タッチパネル及びその製造方法
【課題】ITO(酸化インジウムスズ)を代替できるだけでなく、粘着性及び柔軟性に優れたシリコンで透明基板を形成して、別途の接着層がなくても透明基板に検出電極を形成することができ、透明基板の柔軟性が向上されるタッチパネル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明によるタッチパネル100は、シリコンからなる透明基板110及び透明基板110の一面または両面に金属のメッシュパターンからなる検出電極120を含む構成を有しており、粘着性に優れたシリコンで透明基板110を形成することにより、追加の接着物質がなくても透明基板110に検出電極120を形成することができる。
【解決手段】本発明によるタッチパネル100は、シリコンからなる透明基板110及び透明基板110の一面または両面に金属のメッシュパターンからなる検出電極120を含む構成を有しており、粘着性に優れたシリコンで透明基板110を形成することにより、追加の接着物質がなくても透明基板110に検出電極120を形成することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル技術を用いるコンピュータが発達するにつれて、コンピュータの補助装置もともに開発されており、パソコン、ポータブル伝送装置、その他のプライベート情報処理装置などは、キーボード、マウスのような様々な入力装置(Input Device)を用いてテキスト及びグラフィック処理を行う。
【0003】
しかし、情報化社会の急速な進行により、コンピュータの用途がますます拡大する傾向にあるため、現在入力装置の機能を行うキーボード及びマウスだけでは、製品を効率的に駆動させるのは難しいという問題点がある。従って、簡単で誤操作が少なく、誰でも簡単に情報入力できる機器の必要性が高まっている。
【0004】
また、入力装置に関する技術は、一般的機能を満たす水準を超えて、高信頼性、耐久性、革新性、設計及び加工に関する技術などが注目されており、このような目的を達成するための入力装置として、テキスト、グラフィックなどの情報入力が可能なタッチパネル(Touch Panel)が開発された。
【0005】
このようなタッチパネルは、電子手帳、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device;LCD)、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel;PDP)、エレクトロルミネセンス(Electroluminescence;El)などの平板ディスプレイ装置及びブラウン管(Cathode Ray Tube;CRT)のような画像表示装置の表示面に設けられ、ユーザが映像表示装置を見ながら所望の情報を選択するようにするために利用される機器である。
【0006】
タッチパネルは、抵抗膜方式(Resistive Type)、静電容量方式(Capacitive Type)、電磁気方式(Electro−Magnetic Type)、弾性表面波方式(Surface Acoustic Wave Type;SAW type)及びインフラレッド方式(Infrared Type)に区分される。
【0007】
このような様々な方式のタッチパネルは、信号増幅の問題、解像度の差、設計及び加工技術の難易度、光学的特性、電気的特性、機械的特性、耐環境特性、入力特性、耐久性及び経済性を考慮して電子製品に用いられる。
【0008】
従来技術によるタッチパネルは、通常、タッチを認識する検出電極を酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide;ITO)で形成した。しかし、ITOの場合、原料であるインジウム(Indium)が希土類金属で高価であり、そのため、価格競争力に劣るだけでなく、今後10年内で枯渇が予想されるため、需給が円滑でないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記のような問題点を解決するために導き出されたものであり、本発明の目的は、検出電極に金属のメッシュパターンを用いることにより、ITOを代替できるだけでなく、粘着性及び柔軟性に優れたシリコンで透明基板を形成して、別途の接着層がなくても透明基板に検出電極を形成することができ、透明基板の柔軟性が向上されるタッチパネル及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の好ましい実施例によるタッチパネルは、シリコンからなる透明基板及び前記透明基板の一面または両面に、金属のメッシュパターンからなる検出電極を含んで構成される。
【0011】
ここで、前記シリコンは、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane)、ポリメチルヒドロシロキサン(Polymethylhydrosiloxane)、ポリメチルフェニルシロキサン(Polymethylphenylsiloxane)及びポリジフェニルシロキサン(Polydiphenylsiloxane)からなる群から選ばれる何れか一つであることを特徴とする。
【0012】
また、前記シリコンからなる前記透明基板は、粘着性を有することを特徴とする。
【0013】
また、前記検出電極は、銅箔がメッシュパターンにパターニングされて形成されることを特徴とする。
【0014】
また、前記検出電極の表面には、黒化処理が施されたことを特徴とする。
【0015】
また、前記検出電極の外部には、電極配線が形成されたことを特徴とする。
【0016】
また、前記検出電極と前記電極配線は、一体に形成されることを特徴とする。
【0017】
本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法は、(A)シリコンからなる透明基板の一面または両面に金属箔を積層する段階と、(B)前記金属箔を選択的にパターニングしてメッシュパターンからなる検出電極を形成する段階、とを含んで構成される。
【0018】
ここで、前記(A)段階における前記シリコンは、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane)、ポリメチルヒドロシロキサン(Polymethylhydrosiloxane)、ポリメチルフェニルシロキサン(Polymethylphenylsiloxane)及びポリジフェニルシロキサン(Polydiphenylsiloxane)からなる群から選ばれる何れか一つであることを特徴する。
【0019】
また、前記(A)段階における前記金属箔は、銅箔であることを特徴とする。
【0020】
また、前記(A)段階以前に、前記銅箔の表面に黒化処理を施す段階をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
また、前記(A)段階における前記シリコンからなる前記透明基板は、粘着性を有することを特徴とする。
【0022】
また、前記(A)段階の以前または以降に、前記金属箔にエッチングレジストを積層する段階をさらに含み、前記(B)段階は、(B1)前記エッチングレジストをパターニングして開口部を形成する段階と、(B2)前記エッチングレジストの前記開口部を介して露出された前記金属箔を選択的にエッチングしてパターニングすることにより、前記メッシュパターンからなる前記検出電極を形成する段階と、を含むことを特徴とする。
【0023】
また、前記エッチングレジストは、ドライフィルムであり、前記(B1)段階は、前記ドライフィルムにアートワークフィルムを配置する段階と、前記ドライフィルムを露光して選択的に硬化させる段階と、前記ドライフィルムから硬化された部分を除いた部分を除去することにより前記ドライフィルムをパターニングして開口部を形成する段階と、を含むことを特徴とする。
【0024】
また、前記金属箔に前記エッチングレジストを積層する段階において、前記エッチングレジストは、ドライフィルムであって、前記ドライフィルムの一面が前記金属箔に接触する際、前記ドライフィルムの他面には、保護層が備えられたことを特徴とする。
【0025】
本発明の特徴及び利点は、添付図面に基づく以下の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
【0026】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に従って本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、金属のメッシュパターンで検出電極を形成して高価のITOを代替することにより、タッチパネルの価格競争力を確保することができるという効果がある。
【0028】
また、本発明によると、最後に検出電極を形成する金属箔に黒化処理を施すことにより、検出電極に光が反射することを防止することができ、それによりタッチパネルの視認性を向上することができるという長所がある。
【0029】
更に、本発明によると、粘着性に優れたシリコンで透明基板を形成することにより、追加の接着物質がなくても透明基板に検出電極を形成することができる。従って、タッチパネルの製造工程を単純化することができ、製造コストを節減することができるという効果がある。また、シリコンからなる透明基板は、柔軟性に優れるという長所もある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの断面図である。
【図2】本発明の好ましい実施例に従って製造したタッチパネルの平面図である。
【図3】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(1)である。
【図4】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(2)である。
【図5】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(3)である。
【図6】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(4)である。
【図7A】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(5−1)である。
【図7B】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(5−2)である。
【図8】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(6)である。
【図9】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(7)である。
【図10】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(8)である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにあたり、係わる公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0032】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの断面図であり、図2は、本発明の好ましい実施例に従って製造したタッチパネルの平面図である。
【0034】
図1乃至図2に図示したように、本実施例によるタッチパネル100は、シリコン(Silicone)からなる透明基板110及び透明基板110の一面又は両面に、金属のメッシュパターン(Mesh Pattern)からなる検出電極120を含む構成を有している。
【0035】
前記透明基板110は、検出電極120が形成される領域を提供する機能を行う。
【0036】
ここで、透明基板110は、シリコンからなり、より具体的に、前記シリコンは、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane)、ポリメチルヒドロシロキサン(Polymethylhydrosiloxane)、ポリメチルフェニルシロキサン(Polymethylphenylsiloxane)及びポリジフェニルシロキサン(Polydiphenylsiloxane)からなる群から選択される何れか一つであることが好ましい。
【0037】
透明基板110をシリコンで形成することにより、透明基板110は、所定強度以上の支持力を有して検出電極120を安定的に支持することができる。さらに、シリコンからなる透明基板110は、粘着性を有するため、追加の接着物質がなくても透明基板110に直接検出電極120を形成することができる。
【0038】
従って、タッチパネル100の製造工程を単純化することができ、製造コストを節減することができるという効果がある。
【0039】
但し、透明基板110に追加の接着物質が存在してはいけないと規定されておらず、透明基板110と検出電極120との間の接着力を強化するために、透明基板110にプライマー処理を施すことも可能である。また、シリコンからなる透明基板110は、柔軟性に優れているという長所がある。
【0040】
前記検出電極120は、タッチの際、入力手段が信号を発生してコントローラーでタッチ座標を認識できるようにする機能を行うものであって、透明基板110に形成される。
【0041】
ここで、検出電極120は、金属のメッシュパターンからなる。この際、検出電極120を形成する金属の成分は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)またはこれらの組み合わせであることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0042】
また、検出電極120は、金属箔をメッシュパターンにパターニングして形成することができ(図8乃至図9参照)、この際、金属箔には、銅箔を用いることが好ましい。金属箔をメッシュパターンにパターニングする工程は、タッチパネル100の製造方法で具体的に記述する。
【0043】
上述したように、本実施例によるタッチパネル100は、検出電極120を金属のメッシュパターンで形成するため、高価のITOで検出電極120を形成する従来技術に比べて価格競争力を確保することができるという効果がある。
【0044】
また、図面上(図1参照)の検出電極120は、透明基板110の両面に形成されたが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、検出電極120は、透明基板110の一面のみに形成されることができるのは言うまでもない。
【0045】
一方、銅箔をメッシュパターンにパターニングして検出電極120を形成する場合、検出電極120の表面には、黒化処理面127を形成することが好ましい。
【0046】
ここで、黒化処理とは、検出電極120の表面を酸化させて、Cu2OまたはCuOを析出するものであって、Cu2Oは褐色を帯びるため、ブラウンオキサイド(Blown oxide)といい、CuOは黒色を帯びるため、ブラックオキサイド(Black oxide)という。検出電極120の表面に黒化処理を施すことにより、検出電極120に光が反射することを防止することができ、それによりタッチパネル100の視認性を向上させることができるという長所がある。
【0047】
また、図2に図示したように、検出電極120の外部には、検出電極120から電気的信号を伝達される電極配線150が形成される。
【0048】
ここで、電極配線150は、検出電極120と同一の成分を用いて一体に形成することができる。すなわち、金属箔をパターニングする際、検出電極120を形成するとともに、電極配線150を形成する。
【0049】
但し、これは、例示的なものに過ぎず、電極配線150は、スクリーン印刷法(Screen Printing)、グラビア印刷法(Gravure Printing)またはインクジェット印刷法(Inkjet Printing)などを用いて検出電極120と別に印刷することができる。
【0050】
この際、電極配線150の材料としては、電気伝導度に優れた銀ペースト(Ag paste)または有機銀からなる物質だけでなく、伝導性高分子、カーボンブラック(CNTを含む)、ITOのような金属酸化物や金属類など低抵抗金属を用いることができる。
【0051】
一方、図面上の電極配線150は、検出電極120の一端にのみ連結されているが、これは、例示的なものであって、タッチパネル100の方式に応じて検出電極120の両端に連結されることができるというのは言うまでもない。
【0052】
図3乃至図10は、本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図である。
【0053】
図3乃至図10に図示したように、本実施例によるタッチパネル100の製造方法は、(A)シリコンからなる透明基板110の一面または両面に金属箔125を積層する段階と、(B)金属箔125を選択的にパターニングしてメッシュパターンからなる検出電極120を形成する段階と、を含む構成を有している。
【0054】
まず、図3に図示したように、金属箔125を準備する段階について説明する。
【0055】
ここで、金属箔125は、銅箔であることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、金属箔125の成分は、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)またはこれらの組み合わせであることができる。
【0056】
次に、図4に図示したように、金属箔125が銅箔である場合、銅箔125の表面に黒化処理を施す段階について説明する。
【0057】
ここで、黒化処理とは、100℃以上の温度で銅箔125に熱処理を施すものであって、銅箔125の表面を酸化させることを特徴とする。
【0058】
本段階で銅箔125の表面に黒化処理面127を形成することにより、後述する段階で銅箔125をパターニングして検出電極120を形成すると、検出電極120の表面にも黒化処理面127が残り、これにより検出電極120に光が反射することを防止することができる。
【0059】
次に、図5に図示したように、金属箔125にエッチングレジスト130を積層する段階について説明する。
【0060】
ここで、エッチングレジスト130としては、ドライフィルム(Dry Film)を用いることが好ましい。
【0061】
以下、エッチングレジスト130をドライフィルムを基準に説明するが、エッチングレジスト130は、ドライフィルムに限定されるものではなく、液体状態の感光材など当業界に公知されたすべての種類のエッチングレジストを用いることができるというのは言うまでもない。また、エッチングレジスト130がドライフィルムである場合、ドライフィルム130を支持する保護層137を備えることができる。
【0062】
すなわち、ドライフィルム130の一面が金属箔125に接触する際、ドライフィルム130の他面には、保護層137が備えられる。ここで、保護層137は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などで形成されることができる。
【0063】
一方、本段階(金属箔125にエッチングレジスト130を積層する段階)は、必要に応じて、次の段階(透明基板110に金属箔125を積層する段階)以降に行われることもできる。
【0064】
次に、図6に図示したように、透明基板110に金属箔125を積層する段階を説明する。
【0065】
ここで、透明基板110は、シリコンからなり、前記シリコンは、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane)、ポリメチルヒドロシロキサン(Polymethylhydrosiloxane)、ポリメチルフェニルシロキサン(Polymethylphenylsiloxane)及びポリジフェニルシロキサン(Polydiphenylsiloxane)からなる群から選択される何れか一つであることが好ましい。
【0066】
シリコンからなる透明基板110は、粘着性を有するため、追加の接着物質がなくても金属箔125を透明基板110に直接積層して固定することができる。
【0067】
但し、追加の接着物質が存在してはいけないと規定されておらず、透明基板110と金属箔125の接着力を強化するために、金属箔125を積層する前に透明基板110にプライマー処理を施すことができる。一方、図面上の金属箔125は、透明基板110の両面に積層されたが、必要に応じて透明基板110の一面にのみ積層されることができる。
【0068】
次に、図7A乃至図7Bに図示したように、ドライフィルム130にアートワークフィルム140を配置し、ドライフィルム130を露光して選択的に硬化させる段階について説明する。
【0069】
具体的に、ドライフィルム130にアートワークフィルム140を配置し、紫外線を照射してドライフィルム130を露光すると、ドライフィルム130は選択的に硬化される。この際、ドライフィルム130を露光させる工程は、透明基板110を中心に両側に備えられた2つのドライフィルム130において同時に行われるか、一つずつ行われることができる。
【0070】
一方、図7Aに図示したように、保護層137をドライフィルム130から除去した後、ドライフィルム130を露光させることができるが、図7Bに図示したように、保護層137をドライフィルム130から除去せず、ドライフィルム130を露光させることもできる。このように、ドライフィルム130から保護層137を除去しない状態で2つのドライフィルム130を一つずつ露光する場合、保護層137はドライフィルム130にスクラッチ(Scratch)が発生したり汚染(Contamination)が発生することを防止することができる効果がある。
【0071】
次に、図8に図示したように、ドライフィルム130から硬化された部分を除いた部分を除去することにより、ドライフィルム130をパターニングして開口部135を形成する段階について説明する。
【0072】
以前段階でドライフィルム130を選択的に硬化させたため、本段階で、炭酸ナトリウム(Na2CO3)または炭酸カリウム(K2CO3)などの現像液を用いてドライフィルム130から硬化されていない部分を溶解して除去することができる。ドライフィルム130を選択的に除去することにより、開口部135が形成されるようにパターニングすることができる。
【0073】
次に、図9に図示したように、ドライフィルム130の開口部135を介して露出された金属箔125を選択的にエッチングしてパターニングすることにより、メッシュパターンの検出電極120を形成する段階について説明する。
【0074】
ドライフィルムの開口部135を通してエッチング液を供給すると、ドライフィルム130から露出された金属箔125は、選択的にエッチングされ、金属箔125をパターニングすることができる。金属箔125を選択的にパターニングする結果、メッシュパターンの検出電極120を形成することができる。
【0075】
ここで、金属箔125をエッチングする際に、塩化鉄(FeCl3)エッチャント、塩化第二銅(CuCl2)エッチャント、アルカリエッチャント、過酸化水素/硫酸系(H2O2/H2SO4)エッチャントなどを用いることができる。
【0076】
次に、図10に図示したように、ドライフィルム130を検出電極120から除去する段階について説明する。
【0077】
検出電極120の形成が完了すると、ドライフィルム130は、その役目が終わったため、剥離液を用いて除去する。
【0078】
ここで、ドライフィルム130は、NaOHまたはKOHなどの剥離液を用いて剥離する。具体的に、剥離液のOH−とドライフィルム130のカルボキシル基(COOH+)が結合する過程においてドライフィルム130が剥離され、それにより検出電極120から剥離される。
【0079】
ドライフィルム130を検出電極120から除去すると、シリコンからなる透明基板110及び透明基板110に金属のメッシュパターンからなる検出電極120を含むタッチパネル100の製造を完了することができる。
【0080】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは、本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明によるタッチパネル及びその製造方法は、これに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0081】
本発明の単純な変形乃至変更は、いずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、タッチパネル及びその製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0083】
100 タッチパネル
110 透明基板
120 検出電極
125 金属箔(銅箔)
127 黒化処理面
130 エッチングレジスト(ドライフィルム)
135 開口部
137 保護層
140 アートワークフィルム
150 電極配線
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル技術を用いるコンピュータが発達するにつれて、コンピュータの補助装置もともに開発されており、パソコン、ポータブル伝送装置、その他のプライベート情報処理装置などは、キーボード、マウスのような様々な入力装置(Input Device)を用いてテキスト及びグラフィック処理を行う。
【0003】
しかし、情報化社会の急速な進行により、コンピュータの用途がますます拡大する傾向にあるため、現在入力装置の機能を行うキーボード及びマウスだけでは、製品を効率的に駆動させるのは難しいという問題点がある。従って、簡単で誤操作が少なく、誰でも簡単に情報入力できる機器の必要性が高まっている。
【0004】
また、入力装置に関する技術は、一般的機能を満たす水準を超えて、高信頼性、耐久性、革新性、設計及び加工に関する技術などが注目されており、このような目的を達成するための入力装置として、テキスト、グラフィックなどの情報入力が可能なタッチパネル(Touch Panel)が開発された。
【0005】
このようなタッチパネルは、電子手帳、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device;LCD)、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel;PDP)、エレクトロルミネセンス(Electroluminescence;El)などの平板ディスプレイ装置及びブラウン管(Cathode Ray Tube;CRT)のような画像表示装置の表示面に設けられ、ユーザが映像表示装置を見ながら所望の情報を選択するようにするために利用される機器である。
【0006】
タッチパネルは、抵抗膜方式(Resistive Type)、静電容量方式(Capacitive Type)、電磁気方式(Electro−Magnetic Type)、弾性表面波方式(Surface Acoustic Wave Type;SAW type)及びインフラレッド方式(Infrared Type)に区分される。
【0007】
このような様々な方式のタッチパネルは、信号増幅の問題、解像度の差、設計及び加工技術の難易度、光学的特性、電気的特性、機械的特性、耐環境特性、入力特性、耐久性及び経済性を考慮して電子製品に用いられる。
【0008】
従来技術によるタッチパネルは、通常、タッチを認識する検出電極を酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide;ITO)で形成した。しかし、ITOの場合、原料であるインジウム(Indium)が希土類金属で高価であり、そのため、価格競争力に劣るだけでなく、今後10年内で枯渇が予想されるため、需給が円滑でないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記のような問題点を解決するために導き出されたものであり、本発明の目的は、検出電極に金属のメッシュパターンを用いることにより、ITOを代替できるだけでなく、粘着性及び柔軟性に優れたシリコンで透明基板を形成して、別途の接着層がなくても透明基板に検出電極を形成することができ、透明基板の柔軟性が向上されるタッチパネル及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の好ましい実施例によるタッチパネルは、シリコンからなる透明基板及び前記透明基板の一面または両面に、金属のメッシュパターンからなる検出電極を含んで構成される。
【0011】
ここで、前記シリコンは、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane)、ポリメチルヒドロシロキサン(Polymethylhydrosiloxane)、ポリメチルフェニルシロキサン(Polymethylphenylsiloxane)及びポリジフェニルシロキサン(Polydiphenylsiloxane)からなる群から選ばれる何れか一つであることを特徴とする。
【0012】
また、前記シリコンからなる前記透明基板は、粘着性を有することを特徴とする。
【0013】
また、前記検出電極は、銅箔がメッシュパターンにパターニングされて形成されることを特徴とする。
【0014】
また、前記検出電極の表面には、黒化処理が施されたことを特徴とする。
【0015】
また、前記検出電極の外部には、電極配線が形成されたことを特徴とする。
【0016】
また、前記検出電極と前記電極配線は、一体に形成されることを特徴とする。
【0017】
本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法は、(A)シリコンからなる透明基板の一面または両面に金属箔を積層する段階と、(B)前記金属箔を選択的にパターニングしてメッシュパターンからなる検出電極を形成する段階、とを含んで構成される。
【0018】
ここで、前記(A)段階における前記シリコンは、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane)、ポリメチルヒドロシロキサン(Polymethylhydrosiloxane)、ポリメチルフェニルシロキサン(Polymethylphenylsiloxane)及びポリジフェニルシロキサン(Polydiphenylsiloxane)からなる群から選ばれる何れか一つであることを特徴する。
【0019】
また、前記(A)段階における前記金属箔は、銅箔であることを特徴とする。
【0020】
また、前記(A)段階以前に、前記銅箔の表面に黒化処理を施す段階をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
また、前記(A)段階における前記シリコンからなる前記透明基板は、粘着性を有することを特徴とする。
【0022】
また、前記(A)段階の以前または以降に、前記金属箔にエッチングレジストを積層する段階をさらに含み、前記(B)段階は、(B1)前記エッチングレジストをパターニングして開口部を形成する段階と、(B2)前記エッチングレジストの前記開口部を介して露出された前記金属箔を選択的にエッチングしてパターニングすることにより、前記メッシュパターンからなる前記検出電極を形成する段階と、を含むことを特徴とする。
【0023】
また、前記エッチングレジストは、ドライフィルムであり、前記(B1)段階は、前記ドライフィルムにアートワークフィルムを配置する段階と、前記ドライフィルムを露光して選択的に硬化させる段階と、前記ドライフィルムから硬化された部分を除いた部分を除去することにより前記ドライフィルムをパターニングして開口部を形成する段階と、を含むことを特徴とする。
【0024】
また、前記金属箔に前記エッチングレジストを積層する段階において、前記エッチングレジストは、ドライフィルムであって、前記ドライフィルムの一面が前記金属箔に接触する際、前記ドライフィルムの他面には、保護層が備えられたことを特徴とする。
【0025】
本発明の特徴及び利点は、添付図面に基づく以下の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
【0026】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に従って本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、金属のメッシュパターンで検出電極を形成して高価のITOを代替することにより、タッチパネルの価格競争力を確保することができるという効果がある。
【0028】
また、本発明によると、最後に検出電極を形成する金属箔に黒化処理を施すことにより、検出電極に光が反射することを防止することができ、それによりタッチパネルの視認性を向上することができるという長所がある。
【0029】
更に、本発明によると、粘着性に優れたシリコンで透明基板を形成することにより、追加の接着物質がなくても透明基板に検出電極を形成することができる。従って、タッチパネルの製造工程を単純化することができ、製造コストを節減することができるという効果がある。また、シリコンからなる透明基板は、柔軟性に優れるという長所もある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの断面図である。
【図2】本発明の好ましい実施例に従って製造したタッチパネルの平面図である。
【図3】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(1)である。
【図4】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(2)である。
【図5】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(3)である。
【図6】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(4)である。
【図7A】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(5−1)である。
【図7B】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(5−2)である。
【図8】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(6)である。
【図9】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(7)である。
【図10】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図(8)である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにあたり、係わる公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0032】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの断面図であり、図2は、本発明の好ましい実施例に従って製造したタッチパネルの平面図である。
【0034】
図1乃至図2に図示したように、本実施例によるタッチパネル100は、シリコン(Silicone)からなる透明基板110及び透明基板110の一面又は両面に、金属のメッシュパターン(Mesh Pattern)からなる検出電極120を含む構成を有している。
【0035】
前記透明基板110は、検出電極120が形成される領域を提供する機能を行う。
【0036】
ここで、透明基板110は、シリコンからなり、より具体的に、前記シリコンは、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane)、ポリメチルヒドロシロキサン(Polymethylhydrosiloxane)、ポリメチルフェニルシロキサン(Polymethylphenylsiloxane)及びポリジフェニルシロキサン(Polydiphenylsiloxane)からなる群から選択される何れか一つであることが好ましい。
【0037】
透明基板110をシリコンで形成することにより、透明基板110は、所定強度以上の支持力を有して検出電極120を安定的に支持することができる。さらに、シリコンからなる透明基板110は、粘着性を有するため、追加の接着物質がなくても透明基板110に直接検出電極120を形成することができる。
【0038】
従って、タッチパネル100の製造工程を単純化することができ、製造コストを節減することができるという効果がある。
【0039】
但し、透明基板110に追加の接着物質が存在してはいけないと規定されておらず、透明基板110と検出電極120との間の接着力を強化するために、透明基板110にプライマー処理を施すことも可能である。また、シリコンからなる透明基板110は、柔軟性に優れているという長所がある。
【0040】
前記検出電極120は、タッチの際、入力手段が信号を発生してコントローラーでタッチ座標を認識できるようにする機能を行うものであって、透明基板110に形成される。
【0041】
ここで、検出電極120は、金属のメッシュパターンからなる。この際、検出電極120を形成する金属の成分は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)またはこれらの組み合わせであることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0042】
また、検出電極120は、金属箔をメッシュパターンにパターニングして形成することができ(図8乃至図9参照)、この際、金属箔には、銅箔を用いることが好ましい。金属箔をメッシュパターンにパターニングする工程は、タッチパネル100の製造方法で具体的に記述する。
【0043】
上述したように、本実施例によるタッチパネル100は、検出電極120を金属のメッシュパターンで形成するため、高価のITOで検出電極120を形成する従来技術に比べて価格競争力を確保することができるという効果がある。
【0044】
また、図面上(図1参照)の検出電極120は、透明基板110の両面に形成されたが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、検出電極120は、透明基板110の一面のみに形成されることができるのは言うまでもない。
【0045】
一方、銅箔をメッシュパターンにパターニングして検出電極120を形成する場合、検出電極120の表面には、黒化処理面127を形成することが好ましい。
【0046】
ここで、黒化処理とは、検出電極120の表面を酸化させて、Cu2OまたはCuOを析出するものであって、Cu2Oは褐色を帯びるため、ブラウンオキサイド(Blown oxide)といい、CuOは黒色を帯びるため、ブラックオキサイド(Black oxide)という。検出電極120の表面に黒化処理を施すことにより、検出電極120に光が反射することを防止することができ、それによりタッチパネル100の視認性を向上させることができるという長所がある。
【0047】
また、図2に図示したように、検出電極120の外部には、検出電極120から電気的信号を伝達される電極配線150が形成される。
【0048】
ここで、電極配線150は、検出電極120と同一の成分を用いて一体に形成することができる。すなわち、金属箔をパターニングする際、検出電極120を形成するとともに、電極配線150を形成する。
【0049】
但し、これは、例示的なものに過ぎず、電極配線150は、スクリーン印刷法(Screen Printing)、グラビア印刷法(Gravure Printing)またはインクジェット印刷法(Inkjet Printing)などを用いて検出電極120と別に印刷することができる。
【0050】
この際、電極配線150の材料としては、電気伝導度に優れた銀ペースト(Ag paste)または有機銀からなる物質だけでなく、伝導性高分子、カーボンブラック(CNTを含む)、ITOのような金属酸化物や金属類など低抵抗金属を用いることができる。
【0051】
一方、図面上の電極配線150は、検出電極120の一端にのみ連結されているが、これは、例示的なものであって、タッチパネル100の方式に応じて検出電極120の両端に連結されることができるというのは言うまでもない。
【0052】
図3乃至図10は、本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの製造方法を工程順に図示した工程断面図である。
【0053】
図3乃至図10に図示したように、本実施例によるタッチパネル100の製造方法は、(A)シリコンからなる透明基板110の一面または両面に金属箔125を積層する段階と、(B)金属箔125を選択的にパターニングしてメッシュパターンからなる検出電極120を形成する段階と、を含む構成を有している。
【0054】
まず、図3に図示したように、金属箔125を準備する段階について説明する。
【0055】
ここで、金属箔125は、銅箔であることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、金属箔125の成分は、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)またはこれらの組み合わせであることができる。
【0056】
次に、図4に図示したように、金属箔125が銅箔である場合、銅箔125の表面に黒化処理を施す段階について説明する。
【0057】
ここで、黒化処理とは、100℃以上の温度で銅箔125に熱処理を施すものであって、銅箔125の表面を酸化させることを特徴とする。
【0058】
本段階で銅箔125の表面に黒化処理面127を形成することにより、後述する段階で銅箔125をパターニングして検出電極120を形成すると、検出電極120の表面にも黒化処理面127が残り、これにより検出電極120に光が反射することを防止することができる。
【0059】
次に、図5に図示したように、金属箔125にエッチングレジスト130を積層する段階について説明する。
【0060】
ここで、エッチングレジスト130としては、ドライフィルム(Dry Film)を用いることが好ましい。
【0061】
以下、エッチングレジスト130をドライフィルムを基準に説明するが、エッチングレジスト130は、ドライフィルムに限定されるものではなく、液体状態の感光材など当業界に公知されたすべての種類のエッチングレジストを用いることができるというのは言うまでもない。また、エッチングレジスト130がドライフィルムである場合、ドライフィルム130を支持する保護層137を備えることができる。
【0062】
すなわち、ドライフィルム130の一面が金属箔125に接触する際、ドライフィルム130の他面には、保護層137が備えられる。ここで、保護層137は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などで形成されることができる。
【0063】
一方、本段階(金属箔125にエッチングレジスト130を積層する段階)は、必要に応じて、次の段階(透明基板110に金属箔125を積層する段階)以降に行われることもできる。
【0064】
次に、図6に図示したように、透明基板110に金属箔125を積層する段階を説明する。
【0065】
ここで、透明基板110は、シリコンからなり、前記シリコンは、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane)、ポリメチルヒドロシロキサン(Polymethylhydrosiloxane)、ポリメチルフェニルシロキサン(Polymethylphenylsiloxane)及びポリジフェニルシロキサン(Polydiphenylsiloxane)からなる群から選択される何れか一つであることが好ましい。
【0066】
シリコンからなる透明基板110は、粘着性を有するため、追加の接着物質がなくても金属箔125を透明基板110に直接積層して固定することができる。
【0067】
但し、追加の接着物質が存在してはいけないと規定されておらず、透明基板110と金属箔125の接着力を強化するために、金属箔125を積層する前に透明基板110にプライマー処理を施すことができる。一方、図面上の金属箔125は、透明基板110の両面に積層されたが、必要に応じて透明基板110の一面にのみ積層されることができる。
【0068】
次に、図7A乃至図7Bに図示したように、ドライフィルム130にアートワークフィルム140を配置し、ドライフィルム130を露光して選択的に硬化させる段階について説明する。
【0069】
具体的に、ドライフィルム130にアートワークフィルム140を配置し、紫外線を照射してドライフィルム130を露光すると、ドライフィルム130は選択的に硬化される。この際、ドライフィルム130を露光させる工程は、透明基板110を中心に両側に備えられた2つのドライフィルム130において同時に行われるか、一つずつ行われることができる。
【0070】
一方、図7Aに図示したように、保護層137をドライフィルム130から除去した後、ドライフィルム130を露光させることができるが、図7Bに図示したように、保護層137をドライフィルム130から除去せず、ドライフィルム130を露光させることもできる。このように、ドライフィルム130から保護層137を除去しない状態で2つのドライフィルム130を一つずつ露光する場合、保護層137はドライフィルム130にスクラッチ(Scratch)が発生したり汚染(Contamination)が発生することを防止することができる効果がある。
【0071】
次に、図8に図示したように、ドライフィルム130から硬化された部分を除いた部分を除去することにより、ドライフィルム130をパターニングして開口部135を形成する段階について説明する。
【0072】
以前段階でドライフィルム130を選択的に硬化させたため、本段階で、炭酸ナトリウム(Na2CO3)または炭酸カリウム(K2CO3)などの現像液を用いてドライフィルム130から硬化されていない部分を溶解して除去することができる。ドライフィルム130を選択的に除去することにより、開口部135が形成されるようにパターニングすることができる。
【0073】
次に、図9に図示したように、ドライフィルム130の開口部135を介して露出された金属箔125を選択的にエッチングしてパターニングすることにより、メッシュパターンの検出電極120を形成する段階について説明する。
【0074】
ドライフィルムの開口部135を通してエッチング液を供給すると、ドライフィルム130から露出された金属箔125は、選択的にエッチングされ、金属箔125をパターニングすることができる。金属箔125を選択的にパターニングする結果、メッシュパターンの検出電極120を形成することができる。
【0075】
ここで、金属箔125をエッチングする際に、塩化鉄(FeCl3)エッチャント、塩化第二銅(CuCl2)エッチャント、アルカリエッチャント、過酸化水素/硫酸系(H2O2/H2SO4)エッチャントなどを用いることができる。
【0076】
次に、図10に図示したように、ドライフィルム130を検出電極120から除去する段階について説明する。
【0077】
検出電極120の形成が完了すると、ドライフィルム130は、その役目が終わったため、剥離液を用いて除去する。
【0078】
ここで、ドライフィルム130は、NaOHまたはKOHなどの剥離液を用いて剥離する。具体的に、剥離液のOH−とドライフィルム130のカルボキシル基(COOH+)が結合する過程においてドライフィルム130が剥離され、それにより検出電極120から剥離される。
【0079】
ドライフィルム130を検出電極120から除去すると、シリコンからなる透明基板110及び透明基板110に金属のメッシュパターンからなる検出電極120を含むタッチパネル100の製造を完了することができる。
【0080】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは、本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明によるタッチパネル及びその製造方法は、これに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0081】
本発明の単純な変形乃至変更は、いずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、タッチパネル及びその製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0083】
100 タッチパネル
110 透明基板
120 検出電極
125 金属箔(銅箔)
127 黒化処理面
130 エッチングレジスト(ドライフィルム)
135 開口部
137 保護層
140 アートワークフィルム
150 電極配線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンからなる透明基板と、
前記透明基板の一面または両面に金属のメッシュパターンからなる検出電極と、
を含むことを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記シリコンは、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane)、ポリメチルヒドロシロキサン(Polymethylhydrosiloxane)、ポリメチルフェニルシロキサン(Polymethylphenylsiloxane)及びポリジフェニルシロキサン(Polydiphenylsiloxane)からなる群から選ばれる何れか一つであることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記シリコンからなる前記透明基板は粘着性を有することを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記検出電極は、銅箔がメッシュパターンにパターニングされて形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記検出電極の表面には黒化処理が施されることを特徴とする請求項4に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記検出電極の外部には電極配線が形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記検出電極と前記電極配線は、一体に形成されることを特徴とする請求項6に記載のタッチパネル。
【請求項8】
(A)シリコンからなる透明基板の一面または両面に金属箔を積層する段階と、
(B)前記金属箔を選択的にパターニングしてメッシュパターンからなる検出電極を形成する段階、と
を含むことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項9】
前記(A)段階における前記シリコンは、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane)、ポリメチルヒドロシロキサン(Polymethylhydrosiloxane)、ポリメチルフェニルシロキサン(Polymethylphenylsiloxane)及びポリジフェニルシロキサン(Polydiphenylsiloxane)からなる群から選ばれる何れか一つであることを特徴する請求項8に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項10】
前記(A)段階における前記金属箔は銅箔であることを特徴とする請求項8に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項11】
前記(A)段階以前に、前記銅箔の表面に黒化処理を施す段階をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項12】
前記(A)段階における前記シリコンからなる前記透明基板は粘着性を有することを特徴とする請求項8に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項13】
前記(A)段階の以前または以降に、前記金属箔にエッチングレジストを積層する段階をさらに含み、
前記(B)段階は、(B1)前記エッチングレジストをパターニングして開口部を形成する段階と、
(B2)前記エッチングレジストの前記開口部を介して露出された前記金属箔を選択的にエッチングしてパターニングすることにより、前記メッシュパターンからなる前記検出電極を形成する段階と、
を含むことを特徴とする請求項8に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項14】
前記エッチングレジストはドライフィルムであり、
前記(B1)段階は、前記ドライフィルムにアートワークフィルムを配置する段階と、
前記ドライフィルムを露光して選択的に硬化させる段階と、
前記ドライフィルムから硬化された部分を除いた部分を除去することにより前記ドライフィルムをパターニングして開口部を形成する段階と、
を含むことを特徴とする請求項13に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項15】
前記金属箔に前記エッチングレジストを積層する段階において、
前記エッチングレジストはドライフィルムであって、
前記ドライフィルムの一面が前記金属箔に接触する際、前記ドライフィルムの他面には保護層が備えられることを特徴とする請求項13に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項1】
シリコンからなる透明基板と、
前記透明基板の一面または両面に金属のメッシュパターンからなる検出電極と、
を含むことを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記シリコンは、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane)、ポリメチルヒドロシロキサン(Polymethylhydrosiloxane)、ポリメチルフェニルシロキサン(Polymethylphenylsiloxane)及びポリジフェニルシロキサン(Polydiphenylsiloxane)からなる群から選ばれる何れか一つであることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記シリコンからなる前記透明基板は粘着性を有することを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記検出電極は、銅箔がメッシュパターンにパターニングされて形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記検出電極の表面には黒化処理が施されることを特徴とする請求項4に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記検出電極の外部には電極配線が形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記検出電極と前記電極配線は、一体に形成されることを特徴とする請求項6に記載のタッチパネル。
【請求項8】
(A)シリコンからなる透明基板の一面または両面に金属箔を積層する段階と、
(B)前記金属箔を選択的にパターニングしてメッシュパターンからなる検出電極を形成する段階、と
を含むことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項9】
前記(A)段階における前記シリコンは、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane)、ポリメチルヒドロシロキサン(Polymethylhydrosiloxane)、ポリメチルフェニルシロキサン(Polymethylphenylsiloxane)及びポリジフェニルシロキサン(Polydiphenylsiloxane)からなる群から選ばれる何れか一つであることを特徴する請求項8に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項10】
前記(A)段階における前記金属箔は銅箔であることを特徴とする請求項8に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項11】
前記(A)段階以前に、前記銅箔の表面に黒化処理を施す段階をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項12】
前記(A)段階における前記シリコンからなる前記透明基板は粘着性を有することを特徴とする請求項8に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項13】
前記(A)段階の以前または以降に、前記金属箔にエッチングレジストを積層する段階をさらに含み、
前記(B)段階は、(B1)前記エッチングレジストをパターニングして開口部を形成する段階と、
(B2)前記エッチングレジストの前記開口部を介して露出された前記金属箔を選択的にエッチングしてパターニングすることにより、前記メッシュパターンからなる前記検出電極を形成する段階と、
を含むことを特徴とする請求項8に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項14】
前記エッチングレジストはドライフィルムであり、
前記(B1)段階は、前記ドライフィルムにアートワークフィルムを配置する段階と、
前記ドライフィルムを露光して選択的に硬化させる段階と、
前記ドライフィルムから硬化された部分を除いた部分を除去することにより前記ドライフィルムをパターニングして開口部を形成する段階と、
を含むことを特徴とする請求項13に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項15】
前記金属箔に前記エッチングレジストを積層する段階において、
前記エッチングレジストはドライフィルムであって、
前記ドライフィルムの一面が前記金属箔に接触する際、前記ドライフィルムの他面には保護層が備えられることを特徴とする請求項13に記載のタッチパネルの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−4076(P2013−4076A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183456(P2011−183456)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
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