具備し、前記タッチパネル付制御装置は、前記筐体内に収められ、前記第1の面と前記第2の面とは、前記開口部から露出していることを特徴とする携帯装置を提供する。
【0016】
また、本発明は、映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルとを具備するコンピュータに、映像データを生成する生成機能と、供給される制御情報に応じた制御を行う制御機能と、前記第1の面に表示されている表示内容と前記第1の操作情報との関係に応じて、前記制御機能における制御内容を決定する第1の決定機能と、前記第1の面に表示されている表示内容と前記第2の操作情報との関係に応じて、前記制御機能における制御内容を決定する第2の決定機能と、前記第1の決定機能および前記第2の決定機能において決定された各制御内容に対応する制御情報を、前記制御機能における制御情報として供給する供給機能とを実現させ、前記第1の決定機能において決定可能な制御内容、および前記第2の決定機能において決定可能な制御内容は、互いに異なる制御内容を有するように設定されていることを特徴とするプログラムを提供する。
【0017】
また、本発明は、映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルとを具備するコンピュータに、映像データを生成する生成機能と、供給される制御情報に応じた制御を行う制御機能と、前記第1の面に表示されている表示内容、前記第1の操作情報および前記第2の操作情報の関係に応じて、前記制御機能における制御内容を決定する複合決定機能と、前記複合決定機能において決定された制御内容に対応する制御情報を、前記制御機能における制御情報として供給する供給機能とを実現させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、表示パネルの両面にタッチパネルを有し、各タッチパネルへの操作を関連させて各種制御を行うことができるタッチパネル付制御装置およびプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0020】
<実施形態>
本発明の実施形態に係る携帯装置は、透過型のディスプレイを有する携帯ゲーム機であって、そのディスプレイの両面にタッチパネルが設けられ、タッチパネルの制御に応じて携帯装置の制御を行うタッチパネル付制御装置を有している。これにより、この携帯装置の利用者は、両面のタッチパネルの操作に応じて、携帯装置の制御を行うことができるようになっている。以下、本発明の実施形態に係る携帯装置のハードウエアの構成について説明する
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る携帯装置10のハードウエアの構成を示す図である。また、図2は、携帯装置10の外観を示す図である。携帯装置10は、CPU(Central Processing Unit)101、記憶部102、RAM(Random Access Memory)103、操作部104、表示パネル105、スピーカ106、表面タッチパネル107、裏面タッチパネル108およびインターフェイス109を有し、バス100を介して互いに接続されている。そして、携帯装置10は、その構成要素が筐体200内に一体に収められ、筐体200の開口部から表示領域300に相当する部分が露出している。
【0022】
CPU101は、記憶部102に記憶されたプログラムをRAM103に読み出して実行する。これにより、CPU101は、バス100を介して、携帯装置10の各部について制御し、後述するような各機能を実現する。また、RAM103は、CPU101が各データの加工などを行う際のワークエリアとして機能する。
【0023】
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリなどの記憶手段であって、上述したプログラム、各種情報を記憶する。
【0024】
操作部104は、表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108とは別の操作キーなどにより構成される操作手段である。操作部104は、利用者によって操作されることにより、その操作内容を表す信号をCPU101へ出力する。
【0025】
表示パネル105は、供給される映像データに応じた表示を行う表示手段である。この表示パネル105は、一方の面側の光が他方の面側に透過することによって、一方の面側から他方の面側を視認できる透過型のディスプレイである。例えば、有機ELディスプレイであり、有機EL発光材料に電流を供給する陽極と陰極にあたる電極層がともに可視光を透過する材料で構成されている。このような材料として、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電体の他、金、アルミニウムなどを可視光が透過する数nmから数十nm程度まで薄くした金属などが用いられる。
【0026】
また、表示パネル105は、図2に示すような表示領域300に、供給される映像データに応じた表示を行う。図2に示す表示領域300にある3個の円状の表示は、仮想粒子500−1、500−2、500−3を示し、映像データに応じて行われる表示の一例を示したものである。そして、本実施形態においては、表示領域300の各点には、図3(a)に示すように、表示領域300の左上を座標(0,0)、右下を座標(1024、756)とする座標が設定されている。
【0027】
このように、表示パネル105は、透過型のディスプレイであるため、両面から表示を見ることもができ、表示パネル105の一方の面(以下、表示面という)から見た場合、表示領域300には、図3(a)に示すように、映像データに応じた表示がなされる。一方、他方の面側から見た場合には、表示領域300は、図3(b)に示すような座標関係として見ることになるから、表示面の表示とは鏡像の関係にある表示がなされているように見えることになる。このように、表示パネル105は、両面に表示がなされるが、以下、映像データの内容に対応した本来の表示となる表示面を表示パネル105の表面とし、鏡像の関係にある表示がなされる面を表示パネル105の裏面として定義する。
【0028】
図1に戻って説明を続ける。スピーカ106は、供給されるオーディオデータに応じた放音を行う放音手段であって、1または複数のスピーカユニットを有している。
【0029】
表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108は、それぞれ表示パネル105の表面側、裏面側に設けられたタッチパネルである。そのため、筐体200の開口部から露出している表示領域300部分を断面として見ると、図4に示すように、表面側から、表面タッチパネル107、表示パネル105、裏面タッチパネル108の順に重ねられた状態になっている。したがって、表示領域300に相当する部分は、両面にタッチパネルが設けられたタッチスクリーンになっている。
【0030】
ここで、本実施形態においては、表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108は、抵抗膜方式のタッチパネルであるものとするが、静電容量方式、光学方式、超音波方式など、他の検出方式であってもよい。また、これらのように、接触した1点を検出するアナログタイプのタッチパネルでなく、デジタルタイプのようなマトリックスで検出することにより、複数の点を検出するものであってもよい。また、表面タッチパネル107と裏面タッチパネル108とは、同じ検出方式であってもよいし、異なる検出方式のタッチパネルであってもよい。
【0031】
表面タッチパネル107は、表示領域300に設定されている座標に対応して、図3(a)に示すように、その左上を座標(0,0)、右下を座標(1024、756)とする座標が設定されている。そして、利用者が表面タッチパネル107の特定の点に接触すると、CPU101に対して、その接触した点に対応する座標を示す表面操作情報が出力される。
【0032】
一方、裏面タッチパネル108は、表示領域300に設定されている座標に対応して、図3(b)に示すように、その右上を座標(0,0)、左下を座標(1024、756)とする座標が設定されている。上述したように、裏面側からの表示は表面側の表示とは鏡像の関係になっているから、タッチパネルの座標関係も鏡像の関係になるように設定されている。そして、利用者が裏面タッチパネル108の特定の点に接触すると、CPU101に対して、その接触した点に対応する座標を示す裏面操作情報が出力される。なお、裏面タッチパネル108に設定されている座標は、鏡像の関係ではなく、表面タッチパネル107に設定されている座標と同じものとしてもよい。この場合は、CPU101は、裏面操作情報が示す座標を表示面の表示に対応するように変換する処理を行えばよい。
【0033】
ここで、図5(a)に示すように、利用者の左手1000Aが、表面側から表示領域300の特定の点を指定するために、表面タッチパネル107に接触すると、CPU101は、表面操作情報によって表示領域300のうち、利用者によって指定された点を表面指定点1071として認識する。また、利用者の右手1000Bが、裏面側から表示領域300の特定の点を指定するために、裏面タッチパネル108に接触すると、CPU101は、裏面操作情報によって表示領域300のうち、利用者によって指定された点を裏面指定点1081として認識する。以下の説明における各図の記載においては、表面指定点1071を×、裏面指定点1081を△で示すが、表示領域300に実際に表示されるようにしても、表示されないようにしてもよい。
【0034】
図1に戻って説明を続ける。インターフェイス109は、外部装置と有線または無線によって接続し、各種情報の送受信を行う。外部装置としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フラッシュメモリカードなどの記憶媒体、光ディスクなどの記憶媒体を読み取る光ディスクドライブの他、インターネットなどの通信網を介した通信により、他の携帯端末、サーバ、コンピュータなどとしてもよい。以上が、携帯装置10のハードウエアの構成の説明である。
【0035】
次に、本発明の実施形態に係る携帯装置10のCPU101が、記憶部102に記憶されたプログラムをRAM103に読み出して実行することにより実現する機能について、図6を用いて説明する。
【0036】
制御部11は、携帯装置10における各制御を行う制御手段であって、予め設定された制御の他、後述する制御情報供給部17から供給される制御情報に応じた制御を行う。携帯装置10における各制御には様々な制御があるが、本実施形態においては、表示パネル105の表示領域300に表示させる表示内容の制御、およびスピーカ106から放音される発音内容の制御を行い、表示内容を示す映像指示情報を出力し、また、発音内容を示す発音指示情報を出力する。
【0037】
本実施形態における予め設定された制御について説明する。制御部11は、図2に示すように、仮想粒子500−1、500−2、500−3(以下、特に区別しない場合は仮想粒子500という)を表示領域300に表示させる制御を行う。そして、制御部11は、仮想粒子500を予め設定された所定のアルゴリズムに応じて移動させる制御を行う。例えば、表示領域300内を無重力状態として考え、各仮想粒子500をそれぞれ所定の速度で移動させ、表示領域300の周囲を壁面とみなし、壁面で跳ね返らせたり、他の仮想粒子500との衝突により跳ね返らせたりする。また、各仮想粒子500には擬似的な質量が与えられ、跳ね返るときには運動量を保存するようにして行われる。
【0038】
そして、制御部11は、表示内容を示すものとして、制御している各仮想粒子500の位置、形状、大きさなど、少なくとも表示領域300における各仮想粒子500が占める領域を特定することができる情報を映像指示情報として、映像データ生成部12、表面制御決定部14、裏面制御決定部15および両面制御決定部16に出力する。なお、この映像指示情報は、表示領域300における表示内容を示す情報であるから、表示領域300に各種制御に係るメニュー表示などを行うときには、その表示を指示する情報が含まれていてもよい。
【0039】
また、制御部11は、仮想粒子500が他の仮想粒子500と衝突したときには、スピーカ106から、所定のアルゴリズムに応じて発音をさせる制御を行う。この制御による発音内容を示すものとして、波形データ、ピッチ、音量、音長など、発音内容を特定することができる情報を発音指示情報として、オーディオデータ生成部13に出力する。
【0040】
次に、制御情報に応じた制御について説明する。制御部11は、制御情報供給部17から供給される制御情報に応じて、表示内容、発音内容の制御を行う。これは、上述の予め設定された制御内容(表示内容、発音内容)の変更、例えば、仮想粒子500の質量、大きさ、形状の変更、仮想粒子500に働く重力場の変更などの制御がある。また、予め設定された制御内容を一時的に変更する、例えば、仮想粒子500を所定のアルゴリズムに応じた移動制御から一時的に分離して、別の方向に初速度を与える制御などとすることもできる。さらに、スピーカ106の出力レベルを変更する音量制御、表示パネル105の表示輝度を変更する制御など、全く別の制御であってもよい。
【0041】
映像データ生成部12は、制御部11から出力された映像指示情報に応じた表示をさせるための映像データを生成して、表示パネル105に供給する。これは例えば、映像指示情報から、表示領域300内における仮想粒子500の占める領域を認識し、仮想粒子500が映像指示情報によって示される内容として表示領域300に表示されるように映像データを生成する。
【0042】
オーディオデータ生成部13は、制御部11から出力された発音指示情報によって特定される発音内容を示すオーディオデータを生成して、スピーカ106に供給する。
【0043】
表面制御決定部14は、制御部11から出力された映像指示情報、および表面タッチパネル107から出力された表面操作情報に基づいて、制御部11における制御内容を決定し、決定した制御内容を示す表面制御情報を出力する。具体的には、表面制御決定部14は、映像指示情報に基づいて表示領域300に表示されている表示内容を認識する。そして、表面制御決定部14は、認識した表示領域300の表示内容と、表面操作情報が示す表面指定点1071の位置またはその位置の時刻変化による軌跡との関係に応じて、制御部11における制御内容を決定する。
【0044】
ここで、表示内容および表面操作情報の関係と、決定すべき制御内容の対応については、表面制御決定部14に予め設定されている。この対応関係は、例えば、仮想粒子500が存在する領域に表面指定点1071が含まれているという関係の場合には、その仮想粒子500を選択する制御内容という対応関係である。
【0045】
また、表面制御決定部14には、例えば、表示内容と表面指定点1071の位置とは関係なく、表面指定点1071の軌跡が所定の軌跡である場合には、所定のパラメータが特定される制御内容が設定されていてもよい。このように、表面制御決定部14に予め設定される制御内容については、表示内容と表面操作情報との関係が直接関係しないものが含まれていてもよく、少なくとも、予め設定されている制御内容に、表示内容と表面操作情報との関係から、決定すべき制御内容が含まれていればよい。
【0046】
裏面制御決定部15は、制御部11から出力された映像指示情報、および裏面タッチパネル108から出力された裏面操作情報に基づいて、制御部11における制御内容を決定し、決定した制御内容を示す裏面制御情報を出力する。具体的には、裏面制御決定部15は、映像指示情報に基づいて表示領域300に表示されている表示内容を認識する。そして、裏面制御決定部15は、認識した表示領域300の表示内容と、裏面操作情報が示す裏面指定点1081の位置またはその位置の時刻変化による軌跡との関係に応じて、制御部11における制御内容を決定する。
【0047】
ここで、表示内容および裏面操作情報の関係と、決定すべき制御内容の対応については、裏面制御決定部15に予め設定されている。この対応関係は、例えば、仮想粒子500が存在しない領域に裏面指定点1081が含まれているという関係の場合には、さらに裏面指定点1081の軌跡を認識し、その軌跡に応じて表示パネル105の表示輝度を変動させる制御内容という対応関係である。
【0048】
また、裏面制御決定部15には、例えば、表示内容と裏面指定点1081の位置とは関係なく、裏面指定点1081の軌跡に応じて、別途特定されたパラメータの値を変更する制御内容としてもよい。このように、上述同様、裏面制御決定部15に予め設定される制御内容については、表示内容と裏面操作情報との関係が直接関係しないものが含まれていてもよく、少なくとも、予め設定されている制御内容に、表示内容と裏面操作情報との関係から、決定すべき制御内容が含まれていればよい。
【0049】
また、表面制御決定部14によって決定可能な制御内容、および裏面制御決定部15によって決定可能な制御内容は、互いに異なる制御内容を有するように設定されている。すなわち、表面制御決定部14および裏面制御決定部15の各々が決定可能な制御内容には、同じ制御内容が含まれる一方、いずれか一方だけが決定可能な制御内容も含まれている。したがって、制御部11における制御のうち、一部の制御については、表面タッチパネル107の操作のみで行えるもの、裏面タッチパネル108の操作のみで行えるものとなっている。
【0050】
両面制御決定部16は、制御部11から出力された映像指示情報、表面タッチパネル107から出力された表面操作情報、裏面タッチパネル108から出力された裏面操作情報に基づいて、制御部11における制御内容を決定し、決定した制御内容を示す両面制御情報を出力する。具体的には、両面制御決定部16は、映像指示情報に基づいて表示領域300に表示されている表示内容を認識する。そして、両面制御決定部16は、認識した表示領域300の表示内容と、表面操作情報が示す表面指定点1071および裏面操作情報が示す裏面指定点1081の位置またはその位置の時刻変化による軌跡との関係に応じて、制御部11における制御内容を決定する。すなわち、この制御内容は、表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108の操作が共同して行われる制御を示している。
【0051】
一方、両面制御決定部16は、表示内容と、表面操作情報および裏面操作情報との関係が所定の関係にある場合、または、表面操作情報と裏面操作情報との関係が所定の関係にある場合には、制御内容を決定せず両面制御情報を出力しない。この所定の関係については、決定すべき制御内容が無い場合、表面指定点1071と裏面指定点1081との距離が一定長さ以上である場合など、両面制御決定部16に予め設定されているようにすればよい。なお、これとは逆に、両面制御決定部16は、表示内容と、表面操作情報および裏面操作情報との関係が所定の関係にある場合、または、表面操作情報と裏面操作情報との関係が所定の関係に無い場合に、制御内容を決定せず両面制御情報を出力しないようにしてもよい。
【0052】
ここで、表示内容、表面操作情報および裏面操作情報の関係と、決定すべき制御内容の対応については、両面制御決定部16に予め設定されている。この対応関係は、例えば、仮想粒子500が存在する領域に、表面指定点1071および裏面指定点1081が含まれているという関係の場合には、その仮想粒子500を特定し、さらに表面指定点1071と裏面指定点1081の軌跡を認識し、その軌跡に応じてその仮想粒子500の位置を移動させる制御内容という対応関係である。
【0053】
また、両面制御決定部16には、例えば、表示内容、表面指定点1071および裏面指定点1081の位置とは関係なく、表面指定点1071および裏面指定点1081の軌跡に応じて、制御部11において用いられている所定のアルゴリズムの内容を変更する制御内容としてもよい。このように、上述同様、両面制御決定部16に予め設定される制御内容については、表示内容と、表面操作情報および裏面操作情報との関係が直接関係しないものが含まれていてもよく、少なくとも、予め設定されている制御内容に、表示内容、表面操作情報および裏面操作情報の関係から、決定すべき制御内容が含まれていればよい。
【0054】
また、両面制御決定部16によって決定可能な制御内容は、表面制御決定部14によって決定可能な制御内容、および裏面制御決定部15によって決定可能な制御内容とは、異なる制御内容となるように設定されている。したがって、制御部11における制御のうち、一部の制御については、表面タッチパネル107と裏面タッチパネル108との共同した操作でのみで行えるものとなっている。
【0055】
制御情報供給部17は、表面制御決定部14によって決定された制御内容を示す表面制御情報、裏面制御決定部15によって決定された制御内容を示す裏面制御情報および両面制御決定部16によって決定された制御内容を示す両面制御情報に基づいて、制御情報を生成して制御部11に供給する。具体的には、この制御情報の生成は以下のように行われる。
【0056】
まず、制御情報供給部17は、表面制御情報および裏面制御情報が示す各制御内容に対応する制御情報を生成する。これは、表面制御情報が示す制御内容と裏面制御情報が示す制御内容が、それぞれ単独で一つの制御内容を示している場合には、それぞれに対応する制御情報を生成する。一方、表面制御情報が示す制御内容と裏面制御情報が示す制御内容が、役割が分担されることにより双方で一つの制御内容を示す場合には、双方の制御内容に応じて制御情報を生成する。例えば、一方が制御するパラメータを特定する制御内容であり、他方がパラメータの値を変更する制御内容である場合には、特定されるパラメータの値を変更する制御内容を示す制御情報を生成する。
【0057】
このとき、制御情報供給部17は、両面制御決定部16によって制御内容が決定され、両面制御情報が出力された場合には、表面制御情報および裏面制御情報が示す各制御内容に代えて、両面制御情報が示す制御内容に対応する制御情報を生成する。すなわち、制御情報供給部17は、表面制御情報および裏面制御情報が示す各制御内容に対応する制御情報を供給せず、両面制御情報が示す制御内容に対応する制御情報を制御部11に供給することになる。以上が、CPU101が、プログラムを実行することにより実現する機能についての説明である。
【0058】
次に、本発明の実施形態に係る携帯装置10の動作について説明する。まず、携帯装置10の電源が投入されると、CPU101は記憶部102から制御プログラムをRAM103に読み出して実行する。
【0059】
これにより、表示領域300には、図2に示すような仮想粒子500が表示され、この仮想粒子500は、表示領域300内をゆっくり移動している。そして、仮想粒子500が他の仮想粒子500と衝突すると、スピーカ106から衝突音が放音される。この状況において、利用者は、表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108を操作することによって、様々な制御を行うことができる。以下、様々な制御のうち、表示領域300に表示された仮想粒子500に対して行う制御について、複数の例を順に説明する。
【0060】
まず、第1の例として、利用者は、仮想粒子500−1の領域内に対応する部分の表面タッチパネル107に接触する。これにより、図7(a)に示すように、表面指定点1071が仮想粒子500−1の領域内に存在するように指定される。表面制御決定部14は、表面指定点1071が仮想粒子500−1の領域内に存在することを認識すると、この仮想粒子500−1を特定するとともに、この仮想粒子500−1に対する制御を行うための制御メニュー400を表示させる制御内容を示す表面制御情報を出力する。
【0061】
そして、制御部11によって、制御メニュー400を表示させる制御が行われ、図7(b)に示すように、制御対象である仮想粒子500−1の輪郭線を太くして表示態様を変更するとともに、制御メニュー400を表示する。この制御メニュー400には、仮想粒子500−1の大きさを変更するための「サイズ」、仮想粒子500−1の質量を変更するための「質量」、仮想粒子500−1の形状を変更するための「形状」が制御可能な内容として表示される。
【0062】
ここで、利用者は、表面指定点1071の位置を仮想粒子500−1の領域内に維持したまま、裏面タッチパネル108を操作する。この操作は、図8(a)に示すように、裏面指定点1081を起点1080から矢印の方向に移動させるものとすると、裏面制御決定部15は、この軌跡を認識し、所定のパラメータを裏面指定点1081の移動速度、移動量、移動方向に対応するように変化させる制御内容を示す裏面制御情報を出力する。
【0063】
制御情報供給部17は、上述のように表面制御決定部14から出力された表面制御情報が示す制御内容が変化せず、上述のように裏面制御決定部15から出力された裏面制御情報を取得すると、特定されている仮想粒子500−1の移動パラメータを裏面制御情報が示す制御内容で変化させる制御情報を出力する。ここで、移動パラメータは、本実施形態においては、移動速度および移動方向を示している。
【0064】
このようにして出力された制御情報は、制御部11に対して、仮想粒子500−1の移動パラメータの移動速度を裏面指定点1081の移動速度に応じた速さに変更し、移動方向を裏面指定点1081の移動方向、すなわち図中矢印の方向に変更する制御を行わせるものとなる。これにより、図8(b)に示すように、仮想粒子500−1の移動速度と移動方向が変更され、移動することになる。
【0065】
次に、第2の例として、図7(b)に示す状態において、利用者が、表面指定点1071を移動させ、図9(a)に示すように、制御メニュー400の「サイズ」の項目まで移動させた場合、表面制御決定部14は、仮想粒子500−1のサイズパラメータを特定する制御内容を示す表面制御情報を出力する。一方、利用者は、裏面タッチパネル108を操作して、図9(b)に示すように、裏面指定点1081を起点1080から矢印の方向に移動させるものとすると、裏面制御決定部15は、この軌跡を認識し、所定のパラメータを裏面指定点1081の移動速度、移動量、移動方向に対応するように変化させる制御内容を示す裏面制御情報を出力する。ここで、サイズパラメータは、本実施形態においては、仮想粒子500の半径の大きさを示している。
【0066】
制御情報供給部17は、上述のように表面制御決定部14から出力された表面制御情報および裏面制御決定部15から出力された裏面制御情報を取得すると、特定されている仮想粒子500−1のサイズパラメータを裏面制御情報が示す制御内容で変化させる制御情報を出力する。
【0067】
このようにして出力された制御情報は、制御部11に対して、仮想粒子500−1のサイズパラメータの半径の大きさを裏面指定点1081の移動方向のうち、表示領域300の上下方向成分の移動量に応じて増減させる。例えば、上方向に移動させると半径を大きくし、下方向に移動させると半径を小さくする。これにより、図9(b)に示すように、利用者が裏面指定点1081を移動させると、仮想粒子500−1の半径が大きくなるように変化する。このような処理を表面タッチパネル107だけで行おうとすると、パラメータの値の変更のための指示を与える表示をさせる必要があり、表示領域300の表示内容が複雑なものとなるとともに、操作が複雑なものとなる。一方、このように両面で分担して制御することで、表示内容を大きく変化させず、また容易にパラメータの制御を行うことができる。
【0068】
なお、裏面制御情報は、利用者による裏面タッチパネル108の操作が終了したときに出力されるようにしてもよいし、操作に応じて随時出力されるようにしてもよい。また、上記の各例においては、両面制御決定部16は、各仮想粒子500、表面指定点1071および裏面指定点1081の関係から決定する制御内容が無く、両面制御情報については出力されない。
【0069】
第3の例について説明する。この例においては、表示領域には、図10(a)に示すように、異なる形状の仮想粒子501−1、501−2、501−3が表示されている。利用者は、仮想粒子501−1の領域内に対応する部分の表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108に接触する。これにより、図10(a)に示すように、表面指定点1071および裏面指定点1081が、仮想粒子501−1の領域内に存在するように指定される。ここで、仮想粒子501−1が非常に小さく、利用者の指の大きさより小さくても、表裏から指定することで、仮想粒子501−1の領域内に2点を指定することができる。すなわち、裏面タッチパネル108が無く、表面タッチパネル107だけの構成である場合には、表面タッチパネル107が複数の点を検出できるものであっても、短い距離の2点の指定には限界があるが、表裏から指定すれば、短い距離の2点の指定も容易に行うことができる。
【0070】
両面制御決定部16は、同一の仮想粒子501−1の領域内に表面指定点1071と裏面指定点1081とが存在することを認識すると、この仮想粒子501−1を特定するとともに、表面指定点1071および裏面指定点1081を仮想粒子501の領域内における位置に対応付ける制御内容の両面制御情報を出力する。なお、表面制御決定部14および裏面制御決定部15からも、操作に対応した表面制御情報および裏面制御情報が各々出力される。
【0071】
制御情報供給部17は、上述のように両面制御決定部16から両面制御情報が出力されているから、表面制御決定部14から出力された表面制御情報および裏面制御決定部15から出力された裏面制御情報については無視し、両面制御情報が示す制御内容を示す制御情報を出力する。
【0072】
そして、利用者は、図10(b)に示すように、表面指定点1071および裏面指定点1081を移動させると、両面制御決定部16は、特定された仮想粒子501−1を移動させ、この移動については、仮想粒子501−1の領域内における位置に対応付けられた表面指定点1071および裏面指定点1081の対応関係を維持したまま行う制御内容を示す両面制御情報を出力する。これにより、表面指定点1071および裏面指定点1081の移動にあわせて、図10(b)に示すように、仮想粒子501−1が移動することになる。このようにすることで、この仮想粒子501−1を持って、移動させるという制御を直感的に行うことができる。
【0073】
次に、第4の例として、図10(a)に示すような状態において、利用者が、裏面指定点1081だけを移動させた場合について説明する。この場合には、例えば、図11(a)に示すように、仮想粒子501−1の形状を変形させるような制御が行われるようにしてもよいし、図11(b)に示すように、仮想粒子501−1を相似形状に保ったまま拡大変形させるような制御が行われるようにしてもよい。
【0074】
このように、本発明の実施形態に係る携帯装置10は、表示パネル105の両面に設けられた表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108が、利用者によって操作されることにより、表面タッチパネル107の裏面タッチパネル108のいずれか一方の操作により行なわれる制御、双方の操作で役割を分担して行なわれる制御、双方の操作により共同して行われる制御など、様々な制御を行うことができる。
【0075】
また、表示パネル105は、透過型のディスプレイであるから、利用者は、表面側から表示パネル105を見ていても、裏面タッチパネル108の操作を容易に行うことができる。さらに、表裏で操作することにより、片面での操作よりも短い距離の2点間の指定をすることもできる。さらに、携帯できるような小型の装置であれば、片手で表裏を操作することもできる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように、さまざまな態様で実施可能である。
【0077】
<変形例1>
上述した実施形態においては、携帯装置10は、仮想粒子500を表示させ、表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108の操作により仮想粒子500を制御するものであったが、様々な制御に用いることができる。以下、複数の例について説明する。
【0078】
第1の例として、ウェブブラウザの操作に応用することができる。例えば、表面タッチパネル107の操作により、リンクなどのクリック、文字入力などを行い、裏面タッチパネル108の操作により、画面のスクロールを行うようにすることができる。このように一般的なコンピュータ上で動作するソフトウエアの操作に応用することができる。
【0079】
第2の例として、楽器への応用ができる。例えば、携帯装置10は、表示領域300にピアノの鍵盤を表示させる。そして、利用者は、右手で表面タッチパネル107を操作し、ある鍵の部分に接触すると、携帯装置10はその鍵に対応したピアノの音を放音する。また、利用者は、あわせて、左手で裏面タッチパネル108を操作し、ある鍵の部分に接触すると、すると、携帯装置10はその鍵に対応したベースの音を放音する。このように狭い表示領域300でも両手での演奏をすることもできる。
【0080】
また、携帯装置10は、表示領域300にハープの弦を表示させる。そして、利用者は左右の手でそれぞれ表面タッチパネル107と裏面タッチパネル108を用いて、ハープの弦を弾くように操作すると、携帯装置10は、弦に対応する音を放音する。これにより、携帯装置10をハープのように用いることができる。また、表裏それぞれ別の音程を設定することで、同じ弦を表面タッチパネル107を用いて弾いた場合と裏面タッチパネル108を用いて弾いた場合で異なる発音がされるようにすることもできる。
【0081】
また、携帯装置10は、表示領域300にギターのフレット部分および弦を表示させる。そして、利用者は、表面タッチパネル107を用いて、弦を弾くように操作し、裏面タッチパネル108を用いて、弾かれる弦を押さえるように操作すると、携帯装置10は、弦が押さえられた位置に対応する音程で、弾かれた弦を発音させるように放音する。このようにすると、携帯装置10をギターのように用いることができる。さらに、フレット部分の弦の押さえ方を、通常できないようなフレット側からの視点で確認することもできる。このように、様々な楽器への応用ができる。
【0082】
第3の例として、携帯装置10は、AR(AugmentedReality)にも応用することができる。この場合、図1の破線で示すように、裏面の概ね法線方向であって、表示面とは逆の方向を撮影し、その撮影した内容を示す撮影データを出力する撮影部110を設ければ、さらに様々な応用ができる。例えば、撮影データを画像解析する解析手段を設け、その解析結果に応じた表示を行うこともできる。具体的には、撮影部110が店を撮影した場合、その店のロゴなどから、その店の情報をインターネット経由で収集する。表示領域300には、撮影した店が表示パネル105を介して見えることになるが、解析手段は、撮影データから表示領域300に対応させた場合の座標についても解析し、その店の部分に、収集した情報を表示させるようにすればよい。そして、表面タッチパネル107、裏面タッチパネル108の操作により様々な制御ができるようにすればよい。
【0083】
<変形例2>
上述した実施形態においては、表示パネル105は、透過型のディスプレイであったが、表示面側から裏面側を視認できるディスプレイであれば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、一般的な有機ELディスプレイなど、光が透過しないような透過型ではない薄型ディスプレイを用いてもよい。この場合には、図1の破線で示すように、裏面の概ね法線方向であって、表示面とは逆の方向を撮影し、その撮影した内容を示す撮影データを出力する撮影部110を設ければよい。
【0084】
図12に示すように、撮影部110は撮影データを映像データ生成部12に出力する。そして、映像データ生成部12は、制御部11から出力される映像指示情報により生成される映像データに係る映像と撮影データに係る映像とを重ね合わせるように合成し、映像データとして出力する。このようにすると、表示パネル105の表示領域300には、映像指示情報に応じた表示に、撮影部110が撮影した裏面側が重ねあわされた表示となり、間接的に表示面側から裏面側を視認できることになる。このようにすれば、直接的に表示面側から裏面側を視認できなくても、裏面タッチパネル108を操作する手などを間接的に視認できるから、直接的に視認した場合と同様に容易な操作を行うことができる。
【0085】
また、このように間接的に視認できるようにした場合には、裏面側からは表示を見ることができなくなるが、裏面側にも同様に透過型ではない薄型ディスプレイを設けてもよい。この場合は、図13に示すように、表示パネル105を表面用表示パネル105Aと裏面用表示パネル105Bとから構成されるようにし、それぞれ、表示面ではない裏面同士を接触させた構造とすればよい。そして、表面用表示パネル105Aの表示面側に表面タッチパネル107を設け、裏面用表示パネル105Bの表示面側に裏面タッチパネル108を設けるようにすればよい。そして、裏面用表示パネル105Bには、表面用表示パネル105Aの表示の鏡像が表示されるようにすればよい。
【0086】
これは、図14に示すように、制御部11から出力される映像指示情報が示す表示内容とは鏡像の表示内容を示す反転映像データを生成する反転映像データ生成部18を設ければよい。そして、映像データ生成部12により生成される映像データは、表面用表示パネル105Aに供給されるようにし、反転映像データ生成部18により生成される反転映像データは、裏面用表示パネル105Bに供給されるようにすればよい。なお、図14においては、撮影部110については記載を省略しているが、図12同様に映像データ生成部12に撮影データが入力されるようにすればよい。また、表面側を撮影する撮影部も設けた場合には、その撮影部が出力する撮影データについては、反転映像データ生成部18に入力されるようにして、映像データ生成部12と同様な処理がされるようにすればよい。
【0087】
<変形例3>
上述した実施形態においては、表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108は、利用者が接触した位置を座標として認識していたが、一方のタッチパネルは、別の検出方式により認識が行われるものであってもよい。例えば、衝撃を検出する衝撃センサ、温度センサ、光センサなどであってもよく、利用者の操作により何らかの情報が得られるようになっていればよい。
【0088】
<変形例4>
上述した実施形態においては、携帯装置10は、携帯ゲーム機を想定していたが、携帯電話、ハンドベルドPCなどであってもよく、これらの表示領域が、携帯装置10の表示領域に相当するように構成されていればよい。また、携帯装置10は、筐体に一体に収められていることにより、持ち運びが容易な構成となっていたが、複数の筐体に分離して収められたものであってもよい。例えば、表示パネル105、表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108が一体の筐体に収められた入出力デバイスとし、その他の構成が別の筐体に収められホスト装置とし、入出力デバイスとホスト装置とを有線、無線などで接続するような構成となっていてもよい。
【0089】
また、表示領域300を非常に大きなもの、例えば、数十センチから数メートル程度とし、携帯することができない装置としてもよい。このような大きな装置の場合には、表面タッチパネル107と裏面タッチパネル108とは、1人で操作することは困難であるが、表面側、裏面側それぞれ別の人が操作するようにすればよい。このようにして、表面側、裏面側にいる人が互いに見える状態で、様々な操作を共同して行うことにより、この装置をゲームなどに適用した場合の娯楽性を高めることができる。
【0090】
<変形例5>
上述した実施形態におけるCPU101によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD)など)、光記録媒体(光ディスク(CD、DVD)など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードさせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】実施形態に係る携帯装置のハードウエアの構成を示した図である。
【図2】実施形態に係る携帯装置の外観を示した図である。
【図3】実施形態に係る表示領域についての説明図である。
【図4】実施形態に係る表示領域における表示パネル、表面タッチパネルおよび裏面タッチパネルの構成を示した図である。
【図5】実施形態に係る表面タッチパネルおよび裏面タッチパネルの操作についての説明図である。
【図6】実施形態に係る携帯装置のソフトウエアの構成を示した図である。
【図7】実施形態に係る表示領域の表示の一例を示した図である。
【図8】実施形態に係る表示領域の表示の一例を示した図である。
【図9】実施形態に係る表示領域の表示の一例を示した図である。
【図10】実施形態に係る表示領域の表示の一例を示した図である。
【図11】実施形態に係る表示領域の表示の一例を示した図である。
【図12】変形例2に係る携帯装置のソフトウエアの構成を示した図である。
【図13】変形例2に係る表示領域における表示パネル、表面タッチパネルおよび裏面タッチパネルの構成を示した図である。
【図14】変形例2に係る携帯装置のソフトウエアの構成を示した図である。
【符号の説明】
【0092】
10…携帯装置、11…制御部、12…映像データ生成部、13…オーディオデータ生成部、14…表面制御決定部、15…裏面制御決定部、16…両面制御決定部、17…制御情報供給部、18…反転映像データ生成部、100…バス、101…CPU、102…記憶部、103…RAM、104…操作部、105…表示パネル、105A…表面用表示パネル、105B…裏面用表示パネル、106…スピーカ、107…表面タッチパネル、108…裏面タッチパネル、109…インターフェイス、200…撮影部、300…表示領域、400…制御メニュー、500,501…仮想粒子、1071…表面指定点、1081…裏面指定点
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを用いた操作方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な携帯端末において、直感的な操作を行うことができることから、その操作手段にタッチパネルが用いられている。この直感的な操作を利用し、例えば、電子手帳などのPDA(Personal Digital Assistant)においては、文字入力にタッチパネルが用いられている。また、携帯端末に限られず、例えば、特許文献1に開示されているように、透過型の有機EL(Electroluminescence)ディスプレイにタッチパネルを用いたタッチスクリーンでは、利用者は、光を透過するディスプレイを挟んで反対側にある物体を見ることができ、ディスプレイの表示とその物体とをあわせて確認しながらタッチパネルを操作することができる。また、特許文献2に開示されているように、両面表示可能なディスプレイの双方の表示面にタッチパネルを用いたタッチスクリーンでは、限られた設置エリアで2人の利用者が操作することができる。
【特許文献1】特開2000−331557号公報
【特許文献2】特開2007−304361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献2に開示されたタッチスクリーンは、両面の各面に設けられたタッチパネルは、それぞれ別の利用者によって操作されるものである。すなわち、普通のディスプレイにタッチパネルが設けられたタッチスクリーン2台を各々の背面同士で接続したに過ぎず、複数のタッチパネルは、それぞれ独立して操作され、その操作に応じてそれぞれ独立した処理がなされるものであった。
【0004】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、表示パネルの両面にタッチパネルを有し、各タッチパネルへの操作を関連させて各種制御を行うことができるタッチパネル付制御装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため、本発明は、映像データを生成する生成手段と、供給される制御情報に応じた制御を行う制御手段と、前記映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルと、前記第1の面に表示されている表示内容と前記第1の操作情報との関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する第1の決定手段と、前記第1の面に表示されている表示内容と前記第2の操作情報との関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する第2の決定手段と、前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定された各制御内容に対応する制御情報を前記制御手段に供給する供給手段とを具備し、前記第1の決定手段によって決定可能な制御内容、および前記第2の決定手段によって決定可能な制御内容は、互いに異なる制御内容を有するように設定されていることを特徴とするタッチパネル付制御装置を提供する。
【0006】
また、別の好ましい態様において、前記第1の面に表示されている表示内容、前記第1の操作情報および前記第2の操作情報の関係が所定の関係にある場合に、当該関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する複合決定手段をさらに具備し、前記複合決定手段によって決定可能な制御内容は、前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定可能な制御内容とは異なる制御内容として設定され、前記供給手段は、前記複合決定手段が制御内容を決定したときには、前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定された各制御内容に代えて、前記複合決定手段によって決定された制御内容に対応する制御情報を前記制御手段に供給することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、映像データを生成する生成手段と、供給される制御情報に応じた制御を行う制御手段と、前記映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルと、前記第1の面に表示されている表示内容、前記第1の操作情報および前記第2の操作情報の関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する複合決定手段と、前記複合決定手段によって決定された制御内容に対応する制御情報を前記制御手段に供給する供給手段とを具備することを特徴とするタッチパネル付制御装置を提供する。
【0008】
また、別の好ましい態様において、前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定される制御内容のうち、いずれか一方は制御するパラメータを特定する制御内容であり、他方はパラメータの値を変更する制御内容であり、前記制御手段は、前記供給される制御情報に応じて、特定されるパラメータについての値を変更する制御を行うことを特徴とする。
【0009】
また、別の好ましい態様において、前記第1のタッチパネルは、所定の検出方式で前記第1の面に対する操作を検出し、その検出結果に応じた第1の操作情報を出力し、前記第2のタッチパネルは、前記第1のタッチパネルにおける検出方式とは異なる検出方式で前記第2の面に対する操作を検出し、その検出結果に応じた第2の操作情報を出力することを特徴とする。
【0010】
また、別の好ましい態様において、前記表示パネルは、前記第2の面側の光が前記第1の面側に透過することによって、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できることを特徴とする。
【0011】
また、別の好ましい態様において、前記第2の面側に設けられ、前記第2の面の概ね法線方向であって前記第1の面とは逆の方向を撮影して撮影データを出力する撮影手段をさらに具備し、前記表示パネルは、前記第1の面に、前記映像データおよび前記撮像手段から出力される撮影データに応じた表示を行うことによって、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できることを特徴とする。
【0012】
また、別の好ましい態様において、前記表示パネルの前記第2の面には、前記映像データに係る表示の鏡像が表示されることを特徴とする。
【0013】
また、別の好ましい態様において、前記制御手段における制御には、前記第1の面の表示態様を変更する制御が含まれることを特徴とする。
【0014】
また、別の好ましい態様において、前記制御手段における制御には、発音内容を示すオーディオデータの生成が含まれることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記記載のタッチパネル付制御装置と、開口部を有する筐体とを具備し、前記タッチパネル付制御装置は、前記筐体内に収められ、前記第1の面と前記第2の面とは、前記開口部から露出していることを特徴とする携帯装置を提供する。
【0016】
また、本発明は、映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルとを具備するコンピュータに、映像データを生成する生成機能と、供給される制御情報に応じた制御を行う制御機能と、前記第1の面に表示されている表示内容と前記第1の操作情報との関係に応じて、前記制御機能における制御内容を決定する第1の決定機能と、前記第1の面に表示されている表示内容と前記第2の操作情報との関係に応じて、前記制御機能における制御内容を決定する第2の決定機能と、前記第1の決定機能および前記第2の決定機能において決定された各制御内容に対応する制御情報を、前記制御機能における制御情報として供給する供給機能とを実現させ、前記第1の決定機能において決定可能な制御内容、および前記第2の決定機能において決定可能な制御内容は、互いに異なる制御内容を有するように設定されていることを特徴とするプログラムを提供する。
【0017】
また、本発明は、映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルとを具備するコンピュータに、映像データを生成する生成機能と、供給される制御情報に応じた制御を行う制御機能と、前記第1の面に表示されている表示内容、前記第1の操作情報および前記第2の操作情報の関係に応じて、前記制御機能における制御内容を決定する複合決定機能と、前記複合決定機能において決定された制御内容に対応する制御情報を、前記制御機能における制御情報として供給する供給機能とを実現させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、表示パネルの両面にタッチパネルを有し、各タッチパネルへの操作を関連させて各種制御を行うことができるタッチパネル付制御装置およびプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0020】
<実施形態>
本発明の実施形態に係る携帯装置は、透過型のディスプレイを有する携帯ゲーム機であって、そのディスプレイの両面にタッチパネルが設けられ、タッチパネルの制御に応じて携帯装置の制御を行うタッチパネル付制御装置を有している。これにより、この携帯装置の利用者は、両面のタッチパネルの操作に応じて、携帯装置の制御を行うことができるようになっている。以下、本発明の実施形態に係る携帯装置のハードウエアの構成について説明する
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る携帯装置10のハードウエアの構成を示す図である。また、図2は、携帯装置10の外観を示す図である。携帯装置10は、CPU(Central Processing Unit)101、記憶部102、RAM(Random Access Memory)103、操作部104、表示パネル105、スピーカ106、表面タッチパネル107、裏面タッチパネル108およびインターフェイス109を有し、バス100を介して互いに接続されている。そして、携帯装置10は、その構成要素が筐体200内に一体に収められ、筐体200の開口部から表示領域300に相当する部分が露出している。
【0022】
CPU101は、記憶部102に記憶されたプログラムをRAM103に読み出して実行する。これにより、CPU101は、バス100を介して、携帯装置10の各部について制御し、後述するような各機能を実現する。また、RAM103は、CPU101が各データの加工などを行う際のワークエリアとして機能する。
【0023】
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリなどの記憶手段であって、上述したプログラム、各種情報を記憶する。
【0024】
操作部104は、表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108とは別の操作キーなどにより構成される操作手段である。操作部104は、利用者によって操作されることにより、その操作内容を表す信号をCPU101へ出力する。
【0025】
表示パネル105は、供給される映像データに応じた表示を行う表示手段である。この表示パネル105は、一方の面側の光が他方の面側に透過することによって、一方の面側から他方の面側を視認できる透過型のディスプレイである。例えば、有機ELディスプレイであり、有機EL発光材料に電流を供給する陽極と陰極にあたる電極層がともに可視光を透過する材料で構成されている。このような材料として、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電体の他、金、アルミニウムなどを可視光が透過する数nmから数十nm程度まで薄くした金属などが用いられる。
【0026】
また、表示パネル105は、図2に示すような表示領域300に、供給される映像データに応じた表示を行う。図2に示す表示領域300にある3個の円状の表示は、仮想粒子500−1、500−2、500−3を示し、映像データに応じて行われる表示の一例を示したものである。そして、本実施形態においては、表示領域300の各点には、図3(a)に示すように、表示領域300の左上を座標(0,0)、右下を座標(1024、756)とする座標が設定されている。
【0027】
このように、表示パネル105は、透過型のディスプレイであるため、両面から表示を見ることもができ、表示パネル105の一方の面(以下、表示面という)から見た場合、表示領域300には、図3(a)に示すように、映像データに応じた表示がなされる。一方、他方の面側から見た場合には、表示領域300は、図3(b)に示すような座標関係として見ることになるから、表示面の表示とは鏡像の関係にある表示がなされているように見えることになる。このように、表示パネル105は、両面に表示がなされるが、以下、映像データの内容に対応した本来の表示となる表示面を表示パネル105の表面とし、鏡像の関係にある表示がなされる面を表示パネル105の裏面として定義する。
【0028】
図1に戻って説明を続ける。スピーカ106は、供給されるオーディオデータに応じた放音を行う放音手段であって、1または複数のスピーカユニットを有している。
【0029】
表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108は、それぞれ表示パネル105の表面側、裏面側に設けられたタッチパネルである。そのため、筐体200の開口部から露出している表示領域300部分を断面として見ると、図4に示すように、表面側から、表面タッチパネル107、表示パネル105、裏面タッチパネル108の順に重ねられた状態になっている。したがって、表示領域300に相当する部分は、両面にタッチパネルが設けられたタッチスクリーンになっている。
【0030】
ここで、本実施形態においては、表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108は、抵抗膜方式のタッチパネルであるものとするが、静電容量方式、光学方式、超音波方式など、他の検出方式であってもよい。また、これらのように、接触した1点を検出するアナログタイプのタッチパネルでなく、デジタルタイプのようなマトリックスで検出することにより、複数の点を検出するものであってもよい。また、表面タッチパネル107と裏面タッチパネル108とは、同じ検出方式であってもよいし、異なる検出方式のタッチパネルであってもよい。
【0031】
表面タッチパネル107は、表示領域300に設定されている座標に対応して、図3(a)に示すように、その左上を座標(0,0)、右下を座標(1024、756)とする座標が設定されている。そして、利用者が表面タッチパネル107の特定の点に接触すると、CPU101に対して、その接触した点に対応する座標を示す表面操作情報が出力される。
【0032】
一方、裏面タッチパネル108は、表示領域300に設定されている座標に対応して、図3(b)に示すように、その右上を座標(0,0)、左下を座標(1024、756)とする座標が設定されている。上述したように、裏面側からの表示は表面側の表示とは鏡像の関係になっているから、タッチパネルの座標関係も鏡像の関係になるように設定されている。そして、利用者が裏面タッチパネル108の特定の点に接触すると、CPU101に対して、その接触した点に対応する座標を示す裏面操作情報が出力される。なお、裏面タッチパネル108に設定されている座標は、鏡像の関係ではなく、表面タッチパネル107に設定されている座標と同じものとしてもよい。この場合は、CPU101は、裏面操作情報が示す座標を表示面の表示に対応するように変換する処理を行えばよい。
【0033】
ここで、図5(a)に示すように、利用者の左手1000Aが、表面側から表示領域300の特定の点を指定するために、表面タッチパネル107に接触すると、CPU101は、表面操作情報によって表示領域300のうち、利用者によって指定された点を表面指定点1071として認識する。また、利用者の右手1000Bが、裏面側から表示領域300の特定の点を指定するために、裏面タッチパネル108に接触すると、CPU101は、裏面操作情報によって表示領域300のうち、利用者によって指定された点を裏面指定点1081として認識する。以下の説明における各図の記載においては、表面指定点1071を×、裏面指定点1081を△で示すが、表示領域300に実際に表示されるようにしても、表示されないようにしてもよい。
【0034】
図1に戻って説明を続ける。インターフェイス109は、外部装置と有線または無線によって接続し、各種情報の送受信を行う。外部装置としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フラッシュメモリカードなどの記憶媒体、光ディスクなどの記憶媒体を読み取る光ディスクドライブの他、インターネットなどの通信網を介した通信により、他の携帯端末、サーバ、コンピュータなどとしてもよい。以上が、携帯装置10のハードウエアの構成の説明である。
【0035】
次に、本発明の実施形態に係る携帯装置10のCPU101が、記憶部102に記憶されたプログラムをRAM103に読み出して実行することにより実現する機能について、図6を用いて説明する。
【0036】
制御部11は、携帯装置10における各制御を行う制御手段であって、予め設定された制御の他、後述する制御情報供給部17から供給される制御情報に応じた制御を行う。携帯装置10における各制御には様々な制御があるが、本実施形態においては、表示パネル105の表示領域300に表示させる表示内容の制御、およびスピーカ106から放音される発音内容の制御を行い、表示内容を示す映像指示情報を出力し、また、発音内容を示す発音指示情報を出力する。
【0037】
本実施形態における予め設定された制御について説明する。制御部11は、図2に示すように、仮想粒子500−1、500−2、500−3(以下、特に区別しない場合は仮想粒子500という)を表示領域300に表示させる制御を行う。そして、制御部11は、仮想粒子500を予め設定された所定のアルゴリズムに応じて移動させる制御を行う。例えば、表示領域300内を無重力状態として考え、各仮想粒子500をそれぞれ所定の速度で移動させ、表示領域300の周囲を壁面とみなし、壁面で跳ね返らせたり、他の仮想粒子500との衝突により跳ね返らせたりする。また、各仮想粒子500には擬似的な質量が与えられ、跳ね返るときには運動量を保存するようにして行われる。
【0038】
そして、制御部11は、表示内容を示すものとして、制御している各仮想粒子500の位置、形状、大きさなど、少なくとも表示領域300における各仮想粒子500が占める領域を特定することができる情報を映像指示情報として、映像データ生成部12、表面制御決定部14、裏面制御決定部15および両面制御決定部16に出力する。なお、この映像指示情報は、表示領域300における表示内容を示す情報であるから、表示領域300に各種制御に係るメニュー表示などを行うときには、その表示を指示する情報が含まれていてもよい。
【0039】
また、制御部11は、仮想粒子500が他の仮想粒子500と衝突したときには、スピーカ106から、所定のアルゴリズムに応じて発音をさせる制御を行う。この制御による発音内容を示すものとして、波形データ、ピッチ、音量、音長など、発音内容を特定することができる情報を発音指示情報として、オーディオデータ生成部13に出力する。
【0040】
次に、制御情報に応じた制御について説明する。制御部11は、制御情報供給部17から供給される制御情報に応じて、表示内容、発音内容の制御を行う。これは、上述の予め設定された制御内容(表示内容、発音内容)の変更、例えば、仮想粒子500の質量、大きさ、形状の変更、仮想粒子500に働く重力場の変更などの制御がある。また、予め設定された制御内容を一時的に変更する、例えば、仮想粒子500を所定のアルゴリズムに応じた移動制御から一時的に分離して、別の方向に初速度を与える制御などとすることもできる。さらに、スピーカ106の出力レベルを変更する音量制御、表示パネル105の表示輝度を変更する制御など、全く別の制御であってもよい。
【0041】
映像データ生成部12は、制御部11から出力された映像指示情報に応じた表示をさせるための映像データを生成して、表示パネル105に供給する。これは例えば、映像指示情報から、表示領域300内における仮想粒子500の占める領域を認識し、仮想粒子500が映像指示情報によって示される内容として表示領域300に表示されるように映像データを生成する。
【0042】
オーディオデータ生成部13は、制御部11から出力された発音指示情報によって特定される発音内容を示すオーディオデータを生成して、スピーカ106に供給する。
【0043】
表面制御決定部14は、制御部11から出力された映像指示情報、および表面タッチパネル107から出力された表面操作情報に基づいて、制御部11における制御内容を決定し、決定した制御内容を示す表面制御情報を出力する。具体的には、表面制御決定部14は、映像指示情報に基づいて表示領域300に表示されている表示内容を認識する。そして、表面制御決定部14は、認識した表示領域300の表示内容と、表面操作情報が示す表面指定点1071の位置またはその位置の時刻変化による軌跡との関係に応じて、制御部11における制御内容を決定する。
【0044】
ここで、表示内容および表面操作情報の関係と、決定すべき制御内容の対応については、表面制御決定部14に予め設定されている。この対応関係は、例えば、仮想粒子500が存在する領域に表面指定点1071が含まれているという関係の場合には、その仮想粒子500を選択する制御内容という対応関係である。
【0045】
また、表面制御決定部14には、例えば、表示内容と表面指定点1071の位置とは関係なく、表面指定点1071の軌跡が所定の軌跡である場合には、所定のパラメータが特定される制御内容が設定されていてもよい。このように、表面制御決定部14に予め設定される制御内容については、表示内容と表面操作情報との関係が直接関係しないものが含まれていてもよく、少なくとも、予め設定されている制御内容に、表示内容と表面操作情報との関係から、決定すべき制御内容が含まれていればよい。
【0046】
裏面制御決定部15は、制御部11から出力された映像指示情報、および裏面タッチパネル108から出力された裏面操作情報に基づいて、制御部11における制御内容を決定し、決定した制御内容を示す裏面制御情報を出力する。具体的には、裏面制御決定部15は、映像指示情報に基づいて表示領域300に表示されている表示内容を認識する。そして、裏面制御決定部15は、認識した表示領域300の表示内容と、裏面操作情報が示す裏面指定点1081の位置またはその位置の時刻変化による軌跡との関係に応じて、制御部11における制御内容を決定する。
【0047】
ここで、表示内容および裏面操作情報の関係と、決定すべき制御内容の対応については、裏面制御決定部15に予め設定されている。この対応関係は、例えば、仮想粒子500が存在しない領域に裏面指定点1081が含まれているという関係の場合には、さらに裏面指定点1081の軌跡を認識し、その軌跡に応じて表示パネル105の表示輝度を変動させる制御内容という対応関係である。
【0048】
また、裏面制御決定部15には、例えば、表示内容と裏面指定点1081の位置とは関係なく、裏面指定点1081の軌跡に応じて、別途特定されたパラメータの値を変更する制御内容としてもよい。このように、上述同様、裏面制御決定部15に予め設定される制御内容については、表示内容と裏面操作情報との関係が直接関係しないものが含まれていてもよく、少なくとも、予め設定されている制御内容に、表示内容と裏面操作情報との関係から、決定すべき制御内容が含まれていればよい。
【0049】
また、表面制御決定部14によって決定可能な制御内容、および裏面制御決定部15によって決定可能な制御内容は、互いに異なる制御内容を有するように設定されている。すなわち、表面制御決定部14および裏面制御決定部15の各々が決定可能な制御内容には、同じ制御内容が含まれる一方、いずれか一方だけが決定可能な制御内容も含まれている。したがって、制御部11における制御のうち、一部の制御については、表面タッチパネル107の操作のみで行えるもの、裏面タッチパネル108の操作のみで行えるものとなっている。
【0050】
両面制御決定部16は、制御部11から出力された映像指示情報、表面タッチパネル107から出力された表面操作情報、裏面タッチパネル108から出力された裏面操作情報に基づいて、制御部11における制御内容を決定し、決定した制御内容を示す両面制御情報を出力する。具体的には、両面制御決定部16は、映像指示情報に基づいて表示領域300に表示されている表示内容を認識する。そして、両面制御決定部16は、認識した表示領域300の表示内容と、表面操作情報が示す表面指定点1071および裏面操作情報が示す裏面指定点1081の位置またはその位置の時刻変化による軌跡との関係に応じて、制御部11における制御内容を決定する。すなわち、この制御内容は、表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108の操作が共同して行われる制御を示している。
【0051】
一方、両面制御決定部16は、表示内容と、表面操作情報および裏面操作情報との関係が所定の関係にある場合、または、表面操作情報と裏面操作情報との関係が所定の関係にある場合には、制御内容を決定せず両面制御情報を出力しない。この所定の関係については、決定すべき制御内容が無い場合、表面指定点1071と裏面指定点1081との距離が一定長さ以上である場合など、両面制御決定部16に予め設定されているようにすればよい。なお、これとは逆に、両面制御決定部16は、表示内容と、表面操作情報および裏面操作情報との関係が所定の関係にある場合、または、表面操作情報と裏面操作情報との関係が所定の関係に無い場合に、制御内容を決定せず両面制御情報を出力しないようにしてもよい。
【0052】
ここで、表示内容、表面操作情報および裏面操作情報の関係と、決定すべき制御内容の対応については、両面制御決定部16に予め設定されている。この対応関係は、例えば、仮想粒子500が存在する領域に、表面指定点1071および裏面指定点1081が含まれているという関係の場合には、その仮想粒子500を特定し、さらに表面指定点1071と裏面指定点1081の軌跡を認識し、その軌跡に応じてその仮想粒子500の位置を移動させる制御内容という対応関係である。
【0053】
また、両面制御決定部16には、例えば、表示内容、表面指定点1071および裏面指定点1081の位置とは関係なく、表面指定点1071および裏面指定点1081の軌跡に応じて、制御部11において用いられている所定のアルゴリズムの内容を変更する制御内容としてもよい。このように、上述同様、両面制御決定部16に予め設定される制御内容については、表示内容と、表面操作情報および裏面操作情報との関係が直接関係しないものが含まれていてもよく、少なくとも、予め設定されている制御内容に、表示内容、表面操作情報および裏面操作情報の関係から、決定すべき制御内容が含まれていればよい。
【0054】
また、両面制御決定部16によって決定可能な制御内容は、表面制御決定部14によって決定可能な制御内容、および裏面制御決定部15によって決定可能な制御内容とは、異なる制御内容となるように設定されている。したがって、制御部11における制御のうち、一部の制御については、表面タッチパネル107と裏面タッチパネル108との共同した操作でのみで行えるものとなっている。
【0055】
制御情報供給部17は、表面制御決定部14によって決定された制御内容を示す表面制御情報、裏面制御決定部15によって決定された制御内容を示す裏面制御情報および両面制御決定部16によって決定された制御内容を示す両面制御情報に基づいて、制御情報を生成して制御部11に供給する。具体的には、この制御情報の生成は以下のように行われる。
【0056】
まず、制御情報供給部17は、表面制御情報および裏面制御情報が示す各制御内容に対応する制御情報を生成する。これは、表面制御情報が示す制御内容と裏面制御情報が示す制御内容が、それぞれ単独で一つの制御内容を示している場合には、それぞれに対応する制御情報を生成する。一方、表面制御情報が示す制御内容と裏面制御情報が示す制御内容が、役割が分担されることにより双方で一つの制御内容を示す場合には、双方の制御内容に応じて制御情報を生成する。例えば、一方が制御するパラメータを特定する制御内容であり、他方がパラメータの値を変更する制御内容である場合には、特定されるパラメータの値を変更する制御内容を示す制御情報を生成する。
【0057】
このとき、制御情報供給部17は、両面制御決定部16によって制御内容が決定され、両面制御情報が出力された場合には、表面制御情報および裏面制御情報が示す各制御内容に代えて、両面制御情報が示す制御内容に対応する制御情報を生成する。すなわち、制御情報供給部17は、表面制御情報および裏面制御情報が示す各制御内容に対応する制御情報を供給せず、両面制御情報が示す制御内容に対応する制御情報を制御部11に供給することになる。以上が、CPU101が、プログラムを実行することにより実現する機能についての説明である。
【0058】
次に、本発明の実施形態に係る携帯装置10の動作について説明する。まず、携帯装置10の電源が投入されると、CPU101は記憶部102から制御プログラムをRAM103に読み出して実行する。
【0059】
これにより、表示領域300には、図2に示すような仮想粒子500が表示され、この仮想粒子500は、表示領域300内をゆっくり移動している。そして、仮想粒子500が他の仮想粒子500と衝突すると、スピーカ106から衝突音が放音される。この状況において、利用者は、表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108を操作することによって、様々な制御を行うことができる。以下、様々な制御のうち、表示領域300に表示された仮想粒子500に対して行う制御について、複数の例を順に説明する。
【0060】
まず、第1の例として、利用者は、仮想粒子500−1の領域内に対応する部分の表面タッチパネル107に接触する。これにより、図7(a)に示すように、表面指定点1071が仮想粒子500−1の領域内に存在するように指定される。表面制御決定部14は、表面指定点1071が仮想粒子500−1の領域内に存在することを認識すると、この仮想粒子500−1を特定するとともに、この仮想粒子500−1に対する制御を行うための制御メニュー400を表示させる制御内容を示す表面制御情報を出力する。
【0061】
そして、制御部11によって、制御メニュー400を表示させる制御が行われ、図7(b)に示すように、制御対象である仮想粒子500−1の輪郭線を太くして表示態様を変更するとともに、制御メニュー400を表示する。この制御メニュー400には、仮想粒子500−1の大きさを変更するための「サイズ」、仮想粒子500−1の質量を変更するための「質量」、仮想粒子500−1の形状を変更するための「形状」が制御可能な内容として表示される。
【0062】
ここで、利用者は、表面指定点1071の位置を仮想粒子500−1の領域内に維持したまま、裏面タッチパネル108を操作する。この操作は、図8(a)に示すように、裏面指定点1081を起点1080から矢印の方向に移動させるものとすると、裏面制御決定部15は、この軌跡を認識し、所定のパラメータを裏面指定点1081の移動速度、移動量、移動方向に対応するように変化させる制御内容を示す裏面制御情報を出力する。
【0063】
制御情報供給部17は、上述のように表面制御決定部14から出力された表面制御情報が示す制御内容が変化せず、上述のように裏面制御決定部15から出力された裏面制御情報を取得すると、特定されている仮想粒子500−1の移動パラメータを裏面制御情報が示す制御内容で変化させる制御情報を出力する。ここで、移動パラメータは、本実施形態においては、移動速度および移動方向を示している。
【0064】
このようにして出力された制御情報は、制御部11に対して、仮想粒子500−1の移動パラメータの移動速度を裏面指定点1081の移動速度に応じた速さに変更し、移動方向を裏面指定点1081の移動方向、すなわち図中矢印の方向に変更する制御を行わせるものとなる。これにより、図8(b)に示すように、仮想粒子500−1の移動速度と移動方向が変更され、移動することになる。
【0065】
次に、第2の例として、図7(b)に示す状態において、利用者が、表面指定点1071を移動させ、図9(a)に示すように、制御メニュー400の「サイズ」の項目まで移動させた場合、表面制御決定部14は、仮想粒子500−1のサイズパラメータを特定する制御内容を示す表面制御情報を出力する。一方、利用者は、裏面タッチパネル108を操作して、図9(b)に示すように、裏面指定点1081を起点1080から矢印の方向に移動させるものとすると、裏面制御決定部15は、この軌跡を認識し、所定のパラメータを裏面指定点1081の移動速度、移動量、移動方向に対応するように変化させる制御内容を示す裏面制御情報を出力する。ここで、サイズパラメータは、本実施形態においては、仮想粒子500の半径の大きさを示している。
【0066】
制御情報供給部17は、上述のように表面制御決定部14から出力された表面制御情報および裏面制御決定部15から出力された裏面制御情報を取得すると、特定されている仮想粒子500−1のサイズパラメータを裏面制御情報が示す制御内容で変化させる制御情報を出力する。
【0067】
このようにして出力された制御情報は、制御部11に対して、仮想粒子500−1のサイズパラメータの半径の大きさを裏面指定点1081の移動方向のうち、表示領域300の上下方向成分の移動量に応じて増減させる。例えば、上方向に移動させると半径を大きくし、下方向に移動させると半径を小さくする。これにより、図9(b)に示すように、利用者が裏面指定点1081を移動させると、仮想粒子500−1の半径が大きくなるように変化する。このような処理を表面タッチパネル107だけで行おうとすると、パラメータの値の変更のための指示を与える表示をさせる必要があり、表示領域300の表示内容が複雑なものとなるとともに、操作が複雑なものとなる。一方、このように両面で分担して制御することで、表示内容を大きく変化させず、また容易にパラメータの制御を行うことができる。
【0068】
なお、裏面制御情報は、利用者による裏面タッチパネル108の操作が終了したときに出力されるようにしてもよいし、操作に応じて随時出力されるようにしてもよい。また、上記の各例においては、両面制御決定部16は、各仮想粒子500、表面指定点1071および裏面指定点1081の関係から決定する制御内容が無く、両面制御情報については出力されない。
【0069】
第3の例について説明する。この例においては、表示領域には、図10(a)に示すように、異なる形状の仮想粒子501−1、501−2、501−3が表示されている。利用者は、仮想粒子501−1の領域内に対応する部分の表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108に接触する。これにより、図10(a)に示すように、表面指定点1071および裏面指定点1081が、仮想粒子501−1の領域内に存在するように指定される。ここで、仮想粒子501−1が非常に小さく、利用者の指の大きさより小さくても、表裏から指定することで、仮想粒子501−1の領域内に2点を指定することができる。すなわち、裏面タッチパネル108が無く、表面タッチパネル107だけの構成である場合には、表面タッチパネル107が複数の点を検出できるものであっても、短い距離の2点の指定には限界があるが、表裏から指定すれば、短い距離の2点の指定も容易に行うことができる。
【0070】
両面制御決定部16は、同一の仮想粒子501−1の領域内に表面指定点1071と裏面指定点1081とが存在することを認識すると、この仮想粒子501−1を特定するとともに、表面指定点1071および裏面指定点1081を仮想粒子501の領域内における位置に対応付ける制御内容の両面制御情報を出力する。なお、表面制御決定部14および裏面制御決定部15からも、操作に対応した表面制御情報および裏面制御情報が各々出力される。
【0071】
制御情報供給部17は、上述のように両面制御決定部16から両面制御情報が出力されているから、表面制御決定部14から出力された表面制御情報および裏面制御決定部15から出力された裏面制御情報については無視し、両面制御情報が示す制御内容を示す制御情報を出力する。
【0072】
そして、利用者は、図10(b)に示すように、表面指定点1071および裏面指定点1081を移動させると、両面制御決定部16は、特定された仮想粒子501−1を移動させ、この移動については、仮想粒子501−1の領域内における位置に対応付けられた表面指定点1071および裏面指定点1081の対応関係を維持したまま行う制御内容を示す両面制御情報を出力する。これにより、表面指定点1071および裏面指定点1081の移動にあわせて、図10(b)に示すように、仮想粒子501−1が移動することになる。このようにすることで、この仮想粒子501−1を持って、移動させるという制御を直感的に行うことができる。
【0073】
次に、第4の例として、図10(a)に示すような状態において、利用者が、裏面指定点1081だけを移動させた場合について説明する。この場合には、例えば、図11(a)に示すように、仮想粒子501−1の形状を変形させるような制御が行われるようにしてもよいし、図11(b)に示すように、仮想粒子501−1を相似形状に保ったまま拡大変形させるような制御が行われるようにしてもよい。
【0074】
このように、本発明の実施形態に係る携帯装置10は、表示パネル105の両面に設けられた表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108が、利用者によって操作されることにより、表面タッチパネル107の裏面タッチパネル108のいずれか一方の操作により行なわれる制御、双方の操作で役割を分担して行なわれる制御、双方の操作により共同して行われる制御など、様々な制御を行うことができる。
【0075】
また、表示パネル105は、透過型のディスプレイであるから、利用者は、表面側から表示パネル105を見ていても、裏面タッチパネル108の操作を容易に行うことができる。さらに、表裏で操作することにより、片面での操作よりも短い距離の2点間の指定をすることもできる。さらに、携帯できるような小型の装置であれば、片手で表裏を操作することもできる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように、さまざまな態様で実施可能である。
【0077】
<変形例1>
上述した実施形態においては、携帯装置10は、仮想粒子500を表示させ、表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108の操作により仮想粒子500を制御するものであったが、様々な制御に用いることができる。以下、複数の例について説明する。
【0078】
第1の例として、ウェブブラウザの操作に応用することができる。例えば、表面タッチパネル107の操作により、リンクなどのクリック、文字入力などを行い、裏面タッチパネル108の操作により、画面のスクロールを行うようにすることができる。このように一般的なコンピュータ上で動作するソフトウエアの操作に応用することができる。
【0079】
第2の例として、楽器への応用ができる。例えば、携帯装置10は、表示領域300にピアノの鍵盤を表示させる。そして、利用者は、右手で表面タッチパネル107を操作し、ある鍵の部分に接触すると、携帯装置10はその鍵に対応したピアノの音を放音する。また、利用者は、あわせて、左手で裏面タッチパネル108を操作し、ある鍵の部分に接触すると、すると、携帯装置10はその鍵に対応したベースの音を放音する。このように狭い表示領域300でも両手での演奏をすることもできる。
【0080】
また、携帯装置10は、表示領域300にハープの弦を表示させる。そして、利用者は左右の手でそれぞれ表面タッチパネル107と裏面タッチパネル108を用いて、ハープの弦を弾くように操作すると、携帯装置10は、弦に対応する音を放音する。これにより、携帯装置10をハープのように用いることができる。また、表裏それぞれ別の音程を設定することで、同じ弦を表面タッチパネル107を用いて弾いた場合と裏面タッチパネル108を用いて弾いた場合で異なる発音がされるようにすることもできる。
【0081】
また、携帯装置10は、表示領域300にギターのフレット部分および弦を表示させる。そして、利用者は、表面タッチパネル107を用いて、弦を弾くように操作し、裏面タッチパネル108を用いて、弾かれる弦を押さえるように操作すると、携帯装置10は、弦が押さえられた位置に対応する音程で、弾かれた弦を発音させるように放音する。このようにすると、携帯装置10をギターのように用いることができる。さらに、フレット部分の弦の押さえ方を、通常できないようなフレット側からの視点で確認することもできる。このように、様々な楽器への応用ができる。
【0082】
第3の例として、携帯装置10は、AR(AugmentedReality)にも応用することができる。この場合、図1の破線で示すように、裏面の概ね法線方向であって、表示面とは逆の方向を撮影し、その撮影した内容を示す撮影データを出力する撮影部110を設ければ、さらに様々な応用ができる。例えば、撮影データを画像解析する解析手段を設け、その解析結果に応じた表示を行うこともできる。具体的には、撮影部110が店を撮影した場合、その店のロゴなどから、その店の情報をインターネット経由で収集する。表示領域300には、撮影した店が表示パネル105を介して見えることになるが、解析手段は、撮影データから表示領域300に対応させた場合の座標についても解析し、その店の部分に、収集した情報を表示させるようにすればよい。そして、表面タッチパネル107、裏面タッチパネル108の操作により様々な制御ができるようにすればよい。
【0083】
<変形例2>
上述した実施形態においては、表示パネル105は、透過型のディスプレイであったが、表示面側から裏面側を視認できるディスプレイであれば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、一般的な有機ELディスプレイなど、光が透過しないような透過型ではない薄型ディスプレイを用いてもよい。この場合には、図1の破線で示すように、裏面の概ね法線方向であって、表示面とは逆の方向を撮影し、その撮影した内容を示す撮影データを出力する撮影部110を設ければよい。
【0084】
図12に示すように、撮影部110は撮影データを映像データ生成部12に出力する。そして、映像データ生成部12は、制御部11から出力される映像指示情報により生成される映像データに係る映像と撮影データに係る映像とを重ね合わせるように合成し、映像データとして出力する。このようにすると、表示パネル105の表示領域300には、映像指示情報に応じた表示に、撮影部110が撮影した裏面側が重ねあわされた表示となり、間接的に表示面側から裏面側を視認できることになる。このようにすれば、直接的に表示面側から裏面側を視認できなくても、裏面タッチパネル108を操作する手などを間接的に視認できるから、直接的に視認した場合と同様に容易な操作を行うことができる。
【0085】
また、このように間接的に視認できるようにした場合には、裏面側からは表示を見ることができなくなるが、裏面側にも同様に透過型ではない薄型ディスプレイを設けてもよい。この場合は、図13に示すように、表示パネル105を表面用表示パネル105Aと裏面用表示パネル105Bとから構成されるようにし、それぞれ、表示面ではない裏面同士を接触させた構造とすればよい。そして、表面用表示パネル105Aの表示面側に表面タッチパネル107を設け、裏面用表示パネル105Bの表示面側に裏面タッチパネル108を設けるようにすればよい。そして、裏面用表示パネル105Bには、表面用表示パネル105Aの表示の鏡像が表示されるようにすればよい。
【0086】
これは、図14に示すように、制御部11から出力される映像指示情報が示す表示内容とは鏡像の表示内容を示す反転映像データを生成する反転映像データ生成部18を設ければよい。そして、映像データ生成部12により生成される映像データは、表面用表示パネル105Aに供給されるようにし、反転映像データ生成部18により生成される反転映像データは、裏面用表示パネル105Bに供給されるようにすればよい。なお、図14においては、撮影部110については記載を省略しているが、図12同様に映像データ生成部12に撮影データが入力されるようにすればよい。また、表面側を撮影する撮影部も設けた場合には、その撮影部が出力する撮影データについては、反転映像データ生成部18に入力されるようにして、映像データ生成部12と同様な処理がされるようにすればよい。
【0087】
<変形例3>
上述した実施形態においては、表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108は、利用者が接触した位置を座標として認識していたが、一方のタッチパネルは、別の検出方式により認識が行われるものであってもよい。例えば、衝撃を検出する衝撃センサ、温度センサ、光センサなどであってもよく、利用者の操作により何らかの情報が得られるようになっていればよい。
【0088】
<変形例4>
上述した実施形態においては、携帯装置10は、携帯ゲーム機を想定していたが、携帯電話、ハンドベルドPCなどであってもよく、これらの表示領域が、携帯装置10の表示領域に相当するように構成されていればよい。また、携帯装置10は、筐体に一体に収められていることにより、持ち運びが容易な構成となっていたが、複数の筐体に分離して収められたものであってもよい。例えば、表示パネル105、表面タッチパネル107および裏面タッチパネル108が一体の筐体に収められた入出力デバイスとし、その他の構成が別の筐体に収められホスト装置とし、入出力デバイスとホスト装置とを有線、無線などで接続するような構成となっていてもよい。
【0089】
また、表示領域300を非常に大きなもの、例えば、数十センチから数メートル程度とし、携帯することができない装置としてもよい。このような大きな装置の場合には、表面タッチパネル107と裏面タッチパネル108とは、1人で操作することは困難であるが、表面側、裏面側それぞれ別の人が操作するようにすればよい。このようにして、表面側、裏面側にいる人が互いに見える状態で、様々な操作を共同して行うことにより、この装置をゲームなどに適用した場合の娯楽性を高めることができる。
【0090】
<変形例5>
上述した実施形態におけるCPU101によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD)など)、光記録媒体(光ディスク(CD、DVD)など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードさせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】実施形態に係る携帯装置のハードウエアの構成を示した図である。
【図2】実施形態に係る携帯装置の外観を示した図である。
【図3】実施形態に係る表示領域についての説明図である。
【図4】実施形態に係る表示領域における表示パネル、表面タッチパネルおよび裏面タッチパネルの構成を示した図である。
【図5】実施形態に係る表面タッチパネルおよび裏面タッチパネルの操作についての説明図である。
【図6】実施形態に係る携帯装置のソフトウエアの構成を示した図である。
【図7】実施形態に係る表示領域の表示の一例を示した図である。
【図8】実施形態に係る表示領域の表示の一例を示した図である。
【図9】実施形態に係る表示領域の表示の一例を示した図である。
【図10】実施形態に係る表示領域の表示の一例を示した図である。
【図11】実施形態に係る表示領域の表示の一例を示した図である。
【図12】変形例2に係る携帯装置のソフトウエアの構成を示した図である。
【図13】変形例2に係る表示領域における表示パネル、表面タッチパネルおよび裏面タッチパネルの構成を示した図である。
【図14】変形例2に係る携帯装置のソフトウエアの構成を示した図である。
【符号の説明】
【0092】
10…携帯装置、11…制御部、12…映像データ生成部、13…オーディオデータ生成部、14…表面制御決定部、15…裏面制御決定部、16…両面制御決定部、17…制御情報供給部、18…反転映像データ生成部、100…バス、101…CPU、102…記憶部、103…RAM、104…操作部、105…表示パネル、105A…表面用表示パネル、105B…裏面用表示パネル、106…スピーカ、107…表面タッチパネル、108…裏面タッチパネル、109…インターフェイス、200…撮影部、300…表示領域、400…制御メニュー、500,501…仮想粒子、1071…表面指定点、1081…裏面指定点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データを生成する生成手段と、
供給される制御情報に応じた制御を行う制御手段と、
前記映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、
前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、
前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルと、
前記第1の面に表示されている表示内容と前記第1の操作情報との関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する第1の決定手段と、
前記第1の面に表示されている表示内容と前記第2の操作情報との関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する第2の決定手段と、
前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定された各制御内容に対応する制御情報を前記制御手段に供給する供給手段と
を具備し、
前記第1の決定手段によって決定可能な制御内容、および前記第2の決定手段によって決定可能な制御内容は、互いに異なる制御内容を有するように設定されている
ことを特徴とするタッチパネル付制御装置。
【請求項2】
前記第1の面に表示されている表示内容、前記第1の操作情報および前記第2の操作情報の関係が所定の関係にある場合に、当該関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する複合決定手段
をさらに具備し、
前記複合決定手段によって決定可能な制御内容は、前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定可能な制御内容とは異なる制御内容として設定され、
前記供給手段は、前記複合決定手段が制御内容を決定したときには、前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定された各制御内容に代えて、前記複合決定手段によって決定された制御内容に対応する制御情報を前記制御手段に供給する
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル付制御装置。
【請求項3】
映像データを生成する生成手段と、
供給される制御情報に応じた制御を行う制御手段と、
前記映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、
前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、
前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルと、
前記第1の面に表示されている表示内容、前記第1の操作情報および前記第2の操作情報の関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する複合決定手段と、
前記複合決定手段によって決定された制御内容に対応する制御情報を前記制御手段に供給する供給手段と
を具備することを特徴とするタッチパネル付制御装置。
【請求項4】
前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定される制御内容のうち、いずれか一方は制御するパラメータを特定する制御内容であり、他方はパラメータの値を変更する制御内容であり、
前記制御手段は、前記供給される制御情報に応じて、特定されるパラメータについての値を変更する制御を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタッチパネル付制御装置。
【請求項5】
映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、
前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、
前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルと
を具備するコンピュータに、
映像データを生成する生成機能と、
供給される制御情報に応じた制御を行う制御機能と、
前記第1の面に表示されている表示内容と前記第1の操作情報との関係に応じて、前記制御機能における制御内容を決定する第1の決定機能と、
前記第1の面に表示されている表示内容と前記第2の操作情報との関係に応じて、前記制御機能における制御内容を決定する第2の決定機能と、
前記第1の決定機能および前記第2の決定機能において決定された各制御内容に対応する制御情報を、前記制御機能における制御情報として供給する供給機能と
を実現させ、
前記第1の決定機能において決定可能な制御内容、および前記第2の決定機能において決定可能な制御内容は、互いに異なる制御内容を有するように設定されている
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、
前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、
前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルと
を具備するコンピュータに、
映像データを生成する生成機能と、
供給される制御情報に応じた制御を行う制御機能と、
前記第1の面に表示されている表示内容、前記第1の操作情報および前記第2の操作情報の関係に応じて、前記制御機能における制御内容を決定する複合決定機能と、
前記複合決定機能において決定された制御内容に対応する制御情報を、前記制御機能における制御情報として供給する供給機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項1】
映像データを生成する生成手段と、
供給される制御情報に応じた制御を行う制御手段と、
前記映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、
前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、
前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルと、
前記第1の面に表示されている表示内容と前記第1の操作情報との関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する第1の決定手段と、
前記第1の面に表示されている表示内容と前記第2の操作情報との関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する第2の決定手段と、
前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定された各制御内容に対応する制御情報を前記制御手段に供給する供給手段と
を具備し、
前記第1の決定手段によって決定可能な制御内容、および前記第2の決定手段によって決定可能な制御内容は、互いに異なる制御内容を有するように設定されている
ことを特徴とするタッチパネル付制御装置。
【請求項2】
前記第1の面に表示されている表示内容、前記第1の操作情報および前記第2の操作情報の関係が所定の関係にある場合に、当該関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する複合決定手段
をさらに具備し、
前記複合決定手段によって決定可能な制御内容は、前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定可能な制御内容とは異なる制御内容として設定され、
前記供給手段は、前記複合決定手段が制御内容を決定したときには、前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定された各制御内容に代えて、前記複合決定手段によって決定された制御内容に対応する制御情報を前記制御手段に供給する
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル付制御装置。
【請求項3】
映像データを生成する生成手段と、
供給される制御情報に応じた制御を行う制御手段と、
前記映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、
前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、
前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルと、
前記第1の面に表示されている表示内容、前記第1の操作情報および前記第2の操作情報の関係に応じて、前記制御手段における制御内容を決定する複合決定手段と、
前記複合決定手段によって決定された制御内容に対応する制御情報を前記制御手段に供給する供給手段と
を具備することを特徴とするタッチパネル付制御装置。
【請求項4】
前記第1の決定手段および前記第2の決定手段によって決定される制御内容のうち、いずれか一方は制御するパラメータを特定する制御内容であり、他方はパラメータの値を変更する制御内容であり、
前記制御手段は、前記供給される制御情報に応じて、特定されるパラメータについての値を変更する制御を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタッチパネル付制御装置。
【請求項5】
映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、
前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、
前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルと
を具備するコンピュータに、
映像データを生成する生成機能と、
供給される制御情報に応じた制御を行う制御機能と、
前記第1の面に表示されている表示内容と前記第1の操作情報との関係に応じて、前記制御機能における制御内容を決定する第1の決定機能と、
前記第1の面に表示されている表示内容と前記第2の操作情報との関係に応じて、前記制御機能における制御内容を決定する第2の決定機能と、
前記第1の決定機能および前記第2の決定機能において決定された各制御内容に対応する制御情報を、前記制御機能における制御情報として供給する供給機能と
を実現させ、
前記第1の決定機能において決定可能な制御内容、および前記第2の決定機能において決定可能な制御内容は、互いに異なる制御内容を有するように設定されている
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
映像データに応じた表示を行う表示面である第1の面と前記第1の面の裏側の面である第2の面とを有し、前記第1の面側から前記第2の面側を視認できる表示パネルと、
前記第1の面側に設けられ、前記第1の面に対する操作に応じて、第1の操作情報を出力する第1のタッチパネルと、
前記第2の面側に設けられ、前記第2の面に対する操作に応じて、第2の操作情報を出力する第2のタッチパネルと
を具備するコンピュータに、
映像データを生成する生成機能と、
供給される制御情報に応じた制御を行う制御機能と、
前記第1の面に表示されている表示内容、前記第1の操作情報および前記第2の操作情報の関係に応じて、前記制御機能における制御内容を決定する複合決定機能と、
前記複合決定機能において決定された制御内容に対応する制御情報を、前記制御機能における制御情報として供給する供給機能と
を実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−187290(P2009−187290A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26624(P2008−26624)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
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