タッチパネル入力装置
【課題】 圧電基板(13)の消極を確実に防止するタッチパネル入力装置を提供する。
【解決手段】 タッチパネル入力装置が使用されない非動作期間には、交流電源回路(15)の一組の出力端子(15a、15b)と圧電基板(13)の一組の対応する駆動電極(13a、13b)との接続を、切り換えスイッチ(2)で切り換えて、一組の駆動電極(13a、13b)間を短絡させる。非動作期間中に、駆動電極(13a、13b)やこれらに接続する駆動電源パターン(35)に、帯電する導電物が触れても、一組の駆動電極(13a、13b)間に直流電圧が加えられることがなく、圧電基板(13)の消極を防止できる。
【解決手段】 タッチパネル入力装置が使用されない非動作期間には、交流電源回路(15)の一組の出力端子(15a、15b)と圧電基板(13)の一組の対応する駆動電極(13a、13b)との接続を、切り換えスイッチ(2)で切り換えて、一組の駆動電極(13a、13b)間を短絡させる。非動作期間中に、駆動電極(13a、13b)やこれらに接続する駆動電源パターン(35)に、帯電する導電物が触れても、一組の駆動電極(13a、13b)間に直流電圧が加えられることがなく、圧電基板(13)の消極を防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに固着した圧電基板の伸縮でタッチパネルを振動し、入力操作の際に入力操作感を発生させるタッチパネル入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル入力装置は、デジタイザとも呼ばれるもので、スタイラスペンや指で、タッチパネルに設定された操作エリアを押圧して入力操作を行ったときに、その操作エリア内の入力操作位置を検出し、パーソナルコンピュータ等の処理装置へ入力操作位置を表す入力位置データを出力するものである。
【0003】
この入力操作位置を検出する方式により、実開平3−6731号に示される接触方式、特開平5−53715号に示される抵抗方式等種々のタッチパネル入力装置が知られているが、いずれも押圧操作した際に、押しボタンスイッチで得られるクリック感などの明瞭な入力操作感が得られないため、操作者は、パーソナルコンピュータなどの処理装置でその操作結果を知るだけであり、タッチパネルへの入力操作そのものが認識されたかどうかの不安があった
【0004】
そこで、本出願人は、圧電基板をタッチパネルへ固着することにより、効率的に、また装置全体が大型化せずにタッチパネルを振動させ、操作者へ押圧操作感を伝達できるタッチパネル入力装置を開発した(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−122507号公報(要約、図1)
【0006】
図11は、この圧電基板120を用いたタッチパネル入力装置100を示すもので、タッチパネル入力装置100は、タッチパネル101への入力操作位置を検出し、その入力位置データを出力するもので、タッチパネル101を構成する可動板101Aと支持基板101Bとが、僅かな間隙を隔てて積層されている。可動板101Aと支持基板101Bの対向面には、均一な抵抗被膜で構成された導電体層が被着され、可動板11を押圧操作することにより、入力操作位置で導電体層間が接触、導通することから、入力操作とその入力操作位置を電気的に検出するようになっている。
【0007】
圧電基板120は、タッチパネル入力装置100が入力操作を検出した際に振動する振動素子であり、自らが伸縮することによりタッチパネル101を振動させ、タッチパネル101に触れる指から操作者へ入力操作が認識されたことを伝える。図示するように、可動板101Aの背面に、細長帯状の圧電基板120が固着され、その表裏に形成された一組の駆動電極120a、120b間に図12に示す交流電源回路110から出力される駆動電圧を印加する。一組の駆動電極120a、120b間に±100V程度の交流電圧波形の駆動電圧が加えられると、圧電基板120は、矢印で示す厚み方向に撓み、固着したタッチパネル101を、入力操作のために触れている指でも充分感触しうる大きな振幅で振動させる。
【0008】
圧電基板120を伸縮させるためには、このように±100V程度の交流電圧波形の駆動電圧を印加させる必要があるが、タッチパネル入力装置100は、5V程度の直流低電圧電源を電源とするノートパソコンなどのポータブル機器に搭載されることがあり、このため、交流電源回路110には、直流低電圧を±100V程度の電圧へ昇圧させる昇圧回路と、直流電圧波形を圧電基板120の駆動に適した所要の交流電圧波形に整形する波形整形回路が必要となる。
【0009】
図12は、この交流電源回路110を示すブロック図である(例えば特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献2】特開2004−21697(項目0081乃至0085、図7)
【0011】
図12に示す交流電源回路110において、昇圧用発振回路111は、数Vの直流定電圧電源で20乃至30kHzの発振動作を行う。昇圧用発振回路111に接続する昇圧回路102は、昇圧用発振回路111の周期でトランスに流れる電流をスイッチング制御し、数ボルトの直流定電圧電源を約100Vの直流電圧に昇圧し、増幅回路113へ出力する。
【0012】
一方、振動用発振回路114は、圧電基板120を動作させる周波数の駆動信号を発生し、増幅回路113へ出力するもので、増幅回路113は、この駆動信号を昇圧回路112から入力される直流電圧で増幅し、ゲート回路115へ出力する。
【0013】
ゲート回路115の入力側には、圧電基板120を振動させる際に生成されるトリガーを入力した際に、圧電基板120を振動させる時間幅のパルスを生成するパルス幅発生回路116が接続され、ゲート回路115は、このパルスを入力している間、増幅回路113より入力される駆動信号を、駆動電圧として圧電基板120の一組の駆動電極120a、120b間へ出力する。
【0014】
この交流電源回路110によれば、振動用発振回路104で生成される駆動信号の周波数と、パルス幅発生回路106で生成されるパルス幅を任意に設定することにより、圧電基板120を異なる周波数で任意の時間伸縮させることができ、伝達目的に合わせた感覚の振動をタッチパネルへ101へ発生することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
タッチパネル101の震動源として用いられる上述の圧電基板120は、圧電セラミック等の圧電材料で形成した単層の基板が用いられる。このような強誘電体の電わい効果を利用して歪みを発生させる圧電基板120では、長時間直流の電界が加わると消極し、圧電定数が低下することにより、その後、交流の駆動電圧を印加しても充分な歪み、すなわちタッチパネル101の振動が得られないものとなる。
【0016】
一方、タッチパネル入力装置100の出荷前やタッチパネル入力装置100を使用しない非動作期間には、圧電基板120の駆動電極120a、120bに交流電源回路110が接続しているので、交流電源回路110を構成する回路部品の浮遊容量、コンデンサの容量に充電された充電電圧が駆動電極120a、120b間に加わり、直流電界が発生することによる圧電基板120の消極という上記問題が発生する恐れがあった。
【0017】
そこで、従来のタッチパネル入力装置100では、切換スイッチを設け、タッチパネル入力装置100の非動作期間中に、圧電基板120を交流電源回路110から切り離すことが検討されたが、圧電基板120の駆動電極120a、120bの一方若しくはこれらに接続する駆動電源パターンに、帯電した導電体が接触する恐れがあり、上記問題を完全に解決するには至らなかった。
【0018】
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、圧電基板の消極を確実に防止するタッチパネル入力装置を提供することを目的とする。
【0019】
また、交流電源回路で生成する駆動電圧の倍電圧を圧電基板へ印加し、より大きな振幅の振動を発生させ、かつ非動作期間での圧電基板120の消極を確実に防止するタッチパネル入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上述の目的を達成するため、請求項1のタッチパネル入力装置は、タッチパネルへの入力操作を検出する入力検出手段と、一組の駆動電極を有し、一面がタッチパネルに沿って固着される圧電基板と、一組の出力端子間に、所定波形の駆動電圧を発生する交流電源回路と、圧電基板の駆動電極を、交流電源回路の出力端子に接離自在とする切換スイッチとを備え、操作エリアへの入力操作を検出した際に、切換スイッチは、一組の駆動電極がそれぞれ一組の対応する出力端子に接続するように、少なくとも圧電基板の一方の駆動電極を出力端子に接続し、一組の駆動電極間に印加される駆動電圧で伸縮する圧電基板によりタッチパネルを振動させ、操作者へ入力操作感を伝えるタッチパネル入力装置であって、
切換スイッチは、タッチパネル入力装置の非動作期間中に、圧電基板の一組の駆動電極間を短絡自在としたことを特徴とする。
【0021】
非動作期間中に、切換スイッチで圧電基板の一組の駆動電極間を短絡すると、いずれか一方の駆動電極が帯電した導電体に触れても、一組の駆動電極間に直流の電界が発生せず、圧電基板が消極しない。
【0022】
請求項2のタッチパネル入力装置は、切換スイッチが、操作エリアへの入力操作を検出した際に、圧電基板の一組の駆動電極と対応する一組の出力端子間の接続を、駆動電圧が零ボルトとなる近傍で交互に切り換え、一組の駆動電極間に交流電源回路で発生する駆動電圧の倍電圧を一組の駆動電極間に印加するとともに、タッチパネル入力装置の非動作期間中に、一組の駆動電極を一組のいずれか一方の出力端子に接続自在としたことを特徴とする。
【0023】
切換スイッチで、一組の駆動電極と対応する一組の出力端子間の接続を、ゼロクロススイッチングで切り換えることにより、交流電源回路で発生する駆動電圧の倍電圧が一組の駆動電極間に印加される。圧電基板の歪みは、電界に比例するので、交流電源回路において、直流電源電圧を高圧に昇圧しなくても、所定の大きさの歪みが発生し、タッチパネルを感知できる充分な振幅で振動させることができる。
【0024】
タッチパネル入力装置の非動作期間中に、一組の駆動電極を一組のいずれか一方の出力端子に接続すると、一組の駆動電極間が短絡し、圧電基板の消極を防止できる。
【発明の効果】
【0025】
請求項1の発明によれば、タッチパネル入力装置を使用しない非動作期間中に、圧電基板の一組の駆動電極間を短絡できるので、圧電基板の圧電定数が低下することなく、タッチパネル入力装置の使用時に入力操作を検出した際、圧電基板に駆動電圧を印加し、確実にタッチパネルを振動させることができる。
【0026】
これに加えて請求項2の発明によれば、圧電基板の一組の駆動電極間に交流電源回路で発生する駆動電圧の倍電圧を得るための切換スイッチを利用して、一組の駆動電極間を非動作期間中に、簡単に短絡させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の第1実施の形態に係るタッチパネル入力装置1を、図1乃至図4で説明する。本実施の形態に係るタッチパネル入力装置1においては、対向面の導電体層を均一な抵抗膜で形成したいわゆる抵抗感圧タブレット方式を採用して、導電体層間の接触と接触位置から入力操作と入力操作位置を検出している。図1は、タッチパネル入力装置1の分解斜視図であり、PET(ポリエチレンテレフタレート)からなる可動板31Aとガラス基板からなる支持基板31Bを互いにわずかな間隙を隔て積層配置し、タッチパネル31が構成されている。
【0028】
可動板31Aと支持基板31Bの対向面には、それぞれ単位長さあたりの抵抗値が等しい可動導電体層32Aと固定導電体層32Bが被着され、また、可動導電体層32Aの図中X方向の両側と、固定導電体層32BのY方向両側に、これらの導電体層32A、32Bへ所定の検出用電位を発生させる為の引き出し電極33が形成される。尚、固定導電体層32Bの一側の引き出し電極33は、後述する圧電基板13の一方の駆動電極13aと兼ねている。
【0029】
支持基板31B上で可動板31Aとの隙間に、タッチパネル31を振動させる震動源となる圧電基板13が固着される。圧電基板13は、圧電単結晶、PZT(チタンジルコン酸鉛)磁器に代表される圧電セラミック、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電材料で形成した単層の基板で、ここでは、機械的な耐久性があり、最も広く利用されているPZT系の圧電磁器材料からなる圧電セラミックス板を用い、図示するように、固定導電体層32Bの側辺に沿うように、細長帯状の薄板に形成している。圧電基板13は、薄板とすることにより、比較的低い駆動電圧で、大きな歪みが発生する。
【0030】
圧電基板13に駆動電圧を印加する一対の駆動電極13a、13bは、導電性金属材料を蒸着、スクリーン印刷等で圧電基板13の対向する表裏両面に付着させた後、焼成等で固着させている。圧電基板13の背面を覆う一方の駆動電極13aは、圧電基板13の長手方向一側で表面に折り返され、表面を覆う他方の駆動電極13bと接触しないように、間隙を隔てて可動板31Aと対向する表面側に露出している。
【0031】
各引き出し電極33と、一組の駆動電極13a、13bは、それぞれ可動板Aの背面側に印刷配線された検出用導電パターン34と、駆動電源パターン35に接続し、コネクタテール36を介して外部に導出され、検出用導電パターン34は、以下のように動作する入力操作検出回路(図示せず)に、駆動電源パターン35は、図2乃至図6に示す切換スイッチ2を介して交流電源回路15に接続している。
【0032】
入力操作検出回路は、タッチパネル入力装置1の待機動作中、いずれか一方の例えば可動導電体層32Aに検出電位を印加して所定の電位とし、他方の固定導電体層32Bを抵抗を介して接地し、その電位を監視する。この待機動作中に、可動板31Aを押圧することによりタッチパネル31を入力操作すると、入力操作位置で可動導電体層32Aと固定導電体層32Bが接触し、可動導電体層32Bから抵抗に電流が流れ、固定導電体層32Bの電位が一定の電位まで上昇する。そこで、所定のしきい値を設定し、固定導電体層32Bの電位が所定のしきい値を越えることで、タッチパネル31へ入力操作が検出される。
【0033】
入力操作検出回路が入力操作を検出すると、交流電源回路15から圧電基板13の一組の駆動電極13a、13b間に所定期間、駆動電圧を印加するが、その動作は、後述する。
【0034】
また、入力操作検出回路による入力操作位置の検出は、X方向と、Y方向のそれぞれを分けて検出する。X方向の入力操作位置を検出する際には、可動導電体層32Aの一側引き出し電極33に座標検出用電圧を印加するとともに、他側の引き出し電極33を接地し、可動導電体層32Aに等しい傾きの電位勾配を形成する。入力操作位置での電位は、可動導電体層32Aと接触する固定導電体層32B側をハイインピーダンスとしておけば、固定導電体層32Bの電位で読み取ることができ、固定導電体層32Bに接続する引き出し電極33にA/Dコンバータなどの電圧検出回路に接続して、入力操作位置の電位を読み取る。可動導電体層32Aには、等しい傾きの電位勾配が形成されているので、入力操作位置の電位は、X方向の距離に比例した値となり、これによって、入力操作位置のX座標を検出する。
【0035】
Y方向の入力操作位置検出は、上記と同様の方法で、固定導電体層32BにY方向の等しい傾きの電位勾配を形成し、固定導電体層32Bに引き出し電極33を介して接続する電圧検出回路から、入力操作位置の電位を読み取る。この入力操作位置の電位は、Y方向の距離に比例した値となり、これによって、入力操作位置のY座標を検出する。
【0036】
このようにX、Y座標検出モードを繰り返し、タッチパネル31の入力操作位置を、X、Y方向で検出し、X座標とY座標からなる入力位置データを図示しないパーソナルコンピュータなどの処理装置へ出力する。
【0037】
図2と図3は、タッチパネル入力装置1の待機動作中に、入力操作を検出した際に、圧電基板13に駆動電圧を印加する交流電源回路15の動作を説明するもので、図1(a)(b)は、出力端子15a、15b間に上昇する傾きの駆動電圧を形成する動作を説明する回路図、図2は、出力端子15a、15b間に降下する傾きの駆動電圧を形成する動作を説明する回路図である。
【0038】
これらの回路図において、3は、例えば5V程度の直流電源を供給する低電圧直流電源、4は、インダクタとなるコイル、5は、コイル4とともに低電圧直流電源3に直列に接続される充電用スイッチである。また、充電用スイッチ5と並列に、直列に接続されたダイオード6とキャパシタとなるコンデンサ7が接続される。ダイオード6は、コイル4からコンデンサ7の方向を順方向とする逆流防止素子であり、後述するように、コンデンサ7が充電された際に、その充電電圧によりコンデンサ7からコイル4へ放電電流が逆流しないようにするものである。
【0039】
コンデンサ7の両端には、更に放電抵抗8と放電用スイッチ9が直列に接続され、直列に接続された放電抵抗8と放電用スイッチ9の両端が、圧電基板13の駆動電極13a、13bに接続する出力端子15a、15bとなっている。
【0040】
上昇する傾きの駆動電圧を形成する際には、放電用スイッチ9は常に開放させる。この状態で、図2(a)に示すように、充電用スイッチ5を閉じると、コイル4を通して図中矢印で示す方向に電流が流れる。この電流は、充電用スイッチ5を閉じてからの時間とともに上昇する。
【0041】
所定時間後に充電用スイッチ5を開き、コイル4に流れる電流を遮断すると、コイル4に電流を継続して流そうとする逆起電力が発生する。この逆起電力の電圧は、ダイオード6を介して接続される圧電基板13の図示しない内部抵抗に依存するが、定数とすれば、充電用スイッチ5を閉じてから開くまでのオン時間にほぼ比例する。一方、ダイオード6は、コイル4からコンデンサ7の方向を順方向とするので、図2(b)に示す矢印方向に充電電流が流れ、コイル4に発生する逆起電力により、コンデンサ7と圧電基板13の内部容量13cが充電される。
【0042】
その後、同様に充電用スイッチ5の開閉を繰り返すと、充電用スイッチ5を開きコイル4に流れる電流を遮断する毎に、コイル4に発生する逆起電力により、コンデンサ7と圧電基板13の内部容量13cが充電され、充電電圧はその直前の充電電位より更にこの逆起電力で上昇する。尚、充電用スイッチ5を閉じコイル4に電流が流れている間に、コンデンサ7と圧電基板13の内部容量13cから流れようとする放電電流は、ダイオード6で遮断されるので、その充電電圧は保たれる。
【0043】
充電用スイッチ5を閉じた後開放させる一周期で、上昇する充電電圧は、その間の圧電基板13の内部抵抗に流れる放電電流とすでに充電されている充電電圧を無視すれば、充電用スイッチ5を開放した際に発生する逆起電力にほぼ等しく、この逆起電力は、前述したように、充電用スイッチ5を閉じてから開くまでのオン時間にほぼ比例する。
【0044】
すなわち、充電用スイッチ5を閉じた後開放させる一周期での充電電圧の上昇分は、充電用スイッチ5を閉じ操作するオン時間により定められ、これを繰り返すことにより、充電電圧の上昇する任意の傾きが得られ、また、この充電電圧は、低電圧直流電源3から昇圧した任意の電圧とすることができる。
【0045】
コンデンサ7の充電電圧を駆動電圧とすれば、出力端子15a、15bに、直流の低電圧を昇圧すると同時に、上昇する任意の傾きの駆動電圧波形が得られる。
【0046】
一方、降下する傾きの駆動電圧を形成する際には、図3に示すように、充電用スイッチ5を常に開放させる。この状態で、図に示すように、放電用スイッチ9を閉じると、放電抵抗8を通して図中矢印で示す方向に放電電流が流れる。放電用スイッチ9を閉じた後のt時間後のコンデンサ7の充電電圧Vtは、閉じる前のコンデンサ7の充電電圧をV0、コンデンサ7の容量と圧電基板13の内部容量13cの和をC、放電抵抗8の抵抗値をとすれば、
【0047】
【数1】
【0048】
と、経過時間tの関数として表される。
【0049】
すなわち、充電電圧の降下分は、放電用スイッチ9を閉じ操作するオン時間により定められ、これを所定期間内で繰り返すことにより、充電電圧の下降する任意の傾きが得られる。
【0050】
従って、出力端子15a、15b間に表れる駆動電圧は、上昇する傾きと下降する傾きが、それぞれ充電用スイッチ5と放電用スイッチ9を開閉制御することにより任意に得られ、これらの制御を連続させることにより、低電圧直流電源3から昇圧させた所要波形の駆動電圧形を得ることができる。
【0051】
この交流電源回路15と圧電基板13間には、図2と図3に示す入力操作を検出した後の所定期間に、交流電源回路15の一組の出力端子15a、15bが一組の対応する駆動電極13a、13bへ接続するように、切換スイッチ2が接続されている。
【0052】
切換スイッチ2は、圧電基板13の一方の駆動電極13bに接続するコモン端子2cを、一組の出力端子15a、15bにそれぞれ接続する切り換え端子2a、2bへ選択的に切り換え接続するもので、入力操作を検出した後の所定期間中、交流電源回路15で発生させた上述の駆動電圧を圧電基板13へ印加し伸縮させるため、図2,図3に示すように、コモン端子2cは、出力端子15bに接続する切り換え端子2b側に切り換えられている。切換スイッチ2は、タッチパネル11への入力操作が終了した後も、少なくともタッチパネル入力装置1に電源が投入されている間、この切り換え状態を維持している。
【0053】
一方、タッチパネル入力装置1の出荷前やタッチパネル入力装置1が搭載された機器の主電源を落としている間など、タッチパネル入力装置1が使用されない非動作期間には、切り換えスイッチ2のコモン端子2cは、図4に示すように、切り換え端子2a側に切り換えらる。切り換え端子2aには、出力端子15aとともに圧電基板13の駆動電極13bへも接続するので、切換スイッチ2を介して圧電基板13の一組の駆動電極13a、13b間は短絡する。
【0054】
従って、非動作期間中に、駆動電極13a、13bやこれらに接続する駆動電源パターン35に、帯電する導電物が予期せずに触れても、一組の駆動電極13a、13b間に直流電圧が加えられることがなく、圧電基板13の消極を防止できる。
【0055】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るタッチパネル入力装置10を図5乃至図10を用いて説明する。第2の実施の形態では、交流電源回路15の動作原理を利用して駆動電圧を発生する交流電源回路20と切換スイッチ30の構成が異なる他は、第1実施の形態に係るタッチパネル入力装置1の構成と同一であるので、共通する構成についてはその説明を省略する。また、交流電源回路20の各回路素子について、交流電源回路15と同一若しくは同様に作用する回路素子についても、同一番号を付してその説明を省略する。
【0056】
図5乃至図9に示すように、交流電源回路20は、コントローラ21のポートP0、P1、P2、P3から出力される制御信号と、PWM出力端子から出力されるパルス制御信号により制御される6種類のスイッチ(SW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6)を備えている。
【0057】
このうち、コイル4とコンデンサ7の接地側電極7b(グランド)間に配設されるスイッチSW2が充電用スイッチ5に相当し、コンデンサ7の高圧側電極7aと接地側電極7bに配設されるスイッチSW4が放電用スイッチ9に相当するものとなる。スイッチSW2には、スイッチSW1を閉じ制御することによりPWM出力端子から出力されるパルス制御信号が入力され、後述するようにパルス制御信号に従って開閉する。また、スイッチSW4には、スイッチSW3を閉じ制御することにより同じPWM出力端子から出力されるパルス制御信号が入力され、入力されたパルス制御信号に従って同様に開閉する。
【0058】
スイッチSW1とスイッチSW3は、電圧波形を形成する間、いずれか一方が選択的に閉じ制御され、従って、スイッチSW2、SW4のいずれか一方がパルス制御信号により開閉し、パルス制御信号が入力されない他方は、開放状態を保っている。また、スイッチSW2、SW4は、パルス制御信号のパルスが入力されている間、閉じ、パルスが休止している間、開放するように制御される。
【0059】
表1に示すように、スイッチSW1とスイッチSW3は、それぞれ、ポートP2とポートP3から「H」レベルの制御信号が出力されている間、閉じ制御され、「L」レベルの制御信号が出力されている間、開放制御される。
【0060】
【表1】
【0061】
また、スイッチSW5とスイッチSW6が、第1実施の形態に係る切換スイッチ2に相当する切換スイッチ30を構成し、交流電源回路20と圧電基板13間に接続される。すなわち、スイッチSW5のコモン端子22aは、圧電基板13の一方の駆動電極13aに接続し、スイッチSW6のコモン端子22bは、圧電基板13の他方の駆動電極13bに接続している。コモン端子22aとの接続が切り換えられるスイッチSW5の切換端子23a、23bは、それぞれコンデンサ7の両端の交流電源回路20の出力となる一組の出力端子20a、20bに接続し、同様に、コモン端子22bとの接続が切り換えられるスイッチSW6の切換端子24a、24bも、それぞれ一組の出力端子20a、20bに接続している。
【0062】
スイッチSW5とスイッチSW6は、それぞれ、ポートP0とポートP1から出力される制御信号により切換制御され、「H」レベルの制御信号が出力されている間、各コモン端子22a、22bを一方の出力端子30aに接続する切換端子23a、24a側に、「L」レベルの制御信号が出力されている間、各コモン端子22a、22bを、他方の出力端子30bに接続する切換端子23b、24b側に切り換える(表1参照)。
【0063】
圧電基板13へ駆動電圧を印加する際に、一組の駆動電極13a、13bが一組の対応する出力端子30a、30b間に接続する状態では、圧電基板13が、10M乃至20MΩの内部抵抗と大きな内部容量を有するので、コンデンサ7の充電電圧はすみやかに下降せず、そこで、得ようとする駆動電圧波形の下降方向の傾きと一致させるように、スイッチSW4と放電抵抗8を用いて強制的にその充電電圧を下降させている。
【0064】
交流電源回路20では、図10(h)に示す正弦電圧波形の駆動電圧を生成するために、1波形の周期をPhase1乃至Phase8の8種類のPhaseに分割し、各Phase毎にスイッチSW1乃至スイッチSW6を開閉制御する。
【0065】
PWM出力端子から出力されるパルス制御信号は、パルス幅変調により1周期に対するパルス幅の比率であるデューティ比(衝撃関数)を、各周期毎に変調信号で変化させた被変調信号であり、Phase1乃至Phase8毎に異なるパルス変調信号が割り当てられる。パルス制御信号の周波数は、ここでは20.80kHzと各Phaseで同一であり、各Phase毎に、2周期のパルス制御信号を1ユニットとするユニット数を設定し、Phase毎の長さを異ならせている。これにより、8種類のPhaseから任意の周期の電圧波形を形成することができる。
【0066】
また、パルス制御信号のデューティ比は、連続する1周期毎に一定の割合で増減し、各Phase毎にこの増減数が設定されている。つまり、デューティ比の初期値及びその増減数と連続するユニット数をPhase毎に設定することにより、パルス制御信号の1周期毎にパルス幅を決定する従来のパルス幅変調方式に比べ、限られた変調データを用いて、他種類のパルス幅とパルス休止幅の組み合わせを設定できる。
【0067】
Phase1とPhase2では、図10(h)に示す正弦電圧波形のゼロクロス位置から極大値をわずかに超えた位置までの電圧波形を形成するもので、図10(a)乃至(d)に示すように、ポートP0、P2を「H」レベル、ポートP1、P3を「L」レベルとして、スイッチSW1を閉じ制御、スイッチSW3を開制御、スイッチSW5のコモン端子22aを切換端子23aに、スイッチSW6のコモン端子22bを切換端子24b側に切り換え制御している(図5参照)。
【0068】
これにより、スイッチSW2は、PWM出力端子から出力されるパルス制御信号により開閉制御されると同時に、放電抵抗8がコンデンサ7との接続から切り離され、スイッチSW2が開閉を繰り返す毎に、コンデンサ7への充電が繰り返される。
【0069】
Phase1で出力されるパルス制御信号は、21ユニット分の長さ、すなわち1ユニットの長さが96μsecであるので約2msecの長さとなり、コンデンサ7の充電電圧が正弦波形のゼロクロス位置から極大値までを描いて増加するように、各周期のパルス制御信号のパルス幅とパルス休止幅が設定される。
【0070】
一方、コンデンサ7の充電電圧は、その両端を切換スイッチ30を介して圧電基板13の一組の駆動電極13a、13bに接続しているので、充電を繰り返している間を含め、常に圧電基板13の内部抵抗を放電電流が流れ、降下しようとしている(以下この降下減少を自然放電という)。また、コイル4に同一の逆起電力が発生する場合しても、充電電圧の上昇は充電電圧に依存し、充電電圧が低い間は簡単に上昇するが、充電電圧が高くなるほど上昇しにくいものとなっている。
【0071】
このため、充電電圧の電圧波形を上昇する傾きの正弦波形とする場合には、充電電圧が低い間は、デューティー比の小さいパルス制御信号でスイッチSW2のオン時間を短く、充電電圧が上昇するにしたがって、デューティー比を徐々に大きくスイッチSW2のオン時間を長く調整して、発生する逆起電力を上げる必要があり、Phase1で出力されるパルス制御信号は、図10(e1)に拡大して示すように、各周期のデューティー比をその直前の1周期のデューティー比に対して一定の割合で増加させている。
【0072】
Phase1のパルス制御信号で充電を繰り返すことにより、Phase1を終了した時点で、図10(g)に示すように、コンデンサ7の高圧側電極7aと接地側電極7b間に+100Vの充電電圧が充電される。
【0073】
Phase2では、コンデンサ7の充電電圧波形が、正弦波形の極大値からその傾きが自然放電による傾きに一致する位置までを描くように、ここでは7ユニット分の長さのパルス制御信号が出力される。すなわち、この期間では、自然放電により充電電圧は降下するが、自然放電により降下する充電電圧の波形は、正弦波形として極大値から連続させる充電電圧の波形より低いので、スイッチSW2をパルス制御信号により開閉制御し、コンデンサ7の充電を繰り返して、正弦波に一致する充電電圧を得るものである。
【0074】
従って、Phase2のパルス制御信号は、1番目の周期のデューティー比がPhase1の最後の周期のデューティー比にほぼ等しく、最後の周期のデューティー比がほぼ0%に収束するように、各周期のデューティー比をその直前の1周期のデューティー比に対して一定の割合で減少させている(図10(e1)参照)。
【0075】
Phase3とPhase4では、充電電圧の電圧波形を、図10(h)に示す正弦電圧波形の自然放電による傾きに一致する位置から次のゼロクロス位置までの電圧波形を形成するもので、Phase1とPhase2の制御信号の出力状態から、ポートP3を「H」レベル、ポートP2を「L」レベルとして、図4に示すように、スイッチSW1を開制御、スイッチSW3を閉じ制御している。
【0076】
これにより、スイッチSW2は、PWM出力端子から切り離されると同時に、スイッチSW4が出力されるパルス制御信号により開閉制御され、パルス制御信号のパルスを入力する間、コンデンサ7の充電電圧が放電抵抗8を流れる放電電流により下降する。
【0077】
このPhase3とPhase4の期間中は、自然放電により降下する充電電圧より、正弦波形とするための充電電圧が低いので、放電抵抗8にパルス制御信号で制御する時間、放電電流を流して強制的に充電電圧を降下させ、正弦波形に一致する充電電圧を得るものである。
【0078】
Phase3では、正弦波形の自然放電による傾きと一致する位置(Phase2の終了位置)から、コンデンサ7の充電電圧波形が、連続して正弦波形に近似した波形を描くように、ここでは7ユニット分の長さのパルス制御信号がスイッチSW4へ出力される。放電抵抗8をコンデンサ7に並列に接続し、コンデンサ7の充電電圧を下降させる際には、充電の場合とは逆に、充電電圧が高い間は簡単に下降するが、充電電圧が低くなるほど下降させにくくなる。従って、Phase3のパルス制御信号は、1番目の周期のデューティー比を0%とし、Phase3内の最後の周期まで、一定の割合でデューティー比を増加させている(図10(f1)参照)。
【0079】
Phase3によるパルス制御信号で放電制御を繰り返し、ある程度まで充電電圧が低下すると、上述したのように充電電圧は下降しにくくなる。そこで、Phase4によるパルス制御信号では、最初の周期のデューティー比をPhase3でのパルス制御信号に比べて大幅に上昇させた40%のデューティー比とし、更に9ユニットからなる最後の周期まで、一定の割合でデューティー比を増加させている(図10(f1)参照)。
【0080】
Phase4のパルス制御信号による放電制御が終了すると、コンデンサ7の充電電圧は、ほぼ0Vまで下降し、これにより一組の出力端子20a、20b間に、図10(g)に示すように、正弦波形の半波を近似した電圧波形が生成される。スイッチSW5のコモン端子(出力端子)22aは切換端子23aに、スイッチSW6のコモン端子(出力端子)22bは切換端子24b側に接続し、切換端子24bは接地されているので、一組の駆動電極13a、13b間に駆動電極13aを+側とする正弦波形の半波を電圧波形とする駆動電圧が印加される。
【0081】
以上の方法によれば、コンデンサ7の充電電圧を低圧の直流電圧を昇圧するとともに、昇降圧させる傾きを任意に設定できるので、充電電圧をそのまま駆動電圧として、昇圧した任意の駆動電圧波形が得られるが、この交流電源回路20では、更に、Phase5からPhase8で、一組の出力端子20a、20b間に、Phase1からPhase4で形成した充電電圧波形と同一の駆動電圧を形成するとともに、一組の出力端子20a、20bと一組の対応する駆動電極13a、13b間相互の接続を切換スイッチ30のスイッチSW5、SW6で、それぞれ他側の接続に切り替え、一組の駆動電極13a、13b間に交流電源回路20で生成される駆動電圧と等しく逆極性の駆動電圧を形成して、コンデンサ7の充電電圧の2倍の駆動電圧で圧電基板13を伸縮させる。
【0082】
すなわちPhase5からPhase8では、表1及び図10(c)(d)に示すように、Phase1からPhase4の制御信号の出力状態から、ポートP0を「L」レベル、ポートP1を「H」レベルとして、図5、図6に示すように、スイッチSW5のコモン端子22aを切換端子23bに、スイッチSW6のコモン端子22bを切換端子24a側に切り換え制御している。
【0083】
その他のスイッチSWの制御信号、及びPWM出力端子から出力されるパルス制御信号は、Phase5がPhase1に、Phase6がPhase2に、Phase7がPhase3に、Phase8がPhase4にそれぞれ対応して同一であり、これによりPhase5からPhase8の間で、図10(g)に示すように、出力端子20a、20b間に、Phase1からPhase4と同一の正弦波形の半波の電圧波形が表れる。
【0084】
その結果、図10(h)に示すように、駆動電極13a、13b(コモン端子22a、22b)には、駆動電極13a側を−側とする正弦波形の半波を電圧波形とする駆動電圧が表れ、Phase1からPhase4間で形成された駆動電圧に連続させることにより、±100Vの正弦波形の駆動電圧が圧電基板13に印加される。
【0085】
圧電基板13は、この±100Vの正弦波形の駆動電圧を駆動電源として伸縮し、固着するタッチパネル31を振動させる。更にPhase1からPhase8を繰り返すことにより、任意の期間発振する正弦波形の駆動電圧が得られ、タッチパネル31はその期間振動する。
【0086】
同様にして、1波形を形成するPhase数、各Phaseで出力されるパルス制御信号、スイッチSWの制御信号を任意に設定することにより、同一の交流電源回路20を用いて種々の駆動電圧波形を形成できる。
【0087】
本実施の形態に係る切換スイッチ30を構成するスイッチSW5とスイッチSW6は、このように倍電圧の出力を得る目的の他、ポートP0、ポートP1の制御信号で相互に独立して切換制御できるので、圧電基板13の駆動電極13a、13b間を簡単に短絡できる。すなわち、図9に示すように、出荷時や主電源をOFFとしてタッチパネル入力装置10を使用しない非動作期間中は、ポートP0とポートP1をいずれも「L」レベルとして(表1参照)、スイッチSW5のコモン端子22aを切換端子23bに、スイッチSW6のコモン端子22bを切換端子24b側に切り換え制御している。
【0088】
これにより、圧電基板13の一組の駆動電極13a、13bは、切換端子23b、24bを介して共通の接地側の出力端子20bに接続される。従って、非動作期間中に、圧電基板13の駆動電極13a、13b間を短絡させることができ、駆動電極13a、13b間に不用意に直流が流れることによる圧電基板13の消極を防止できる。
【0089】
尚、非動作期間中は、圧電基板13に接続するコモン端子22aとコモン端子22bとを、いずれも高圧側の切換端子23a、24aに接続し、駆動電極13a、13b間を短絡させてもよい。
【0090】
上述の各実施の形態では、任意の電圧波形を生成できる交流電源回路15,20を用いているが、交流波形の駆動電圧を生成できれば、他の交流電源回路であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、圧電基板を震動源としてタッチパネルを振動させるタッチパネル入力装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の形態に係るタッチパネル入力装置1の分解斜視図である。
【図2】入力操作を検出した際に、上昇する傾きの駆動電圧を圧電基板13へ印加する交流電源回路15の動作原理を説明する回路図である。
【図3】入力操作を検出した際に、下降する傾きの駆動電圧を圧電基板13へ印加する交流電源回路15の動作原理を説明する回路図である。
【図4】非動作期間中での、タッチパネル入力装置1の切り換えスイッチ2の動作を示す回路図である。
【図5】入力操作を検出した際の交流電源回路20のPhase1とPhase2における各スイッチSWの動作状態を示す回路図である。
【図6】入力操作を検出した際の交流電源回路20のPhase3とPhase4における各スイッチSWの動作状態を示す回路図である。
【図7】入力操作を検出した際の交流電源回路20のPhase5とPhase6における各スイッチSWの動作状態を示す回路図である。
【図8】入力操作を検出した際の交流電源回路20のPhase7とPhase8における各スイッチSWの動作状態を示す回路図である。
【図9】非動作期間中の切り換えスイッチ30の動作を示す回路図である。
【図10】Phase1からPhase8の間の交流電源回路20の各部(a)乃至(h)の波形を示す波形図である。
【図11】圧電基板120を用いた従来のタッチパネル入力装置100の概略構成を示す分解斜視図である。
【図12】昇圧回路を備えた交流電源回路110のブロック図である。
【符号の説明】
【0093】
1 タッチパネル入力装置
2 切換スイッチ
10 タッチパネル入力装置
13 圧電基板
13a、13b 駆動電極
15 交流電源回路
15a、15b 出力端子
20 交流電源回路
20a、20b 出力端子
30 切換スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに固着した圧電基板の伸縮でタッチパネルを振動し、入力操作の際に入力操作感を発生させるタッチパネル入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル入力装置は、デジタイザとも呼ばれるもので、スタイラスペンや指で、タッチパネルに設定された操作エリアを押圧して入力操作を行ったときに、その操作エリア内の入力操作位置を検出し、パーソナルコンピュータ等の処理装置へ入力操作位置を表す入力位置データを出力するものである。
【0003】
この入力操作位置を検出する方式により、実開平3−6731号に示される接触方式、特開平5−53715号に示される抵抗方式等種々のタッチパネル入力装置が知られているが、いずれも押圧操作した際に、押しボタンスイッチで得られるクリック感などの明瞭な入力操作感が得られないため、操作者は、パーソナルコンピュータなどの処理装置でその操作結果を知るだけであり、タッチパネルへの入力操作そのものが認識されたかどうかの不安があった
【0004】
そこで、本出願人は、圧電基板をタッチパネルへ固着することにより、効率的に、また装置全体が大型化せずにタッチパネルを振動させ、操作者へ押圧操作感を伝達できるタッチパネル入力装置を開発した(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−122507号公報(要約、図1)
【0006】
図11は、この圧電基板120を用いたタッチパネル入力装置100を示すもので、タッチパネル入力装置100は、タッチパネル101への入力操作位置を検出し、その入力位置データを出力するもので、タッチパネル101を構成する可動板101Aと支持基板101Bとが、僅かな間隙を隔てて積層されている。可動板101Aと支持基板101Bの対向面には、均一な抵抗被膜で構成された導電体層が被着され、可動板11を押圧操作することにより、入力操作位置で導電体層間が接触、導通することから、入力操作とその入力操作位置を電気的に検出するようになっている。
【0007】
圧電基板120は、タッチパネル入力装置100が入力操作を検出した際に振動する振動素子であり、自らが伸縮することによりタッチパネル101を振動させ、タッチパネル101に触れる指から操作者へ入力操作が認識されたことを伝える。図示するように、可動板101Aの背面に、細長帯状の圧電基板120が固着され、その表裏に形成された一組の駆動電極120a、120b間に図12に示す交流電源回路110から出力される駆動電圧を印加する。一組の駆動電極120a、120b間に±100V程度の交流電圧波形の駆動電圧が加えられると、圧電基板120は、矢印で示す厚み方向に撓み、固着したタッチパネル101を、入力操作のために触れている指でも充分感触しうる大きな振幅で振動させる。
【0008】
圧電基板120を伸縮させるためには、このように±100V程度の交流電圧波形の駆動電圧を印加させる必要があるが、タッチパネル入力装置100は、5V程度の直流低電圧電源を電源とするノートパソコンなどのポータブル機器に搭載されることがあり、このため、交流電源回路110には、直流低電圧を±100V程度の電圧へ昇圧させる昇圧回路と、直流電圧波形を圧電基板120の駆動に適した所要の交流電圧波形に整形する波形整形回路が必要となる。
【0009】
図12は、この交流電源回路110を示すブロック図である(例えば特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献2】特開2004−21697(項目0081乃至0085、図7)
【0011】
図12に示す交流電源回路110において、昇圧用発振回路111は、数Vの直流定電圧電源で20乃至30kHzの発振動作を行う。昇圧用発振回路111に接続する昇圧回路102は、昇圧用発振回路111の周期でトランスに流れる電流をスイッチング制御し、数ボルトの直流定電圧電源を約100Vの直流電圧に昇圧し、増幅回路113へ出力する。
【0012】
一方、振動用発振回路114は、圧電基板120を動作させる周波数の駆動信号を発生し、増幅回路113へ出力するもので、増幅回路113は、この駆動信号を昇圧回路112から入力される直流電圧で増幅し、ゲート回路115へ出力する。
【0013】
ゲート回路115の入力側には、圧電基板120を振動させる際に生成されるトリガーを入力した際に、圧電基板120を振動させる時間幅のパルスを生成するパルス幅発生回路116が接続され、ゲート回路115は、このパルスを入力している間、増幅回路113より入力される駆動信号を、駆動電圧として圧電基板120の一組の駆動電極120a、120b間へ出力する。
【0014】
この交流電源回路110によれば、振動用発振回路104で生成される駆動信号の周波数と、パルス幅発生回路106で生成されるパルス幅を任意に設定することにより、圧電基板120を異なる周波数で任意の時間伸縮させることができ、伝達目的に合わせた感覚の振動をタッチパネルへ101へ発生することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
タッチパネル101の震動源として用いられる上述の圧電基板120は、圧電セラミック等の圧電材料で形成した単層の基板が用いられる。このような強誘電体の電わい効果を利用して歪みを発生させる圧電基板120では、長時間直流の電界が加わると消極し、圧電定数が低下することにより、その後、交流の駆動電圧を印加しても充分な歪み、すなわちタッチパネル101の振動が得られないものとなる。
【0016】
一方、タッチパネル入力装置100の出荷前やタッチパネル入力装置100を使用しない非動作期間には、圧電基板120の駆動電極120a、120bに交流電源回路110が接続しているので、交流電源回路110を構成する回路部品の浮遊容量、コンデンサの容量に充電された充電電圧が駆動電極120a、120b間に加わり、直流電界が発生することによる圧電基板120の消極という上記問題が発生する恐れがあった。
【0017】
そこで、従来のタッチパネル入力装置100では、切換スイッチを設け、タッチパネル入力装置100の非動作期間中に、圧電基板120を交流電源回路110から切り離すことが検討されたが、圧電基板120の駆動電極120a、120bの一方若しくはこれらに接続する駆動電源パターンに、帯電した導電体が接触する恐れがあり、上記問題を完全に解決するには至らなかった。
【0018】
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、圧電基板の消極を確実に防止するタッチパネル入力装置を提供することを目的とする。
【0019】
また、交流電源回路で生成する駆動電圧の倍電圧を圧電基板へ印加し、より大きな振幅の振動を発生させ、かつ非動作期間での圧電基板120の消極を確実に防止するタッチパネル入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上述の目的を達成するため、請求項1のタッチパネル入力装置は、タッチパネルへの入力操作を検出する入力検出手段と、一組の駆動電極を有し、一面がタッチパネルに沿って固着される圧電基板と、一組の出力端子間に、所定波形の駆動電圧を発生する交流電源回路と、圧電基板の駆動電極を、交流電源回路の出力端子に接離自在とする切換スイッチとを備え、操作エリアへの入力操作を検出した際に、切換スイッチは、一組の駆動電極がそれぞれ一組の対応する出力端子に接続するように、少なくとも圧電基板の一方の駆動電極を出力端子に接続し、一組の駆動電極間に印加される駆動電圧で伸縮する圧電基板によりタッチパネルを振動させ、操作者へ入力操作感を伝えるタッチパネル入力装置であって、
切換スイッチは、タッチパネル入力装置の非動作期間中に、圧電基板の一組の駆動電極間を短絡自在としたことを特徴とする。
【0021】
非動作期間中に、切換スイッチで圧電基板の一組の駆動電極間を短絡すると、いずれか一方の駆動電極が帯電した導電体に触れても、一組の駆動電極間に直流の電界が発生せず、圧電基板が消極しない。
【0022】
請求項2のタッチパネル入力装置は、切換スイッチが、操作エリアへの入力操作を検出した際に、圧電基板の一組の駆動電極と対応する一組の出力端子間の接続を、駆動電圧が零ボルトとなる近傍で交互に切り換え、一組の駆動電極間に交流電源回路で発生する駆動電圧の倍電圧を一組の駆動電極間に印加するとともに、タッチパネル入力装置の非動作期間中に、一組の駆動電極を一組のいずれか一方の出力端子に接続自在としたことを特徴とする。
【0023】
切換スイッチで、一組の駆動電極と対応する一組の出力端子間の接続を、ゼロクロススイッチングで切り換えることにより、交流電源回路で発生する駆動電圧の倍電圧が一組の駆動電極間に印加される。圧電基板の歪みは、電界に比例するので、交流電源回路において、直流電源電圧を高圧に昇圧しなくても、所定の大きさの歪みが発生し、タッチパネルを感知できる充分な振幅で振動させることができる。
【0024】
タッチパネル入力装置の非動作期間中に、一組の駆動電極を一組のいずれか一方の出力端子に接続すると、一組の駆動電極間が短絡し、圧電基板の消極を防止できる。
【発明の効果】
【0025】
請求項1の発明によれば、タッチパネル入力装置を使用しない非動作期間中に、圧電基板の一組の駆動電極間を短絡できるので、圧電基板の圧電定数が低下することなく、タッチパネル入力装置の使用時に入力操作を検出した際、圧電基板に駆動電圧を印加し、確実にタッチパネルを振動させることができる。
【0026】
これに加えて請求項2の発明によれば、圧電基板の一組の駆動電極間に交流電源回路で発生する駆動電圧の倍電圧を得るための切換スイッチを利用して、一組の駆動電極間を非動作期間中に、簡単に短絡させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の第1実施の形態に係るタッチパネル入力装置1を、図1乃至図4で説明する。本実施の形態に係るタッチパネル入力装置1においては、対向面の導電体層を均一な抵抗膜で形成したいわゆる抵抗感圧タブレット方式を採用して、導電体層間の接触と接触位置から入力操作と入力操作位置を検出している。図1は、タッチパネル入力装置1の分解斜視図であり、PET(ポリエチレンテレフタレート)からなる可動板31Aとガラス基板からなる支持基板31Bを互いにわずかな間隙を隔て積層配置し、タッチパネル31が構成されている。
【0028】
可動板31Aと支持基板31Bの対向面には、それぞれ単位長さあたりの抵抗値が等しい可動導電体層32Aと固定導電体層32Bが被着され、また、可動導電体層32Aの図中X方向の両側と、固定導電体層32BのY方向両側に、これらの導電体層32A、32Bへ所定の検出用電位を発生させる為の引き出し電極33が形成される。尚、固定導電体層32Bの一側の引き出し電極33は、後述する圧電基板13の一方の駆動電極13aと兼ねている。
【0029】
支持基板31B上で可動板31Aとの隙間に、タッチパネル31を振動させる震動源となる圧電基板13が固着される。圧電基板13は、圧電単結晶、PZT(チタンジルコン酸鉛)磁器に代表される圧電セラミック、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電材料で形成した単層の基板で、ここでは、機械的な耐久性があり、最も広く利用されているPZT系の圧電磁器材料からなる圧電セラミックス板を用い、図示するように、固定導電体層32Bの側辺に沿うように、細長帯状の薄板に形成している。圧電基板13は、薄板とすることにより、比較的低い駆動電圧で、大きな歪みが発生する。
【0030】
圧電基板13に駆動電圧を印加する一対の駆動電極13a、13bは、導電性金属材料を蒸着、スクリーン印刷等で圧電基板13の対向する表裏両面に付着させた後、焼成等で固着させている。圧電基板13の背面を覆う一方の駆動電極13aは、圧電基板13の長手方向一側で表面に折り返され、表面を覆う他方の駆動電極13bと接触しないように、間隙を隔てて可動板31Aと対向する表面側に露出している。
【0031】
各引き出し電極33と、一組の駆動電極13a、13bは、それぞれ可動板Aの背面側に印刷配線された検出用導電パターン34と、駆動電源パターン35に接続し、コネクタテール36を介して外部に導出され、検出用導電パターン34は、以下のように動作する入力操作検出回路(図示せず)に、駆動電源パターン35は、図2乃至図6に示す切換スイッチ2を介して交流電源回路15に接続している。
【0032】
入力操作検出回路は、タッチパネル入力装置1の待機動作中、いずれか一方の例えば可動導電体層32Aに検出電位を印加して所定の電位とし、他方の固定導電体層32Bを抵抗を介して接地し、その電位を監視する。この待機動作中に、可動板31Aを押圧することによりタッチパネル31を入力操作すると、入力操作位置で可動導電体層32Aと固定導電体層32Bが接触し、可動導電体層32Bから抵抗に電流が流れ、固定導電体層32Bの電位が一定の電位まで上昇する。そこで、所定のしきい値を設定し、固定導電体層32Bの電位が所定のしきい値を越えることで、タッチパネル31へ入力操作が検出される。
【0033】
入力操作検出回路が入力操作を検出すると、交流電源回路15から圧電基板13の一組の駆動電極13a、13b間に所定期間、駆動電圧を印加するが、その動作は、後述する。
【0034】
また、入力操作検出回路による入力操作位置の検出は、X方向と、Y方向のそれぞれを分けて検出する。X方向の入力操作位置を検出する際には、可動導電体層32Aの一側引き出し電極33に座標検出用電圧を印加するとともに、他側の引き出し電極33を接地し、可動導電体層32Aに等しい傾きの電位勾配を形成する。入力操作位置での電位は、可動導電体層32Aと接触する固定導電体層32B側をハイインピーダンスとしておけば、固定導電体層32Bの電位で読み取ることができ、固定導電体層32Bに接続する引き出し電極33にA/Dコンバータなどの電圧検出回路に接続して、入力操作位置の電位を読み取る。可動導電体層32Aには、等しい傾きの電位勾配が形成されているので、入力操作位置の電位は、X方向の距離に比例した値となり、これによって、入力操作位置のX座標を検出する。
【0035】
Y方向の入力操作位置検出は、上記と同様の方法で、固定導電体層32BにY方向の等しい傾きの電位勾配を形成し、固定導電体層32Bに引き出し電極33を介して接続する電圧検出回路から、入力操作位置の電位を読み取る。この入力操作位置の電位は、Y方向の距離に比例した値となり、これによって、入力操作位置のY座標を検出する。
【0036】
このようにX、Y座標検出モードを繰り返し、タッチパネル31の入力操作位置を、X、Y方向で検出し、X座標とY座標からなる入力位置データを図示しないパーソナルコンピュータなどの処理装置へ出力する。
【0037】
図2と図3は、タッチパネル入力装置1の待機動作中に、入力操作を検出した際に、圧電基板13に駆動電圧を印加する交流電源回路15の動作を説明するもので、図1(a)(b)は、出力端子15a、15b間に上昇する傾きの駆動電圧を形成する動作を説明する回路図、図2は、出力端子15a、15b間に降下する傾きの駆動電圧を形成する動作を説明する回路図である。
【0038】
これらの回路図において、3は、例えば5V程度の直流電源を供給する低電圧直流電源、4は、インダクタとなるコイル、5は、コイル4とともに低電圧直流電源3に直列に接続される充電用スイッチである。また、充電用スイッチ5と並列に、直列に接続されたダイオード6とキャパシタとなるコンデンサ7が接続される。ダイオード6は、コイル4からコンデンサ7の方向を順方向とする逆流防止素子であり、後述するように、コンデンサ7が充電された際に、その充電電圧によりコンデンサ7からコイル4へ放電電流が逆流しないようにするものである。
【0039】
コンデンサ7の両端には、更に放電抵抗8と放電用スイッチ9が直列に接続され、直列に接続された放電抵抗8と放電用スイッチ9の両端が、圧電基板13の駆動電極13a、13bに接続する出力端子15a、15bとなっている。
【0040】
上昇する傾きの駆動電圧を形成する際には、放電用スイッチ9は常に開放させる。この状態で、図2(a)に示すように、充電用スイッチ5を閉じると、コイル4を通して図中矢印で示す方向に電流が流れる。この電流は、充電用スイッチ5を閉じてからの時間とともに上昇する。
【0041】
所定時間後に充電用スイッチ5を開き、コイル4に流れる電流を遮断すると、コイル4に電流を継続して流そうとする逆起電力が発生する。この逆起電力の電圧は、ダイオード6を介して接続される圧電基板13の図示しない内部抵抗に依存するが、定数とすれば、充電用スイッチ5を閉じてから開くまでのオン時間にほぼ比例する。一方、ダイオード6は、コイル4からコンデンサ7の方向を順方向とするので、図2(b)に示す矢印方向に充電電流が流れ、コイル4に発生する逆起電力により、コンデンサ7と圧電基板13の内部容量13cが充電される。
【0042】
その後、同様に充電用スイッチ5の開閉を繰り返すと、充電用スイッチ5を開きコイル4に流れる電流を遮断する毎に、コイル4に発生する逆起電力により、コンデンサ7と圧電基板13の内部容量13cが充電され、充電電圧はその直前の充電電位より更にこの逆起電力で上昇する。尚、充電用スイッチ5を閉じコイル4に電流が流れている間に、コンデンサ7と圧電基板13の内部容量13cから流れようとする放電電流は、ダイオード6で遮断されるので、その充電電圧は保たれる。
【0043】
充電用スイッチ5を閉じた後開放させる一周期で、上昇する充電電圧は、その間の圧電基板13の内部抵抗に流れる放電電流とすでに充電されている充電電圧を無視すれば、充電用スイッチ5を開放した際に発生する逆起電力にほぼ等しく、この逆起電力は、前述したように、充電用スイッチ5を閉じてから開くまでのオン時間にほぼ比例する。
【0044】
すなわち、充電用スイッチ5を閉じた後開放させる一周期での充電電圧の上昇分は、充電用スイッチ5を閉じ操作するオン時間により定められ、これを繰り返すことにより、充電電圧の上昇する任意の傾きが得られ、また、この充電電圧は、低電圧直流電源3から昇圧した任意の電圧とすることができる。
【0045】
コンデンサ7の充電電圧を駆動電圧とすれば、出力端子15a、15bに、直流の低電圧を昇圧すると同時に、上昇する任意の傾きの駆動電圧波形が得られる。
【0046】
一方、降下する傾きの駆動電圧を形成する際には、図3に示すように、充電用スイッチ5を常に開放させる。この状態で、図に示すように、放電用スイッチ9を閉じると、放電抵抗8を通して図中矢印で示す方向に放電電流が流れる。放電用スイッチ9を閉じた後のt時間後のコンデンサ7の充電電圧Vtは、閉じる前のコンデンサ7の充電電圧をV0、コンデンサ7の容量と圧電基板13の内部容量13cの和をC、放電抵抗8の抵抗値をとすれば、
【0047】
【数1】
【0048】
と、経過時間tの関数として表される。
【0049】
すなわち、充電電圧の降下分は、放電用スイッチ9を閉じ操作するオン時間により定められ、これを所定期間内で繰り返すことにより、充電電圧の下降する任意の傾きが得られる。
【0050】
従って、出力端子15a、15b間に表れる駆動電圧は、上昇する傾きと下降する傾きが、それぞれ充電用スイッチ5と放電用スイッチ9を開閉制御することにより任意に得られ、これらの制御を連続させることにより、低電圧直流電源3から昇圧させた所要波形の駆動電圧形を得ることができる。
【0051】
この交流電源回路15と圧電基板13間には、図2と図3に示す入力操作を検出した後の所定期間に、交流電源回路15の一組の出力端子15a、15bが一組の対応する駆動電極13a、13bへ接続するように、切換スイッチ2が接続されている。
【0052】
切換スイッチ2は、圧電基板13の一方の駆動電極13bに接続するコモン端子2cを、一組の出力端子15a、15bにそれぞれ接続する切り換え端子2a、2bへ選択的に切り換え接続するもので、入力操作を検出した後の所定期間中、交流電源回路15で発生させた上述の駆動電圧を圧電基板13へ印加し伸縮させるため、図2,図3に示すように、コモン端子2cは、出力端子15bに接続する切り換え端子2b側に切り換えられている。切換スイッチ2は、タッチパネル11への入力操作が終了した後も、少なくともタッチパネル入力装置1に電源が投入されている間、この切り換え状態を維持している。
【0053】
一方、タッチパネル入力装置1の出荷前やタッチパネル入力装置1が搭載された機器の主電源を落としている間など、タッチパネル入力装置1が使用されない非動作期間には、切り換えスイッチ2のコモン端子2cは、図4に示すように、切り換え端子2a側に切り換えらる。切り換え端子2aには、出力端子15aとともに圧電基板13の駆動電極13bへも接続するので、切換スイッチ2を介して圧電基板13の一組の駆動電極13a、13b間は短絡する。
【0054】
従って、非動作期間中に、駆動電極13a、13bやこれらに接続する駆動電源パターン35に、帯電する導電物が予期せずに触れても、一組の駆動電極13a、13b間に直流電圧が加えられることがなく、圧電基板13の消極を防止できる。
【0055】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るタッチパネル入力装置10を図5乃至図10を用いて説明する。第2の実施の形態では、交流電源回路15の動作原理を利用して駆動電圧を発生する交流電源回路20と切換スイッチ30の構成が異なる他は、第1実施の形態に係るタッチパネル入力装置1の構成と同一であるので、共通する構成についてはその説明を省略する。また、交流電源回路20の各回路素子について、交流電源回路15と同一若しくは同様に作用する回路素子についても、同一番号を付してその説明を省略する。
【0056】
図5乃至図9に示すように、交流電源回路20は、コントローラ21のポートP0、P1、P2、P3から出力される制御信号と、PWM出力端子から出力されるパルス制御信号により制御される6種類のスイッチ(SW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6)を備えている。
【0057】
このうち、コイル4とコンデンサ7の接地側電極7b(グランド)間に配設されるスイッチSW2が充電用スイッチ5に相当し、コンデンサ7の高圧側電極7aと接地側電極7bに配設されるスイッチSW4が放電用スイッチ9に相当するものとなる。スイッチSW2には、スイッチSW1を閉じ制御することによりPWM出力端子から出力されるパルス制御信号が入力され、後述するようにパルス制御信号に従って開閉する。また、スイッチSW4には、スイッチSW3を閉じ制御することにより同じPWM出力端子から出力されるパルス制御信号が入力され、入力されたパルス制御信号に従って同様に開閉する。
【0058】
スイッチSW1とスイッチSW3は、電圧波形を形成する間、いずれか一方が選択的に閉じ制御され、従って、スイッチSW2、SW4のいずれか一方がパルス制御信号により開閉し、パルス制御信号が入力されない他方は、開放状態を保っている。また、スイッチSW2、SW4は、パルス制御信号のパルスが入力されている間、閉じ、パルスが休止している間、開放するように制御される。
【0059】
表1に示すように、スイッチSW1とスイッチSW3は、それぞれ、ポートP2とポートP3から「H」レベルの制御信号が出力されている間、閉じ制御され、「L」レベルの制御信号が出力されている間、開放制御される。
【0060】
【表1】
【0061】
また、スイッチSW5とスイッチSW6が、第1実施の形態に係る切換スイッチ2に相当する切換スイッチ30を構成し、交流電源回路20と圧電基板13間に接続される。すなわち、スイッチSW5のコモン端子22aは、圧電基板13の一方の駆動電極13aに接続し、スイッチSW6のコモン端子22bは、圧電基板13の他方の駆動電極13bに接続している。コモン端子22aとの接続が切り換えられるスイッチSW5の切換端子23a、23bは、それぞれコンデンサ7の両端の交流電源回路20の出力となる一組の出力端子20a、20bに接続し、同様に、コモン端子22bとの接続が切り換えられるスイッチSW6の切換端子24a、24bも、それぞれ一組の出力端子20a、20bに接続している。
【0062】
スイッチSW5とスイッチSW6は、それぞれ、ポートP0とポートP1から出力される制御信号により切換制御され、「H」レベルの制御信号が出力されている間、各コモン端子22a、22bを一方の出力端子30aに接続する切換端子23a、24a側に、「L」レベルの制御信号が出力されている間、各コモン端子22a、22bを、他方の出力端子30bに接続する切換端子23b、24b側に切り換える(表1参照)。
【0063】
圧電基板13へ駆動電圧を印加する際に、一組の駆動電極13a、13bが一組の対応する出力端子30a、30b間に接続する状態では、圧電基板13が、10M乃至20MΩの内部抵抗と大きな内部容量を有するので、コンデンサ7の充電電圧はすみやかに下降せず、そこで、得ようとする駆動電圧波形の下降方向の傾きと一致させるように、スイッチSW4と放電抵抗8を用いて強制的にその充電電圧を下降させている。
【0064】
交流電源回路20では、図10(h)に示す正弦電圧波形の駆動電圧を生成するために、1波形の周期をPhase1乃至Phase8の8種類のPhaseに分割し、各Phase毎にスイッチSW1乃至スイッチSW6を開閉制御する。
【0065】
PWM出力端子から出力されるパルス制御信号は、パルス幅変調により1周期に対するパルス幅の比率であるデューティ比(衝撃関数)を、各周期毎に変調信号で変化させた被変調信号であり、Phase1乃至Phase8毎に異なるパルス変調信号が割り当てられる。パルス制御信号の周波数は、ここでは20.80kHzと各Phaseで同一であり、各Phase毎に、2周期のパルス制御信号を1ユニットとするユニット数を設定し、Phase毎の長さを異ならせている。これにより、8種類のPhaseから任意の周期の電圧波形を形成することができる。
【0066】
また、パルス制御信号のデューティ比は、連続する1周期毎に一定の割合で増減し、各Phase毎にこの増減数が設定されている。つまり、デューティ比の初期値及びその増減数と連続するユニット数をPhase毎に設定することにより、パルス制御信号の1周期毎にパルス幅を決定する従来のパルス幅変調方式に比べ、限られた変調データを用いて、他種類のパルス幅とパルス休止幅の組み合わせを設定できる。
【0067】
Phase1とPhase2では、図10(h)に示す正弦電圧波形のゼロクロス位置から極大値をわずかに超えた位置までの電圧波形を形成するもので、図10(a)乃至(d)に示すように、ポートP0、P2を「H」レベル、ポートP1、P3を「L」レベルとして、スイッチSW1を閉じ制御、スイッチSW3を開制御、スイッチSW5のコモン端子22aを切換端子23aに、スイッチSW6のコモン端子22bを切換端子24b側に切り換え制御している(図5参照)。
【0068】
これにより、スイッチSW2は、PWM出力端子から出力されるパルス制御信号により開閉制御されると同時に、放電抵抗8がコンデンサ7との接続から切り離され、スイッチSW2が開閉を繰り返す毎に、コンデンサ7への充電が繰り返される。
【0069】
Phase1で出力されるパルス制御信号は、21ユニット分の長さ、すなわち1ユニットの長さが96μsecであるので約2msecの長さとなり、コンデンサ7の充電電圧が正弦波形のゼロクロス位置から極大値までを描いて増加するように、各周期のパルス制御信号のパルス幅とパルス休止幅が設定される。
【0070】
一方、コンデンサ7の充電電圧は、その両端を切換スイッチ30を介して圧電基板13の一組の駆動電極13a、13bに接続しているので、充電を繰り返している間を含め、常に圧電基板13の内部抵抗を放電電流が流れ、降下しようとしている(以下この降下減少を自然放電という)。また、コイル4に同一の逆起電力が発生する場合しても、充電電圧の上昇は充電電圧に依存し、充電電圧が低い間は簡単に上昇するが、充電電圧が高くなるほど上昇しにくいものとなっている。
【0071】
このため、充電電圧の電圧波形を上昇する傾きの正弦波形とする場合には、充電電圧が低い間は、デューティー比の小さいパルス制御信号でスイッチSW2のオン時間を短く、充電電圧が上昇するにしたがって、デューティー比を徐々に大きくスイッチSW2のオン時間を長く調整して、発生する逆起電力を上げる必要があり、Phase1で出力されるパルス制御信号は、図10(e1)に拡大して示すように、各周期のデューティー比をその直前の1周期のデューティー比に対して一定の割合で増加させている。
【0072】
Phase1のパルス制御信号で充電を繰り返すことにより、Phase1を終了した時点で、図10(g)に示すように、コンデンサ7の高圧側電極7aと接地側電極7b間に+100Vの充電電圧が充電される。
【0073】
Phase2では、コンデンサ7の充電電圧波形が、正弦波形の極大値からその傾きが自然放電による傾きに一致する位置までを描くように、ここでは7ユニット分の長さのパルス制御信号が出力される。すなわち、この期間では、自然放電により充電電圧は降下するが、自然放電により降下する充電電圧の波形は、正弦波形として極大値から連続させる充電電圧の波形より低いので、スイッチSW2をパルス制御信号により開閉制御し、コンデンサ7の充電を繰り返して、正弦波に一致する充電電圧を得るものである。
【0074】
従って、Phase2のパルス制御信号は、1番目の周期のデューティー比がPhase1の最後の周期のデューティー比にほぼ等しく、最後の周期のデューティー比がほぼ0%に収束するように、各周期のデューティー比をその直前の1周期のデューティー比に対して一定の割合で減少させている(図10(e1)参照)。
【0075】
Phase3とPhase4では、充電電圧の電圧波形を、図10(h)に示す正弦電圧波形の自然放電による傾きに一致する位置から次のゼロクロス位置までの電圧波形を形成するもので、Phase1とPhase2の制御信号の出力状態から、ポートP3を「H」レベル、ポートP2を「L」レベルとして、図4に示すように、スイッチSW1を開制御、スイッチSW3を閉じ制御している。
【0076】
これにより、スイッチSW2は、PWM出力端子から切り離されると同時に、スイッチSW4が出力されるパルス制御信号により開閉制御され、パルス制御信号のパルスを入力する間、コンデンサ7の充電電圧が放電抵抗8を流れる放電電流により下降する。
【0077】
このPhase3とPhase4の期間中は、自然放電により降下する充電電圧より、正弦波形とするための充電電圧が低いので、放電抵抗8にパルス制御信号で制御する時間、放電電流を流して強制的に充電電圧を降下させ、正弦波形に一致する充電電圧を得るものである。
【0078】
Phase3では、正弦波形の自然放電による傾きと一致する位置(Phase2の終了位置)から、コンデンサ7の充電電圧波形が、連続して正弦波形に近似した波形を描くように、ここでは7ユニット分の長さのパルス制御信号がスイッチSW4へ出力される。放電抵抗8をコンデンサ7に並列に接続し、コンデンサ7の充電電圧を下降させる際には、充電の場合とは逆に、充電電圧が高い間は簡単に下降するが、充電電圧が低くなるほど下降させにくくなる。従って、Phase3のパルス制御信号は、1番目の周期のデューティー比を0%とし、Phase3内の最後の周期まで、一定の割合でデューティー比を増加させている(図10(f1)参照)。
【0079】
Phase3によるパルス制御信号で放電制御を繰り返し、ある程度まで充電電圧が低下すると、上述したのように充電電圧は下降しにくくなる。そこで、Phase4によるパルス制御信号では、最初の周期のデューティー比をPhase3でのパルス制御信号に比べて大幅に上昇させた40%のデューティー比とし、更に9ユニットからなる最後の周期まで、一定の割合でデューティー比を増加させている(図10(f1)参照)。
【0080】
Phase4のパルス制御信号による放電制御が終了すると、コンデンサ7の充電電圧は、ほぼ0Vまで下降し、これにより一組の出力端子20a、20b間に、図10(g)に示すように、正弦波形の半波を近似した電圧波形が生成される。スイッチSW5のコモン端子(出力端子)22aは切換端子23aに、スイッチSW6のコモン端子(出力端子)22bは切換端子24b側に接続し、切換端子24bは接地されているので、一組の駆動電極13a、13b間に駆動電極13aを+側とする正弦波形の半波を電圧波形とする駆動電圧が印加される。
【0081】
以上の方法によれば、コンデンサ7の充電電圧を低圧の直流電圧を昇圧するとともに、昇降圧させる傾きを任意に設定できるので、充電電圧をそのまま駆動電圧として、昇圧した任意の駆動電圧波形が得られるが、この交流電源回路20では、更に、Phase5からPhase8で、一組の出力端子20a、20b間に、Phase1からPhase4で形成した充電電圧波形と同一の駆動電圧を形成するとともに、一組の出力端子20a、20bと一組の対応する駆動電極13a、13b間相互の接続を切換スイッチ30のスイッチSW5、SW6で、それぞれ他側の接続に切り替え、一組の駆動電極13a、13b間に交流電源回路20で生成される駆動電圧と等しく逆極性の駆動電圧を形成して、コンデンサ7の充電電圧の2倍の駆動電圧で圧電基板13を伸縮させる。
【0082】
すなわちPhase5からPhase8では、表1及び図10(c)(d)に示すように、Phase1からPhase4の制御信号の出力状態から、ポートP0を「L」レベル、ポートP1を「H」レベルとして、図5、図6に示すように、スイッチSW5のコモン端子22aを切換端子23bに、スイッチSW6のコモン端子22bを切換端子24a側に切り換え制御している。
【0083】
その他のスイッチSWの制御信号、及びPWM出力端子から出力されるパルス制御信号は、Phase5がPhase1に、Phase6がPhase2に、Phase7がPhase3に、Phase8がPhase4にそれぞれ対応して同一であり、これによりPhase5からPhase8の間で、図10(g)に示すように、出力端子20a、20b間に、Phase1からPhase4と同一の正弦波形の半波の電圧波形が表れる。
【0084】
その結果、図10(h)に示すように、駆動電極13a、13b(コモン端子22a、22b)には、駆動電極13a側を−側とする正弦波形の半波を電圧波形とする駆動電圧が表れ、Phase1からPhase4間で形成された駆動電圧に連続させることにより、±100Vの正弦波形の駆動電圧が圧電基板13に印加される。
【0085】
圧電基板13は、この±100Vの正弦波形の駆動電圧を駆動電源として伸縮し、固着するタッチパネル31を振動させる。更にPhase1からPhase8を繰り返すことにより、任意の期間発振する正弦波形の駆動電圧が得られ、タッチパネル31はその期間振動する。
【0086】
同様にして、1波形を形成するPhase数、各Phaseで出力されるパルス制御信号、スイッチSWの制御信号を任意に設定することにより、同一の交流電源回路20を用いて種々の駆動電圧波形を形成できる。
【0087】
本実施の形態に係る切換スイッチ30を構成するスイッチSW5とスイッチSW6は、このように倍電圧の出力を得る目的の他、ポートP0、ポートP1の制御信号で相互に独立して切換制御できるので、圧電基板13の駆動電極13a、13b間を簡単に短絡できる。すなわち、図9に示すように、出荷時や主電源をOFFとしてタッチパネル入力装置10を使用しない非動作期間中は、ポートP0とポートP1をいずれも「L」レベルとして(表1参照)、スイッチSW5のコモン端子22aを切換端子23bに、スイッチSW6のコモン端子22bを切換端子24b側に切り換え制御している。
【0088】
これにより、圧電基板13の一組の駆動電極13a、13bは、切換端子23b、24bを介して共通の接地側の出力端子20bに接続される。従って、非動作期間中に、圧電基板13の駆動電極13a、13b間を短絡させることができ、駆動電極13a、13b間に不用意に直流が流れることによる圧電基板13の消極を防止できる。
【0089】
尚、非動作期間中は、圧電基板13に接続するコモン端子22aとコモン端子22bとを、いずれも高圧側の切換端子23a、24aに接続し、駆動電極13a、13b間を短絡させてもよい。
【0090】
上述の各実施の形態では、任意の電圧波形を生成できる交流電源回路15,20を用いているが、交流波形の駆動電圧を生成できれば、他の交流電源回路であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、圧電基板を震動源としてタッチパネルを振動させるタッチパネル入力装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の形態に係るタッチパネル入力装置1の分解斜視図である。
【図2】入力操作を検出した際に、上昇する傾きの駆動電圧を圧電基板13へ印加する交流電源回路15の動作原理を説明する回路図である。
【図3】入力操作を検出した際に、下降する傾きの駆動電圧を圧電基板13へ印加する交流電源回路15の動作原理を説明する回路図である。
【図4】非動作期間中での、タッチパネル入力装置1の切り換えスイッチ2の動作を示す回路図である。
【図5】入力操作を検出した際の交流電源回路20のPhase1とPhase2における各スイッチSWの動作状態を示す回路図である。
【図6】入力操作を検出した際の交流電源回路20のPhase3とPhase4における各スイッチSWの動作状態を示す回路図である。
【図7】入力操作を検出した際の交流電源回路20のPhase5とPhase6における各スイッチSWの動作状態を示す回路図である。
【図8】入力操作を検出した際の交流電源回路20のPhase7とPhase8における各スイッチSWの動作状態を示す回路図である。
【図9】非動作期間中の切り換えスイッチ30の動作を示す回路図である。
【図10】Phase1からPhase8の間の交流電源回路20の各部(a)乃至(h)の波形を示す波形図である。
【図11】圧電基板120を用いた従来のタッチパネル入力装置100の概略構成を示す分解斜視図である。
【図12】昇圧回路を備えた交流電源回路110のブロック図である。
【符号の説明】
【0093】
1 タッチパネル入力装置
2 切換スイッチ
10 タッチパネル入力装置
13 圧電基板
13a、13b 駆動電極
15 交流電源回路
15a、15b 出力端子
20 交流電源回路
20a、20b 出力端子
30 切換スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル(31)への入力操作を検出する入力検出手段と、
一組の駆動電極(13a、13b)を有し、一面がタッチパネル(31)に沿って固着される圧電基板(13)と、
一組の出力端子(15a、15b)間に、所定波形の駆動電圧を発生する交流電源回路(15)と、
圧電基板(13)の駆動電極(13a、13b)を、交流電源回路(15)の出力端子(15a、15b)に接離自在とする切換スイッチ(2)とを備え、
操作エリアへの入力操作を検出した際に、切換スイッチ(2)は、一組の駆動電極(13a、13b)がそれぞれ一組の対応する出力端子(15a、15b)に接続するように、少なくとも圧電基板(13)の一方の駆動電極(13b)を出力端子(15b)に接続し、一組の駆動電極(13a、13b)間に印加される駆動電圧で伸縮する圧電基板(13)によりタッチパネル(31)を振動させ、操作者へ入力操作感を伝えるタッチパネル入力装置であって、
切換スイッチ(2)は、タッチパネル入力装置の非動作期間中に、圧電基板(13)の一組の駆動電極(13a、13b)間を短絡自在としたことを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項2】
切換スイッチ(30)は、操作エリアへの入力操作を検出した際に、圧電基板(13)の一組の駆動電極(13a、13b)と対応する一組の出力端子(20a、20b)間の接続を、駆動電圧が零ボルトとなる近傍で交互に切り換え、一組の駆動電極(13a、13b)間に交流電源回路(20)で発生する駆動電圧の倍電圧を一組の駆動電極(13a、13b)間に印加するとともに、
タッチパネル入力装置の非動作期間中に、一組の駆動電極(13a、13b)を一組のいずれか一方の出力端子(20b)に接続自在としたことを特徴とする請求項1記載のタッチパネル入力装置。
【請求項1】
タッチパネル(31)への入力操作を検出する入力検出手段と、
一組の駆動電極(13a、13b)を有し、一面がタッチパネル(31)に沿って固着される圧電基板(13)と、
一組の出力端子(15a、15b)間に、所定波形の駆動電圧を発生する交流電源回路(15)と、
圧電基板(13)の駆動電極(13a、13b)を、交流電源回路(15)の出力端子(15a、15b)に接離自在とする切換スイッチ(2)とを備え、
操作エリアへの入力操作を検出した際に、切換スイッチ(2)は、一組の駆動電極(13a、13b)がそれぞれ一組の対応する出力端子(15a、15b)に接続するように、少なくとも圧電基板(13)の一方の駆動電極(13b)を出力端子(15b)に接続し、一組の駆動電極(13a、13b)間に印加される駆動電圧で伸縮する圧電基板(13)によりタッチパネル(31)を振動させ、操作者へ入力操作感を伝えるタッチパネル入力装置であって、
切換スイッチ(2)は、タッチパネル入力装置の非動作期間中に、圧電基板(13)の一組の駆動電極(13a、13b)間を短絡自在としたことを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項2】
切換スイッチ(30)は、操作エリアへの入力操作を検出した際に、圧電基板(13)の一組の駆動電極(13a、13b)と対応する一組の出力端子(20a、20b)間の接続を、駆動電圧が零ボルトとなる近傍で交互に切り換え、一組の駆動電極(13a、13b)間に交流電源回路(20)で発生する駆動電圧の倍電圧を一組の駆動電極(13a、13b)間に印加するとともに、
タッチパネル入力装置の非動作期間中に、一組の駆動電極(13a、13b)を一組のいずれか一方の出力端子(20b)に接続自在としたことを特徴とする請求項1記載のタッチパネル入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−39837(P2006−39837A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−217262(P2004−217262)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【Fターム(参考)】
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